JP6492860B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDFInfo
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Description
即ち、<1>に係る発明は、
スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と着色剤とを含有するコア部と、前記コア部を被覆し、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層と、を有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナー。
前記コア部が、結晶性ポリエステル樹脂を更に含有する<1>に記載の静電荷像現像用トナー。
前記トナー粒子中に含有される樹脂成分に占める前記結晶性ポリエステル樹脂の割合が、10質量%以上30質量%以下である<2>に記載の静電荷像現像用トナー。
前記トナー粒子に占める前記離型剤の割合が、2質量%以上5質量%以下である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
前記トナー粒子中に含有される離型剤に占める前記シェル層に含有される離型剤の割合が、70質量%以上100質量%以下である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
<1>〜<5>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
<1>〜<5>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
<6>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<6>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<6>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
<2>に係る発明によれば、コア部に結晶性ポリエステル樹脂を更に含有することで、低温定着性が向上する。
<3>に係る発明によれば、トナー粒子中に含有される樹脂成分に占める結晶性ポリエステル樹脂の割合を10質量%以上30質量%以下とすることで、低温定着性がより向上する。
<4>に係る発明によれば、トナー粒子に占める離型剤の割合を2質量%以上5質量%以下とすることで、用紙剥離性及び耐熱保管性が向上する。
<5>に係る発明によれば、トナー粒子中に含有される離型剤に占めるシェル層に含有される離型剤の割合を70質量%以上100質量%以下とすることで、用紙剥離性及び耐熱保管性がより向上する。
<6>に係る発明によれば、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層を設けることで、発色性の向上した静電荷像現像剤が提供される。
<7>に係る発明によれば、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層を設けることで、発色性の向上した静電荷像現像用トナーを収容するトナーカートリッジが提供される。
<8>に係る発明によれば、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層を設けることで、発色性の向上した静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジが提供される。
<9>に係る発明によれば、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層を設けることで、発色性の向上した静電荷像現像剤を用いる画像形成装置が提供される。
<10>に係る発明によれば、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層を設けることで、発色性の向上した静電荷像現像剤を用いる画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、静電荷像現像用トナーを「トナー」と称することがある。)は、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と着色剤とを含有するコア部と、前記コア部を被覆し、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層と、を有するトナー粒子を含有する。本実施形態に係るトナーは、必要に応じて、外添剤を含有していてもよい。
電子写真法における記録媒体へのトナー画像の定着の際の用紙剥離性を確保する為には、トナー中に離型剤を含有させる方法がある。しかしながら、離型剤は一般的に樹脂との相溶性が低いためトナー粒子中でドメインを形成しやすい特性を有し、かつドメイン内には着色剤が分散することは困難である。そのためこのドメインの形成によって、トナー粒子中に含有される着色剤は、分散に必要な領域が減少し凝集が生じる等、結果として定着画像の発色性が低下することがある。
トナー粒子中における離型剤のドメイン形成は、結着樹脂としてスチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂を用いることである程度抑制される。これはスチレンアクリル変性ポリエステル樹脂が離型剤のドメイン形成を抑制すると同時に着色剤の分散性の悪化を抑制する効果を有するためと考えられる。
本実施形態においては、トナー粒子を、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と着色剤とを含有するコア部と、このコア部を被覆し、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層と、を有する構成とする。シェル層に離型剤を含有させることで、離型剤の定着時のしみ出しの効率を上げ、離型剤のトナー全体に対する含有量を減少させ、さらに相対的にコア部に含有される離型剤の含有量を低下させることでトナーのコア部における着色剤が分散可能な領域を増加させることができる。そのため、コア部中に離型剤ドメインが形成されにくくなり、コア部中における着色剤の分散性が良化し、定着画像の発色性が向上するものと推察される。
また、結着樹脂としてスチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂を使用することで、シェル層中の離型剤が分散しやすくなり、離型剤のトナー粒子表面への露出及びそれに起因する外添剤の埋没が抑制される為、耐熱保管性が確保されるものと推察される。
本実施形態に係るトナー粒子は、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と着色剤とを含有するコア部と、前記コア部を被覆し、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層と、を有する。
本実施形態で用いられるスチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂としては、スチレン(メタ)アクリル樹脂セグメントとポリエステル樹脂セグメントとを含む樹脂であれば特に限定されるものではない。
