JP2009109917A - トナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 - Google Patents

トナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 優れた耐ホットオフセット性および低温定着性とを兼ね備え、保存安定性が良好なトナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置、ならびに画像形成装置を提供する。
【解決手段】
少なくとも結着樹脂および着色剤を含んで構成されるトナーにおいて、結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置ならびに画像形成装置に関する。
潜像を顕像化するトナーは、種々の画像形成プロセスに用いられており、その一例として電子写真方式の画像形成プロセスに用いられることが知られている。
電子写真方式の画像形成プロセスを利用する画像形成装置においては、一般的に、潜像担持体である感光体ドラム表面の感光層を均一に帯電させる帯電工程、帯電状態にある感光体ドラム表面に原稿像の信号光を投射して静電潜像を形成する露光工程、感光体ドラム表面の静電潜像に電子写真用トナーを供給して顕像化する現像工程、感光体ドラム表面のトナー像を紙、OHPシートなどのメディアに転写する転写工程、トナー像を加熱、加圧などによりメディア上に定着させる定着工程およびトナー像転写後の感光体ドラム表面に残留するトナーなどをクリーニングブレードにより除去して清浄化するクリーニング工程を実行してメディア上に所望の画像を形成する。メディアへのトナー像の転写は、中間転写媒体を介して行われることもある。
このような画像形成装置に使用される現像剤としては、トナーのみを主成分とする一成分現像剤と、トナーとキャリアとを混合して使用する二成分現像剤とがある。また、これらの現像剤に用いられるトナーは、たとえば混練粉砕法や、懸濁重合法、乳化重合凝集法などに代表される重合法などによって製造される。混練粉砕法では、結着樹脂および着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤、帯電制御剤などを添加して混合されたトナー原料を溶融混練し、冷却して固化させた後、粉砕分級することでトナーを製造する。
近年、電子写真の分野では、省エネルギー化が様々な角度から検討されており、定着時の温度を下げることによる定着エネルギーの低減が有効であるとの認識が高まっている。また、コピー機やファクシミリ機のさらなる高速化が望まれている。これらの動向から、トナーの低融点化は必要不可欠である。トナーの低融点化を図るためには、トナー原料中の結着樹脂の設計が重要である。
紙、OHPシートなどのメディアの上に転写されたトナー像を定着する方式としては、ヒートロールなどによってトナー像を加熱溶融し、加圧して定着させる接触加熱型定着器がよく用いられており、この方式におけるトナーの定着性は、定着下限温度からホットオフセット開始温度までの定着可能温度幅によって評価することができる。前述のトナーの低融点化とは、定着下限温度を下げることである。しかしながら、単純にトナー原料中の結着樹脂の融点を低下させるだけでは、結着樹脂の分子量のバランスが変化してしまい、高温での耐ホットオフセット性が低下してしまうばかりでなく、結着樹脂のガラス転移温度も低下して、トナーの保存安定性も低下してしまうおそれがある。
そこで、優れた低温定着性と高温での耐ホットオフセット性とを兼ね備えるトナーを得るために、種々の技術が提案されている。
たとえば特許文献1では、スルホン酸基含有脂肪族不飽和−N−アクリルアミド系単量体を構成単位とし重量平均分子量が200,000以上であり、且つ重量平均分子量と数平均分子量の比が8.0以上で、ガラス転移温度が45〜70℃であるエチレン系重合体(H)とエチレン系重合体(L)との樹脂混合物を結着樹脂とし、その割合を15〜85:85〜15とすることにより、定着・オフセット性のバランスが良く、更には帯電の立ち上がりが速く且つその帯電量が充分な負帯電性電子写真トナー用樹脂組成物を得る技術について開示されている。
また特許文献2では、少なくとも結着樹脂、着色剤およびワックスを含有するトナー粒子および無機微粉体を有するトナーであって、結着樹脂が、アミド基含有ビニル系モノマーとカルボキシル基含有ビニル系モノマーとを共重合成分として含むことにより、カブリが少なく、帯電安定性に優れ、かつ良好な定着性および耐高温オフセット性を両立できるトナーについて開示されている。
特開平7−72658号公報 特開2003−262979号公報
特許文献1および2に開示される技術では、結着樹脂として、高分子量体と低分子量体とを含む樹脂や架橋構造を有する樹脂を用いている。このような結着樹脂において、耐ホットオフセット性を維持するために、架橋成分や高分子量体成分の含有量を多くすると、結着樹脂の溶融粘度が大きくなりすぎ、トナーの低温定着性が不充分となってしまうおそれがある。一方、低温定着性を維持するために、架橋成分や低分子量体の含有量を多くすると、結着樹脂の溶融粘度は小さくなるものの、トナーの弾性が低下してしまうため、耐ホットオフセット性が悪化してしまうおそれがある。
優れた低温定着性および耐ホットオフセット性を得るために最適な分子量分布とするためには、結着樹脂中の高分子量体と低分子量体との配合量のバランスを制御することが重要である。しかし、特許文献1および2の技術に開示されるようなラジカル重合による共重合によって、結着樹脂中の高分子量体と低分子量体との配合量のバランスがとれた樹脂を得ることは難しい。
また特許文献1および2では、アミド基を有する単量体を共重合成分として用いることによって結着樹脂内にアミド基を組み込んでいるが、この場合には、単量体の添加量に対してアミド基に起因する効果、たとえば定着性や帯電性の改善効果などが得られにくく、また結着樹脂の分子量分布の制御が難しいという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、優れた耐ホットオフセット性および低温定着性とを兼ね備え、保存安定性が良好なトナーおよびその製造方法、二成分現像剤、現像装置、ならびに画像形成装置を提供することである。
本発明は、少なくとも結着樹脂および着色剤を含んで構成されるトナーであって、
結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、
単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されることを特徴とするトナーである。
また本発明のトナーは、主成分である樹脂は、ポリエステル樹脂であることを特徴とする。
また本発明のトナーは、トナーの120℃における損失弾性率G”が10Pa以下および200℃における損失弾性率G”が10Pa以上であり、かつ、200℃における損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接が10以下であることを特徴とする。
また本発明のトナーは、離型剤を含有し、離型剤は、主成分である離型剤とアミド基を有する離型剤とを含んで構成され、
アミド基を有する離型剤は、離型剤中に50重量%以下の割合で含有されることを特徴とする。
また本発明のトナーは、主成分である離型剤は、パラフィン系ワックスであることを特徴とする。
また本発明のトナーは、アミド基を有する離型剤は、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物であることを特徴とする。
また本発明のトナーは、主成分である離型剤の融点は、80℃以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記トナーを製造するトナーの製造方法であって、
少なくとも結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程と、
混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程とを含み、
結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されることを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明のトナーの製造方法は、溶融混練物を粉砕して粉砕物を作製する粉砕工程と、
粉砕物から過粉砕物や粗粉を除去する分級工程とを含むことを特徴とする。
また本発明のトナーの製造方法は、溶融混練物の微粒子を水性媒体中に微分散させて水性スラリーを作製する微分散工程と、
水性スラリー中の溶融混練物の微粒子を凝集して凝集粒子を作製する凝集工程とを含むことを特徴とする。
また本発明は、前記トナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤である。
また本発明は、前記二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置である。
また本発明は、前記現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含んで構成されるトナーにおいて、結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有される。
このように、結着樹脂は、主成分である樹脂を含んで構成されることにより、その分子量分布を、優れた低温定着性および耐ホットオフセット性を得るために最適な値となるように制御することができ、保存安定性を良好に保つことができる。
さらに、結着樹脂中に側鎖にアミド基を有する単一樹脂を含んで構成されることにより、トナーと紙などのメディアとの接着性を高めることができる。また結着樹脂の融点を低下させることなく、低温定着性を向上させることができる。
また単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されることにより、主成分である樹脂の定着性を良好に保ち、定着可能温度幅をより充分に得ることができる。
したがって、本発明のトナーは、優れた耐ホットオフセット性および低温定着性を兼ね備えながらも、保存安定性が良好なトナーである。
また本発明によれば、主成分である樹脂は、ポリエステル樹脂であることが好ましい。これにより、優れたシャープメルト性および耐久性を兼ね備えたカラートナーに最適なトナーを得ることができる。また、低温定着性に優れ、発色性に優れるカラートナーを得ることができる。
また本発明によれば、トナーの120℃における損失弾性率G”が10Pa以下および200℃における損失弾性率G”が10Pa以上であり、かつ、200℃における損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接が10以下であることが好ましい。これにより、トナーの定着性の指標となる定着下限温度からホットオフセット開始温度までの定着可能温度幅を充分に得ることができる。
また本発明によれば、本発明のトナーは、離型剤を含有し、離型剤は、主成分である離型剤とアミド基を有する離型剤とを含んで構成され、アミド基を有する離型剤は、離型剤中に50重量%以下の割合で含有されることが好ましい。これにより、トナー中の離型剤の分散性と均一性とを高め、離型剤のトナーからの遊離も防止することができる。
また本発明によれば、主成分である離型剤は、パラフィン系ワックスであることが好ましい。これにより、結着樹脂と離型剤との相溶化にともなうガラス転移温度の低下を防ぎ、トナーの保存安定性を維持することができる。また、アミド基を有する離型剤と組み合わせることによって、離型剤が過度に分散することなく、最適な分散性を得ることができる。
また本発明によれば、アミド基を有する離型剤は、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物であることが好ましい。これにより、トナー中の離型剤の分散性と均一性をより一層高め、また離型剤のトナーからの遊離をより一層防止することができる。
また本発明によれば、主成分である離型剤の融点は、80℃以下であることが好ましい。これにより、低温定着性の良好なトナーを得ることができる。
また本発明によれば、前記トナーを製造するトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程と、混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程とを含み、結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有される。
このように、溶融混練工程において、混合物中に含まれる結着樹脂を溶融させて混練することによって、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とが均一に混合された結着樹脂の溶融混練物を得ることができ、安定した性能を有するトナーを製造することができる。
また本発明によれば、本発明のトナーの製造方法は、溶融混練物を粉砕して粉砕物を作製する粉砕工程と、粉砕物から過粉砕物や粗粉を除去する分級工程とを含むことが好ましい。これにより、簡単な設備を用いて低コストで、優れた耐ホットオフセット性および低温定着性を兼ね備え、保存安定性の良好な本発明のトナーを製造することができる。
また本発明によれば、本発明のトナーの製造方法は、溶融混練物の微粒子を水性媒体中に微分散させて水性スラリーを作製する微分散工程と、水性スラリー中の溶融混練物の微粒子を凝集して凝集粒子を作製する凝集工程とを含むことが好ましい。このように凝集法によりトナーを製造することにより、耐ホットオフセット性、低温定着性および保存安定性に優れるだけでなく、トナーの形状が略球形となるため転写性が向上し、良好なクリーニング性を確保できるトナーを製造することができる。さらに、高画質化に適した小粒径トナーを収率よく製造することができる。
また本発明によれば、本発明の二成分現像剤は、前記トナーとキャリアとを含むことが好ましい。このように、優れた耐ホットオフセット性および低温定着性を兼ね備え、保存安定性の良好な本発明のトナーを含むことにより、紙などのメディアに対する接着性および低温定着性に優れ、保存安定性が良好な二成分現像剤を得ることができる。
また本発明によれば、本発明の現像装置は、低温定着性および保存安定性に優れる前記二成分現像剤を用いて現像を行うため、現像槽内での攪拌などのストレスが生じても、安定した性能を維持することができる。
また本発明によれば、本発明の画像形成装置は、前記トナーを用いて画像を形成する現像装置を備えるため、長期間にわたってトラブルが発生することなく、安定して高画質画像を形成することができる。
本発明は、少なくとも結着樹脂および着色剤を含んで構成されるトナーであって、結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有される。
このように、結着樹脂は、主成分である樹脂を含んで構成されることにより、その分子量分布を、優れた低温定着性および耐ホットオフセット性を得るために最適な値となるように制御することができ、保存安定性を良好に保つことができる。
さらに、結着樹脂中に側鎖にアミド基を有する単一樹脂を含んで構成されることにより、トナーと紙などのメディアとの接着性を高めることができる。また結着樹脂の融点を低下させることなく、低温定着性を向上させることができる。
また単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されることにより、主成分である樹脂の定着性を良好に保ち、定着可能温度幅をより充分に得ることができる。
したがって、本発明のトナーは、優れた耐ホットオフセット性および低温定着性とを兼ね備えながらも、保存安定性が良好なトナーである。
以下に、本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナーの製造方法は、たとえば、図1のフロー図に示されるトナーの製造方法である。図1は、本発明のトナーの製造方法の一例における手順を示すフロー図である。
本発明のトナーの製造方法は、たとえば図1に示すように、少なくとも、結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程(ステップS1)と、混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程(ステップS2)と、溶融混練物を粉砕して粉砕物を作製する粉砕工程(ステップS3)と、粉砕物から過粉砕物や粗粉を除去する分級工程(ステップS4)とを含む。
