JP2006234926A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高濃度のトナー画像を得ることができ、更に、多数枚プリントしても機内汚れが発生せず、かぶりや文字の中抜けが無い優れた静電荷像現像用トナー及びその製造方法の提供。
【解決手段】 樹脂と着色剤とを含有し、湿式造粒法により得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
従来より、電子写真、静電記録及び静電印刷等における静電荷像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナー(以下、トナーともいう)は、カーボンブラック等の着色剤を熱可塑性樹脂中に混合溶融混練して一様な分散体にした後、適当な微粉砕装置によってトナーとして必要な粒径の粉末に粉砕する、いわゆる粉砕法により製造されてきた。
しかしながら、近年、製造コストの低減や高画質化の観点から粉砕法に代わり、小粒径で比較的粒径の揃った樹脂粒子を得ることが可能な、懸濁重合法、乳化重合凝集法、乳化分散法等で粒子を形成する湿式造粒法が注目されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
懸濁重合法は、重合性単量体、重合開始剤及び着色剤等を成分とする重合組成物を分散媒体中に懸濁し、重合することによって造粒を行うものである。又、乳化重合凝集法は、重合性単量体、重合開始剤等を成分とする重合組成物を分散媒体中に乳化し、重合することによって造粒した微小樹脂粒子を着色剤、ワックス等と乳化状態で凝集させ、所望の造粒を行うものである。乳化分散法は、結着樹脂と着色剤とを適当な有機溶剤に溶解ないしは分散して着色樹脂溶液とし、これを水性分散液に加えて激しく攪拌することにより、樹脂溶液の液滴を形成させ、そして加熱して液滴から有機溶剤を除去することにより造粒を行うものである。
湿式造粒法によれば、概して小粒径のトナー粒子を形成することが容易であることから高画質化に充分対応することが可能である。又、収率も良好である。
特に懸濁重合法や乳化重合凝集法は樹脂自体を合成するのと同時にトナー化するため、乳化分散法に比較してエネルギー的に有利である。
又、優れた正帯電特性を示すため、少なくとも1つの有機基(芳香族基又はC1〜C20のアルキル基)が結合した改質着色剤粒子とスチレン系ポリマーに基づく樹脂の粒子を含有するトナーが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特公昭51−14895号公報 特開2001−363821号公報 特開2002−91061号公報 特表2001−511543号公報
しかし、上記の湿式法で作製したトナーを小粒径化していくと着色剤が凝集し隠蔽効果が低下するため、高濃度のトナー画像を得るには着色剤を多量に含有させる必要があった。着色剤を多量に含有させるとトナーの帯電量が低下してしまい、多数枚プリントを行うとトナー画像の濃度が低下したり、高温高湿条件下(例えば、30℃、80%RH)でプリントすると画像品質が低下するという問題が発生した。
又、上記改質着色剤粒子は、水及び樹脂中、或いはその何れかとの分散性が劣り、高濃度のトナー画像を得るには多量添加する必要があった。着色剤をトナー粒子中に多量に含有すると着色剤の凝集量が増えたり、着色剤がトナー粒子表面に露出したりしてトナーの帯電量が低下した。そのため、高温高湿条件下(例えば、30℃、80%RH)で多数枚プリントすると画像品質(画像濃度、かぶり、文字の中抜け)が低下する問題があった。更に、トナー粒子表面に露出した着色剤はその表面から離脱し、感光体表面や現像剤のキャリア表面を汚染した。感光体やキャリア表面が汚染されると、トナー粒子を均一に帯電させる能力が低下し、結果としてトナーが飛散するという問題が発生した。
本発明は、上記課題を鑑みなされたもので、従来技術と同量の着色剤量で高濃度のトナー画像を得ることができ、或いは従来技術より少量の着色剤量で同濃度のトナー画像を得ることができ、更に、多数枚プリントしてもトナー飛散による機内汚れが発生せず、かぶりや文字の中抜けが無い優れたトナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の課題は、下記構成を採ることにより達成できる。
(請求項1)
樹脂と着色剤とを含有し、湿式造粒法により得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(請求項2)
樹脂粒子と着色剤の粒子とを含む水性分散液に凝集剤を添加して、該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、融着して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項3)
樹脂と着色剤とを含有するコア部の表面にシェル層を形成してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項4)
樹脂粒子と着色剤の粒子とを含む水性分散液に凝集剤を添加して、該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、融着して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項5)
ラジカル重合性単量体と着色剤の粒子とを含む分散液を水系媒体中に乳化させた後、重合して微小粒子を作製し、該微小粒子を凝集させた後、融着して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックを用いたことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項6)
樹脂を溶解した溶液に着色剤の粒子を分散して得られる分散液を、水系媒体中に添加して粒子作製して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項7)
前記疎水性の有機基が、硫黄原子でカーボンブラックに結合されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項8)
前記疎水性の有機基が、炭素原子でカーボンブラックに結合されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項9)
樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、該着色剤として疎水性の有機基を有するカーボンブラックを用い、湿式造粒する工程を経て製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項10)
前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを含む水性分散液に凝集剤を添加し、樹脂粒子とカーボンブラックとを凝集する工程、融着する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項11)
前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを含有するコア部の表面に、シェル層を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項12)
樹脂粒子と前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを含有する水性分散液に凝集剤を添加し、樹脂粒子とカーボンブラックとを凝集する工程、融着する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項13)
ラジカル重合性単量体と前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを含有する分散液を水系媒体中に乳化して微粒子を形成する工程、該微粒子を重合して小粒子を形成する工程、該小粒子を凝集、融着する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項14)
結着樹脂を溶解した溶液に前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを分散して分散液を形成する工程、該分散液を水系媒体中に添加して粒子を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明のトナー及びその製造方法は、従来技術と同量の着色剤量で高濃度のトナー画像を得ることができ、或いは従来技術より少量の着色剤の量で同濃度のトナー画像を得られ、多数枚プリントしてもトナー飛散による機内汚れが発生せず、画像濃度低下、かぶりや文字の中抜けが無い優れた効果を有する。
公知のカーボンブラックを用いて湿式造粒法(例えば、乳化重合法、懸濁重合法、乳化分散凝集法)でトナーを作製すると、トナー粒子中でのカーボンブラックの分散性が悪いため、トナー粒子中でカーボンブラックが凝集したり、偏在したり、或いはトナー粒子表面に露出してしまう。
