これまで、前述したようにカーボンブラックを用いたトナーのかぶりやトナー飛散改良のために、誘電正接値をコントロールした発明がなされてきた。フルカラーシステムで種々の検討を重ねた結果、一概にブラックトナーのみの誘電正接値を規定するだけでは、特に転写性の点で課題を有することが判明した。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下のトナーキット及び画像形成方法が、本発明のフルカラーシステムに好適に適用し得ることを見出した。
フルカラーシステムにおいて、1つの感光体を用いて4色を色重ねする1ドラム系と、各色のトナーに対して感光体を有するタンデム系が存在する。1ドラム系の場合、一般的に、中間転写体に4色転写させた後、転写紙上に一括で転写させる方式をとる。また、タンデム系の場合は、中間転写体を用いて転写紙上に転写させる一括転写方式と、転写紙上に直接転写させる多重転写方式がとられる。いずれの場合においても、ブラックトナーは他色よりも後に現像・転写されるシステムとなることが多い。というのは、他色よりも先に現像・転写される場合、その後の色トナーの転写時に転写電解を受けることとなり、その際に再び感光体へ転写される、所謂再転写の問題を生じるに至る。同じ量だけ再転写したとしても、色重ねしたときの、見た目の弊害としては、濃い色であるブラックトナーが再転写した時に最も顕著となる。したがって、ブラックトナーは最も後に現像・転写される事が常となる。この場合、一括転写または多重転写いずれにせよ、転写紙上に色重ねして転写させる必要があるため、高い転写電流により、転写が行われる。ブラックトナーは誘電正接値の高さから、高い転写電流で転写した場合、トナーを介して局所的に感光体上に転写電流が流れ込み、転写し得ない部分が出る、所謂中抜け画像といった画像弊害をきたす場合がある。これは、特に高湿環境下で起こりやすい。
この弊害を克服するためには、カーボンブラック等の導電性のある着色剤の分散性を向上させ、誘電正接値を低く抑える事が好ましい形態となる。しかし誘電正接値を低く抑えすぎると電荷の保持性能が高まり、現像器内のスリーブやキャリアといった帯電付与部材との強鏡力が強くなる傾向にある。特にトナーの流動性が他色よりも悪化する傾向にあるブラックトナーにおいては、新たなトナーの帯電付与が阻害され、結果として他色よりもトナーの帯電分布が広いものとなりやすい。また着色剤添加量を減らし、分散性を上げる方法もあるが、他色と同等以下まで誘電正接値を下げようとすると、着色力の低下を生じてしまう。
そのための解決手段として、本発明の下記物性を有したトナーが好ましいとの結果に到達した。
イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及びブラックトナーの1×105Hzにおける誘電正接値をそれぞれtanY、tanM、tanC、tanBkとした時、下記関係式を満足することが好ましい。
0.001≦tanY≦0.006
0.001≦tanM≦0.006
0.001≦tanC≦0.006
0.0015≦tanBk≦0.007
0.0005≦tanBk−tanY≦0.004
0.0005≦tanBk−tanM≦0.004
0.0005≦tanBk−tanC≦0.004
さらには、下記関係式を満足することがより好ましい。
0.002≦tanY≦0.005
0.002≦tanM≦0.005
0.002≦tanC≦0.005
0.0025≦tanBk≦0.006
0.0005≦tanBk−tanY≦0.003
0.0005≦tanBk−tanM≦0.003
0.0005≦tanBk−tanC≦0.003
tanY、tanM、tanCが0.001より小さい場合及びtanBkが0.0015より小さい場合、帯電量分布が広くなりすぎ、かぶりや飛散、画像濃度薄や現像剤担持体上のコート不良等の弊害を生じる。
逆に、tanY、tanM、tanCが0.006より大きい場合及びtanBkが0.007より大きい場合、高湿環境下での転写性の悪化といった弊害を生じる。
tanBk−tanY、tanBk−tanM、tanBk−tanCが0.0005より小さい場合、ブラックトナーの帯電量分布が他色よりも広く、現像性が低下しているため、連続通紙初期の画像濃度の低下、連続通紙後半における、かぶりやトナー飛散の弊害を生じやすい。
tanBk−tanY、tanBk−tanM、tanBk−tanCが0.004より大きい場合、ブラックトナーと他色トナーの飽和帯電量の差が大きく、二次色を良好に転写できる転写電流において、ブラックトナーの転写性が不十分なものとなる。
本発明のトナーは、長期にわたり安定した画像特性を得るためには荷電制御剤を用いる事が好ましい。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。
例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、含硫黄等の樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
特に好ましくは、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物、含硫黄樹脂を用いることがよい。芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の中でも、アルミニウム、亜鉛、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、チタン、銅を金属として用いることが良く、特にトナーの帯電量を高くかつシャープな分布で維持させるためには、アルミニウムが好ましい。
含硫黄樹脂としては、スチレン系単量体とスルホン酸含有アクリルアミドからなる共重合体がトナーの帯電性の点で好ましい。さらに、連続通紙時の部材汚染性及びトナーのブロッキング特性から、重量平均分子量として2.6万以上、ガラス転移温度として70℃以上が好ましい。
上記芳香族オキシカルボン酸の金属化合物と含硫黄樹脂は両者を併用することが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックトナーの帯電量及び帯電量分布を極力同じにすることを可能とし、本発明の各色トナーの誘電正接値をコントロールする上で、より好ましい。
カーボンブラックを使用したブラックトナーの誘電正接値をコントロールする方法としては、機械的にメディアで分散させる手法がある。また、上記芳香族オキシカルボン酸の金属化合物と含硫黄樹脂は両者を併用した場合は、含硫黄樹脂のN原子部分と配意結合しかつ、カーボンブラックに吸着しうる物質で分散性を上げる手法もある。これは、カーボンブラックに吸着した樹脂の立体障害により、カーボンブラックの再凝集を防ぐ効果による。この物質の一例としては、中心金属が鉄、亜鉛、アルミニウム等の金属フタロシアニン及び/又は金属フタロシアニン誘導体等がある。
該芳香族オキシカルボン酸の金属化合物のイエロートナー粒子、マゼンタトナー粒子、シアントナー粒子、ブラックトナー粒子おのおの100質量部に含まれる量をAY、AM、AC、ABkとし、
該硫黄原子を含む極性樹脂のイエロートナー粒子、マゼンタトナー粒子、シアントナー粒子、ブラックトナー粒子おのおの100質量部に含まれる量をSY、SM、SC、SBkとした時、下記関係式を満足することが好ましい。
0≦AY≦4
0≦AM≦4
0≦AC≦4
0≦ABk≦5
0≦SY≦1.2
0≦SM≦1.5
0≦SC≦1.5
0≦SBk≦1.5
0.03≦(ABk+SBk)−(AY+SY)≦2
0.03≦(ABk+SBk)−(AM+SM)≦2
0.03≦(ABk+SBk)−(AC+SC)≦2
さらに、下記関係式を満足することがより好ましい。
0.05≦AY≦2
0.05≦AM≦2
0.05≦AC≦2
0.05≦ABk≦2.5
0.05≦SY≦0.7
0.05≦SM≦1.0
0.05≦SC≦1.0
0.05≦SBk≦1.0
0.03≦(ABk+SBk)−(AY+SY)≦1
0.03≦(ABk+SBk)−(AM+SM)≦1
0.03≦(ABk+SBk)−(AC+SC)≦1
AY、AM、ACが4より大きくABkが5より大きい場合、またはSYが1.2より大きく、SM、SC、SBkが1.5より大きい場合、トナーの帯電量が高めになり安く、低湿環境下での画像濃度低下や現像剤担持体のコート性の悪化を引き起こしやすい。
(ABk+SBk)−(AY+SY)、(ABk+SBk)−(AM+SM)、(ABk+SBk)−(AC+SC)が0.03より小さい場合、飽和帯電量としてブラックトナーが他色より低めであり、高湿環境下での転写性が悪化する懸念を有する。
逆に、(ABk+SBk)−(AY+SY)、(ABk+SBk)−(AM+SM)、(ABk+SBk)−(AC+SC)が2より大きい場合、ブラックトナーの帯電量は高いものの、帯電量分布が他色よりも広く、現像性が低下しているため、連続通紙初期の画像濃度の低下、連続通紙後半における、かぶりやトナー飛散の弊害を生じやすい。
本発明のトナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度は、0.960乃至0.995が好ましく、0.970乃至0.990がより好ましい。
平均円形度が0.960未満の場合には、トナー形状がかなり不定形になるために、連続通紙時のトナー転写効率が悪くなり、トナー消費量の増加をもたらし、現像剤の寿命が短くなる。
平均円形度が0.995を超える場合には、製造面において、再現性、収率が著しく悪化し、コストアップにつながるばかりでなく、潜像担持体上のクリーニング性が不十分となる。
本発明のトナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度標準偏差は、0.010乃至0.040が好ましく、0.020乃至0.035がより好ましい。
本発明のトナーの円形度標準偏差が0.040を超える場合には、トナーの形状分布が拡がるために、均一なトナー帯電性が悪化し、かぶりや飛散等の弊害を起こしやすい。また、均一な転写性が悪化し、消費量の悪化やハーフトーンの均一性が悪化しやすくなる。
本発明のトナーの円形度標準偏差が0.010未満の場合には製造面において、再現性、収率が著しく悪化し、コストアップにつながるばかりでなく、潜像担持体上のクリーニング性が不十分となる。
本発明のトナーのコールターカウンターにおける重量平均粒径は3.5乃至9.0μmが好ましく、より好ましくは5.0〜8.5μmが良い。トナーの重量平均粒径が3.5μmより小さいと過剰帯電を引き起こし、カブリや画像濃度の低下といった弊害をもたらしやすい。逆に、トナーの重量平均粒径が9.0μmより大きいと、ドラム上の微細な潜像を忠実に再現することが困難となり、現像画像の画質が劣ったものとなりやすい。
本発明のトナーのコールターカウンターにおける粒度分布において、5.04μm以下の個数%として10〜35個数%が好ましく、16〜30個数%がより好ましい。
5.04μm以下の個数%が10%より小さいと、ハーフトーンや細線の再現性が若干劣るものとなりやすい。
逆に35%より大きいと、かぶりや飛散といった弊害を生じやすい。また、クリーニング性に関しても若干劣るものとなりやすい。
本発明のトナーのコールターカウンターにおける粒度分布において、12.7μm以上の体積%として3体積%以下が好ましく、1.5体積%以下がより好ましい。
12.7μm以上の体積%が3体積%を超えると、現像されずに現像器中に残る粗粉の量が増大し、現像規制ブレードに滞留し、コート筋の発生する可能性がある。
本発明の画像形成方法は、高画質化対応及びオゾンを発生させない意味からの環境対応として、感光体の帯電手法における従来のコロナ帯電にかわり、ローラーやキャリアによる接触帯電方式が好ましい。
また、転写方式においても、従来のコロナ転写にかわり、ローラー等による接触転写方式が好ましい。
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、ケトンワックス、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、必要に応じて蒸留などしても構わない。
下記一般構造式で示すが特にエステルワックスが好ましい。
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R
1及びR
2は炭素数が1〜40の有機基を示し、且つR
1とR
2との炭素数差が3以上である基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R
1は炭素数が1〜40の有機基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
(式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以下であり、R
1及びR
2は炭素数が1〜40の有機基を示し、且つR
1とR
2との炭素数差が3以上である基を示し、R
3は炭素数が1以上の有機基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
本発明のトナーに含有する離型剤の半値幅は、ASTM D3418−82に準拠して測定される。ここでいう吸熱ピークの半値幅とは、吸熱ピークにおけるベースラインから2分の1ピーク高さ部分の吸熱チャートにおける温度幅である。離型剤の吸熱ピーク半値幅は15℃以下であることが好ましく、より好ましくは7℃以下が良い。
15℃を超える場合には、結晶性が高くないことから、離型剤の硬度も軟らかく、感光体や帯電ローラーへの汚染を促進させてしまう。
そして、より好ましくは50乃至150℃の値を示す化合物が好ましく、60乃至120℃の値を示す化合物がより好ましい。
吸熱ピーク値が50℃未満であると、離型剤の自己凝集力が弱い為に、トナー粒子の内部又は中心部を構成しづらく、トナー粒子の製造時にトナー粒子表面に離型剤が析出し、感光体や帯電ローラーを汚染しやすい。一方、吸熱ピークが150℃を超えると、定着時に離型剤が浸み出しにくく、低温時の定着性や、転写紙上のトナー載り量が多い2次色(レッド、グリーン、ブルー)の定着性が低下する。更に、懸濁重合方法によりトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体組成物中への溶解性が低下し、水系媒体中での重合性単量体組成物のトナー粒子径サイズへの液滴の造粒中に離型剤が析出して造粒が困難となり好ましくない。
離型剤の分子量としては、重量平均分子量(Mw)が300乃至1,500のものが好ましい。300未満になると離型剤のトナー粒子表面への露出が生じ易く、現像性が悪化し、高温高湿環境下でのカブリが悪い。また、帯電ローラーへの汚染も著しい。500を超えると低温定着性が低下しかつ、OHT透明性も悪化する。
特に400乃至1,250の範囲のものが好ましい。更に、重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以下になると、離型剤のDSC吸熱曲線の極大ピークがよりシャープになり、室温時のトナー粒子の機械的強度が向上し、定着時にはシャープな溶融特性を示す特に優れたトナー物性が得られる。
該離型剤の針入度は15度以下、より好ましくは8度以下であることが良い。15度を超える場合には、離型剤半値幅が10℃を超える場合と同様に、感光体や帯電ローラーへの汚染を促進させてしまう。
本発明のトナー中に添加する離型剤はトナー粒子100質量部あたり2〜20質量部含有されることが好ましく、より好ましくは4〜17質量部含有されることが良い。
離型剤含有量が2質量部より小さいと、定着時の離型剤効果が十分に発揮できず、定着体が低温になった場合に、転写紙の排紙・積載性を満足させることが困難となるばかりでなく、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。逆に20質量部より大きいと、離型剤による帯電付与部材や感光体への汚染が顕著となりカブリや融着といった弊害を生じる。
本発明のトナー粒子を粉砕方法で製造する際に用いられるトナーの結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
結着樹脂の主成分としてはスチレンと他のビニルモノマーとの共重合体であるスチレン共重合体が現像性、定着性の点で好ましい。
スチレン共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドジテル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
スチレン共重合体はジビニルベンゼンの如き架橋剤で架橋されていることがトナーの定着温度領域を広げ、耐オフセット性を向上させる上で好ましい。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組合せて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
本発明のトナーが重合法トナーの場合に縮合系樹脂を添加しても良い。
本発明の該縮合系樹脂は例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。結着樹脂100質量部当り、0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部使用するのが良い。
また重合法によるトナーの製造において、ポリエステル樹脂を添加する場合には、酸価が30mgKOH/gを超える場合には、ポリエステル相互間の親和力が強くなるために重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになるため好ましくない。
本発明におけるトナーには、帯電安定性、現像性、流動性、部材付着抑制、耐久性向上の為、種々の微粉末を添加することが好ましい。
本発明の滑剤としては、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げられる。
