JP2023021689A - トナー、現像剤、トナー収容ユニット、現像剤収容ユニット、画像形成装置、及び、画像形成方法 - Google Patents

トナー、現像剤、トナー収容ユニット、現像剤収容ユニット、画像形成装置、及び、画像形成方法 Download PDF

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陽一 北川
Yoichi Kitagawa
月子 高橋
Tsukiko Takahashi
光章 廣瀬
Mitsuaki Hirose
大佑 井上
Daisuke Inoue
健司 込戸
Kenji Komito
暁彦 茂木
Akihiko Moki
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Abstract

【課題】低温定着性と耐熱保存性とを両立でき、良好なクリーニング性を維持しつつ、クリーニング部材や感光体の汚染を抑制できるトナーを提供すること。【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含むトナーであって、円形度が0.974以上0.985以下であり、前記トナー母体粒子表面に埋没した樹脂微粒子が複数個存在し、SPM分析装置において検出される平均面における表面の増加割合をSdr[%]と表したとき、前記Sdr[%]が、式(1)[5<Sdr<50]、を満たすことを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー、現像剤、トナー収容ユニット、現像剤収容ユニット、画像形成装置、及び、画像形成方法に関する。
近年、トナーには、出力画像の高品質化のための小粒径化と耐高温オフセット性、省エネルギー化のための低温定着性、及び製造後の保管時や運搬時における高温高湿に耐え得る耐熱保存性が要求されている。特に、定着時における消費電力は画像形成工程における消費電力の多くを占めるため、低温定着性の向上は非常に重要である。
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナーに低融点の材料を使用する必要があるが、低融点の材料を用いて製造したトナーは、耐熱保存性が悪くなり、低温定着性と耐熱保存性とはトレードオフの関係にある。
そこで、低温定着性と耐熱保存性とを両立させるため、2種の樹脂を同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子が樹脂粒子の表面に付着した複合樹脂粒子を形成した後、樹脂微粒子の樹脂の一部又は全部を除去する除去工程を含む複合樹脂粒子の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。また、特許文献4では、樹脂微粒子をトナー粒子表面に存在させることが提案されている。
従来、低温定着性及び耐熱保存性の両立と、感光体(静電潜像担持体)に対する良好なクリーニング性と、クリーニング部材や感光体の汚染を抑制することとを同時に満たすことができる技術が望まれている。例えば、無機微粒子等の外添剤は潤滑剤として作用し、クリーニング性の向上に寄与すると期待されるが、一方でこのような外添剤によってクリーニングブレード等のクリーニング部材や感光体の汚染が生じることが懸念される。
本発明は、低温定着性と耐熱保存性とを両立でき、良好なクリーニング性を維持しつつ、クリーニング部材や感光体の汚染を抑制できるトナーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は下記<1>に記載するとおりの構成を有するトナーに係るものである。
<1>結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含むトナーであって、
円形度が0.974以上0.985以下であり、
前記トナー母体粒子表面に埋没した樹脂微粒子が複数個存在し、
SPM分析装置において検出される平均面における表面の増加割合をSdr[%]と表したとき、前記Sdr[%]が下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
5<Sdr<50 ・・・ 式(1)
本発明によると、低温定着性と耐熱保存性とを両立でき、良好なクリーニング性を維持しつつ、クリーニング部材や感光体の汚染を抑制できるトナーを提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図2は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図3は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図4は、図3の部分拡大図である。 図5は、プロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。以下の説明はこの発明における実施の形態を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含むトナーであって、円形度が0.974以上0.985以下であり、トナー母体粒子表面に埋没した樹脂微粒子が複数個存在し、SPM(Scanning Probe Microscope:走査型プローブ顕微鏡)分析装置において検出される平均面における表面の増加割合をSdr[%]と表したとき、前記Sdr[%]が下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
5<Sdr<50 ・・・ 式(1)
本発明のトナーは、円形度が0.974以上0.985以下であることを特徴としている。円形度を0.974以上0.985以下にすることで、外添被覆効率が上がり、耐熱保存性、耐久性及びクリーニング性が改善する。円形度が0.974未満である場合、外添剤の被覆効率が低下し、スペーサー効果が減少するため、トナー間、及びトナーとクリーニングブレードとの間の接触が増え、クリーニング性が低下する。また、円形度が0.985を超える場合は、球形度が高くなり、クリーニングブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間を擦り抜け、クリーニング不良が発生する。
また従来技術では、一般的なトナーの表面には、トナーに流動性や帯電性を付与するために、シリカや酸化チタンといった無機微粒子等の添加剤が添加されている。トナーのクリーニングにおいては、クリーニング部材の一例であるクリーニングブレードによって感光体(像担持体、静電潜像担持体とも称する)上でトナーが堰き止められ、堰き止められたトナーから添加剤が遊離することが知られている。遊離した添加剤はクリーニングブレードと像担持体の当接部に供給され、添加剤による溜まり層が形成される。これがクリーニングブレードと像担持体との間の潤滑剤として作用し、これによりトナーの良好なクリーニング性が得られる。しかし、添加剤の量が多いとトナーから遊離する添加剤の量もそれに応じて多くなり、クリーニングブレードや感光体の汚染が進み、クリーニングブレードの摩耗や感光体の劣化が顕著になる。特に無機微粒子を外添剤として用いた場合、このような不具合が顕著になる。
これに対して本発明のトナーは、良好なクリーニング性を維持しつつ、クリーニング部材や感光体の汚染を抑制できる。本発明では、トナー母体粒子の表面を樹脂微粒子で覆うことにより、樹脂微粒子は定着を阻害せず、かつ、トナーを硬くできるため、無機微粒子の添加量を低減することができる。このため、良好なクリーニング性を維持しつつ、クリーニング部材や感光体の汚染を抑制できる。また本発明では、トナー母体粒子表面に樹脂微粒子が複数個存在することが特徴である。樹脂微粒子が複数個存在することで、トナー母体粒子表面のスペーサー効果が向上し、耐熱保存性、耐久性、クリーニング性が向上する。樹脂微粒子が存在しない場合は、母体表面のスペーサー効果が減少し、耐熱性、耐久性、クリーニング性が低下する。
また本発明のトナーは、SPM分析装置において検出される平均面における表面の増加割合をSdr[%]と表したとき、Sdr[%]が式(1)を満たすことを特徴とする。
5<Sdr<50 ・・・ 式(1)
トナー粒子の平均面における表面の増加割合Sdr[%]は、ISO25178に記載の面粗さパラメーターである。Sdrは定義領域の展開面積(表面積)が、定義領域の面積に対してどれだけ増大しているかを表しており、完全に平坦な面のSdr[%]は0%となる。
本発明におけるSdr[%]は、面粗さパラメーター算出領域の面積に対して、トナー表面の凹凸によってどれくらい表面積が増加しているのかを示すパラメーターであり、下記式で算出される。
Sdr[%]
=(定義された領域における表面積の面積に対する増加分/定義された領域の面積)×100
通常、トナー粒子の平均面粗さが大きい場合、外添剤の被覆効率が低下し、スペーサー効果が減少するため、トナー間、トナーとブレードとの間の接触が増え、クリーニング性が低下する。平均面における表面の増加割合Sdr[%]を5<Sdr<50とすることによって外添剤の被覆効率が向上し、外添剤がスペーサー効果を十分に発揮することで、耐熱保存性、耐久性、クリーニング性を向上させることができる。
平均面における表面の増加割合Sdr[%]が5%以下の場合、球形度が高くなり、クリーニングブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間を擦り抜け、クリーニング不良が発生する。また、平均面における表面の増加割合Sdr[%]が50%以上の場合、外添剤の被覆効率が低下し、スペーサー効果が減少することで、耐熱保存性悪化、耐久性悪化、またクリーニング不良を引き起こす。
トナー表面の凹凸を制御する方法として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、無機物フィラー(例:層状無機鉱物)などの異形化剤をトナー表面に偏在させる方法が知られている。本発明のトナーは、トナー表面の無機物フィラーの配置を制御することで、トナーの凹凸性を制御している。
トナー形状は、重合法におけるトナー液滴のチクソ性により制御することも可能である。本発明のトナーは、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする。結晶性ポリエステル樹脂は結晶状態としてトナー粒子中に存在し、適切に配置することでトナーの表面状態を制御することが可能である。
以下では、トナーを構成する成分、キャリア、トナーの製造方法、画像形成装置及び画像形成方法等について説明する。
<トナー母体粒子>
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有機溶媒中に溶解乃至分散させ、得られた溶解乃至分散物を水相中に添加し、得られた分散液から前記有機溶媒を除去することにより得られることが好ましい。また、少なくとも結着樹脂前駆体及び着色剤を有機溶媒中に溶解乃至分散させ、得られた溶解乃至分散物を水相中に添加して前記結着樹脂前駆体を架橋乃至伸長反応させ、前記有機溶媒を除去することにより得られることがより好ましい。
<<結着樹脂>>
前記トナーは、通常、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含み、非線状の非晶質ポリエステル樹脂を含むことが好ましく、結晶性ポリエステル樹脂を含むことがさらに好ましい。
THFに不溶な成分は、通常、非線状の非晶質ポリエステル樹脂又は結晶性ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。
-非晶質ポリエステル樹脂-
前記非晶質ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
なお、本発明において非晶質ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記非晶質ポリエステル樹脂には属さない。
前記多価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2~3)オキサイド(平均付加モル数1~10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2~3)オキサイド(平均付加モル数1~10)付加物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1~20のアルキル基又は炭素数2~20のアルケニル基で置換されたコハク酸;トリメリット酸、ピロメリット酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1~8)エステル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記非晶質ポリエステル樹脂と、後述するプレポリマー並びにこのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂とは、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。これらが相溶していることにより、低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させることができる。このため、非晶質ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分と、後述するプレポリマーを構成する多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分とは、類似の組成であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合がある。また、分子量が高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。このことから、非晶質ポリエステル樹脂の分子量はGPC測定において、重量平均分子量(Mw)2,500~10,000、数平均分子量(Mn)1,000~4,000、Mw/Mn1.0~4.0であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mgKOH/g~50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g~30mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が、1mgKOH/g以上であることにより、トナーが負帯電性となりやすく、さらには、紙への定着時に、紙とトナーの親和性が良くなり、低温定着性を向上させることができる。前記酸価が、50mgKOH/g以下であることにより、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下することがない。
前記非晶質ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上であることが好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。Tgが低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合がある。また、Tgが高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。このことから、非晶質ポリエステル樹脂のTgは40℃~70℃が好ましく、45℃~60℃がより好ましい。
前記非晶質ポリエステル樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、50質量部以上95質量部以下が好ましく、60質量部以上90質量部以下がより好ましい。前記含有量が、50質量部未満であると、トナー中の顔料、離型剤の分散性が悪化し、画像のかぶり、乱れを生じやすくなることがあり、95質量部を超えると、結晶性ポリエステル樹脂の含有量が少なくなるため、低温定着性に劣ることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲であると、高画質、高安定、低温定着性の全てに優れる点で有利である。
前記非晶質ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm-1及び990±10cm-1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非晶質ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
-結晶性ポリエステル樹脂-
結晶性ポリエステル樹脂は飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位を有する。
飽和脂肪族ジオールとしては炭素数2~8の直鎖脂肪族ジオールを含有するアルコール成分を用いることが好ましい。
このことにより、前記結晶性ポリエステル樹脂が均一にトナー内部に微分散することが可能となり、前記結晶性ポリエステル樹脂のフィルミングを防止し、耐ストレス性を改良し、かつトナーの低温定着性が達成できる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。このような特性を有する前記結晶性ポリエステル樹脂を前記トナーに用いることで、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
なお、本発明において結晶性ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、結晶性ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂には属さない。
--多価アルコール成分--