トナー粒子中でカーボンブラックが凝集したり、偏在したりしていると高濃度のトナー画像が得られにくいため、高濃度のトナー画像を得るためにカーボンブラック含有量を多くしたトナーを用いなければならない。
カーボンブラックの含有量を多くすると、トナー粒子中でカーボンブラック同士が凝集したり、偏在したり、表面に露出するカーボンブラックの量が多くなったりして、安定した帯電量が得られず、多数枚プリントすると画像濃度が低下したり、かぶりや文字中抜けが発生する。
又、トナー粒子表面にカーボンブラックが露出していると、プリント中に、露出しているカーボンブラックが離脱し、感光体表面や現像剤として用いるキャリアの表面を汚染する。特に、キャリア表面がカーボンブラックで汚染されるとトナー粒子との摩擦帯電能が損なわれ、現像剤中に帯電不良のトナー粒子が存在するようになり、帯電不良のトナー粒子が現像器から飛散し、トナー飛散による機内汚れが発生する。
本発明者等は、湿式造粒法でトナーを作製するとき、水中及び/或いは樹脂中で良好な分散性を有するカーボンブラックについて検討を行った。
検討の結果、疎水性の有機基を有するカーボンブラック(以下、本発明に係るカボンブラックともいう)が、ことのほか水中及び/或いは樹脂中でカーボンブラック同士が凝集したり偏在せず均一に分散していることを見出した。
本発明者等は、湿式造粒法でトナーを作製するとき、本発明に係るカーボンブラックを着色剤として用いると、少量の着色剤量で高濃度のトナー画像が得られ、多数枚プリントしても画像濃度低下が少なく、かぶりや文字の中抜けが無く、トナー飛散による機内汚れも発生しない優れた特性を有することを見出した。
疎水性の有機基を有するカーボンブラックが、水中及び/或いは樹脂中でカーボンブラック同士が凝集したり偏在せず均一に分散できるのは、カーボンブラック中の疎水性の有機基が界面活性剤的な効果を有するためと推測される。
この様な界面活性剤的な効果を有する疎水性の有機基を有するカーボンブラックを着色剤として用い、湿式造粒法で得られたトナーは、以下のような優れた特性を有する。
(a)カーボンブラックがトナー中で凝集せず良好に分散しているので、カーボンブラックの隠蔽力が有効に発揮できるので高濃度のトナー画像が得られる。
(b)カーボンブラックが樹脂で覆われているので、カーボンブラックの吸湿、離脱による帯電量変化が少く、かぶりや画像濃度低下(変化)が少ない。
(c)トナー粒子各々に、均一にカーボンブラックが含有されているので、帯電量が均一になり、感光体上に均一な文字画像が形成され、文字画像の全面から良好に転写できるので、中抜けが発生しない。
(d)カーボンブラックが樹脂に覆われていてトナー粒子からカーボンブラックが離脱しないので、離脱したカーボンブラックにより感光体表面や現像剤のキャリア表面が汚染されず、トナーが常に安定した帯電量を維持できるので、多数枚プリントしても現像剤中からトナーが飛散せず、結果として機内汚染が発生しない優れた性能を有する。
図1は、文字画像の中抜けの一例を示す図である。
図1の(a)は中抜けの無い正常な画像であり、(b)は中抜けの発生した問題画像である。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔着色剤〕
本発明のトナーは、樹脂と着色剤を含有し、該着色剤が本発明に係るカーボンブラックであることを特徴としている。
本発明に係るカーボンブラックは、疎水性の有機基が硫黄原子或いは炭素原子で結合されているものが好ましい。
疎水性の有機基が硫黄原子或いは炭素原子で結合されているカーボンブラックは、例えば、スルホン基を有する或いはジアゾ基を有する疎水性の有機基とカーボンブラックを反応さて得らる。
本発明のトナーは、本発明に係るカーボンブラックを、トナー粒子全体に対して、1〜20質量部含有することが好ましく、2〜15質量部含有することがより好ましい。
尚、本発明に係るカーボンブラックは、分散性が良く隠蔽力が良好なので公知のカーボンブラックより少量の含有で高濃度のトナー画像を形成することができる。
本発明に係るカーボンブラックは、一次粒子が凝集した二次粒子の形で存在している。そのためにまず、一次粒子の粒径(一次粒径:カーボンブラック合成時の結晶として生成した時の粒径)の小さいものを使用することが好ましい。一次粒径は20nm以下のものが分散性の点から好ましい。
そして樹脂や水溶液中で高せん断をかけることにより二次粒子の粒径(二次粒径:凝集した粒子の粒径)をできるだけ一次粒径に近付けて用いることが好ましい。
カーボンブラックの分散機としてはボールミルやビーズミル等の媒体の衝突力を利用したものや超音波で分散させる装置、ディスクや攪拌羽が高速に回転することによるせん断力を利用するもの等がある。この中でも特に、分散主要部が対向する二枚のリング状ディスクで構成されており、一枚は高速回転し、もう一枚は背面より複数本のスプリングとエアー加圧により背圧力を負荷できる機能を有し、かつ回転ディスクにはスパイラルグルーブ(放射状の溝)が付設されている分散機を使用することが好ましい。
着色剤は、本発明の係るカーボンブラックの他に、有機又は無機の着色剤を混合して用いることができる。
トナー粒子中でのカーボンブラックの分散状態は、電子顕微鏡を用いて観察することができる。
具体的には、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、40,000倍で3ヶ所、場所を変えて写真を撮り、画像をパソコンに取り込み、画像処理してカーボンブラックの状態を観察し、凝集、偏在、露出、均一分散性を判断することができる。
〔樹脂〕
本発明に用いられる樹脂は、特に限定されず公知のものを用いることができる。
コア部、シェル層を形成するのに用いられる樹脂としては、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られた重合体を用いることができる。
本発明に用いられる樹脂は少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
〔トナー粒子の構造〕
本発明に係るトナー粒子は、トナー粒子中に着色剤と樹脂を有していればよい。具体的には、本発明に係るカーボンブラックをトナー粒子中に含有する構造のもの、或いは本発明に係るカーボンブラックを含有するコア部の表面をシェル層で被覆したコア・シェル構造のものでもよい。
図2は、着色剤が、トナー粒子中に均一に分散している状態の一例を示す模式図である。
図3は、着色剤が、コア・シェル構造のコア部に均一に分散している状態の一例を示す模式図である。
図4は、着色剤が、トナー粒子中に凝集、偏在、或いはトナー粒子表面に露出している状態の一例を示す模式図(比較例)である。
図2〜4において、1は良好な分散状態の着色剤、2は凝集状態の着色剤、3は表面に露出している着色剤、5は樹脂、10はコア部、20はシェル層、30はトナー粒子を示す。
本発明に係るカーボンブラックを用いてトナー粒子を作製すると、図2、3に示すように着色剤であるカーボンブラックがトナー粒子中に均一に分散している。
一方、公知のカーボンブラックを用いてトナー粒子を作製すると、図4に示すように着色剤であるカーボンブラックがトナー粒子中で凝集したり、偏在したり、或いはトナー粒子表面に露出している。
〔トナーの製造方法〕
本発明に係るトナーの製造方法は、湿式造粒法(例えば、乳化重合法、懸濁重合法、乳化重合分散法、乳化分散凝集法)によりトナー粒子の分散液を作製し、その後、濾過、洗浄処理、乾燥の工程を経てトナー粒子を作製し、該トナー粒子に必要に応じ外添剤を添加する方法である。
先ず、湿式造粒法によるトナー粒子の製造方法について説明する。
(乳化重合法)
乳化重合法によるトナー粒子の製造では、乳化重合により得られる樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液を凝集塩の存在下、凝集してトナー粒子化する方法、離型剤を内包した樹脂粒子分散液と着色剤分散液を凝集してトナー粒子化する方法、又は着色剤を内包した樹脂粒子分散液と離型剤分散液を凝集してトナー粒子化する方法がある。
着色剤を樹脂粒子に内包させるためには、樹脂合成の途中で、着色剤を重合性モノマーに溶解し、それを界面活性剤水溶液中で乳化させエマルジョンを形成する過程を経る。
本発明に用いられる樹脂としては、一般的な樹脂が使用可能であり、具体的にはポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アルキッド樹脂、フェノキシ樹脂等が使用される。これらの内、特にポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル樹脂がトナー用として有用である。
本発明に用いられる樹脂粒子の粒径は、体積基準のメディアン粒径(D50)が0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。粒径は、乳化の際の使用有機溶剤、固形分濃度、その他回転数、温度、界面活性剤の添加量等の乳化条件により制御することが可能である。
(懸濁重合法)
懸濁重合法によるトナー粒子の製造では、重合性単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、着色剤、及び必要に応じて添加される荷電制御剤、磁性粉、オフセット防止剤等の添加剤からなる重合組成物と樹脂粒子を分散媒体中にホモジナイザーで懸濁して油滴分散粒子を形成する。そして、加熱して重合を行う方法が採用される。