特にシリカ、アルミナ、酸化チタンの微粉体が上記観点から好ましく用いられ、2種類以上併用することが良好な形態となる。
上記流動性向上微粉末は、疎水性、帯電性、さらには転写性を向上させる目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤を単独或いは併せて用いることによって、処理されていることが好ましい。
この微粉体は、高湿下での帯電安定性を考えると、疎水化されることが好ましい。中でも、負帯電性トナーとするには、負帯電性の高いシリカを含有させることが良好な形態をとる。さらに、交流成分を重畳した接触帯電系においては、外添剤の感光体へのフィルミングを抑制し、高い転写性を維持させるためには、シリコーンオイルで処理されることが好ましい。
本発明におけるトナーに添加される無機微粉体の総添加量は、トナー粒子100質量部に対し0.6乃至4.5質量部が好ましく、0.8乃至3.5質量部がより好ましい。無機微粉体の総添加量が0.6質量部未満であると、トナーの流動性が不十分となり、帯電性の低下、トナー飛散を招き本発明の効果を充分に発揮し得ない。逆に、4.5質量部超であると、過剰な流動性の高さから、特に高速マシンに適用する際、現像部からトナー飛散を生じ、画像欠陥となる。
無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g以上(より好ましくは50〜400m2/g)の範囲内のものが少量で充分なる流動性を与える観点から好ましい。
本発明において、トナーの体積固有抵抗値は、好ましくは1010〜1016Ω・cm、より好ましくは1012〜1016Ω・cm、さらに好ましくは1013〜1016Ω・cmであることが長期にわたって、トナーの帯電を安定化させる点で好ましく用いられる形態である。
トナーの体積固有抵抗値が1010Ω・cm未満の場合には、特に高湿下においてトナーの帯電が低下しやすく、1016Ω・cmを超える場合には、特に低湿下で画像面積比率が2%以下のオリジナル原稿を連続プリントした際、画像濃度が低下しやすくなるため好ましくない。
トナー粒子の形状が球形に近いことがよく、具体的にはトナー粒子の形状係数は、SF−1が100〜150、より好ましくは100〜140、さらに好ましくは100〜130の範囲であり、SF−2が100〜140、より好ましくは100〜130、さらに好ましくは100〜120の範囲内であることが良い。
トナーの形状係数SF−1が150を超える場合またはSF−2が140を超える場合には、トナーの転写効率の低下、トナーの再転写の増大、潜像担持体表面の磨耗量の増大が生じ易くなり好ましくない。
本発明のトナーは、上記のように球形に近いことが良いといった観点から、重合性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得られる重合トナーであることが好ましい。
上記重合トナーとして用いる場合、カーボンブラックの分散性を高め、誘電正接値を抑制するために、重合性単量体と着色剤とをメディア混合してマスターバッチを調整する工程を有することが良い。
マスターバッチのカーボンブラックの分散性を確認する方法として、展色グロスが挙げられるが、この展色グロスは50以上120以下が好ましく、70以上100以下がより好ましい。
50より小さいと、カーボンブラックの分散性が十分でなく、高湿下での転写性が悪化しやすい。逆に、120より大きいと、微分散はされているものの極端に電荷リーク性能が落ち、帯電量分布が広いものとなりやすく、結果として、かぶりや飛散を引き起こす。
本発明のブラックトナーの着色剤としてカーボンブラックを用いる場合、そのカーボンブラックは平均一次粒子径が13〜55nmであることが好ましく、より好ましくは25〜50nmであり、さらにより好ましくは31〜45nmである。平均一次粒子径が13nmより小さいと、均一な分散が困難であり、且つカーボンブラックのトナー表面への遊離が発生しやすくなる。逆にカーボンブラックの平均一次粒子径が55nmより大きい場合には、良好に分散しても着色力が不足し、着色力を上げるために多量に使用すると、トナーの帯電量が低下してしまう。
本発明のカーボンブラックは、好ましくはpHが7以上であり、より好ましくは7.5〜10である。pHが7より小さいとカーボンブラックがトナー表面に存在しやすくなるため、高湿下でのベタ均一性の低下等を引き起こす。逆に、pHが10より大きいと、良好に分散された状態でトナー表面近傍に存在しないもしくはカーボンブラックがトナー表面に遊離しやすくなるため、かぶりや飛散等が悪化しやすい。
本発明のカーボンブラックは、DBP吸油量が20〜100ml/100gであることが好ましく、より好ましくは30〜60ml/100gである。吸油量が100ml/100gを超えると、カーボンブラックがトナー表面に存在しやすくなり、特に、高湿下でのトナーの転写性及び着色力の向上が困難になる。一方、吸油量が20ml/100g未満の場合には、トナー粒子中のカーボンブラックの分散性が充分ではなく、着色力の低下やトナーの帯電量の低下が生じやすくなる。
本発明に用いられるキャリアとしては、磁性材料、又は磁性材料と非磁性材料の混合物からなる芯材粒子を、樹脂及び/またはシラン化合物で被覆したキャリアが好ましい。特に、負帯電性のトナーと混合して用いる場合には、アミノシラン化合物を被覆層中に含有せしめることが好ましい。
本発明の粒度分布をもつトナーは、キャリア粒子の表面を汚染し易い傾向にあるので、これを予防する為にも芯材粒子の表面を樹脂で被覆したキャリアが好ましい。
表面を樹脂で被覆したキャリアは、高速機に適用した際の耐久性においても利点があり、トナーの電荷を制御するという点でも優れたものである。
キャリアの被覆層を形成するための樹脂としては、例えばフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーン系化合物を好ましく用いることができる。
キャリアの被覆層を形成するためのフッ素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリトリフルオルクロルエチレンの如きハロフルオロポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオルプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオルクロルエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化単量体とのターポリマーの共重合体の如きフルオロターポリマーが好ましく用いられる。
該フッ素系樹脂の重量平均分子量は、50,000〜400,000(より好ましくは100,000〜250,000)が好ましい。
キャリアの被覆層を形成する樹脂としては、該フッ素系樹脂をそれぞれ単独で用いても良いし、或いはこれをブレンドしたものを用いても良い。更には、これらに非フッ素系の重合体をブレンドして用いてもよい。
非フッ素系の重合体としては、以下に挙げる様なモノマーの単重合体或いは、共重合体が用いられる。
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレンの如きスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシシエチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸エチルモルホリン及びビニルピリジンの如き1分子中に1個のビニル基を有するビニル系モノマー;ジビニルベンゼン;グリコールとメタクリル酸あるいはアクリル酸との反応生成物、例えばエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、トリスメタクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリーコルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングレコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、メタクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、ビスフェノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、アクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物の如き1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系モノマー;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ3フェニルオキシプロピルの如きヒドロキシ基を有するビニル系モノマーを挙げることができる。
これらのモノマーは、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等公知の方法で共重合される。これらの共重合体は、重量平均分子量が10,000〜70,000であるものが好ましい。またこの共重合体をメラミンアルデヒド架橋、或いはイソシアネート架橋させてもよい。
フッ素系樹脂と他の重合体との質量基準のブレンド比は、20〜80:80〜20が好ましく、特には40〜60:60〜40が好ましい。
キャリアの被覆層を形成するためのシリコーン系樹脂またはシリコーン系化合物としては、ジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサンの如きポリシロキサンが用いられる。またアルキド変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アクリル変性シリコーンの如き変性シリコーン樹脂も使用可能である。変性の形態としては、ブロック共重合体、グラフト共重合体、くし形グラフト共重合体が挙げられる。
芯材粒子表面への塗布に際しては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はシリコーン系化合物(固形メチルシリコーンワニス、固形フェニルシリコーンワニス、固形メチルフェニルシリコーンワニス、固形エチルシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス等、シリコーン樹脂)をワニス状にしておいて磁性粒子をその内へ分散させる方法、或いは、ワニスを磁性粒子に噴霧する方法がとられる。
上記被覆樹脂の中でも、本発明のフルカラートナーの誘電正接値を得かつ帯電量分布も高めシャープに保持させるためには、シリコーン樹脂が最も好ましい。
上記被覆樹脂の処理量は、被覆材の成膜性や耐久性の観点から、キャリア芯材に対し0.3〜2.0質量%(好ましくは0.5〜1.5質量%)であることが好ましい。
本発明において、イエロートナー用キャリア、マゼンタトナー用キャリア、シアントナー用キャリア、ブラックトナー用キャリアそれぞれ100質量部に対する、コート樹脂の添加量をFY、FM、FC、FBkとした時、下記関係式を満足することが好ましい。
0.05≦(FBk−FY)≦0.5
0.05≦(FBk−FM)≦0.5
0.05≦(FBk−FC)≦0.5
さらには、下記関係式を満足することがより好ましい。
0.1≦(FBk−FY)≦0.3
0.1≦(FBk−FM)≦0.3
0.1≦(FBk−FC)≦0.3
(FBk−FY)、(FBk−FM)、(FBk−FC)が0.05より小さいとブラックトナーと他色の帯電量の差を解消し得ず、ブラックトナーの転写性に課題を残す。
逆に、(FBk−FY)、(FBk−FM)、(FBk−FC)が0.5より大きいと、ブラックトナーの飽和帯電量が高く、広い帯電量分布のものになりすぎ、結果としてかぶりや飛散、画像濃度低下等の弊害を引き起こしやすい。
キャリアの体積平均粒径としては25〜55μm(好ましくは30〜50μm)のものが小粒径トナーとのマッチングにおいて好ましい。キャリアの体積平均粒径が25μm未満では、現像工程において、キャリアがトナーと共に潜像保持体上に転写され易くなり、潜像保持体やクリーニングブレードを傷つけ易くなる。一方、キャリアの体積平均粒径が55μmより大きいと、キャリアのトナー保持能力が低下し、ベタ画像が不均一となり、トナー飛散、かぶり等も発生し易くなる。
本発明においては、トナー濃度が3〜12質量%(より好ましくは5〜10質量%)となるように、キャリアとトナーとを混合することが画像濃度、画像特性を良好に満足させる上で好ましい。
本発明において、キャリアの比抵抗は、1×108〜1×1016Ω・cmであることが好ましく、より好ましくは1×109〜1×1015Ω・cmであることが良い。
キャリアの比抵抗が1×108未満であると、感光体表面へのキャリア付着を起こし易く、感光体に傷を生じさせたり、直接紙上に転写されたりして画像欠陥を起こし易くなる。さらに、現像バイアスが、キャリアを介してリークし、感光体ドラム上に描かれた静電潜像を乱してしまうことがある。
キャリアの比抵抗が1×1016Ω・cmを超えると、エッジ強調のきつい画像が形成され易く、さらに、キャリア表面の電荷がリークしづらくなるため、チャージアップ現象による画像濃度の低下や、新たに補給されたトナーへの帯電付与ができなくなくなることによるカブリ及び飛散などを起こしてしまうことがある。さらに、現像器内壁等の物質と帯電してしまい、本来与えられるべきトナーの帯電量が不均一になってしまうこともある。その他、静電気的な外添剤付着など、画像欠陥を引き起こしやすい。
キャリアの磁気特性は、1000/4π(kA/m)での磁化の強さが、好ましくは30〜60(Am2/kg)であるような低磁気力であることが良い。
キャリアの磁化の強さが60(Am2/kg)を超えるとキャリア粒径にも関係するが、現像極での現像スリーブ上に形成される磁気ブラシの密度が減少し、穂長が長くなり、かつ剛直化してしまうためコピー画像上に掃き目ムラが生じやすく、特に多数枚の複写又はプリントによるトナーの耐久劣化が生じやすい。
キャリアの磁化の強さが30(Am2/kg)未満では、キャリア微粉を除去してもキャリアの磁気力が低下し、キャリア付着が生じやすく、トナー搬送性が低下し易い。
キャリアの見かけ密度は2.3g/cm3以下が好ましい。2.3g/cm3より大きいと、現像器内でのトナーへの圧縮が強まり、耐久後半でのトナーの凝集性が大きくなりトナー飛散等の弊害を生じる。
キャリアのSF−1は100乃至130が好ましい。130より大きいと、キャリアへのトナー粒子又は無機微粉体の汚染が顕著となり、長期耐久での帯電付与性能が低下し、トナー飛散、かぶり等の弊害を生じる。
次に、本発明に係る各種測定方法について説明する。
(1)トナーの誘電率および誘電正接の測定方法
4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1KHz及び1MHzの周波数で校正後、周波数5×104Hzと105Hzの誘電率の測定値から誘電正接(tanδ)を算出する。
トナー0.5〜0.7gを秤量し、34300kPa(350kgf/cm2)の荷重を2分間かけて、直径25mm、厚さ1mm以下(好ましくは、0.5〜0.9mm)の円盤状に成型し測定試料とする。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、固定する。その後、3.43N(350g)の荷重をかけた状態で、1Vの電圧を印加し、100〜106Hzの周波数範囲で、3回測定し平均値を算出する。
(2)トナーの重量平均粒径(D4)及びトナーの粒度分布の測定
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続して測定を行った。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。これらの値を用いて、重量基準(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)の重量平均粒径(D4)、4.0μm以下のトナーの個数%及び10.1μm以上のトナーの体積%を求めた。
(3)トナー円形度、円形度標準偏差測定及び算出方法:
フロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
本発明において、トナーの個数基準における粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cと円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
トナー粒子の形状測定には、フロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナー粒子の円相当径や円形度頻度分布等を求める。
(4)トナーの樹脂成分による分子量分布測定方法
トナーの樹脂成分の具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器にてトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめる。次に、必要により、トナーに含有されるワックスは溶解するが、樹脂成分は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルムを加え十分洗浄を行う。その後、THF(テトラヒドロフラン)に溶解し、得られた溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したものを測定サンプルとする。ウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し、標準ポリスチレン樹脂の検量線を用いて、該サンプルの分子量分布を測定する。
得られた分子量分布から重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出する。
(5)マスターバッチのグロス測定