前記多価アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖型飽和脂肪族ジオール、分岐型飽和脂肪族ジオールが挙げられるが、これらの中でも、直鎖型飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2~8である直鎖型飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、主鎖部分の炭素数が2未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合に、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがある。一方、炭素数が8を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。炭素数としては8以下であることがより好ましい。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
--多価カルボン酸成分--
前記多価カルボン酸成分としては、セバシン酸を用いるが、目的に応じて他の2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸を併用することができる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
また、多価カルボン酸成分としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていてもよい。さらに、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃未満であることが好ましい。前記融点が、60℃未満であると、結晶性ポリエステル樹脂が低温で溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、80℃以上であると、定着時の加熱による非晶質ポリエステル樹脂の溶融が不十分で、低温定着性が低下することがある。
前記融点は、示差走査熱量計(DSC)測定におけるDSCチャートの吸熱ピーク値により測定することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、かつ分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が悪化するという観点から、前記結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼンの可溶分が、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)3,000~30,000、数平均分子量(Mn)1,000~10,000、Mw/Mn1.0~10であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紙と樹脂との親和性の観点から、所望の低温定着性を達成するためには、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、耐高温オフセット性を向上させるには、45mgKOH/g以下が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、所望の温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには、0mgKOH/g~50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g~50mgKOH/gがより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液や固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm-1又は990±10cm-1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを結晶性ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部~20質量部が好ましく、5質量部~15質量部がより好ましい。前記含有量が、2質量部未満であると、結晶性ポリエステル樹脂によるシャープメルト化が不十分なため低温定着性に劣ることがあり、20質量部を超えると、耐熱保存性の悪化すること、及び画像のかぶりが生じやすくなることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲であると、高画質、高安定、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
-活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体-
活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体(以下、「プレポリマー」と称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、溶融時の高流動性及び透明性の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。
前記プレポリマーが有する活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、イソシアネート基、エポキシ基、カルボンキシル基、-COClで示される官能基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、イソシアネート基が好ましい。
前記プレポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に、定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構が無い場合でも、良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合を生成することが可能なイソシアネート基等を有するポリエステル樹脂が好ましい。
-活性水素基含有化合物-
前記活性水素基含有化合物は、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体が、水系媒体中で伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体がイソシアネート基を含有するポリエステル樹脂である場合には、該ポリエステル樹脂と伸長反応、架橋反応等により高分子量化できる点で、アミン類が好ましい。前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、三価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の三価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、などが挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、などが挙げられる。前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、などが挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、などが挙げられる。
前記三価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、などが挙げられる。
-イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂-
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(以下、「イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸を重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物、などが挙げられる。
--ポリオール--
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、三価以上のアルコール、ジオールと三価以上のアルコールの混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジオール、ジオールと少量の三価以上のアルコールとの混合物が好ましい。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;などが挙げられる。なお、前記アルキレングリコールの炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2~12が好ましい。
これらの中でも、炭素数が2~12であるアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2~12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
前記三価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三価以上の脂肪族アルコール、三価以上のポリフェノール類、三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物、などが挙げられる。
前記三価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、などが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、などが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、三価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの、などが挙げられる。
前記ジオールと前記三価以上のアルコールを混合して用いる場合、ジオールに対する三価以上のアルコールの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%~10質量%が好ましく、0.01質量%~1質量%がより好ましい。
--ポリカルボン酸--
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸の混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の三価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二価のアルカン酸、二価のアルケン酸、芳香族ジカルボン酸、などが挙げられる。
前記二価のアルカン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
前記二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが炭素数4~20の二価のアルケン酸が好ましい。前記炭素数4~20の二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸、などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、などが挙げられる。
前記三価以上のカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、三価以上の芳香族カルボン酸、などが挙げられる。
前記三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9~20の三価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9~20の三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸として、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、及びジカルボン酸と三価以上のカルボン酸との混合物のいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステルを用いることもできる。
前記低級アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、などが挙げられる。
前記ジカルボン酸と前記三価以上のカルボン酸とを混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%~10質量%が好ましく、0.01質量%~1質量%がより好ましい。
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを重縮合させる際の、前記ポリカルボン酸のカルボキシル基に対するポリオールの水酸基の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1~2が好ましく、1~1.5がより好ましく、1.02~1.3が特に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリオール由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%~40質量%が好ましく、1質量%~30質量%がより好ましく、2質量%~20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
--ポリイソシアネート--
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトジフェニル、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルジフェニル、4,4’-ジイソシアナト-3-メチルジフェニルメタン、4,4’-ジイソシアナト-ジフェニルエーテル、などが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、などが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリエステル樹脂を反応させる場合、前記ポリエステル樹脂の水酸基に対する前記ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1~5が好ましく、1.2~4がより好ましく、1.5~3が特に好ましい。前記当量比が、1未満であると、耐オフセット性が低下することがあり、5を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリイソシアネート由来の構成単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%~40質量%が好ましく、1質量%~30質量%がより好ましく、2質量%~20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐高温オフセット性が低下することがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーが一分子当たりに有するイソシアネート基の平均数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1以上が好ましく、1.2~5がより好ましく、1.5~4が特に好ましい。前記平均数が、1未満であると、ウレア変性ポリエステル系樹脂の分子量が低くなり、耐高温オフセット性が低下することがある。
前記多価アルコール成分中にビスフェノール類のプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含有し、特定の水酸基価と酸価を有するポリエステル樹脂に対する、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5未満/95超~25超/75未満が好ましく、10/90~25/75がより好ましい。前記質量比が、5/95未満であると、耐高温オフセット性が低下することがあり、25/75を超えると、低温定着性や画像の光沢性が低下することがある。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部以上15質量部以下が好ましく、3質量部以上10質量部以下がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、前記ハイブリッド樹脂の他にポリスチレン、ポリp-クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<樹脂微粒子>
本発明において、樹脂微粒子はトナー母体粒子の表面を被覆している。トナー母体粒子の表面を覆う樹脂微粒子は、シェル部とコア部からなるコアシェル構造を有している。
トナー母体粒子の表面における樹脂微粒子の被覆率としては、30%以上90%以下であることが好ましく、30%以上70%以下であることがより好ましい。
被覆率が30%以上であることでトナーの耐熱保存性を担保でき、被覆率が90%以下であることで外添剤の付着しやすいことや、トナー定着の際に熱が伝達しやすく、定着性を担保できる。また、被覆率が70%以下であることで上記の効果が向上する。
トナー母体粒子の表面における樹脂微粒子の被覆率は、以下のようにして測定する。
トナー母体粒子の表面上の樹脂微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して画像を撮影し、撮影した画像から、画像処理ソフトを用いてトナー母体粒子の面積に対する樹脂微粒子の面積の割合を算出し、これを被覆率とする。