(乳化重合凝集法)
乳化重合凝集法によるトナー粒子の製造では、重合性単量体、重合開始剤、連鎖移動剤を乳化分散して重合した乳化重合体と樹脂粒子及び着色剤、荷電制御剤、磁性粉、オフセット防止剤等の添加剤を乳化分散させ、共に凝集、融合してもよいし、又乳化した荷電制御剤、オフセット防止剤等の添加剤の存在下で重合性単量体をシード乳化重合することにより樹脂粒子を得、樹脂粒子及び着色剤や磁性粉と共に凝集、融合してもよい。
(乳化分散凝集法)
乳化分散凝集法によるトナー粒子の製造では、結着樹脂を有機溶剤に溶解した溶液を転相乳化して乳化重分散液を調製し、樹脂粒子及び着色剤、荷電制御剤、磁性粉、オフセット防止剤等の添加剤を凝集、融合してもよいし、又結着樹脂に着色剤と荷電制御剤、オフセット防止剤等の添加剤を添加したものを有機溶剤に溶解した溶液を転相乳化して得られた結着樹脂粒子を本発明に用いられる樹脂粒子と共に凝集、融合してもよい。又、本発明に用いられる樹脂粒子だけを着色剤、荷電制御剤、磁性粉、オフセット防止剤等の添加剤とともに凝集、融合してもよい
次に、具体的に懸濁重合、乳化重合について詳細に説明する。
本発明に係るトナー粒子は、懸濁重合法又は、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合させることにより、微粒の樹脂粒子(重合粒子ともいう)を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合(凝集、融着)させる乳化会合法により製造することが好ましい。
又、重合時には、上記の重合開始剤を目的に応じて使い分けて、特定の範囲のガラス転移温度や軟化温度を示す重合体を含む樹脂を合成できる。
会合の際には、トナー粒子の構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などが挙げられる。ここで会合とは樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
尚、懸濁重合、乳化重合においては水系媒体を用いるのが好ましく、水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
即ち、例えば懸濁重合法においては、重合性単量体中に着色剤や、必要に応じて離型剤、荷電制御剤、更に重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解或いは分散させる。この各種構成材料が溶解或いは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、更に乾燥してトナー粒子を調製する。
又、本発明に係るトナー粒子を製造する方法としては、樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは融着させて調製して、コア部の形成を行わせる方法(コア部の形成時には、着色剤が共存していてもよいし、共存していなくてもよい)を挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。即ち、例えば上記のようにして乳化剤を用いて乳化重合した樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、或いは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、更に加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することによりトナーを形成する方法がある。尚、上記融着粒子の形成において凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
本発明においては、前記乳化重合により調製される樹脂粒子として多段重合法により得られる、多層構造を有する複合樹脂粒子を用いることが好ましい。本発明においては、該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集剤により凝集/融着する工程を経てトナーを得る(ここで、当該業者公知の外添剤を用いる場合もあるし、用いない場合もある、用いない場合はトナー粒子がそのまま、トナー粒子として使用される)ことが好ましい。
特に、二段重合法により得られる複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを凝集/融着する工程を経て得られるトナー粒子の場合には、前記複合樹脂粒子が、ピーク又はショルダー分子量が100,000〜1,000,000の高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、ピーク又はショルダー分子量が1,000〜50,000の低分子量樹脂から形成される外層(殻)とを有しており、前記中心部(核)に離型剤が含有されていることが好ましい。
又、三段重合法により得られる複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを凝集/融着して得られるトナーの場合には、前記複合樹脂粒子は、ピーク又はショルダー分子量が100,000〜1,000,000の高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、ピーク又はショルダー分子量が25,000〜150,000の樹脂から形成される中間層と、ピーク又はショルダー分子量が1,000〜50,000の低分子量樹脂から形成される外層(殻)とを有し、前記中間層に離型剤が含有されていることが好ましい。
本発明に係るコア部には、多層構造を有する「複合樹脂粒子」が好ましく用いられるが、ここで、前記複合樹脂粒子とは、樹脂からなる核粒子の表面を覆うように、当該核粒子を形成する樹脂とは分子量及び/又は組成の異なる樹脂からなる1又は2以上の被覆層が形成されている、いわゆる多層構造を有する樹脂粒子をいうものとする。
又、複合樹脂粒子の「中心部(核)」とは、複合樹脂粒子を構成する「核粒子」をいう。
又、複合樹脂粒子の「外層(殻)」とは、複合樹脂粒子を構成する「1又は2以上の被覆層」の内最外層をいう。
又、複合樹脂粒子の「中間層」とは、中心部(核)と外層(殻)の間に形成される被覆層をいうものとする。
ここで、上記の外層(殻)は、あくまでも複合樹脂粒子の外層であって、トナー粒子の最表面層ではない。トナー粒子の最表面層は、複合樹脂粒子の外層表面に更にシェリング操作により、シェル形成されたものである。シェルは、一層でも多層構成でもよい。
複合樹脂粒子の分子量分布は単分散ではなく、又、複合樹脂粒子は、通常、その中心部(核)から外層(殻)にかけて分子量勾配を有している。
又、本発明において、複合樹脂粒子を得るための「多段重合法」とは、単量体(n)を重合処理(第n段)して得られた樹脂粒子(n)の存在下に、単量体(n+1)を重合処理(第n+1段)して、当該樹脂粒子(n)の表面に、単量体(n+1)の重合体(樹脂粒子(n)の構成樹脂とは分散及び/又は組成の異なる樹脂)からなる被覆層(n+1)を形成する方法をいうものとする。
ここに、樹脂粒子(n)が核粒子である場合(n=1)には、「二段重合法」となり、樹脂粒子(n)が複合樹脂粒子である場合(n≧2)には、三段以上の多段重合法となる。
本発明において、「凝集/融着」とは、粒子の凝集と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、又は、凝集と融着とを同時に起こさせてもよい。
ここで、凝集とは、ラテックス粒子の分散安定性を低下させて、粒子同士が集まることを示し、熱による融着は、凝集には含まれない。即ち、凝集しても、粒子一つ一つの外形をとどめている状態である。
又、融着とは、熱の付与によりラテックス粒子を構成する樹脂が軟化し、粒子同士がくっつきあい、粒子同士の界面が消失する状態を表している。
凝集と融着とを同時に行わせるためには、複合樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子(複合樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させる必要がある。
多段重合法によって得られる複合樹脂粒子中には、組成及び/又は分子量が異なる複数の樹脂が存在することになる。従って、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集/融着させることにより得られるトナー粒子は、トナー粒子間において、組成、分子量、表面特性のバラツキが極めて小さい。
次に、本発明のトナーの作製に用いられる材料について説明する。
《連鎖移動剤》
複合樹脂粒子を構成する樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
《重合開始剤》
本発明に用いられる重合開始剤について説明する。
