JP6171361B2 - トナー、現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

トナー、現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、トナー、現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
トナーの製造方法としては、従来から用いられてきた混練粉砕法の他に、有機溶媒と水系溶媒とを使用する溶解懸濁法や乳化法、重合性モノマー滴を制御して重合し直接トナー粒子を得る懸濁重合法、乳化微粒子を作製してそれらを凝集しトナー粒子を得る凝集法、などの所謂湿式造粒、又はケミカルトナー法(湿式造粒法)という方法が用いられるようになってきた。前記ケミカルトナー法のひとつに、乳化微粒子を作製してそれらを凝集させトナー粒子を得る凝集法がある。
前記凝集法により製造されたトナーとしては、トナーの内部に熱定着に有利な樹脂を用い、該トナーの外側をブロッキング等に有利な樹脂で覆った、所謂コア/シェル型トナー(特許文献1参照)、結晶性ポリエステル樹脂を含有し、低温定着性に優れるトナー(特許文献2参照)などが提案されている。
しかし、これらのトナーは、低温定着性には優れるものの、耐ホットオフセット性と耐熱保存安定性が十分なものではないという問題があった。
この問題に対し、低温定着性と耐ホットオフセット性とを両立したトナーとして、ポリエステル樹脂Aとワックスを、ビニル系モノマーに溶解し、界面活性剤を含む水相に分散させた後、重合開始剤によりビニル系モノマーを重合させることにより得られる樹脂分散液と、ポリエステル樹脂Bが水相に分散している分散液と、着色剤粒子の分散液を混合し、これらを凝集させた後、温度を上げて該凝集粒子を合一させることにより、ポリエステル樹脂がトナーの50質量%以上を占めるトナーが提案されている(特許文献3参照)。
しかし、この提案のトナーの場合、樹脂粒子を凝集させた後、高温で加熱するため、ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂のような親和性の大きな樹脂間で相溶化が発生し、これによりトナーの耐熱保存安定性が低下するという問題がある。
したがって、優れた低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存安定性を全て併せ持つトナー及びその製造方法、並びに該トナーを用いて現像を行うプロセスカートリッジの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存安定性を全て併せ持つトナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、本発明のトナーは、結着樹脂と、離型剤内包カプセルと、着色剤とを含有するトナーであって、
前記離型剤内包カプセルが、前記結着樹脂とは異なる樹脂(I)で形成されたカプセルと、該カプセルに内包された離型剤(RA)とを含み、かつ前記結着樹脂中に存在し、
前記離型剤内包カプセルの50%〜100%が、前記トナーの表面から前記トナーの体積平均粒径の0.10倍の深さまでの領域に存在することを特徴とする。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れた低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存安定性を全て併せ持つトナーを提供することができる。
図1Aは、本発明のトナーの構造の一例を示す概略説明図である。 図1Bは、本発明のトナーの構造の一例を示すSTEM観察結果である。 図1Cは、従来のトナーの構造の一例を示す概略説明図である。 図2は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図4は、図3の部分拡大図である。
(トナー)
本発明のトナーは、離型剤内包カプセルと、着色剤とを少なくとも含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
前記離型剤内包カプセルは、前記結着樹脂とは異なる樹脂(I)で形成されたカプセルと、該カプセルに内包された離型剤(RA)とを含み、かつ前記結着樹脂中に存在する。
前記離型剤内包カプセルの50%〜100%は、前記トナーの表面から前記トナーの体積平均粒子径の0.10倍の深さまでの領域に存在する。
本発明に係るトナーは、結着樹脂を含むトナー粒子中に、離型剤(RA)を含んでいる。そして、離型剤(RA)は、結着樹脂とは異なる樹脂(I)によってカプセル化され、前記離型剤内包カプセルの50%〜100%がトナー表層近傍に配置されている。これにより、平常時において離型剤(RA)がトナー表面に露出することを防止することができる。
前記離型剤内包カプセルが、前記結着樹脂とは異なる樹脂(I)、及びビニルポリマーを有し前記離型剤(RA)と親和性の高い樹脂(D)で形成されたカプセルと、該カプセルに内包された離型剤(RA)とを含み、かつ前記結着樹脂中に存在することが好ましく、前記カプセルに内包される離型剤(RA)は、少なくとも一部が、前記樹脂(D)中に内包されていることがより好ましい。
本発明において、親和性が高いとは、前記樹脂(D)が前記離型剤(RA)に結合しやすいこと、或いは静電的相互作用等により付着しやすいことを意味する。したがって、本発明において内包とは、前記離型剤(RA)が、選択的に前記樹脂(D)の該離型剤と親和性の高い部位に結合していること及び/又は付着していることを意味する。
前記樹脂(D)と前記離型剤(RA)とは、親和性が高く、該樹脂(D)は、前記離型剤(RA)との相溶性が良好であるため、前記樹脂(D)は前記離型剤(RA)を好適に内包することができる。
このように、本発明の前記トナーは、前記離型剤(RA)が前記樹脂(I)で形成されたカプセルに内包されることにより、結着樹脂から前記離型剤(RA)が隔離される。そのため、前記離型剤内包カプセルの50%〜100%がトナー表層近傍に存在する場合であっても、平常時において前記離型剤(RA)がトナー表面へ露出することを防ぐことができる。前記トナーは、このような構造を有することにより、耐熱保存安定性が向上し、また電子写真プロセスから受けるストレス等の悪影響が軽減する点で有利である。更に、定着時の加熱及び加圧に対しては、前記離型剤(RA)がカプセルの外に脱出して耐ホットオフセット性を示すため、定着時の耐ホットオフセット性を確保できる点でも有利である。
<離型剤内包カプセル>
前記離型剤内包カプセルは、前記結着樹脂とは異なる樹脂(I)で形成されたカプセルと、該カプセルに内包された離型剤(RA)とを含み、かつ前記結着樹脂中に存在する。
前記カプセルは、前記樹脂(I)で形成されれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂(I)及び前記樹脂(D)で形成されることが好ましい。
前記カプセルの構造(前記離型剤(RA)が前記樹脂(I)で形成されたカプセルに内包されていること)は、例えば、前記トナーを包埋樹脂によって包埋し、ウルトラミクロトーム(ULTRACUT-S、ライカマイクロシステムズ株式会社製)でスライスしてトナーの薄片を作製し、これを走査型透過電子顕微鏡(STEM)で観察することにより確認することができる。
前記離型剤内包カプセルの平均円相当径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜200nmが好ましく、50nm〜150nmがより好ましく、50nm〜100nmが更に好ましい。前記平均円相当径が、50nm未満であると、耐ホットオフセット性が不足することがあり、200nmを超えると、耐熱保存安定性が低下することがある。
前記トナーに内包された離型剤内包カプセルの前記平均円相当径は、例えば、前記トナーを包埋樹脂によって包埋し、ウルトラミクロトーム(ULTRACUT-S、ライカマイクロシステムズ株式会社製)でスライスしてトナーの薄片を作製して、これを走査型透過電子顕微鏡(STEM)で観察し、得られたトナーの断面画像から求めることができる。算出には、例えば、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Mac−View、株式会社マウンテック製)を用いることができる。
前記離型剤内包カプセルの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜200nmが好ましく、50nm〜100nmがより好ましい。前記体積平均粒径が、50nm未満であると、耐ホットオフセット性が不足することがあり、200nmを超えると、耐熱保存安定性が低下することがある。
前記体積平均粒径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計(例えば、UPA−150EX、日機装株式会社製)により測定することができる。
なお、トナー中の離型剤内包カプセルは、トナーに、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルムなどを添加して撹拌し、メンブランフィルターでろ過し、常温乾燥することにより分離することができる。
前記カプセルの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜60nmが好ましく、10nm〜30nmがより好ましい。前記カプセルの平均厚みが10nm未満であると、耐熱保存安定性が悪化することがあり、60nmを超えると、耐ホットオフセット性が不足することがある。
前記カプセルの平均厚みは、例えば、前記カプセルを包埋樹脂によって包埋し、これをミクロトームで切断して薄片を作製し、走査型透過電子顕微鏡で観察することにより分析することができる。なお、本発明において、平均厚みとは、100個のカプセルの厚みの平均を意味する。
前記トナーの表面から前記トナーの体積平均粒子径の0.10倍の深さまでの領域に存在する、前記離型剤内包カプセルの割合としては、50%〜100%であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70%〜100%が好ましい。前記割合が、50%未満であると、離型性が低下することがある。一方、前記割合が70%〜100%であると、トナー表面近傍に離型剤(RA)が配置されているため、効果的に離型性を付与することができる。
なお、前記割合(%)は、例えば、トナーをウルトラミクロトーム(ULTRACUT−S、ライカマイクロシステムズ株式会社製)でスライスしてトナーの薄片を作製し、これを走査型透過電子顕微鏡(STEM)で観察する。そして、得られたトナーの断面画像から、観察したトナー粒子断面の全エリアに存在するカプセルの総面積のうち、所定の領域(すなわち、前記トナーの表面から前記トナーの体積平均粒子径の0.10倍の深さまでの領域)に存在する離型剤内包カプセルの面積比率(%)を算出することで求めることができる。また、トナー表面からの深さの測定には、例えば、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Mac−View、株式会社マウンテック製)を用いることができる。
観察したトナー断面画像のうち、トナーの重心付近を通る断面画像として、トナーの体積平均粒径に対して±10%以内の径を有するトナー断面画像を選択して前記割合(%)を求めることにより、トナー表面からの深さを正確に測定することができる。また、本発明において、前記割合の平均値とは、前記トナー断面画像100個分の割合の平均を意味する。
なお、前記所定の領域の内外にまたがって存在する離型剤内包カプセルについては、所定の領域の内側に存在する部分を、前記所定領域中に存在する離型剤内包カプセルの面積としてカウントする。
本発明のトナーでは、離型剤がトナー粒子の表面近傍に存在する場合でも、従来のトナー粒子の場合とは異なり、従来のトナー粒子表面に存在する場合に見られる離型剤のトナー表面への露出などの各種の問題は起きにくいため、離型剤の分散径を比較的大きくすることができる。その結果、定着時の加熱及び加圧の際には、ワックスをトナー表面から容易にしみ出しやすくして離型効果を高くすることができる。
前記樹脂(I)と前記樹脂(D)との質量比〔(I)/(D)〕としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜35が好ましく、0.5〜3.0がより好ましい。前記質量比が、0.5未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあり、0.35を超えると、耐熱保存安定性が悪化することがある。一方、前記質量比が、前記より好ましい範囲であると、耐ホットオフセット性、耐熱保存安定性の両立の点で好ましい。
前記カプセルに内包される離型剤(RA)と前記樹脂(D)との質量比〔(D)/(RA)〕としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜2.5が好ましく、0.1〜2.5がより好ましい。前記質量比が、0.01未満であると、耐熱保存安定性が悪くなることがあり、2.5を超えると、耐ホットオフセット性が悪くなることがある。一方、前記質量比が、前記より好ましい範囲であると、耐熱保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性に優れる点で好ましい。
−樹脂(I)−
前記樹脂(I)は、前記結着樹脂とは異なる樹脂であり、前記離型剤(RA)を内包するカプセルを形成する。前記トナーが前記樹脂(I)を含むと、耐ホットオフセット性と耐熱保存安定性の両立の点で有利である。
本発明において、前記「結着樹脂とは異なる」とは、前記結着樹脂を形成するモノマーの種類が異なること、即ち、前記結着樹脂を形成するモノマーの組成比や分子量が異なることを意味する。
前記樹脂(I)としては、前記結着樹脂とは異なる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記結着樹脂を変性させた樹脂などであってもよいが、ビニル樹脂が、入手や合成が容易である点で好ましい。
前記ビニル樹脂を合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性二重結合を有するモノマーを重合させて得る方法などが挙げられる。このとき、公知の重合開始剤を使用してもよい。
前記重合性二重結合を有するモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、αメチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−カルボキシスチレン若しくはその金属塩、4−スチレンスルホン酸若しくはその金属塩、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート等、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸等)、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びこれらの塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などが挙げられる。
前記トナー中のカプセルを形成する樹脂(I)を分析する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガスクロマトクラフ質量分析計(GC−MS)や核磁気共鳴装置(NMR)を用いてトナー中の樹脂(I)を分析する方法、有機溶媒を用いてトナー中の他の材料を溶解して除去し、前記樹脂(I)を分離した後に、該樹脂(I)を分析する方法などが挙げられる。
具体的には、以下に示す方法で分析した13C−NMRスペクトル及びGC−MS測定より、樹脂組成及び組成比を算出することができる。
前記13C−NMRの測定は、試料50mgをキャップ式ガラス試験管に入れ、高周波加熱装置(QUICKER1010、DIC社製)で1分間加熱し、この分解物を重クロロホルム(CDCl)30.5mLと緩和試薬トリス(2,4−ペンタンジオナト)クロム(III)(Cr(acac))を添加し、核磁気共鳴装置JNM−LA300(日本電子株式会社製)を用いて測定することができる。
前記GC−MS測定は、質量分析計(JMS−K9、本電子株式会社製)使用し、カラムは、INERT CAP 5MS/Sil(30m×0.25mm、I.D.0.25μm)(GL Sciene社製)を使用し、昇温速度は、40℃(3分間)、次いで、10℃/分間、次いで300℃(5分間)の条件で、熱分解GC−MS測定を行うことができる。
前記樹脂(I)の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000〜300,000が好ましく、4,000〜100,000がより好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記樹脂(I)のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、45℃〜100℃が好ましく、55℃〜90℃がより好ましい。前記樹脂(I)のガラス転移温度が、45℃未満であると、耐熱保存安定性が悪化することがあり、100℃を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(例えば、TG−DSCシステム TAS−100、理学電気株式会社製)により測定することができる。
前記樹脂(I)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中に、5質量%〜25質量%が好ましく、8質量%〜20質量%がより好ましい。前記樹脂(I)の含有量が、5質量%未満であると、耐熱保存安定性が悪化することがあり、25質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
−樹脂(D)−
前記樹脂(D)は、ビニルポリマーを有し前記離型剤(RA)と親和性の高い樹脂である。ここで、「離型剤(RA)と親和性の高い樹脂」とは、離型剤(RA)と樹脂(D)を混合した場合に、分子レベルで混ざり合いやすいことを意味し、より具体的には、前記樹脂(D)の溶解パラメータ(以下、「SP(D)」と称することがある)と、前記離型剤(RA)の溶解パラメータ(以下、「SP(RA)」と称することがある)との差の絶対値|SP(RA)−SP(D)|が3未満であることを意味する。好ましくは、|SP(RA)−SP(D)|<2である。
このような前記樹脂(D)としては、例えば、油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分にビニルポリマーが導入されたものなどが挙げられる。
具体的には、前記油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分を主鎖とし、ビニルポリマーを側鎖(グラフト鎖)に有するグラフト共重合した樹脂;ビニルポリマーを主鎖とし、前記油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分を側鎖に有するグラフト共重合した樹脂;などが挙げられる。これらの中でも、前記樹脂(D)は、前記油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分を主鎖とし、ビニルポリマーを側鎖(グラフト鎖)に有するグラフト共重合した樹脂が好ましい。
前記樹脂(D)の溶解パラメータ(以下、「SP(D)」と称することがある)の値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、8≦SP(D)≦11が好ましく、9≦SP(D)≦10がより好ましい。
前記SP(D)が、8未満であると、トナーの離型性が低下し、耐ホットオフセット性が悪くなることがあり、11を超えると、カプセルがトナーの結着樹脂中に存在し難くなり、トナー製造が困難になったり、耐熱保存安定性が悪くなることがある。
本発明における溶解パラメータSP値(δ)は、凝集エネルギー密度の関数として下記式Aで定義される。
SP値(δ)=(ΔE/V)1/2 ・・・式A
ただし、前記式Aにおいて、「ΔE」は、分子間凝集エネルギー(蒸発熱)を表し、「V」は、混合液の全体質量を表し、「ΔE/V」は、凝集エネルギー密度を表す。また、混合による熱量変化ΔHmは、前記SP値を用いて下記式Bより算出される。
ΔHm=V(δ1−δ2)・Φ1・Φ2 ・・・式B
ただし、前記式Bにおいて、「δ1」は、溶媒のSP値を表し、「δ2」は、溶質のSP値を表し、「Φ1」は、溶媒の体積分率を表し、「Φ2」は、溶質の体積分率を表す。
前記式Bより、前記δ1と前記δ2との値が近い程、ΔHmは小さくなり、Gibbsの自由エネルギーが小さくなるので、SP値の差が小さいもの同士は親和性が高くなるものと考えられる。
実際にSP値を求める方法としては、SP値が既知の各種溶剤との樹脂の溶解性を比較することで、最もよく相溶する溶剤のSP値から未知の樹脂のSP値を設定する。また、その他SP値の求め方としては、樹脂のモノマー組成が判明している場合には下記式Cで表されるFedorらの方法を用いて計算できる。
SP値(δ)=(ΣΔei/ΣΔvi)1/2 ・・・式C
ただし、前記式Cにおいて、「Δei」は、原子又は原子団の蒸発エネルギーを表し、「Δvi」は、原子又は原子団のモル体積を表す。これらについては、前記樹脂(D)のモノマー組成から算出することにより求められる。
前記樹脂(D)の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分(油溶性の成分)と公知のビニルポリマーとをグラフト共重合してもよく、適宜選択したビニルモノマーを重合させてビニルポリマーを合成した後及び/又は合成しながら、該ビニルポリマーと前記油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分とをグラフト共重合させてもよい。
−−油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分−−
前記樹脂(D)の原料に用いる油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分としては、ビニルポリマーをグラフト共重合することが可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂が、離型剤(RA)との相溶性が良好であるという点で特に好ましい。また、後述する離型剤も、前記樹脂(D)の原料としての油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分として用いることができる。
前記ポリオレフィン系樹脂を形成するオレフィン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンなどが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記オレフィン類の重合体、該重合体の酸化物、該重合体の変性物、前記オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物などが挙げられる。
