JP6197517B2 - トナー、該トナーの製造方法、前記トナーを用いた現像剤及びプロセスカートリッジ - Google Patents
トナー、該トナーの製造方法、前記トナーを用いた現像剤及びプロセスカートリッジ Download PDFInfo
- Publication number
- JP6197517B2 JP6197517B2 JP2013191352A JP2013191352A JP6197517B2 JP 6197517 B2 JP6197517 B2 JP 6197517B2 JP 2013191352 A JP2013191352 A JP 2013191352A JP 2013191352 A JP2013191352 A JP 2013191352A JP 6197517 B2 JP6197517 B2 JP 6197517B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- resin
- particles
- core
- release agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Dry Development In Electrophotography (AREA)
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Description
しかしながら、前記の方法によって、トナーの定着温度を低下させると、結晶性物質と結着樹脂の相溶状態により保管中にトナーのブロッキング、Tgの低下、現像プロセス、転写プロセスでの割れや変形や、各種の部材汚染などが発生して印字画像品位を著しく損ねることがある。
しかしながら、特許文献1記載のトナーでは、結着樹脂と結晶性樹脂が製造過程において結晶性樹脂の一部が結着樹脂に相溶してしまうため、保存安定性が低下したり、現像、転写などのプロセスにおいて変形したり、各種部材に固着しやすくなったりしてしまう、という問題がある。
しかしながら、結晶性材料の分散性は向上する一方で相溶性も高まり、結晶性材料の一部が結着樹脂に相溶してしまうため、保存安定性が低下したり、現像、転写などのプロセスにおいて変形したり、各種部材に固着しやすくなったりしてしまう、という問題がある。
しかし、対環境性から省エネ性能の要求が高まっており、消費電力の寄与が大きい定着エネルギーをオンデマンド化や抑制の方向に進んでいる。そして、ユーザー側のコストや、世界規模での地域展開の観点から、安価な紙種、特に表面凹凸が大きい荒い紙種などを用いることが多くなっている。表面凹凸が大きい記録媒体では、記録媒体表面に供給されたすべてのトナー粒子と定着部材とを接触させ、トナー粒子に直接熱エネルギーを与え難く、定着性が低下する傾向にある。
(1)「第1の非晶性樹脂と、第2の非晶性樹脂と、結晶性樹脂と、離型剤と、を含有するトナーであって、
前記第2の非晶性樹脂と結晶性樹脂とは、結晶性樹脂をコアとし第2の非晶性樹脂をシェルとするコアシェル粒子を構成し、前記離型剤は表面の少なくとも一部が前記コアシェル粒子に被覆されてトナー粒子表面に偏在することを特徴とするトナー。」
(2)「前記コアシェル粒子に被覆された離型剤の70%以上が、トナー粒子表面からトナー粒子直径の1/4以内の範囲に存在していることを特徴とする前記(1)に記載のトナー。」
(3)「前記トナー粒子は、中心と表面との間を、前記中心を軸として一周(2π)走査したとき、一周(2π)のうち30%以上に前記コアシェル粒子に被覆された離型剤が存在することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のトナー。」
(4)「前記コアシェル粒子の平均一次粒径が前記離型剤の平均1次粒子径の1/5以下であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナー。」
(5)「前記第1の非晶性樹脂は、非晶質ポリエステル樹脂であり、結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のトナー。」
(6)「フローテスターの3℃/min、30kg荷重時における塑性変形温度Tが60℃以上であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載のトナー。」、
(7)「前記(1)乃至(6)に記載されるトナーを製造する方法であって、少なくとも非晶性樹脂、結晶性樹脂、及び離型剤を含有する油相を水系媒体に分散させてトナー粒子を造粒する工程を有することを特徴とするトナー製造方法。」
(8)「前記(1)乃至(6)のいずれかに記載のトナーとキャリアとを含む2成分現像剤。」
(9)「前記(8)に記載の2成分現像剤を用いる2成分画像形成方法。」
(10)「感光体と少なくとも感光体上の潜像を現像剤で現像する装置とを一体化して画像形成装置に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジであって、前記現像剤は前記(1)乃至(6)のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。」
ここで、本発明におけるトナー粒子表面とは、トナー粒子内部の表面近傍をいう。
本発明においては、TEMによるトナー断面画像を染色して判別する方法により判断した。
前記構成によって、第1の非晶性樹脂のTg降下が抑制(耐熱保管性向上など)され、結晶性樹脂の融点以上では、第2の非晶性樹脂から離型剤にかけての境界領域に、融点降下や低粘性化を効果的に促進させることができる。
また離型剤のSP値は、第1の非晶性樹脂のSP値よりも低くすることで、トナー粒子内部に内包されやすい。
これらを基に、離型剤の表面にコアシェル粒子を被覆させ、第1の非晶性樹脂との界面でのSP値差により、コアシェル粒子で被覆された離型剤をトナー粒子表面近傍に配向させる。
なお、コアシェル粒子での被覆率が少ないと離型剤のSP値の影響が多くなりトナーの内部側若しくはランダムに分散することになる。
トナー粒子表面付近に配向するためにはコアシャル粒子による被覆率は、好ましくは65%以上であり、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上であり、上記範囲のコアシェル粒子で被覆された離型剤粒子がトナー中に少なくとも70%以上であることが好ましい。
溶媒に第1の樹脂が溶解する乳化形態においては、コアシャル粒子とWAXが溶解しないため乳化分散時に粒径効果などで離型剤の周りにコアシェル粒子が付着配位しやすい。
また、あらかじめ、離型剤分散液中にコアシャル粒子分散液を混ぜることで、コアシャル粒子で被覆された離型剤分散粒子をあらかじめ作製し、トナー乳化工程中に導入し分散させる。また特に粒径差があるので固定化処理はあってもなくてもよく、乳化時等での他材料との接触、分散エネルギーによる離型剤表面からの離脱(第1の樹脂中にコアシャル粒子が単独で分散するものが一部あってもよい)があっても前記の離型剤への被覆率を満足する範囲にあれば特に問題ない。
さらに、コアシャル粒子で被覆された離型剤粒子がより効率的に多く、均一にトナー粒子表面近傍に存在するためには、分散液中で攪拌等による物理的または第2の樹脂のTgと結晶性材料及び離型剤の融点のうち最も低いものより低い温度で加温しながら接着を促進するなどで凝集を起こさない程度で組み合わせても良い。
さらに、第2の非晶性樹脂(T)と結晶性樹脂(B)のSP値の差が大きすぎるとコアシェル粒子作製時に均一にシェル化することが困難になるだけでなく、離型剤やコアシェル粒子が凝集や遊離しやすくなりトナー粒子内部に分散不良を起こしやすくなることで部材汚染等を誘発しやすくなる。
(1)0.3≦Tsp−Rsp≦2.0 好ましくは0.3≦Tsp−Rsp≦1.5
(2)0.3≦Tsp−Bsp≦2.0 好ましくは0.3≦Tsp−Bsp≦1.5
(3)|Rsp−Bsp|≦3 好ましくは、|Rsp−Bsp|≦2
(4)0.6≦Rsp−Asp≦3.0 好ましくは1.0≦Rsp−Asp≦2.5
第2の非晶性樹脂の好ましいSP値(Tsp)の範囲としては、10〜14
第1の非晶性樹脂の好ましいSP値(Rsp)の範囲としては、8〜12
結晶性樹脂の好ましいSP値(Bsp)の範囲としては、9〜13
離型剤の好ましいSP値(Asp)の範囲としては、7〜11である。
本発明における前記コアシェル粒子は、結晶性樹脂をコアとし第2の非晶性樹脂をシェルとするものである。第1の非晶性樹脂と結晶性樹脂とが相溶した部分が多いと、メインの第1の非晶性樹脂を可塑化し、Tg低下による耐熱保存性、電気特性などに弊害を及ぼす。結晶性樹脂を第2の非晶性樹脂で完全に覆ったコアシェル粒子とすることで、定着時以外の粉体状態において、第1の非晶性樹脂と結晶性樹脂との相溶を防止できる。
トナー粒子表面からトナー粒子直径の1/4以内にコアシェル粒子に被覆された離型剤の70%以上が存在していることが好ましく、80%以上が存在していることがより好ましい。
コアシェル粒子がトナー粒子表面近傍に存在することで、定着時には結着樹脂が直ちに溶融して低温定着性が向上し、第2の非晶性樹脂により耐熱保存性を向上できる。
なお、トナー全粒子が前記要件を満たすことが好ましいが、本発明においては、体積平均粒径±1μmの範囲のトナー粒子で判定する。
コアシェル粒子により被覆された離型剤が存在している範囲が30%未満であると、定着の離型性やスミア等が悪化することがある。