樹脂微粒子の観察方法について説明する。以下のようにして、超音波による外添剤の遊離処理で外添剤を極力除去し、トナー母体粒子に近い状態にし、樹脂微粒子を観察する。
-外添剤の遊離方法-
[1]100mlのスクリュー管に、界面活性剤を含有した5質量%水溶液(商品名ノイゲンET-165、第一工業製薬株式会社製)を50ml添加し、その混合液にトナー3gを加えて静かに上下左右に動かす。その後、トナーが分散溶液になじむようにボールミルで30min撹拌する。
[2]その後、超音波ホモジナイザー(商品名homogenizer、形式VCX750、CV33、SONICS&MATERIALS有限会社製)を用いて、出力40Wに設定し、60分間超音波エネルギーを付与する。
[超音波条件]
・振動時間:60分連続
・振幅:40W
・振動開始温度:23±1.5℃
・振動中温度:23±1.5℃
[3](1)分散液をろ紙(商品名 定性ろ紙(No.2、110mm)、アドバンテック東洋株式会社製)で吸引ろ過し、再度イオン交換水で2回洗浄しろ過し、遊離した添加剤を除去後、トナー粒子を乾燥させる。
(2)上記(1)で得られたトナーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する。まず、反射電子像を観察することでSiを含有する外添剤やフィラーを検出する。
(3)上記(2)の画像を画像処理ソフト(ImageJ)で二値化し、前記外添剤とフィラーを排除する。
次に、(2)と同じ位置で二次電子画像を観察する。樹脂微粒子は反射電子画像では観察されず、二次電子画像でのみ観察されるため、(3)で得られた画像と照合し、残存外添剤とフィラー以外の部分((3)で排除した以外の部分)に存在する微粒子を樹脂微粒子とし観察する。
[撮影条件]
・走査型電子顕微鏡:SU-8230(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)
・撮影倍率:35000倍
・撮影像:SE(L):二次電子、BSE(反射電子)
・加速電圧:2.0kV
・加速電流:1.0μA
・プローブ電流:Normal
・焦点モード:UHR
・WD:8.0mm
樹脂微粒子の体積平均一次粒子径は、5nm以上100nm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましく、10nm以上50nm以下が更に好ましい。前記体積平均一次粒子径が5nm以上100nm以下を満たす場合、低温定着性が向上する。
体積平均一次粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)画像観察によって測定することができる。
前記樹脂微粒子は二種類の樹脂からなることが好ましい。以下では、一種類の樹脂からなる樹脂微粒子を樹脂微粒子(A)といい、二類の樹脂からなる樹脂微粒子を樹脂微粒子(B)という。
二種類の樹脂からなる樹脂微粒子は、コア樹脂(芯部)と前記コア樹脂の少なくとも一部の表面を被覆するシェル樹脂(外殻部)とを有することがより好ましい。
以下では前記シェル樹脂を構成する樹脂を「樹脂(a1)」といい、前記コア樹脂を構成する樹脂を「樹脂(a2)」という。樹脂(a1)、樹脂(a2)は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであることが好ましい。
前記シェル樹脂(以下「樹脂(a1)」とも表現する)、及び前記コア樹脂(以下、「樹脂(a2)」とも表現する)は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーが好ましい。
前記ビニルモノマーとしては、例えば、下記(1)~(10)が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素
ビニル炭化水素としては、例えば、(1-1)脂肪族ビニル炭化水素、(1-2)脂環式ビニル炭化水素及び(1-3)芳香族ビニル炭化水素などが挙げられる。
(1-1)脂肪族ビニル炭化水素
脂肪族ビニル炭化水素としては、例えば、アルケン、アルカジエンなどが挙げられる。
前記アルケンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、α-オレフィンなどが挙げられる。
前記アルカジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,4-ペンタジエン、1,6-ヘキサジエン、1,7-オクタジエンなどが挙げられる。
(1-2)脂環式ビニル炭化水素
脂環式ビニル炭化水素としては、モノ-もしくはジ-シクロアルケン及びアルカジエンが挙げられ、具体的な例としては(ジ)シクロペンタジエン、テルペン等が挙げられる。
(1-3)芳香族ビニル炭化水素
芳香族ビニル炭化水素としては、スチレン又はそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体等が挙げられ、具体的にはα-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン及びビニルナフタレンなどが挙げられる。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩
前記カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩としては、例えば、炭素数3~30の不飽和モノカルボン酸(塩)、不飽和ジカルボン酸(塩)並びにその無水物(塩)及びそのモノアルキル(炭素数1~24)エステル又はその塩などが挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー及びこれらの金属塩などが挙げられる。
本発明において「(塩)」とは、酸又はその塩を意味する。
例えば、炭素数3~30の不飽和モノカルボン酸(塩)とは、不飽和モノカルボン酸あるいはその塩を意味する。
本発明において「(メタ)アクリル」とは、メタクリル酸あるいはアクリル酸を意味する。
本発明において「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイルあるいはアクリロイルを意味する。
本発明において「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートあるいはアクリレートを意味する。
(3)スルホン酸基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩
前記スルホン酸基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩としては、例えば、炭素数2~14のアルケンスルホン酸(塩)、炭素数2~24のアルキルスルホン酸(塩)、スルホ(ヒドロキシ)アルキル-(メタ)アクリレート(塩)、又は(メタ)アクリルアミド(塩)、アルキルアリルスルホコハク酸(塩)などが挙げられる。
具体的には、炭素数2~14のアルケンスルホン酸としては、ビニルスルホン酸(塩)などが挙げられ、炭素数2~24のアルキルスルホン酸(塩)としては、α-メチルスチレンスルホン酸(塩)などが挙げられ、スルホ(ヒドロキシ)アルキル-(メタ)アクリレート(塩)、又は(メタ)アクリルアミド(塩)としては、スルホプロピル(メタ)アクリレート(塩)、硫酸エステル(塩)、又はスルホン酸基含有ビニルモノマー(塩)などが挙げられる。
(4)燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩
燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1~24)燐酸モノエステル(塩)、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1~24)ホスホン酸(塩)などが挙げられる。
前記(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1~24)燐酸モノエステル(塩)の具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート(塩)、フェニル-2-アクリロイロキシエチルホスフェート(塩)などが挙げられる。
前記(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1~24)ホスホン酸(塩)の具体例としては、2-アクリロイルオキシエチルホスホン酸(塩)などが挙げられる。
上記(2)~(4)の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー
前記ヒドロキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシスチレン、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1-ブテン-3-オール、2-ブテン-1-オール、2-ブテン-1,4-ジオール、プロパルギルアルコール、2-ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、蔗糖アリルエーテルなどが挙げられる。
(6)含窒素ビニルモノマー
前記含窒素ビニルモノマーとしては、例えば、(6-1)アミノ基含有ビニルモノマー、(6-2)アミド基含有ビニルモノマー、(6-3)ニトリル基含有ビニルモノマー、(6-4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー、(6-5)ニトロ基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
(6-1)アミノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(6-2)アミド基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
(6-3)ニトリル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレートなどが挙げられる。
(6-4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)などが挙げられる。
(6-5)ニトロ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ニトロスチレンなどが挙げられる。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー
前記エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びp-ビニルフェニルフェニルオキサイドなどが挙げられる。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー
前記ハロゲン元素含有ビニルモノマーとしては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレンなどが挙げられる。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン
ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4-ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα-エトキシアクリレート、炭素数1~50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等)]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2~8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2~8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート[多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]などが挙げられる。
ビニル(チオ)エーテルとしては、例えば、ビニルメチルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトンとしては、例えば、ビニルメチルケトンなどが挙げられる。
(10)その他のビニルモノマー
その他のビニルモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、フルオロアクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネートなどが挙げられる。
樹脂(a1)の合成には、上記(1)~(10)のビニルモノマーを1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂(a1)としては、低温定着性の観点から、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましく、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
樹脂(a1)がカルボン酸を有することで、樹脂に酸価を付与し、樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすくなる。
樹脂(a2)に用いられるビニルモノマーは、樹脂(a1)と同様のものが挙げられる。
樹脂(a2)の合成には、上記樹脂(a1)で挙げた(1)~(10)のビニルモノマーを1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂(a2)としては、低温定着性の観点から、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましく、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
中でも、シェル部及びコア部がスチレン-アクリル樹脂を含有することが好ましい。この場合、耐熱保存性と定着性の両立を図ることができる。シェル部中の前記樹脂の含有量及びシェル部中の前記樹脂の含有量としては、シェル部とコア部のそれぞれにおいて、スチレン-アクリル樹脂を50質量%以上含むことが好ましい。
樹脂(a1)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G”としては、1.5MPa~100MPaが好ましく、1.7MPa~30MPaがより好ましく、2.0MPa~10MPaが更に好ましい。
樹脂(a2)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G”としては、0.01MPa~1.0MPaが好ましく、0.02MPa~0.5MPaがより好ましく、0.05MPa~0.3MPaが更に好ましい。
前記粘弾性特性の損失弾性率G”がこの範囲であれば、樹脂(b1a1)と樹脂(b2a2)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすい。
樹脂(a1)及び樹脂(a2)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G”は、構成モノマーの種類及びその構成比を変えることや、重合条件(開始剤、連鎖移動剤の種類及び使用量、並びに反応温度等)で調整することができる。
具体的には、例えば以下のような組成にすることで各々のG”を前述の範囲に調整することが可能となる。
(1)樹脂(a1)の構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg1)、及び樹脂(a2)の構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg2)について、Tg1を好ましくは0℃~150℃、更に好ましくは50℃~100℃とし、Tg2を好ましくは-30℃~100℃、更に好ましくは0℃~80℃、最も好ましくは30℃~60℃とする。
なお、構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg)とは、Fox法により計算することができる値である。
ここで、Fox法[T.G.Fox,Phys.Rev.,86,652(1952)]とは、下記式で示される個々の単独重合体のTgから共重合体のTgを推算する方法である。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
[式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(絶対温度表示)、Tg1、Tg2・・・Tgnは各単量体成分の単独重合体のガラス転移温度(絶対温度表示)、W1、W2・・・Wnは各単量体成分の重量分率を示す。]
(1)及び(2)の条件を満たす構成単量体として、樹脂(a1)については、例えば樹脂(a1)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを好ましくは10質量%~80質量%、更に好ましくは30質量%~60質量%含有し、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を好ましくは合計10質量%~60質量%、更に好ましくは合計30質量%~50質量%含有する樹脂が挙げられる。
また、樹脂(a2)については、例えば、樹脂(a2)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを好ましくは10質量%~100質量%、更に好ましくは30質量%~90質量%含有し、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(a2)の合計質量に基づいて、好ましくは合計0質量%~7.5質量%、更に好ましくは合計0質量%~2.5質量%含有する樹脂が挙げられる。