複合樹脂粒子を得るためのラジカル重合開始剤は、水溶性のラジカル重合開始剤であれば適宜使用することができる。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に、上記のラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とすることができる。レドックス系開始剤を用いることにより、重合活性が上昇して重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であれば特に限定されないが、例えば50〜90℃の範囲とされる。但し、過酸化水素と還元剤(アスコルビン酸等)との組み合わせなどの常温開始の重合開始剤を用いることにより、室温又はそれ以上の温度で重合することも可能である。
《界面活性剤》
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
又、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
複合樹脂粒子の質量平均粒径(分散粒子径)は、10〜1000nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは30〜300nmの範囲とされる。
この質量平均粒径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定された値である。
トナーを構成する樹脂成分(複合樹脂粒子により導入される樹脂)のガラス転移温度(Tg)は48〜74℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは52〜65℃である。又、当該樹脂成分の軟化温度は95〜140℃の範囲にあることが好ましい。
《着色剤》
着色剤としては、疎水性の有機基を有するカーボンブラックを用いる。しかし、本発明に係るカーボンブラックに公知の着色剤を必要に応じ選択併用しても良い。又、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
《離型剤》
離型剤としては、公知のワックス、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を用いることができ、好ましい離型剤としては下記一般式で表されるエステル系化合物を挙げることができる。
一般式
1−(OCO−R2n
式中、nは1〜4の整数を表し、好ましくは2〜4、より好ましくは3〜4であり、特に好ましくは4である。
1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
1:炭素数=1〜40、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜5
2:炭素数=1〜40、好ましくは16〜30、より好ましくは18〜26
トナー粒子に含有される離型剤の含有量は、トナー粒子全体に対し1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜15質量%が更に好ましい。
《外添剤》
本発明のトナーは、上記トナー粒子をそのまま用いることもできるが、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤をトナー粒子に混合して使用しても良い。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては必要に応じて疎水化処理したものを用いても良い。具体的なシリカ微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
又、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
これら外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
《滑剤》
本発明のトナーには、上記トナー粒子をそのまま用いることもできるが、必要に応じてクリーニング性、転写性の向上の目的でトナー粒子に滑剤を混合して用いても良い。滑剤としては、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これら滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
次に、本発明のトナーを用いて画像形成するときに用いる現像剤について説明する。
本発明のトナーは、一成分現像剤、非磁性一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れにも使用することができる。又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子に代表される従来から公知の材料を用いることができるが、特に好ましくはフェライト粒子もしくはマグネタイト粒子である。上記キャリアの体積平均粒径は15〜100μmのものが好ましく、20〜80μmのものがより好ましい。
キャリアの体積基準のメディアン粒径(D50)の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)を用いて測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているコーティングキャリア、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
又、キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=1:1〜50:1の範囲が好ましい。
次に、本発明に用いられる画像形成方法について説明する。
本発明のトナーは、トナー像が形成された転写材を、定着装置を構成する加熱部材間を通過させて定着する接触型定着方式の画像形成装置に好適に使用される。
図5は、本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
図5において、1は半導体レーザ光源、2はポリゴンミラー、3はfθレンズ3、4は感光体ドラム、5は帯電器、6は現像器、7は転写器、9は分離器(分離極)、Pは転写材、10は定着装置、11はクリーニング器、12は帯電前露光(PCL)、13はクリーニングブレードを示す。
感光体ドラム4はアルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)を形成してなるものである。
図2において、図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2により、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静電潜像を作る。感光体ドラム4は、予め帯電器5により一様帯電され、像露光のタイミングに合わせて時計方向に回転を開始している。
感光体ドラム面上の静電潜像は、現像器6により現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬送されてきた転写材Pに転写器7の作用により転写される。更に感光体ドラム4と転写材Pは分離器(分離極)9により分離されるが、現像像は転写材Pに転写担持されて、定着装置10へと導かれ定着され、装置外へ搬出される。
感光体面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電される。
本発明に用いられる転写材とは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写体或いは転写紙と通常呼ばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
又、クリーニングブレード13は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウレタンゴムが最も良く用いられる。これは感光体に圧接して用いられるため熱を伝え易いので解除機構を設け、画像形成動作を行っていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。尚、特に断りない限り、実施例中の「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を表す。
《カーボンブラックの作製》
〈カーボンブラックAの作製〉
微細に粉砕したジステアリルジスルフィド20gを、水と混合して水溶液を作製した。この水溶液を、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)100g上に添加し、煮沸して水分を除去した。その後、250℃の炉温度で5時間固体反応を行った。この固体反応物をアセトンで洗浄後、100℃で8時間乾燥し、ステアリルスルフィド基を有する「カーボンブラックA」を作製した。
〈カーボンブラックBの作製〉
カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)3g、ラジカル発生剤として2,2’−アゾビス−2−メチルブタン0.2g(0.001モル)、イソアミルアルコール50mlを還流冷却管を付けた200mlの三つ口フラスコに投入し、これを窒素雰囲気下で加熱し、徐々に液温を上昇して還流しながら攪拌し、8時間毎に上記のラジカル発生剤の水溶液を滴下ロートにより0.001モルずつ2度にわたって滴下した後、更に24時間反応した。これを濾過し、アセトンを溶媒に用いたソックスレー抽出により未反応物と副生成物を除去して、上記のラジカル発生剤の分解によって発生した2−メチルブタン基を有する「カーボンブラックB」を作製した。