マスターバッチをスポイトですくい取り、スーパーアート紙(金藤180kg80×160)上部に直線上に塗布した後、ワイヤーバー(#10)を用いて均一にアート紙上に塗布し、十分に乾燥した後測定した。グロス(光沢度)の測定には、日本電色社製VG−10型光沢度計を用いた。測定にあたっては、定電圧装置により6Vにセットし、次いで投光角度、受光角度をそれぞれ60度に合わせ、0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に白紙を3枚重ね、その上に前記塗布試料を置き測定を行い、標示部に示される数値を%単位で読みとった。
(6)トナーの酸価及び水酸基価の測定方法
基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
<酸価>
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、次によって試験を行う。
1)試薬
(a)溶剤 エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)で、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mlに溶かす。
(c)0.1mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
2)操作 試料1〜20gを正確に量りとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が3
0秒間続いたときを中和の終点とする。
3)計算式 つぎの式によって酸価を算出する。
ここでA:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
<水酸基価>
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作および計算式によって試験を行う。
1)試薬
(a)アセチル化試薬 無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mlに溶かす。
(c)0.5mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。標定はJIS K 8006によって行う。
2)操作
試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正確に量りとり、これにアセチル化試薬5mlを加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.5mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。
なお、本試験と並行して空試験を行う。
3)次の式によって水酸基価を算出する。
ここに
A:水酸基価(mgKOH/g)
B:空試験の0.5mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の使用量( ml)
C:本試験の0.5mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の使用量( ml)
f:0.5mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
D:酸価
(7)離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値、半値幅算出:ASTM D3418−82に準拠して測定される。
測定試料は、2〜10mgの範囲内で正確に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜160℃の間で、昇温温度10℃/minで、常温常湿下で測定を行う。
(8)離型剤の分子量測定:GPCにより次の条件で測定される。
(GPC測定条件)
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム :GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min
試料 :0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
(9)該離型剤の針入度測定:JIS K2235に準拠し測定される。測定温度は25℃とする。
(10)カーボンブラックのDBP吸油量の測定
DIN 53601に準じて測定する。
(11)カーボンブラックの平均一次粒子径の測定
透過型電子顕微鏡で、トナーの断面を40,000倍の倍率で拡大写真をとり、一次粒子100個を無作為に選択し、平均一次粒子径を算出する。
(12)カーボンブラックのpHの測定
DIN ISO 787/9に準じて測定する。
(13)キャリアの形状係数(SF−1、SF−2)
測定方法:日立製作所FE−SEM(S−800)を用い、拡大倍率3000倍でトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い下式より算出し得られた値を定義している。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×100
SF−2={(PERI)2/AREA}×(1/4π)×100
(MXLNG:絶対最大長、AREA:トナー投影面積、PERI:周長)
このトナーの形状係数SF−1は球形度合いを示し、100から大きくなるにつれて球形から徐々に不定形となる。SF−2は凹凸度合いを示し、100から大きくなるにつれてトナーの表面の凹凸が顕著になる。
この方法は、トナーにも適用可能である。
(14)キャリア粒径の測定方法
キャリア粒径測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いて、フィードエア圧力3bar、吸引圧力0.1barの条件で測定した。尚、キャリアの平均粒径とはキャリア粒子の体積基準による50%粒径を示す。
(15)キャリア磁気特性の測定方法:
キャリアの磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−35を用いて行なった。測定条件としては、キャリア粉体の磁気特性は1000/4π(kA/m)の外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求めた。キャリアを円筒状のプラスチック容器にキャリア粒子が動かないように十分密になるようにパッキングした状態に作製し、この状態で磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の強さ(Am2/kg)を求めた。
現像剤からキャリア物性を測定する場合は、コンタミノンN(界面活性剤)が1%含まれるイオン交換水にて現像剤を洗浄しトナーとキャリアを分離した後、上記測定を行う。
(16)キャリアの比抵抗測定方法:
キャリアの比抵抗の測定は、真空理工(株)社製の粉体用絶縁抵抗測定器を用いて測定した。測定条件は、23℃,60%条件下に24時間以上放置したキャリアを直径20mm(0.283cm2)の測定セル中にいれ、120g/cm2の荷重電極で挟み、厚みを2mmとし、印加電圧を500Vで測定した。
(17)キャリアの見かけ密度測定方法:JIS−Z02504に従って行う。
〈本発明のトナーを用いた画像形成方法〉
以下、本発明のトナーを用いた画像形成方法(以下、本発明の画像形成方法ともいう)について詳述する。
上述したように、本発明の画像形成方法は、上記本発明のトナーを用いて画像形成を行うものであり、感光体表面を帯電させる帯電工程と;帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と;現像ユニット中のトナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体と、静電潜像を担持する感光体との間の電界の作用により、静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と;トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と;定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有する画像形成方法である。上記本発明の画像形成方法は、定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ前記定着体は、表面温度を検知する手段として非接触型の温度検知手段を定着体の長手方向長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の定着体上に有していてもよい。
本発明のトナーはキヤノン製の、LBP2040、CLC500、CLC700、CLC1000、CP2150、CP660、IRC3200等のフルカラー機に好ましく用いることができる。
本発明のトナーを用いた本発明の画像形成方法の好適な一例を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す部分的模式図である。この画像形成装置は、静電潜像を担持する感光体としての感光ドラム1と、この感光ドラム1表面を帯電させる帯電手段2と、帯電された感光ドラム1表面に静電潜像を形成する図示せぬ情報書き込み手段と、感光ドラム1表面に形成された静電潜像をトナーにより可視化して、トナー像を形成する現像する現像装置4と、現像装置4により形成されたトナー像を転写材25に転写する転写手段としての転写ブレード27とを有している。
本発明のトナーを使用する現像方法として、例えば図1に示すような二成分現像手段を用いて現像を行うことができる。本発明においては、現像工程は直流成分に交流成分を重畳させた電圧を現像剤担持体に印加することによって、現像剤担持体と感光体表面との間に振動電界を形成して現像を行う工程であることが好ましい。具体的には、図2に示す交番電圧を現像剤担持体に印加し、現像剤担持体上にキャリアによって形成された磁気ブラシが潜像担持体である感光体に接触した状態で現像を行うことが好ましい。
現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光ドラム1の距離(S−D間距離)Bは100〜800μmであることが感光体へのキャリア付着防止及びドット再現性の向上の点から良好である。S−D間距離が100μmより狭いと感光体への現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、800μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、磁性コートキャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
交番電界のピーク間の電圧は300〜3000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは1000〜7000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界等種々選択して用いることができる。印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、3000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが350V以下、より好ましくは300V以下が良い。
コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように100〜500Vが好ましく用いられる。
周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、感光体に接触したトナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与えられずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超えると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
本発明の現像方法で重要なことは、十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ11上の磁気ブラシの感光ドラム1との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングがおき、機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材としての規制ブレード15と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像スリーブ11と感光ドラム1との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整することができる。
本発明の画像形成方法は、特にハーフトーンを重視するような画像の出力において、本発明の現像剤および現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組合せることで、トナーを介しての電荷注入の影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても微粉カットした粒度分布のシャープなトナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
さらに初期の高画質化と併せて、上述の二成分系現像剤を用いることで現像装置内でのトナーの帯電量変化が小さく、多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われることにより、より引き締まった画像を呈することができる。
図面を参照しながら、さらに本発明の画像形成方法について説明する。
図1において、マグネットローラ21の有する磁力によって、搬送スリーブ22の表面に磁性粒子23よりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを感光ドラム1の表面に接触させて感光ドラム1を帯電する。搬送スリーブ22には、図示されないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されている。
帯電された感光ドラム1に、図示されない潜像形成手段としての露光装置によりレーザー光24を照射することにより、デジタルな静電潜像を形成する。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、マグネットローラ12を内包し、図示されないバイアス印加装置によって現像バイアスが印加されている現像スリーブ11に担持された現像剤19中のトナー19aによって現像される。
現像装置4は、隔壁17により現像剤室R1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュー13、14が設置されている。撹拌室R2の上方には、補給用トナー18を収容したトナー貯蔵室R3が設置され、貯蔵室R3の下部には補給口20が設けられている。
現像剤搬送スクリュー13は回転することによって、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現像スリーブ11の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁17には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられており、スクリュー13によって現像剤室R1の一方に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁17の開口を通って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー14に受け渡される。スクリュー14の回転方向はスクリュー13と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像剤室R1から受け渡された現像剤及びトナー貯蔵室R3から補給されたトナーを撹拌、混合しながら、スクリュー13とは逆方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁17の他方の開口を通って現像剤室R1に送り込む。
感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像するには、現像剤室R1内の現像剤19がマグネットローラ12の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ11の表面に担持される。現像スリーブ11上に担持された現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない規制ブレード15に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層に規制された後、現像スリーブ11と感光ドラム1とが対向した現像領域に至る。マグネットローラ12の現像領域に対応した部位には、磁極(現像極)N1が位置しており、現像極N1が現像領域に現像磁界を形成し、この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現像剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感光ドラム1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに付着しているトナーおよび現像スリーブ11の表面に付着しているトナーが、感光ドラム1上の静電荷像の領域に転移して付着し、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない現像装置4内に戻され、磁極S1、S2間の反撥磁界により現像スリーブ11から剥ぎ取られ、現像剤室R1および撹拌室R2内に落下して回収される。
上記の現像工程により現像装置4内の現像剤19のT/C比(トナーとキャリアの混合比、すなわち現像剤中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3から補給用トナー18が現像で消費された量に見あった量で撹拌室R2に補給され、現像剤19のT/Cが所定量に保たれる。その容器4内の現像剤19のT/C比の検知には、コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサーを使用する。該トナー濃度検知センサーは、図示されないコイルを内部に有している。
現像スリーブ11の下方に配置され、現像スリーブ11上の現像剤19の層厚を規制する規制ブレード15は、アルミニウム又はSUS316のような非磁性材料で作製される非磁性ブレードである。その端部と現像スリーブ11面との距離は150〜1000μm、好ましくは250〜900μmである。この距離が150μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためにはこの距離は250μm以上が好ましい。1000μmより大きいと現像スリーブ11上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行いにくく、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環、規制ブレード15による現像規制が弱まりトナーのトリボが低下しカブリやすくなる。
また、現像されたトナー画像は、搬送されてくる転写材(記録材)25上へ、バイアス印加手段26により転写バイアスが印加されている転写手段である転写ブレード27により転写され、転写材上に転写されたトナー画像は、図示されていない定着装置により転写材に定着される。転写工程において、転写材に転写されずに感光ドラム1上に残った転写残トナーは、帯電工程において、帯電状態が調整され、現像時に回収される。
図3は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図を示す。
フルカラー画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
第1の画像形成ユニットPaは、静電潜像担持体である感光体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム61aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、直径16mmのスリーブの表面に形成された磁気ブラシが感光ドラム61aの表面に接触するように配置されている。67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電潜像を形成するためのレーザー光であり、図示されていない露光装置により照射される。63aは、感光体ドラム61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー画像を形成するための現像手段としての現像装置でありカラートナーを保持している。64aは感光体ドラム61aの表面に形成されたカラートナー画像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材(記録材)の表面に転写するための転写手段としての転写ブレードであり、この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
第1の画像形成ユニットPaは、一次帯電器62aによって感光体ドラム61aを均一に一次帯電した後、露光装置67aにより感光体に静電荷像を形成し、現像装置63aで静電潜像をカラートナーにより現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光体ドラム61aと転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベルト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって転写材の表面に転写する。
現像によりトナーが消費され、T/C比が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給用トナー65aが補給される。なお、トナー濃度検知センサー85は図示されないコイルを内部に有している。
本画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、トナー各色毎に設けられた感光体上に画像を形成し、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行われる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルトなどの搬送手段によって定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
定着器70は、一対の直径40mmの定着ローラー71と直径30mmの加圧ローラー72を有し、定着ローラー71は、内部に加熱手段75及び76を有している。
転写材上に転写された未定着のカラートナー画像は、この定着器70の定着ローラー71と加圧ローラー72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。
図3において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆動ローラーによって矢印e方向に移動するものである。79は、転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト従動ローラーであり、82はベルト除電器である。83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するための一対のレジストローラである。
転写手段としては、転写ローラー等の転写材担持体を裏面側に当接して、転写バイアスを直接印加可能にする、所謂接触転写手段を用いることが可能である。
さらに、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。
しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることが、より好ましい。
次に、図4を参照しながら本発明の他の画像形成方法例を説明する。
図4は、本発明の画像形成方法を実施可能な画像形成装置の例を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、フルカラー複写機に構成されている。フルカラー複写機は、図4に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部35、下部にデジタルカラー画像プリンター部36を有する。
画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理を施され、デジタル画像プリンター部に送出される。
画像プリンター部において、静電潜像担持体である感光体としての感光ドラム1は、例えば有機光導電体のような感光体であり、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム1の周りには、前露光ランプ11、一次帯電部材としてのコロナ帯電器2、潜像形成手段としてのレーザー露光光学系3、電位センサー12、色の異なる4個の現像器4Y、4C、4M、4K、ドラム上光量検知手段13、転写装置5Aおよびクリーニング器6が配置されている。
レーザー露光光学系3において、リーダ部からの画像信号は、レーザー出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザー光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
プリンター部は、画像形成時、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上に潜像を形成する。
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体とした負帯電性トナーによる可視像、すなわちトナー像を形成する。現像器4Y、4C、4M、4Kは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、24Kの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近して、現像を行う。
転写装置5Aは、転写ドラム5、転写帯電器5b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよびこれと対向する吸着ローラー5g、そして内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを有している。転写ドラム5は、回転駆動可能に軸支され、その周囲の開口域に記録材(転写材)を担持する記録材担持体である転写シート5fが、円筒状に一体的に調節されている。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムなどが使用される。
記録材は、記録材カセット7a、7bまたは7cから記録材搬送系を通って転写ドラム5に搬送され、その転写シート5f上に担持される。転写ドラム5上に担持された記録材は、転写ドラム5の回転にともない感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用により、記録材上に感光ドラム1上のトナー像が転写される。
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)について繰り返し、転写ドラム5上の記録材上に4色のトナー像を重ねて転写したカラー画像が得られる。
片面の画像形成の場合は、このようにして4色のトナー像を転写された記録材が、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5から分離して加熱定着装置9に送られる。この加熱定着装置9は、内部に加熱手段を有する加熱定着ローラー9aと加圧ローラー9bによって構成されている。加熱部材としてのこの加熱定着ローラー9aと加圧ローラー9bの圧接部を記録材が通過することにより記録材上に担持されているフルカラー画像が記録材に定着される。すなわち、この定着工程によりトナーの混色、発色および記録材への固定が行われて、フルカラーの永久像とされたのちトレイ10に排紙され、1枚のフルカラー複写が終了する。他方、感光ドラム1は、表面の残留トナーをクリーニング器6で清掃して除去された後、再度、画像形成工程に供せられる。
本発明の画像形成方法においては、潜像担持体に形成された静電潜像を現像したトナー像を中間転写体を介して記録材に転写することも可能である。
すなわち、この画像形成方法は、静電荷像担持体に形成された静電潜像を現像することによって形成したトナー像を中間転写体に転写する工程及び中間転写体に転写されたトナー像を記録材に転写する工程を有するものである。
図5を参照しながら、中間転写体を用いた画像形成方法の一例を具体的に説明する。
図5に示す装置システムにおいて、シアン現像器54−1、マゼンタ現像器54−2、イエロー現像器54−3、ブラック現像器54−4に、それぞれシアントナーを有するシアン現像剤、マゼンタトナーを有するマゼンタ現像剤、イエロートナーを有するイエロー現像剤及びブラックトナーを有するブラック現像剤が導入されている。レーザー光等の潜像形成手段53によって潜像保持体としての感光体51上に静電潜像が形成される。磁気ブラシ現像方式、非磁性一成分現像方式又は磁性ジャンピング現像方式等の現像方式によって、感光体51に形成された静電潜像をこれらの現像剤によって現像し、各色トナー像が感光体51に形成される。感光体51は導電性基体51b及び導電性基体51b上に形成されたアモルファスセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、有機光導電体、アモルファスシリコン等の光導電絶縁物質層51aを持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体51は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転する。感光体51としては、アモルファスシリコン感光層又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層とを成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂がクリーニング性の点で良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体51とは非接触タイプの方式と、ローラー等の接触帯電部材を用いる接触タイプの方式があり、いずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図5に示すような接触方式のものが好ましく用いられる。
一次帯電部材としての帯電ローラー52は、中心の芯金52bとその外周を形成した導電性弾性層52aとを基本構成とするものである。帯電ローラー52は、感光体51面に押圧力をもって圧接され、感光体51の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いたときには、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
この他の接触帯電部材としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電部材は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
接触帯電部材としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリル樹脂が適用可能である。
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に転写される。中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層55aからなる。芯金55bは、プラスチックの表面に導電層(例えば導電性メッキ)を設けたものでも良い。
中抵抗の弾性体層55aは、シリコーンゴム、フッ素樹脂ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素等の導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を105〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
中間転写体55は、感光体51に対して並行に軸受けさせて感光体51の下面部に接触させて配設してあり、感光体51と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
感光体51の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体51と中間転写体55とが接する転写ニップ部を通過する過程で、中間転写体55に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体55の外面に対して順次に中間転写されていく。
中間転写体55に転写されなかった感光体51上の転写残トナーは、感光体用クリーニング部材58によってクリーニングされ感光体用クリーニング容器59に回収される。
転写手段57は中間転写体55に対して並行に軸受けされ、且つ中間転写体55の下面部に接触させて配設されている。この転写手段57は例えば転写ローラー又は転写ベルトであり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体55と転写手段57との間に接触するように配置されても良い。
転写ローラーの場合、中心の芯金57bとその外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とするものである。
中間転写体及び転写ローラーとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラーへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
中間転写体及び転写ローラーの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写ローラーの弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ローラーの硬度が逆になると、転写ローラー側に凹部が形成され、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
転写手段57は中間転写体55と等速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間転写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に、転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって中間転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写される。
転写材56に転写されなかった中間転写体上の転写残トナーは、中間転写体用クリーニング部材60によってクリーニングされ中間転写体用クリーニング容器62に回収される。転写材56に転写されたトナー像は、加熱定着装置61により転写材56に定着される。
転写ローラーの材質しては、帯電ローラーと同様のものを用いることができ、好ましい転写プロセス条件としては、ローラーの当接圧が2.94〜490N/m(3〜500g/cm)、より好ましくは19.6〜294N/mであり、直流電圧=±0.2〜±10kVである。
当接圧力としての線圧が2.94N/m未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
例えば転写ローラー57の導電性弾性層57bはポリウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元重合体)の如き弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化硅素等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を106〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
接触一成分現像方法としては、非磁性トナーを用いて、例えば図6に示すような現像装置90を用い現像することが可能である。
現像装置90は、磁性又は非磁性のトナーを有する一成分現像剤98(以下、単に「現像剤」と表記することがある)を収容する現像容器91、現像容器91に収納されている一成分現像剤98を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体92、現像剤担持体上に現像剤を供給するための供給ローラー95、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード96、現像容器91内の現像剤98を撹拌するための撹拌部材97を有している。
現像剤担持体92としては、ローラー基体93上に、発泡シリコーンゴム等の弾性を有するゴム又は樹脂等の弾性部材によって形成された弾性層94を有する弾性ローラーを用いることが好ましい。
この弾性ローラー(92)は、潜像保持体である感光体としての感光体ドラム99の表面に圧接して、弾性ローラー表面に塗布されている一成分系現像剤98により感光体に形成されている静電潜像を現像すると共に、転写後に感光体上に存在する不要な一成分現像剤98を回収する。
本発明において、現像剤担持体92は実質的に感光体ドラム99の表面と接触している。これは、現像剤担持体から一成分系現像剤を除いたときに現像剤担持体が感光体と接触しているということを意味する。このとき、現像剤を介して、感光体と現像剤担持体との間に働く電界によってエッジ効果のない画像が得られると同時にクリーニングが行われる。現像剤担持体としての弾性ローラー表面或いは、表面近傍が電位を持ち感光体表面と弾性ローラー表面との間で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、又は導電性ローラーの表面層に薄層の誘電層を設ける方法も利用できる。さらには、導電性ローラー上に感光体表面と接触する側の面を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体と接触しない側の面に導電層を設けた構成も可能である。
この一成分系現像剤を担持する弾性ローラーは、感光体ドラムと同方向に回転しても良いし、逆方向に回転しても良い。その回転が同方向である場合、感光体ドラムの周速に対して、周速比で100%より大きいことが好ましい。100%以下であるとラインの鮮明性が悪いなどの画像品質に問題を生じやすい。周速比が高まれば高まるほど、現像部位に供給される現像剤の量は多く、静電潜像に対し現像剤の脱着頻度が多くなり、不要な部分の現像剤は掻き落とされ、必要な部分には現像剤が付与されるという繰り返しにより、静電潜像に忠実な画像が得られる。さらに好ましくは周速比として100%以上が良い。
現像剤層厚規制部材96は、現像剤担持体92の表面に弾性力で圧接するものであれば、弾性ブレードに限られることなく、弾性ローラーを用いることも可能である。
弾性ブレード、弾性ローラーとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR等のゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼等の金属弾性体が使用できる。さらに、それらの複合体であっても使用できる。
弾性ブレードの場合には、弾性ブレード上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向或いは逆方向にたわみ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ表面に適度に弾性押圧をもって当接させる。
供給ローラー95はポリウレタンフォーム等の発泡材より成っており、現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、一成分系現像剤の供給とともに、現像剤担持体上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。
現像領域において、現像剤担持体上の一成分系現像剤によって感光体の静電潜像を現像する際には、現像剤担持体と感光体ドラムとの間に直接及び/又は交流の現像バイアスを印加して現像することが好ましい。
次に非接触ジャンピング現像方式について説明する。
非接触ジャンピング現像方式としては、非磁性トナーを有する一成分系磁性現像剤を用いる現像方法が挙げられる。ここでは、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤を用いる現像方法を図7に示す概略構成図に基づいて説明する。
現像装置170は、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤176(以下、単に「現像剤」と表記することがある)を収容する現像容器171、現像容器171に収容されている一成分系非磁性現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体172、現像剤担持体172上に一成分系非磁性現像剤を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体172上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174、現像容器171内の一成分系非磁性現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を有している。
169は静電潜像保持体としての感光体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリーブであり、アルミニウム或いはステンレスからなる非磁性スリーブからなる。
現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくは、その表面をガラスビーズ等で均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、或いは樹脂でコートしたものが良い。
一成分系非磁性現像剤176は現像容器171に貯蔵されており、供給ローラー173によって現像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173はポリウレタンフォームのような発泡材より成っており、現像剤担持体172に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。現像剤担持体172上に供給された一成分系非磁性現像剤176は現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174によって均一且つ薄層に塗布される。
弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を駆動させるために大きなトルクを要し、好ましくない。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに、一成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
現像剤層厚規制部材は、弾性ブレード、弾性ローラーを用いることができ、これらは所望の極性に現像剤を帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
本発明において、現像剤層厚規制部材の材質としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の有機樹脂層を設けても良い。導電性ゴム、導電性樹脂を使用し、さらに金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカー、無機繊維等のフィラーや荷電制御剤をブレードのゴム中・樹脂中に分散することも、現像剤層厚規制部材により適度の導電性、帯電付与性を与え、一成分系非磁性現像剤を適度に帯電させることができて好ましい。
この非磁性一成分現像方法において、弾性ブレード174により現像スリーブ172上に一成分系非磁性現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ172上の一成分系非磁性現像剤層の厚さを現像スリーブと潜像保持体との対抗空隙長βよりも小さくし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。即ち、図7に示すバイアス電源177により、現像スリーブ172と感光体169との間に交番電場又は交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ172上から感光体169への一成分系非磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
また、本発明のプロセス条件としては、通常の転写紙(105g/m2以下)を通紙する場合の定着速度が、100〜400mm/sであることが好ましい。
以下、製造例及び実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。また実施例に記載されている「部」は、全て「質量部」を意味する。
(含硫黄樹脂製造例1)
本発明に用いる硫黄原子を有する樹脂である極性重合体を次の手順で製造した。
還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250部、2−ブタノン150部及び2−プロパノール100部、モノマーとしてスチレン82部、アクリル酸2−エチルヘキシル11部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸7部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続し、更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了した。さらに、温度を維持したまま脱イオン水を500部添加し、有機層と水層の界面が乱れないように毎分80〜100回転で2時間撹拌した後に、30分静置し、分層した後に、水層を廃棄し有機層に無水硫酸ナトリウムを添加し、脱水した。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミルを用いて100μm以下に粗粉砕した。得られた極性重合体はTg約73℃であり、重量平均分子量は3.2万であった。得られた極性重合体を含硫黄樹脂1とする。
(含硫黄樹脂製造例2)
含硫黄樹脂製造例1において、スチレン80部、アクリル酸2−エチルヘキシル13部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸7部、用いた重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを1.5部ずつ添加すること意外は同様にして含硫黄樹脂2を得た。この樹脂のTgは約68.8℃であり、重量平均分子量は2.2万であった。
(イエロートナー製造例1)
スチレン単量体50部に対し、イエロー顔料(クロモフタロイエロー3G チバスペシャリティーケミカルズ社製)6部をメディア分散機(ハンディーミル)にて、1.25mmのジルコニアビーズで600rpm/300分間の撹拌を行い、マスターバッチ分散液を調製した。
一方、60℃に加温したイオン交換水450部に、リン酸三カルシウム1.5部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作製した。
また、下記の重合性単量体組成物をTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)に投入し、60℃に加温した後、9,000rpmにて撹拌し、溶解、分散した。
・MB分散液 50部
・スチレン 33部
・n−ブチルアクリレート 17部
・ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(オリエント化学社製) 0.5部
・含硫黄樹脂1 0.3部
・ポリエステル樹脂 5部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Mw:10 000、Mw/Mn:3.0、Tg:71℃、酸価:12.0、水酸基価:22.0)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク62℃) 12部
・ジビニルベンゼン 0.05部
これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて11,000rpmで撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して撹拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/hrで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行い、重合体粒子を製造した。重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを冷却し、塩酸を加えpHを1.4にし、スラリーの10倍の水量で洗浄した後に、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してイエロートナー粒子(1)を得た。
このトナー粒子100部に対し、流動性向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理した後に50CSのシリコーンオイルで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:180m2/g)1.5部と、イソブチルトリメトキシシランで処理した疎水性酸化チタン微粉体(BET:90m2/g)0.3部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合した後、ターボスクリーナーで粗粒を除去し、本発明のイエロートナー(1Y)とした。
イエロートナー(1Y)の物性値は、tanYが0.0037、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例1)
イエロートナー製造例1において、イエロー着色剤のかわりにマゼンタ着色剤(トナーマゼンタEO2クラリアント社製)を6部添加し、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を0.5部、含硫黄樹脂1を0.6部に変更すること以外は同様にしてマゼンタトナー(1M)を得た。
マゼンタトナー(1M)の物性値は、tanMが0.0038、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例1)
イエロートナー製造例1において、イエロー着色剤のかわりにシアン着色剤(銅フタロシアニンブルー 大日精化社製)を6部添加し、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を0.5部、含硫黄樹脂1を0.7部に変更すること以外は同様にしてシアントナー(1C)を得た。
シアントナー(1C)の物性値は、tanCが0.0039、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例1)
イエロートナー製造例1において、イエロー着色剤のかわりにブラック着色剤(カーボンブラック(平均一次粒子径30nm、pH9.1、比表面積60m2/g、揮発分0.5%、DBP吸油量45ml/100g、トルエン抽出量0.1%、フルイ残分28ppm、嵩密度390g/リットル;デグサ社製)を7.5部添加し、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を0.7部、含硫黄樹脂1を0.8部に変更し、マスターバッチ作製時に亜鉛フタロシアニン顔料(三洋色素株式会社製)0.075部を添加し、マスターバッチの分散時間を500分間とすること以外は同様にしてブラックトナー(1Bk)を得た。
ブラックトナー(1Bk)の物性値は、tanBkが0.005、ABkが0.590、SBkが0.675、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例2)
イエロートナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を2.5部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.2部とし、マスターバッチの分散時間を400分とすること以外は同様にしてイエロートナー(2Y)を得た。
イエロートナー(2Y)の物性値は、tanYが0.0015、AYが0.434、SYが0.174、平均円形度が0.983、円形度標準偏差が0.023、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が23個数%、12.7μm以上の体積%が0.8体積%であった。
(マゼンタトナー製造例2)
マゼンタトナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を2.5部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.4部とし、マスターバッチの分散時間を400分とすること以外は同様にしてマゼンタトナー(2M)を得た。
マゼンタトナー(2M)の物性値は、tanMが0.0016、AMが0.433、SMが0.346、平均円形度が0.983、円形度標準偏差が0.023、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が23個数%、12.7μm以上の体積%が0.8体積%であった。
(シアントナー製造例2)
シアントナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を2.5部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.5部とし、マスターバッチの分散時間を400分とすること以外は同様にしてシアントナー(2C)を得た。
シアントナー(2M)の物性値は、tanCが0.0017、ACが0.433、SCが0.433、平均円形度が0.983、円形度標準偏差が0.023、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が23個数%、12.7μm以上の体積%が0.8体積%であった。
(ブラックトナー製造例2)
ブラックトナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を2.5部とし、含硫黄樹脂の添加部数を1.0部とし、亜鉛フタロシアニン顔料(三洋色素株式会社製)の添加部数を0.15部とし、マスターバッチの分散時間を700分とすること以外は同様にしてブラックトナー(2Bk)を得た。
ブラックトナー(2Bk)の物性値は、tanBkが0.0024、ABkが0.602、SBkが0.806、平均円形度が0.983、円形度標準偏差が0.023、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が23個数%、12.7μm以上の体積%が0.8体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は108であった。
(イエロートナー製造例3)
イエロートナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を7部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.4部とし、マスターバッチ作製時に白色導電性酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製 23−KA)0.2部を添加し、マスターバッチの分散時間を200分とすること以外は同様にしてイエロートナー(3Y)を得た。
イエロートナー(3Y)の物性値は、tanYが0.0055、AYが0.417、SYが0.333、平均円形度が0.979、円形度標準偏差が0.027、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が27個数%、12.7μm以上の体積%が1.2体積%であった。
(マゼンタトナー製造例3)
マゼンタトナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を7部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.7部とし、マスターバッチ作製時に白色導電性酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製 23−KA)0.2部を添加し、マスターバッチの分散時間を200分とすること以外は同様にしてマゼンタトナー(3M)を得た。
マゼンタトナー(3M)の物性値は、tanMが0.0056、AMが0.416、SMが0.582、平均円形度が0.979、円形度標準偏差が0.027、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が27個数%、12.7μm以上の体積%が1.2体積%であった。
(シアントナー製造例3)
シアントナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を7部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.7部とし、マスターバッチ作製時に白色導電性酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製 23−KA)0.2部を添加し、マスターバッチの分散時間を200分とすること以外は同様にしてシアントナー(3C)を得た。
シアントナー(3M)の物性値は、tanCが0.0057、ACが0.416、SCが0.582、平均円形度が0.979、円形度標準偏差が0.027、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が27個数%、12.7μm以上の体積%が1.2体積%であった。
(ブラックトナー製造例3)
ブラックトナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を7部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.6部とし、亜鉛フタロシアニン顔料(三洋色素株式会社製)の添加部数を0.0375部とし、マスターバッチの分散時間を300分とすること以外は同様にしてブラックトナー(3Bk)を得た。
ブラックトナー(3Bk)の物性値は、tanBkが0.0065、ABkが0.582、SBkが0.499、平均円形度が0.979、円形度標準偏差が0.027、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が27個数%、12.7μm以上の体積%が1.2体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は64であった。
(イエロートナー比較製造例1)
イエロートナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を1.5部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.15部とし、マスターバッチの分散時間を500分とすること以外は同様にして比較イエロートナー(比1Y)を得た。
比較イエロートナー(比1Y)の物性値は、tanYが0.0007、AYが0.406、SYが0.122、平均円形度が0.984、円形度標準偏差が0.022、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が22個数%、12.7μm以上の体積%が0.7体積%であった。
(マゼンタトナー比較製造例1)
マゼンタトナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を1.5部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.25部とし、マスターバッチの分散時間を500分とすること以外は同様にして比較マゼンタトナー(比1M)を得た。
比較マゼンタトナー(比1M)の物性値は、tanMが0.0008、AMが0.399、SMが0.200、平均円形度が0.984、円形度標準偏差が0.022、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が22個数%、12.7μm以上の体積%が0.7体積%であった。
(シアントナー比較製造例1)
シアントナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を1.5部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.35部とし、マスターバッチの分散時間を500分とすること以外は同様にして比較シアントナー(比1C)を得た。
比較シアントナー(比1C)の物性値は、tanCが0.0009、ACが0.407、SCが0.285、平均円形度が0.984、円形度標準偏差が0.022、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が22個数%、12.7μm以上の体積%が0.7体積%であった。
(ブラックトナー比較製造例1)
ブラックトナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を1.5部とし、含硫黄樹脂の添加部数を1.4部とし、亜鉛フタロシアニン顔料(三洋色素株式会社製)の添加部数を0.3部とし、マスターバッチの分散時間を800分とすること以外は同様にして比較ブラックトナー(比1Bk)を得た。
比較ブラックトナー(比1Bk)の物性値は、tanBkが0.0013、ABkが0.553、SBkが1.106、平均円形度が0.984、円形度標準偏差が0.022、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が22個数%、12.7μm以上の体積%が0.7体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は119であった。
(イエロートナー比較製造例2)
イエロートナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を7部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.4部とし、マスターバッチ作製時に白色導電性酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製 23−KA)0.4部を添加し、マスターバッチの分散時間を150分とすること以外は同様にして比較イエロートナー(比2Y)を得た。
イエロートナー(比2Y)の物性値は、tanYが0.0063、AYが0.387、SYが0.309、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー比較製造例2)
マゼンタトナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を7部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.7部とし、マスターバッチ作製時に白色導電性酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製 23−KA)0.4部を添加し、マスターバッチの分散時間を150分とすること以外は同様にして比較マゼンタトナー(比2M)を得た。
比較マゼンタトナー(比2M)の物性値は、tanMが0.0064、AMが0.380、SMが0.532、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー比較製造例2)
シアントナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を7部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.8部とし、マスターバッチ作製時に白色導電性酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社製 23−KA)0.4部を添加し、マスターバッチの分散時間を150分とすること以外は同様にして比較シアントナー(比2C)を得た。
比較シアントナー(比2C)の物性値は、tanCが0.0065、ACが0.388、SCが0.620、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー比較製造例2)
ブラックトナー製造例1において、用いる極性樹脂の添加部数を7部とし、含硫黄樹脂の添加部数を0.9部とし、亜鉛フタロシアニン顔料(三洋色素株式会社製)添加せず、マスターバッチの分散時間を300分とすること以外は同様にして比較ブラックトナー(比2Bk)を得た。
比較ブラックトナー(比2Bk)の物性値は、tanBkが0.0079、ABkが0.534、SBkが0.686、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は38であった。
(イエロートナー製造例4)
イエロートナー製造例1において、含硫黄樹脂1を添加しないこと以外は同様にしてイエロートナー(4Y)を得た。
イエロートナー(4Y)の物性値は、tanYが0.0032、AYが0.425、SYが0、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例4)
マゼンタトナー製造例1において、含硫黄樹脂1を添加しないこと以外は同様にしてマゼンタトナー(4M)を得た。
マゼンタトナー(4M)の物性値は、tanMが0.0033、AMが0.425、SMが0、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例4)
シアントナー製造例1において、含硫黄樹脂1を添加しないこと以外は同様にしてシアントナー(4C)を得た。
シアントナー(4C)の物性値は、tanCが0.0034、ACが0.425、SCが0、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例4)
ブラックトナー製造例1において、含硫黄樹脂1を添加しないこと以外は同様にしてブラックトナー(4Bk)を得た。
ブラックトナー(4Bk)の物性値は、tanBkが0.0066、ABkが0.594、SBkが0、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は55であった。
(イエロートナー製造例5)
イエロートナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を添加しないこと以外は同様にしてイエロートナー(5Y)を得た。
イエロートナー(5Y)の物性値は、tanYが0.0037、AYが0、SYが0.256、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例5)
マゼンタトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を添加しないこと以外は同様にしてマゼンタトナー(5M)を得た。
マゼンタトナー(5M)の物性値は、tanMが0.0038、AMが0、SMが0.510、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例5)
シアントナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を添加しないこと以外は同様にしてシアントナー(5C)を得た。
シアントナー(5C)の物性値は、tanCが0.0039、ACが0、SCが0.594、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例5)
ブラックトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を添加せず、含硫黄樹脂1を0.8部添加すること以外は同様にしてブラックトナー(5Bk)を得た。
ブラックトナー(5Bk)の物性値は、tanBkが0.005、ABkが0、SBkが0.679、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例6)
イエロートナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物のかわりにジ−t−ブチルサリチル酸のジルコニウム化合物(オリエント化学株式会社製 TN105)を添加すること以外は同様にしてイエロートナー(6Y)を得た。
イエロートナー(6Y)の物性値は、tanYが0.0041、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例6)
マゼンタトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物のかわりにジ−t−ブチルサリチル酸のジルコニウム化合物(オリエント化学株式会社製 TN105)を添加すること以外は同様にしてマゼンタトナー(6M)を得た。
マゼンタトナー(6M)の物性値は、tanMが0.0042、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例6)
シアントナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物のかわりにジ−t−ブチルサリチル酸のジルコニウム化合物(オリエント化学株式会社製 TN105)を添加すること以外は同様にしてシアントナー(6C)を得た。
シアントナー(6C)の物性値は、tanCが0.0043、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例6)
ブラックトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物のかわりにジ−t−ブチルサリチル酸のジルコニウム化合物(オリエント化学株式会社製 TN105)を添加すること以外は同様にしてブラックトナー(6Bk)を得た。
ブラックトナー(6Bk)の物性値は、tanBkが0.0054、ABkが0.590、SBkが0.675、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例7)
イエロートナー製造例1において、含硫黄樹脂1のかわりに含硫黄樹脂2を添加すること以外は同様にしてイエロートナー(7Y)を得た。
イエロートナー(7Y)の物性値は、tanYが0.0043、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例7)
マゼンタトナー製造例1において、含硫黄樹脂1のかわりに含硫黄樹脂2を添加すること以外は同様にしてマゼンタトナー(7M)を得た。
マゼンタトナー(7M)の物性値は、tanMが0.0044、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例7)
シアントナー製造例1において、含硫黄樹脂1のかわりに含硫黄樹脂2を添加すること以外は同様にしてシアントナー(7C)を得た。
シアントナー(7C)の物性値は、tanCが0.0045、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例7)
ブラックトナー製造例1において、含硫黄樹脂1のかわりに含硫黄樹脂2を添加すること以外は同様にしてブラックトナー(7Bk)を得た。
ブラックトナー(7Bk)の物性値は、tanBkが0.0056、ABkが0.590、SBkが0.675、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例8)
イエロートナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を0.04部とし、含硫黄樹脂1の添加量を0.04部とすること以外は同様にしてイエロートナー(8Y)を得た。
イエロートナー(8Y)の物性値は、tanYが0.0042、AYが0.034、SYが0.034、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例8)
マゼンタトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を0.04部とし、含硫黄樹脂1の添加量を0.04部とすること以外は同様にしてマゼンタトナー(8M)を得た。
マゼンタトナー(8M)の物性値は、tanMが0.0043、AMが0.034、SMが0.034、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例8)
シアントナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を0.04部とし、含硫黄樹脂1の添加量を0.04部とすること以外は同様にしてシアントナー(8C)を得た。
シアントナー(8C)の物性値は、tanCが0.0044、ACが0.034、SCが0.034、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例8)
ブラックトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を0.05部とし、含硫黄樹脂1の添加量を0.05部とすること以外は同様にしてブラックトナー(8Bk)を得た。
ブラックトナー(8Bk)の物性値は、tanBkが0.0057、ABkが0.043、SBkが0.043、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例9)
イエロートナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を3.5部とし、含硫黄樹脂1の添加量を1.4部とすること以外は同様にしてイエロートナー(9Y)を得た。
イエロートナー(9Y)の物性値は、tanYが0.0031、AYが2.870、SYが1.148、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例9)
マゼンタトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を3.5部とし、含硫黄樹脂1の添加量を1.4部とすること以外は同様にしてマゼンタトナー(9M)を得た。
マゼンタトナー(9M)の物性値は、tanMが0.0032、AMが2.870、SMが1.148、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例9)
シアントナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を3.5部とし、含硫黄樹脂1の添加量を1.4部とすること以外は同様にしてシアントナー(9C)を得た。
シアントナー(9C)の物性値は、tanCが0.0033、ACが2.870、SCが1.148、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例9)
ブラックトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を3.6部とし、含硫黄樹脂1の添加量を1.5部とすること以外は同様にしてブラックトナー(9Bk)を得た。
ブラックトナー(9Bk)の物性値は、tanBkが0.0042、ABkが2.947、SBkが1.228、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例10)
イエロートナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を6.5部とし、含硫黄樹脂1の添加量を3.2部とすること以外は同様にしてイエロートナー(10Y)を得た。
イエロートナー(10Y)の物性値は、tanYが0.0026、AYが5.128、SYが2.525、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例10)
マゼンタトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を6.5部とし、含硫黄樹脂1の添加量を3.2部とすること以外は同様にしてマゼンタトナー(10M)を得た。
マゼンタトナー(10M)の物性値は、tanMが0.0027、AMが5.128、SMが2.525、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例10)
シアントナー製造例1においてジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を6.5部とし、含硫黄樹脂1の添加量を3.2部とすること以外は同様にしてシアントナー(10C)を得た。
シアントナー(10C)の物性値は、tanCが0.0028、ACが5.128、SCが2.525、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例10)
ブラックトナー製造例1において、ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物の添加量を6.6部とし、含硫黄樹脂1の添加量を3.3部とすること以外は同様にしてブラックトナー(10Bk)を得た。
ブラックトナー(10Bk)の物性値は、tanBkが0.0039、ABkが5.199、SBkが2.599、平均円形度が0.981、円形度標準偏差が0.025、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例11)
イエロートナー製造例1において、80℃で5時間反応を行った後、90℃に昇温し、1時間の熱処理を行うこと以外は同様にしてイエロートナー(11Y)を得た。
イエロートナー(11Y)の物性値は、tanYが0.0037、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.992、円形度標準偏差が0.018、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例11)
マゼンタトナー製造例1において、80℃で5時間反応を行った後、90℃に昇温し、1時間の熱処理を行うこと以外は同様にしてマゼンタトナー(11M)を得た。
マゼンタトナー(11M)の物性値は、tanMが0.0038、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.992、円形度標準偏差が0.018、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例11)
シアントナー製造例1において、80℃で5時間反応を行った後、90℃に昇温し、1時間の熱処理を行うこと以外は同様にしてシアントナー(11C)を得た。
シアントナー(11C)の物性値は、tanCが0.0039、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.992、円形度標準偏差が0.018、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例11)
ブラックトナー製造例1において、80℃で5時間反応を行った後、90℃に昇温し、1時間の熱処理を行うこと以外は同様にしてブラックトナー(11Bk)を得た。
ブラックトナー(11Bk)の物性値は、tanBkが0.005、ABkが0.590、SBkが0.675、平均円形度が0.992、円形度標準偏差が0.018、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例12)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
15mol%
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
34mol%
・テレフタル酸 1.5mol%
・フマール酸 36mol%
・トリメリット酸 0.1mol%
これらを4つ口フラスコに仕込み、還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び撹拌装置を付し、フラスコ内に窒素を導入しながら縮合重合して、酸価:10.5mgKOH/g、Tg:56℃、Mn:4000、Mw:10500のポリエステル樹脂(A)を得た。
上記ポリエステル樹脂(A)100部に製造例1で用いたイエロー着色剤を6部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物を0.45部、含硫黄樹脂1を0.35部、エステルワックス(総炭素数:36)6部を、75Eヘンシェルミキサーにより1800rpmで8分間の予備混合を行い、二軸押出し混練機を120℃に設定し溶融混練を行った。冷却後ハンマーミルを用いて、約1〜2mm程度に粗粉際した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で40μm以下の粒径に微粉砕した後、熱球形化処理した。さらに得られた微粉砕物を分級してシアン色トナー粒子を得た。それ以外はトナー製造例1と同様にしてイエロートナー(12Y)を作製した。
イエロートナー(12Y)の物性値は、tanYが0.0037、AYが0.382、SYが0.297、平均円形度が0.965、円形度標準偏差が0.037、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例12)
イエロートナー製造例12において、用いる着色剤をマゼンタトナー製造例1で用いたキナクリドンを用いること以外は、同様にしてマゼンタトナー(12M)を作製した。
マゼンタトナー(12M)の物性値は、tanMが0.0038、AMが0.382、SMが0.297、平均円形度が0.965、円形度標準偏差が0.037、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(シアントナー製造例12)
イエロートナー製造例12において、用いる着色剤をシアントナー製造例1で用いた銅フタロシアニンを用いること以外は、同様にしてシアントナー(12C)を作製した。
シアントナー(12C)の物性値は、tanCが0.0039、ACが0.382、SCが0.297、平均円形度が0.965、円形度標準偏差が0.037、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(ブラックトナー製造例12)
イエロートナー製造例12において、用いる着色剤をブラックトナー製造例1で用いたカーボンブラックを7.5部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物を0.6部、含硫黄樹脂1を0.5部用いること以外は、同様にしてブラックトナー(12Bk)を作製した。
ブラックトナー(12Bk)の物性値は、tanBkが0.005、ABkが0.478、SBkが0.398、平均円形度が0.965、円形度標準偏差が0.037、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(イエロートナー製造例13)
イエロートナー製造例1において、80℃で5時間反応を行った後、95℃に昇温し、1時間の熱処理を行うこと以外は同様にしてイエロートナー(13Y)を得た。
イエロートナー(13Y)の物性値は、tanYが0.0037、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.996、円形度標準偏差が0.009、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が25個数%、12.7μm以上の体積%が1.0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例13)
マゼンタトナー製造例1において、80℃で5時間反応を行った後、95℃に昇温し、1時間の熱処理を行うこと以外は同様にしてマゼンタトナー(13M)を得た。
マゼンタトナー(13M)の物性値は、tanMが0.0038、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.995、円形度標準偏差が0.010、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が23個数%、12.7μm以上の体積%が0.9体積%であった。
(シアントナー製造例13)
シアントナー製造例1において、80℃で5時間反応を行った後、95℃に昇温し、1時間の熱処理を行うこと以外は同様にしてシアントナー(13C)を得た。
シアントナー(13C)の物性値は、tanCが0.0039、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.994、円形度標準偏差が0.011、重量平均粒径D4が6.6μm、5.04μm以下の個数%が26個数%、12.7μm以上の体積%が1.1体積%であった。
(ブラックトナー製造例13)
ブラックトナー製造例1において、80℃で5時間反応を行った後、95℃に昇温し、1時間の熱処理を行うこと以外は同様にしてブラックトナー(13Bk)を得た。
ブラックトナー(13Bk)の物性値は、tanBkが0.005、ABkが0.590、SBkが0.675、平均円形度が0.997、円形度標準偏差が0.008、重量平均粒径D4が6.6μm、5.04μm以下の個数%が23個数%、12.7μm以上の体積%が0.7体積%であった。なお、マスターバッチ調整時の展色グロス値は88であった。
(イエロートナー製造例14)
イエロートナー製造例12において、熱球形化処理しないこと以外は同様にしてイエロートナー(14Y)を作製した。
イエロートナー(14Y)の物性値は、tanYが0.0038、AYが0.382、SYが0.297、平均円形度が0.940、円形度標準偏差が0.041、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が27個数%、12.7μm以上の体積%が1.6体積%であった。
(マゼンタトナー製造例14)
マゼンタトナー製造例12において、熱球形化処理しないこと以外は同様にしてマゼンタトナー(14M)を作製した。
マゼンタトナー(14M)の物性値は、tanMが0.0040、AMが0.382、SMが0.297、平均円形度が0.941、円形度標準偏差が0.042、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が30個数%、12.7μm以上の体積%が1.9体積%であった。
(シアントナー製造例14)
シアントナー製造例12において、熱球形化処理しないこと以外は同様にしてシアントナー(14C)を作製した。
シアントナー(14C)の物性値は、tanCが0.0039、ACが0.382、SCが0.297、平均円形度が0.942、円形度標準偏差が0.044、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が32個数%、12.7μm以上の体積%が1.8体積%であった。
(ブラックトナー製造例14)
ブラックトナー製造例12において、熱球形化処理しないこと以外は同様にしてブラックトナー(14Bk)を作製した。
ブラックトナー(14Bk)の物性値は、tanBkが0.0052、ABkが0.478、SBkが0.398、平均円形度が0.943、円形度標準偏差が0.041、重量平均粒径D4が6.5μm、5.04μm以下の個数%が33個数%、12.7μm以上の体積%が1.8体積%であった。
(イエロートナー製造例15)
イエロートナー製造例1において、リン酸三カルシウム1.8部を添加し、ホモミキサーの回転数を13000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを1.8部とすること以外は同様にして、重量平均粒径4.5μmのイエロートナー(15Y)を得た。
イエロートナー(15Y)の物性値は、tanYが0.0037、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.973、円形度標準偏差が0.034、5.04μm以下の個数%が32個数%、12.7μm以上の体積%が0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例15)
マゼンタトナー製造例1において、リン酸三カルシウム1.8部を添加し、ホモミキサーの回転数を13000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを1.8部とすること以外は同様にして、重量平均粒径4.5μmのマゼンタトナー(15M)を得た。
マゼンタトナー(15M)の物性値は、tanMが0.0038、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.971、円形度標準偏差が0.033、5.04μm以下の個数%が33個数%、12.7μm以上の体積%が0体積%であった。
(シアントナー製造例15)
シアントナー製造例1において、リン酸三カルシウム1.8部を添加し、ホモミキサーの回転数を13000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを1.8部とすること以外は同様にして、重量平均粒径4.5μmのシアントナー(15C)を得た。
シアントナー(15C)の物性値は、tanCが0.0039、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.974、円形度標準偏差が0.032、5.04μm以下の個数%が34個数%、12.7μm以上の体積%が0体積%であった。
(ブラックトナー製造例15)
ブラックトナー製造例1において、リン酸三カルシウム1.8部を添加し、ホモミキサーの回転数を13000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを1.8部とすること以外は同様にして、重量平均粒径4.5μmのブラックトナー(15Bk)を得た。
ブラックトナー(15Bk)の物性値は、tanBkが0.005、ABkが0.590、SBKが0.675、平均円形度が0.975、円形度標準偏差が0.041、5.04μm以下の個数%が34個数%、12.7μm以上の体積%が0体積%であった。
(イエロートナー製造例16)
イエロートナー製造例1において、リン酸三カルシウム1.0部を添加し、ホモミキサーの回転数を7000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを1.2部とすること以外は同様にして、重量平均粒径8.7μmのイエロートナー(16Y)を得た。
イエロートナー(16Y)の物性値は、tanYが0.0039、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.972、円形度標準偏差が0.029、5.04μm以下の個数%が20個数%、12.7μm以上の体積%が1.2体積%であった。
(マゼンタトナー製造例16)
マゼンタトナー製造例1において、リン酸三カルシウム1.8部を添加し、ホモミキサーの回転数を13000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを1.2部とすること以外は同様にして、重量平均粒径8.7μmのマゼンタトナー(16M)を得た。
マゼンタトナー(16M)の物性値は、tanMが0.0038、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.973、円形度標準偏差が0.029、5.04μm以下の個数%が21個数%、12.7μm以上の体積%が1.2体積%であった。
(シアントナー製造例16)
シアントナー製造例1において、リン酸三カルシウム1.8部を添加し、ホモミキサーの回転数を13000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを1.2部とすること以外は同様にして、重量平均粒径8.7μmのシアントナー(16C)を得た。
シアントナー(16C)の物性値は、tanCが0.0040、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.971、円形度標準偏差が0.029、5.04μm以下の個数%が22個数%、12.7μm以上の体積%が1.1体積%であった。
(ブラックトナー製造例16)
ブラックトナー製造例1において、リン酸三カルシウム1.8部を添加し、ホモミキサーの回転数を13000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを1.2部とすること以外は同様にして、重量平均粒径8.7μmのブラックトナー(16Bk)を得た。
ブラックトナー(16Bk)の物性値は、tanBkが0.0051、ABkが0.590、SBkが0.675、平均円形度が0.974、円形度標準偏差が0.029、5.04μm以下の個数%が23個数%、12.7μm以上の体積%が1.5体積%であった。
(イエロートナー製造例17)
イエロートナー製造例1において、リン酸三カルシウム2.2部を添加し、ホモミキサーの回転数を15000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを2.0部とすること以外は同様にして、重量平均粒径3.4μmのイエロートナー(17Y)を得た。
イエロートナー(17Y)の物性値は、tanYが0.0035、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.970、円形度標準偏差が0.035、5.04μm以下の個数%が37個数%、12.7μm以上の体積%が0体積%であった。
(マゼンタトナー製造例17)
マゼンタトナー製造例1において、リン酸三カルシウム2.2部を添加し、ホモミキサーの回転数を15000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを2.0部とすること以外は同様にして、重量平均粒径3.4μmのマゼンタトナー(17M)を得た。
マゼンタトナー(17M)の物性値は、tanMが0.0036、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.970、円形度標準偏差が0.037、5.04μm以下の個数%が36個数%、12.7μm以上の体積%が0体積%であった。
(シアントナー製造例17)
シアントナー製造例1において、リン酸三カルシウム2.2部を添加し、ホモミキサーの回転数を15000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを2.0部とすること以外は同様にして、重量平均粒径3.6μmのシアントナー(17C)を得た。
シアントナー(17C)の物性値は、tanCが0.0037、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.969、円形度標準偏差が0.036、5.04μm以下の個数%が38個数%、12.7μm以上の体積%が0体積%であった。
(ブラックトナー製造例17)
ブラックトナー製造例1において、リン酸三カルシウム2.2部を添加し、ホモミキサーの回転数を15000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを2.0部とすること以外は同様にして、重量平均粒径3.5μmのブラックトナー(17Bk)を得た。
ブラックトナー(17Bk)の物性値は、tanBkが0.005、ABkが0.590、SBkが0.675、平均円形度が0.968、円形度標準偏差が0.039、5.04μm以下の個数%が39個数%、12.7μm以上の体積%が0体積%であった。
(イエロートナー製造例18)
イエロートナー製造例1において、リン酸三カルシウム0.7部を添加し、ホモミキサーの回転数を5000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを0.9部とすること以外は同様にして、重量平均粒径9.8μmのイエロートナー(18Y)を得た。
イエロートナー(18Y)の物性値は、tanYが0.0040、AYが0.424、SYが0.255、平均円形度が0.972、円形度標準偏差が0.027、5.04μm以下の個数%が15個数%、12.7μm以上の体積%が2.2体積%であった。
(マゼンタトナー製造例18)
マゼンタトナー製造例1において、リン酸三カルシウム0.7部を添加し、ホモミキサーの回転数を5000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを0.9部とすること以外は同様にして、重量平均粒径9.8μmのマゼンタトナー(18M)を得た。
マゼンタトナー(18M)の物性値は、tanMが0.0041、AMが0.423、SMが0.508、平均円形度が0.971、円形度標準偏差が0.029、5.04μm以下の個数%が15個数%、12.7μm以上の体積%が2.2体積%であった。
(シアントナー製造例18)
シアントナー製造例1において、リン酸三カルシウム0.7部を添加し、ホモミキサーの回転数を5000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを0.9部とすること以外は同様にして、重量平均粒径9.8μmのシアントナー(18C)を得た。
シアントナー(18C)の物性値は、tanCが0.0041、ACが0.423、SCが0.592、平均円形度が0.974、円形度標準偏差が0.028、5.04μm以下の個数%が16個数%、12.7μm以上の体積%が2.3体積%であった。
(ブラックトナー製造例18)
ブラックトナー製造例1において、リン酸三カルシウム0.7部を添加し、ホモミキサーの回転数を5000rpm、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤としてシリカのみを0.9部とすること以外は同様にして、重量平均粒径9.8μmのブラックトナー(18Bk)を得た。
ブラックトナー(18Bk)の物性値は、tanBkが0.0054、ABkが0.590、SBKが0.675、平均円形度が0.971、円形度標準偏差が0.029、5.04μm以下の個数%が17個数%、12.7μm以上の体積%が2.1体積%であった。
〈実施例1〉
画像形成装置として、市販のカラーレーザープリンターCP2810(キヤノン社製)の定着スピードを150mm/sとし、中間転写ベルトを装着し、20枚/分を出力し得るプリンターに改造した。
表1に示す現像剤の組み合わせで、X−Rite社製504型反射濃度計で測定される画像濃度が1.5である直径5mmの円を印字率が全体の2%画像パターンを、23.5℃/相対湿度10%、30.0℃/相対湿度70%の各環境でそれぞれ10000枚の通紙試験を行い、以下の評価方法に基づいて評価した。その評価結果を表2に示す。表2から分かるように全ての評価項目において概ね良好な結果が得られた。
(1)カブリ
23.5℃,10%RH環境(NL)、23.5℃,50%RH環境(NN)、30℃,70%RH環境(HH)での1万枚耐久試験において、カブリを測定した。方法としては、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を、測定色の補色のフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER ODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式
Fog(%)=Dr(%)−Ds(%)
から算出する。
各フィルター(アンバー、グリーン、ブルー)の平均値をカブリの値とした。
(2)感光体クリーニング不良評価
23.5℃,10%RH環境下(NL)耐久試験初期のBkトナーのクリーニング性を、下記の判断基準で評価した。
A:全くクリーニング不良が存在しない
B:ドラム上に1mm長さ以下のクリーニング不良が数点存在するが、画像上全く問題な い
C:ドラム上に1〜4mm長さのクリーニング不良が数点存在し、画像上うっすら発生し ているものの実使用上問題となるレベルではない
D:ドラム上に4mm長さより長いクリーニング不良が10点以上存在し、画像上にも発 生し、問題となるレベル。
E:ドラム上に4mm〜10mm径のクリーニング不良が10〜20点存在し、画像上に も発生し、問題となるレベル。
F:ドラム上に1mm径より大きいクリーニング不良が全面に存在し、画像上も多数発生 し、問題となるレベルであり実使用に耐えない。
(3)画質評価
30℃,70%RH環境下(HH)でのBkトナーの通紙試験において、画質評価(5ポイントの文字、ライン画像、べた画像の総合評価)を目視及びルーペで行った。評価基準は下記に順ずる。
A:飛び散りもなく、ライン画像及び文字画像は鮮明であり、べた画像も均一で良好。
B:ルーペ確認にて若干飛び散りが認識されるが、目視確認ではまったく問題なくべた画 像も均一で良好。
C:目視にてライン画像及び文字画像に若干飛び散った部分が確認されるが、実使用上問 題となるレベルではない。
D:目視にてライン画像及び文字画像に飛び散った部分が多いが、一般使用ではぎりぎり で問題とならないレベル。
E:目視にてライン画像及び文字画像に飛び散った部分問題となるレベル。
F:目視にてライン画像及び文字画像に飛び散った部分が多く、実使用に耐えない。
G:ライン画像、文字画像のみならず、べた画像に関しても均一性がなく貧弱なものであ り、実使用に耐えない。
(4)トナー飛散評価
30℃,70%RH環境下(HH)での通紙試験後において、現像スリーブ下及び機内にたまる4色のトナー量でトナー飛散を評価した。
A:現像スリーブ下及び機内にまったくトナーがなく良好。
B:現像スリーブ下にうっすらとトナー層が確認されるが、機内には飛散したトナーがな く良好。
C:現像スリーブ下及び機内に若干トナーが飛散しているが、問題となるレベルではない 。
D:現像スリーブ下及び機内にトナーが飛散しており、問題となるレベル。
E:現像スリーブ下及び機内にトナーが飛散している部分が多く、実使用に耐えない。
F:機内がトナー色で汚染され、画像欠陥も多発し実使用に耐えない。
(5)ブロッキング試験
Bkトナーを50CCのポリカップにトナーを10g入れた。これを53℃の恒温層に3日(72時間)放置した時のトナーの状態を下記のごとく目視判断した。
A:まったくブロッキングしておらず、初期とほぼ同様の状態。
B:若干、凝集気味であるが、ポリカップの回転で崩れる状態であり、特に問題とならな い。
C:凝集気味であるが、手で崩してほぐれる状態であり、実使用に何とか耐えうる。
D:凝集が激しく、実使用上問題あり。
E:固形化しており、使用できない。
(6)転写効率測定
30℃,70%RH環境下(HH)での通紙試験における末期に転写効率確認を行った。像のり量0.65mg/cm2のべた画像をドラム上に現像させた後、EN100(64g紙)に転写させ未定着画像を得た。ドラム上のトナー量と転写紙上のトナー量との重量変化から転写効率を求めた(ドラム上トナー量が全量転写紙上に転写された場合を転写効率100%とする。)
Y,M,Cの平均値を転写効率(色)とし、Bkの値を転写効率(黒)とした。
A:転写効率が95%以上
B:転写効率が90%以上95%未満
C:転写効率が80%以上90%未満
D:転写効率が70%以上80%未満
E:転写効率が70%未満
(7)画像濃度変動
23.5℃,10%RH環境下(NL)耐久試験初期画像濃度と1万枚後の画像濃度を、X−Rite社製504型反射濃度計で測定した。
初期画像濃度−1万枚後の画像濃度の差の絶対値で下記判断を行った。
A:画像濃度差が0.03以内
B:画像濃度差が0.04以上0.07以内
C:画像濃度差が0.08以上0.12以内
D:画像濃度差が0.13以上0.20以内
E:画像濃度差が0.21以上
(8)現像担持体コート性評価
23.5℃,10%RH環境下(NL)耐久試験初期において、現像剤担持体のコート均一性を目視にて評価した。
A:現像剤が均一にコートされ良好。
B:現像剤担持体下層にうっすらとムラが確認されるが、画像としては何ら問題ないレベ
ル。
C:現像剤担持体下層に若干ムラが確認され、初期数枚のハーフトーン画像上にムラとし
て確認できるが問題となるレベルではない。
D:現像剤担持体下層にムラが確認され、初期数十枚のハーフトーン画像上にムラとして
確認でき問題となるレベル。
E:現像剤担持体の現像剤層のムラが一目瞭然であり、初期数百枚の画像上にムラとして
確認でき問題となるレベル。
F:現像剤担持体の現像剤層のコート性が著しく不均一であり、画像にもムラとして発生
し実使用に耐えない。
(9)現像スジ評価
23.5℃,10%RH環境下(NL)耐久試験末期において、現像剤担持体のコートスジ状態を目視にて評価した。
A:現像剤が均一にコートされ良好。
B:現像剤担持体にうっすらとスジが確認されるが、画像としては何ら問題ないレベル。
C:現像剤担持体に若干スジが確認され、初期数枚のハーフトーン画像上にスジとして確
認できるが問題となるレベルではない。
D:現像剤担持体にスジが確認され、初期数十枚のハーフトーン画像上にスジとして確認
でき問題となるレベル。
E:現像剤担持体の現像剤層のスジが一目瞭然であり、初期数百枚の画像上にスジとして
確認でき問題となるレベル。
F:現像剤担持体の現像剤層のコートスジが著しく、画像にもスジとして発生し実使用に
耐えない。
〈実施例2〜18〉
表1に示すようにトナーの組み合わせにより実施例1と同様の方法を用いて評価を行った。その結果を表2に示す。
〈比較例1〜3〉
表1の比較トナー1,2、3の組み合わせを用い、実施例1と同様の実験方法及び評価を行った。その結果を表2に示す。