(3)重合条件(開始剤、連鎖移動剤の種類及び使用量、並びに反応温度等)を調整する。具体的には、樹脂(a1)及び樹脂(a2)の数平均分子量(Mn1)及び(Mn2)について、(Mn1)は、2,000~2,000,000が好ましく、20,000~200,000がより好ましい。(Mn2)は、1,000~1,000,000が好ましく、10,000~100,000がより好ましい。
本発明における粘弾性特性の損失弾性率G”は、例えば、下記の粘弾性測定装置を用いて測定される。
・装置:ARES-24A(レオメトリック社製)
・治具:25mmパラレルプレート
・周波数:1Hz
・歪み率:10%
・昇温速度:5℃/min
樹脂(a1)の酸価(AVa1)としては、75mgKOH/g~400mgKOH/gが好ましく、150mgKOH/g~300mgKOH/gがより好ましい。
酸価が上記範囲であれば、樹脂(a1)と樹脂(a2)とを同一粒子内に構成成分として含むビニル系ユニットを含有する樹脂微粒子(B)がトナーの表面に付着した粒子を形成しやすい。
酸価が上記範囲にある樹脂(a1)は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(a1)の合計質量に基づいて、好ましくは合計10質量%~60質量%、更に好ましくは合計30質量%~50質量%含有する樹脂である。
樹脂(a2)の酸価(AVa2)としては、低温定着性の観点から、0mgKOH/g~50mgKOH/gが好ましく、0mgKOH/g~20mgKOH/gがより好ましく、0mgKOH/gが更に好ましい。
酸価がこの範囲にある樹脂(a2)は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(a2)の合計質量に基づいて、好ましくは合計0質量%~7.5質量%、更に好ましくは合計0質量%~2.5質量%含有する樹脂である。
酸価は、例えば、JIS K0070:1992の方法で測定することができる。
本発明では、シェル部(樹脂a1)のガラス転移温度TgAがコア部(樹脂a2)のガラス温度TgBよりも高くなっている。シェル部のガラス転移温度TgAがコア部のガラス温度TgBよりも高いことで、高い耐熱保存性を担保できる。
このように、樹脂微粒子におけるシェル部のガラス転移温度TgAがコア部のガラス温度TgBよりも高くなるようにするには、例えばシェルを合成する際に使用するモノマー種やモノマー比率等を調整する方法等が挙げられる。
樹脂微粒子のシェル部のガラス転移温度TgAとコア部のガラス転移温度TgBにおいて、TgA-TgB≧10[℃]を満たすことが好ましく、TgA-TgB≧20[℃]を満たすことがより好ましい。TgAとTgBの差を10℃以上とすることで、樹脂微粒子(B)がトナーの表面に付着したトナー粒子の形成しやすさと、本発明のトナー粒子の低温定着性のバランスに優れる。
ガラス転移温度の差を上記の範囲にするには、例えばシェル部とコア部を合成する際に使用するモノマー種やモノマー比率等を調整する方法等が挙げられる。
本発明におけるTgは、「DSC60-A」[株式会社 島津製作所製]を用いて、ASTM D3418-82に規定の方法(DSC)で測定する。
トナーから樹脂微粒子におけるシェル部のガラス転移温度TgAとコア部のガラス温度TgBを測定する方法としては、以下のようにして行う。
実施形態ではコアシェル構造の樹脂微粒子はシェル部から先に形成したのちにコア部を形成する方法によって作製している。したがって、シェル部のTgはシェル部が形成された段階でサンプリングし、このサンプルについてDSCでTgを測定することで確認することができる。
また、コア部のTgは、コアシェル構造の樹脂微粒子のシェル部を有機溶剤や加熱により除去することでコア部のみを分離し、それをDSCで測定することで確認することができる。
樹脂(a1)のガラス転移温度TgAとしては、0℃~150℃が好ましく、50℃~100℃がより好ましい。ガラス転移温度TgAが0℃以上であれば、耐熱保存性を向上させることができ、150℃以下であれば、低温定着性に対する阻害を低減できる。
樹脂(a2)のガラス転移温度TgBとしては、-30℃~100℃が好ましく、0℃~80℃がより好ましく、30℃~60℃が更に好ましい。ガラス転移温度が-30℃以上であれば、耐熱保存性を向上させることができ、100℃以下であれば、低温定着性に対する阻害を低減できる。
樹脂微粒子のガラス転移温度Tgとしては、40℃以上70℃以下であることが好ましい。この場合、定着阻害することなく、高い耐熱保存性を担保することができる。樹脂微粒子のガラス転移温度Tgを上記の範囲にするには、例えばシェル部やコア部のガラス転移温度を適宜調整する方法等が挙げられる。
トナーから樹脂微粒子のガラス転移温度Tgを測定する方法としては、以下のようにして行う。
トナー表面の樹脂微粒子を物理的に剥離させて得られた樹脂微粒子について前記測定方法によりガラス転移温度を測定するか、または、トナー表面の樹脂微粒子を、有機溶媒を使用して分離し脱溶媒した後に前記測定方法によりガラス転移温度Tgを測定する。
樹脂(a1)の溶解性パラメータ(以下、SP値と略記することもある)としては、トナー粒子の形成しやすさの観点から、9(cal/cm1/2~13(cal/cm1/2が好ましく、9.5(cal/cm3)1/2~12.5(cal/cm1/2がより好ましく、10.5(cal/cm1/2~11.5(cal/cm1/2が更に好ましい。
樹脂(a1)のSP値は、構成するモノマーの種類及びその構成比を変えることで調整することができる。
樹脂(a2)のSP値としては、トナー粒子の形成しやすさの観点から、8.5(cal/cm1/2~12.5(cal/cm1/2が好ましく、9(cal/cm1/2~12(cal/cm1/2がより好ましく、10(cal/cm1/2~11(cal/cm1/2が更に好ましい。
樹脂(a2)のSP値は、構成するモノマーの種類及びその構成比を変えることで調整することができる。
本発明におけるSP値は、Fedorsによる方法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]により計算する。
樹脂(a1)中に、樹脂(a1)のTgA及びその他モノマーとの共重合性の観点から、樹脂(a1)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを10質量%~80質量%含有することが好ましく、30質量%~60質量%含有することがより好ましい。
樹脂(a2)中に、樹脂(a2)のTgB及びその他ビニルモノマーとの共重合性の観点から、樹脂(a2)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを10質量%~100質量%含有することが好ましく、30質量%~90質量%含有することがより好ましい。
樹脂(a1)の数平均分子量(Mn1)としては、2,000~2,000,000が好ましく、20,000~200,000がより好ましい。Mn1が2,000以上であれば、トナーの耐熱保存性が向上し、2,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(a1)の重量平均分子量(Mw1)としては、前記樹脂(a2)の重量平均分子量(Mw2)より大きいことが好ましく、Mw2より1.5倍以上大きいことがより好ましく、Mw2より2.0倍以上大きいことが更に好ましい。この範囲であれば、トナー粒子の形成しやすさと、低温定着性のバランスに優れる。
樹脂(a1)の重量平均分子量(Mw1)としては、20,000~20,000,000が好ましく、200,000~2,000,000がより好ましい。Mw1が、20,000以上であれば、耐熱保存性が向上し、20,000,000以下であれば、低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(a2)の数平均分子量(Mn2)としては、1,000~1,000,000が好ましく、10,000~100,000がより好ましい。Mn2が、1,000以上であれば、トナーの耐熱保存性が向上し、1,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(a2)の重量平均分子量(Mw2)としては、10,000~10,000,000が好ましく、100,000~1,000,000がより好ましい。Mw2が、10,000以上であれば、トナーの耐熱保存性が向上し、10,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
これらの中でも、樹脂(a1)のMw1が200,000~2,000,000で、樹脂(a2)のMw2が100,000~500,000で、かつ「Mw1>Mw2」であることが好ましい。
本発明におけるMn及びMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
・装置(一例):「HLC-8120」[東ソー株式会社製]
・カラム(一例):「TSK GEL GMH6」[東ソー株式会社製]2本
・測定温度:40℃
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
・溶液注入量:100μl
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー株式会社製]
樹脂微粒子(B)中の樹脂(a1)と樹脂(a2)との質量比率は、5/95~95/5が好ましく、25/75~75/25がより好ましく、40/60~60/40が更に好ましい。樹脂(a1)と樹脂(a2)との質量比率が5/95以上であれば、トナーの耐熱保存性に優れ、樹脂(a1)と樹脂(a2)との質量比率が95/5以下であれば、樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすい。
樹脂微粒子(B)を製造する方法としては公知の製造方法が挙げられるが、例えば、次のような製造方法(I)~(V)などが挙げられる。
(I)水性分散液中の樹脂(a1)の微粒子をシードとして、樹脂(a2)の構成モノマーをシード重合する方法。
(II)水性分散液中の樹脂(a2)の微粒子をシードとして、樹脂(a1)の構成モノマーをシード重合する方法。
(III)樹脂(a1)及び樹脂(a2)の混合物を水性媒体に乳化して樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
(IV)樹脂(a1)と樹脂(a2)の構成モノマーの混合物とを水性媒体に乳化した後に、樹脂(a2)の構成モノマーを重合して樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
(V)樹脂(a2)と樹脂(a1)の構成モノマーの混合物とを水性媒体に乳化した後に、樹脂(a1)の構成モノマーを重合して樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
樹脂微粒子(B)が、シェル樹脂(a1)とコア樹脂(a2)とを同一粒子内に構成成分として含むことは、樹脂微粒子(B)の切断面を公知の表面元素分析装置(TOF-SIMSEDX-SEM等)を用いて元素マッピング画像の観察、及び樹脂(a1)と樹脂(a2)に含まれる官能基に応じた染色剤で染色した樹脂微粒子(B)の切断面の電子顕微鏡観察画像の観察を行うことにより確認することができる。
またこの方法で得られる樹脂微粒子は、樹脂(a1)と樹脂(a2)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(B)の他に樹脂(a1)のみを構成樹脂成分とする樹脂微粒子及び樹脂(a2)のみを構成樹脂成分とする樹脂微粒子を含む混合物として得られる場合があるが、後述する複合化工程においては、混合物のまま用いてもよく、樹脂微粒子(B)だけを単離して用いてもよい。
(I)の具体例としては、(a1)の構成モノマーを滴下重合して(a1)を含む樹脂微粒子の水性分散液を製造した後、これをシードとして(a2)の構成モノマーをシード重合する方法及びあらかじめ溶液重合等で製造した(a1)を水に乳化分散した後、これをシードとして(a2)の構成モノマーをシード重合する方法などが挙げられる。
(II)の具体例としては、(a2)の構成モノマーを滴下重合して(a2)を含む樹脂微粒子の水性分散液を製造した後、これをシードとして(a1)の構成モノマーをシード重合する方法及びあらかじめ溶液重合等で製造した(a2)を水に乳化分散した後、これをシードとして(a1)の構成モノマーをシード重合する方法などが挙げられる。
(III)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(a1)及び(a2)の溶液又は溶融物を混合した後、これを水性媒体に乳化分散する方法などが挙げられる。
(IV)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(a1)を(a2)の構成モノマーと混合し、これを水性媒体に乳化分散した後、(a2)の構成モノマーを重合する方法及び(a2)の構成モノマー中で(a1)を製造した後、その混合物を水性媒体に乳化分散した後、(a2)の構成モノマーを重合する方法などが挙げられる。
(V)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(a2)を(a1)の構成モノマーと混合し、これを水性媒体に乳化分散した後、(a1)の構成モノマーを重合する方法、(a1)の構成モノマー中で(a2)を製造した後、その混合物を水性媒体に乳化分散した後、(a1)の構成モノマーを重合する方法などが挙げられる。
本発明においては、上記(I)~(V)のいずれの製造方法も好適である。
樹脂微粒子(B)は水性分散液として用いることが好ましい。
前記水性分散液に用いられるもの(水性媒体)としては、水に溶解するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、界面活性剤、緩衝剤、保護コロイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<外添剤>
前記外添剤としては酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径は1nm~200nmが好ましく、10nm~150nmの無機微粒子がより好ましい。また、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が30nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ50nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。無機微粒子の平均粒径が50nm以上の場合、ブレードに堰き止められやすく、フィルミング、またクリーニングが改善する。
また、BET法による比表面積は、20m/g~500m/gであることが好ましい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー、などが挙げられる。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー母体粒子100質量部に対して、0.5質量部~6.0質量部が好ましく、1.0質量部~4.0質量部がより好ましい。
<<その他の外添剤>>
その他の添加剤としては、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげられる。チタニア微粒子としては、例えばP-25(日本アエロジル株式会社製)、STT-30、STT-65C-S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF-140(富士チタン工業株式会社製)、MT-150W、MT-500B、MT-600B、MT-150A(いずれも、テイカ株式会社製)、などが挙げられる。
疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えばT-805(日本アエロジル株式会社製)、STT-30A、STT-65S-S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF-500T、TAF-1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT-100S、MT-100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT-S(石原産業株式会社製)、などが挙げられる。
疎水化処理された酸化物微粒子、疎水化処理されたシリカ微粒子、疎水化処理されたチタニア微粒子、疎水化処理されたアルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。またシリコーンオイルによって、必要ならば熱を加えて、無機微粒子を処理して得た、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、シリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α-メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカと二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーに対し0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.3質量%以上3質量%以下がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200nm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。10nmより小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。また200nmを超えると感光体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機物フィラー、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