前記オレフィン類の重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体などが挙げられる。
前記オレフィン類の重合体の酸化物としては、前記オレフィン類の重合体の酸化物等が挙げられる。
前記オレフィン類の重合体の変性物としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等の前記オレフィン類の重合体のマレイン酸誘導体付加物などが挙げられる。
前記オレフィン類と共重合可能な他の単量体との共重合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜18)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜18)エステル等の不飽和カルボン酸アルキルエステルなどの単量体と、オレフィン類との共重合体などが挙げられる。
これらの中でも、前記樹脂(D)の原料に用いる油溶性の構造を少なくとも一部に有する成分としては、オレフィン類の重合体、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンが特に好ましい。
−−ビニルポリマー−−
前記ビニルポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エステル基を有するビニルモノマーを含有することが好ましい。
前記エステル基を有するビニルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル;酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。
前記エステル基を有するビニルモノマーの平均エステル基濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、8質量%〜30質量%が好ましく、8質量%〜25質量%がより好ましい。前記平均エステル基濃度が、8質量%未満であると、耐熱保存安定性や耐ホットオフセット性が悪くなることなどあり、30質量%を超えると、耐熱保存安定性、低温定着性、耐ホットオフセット性などが悪くなることなどがある。
前記平均エステル基濃度は、下記式(1)より算出することができる。
平均エステル基濃度=Σ(44/Mwi×Wi) ・・・式(1)
前記式(1)において、「Mwi」は、前記エステル基を有するビニルモノマーの分子量を表し、「Wi」は、前記エステル基を有するビニルモノマーの仕込み比率(質量%)を表す。
例えば、ビニルポリマーが、2種のエステル基を有するモノマー1(分子量M1、使用量W1)とモノマー2(分子量M2、使用量W2)、並びに1種のエステル基を有さないモノマー3(分子量M3、使用量W3)から製造された場合の前記平均エステル基濃度Cは、下記式(2)で計算される。
平均エステル基濃度C=[{(44/M1)×W1/(W1+W2+W3)}+{(44/M2)×W2/(W1+W2+W3)}]×100 ・・・式(2)
前記平均エステル基濃度を調整する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ビニルポリマーを形成するビニルモノマーとして、前記エステル基を有するビニルモノマーの他に、エステル基を有さない共重合可能な各種のビニルモノマーを併用する方法などが挙げられる。
前記エステル基を有さないビニルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ビニルモノマーなどが挙げられる。その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレン等のスチレン系モノマーなどが挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
前記樹脂(D)におけるビニルポリマーの導入率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70%〜95%が好ましく、75%〜90%がより好ましい。前記導入率が、70%未満であると、低温定着性が悪化することがあり、95%を超えると、耐熱保存安定性が悪化することがある。
前記ビニルポリマーの導入率は、例えば、ガスクロマトクラフ質量分析計や核磁気共鳴装置を用いてトナー中の樹脂(D)を分析してもよいし、有機溶媒を用いてトナー中の他の材料を溶解、除去して樹脂(D)を分離した後に、樹脂(D)を分析する方法などにより分析することができる。
前記トナー中のカプセルを形成する樹脂(D)を分析する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガスクロマトクラフ質量分析計や核磁気共鳴装置を用いてトナー中の樹脂(D)を分析してもよいし、有機溶媒を用いてトナー中の他の材料を溶解、除去して樹脂(D)を分離した後に、樹脂(D)を分析する方法などが挙げられる。
前記樹脂(D)の軟化点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜150℃が好ましく、90℃〜130℃がより好ましい。
前記軟化点は、例えば、フローテスター(例えば、CFT−500D、株式会社島津製作所製)により測定することができる。
前記樹脂(D)の数平均分子量(Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,500〜100,000が好ましく、2,800〜20,000がより好ましい。また、前記樹脂(D)の重量平均分子量(Mw)としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましい。前記樹脂(D)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.1〜40が好ましく、3〜30がより好ましい。
前記数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記樹脂(D)のガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜90℃が好ましく、50℃〜70℃がより好ましい。
前記ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(例えば、TG−DSCシステム TAS−100、理学電気株式会社製)により測定することができる。
前記樹脂(D)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中に、0.2質量%〜20質量%が好ましく、2.0質量%〜20質量%がより好ましい。前記樹脂(D)の含有量が、0.2質量%未満であると、耐熱保存安定性が悪化することがあり、20質量%を超えると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
<離型剤(RA)>
前記離型剤(RA)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、画像形成の際の定着工程でトナーが加熱されたときに、該トナーの粘度が十分低く、且つトナー中の前記離型剤(RA)以外の成分や画像形成装置の定着部材の表面などに相溶或いは膨潤しにくい物質であることが好ましい。
このような離型剤(RA)としては、例えば、ワックス、シリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トナーそのものの保存安定性の点から、通常保存時にトナー中で固体として存在するワックスが特に好ましい。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭化水素系ワックス、カルボニル基含有ワックスの中から選択される少なくとも1種が好ましく、炭化水素系ワックスが特に好ましい。
前記炭化水素系ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン/プロピレン共重合体からなるワックス、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体等のポリオレフィン系ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどが挙げられる。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等のポリアルカン酸エステル;トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等のポリアルカノールエステル;エチレンジアミンジベヘニルアミド等のポリアルカン酸アミド;トリメリット酸トリステアリルアミド等のポリアルキルアミド;ジステアリルケトン等のジアルキルケトンなどが挙げられる。
これらの中でも、炭化水素系ワックスが、耐ホットオフセット性がよい点で好ましい。
前記トナー中のカプセルに内包された離型剤(RA)を分析する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガスクロマトクラフ質量分析計や核磁気共鳴装置を用いてトナー中の離型剤(RA)を分析する方法;有機溶媒を用いてトナー中の他の材料を溶解、除去して離型剤(RA)を分離した後に、該離型剤(RA)を分析する方法などが挙げられる。
前記離型剤(RA)の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃未満が好ましく、50℃〜77℃がより好ましい。前記離型剤(RA)の融点が、80℃以上であると、耐ホットオフセット性が悪くなることがあり、50℃未満であると、耐熱保存安定性が悪くなることがある。
前記離型剤(RA)の融点は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(例えば、TG−DSCシステム TAS−100、理学電気株式会社製)により測定することができる。
前記離型剤(RA)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー中の含有量が、2質量%〜25質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましく、4質量%〜15質量%が特に好ましい。前記離型剤(RA)の含有量が、2質量%未満であると、耐ホットオフセット性や耐熱保存安定性が悪くなることなどがあり、25質量%を超えると、トナーの機械強度が低下することや、耐ホットオフセット性が悪くなることなどがある。
前記離型剤(RA)の溶解パラメータ(以下、「SP(RA)」と称することがある)の値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7≦SP(RA)≦10が好ましく、8≦SP(RA)≦9がより好ましい。
前記SP(RA)が、7未満であると、離型剤(RA)がカプセルに内包されにくくなり、耐熱保存安定性が悪くなることがあり、10を超えると、トナーの離型性が低下し、耐ホットオフセット性が悪くなることがある。
<結着樹脂>
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記結着樹脂は、非結晶性樹脂(R)と、前記非結晶性樹脂(R)と相溶する物質(A)とを含有していてもよいし、結晶性樹脂(C)を主成分として含んでいてもよい。
前記結着樹脂の溶解パラメータ(以下、「SP(B)」と称することがある)の値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、9≦SP(B)≦13が好ましく、9≦SP(B)≦12がより好ましい。
前記SP(B)が、9未満であると、結着樹脂中にカプセルが形成し難くなり、耐熱保存安定性が悪くなることがあり、13を超えると、カプセルがトナーの結着樹脂中に存在し難くなり、トナー製造が困難になったり、耐熱保存安定性が悪くなることがある。
また、前記結着樹脂、前記樹脂(D)及び前記離型剤(RA)の溶解パラメータの関係としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、SP(B)>SP(D)>SP(RA)であることが好ましい。前記関係を満たさない場合は、前記離型剤内包カプセルが前記結着樹脂中に存在する構造を有するトナーの製造が困難になることがある。
<<非結晶性樹脂(R)>>
前記非結晶性樹脂(R)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶剤に少なくとも一部が溶解するものが好ましく、電子写真における静電潜像現像用トナーとして用いる場合には、ポリエステル骨格を有する樹脂が、良好な定着性が得られる点でより好ましい。
前記ポリエステル骨格を有する樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂が、トナーの均一性が高い点で好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられる。これらの中でも、設計の自由度が高い点で、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
−ポリオール−
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール単独、又は前記ジオールと少量の前記3価以上のポリオールとの混合物が好ましい。
前記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のアルキレンエーテルグリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物;3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等の4,4’−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
これらの中でも、前記ジオールとしては、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上、好ましくは3価〜8価のポリ脂肪族アルコール、3価以上のフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリ脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記3価以上のフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
−ポリカルボン酸−
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、3価以上のポリカルボン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジカルボン酸単独、又は前記ジカルボン酸と少量の前記3価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等のアルキレンジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸等のアルケニレンジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、前記ジカルボン酸としては、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又はメチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等の低級アルキルエステルなどを用いて前記ポリオールと反応させてもよい。
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸との比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水酸基(OH)とカルボキシル基(COOH)との当量比〔(OH)/(COOH)〕が、2/1〜1/2が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.3/1〜1/1.3が特に好ましい。
前記トナー中の非結晶性樹脂(R)を分析する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガスクロマトクラフ質量分析計や核磁気共鳴装置を用いてトナー中の非結晶性樹脂(R)を分析する方法や、有機溶媒を用いてトナー中の他の材料を溶解させて除去し、非結晶性樹脂(R)を分離した後に、該非結晶性樹脂(R)を分析する方法などが挙げられる。
前記非結晶性樹脂(R)の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重量平均分子量で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が特に好ましい。前記非結晶性樹脂(R)の重量平均分子量が、1,000未満であると、耐熱保存安定性が悪くなることがあり、30,000を超えると、低温定着性が悪くなることがある。
前記非結晶性樹脂(R)の重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記非結晶性樹脂(R)のガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、65℃以上が特に好ましい。前記ガラス転移温度が、40℃未満であると、得られるトナーが真夏など(例えば、40℃以上)の高温環境下に置かれたときに変形することや、トナー同士がくっついてしまい、本来の粒子としての振る舞いができなくなることがある。前記ガラス転移温度の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が80℃を超えると、定着性が悪くなることがある。
前記ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(例えば、TG−DSCシステム TAS−100、理学電気株式会社製)により測定することができる。
前記非結晶性樹脂(R)の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mgKOH/g〜24mgKOH/gが好ましく、10mgKOH/g〜24mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、2mgKOH/g未満であると、非結晶性樹脂(R)の極性が低くなるため、ある程度極性を有する着色剤を油滴内で均一に分散することが難しくなることがあり、24mgKOH/gを超えると、水相への移行が起こりやすくなり、その結果、製造の過程で物質収支にロスが発生してしまうことや、油滴の分散安定性が悪化することなどがある。
前記酸価は、例えば、JIS K0070に準拠した方法により測定することができる。
前記非結晶性樹脂(R)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中に、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。前記非結晶性樹脂(R)の含有量が、20質量%未満であると、耐熱保存安定性が悪化することがあり、80質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
<<物質(A)>>
前記物質(A)は、前記非結晶性樹脂(R)と相溶するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性が向上する点で、結晶性物質であることが好ましい。
前記結晶性物質は、前記非結晶性樹脂(R)に対して、定着時に相溶して瞬時にトナー全体の溶融粘度を低下させることにより低温での定着を行わせるものであるため、前記結晶性物質は、前記非結晶性樹脂(R)の溶融する温度域では相溶するものであることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
このような結晶性物質としては、ある程度の極性を有するものを用いることが好ましい。前記結晶性物質が極性を有するためには、該結晶性物質は、極性を有する官能基や結合部位を有することが好ましい。また、前記結晶性物質としては、これらの極性を有する官能基や結合部位を複数有するものであってもよい。前記物質(A)が、極性を有する結晶性物質であると、溶融したときの分子のモビリティが高いため、瞬時に前記非結晶性樹脂(R)と相溶し、トナー全体の溶融粘度を素早く下げることができる。
前記官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホニル基、ホスフォニル基等の酸基;アミノ基、ヒドロキシル基等の塩基;メルカプト基などが挙げられる。
前記結合部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エステル結合、エーテル結合、チオエステル結合、チオエーテル結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合、ウレア結合、ウレタン結合、イソシアヌレート結合などが挙げられる。
これらの中でも、前記結晶性物質としては、炭素数が8〜20の直鎖炭化水素カルボン酸や酸アミド、炭素数の合計がエステル及びアミドからなる2価の連結基ひとつあたり8〜20の直鎖炭化水素エステル、直鎖炭化水素アミド若しくは直鎖炭化水素エステルアミドなどが、前記トナーの内部に安定して存在させることが容易であり、トナーの環境安定性への影響の少なく、前記非結晶性樹脂(R)の溶融時に相溶しやすい点で好ましい。
前記トナー中の物質(A)を分析する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガスクロマトクラフ質量分析計や核磁気共鳴装置を用いてトナー中の物質(A)を分析する方法、有機溶媒を用いてトナー中の他の材料を溶解させて除去し、物質(A)を分離した後に、該物質(A)を分析する方法などが挙げられる。
前記物質(A)の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの低温定着性を実現させる観点から低融点であることが好ましく、100℃以下がより好ましく、80℃未満が更に好ましく、70℃未満が特に好ましい。前記融点が、100℃を超えると、定着性への効果が発揮しにくくなることがある。
前記物質(A)の融点の下限値としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましく、50℃以上が特に好ましい。前記融点が、40℃未満であると、トナーの耐熱保存安定性が悪化することがある。
なお、前記融点の上限値と下限値との組合せとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、これらの中でも、前記融点は、40℃〜100℃が好ましく、45℃〜80℃がより好ましく、50℃〜70℃が特に好ましい。