前記スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂を構成するポリエステル樹脂セグメントは、前記スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂における主鎖であり、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合して得られるセグメントである。ポリエステル樹脂セグメントの構成単位の由来する原料モノマー(以下、単に「ポリエステル樹脂セグメントの原料モノマー」ともいう)は、アルコール成分とカルボン酸成分である。
x及びyは、アルキレンオキサイドの付加モル数に相当し、それぞれ正の数である。さらに、カルボン酸成分との反応性を高める観点から、xとyとの和の平均値は、好ましくは2以上7以下、より好ましくは2以上5以下、更に好ましくは2以上3以下である。
また、x個のR1O又はy個のR2Oは、各々同一であっても異なっていてもよいが、トナーの低温定着性及び耐熱保管性を向上させる観点から、同一であることが好ましく、オキシプロピレン基であることがより好ましい。2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物は単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキサイド付加物は、トナーの定着可能領域及び保存安定性を向上させる観点から、アルコール成分中に好ましくは40モル%以上100モル%以下含有され、より好ましくは60モル%以上100モル%以下含有され、更に好ましくは80モル%以上100モル%以下含有される。
これらのなかでも、トナーの保存安定性、及び高温高湿環境下での帯電保持性能を向上させる観点から、芳香族ジカルボン酸及び3価以上の多価カルボン酸が好ましく、これらを併用することがより好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられ、前記の観点から、テレフタル酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、アルキル基及び/又はアルケニル基を有するコハク酸等が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸類、デカリンジカルボン酸類等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられ、前記の観点から、トリメリット酸が好ましい。
前記カルボン酸成分は、単独で又は2種以上が含まれていてもよい。
また、トナーの定着可能領域及び保存安定性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂セグメントの数平均分子量は、好ましくは1,000以上10,000以下、より好ましくは1,500以上5,000以下である。
本実施形態において、ポリエステル樹脂セグメントに含有される酸基としては、カルボキシ基が、酸基のうち90モル%以上であることが好ましく、実質的に100モル%であることが好ましい。
前記スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂を構成するスチレン(メタ)アクリル樹脂セグメントは、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル系モノマーを含む付加重合性モノマーに由来する構成単位からなる付加重合系樹脂を含むセグメントである。スチレン(メタ)アクリル樹脂セグメントは、前記スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂における側鎖である。
本発明に用いられうる付加重合性モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩等のスチレン類;(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1以上18以下)、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のハロゲン化ビニリデン;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物等が挙げられる。
ポリエステル樹脂セグメントとスチレン(メタ)アクリル樹脂セグメントがこの比率で存在することで、コア部との密着性を維持しつつ、シェル層にスチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂の比較的厚みのある層を形成させることができるため、トナーの広い定着可能領域、保存安定性、及び高温高湿環境下での帯電保持性能を向上させることができるものと考えられる。
また、トナーの保存安定性、及び高温高湿環境下での帯電保持性能を向上させる観点から、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂の軟化温度は110℃以上170℃以下が好ましく、120℃以上140℃以下がより好ましい。
具体的には、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するポリエステル樹脂と付加重合性モノマーとを直接混合して重合する方法、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するポリエステル樹脂と付加重合性モノマーとを有機溶媒に溶解して重合する方法、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合を有するポリエステル樹脂を調製し、該ポリエステル樹脂を水性媒体と混合して、前記ポリエステル樹脂の水性分散液を得る工程、及び該水性分散液に、付加重合性モノマーを添加し重合して、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂からなる樹脂粒子の水性分散液を得る工程を含む方法等が挙げられる。
本実施形態においては、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂以外のその他の樹脂を、結着樹脂としてトナー粒子中に含有してもよい。スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂以外のその他の樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物も挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
また、トナー粒子中に含有される離型剤に占めるシェル層に含有される離型剤の割合は、70質量%以上100質量%以下であることが好ましく、85質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
本実施形態に係るトナー粒子は、コア部と当該コア部を被覆するシェル層とを有する所謂コア・シェル構造のトナー粒子である。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液及び必要に応じてその他の成分が分散された分散液を準備する工程(分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液及び着色剤粒子分散液を少なくとも含む分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子と着色剤粒子と(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子(第1凝集粒子)を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、当該凝集粒子の分散された分散液と樹脂粒子分散液と離型剤粒子分散液と必要に応じてその他の成分が分散された分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子、離型剤粒子及び必要に応じてその他の成分を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(被覆工程)と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液としては、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂からなる樹脂粒子の水性分散液を用いてもよい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