〈カーボンブラックCの処方〉
N−ドデシル−マレイン酸アミド2gをトルエン150ml中に溶解し、その中にカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)10gを添加し懸濁液を作製した。この懸濁液を還流下で4時間煮沸した。その後、吸引濾過し、アセトンで洗浄後、105℃で8時間乾燥してドデシル基を有する「カーボンブラックC」を作製した。
《着色剤分散液の調製》
〈着色剤分散液1の調製〉
循環経路を有する機械式分散機「クリアミックス(CLEAMIX)」(エム・テクニック社製)を用いて下記化合物を分散処理して「着色剤分散液1」を調製した。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオゲンSC」(第一工業製薬社製)10部
「カーボンブラックA」 25部
蒸留水 180部
〈着色剤分散液2の調製〉
着色剤分散液1の調製で用いた「カーボンブラックA」を「カーボンブラックB」に変更した以外は同様にして「着色剤分散液2」を調製した。
〈着色剤分散液3の調製〉
着色剤分散液1の調製で用いた「カーボンブラックA」を「カーボンブラックC」に変更した以外は同様にして「着色剤分散液3」を調製した。
〈着色剤分散液4の調製〉 比較例
着色剤分散液1の調製で用いた「カーボンブラックA」をカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)に変更した以外は同様にして「着色剤分散液4」を調製した。
表1に、上記で調製した着色剤分散液の詳細を示す。
尚、表中の着色剤分散液中の着色剤の平均粒径は、動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)を用いて測定した値である。
Figure 2006234926
《重合体粒子分散液の作製》
〈重合体粒子分散液1の作製〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、蒸留水450部、ドデシル硫酸ナトリウム0.56部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1%過硫酸カリウム水溶液120部を添加した。次に、下記組成の「モノマー混合液1」を1.5時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結した。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、重合体1からなる乳白色の「重合体粒子分散液1」を作製した。この粒子の平均粒径は、120nmであった。尚、平均粒径は動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定した値である。
(モノマー混合液1)
スチレン 120部
アクリル酸ブチル 38部
メタクリル酸 13部
n−オクチルメルカプタン 3部
〈重合体粒子分散液2の作製〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、蒸留水450部、ドデシル硫酸ナトリウム0.56部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1%過硫酸カリウム水溶液120部を添加した。次に、下記組成の「モノマー混合液2」を1.5時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結した。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、重合体2からなる乳白色の「重合体粒子分散液2」を作製した。この重合体粒子の平均粒径は110nmであった。
(モノマー混合液2)
スチレン 125部
アクリル酸ブチル 40部
メタクリル酸 10部
n−オクチルメルカプタン 4部
〈重合体粒子分散液3の作製〉
(ラテックスAの作製)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlの反応釜にアニオン系界面活性剤C1021(OCH2CH220SO3Na 7.08gをイオン交換水3010gに溶解した界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下攪拌しながら、反応釜内の温度を80℃に昇温した。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解した重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、アクリル酸ブチル19.9g、メタクリル酸10.9g、t−ドデシルメルカプタン10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、トナー粒子の中心部となる「ラテックスA」(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を作製した。このラテックスの平均粒径は、60nmであった。
(ラテックスBの作製)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内のスチレン105.6g、アクリル酸ブチル30.0g、メタクリル酸6.2g、t−ドデシルメルカプタン5.6gからなる単量体混合液に、結晶性物質として「WEP−5」(日本油脂社製)98.0gを添加し、80℃に加温し溶解して単量体溶液を調製した。
一方、上記アニオン系界面活性剤1.6gをイオン交換水2700mlに溶解した界面活性剤溶液を82℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記「ラテックスA」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クリアミックス(CLEAMIX)」(エム・テクニック社製)により、「WEP−5」(日本油脂社製)の単量体溶液を0.5時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解した開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を82℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(2段重合)を行い、中心部の上に中間層を設けた「ラテックスB」(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面に中分子量樹脂を被覆した樹脂粒子の分散液)を作製した。
(ラテックスCの作製)
上記のようにして得られた「ラテックスB」に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解した開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、アクリル酸ブチル95g、メタクリル酸15.3g、t−ドデシルメルカプタン10.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、中心部の上に中間層、さらに外層を設けた「ラテックスC」(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面に中分子量樹脂を被覆し、さらに低分子量樹脂からなる樹脂を被覆した樹脂粒子の分散液)を作製した。この「ラテックスC」を「重合体粒子分散液3」とする。このラテックスの平均粒径は130nmであった。
(重合体粒子分散液4の調製)
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、蒸留水450部、ドデシル硫酸ナトリウム0.56部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80℃に昇温した後、これに1%過硫酸カリウム水溶液120部を添加した。次に、下記組成の「モノマー混合液4」を循環経路を有する機械式分散機「クリアミックス(CLEAMIX)」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより均一に混合した。この溶液を1.5時間かけて添加した後、更に2時間保持し重合を完結した。重合反応終了後、内容物を室温まで冷却し、重合体4からなる乳白色の「重合体粒子分散液4」を作製した。この粒子の平均粒径は、140nmであった。
〈モノマー混合液4〉
スチレン 120部
アクリル酸ブチル 38部
メタクリル酸 13部
n−オクチルメルカプタン 3部
《ワックス粒子分散液の調製》