前記物質(A)の融点は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(例えば、TG−DSCシステム TAS−100、理学電気株式会社製)により測定することができる。
また、前記物質(A)の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2,000〜100,000が好ましく、5,000〜60,000がより好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記物質(A)としては、前記非結晶性樹脂(R)が前記ポリエステル骨格を有する樹脂である場合は、前記物質(A)は、結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。前記非結晶性樹脂(R)(結着樹脂)として非結晶性のポリエステル樹脂を用いる場合、前記物質(A)が結晶性ポリエステル樹脂であると、該物質(A)の構造が前記非結晶性樹脂(R)の構造に近いため、該非結晶性樹脂(R)が溶融したときに前記物質(A)が相溶しやすく、また熱がかかる前は高分子であり機械的強度が高いため、保存安定性に優れる点で有利である。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリオール及びポリカルボン酸を構成単位として含む、下記一般式(1)で表される構造を、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂全体における全エステル結合の60モル%含有するものであることが好ましい。
−OCOC−R−COO−(CH− ・・・一般式(1)
但し、前記一般式(1)において、Rは、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜4の直鎖状不飽和脂肪族基を表し、nは、2〜20の整数、好ましくは2〜6の整数を表す。
前記直鎖状不飽和脂肪族基の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、1,3−n−プロペンジカルボン酸、1,4−n−ブテンジカルボン酸等の直鎖状不飽和ジカルボン酸由来の直鎖状不飽和脂肪族基などが挙げられる。
前記一般式(1)において、(CHは、直鎖状脂肪族ジオール残基を表す。前記直鎖状脂肪族ジオール残基の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状脂肪族ジオールから誘導されたものなどが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記ポリカルボン酸として、直鎖状不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いたことから、芳香族ジカルボン酸を用いた場合に比べて結晶構造を形成し易いという作用効果を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)直鎖状不飽和脂肪族ジカルボン酸又はその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル酸ハライド等)からなるポリカルボン酸単位と、(2)直鎖状脂肪族ジオールからなるポリオール単位とを、常法により重縮合反応させることにより製造する方法などが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法において、ポリカルボン酸には、前記直鎖状不飽和脂肪族ジカルボン酸又はその反応性誘導体からなるポリカルボン酸の他に、必要に応じて、更に少量の他のポリカルボン酸が含有されていてもよい。
前記他のポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)分岐鎖を有する不飽和脂肪族ジカルボン酸、(2)飽和脂肪族ジカルボン酸、飽和脂肪族三価カルボン酸等の飽和脂肪族ポリカルボン酸、(3)芳香族ジカルボン酸、芳香族三価カルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記他のポリカルボン酸の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全ポリカルボン酸に対して、通常、30モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
前記他のポリカルボン酸の具体例としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;無水トリメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上のポリカルボン酸などが挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法において、ポリオールには、前記直鎖状脂肪族ジオールからなるポリオールの他に、必要に応じて、更に少量の他のポリオールが含有されていてもよい。
前記他のポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少量の、脂肪族系の分岐鎖ジオール、環状ジオール、三価以上のポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記他のポリオールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全ポリオールに対して、通常、30モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
前記他のポリオールの具体例としては、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、グリセリンなどが挙げられる。
前記物質(A)の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中に、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜15質量%がより好ましい。前記物質(A)の含有量が、1質量%未満であると、低温定着性が悪化することがあり、20質量%を超えると、耐熱保存安定性が悪化することがある。
<<結晶性樹脂(C)>>
本発明のトナーは、更に低温定着性を向上させるために、前記結着樹脂の主成分として結晶性樹脂(C)を含有することができる。
前記結晶性樹脂(C)としては、結晶性を有する樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリエステル樹脂、主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する変性結晶性樹脂(ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂等)、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂が、樹脂としての結晶性を保持しつつ、高い硬度を示す点で好ましい。
−結晶性ポリエステル樹脂−
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記物質(A)として挙げた結晶性ポリエステル樹脂と同様のものが挙げられる。これらの中でも、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、脂肪族ジオールが好ましい。
前記脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,10−デカンジオール、1,9−ノナンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールが好ましく、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,9−ノナンジオールがより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、1,10−ドデカン二酸等の炭素数2〜12の脂肪族カルボン酸が好ましく、結晶化度を高くする点で脂肪族カルボン酸がより好ましい。
−結晶性ポリウレタン樹脂−
前記ポリウレタンユニットとしては、例えば、ジオール、3価以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタン樹脂が好ましい。
前記ジオール及び前記3価以上のポリオールとしては、例えば、前記ポリエステル樹脂において挙げた前記ジオール及び前記3価以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香脂肪族ジイソシアネート類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、前記ジイソシアネートの変性物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等の変性MDI、イソシアネート含有プレポリマー等のウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物;これらジイソシアネートの変性物の2種以上の混合物(例えば、変性MDIとウレタン変性TDIとの併用)などが挙げられる。
−結晶性ポリウレア樹脂−
前記結晶性ポリウレア樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。これらの中でも、前記ジアミンと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレア樹脂が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が好ましい。また、必要により、前記3価以上のポリアミンを使用してもよい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等);炭素数4〜18のポリアルキレンジアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等〕;これらの炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体(ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等);脂環又は複素環含有脂肪族ジアミン{炭素数4〜15の脂環式ジアミン〔1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等〕、炭素数4〜15の複素環式ジアミン〔ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等〕};炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン類(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等)、などが挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非置換芳香族ジアミン〔1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン等〕;炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン〔2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物;核置換電子吸引基(Cl、Br、I、F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ジアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等〕;二級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチル等の低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったもの等{4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等}〕などが挙げられる。
前記3価以上のアミン類としては、例えば、ポリアミドポリアミン〔ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等〕;ポリエーテルポリアミン〔ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等〕などが挙げられる。
−変性結晶性樹脂−
前記結晶性結着樹脂(C)は、粘弾性調整のために、主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する変性された結晶性樹脂(以下、「変性結晶性樹脂」と称することがある。)を含有していてもよい。前記変性結晶性樹脂は、直接結着樹脂に混合しても良いが、製造性の観点から、末端にイソシアネート基を有する比較的低分子量の変性結晶性樹脂(以下プレポリマーと表記することがある)と、これと反応するアミン類を結着樹脂に混合し、造粒中/又は造粒後に鎖伸長又は/及び架橋反応して該ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する変性結晶性樹脂とすることが好ましい。こうすることにより、粘弾性調整のための比較的高分子量の変性結晶性樹脂を含有させることが容易となる。
−−プレポリマー−−
前記イソシアネート基を有するプレポリマーとしては、前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
−−−ポリイソシアネート−−−
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α
’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;及びこれら2種以上の併用が挙げられる。
[イソシアネート基と水酸基の比]
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、更に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは2〜20質量%である。0.5質量%未満では、耐オフセット性が悪化する。また、40質量%を超えると低温定着性が悪化する。
[プレポリマー中のイソシアネート基の数]
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、更に好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、鎖伸長及び/又は架橋後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐オフセット性が悪化する。
−−−鎖伸長及び/又は架橋剤−−−
本発明において、鎖伸長及び/又は架橋剤として、アミン化合物を用いることができる。
前記アミン化合物(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記(B1)〜前記(B5)のいずれかのアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ジアミン(B1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミン等の脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記(B1)〜前記(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(B1)〜前記(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらのアミン化合物(B)の中でも、前記ジアミン(B1)及び該ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物が好ましい。
[アミノ基とイソシアネート基の比率]
前記アミン化合物(B)の比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記アミン化合物(B)中のアミノ基[NHx]の数が、前記末端にイソシアネート基を有する変性樹脂中のイソシアネート基[NCO]の数の、4倍以下が好ましく、2倍以下がより好ましく、1.5倍以下が更に好ましく、1.2倍以下が特に好ましい。前記アミン化合物(B)の比率([NHx]/[NCO])が、4倍を超えると、過剰のアミノ基がイソシアネートをブロックしてしまい変性樹脂の伸長反応が起きないため、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−−停止剤−−−
更に、必要により鎖伸長及び/又は架橋反応は停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
なお、結晶性樹脂は、例えば、DSC測定において融点で吸熱量が極大値を示す樹脂を指す。一方、非結晶性樹脂は、ガラス転移に基づく緩やかなカーブが観測される樹脂を指す。
前記結晶性樹脂(C)の融点Tmとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜70℃が好ましく、55℃〜65℃がより好ましい。前記融点が50℃以上であると、トナーが真夏などの高温環境下に置かれたときに変形する、トナー粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなるということがない。また70℃以下であることにより定着性が良好となる。
前記結晶性樹脂(C)は、重量平均分子量が10,000〜40,000の結晶性樹脂を含有することが好ましい。重量平均分子量が10,000以上である結晶性樹脂を含有することにより耐熱保存性が良好となり、重量平均分子量が40,000以下であると低温定着性が良好となる。
前記結晶性樹脂(C)は、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上である。50質量%以上で、トナーが良好な低温定着性と耐熱保存性を両立することができる。
前記トナーは、結晶性樹脂(C)として、第1の結晶性樹脂と、該第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量Mwが大きい第2の結晶性樹脂を含むことが好ましい。
第1の結晶性樹脂に更に、第1の結晶性樹脂より重量平均分子量Mwの大きい第2の結晶性樹脂を加えることで、第1の結晶性樹脂で低温定着を達成しつつ、第2の結晶性樹脂で更にホットオフセットを防ぐことができる。
前記第1の結晶性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂であってもよく、また、主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する変性結晶性樹脂であってもよい。
前記第1の結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂である場合、前記第2の結晶性樹脂は、結晶性の樹脂であれば第1の結晶性樹脂同様、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する変性結晶性樹脂が好ましい。前記主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する変性結晶性樹脂としては、末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂を伸長させてなる変性結晶性樹脂が好ましい。
前記第1の結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性と耐熱保存性の両立性の観点から10,000〜40,000が好ましく、15,000〜35,000がより好ましく、20,000〜30,000が特に好ましい。前記Mw1が、10,000より小さい場合はトナーの耐熱保存性が悪化する傾向にあり、40,000より大きい場合はトナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
前記第2の結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw2)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から、40,000〜300,000が好ましく、50,000〜150,000が特に好ましい。前記Mw2が、40,000より小さい場合はトナーの耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、300,000より大きい場合は特に低温での定着時にトナーが充分に溶融せず、画像の剥がれが生じ易くなるため、トナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
前記第1の結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw1)と前記第2の結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw2)の差(Mw2−Mw1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましい。前記差が、5,000より小さい場合は、トナーの定着幅が狭くなる傾向にあるため、好ましくない。
前記第1の結晶性樹脂(1)と、前記第2の結晶性樹脂(2)との質量比率〔(1)/(2)〕としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、95/5〜70/30が好ましい。前記比率が、95/5を超える場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、前記比率が、70/30未満である場合には、トナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−マスターバッチ−
前記着色剤は、樹脂(結着樹脂)と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
前記マスターバッチにおいて、前記着色剤と共に混練されるマスターバッチ用の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。また、前記非結晶性樹脂(R)と同様のものや、後述する変性樹脂なども用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合及び/又は混練する方法などが挙げられる。このとき、前記着色剤と前記マスターバッチ用の樹脂との相互作用を高めるために、有機溶剤を用いてもよい。