被覆工程では、凝集粒子の分散された分散液と樹脂粒子分散液と離型剤粒子分散液と必要に応じてその他の成分が分散された分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子、離型剤粒子及び必要に応じてその他の成分を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
被覆工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
被覆工程において使用される凝集剤、添加剤等の具体例は、凝集粒子形成工程の場合と同様のものが用いられる。
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
(非晶質ポリエステルYの製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5670部、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン585部、テレフタル酸2450部及びジ(2−エチルヘキサン酸)44部を入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、5時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて1時間維持した。大気圧に戻した後、190℃に冷却し、フマル酸42部及びトリメリット酸207部を加え、190℃の温度下で2時間維持した後に、2時間かけて210℃まで昇温した。更にフラスコ内の圧力を下げ、8.0kPaにて4時間維持させて、非晶質ポリエステルYを得た。
冷却管、撹拌装置及び熱電対を装備した内容積2リットルの4つ口フラスコに非晶質ポリエステルYを857部添加し、窒素雰囲気下、撹拌速度200rpmにて撹拌を行った。その後、付加重合性モノマーとして、スチレンを60部、アクリル酸エチルを60部および酢酸エチルを500部添加し、更に30分間混合した。
さらに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性界面活性剤、商品名:エマルゲン430、花王(株)製)6部、15%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(アニオン性界面活性剤、商品名:ネオペレックスG−15、花王(株)製)40部及び5%水酸化カリウム233部を入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物溶液を得た。
次に、撹拌しながら、1145部の脱イオン水を6部/分の速度で滴下し、乳化物を得た。次に、得られた乳化物を25℃に冷却し、200メッシュの金網を通し、脱イオン水を加えて、固形分を23.5%に調整して、樹脂粒子分散液Cを得た。
樹脂粒子分散液Cの製造において、付加重合性モノマーを、スチレン36部、メタクリル酸ブチル84部に変更する以外は同様の方法で樹脂粒子分散液Dを得た。
・1,10−デカンジカルボン酸:350部
・1,9−ノナンジオール:170部
撹拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマー成分を投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジオクタン酸スズを、前記モノマー成分100部に対して0.3部投入した。窒素ガス気流下、160℃で3時間撹拌反応させた後、温度を更に180℃まで1.5時間かけて昇温し、反応容器内を3kPaまで減圧し、所望の分子量になった時点で反応を終了して結晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂1の融解温度は73℃、重量平均分子量は28,000、酸価は7.5mgKOH/gであった。
・結晶性ポリエステル樹脂:100部
・酢酸エチル:60部
・イソプロピルアルコール:15部
撹拌機を備えた反応容器中に、上記成分を投入し、65℃にて溶解させた。溶解を確認した後、反応容器を60℃に冷却した後、10%アンモニア水溶液5部を添加した。次いで、イオン交換水300部を3時間掛けて反応容器中に滴下し、ポリエステル樹脂分散液を作製した。次いで、エバポレーターにて酢酸エチル、並びに、イソプロピルアルコールを除去し、その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調製し、これを結晶性ポリエステル樹脂分散液とした。
・炭化水素系ワックス(日本精鑞(株)社製、商品名:FNP0090、融解温度:90.2℃):270部
・アニオン界面活性剤(テイカ(株)社製、テイカパワーBN2060、有効成分量:60%):13.5部
・イオン交換水:700部
上記成分を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザ)で、内液温度120℃にて離型剤を溶解した後、分散圧力5MPaで120分間、続いて40MPaで360分間分散処理し、冷却して、離型剤分散液を得た。この離型剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは220nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20.0%になるように調製した。
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン))45部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2部
・イオン交換水 250部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間ほど分散して、シアン着色剤分散液を得た。この着色剤分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは、150nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20.0%になるように調製した。
(トナー粒子1の調製)
・樹脂粒子分散液C:202部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:88部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:189部
上記各分散液を、丸型ステンレス製フラスコに投入後、更に、硫酸アルミニウム10%水溶液5.3部を投入した。次いで、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で5000rpmで10分間混合及び分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら40℃まで加熱攪拌し、以降、毎分0.5℃で昇温しながら、第1凝集粒子の粒径が4.5μmになったところで温度を保持した。