以下に、ステップS1〜ステップS4の各製造工程について詳細に説明する。ステップS0からステップS1に移行することで本発明のトナーの製造が開始される。
[前混合工程]
ステップS1の前混合工程では、少なくとも結着樹脂および着色剤を混合機により乾式混合して混合物を作製する。混合物には、結着樹脂および着色剤の他に、その他のトナー添加成分が含有されていてもよい。その他のトナー添加成分としては、たとえば、離型剤、帯電制御剤などが挙げられる。
乾式混合に用いられる混合機としては、公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
以下に、混合物に含まれるトナーの各原料について説明する。
(a)結着樹脂
本発明のトナーに含まれる結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成される。主成分である樹脂を含んで構成されることにより、その分子量分布を、優れた低温定着性および耐ホットオフセット性を得るために最適な値となるように制御することができ、保存安定性を良好に保つことができる。また、側鎖にアミド基を有する単一樹脂を含んで構成されるため、トナーと紙などのメディアとの接着性を高めることができる。さらに結着樹脂の融点を低下させることなく、低温定着性を向上させることができる。
主成分である樹脂としては、一般的な熱可塑性樹脂を使用でき、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。また、同一種の樹脂において、分子量や単量体組成などの各物性のうちいずれか1つまたは複数の物性が異なる樹脂を2種以上併用して使用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、特に制限されず公知のものを使用でき、たとえば、多塩基酸類と多価アルコール類との縮重合物などが挙げられる。多塩基酸類とは、多塩基酸、および多塩基酸の誘導体たとえば多塩基酸の酸無水物またはエステル化物などのことである。多価アルコール類とは、ヒドロキシル基を2個以上含有する化合物のことであり、アルコール類およびフェノール類のいずれをも含む。
多塩基酸類としては、ポリエステル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸およびナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸およびアジピン酸などの脂肪族カルボン酸類が挙げられる。多塩基酸類は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
多価アルコール類としてもポリエステル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびグリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよび水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類が挙げられる。「ビスフェノールA」とは、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンのことである。ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物としては、たとえばポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物としては、たとえばポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。多価アルコール類は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
ポリエステル樹脂は、縮重合反応によって合成することができる。たとえば、有機溶媒中または無溶媒下で、触媒の存在下に多塩基酸類と多価アルコール類とを重縮合反応、具体的には脱水縮合反応させることによって合成することができる。このとき、多塩基酸類の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用い、脱メタノール重縮合反応を行なってもよい。多塩基酸類と多価アルコール類との重縮合反応は、生成するポリエステル樹脂の酸価および軟化温度が、合成しようとするポリエステル樹脂における値となったところで終了させればよい。この重縮合反応において、多塩基酸類と多価アルコール類との配合比および反応率などの反応条件を適宜変更することによって、たとえば、得られるポリエステル樹脂の末端に結合するカルボキシル基の含有量、ひいては得られるポリエステル樹脂の酸価を調整することにより、軟化温度などの他の物性値を調整することもできる。
アクリル樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえばアクリル系モノマーの単独重合体およびアクリル系モノマーとビニル系モノマーとの共重合体が挙げられる。その中でも、酸性基を有するアクリル樹脂が好ましい。アクリル系モノマーとしては、アクリル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルおよびアクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル系単量体、ならびにメタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシルおよびメタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。これらのアクリル系モノマーは、置換基を有していてもよい。置換基を有するアクリル系モノマーとしては、たとえば、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基を有するアクリル酸エステル系またはメタクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。アクリル系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。ビニル系モノマーとしても公知のものを使用でき、たとえば、スチレンおよびα−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、臭化ビニル、塩化ビニルおよび酢酸ビニルなどの脂肪族ビニル単量体、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどのアクリロニトリル系単量体などが挙げられる。ビニル系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
アクリル樹脂は、たとえば、アクリル系モノマーの1種もしくは2種以上、またはアクリル系モノマーの1種もしくは2種以上とビニル系モノマーの1種もしくは2種以上とを、ラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合法、懸濁重合法または乳化重合凝集法などで重合させることによって製造することができる。酸性基を有するアクリル樹脂は、たとえば、アクリル系モノマーまたはアクリル系モノマーとビニル系モノマーとを重合させるに際し、酸性基または親水性基を含有するアクリル系モノマーおよび酸性基または親水性基を有するビニル系モノマーのいずれか一方または両方を用いることによって製造することができる。
ポリウレタン樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ポリオールとポリイソシアネートとの付加重合物が挙げられる。その中でも、酸性基または塩基性基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。酸性基または塩基性基を有するポリウレタン樹脂は、たとえば、酸性基または塩基性基を有するポリオールと、ポリイソシアネートとを付加重合反応させることによって合成することができる。酸性基または塩基性基を有するポリオールとしては、たとえば、ジメチロールプロピオン酸、N−メチルジエタノールアミンなどのジオール類、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオールなどの3価以上のポリオール類などが挙げられる。ポリオールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネートは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
エポキシ樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとから合成されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールとホルムアルデヒドとの反応生成物であるフェノールノボラックとエピクロルヒドリンとから合成されるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールとホルムアルデヒドとの反応生成物であるクレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとから合成されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。その中でも、酸性基または塩基性基を有するエポキシ樹脂が好ましい。酸性基または塩基性基を有するエポキシ樹脂は、たとえば、前述のエポキシ樹脂をベースとし、このベースのエポキシ樹脂にアジピン酸、無水トリメリット酸などの多価カルボン酸またはジブチルアミン、エチレンジアミンなどのアミンを付加または付加重合させることによって製造することができる。
結着樹脂において、主成分である樹脂は、前述の樹脂の中でもポリエステル樹脂であることが好ましい。結着樹脂の主成分である樹脂としてポリエステル樹脂を使用することにより、優れたシャープメルト性および耐久性を兼ね備えたカラートナーに最適なトナーを得ることができる。また、ポリエステル樹脂はアクリル樹脂などの他の樹脂に比べて軟化温度(T1/2)が低いので、ポリエステル樹脂を用いることによって、より低い温度で定着することのできる低温定着性に優れるトナーを得ることができる。さらに、ポリエステル樹脂は透過性に優れるので、ポリエステル樹脂を用いることによって、発色性に優れ、また他の色のトナーとの重ね合わせによって作製される二次色の発色性に優れるカラートナーを得ることができる。
主成分である樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、得られるトナーの定着性および保存安定性などを考慮すると、30℃以上80℃以下であることが好ましい。30℃未満であると、保存安定性が不充分になるため画像形成装置内部でのトナーの熱凝集が起こりやすくなり、現像不良が発生するおそれがある。また高温オフセット現象が発生し始める温度(以後、「高温オフセット開始温度」と記す)が低下してしまう。「高温オフセット現象」とは、加熱ローラなどの定着部材で加熱および加圧してトナーを記録媒体に定着させる際に、トナーが過熱されることによってトナー粒子の凝集力がトナーと定着部材との接着力を下回ってトナー層が分断され、トナーの一部が定着部材に付着して取去られる現象のことである。また80℃を超えると、定着性が低下するため定着不良が発生するおそれがある。
主成分である樹脂の軟化温度(T1/2)は、特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、150℃以下であることが好ましく、さらには60℃以上120℃以下であることが好ましい。60℃未満であると、トナーの保存安定性が低下し、画像形成装置内部でトナーの熱凝集が起こりやすくなり、トナーを安定して像担持体に供給することができず、現像不良が発生するおそれがある。また画像形成装置の故障が誘発されるおそれもある。120℃を超えると、溶融混練工程において結着樹脂が溶融しにくくなるため、トナーの各原料の混練が困難になり、溶融混練物中における着色剤、離型剤および帯電制御剤などの分散性が低下するおそれがある。またトナーを記録媒体に定着させる際に、トナーが溶融または軟化しにくくなるので、トナーの記録媒体への定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
側鎖にアミド基を有する単一樹脂としては、特に限定されるものではなく、たとえば、ポリ−N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリ−N−メチル(メタ)アクリルアミド、ポリ−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ポリ−N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ポリ−N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、ポリ−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、ポリ−N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのポリ−N−置換(メタ)アクリルアミド;ポリ−N−(メタ)アクリロイルモルホリン、ポリ−N−(メタ)アクリロイルピロリドン、ポリ−N−(メタ)アクリロイルピペリジン、ポリ−N−(メタ)アクリロイルピロリジン、ポリ−N−(メタ)アクリロイル−4−ピペリドンなどの環状構造を含むポリ−(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
側鎖にアミド基を有する単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有され、1重量%以上20重量%以下の割合で含有されることが好ましく、さらには2重量%以上10重量%以下の割合で含有されることが好ましい。
含有割合が20重量%以下であることにより、主成分である樹脂の定着性を良好に保ち、定着可能温度幅をより充分に得ることができる。含有割合が20重量%を超えると、主成分である樹脂の定着性に影響を与え、定着可能温度幅が減少してしまうおそれがある。また、含有割合が1重量%未満の場合には、紙などのメディアとの接着性が改善されないため好ましくない。
本発明において、側鎖にアミド基を有する単一樹脂は、重合開始剤を用いる重合によって、製造することができる。重合開始剤は特に制限されるものではないが、たとえば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、2,2′−アゾビスー(2−アミジノプロパン)ジ塩酸塩、2,2′−アゾビスー(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビスー(N,N′ジメチレンイソブチルアミジン)ジ塩酸塩などの水溶性重合開始剤を用いて、所望のモノマーを水性媒体中で重合することができる。
主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂を含んで構成される結着樹脂の分子量としては、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、重量平均分子量(Mw)で5000以上500000以下であることが好ましい。5000未満であると、結着樹脂の機械的強度が低下し、得られるトナー粒子が現像装置内部での撹拌などによって粉砕されやすくなり、トナー粒子の形状が変化し、たとえば帯電性能にばらつきが生じるおそれがある。また500000を超えると、溶融されにくくなるため、溶融混練工程における混練が困難になり、溶融混練物中における着色剤、離型剤および帯電制御剤などの分散性が低下するおそれがある。またトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。ここで、結着樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(Gel
Permeation chromatography;略称GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
なお、主成分である樹脂および側鎖にアミド基を有する単一樹脂のそれぞれの分子量は特に制限されず、トナーの分子量分布が優れた耐ホットオフセット性および低温定着性を得るために最適な数値範囲となるように、適宜選択されればよい。
(b)着色剤