また、所謂フラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを前記マスターバッチ用の樹脂及び有機溶剤と共に混合及び/又は混練し、前記着色剤を前記マスターバッチ用の樹脂側に移行させ、水分及び有機溶剤成分を除去する方法も、前記着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。
前記混合及び/又は混練する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3本ロールミル等の高せん断分散装置を用いる方法が好ましい。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中に、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。前記着色剤の含有量が、1質量%未満であると、印刷した際の文字や画像の濃度が低下し、画質が低下することがあり、30質量%を超えると、樹脂成分が相対的に低下するため、トナーが紙に定着し難くなることがある。
<その他の成分>
前記トナーにおける前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電制御剤、分散安定剤、磁性体、流動性向上剤、クリーニング性向上剤などが挙げられる。また、後述する変性樹脂やアミン化合物を含んでいてもよい。
また、前記その他の成分の含有量としても、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものが全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
前記帯電制御剤の具体例としては、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、クラリアント社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の含有量としては、本発明の効果を妨げず、定着性などへの阻害が起こらない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー中に、0.5質量%〜5質量%が好ましく、0.8質量%〜3質量%がより好ましい。
−分散安定剤−
前記分散安定剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機分散剤、保護コロイドなどが挙げられる。
前記無機分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
前記保護コロイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のビニルアルコール;前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物とのエステル類或いはこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−磁性体−
前記磁性体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、又は他の金属酸化物を含む酸化鉄、;鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金;又はこれらの混合物などが用いられる。
前記磁性体としては、例えば、Fe、γ−Fe、ZnFe、YFe12、CdFe、GdFe12、CuFe、PbFe12O、NiFe、NdFeO、BaFe1219、MgFe、MnFe、LaFeO、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、四三酸化鉄、γ−三二酸化鉄の微粉末が特に好ましい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤として、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子におけるシリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、該ポリマー微粒子の体積平均粒径としては、0.01μm〜1μmが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2μm〜8μmが好ましく、4μm〜6.5μmがより好ましい。また、前記トナーの個数平均粒径(Dn)としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.6μm〜8μmが好ましく、3.2μm〜5.2μmがより好ましい。前記体積平均粒径(Dv)と前記個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.25以下が好ましく、1.00〜1.15がより好ましい。前記Dv/Dnが前記より好ましい範囲であると、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存安定性の全ての性能に優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れる点て有利である。更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒径の変動が少なくなり、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる点で有利である。
また、本発明のトナーにおいて、フロー式粒子像分析装置によって測定される平均円形度の値は、0.97以上が好ましい。前記フロー式粒子像分析装置によって測定される平均円形度が、0.97以上である場合に、ライン画像における転写抜けが少ない良好な画像が得られる。更に好ましくは、その平均円形度が0.98以上である。これは、トナー表面が充分に滑らかな為、像支持体との接点が減少し、静電荷保持体から転写材へのトナーの虫喰い転写不良が減少するためと考えられる。
本発明において前記平均円形度の測定は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2100、株式会社SYSMEX製)を用いて測定することができる。装置及び測定の概略は、特開平8−136439号公報に記載されている。測定は、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%塩化ナトリウム水溶液を調製した後、0.45μmのフィルターを通した液50mL〜100mLに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1mL〜5mL加え、試料を1mg〜10mg加える。これを、超音波分散器で1分間の分散処理を行い、粒子濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLに調整した分散液を用いて測定を行う。
前記粒子濃度の測定は、CCDカメラで撮像した2次元の画像面積と、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出を行う。CCDの画素の精度から、円相当径で0.6μm以上を有効とし粒子個数を得る。平均円形度Xは、下記式により得られるものである。
平均円形度X=Σ(L0/L)/n
ただし、「L0」は、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を表し、「L」は、粒子の投影像の周囲長を表し、「n」は、全粒子数を表す。
本発明のトナーにおける平均円形度は、トナー形状の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.0を示し、表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、コールターカウンター法により、粒度分布測定装置(例えば、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII、コールターマルチサイザーIII(いずれもベックマン・コールター株式会社製)など)を用いて測定することができる。
具体的には、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて約1質量%塩化ナトリウム水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(ベックマン・コールター株式会社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。前記測定試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行い、前記粒度分布測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積及び個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明の前記トナーについて、図面を用いて詳細に説明する。図1Aは、本発明のトナーの構造の一例を示す概略説明図であり、図1Bは、本発明のトナーの構造の一例(実施例15)を示すSTEM観察結果を示す写真であり、図1Cは、従来のトナーの構造を示す概略説明図である。
本発明のトナー10は、図1Aに示すように、結着樹脂1からなる粒子中に、離型剤(RA)2からなる粒子を含む。離型剤(RA)2は、カプセル3内に存在し、該カプセル3は、結着樹脂1とは異なる樹脂(I)を含む。
本発明のトナーは、このような構造を有することにより、平常時(23℃、大気圧0.1MPa、相対湿度50%)において離型剤(RA)2がトナー10の表面に露出することを防止することができる。
一方、従来の離型剤を内部に含むトナー20は、図1Cに示すように、結着樹脂1からなる粒子中に、離型剤(RA)2が結着樹脂1と接触するように含まれている。このような構造であると、トナー20がストレスを受けて結着樹脂1が変形や劣化してしまった場合、離型剤(RA)2からなる粒子の一部がトナー20の表面に露出してしまい、結果的にトナー20の耐熱保存安定性が悪くなるという問題がある。
<用途>
本発明の前記トナーは、優れた低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存安定性を全て併せ持つため、電子写真用トナー、現像剤、フルカラー画像形成方法及び画像形成装置、プロセスカートリッジなどに好適に用いることができる。
(トナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法は、カプセル化工程と、分散工程とを少なくとも含み、洗浄工程、乾燥工程を含むことが好ましく、必要に応じて、更にその他の工程を含む。
<カプセル化工程>
前記カプセル化工程は、前記離型剤(RA)を、前記結着樹脂とは異なる樹脂(I)で形成されたカプセルに内包する工程である。なお、本発明のトナーの製造方法に用いる前記離型剤(RA)、前記結着樹脂、前記非結晶性樹脂(R)、及び前記樹脂(I)は、本発明の前記トナー中のものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
前記離型剤(RA)を前記樹脂(I)で形成されたカプセルに内包する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記(1)〜(4)に記載の方法などが挙げられる。
(1)前記離型剤(RA)の微粒子を予め作製し、該離型剤(RA)の微粒子の周囲を前記樹脂(I)で被膜(前記樹脂(I)から形成されたカプセルに内包)する方法。
(2)溶剤中に前記離型剤(RA)と、前記樹脂(I)を溶解させてなる微粒子を作製した後、前記溶剤を除去し、前記離型剤(RA)と、前記樹脂(I)とを相分離をさせながら、前記離型剤(RA)を前記樹脂(I)で形成されたカプセルに内包させる方法。
(3)前記樹脂(I)を溶解した溶液中に、前記離型剤(RA)を微粒子として分散させた分散液の微粒子を作製した後、前記溶剤を除去して、前記樹脂(I)で形成されたカプセルに前記離型剤(RA)を内包する方法。
(4)前記樹脂(I)の原料となるモノマーを含む溶液(以下、「モノマー溶液」と称することがある。)中に、前記離型剤(RA)を溶解、若しくは該離型剤(RA)を微粒子として分散させ微粒子を得た後、前記樹脂(I)の原料となるモノマーを重合させて樹脂(I)とすることで、前記離型剤(RA)を内包する前記樹脂(I)を含むカプセルを形成する方法。
これらの方法の中でも、前記(4)に記載の方法が、前記樹脂(I)を含むカプセルに、前記離型剤(RA)を均一に内包でき、均一なカプセル粒子が得られやすい点で好ましい。
前記(4)に記載の方法において、前記モノマー溶液中に、前記離型剤(RA)を微粒子として分散させた微粒子を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記モノマー溶液を水系媒体で調製し、該水系媒体中に前記離型剤(RA)分散させる方法が、後に前記樹脂(I)の原料となるモノマーを重合させやすい点で好ましい。前記樹脂(I)の原料となるモノマーの重合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、懸濁重合法、ミニエマルション重合法などが挙げられる。
<分散工程>
前記分散工程は、前記離型剤内包カプセルを前記結着樹脂中に分散させる工程である。この分散工程により、前記カプセルに内包された離型剤(RA)をトナー中に導入することができる。
前記分散工程を行う方法としては、例えば、下記(1)〜(3)に記載の方法などが挙げられる。
(1)前記離型剤内包カプセルを溶解又は分散させた油相を調製し、該油相を水相に分散させて、前記離型剤内包カプセルを含む油滴を含む油滴分散液を調製する方法。
(2)前記離型剤内包カプセルを分散させた水相を調製し、該水相に油相を分散させて油滴を調製する際に、該油滴の内部に前記離型剤内包カプセルを取りこませる方法。
(3)水相中に油相を分散させて油滴を含む油滴分散液を調製し、該油滴分散液に前記離型剤内包カプセルを添加し、前記油滴の内部に前記離型剤内包カプセルを取りこませる方法。
これらの中でも、前記(1)に記載の方法が、油滴中に前記離型剤内包カプセルを確実に取り込ませることができる点で好ましい。したがって、前記分散工程は、油相調製処理と、水相調製処理と、油滴分散液調製処理とを含むことが好ましい。また、前記油滴分散液調製処理後に、油相中の溶剤を脱溶剤する脱溶剤処理を含むことがより好ましい。
−油相調製処理−
前記油相調製処理は少なくとも前記離型剤内包カプセル及び前記着色剤を有機溶剤中に溶解又は分散させた油相を調製する処理である。前記油相は、必要に応じて、更に変性樹脂、アミン化合物、前記帯電制御剤などを含有していてもよい。
前記油相調製処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、撹拌をしながら、有機溶剤中に前記離型剤内包カプセルや着色剤などを徐々に添加していき、溶解或いは分散させる方法などが挙げられる。
このとき、着色剤として顔料を用いる場合や、帯電制御剤等の有機溶剤に溶解しにくいようなものを添加する場合は、有機溶剤への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。前記着色剤(顔料)の粒子を小さくする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記着色剤として前記マスターバッチを用いる方法などが挙げられ、前記帯電制御剤にも、前記マスターバッチと同様の方法を適用することができる。
また、前記着色剤等の粒子を小さくする別の方法としては、有機溶剤中で、必要に応じて分散助剤を添加し、該着色剤などを湿式で分散し、ウエットマスターを得る方法;有機溶剤の沸点未満で溶融するようなものを分散する場合、有機溶剤中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに撹拌しながら加熱を行い一旦溶解させた後、撹拌若しくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法;などが挙げられる。
これらの方法を用いて分散された着色剤は、有機溶剤中に前記離型剤内包カプセルとともに溶解或いは分散された後、更に分散を行ってもよい。分散に際しては、公知のビーズミルやディスクミル等の分散機を用いることができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、沸点が100℃未満の揮発性の有機溶剤が、後述する脱溶剤処理が容易になる点で好ましい。
このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤中に溶解或いは分散させる樹脂が、ポリエステル骨格を有する樹脂である場合、前記有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系の溶剤、若しくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の溶剤が、溶解性が高い点で好ましい。
これらの中でも、前記有機溶剤としては、脱溶剤処理が容易になる点で、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
−−変性樹脂−−
前記油相は、得られるトナーの力学的強度を高めたり、静電潜像現像用トナーとして用いる場合においては力学的強度に加え定着時における耐ホットオフセットを防止したりする目的で、末端にイソシアネート基を有する変性樹脂(「プレポリマー」とも称する。)を含有していてもよい。
前記変性樹脂のイソシアネート基は、後述する油滴分散液調製処理において、水相中に油相を分散させた粒子(油滴)を得る過程で、加水分解をして一部がアミノ基となる。この生成したアミノ基は、未反応のイソシアネート基と反応していき、伸長反応が進行していく。
前記変性樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)イソシアネートを含有するモノマーとともに重合反応をしてイソシアネート基を有する樹脂を得る方法、(2)末端に活性水素を有する樹脂を重合して得た後、ポリイソシアネートと反応させることでポリマー末端にイソシアネート基を導入する方法などが挙げられる。これらの中でも、末端にイソシアネート基を導入するという制御性から、後者の(2)に記載の方法が好ましく採用され得る。
前記末端に活性水素を有する樹脂における該活性水素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらの中でも、アルコール性水酸基が好ましい。
前記変性樹脂の骨格としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粒子の均一性を考慮すると有機溶剤に溶解する前記結着樹脂と同じものを用いるのが好ましく、ポリエステル骨格を有するものが特に好ましい。
前記末端に活性水素を有する樹脂における該活性水素がアルコール性水酸基であり、前記変性樹脂の骨格がポリエステル骨格である場合、該アルコール性水酸基をポリエステル骨格の末端に有する変性樹脂を製造する方法としては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合において、ポリオールの官能基数をポリカルボン酸の官能基数よりも多めにして重縮合反応を行う方法などが挙げられる。
−−アミン化合物−−
前記油相は、前記変性樹脂の伸長反応を確実に反応させる、若しくは架橋点を導入する目的で、アミン化合物を併用することが好ましい。前記アミン化合物としては、前記変性結晶性樹脂において挙げた前記アミン化合物(B)と同様のものが挙げられる。
−−帯電制御剤−−
前記油相において、必要に応じて帯電制御剤を有機溶剤中に溶解或いは分散させておいてもよい。前記帯電制御剤としては、前記例示したものなどが挙げられる。
−水相調製処理−
前記水相調製処理は、少なくとも水系媒体及び界面活性剤を含有する水相を調製する処理である。前記水相には、必要に応じて、更に前記分散安定剤を含有していてもよい。
−−水系媒体−−
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用してもよい。前記水と混和可能な溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール;ジメチルホルムアミド;テトラヒドロフラン;メチルセルソルブ等のセルソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−界面活性剤−−
前記界面活性剤は、前記水系媒体中に前記油相を分散させて油滴を作製する目的で用いられる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型の陽イオン界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン性界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、ポリオール誘導体等の非イオン性界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤などが挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量で油相を分散させる効果をあげることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フルオロアルキル基を有する陰イオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
また、前記フルオロアルキル基を有する陽イオン性界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級若しくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
−−分散安定剤−−
前記水相は、後述する油滴分散液調製処理において、油滴の分散性を向上させる目的で、無機分散剤や保護コロイド等の前記分散安定剤を含有していてもよい。前記水相が分散安定剤を含有していると、得られるトナーの粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
−油滴分散液調製処理−
前記油滴分散液調製処理は、前記水相中に前記油相を分散させ、油相からなる油滴が分散した油滴分散液を調製する処理である。
前記油滴分散液の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等を利用した公知の装置を使用して調製する方法などが挙げられる。これらの中でも、所望の粒径を有する油滴が調製できる点で、高速せん断式が好ましい。
前記油滴分散液中の油滴の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2μm〜20μmが好ましく、2μm〜10μmがより好ましい。