蒸留水680部、「カルナバワックス」(セラリカ野田社製)180部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム「ネオゲンSC」(第一工業製薬社製)17部を混合し、高圧せん断をかけて乳化分散させ「ワックス粒子分散液」を調製した。このワックス粒子の平均粒径は、110nmであった。尚、平均粒径は動的光散乱粒度分布測定装置「ELS−800」(大塚電子工業社製)で測定した値である。
《トナー粒子の作製》
〈トナー粒子1の作製〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、下記組成を仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。攪拌しながら50℃に昇温し、次に、これに50%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら60℃に昇温して0.5時間保持した後、80℃まで昇温して更に0.5時間保持した。次に20%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、濾過、洗浄処理を行った後、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が4.5μmの「トナー粒子1」を作製した。尚、体積基準のメディアン粒径(D50)は、コールターマルチサイザーII(コールタカウンタ社製)を用いて、アパチャーチューブ50μmを用いて測定した値である。
(組成)
「重合体粒子分散液1」 240部(固形分)
「ワックス粒子分散液」 30部(固形分)
「着色剤分散液1」 15部(固形分)
アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製) 5部
蒸留水 240部
〈トナー粒子2の作製〉
「トナー粒子1」の作製において、「着色剤分散液1」の添加量を15部(固形分)から20部(固形分)に変更した以外は同様にして、体積基準のメディアン粒径(D50)が4.5μmの「トナー粒子2」を作製した。
〈トナー粒子3の作製〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、下記組成を仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。攪拌しながら50℃に昇温し、次に、これに50%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら60℃に昇温して0.5時間保持した後、70℃まで昇温して更に0.5時間保持してコア部を形成した。このコア部の体積基準のメディアン粒径(D50)は4.5μmであった。
(組成)
「重合体粒子分散液2」 240部(固形分)
「ワックス粒子分散液」 30部(固形分)
「着色剤分散液2」 20部(固形分)
アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製) 5部
蒸留水 240部
次に温度を50℃に冷却した後、「重合体粒子分散液3」を30部添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持してシェル層を形成した。その後、内容物を室温まで冷却し、溶液の濾過、洗浄処理を行い、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が4.8μmの「トナー粒子3」を作製した。
〈トナー粒子4の作製〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、下記組成を仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら70℃に昇温して0.5時間保持した後、75℃まで昇温して更に0.5時間保持してコア部を形成した。このコア部の体積基準のメディアン粒径(D50)は4.3μmであった。
(組成)
「重合体粒子分散液3」 240部(固形分)
「着色剤分散液2」 20部(固形分)
アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製) 5部
蒸留水 240部
次に、系内の温度を60℃まで冷却した後、「重合体粒子分散液2」を40部(固形分)添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持してシェル層を形成した。その後、内容物を室温まで冷却し、濾過、洗浄処理を行い、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が4.7μmの「トナー粒子4」を作製した。
〈トナー粒子5の作製〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、下記組成を仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら70℃に昇温して0.5時間保持した後、75℃まで昇温して更に0.5時間保持してコア部を形成した。このコア部の体積基準のメディアン粒径(D50)は4.3μmであった。
(組成)
「重合体粒子分散液3」 240部(固形分)
「着色剤分散液3」 24部(固形分)
アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製) 5部
蒸留水 240部
次に、系内の温度を60℃まで冷却した後、「重合体粒子分散液4」を40部(固形分)添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持してシェル層を形成した。その後、内容物を室温まで冷却し、濾過、洗浄処理を行い、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が4.6μmの「トナー粒子5」を作製した。
〈トナー粒子6の作製〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、下記組成を仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。次に、これに50%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら60℃に昇温して0.5時間保持した後、80℃まで昇温して更に0.5時間保持した。
(組成)
「重合体粒子分散液4」 240部(固形分)
「ワックス粒子分散液」 30部(固形分)
「着色剤分散液3」 20部(固形分)
アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製) 5部
蒸留水 240部
次に20%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持した。その後、内容物を室温まで冷却し、濾過、洗浄処理を行い、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が4.9μmの「トナー粒子6」を作製した。
〈トナー粒子7の作製〉
攪拌装置、冷却管、温度センサーを備えた反応器に、下記組成を仕込み、攪拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合分散液のpHを10.0に調整した。攪拌しながら50℃に昇温し、次に、これに50%塩化マグネシウム水溶液40部を添加した後、攪拌しながら60℃に昇温して0.5時間保持した後、70℃まで昇温して更に0.5時間保持してコア部を形成した。このコア部の体積基準のメディアン粒径(D50)は4.6μmであった。
(組成)
「重合体粒子分散液4」 240部(固形分)
「着色剤分散液3」 24部(固形分)
「ワックス粒子分散液」 30部(固形分)
アニオン性界面活性剤「ネオゲンSC」(第一工業薬品社製) 5部
蒸留水 240部
次に温度を50℃に冷却した後、「重合体粒子分散液4」を30部(固形分)添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持してシェル層を形成した。その後、内容物を室温まで冷却し、濾過、洗浄処理を行い、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が4.8μmの「トナー粒子7」を作製した。
〈トナー粒子8の作製〉
「TKホモミキサー」(特殊機化工業社製)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び原料・助剤仕込み装置を備えた反応フラスコに、イオン交換水325部とアニオン性界面活性剤「ニューコール220L」(日本乳化剤社製)10部をイオン交換水500部に溶解した溶液を仕込み、12000rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温して「水系連続相」を調製した。
次に、下記化合物からなる混合液を循環経路を有する機械式分散機「クリアミックス(CLEAMIX)」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより均一に混合し「単量体混合液」を調製した。
(化合物)
スチレン 83.0部
n−ブチルアクリレート 17.0部
ジビニルベンゼン 0.1部