<<無機物フィラー>>
本発明におけるトナー母体粒子は、前述のトナー母体粒子に無機物フィラーを添加して製造される。無機物フィラーとしては、特に限定されるものではないが、炭酸カルシウム、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウムなどから選ばれる1種類以上を単独で、または複数組み合わせて添加できる。これらの無機物フィラーは、シランカップリング剤や界面活性剤、金属石鹸などで表面処理等されていてもよく、また、分級等により所望の粒子径分布に調整されたものを使用してもよい。
また、本発明のトナーが含有する無機物フィラーとしては、上記以外にも層状無機鉱物が好ましい。さらには、有機物イオンで変性された層状無機鉱物が好ましい。
層状無機鉱物は厚さ数nmの層が重ね合わさってできている無機鉱物のことを言い、「有機物イオンで変性する」とはその層間に有機物イオンを導入することを言う。
層状無機鉱物としては、スメクタイト族(モンモリロナイト、サポナイトなど)、カオリン族(カオリナイトなど)、マガディアイト、カネマイトが知られている。層状無機鉱物としては合成鉱物を用いても良い。変性層状無機鉱物はその変性された層状構造により親水性が高い。その為、層状無機鉱物を変性すること無しに水系媒体中に分散して造粒するトナーに用いると、水系媒体中に層状無機鉱物が移行し、トナーを異形化することができないが、変性することにより、親水性が高くなり、かかる変性層状無機鉱物は、トナーの製造時に微細化すると共に異形化し、トナー粒子の表面部分に特に多く存在し、トナー母体粒子全体に均一に分散配置させることができ、電荷調節機能を果たすと共に、低温定着にも貢献する。このとき、トナー材料中の変性層状無機鉱物の含有量は、0.2質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いる変性層状無機鉱物は、スメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機カチオンで変性したものが望ましい。また、層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入することができる。しかし、金属アニオンを導入すると親水性が高くなるため、金属アニオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機化合物が望ましい。
前記層状無機鉱物が有するイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の、有機物イオン変性剤としては第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩やイミダゾリウム塩などが挙げられるが、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましい。前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機物イオン変性剤としては、さらに分岐、非分岐または環状アルキル(C1~C44)、アルケニル(C1~C22)、アルコキシ(C8~C32)、ヒドロキシアルキル(C2~C22)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を有する硫酸塩、スルフォン酸塩、カルボン酸塩、またはリン酸塩が挙げられる。エチレンオキサイド骨格を持ったカルボン酸が望ましい。
層状無機鉱物を、少なくとも一部を有機物イオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナー組成物および/またはトナー組成物前駆体を含む油相が非ニュ-トニアン粘性を持ち、トナーを異形化することができる。このとき、トナー材料中の一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の含有量は、0.2質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。
一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物は、適宜選択することができるが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライトおよびこれらの混合物等が挙げられる。 中でも、Al元素は帯電能力の向上に効果があるため、Al元素を含むモンモリロナイトまたはベントナイトが好ましい。
一部を有機物カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone3、Bentone38、Bentone38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(Unitedcatalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone27(レオックス社製)、チクソゲルLG(Unitedcatalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。特に好ましいのはクレイトンAF、クレイトンAPAがあげられる。また一部を有機アニオンで変性した層状無機鉱物としてはDHT-4A(協和化学工業株式会社製)に下記一般式(1)で表される有機アニオンで変性させたものが特に好ましい。下記一般式(1)は例えばハイテノール330T(第一工業製薬株式会社製)が挙げられる。
(OR)nOSOM ・・・ 一般式(1)
[一般式(1)中、Rは炭素数13のアルキル基、Rは炭素数2から6のアルキレン基を表す。 nは2から10の整数を表し、Mは1価の金属元素を表す。 ]
<<離型剤>>
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。
さらに、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ-n-ステアリルメタクリレート、ポリ-n-ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n-ステアリルアクリレート-エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上95℃未満が好ましい。
前記離型剤としては、融点が60℃以上95℃未満の炭化水素系ワックスであることがより好ましい。このような離型剤は、定着ローラとトナー界面との間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても耐高温オフセット性を向上させることができる。
特に、炭化水素系ワックスは、前記非晶質ポリエステル樹脂との相溶性がほとんど無く、互いに独立して機能することができるため、結晶性ポリエステル樹脂の結着樹脂としての軟化効果、離型剤のオフセット性を損なうことがないため、好ましい。
前記離型剤の融点が60℃以上であることにより、低温で離型剤が溶融することがなく、トナーの耐熱保存性が向上する。前記離型剤の融点が95℃未満であると、定着時の加熱による離型剤が十分に溶融し、充分なオフセット性が得られる。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部以上10質量部以下が好ましく、3質量部以上8質量部以下がより好ましい。前記含有量が、2質量部以上であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性が良好となり、10質量部以下であると、耐熱保存性が悪化することがなく、また、画像のかぶりなどが生じやすくなることがない。前記含有量が、前記より好ましい範囲であると、高画質化、及び定着安定性を向上させる点で有利である。
<<帯電制御剤>>
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP-51、含金属アゾ染料のボントロンS-34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE-82、サリチル酸系金属錯体のE-84、フェノール系縮合物のE-89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP-302、TP-415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA-901、ホウ素錯体であるLR-147(日本カーリット株式会社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上5質量部以下がより好ましい。前記含有量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後固定化させてもよい。
前記トナーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性(定着下限温度)、ホットオフセット発生温度等を制御する点から、0.5mgKOH/g~40mgKOH/gであることが好ましい。前記酸価が、0.5mgKOH/g未満であると、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。前記酸価が、40mgKOH/gを超えると、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。
<<流動性向上剤>>
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
<<クリーニング性向上剤>>
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm~1μmのものが好適である。
<<磁性材料>>
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性(定着下限温度)、ホットオフセット発生温度等を制御する点から、0.5mgKOH/g~40mgKOH/gであることが好ましい。前記酸価が、0.5mgKOH/g未満であると、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。前記酸価が、40mgKOH/gを超えると、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。
<トナーの物性>
<<ガラス転移温度>>
前記トナーのガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、DSC測定において昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)が、45℃以上65℃未満であることが好ましく、50℃以上60℃以下であることがより好ましい。これにより、低温定着性、耐熱保存性及び高耐久性を得ることができる。前記Tg1stが、45℃未満であると、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生することがあり、65℃以上であると、低温定着性が低下することがある。
また、前記トナーのDSC測定において昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)は、20℃以上40℃未満であることが好ましい。前記Tg2ndが20℃未満であると、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生することがあり、40℃以上であると、低温定着性が低下することがある。
<<体積平均粒径>>
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上7μm以下であることが好ましい。また、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比は1.2以下であることが好ましい。また、体積平均粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
<<酸価、水酸基価の測定方法>>
水酸基価は、JIS K0070-1966に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5gを100mLのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mLを加える。次に、100±5℃の温浴中で1時間~2時間加熱した後、フラスコを温浴から取り出して放冷する。さらに、水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次に、無水酢酸を完全に分解させるために、再びフラスコを温浴中で10分以上加熱して放冷した後、有機溶剤でフラスコの壁を十分に洗う。
さらに、電位差自動滴定装置DL-53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113-SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で水酸基価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、以下の通りである。
〔測定条件〕
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n=1
comb.termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential1 No
Potential2 No
Stop for reevaluation No
酸価は、JIS K0070-1992に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mLに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mLを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL-53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113-SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、上記した水酸基価の場合と同様である。
酸価は、以上のようにして測定することができるが、具体的には、予め標定された0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、滴定量から、酸価[mgKOH/g]=滴定量[mL]×N×56.1[mg/mL]/試料質量[g](ただし、Nは、0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液のファクター)により酸価を算出する。
前記トナーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性(定着下限温度)、ホットオフセット発生温度等を制御する点から、0.5mgKOH/g~40mgKOH/gであることが好ましい。前記酸価が、0.5mgKOH/g未満であると、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下することがある。前記酸価が、40mgKOH/gを超えると、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下することがある。
<<融点、及びガラス転移温度(Tg)の測定方法>>
本発明における融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC-60」、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料の融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC-60」、株式会社島津製作所製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、DSC-60システム中の解析プログラム『吸熱ショルダー温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また、『吸熱ショルダー温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目におけるガラス転移温度を求めることができる。
また、得られるDSC曲線から、DSC-60システム中の解析プログラム『吸熱ピーク温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における融点を求めることができる。また、『吸熱ピーク温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目における融点を求めることができる。
本発明では、対象試料としてトナーを用いた際の一回目昇温時におけるガラス転移温度をTg1st、同二回目昇温時におけるガラス転移温度をTg2ndとする。
また本発明では、各構成成分の二回目昇温時における融点、Tgを各対象試料の融点、Tgとする。