次いで、トナーシェル成分として
・樹脂粒子分散液C:98部
・離型剤分散液:25部
となるように各分散液を投入し60分保持した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、凝集粒子(第2凝集粒子)が生成していることが確認された。水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整し、その後、温度を上げて82.5℃にしたのち、10分毎に硝酸でpHを0.05ずつ下げ、45分間撹拌を続けた。冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してトナー粒子1を得た。
上記より得たトナー粒子1の100部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、RY50)1.5部を加え、サンプルミルを用いて13000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナー1を調製した。
得られたトナー1の2gを、55℃、50RH%環境下で12時間保管し、保管後のトナー状態を目視にて観察し、以下の評価基準を基に評価した。
・A:55℃保管後もトナー凝集体は殆ど見られず、熱保管性に優れる。
・B:55℃保管後にトナー凝集体が僅かに見られ、Aより僅かに熱保管性に劣る。
・C:55℃保管後にトナー凝集体が見られ、Aより熱保管性に劣る。
・D:55℃保管後ではトナーが凝集しており、熱保管性を有しない。
なお、上記AからCまでで実用上の問題がないものとする。結果を表1に示す。
・Mn−Mg−Sr系フェライト粒子(平均粒径40μm):100部
・トルエン:14部
・ポリメタクリル酸メチル:2.0部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット製):0.12部
フェライト粒子を除く上記成分及びガラスビーズ(φ1mm、トルエンと同量)を、関西ペイント株式会社製サンドミルを用いて1200rpmで30分間攪拌し、樹脂被覆層形成用溶液を得た。更に、この樹脂被覆層形成用溶液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、減圧し、トルエンを留去して乾燥することにより、樹脂被覆キャリアを調製した。
得られたトナー1の36部とキャリア414部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間攪拌し、その後212μmで篩分して、現像剤1を作製した。現像剤1を用いて下記評価を実施した。得られた結果を表1に示す。
Docu Centre Color500 改造機に、現像剤1を充填し、30℃、88%RHの環境下で、明朝12ポイントの「あ」(10文字×10行)を、1000枚印刷した後、更に25cm×18cmのベタ画像を1枚印刷した。
このベタ画像について、印字1日後のCyanの濃度をX−Rite D50光源2度視野にてL*a*b*(JIS Z 8781−4:2013に規定されるL*a*b*表色系)を測定し、色再現領域を計算し評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:色再現領域が8000以上。
○:色再現領域が7000以上8000未満
△:色再現領域が6000以上7000未満
×:色再現領域が6000未満
なお、△までが許容範囲とし、×になったものはこれ以上の評価は行わなかった。
本実施形態の画像形成装置として富士ゼロックス社製DocuCentre Color 400 CPを用意し、該装置に搭載されている電磁誘導方式の定着装置を改造し、定着温度を制御するようにした。また該定着装置を、外付けの駆動用モーターで駆動するように改造した。
別途、画像形成装置として富士ゼロックス社製DocuCentre Color 400 CPを用い、記録媒体として富士ゼロックス社製J紙を用い、トナー載り量が13.5g/m2になるように調整して画像形成を行い、未定着のソリッド画像(25mm×25mm)を用意した。
DocuCentre Color 400 CP改造機を用い、定着温度を100℃から200℃まで10℃きざみで昇温させ、各温度ごとに搬送速度175mm/秒で未定着のソリッド画像(25mm×25mm)の定着を行った。
各温度の定着画像の画像面を谷折りして折れ目部の画像のはがれ度合いを観察し、画像がはがれた結果として折れ目部に現れる用紙の幅を測定した。該幅が0.5mm以下になった定着温度をもってMFT(最低定着温度、℃)とした。
評価基準は以下の通りである。
・A:MFTが120℃以下。
・B:MFTが120℃を超え、135℃以下。
・C:MFTが135℃を超え、150℃以下。
・D:MFTが150℃を超える。
なお、上記AからCまでで実用上の問題がないものとする。
DocuCentre Color 500改造機に現像剤1を充填し、J紙(富士ゼロックス製)上に画像濃度が100%の画像を形成し、定着温度を変えながら定着を行った。定着温度を変えた場合の巻きつきの発生温度を測定し、その結果に基づいて評価した。具体的には、先端余白4mmの画像密度100%サンプルを定着しヒートロールへの巻きつきを確認した。なお、定着機にはより剥離しやすいように剥離部材が取り付けられているが、この剥離部材により剥がれた後、用紙にそりが生じたものも、ヒートロールへの巻きつきは発生したものと見なした。
◎:巻きつき発生温度が230℃以上
○:巻きつき発生温度が220℃以上230℃未満
△:巻きつき発生温度が210℃以上220℃未満
×:巻きつき発生温度が200℃以上210℃未満
××:巻きつき発生温度が200℃未満
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー2を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:164部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:132部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:183部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:98部
・離型剤分散液:25部
得られたトナー2及び現像剤2を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー3を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:239部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:44部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:196部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:98部
・離型剤分散液:25部
