JP2004226454A - 画像形成方法 - Google Patents

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圭太 野沢
Kiyokazu Suzuki
喜予和 鈴木
Manabu Ono
学 大野
Yasushi Katsuta
恭史 勝田
Naotaka Ikeda
池田  直隆
Kenichi Nakayama
憲一 中山
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Abstract

【課題】低湿環境下での潜像保持体上へのトナーの融着現象が発生しない画像形成方法を提供する。
【解決手段】トナーは、トナー1g中からメタノールにより抽出されるオキシカルボン酸の重量をA(g)、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の重量をB(g)としたとき、
1.05≦A/B≦1,50
0.10×10−3≦B≦2.00×10−3
を満足することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷の如き画像形成方法、特に一成分トナーを用いて現像し画像を形成する画像形成方法に関する。詳しくは、本発明は予め静電潜像担持体上に現像画像を形成後、転写材上に転写させて画像を得る画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載されている如く多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し最終画像を得るものである。感光体上に転写せず残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年このような複写装置は、単なる一般的なオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機だけでなく、コンピューターの出力としてのプリンターあるいは個人向けのパーソナルコピーという分野で使われ始めた。
【0004】
そのため複写装置、プリンター等は、小型、軽量、高速化及び低消費電力といったスペックが追求されており、機械は種々な点でよりシンプルな要素で構成されるようになってきている。
【0005】
例えば静電潜像を現像する方法としては、トナーとキャリアを混合して用いる二成分現像方法と、磁性トナーのみを用いる磁性一成分現像方法とが一般的に知られている。
【0006】
二成分現像方法はキャリアを用いる点、及び、トナーとキャリアの混合比を調節するいわゆるATR機構が必要な点から考えると小型化、軽量化といった要求に矛盾する。
【0007】
また、磁性一成分現像方法は磁性トナーを用いるという点から、カラートナーへの対応が難しいという欠点を有している。
【0008】
これに対し特開昭58−116559号公報、特開昭60−120368号公報、及び特開昭63−271371号公報に示される非磁性一成分現像方法は、上記の問題点を解決する現像方法として注目される。非磁性一成分現像方法においては、トナー担持体上にブレードの如き層厚規制手段により、トナーをコートする。トナーはブレードあるいはトナー担持体表面との摩擦により帯電するが、コート層が厚くなると、充分に帯電できないトナーが存在し、これがカブリや飛散の原因となるため、トナーは薄層コートされなければならない。ゆえに、ブレードは充分な圧力でトナー担持体上に圧接されなければならず、このときトナーが受ける力は二成分系現像方法や磁性トナーを用いた一成分系現像方法においてトナーが受ける力より大きい。このため、トナーの劣化が起きやすく、カブリや濃度低下といった画像劣化が発生する。
【0009】
また、トナーの劣化に伴う問題として、多数枚印刷時に発生するトナーのぼた落ちがある。多数枚印刷時に、現像装置内でトナーが凝集し、画像上にドット状に現れる現象である。
【0010】
装置の印刷速度を高速化した場合は、高速化に伴いトナーの劣化が生じやすくなり、トナーの劣化に伴う上記問題が、より顕著に現れてしまう。
【0011】
また、近年電子写真方式を用いた複写装置、プリンター等はさまざまな過酷な環境で使用されるケースが増えている。過酷な環境で起こる問題点の幾つかとして下記の様なものがある。
【0012】
その一つとして、低温低湿環境下で発生する潜像保持体へのトナーの融着がある。潜像保持体上に融着したトナーの影響により、画像上に点状の欠陥としてあらわれる現象である。
【0013】
また、別の点としては、低湿環境下でのハーフトーン画像の「がさつき」現象がある。トナーが現像されにくくなることにより画像が荒れたようになる現象である。写真画像等のハーフトーン部分の画像品位を下げる原因になる。
【0014】
また、別の点としては、高温に曝された際のトナーのぼた落ち現象がある。トナーが保管時に高温に曝されることで使用開始時に凝集したトナーが画像上にドット上に現れる現象である。カラープリンターの普及に伴い、使用環境及びトナーの保管環境も多様化し従来よりも過酷な高温環境下でもこのような現象の起こらないことが求められている。
【0015】
装置の印刷速度を高速化した場合は、高速化に伴いトナーの帯電性が十分に得られにくくなることにより、上記問題がより顕著に現れる。
【0016】
また、近年電子写真方式を用いた複写機、プリンター等で出力した画像の画質に対しての要求も従来よりさらに高くなってきている。特にカラー複写機/プリンターでは、その画質に対する要求は高い。従来以上の性能が求められている点の幾つかとして下記の様なものがあげられる。
【0017】
その一つとしては、カブリ現象である。カラー画像を得るためには、複数の色のトナーにより形成された画像を重ねてカラー画像を形成するが、その際にカブリがあると他の色の画像部分に混色し画像の品位を低下させる原因となる。
【0018】
また、別の点としては、再転写現象がある。先に述べたようにカラー画像は複数の色の画像を中間転写体/紙等の転写材上に順次転写し重ねられていくが先に転写材上に転写されたトナーが次の色の転写の差違に潜像保持体上に戻ってしまう現象である。この現象が起こると、先に転写したトナーの色が薄くなり最終画像の色が変わってしまい、画像品位の低下の原因となる。
【0019】
装置の印刷速度を高速化した場合は、上記問題がより顕著に現れやすい傾向にある。
【0020】
特開平10−48872号公報において、ある特定の平均粒径の無機微粒子を外添し、且つ、特定の温度範囲に示唆熱分析吸熱ピークを有するトナーに関する提案がある。1回転写での再転写に関しては効果はあるが、複数回転写での再転写を含むその他の問題点については近年の高い要求をすべて満たすことはできない。
【0021】
上述した近年の高い要求を全て満たすには、さらなる改良が要求されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の如き問題点を解決した画像形成方法に関する。
【0023】
即ち、本発明の目的は、低湿環境下での潜像保持体上へのトナーの融着現象が発生しない画像形成方法を提供することにある。
【0024】
さらに、本発明の目的は、多数枚印刷時においても、トナーぼた落ち現象の発生しない画像形成方法を提供することにある。
【0025】
さらに、本発明の目的は、高温環境下で保管されても、トナーぼた落ち現象の発生しない画像形成方法を提供することにある。
【0026】
さらに、本発明の目的は、カブリ現象のない画像形成方法を提供することにある。
【0027】
さらに、本発明の目的は、多数枚印刷時においても、カブリ現象のない画像形成方法を提供することにある。
【0028】
さらに、本発明の目的は、低湿環境下でのハーフトーン画像の「がさつき」の発生しない画像形成方法を提供することにある。
【0029】
さらに、本発明の目的は、再転写現象のない画像形成方法を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも供給ローラーによりトナー担持体上にトナーを供給する工程、該トナー担持体上のトナーをトナー塗布ブレードで押圧して所定の層厚でトナー担持体上にトナーを塗布すると共に、トナーを摩擦させて該トナーに電荷を付与する工程、潜像担持体に形成された静電荷潜像を該トナー担持体上に塗布されたトナーで非磁性1成分現像方式により現像し、現像画像を形成する工程、現像画像を転写材に転写する工程、転写された未定着の画像を定着する工程を有する画像形成方法において、
該トナーは、▲1▼平均1次粒径が80nm〜800nmであるチタン、アルミ、亜鉛、ジルコニウムのいずれかの酸化物から選ばれる無機微粒子1、▲2▼平均1次粒径が80nm未満のシリカ以外の無機微粒子2、及び、▲3▼平均1次粒径が30nm未満のシリカ微粒子とトナー粒子を混合したトナーであって、
該トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス成分及びオキシカルボン酸を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
さらに、該トナーは、トナー1g中からメタノールにより抽出されるオキシカルボン酸の重量をA(g)、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の重量をB(g)としたとき、
1.05≦A/B≦1.50
0.10×10−3≦B≦2.00×10−3
を満足することを特徴とする画像形成方法に関する。
【0031】
【発明の実施の形態】
上記用件を満たした画像形成方法により、前記の課題をすべて解決することができた。この構成によって、前記の課題が解決できた理由について、以下のように考えている。
【0032】
低湿環境下での潜像保持体上へのトナーの融着現象に関して、本発明者らは、低湿環境下で過剰に帯電したトナーが潜像保持体上静電気的に強く付着することが原因であると考えている。平均1次粒径が80nm〜800nmであるチタン、アルミ、亜鉛、ジルコニウムのいずれかの酸化物から選ばれる無機微粒子1をトナー粒子と混合することにより、この無機微粒子1がトナーの帯電をコントロールし、過剰な帯電を抑制し、潜像保持体への強固な付着を防止するものと推測している。また、本発明の画像形成方法において、平均1次粒径が80nm未満のシリカ以外の無機微粒子2、及び、平均1次粒径が30nm未満のシリカ微粒子が存在することにより、無機微粒子1によるトナーの帯電コントロール効果が大きく向上し、さらに、トナー表面近傍及び表面のオキシカルボン酸の含有状態を特定することにより、トナーの帯電特性が従来得られなかったレベルに相乗的に向上し、低湿環境下で過剰に帯電するトナーの発生を防止でき、低湿環境下での潜像保持体上へのトナーの融着現象を解決できているものと考えている。