<<粒度分布の測定方法>>
前記トナーの体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)、その比(D4/Dn)は、例えば、コールターカウンターTA-II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等を用いて測定することができる。本発明ではコールターマルチサイザーIIを使用した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL~150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を0.1mL~5mL加える。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON-II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg~20mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分間~3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布及び個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーは、少なくとも前記非晶質ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記離型剤、及び前記着色剤を含む油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。
このような前記トナーの製造方法の一例としては、公知の溶解懸濁法が挙げられる。
また、前記トナーの製造方法の他の一例として、前記活性水素基含有化合物と該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体との伸長反応及び/又は架橋反応により生成するもの(以下、「接着性基材」と称することがある)を生成しながら、トナー母粒子を形成する方法を以下に示す。このような方法においては、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去等を行う。
-水系媒体(水相)の調製-
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記樹脂粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。前記樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイドなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい、これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶媒、これらの混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、などが挙げられる。前記低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、などが挙げられる。
-油相の調製-
前記トナー材料を含有する油相の調製は、有機溶媒中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記非晶質ポリエステル樹脂、前記離型剤、前記ハイブリッド樹脂、及び前記着色剤などを含むトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶媒が好ましい。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
-乳化乃至分散-
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより、接着性基材が生成する。
前記接着性基材は、例えば、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー等の活性水素基に対する反応性を有する重合体を含有する油相を、アミン類等の活性水素基を含有する化合物と共に、水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で両者を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより生成させてもよく、トナー材料を含有する油相を、予め活性水素基を有する化合物を添加した水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で両者を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより生成させてもよく、トナー材料を含有する油相を水系媒体中で乳化又は分散させた後で、活性水素基を有する化合物を添加し、水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、粒子界面から両者を伸長反応及び/又は架橋反応させる場合、生成するトナーの表面に優先的にウレア変性ポリエステル樹脂が形成され、トナー中にウレア変性ポリエステル樹脂の濃度勾配を設けることもできる。
前記接着性基材を生成させるための反応条件(反応時間、反応温度)としては、特に制限はなく、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体との組み合わせに応じて、適宜選択することができる。
前記反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間~40時間が好ましく、2時間~24時間がより好ましい。
前記反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃~150℃が好ましく、40℃~98℃がより好ましい。
前記水系媒体中において、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー等の活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体を含有する分散液を安定に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系媒体相中に、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法、などが挙げられる。
前記分散のための分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm~20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm~30,000rpmが好ましく、5,000rpm~20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間~5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃~150℃が好ましく、40℃~98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記トナー材料を乳化乃至分散させる際の、水系媒体の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50質量部~2,000質量部が好ましく、100質量部~1,000質量部がより好ましい。
前記水系媒体の使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪くなって、所定の粒子径のトナー母粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にすると共に粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などを用いることができる。
前記陰イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、などが挙げられる。
これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
前記接着性基材を生成させる際の伸長反応及び/又は架橋反応には、触媒を用いることができる。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート、などが挙げられる。
-有機溶媒の除去-
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法、などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母粒子が形成される。トナー母粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、さらに分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離、などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記得られたトナー母粒子は、前記外添剤、前記帯電制御剤等の粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、トナー母粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離するのを抑制することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック工業株式会社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
<現像剤>
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記現像剤を一成分現像剤として用いる場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するブレード等の部材へのトナーの融着が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記現像剤を二成分現像剤として用いる場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90質量%~98質量%が好ましく、93質量%~97質量%がより好ましい。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
-芯材-
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g~90emu/gのマンガン-ストロンチウム系材料、マンガン-マグネシウム系材料、などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g~120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g~80emu/gの銅-亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm~150μmが好ましく、40μm~100μmがより好ましい。
前記体積平均粒子径が10μm未満であると、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがある。
-樹脂層-
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリハロゲン化オレフィン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリルモノマーの共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとフルオロ基を有さないモノマーの共重合体等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記ポリビニル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、などが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン-アクリル共重合体、などが挙げられる。
前記ポリハロゲン化オレフィンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、などが挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などが挙げられる。
前記樹脂層は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。前記導電粉としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、などが挙げられる。前記導電粉の平均粒子径は、1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、シリコーン樹脂等を溶媒に溶解させて塗布液を調製した後、塗布液を芯材の表面に公知の塗布方法を用いて塗布、乾燥した後、焼き付けを行うことにより形成することができる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレー法、ハケ塗り法、などを用いることができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルセロソルブ、などが挙げられる。
前記焼き付けは、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロ波を用いる方法、などが挙げられる。
前記キャリア中の樹脂層の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%~5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚いためにキャリア同士の融着が起こり、キャリアの均一性が低下することがある。
(トナー収容ユニット)
本発明に係るトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
<プロセスカートリッジ>
本発明のトナー収容ユニットの実施形態であるプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に形成されており、静電潜像を担持する感光体と、感光体上に担持された静電潜像を本発明の現像剤で現像してトナー像を形成する現像手段を少なくとも有する。なお、プロセスカートリッジは、必要に応じて、他の手段をさらに有していてもよい。
前記現像手段としては、本発明の現像剤を収容する現像剤収容部と、現像剤収容部内に収容された現像剤を担持すると共に搬送する現像剤担持体を少なくとも有する。なお、現像手段は、担持する現像剤の厚さを規制するため規制部材等をさらに有してもよい。
前記トナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、耐オフセット性、帯電安定性、耐ストレス性、地汚れに優れた、高精細・高品質な画像を長期にわたって提供することのできる前記トナーの特徴を活かし、長期的な画像安定性を有し、かつ高品質・高精細な画像を形成することができる。
(現像剤収容ユニット)
本発明に係る現像剤収容ユニットとは、トナー及びキャリアを有する現像剤を収容したものをいう。
(画像形成装置、及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本発明の画像形成装置は、より好ましくは、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を含む。
また、本発明の画像形成方法は、より好ましくは、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を含む。
前記現像手段において、前記トナーが使用される。好ましくは、前記トナーを含有し、更に必要に応じて、キャリアなどのその他の成分が含有された現像剤を用いることにより、前記トナー像を形成するとよい。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体(以下、「感光体」とも称する)の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。
<静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
<現像手段>
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<クリーニング手段>
本発明の画像形成装置においては、クリーニング手段を有することが好ましい。
上述したように、本発明のトナーは、クリーニング性に優れる。したがって、前記トナーを、クリーニング手段を有する前記画像形成装置に適用することにより、以下の点で、クリーニング性が向上する。
・トナー母体粒子のスペーサー効果を向上することにより、ストレス下においてもトナーの流動性が維持され、クリーニング性が向上する。
・外添剤(シリカ)の遊離量A(質量%)が、上述した式(3)を満たすことにより、感光体上におけるトナーから外添剤が十分に遊離するため、クリーニングブレードニップ部における外添剤の堆積層(ダム層)を形成することにより、高いクリーニング性を達成することができる。
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