前記油滴分散液調製処理を行う温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜40℃が好ましく、10℃〜30℃がより好ましい。前記温度が、40℃を超えると、分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなることがあり、0℃未満であると、分散液の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下することがある。
−脱溶剤処理−
前記脱溶剤処理は、前記油滴分散液から前記有機溶剤を脱溶剤して前記水系媒体及びトナー粒子を含む分散スラリーを調製する処理である。なお、本発明において、分散スラリーとは、水系媒体中にトナー粒子が分散された流動性のある状態をいう。
前記脱溶剤処理において脱溶剤を行う方法としては、例えば、下記(1)〜(3)に記載の方法などが挙げられる。これらの方法は、1種単独で実施してもよく、2種以上を併用して実施してもよい。
(1)前記油滴分散液全体を撹拌しながら徐々に昇温し、該油滴分散液中(油滴中)の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法。
(2)前記油滴分散液全体を撹拌しながら該油滴分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、前記油滴分散液中(油滴中)の有機溶剤を完全に除去する方法。
(3)前記油滴分散液全体を撹拌しながら減圧し、前記油滴分散液中(油滴中)の有機溶剤を蒸発除去する方法。
これらの中でも、前記脱溶剤処理は、(1)に記載の方法が好ましい。
なお、前記脱溶剤処理が、前記(2)前記油滴分散液全体を撹拌しながら該油滴分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、該油滴分散液中(油滴中)の有機溶剤を完全に除去する方法である場合、前記乾燥雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、油滴分散液中の有機溶剤の最高沸点以上の温度に加熱された各種気流などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記脱溶剤処理は、装置を用いて行うことができ、該装置としては、例えば、スプレードライヤー、ベルトドライヤー、ロータリーキルンなどが挙げられる。これらの装置を用いると、短時間の処理で十分に目的とする品質のトナーを得ることができる。
<洗浄工程>
前記洗浄工程は、前記トナー粒子を洗浄する工程である。前記脱溶剤処理により得られた分散スラリーには、トナー粒子以外に、界面活性剤や分散安定剤等の副材料が含まれていることがあるため、該分散スラリーからトナー粒子のみを取り出すために洗浄を行うことが好ましい。
前記洗浄工程において洗浄を行う方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などが挙げられる。
いずれの方法によってもトナー粒子からなるケーキ体が得られるが、一度の操作で十分に洗浄できない場合は、得られたケーキを再度水系溶剤に分散させて分散スラリーにし、前記洗浄工程を繰り返し実施してもよい。
前記洗浄工程が、減圧濾過法やフィルタープレス法によって行われる場合、水系溶剤を前記トナー粒子からなるケーキ体に貫通させてトナー粒子が抱き込んだ副材料を洗い流す方法を採用してもよい。
前記洗浄工程に用いる前記水系溶剤としては、通常、水、或いは水にメタノール、エタノール等のアルコールを混合した混合溶剤などが用いられる。これらの中でも、コストや排水処理などによる環境負荷の点で、水が好ましい。
なお、前記水相中に分散安定剤を添加した場合であって、該分散安定剤としてリン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法が好ましい。また、酵素により分解する方法を用いてもよい。
前記分散安定剤を使用した場合は、該分散安定剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去する方が、トナーの帯電面から好ましい。
<乾燥工程>
前記乾燥工程は、前記洗浄工程後の前記トナー粒子から前記水系媒体を除去して乾燥させる工程である。これにより、前記水系媒体を多く抱き込んだ前記洗浄工程後のトナー粒子からトナー粒子のみを得ることができる。
前記乾燥工程は、トナー粒子の水分量が最終的に、トナー粒子に対して1質量%未満になるまで行うことが好ましい。
前記乾燥工程においてトナーを乾燥する方法としては、前記洗浄工程後の前記トナー粒子から前記水系媒体を除去することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等の乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を妨げない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熟成工程、解砕工程などが挙げられる。
−熟成工程−
前記熟成工程は、前記分散工程の油滴分散液調製処理後、前記脱溶剤処理前に行う工程であり、前記油相中に末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を含有している場合、該イソシアネート基の伸長反応及び/又は架橋反応を進行させる工程である。
前記熟成工程を行う温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜40℃が好ましく、15℃〜30℃がより好ましい。
前記熟成工程を行う時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
−解砕工程−
前記解砕工程は、前記乾燥工程後に行う工程であり、前記トナー粒子が軟凝集している際に、該軟凝集したトナー粒子をほぐす工程である。
前記解砕工程において軟凝集したトナー粒子を解砕する方法としては、例えば、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサー等の装置を用いる方法などが挙げられる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、少なくとも本発明の前記トナーを含み、更に必要に応じてキャリアなどのその他の成分を含む。
前記現像剤としては、本発明の前記トナーを含有する限り、特に制限はなく、前記トナーのみからなる一成分現像剤であってもよいし、前記トナーとキャリアとからなる二成分現像剤であってもよい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
前記キャリアは、被覆されていることが好ましい。被覆材料としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記被覆材料は、必要に応じて、導電粉等を被覆材料中に含有させてもよい。前記導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記導電粉は、平均粒径1μm以下のものが好ましい。平均粒径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記二成分系現像剤として用いる場合、前記現像剤中の前記キャリアと前記トナーとの含有比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、キャリア100質量部に対して、トナー1質量部〜10質量部が好ましい。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、感光体と、現像手段とを一体化してなり、更に必要に応じて適宜選択した、静電潜像形成手段、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。前記プロセスカートリッジは、画像形成装置に対して着脱可能である。
前記現像手段は、本発明の前記トナーを含む現像剤で前記感光体上の静電潜像を現像して可視像を形成する手段である。
<感光体>
前記感光体(「静電潜像担持体」、「電子写真感光体」、「潜像担持体」などと称することがある。)の材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)などが挙げられる。前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさや仕様等に応じて適宜選択することができる。
<静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成手段としては、前記感光体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光体の表面を帯電させる帯電部材と、前記感光体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
<<帯電部材>>
前記帯電部材は、前記感光体の表面を一様に帯電させる部材である。前記帯電は、例えば、前記感光体の表面に電圧を印加する方法などが挙げられる。
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
<<露光部材>>
前記露光部材は、前記帯電部材により一様に帯電された感光体の表面を像(静電潜像)様に露光する部材である。
前記露光部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器などが挙げられる。
<現像手段>
前記現像手段は、本発明の前記トナーを含む現像剤で前記感光体上の前記静電潜像を現像して可視化する手段である。前記現像手段としては、特に制限はなく、公知の現像器の中から、目的に応じて適宜選択することができる。
<転写手段>
前記転写手段は、前記現像手段により現像した可視像(画像)を記録媒体に転写する手段である。転写は、中間転写体を用いて行われることが好ましく、前記転写手段としては、前記可視像を中間転写体上に転写して転写像を形成する1次転写手段と、該転写像を記録媒体上に転写する2次転写手段とを有することが好ましい。
前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記1次転写手段、前記2次転写手段)としては、前記感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
<定着手段>
前記定着手段は、記録媒体に転写された可視像を定着させる手段である。前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましい。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、80℃〜200℃が好ましい。
<クリーニング手段>
前記クリーニング手段は、前記感光体上に残留する現像剤を除去する手段である。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する現像剤を除去することができればよく、公知のクリーニング手段の中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシや静電ブラシ等のブラシ、磁気ローラ、ブレード、ウエブなどが挙げられる。
<除電手段>
前記除電手段は、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う手段である。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
以下に図面を用いて本発明のプロセスカートリッジについて説明するが、本発明のプロセスカートリッジはこれに限られるものではない。
図2は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略断面図である。プロセスカートリッジ100は、感光体101、現像手段104、帯電手段102、クリーニング手段107、転写手段としての転写ローラ108を有し、必要に応じて、更にその他の手段を有する。図2において、符号103は、図示しない露光装置からの露光を示し、符号105は、紙等の記録媒体を示す。
図2に示すプロセスカートリッジ100は、感光体101が矢印方向に回転しながら、帯電手段102により帯電された後、露光手段(図示せず)からの露光103により、感光体101の表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で本発明の前記トナーを用いて現像されてトナー像が形成される。該トナー像は、転写ローラ108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体101は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、前記操作を繰り返す。
<用途>
前記プロセスカートリッジは、優れた低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存安定性を全て併せ持つ本発明の前記トナーを含む現像剤を用いるため、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンターなどに好適に用いることができる。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、更に必要に応じてクリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記静電潜像形成手段は、前記感光体上に静電潜像を形成する手段である。
前記現像手段は、本発明の前記トナーを含む現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する手段である。
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段である。
前記定着手段は、前記記録媒体に転写された前記可視像を定着させる手段である。
前記感光体としては、前記プロセスカートリッジにおける前記感光体と同様のものを使用できる。
前記静電潜像形成手段としては、前記プロセスカートリッジにおける前記静電潜像形成手段と同様のものを使用できる。
前記現像手段としては、前記プロセスカートリッジにおける前記現像手段と同様のものを使用できる。
前記転写手段としては、前記プロセスカートリッジにおける前記転写手段と同様のものを使用できる。
前記定着手段としては、前記プロセスカートリッジにおける前記定着手段と同様のものを使用できる。
前記その他の手段としては、前記プロセスカートリッジにおける前記その他の手段と同様のものを使用できる。
本発明の画像形成装置の一例を、図を用いて説明する。
図3に示す画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、前記露光部材である露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には前記定着手段である定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、或いは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図4に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M、及びシアン用感光体10C)と、該感光体10を一様に帯電させる前記帯電部材である帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図4中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する前記現像手段である現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。或いは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、或いは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、特に明記しない限り、「部」は、「質量部」を表し、「%」は、「質量%」を表す。ただし、実施例26は参考例に読み替える。

以下の合成例、調製例、実施例、及び比較例について、各測定、各評価などは以下に示す方法を用いた。
<平均エステル基濃度の測定>
平均エステル基濃度は、下記式(1)より算出した。
平均エステル基濃度=Σ(44/Mwi×Wi) ・・・式(1)
前記式(1)において、「Mwi」は、エステル基を有するビニルモノマーの分子量を表し、「Wi」は、エステル基を有するビニルモノマーの仕込み比率(質量%)を表す。
<数平均分子量及び重量平均分子量の測定>
数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件で測定した。
装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:Shodex(登録商標)KF801〜807(昭和電工株式会社製)
カラム温度:40℃
溶剤:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0mL/分間
検出器:RI(屈折率)検出器
試料:濃度0.05質量%〜0.6質量%の試料を0.1mL注入
上記条件で測定した樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して樹脂の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Shodex(登録商標)STANDARD(昭和電工株式会社製)のStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いた。
<ガラス転移温度の測定>
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)装置(TG−DSCシステム TAS−100、理学電気株式会社製)を用いて以下の方法で測定した。
測定試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットした。室温から昇温速度10℃/分間で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、室温まで試料を冷却後、更に10分間放置し、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分間で加熱してDSC測定を行った。ガラス転移温度(Tg)は、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
<軟化点の測定>
軟化点は、フローテスター(CFT−500D、株式会社島津製作所製)を用い、測定試料(樹脂)1gを昇温速度6℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
<酸価の測定>
酸価は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定した。
測定試料(ポリエステル樹脂)0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mLに添加して室温(約23℃)で約10時間撹拌して溶解した。更にエタノール30mLを添加して測定試料溶液を調製した。この測定試料溶液を用い、JIS K0070−1992に記載の装置にて酸価を計算した。具体的には、予め標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から下記式(3)より酸価を算出した。
酸価=KOH(mL数)×N×56.1/試料質量 ・・・式(3)
前記式(3)において、「N」は、N/10KOHのファクターを表す。
<水酸基化の測定>
水酸基価は、JISK0070−1966に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定した。
測定試料0.5gを100mLのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mLを正しく加えた。その後、100℃±5℃の浴中に浸して加熱した。1時間〜2時間後、フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解した。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁をよく洗浄した。この液を、前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行い、水酸基価を求めた。
<遊離イソシアネート濃度の測定>
遊離イソシアネート濃度は、1/2N−ジ−n−ブチルアミン/トルエン溶液20mLの入った共栓付三角フラスコにプレポリマーを採取し、1/2N−HClにて逆滴定して測定した。
<融点の測定>
融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置(TG−DSCシステム TAS−100、理学電気株式会社製)により測定した。
<カプセル構造の確認>
トナー中の離型剤がカプセルに内包されているか否かは、トナーを包埋樹脂によって包埋したものをミクロトームで切断して薄片を作製し、該薄片を走査型透過電子顕微鏡で観察した。
画像解析装置ルーゼックスAP(株式会社ニレコ製)を用いて観察した画像からカプセルの厚みを計測し、100個のカプセルの測定結果の平均値から、カプセルの平均厚みを求めた。
<離型剤(RA)分散液中の微粒子の粒径測定>
離型剤(RA)分散液中の微粒子の体積平均粒径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計(UPA−150EX、日機装株式会社製)を用い、以下の測定パラメータで測定した。なお、下記条件で、ローディングインデックスが1〜1.5の範囲になるように測定試料の濃度を調整して測定した。
粒子透過性:透過
粒子屈折率:1.59
粒子形状:真球型
溶剤種:WATER
モノディスパース:無効
<トナー中の樹脂(I)、樹脂(D)、及び離型剤(RA)の分析>
トナー1gをバイエル瓶に秤取し、N,N−ジメチルホルムアミド30mL、クロロホルム20mLを加えて3時間撹拌し、メンブランフィルターでろ過、常温乾燥によりトナー中の離型剤内包カプセル粒子を分離した。
得られた試料のうち50mgをキャップ式ガラス試験管に入れ、高周波加熱装置(QUICKER1010、DIC株式会社製)で1分間加熱し、分解物について重クロロホルム0.5mLと緩和試薬Cr(acac)とを添加し、核磁気共鳴装置(JNM−LA300、日本電子株式会社製)を用いて、13C−NMR測定を行った。また、同時に質量分析計(JMS−K9、本電子株式会社製)使用し、熱分解GC−MS測定を行った。カラムは、INERT CAP 5MS/Sil(30m×0.25mm、I.D.0.25μm)(GL Sciene社製)を使用し、昇温条件は、40℃で3分間維持した後、10℃/分間で昇温し、300℃で5分間維持した。得られた13C−NMRスペクトル及びGC−MS測定の結果より、トナー中の樹脂(I)、樹脂(D)、及び離型剤(RA)のそれぞれの量、樹脂組成及び組成比を算出した。