コアシェル粒子が小さすぎる場合は凝集が生じたり、トナー母体粒子作製時の油相粘度が高くなりすぎたりして、所定の分散状態を形成し乳化を破綻させないようにすることが困難になることがある。
コアシェル粒子の粒径が大きすぎると、離型剤を被覆する効果がトナー母体粒子内部に取り込まれない粒子が発生し、遊離微粉の発生や、トナー母体粒子となる液滴の均一な乳化を阻害する場合がある。
トナーへの添加量が多すぎると、トナー作製時の油相粘度が高くなりすぎて乳化不良を引きおこす場合があり、トナーへの添加量が少ないと溶融時の粘性低下効果が低下する。
本発明の離型剤は、定着時の画像表面にブリードすることで定着部材との離型効果を発現させるものであり、離型剤の分散粒径は、上記のように、コアシェル粒子の平均一次粒径よりも大きいことが好ましく、その上限はトナー平均粒径の1/4以下であることが好ましい。
また、トナー粒子中の離型剤の1次平均粒子径は、0.4μm以上1.3μm以下であることが好ましく、0.5μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
本発明のトナーは、フローテスターの3℃/min、30kg荷重時における塑性変形温度Tが55℃以上100℃以下であることが好ましい。
前記塑性変形温度の測定は、実使用環境上でのトナーの挙動を測定するものであり、トナー粒子表面近傍に存在するコアシェル粒子が、物理的な応力や熱ストレスによっては変形しない無加圧の吸熱温度によるDSC測定とは異なるものである。
塑性変形温度の以下のように測定できる。
フローテスター(CFT−500/島津製作所社製)を用い、測定試料1.0gを秤量し、H1.0mm×φ0.5mmのダイを用いて、昇温速度3.0℃/min、予熱時間180秒、荷重10kg、測定温度範囲40〜180℃の条件で測定を行なった。
図4に示すように、試料が圧縮荷重を受けて変形し始める点を塑性変形温度TgAとした。
具体的には、軟化温度Ts点Cから試料内の内部空隙減少段階であるBCラインの延長線と試料が圧縮荷重を受けながらも未だ未変形な状態を維持しているABラインとの交差部分の点をTgAとした。
本発明のトナーは、第1の非晶性樹脂と、第2の非晶性樹脂と、結晶性樹脂と、離型剤とを含有し、必要に応じてその他の材料を含有してなる。
第1の非結晶性樹脂(R)としては、特に限定はなく、ポリエステル樹脂、ポリエステルハイブリッド樹脂、ビニル系樹脂、変性樹脂等であってもよいが、電子写真における静電潜像現像用トナーとして用いる場合には、ポリエステル骨格を有する樹脂を用いることにより良好な定着性が得られるので好ましい。
前記ポリエステル骨格を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂や、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマー(ポリエステルハイブリッド樹脂)があるが、ポリエステル樹脂を用いたほうが得られる着色樹脂粒子の均一性が高く好ましい。
1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると静電潜像現像用トナーとしては低温定着性が悪化する。
また、ガラス転移温度は80℃以下、好ましくは70℃以下がよい。80℃を超えるような場合、着色樹脂粒子を静電潜像現像用トナーとして用いる場合定着性が悪化する。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)と3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)と3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、または(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
1/1.5、さらに好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
一方、酸価が2mgKOH/g未満になると、樹脂の極性が低くなるため、ある程度極性を有する着色剤を油滴内で均一に分散することが難しくなる。
第1の非晶性樹脂の含有量は、少なくともコアシェル粒子の含有量よりも多いことが好ましい。
本発明のトナーには、低温定着性を向上させるために結晶性樹脂(B)が含有される。
結晶性の樹脂は結晶性であれば特に限定なく、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂等が挙げられるが、第1の非晶性樹脂がポリエステル樹脂である場合、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
なお、本発明において結晶性樹脂とは、例えばDSC測定において融点で吸熱量が極大値を示す(明確なピークを示す)樹脂を指す。一方、非結晶性樹脂はガラス転移に基づく緩やかなカーブが観測される。
その中でも1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールや1,8−オクタンジオールが好ましく、さらに好ましくは1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,9−ノナンジオールである。
融点が60℃以上であることによりトナーが真夏などの高温環境下に置かれたときや、さらに荷重がかかるような場合にトナーが変形しやすくなることでトナー粒子同士がくっついてしまい、本来の粒子としての振る舞いができなくなるということがない。
また、105℃以下であることにより定着性が良好となる。
さらに、フローテスターにおける塑性変形温度Tg−Aが55℃以上であることが好ましい。
具体的には、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱した際のピーク頂点の温度を融点とする。
結晶性樹脂(B)の含有量が少ないとトナー表面の接着性に対する結着樹脂が溶融した時の融点降下を促進する効果が得られにくくなる。
前記第2の非晶性樹脂(T)としては、前記第1の非結晶性樹脂(R)よりもSP値が高いものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記第1の非結晶性樹脂(R)を変性させた樹脂などであってもよいが、結晶性樹脂(B)と相溶しにくい骨格を有する樹脂が好ましく、結晶性樹脂(B)として結晶性ポリエステル樹脂を用いた場合、ビニル樹脂が、入手や合成が容易である点で好ましい。
例えば、スチレン、αメチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−カルボキシスチレン若しくはその金属塩、4−スチレンスルホン酸若しくはその金属塩、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート等、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸等)、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びこれらの塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などが挙げられる。
前記質量比が、0.1未満であると、低温定着性が悪くなることがあり、2.5を超えると、耐熱保管性やフィルミングなどの汚染性が悪くなることがある。
一方、前記質量比が、前記のより好ましい範囲であると、耐熱保存性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性に優れる点で好ましい。
第2の非晶性樹脂のTgが第1の非晶性樹脂のTgよりも5℃以上低い場合は特に、本来第1の非晶性樹脂に由来するトナーの耐熱特性よりも悪化することがある。トナー全体として第2非晶性樹脂の割合はかなり少ないが相溶などにより可塑化や融点降下を引き起こす材料の界面近傍に存在している為トナーとしての耐熱特性などに影響を及ぼすことがある。
第2の非晶性樹脂の分子鎖の形状としては特に限定はないが、線形、非線形樹脂からなり、どちらか片方がグラフト変性されたものであってもよく、さらにエステル伸長工法との組み合わせてもよい。
前記13C−NMRの測定は、試料50mgをキャップ式ガラス試験管に入れ、高周波加熱装置(QUICKER1010、DIC社製)で1分間加熱し、この分解物を重クロロホルム(CDCl3)30.5mLと緩和試薬トリス(2,4−ペンタンジオナト)クロム(III)(Cr(acac)3)を添加し、核磁気共鳴装置JNM−LA300(日本電子株式会社製)を用いて測定することができる。
離型剤としては、ワックスやシリコーンオイルなどの、定着プロセスで加熱されたときに十分に粘度が低く、かつトナー中の他の物質とも定着部材表面に相溶あるいは膨潤しにくい物質が使用され、トナーそのものの保存安定性を考えると、通常保管時にトナー粒子中で固体として存在するワックスを用いるのか好ましい。
離型剤はトナー中に2〜25質量%、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは4〜15質量%含まれているのが良い。2質量%未満であると、定着離型性向上効果が発揮できず、また25質量%を超えるとトナーの機械強度が低下する。