【0033】
低湿環境下でのハーフトーン画像の「がさつき」現象に関して、本発明者らは、低湿環境下で過剰に帯電したトナー粒子が、潜像保持体上の現像ポテンシャルを少量のトナーで埋めてしまい、適正な帯電量を有するトナーの現像を阻害し起こる現象ではないかと考えている。上記で説明したものと同じ理由により、過剰に帯電するトナーの発生を抑制することにより、低湿環境下でのハーフトーン画像の「がさつき」現象が解決できるものと考えている。
【0034】
カブリ現象に関しては、本発明者らは、適正な帯電量を付与できなかったトナーが潜像保持体上の非画像部に現像してしまう現象であると考えている。低湿環境下においては、過剰に帯電した一部のトナー粒子が、帯電付与部材である供給ローラー/トナー担持体/トナー層規制部材等に強く付着し、新たに供給されたトナーの帯電を阻害し、カブリ現象が発生するものと考えている。上記で説明したものと同じ理由により過剰に帯電するトナーの発生を抑制することにより、新たに供給されたトナーの帯電が阻害されることを防止でき、カブリ現象を解決できているものと考えている。
【0035】
一方、高湿環境で発生するカブリについては、トナー表面に吸着した水分の影響でトナーの帯電が阻害されるためにカブリ現象が発生するものと考えている。上記で説明したものと同じ理由により、カブリ現象が解決できているものと考えている。
【0036】
再転写現象に関しては、本発明者らは、転写材上に一旦転写されたトナーに次の色の転写の時に転写材を通して転写電流が注入され、適正な帯電量を有していなかったトナーの帯電を反転させ、帯電が反転したトナーが転写材から潜像保持体に戻ってしまう現象であると考えている。カブリ現象のところで説明したのと同じ理由により適正な帯電量を付与できなかったトナーの発生が抑制され、この問題が解決できているものと考えている。
【0037】
高温に曝された際のトナーのぼた落ち現象に関しては、高温環境下で保管されることによりトナー表面のシリカ等の流動付与材が埋め込まれ、トナー表面が帯電し難い状態になり、それが原因でトナーの凝集が発生し、現像器の規制部材でほぐしきれずに潜像保持体に現像されて発生する現象であると考えている。カブリ現象のところで説明したのと同じ理由により、帯電し難い状態になってしまったトナーに適正な帯電を付与し、トナーの凝集を防ぐことにより、この現象を解決できているものと考えている。
【0038】
多数枚印刷時のトナーのぼた落ち現象に関しては、多数枚の印刷により、現像装置内のトナーが繰り返し機械的ストレスを受け、トナー表面のシリカ等の流動付与材が埋め込まれ、トナー表面が帯電し難い状態になり、それが原因でトナーの凝集が発生し、現像器の規制部材でほぐしきれずに潜像保持体に現像されて発生する現象であると考えている。カブリ現象のところで説明したのと同じ理由により、帯電し難い状態になってしまったトナーに適正な帯電を付与し、トナーの凝集を防ぐことにより、この現象を解決できているものと考えている。
【0039】
また、本発明の画像形成方法において、トナー担持体の回転周速を、100〜800mm/secとすることにより、トナーの帯電コントロール効果がより大きくなる。
【0040】
トナー担持体の回転周速が100mm/secより遅い場合、トナー担持体とトナー塗布ブレードとの相対的周速差が十分得られず、トナーの帯電コントロール効果が得られにくくなる。一方、800mm/secより速い場合、トナーへの機械的ストレスが大きくなり、多数枚印刷時においてトナーの帯電コントロール効果が得られにくい。
【0041】
さらに、本発明の画像形成方法において、トナー担持体の回転周速を、200〜700mm/secとすることにより、トナーの帯電コントロール効果がより大きくなる。
【0042】
また、本発明の画像形成方法において、トナー塗布ブレードを、トナー担持体側表面にポリアミド含有ゴム層を有しているトナー塗布ブレードとすることにより、トナーの帯電コントロール効果が大きくなる。
【0043】
さらに、本発明の画像形成方法において、ポリアミド含有ゴム層のショアーD硬度を25度以上65度以下とすることにより、トナーの帯電コントロール効果がより大きくなる。
【0044】
本発明の画像形成方法において、ポリアミド含有ゴム層のショアーD硬度が25度以下、及び65度以上の場合はいずれも、トナー塗布ブレードによるトナーの十分な帯電が得られにくくなり、帯電の不十分なトナーが増加し、カブリを生じやすくなる。
【0045】
本発明の構成用件について、説明する。
【0046】
本発明においてトナーは、平均1次粒径が80nm〜800nmであるチタン、アルミ、亜鉛、ジルコニウムのいずれかの酸化物から選ばれる無機微粒子1をトナー粒子と混合する。
【0047】
無機微粒子1の平均1次粒径が80nm未満である場合は、本発明の画像形成方法において、トナーの帯電コントロールの効果が得られない。
【0048】
一方、無機微粒子1の平均1次粒径が800nmを超える場合は、潜像保持体表面に微小な傷をつけ易く、トナーの融着現象が悪化する。特に、トナー担持体と潜像保持体との相対周速が速い場合、より顕著に悪化する。また、帯電コントロール効果も十分に得られない。
【0049】
チタン、アルミ、亜鉛、ジルコニウムのいずれかの酸化物は、白色でありカラー用のトナーに用いることができ、トナーの帯電コントロール効果が高く、また、潜像保持体表面に微小な傷をつけ難い。
【0050】
チタン、アルミ、亜鉛、ジルコニウムのいずれかの酸化物以外の無機微粒子では、色味、帯電コントロール性、潜像保持体表面への傷つけ易さの点で本発明の課題をすべて解決することができない。
【0051】
また、帯電コントロール性、潜像保持体表面への傷つけにくさの点で、チタン、アルミのいずれかの酸化物であることがより好ましい。
【0052】
無機微粒子1の平均1次粒径は上記の効果をより高める理由で100nm〜500nmであることが好ましい。
【0053】
無機微粒子1の帯電量は絶対値で10mC/Kg以下であることが好ましい。このとき、本発明の画像形成方法において、トナーへのより高い帯電コントロール効果が得られる。
【0054】
無機微粒子1は、表面がカップリング剤、オイル等の有機化合物等により疎水化処理されたものでも用いることができる。
【0055】
無機微粒子1は、2種以上のものを併用して用いても良い。
【0056】
無機微粒子1の添加量としては、0.05〜5質量%であることが好ましい。
【0057】
0.05質量%未満では、課題に対する本発明の改良の効果が得られず、また5質量%を超えると、本発明の画像形成方法において、トナーの定着性を損なう。
【0058】
本発明においてトナーは、平均1次粒径が80nm未満のシリカ以外の無機微粒子2をトナー粒子と混合する。
【0059】
平均1次粒径が80nm以上である場合は、本発明の画像形成方法において、無機微粒子1の帯電コントロール効果が十分に得られず、本発明の課題をすべて解決することができない。
【0060】
無機微粒子2は、上記の効果をより高める理由で平均1次粒径が70nm以下であることが好ましい。
【0061】
無機微粒子2としては、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ジルコニウム、マンガン、セリウム、ストロンチウム、等の酸化物粉体及びチタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複合金属酸化物粉体、ホウ素、ケイ素、チタニウム、バナジウム、ジルコニウム、モリブデン、タングステン等の炭化物、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の炭酸塩/硝酸塩/リン酸塩等を挙げることができる。
【0062】
それらのなかでも、無機微粒子2は、チタン、アルミ、のいずれかの酸化物であることが好ましい。
【0063】
チタン、アルミは、無機微粒子1の帯電コントロール効果を高める効果が、他の物に比べて特に高い。
【0064】
無機微粒子2は、表面がカップリング剤、オイル等の有機化合物等により疎水化処理されたものでも用いることができる。
【0065】
無機微粒子2は、2種以上のものを併用して用いても良い。
【0066】
無機微粒子2の添加量としては、0.01〜1.0質量%、さらには、0.02〜0.7質量%であることが良い。
【0067】
0.01質量%未満では、課題に対する本発明の改良の効果が得られず、また1.0質量%を超えると、本発明の画像形成方法において、トナーの定着性を損なう。
【0068】
本発明においてトナーは、平均1次粒径が30nm未満のシリカ微粒子をトナー粒子と混合する。平均1次粒径が30nm以上である場合は、無機微粒子1の帯電コントロール効果が十分に得られず、本発明の課題をすべて解決することができない。
【0069】
本発明の画像形成方法において、シリカ微粒子の高い負帯電性が無機微粒子1の帯電コントロール効果を高めているものと考えている。
【0070】
シリカ微粒子の平均1次粒径は、上記の効果をより高める理由で20nm以下であることが好ましい。この場合には、本発明の画像形成方法において、より高い無機微粒子1の帯電コントロール効果が得られる。
【0071】
シリカ微粒子の添加量としては、トナー粒子に対し0.2〜5.0質量%、さらには、0.4〜3.0質量%であることが好ましい。0.2質量%未満では、課題に対する本発明の改良の効果が得られず、また5.0質量%を超えると、本発明の画像形成方法において、トナーの定着性を損なう。
【0072】
シリカ粒子は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両方が使用可能である。
【0073】
粒径の小さなオイル処理シリカ粒子の母体としては、表面及びケイ酸微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO,SO 2−等の製造残査のない乾式シリカの方が好ましい。