着色剤としては、染料および顔料が挙げられる。その中でも、顔料を用いることが好ましい。顔料は染料に比べて耐光性および発色性に優れるので、顔料を用いることによって耐光性および発色性に優れるトナーを得ることができる。着色剤の具体例としては、以下の各色の着色剤が挙げられる。以下では、カラーインデックス(Color Index)を「C.I.」と略記する。
着色剤としては、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、およびブラックトナー用着色剤などが挙げられる。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、およびC.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などの有機系顔料、黄色酸化鉄および黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、およびC.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、およびC.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、およびC.I.ダイレクトブルー86やKET.BLUE111などが挙げられる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、およびアセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
これらの顔料以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを使用できる。着色剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
着色剤は、マスターバッチとして使用されることが好ましい。着色剤のマスターバッチは、たとえば、合成樹脂の溶融物と着色剤とを混練することによって製造することができる。合成樹脂としては、トナーの結着樹脂における主成分である樹脂と同種の樹脂またはトナーの結着樹脂における主成分である樹脂に対して良好な相溶性を有する樹脂が使用される。合成樹脂と着色剤との使用割合は特に制限されないけれども、好ましくは合成樹脂100重量部に対して30重量部以上100重量部以下である。マスターバッチは、たとえば粒径2以上3mm以下程度に造粒されて用いられる。
本発明のトナーにおける着色剤の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは結着樹脂100重量部に対して4重量部以上20重量部以下である。マスターバッチを用いる場合には、本発明のトナーにおける着色剤の含有量が前記範囲になるように、マスターバッチの使用量を調整することが好ましい。着色剤の配合量が前記範囲の値であることにより、着色剤の添加によるフィラー効果を抑え、かつ高着色力を有するトナーを得ることができる。また、充分な画像濃度を有し、発色性が高く画像品位に優れる良好な画像を形成することができる。着色剤の配合量が20重量部を超えると、着色剤のフィラー効果によって、弾性が上昇し、トナーの定着性が低下するおそれがある。
(c)離型剤
離型剤は、トナーを記録媒体に定着させる際にトナーに離型性を付与するために添加される。したがって、離型剤を使用しない場合と比較して高温オフセット開始温度を高め、耐ホットオフセット性を向上させることができる。さらに、トナーを定着させる際の加熱によって離型剤を溶融させることによって定着開始温度を低下させることで、低温定着性を向上させることができる。
本発明のトナーに含まれる離型剤は、主成分である離型剤を含んで構成される。また、主成分である離型剤とともに、アミド基を有する離型剤とを含んで構成される場合には、トナー中の離型剤の分散性と均一性を高め、離型剤のトナーからの遊離を防止することができる。
離型剤中のアミド基を有する離型剤と、結着樹脂中の側鎖にアミド基を有する単一樹脂とは、同一の官能基を有するため相溶性がよい。そのため、上述のように離型剤がアミド基を有する離型剤を含むことにより、トナー中の離型剤の分散性と均一性を高めることができる。
また、トナー中の離型剤の分散は均一であることが望ましいが、その分散粒径としては、1μm程度であることが好ましい。離型剤中のアミド基を有する離型剤の含有量が多くなりすぎると、分散粒径が1μmより小さくなるおそれがある。したがって、アミド基を有する離型剤は、離型剤中に50重量%以下の割合で含有されることが好ましい。これにより、トナー中に分散される離型剤の分散粒径を1μm程度にすることができる。
主成分である離型剤としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえばワックスなどが挙げられる。ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバワックスおよびライスワックスなどの天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプッシュワックスなどの合成ワックス、モンタンワックスなどの石炭系ワックスなどの石油系ワックス、アルコール系ワックス、ならびにエステル系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
主成分である離型剤は、パラフィン系ワックスであることが好ましい。主成分である離型剤として、パラフィン系ワックスを使用することで、結着樹脂と離型剤との相溶化にともなうガラス転移温度の低下を防ぎ、トナーの保存安定性を維持することができる。また、アミド基を有する離型剤と組み合わせることによって、離型剤が過度に分散することなく、最適な分散性を得ることができる。
アミド基を有する離型剤としては、この分野で常用されるものを使用できるが、特には下記式(1)で示されるアルキレンビス脂肪酸アミド化合物を用いることが好ましい。
Figure 2009109917
(式中、R1およびR2は、各々互いに同一または異なる炭素数10以上の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基を表わし、R3およびR4は、水素原子または−COR基(但し、Rは炭素数1以上の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基を表わす。)のうち各々互いに同一または異なる基を表わし、nは正の整数を示す。)
アルキレンビス脂肪酸アミド化合物におけるR1,R2,R3,R4,R5ならびに炭素数nとしては、たとえば、表1に示すものなどが挙げられる。
Figure 2009109917
このように、アミド基を有する離型剤は、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物であることにより、トナー中の離型剤の分散性と均一性をより一層高め、また離型剤のトナーからの遊離をより一層防止することができる。
離型剤の配合量としては、特に制限されず、結着樹脂、着色剤などの他の成分の種類および含有量、作製しようとするトナーに要求される特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択することができるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して、3重量部以上10重量部以下である。離型剤の配合量が3重量部未満であると、低温定着性および耐ホットオフセット性の向上効果が充分に発揮されないおそれがある。離型剤の配合量が10重量部を超えると、溶融混練物中における離型剤の分散性が低下し、一定の性能を有するトナーを安定して得ることができなくなるおそれがある。またトナーが感光体などの像担持体の表面に皮膜(フィルム)状に融着するフィルミングと呼ばれる現象が発生しやすくなるおそれがある。
主成分である離型剤およびアミド基を有する離型剤の融点(Tm)としては、50℃以上150℃以下であることが好ましい。融点が50℃未満であると、現像装置内において離型剤が溶融してトナー粒子同士が凝集したり、感光体表面へのフィルミングなどの不良を引き起こすおそれがあり、融点が150℃を超えると、トナーを記録媒体に定着するときに離型剤が充分に溶出することができず、耐ホットオフセット性の向上効果が充分に発揮されないおそれがある。ここで、離型剤の融点とは、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry:略称DSC)によって得られるDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度のことである。
また、主成分である離型剤の融点(Tm)は、特には80℃以下であることが好ましい。融点が80℃以下であることにより、低温定着性の良好なトナーを得ることができる。融点が80℃を超えると、定着時に離型剤の効果が不充分になり、低温定着性の良好なトナーを得ることができないおそれがある。
(d)帯電制御剤
本発明のトナーには、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤などのその他のトナー添加成分が含有されていてもよい。帯電制御剤を含有させることによって、トナーに好ましい帯電性を付与することができる。帯電制御剤としては、正電荷制御用または負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、およびアミジン塩などの正電荷制御用の帯電制御剤と、たとえば、オイルブラックおよびスピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、ならびに樹脂酸石鹸などの負電荷制御用の帯電制御剤が挙げられる。帯電制御剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。帯電制御剤の使用量は、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上5重量部以下であり、より好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。帯電制御剤が5重量部よりも多く含まれると、キャリアが汚染されてしまい、トナー飛散が発生するおそれがある。0.5重量部未満であると、トナーに充分な帯電特性を付与することができないおそれがある。
[溶融混練工程]
ステップS2の溶融混練工程では、前混合工程にて作製された混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する。混合物の溶融混練は、結着樹脂の軟化点以上、熱分解温度未満の温度に加熱して行われ、結着樹脂を溶融または軟化させて結着樹脂中に結着樹脂以外のトナーの原料を分散させる。
混練機としては公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出機、三本ロールミル、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機などが挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。混合物は、複数の混練機を用いて溶融混練されても構わない。
溶融混練後に冷却して固化された溶融混練物、すなわち本発明のトナーにおいて、120℃における損失弾性率G”が10Pa以下および200℃における損失弾性率G”が10Pa以上であり、かつ、200℃における損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接が10以下であることが好ましい。
トナーの粘弾性を上記範囲にすることで、トナーの定着性の指標となる定着下限温度からホットオフセット開始温度までの定着可能温度幅を充分に得ることができる。120℃における損失弾性率G”が10Paを超えると、トナーの粘度が高くなりすぎ、低温定着性が低下してしまうおそれがある。また、200℃における損失弾性率G”が10Pa未満であり、かつ損失正接が10を超えると、トナーの弾性不足により、耐ホットオフセット性が低下してしまうおそれがある。
なお、貯蔵弾性率G’は試料の弾性を示す値であり、損失弾性率G”は試料の粘性を示す値である。貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比である損失正接(tanδ)は、損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値G”/G’であり、弾性に対する粘性の割合を表す。通常、トナーの結着樹脂のような溶融性の高い樹脂の貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”は温度依存性が高いため、本発明では、周波数(1.0Hz)およびひずみ(5%)を一定にした条件下で温度を変化させながら、溶融状態の混練物を振動させることにより貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”を測定した。そして、得られた測定結果から、損失弾性率G”と温度との関係を示す損失弾性率−温度特性曲線および損失正接(tanδ)と温度との関係を表す損失正接−温度特性曲線を求め、これらのグラフから120℃および200℃における損失弾性率G”の値ならびに200℃における損失正接(tanδ)を求めた。
なお、溶融混練工程における温度条件は、トナー中の結着樹脂の軟化温度以上、熱分解温度未満の温度範囲である120℃以上200℃以下程度にすることが好ましいため、この温度範囲における貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”および損失正接(tanδ)を求めた。
このように、本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程と、混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程とを含み、少なくとも、結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有される。
主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成される結着樹脂の混合方法としては、特に制限されるものではないが、上述のように主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを均一に混合するためには、混練機によって結着樹脂を溶融させた状態で混練する方法が最適である。上記原料を混合機で予備混合した後、結着樹脂の軟化温度以上熱分解温度未満の温度、具体的には80℃以上200℃以下程度、好ましくは120℃以上200℃以下程度に加熱して混合物中に含まれる結着樹脂を溶融させて混練することによって、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とが均一に混合された結着樹脂の溶融混練物を得ることができ、安定した性能を有するトナーを製造することができる。
[粉砕工程]
ステップS3の粉砕工程では、溶融混練工程にて作製された溶融混練物を冷却して固化させた後、粉砕して粉砕物を作製する。冷却固化された溶融混練物は、まずハンマーミルまたはカッティングミルなどによって、たとえば体積平均粒径100μm以上5mm以下程度の粒径を有する粗粉砕物に粗粉砕される。その後、得られた粗粉砕物は、たとえば体積平均粒径の15μm以下の粒径を有する粉砕物にまでさらに微粉砕される。粗粉砕物の微粉砕には、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に粗粉砕物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機などを用いることができる。
なお、冷却固化された溶融混練物は、ハンマーミルまたはカッティングミルなどによる粗粉砕を経ることなく、直接ジェット式粉砕機または衝撃式粉砕機などにより微粉砕されてもよい。
[分級工程]
ステップS4の分級工程では、粉砕工程にて作製された粉砕物を分級機によって分級して、粉砕物から過粉砕トナー粒子(以下、「過粉砕物」と記す場合がある)や粗大トナー粒子(以下、「粗粉」と記す場合がある)を除去する。過粉砕トナー粒子や粗大トナー粒子は、他のトナーの製造に再利用するために回収して使用することもできる。
分級には、遠心力による分級や風力による分級によって過粉砕トナー粒子や粗大トナー粒子を除去できる公知の分級機を使用することができ、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用することができる。