前記離型剤(A)の融点は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(例えば、DSC−6220R:セイコーインスツル社)により測定することができる。
<<SP値>>
前記SP値(溶解性パラメータ/Solubility Parameter)について説明する。前記SP値とは、溶解性パラメータと言われるもので、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものである。
前記SP値は、互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Densit y)の平方根で表される。
なお、前記CEDとは、1mLのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
本発明における前記SP値の計算は、Fedors法により下記式(I)を用いて行うことができる。
SP値(溶解パラメータ)=(CED値)1/2=(E/V)1/2・・式(I)
前記式(I)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm3/mol)であり、原子団の蒸発エネルギーをΔei、モル体積をΔviとしたとき、各々下式(II)、式(III)で表される。
E=ΣΔei ・・・式(II)
V=ΣΔvi ・・・式(III)
SP値の計算方法は諸説あるが、本発明においては一般的に用いられているFedorsの方法を用いた。
本計算方法、各原子団の蒸発エネルギーΔei及びモル体積Δviの諸データは、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載のデータを用いる。
また、−CF3基等示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照する。
なお、参考までに、式(I)で示されるSP値を(J/cm3)1/2に換算する場合には2.046を、SI単位(J/m3)1/2に換算する場合には、2,046を乗ずればよい。
通常、重合途中でモノマーを追加し樹脂骨格を変化させた樹脂などでは、仕込み組成比からのSP値の算出は困難となる。
また、トナーに含まれる成分についても、一般にその組成が不明であることが多くSP値の算出は困難である。
ところが、前記Fedors法によるSP値の算出は、樹脂などを構成するモノマーの種類と比率とを特定すれば算出が可能となる。
例えば、前記第1の非晶性樹脂、第2の非晶性樹脂と前記結晶性樹脂或いは前記離型剤などを混合したものについて、GPCにより分離を行い、その分離した各成分について後述の分析手法を採ることで、前記SP値の算出が可能となる。
すなわち、THF(テトラヒドロフラン)を移動相としたGPC測定において、溶出液についてフラクションコレクターなどにより分取を行い、溶出曲線の全面積分のうちの所望の分子量部分に相当するフラクションをまとめる。
このまとめた溶出液をエバポレーターなどにより濃縮・乾燥した後、固形分を重クロロホルム又は重THFなどの重溶媒に溶解させ、1H−NMR測定を行い、各元素の積分比率から、溶出成分における樹脂の構成モノマー比率を算出することができる。
また、他の手法としては、溶出液を濃縮後、水酸化ナトリウムなどにより加水分解を行い、分解生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などにより定性定量分析することでも構成モノマー比率を算出することができる。
これを目開き0.2μmのメンブランフィルターにてろ過し、トナー中のTHF可溶分を得る。
次いで、これをTHFに溶解してGPC測定用の試料とし、前述の各樹脂の分子量測定に用いるGPCに注入する。
一方、GPCの溶出液排出口にフラクションコレクターを配置して、所定のカウントごとに溶出液を分取しておき、溶出曲線の溶出開始(曲線の立ち上がり)から面積率で5%毎に溶出液を得る。
次いで、各溶出分について、1mLの重クロロホルムに30mgのサンプルを溶解させ、基準物質として0.05体積%のテトラメチルシラン(TMS)を添加する。
溶液を5mm径のNMR測定用ガラス管に充填し、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製JNM−AL400)を用い、23℃〜25℃の温度下、128回の積算を行い、スペクトルを得る。
トナーに含まれる前記第1及び第2の非晶性樹脂、前記結晶性樹脂、前記離型剤のモノマー組成、及び構成比率は得られたスペクトルのピーク積分比率から求めることができる。
例えば、以下のようにピークの帰属を行い、それぞれの積分比から構成モノマーの成分比率を求める。
ピークの帰属は、例えば、8.25ppm付近:トリメリット酸のベンゼン環由来(水素1個分)8.07ppm〜8.10ppm付近:テレフタル酸のベンゼン環由来(水素4個分)7.1ppm〜7.25ppm付近:ビスフェノールAのベンゼン環由来(水素4個分)6.8ppm付近:ビスフェノールAのベンゼン環由来(水素4個分)及びフマル酸の二重結合由来(水素2個分)5.2ppm〜5.4ppm付近:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のメチン由来(水素1個分)3.7ppm〜4.7ppm付近:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のメチレン由来(水素2個分)及びビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のメチレン由来(水素4個分)1.6ppm付近:ビスフェノールAのメチル基由来(水素6個分)とすることができる。
これらの結果から、前記式(I)により前記非晶性樹脂、前記結晶性樹脂、前記離型剤のSP値を算出することができる。
本発明のトナーは、着色剤を含有することができる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤は、樹脂(結着樹脂)と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
前記マスターバッチにおいて、前記着色剤と共に混練されるマスターバッチ用の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。また、前記非結晶性樹脂(R)と同様のものや、後述する変性樹脂なども用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、所謂フラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを前記マスターバッチ用の樹脂及び有機溶剤と共に混合及び/又は混練し、前記着色剤を前記マスターバッチ用の樹脂側に移行させ、水分及び有機溶剤成分を除去する方法も、前記着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。
前記混合及び/又は混練する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3本ロールミル等の高せん断分散装置を用いる方法が好ましい。
前記トナーにおける前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、帯電制御剤、分散安定剤、磁性体、流動性向上剤、クリーニング性向上剤などが挙げられる。また、後述する変性樹脂やアミン化合物を含んでいてもよい。
また、前記その他の成分の含有量としても、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものが全て使用できる。
例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
前記分散安定剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、無機分散剤、保護コロイドなどが挙げられる。
前記無機分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のビニルアルコール;前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物とのエステル類あるいはこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記磁性体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、又は他の金属酸化物を含む酸化鉄、;鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金;又はこれらの混合物などが用いられる。
前記流動性向上剤として、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する機能を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子におけるシリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
前記クリーニング性向上剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、該ポリマー微粒子の体積平均粒径としては、0.01μm〜1μmが好ましい。