次に、本発明の画像形成装置により画像を形成する方法を実施する一の態様について、図1を参照しながら説明する。
図1に、本発明の画像形成装置の一例を示す。図1に示すカラー画像形成装置100Aは、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」と称することがある)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像器40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50の近傍には、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。また、中間転写体50の近傍には、記録媒体としての転写紙95に現像像(トナー画像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が、中間転写体50に対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー画像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
感光体ドラム10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図1に示すカラー画像形成装置100Aにおいて、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光体ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像器40からトナーを供給して現像してトナー画像を形成する。該トナー画像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
図2に、本発明の画像形成装置の他の一例を示す。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を設けずに、感光体ドラム10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている以外は、図1に示す画像形成装置100Aと同様の構成を有する。
図3に、本発明の画像形成装置の他の一例を示す。図3に示す画像形成装置100Cは、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段120が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、前記露光部材である露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙95と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には前記定着手段である定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙95の両面に画像形成を行うために該転写紙95を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動する。そして、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段120(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達される。そして、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段120(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図4に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる前記帯電手段である帯電装置20と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図4中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する前記現像手段である現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えている。そして、各画像形成手段120は、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出す。シートは、分離ローラ145で1枚ずつ分離されて給紙路146に送り出され、搬送ローラ147で搬送されて複写機本体150内の給紙路148に導かれ、レジストローラ49に突き当てて止められる。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)する。そうすることにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、シートは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
図5に、本発明に関するプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ110は、感光体ドラム10、コロナ帯電器58、現像器40、転写ローラ80及びクリーニング装置90を有する。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載中「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「%」を表す。
-トナーの製造-
(製造例1)
<結晶性ポリエステル樹脂1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対をセットした反応容器に、セバシン酸及び1,6-ヘキサンジオールを仕込んだ。このとき、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を0.9とし、全モノマーに対して、500ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加した。次に、180℃で10時間反応させた後、200℃まで昇温して3時間反応させた。さらに、8.3kPaの減圧下で2時間反応させ、[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。[結晶性ポリエステル樹脂1]は、融点が67℃であり、重量平均分子量が25000であった。
(製造例2)
<非晶質ポリエステル樹脂1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAプロピレンオキサイドサイド2モル付加物1427.5g、トリメチロールプロパン20.2g、テレフタル酸512.7g、及びアジピン酸119.9gを入れ、常圧で230℃で10時間反応し、さらに10mmHg~15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸41.0gを入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[非晶質ポリエステル樹脂1]を得た。
[非晶質ポリエステル樹脂1]は、重量平均分子量10,000、数平均分子量2,900、Tg57.5℃、酸価20mgKOH/gであった。
(製造例3)
<プレポリマー1の合成>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10mmHg~15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、Tg55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート量は、1.53%であった。
(製造例4)
<ケチミン化合物1の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418mgKOH/gであった。
(製造例5)
<マスターバッチ1の調製>
水1,200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕540部、及び非晶質ポリエステル樹脂1を1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
(製造例6)
<WAX分散液1の作製>
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に離型剤1としてパラフィンワックス50部(日本精鑞株式会社製、HNP-9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)、及び酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[WAX分散液1]を得た。
(製造例7)
<結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調製>
金属製2L容器に、結晶性ポリエステル樹脂1を100部、及び酢酸エチル200部を入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
(製造例8)
<樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0―1)の製造>
撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた反応容器に、水3710部、ポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム(第一工業製薬株式会社製、アクアロンKH-1025)200部を仕込み、200回転/分で撹拌して均一化した。均一化したものを加熱して系内温度75℃まで昇温させた後、10%過硫酸アンモニウム水溶液90部を加えてから、スチレン450部、ブチルアクリレート250部、及びメタクリル酸300部からなる混合液を4時間かけて滴下した。
滴下後、75℃で4時間熟成させることで前記モノマー及びポリオキシエチレン-1-(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウムが共重合したポリマーである樹脂(a1-1)を含む水性分散液(W0-1)を得た。
水性分散液(W0-1)中の微粒子の体積平均粒径は、動的光散乱法(光散乱電気泳動装置:大塚電子株式会社製、ELS-8000)で測定したところ、15nmであった。
水性分散液(W0-1)の一部を乾燥して樹脂(a1-1)を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(TgA)は75℃、酸価は195mgKOH/gであった。
(製造例9)
<樹脂微粒子(B)の水性分散液(W―1)の製造>
次に、撹拌機、加熱冷却装置、及び温度計を備えた反応容器に、樹脂微粒子(A)の水性分散液(W0-1)667部、及び水248部を仕込み、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド(日油株式会社製、パーブチルH)0.267部を加えてから加熱して系内温度を70℃まで昇温させた後、スチレン43.3部、ブチルアクリレート23.3部、及び1%アスコルビン酸水溶液18.0部を2時間かけて滴下した。
滴下後、70℃で4時間熟成させることで水性分散液(W0-1)中の樹脂微粒子(A)をシードとして前記モノマーが共重合したポリマーである樹脂(a2-1)と樹脂(a1-1)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(B)の水性分散液(W-1)を得た。
樹脂微粒子(B)の体積平均粒径は、上記と同様にして測定したところ、17.3nmであった。
樹脂微粒子(B)の水性分散液(W-1)を10%アンモニア水溶液で中和してpH9.0にした後、遠心分離した沈殿物を乾固することで樹脂(a2-1)を単離した。該樹脂のガラス転移温度(Tg)は61℃であった。
樹脂微粒子(B)の水性分散液(W-1)が樹脂(a1-1)と樹脂(a2-1)とを同一粒子内に構成成分として含む樹脂微粒子(B)を含むことは以下のようにして確認した。
具体的には、ゼラチン(クックゼラチン、森永乳業株式会社製)2部を95℃~100℃に温めた水15部に加えて溶解させ、空冷して40℃となったゼラチン水溶液に樹脂微粒子(A-1)の水性分散液(W-1)を1:1の質量比率で混合し、よく撹拌した後、10℃で1時間冷やすことで硬化させたゲルを作製した。
このゲルをウルトラミクロトーム(ウルトラミクロトームUC7、FC7、ライカマイクロシステムス社製)において、-80℃に温調しながら厚さ80nmの切片を作製した後、2%四酸化ルテニウム水溶液で5分間気相染色を行ってから透過型電子顕微鏡(日立テクノロジーズ株式会社製、H-7100)で観察を行うことにより確認した。
(製造例10)
<樹脂微粒子分散液1の製造>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(商品名:エレミノールRS-30、三洋化成工業株式会社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。これを加熱して、系内温度:75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン-メタクリル酸-メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液1]を得た。[樹脂微粒子分散液1]を装置名:LA-920(HORIBA社製)で測定したところ、体積平均粒径:0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
上記製造例1~10の製造物を下記表1に示す
Figure 2023021689000001
(実施例1)
<トナーの調製>
-油相1の調製-
[WAX分散液1]500部、[プレポリマー1]200部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]500部、[非晶質ポリエステル樹脂1]750部、[マスターバッチ1]100部、[無機物フィラー1(トリメチルステアリルアンモニウム変性モンモリロナイト)]8部、及び硬化剤として[ケチミン化合物1]2部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相1]を得た。
-水相1の調製-
ビーカーにイオン交換水990部、水性分散液(W-1)33部と水性分散液(W0-1)60部の混合液、カルボキシメチルセルロースナトリウム6部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(三洋化成工業株式会社製、エレミノールMON-7)37部、及び酢酸エチル90部を投入し、[水相1]を得た。
-乳化・脱溶剤-
前記[油相1]が入った容器に、[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
-洗浄・加熱処理・乾燥-
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する、
という前記(1)~(4)の操作を2回行った。
(5):(4)の濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合し、50℃で4時間加熱処理した後、濾過し、[濾過ケーキ1]を得た。
(6):[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー母体粒子1]を得た。
[トナー母体粒子1]に対し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、トナー母体粒子100部、平均粒径:50nmの疎水性シリカ粒子を2.8部及び平均粒径が20nmの疎水性酸化チタン1.0部を、周速40m、攪拌時間3分の条件で混合し、[トナー1]を得た。[トナー1]は、体積平均粒径5.5μm、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比は1.1、体積平均粒径が2μm以下である成分が4個数%であった。
(実施例2)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を550部に、[非晶質ポリエステル樹脂1]を700部に、[無機物フィラー1]を10部に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を16分に変えて[トナー2]を得た。
(実施例3)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を520部に、 [非晶質ポリエステル樹脂1]を730部に、[無機物フィラー1]を9部に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を9分に代えて[トナー3]を得た。
(実施例4)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を560部に、 [非晶質ポリエステル樹脂1]を690部に、[無機物フィラー1]を11部に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を9分に代えて[トナー4]を得た。
(実施例5)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を530部に、 [非晶質ポリエステル樹脂1]を720部に、[無機物フィラー1]を9部に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を9分に代えて[トナー5]を得た。