分級は分級条件を適宜調整して、分級後に得られるトナー粒子の体積平均粒径が3μm以上15μm以下となるように行われることが好ましい。特に高画質画像を得るためには、トナー粒子の体積平均粒径を3μm以上9μm以下とすることが好ましく、さらに画質の向上を図るためには、トナー粒子の体積平均粒径を5μm以上8μm以下とすることが好ましい。トナー粒子の体積平均粒径が3μm未満であると、トナーの粒径が小さくなり過ぎ、高帯電化および低流動化が起こるおそれがある。この高帯電化および低流動化が発生すると、感光体にトナーを安定して供給することができなくなり、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生するおそれがある。トナー粒子の体積平均粒径が15μmを超えると、トナーの粒径が大きいので、高精細な画像を得ることができない。またトナーの粒径が大きくなることによって比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。トナーの帯電量が小さくなると、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。なお、上述の調整すべき分級条件とは、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)における分級ロータの回転速度などである。
このように、本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程と、混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程と、溶融混練物を粉砕して粉砕物を作製する粉砕工程と、粉砕物から過粉砕物や粗粉を除去する分級工程とを含む。これにより、簡単な設備を用いて低コストで、優れた耐ホットオフセット性および低温定着性とを兼ね備え、保存安定性の良好な本発明のトナーを製造することができる。
次いで、本発明のトナーの製造方法における他の一例について説明する。図2は、本発明のトナーの製造方法の一例における手順を示すフロー図である。
本発明のトナーの製造方法は、たとえば図2に示すように、少なくとも結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程(ステップS11)と、混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程(ステップS12)と、溶融混練物の微粒子を水性媒体中に微分散させて水性スラリーを作製する微分散工程(ステップS13)と、水性スラリー中の溶融混練物を凝集して凝集粒子を作製する凝集工程(ステップS14)と、凝集粒子を洗浄する洗浄工程(ステップS15)とを含む。
以下に、ステップS11〜ステップS15の各製造工程について詳細に説明する。なお、ステップS11の前混合工程およびステップS12の溶融混練工程については、前述した図1に示されるステップS1の前混合工程およびステップS2の溶融混練工程と同様であるため説明を省略する。ステップS10からステップS11に移行することで本発明のトナーの製造が開始される。
[微分散工程]
ステップS13の微分散工程では、溶融混練工程で得られた溶融混練物を水性媒体中に微分散し、溶融混練物の微粒子を含む水性スラリーを作製する。
すなわち、ステップS11の前混合工程およびステップS12の溶融混練工程を経て作製された溶融混練物は、溶融混練後、まず室温まで冷却されて固化された後、溶融乳化凝集法に最適な所定の粒子径まで粉砕される。固化物の粉砕には、カッターミル、フェザーミル、ジェットミルなどの粉体粉砕機が用いられる。溶融乳化凝集法に最適な体積平均粒径は、特に限定されるものではないが、好ましくは50μm〜1000μmであり、さらに好ましくは150μm〜400μmである。そして、上述のようにして作製された溶融混練物の粉砕物は、界面活性剤を含む水性媒体と混合される。
水性媒体としては、結着樹脂を含む溶融混練物を溶解せず、かつ均一に分散させ得る液体であれば特に限定されるものではないが、工程管理の容易さ、全工程後の廃液処理、取扱い易さなどを考慮すると、水であることが好ましい。水性媒体として用いる水は、導電率が20μS/cm以下の水であることが好ましい。このような水は、たとえば、活性炭法、イオン交換法、蒸留法、逆浸透法などによって調製することができる。またこれらの方法のうち、2種以上を組合せて水を調製してもよい。
界面活性剤は、溶融混練物の水性媒体に対する分散性を一層向上させる。界面活性剤は水性媒体に溶解するが、添加することによって溶融混練物を溶解することなく、かつ均一に分散させ得るものが選択される。界面活性剤は、溶融混練物を水性媒体に添加する前に、水性媒体に添加しておくことが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤であることが好ましい。アニオン系界面活性剤は、樹脂微粒子の水中での分散性を向上させる能力に優れる。アニオン系界面活性剤としては、たとえば、スルホン酸型アニオン系分散剤、硫酸エステル型アニオン系分散剤、ポリオキシエチレンエーテル型アニオン系分散剤、リン酸エステル型アニオン系分散剤、ポリアクリル酸塩などが挙げられる。アニオン系界面活性剤の具体例としては、たとえば、ポリアクリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンフェニルエーテルなどを好ましく使用できる。アニオン系界面活性剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。また界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤に限定されることなく、後述の凝集剤として用いられるカチオン系分散剤であってもよい。
界面活性剤の添加量は特に限定されるものではないが、好ましくは溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物の総重量の0.1重量%〜5重量%である。0.1重量%未満では界面活性剤による水性媒体中への溶融混練物の分散効果が不充分になり、過凝集が起こるおそれがある。5重量%を超えて添加しても分散効果はそれ以上向上せず、それどころか界面活性剤を含む水性媒体中に溶融混練物を分散した際の粘性が高くなることによって溶融混練物の分散性が低下し、その結果、過凝集が起こるおそれがある。
水性媒体には、分散安定剤、増粘剤などを添加してもよい。分散安定剤は、水性媒体中における溶融混練物の分散を安定にすることができる。増粘剤は溶融混練物の一層の微粒化に有効である。
分散安定剤としては、この分野で常用されるものを使用できる。その中でも水溶性高分子分散安定剤が好ましい。水溶性高分子分散安定剤としては、たとえば、アクリル酸、メタアクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのアクリル系単量体、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有アクリル系単量体、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステルなどのエステル系単量体、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのビニルアルコール系単量体、ビニルアルコールとのエーテル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなどのビニルアルキルエーテル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルアルキルエステル系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、これらのメチロール化合物などのアミド系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド系単量体、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどのビニル窒素含有複素環系単量体、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどの架橋性単量体などから選ばれる1種または2種の親水性単量体を含むアクリル系ポリマー、メタアクリル系ポリマー、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系ポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩などが挙げられる。分散安定剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。分散安定剤の添加量としては特に限定されるものではないが、好ましくは、溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物の総重量の0.05重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜3重量%である。
増粘剤としては、合成高分子多糖類および天然高分子多糖類から選ばれる多糖類系増粘剤が好ましい。合成高分子多糖類としては公知のものを使用でき、たとえば、カチオン化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、イオン化デンプン誘導体、デンプンと合成高分子のブロック重合体などが挙げられる。天然高分子多糖類としては、たとえば、ヒアルロン酸、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、ジェランガムなどが挙げられる。増粘剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。増粘剤の添加量としては特に限定されるものではないが、好ましくは溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物の総重量の0.01重量%〜2重量%である。
溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合は、一般的な混合機を用いて行われ、それによって溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体とを含む混合物が得られる。水性媒体に対する溶融混練物の添加量としては特に限定されるものではないが、好ましくは、溶融混練物と、界面活性剤を含む水性媒体との混合物の総重量の3重量%〜45重量%、さらに好ましくは5重量%〜30重量%である。
溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合は、加熱下または冷却下で実施してもよいが、通常は室温下で行われる。上記混合に用いられる一般的な混合機としては、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
上述のようにして作製された溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物は、粗粉砕されて、溶融混練物の粗粉を含む粗粉スラリーが作製される。
本実施形態では、高圧ホモジナイザー法による粗粉砕を行う。高圧ホモジナイザー法とは、粉砕段階、減圧段階、冷却段階からなる微粒化方法であり、加圧条件下に粒子を粉砕する装置である高圧ホモジナイザーを用いて粉砕を行う。すなわち、溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物を15MPa以上120MPa以下の加圧条件下であって、かつ10℃以上結着樹脂のガラス転移温度(Tg)未満の温度条件下にて、粉砕用ノズルを通過させ、気泡が発生しない圧力条件まで徐々に減圧し、冷却することによって粉砕を行う方法である。
粉砕段階では、高圧ホモジナイザーにおける粉砕用ノズルが用いられる。粉砕用ノズル内に導入する際に溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物中もしくは溶融混練物表面に気泡が存在すると、粉砕用ノズルでの粉砕効率が低下するため、除去する必要がある。そのため、溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物を加圧加熱しつつ、粉砕を行う。加圧加熱条件としては特に限定されるものではないが、溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物を粉砕用ノズル内に導入する際には、高圧ホモジナイザーにおける加圧ユニットによって、15MPa以上120MPa以下に加圧される。このような範囲の圧力下において、粉砕用ノズルに通過させると、溶融混練物およびその表面に付着する気泡に大きな衝撃力を付与することができ、溶融混練物表面に付着する気泡を一層効率よく除去することができる。圧力が15MPa未満であると、溶融混練物表面に付着する気泡に付与される衝突力が小さく、気泡を溶融混練物表面から除去することができない。また圧力が120MPaを超えると、ノズルサイズと混合物の流量との整合性を取ることができず、処理することができない。また、溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物を粉砕用ノズル内に導入する際には、混合物の温度は、10℃以上結着樹脂のガラス転移温度(Tg)未満の温度とされる。混合物の温度がこのような範囲であることによって、気泡を一層確実に除去することができる。また、混合物の温度が結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上になると、混合物中の溶融混練物が凝集し、処理することができない。
減圧段階では、粉砕段階で得られる加熱加圧状態にある混合物を、気泡が発生しない状態に保持しながら、大気圧またはそれに近い圧力まで減圧する。減圧には高圧ホモジナイザーにおける減圧モジュールが用いられる。減圧段階終了後の混合物は、液温が10℃以上結着樹脂のガラス転移温度(Tg)未満の温度であることが好ましい。
冷却段階では、減圧段階において減圧された粗粉スラリーを20℃〜40℃程度まで冷却する。冷却には、高圧ホモジナイザーの冷却機が用いられる。
高圧ホモジナイザー法には、高圧ホモジナイザーが用いられる。高圧ホモジナイザーとは加圧下に粒子を粉砕する装置である。高圧ホモジナイザーとしては、市販品や特許文献に記載のものなどが挙げられる。高圧ホモジナイザーの市販品としては、たとえば、高圧ホモジナイザー(商品名:NANO3000、株式会社美粒製)マイクロフルイダイザー(商品名、マイクロフルディクス(Microfluidics)社製)、ナノマイザー(商品名、ナノマイザー社製)、アルティマイザー(商品名、株式会社スギノマシン製)などのチャンバ式高圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー(商品名、ラニー(Rannie)社製)、高圧ホモジナイザー(商品名、三丸機械工業株式会社製)、高圧ホモジナイザー(商品名、株式会社イズミフードマシナリ製)などが挙げられる。また特許文献に記載の高圧ホモジナイザーとしては、たとえば、国際公開第03/059497号パンフレットに記載のものが挙げられる。これらの中でも、国際公開第03/059497号パンフレットに記載の高圧ホモジナイザーが好ましい。その具体例としては、たとえば、高圧ホモジナイザー(商品名:NANO3000、株式会社美粒製)などが挙げられる。本装置によれば、粉砕段階では、タンク内に貯留される溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物を加熱加圧状態で粉砕用ノズル内に導入して、混合物中の溶融混練物を粉砕し、減圧段階では、粉砕用ノズルから排出されて加圧状態にある混合物を減圧モジュール内に導入して、気泡が発生しないように減圧し、冷却段階では、減圧モジュールから排出される混合物を冷却機に導入して、冷却し、粗粉スラリーを得る。粗粉スラリーは取出し口から排出されるか、または再度タンク内に循環され、混合物中の溶融混練物が所望の粒子径となるまで、同様の粉砕処理が施される。