また、前記トナーの個数平均粒径(Dn)としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.6μm〜8μmが好ましく、3.2μm〜5.2μmがより好ましい。前記体積平均粒径(Dv)と前記個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.25以下が好ましく、1.00〜1.15がより好ましい。前記Dv/Dnが前記より好ましい範囲であると、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存安定性の全ての性能に優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れる点て有利である。更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる点で有利である。
前記粒子濃度の測定は、CCDカメラで撮像した2次元の画像面積と、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出を行う。CCDの画素の精度から、円相当径で0.6μm以上を有効とし粒子個数を得る。平均円形度Xは、下記式により得られるものである。
平均円形度X=Σ(L0/L)/n
ただし、「L0」は、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を表し、「L」は、粒子の投影像の周囲長を表し、「n」は、全粒子数を表す。
本発明のトナーにおける平均円形度は、トナー形状の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.0を示し、表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
具体的には、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて約1質量%塩化ナトリウム水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。前記測定試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行い、前記粒度分布測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積及び個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明のトナーの製造方法は、第1の非晶性樹脂と、該第1の非晶性樹脂よりSP値が高い第2の非晶性樹脂と、結晶性樹脂と、離型剤と、を含有し、前記離型剤は、前記第1の非晶性樹脂中に分散され、かつ該離型剤の表面の少なくとも一部が、前記結晶性樹脂をコア、前記第2の非晶性樹脂をシェルとするコアシェル粒子により被覆された状態であるトナーの製造方法であって、前記第2の非晶性樹脂が少なくともビニルポリマーを有し、該結晶性樹脂と第2の非晶性樹脂とで形成されるコアシェル粒子化工程と、前記コアシェル粒子を前記第1の非結晶性樹脂中に分散させる分散工程と、を含む。
例えば、トナー母体粒子を作製した後にアニーリングによって結晶性樹脂の結晶化、相溶界面などの再結晶化を促進することができるが、低温で長時間の均一な熱付与が必要(例えば50℃、10hなど)となる。低温というのは、結晶性樹脂の融点ピーク未満の領域で、トナーのTg未満と合わせて高すぎない領域で設定する。トナー全体への影響を少なくし、より均一な結晶化のためにゆっくりと時間をかけて行う方が好ましい。しかし、生産性と相反することになる。
油滴分散液調製工程中では離型剤とコアシェル粒子が共に分散体として存在することが好ましく、油相分散した際に粘度を調整することが好ましい。粘度が上がりすぎるとトナー粒子を形成するための油滴が上手く形成されなくなる若しくは所望の粒度を調整しにくくなる。
特に限定することはないが、本発明のコアシェル粒子を効率的に分散良くトナー粒子表面近傍に存在させるためには水相側にコアシェル粒子を分散導入し、乳化時や粒度分布調整時等でトナー粒子表面近傍に導入、配向させることが好ましい。
トナー粒子自体のシェル化の有無は特に限定するものではない。
本発明のトナーを得る方法としては、結晶性ポリエステル樹脂などの結晶性樹脂を第2の非晶性樹脂によってカプセル化し、カプセル化された結晶性樹脂をコア、第2の非晶性樹脂をシェルとするコアシェル粒子を製造するコアシェル粒子化工程を有するのが良い。
(1)あらかじめ結晶性樹脂の微粒子を作製し、微粒子の周囲を第2の非晶性樹脂で被膜する方法、
(2)溶媒中に結晶性樹脂と第2の非晶性樹脂を溶解したものの微粒子を作製した後、溶媒を除去し結晶性樹脂と第2の非晶性樹脂とを相分離をさせながらカプセル構造を形成する方法、
(3)第2の非晶性樹脂を溶解した溶液中に結晶性樹脂を微粒子として分散させた分散液の微粒子を作製した後、溶媒を除去して結晶性樹脂を内包した微粒子を作製する方法、
(4)第2の非晶性樹脂のモノマー中に結晶性樹脂を溶解・もしくは微粒子として分散させたモノマー溶液の微粒子を得た後、モノマーを重合させて樹脂とすることで第2の非晶性樹脂によってカプセル化された結晶性樹脂を得る方法、などが挙げられる。
中でも、最後に挙げた(4)の方法が均一なカプセル粒子を得られやすいため好ましい。
前記分散工程は、前記コアシェル粒子を前記第1の非結晶性樹脂(R)中に分散させる工程である。
この分散工程により、前記コアシェル粒子(BT)をトナー中に導入することができる。
(1)前記コアシェル粒子(BT)を溶解又は分散させた油相を調製し、該油相を水相に分散させて、前記コアシェル粒子を含む油滴を含む油滴分散液を調製する方法。
(2)前記コアシェル粒子(BT)を分散させた水相を調製し、該水相に油相を分散させて油滴を調製する際に、該油滴の内部に前記コアシェル粒子(BT)を取りこませる方法。
(3)水相中に油相を分散させて油滴を含む油滴分散液を調製し、該油滴分散液に前記コアシェル粒子(BT)を添加し、前記油滴の内部に前記コアシェル粒子(BT)を取りこませる方法。
したがって、前記分散工程は、有機溶媒中に少なくとも前記第1の非晶性樹脂とコアシェル粒子と離型剤とを溶解あるいは分散させた油相を作製する油相調製工程と、水系媒体中に少なくとも界面活性剤を有する水相を作製する水相調製工程と、前記水相中に前記油相を分散させ、油相からなる粒子が分散した分散液を作製する油滴分散液調製工程とを含むことが好ましい。また、前記油滴分散液調製工程後に、油相中の溶剤を脱溶剤する脱溶剤工程と、トナー粒子を洗浄する洗浄工程と、乾燥して水分を除去する乾燥工程とを含むことがより好ましい。
前記油相調製工程は少なくとも前記第1の非晶性樹脂とコアシェル粒子(BT)と離型剤とを有機溶剤中に溶解又は分散させた油相を調製する工程である。前記油相は、必要に応じて、着色剤、更に変性樹脂、アミン化合物、前記帯電制御剤などを含有していてもよい。
前記油相調製工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、攪拌をしながら、有機溶剤中に前記コアシェル粒子(BT)や着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させる方法などが挙げられる。
例えば、前記着色剤として前記マスターバッチを用いる方法などが挙げられ、前記帯電制御剤にも、前記マスターバッチと同様の方法を適用することができる。
このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤中に溶解あるいは分散させる樹脂が、ポリエステル骨格を有する樹脂である場合、前記有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系の溶剤、若しくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系の溶剤が、溶解性が高い点で好ましい。
これらの中でも、前記有機溶剤としては、脱溶剤処理が容易になる点で、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
前記油相は、得られるトナーの力学的強度を高めたり、静電潜像現像用トナーとして用いる場合においては力学的強度に加え定着時における耐ホットオフセットを防止したりする目的で、末端にイソシアネート基を有する変性樹脂(「プレポリマー」とも称する。)を含有していてもよい。
前記変性樹脂のイソシアネート基は、後述する油滴分散液調製工程において、水相中に油相を分散させた粒子(油滴)を得る過程で、加水分解をして一部がアミノ基となる。この生成したアミノ基は、未反応のイソシアネート基と反応していき、伸長反応が進行していく。
変性樹脂の含有量は、第1の非晶性樹脂に対して30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
前記油相は、前記変性樹脂の伸長反応を確実に反応させる、若しくは架橋点を導入する目的で、アミン化合物を併用することが好ましい。
前記アミン化合物(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜前記B5のいずれかのアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミノアルコール(B3)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