(実施例6)
実施例1において、[無機物フィラー1]を10部に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を6分に代えて[トナー6]を得た。
(実施例7)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を520部に、 [非晶質ポリエステル樹脂1]を730部に、[無機物フィラー1]を9部に、加熱処理時間を6時間に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を6分に代えて[トナー7]を得た。
(実施例8)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を525部に、 [非晶質ポリエステル樹脂1]を725部に、[無機物フィラー1]を10部に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を6分に代えて[トナー8]を得た。
(比較例1)
実施例6において、水性分散液(W-1)33部と水性分散液(W0-1)60部の混合液を[樹脂微粒子分散液1]83部に代えた以外は、実施例6と同様にして、[トナー9]を得た。
(比較例2)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を300部に、[非晶質ポリエステル樹脂1]を950部に、加熱処理時間を6時間に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を6分に代えて[トナー10]を得た。
(比較例3)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を560部に、 [非晶質ポリエステル樹脂1]を690部に、[無機物フィラー1]を12部に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を13分に代えて[トナー11]を得た。
(比較例4)
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を570部に、[非晶質ポリエステル樹脂1]を680部に、[無機物フィラー1]を12部に、加熱処理時間を6時間に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を20分に代えて[トナー12]を得た。
(比較例5)
比較例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を0部に、[非晶質ポリエステル樹脂1]を1250部に、[無機物フィラー1]を12部に、また、ヘンシェルミキサーによる混合時の攪拌時間を4分に代えて[トナー13]を得た。
(評価)
上記で得た[トナー1]~[トナー13]について、以下に示す評価項目及び評価方法で評価した。
評価結果を表2に示す。
<トナー平均面における表面の増加割合>
本発明で用いるSPM(Scanning Probe Microscope)法は、先端の直径が10nm位の探針を走査して、探針と試料表面の原子との間に働く原子間力を感知し、試料表面形状等を測定する方法である。非常に分解能が高く、探針の走査方向(X方向)に対するZ方向の凹凸形状の測定ができる。本発明では、トナー粒子表面をSPMの探針で走査し、トナー粒子表面の形状測定を行なった。
SPMにてトナー表面を計測する際には、あるトナー粒子の頂上付近を、表面に沿って1μm四方程度の領域のTIPを走査する。このときの垂直変位をZ軸方向の情報とする。この計測は、測定個所や試料のトナー粒子を変えて3~10回行い、粒子全体の様子を把握する。まずは、SPMによる観察像で表面状態を評価し、添加剤の付着表面を確認した上で、定量的な凹凸分析を実施することが実用的である。また、本発明で規定する凹凸(振幅)は、SPM計測で得られたプロファイルの小さな周期の凹凸及び大きな周期の凹凸の、Z方向における凹部と凸部の差を求めるものとする。
SPM測定装置条件は以下の通りである。
測定装置;
原子間力顕微鏡システムBruker AXS製 Dimension Icon
測定モード;
PeakForceQNM
OMCL-AC240TS
材質Si
共振周波数70[Hz]
バネ定数2[N/m]カンチレバー
Sdrは、原子間力顕微鏡の表面測定により得られた3次元データを、解析ソフトNanoScope Analysis(Bruker)を用いて解析することで求めることができる。具体的には、まず、1次方程式を用いたPlaneFit機能にて3次元データの傾きを補正する。次に、2次方程式を用いたPlaneFit機能にて、トナーの粒子形状情報を除去する。それから、Roughness機能を用いてSdrを算出する。Sdrを算出する領域は、トナー粒子以外の領域を含まないように適宜解析領域を調整する。
<平均円形度>
湿式フロー式粒子径・形状分析装置FPIA-2100及び解析ソフトFPIA-2100 Data Processing Program for FPIA version00-10(シスメックス社製)を用いて、トナーの平均円形度を測定した。 具体的には、ガラス製の100mLビーカーに、アルキルベンゼンスルホン酸塩のネオゲンSC-A(第一工業製薬株式会社製)の10%水溶液0.1~0.5mL及びトナー0.1~0.5gを添加した後、ミクロスパーテルを用いて、かき混ぜ、イオン交換水80mLを添加した。 次に、超音波分散機UH-50(SMT社製)を用いて、20kHz、50W/10cm3の条件で1分間分散させた後、合計5分間分散させ、測定試料を得た。 ここで、粒子濃度が4000~8000個/10-3cm3の測定試料を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の平均円形度を測定した。
<超音波振動法によるシリカ遊離量>
本発明における外添剤の遊離量は以下に記載する測定方法に従って得られる値を言うものと定義する。
以下の手順により、トナーからのシリカ遊離量A(質量%)を測定した。
500mLビーカーに、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ノイゲンET-165、第一工業製薬株式会社製)10g、純水300mL入れ、1時間超音波にかけて分散を行い、分散液Aを得た。その後、2Lのメスフラスコに分散液Aを移してメスアップをし、1時間超音波にかけて溶かし、0.5%ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む分散液Bを得た。
分散液B50mLを110mLスクリュー管に注入し、更にサンプルとなるトナーを3.75g加えた。スクリュー管が分散液Bになじむまで、30分間~90分間撹拌して液Cを得た。この時、できるだけ回転を小さくして泡が立たないようにした。十分にトナーを分散させてから、超音波ホモジナイザー(VCX750、SONICS&Materials,Inc.製、20kHz、750ワット)にて、振動部を液Cに2.5cm進入させ、出力エネルギー40%で、1分間超音波振動を付与し、液Dを作製した。
液Dを50mL遠沈管に入れ、2,000rpmにて2分間遠心分離を行い、上澄み液と沈殿物を得た。沈殿物を60mLの純水で洗い込みながらセパロートに注ぎ、吸引ろ過により洗浄水を除去した。
ろ過後の沈殿物を再度ミニカップに入れ、純水60mLをミニカップに注ぎ入れ、スパチュラの柄で5回かき混ぜた。この時あまり激しくかき混ぜない。再度吸引ろ過により洗浄水を除去し、ろ紙上残ったトナーを回収し、40℃恒温槽で8時間乾燥させた。乾燥後得られたトナー3g、自動加圧成型機(T-BRB-32、Maekawa社製;荷重6.0t、加圧時間60秒間)にて直径3mm、厚み2mmにペレット成型し、処理後サンプルトナーとした。
上記処理をしていない初期サンプルトナーを、同様に直径3mm、厚み2mmにペレット成型し、処理前サンプルトナーとした。
蛍光X線装置(ZSX-100e、株式会社リガク製)にて定量分析で、ペレット成型したサンプルトナーのシリカの部数を測定した。使用する検量線は、予めトナー100部に対するシリカ含有量が0.1部、1部、1.8部のサンプルトナーで作成した。
下記の式によってシリカ遊離量A(質量%)を算出した。
シリカ遊離量A(質量%)=[処理前サンプルトナーのシリカ含有量(部)-処理後サンプルトナーのシリカ含有量(部)]/処理前サンプルトナー(部)×100
また、本発明の外添剤の含有量B(質量%)は、蛍光X線装置(ZSX-100e、株式会社リガク製)にて定量分析で、上記処理前サンプルトナーのペレット成型したサンプルのシリカの部数を測定することで算出した。
次に、実施例1~8、及び比較例1~5のトナーを含む各現像剤について、「耐熱保存性」、「耐久性」、及び「クリーニング性」を評価した。結果を下記表1及び表2に示す。
<耐熱保存性>
50mLのガラス容器にトナー10gを充填し、得られたトナー粉体の見掛け密度の変化が無くなるまで十分にタッピングし、容器に蓋をした。50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235-1991)により針入度を測定し、下記評価基準に基づいて「耐熱保存性」を評価した。
なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味する。針入度が15mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。
-評価基準-
◎:針入度が25mm以上
○:針入度が20mm以上25mm未満
△:針入度が15mm以上20mm未満
×:針入度が15mm未満
<耐久性>
低温低湿環境(10℃、15%RH)と、高温高湿環境(27℃、80%RH)のそれぞれにおいて、デジタルフルカラー複合機(装置名:Imagio MP C5000、株式会社リコー製)にトナーを含む各現像剤を充填した後、画像面積率:5%の画像を50万枚複写した。次に、全ベタ画像を印刷した後、画像を目視で観察し、下記評価基準に基づいて「耐久性」を評価した。
-評価基準-
◎:スジ状の色抜けが発生しない
○:スジ状の薄い色抜けがわずかに発生する(ベタ画像部の5%未満)
△:スジ状の薄い色抜けが発生する(ベタ画像部の5%以上10%未満)
×:スジ状の薄い色抜けが多く発生する(ベタ画像部の10%以上)、又はスジ状の濃い色抜けが発生する
<クリーニング性>
デジタルフルカラー複合機(装置名:Imagio MP C5000、株式会社リコー製)にトナーを含む各現像剤を充填した後、A4サイズ、トナーの付着量:1.0mg/cmのベタ画像を複写した。1000枚複写した時を初期、10万枚複写した時を経時とする。次に、それぞれの場合において、クリーニング工程を通過した感光体に残留したトナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移した後、反射濃度計(装置名:RD514、グレタグ・マクベス社製)を用いて反射濃度を測定し、下記評価基準に基づいて「クリーニング性」を評価した。
-評価基準-
◎:初期と経時とでの反射濃度の差が0.01未満
○:初期と経時とでの反射濃度の差が0.01以上0.025未満
△:初期と経時とでの反射濃度の差が0.025以上0.05未満
×:初期と経時とでの反射濃度の差が0.05以上
Figure 2023021689000002
上記の通り、実施例1~8では耐熱保存性、耐久性、及びクリーニング性に優れた結果が得られた。また、トナーでは、形状、トナー母体粒子表面の樹脂微粒子、トナー表面粗さ、を制御することで、耐熱保存性、耐久性、及びクリーニング性が改善した。
これに対して、比較例1では、トナー母体粒子表面に樹脂微粒子がなく、スペーサー効果が減少するため、耐熱保存性、及び耐久性が悪化する。
比較例2では、円形度が高く、球形であり、トナー母体粒子表面の凹凸も小さいため、外添剤が母体表面から剥がれやすく、耐久性、及びクリーニング性が悪化する。
比較例3では、円形度が小さく、外添剤の被覆効率が低下し、耐熱保存性、耐久性、及びクリーニング性が悪化する。
比較例4では、円形度が小さく、トナーの表面の凹凸が大きいため、外添剤の被覆効率が低下し、耐熱保存性、耐久性、及びクリーニング性が悪化する。
比較例5では、円形度が小さく、トナーの表面の凹凸が大きく、トナー母体粒子表面に樹脂微粒子も存在せず、外添剤の遊離量も多いため、外添剤の被覆効率、及びトナー母体粒子のスペーサー効果が低下し、耐熱保存性、耐久性、及びクリーニング性が悪化する。
本発明は下記<1>に記載するトナーに係るものであるが、下記<2>乃至<9>を実施形態として含む。
<1>結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含むトナーであって、
円形度が0.974以上0.985以下であり、
トナー母体表面に埋没した樹脂微粒子が複数個存在し、
SPM分析装置において検出される平均面における表面の増加割合をSdr[%]と表したとき、前記Sdr[%]が下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
5<Sdr<50 ・・・ 式(1)
<2>前記Sdr[%]が、下記式(2)を満たす、上記<1>に記載のトナー。
10<Sdr<40 ・・・ 式(2)
<3>前記トナーからの外添剤の遊離量A[質量%]が下記式(3)を満たす、上記<1>又は<2>に記載のトナー。
0.3<A<2.0・・・ 式(3)
<4>前記トナーの外添剤の含有量B[質量%]が下記式(4)を満たす、上記<1>乃至<3>のいずれか1項に記載のトナー。
0.5≦B≦6.0・・・ 式(4)
<5>上記<1>乃至<4>のいずれか1項に記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
<6>上記<1>乃至<4>のいずれか1項に記載のトナーと、キャリアと、を有することを特徴とする現像剤。
<7>上記<6>に記載の現像剤を収容したことを特徴とする現像剤収容ユニット。
<8>静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
上記<1>乃至<4>のいずれか1項に記載のトナー又は上記<6>に記載の現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
<9>静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
上記<1>乃至<4>のいずれか1項に記載のトナー又は上記<6>に記載の現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着工程と、
を有することを特徴とする画像形成方法。
10 静電潜像担持体、感光体ドラム
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ、帯電装置
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像器
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
110 プロセスカートリッジ
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光
特開2002-284881号公報 特開2019-099809号公報 特開2019-143128号公報 特開2007-233030号公報

Claims (9)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子と、外添剤と、を含むトナーであって、
    円形度が0.974以上0.985以下であり、
    前記トナー母体粒子表面に埋没した樹脂微粒子が複数個存在し、
    SPM分析装置において検出される平均面における表面の増加割合をSdr[%]と表したとき、前記Sdr[%]が下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
    5<Sdr<50 ・・・ 式(1)
  2. 前記Sdr[%]が、下記式(2)を満たす、請求項1に記載のトナー。
    10<Sdr<40 ・・・ 式(2)
  3. 前記トナーからの外添剤の遊離量A[質量%]が下記式(3)を満たす、請求項1又は2に記載のトナー。
    0.3<A<2.0・・・ 式(3)
  4. 前記トナーの外添剤の含有量B[質量%]が下記式(4)を満たす、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
    0.5≦B≦6.0・・・ 式(4)
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナーと、キャリアと、を有することを特徴とする現像剤。
  7. 請求項6に記載の現像剤を収容したことを特徴とする現像剤収容ユニット。
  8. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー又は請求項6に記載の現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、
    前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー又は請求項6に記載の現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、
    前記可視像を記録媒体上に転写する転写工程と、
    前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着工程と、
    を有することを特徴とする画像形成方法。
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