上述のようにして粗粉砕することによって、溶融混練物と界面活性剤を含む水性媒体との混合物から、粗粉スラリーを得ることができ、また得られる溶融混練物の粗粉の体積平均粒径を、好ましくは300μm前後、さらに好ましくは5μm以上300μm以下とすることができる。このような粒径に溶融混練物が粉砕されることによって、さらなる微粒化を一層効率よく行うことができる。またこれと同時に、粗粉砕によって、溶融混練物に付着する気泡を除去することができ、次のさらなる微粒化において、溶融混練物の粗粉表面における界面活性剤の作用点を充分に確保することができ、安定的かつ効率的に粒径制御された溶融混練物の微粒子を作製することができる。
上述のようにして得られた溶融混練物の粗粉を含む粗粉スラリーを、さらに高圧ホモジナイザー法によって処理し、溶融混練物の粗粉を微粒化することにより、溶融混練物の微粒子を含む水性スラリーを得る。本実施の形態では、溶融混練物の粗粉を含む粗粉スラリーを120MPa以上250MPa以下、かつ結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上200℃以下にて粉砕用ノズルを通過させ、気泡が発生しない圧力まで徐々に減圧し、冷却することによって微粒化を行う。
粉砕段階では、粗粉砕によって前処理され、溶融混練物の粗粉表面から気泡が除去された粗粉スラリーを加熱加圧下においてさらに粉砕して、水性スラリーを得る。粗粉スラリーは高圧ホモジナイザーにおける加圧ユニットおよび加熱ユニットによって、加熱加圧される。粗粉スラリーの加圧加熱条件は特に限定されるものではないが、好ましくは、120MPa以上250MPa以下に加圧され、かつ溶融混練物の粗粉中に含まれる結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上200℃以下に加熱される。また、120MPa以上250MPa以下に加圧され、かつ粗粉中に含まれる結着樹脂の軟化温度(Tm1/2:本明細書において、Tm1/2は、フローテスターにおける結着樹脂の1/2軟化温度のことである)以上に加熱されることがさらに好ましく、120MPa以上250MPa以下に加圧され、かつ溶融混練物の粗粉中に含まれる結着樹脂の軟化温度Tm1/2〜(Tm1/2+25)℃に加熱されることが特に好ましい。溶融混練物の粗粉が2種以上の結着樹脂を含む場合、ここでいう軟化温度(Tm1/2)は、2種以上の結着樹脂の軟化温度の中で、最も高い軟化温度を有する結着樹脂の値である。圧力が120MPa未満では、せん断エネルギーが小さくなり、粉砕が充分に進まないおそれがある。250MPaを超えると、実際の生産ラインにおいて危険性が大きくなり過ぎ、現実的ではない。
減圧段階では、粉砕段階で得られる加熱加圧状態にある溶融混練物の微粒子を含む水性スラリーを、気泡が発生しない状態に保持しながら大気圧またはそれに近い圧力まで減圧する。減圧には高圧ホモジナイザーにおける減圧モジュールが用いられる。減圧段階終了後の水性スラリーは、液温が結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以上200℃以下であることが好ましく、60℃以上(Tm1/2+60)℃以下であることがさらに好ましい。
冷却段階では、減圧段階において減圧され、液温60℃以上(Tm1/2+60)℃以下程度の溶融混練物の微粒子を含む水性スラリーを冷却し、20℃〜40℃程度の水性スラリーにする。冷却には、高圧ホモジナイザーの冷却機が用いられる。
以上のような工程を経て、溶融混練物の微粒子が水性媒体中に微分散された水性スラリーが作製される。得られた溶融混練物の微粒子の体積平均粒径としては、0.2μm〜3.0μmであることが好ましい。0.2μ未満の場合は、着色剤や離型剤の分散粒径より小さくなり、着色剤や離型剤を含有することができないおそれがある。3.0μmより大きい場合は、粒度分布の小さい体積平均粒径5μm〜6μmのトナーを得ることが困難になるおそれがある。
[凝集工程]
ステップS14の凝集工程では、ステップS13の微分散工程にて作製された、溶融混練物の微粒子が水性媒体中に微分散された水性スラリーに凝集剤を添加し、水性スラリーを収容する撹拌容器と、撹拌容器内に設けられ、水性スラリーを撹拌する撹拌手段とを含む造粒装置により、溶融混練物の微粒子を凝集させ、界面活性剤を含む水性媒体中に溶融混練物の凝集粒子が分散したスラリー(以下、「凝集粒子スラリー」と記す)を得る。
凝集剤としては、たとえば、カチオン系分散剤、多価金属塩などを用いることができる。カチオン系分散剤としては、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム型カチオン系分散剤、アルキルアミドアミン型カチオン系分散剤、アルキルジメチルベンジルアンモニウム型カチオン系分散剤、カチオン化多糖型カチオン系分散剤、アルキルベタイン型カチオン系分散剤、アルキルアミドベタイン型カチオン系分散剤、スルホベタイン型カチオン系分散剤、アミンオキサイド型カチオン系分散剤、金属塩などが好ましい。金属塩としては、たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩化物、硫酸塩などが挙げられる。
また、凝集剤として用いられる多価金属塩は、2価以上の金属の塩である。2価以上の金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの周期律表第13族元素などが好ましく、マグネシウム、アルミニウムなどが特に好ましい。2価以上の金属塩の具体例としては、たとえば、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
上記凝集剤の中でも、水に対する溶解度が比較的大きく、凝集速度が緩やかなことから塩化ナトリウムが好ましい。凝集剤の使用量は、水性スラリー100重量部に対して、好ましくは0.5重量部〜20重量部であり、さらに好ましくは0.5重量部〜18重量部であり、特に好ましくは1.0重量部〜18重量部である。0.5重量部未満では凝集効果が不充分になるおそれがあり、20重量部を超えると過凝集により、凝集粒子が大きくなりすぎるおそれがある。
水性スラリーを収容する撹拌容器と、撹拌容器内に設けられ、水性スラリーを撹拌する撹拌手段とを含む造粒装置としては、機械的な一方向からの剪断力を付与し得る乳化機や分散機を用いることが好ましい。これにより、形成される凝集粒子の粒径および形状を一層均一化できる。乳化機および分散機の具体例としては、たとえば、ウルトラタラックス(商品名、IKAジャパン株式会社製)、ポリトロンホモジナイザー(商品名、キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(商品名、プライミクス株式会社製)、マックスブレンド(住友重機株式会社製)などのバッチ式乳化機、エバラマイルダー(商品名、株式会社荏原製作所製)、TKパイプラインホモミクサー(商品名、プライミクス株式会社製)、TKホモミックラインフロー(商品名、プライミクス株式会社製)、フィルミックス(商品名、プライミクス株式会社製)、コロイドミル(商品名、神鋼パンテック株式会社製)、スラッシャー(商品名、三井三池化工機株式会社製)、トリゴナル湿式微粉砕機(商品名、三井三池化工機株式会社製)、キャビトロン(商品名、株式会社ユーロテック製)、ファインフローミル(商品名、太平洋機工株式会社製)などの連続式乳化機、クレアミックス(商品名、エム・テクニック株式会社製)、フィルミックス(商品名、プライミクス株式会社製)などが挙げられる。
水性スラリーと凝集剤との混合において、造粒装置の撹拌速度および撹拌温度は、所望の粒径、粒度分布および形状を有するトナー粒子が得られる値を適宜選択すればよい。撹拌時間については、結着樹脂、着色剤、その他トナー添加成分、凝集剤および分散剤の種類、ならびに濃度などの各種条件に応じて、適宜選択することができる。
[洗浄工程]
ステップS15の洗浄工程では、凝集粒子スラリーを冷却した後に、凝集粒子スラリー中に含まれる凝集粒子を洗浄する。凝集粒子の洗浄は、界面活性剤、分散剤、増粘剤など、およびこれらに由来する不純物などを除去するために実施される。界面活性剤、分散剤、増粘剤および前記不純物が凝集粒子に残留すると、得られるトナー粒子の帯電性能が不安定になるおそれがある。また空気中の水分の影響によって帯電量が低下するおそれがある。
凝集粒子の洗浄は、たとえば、凝集粒子スラリーに水を加えて撹拌し、遠心分離などによって分離される上澄み液を除去することによって行うことができる。凝集粒子の洗浄は、たとえば導電率計などを用いて測定した上澄み液の導電率が100μS/cm以下、好ましくは10μS/cm以下になるまで繰返し行うことが好ましい。これにより、界面活性剤、分散剤、増粘剤など、およびこれらに由来する不純物類の残留を一層確実に防ぎ、トナー粒子の帯電性能をさらに均一に安定化することができる。
洗浄に用いる水は、導電率が20μS/cm以下の水であることが好ましい。このような洗浄水は、たとえば、活性炭法、イオン交換法、蒸留法、逆浸透法などによって調製することができる。またこれらの方法のうち、2種以上を組合せて洗浄水を調製してもよい。凝集粒子の水洗は、バッチ式および連続式のいずれで実施してもよい。また洗浄水の温度は特に制限されるものではないが、10℃以上ガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましい。溶融混練物が2種以上の結着樹脂を含む場合、ここでいうガラス転移温度(Tg)以下とは、2種以上の結着樹脂のガラス転移温度(Tg)の中で、最も低いガラス転移温度(Tg)の値以下を示す。
次いで、洗浄後の凝集粒子を含有する水性媒体の混合物から、凝集粒子を分離し回収する。水性媒体からの凝集粒子の分離は、特に限定されるものではないが、たとえば、濾過、吸引濾過、遠心分離などによって行うことができる。
最後に洗浄、分離後の凝集粒子を乾燥させる。凝集粒子の乾燥は、特に限定されるものではないが、凍結乾燥法、気流式乾燥法などによって実施できる。凝集粒子が乾燥されると、トナー粒子の製造は終了する。
このように、本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程と、混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程と、溶融混練物の微粒子を水性媒体中に微分散させて水性スラリーを作製する微分散工程と、水性スラリー中の溶融混練物を凝集して凝集粒子を作製する凝集工程とを含む。
このように、凝集法によりトナーを製造することにより、耐ホットオフセット性、低温定着性および保存安定性に優れるだけでなく、トナーの形状が略球形となるため転写性が向上し、良好なクリーニング性を確保できる本発明のトナーを製造することができる。さらに、高画質化に適した小粒径の本発明のトナーを収率よく製造することができる。
上述のようにして製造されたトナー粒子には、たとえば、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御などの機能を担う外添剤を混合してもよい。外添剤としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末およびアルミナ微粉末などが挙げられる。これらの無機微粉末は、疎水化、帯電性コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物などの処理剤で処理されていることが好ましく、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。外添剤の添加量としては、トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響、トナーの環境特性などを考慮して、トナー粒子100重量部に対し5重量部以下が好適である。
外添剤は、一次粒子の個数平均粒子径が10nm〜500nmであることが好ましい。このような粒径の外添剤を用いることによって、トナーの流動性向上効果が一層発揮され易くなる。
このようにトナー粒子に必要に応じて外添剤が外添される本発明のトナーは、そのまま一成分現像剤として使用することができ、またキャリアと混合して二成分現像剤として使用することができる。
キャリアとしては、磁性を有する粒子を使用することができる。磁性を有する粒子の具体例としては、たとえば、鉄、フェライトおよびマグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。
また磁性を有する粒子に樹脂を被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどをキャリアとして用いてもよい。磁性を有する粒子を被覆する樹脂としては特に制限はないけれども、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、およびフッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないけれども、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。また、キャリアの体積平均粒径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは50μm以下である。
キャリアの体積平均粒径を50μm以下にすることにより、トナーとキャリアとの接触機会が増え、個々のトナー粒子の帯電も適正に制御できるために、非画像部カブリが発生せず、かつ高画質な画像を達成することができる。
さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上であることが好ましい。キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cmの断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることから得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10emu/g〜60emu/g、さらに好ましくは15emu/g〜40emu/gである。磁化強さは現像ローラの磁束密度にもよるけれども、現像ローラの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、像担持体と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できるけれども、樹脂被覆キャリア(密度5g/cm〜8g/cm)に例をとれば、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜20重量%含まれるように、トナーを用いればよい。また二成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40%〜80%であることが好ましい。
本発明の二成分現像剤は、優れた耐ホットオフセット性および低温定着性を兼ね備え、保存安定性の良好な本発明のトナーとキャリアとを含むことにより、紙などのメディアに対する接着性および低温定着性に優れ、保存安定性が良好な二成分現像剤を得ることができる。
[画像形成装置]
図3は、本発明の画像形成装置100の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置100においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびFAXモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。画像形成装置100は、トナー像形成手段2と、転写手段3と、定着手段4と、記録媒体供給手段5と、排出手段6とを含む。トナー像形成手段2を構成する各部材および中間転写手段3に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
トナー像形成手段2は、感光体ドラム11と、帯電手段12と、露光ユニット13と、現像手段14と、クリーニングユニット15とを含む。帯電手段12、現像手段14およびクリーニングユニット15は、感光体ドラム11まわりに、この順序で配置される。帯電手段12は、現像手段14およびクリーニングユニット15よりも鉛直方向下方に配置される。