水相調製工程は、水系媒体中に少なくとも界面活性剤を有する水相を作製する工程である。
用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。樹脂微粒子100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。
上記水系媒体中に、前記の結着樹脂、着色剤および離型剤等の溶解物または分散物を分散させる際、無機分散剤または有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させておくことにより、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良い。
例えはビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびそれらの併用である。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは20〜80℃である。
また、上記水相に、必要に応じて、界面活性剤等を用いることもできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
前記水相は、後述する油滴分散液調製工程において、油滴の分散性を向上させる目的で、無機分散剤や保護コロイド等の前記分散安定剤を含有していてもよい。前記水相が分散安定剤を含有していると、得られるトナーの粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
前記油滴分散液調製工程は、前記水相中に前記油相を分散させ、油相からなる油滴が分散した油滴分散液を調製する工程である。
前記油滴分散液の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等を利用した公知の装置を使用して調製する方法などが挙げられる。これらの中でも、所望の粒径を有する油滴が調製できる点で、高速せん断式が好ましい。
また、結晶性樹脂の融点より−20℃以下であれば製造時において結晶構造の変化や非晶性樹脂(ここでは樹脂(T))との境界部分の状態変化が抑制されるため、元の粒子状体のままトナー中に分散、導入が可能であるため好ましい。
前記脱溶剤工程は、前記油滴分散液から前記有機溶剤を脱溶剤して前記水系媒体及びトナー粒子を含む分散スラリーを調製する工程である。なお、本発明において、分散スラリーとは、水系媒体中にトナー粒子が分散された流動性のある状態をいう。
(1)前記油滴分散液全体を攪拌しながら徐々に昇温し、該油滴分散液中(油滴中)の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法。
(2)前記油滴分散液全体を攪拌しながら該油滴分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、前記油滴分散液中(油滴中)の有機溶剤を完全に除去する方法。
(3)前記油滴分散液全体を攪拌しながら減圧し、前記油滴分散液中(油滴中)の有機溶剤を蒸発除去する方法。
これらの中でも、前記脱溶剤工程は、(1)に記載の方法が好ましい。
前記洗浄工程は、前記トナー粒子を洗浄する工程である。前記脱溶剤工程により得られた分散スラリーには、トナー粒子以外に、界面活性剤や分散安定剤等の副材料が含まれていることがあるため、該分散スラリーからトナー粒子のみを取り出すために洗浄を行うことが好ましい。
前記洗浄工程において洗浄を行う方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などが挙げられる。
いずれの方法によってもトナー粒子からなるケーキ体が得られるが、一度の操作で十分に洗浄できない場合は、得られたケーキを再度水系溶剤に分散させて分散スラリーにし、前記洗浄工程を繰り返し実施してもよい。
前記洗浄工程に用いる前記水系溶剤としては、通常、水、あるいは水にメタノール、エタノール等のアルコールを混合した混合溶剤などが用いられる。これらの中でも、コストや排水処理などによる環境負荷の点で、水が好ましい。
前記分散安定剤を使用した場合は、該分散安定剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、洗浄除去する方が、トナーの帯電面から好ましい。
前記乾燥工程は、前記洗浄工程後の前記トナー粒子から前記水系媒体を除去して乾燥させる工程である。これにより、前記水系媒体を多く抱き込んだ前記洗浄工程後のトナー粒子からトナー粒子のみを得ることができる。
前記乾燥工程は、トナー粒子の水分量が最終的に、トナー粒子に対して1質量%未満になるまで行うことが好ましい。
前記乾燥工程においてトナーを乾燥する方法としては、前記洗浄工程後の前記トナー粒子から前記水系媒体を除去することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機等の乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
前記その他の工程としては、本発明の効果を妨げない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熟成工程、解砕工程などが挙げられる。
前記熟成工程は、前記分散工程の油滴分散液調製工程後、前記脱溶剤工程前に行う工程であり、前記油相中に末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を含有している場合、該イソシアネート基の伸長反応及び/又は架橋反応を進行させる工程である。
前記熟成工程を行う温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜40℃が好ましく、15℃〜30℃がより好ましい。
前記熟成工程を行う時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記と同じく結晶性樹脂の融点より−20℃以下であれば製造時において長い時間の保持であっても結晶構造の変化や非晶性樹脂(ここでは樹脂T)との境界部分の状態変化が抑制されるため、元の粒子状体のままトナー中に分散、導入が可能であるため好ましい。
前記解砕工程は、前記乾燥工程後に行う工程であり、前記トナー粒子が軟凝集している際に、該軟凝集したトナー粒子をほぐす工程である。
前記解砕工程において軟凝集したトナー粒子を解砕する方法としては、例えば、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサー等の装置を用いる方法などが挙げられる。
本発明に係るプロセスカートリッジは、感光体と少なくとも感光体上の潜像を現像剤で現像する装置とを一体化して画像形成装置に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジであって、現像剤中に前記本発明のトナーを含む。
かかるプロセスカートリッジは、例えば、図5に示すように、潜像担持体101を内蔵し、帯電装置102、現像装置104、クリーニング部107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図5中、103は露光装置からの露光、105は記録紙をそれぞれ示す。前記潜像担持体101としては、任意の潜像担持体を用いることができる。前記帯電装置102には、任意の帯電部材が用いられる。
図5に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電装置102による帯電、露光手段(図示せず)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像装置104でトナー現像され、該トナー現像は転写ローラ108により、記録紙105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の潜像担持体表面は、クリーニング部107によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物467部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物311部、テレフタル酸208部、イソフタル酸23部、アジピン酸24部、及び、ジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[第1の非晶性ポリエステル1]を合成した。
得られた[第1の非晶性ポリエステル1]は、SP値が9.8、ガラス転移温度が60.8℃、酸価が20mgKOH/gであった。
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物128部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物650部、テレフタル酸208部、イソフタル酸23部、アジピン酸24部、及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。
次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[第1の非晶性ポリエステル2]を合成した。