2−メルカプトエチルオクタン酸エステル 3.0部
カーボンブラックC 6.0部
パラフィンワックス「NHP0190」(日本精蝋社製) 5.0部
Cr系染料「TRH」(保土ヶ谷化学社製) 2.0部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 6.0部
次いで、前記「水系連続相」中に上記「単量体混合液」を投入し、窒素気流下、80℃で「TKホモミキサー」(特殊機化工業社製)で10000rpmで10分間攪拌し、造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しながら、80℃で5時間反応させ、無水炭酸ナトリウム4部を系内に添加した後、更に2時間保持し重合を完結した。重合反応終了後、内容物を50℃まで冷却し、「重合体5」からなる乳白色の「重合体粒子分散液5」を作製した。
次に、「重合体粒子分散液1」を10部添加し、更に50%塩化マグネシウム水溶液1部を添加した後、80℃まで昇温して0.5時間保持した後、20%塩化ナトリウム水溶液120gを添加してから更に0.5時間保持して「懸濁重合粒子」を生成した。その後、内容物を室温まで冷却し、濾過、洗浄を行い、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が5.1μmの「トナー粒子8」を作製した。
〈トナー粒子9の作製〉
「トナー粒子8」の作製で用いた「カーボンブラックC」を「リーガル330R」に変更した以外は同様にして、体積基準のメディアン粒径(D50)が5.2μmの「トナー粒子9」を作製した。
〈トナー粒子10の作製〉
「トナー粒子1」の作製で用いた「着色剤分散液1」を「着色剤分散液4」に、添加量を15部から24部に変更した以外は同様にして、「トナー粒子10」を作製した。
〈トナー粒子11の作製〉
「トナー粒子1」の作製で用いた「着色剤分散液1」を「着色剤分散液4」に、添加量を15部から40部に変更した以外は同様にして、「トナー粒子11」を作製した。
〈トナー粒子12の作製〉
攪拌装置を取り付けたフラスコ内にスチレン120g、アクリル酸ブチル38g、メタクリル酸13g、n−オクチルメルカプタン3gからなる単量体混合液に、「カーボンブラックA」を14.2g添加し、60℃の加温しカーボンブラックに単量体を吸着した「カーボンブラックAの単量体溶液」を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤8.6gをイオン交換水2700mlに溶解した界面活性剤溶液を60℃に加熱し、この溶液に「カーボンブラックAの単量体溶液」を循環経路を有する機械式分散機「クリアミックス(CLEAMIX)」(エム・テクニック社製)により60分乳化分散させ、「カーボンブラックAを含有する分散液」を調製した。
次いで、この分散液に、重合開始剤(KPS)8.0gをイオン交換水240mlに溶解した開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加して、この系を80℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行い、カーボンブラック含有樹脂粒子の分散液を得た。このラテックスを「カーボンブラックA含有ラテックス」とする。
次いで、「カーボンブラックA含有ラテックス」1.84部(固形分)と、「ワックス粒子分散液」0.23部(固形分)とイオン交換水180部を、攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び原料・助剤仕込み装置を備えた反応フラスコに入れ攪拌した。内温を30℃に調製した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。次いで、塩化マグネシウム6水和物2.4部をイオン交換水200部に溶解した溶液を30℃にて10分間かけて添加した。その後、この系を6分間かけて90℃まで昇温した。その後塩化ナトリウム16部をイオン交換水200部に溶解した溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度85℃で2時間融着を継続した。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。その後、内容物を室温まで冷却し、濾過、洗浄処理を行い、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が4.9μmの「トナー粒子12」を作製した。
〈トナー粒子13の作製〉
前記「カーボンブラックA含有ラテックス」1.84部(固形分)と、「ワックス粒子分散液」0.23部(固形分)とイオン交換水180部を、攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び原料・助剤仕込み装置を備えた反応フラスコに入れ攪拌した。内温を30℃に調製した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。次いで、塩化マグネシウム6水和物2.4部をイオン交換水200部に溶解した溶液を30℃にて10分間かけて添加した。その後、この系を6分間かけて70℃まで昇温して1時間保持してコア部を形成した。このコア部の体積基準のメディアン粒径(D50)は4.5μmであった。
次に、この温度で「重合体粒子分散液3」を0.28部(固形分)添加し、80℃まで昇温して0.5時間保持した。その後塩化ナトリウム16部をイオン交換水200部に溶解した溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度80℃で2時間融着を継続した。その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止してシェル層を形成した。その後、内容物を室温まで冷却し、濾過、洗浄処理を行い、乾燥して体積基準のメディアン粒径(D50)が4.8μmの「トナー粒子13」を作製した。
〈トナー粒子14の作製〉
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に減圧状態で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応させた。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応して「イソシアネート含有プレポリマー」を得た。次いで、「イソシアネート含有プレポリマー」267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000の「ウレア変性ポリエステル」を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで減圧状態で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていない「ポリエステル」を得た。
次に、「ウレア変性ポリエステル」200部と変性されていない「ポリエステル」800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、「トナー用バインダー」の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
次に、ビーカー内に前記の「トナー用バインダー」の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、「カーボンブラックA」14.4部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーを用いて12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散して「トナー材料溶液」を得た。
ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト「スーパタイト10」10%懸濁液(日本化学工業社製)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。次いで、これを60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記「トナー材料溶液」を投入し10分間攪拌した。次いで、この混合液を攪拌棒及び温度計付のフラスコに移し、30℃まで昇温して減圧下で溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級することよって体積基準のメディアン粒径(D50)が4.8μmの「トナー粒子14」を作製した。
表2に、トナー粒子作製に用いた着色剤の種類と着色剤量、着色剤の含有部、製造方法、トナー粒子の体積基準のメディアン粒径(D50)を示す。
Figure 2006234926
尚、体積基準のメディアン粒径(D50)は、コールターマルチサイザーII(コールタカウンタ社製)を用いて、アパチャーチューブ50μmを用いて測定した値である。
《トナーの調製》