<トナー母体の粒径測定>
トナー母体の体積平均粒径は、コールターカウンター法で測定した。測定装置としては、粒度分布測定装置(コールターカウンターTA−II、ベックマン・コールター株式会社製)を用いた。
具体的には、電解水溶液(ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)100mL〜150mL中に分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1mL〜5mL加えた後、ここに測定試料を2mg〜20mg加えた。測定試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行い、前記粒度分布測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、個数平均粒径を求めた。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
(合成例A−1:[樹脂(D)−1]の合成)
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部及び低分子量ポリエチレン(軟化点128℃、数平均分子量4,000;サンワックスLEL−400(EX)、三洋化成工業株式会社製)150部を入れ、充分溶解させて油溶性成分含有混合液を調製し、該油溶性成分含有混合液を窒素置換した。
次いで、スチレン594部、メタクリル酸メチル255部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34.3部、及びキシレン120部からなる混合溶液を、前記油溶性成分含有混合液に155℃で2時間滴下して、前記スチレンと前記メタクリル酸メチルとを重合させた後、更に155℃で1時間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[樹脂(D)−1]を得た。
(合成例A−2:[樹脂(D)−2]の合成)
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部及び低分子量ポリエチレン(軟化点128℃、数平均分子量4,000;サンワックスLEL−400(EX)、三洋化成工業株式会社製)200部を入れ、充分溶解させて油溶性成分含有混合液を調製し、該油溶性成分含有混合液を窒素置換した。
次いで、スチレン600部、アクリル酸ブチル200部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート16.1部、及びキシレン120部からなる混合溶液を、前記油溶性成分含有混合液に155℃で2時間滴下して前記スチレンと前記アクリル酸ブチルとを重合させた後、更に155℃で1時間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[樹脂(D)−2]を得た。
(合成例A−3:[樹脂(D)−3]の合成)
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部及びカルナウバワックス(軟化点75℃、融点85℃、数平均分子量500;WA−05、株式会社セラリカ野田製)150部を入れ、充分溶解させて油溶性成分含有混合液を調製し、該油溶性成分含有混合液を窒素置換した。
次いで、スチレン594部、メタクリル酸メチル255部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34.3部、及びキシレン120部からなる混合溶液を、前記油溶性成分含有混合液に160℃で2時間滴下して前記スチレンと前記メタクリル酸メチルとを重合させた後、更に160℃で1時間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[樹脂(D)−3]を得た。
(合成例A−4:[樹脂(D)−4]の合成)
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部及び低分子量ポリプロピレン(軟化点153℃、数平均分子量9,000;ビスコール440−P、三洋化成工業株式会社製)200部を入れ、充分溶解させて油溶性成分含有混合液を調製し、該油溶性成分含有混合液を窒素置換した。
次いで、スチレン280部、メタクリル酸メチル520部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート32.3部、及びキシレン120部からなる混合溶液を、前記油溶性成分含有混合液に150℃で2時間滴下して前記スチレンと前記メタクリル酸メチルとを重合させた後、更に150℃で1時間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[樹脂(D)−4]を得た。
(合成例A−5:[樹脂(D)−5]の合成)
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部及び低分子量ポリプロピレン(軟化点153℃、数平均分子量9,000;ビスコール440−P、三洋化成工業株式会社製)150部を入れ、充分溶解させて油溶性成分含有混合液を調製し、該油溶性成分含有混合液を窒素置換した。
次いで、スチレン665部、アクリル酸ブチル185部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート8.5部、及びキシレン120部からなる混合溶液を、前記油溶性成分含有混合液に160℃で2時間滴下して前記スチレンと前記アクリル酸ブチルとを重合させた後、更に160℃で1時間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[樹脂(D)−5]を得た。
(合成例A−6:[樹脂(D)−6]の合成)
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部及び低分子量ポリプロピレン(軟化点153℃、数平均分子量9,000;ビスコール440−P、三洋化成工業株式会社製)200部を入れ、充分溶解させて油溶性成分含有混合液を調製し、該油溶性成分含有混合液を窒素置換した。
次いで、スチレン200部、メタクリル酸メチル600部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート32.3部、及びキシレン120部からなる混合溶液を、前記油溶性成分含有混合液に150℃で2時間滴下して前記スチレンと前記メタクリル酸メチルとを重合させた後、更に150℃で1時間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[樹脂(D)−6]を得た。
(合成例A−7:[樹脂(D)−7]の合成)
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン450部を入れ、窒素置換した。次いで、スチレン700部、メタクリル酸メチル300部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34.3部、及びキシレン120部からなる混合溶液を、前記キシレンに155℃で2時間滴下し前記スチレンと前記メタクリル酸メチルとを重合した後、更に155℃で1時間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[樹脂(D)−7]を得た。
[樹脂(D)−1]〜[樹脂(D)−7]の原料として用いたビニルモノマーの平均エステル基濃度、[樹脂(D)−1]〜[樹脂(D)−7]の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移温度、軟化点、及びSP値について測定した結果を下記表1に示す。
(合成例B−1:[ポリエステル樹脂(R)−1]の合成)
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物118部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物300部、テレフタル酸89部、アジピン酸18部、及びジブチルスズオキシド1部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸25部を添加し、常圧下、180℃、常圧で2時間反応し、重量平均分子量6,700、ガラス転移温度51℃、酸価20mgKOH/g、SP値11.2の[ポリエステル樹脂(R)−1]を合成した。
(合成例C−1:[結晶性ポリエステル樹脂(A)−1]の合成)
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、アジピン酸146部、1,10−デカンジオール175部、及びジブチル錫オキシド0.12部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間撹拌した。次いで、減圧にしながら4時間撹拌し、重量平均分子量16,700、数平均分子量6,500、融点68℃、SP値9.9の[結晶性ポリエステル樹脂(A)−1]を合成した。
(調製例1:[離型剤(RA)分散液−1]の調製)
<カプセル化工程>
イオン交換水281部に、ドデシル硫酸ナトリウム0.4部を入れて70℃に加熱して溶解させ水系媒体を得た。
別途、樹脂(I)としての、スチレンモノマー30部、メタクリル酸メチル30部、ブチルアクリレート5部、及びメタクリル酸2部と、離型剤(RA)としてのカルナウバワックス(融点85℃、WA−05、株式会社セラリカ野田製)33部と、前記合成例A−1で合成した[樹脂(D)−1]33部を窒素雰囲気下で80℃に加熱しながら撹拌し、均一なモノマー溶液を得た。
得られたモノマー溶液を前記水系媒体中に投入し、80℃に保ったまま窒素雰囲気下で超音波ホモジナイザー(VCX750、東京理化機械株式会社)を用い、90W〜110Wで10分間超音波照射を行い、モノマー溶液を水系媒体中に分散させた。超音波照射の途中で、超音波照射により液温が上昇するが、ウォーターバスにより、75℃〜85℃になるように調整した。
得られた分散液を、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に移し、撹拌しながら80℃に保持し、過硫酸カリウム0.5部をイオン交換水19部に溶解させたものを加え、モノマー溶液中の各成分の重合反応を180分間行った。その後、冷却して、白色の[離型剤(RA)分散液−1]を得た。
得られた[離型剤(RA)分散液−1]中の微粒子の体積平均粒径は150nmであり、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例2:[離型剤(RA)分散液−2]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]を樹脂(D−2)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−2]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−2]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例3:[離型剤(RA)分散液−3]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]を樹脂(D−3)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−3]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−3]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例4:[離型剤(RA)分散液−4]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]を樹脂(D−4)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−4]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−4]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例5:[離型剤(RA)分散液−5]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]を樹脂(D−5)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−5]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−5]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例6:[離型剤(RA)分散液−6]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]を樹脂(D−6)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−6]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−6]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例7:[離型剤(RA)分散液−7]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]33部を[樹脂(D)−1]16.5部に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−7]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−7]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例8:[離型剤(RA)分散液−8]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]33部を[樹脂(D)−1]1.98部に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−8]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−8]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例9:[離型剤(RA)分散液−9]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]33部を[樹脂(D)−1]66部に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−9]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−9]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例10:[離型剤(RA)分散液−10]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、[樹脂(D)−1]33部を[樹脂(D)−1]82.5部に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−10]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−10]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例11:[離型剤(RA)分散液−11]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、カルナウバワックス(WA−05、株式会社セラリカ野田製)を合成エステルワックス(融点82℃、ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−5、日油株式会社製)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−11]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−11]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例12:[離型剤(RA)分散液−12]の調製)
調製例11の[離型剤(RA)分散液−11]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−2]に変えたこと以外は、調製例11と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−12]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−12]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例13:[離型剤(RA)分散液−13]の調製)
調製例11の[離型剤(RA)分散液−11]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−3]に変えたこと以外は、調製例11と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−13]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−13]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例14:[離型剤(RA)分散液−14]の調製)
調製例11の[離型剤(RA)分散液−11]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−4]に変えたこと以外は、調製例11と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−14]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−14]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例15:[離型剤(RA)分散液−15]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、カルナウバワックス(WA−05、株式会社セラリカ野田製)をパラフィンワックス(融点75℃、HNP−09(日本精蝋株式会社製)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−15]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−15]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例16:[離型剤(RA)分散液−16]の調製)
調製例15の[離型剤(RA)分散液−15]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−2]に変えたこと以外は、調製例15と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−16]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−16]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例17:[離型剤(RA)分散液−17]の調製)
調製例15の[離型剤(RA)分散液−15]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−3]に変えたこと以外は、調製例15と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−17]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−17]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例18:[離型剤(RA)分散液−18]の調製)
調製例15の[離型剤(RA)分散液−15]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−4]に変えたこと以外は、調製例15と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−18]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−18]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例19:[離型剤(RA)分散液−19]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、カルナウバワックス(WA−05、株式会社セラリカ野田製)を合成エステルワックス(融点73℃、ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3、日油株式会社製)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−19]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−19]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例20:[離型剤(RA)分散液−20]の調製)
調製例19の[離型剤(RA)分散液−19]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−2]に変えたこと以外は、調製例19と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−20]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−20]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例21:[離型剤(RA)分散液−21]の調製)
調製例19の[離型剤(RA)分散液−19]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−3]に変えたこと以外は、調製例19と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−21]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−21]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例22:[離型剤(RA)分散液−22]の調製)
調製例19の[離型剤(RA)分散液−19]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−4]に変えたこと以外は、調製例19と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−22]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−22]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例23:[離型剤(RA)分散液−23]の調製)
パラフィンワックス(融点75℃、HNP−09(日本精蝋株式会社製))100部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬株式会社製)5部、及びイオン交換水300部を混合し、97℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックスT50、IKA社製)にて分散した。次いで、ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、メイワフォーシス株式会社(旧盟和商事)製)で分散処理し、105℃、550kg/cmの条件で20回処理することで、白色の[離型剤(RA)分散液−23]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−23]中の微粒子は、カプセル構造を有していなかった。
(調製例24:[離型剤(RA)分散液−24]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、カルナウバワックス(WA−05、株式会社セラリカ野田製)を低分子量ポリエチレン(融点122℃、ハイワックス200P、三井化学株式会社製)に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−24]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−24]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例25:[離型剤(RA)分散液−25]の調製)
調製例15の[離型剤(RA)分散液−15]の調製において、[樹脂(D)−1]を[樹脂(D)−7]に変えたこと以外は、調製例15と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−25]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−25]中の微粒子は、カプセル構造を有していなかった。
(調製例26:[離型剤(RA)分散液−26]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、樹脂(I)を添加しなかったこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−26]を得た。体積平均粒径は、測定できなかった。
得られた[離型剤(RA)分散液−26]中の微粒子は、カプセル構造を有していなかった。
(調製例27:[離型剤(RA)分散液−27]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、樹脂(D)を添加しなかったこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−27]を得た。体積平均粒径は、測定できなかった。
得られた[離型剤(RA)分散液−27]中の微粒子は、カプセル構造を有していなかった。
(調製例28:[離型剤(RA)分散液−28]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、ドデシル硫酸ナトリウム0.4部を0.2部に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−28]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−28]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
(調製例29:[離型剤(RA)分散液−29]の調製)
調製例1の[離型剤(RA)分散液−1]の調製において、ドデシル硫酸ナトリウム0.4部を0.1部に変えたこと以外は、調製例1と同様の方法で、白色の[離型剤(RA)分散液−29]を得た。体積平均粒径は、下記表4に示す。
得られた[離型剤(RA)分散液−29]中の微粒子は、カプセル構造を有していることが確認できた。
[離型剤(RA)分散液−1]〜[離型剤(RA)分散液−29]の調製に使用した各離型剤の特性を下記表2に、調製した[離型剤(RA)分散液−1]〜[離型剤(RA)分散液−29]について下記表3及び表4にまとめて示す。
(合成例D−1:[プレポリマー1]の合成)
冷却管、撹拌機、及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、ガラス転移温度55℃、酸価0.5、水酸基価49の[中間体ポリエステル1]を得た。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、得られた[中間体ポリエステル1]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を仕込み、100℃で5時間反応させ、遊離イソシアネートが1.53質量%の[プレポリマー1]を得た。
(合成例E−1:[結晶性ポリエステル樹脂(C)−1]の合成)
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,10−デカンジオール353部、アジピン酸289部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。次に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性ポリエステル樹脂(C)−1]を合成した。得られた[結晶性ポリエステル樹脂(C)−1]は、Mn14,000、Mw33,000、SP値10.3、融点65℃で、融点で吸熱量が極大値を示した。
(合成例E−2:[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂(C)−2]の合成)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202質量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール189質量部(1.60mol)、及び縮合触媒としてジブチル錫オキサイド0.5質量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ7,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂(C’)−2]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂(C’)−2]は、Mw7,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂(C’)−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300質量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)38質量部(0.15mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂(C)−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂(C)−2]は、Mw15,000、SP値10.5、融点65℃であり、融点で吸熱量が極大値を示した。
(合成例E−3:[結晶性樹脂前駆体(C)−3]の合成)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202質量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール122質量部(1.03mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5質量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ25,000に達するまで反応を行った。
得られた[結晶性樹脂]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)27質量部(0.16mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体(C)−3]の50質量%酢酸エチル溶液を得た。
得られた[結晶性樹脂前駆体(C)−3]の酢酸エチル溶液10質量部をテトラヒドロフラン(THF)10質量部と混合し、これにジブチルアミン1質量部を添加して、2時間撹拌させた。得られた溶液を試料としてGPC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体(C)−3]のMwは53,000であった。また、前記溶液から溶媒を除去して得られた試料についてDSC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体(C)−3]の融点は57℃であり、融点で吸熱量が極大値を示した。
(合成例F−1:[マスターバッチ1]の合成)
カーボンブラック40部、[ポリエステル樹脂(R)−1]60部、水30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
(実施例1)
<分散工程>
−油相調製処理−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記[ポリエステル樹脂(R)−1]545部、前記[結晶性ポリエステル樹脂(A)−1]181部、酢酸エチル1,450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃に維持したまま5時間保持した後、1時間で30℃まで冷却した。次いで反応容器に前記[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。[原料溶解液1]1,500部を反応容器に移し、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填したビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、3パスの条件で、[マスターバッチ1]及び[結晶性ポリエステル樹脂(A)−1]の分散を行った。次いで、[ポリエステル樹脂(R)−1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・結晶性ポリエステル分散液1]を得た。[顔料・結晶性ポリエステル分散液1]976部、イソホロンジアミン2.6部を混合撹拌機(TKホモミキサー、プライミクス株式会社製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[離型剤(RA)分散液−1]596部を加えて8,000rpmにて1分間混合し、次いで[プレポリマー1]88部を加えTKホモミキサーで回転数5,000rpmにて1分間混合して[油相1]を得た。
−水相調製処理−
イオン交換水970部、分散安定剤としての有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌し[水相1]を得た。
−油滴分散液調製処理−
前記油相調製処理で得られた[油相1]に、前記水相調製処理で得られた[水相1]1,100部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20℃〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーで回転数8,000rpm〜15,000rpmの間に調整しながら2分間混合した後、アンカー翼を取り付けた撹拌機(スリーワンモーター)で回転数130rpm〜350rpmの間に調整しながら10分間撹拌し、水相に油滴(油相の液滴)が分散された[粒子スラリー1]を得た。
<脱溶剤処理>
撹拌機及び温度計をセットした反応容器に、[粒子スラリー1]を投入し、撹拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄工程及び乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、下記(1)〜(4)に示す操作を行い、[トナー1]を得た。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで回転数12,000rpmで10分間混合した後濾過した。
(2)(1)で濾過後の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与した後、回転数12,000rpmで30分間TKホモミキサーで混合した後、減圧濾過し、再度スラリー液(リスラリー液)を得た。このリスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3)(2)のリスラリー液のpHが4となるように10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで30分間撹拌した後、濾過した。
(4)(3)で濾過後の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで回転数12,000rpmで10分間混合した後、濾過し、リスラリー液を得た。このリスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて32℃で48時間乾燥し、目開き75μmで篩い、体積平均粒径(Dv)6.2μm、体積平均粒径(Dv)/数平均粒径(Dn)1.13の[トナー母体1]を得た。ついで、この[トナー母体1]100部に疎水性シリカ0.5部及び疎水化酸化チタン0.5部を加え、混合機(ヘンシェルミキサー、株式会社三井三池製作所製)にて混合して、[トナー1]を得た。
(実施例2〜24、26、比較例1〜3、5)
実施例1において、[離型剤(RA)分散液−1]を、下記表1に示すように[離型剤(RA)分散液−2]〜[離型剤(RA)分散液−29]に変えたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー2]〜[トナー29]を得た。
(実施例25)
<分散工程>
−油相調製処理−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記[ポリエステル樹脂(R)−1]726部、酢酸エチル1,450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃に維持したまま5時間保持した後、1時間で30℃まで冷却した。次いで反応容器に前記[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液2]を得た。[原料溶解液2]1,500部を反応容器に移し、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填したビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、3パスの条件で、[マスターバッチ1]の分散を行った。次いで、[ポリエステル樹脂(R)−1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ポリエステル分散液2]を得た。[顔料・ポリエステル分散液2]976部、イソホロンジアミン2.6部を混合撹拌機(TKホモミキサー、プライミクス株式会社製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[離型剤(RA)分散液−1]596部を加えて8,000rpmにて1分間混合し、次いで[プレポリマー1]88部を加えTKホモミキサーで回転数5,000rpmにて1分間混合して[油相2]を得た。
−油滴分散液調製処理−
前記油相調製処理で得られた[油相2]に、前記水相調製処理で得られた[水相1]1,100部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20℃〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーで回転数8,000rpm〜15,000rpmの間に調整しながら2分間混合した後、アンカー翼を取り付けた撹拌機(スリーワンモーター)で回転数130rpm〜350rpmの間に調整しながら10分間撹拌し、水相に油滴(油相の液滴)が分散された[粒子スラリー2]を得た。
<脱溶剤処理>
撹拌機及び温度計をセットした反応容器に、[粒子スラリー2]を投入し、撹拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー2]を得た。
<洗浄工程及び乾燥工程>
[分散スラリー2]100部を減圧濾過した後、下記(1)〜(4)に示す操作を行い、[トナー28]を得た。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで回転数12,000rpmで10分間混合した後濾過した。
(2)(1)で濾過後の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与して、回転数12,000rpmで30分間TKホモミキサーで混合した後、減圧濾過し、再度スラリー液(リスラリー液)を得た。このリスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3)(2)のリスラリー液のpHが4となるように10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで30分間撹拌した後、濾過した。
(4)(3)で濾過後の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで回転数12,000rpmで10分間混合した後、濾過し、リスラリー液を得た。このリスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ2]を得た。
[濾過ケーキ2]を循風乾燥機にて32℃で48時間乾燥し、目開き75μmで篩い、体積平均粒径(Dv)5.6μm、体積平均粒径(Dv)/数平均粒径(Dn)1.12の[トナー母体28]を得た。ついで、この[トナー母体28]100部に疎水性シリカ0.5部及び疎水化酸化チタン0.5部を加え、混合機(ヘンシェルミキサー、株式会社三井三池製作所製)にて混合して、[トナー30]を得た。
(比較例4)
<分散工程>
−油相調製処理−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記[ポリエステル樹脂(R)−1]904部、前記[結晶性ポリエステル樹脂(A)−1]181部、カルナウバワックス(融点85℃、WA−05、株式会社セラリカ野田製)119部、酢酸エチル1,450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃に維持したまま5時間保持した後、1時間で30℃まで冷却した。次いで反応容器に前記[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液3]を得た。[原料溶解液3]1,500部を反応容器に移し、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填したビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、3パスの条件で、[マスターバッチ1]、結晶性ポリエステル、ワックスの分散を行った。次いで、[ポリエステル樹脂(R)−1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス・結晶性ポリエステル分散液3]を得た。[顔料・ワックス・結晶性ポリエステル分散液3]976部、イソホロンジアミン2.6部を混合撹拌機(TKホモミキサー、プライミクス株式会社製)で5,000rpmにて1分間混合し、次いで[プレポリマー1]88部を加えTKホモミキサーで回転数5,000rpmにて1分間混合して[油相3]を得た。
−油滴分散液調製処理−
前記油相調製処理で得られた[油相3]に、前記水相調製処理で得られた[水相1]1,100部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20℃〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーで回転数8,000rpm〜15,000rpmの間に調整しながら2分間混合した後、アンカー翼を取り付けた撹拌機(スリーワンモーター)で回転数130rpm〜350rpmの間に調整しながら10分間撹拌し、水相に油滴(油相の液滴)が分散された[粒子スラリー3]を得た。
<脱溶剤処理>
撹拌機及び温度計をセットした反応容器に、[粒子スラリー3]を投入し、撹拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー3]を得た。
<洗浄工程及び乾燥工程>
[分散スラリー3]100部を減圧濾過した後、下記(1)〜(4)に示す操作を行い、[トナー29]を得た。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで回転数12,000rpmで10分間混合した後濾過した。
(2)(1)で濾過後の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与して、回転数12,000rpmで30分間TKホモミキサーで混合した後、減圧濾過し、再度スラリー液(リスラリー液)を得た。このリスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3)(2)のリスラリー液のpHが4となるように10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで30分間撹拌した後、濾過した。
(4)(3)で濾過後の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで回転数12,000rpmで10分間混合した後、濾過し、リスラリー液を得た。このリスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ3]を得た。
[濾過ケーキ3]を循風乾燥機にて32℃で48時間乾燥し、目開き75μmで篩い、体積平均粒径(Dv)5.4μm、体積平均粒径(Dv)/数平均粒径(Dn)1.13の[トナー母体31]を得た。ついで、この[トナー母体31]100部に疎水性シリカ0.5部及び疎水化酸化チタン0.5部を加え、混合機(ヘンシェルミキサー、株式会社三井三池製作所製)にて混合して、[トナー31]を得た。
(実施例27)
<分散工程>
−油相調製処理−
温度計及び撹拌機の付いた反応容器中に、[結晶性ポリエステル樹脂C−1]100部、酢酸エチル100部を入れ、50℃まで加温し撹拌して均一相を作製して[樹脂溶液1]を得た。
<着色剤分散液の製造>
ビーカー内にカーボンブラック20部、着色剤分散剤(ソルスパーズ28000、アビシア株式会社製)4部、及び酢酸エチル76部を入れ、撹拌して均一分散させた後、ビーズミルによってカーボンブラックを微分散して、[着色剤分散液1]を得た。[着色剤分散液1]を粒子径測定装置LA−920(株式会社堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は0.3μmであった。
ビーカー内に[樹脂溶液1]75部、[着色剤分散液1]12.5部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相4]を得た。
−水相調製処理−
ビーカー内にイオン交換水200部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25%水性分散液6部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業株式会社製、「エレミノールMON−7」)30部を入れ均一に溶解し[水相4]を得た。
−油滴分散液調製処理−
次いで[水相4]を50℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、[油相4]75部を投入し、2分間撹拌し、[スラリー1]を得た。
<離型剤分散液の導入>
前記[スラリー1]を50℃で、スリーワンモーターを用いて400rpmで撹拌しながら、前記[離型剤(RA)分散液−15]15部をイオン交換水25部で希釈した後、3分間かけて滴下し、そのまま20分撹拌しつづけた。その後、スラリーサンプルを少量採取して10倍の水で希釈し、遠心分離装置を用いて遠心分離したところ、試験管の底にトナー母体粒子が沈降し、上澄み液はほぼ透明であった。
以上のようにして[スラリー2]を得た。
<脱溶剤処理>
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[スラリー2]を投入し、50℃で1時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
<洗浄工程及び乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μS/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで撹拌30分後濾過した。(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μS/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。残りの[分散スラリー1]も同様に洗浄し、[濾過ケーキ1]として追加混合した。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体32]を得た。この[トナー母体32]100部に疎水性シリカ0.5部及び疎水化酸化チタン0.5部を加え、混合機(ヘンシェルミキサー、株式会社三井三池製作所製)にて混合して、[トナー32]を得た。
(実施例28)
実施例27において、[離型剤分散液15]を[離型剤分散液19]に変更したこと以外は、実施例27と同様にして、[トナー33]を得た。
(実施例29)
実施例27において、[結晶性ポリエステル樹脂(C)−1]を、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂(C)−2]70部と[結晶性樹脂前駆体(C)−3]30部に変更した以外は、実施例27と同様の操作を行い、[トナー34]を得た。
(実施例30)
実施例28において、[結晶性ポリエステル樹脂(C)−1]を、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂(C)−2]70部と[結晶性樹脂前駆体(C)−3]30部に変更した以外は、実施例28と同様の操作を行い、[トナー35]を得た。
<評価方法>
実施例1〜30及び比較例1〜5で作製した[トナー1]〜[トナー35]について、以下に示す方法で、耐熱保存安定性(1)、耐熱保存安定性(2)、低温定着性(1)、低温定着性(2)、耐ホットオフセット性(1)、耐ホットオフセット性(2)、及びこれらの評価結果に基づく総合評価を行った。結果を下記表6に示す。また、トナーについてまとめたものを表5に示す。表5において、カプセル構造を有していたものを「○」、カプセル構造を有していなかったものを「×」で示す。
また、離型剤内包カプセル及び離型剤の微粒子の少なくともいずれかがトナーの表面からトナーの体積平均粒径の0.10倍の深さまでの領域に存在する割合(%)については、以下に示す方法で測定した。結果を表5に示す。
各トナーを常温硬化性のエポキシ樹脂中に包埋、硬化させてブロックを作製した。作製したブロックを、ダイヤモンド歯を備えたウルトラミクロトーム(ULTRACUT-S、ライカマイクロシステムズ株式会社製)で厚み80nmの薄片状にスライスしてトナーの薄片を作製し、四酸化ルテニウムで染色を施した。これを走査型透過電子顕微鏡(STEM)で観察した。得られたトナーの断面画像から、所定の領域(すなわち、前記トナーの表面から前記トナーの体積平均粒子径の0.10倍の深さまでの領域)に存在する離型剤内包カプセル及び離型剤の微粒子の割合(面積%)を算出した。離型剤内包カプセル及び離型剤の微粒子の割合(面積%)、トナー表面からの深さの測定には、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Mac−View、株式会社マウンテック製)を用いた。観察したトナー断面画像のうち、トナーの重心を通る断面画像として、トナーの体積平均粒径に対して±10%以内の径を有するトナー断面画像100個を選択した。そして、それぞれのトナー断面画像においてトナー表面から前記トナーの体積平均粒子径の0.10倍の深さまでの領域に存在する離型剤内包カプセル及び離型剤の微粒子の割合(面積%)を求め、トナー断面画像100個分の平均値を算出し、これを表5に示した。
なお、低温定着性(1)、低温定着性(2)、耐ホットオフセット性(1)、及び耐ホットオフセット性(2)の評価は、レーザプリンター(IPSiO SP C220、株式会社リコー製)の定着ユニットを取り外して、定着前の画像を取り出せるように改造し、取り外した定着ユニットは、定着ローラ上の温度及びシステムスピードを外部から任意に変更できるように改造したものを用いて行った。
−耐熱保存安定性の評価(1)−
各トナー20gをそれぞれ20mLのガラス瓶に入れ、55℃の恒温槽にて24時間静置した後、このトナーを24℃に冷却し、JIS K2235−1991に従った針入度試験にて針入度の測定を行い、下記評価基準に基づいて耐熱保存安定性を評価した。
針入度の値が大きい程、トナーの熱に対する保存性が優れていることを示す。なお、針入度が10mm未満の場合は、使用上問題が発生する可能性が高い。
[評価基準]
◎:20mm以上
○:15mm〜20mm未満
△:10mm〜15mm未満
×:10mm未満
−耐熱保存安定性の評価(2)−
各トナー20gをそれぞれ20mLのガラス瓶に入れ、ガラス瓶の上から1kgの荷重をかけて、55℃の恒温槽にて24時間静置した後、このトナーを24℃に冷却し、JIS K2235−1991に従った針入度試験にて針入度の測定を行い、下記評価基準に基づいて耐熱保存安定性を評価した。
針入度の値が大きい程、トナーの熱に対する保存性が優れていることを示す。なお、針入度が10mm未満の場合は、使用上問題が発生する可能性が高い。
[評価基準]
◎:20mm以上
○:15mm〜20mm未満
△:10mm〜15mm未満
×:10mm未満
−低温定着性の評価(1)−
改造した前記レーザプリンター(IPSiO SP C220)に各トナーを入れ、転写紙(タイプ6200Y目紙、株式会社リコー製)上に、トナーの付着量が8g/mになるように設定して40mm角の未定着ベタ画像を印字したものを19枚用意した。次に、改造した前記定着ユニットを用い、システムスピードを350mm/秒間に設定し、用意した未定着のベタ画像を通紙して画像を定着させた。定着温度を120℃から5℃刻みで200℃まで試験を行った。
定着画像について、描画試験器(AD−401、株式会社上島製作所製)を使用し、定着画像の中央部分に、サファイヤ針125μR、針回転直径8mm、荷重1gの条件で当接した状態でサファイヤ針を走行させ、サファイヤ針尖端部の走行面を目視により観察した。このとき、ある温度を境にしてサファイヤ針による引っかき傷が白い点として明らかに認められた。その引っかき傷が白い点として認められる直前の温度(最低温度)を定着下限温度とし、下記評価基準に基づいて低温定着性を評価した。
[評価基準]
◎◎:定着下限温度が110℃以下
◎○:定着下限温度が110℃超え120℃以下
◎:定着下限温度が120℃超え130℃以下
○:定着下限温度が130℃超え140℃以下
△:定着下限温度が140℃超え155℃以下
×:定着下限温度が155℃超え
−低温定着性の評価(2)−
低温定着性の評価(1)において、システムスピードについて350mm/秒間を800mm/秒間に変え、評価基準を下記の評価基準に変えたこと以外は、低温定着性の評価(1)と同様の方法で低温定着性の評価(2)を行った。
[評価基準]
◎◎:定着下限温度が120℃以下
◎○:定着下限温度が120℃超え130℃以下
◎:定着下限温度が130℃超え140℃以下
○:定着下限温度が140℃超え150℃以下
△:定着下限温度が150℃超え165℃以下
×:定着下限温度が165℃超え
−耐ホットオフセット性の評価(1)−
改造した前記レーザプリンター(IPSiO SP C220)に各トナーを入れ、転写紙(タイプ6200Y目紙、株式会社リコー製)上に、トナーの付着量が8g/mになるように設定して40mm角の未定着ベタ画像を印字したものを19枚用意した。次に、改造した前記定着ユニットを用い、システムスピードを350mm/秒間に設定し、用意した未定着のベタ画像を通紙して画像を定着させた。定着温度を120℃から5℃刻みで200℃まで試験を行った。
定着画像について、各定着後の画像の光沢を光沢度計(PG−1、日本電色株式会社製)で測定した。定着画像の光沢は、定着温度が高くなるほど徐々に高い値を示すが、ある温度を境にして光沢が低下し、画像品位が低下した。その光沢低下が開始する直前の温度を定着上限温度とし、下記評価基準に基づいて耐ホットオフセット性を評価した。
[評価基準]
◎:定着上限温度が200℃以上
○:定着上限温度が190℃以上200℃未満
△:定着上限温度が180℃以上190℃未満
×:定着上限温度が180℃未満
−耐ホットオフセット性の評価(2)−
耐ホットオフセット性の評価(1)において、システムスピードについて350mm/秒間を800mm/秒間に変えたこと以外は、耐ホットオフセット性の評価(1)と同様の方法で耐ホットオフセット性の評価(2)を行った。評価基準も耐ホットオフセット性の評価(1)と同様である。
−総合評価−
耐熱保存安定性(1)、耐熱保存安定性(2)、低温定着性(1)、低温定着性(2)、耐ホットオフセット性(1)、及び耐ホットオフセット性(2)の各評価結果における「◎◎」を5点、「◎○」を4点、「◎」を3点、「○」を2点、「△」を1点、「×」を0点とし、下記基準も基づいて総合評価した。
[評価基準]
◎◎:各評価項目に×がなく、全評価項目点数の合計が21点以上
◎○:各評価項目に×がなく、全評価項目点数の合計が19点以上21点未満
◎:各評価項目に×がなく、全評価項目点数の合計が16点以上19点未満
○:各評価項目に×がなく、全評価項目点数の合計が13点以上16点未満
△:各評価項目に×がなく、全評価項目点数の合計が13点未満
×:各評価項目のいずれかに×の数が1つ以上ある
実施例1〜30の結果より、本発明のトナーは、優れた低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存安定性を全て併せ持つため、電子写真用トナー、現像剤、フルカラー画像形成方法及び画像形成装置、プロセスカートリッジなどに好適に用いることができる。
また、本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記トナーを含む現像剤を用いるため、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンターなどに好適に用いることができる。
本発明の態様としては、例えば、以下の通りである。
<1> 結着樹脂と、離型剤内包カプセルと、着色剤とを含有するトナーであって、
前記離型剤内包カプセルが、前記結着樹脂とは異なる樹脂(I)で形成されたカプセルと、該カプセルに内包された離型剤(RA)とを含み、かつ前記結着樹脂中に存在し、
前記離型剤内包カプセルの50%〜100%が、前記トナーの表面から前記トナーの体積平均粒径の0.10倍の深さまでの領域に存在することを特徴とするトナーである。
<2> 結着樹脂が、非結晶性樹脂(R)と、前記非結晶性樹脂(R)と相溶する物質(A)とを含有する前記<1>に記載のトナーである。
<3> 離型剤内包カプセルが、前記結着樹脂とは異なる樹脂(I)、及びビニルポリマーを有し前記離型剤(RA)と親和性の高い樹脂(D)で形成されたカプセルと、該カプセルに内包された離型剤(RA)とを含み、かつ前記結着樹脂中に存在する前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 離型剤内包カプセルの平均円相当径が、50nm〜200nmである前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 樹脂(D)が、油溶性の成分にエステル基を有するビニルモノマーが導入されてなり、前記ビニルモノマーの下記式(1)より算出される平均エステル基濃度が8質量%〜30質量%である前記<3>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
エステル基濃度=Σ(44/Mwi×Wi) ・・・式(1)
前記式(1)において、「Mwi」は、前記エステル基を有するビニルモノマーの分子量を表し、「Wi」は、前記エステル基を有するビニルモノマーの仕込み比率(質量%)を表す。
<6> 樹脂(D)が、ポリオレフィン系樹脂である前記<3>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 樹脂(D)の質量と離型剤(RA)の質量との質量比〔(D)/(RA)〕が、0.01〜2.5である前記<3>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> 離型剤(RA)が、少なくとも炭化水素系ワックスを含む前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> 離型剤(RA)の融点が、80℃未満である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 物質(A)が、結晶性ポリエステルである前記<2>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 結着樹脂が、結晶性樹脂(C)を主成分として含む前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーである。
<12> 結晶性樹脂(C)として、第1の結晶性樹脂(C−1)と、前記第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量Mwが大きい第2の結晶性樹脂(C−2)を含み、前記第1の結晶性樹脂(C−1)が結晶性ポリエステルである前記<11>に記載のトナーである。
<13> 第2の結晶性樹脂(C−2)が、主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂である前記<12>に記載のトナーである。
<14> 第2の結晶性樹脂(C−2)が、末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂を伸長させてなる結晶性樹脂である前記<13>に記載のトナーである。
<15> 結晶性樹脂(C)として、第1の結晶性樹脂(C−1)と、前記第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量Mwが大きい第2の結晶性樹脂(C−2)を含み、前記第1の結晶性樹脂(C−1)が主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂である前記<11>から<14>のいずれかに記載のトナーである。
<16> 前記<1>から<15>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<17> 感光体と、前記<1>から<15>のいずれかに記載のトナーを含む現像剤で前記感光体上の静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段とを一体化してなり、画像形成装置に対して着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<18> 感光体と、該感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記<1>から<15>のいずれかに記載のトナーを含む現像剤を用いて、該静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写された該可視像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
1 結着樹脂
2 離型剤(RA)
3 カプセル
10 トナー
20 トナー
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写ローラ
100 プロセスカートリッジ
特開2006−91564号公報 特開2011−145587号公報 特開2008−70755号公報

Claims (15)

  1. 結着樹脂と、離型剤内包カプセルと、着色剤とを含有するトナーであって、
    前記離型剤内包カプセルが、前記結着樹脂とは異なる樹脂(I)、及びビニルポリマーを有し前記離型剤(RA)と親和性の高い樹脂(D)で形成されたカプセルと、該カプセルに内包された離型剤(RA)とを含み、かつ前記結着樹脂中に存在し、
    前記離型剤内包カプセルの平均円相当径が、50nm〜200nmであり、
    前記離型剤内包カプセルの50%〜100%が、前記トナーの表面から前記トナーの体積平均粒径の0.10倍の深さまでの領域に存在することを特徴とするトナー。
  2. 結着樹脂が、非結晶性樹脂(R)と、前記非結晶性樹脂(R)と相溶する物質(A)とを含有する請求項1に記載のトナー。
  3. 樹脂(D)が、油溶性の成分にエステル基を有するビニルモノマーが導入されてなり、前記ビニルモノマーの下記式(1)より算出される平均エステル基濃度が8質量%〜30質量%である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
    エステル基濃度=Σ(44/Mwi×Wi) ・・・式(1)
    前記式(1)において、「Mwi」は、前記エステル基を有するビニルモノマーの分子量を表し、「Wi」は、前記エステル基を有するビニルモノマーの仕込み比率(質量%)を表す。
  4. 樹脂(D)が、ポリオレフィン系樹脂である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 樹脂(D)の質量と離型剤(RA)の質量との質量比〔(D)/(RA)〕が、0.01〜2.5である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. 離型剤(RA)が、少なくとも炭化水素系ワックスを含む請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. 離型剤(RA)の融点が、80℃未満である請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. 物質(A)が、結晶性ポリエステルである請求項2から7のいずれかに記載のトナー。
  9. 結着樹脂が、結晶性樹脂(C)を主成分として含む請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
  10. 結晶性樹脂(C)として、第1の結晶性樹脂(C−1)と、前記第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量Mwが大きい第2の結晶性樹脂(C−2)を含み、前記第1の結晶性樹脂(C−1)が結晶性ポリエステルである請求項9に記載のトナー。
  11. 第2の結晶性樹脂(C−2)が、主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂である請求項10に記載のトナー。
  12. 結晶性樹脂(C)として、第1の結晶性樹脂(C−1)と、前記第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量Mwが大きい第2の結晶性樹脂(C−2)を含み、前記第1の結晶性樹脂(C−1)が主鎖にウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂である請求項9から11のいずれかに記載のトナー。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  14. 感光体と、請求項1から12のいずれかに記載のトナーを含む現像剤で前記感光体上の静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段とを一体化してなり、画像形成装置に対して着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  15. 感光体と、該感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、請求項1から12のいずれかに記載のトナーを含む現像剤を用いて、該静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写された該可視像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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