得られた[第1の非晶性ポリエステル2]は、SP値が10.6、ガラス転移温度が64℃、酸価が17mgKOH/gであった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1,10−デカンジカルボン酸2120g、1、8−オクタンジオール1080g、1、4−ブタンジオール1410g、及びハイドロキノン3.9gを入れ、180℃で6時間反応させた後、200℃に昇温して2時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて1時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂1]のSP値は11.3、融点は71℃、Tg−Aは62℃であった。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、フマル酸1284g、無水トリメリット酸167g、1,6ヘキサンジオール215g、1、4−ブタンジオール1344g、及び、ハイドロキノン2.2gを入れ、180℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して2時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて[結晶性ポリエステル樹脂2]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂2]のSP値は10.2、融点は104℃、Tg−Aは61℃であった。
イオン交換水281部に、ドデシル硫酸ナトリウム0.4部を入れて70℃に加熱して溶解させ水系媒体を得た。
別途、スチレンモノマー30部、メタクリル酸メチル30部、ブチルアクリレート5部、メタクリル酸2部、[結晶性ポリエステル樹脂1]33部を窒素雰囲気下80℃に加熱しながら攪拌し、均一なモノマー溶液を得た。
得られたモノマー溶液を前記水系媒体中に投入し、80℃に保ったまま窒素雰囲気下超音波ホモジナイザーVCX750を用い、90〜110Wで10分間超音波照射を行い、モノマー溶液を水系媒体中に分散し、分散液を得た。途中、超音波照射により液温が上昇するが、ウォーターバスなどにより、75〜85℃になるように調整した。
前記分散液を、冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に移し、攪拌しながら80℃に保持し、過硫酸カリウム0.5部をイオン交換水19部に溶解させたものを加え、180分間重合反応を行った。
その後、冷却して体積平均粒子径98nmの白色の[コアシェル粒子分散液1]を得た。
また、前記SP値の測定方法から其々シェル部の(第2の)非晶性樹脂分が11.7、コア部の結晶性ポリエステル樹脂分が9.8であった。
イオン交換水281部に、ドデシル硫酸ナトリウム0.4部を入れて70℃に加熱して溶解させ水系媒体を得た。
別途、[第2の非晶性樹脂1]としての、スチレンモノマー30部、メタクリル酸メチル30部、ブチルアクリレート5部、及びメタクリル酸2部を窒素雰囲気下で80℃に加熱しながら攪拌し、均一なモノマー溶液を得た。
前記モノマー溶液を前記水系媒体中に投入し、80℃に保ったまま窒素雰囲気下で超音波ホモジナイザー(VCX750、東京理化機械株式会社)を用い、90W〜110Wで10分間超音波照射を行い、モノマー溶液を水系媒体中に分散し、分散液を得た。超音波照射の途中で、超音波照射により液温が上昇するが、ウォーターバスにより、75℃〜85℃になるように調整した。
前記分散液を、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に移し、攪拌しながら80℃に保持し、過硫酸カリウム0.5部をイオン交換水19部に溶解させたものを加え、モノマー溶液中の各成分の重合反応を180分間行った。その後、冷却して、白色の[第2の樹脂分散液−1]を得た。
得られた[第2の樹脂分散液−1]中の微粒子のSP値は11.7であった。
超音波ホモジナイザーを用い、60W〜70Wで10分間超音波照射を行う以外は、[コアシェル粒子分散液1]と同様にして135nmの白色の[コアシェル粒子分散液2]を得た。
[結晶性ポリエステル樹脂1]を、[結晶性ポリエステル樹脂2]に代える他は[コアシェル粒子分散液1]と同様にして60nmの白色の[コアシェル粒子分散液3]を得た。
超音波ホモジナイザーを用い、30W〜40Wで3分間超音波照射を行う以外は、[コアシェル粒子分散液1]と同様にして430nmの白色の[コアシェル粒子分散液4]を得た。
水1200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕540部、及び[第1の非晶性ポリエステル樹脂1]1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した混合物を、2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。
[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[第1の非晶性ポリエステル樹脂1]545部、[離型剤1(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)]を181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。
次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
次いで、[第1の非晶性ポリエステル樹脂1]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌したところpH6.2となった。これに、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH9.5に調整し、[水相1]を得た。
得られた[油相1]に[水相1]1100部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、
その後、50〜100rpmの間に調整し、コアシェル粒子中の結晶性樹脂量が、油相固形成分に対し2wt%に相当する量の[コアシェル粒子分散液1]を1分間で滴下し、20min間攪拌を継続した後、粒子となる油相の液滴が水相に分散された[粒子スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[離型剤1]を[離型剤2(日本精鑞社製、マイクロクリスタリンwax HI−MIC−1090 : 融点88℃、 SP値9.0)]に変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー2]を得た。
[第1の非晶性ポリエステル1]を[第1の非晶性ポリエステル2]に変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー3]を得た。
[コアシェル粒子分散液1]を[コアシェル粒子分散液2]に変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー4]を得た。
[コアシェル粒子分散液1]を[コアシェル粒子分散液3]に変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー5]を得た。
コアシェル粒子の量を、結晶性樹脂が2%に相当する量から結晶性樹脂が1%に相当する量に、変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー6]を得た。
コアシェル粒子の量を、結晶性樹脂が2%に相当する量から結晶性樹脂が3%に相当する量に、変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー7]を得た。
[第1の非晶性ポリエステル1]を[第1の非晶性ポリエステル2]に[離型剤1]を[離型剤2]に変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー8]を得た。
コアシェル粒子の量を、結晶性樹脂が2%に相当する量から結晶性樹脂が10%に相当する量に、変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー9]を得た。
コアシェル粒子の量を、結晶性樹脂が2%に相当する量から結晶性樹脂が0.2%に相当する量に、変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー10]を得た。
[コアシェル粒子分散液1]を[コアシェル粒子分散液4]に変更したこと以外は実施例1と同様にして、[トナー11]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、2mmジルコニアビーズを50体積%充填、1パスの条件で顔料、WAXの分散を行った以外は実施例1と同様にして、[トナー12]を得た。
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。
流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に前記樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
ボールミルを用いて、前記トナー15部と前記キャリア95部とを混合し、現像剤を作製した。
<耐熱保存性>