得られたトナー3及び現像剤3を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー4を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:201部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:89部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:189部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:102部
・離型剤分散液:20部
得られたトナー4及び現像剤4を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー5を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:200部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:90部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:189部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:106部
・離型剤分散液:15部
得られたトナー5及び現像剤5を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー6を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:199部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:91部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:189部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:111部
・離型剤分散液:10部
得られたトナー6及び現像剤6を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更し、離型剤分散液を第1凝集粒子成分とすること以外は同様にして、トナー7を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:167部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:84部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:183部
・離型剤分散液:45部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:119部
得られたトナー7及び現像剤7を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー7の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー8を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:187部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:90部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:187部
・離型剤分散液:15部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:119部
得られたトナー8及び現像剤8を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー9を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:127部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:176部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:176部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:98部
・離型剤分散液:25部
得られたトナー9及び現像剤9を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー10を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:258部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:22部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:199部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:98部
・離型剤分散液:25部
得られたトナー10及び現像剤10を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー11を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:203部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:87部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:189部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液C:94部
・離型剤分散液:30部
得られたトナー11及び現像剤11を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
トナー1の製造方法において、分散液質量を以下の量に変更すること以外は同様にして、トナー9を得た。
第1凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:198部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液:92部
・着色剤分散液:35部
・イオン交換水:189部
第2凝集粒子
・樹脂粒子分散液D:115部
・離型剤分散液:5部
得られたトナー12及び現像剤12を用い、実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (9)
- スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と着色剤とを含有するコア部と、前記コア部を被覆し、スチレン(メタ)アクリル変性ポリエステル樹脂と離型剤とを含有するシェル層と、を有するトナー粒子を含有し、
前記トナー粒子中に含有される離型剤に占める前記シェル層に含有される離型剤の割合が、80質量%以上100質量%以下である静電荷像現像用トナー。 - 前記コア部が、結晶性ポリエステル樹脂を更に含有する請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子中に含有される樹脂成分に占める前記結晶性ポリエステル樹脂の割合が、10質量%以上30質量%以下である請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子に占める前記離型剤の割合が、2質量%以上5質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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