上記で作製した「トナー粒子1〜14」の各々100部に対して、疎水性シリカ「H−2000」(クラリアント社製)0.5部と、酸化チタン「STT30A」(チタン工業社製)1.0部、チタン酸ストロンチウム(平均粒径0.2μm)1.0部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用い、周速40m/secで60秒間混合処理した後、目開き50μmの篩でふるい、「トナー1〜14」を調製した。これらを「実施例1〜11」、「比較例1〜3」とする。
《現像剤の調製》
(バインダ型キャリアの作製)
ポリエステル系樹脂「NE−1110」(花王社製)100部、磁性粒子「マグネタイト、EPT−1000」(戸田工業社製)700部及びカーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)2部を「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)で十分混合し、二軸押出混練機でシリンダ部180℃、シリンダヘッド部170℃に設定し、溶融混練した。この混練物を冷却し、その後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェット粉砕機で微粉砕、分級して、体積基準のメディアン粒径(D50)が40μmの「バインダ型キャリア」を作製した。
(現像剤1〜14の調製)
上記で作製した「トナー1〜14」の各々に、「バインダ型キャリア」を、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し「現像剤1〜14」を調製した。
《評価》
上記で作製したトナーについて、下記の項目を評価した。尚、現像剤は各トナーに対応したものを用いた。
〈評価装置〉
評価装置としては、電子写真方式を採用した市販の複合機「Sitios7165」(コニカミノルタビジネステクノロジー社製)を用いた。尚、転写材としては、上質紙(64g/m2)を用いた。
〔目視観察〕
(機内汚れ)
機内汚れは、印字率7%の文字画像を20万枚プリントを行った後、現像器下に飛散したトナー量を目視で評価した。
評価基準
◎ トナー飛散は、検知されなく継続して使用可能
○ トナー飛散は、さわれば若干手が汚れる程度であるが、乾いた布で清掃すれば継続して使用可能
× トナー飛散は、乾いた布ではふき取りきれず、清掃に電気掃除機が必要なほど多い。
〔画像評価〕
(文字の中抜け)
文字の中抜けは、20万枚のプリント終了後の文字画像で、1cm角の文字の中に図1の(b)に示したような中抜けの発生状態を目視にて評価した。
評価基準
◎:中抜けの発生無し
○:中抜けの発生がやや認められるが実用上問題無し
×:中抜けの発生が多く実用上問題有り。
(画像濃度)
画像濃度は、転写材上に、トナー付着量が0.35mg/cm2になるトナー画像を形成し、そのトナー画像の濃度を測定して求めた。尚、トナー付着量は未定着画像の上質紙上のトナーを吸引し、単位面積当たりのトナー付着として求めた値である。画像濃度の測定は「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。
評価基準
◎:初期と20万プリント後の両方共に1.2以上で良好
○:初期は1.2以上、20万プリント後は1.0以上で実用上問題ないレベル
×:初期又は20万プリント後のどちらかが1.0未満で実用上問題となるレベル。
(かぶり)
かぶりは、印字されていないプリント用紙(白紙)の濃度を20ヶ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とし、次に、画像形成がなされた評価用紙の白地部分を同様に20ヶ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をかぶり濃度として評価した。測定は「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。
評価基準
◎:初期と20万プリント後の両方共にかぶりは0.005以下で良好
○:初期のかぶりは0.005以下、20万プリント後のかぶりは0.01以下で実用上問題ないレベル
×:初期又は20万プリント後のどちらかのかぶりが0.01より大きく実用上問題となるレベル。
表3に、評価結果を示す。
Figure 2006234926
表3より明らかなように、本発明の「実施例1〜11」のトナーは何れの評価項目も良好であるが、本発明外の「比較例1〜3」のトナーは何れかの評価項目に問題が有ることがわかる。
文字画像の中抜けの一例を示す図である。 着色剤が、トナー粒子中に均一に分散している状態の一例を示す模式図である。 着色剤が、コア・シェル構造のコア部に均一に分散している状態の一例を示す模式図である。 着色剤が、トナー粒子中に凝集、偏在、或いはトナー粒子表面に露出している状態の一例を示す模式図(比較例)である。 本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
符号の説明
1 良好な分散状態の着色剤
2 凝集状態の着色剤
3 表面に露出している着色剤
5 樹脂
10 コア部
20 シェル層
30 トナー粒子

Claims (14)

  1. 樹脂と着色剤とを含有し、湿式造粒法により得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 樹脂粒子と着色剤の粒子とを含む水性分散液に凝集剤を添加して、該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、融着して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 樹脂と着色剤とを含有するコア部の表面にシェル層を形成してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 樹脂粒子と着色剤の粒子とを含む水性分散液に凝集剤を添加して、該樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させた後、融着して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. ラジカル重合性単量体と着色剤の粒子とを含む分散液を水系媒体中に乳化させた後、重合して微小粒子を作製し、該微小粒子を凝集させた後、融着して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックを用いたことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 樹脂を溶解した溶液に着色剤の粒子を分散して得られる分散液を、水系媒体中に添加して粒子作製して得られる静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が疎水性の有機基を有するカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記疎水性の有機基が、硫黄原子でカーボンブラックに結合されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記疎水性の有機基が、炭素原子でカーボンブラックに結合されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、該着色剤として疎水性の有機基を有するカーボンブラックを用い、湿式造粒する工程を経て製造することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを含む水性分散液に凝集剤を添加し、樹脂粒子とカーボンブラックとを凝集する工程、融着する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  11. 前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを含有するコア部の表面に、シェル層を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  12. 樹脂粒子と前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを含有する水性分散液に凝集剤を添加し、樹脂粒子とカーボンブラックとを凝集する工程、融着する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  13. ラジカル重合性単量体と前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを含有する分散液を水系媒体中に乳化して微粒子を形成する工程、該微粒子を重合して小粒子を形成する工程、該小粒子を凝集、融着する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  14. 結着樹脂を溶解した溶液に前記疎水性の有機基を有するカーボンブラックを分散して分散液を形成する工程、該分散液を水系媒体中に添加して粒子を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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