トナー試料20gを20mlのガラス瓶に入れ、50℃の恒温槽にて24時間静置した後、このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度の測定を行った。
この値が10mm未満の場合は、使用上問題が発生する可能性が高い。
針入度に基づく熱保存性の判定基準は次の通りである。
◎:20mm以上
○:15mm〜20mm未満
△:10mm〜15mm未満
×:10mm未満
画像形成装置MF2800(株式会社リコー製)を用いて、10,000枚画像を形成させた後の感光体を目視で検査し、感光体にトナー成分の固着が生じていないかを下記評価基準により評価した。
○:感光体へのトナー成分の固着が確認されない
△:感光体へのトナー成分の固着が確認できるが、実用上、問題になるレベルではない
×:感光体へのトナー成分の固着が確認でき、実用上問題の出るレベルである
改造したリコー製IPSIO CX2500を用いて、マイリサイクルペーパー100:坪量68g/m2、平滑度27sである平滑度が低めの(トナー接着が困難な)用紙を用いて4.0±1g/m2のトナー付着量で画像面積率が60%である未定着ハーフトーン画像(スミアが発生し易い画像)を印字したものを用意する。
次に、改造した定着ユニットを用いて、システムスピードを500mm/secに設定し、用意した未定着画像を通紙して画像を定着させた。定着温度は120℃から5℃刻みで160℃まで行う。
なお、各温度での画像通紙後にタイプ6200:坪量70g/m2、平滑度68sの白紙を3枚通紙し、定着部材へのコールドオフセット確認と部材表面のリフレッシュを行う。
上記定着画像部を、クロックメータを用いて白綿布(JIS L0803 綿3号)で10回摺擦し、布に付着した汚れのID(以後スミアIDと呼ぶ)を測定した。スミアIDは、測色計(X−Rite939)で測定した。
0.4以下になる温度をスミア温度とした。
◎:0.3以下
○:0.31〜0.35以下
△:0.36〜0.55
×:0.55以上
判定△以上が実仕様上問題ないレベルである。
ここで白紙へのトナー転写が確認された場合は、白紙3枚通紙後に定着部材表面を観察しトナーの融着等の有無がない事を確認する。汚染が確認できれば清掃を行う。
○:目視でトナー転写が確認されず、定着画像にも画像欠損もない
△:目視でトナー転写が確認されないが、ルーペで観察すると僅かにトナー転写が確認される
×:目視でトナー転写が確認される
スミア性とコールドオフセットの○及び△判定の最低温度を比較し、どちらか高い温度を選定し総合判定とする
◎:135℃以下
○:140℃
△:145℃
×:150℃
判定△以上が実仕様上問題ないレベルである。
比較例1は、シェル化結晶性樹脂成分がトナー粒子表層近傍に多量に配向しているため、トナー粒子同士の接着防止には有利であったが、画像表層に低融点成分が多くなってしまったため、部材表面がうっすらとまだらなフィルミングのような状態になって汚染されてしまった。
比較例2は、シェル化結晶性樹脂成分がトナー表層近傍にしっかり配向し均一に分散していたが量が少なかったため、スミア性とオフセット共に悪かった。
画像を鏡焦点光学顕微鏡やSEM観察によって確認したところ、定着部材と接触しにくい紙表面の凹凸に入り込んでいてトナー粒子同士の接着エリアが小さかった。また、単独に近いトナー粒子が微量なオフセットとして移行していることが観察され、残った画像のスミア試験により、前記フセットが生じた同様な場所に存在するトナーが紙やトナー粒子間の接着エリアが少ないところが紙との接着性が弱くかき取られてしまっていた。さらにトナーの密集度が小さいエリアでも剥離現象があることが認められた。
比較例3は、コアシェル粒子が大きすぎてトナー粒子表面の全面に対して均一に効果を発していないようで、スミアには一定の効果は認められたがオフセットに関しては改善されなかった。
比較例4は、コアシェル粒子がトナー粒子表面層近傍に存在するものが少なく、全体的に分散し、特にトナー粒子内部やWAX近傍に多く存在していることが確認された。これにより、コアシェル粒子によるトナーの接着性に対する寄与が減少し、定着性改善効果が殆ど見られなかったと思われる。
102 帯電装置
103 露光装置
104 現像装置
105 記録紙
107 クリーニング部
108 転写ローラ
Claims (10)
- 第1の非晶性樹脂と、第2の非晶性樹脂と、結晶性樹脂と、離型剤と、を含有するトナーであって、
前記第2の非晶性樹脂と結晶性樹脂とは、結晶性樹脂をコアとし第2の非晶性樹脂をシェルとするコアシェル粒子を構成し、
前記離型剤は表面の少なくとも一部が前記コアシェル粒子に被覆されてトナー粒子のトナー粒子表面に偏在するものであって、前記コアシェル粒子に被覆された前記離型剤の76%以上88%以下が、前記トナー粒子表面から前記トナー粒子の直径の1/4以内の範囲に存在しており、
前記コアシェル粒子の体積平均一次粒子径が、60nm〜135nmであることを特徴とするトナー。 - 前記トナー粒子は、中心と表面との間を、前記中心を軸として一周(2π)走査したとき、一周(2π)のうち30%以上に前記コアシェル粒子に被覆された離型剤が存在することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記コアシェル粒子の体積平均一次粒子径が前記離型剤の平均1次粒子径の1/5以下であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のトナー。
- 前記第1の非晶性樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂であり、前記結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
- フローテスターの3℃/min、30kg荷重時における塑性変形温度Tが60℃以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
- 前記第1の非晶性樹脂をR、前記第2の非晶性樹脂をT、前記結晶性樹脂をB、及び前記離型剤をAとし、前記R、前記T、前記B、及び前記AのそれぞれのSP値をRsp、Tsp、Bsp、及びAspと表したとき、
Tsp>Bsp>Rsp、及び、Rsp>Aspであって、且つ以下(1)から(4)の関係を満たすものである請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
(1)0.3≦Tsp−Rsp≦2.0
(2)0.3≦Tsp−Bsp≦2.0
(3)|Rsp−Bsp|≦3
(4)0.6≦Rsp−Asp≦3.0 - 請求項1乃至6のいずれかに記載されるトナーを製造する方法であって、少なくとも非晶性樹脂、結晶性樹脂、及び離型剤を含有する油相を水系媒体に分散させてトナー粒子を造粒する工程を有することを特徴とするトナー製造方法。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のトナーとキャリアとを含む2成分現像剤。
- 請求項8に記載の2成分現像剤を用いる2成分画像形成方法。
- 感光体と少なくとも感光体上の潜像を現像剤で現像する装置とを一体化して画像形成装置に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジであって、前記現像剤は請求項1乃至6のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とするプロセスカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013191352A JP6197517B2 (ja) | 2013-09-17 | 2013-09-17 | トナー、該トナーの製造方法、前記トナーを用いた現像剤及びプロセスカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013191352A JP6197517B2 (ja) | 2013-09-17 | 2013-09-17 | トナー、該トナーの製造方法、前記トナーを用いた現像剤及びプロセスカートリッジ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015059949A JP2015059949A (ja) | 2015-03-30 |
JP6197517B2 true JP6197517B2 (ja) | 2017-09-20 |
Family
ID=52817570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013191352A Active JP6197517B2 (ja) | 2013-09-17 | 2013-09-17 | トナー、該トナーの製造方法、前記トナーを用いた現像剤及びプロセスカートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6197517B2 (ja) |
Families Citing this family (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016070990A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-05-09 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