感光体ドラム11は、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などが挙げられる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルム、紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化スズ、金、酸化インジウムなどの1種または2種以上からなる導電性層を形成してなる導電性フィルム、少なくとも導電性粒子または導電性ポリマーを含有する樹脂組成物などが挙げられる。なお、導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。その際、導電性基体と電荷発生層または電荷輸送層との間には、下引き層を設けるのが好ましい。下引き層を設けることによって、導電性基体の表面に存在する傷および凹凸を被覆して、感光層表面を平滑化する、繰り返し使用時における感光層の帯電性の劣化を防止する、少なくとも低温または低湿環境下における感光層の帯電特性を向上させるといった利点が得られる。また最上層に感光体表面保護層を設けた耐久性の大きい三層構造の積層感光体であっても良い。
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生物質を主成分とし、必要に応じて公知の結着樹脂、可塑剤、増感剤などを含有する。電荷発生物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系顔料、金属および無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。これらの中でも、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、少なくともフローレン環またはフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などは高い電荷発生能を有し、高感度の感光層を得るのに適する。電荷発生物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷発生物質の含有量は特に制限はないけれども、電荷発生層中の結着樹脂100重量部に対して好ましくは5重量部〜500重量部、さらに好ましくは10重量部〜200重量部である。電荷発生層用の結着樹脂としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂ならびに必要に応じて可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷発生層塗液を調製し、この電荷発生層塗液を導電性基体表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05μm〜5μm、さらに好ましくは0.1μm〜2.5μmである。
電荷発生層の上に積層される電荷輸送層は、電荷発生物質から発生する電荷を受け入れて輸送する能力を有する電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂を必須成分とし、必要に応じて公知の酸化防止剤、可塑剤、増感剤、潤滑剤などを含有する。電荷輸送物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質、フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられる。電荷輸送物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷輸送物質の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電荷輸送物質中の結着樹脂100重量部に対して10重量部〜300重量部、さらに好ましくは30重量部〜150重量部である。電荷輸送層用の結着樹脂としては、この分野で常用されかつ電荷輸送物質を均一に分散できるものを使用でき、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、これらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成膜性、得られる電荷輸送層の耐摩耗性、電気特性などを考慮すると、ビスフェノールZをモノマー成分として含有するポリカーボネート(以後「ビスフェノールZ型ポリカーボネート」と称す)、ビスフェノールZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートとの混合物などが好ましい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
電荷輸送層には、電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂と共に、酸化防止剤が含まれるのが好ましい。酸化防止剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。酸化防止剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないけれども、電荷輸送層を構成する成分の合計量の0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜5重量%である。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂ならびに必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは10μm〜50μm、さらに好ましくは15μm〜40μmである。なお、1つの層に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが存在する感光層を形成することもできる。その場合、電荷発生物質および電荷輸送物質の種類、含有量、結着樹脂の種類、その他の添加剤などは、電荷発生層および電荷輸送層を別々に形成する場合と同様でよい。
本実施の形態では、前述のような、電荷発生物質および電荷輸送物質を用いる有機感光層を形成してなる感光体ドラムを用いるけれども、それに代えて、シリコンなどを用いる無機感光層を形成してなる感光体ドラムを使用できる。
帯電手段12は、感光体ドラム11を臨み、感光体ドラム11の長手方向に沿って感光体ドラム11表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム11表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電手段12には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置などを使用できる。本実施の形態では、帯電手段12は感光体ドラム11表面から離隔するように設けられるけれども、それに限定されない。たとえば、帯電手段12として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラムとが圧接するように帯電ローラを配置しても良く、帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いても良い。
露光ユニット13は、露光ユニット13から出射される各色情報の光が、帯電手段12と現像手段14との間を通過して感光体ドラム11の表面に照射されるように配置される。露光ユニット13は、画像情報を該ユニット内でb、c、m、yの各色情報の光に分岐し、帯電手段12によって一様な電位に帯電された感光体ドラム11表面を各色情報の光で露光し、その表面に静電潜像を形成する。露光ユニット13には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニットを使用できる。他にもLEDアレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
図4は、本発明の現像装置14の構成の一例を模式的に示す断面図である。現像手段14は、現像槽20とトナーホッパ21とを含む。現像槽20は感光体ドラム11表面を臨むように配置され、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する容器状部材である。現像槽20は、その内部空間にトナーを収容し、かつ現像ローラ20a、供給ローラ20b、撹拌ローラ20cなどのローラ部材またはスクリュー部材を収容して回転自在に支持する。現像槽20の感光体ドラム11を臨む側面には開口部が形成され、この開口部を介して感光体ドラム11に対向する位置に現像ローラ20aが回転駆動可能に設けられる。現像ローラ20aは、感光体ドラム11との圧接部または最近接部において感光体11表面の静電潜像にトナーを供給するローラ状部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ20a表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(以下単に「現像バイアス」とする)として印加される。これによって、現像ローラ20a表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。さらに、現像バイアス値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御できる。供給ローラ20bは現像ローラ20aを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、現像ローラ20a周辺にトナーを供給する。攪拌ローラ20cは供給ローラ20bを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、トナーホッパ21から現像槽20内に新たに供給されるトナーを供給ローラ20b周辺に送給する。トナーホッパ21は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口(図示せず)と、現像槽20の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口(図示せず)とが連通するように設けられ、現像槽20のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。またトナーホッパ21を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するよう構成しても構わない。
クリーニングユニット15は、記録媒体にトナー像を転写した後に、感光体ドラム11の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム11の表面を清浄化する。クリーニングユニット15には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、本発明の画像形成装置100においては、感光体ドラム11として、主に有機感光体ドラムが用いられ、有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電装置によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすい。ところが、劣化した表面部分はクリーニングユニット15よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施の形態ではクリーニングユニット15を設けるけれども、それに限定されず、クリーニングユニット15を設けなくてもよい。
トナー像形成手段2によれば、帯電手段12によって均一な帯電状態にある感光体ドラム11の表面に、露光ユニット13から画像情報に応じた信号光を照射して静電潜像を形成し、これに現像手段14からトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト25に転写した後に、感光体ドラム11表面に残留するトナーをクリーニングユニット15で除去する。この一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
転写手段3は、感光体ドラム11の上方に配置され、中間転写ベルト25と、駆動ローラ26と、従動ローラ27と、中間転写ローラ28(b、c、m、y)と、転写ベルトクリーニングユニット29、転写ローラ30とを含む。中間転写ベルト25は、駆動ローラ26と従動ローラ27とによって張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢符Bの方向、すなわち感光体ドラム11と接する面が感光体ドラム11yから11bに向う方向に移動するように回転駆動する。
中間転写ベルト25が、感光体ドラム11に接しながら感光体ドラム11を通過する際、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11に対向配置される中間転写ローラ28から、感光体ドラム11表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム11の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト25上へ転写される。フルカラー画像の場合、各感光体ドラム11で形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト25上に順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。駆動ローラ26は図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられ、その回転駆動によって、中間転写ベルト25を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ27は駆動ローラ26の回転駆動に従動回転可能に設けられ、中間転写ベルト25が弛まないように一定の張力を中間転写ベルト25に付与する。中間転写ローラ28は、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11に圧接し、かつ図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。中間転写ローラ28は、前述のように転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム11表面のトナー像を中間転写ベルト25に転写する機能を有する。転写ベルトクリーニングユニット29は、中間転写ベルト25を介して従動ローラ27に対向し、中間転写ベルト25の外周面に接触するように設けられる。感光体ドラム11との接触によって中間転写ベルト25に付着するトナーは、記録媒体の裏面を汚染する原因となるので、転写ベルトクリーニングユニット29が中間転写ベルト25表面のトナーを除去し回収する。転写ローラ30は、中間転写ベルト25を介して駆動ローラ26に圧接し、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。転写ローラ30と駆動ローラ26との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト25に担持されて搬送されて来るトナー像が、後述する記録媒体供給手段5から送給される記録媒体に転写される。トナー像を担持する記録媒体は、定着手段4に送給される。転写手段3によれば、感光体ドラム11と中間転写ローラ28との圧接部において感光体ドラム11から中間転写ベルト25に転写されるトナー像が、中間転写ベルト25の矢符B方向への回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、そこで記録媒体に転写される。
定着手段4は、転写手段3よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、定着ローラ31と加圧ローラ32とを含む。定着ローラ31は図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられ、記録媒体に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱して溶融させ、記録媒体に定着させる。定着ローラ31の内部には図示しない加熱手段が設けられる。加熱手段は、定着ローラ31表面が所定の温度(加熱温度)になるように定着ローラ31を加熱する。加熱手段には、たとえば、ヒータ、ハロゲンランプなどを使用できる。加熱手段は、後記する定着条件制御手段によって制御される。定着ローラ31表面近傍には温度検知センサが設けられ、定着ローラ31の表面温度を検知する。温度検知センサによる検知結果は、後記する制御手段の記憶部に書き込まれる。加圧ローラ32は定着ローラ31に圧接するように設けられ、加圧ローラ32の回転駆動に従動回転可能に支持される。加圧ローラ32は、定着ローラ31によってトナーが溶融して記録媒体に定着する際に、トナーと記録媒体とを押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を補助する。定着ローラ31と加圧ローラ32との圧接部が定着ニップ部である。定着手段4によれば、転写手段3においてトナー像が転写された記録媒体が、定着ローラ31と加圧ローラ32とによって挟持され、定着ニップ部を通過する際に、トナー像が加熱下に記録媒体に押圧されることによって、トナー像が記録媒体に定着され、画像が形成される。
記録媒体供給手段5は、自動給紙トレイ35と、ピックアップローラ36と、搬送ローラ37と、レジストローラ38、手差給紙トレイ39を含む。自動給紙トレイ35は画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体には、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ36は、自動給紙トレイ35に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路S1に送給する。搬送ローラ37は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ38に向けて搬送する。レジストローラ38は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、搬送ローラ37から送給される記録媒体を、中間転写ベルト25に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。手差給紙トレイ39は、手動動作によって記録媒体を画像形成装置100内に取り込む装置であり、手差給紙トレイ39から取り込まれる記録媒体は、搬送ローラ37によって用紙搬送路S2内を通過し、レジストローラ38に送給される。記録媒体供給手段5によれば、自動給紙トレイ35または手差給紙トレイ39から1枚ずつ供給される記録媒体を、中間転写ベルト25に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
排出手段6は、搬送ローラ37と、排出ローラ40と、排出トレイ41とを含む。搬送ローラ37は、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着手段4によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ40に向けて搬送する。排出ローラ40は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ41に排出する。排出トレイ41は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置100の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御手段の記憶部には、画像形成装置100の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、記録媒体判定手段、付着量制御手段、定着条件制御手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital
Versatile Disc)、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置100内部における各装置にも電力を供給する。
このように、本発明の現像装置24は、低温定着性および保存安定性に優れる本発明の二成分現像剤を用いて現像を行うため、現像槽内での攪拌などのストレスが生じても、安定した性能を維持することができる。
また本発明の画像形成装置100は、前記トナー現像装置24を用いて画像を形成する備えるため、長期間にわたってトラブルが発生することなく、安定して高画質画像を形成することができる。
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り特に本実施例に限定されるものではない。
〔物性値測定方法〕
実施例および比較例における各物性値は、以下に示すようにして測定した。
〔結着樹脂のガラス転移温度(Tg)〕
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャパン株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料0.01gを昇温速度毎分10℃(10℃/min)で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの低温側のベースラインを高温側に延長した直線とピークの低温側の曲線に対して勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
〔結着樹脂の軟化温度(T1/2)〕
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−500C、株式会社島津製作所製)を用い、試料1gをシリンダに挿入し、ダイから押出されるように荷重10kgf/cm(0.980665MPa)を与えながら、昇温速度毎分6℃(6℃/min)で加熱し、ダイから試料の半分が流出したときの温度を軟化温度として求めた。ダイには、口径1mm、長さ1mmのものを用いた。
〔結着樹脂のピークトップ分子量および分子量分布指数(Mw/Mn)〕
GPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)を用い、温度40℃において、試料の0.25重量%のテトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)溶液を試料溶液とし、試料溶液の注入量を200μLとして、分子量分布曲線を求めた。得られた分子量分布曲線のピークの頂点の分子量をピークトップ分子量として求めた。また得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを求め、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比である分子量分布指数(Mw/Mn;以後、単に「Mw/Mn」とも表記する)を求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
〔結着樹脂の酸価〕
酸価は以下のようにして中和滴定法によって測定した。THF50mlに、試料5gを溶解させ、指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴加えた後、0.1モル/Lの水酸化カリウム(KOH)水溶液で滴定を行なった。試料溶液の色が無色から紫色に変化した点を終点とし、終点に達するまでに要した水酸化カリウム水溶液の量と滴定に供した試料の重量とから、酸価(mgKOH/g)を算出した。
〔結着樹脂のTHF不溶分〕
試料1gを円筒濾紙に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100mlを用いて6時間加熱還流して、試料中のTHFに可溶な成分をTHFによって抽出した。抽出されたTHF可溶分を含む抽出液から溶媒を除去した後、THF可溶分を100℃で24時間乾燥し、得られたTHF可溶分の重量X(g)を秤量した。求めたTHF可溶分の重量X(g)と、測定に用いた試料の重量(1g)とから、下記式(2)に基づいて、結着樹脂中のTHFに不溶な成分であるTHF不溶分の割合P(重量%)を算出した。以下、この割合PをTHF不溶分と称する。
P(重量%)={1(g)−X(g)}/1(g)×100 …(2)
〔離型剤の融点(Tm)〕
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャパン株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料0.01gを温度20℃から200℃まで1分間当たり10℃の割合で昇温させ、次いで200℃から20℃まで1分間当たり50℃の割合で降温させた後、再度、温度20℃から200℃まで1分間当たり10℃の割合で昇温させることにより得られるDSC曲線の融解熱のピークについて、ピークの頂点の温度を融点(Tm)として求めた。
〔結着樹脂の粘弾性〕
貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”は、ストレスレオメータ(REOLOGICA Instruments AB社製)にて、パラレルプレートを用いて以下のようにして測定した。試料0.6gを、錠剤成形器により室温(25℃)、約20MPaにて1分間プレスし、厚み0.5mm程度、直径25mmの測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルを、直径25mmのパラレルプレートに挟み、加熱して溶融させた後、パラレルプレートの間隔を1.0mmに設定し、ひずみ5%、周波数1.0Hzの条件でパラレルプレートの周方向に正弦的に振動するひずみを与えることによって、測定用サンプルを正弦波振動させ、温度80℃から200℃まで昇温速度3℃/分で昇温させて、測定温度間隔10℃で各温度における貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”を測定した。そして、得られた測定結果から、損失弾性率G”と温度との関係を示す損失弾性率−温度特性曲線および損失正接(tanδ,G”/G’)と温度との関係を示す損失正接−温度特性曲線を求め、これらのグラフから120℃および200℃における損失弾性率G”の値ならびに損失正接(tanδ)を求めた。
〔粒度分布(トナーの体積平均粒径(D50V)および変動係数(CV値))〕
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(分散剤、キシダ化学社製)1mlを添加し、超音波分散器(商品名:UH−50、エスエムテー社製)にて超音波周波数20kHzで3分間超音波分散処理したものを測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用いて、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に粒径の測定を行い、得られた測定結果から試料粒子の体積粒度分布を求め、求めた体積粒度分布から体積平均粒径D50V(μm)を算出した。また、体積粒度分布における標準偏差を求めて、下記式(3)に基づいて変動係数(CV値、%)を算出した。
CV値(%)={体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒径(μm)}×100
…(3)
(実施例1)
[ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド樹脂の調整]
撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管を備えた1Lの4つ口フラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミドモノマー(試薬名:N,N−ジメチルアクリルアミド、東京化成工業株式会社製)200重量部、および脱イオン水500重量部を入れ、窒素導入管より窒素をバブリングしながら、120rpmで20分間撹拌し、50℃まで加熱した。次いで、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(商品名:V−50、和光純薬工業株式会社製)の1%水溶液1重量部を添加した後、50℃で5時間、撹拌しながら重合を続け、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド樹脂の水溶液を得た。得られた水溶液から水を除去して、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド樹脂(ガラス転移温度(Tg):59℃)を得た。
[前混合工程]
結着樹脂(100重量部)として、主成分であるポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):60℃、軟化温度(T1/2):110℃、ピークトップ分子量12500、Mw/Mn=5.2、酸価16、THF不溶分0%)85.5重量%および上述のようにして調整したポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド樹脂(ガラス転移温度(Tg):59℃)5重量%(結着樹脂中のアクリルアミド樹脂含有率:5.5重量%)と、着色剤としてKET.BLUE111(商品名:銅フタロシアニン 15:3、クラリアント社製)5.0重量%(5.5重量部)と、離型剤としてパラフィンワックス(商品名:HNP−10、日本精蝋株式会社製、融点(Tm):75℃)3.0重量%(3.3重量部)と、帯電制御剤(商品名:Copy Charge N4P VP 2481、クラリアントジャパン株式会社製)1.5重量%(1.7重量部)とを含有するトナーの原料をヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて3分間混合し、混合物を作製した。
[溶融混練工程]
混合物20.0kgを、オープンロール型連続混練機(商品名:MOS320−1800、三井鉱山株式会社製)で溶融混練して溶融混練物を作製した。このときのオープンロールの設定条件は、加熱ロールの供給側温度が140℃、排出側温度が70℃、冷却ロールの供給側温度が80℃、排出側温度が15℃であった。加熱ロールおよび冷却ロールとしては、ともに直径が320mm、有効長が1550mmであるロールを用い、供給側および排出側におけるロール間ギャップをいずれも0.3mmとした。加熱ロールの回転数を75rpm、冷却ロールの回転数を65rpmとし、混合物の供給量を30kg/hとした。
溶融混練後、室温まで冷却して固化された溶融混練物の120℃における損失弾性率G”の値は、5.4×10Paであり、200℃における損失弾性率G”の値は2.5×10Paであり、200℃における損失正接(tanδ)の値は4.9であった。
[粉砕工程および分級工程]
室温まで冷却して固化された溶融混練物を、カッターミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕し、次いで、粗粉砕によって得られた粗粉砕物をカウンタージェットミル(商品名:AFG、ホソカワミクロン株式会社製)によって微粉砕して粉砕物を得た。その後、得られた粉砕物を、ロータリー式分級機(商品名:TSPセパレータ、ホソカワミクロン株式会社製)によって分級し、過粉砕トナー粒子を除去してトナー粒子を得た。
次いで、得られたトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(商品名:R−974、日本アエロジル株式会社製)0.2重量部と、疎水性チタン(商品名:T−805、日本アエロジル株式会社製)0.3重量部とを添加し、ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合することによって実施例1のトナー18.3kgを製造した。得られたトナーの体積平均粒径は6.7μm、変動係数(CV値)は23%であった。
(実施例2)
前混合工程において、離型剤として、パラフィンワックス(商品名:HNP−10、日本精蝋株式会社製、融点(Tm):75℃)2.7重量%(3.0重量部)およびエチレンビスステアリン酸アマイドワックス(融点(Tm):142〜147℃)0.3重量%(0.3重量部)を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを作製した。
なお、溶融混練後に、室温まで冷却して溶融混練物の120℃における損失弾性率G”の値は、5.2×10Paであり、200℃における損失弾性率G”の値は2.2×10Paであり、200℃における損失正接(tanδ)の値は5.2であった。また得られたトナーの体積平均粒径は6.5μm、変動係数(CV値)は23%であった。
(実施例3)
[前混合工程および溶融混練工程]
実施例1と同様のトナー原料を使用して、前混合工程および溶融混練工程において、実施例1と同様に前混合処理および溶融混練処理を行ない、溶融混練物を作製した。
[微分散工程]
前混合工程および溶融混練工程にて得られた溶融混練物を室温まで冷却して固化させた後、カッターミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)を用いて粉砕し、溶融混練物の粉砕物を作製した。
この溶融混練物の粉砕物30g(5重量%)と、アニオン系界面活性剤としてポリアクリル酸ナトリウム(商品名:D−H14−N L−7403KN、日本乳化剤株式会社製)3g(0.5重量%)と、水(温度20℃、導電率0.5μS/cm)567g(94.5重量%)とを混合し、得られた混合物を高圧ホモジナイザー(商品名:NANO3000、株式会社美粒製)のタンクに投入し、25℃、100MPaの条件下で、高圧ホモジナイザー法により粗粉砕を行い、粗粉スラリーを作製した。
次いで、得られた粗粉スラリーを、さらに高圧ホモジナイザー(商品名:NANO3000、株式会社美粒製)のタンクに投入し、120℃、160MPaの条件下で、高圧ホモジナイザー法により微粒化を行い、溶融混練物の微粒子を含む水性スラリーを作製した。得られた溶融混練物の微粒子の体積平均粒子径は0.9μm(変動係数(CV値):25%)であった。
[凝集工程]
微分散工程にて得られた溶融混練物の微粒子を含む水性スラリー100重量部に、凝集剤として塩化ナトリウム(商品名:特級塩化ナトリウム、キシダ化学株式会社製)2重量部を加え、シングルモーション方式の乳化機(商品名:クレアミックス、エム・テクニック株式会社製)にて、凝集温度85℃、ローター回転速度8000rpmで10分間撹拌処理することにより、溶融混練物の微粒子を凝集させた凝集粒子スラリーを作製した。
[洗浄工程]
凝集工程にて得られた凝集粒子スラリーに水(温度20℃、導電率0.5μS/cm)を加えて固形分量が10重量%になるように調製し、タービン型撹拌翼(商品名:H−701FR、株式会社コクサン製)にて撹拌翼回転速度300rpmで30分間撹拌した。この操作を、撹拌後の混合物から遠心分離によって分離される上澄み液の導電率が10μS/cm以下になるまで繰返し行うことにより、凝集粒子スラリー中の凝集粒子を洗浄した。
次いで、洗浄後の凝集粒子含有水性媒体の混合物から遠心分離器(商品名:H−122、株式会社コクサン製)にて遠心分離を行うことにより、凝集粒子を含む固形分を分取し、分取した固形分を凍結乾燥させてトナー粒子(凝集粒子)を得た。
得られたトナー粒子(凝集粒子)100重量部に対して、1次粒子の個数平均粒子径が12nmであるシリカ(日本アエロジル株式会社製)2重量部と、1次粒子の個数平均粒子径が80nmであるシリカ(テイカ株式会社製)0.6重量部とを添加し、ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合することによって実施例3のトナー22.1kgを製造した。得られたトナーの体積平均粒径は6.1μm、変動係数(CV値)は21%であった。
(実施例4)
前混合工程において、結着樹脂(100重量部)として、主成分であるポリエステル樹脂に(ガラス転移温度(Tg):58℃、軟化温度(T1/2):102℃、ピークトップ分子量8500、Mw/Mn=2.5、酸価13、THF不溶分0%)のものを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを作製した。
なお、溶融混練後に、室温まで冷却して得られた溶融混練物の120℃における損失弾性率G”の値は、4.5×10Paであり、200℃における損失弾性率G”の値は9.7Paであり、200℃における損失正接(tanδ)の値は18.3であった。また得られたトナーの体積平均粒径は6.4μm、変動係数(CV値)は32%であった。
(実施例5)
前混合工程において、結着樹脂(100重量部)として、主成分であるポリエステル樹脂に(ガラス転移温度(Tg):60℃、軟化温度(T1/2):116℃、ピークトップ分子量32100、Mw/Mn=8.2、酸価9、THF不溶分4%)のものを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナーを作製した。
なお、溶融混練後に、室温まで冷却して得られた溶融混練物の120℃における損失弾性率G”の値は、5.8×10Paであり、200℃における損失弾性率G”の値は7.8×10Paであり、200℃における損失正接(tanδ)の値は1.7であった。また得られたトナーの体積平均粒径は6.7μm、変動係数(CV値)は24%であった。
(比較例1)
前混合工程において、結着樹脂(100重量部)として、主成分であるポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):60℃、軟化温度(T1/2):110℃、ピークトップ分子量12500、Mw/Mn=5.2、酸価16、THF不溶分0%)90.5重量%のみを使用した(結着樹脂中のアクリルアミド樹脂含有率:0重量%)以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを作製した。
なお、溶融混練後に、室温まで冷却して得られた溶融混練物の120℃における損失弾性率G”の値は、5.2×10Paであり、200℃における損失弾性率G”の値は2.3×10Paであり、200℃における損失正接(tanδ)の値は5.3であった。また得られたトナーの体積平均粒径は6.8μm、変動係数(CV値)は25%であった。
(比較例2)
前混合工程において、結着樹脂(100重量部)として、主成分であるポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):60℃、軟化温度(T1/2):110℃、ピークトップ分子量12500、Mw/Mn=5.2、酸価16、THF不溶分0%)67.9重量%および実施例1と同様にして調整したポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド樹脂(ガラス転移温度(Tg):59℃)22.6重量%を使用した(結着樹脂中のアクリルアミド樹脂含有率:25.0重量%)以外は、実施例1と同様にして比較例2のトナーを作製した。
なお、溶融混練後に、室温まで冷却して得られた溶融混練物の120℃における損失弾性率G”の値は、1.2×10Paであり、200℃における損失弾性率G”の値は6.8×10Paであり、200℃における損失正接(tanδ)の値は4.1であった。また得られたトナーの体積平均粒径は6.8μm、変動係数(CV値)は27%であった。
実施例1〜5および比較例1,2のトナーにおける、結着樹脂として使用したポリエステル樹脂(表2中「A」と記す)およびポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド樹脂(表2中「B」と記す)の含有量、結着樹脂中のアクリルアミド樹脂含有率(表2中「B含有率」と記す)、離型剤として使用したパラフィンワックス(表2中「C」と記す)およびエチレンビスステアリン酸アマイドワックス(表2中「D」と記す)の含有量、粘弾性、粒度分布ならびにトナーの製造方法を表2に示す。
Figure 2009109917
[評価]
実施例1〜5および比較例1,2のトナーについて、以下のようにして保存安定性および定着性について評価した。
〔保存安定性〕
トナーを50mlのポリ瓶3本に1本当り28g〜30g入れ、ポリ瓶の蓋を閉めた状態で50℃/10%RHに設定した恒温恒湿槽に入れて24時間毎に1本ずつ取り出し、嵩比重測定器(筒井理化学器械株式会社製)を用い、JIS K−5101−12−1に従ってトナーの嵩密度を測定した。初期、24時間後、48時間後、72時間後の嵩密度を測定して下記式(4)に基づいて変動率を算出した。変動率の値が小さいトナーほど保存性が良好であること示す。保存安定性の評価基準を以下に示す。
(変動率)=(72時間後の嵩密度)/(初期の嵩密度)×100 …(4)
○:変動率が90%以上である。
△:変動率が80%以上90%未満である。
×:変動率が80%未満である。
〔定着性〕
キャリアとして、体積平均粒径45μmのフェライトコアキャリアを用いて、キャリアに対する実施例1〜5および比較例1,2のトナーの被覆率がそれぞれ60%となるようにV型混合器混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)にて20分間混合して、二成分現像剤を作製した。
得られた二成分現像剤を用いて、カラー複合機(商品名:MX−2700、シャープ株式会社製)を改造したものを用いて、記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、縦20mm、横50mmの長方形状のベタ画像部を含むサンプル画像を、ベタ画像部における未定着状態でのトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cmになるように調整して未定着画像を形成し、カラー複合機の定着部を用いて作製した外部定着器を用いて定着画像を作成した。定着プロセス速度は124mm/秒とし、定着ローラの温度を130℃から10℃刻みで温度を上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域である定着非オフセット域を求めた。
なお、高温および低温オフセットの定義は、定着時にトナーが記録用紙に定着せずに定着ローラに付着したままローラが一周した後に記録用紙に付着することとした。定着性の評価基準を以下に示す。
○:定着非オフセット域が50℃以上である。
△:定着非オフセット域が30℃以上50℃未満である。
×:定着非オフセット域が30℃未満である。
〔総合評価〕
総合評価の評価基準は次のとおりである。
○:良好。保存安定性および定着性の評価結果に×および△がない。
△:実使用上問題なし。保存安定性および定着性の評価結果に×がなく、△が1個以上である。
×:不良。保存安定性および定着性の評価結果に×がある。
上述のようにして評価した、保存安定性および定着性の評価結果および総合評価を表3に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「○」、「△」および「×」の記号は、表3で用いる評価結果を示す記号である。「○」は優れていることを示し、「△」は実用可能であることを示し、「×」は実用が困難であることを示す。
Figure 2009109917
表3に示した結果から、本発明における実施例1〜5のトナーは、比較例1,2のトナーと比較して以下のように優れていることが明らかである。
実施例1〜3のトナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂とアクリルアミド樹脂とを使用し、アクリルアミド樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されていたため、保存安定性および定着性の評価において良好な結果を示した。
実施例4のトナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂とアクリルアミド樹脂とを使用し、アクリルアミド樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されていたが、トナーの200℃における損失弾性率G”が10Paより小さく、損失正接が10を超えていたため、保存安定性および定着性が若干劣ったものの、充分に実用可能なトナーであった。
実施例5のトナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂とアクリルアミド樹脂とを使用し、アクリルアミド樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されていたが、トナーの120℃における損失弾性率G”が10Paを超えていたため、定着性が若干劣ったものの、充分に実用可能なトナーであった。
一方、比較例1のトナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂のみを用いたため、アクリルアミド樹脂による定着性の向上効果が得られず、定着性の悪化が見られた。
比較例2のトナーは、結着樹脂として、ポリエステル樹脂とアクリルアミド樹脂とを使用したが、アクリルアミド樹脂が結着樹脂中に20重量%を超えた割合で含有されていたため、定着非オフセット域が30℃未満となり、定着性が悪化した。
本発明のトナーの製造方法の一例における手順を示すフロー図である。 本発明のトナーの製造方法の一例における手順を示すフロー図である。 本発明の画像形成装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の現像装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
2 トナー像形成手段
3 転写手段
4 定着手段
5 記録媒体供給手段
6 排出手段
11 感光体ドラム
12 帯電手段
13 露光ユニット
14 現像手段
15 クリーニングユニット
20 現像槽
21 トナーホッパ
25 中間転写ベルト
26 駆動ローラ
27 従動ローラ
28 中間転写ローラ
29 転写ベルトクリーニングユニット
30 転写ローラ
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
35 自動給紙トレイ
36 ピックアップローラ
37 搬送ローラ
38 レジストローラ
39 手差給紙トレイ
40 排出ローラ
41 排出トレイ
100 画像形成装置

Claims (13)

  1. 少なくとも結着樹脂および着色剤を含んで構成されるトナーであって、
    結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、
    単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されることを特徴とするトナー。
  2. 主成分である樹脂は、ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. トナーの120℃における損失弾性率G”が10Pa以下および200℃における損失弾性率G”が10Pa以上であり、かつ、200℃における損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接が10以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 離型剤を含有し、離型剤は、主成分である離型剤とアミド基を有する離型剤とを含んで構成され、
    アミド基を有する離型剤は、離型剤中に50重量%以下の割合で含有されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー。
  5. 主成分である離型剤は、パラフィン系ワックスであることを特徴とする請求項4に記載のトナー。
  6. アミド基を有する離型剤は、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物であることを特徴とする請求項4または5に記載のトナー。
  7. 主成分である離型剤の融点は、80℃以下であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに記載のトナー。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のトナーを製造するトナーの製造方法であって、
    少なくとも結着樹脂および着色剤を混合して混合物を作製する前混合工程と、
    混合物を溶融混練して溶融混練物を作製する溶融混練工程とを含み、
    結着樹脂は、主成分である樹脂と側鎖にアミド基を有する単一樹脂とを含んで構成され、単一樹脂は、結着樹脂中に20重量%以下の割合で含有されることを特徴とするトナーの製造方法。
  9. 溶融混練物を粉砕して粉砕物を作製する粉砕工程と、
    粉砕物から過粉砕物や粗粉を除去する分級工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載のトナーの製造方法。
  10. 溶融混練物の微粒子を水性媒体中に微分散させて水性スラリーを作製する微分散工程と、
    水性スラリー中の溶融混練物の微粒子を凝集して凝集粒子を作製する凝集工程とを含むことを特徴とする請求項8に記載のトナーの製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1つに記載のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
  12. 請求項11に記載の二成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置。
  13. 請求項12に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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