【0074】
また、乾式シリカにおいては製造工程において例えば、塩化アルミニウム又は塩化チタンなど他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
【0075】
本発明に用いられるシリカ微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイル等で処理することが好ましい。
【0076】
シランカップリング剤としては、一般式
【0077】
【化4】
Figure 2004226454
で示されるもので、例えば代表的にはジメチルジクロルシラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジクロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等をあげることができる。
【0078】
上記シリカ微粉体のシランカップリング剤処理は、シリカ微粉体を撹拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理又は、シリカを溶媒中に分散させたシランカップリング剤を滴下反応させる湿式法等、一般に知られた方法で処理することができる。
【0079】
シリコーンオイルとしては、一般に次の式で示されるものであり、
【0080】
【化5】
Figure 2004226454
R :C〜Cのアルキル基
R’:アルキル,ハロゲン変性アルキル,フェニル,変性フェニル等のシリコーンオイル変性基
R”:C〜Cのアルキル基又はアルコキシ基
【0081】
例えば、ジメチルシリコーンオイル,アルキル変性シリコーンオイル,α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル,フッ素変性シリコーンオイル等があげられる。
【0082】
シリコーンオイル処理の方法は公知の技術が用いられ、例えばシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合しても良いし、べースシリカへシリコーンオイルを噴霧する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、べースのシリカ微粉体とを混合した後、溶剤を除去して作製しても良い。
【0083】
本発明においてトナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤、ワックス成分及びオキシカルボン酸を含有し、該トナー1g中からメタノールにより抽出されるオキシカルボン酸の重量をA(g)、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の重量をB(g)としたとき、
1.05≦A/B≦1.50
0.10×10−3≦B≦2.00×10−3
を満足する。
【0084】
トナー1g中からメタノールにより抽出されるオキシカルボン酸の重量A(以下「オキシカルボン酸A」と称す)は、トナー粒子の表面及びメタノールの浸透可能な表面層部分(表面近傍)に存在するオキシカルボン酸の存在量(g)であり、また、トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の重量B(以下「オキシカルボン酸B」と称す)は、トナー粒子の表面に存在するオキシカルボン酸の存在量(g)であって、本発明者らは、これらがトナーの帯電量や帯電速度などの帯電特性を支配しているものと考えている。
【0085】
Bの値が0.10×10−3g未満の場合、トナーに十分な帯電性を保持することができず、またこの値が、2.00×10−3gを超える場合には、本発明の改良の効果が十分得られない。
【0086】
また、A/Bの値が1.05未満の場合、高温高湿下において、トナー表面に存在するオキシカルボン酸の吸湿効果が表面近傍のオキシカルボン酸の帯電付与効果よりも強く働き、トナーの帯電性が劣ってしまい、また、A/Bの値が1.50を超える場合、低湿環境下において、トナー表面のオキシカルボン酸の帯電能力よりも、トナー表面近傍の抵抗が強く働き、帯電速度が低下するとともに、多数枚印刷時においては過剰な帯電を有するトナーが発生してしまい、本発明の課題をすべて解決することができない。
【0087】
本発明においてトナーは、トナーの重量平均粒径が4〜8μmで、4μm以下のトナー粒子が3〜20個数%であることがより好ましい。
【0088】
トナーの重量平均粒径が4μm未満である場合は、トナーの帯電が低湿環境下で過剰になり易く、潜像保持体へのトナー融着、ハーフトーン画像のガサツキ、高温保管でのトナーのボタ落ち等の問題が起こり易くなる。
【0089】
また、トナーの重量平均粒径が8μmを超える場合は、再転写、カブリが起こり易くなる。
【0090】
4μm以下のトナー粒子が3個数%未満である場合は、高湿環境下での微小ドットの再現性が低くなりやすい。
【0091】
また、4μm以下のトナー粒子が20個数%を超える場合は、トナーの帯電が低湿環境下で過剰になり易く、潜像保持体へのトナー融着、ハーフトーン画像のガサツキ等の問題が起こり易くなる。
【0092】
本発明に係る無機微粉体1、2、及び、シリカ微粒子をトナー粒子と混合する方法としては、トナー粒子と無機微粉体1、2,及びシリカ微粒子をヘンシェルミキサーなどの混合器で撹拌混合することにより達成できる。
【0093】
また、本発明に係るオキシカルボン酸としては、公知のものを用いることが可能であるが、帯電付与能力の観点から下記式(1)や(2)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0094】
【化6】
Figure 2004226454
(上記式(1)中、(A)は下記の群より選ばれ、Xは、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。)
【0095】
【化7】
Figure 2004226454
【0096】
【化8】
Figure 2004226454
(上記式(2)中、Xは、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示し、R4はC〜C22のアルキル基、アリール基、アルコキシ基を示す。)
【0097】
上記式(1)や式(2)で示されるオキシカルボン酸の中でも、本発明に好ましく用いられるものとしては、芳香族環を有するオキシカルボン酸であり、モノアルキル芳香族オキシカルボン酸、又はジアルキル芳香族オキシカルボン酸が挙げられる。特に、サリチル酸、ジtert−ブチルサリチル酸や5−tert−オクチルサリチル酸に代表されるアルキルサリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、ベンジル酸等はトナー表面への固定化が容易であるため、本発明に好ましく用いられる。
【0098】
以下に代表的な具体的化合物例を列挙する。
【0099】
【化9】
Figure 2004226454
【0100】
【化10】
Figure 2004226454
【0101】
【化11】
Figure 2004226454
【0102】
【化12】
Figure 2004226454
【0103】
【化13】
Figure 2004226454
【0104】
本発明においてトナーは、トナーの示差熱分析での吸熱ピークが60〜90℃の範囲に少なくとも一つあるものが好ましい。
【0105】
60〜90℃に吸熱ピークを有するトナーは、本発明の画像形成方法において、トナーの帯電特性がより向上し、より好ましい結果が得られる。
【0106】
吸熱ピークが60℃未満にある場合、保存安定性が損なわれ、ブロッキングなどの問題が発生しやすい。一方、90℃を超える温度に吸熱ピークがあっても、さらなるトナーの帯電特性が向上される効果が得られない。
【0107】
60〜90℃に吸熱ピークがあれば、90℃を超える温度域に別に吸熱ピークがあっても構わない。
【0108】
また、本発明においてトナーは、トナーの示差熱分析での60〜90℃の温度域の吸熱ピークの半値幅が10℃以下、さらには、6℃以下であるものがより好ましい。
【0109】
半値幅が10℃を超えると、本発明の画像形成方法において、潜像保持体へのトナー融着、カブリ、高温放置でのトナーのボタ落ちなどの防止効果がより高められない。
【0110】
トナーの示差熱分析における吸熱ピークを60〜90℃に有する形態にする手段としては、トナー中に示差熱分析における吸熱ピークを60〜90℃に有する化合物を内添させる方法が好ましい。
【0111】
示差熱分析における吸熱ピークを60〜90℃以下にひとつ以上有する物質としては、ワックスを挙げることができる。
【0112】
ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等、天然ワックス及びそれらの誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含む。高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス等、示差熱分析における吸熱ピークを60〜90℃以下に有しているものであればいずれも単独もしくは併用して用いることが可能である。
【0113】
ワックスの含有量としては、0.3〜30質量%、より好ましくは、0.5〜20質量%である。
【0114】
本発明においてトナーに用い得る結着樹脂としては、以下のようなものが挙げられる。
【0115】
加熱定着用トナーの場合は、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリルインデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テンペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
【0116】
本発明においてトナーには、結着樹脂として、スチレン系ポリマーが含有されているものが好ましい。スチレン系ポリマーは、それ自身の主鎖の極性が低く、本発明の画像形成方法において、トナーの帯電特性がより向上し好ましい。
【0117】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン酸、もしくはその置換体;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、などのアクリル酸及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体または無水マレイン酸などがあり、このようなモノマーを単独、或いは混合して、他のモノマーと共重合させることにより所望の重合体を作ることができる。
【0118】
本発明においてトナーは、トナーのTHF可溶分のGPC測定でのピーク分子量が1.5万〜3.0万であるものが好ましい。
【0119】
トナーのTHF可溶分のGPC測定でのピーク分子量が1.5万〜3.0万である場合は、本発明の画像形成方法において、トナーの帯電特性がより向上し、より好ましい結果が得られる。
【0120】
ピーク分子量が1.5万未満である場合、トナーの帯電特性の向上の効果が得られない。また、ピーク分子量が3万を超えると定着性が損なわれ易くなる。
【0121】
本発明においてトナーは、トナーの酸価が10mgKOH/g以下であることが好ましい。
【0122】
トナーの酸価が10mgKOH/g以下である場合、本発明の画像形成方法において、低湿環境下で過剰に帯電するトナー粒子の発生が抑制され、トナーの帯電特性がより向上し、課題に対してより好ましい結果が得られる。
【0123】
本発明においてトナーは、トナーの帯電量の絶対値が40mC/Kg〜80mC/Kgであるものが好ましい。
【0124】
トナーの帯電量の絶対値が40mC/Kg未満である場合は、本発明の画像形成方法において、再転写、カブリが起こり易くなるケースがある。一方、トナーの帯電量の絶対値が80mC/Kgを超える場合は、潜像保持体へのトナー融着、ハーフトーン画像の「ガサツキ」、高温保管でのトナーのボタ落ちが発生し易くなるケースがある。
【0125】
本発明においてトナーは、その形状係数SF−1の値が100〜170、さらには、100〜120、その形状係数SF−2の値が100〜140、さらには、100〜115である場合に、特に好ましい。
【0126】
上記範囲にある形状は、比較的にトナー表面が滑らかな状態にあり、トナーの帯電特性がより向上し、本発明の課題に関してより高い効果が得られる。
【0127】
SF−1が170を超える場合、及び、SF−2が140を超える場合は、いずれも、本発明の画像形成方法において、トナーの帯電特性をさらに向上する効果が得られない。
【0128】
本発明においてトナーは、必要に応じて、トナーに荷電制御剤を添加しても良い。
【0129】
トナーを負荷電性に制御するものとして、例えば、下記の物質が挙げられる。
【0130】
例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。
【0131】
他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。
【0132】
また、正荷電性に制御するものとして下記物質が挙げられる。
【0133】
例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0134】
上述した荷電制御剤は微粒子状で用いることが好ましい。
【0135】
また、これらの荷電制御剤の個数平均粒径が4μm以下のもの、更には3μm以下のものを使用することが特に好ましい。
【0136】
更に本発明においてトナーを製造する際に、直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系媒体中への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。
【0137】
具体的化合物としては、ネガ系制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用できる。
【0138】
ポジ系制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。
【0139】
該荷電制御剤の添加量は、樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部が好ましい。
【0140】
本発明においてトナーに用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,マグネタイト,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
【0141】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
【0142】
具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168、180等が好適に用いられる。
【0143】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダソロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。
【0144】
具体的には、C.I、ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0145】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。
【0146】
具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0147】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
【0148】
本発明においてトナーに用いる着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。
【0149】
該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0150】
黒色着色剤としてマグネタイトを用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し40〜150質量部添加して用いられる。
【0151】
本発明においてトナー粒子の製造方法としては、トナーの構成材料を、ヘンシェルミキサー、ボールミル、V字型ミキサー他の混合器を用いた混合工程、熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いた混練工程、混練物を冷却固化後、ジェットミルなどの粉砕機を用いた粉砕工程、粉砕物の分級工程を経て、製造される方法がある。
【0152】
また、別の方法としては、モノマー、着色剤等を含有する成分を造粒、重合する工程を経て製造される方法がある。
【0153】
本発明においてトナー粒子は、その製造工程として、少なくともモノマーと着色剤を含有する成分を造粒/重合する工程を経て製造される場合、特に好ましい。
【0154】
この製造方法で製造されたトナー粒子は、その形状として、表面が滑らかな状態のものが得られ、トナーの帯電特性がより向上し、本発明の課題に関して、より高い効果が得られる。
【0155】
この製造方法について、以下に詳細に説明する。
【0156】
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。
【0157】
該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20質量%添加され用いられる。
【0158】
重合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。
【0159】
重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0160】
架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物、;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物、及び3個以上のビニル基を有する化合物が単独もしくは混合物として使用できる。
【0161】
分散剤としては、無機化合物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,ポリアクリル酸及びその塩,デンプン等を水相に分散させて使用できる。
【0162】
これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部を使用することが好ましい。
【0163】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に好ましい分散剤を得ることができる。
【0164】
また、これら分散剤の微細な分散の為に、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散剤の所期の作用を促進する為のものであり、具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0165】
本発明においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造することが可能である。
【0166】
即ち、重合性単量体中に低軟化点物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイサー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度,時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0167】
本発明において、上述の結着樹脂と共にポリエステル樹脂のような極性を有する樹脂(以下、「極性樹脂」と称す)を併用することができる。トナー中に極性樹脂を添加することによってトナー中のオキシカルボン酸の含有状態を上述の如き特定の状態に制御することが容易となる。
【0168】
例えば、後述する懸濁重合法などにより直接トナーを製造する場合には、分散工程から重合工程に至る重合反応時に上記の如き極性樹脂を添加すると、トナー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じて、添加した極性樹脂がトナー粒子の表面に薄層を形成したり、トナー粒子表面から中心に向け傾斜性をもって存在するように制御することができる。このとき、オキシカルボン酸の相互作用を有するような極性樹脂を用いることによって、トナー中へのオキシカルボン酸の存在状態を望ましい形態にすることが可能である。特に酸価が1〜20mgKOH/gを呈する極性樹脂を用いるとオキシカルボン酸の存在状態を制御することが容易となる。
【0169】
上記極性樹脂の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜25質量部使用するのが好ましく、より好ましくは2〜15質量部である。1質量部未満ではトナー粒子中での極性樹脂の存在状態が不均一となり、逆に25質量部を超えるとトナー粒子表面に形成される極性樹脂の薄層が厚くなるため、いずれの場合もオキシカルボン酸の含有状態制御するのが困難になり、その機能を十分に発現することができない。
【0170】
係る極性樹脂として用いられる代表的なポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0171】
ポリエステル系樹脂のアルコール成分単量体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(イ)式で表されるビスフェノール誘導体及び下記(ロ)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0172】
【化14】
Figure 2004226454
【0173】
また、上記の如き極性樹脂はそれぞれ一種類の重合体に限定されるわけではなく、例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアルキルビニルエーテル、ポリアルキルビニルケトン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリルエステル、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン等様々な重合体を必要に応じて結着樹脂に添加することができる。
【0174】
無機微粉体1、2、及び、シリカ微粒子をトナー表面に含有させる方法としては、トナー粒子と無機微粉体1、2、及び、シリカ微粒子をヘンシェルミキサー等の混合器で撹拌混合することにより達成できる。
【0175】
本発明において、トナー中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸量Aと、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸量Bは、以下の方法で測定した。▲1▼メタノールと▲2▼分散剤としてコンタミノン0.04gを加えた0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液を別々の容器に50ml用意し、それぞれの中にトナー1gを秤量して加え、スターラーを用いて50rpmで撹拌し、均一に分散させる。3時間分散処理を行った後、メンブランフィルター(ポアサイズ:0.45μm)を用いて濾過し、得られた濾液の吸光度を測定する。吸光度は280〜350nmの範囲に1つ現れるピークの最大値とベースラインとの差で定義する。得られた結果から、所定の検量線を用いてトナー表面近傍のオキシカルボン酸量Aとトナー表面のオキシカルボン酸量Bを算出した。
【0176】
樹脂の分子量の測定方法について述べる。
【0177】
樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。
【0178】
具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、さらに離型剤等の低軟化点物質は溶解するが樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルム等で充分洗浄又は抽出を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量を測定する。
【0179】
酸価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
【0180】
(1)試薬
(a)溶剤;エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)で、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬としてN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液;フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)N/10水酸化カリウム−エチルアルコール溶液;水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS−K8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
【0181】
(2)操作
試料1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これをN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
【0182】
3)計算式
下記式によって酸価を算出する。
【0183】
【数1】
Figure 2004226454
上式中A:酸価
B:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
【0184】
粒度分布の測定方法について述べる。
【0185】
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザー(コールター社製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、粒度域を16分割したデータとして出力させた。
【0186】
電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパチャーとして100μmアパチャーを用いて、2μm以上のトナー体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わるところの体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径D4(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0187】
微粒子の帯電量の測定方法について述べる。
【0188】
本発明の微粒子の帯電量の測定方法としては、温度:23℃、湿度:60%のの環境下で、キャリアとしてEFV200/300(パウダーデック社製)を用い、キャリア10.0gと微粒子0.2gを容量が50mlのポリエチレン製の容器に入れ、手で90回振どうする。
【0189】
次いで、図1に示すような底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に前記混合物を約1gを入れ、金属製のフタ4をする。このときの測定容器2全体の重量を測りW1(g)とする。次に吸引機(測定容器2と接する部分は絶縁体)に置き、吸引口7から圧力2450Pa(250mmAq)で吸引し、この状態で2分間吸引を行い微粒子を吸引除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで、8はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。吸引後の測定容器2全体の重量を測定しそれをW2(g)とする。
【0190】
微粒子の帯電量T(mC/kg)は下記計算式より求める。
【0191】
帯電量T(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
本発明のトナーの帯電量の測定方法としては、トナーの量を0.5gとする以外は、上記と同じ方法で行う。
【0192】
形状係数を示すSF−1、SF−2の測定方法について述べる。
【0193】
本発明において、形状係数を示すSF−1、SF−2とは、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、1000倍に拡大した2μm以上のトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、例えばニレコ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値を形状係数SF−1、SF−2と定義する。
【0194】
【数2】
Figure 2004226454
(式中、MXLNGは粒子の絶対最大長、PERIMEは粒子の周囲長、AREAは粒子の投影面積を示す。)
【0195】
形状係数SF−1はトナー粒子の丸さの度合いを示し、形状係数SF−2はトナー粒子の凹凸の度合いを示している。
【0196】
示差熱分析における吸熱ピークの測定方法について述べる。
【0197】
本発明に係わる示差熱分析における吸熱ピークは、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定する。たとえば、パーキンエルマー社製のDSC−7が使用できる。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。
【0198】
本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温させ前履歴をとった後、温度速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で降温、昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いる。
【0199】
吸熱ピーク温度とは、DSC曲線において、プラスの方向のピーク温度のことであり、即ち、ピーク曲線の微分値が正から負にかわる際の0になる点を言う。
【0200】
無機微粉体1/2、及び、シリカ微粒子の平均1次粒径の測定方法について述べる。
【0201】
本発明に係わる無機微粒子1/2、及び、シリカ微粒子の平均1次粒径の測定は、走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所製S−4700)により10万倍に拡大した写真を撮影し、それぞれの粒子について500個以上の粒子について、定規、ノギスなどを用いその粒径を測定する。必要に応じて、その写真をさらに拡大して測定を行う。
【0202】
測定されたそれぞれの粒子の個数平均を計算し、本発明の平均1次粒径を求める。
【0203】
また、無機微粒子1,及び、無機微粒子2が同じ組成のものである場合は、1次粒径に対する個数分布のグラフを作り、無機微粒子1,及び、無機微粒子2のそれぞれのピークの間の個数頻度の極小部分の粒径で、無機微粒子1と無機微粒子2の区別をし、それぞれの粒径領域での個数平均を計算する。
【0204】
微粒子の組成の判別は、上記装置のX線マイクロアナライザーで指定した特定の元素のみを検出することにより行う。
【0205】
ワックスの分子量分布の測定方法について述べる。
【0206】
本発明に係るワックスの分子量分布は、
Figure 2004226454
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0207】
本発明の画像形成方法について図2、図3及び図4を参照しながら以下説明する。
【0208】
図2は、本発明において好適に用いられる画像形成方法のプロセス概略図の一例である。
【0209】
図3は、本発明において好適に用いられる現像手段の概略図の一例である。
【0210】
図4及び図5は、本発明において好適に用いられる画像形成方法(フルカラー)のプロセス概略図の一例である。
【0211】
102は潜像担持体101に所定圧力をもって接触させた帯電手段である帯電ローラーであり、金属芯金102aに導電性ゴム層102bを設け、更にその周面に離型性被膜である表面層102cを設けてある。導電性ゴム層は、0.5〜10mm(好ましくは1〜5mm)の厚さを有することが好ましい。該表面層102cは、離型性被膜であり、離型性被膜を設けることは被帯電体である潜像担持体101と接触する部分へ導電性ゴム層102bからの軟化剤がしみ出さないようにするためである。そのため、軟化剤の感光体へ付着した場合の感光体の低抵抗化による画像流れ、残留トナーの感光体へのフィルミングによる帯電能力の低下を防止でき、帯電効率の低下が抑えられる。
【0212】
さらに、帯電ローラーに導電ゴム層を用いることで帯電ローラーと感光体との十分な接触を保つことができ帯電不良を起こすようなこともない。
【0213】
離型性被膜の厚さは30μm以内(好ましくは、10〜30μm)が好ましい。離型性被膜の厚さの下限は被膜がハガレ、メグレがなければ良く5μmくらいと考えられる。
【0214】
離型性被膜には、ナイロン系樹脂PVDF(ポリフッ化ビニリデン)及びPVDC(ポリ塩化ビニリデン)を用いることができる。潜像担持体101の感光層としては、OPC、アモルファスシリコン、セレン或いはZnOが使用可能である。特に、感光体にアモルファスシリコンを用いた場合、他のものを使用した場合に比べて、導電ゴム層102bの軟化剤が潜像担持体101の感光層に少しでも付着すると、画像流れはひどくなるので導電ゴム層の外側に絶縁性被膜したことによる効果は大となる。
【0215】
導電性ゴム層と離型性被膜表層間に感光体へのリーク防止のために高抵抗層、例えば環境変動の小さいヒドリンゴム層を形成することも好ましい形態の1つである。115はこの帯電ローラ102に電圧を印加するための電源部であり、所定の電圧を帯電ローラ102の芯金102aに供給する。
【0216】
103は転写手段としての転写用帯電器である。転写用帯電器には定電圧電源114から所定のバイアスが印加される。バイアス条件は、電流値が0.1〜50μAであり、電圧値(絶対値)が500〜4000Vであることが好ましい。
【0217】
電圧印加手段115を有する帯電手段としての帯電ローラ102で、潜像担持体101のOPC感光体表面を例えば負極性に帯電し、潜像形成手段105としての光像露光により露光を行ない静電荷潜像を形成する。静電荷潜像を現像するための現像手段は以下の構成を有している。
【0218】
104はトナー担持体であり、アルミニウムあるいはステンレスの非磁性スリーブから成る。トナー担持体はアルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズ等を吹きつけて均一に荒したもの、鏡面処理したもの、あるいは樹脂でコートをしたものがよい。
【0219】
トナー110は、ホッパー109に貯蔵されており、トナー供給ローラー113によってトナー担持体104上へ供給される。供給ローラー113はポリウレタンフォーム等の発泡材よりなっており、トナー担持体104に当接し、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、トナー供給と共に、トナー担持体104上の現像後のトナー(未現像トナー)の剥ぎ取りも行っている。トナー担持体104上に供給されたトナーは、トナー塗布ブレード111によって均一且つ薄層に塗布され、かつ摩擦帯電され荷電が付与される。112はバイアス電源である。次いでこのトナー110を潜像担持体101に極めて近接(50〜500μm)させ潜像担持体101上に形成された潜像画像を現像する。
【0220】
トナー塗布ブレード111上辺部側である基部は、トナー容器に固定保持され、下辺部側をトナー塗布ブレード111の弾性に抗してトナー担持体104の回転方向に対して逆方向にたわめ状態にして、ブレード外面側を適度の弾性押圧をもって当接させる。
【0221】
トナー塗布ブレード111は、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
【0222】
トナーが負帯電性である場合には、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリアミド、ナイロンや、正極性に帯電し易いものが好ましい。トナーが正帯電性である場合には、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂(例えば、テフロン(登録商標)樹脂)、ポリイミド樹脂や、負極性に帯電し易いものが好ましい。また導電性ゴム、導電性樹脂等を使用しても良い。トナー担持体104に当接する部分が樹脂、ゴム等の成型体の場合はトナーの帯電性を調整するためにその中に、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物、カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
【0223】
また、ブレードに耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂、ゴムをトナー担持体104に当接する部分に当たるように貼り合わせるものが好ましい。
【0224】
上記の現像手段を用いて潜像担持体101上の静電荷潜像を現像する現像部において、トナー担持体104と潜像担持体101の表面との間で交流バイアスまたはパルスバイアスをバイアス手段としてのバイアス電源112から印加しても良い。バイアス条件としては、交流バイアスとしてVpp=1000乃至3000V,f=1000〜4500(Hz)でありおよび直流バイアスとして│Dc│=200〜500Vであることが好ましい。トナー担持体104と潜像担持体101との最近接部および近傍において形成された現像部でのトナー110の転移に際し、潜像担持体101の静電荷像担持面の有する静電的力、および、交流バイアスまたはパルスバイアスの作用によってトナー担持体104と潜像担持体101との間を往復運動しながらトナー110は潜像担持体101側に転移する。
【0225】
転写紙Pが搬送されて、転写部にくると転写用帯電器103により転写紙Pの背面(潜像担持体側と反対面)から電圧印加手段114によって帯電をすることにより、潜像担持体101の表面上の現像画像(トナー像)が転写紙P上へ静電転写される。潜像担持体101から分離された転写紙Pは、定着手段としての加熱加圧ローラ定着器107により転写紙P上のトナー画像を定着するために定着処理される。
【0226】
転写工程後の潜像担持体101に残留するトナー110は、クリーニングブレードを有するクリーニング器108で除去される。クリーニング工程後の潜像担持体101はイレース露光106により徐電され、再度、帯電器102による帯電工程から始まる工程が繰り返される。
【0227】
潜像担持体101の感光層としてはOPC感光ドラムに代えて静電記録用絶縁ドラムやα−Se、CdS、ZnO、およびα−Siの如き光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムを現像条件に合わせて適宜選択使用することができる。
【0228】
図4及び図5は、本発明をフルカラーの画像形成方法に適用した場合のプロセス概略図の一例である。
【0229】
潜像担持体101に対向し接触回転する帯電ローラー102により潜像担持体101上に表面電位を持たせ、露光手段105により静電潜像を形成する。静電潜像は44,45,46,47により現像されトナー像が形成される。該トナー像は一色ごとに中間転写体11上に多重転写され、多重トナー像が形成される。潜像担持体101から中間転写体50への転写は、電源49より中間転写体50の芯金の上にバイアスを付与することで転写電流が得られトナー像の転写が行われる。保持部材、ベルトの背面からのコロナ放電やローラー帯電を利用しても良い。中間転写体50上の多重トナー像は転写バイアス印加電源52によりバイアス印加された転写用帯電部材51により転写材P上に一括転写される。転写用帯電部材はコロナ帯電器や転写ローラー、転写ベルトを用いた接触静電転写手段が用いられる。
【0230】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
【0231】
トナー粒子の製造例1
2リットル用四つ口フラスコ中のイオン交換水710gに0.1M−NaPO水溶液450gを投入し、65℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工製)を用いて、12,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl水溶液68gを徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤を含む水系分散媒体を調製した。さらに希塩酸により水系分散媒体のpHが5.0となるように再調製した。
【0232】
一方、分散質として、
Figure 2004226454
上記処方を65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工製)を用いて、12,000rpmで均一に溶解,分散した。
【0233】
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0234】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、内温65℃で、窒素雰囲気下において高速撹拌10,000rpmを撹拌しつつ、20分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その後、撹拌装置をパドル撹拌翼を具備したものに換え、100rpmで撹拌しながら同温度に保持する。その後2時間経過したところで70℃に昇温し、さらに2時間経過後、昇温速度40℃/Hrで80℃に昇温し、さらに5時間重合させ第1重合工程を終了し、重合体粒子を得た。この重合体粒子のコールターカウンターから求めた体積平均径は、6.8μmであった。
【0235】
第1重合工程終了後、懸濁系を冷却した。冷却後、懸濁系のpHが5.0となるように調製した。
【0236】
次いで
スチレンモノマー 82g
n−ブチルアクリレート 12g
不飽和ポリエステル 6g
(フマル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)
前記オキシカルボン酸(1−A) 1g
からなる重合性単量体系に重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5gを添加溶解させた。この溶液を定量ポンプ(日本フィーダー製)を用いて、5回に分けて0.5ml/min,4.0ml滴下し、前記重合体粒子表面に吸着,被覆させ重合せしめた。
【0237】
次に、80℃に昇温し更に6時間重合させ第2重合工程を終了した。この被覆後の樹脂粒子のコールターカウンターから求めた体積平均は、7.2μmであった。
【0238】
第2重合工程終了後、加熱減圧下で残存モノマーを留去し、反応生成物を常温まで冷却した。冷却後、塩酸を加えて難水溶性分散剤を溶解し、濾過した。その後、pH6.5、15℃のイオン交換水にて水洗を数回繰り返した後、乾燥、分級することにより、シアントナー粒子1を得た。
【0239】
トナーの製造例1
シアントナー粒子1;100質量部に対して、平均1次粒径が8nmのヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子(シリカA);1質量部、平均1次粒径が45nmのイソブチルシランで表面処理された酸化チタン微粒子(無機微粒子2A);0.15質量部、平均1次粒径が200nm(帯電量;−2.1mC/kg)のルチル型酸化チタン微粒子(無機微粒子1A):0.8質量部をヘンシェルミキサーで混合し、トナー1を得た。
【0240】
トナー1の重量平均粒径は、7.2μm、4μm以下の粒子は、8.0個数%であった。トナー1の示差熱分析での吸熱ピークは、73℃にあり、その吸熱ピークの半値幅は、3.2℃であった。トナー1のGPC測定でのピーク分子量は、22000であった。トナー1の酸価は、4.2mgKOH/gであった。トナー1の帯電量は、−56mC/kgであった。トナー1の形状係数SF−1は、109、SF−2は、104であった。
【0241】
トナー粒子の製造例2〜8
トナー粒子の製造例1において、第1の重合工程及び第2の重合工程におけるpH、オキシカルボン酸の種類と添加量及び濾過工程のpHを表1に示したようにかえた以外は、トナー粒子の製造例1と同様にしてトナー粒子2〜8を得た。
【0242】
トナーの製造例2〜8
トナーの製造例1で用いたトナー粒子1にかえてトナー粒子2〜8を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー2〜8を得た。
【0243】
トナーの製造例9
トナーの製造例1で用いた無機微粒子1Aを用いない以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナー9を得た。
【0244】
トナーの製造例10
トナーの製造例1で用いた無機微粒子2Aを用いない以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナー10を得た。
【0245】
トナーの製造例11
トナーの製造例1で用いたシリカAを用いないこと、無機微粒子2Aの添加量を1.0部にする以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー11を得た。
【0246】
トナーの製造例12〜21
トナーの製造例1で用いた無機微粒子1Aのかわりに、表2に示した無機微粒子を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー12〜21を得た。
【0247】
トナーの製造例22〜29
トナーの製造例1で用いた無機微粒子2Aのかわりに、表3に示した無機微粒子を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー22〜29を得た。
【0248】
トナーの製造例30〜32
トナーの製造例1で用いたシリカ微粒子Aのかわりに、表4に示したシリカ微粒子を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー30〜32を得た。
【0249】
トナー粒子の製造例9〜12
トナー粒子の製造例1において、トナー製造の分級工程の分級条件をかえる以外はトナー粒子の製造例1と同様にしてトナー粒子9〜12を得た。
【0250】
トナーの製造例33〜36
トナーの製造例1で用いたトナー粒子1にかえてトナー粒子9〜12を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー33〜36を得た。
【0251】
トナー粒子の製造例13〜16
トナー粒子の製造例1で用いたワックスAにかえて表6に示したワックスB〜Eを用いる以外はトナー粒子の製造例1と同様にしてトナー粒子13〜16を得た。
【0252】
トナーの製造例37〜40
トナーの製造例1で用いたトナー粒子1にかえてトナー粒子13〜16を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー37〜40を得た。
【0253】
トナー粒子の製造例17〜20
トナー粒子の製造例1において、重合開始剤及び反応温度を調節することにより、GPC測定でのピーク分子量を調整した以外はトナー粒子の製造例1と同様にしてトナー粒子17〜20を得た。
【0254】
トナーの製造例41〜44
トナーの製造例1で用いたトナー粒子1にかえてトナー粒子17〜20を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー41〜44を得た。
【0255】
トナー粒子の製造例21〜23
トナー粒子の製造例1において、n−ブチルアクリレートにかえて、n−ブチルアクリレートとマレイン酸ブチルエステルを併用する以外はトナー粒子の製造例1と同様にしてトナー粒子14〜16を得た。
【0256】
トナーの製造例45〜47
トナーの製造例1で用いたトナー粒子1にかえてトナー粒子21〜23を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー45〜47を得た。
【0257】
トナー粒子の製造例24〜26
(結着樹脂)スチレン−アクリル酸ブチル共重合体 100質量部
(着色剤)C.I.ピグメントブルー15:3 7質量部
(離型剤)ベヘニルベヘネート(融点;73℃)(ワックスA) 10質量部
(荷電制御剤)サリチル酸のAl化合物 0.5質量部
(オキシカルボン酸)前記オキシカルボン酸(1−A) 0.5質量部
上記材料を呼び混合した後に、130℃に設定した二軸混線押し出し器によって溶融混練を行った混練物を冷却後、粗粉砕をしジェット気流を用いた粉砕機によって微粉砕をし、さらに風力分級機を用いて分級した。
【0258】
さらに、ハイブリタイゼーションシステム1型(奈良機械製作所製)を用いて、機械的衝撃力により表面処理し、表面形状係数を調整したトナー粒子24〜26を得た。
【0259】
トナーの製造例48〜50
トナーの製造例1で用いたトナー粒子1にかえてトナー粒子24〜26を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー48〜50を得た。
【0260】
トナー粒子の製造例27
トナー粒子の製造例24において、結着樹脂としてスチレン−アクリル酸ブチルのかわりに、ポリエステル樹脂(プロボキシ化ビスフェノールとフマル酸の縮重合体)を用いる以外はトナー粒子の製造例24と同様にしてトナー粒子27を得た。
【0261】
トナーの製造例51
トナーの製造例1で用いたトナー粒子1にかえてトナー粒子27を用いる以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー51を得た。
【0262】
トナーの製造例52
トナーの製造例1において、無機微粒子1A;0.8部のかわりに、無機微粒子1A;0.4部と無機微粒子1C;0.4部を併用する以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー52を得た。
【0263】
トナーの製造例53
トナーの製造例1において、無機微粒子2A;0.15部のかわりに、無機微粒子2A;0.1部と無機微粒子2C;0.1部を併用する以外はトナーの製造例1と同様にしてトナー53を得た。
【0264】
実施例1〜38、比較例1〜15
市販のフルカラープリンターLBP−2160(キヤノン製)をトナー担持体の回転周速が480mm/sec、トナー塗布ブレードをショアーD硬度50度のポリアミド含有ゴム層を有する弾性ブレードとなるように改造し、トナー1〜53を適用し、評価を行った。
【0265】
低湿環境下で発生する潜像保持体へのトナー融着、及びハーフトーン画像の「ガサツキ」・カブリについては、10℃/4%RHの低温低湿環境において、4%印字率のライン画像を連続プリントした後に評価した。潜保持体へのトナー融着については、ベタ画像上に現れたトナー融着に伴うドット上の白抜け欠陥の数で評価した。
【0266】
ハーフトーン画像の「ガサツキ」については、反射濃度が、0.6の600線のハーフトーン画像をプリントし、目視により評価した。
【0267】
カブリについては、潜像保持体上のカブリをテープで転写させ、そのテープを白紙に貼り、レファレンステーブの反射率との差をリフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定した。
【0268】
多数枚印刷時のトナーのボタ落ち現象については、23℃/50%RHの環境で、1%印字率のライン画像を連続で2.4万枚プリントした後、ハーフトーン画像をプリントし、画像上に現れたドットの数で評価した。
【0269】
多数枚印刷時のカブリ現象については、23℃/50%RHの環境で、1%印字率のライン画像を連続で1.5万枚プリントした後、潜像保持体上のカブリを測定した。
【0270】
再転写現像については、32.5℃/95%RHの高温高湿環境で、4%印字率のライン画像を、60g/mの普通紙に連続プリントした後に評価した。
【0271】
現像順で、1番先のイエローステーションに、現像CRGを入れて、4色重ね(4回転写工程を行う)モードで、プリントアウトしたときのハーフトーン画像の反射濃度と、1色(1回の転写工程)モードで、プリントアウトしたハーフトーン画像の反射濃度の差から評価した。
【0272】
トナーを高温環境に放置したときのトナーのボタ落ち現象については、トナーを50℃の環境に2週間放置し、そのトナーを12.5℃/5%RHの低温低湿環境でハーフトーン画像をプリントし、画像上に現れたドットの数で評価した。
【0273】
実施例39〜43
市販のフルカラープリンターLBP−2160(キヤノン製)を、トナー担持体の回転周速、及びトナー塗布ブレードを表12に示したように改造し、トナー1を適用し、評価を行った。
【0274】
評価結果を表7〜表11及び表13に示す。
【0275】
【表1】
Figure 2004226454
【0276】
【表2】
Figure 2004226454
【0277】
【表3】
Figure 2004226454
【0278】
【表4】
Figure 2004226454
【0279】
【表5】
Figure 2004226454
【0280】
【表6】
Figure 2004226454
【0281】
【表7】
Figure 2004226454
【0282】
【表8】
Figure 2004226454
【0283】
【表9】
Figure 2004226454
【0284】
【表10】
Figure 2004226454
【0285】
【表11】
Figure 2004226454
【0286】
【表12】
Figure 2004226454
【0287】
【表13】
Figure 2004226454

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は金属製の容器を示す図である。
【図2】図2は画像形成方法のプロセス概略図の一例である。
【図3】図3は現像手段の概略図の一例である。
【図4】図4は画像形成方法(フルカラー)のプロセス概略図の一例である。
【図5】図5は画像形成方法(フルカラー)のプロセス概略図の一例である。
【符号の説明】
44〜47 現像手段
49 中間転写体への転写バイアス印加電源部
50 中間転写体
54 クり一二ング部材
51 転写用帯電部材
52 転写用帯電部材への転写バイアス印加電源部
101 吸引機
102 測定容器
103 導電性スクリーン(500メッシュ)
104 フタ
105 真空計
106 風量調節弁
107 吸引口
108 コンデンサー
109 電位計

Claims (22)

  1. 少なくとも供給ローラーによりトナー担持体上にトナーを供給する工程、該トナー担持体上のトナーをトナー塗布部材で押圧して所定の層厚でトナー担持体上にトナーを塗布すると共に、トナーを摩擦させて該トナーに電荷を付与する工程、潜像担持体に形成された静電荷潜像を該現像装置の該トナー担持体上に塗布されたトナーで非磁性1成分現像方式により現像し、現像画像を形成する工程、現像画像を転写材に転写する工程、転写された未定着の画像を定着する工程を有する画像形成方法において、
    該トナーは、▲1▼平均1次粒径が80nm〜800nmであるチタン、アルミ、亜鉛、ジルコニウムのいずれかの酸化物から選ばれる無機微粒子1、▲2▼平均1次粒径が80nm未満のシリカ以外の無機微粒子2、及び、▲3▼平均1次粒径が30nm未満のシリカ微粒子とトナー粒子を混合したトナーであって、
    該トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス成分及びオキシカルボン酸を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    さらに、該トナーは、トナー1g中からメタノールにより抽出されるオキシカルボン酸の重量をA(g)、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の重量をB(g)としたとき、
    1.05≦A/B≦1,50
    0.10×10−3≦B≦2.00×10−3
    を満足することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記オキシカルボン酸が、下記式(1)で示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
    Figure 2004226454
    (上記式(1)中、(A)は下記の群より選ばれ、Xは、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。)
    Figure 2004226454
  3. 前記オキシカルボン酸が、下記式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
    Figure 2004226454
    (上記式(2)中、Xは、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示し、Rは、C〜C22のアルキル基又はアルケニル基、アリール基を示し、Rは、水素原子、C〜C22のアルキル基又はアルケニル基、アリール基、アルコキシ基を示す。)
  4. 該トナー担持体の回転周速は、100〜800mm/secであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像形成方法。
  5. 該トナー担持体の回転周速は、200〜700mm/secであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像形成方法。
  6. 該トナー塗布ブレードは、トナー担持体側表面にポリアミド含有ゴム層を有していることを特徴とする請求項1乃至5に記載の画像形成方法。
  7. 該トナー塗布ブレードは、トナー担持体側表面にショアーD硬度25度以上65度以下のポリアミド含有ゴム層を有していることを特徴とする請求項1乃至5に記載の画像形成方法。
  8. 該無機微粒子1の平均1次粒径が100nm〜500nmであることを特徴とする請求項1乃至7に記載の画像形成方法。
  9. 該無機微粒子1の帯電量が絶対値で10mC/Kg以下であることを特徴とする請求項1乃至8に記載の画像形成方法。
  10. 該無機微粒子1がチタン、アルミのいずれかの酸化物であることを特徴とする請求項1乃至9に記載の画像形成方法。
  11. 該無機微粒子2の平均1次粒径が70nm以下であることを特徴とする請求項1乃至10に記載の画像形成方法。
  12. 該無機微粒子2がチタン、アルミのいずれかの酸化物であることを特徴とする請求項1乃至11に記載の画像形成方法。
  13. 該トナーの重量平均粒径が4μm〜8μmであり、且つ、4μm以下の割合が3〜20個数%であることを特徴とする請求項1乃至12に記載の画像形成方法。
  14. 該トナーの示唆熱分析で60℃〜90℃の間に少なくとも一つの吸熱ピークがあることを特徴とする請求項1乃至13に記載の画像形成方法。
  15. 該トナーが示唆熱分析での吸熱ピークの半値幅が10℃以下であることを特徴とする請求項1乃至14に記載の画像形成方法。
  16. 該トナーが結着樹脂としてスチレン系ポリマーを含有するトナーを用いることを特徴とする請求項1乃至15に記載の画像形成方法。
  17. 該トナーのGPC測定でのピーク分子量が15000〜30000であることを特徴とする請求項1乃至16に記載の画像形成方法。
  18. 該トナーの酸価が10mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1乃至17に記載の画像形成方法。
  19. 該トナーの帯電量の絶対値が40mC/Kg〜80mC/Kgであることを特徴とする請求項1乃至18に記載の画像形成方法。
  20. 該トナーの形状係数SF1が100〜170であり、且つ、形状係数SF2が100〜140であることを特徴とする請求項1乃至19に記載の画像形成方法。
  21. 該トナーの形状係数SF1が100〜120であり、且つ、形状係数SF2が100〜115であることを特徴とする請求項1乃至19に記載の画像形成方法。
  22. 該トナー粒子が、製造工程として少なくともモノマーと着色剤を含有する成分を造粒/重合する工程を経て製造されることを特徴とする請求項1乃至21に記載の画像形成方法。
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