JP6539970B2 (ja) * | 2014-09-26 | 2019-07-10 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
JP2016190916A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 三洋化成工業株式会社 | 樹脂水性分散体、樹脂粒子、着色樹脂粒子及びトナー |
JP6575144B2 (ja) * | 2015-05-28 | 2019-09-18 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP6575146B2 (ja) * | 2015-05-29 | 2019-09-18 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置及び画像形成方法 |
JP6589384B2 (ja) * | 2015-05-29 | 2019-10-16 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像形成装置 |
JP6589385B2 (ja) * | 2015-05-29 | 2019-10-16 | 富士ゼロックス株式会社 | 現像装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 |
JP6311651B2 (ja) * | 2015-06-02 | 2018-04-18 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
JP6610047B2 (ja) * | 2015-07-14 | 2019-11-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
JP2017044790A (ja) * | 2015-08-25 | 2017-03-02 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 |
JP6520564B2 (ja) * | 2015-08-25 | 2019-05-29 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 |
JP6627498B2 (ja) * | 2015-12-25 | 2020-01-08 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
CN109861546B (zh) * | 2019-03-04 | 2020-10-09 | 东南大学 | 一种具有真双极性直流输出能力的电力电子变压器及应用控制 |
JP7562387B2 (ja) | 2020-11-30 | 2024-10-07 | キヤノン株式会社 | トナー |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007083097A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-04-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 樹脂粒子分散液、静電荷像現像トナー、それらの製造方法、現像剤及び画像形成方法 |
JP4730965B2 (ja) * | 2006-09-15 | 2011-07-20 | 株式会社リコー | 静電荷潜像現像用トナー及びその製造方法並びにプロセスカートリッジ |
JP2008164947A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Canon Inc | トナー、トナーの製造方法、画像形成方法及び画像形成装置 |
JP2011232738A (ja) * | 2010-04-06 | 2011-11-17 | Ricoh Co Ltd | トナー及びその製造方法 |
JP2014056143A (ja) * | 2012-09-13 | 2014-03-27 | Ricoh Co Ltd | トナー、該トナーの製造方法、及びプロセスカートリッジ |
JP6060617B2 (ja) * | 2012-10-25 | 2017-01-18 | 株式会社リコー | トナー、該トナー製造方法、及び、プロセスカートリッジ |
-
2013
- 2013-09-17 JP JP2013191352A patent/JP6197517B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015059949A (ja) | 2015-03-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6197517B2 (ja) | トナー、該トナーの製造方法、前記トナーを用いた現像剤及びプロセスカートリッジ | |
JP6171361B2 (ja) | トナー、現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP5446792B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、現像剤、トナー入り容器及びプロセスカ−トリッジ | |
JP4608439B2 (ja) | 静電荷潜像現像用トナー、画像形成方法、プロセスカートリッジ、トナー容器およびトナーの製造方法 | |
US8518625B2 (en) | Toner, image forming apparatus, image forming method and process cartridge | |
JP4866276B2 (ja) | トナー及びその製造方法、トナー容器、現像剤、画像形成装置並びにプロセスカートリッジ | |
US8486597B2 (en) | Toner, and method for producing the same | |
CA2778295C (en) | Toner, image forming apparatus, image forming method and process cartridge | |
JP5929355B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、トナー容器及びプロセスカートリッジ | |
JP2007219003A (ja) | トナー、現像剤、画像形成方法及びプロセスカートリッジ | |
JP2011095286A (ja) | トナー及び画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ | |
JP2007279714A (ja) | 静電荷像現像用トナー、製造方法、及び画像形成方法並びに装置 | |
JP6167557B2 (ja) | トナーの製造方法 | |
JP2012194470A (ja) | トナー及びトナーの製造方法 | |
JP6060617B2 (ja) | トナー、該トナー製造方法、及び、プロセスカートリッジ | |
JP5494097B2 (ja) | 静電荷現像用トナー | |
JP2014056143A (ja) | トナー、該トナーの製造方法、及びプロセスカートリッジ | |
JP6024276B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 | |
JP6503793B2 (ja) | トナー及び現像剤 | |
JP2007133047A (ja) | トナー、画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP2004212739A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP2005202420A (ja) | 電子写真用トナーの製造方法 | |
JP2019133066A (ja) | トナー、現像剤および画像形成装置 | |
JP6288541B2 (ja) | 乾式静電荷像現像用トナー | |
JP5521960B2 (ja) | 離型剤分散液及びその製造方法、並びに、画像形成用トナー及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20150624 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150703 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160908 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170425 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170621 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170725 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170807 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6197517 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |