JP6575144B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
より詳細には、上記の構成の画像形成装置において、離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.75未満のトナーを備えた場合と比較して、トナー中の離型剤の含有量を増やさずとも、電子写真感光体表面へのトナーの固着(感光体フィルミング)を抑制しうる画像形成装置を提供することである。
導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び表面保護層をこの順に備えた電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤を収容し、該現像剤により前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードの先端を前記電子写真感光体の回転方向と対向方向に向けて接触させて当該電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備え、
前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、前記結着樹脂を含む海部と、前記離型剤を含む島部と、を持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.75以上0.95以下であり、前記偏在度Bの分布の歪度が−1.10以上−0.50以下である、画像形成装置である。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナーの断面観察におけるトナーの円相当径(μm)を示す。dは、トナーの断面観察におけるトナーの重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
前記電子写真感光体における表面保護層がシロキサン樹脂を含む<1>に記載の画像形成装置である。
前記電子写真感光体の回転速度が300mm/s以上である<1>又は<2>に記載の画像形成装置である。
前記定着手段による定着温度が190℃未満である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
前記トナーにおける前記偏在度Bの分布の尖度が−0.20以上+1.50以下である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び表面保護層をこの順に備えた電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードの先端を前記電子写真感光体の回転方向と対向する方向に向けて接触させて当該電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング工程と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着工程と、
を有し
前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、前記結着樹脂を含む海部と、前記離型剤を含む島部と、を持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.75以上0.95以下であり、前記偏在度Bの分布の歪度が−1.10以上−0.50以下である、画像形成方法である。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナーの断面観察におけるトナーの円相当径(μm)を示す。dは、トナーの断面観察におけるトナーの重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
前記電子写真感光体における表面保護層がシロキサン樹脂を含む<6>に記載の画像形成方法である。
前記電子写真感光体の回転速度が300mm/s以上である<6>又は<7>に記載の画像形成方法である。
前記定着工程における定着温度が190℃未満である<6>〜<8>のいずれか1項に記載の画像形成方法である。
前記トナーにおける前記偏在度Bの分布の尖度が−0.20以上+1.50以下である<6>〜<9>のいずれか1項に記載の画像形成方法である。
本実施形態に係る画像形成装置は、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び表面保護層をこの順に備えた電子写真感光体(以降、「特定感光体」と称することがある)と、特定感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した特定感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、後述する特定トナーを含む現像剤を収容し、該現像剤により特定感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードの先端を特定感光体の回転方向と対向する方向に向けて接触させて特定感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段(以降、「特定クリーニング手段」と称することがある)と、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を備える。
このような電子写真感光体を備える画像形成装置は長期間使用される。その間、現像手段の内部でトナーが長時間熱に晒された後に、かかるトナーを含む現像剤により、多量(例えば、A4サイズの記録媒体1万枚分)の画像形成が継続されると、電子写真感光体の表面にトナーが固着する、感光体フィルミングが生じることがある。特に、先端を電子写真感光体の回転方向と対向する方向に向けて接触させたクリーニングブレードを有し、かかるクリーニングブレードにて電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段(本実施形態における特定クリーニング手段に該当)を備えた画像形成装置において、熱によりトナーからの外添剤の離脱性が低下し、ブレードエッジ近傍の外添剤によって抑えられていた感光体とブレード間の摩擦力が増加してしまう等のことから、感光体フィルミングは起こり易い。
この感光体フィルミングを抑制するためには、例えば、トナー中の離型剤の含有量を増加させる方法がある。離型剤は、熱により気化(揮発)し、その後、画像形成装置内で冷却されることで固化して、UFP(Ultrafine Particle、直径0.1μm以下の粒子)と呼ばれる粉じんとなることがある。単にトナー中の離型剤の含有量を増やすと、離型剤のトナー表面の露出量が増えたりなどして、この粉じん(UFP)が増えてしまう。
そこで、内部のみに離型剤を含むトナー(具体的には離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.75未満のトナー)に対し、トナー中の離型剤の含有量を増やさずとも、感光体フィルミングを抑制する方法が望まれているのが現状である。
特定トナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、結着樹脂を含む海部と、離型剤を含む島部と、を持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.75以上0.95以下であり、前記偏在度Bの分布の歪度が−1.10以上−0.50以下である。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナーの断面観察におけるトナーの円相当径(μm)を示す。dは、トナーの断面観察におけるトナーの重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
一方、定着時には、特定トナーは高い圧力を受けるため、トナー表層部近くの離型剤に加えトナー内部の離型剤も染み出して、十分な離型性を発揮しうる。
特に、特定トナーは、離型剤ドメインに濃度勾配を持たせることで、内部のみに離型剤を含むトナー(具体的には離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.75未満のトナー)に対して離型剤の含有量を増やす必要がないため、離型剤に由来する粉じんも増加し難い。
本実施形態に係る画像形成装置には、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー像の転写後、帯電前に電子写真感光体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置の構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーを含む現像剤が収容されている。また、現像装置4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーの供給がなされる。
ここで、感光体1Yの回転速度(即ち、感光体1Yの表面の移動速度)は、形成する画像や記録媒体種類等に応じて設定されるが、高速の画像形成が望まれることから、300mm/s以上であることが好ましく、500mm/s以上であることがより好ましく、500mm/s以上750mm/s以下が更に好ましい。
感光体1Yの周囲には、回転方向に沿って、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存する残留物を除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが、順に配置されている。
このような構成のユニットであることで、特定感光体表面へのトナーの付着(感光体フィルミング)が抑制される。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー像として可視像化(現像)される。
一方、感光体1Y上に残留した残留物は感光体クリーニング装置6Yで除去され、残留物のうちトナーは回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上の4色のトナー像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写位置の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
なお、定着手段による定着温度は、感光体の回転速度(感光体の表面の移動速度)及びトナーの種類に応じて決定される。通常、感光体の回転速度が早いほど、トナーを十分に溶融するように定着温度を高くすることが好ましい。しかしながら、本実施形態にてトナー像を形成している特定トナーは、トナー表層部近くから内部に離型剤が含まれていることでトナーの溶融性が高く、例えば、定着温度を低温とした場合であっても、定着不良を起こし難い。また、定着温度を低くすることで、粉じん(UFP)の低減も望めることから、本実施形態では、定着手段による定着温度を190℃未満とすることが好ましく、160℃以上180℃以下とすることがより好ましい。
図2は、プロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107と、感光体107の周囲に備えられた帯電装置108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
なお、部材の符号は省略して説明する。
本実施形態における特定感光体は、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び表面保護層をこの順に有するものであり、これらの層以外の層を含んでいてもよい。
なお、本実施形態においては、電荷発生層及び電荷輸送層を総じて、「感光層」と称することがある。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層(電荷発生層)との間に中間層を更に設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
電荷発生層は、例えば、電荷発生材料と結着樹脂とを含む層である。また、電荷発生層は、電荷発生材料の蒸着層であってもよい。電荷発生材料の蒸着層は、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro−Luminescence)イメージアレー等の非干渉性光源を用いる場合に好適である。
なお、n−型の判定は、通常使用されるタイムオブフライト法を用い、流れる光電流の極性によって判定され、正孔よりも電子をキャリアとして流しやすいものをn−型とする。
結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール類と芳香族2価カルボン酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗率が1013Ωcm以上であることをいう。
これらの結着樹脂は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。
なお、この分散の際、電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生材料の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.15μm以下にすることが有効である。
電荷輸送層は、例えば、電荷輸送材料と結着樹脂とを含む層である。電荷輸送層は、高分子電荷輸送材料を含む層であってもよい。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
上記各基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、炭素数1以上5以下のアルコキシ基が挙げられる。また、上記各基の置換基としては、炭素数1以上3以下のアルキル基で置換された置換アミノ基も挙げられる。
なお、電荷輸送材料と結着樹脂との配合比は、質量比で10:1から1:5までが好ましい。
表面保護層は、電荷輸送層上に設けられる。表面保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光層の機械的強度を更に改善する目的で設けられ、感光体の長寿命化に寄与する。
表面保護層としては、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。これら層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、反応性基含有非電荷輸送材料における反応性基としても、上記の周知の反応性基が挙げられる。
なお、非反応性の電荷輸送材料としては、上記の電荷輸送性骨格を含む公知の化合物が挙げられ、中でも、トリアリールアミン化合物が好ましい。
なお、表面保護層は、上記の材料以外に、周知の添加剤が含まれていてもよい。
例えば、上記成分を溶剤に加えた表面保護層形成用塗布液の塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥し、必要に応じて加熱等の硬化処理することで行う。
なお、表面保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
本実施形態における表面保護層としては、シロキサン樹脂を含むものが好ましい。
中でも、表面保護層は、電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ、架橋構造を有するシロキサン樹脂を含むことが好ましい。
シロキサン樹脂としては、反応性有機ケイ素化合物の加水分解及び脱水縮合により得られるものが挙げられる。
反応性有機ケイ素化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
(R1)n−Si−(X)4−n (I)
中でも、R1としては、アルキル基が好ましく、炭素数1以上10以下のアルキル基がより好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基が更に好ましい。
中でも、Xとしては、炭素数1以上6以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
nとしては、1又は2であることが好ましい。
R11−Si−(X)3 (I−1)
(R11)(R12)>Si−(X)2 (I−2)
一般式(I−1)及び(I−2)中、R11及びR12は、各々独立に、一般式(I)におけるR1と同義であり、好ましい例も同様である。Xは、一般式(I)におけるXと同義であり、好ましい例も同様である。
これらの中でも、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシランが好ましい。
これらの中でも、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシランが好ましい。
例えば、一般式(I)で表される化合物の中でも、nが1である化合物とnが2である化合物とを併用する場合は、その併用割合(質量基準)は、nが1である化合物:nが2である化合物=20:1乃至1:10が好ましく、10:1乃至1:5がより好ましい。
即ち、例えば、一般式(I)で表される化合物を含む塗布液を調製し、この塗布液を、電荷輸送層上に塗布、乾燥することにより形成される。
一般式(I)で表される化合物は、少なくとも一部が塗布液の溶媒中にて、加水分解とその後に生じる脱水縮合反応により、縮合物(オリゴマー)となる。この縮合物を含む塗布液を、電荷輸送層上に、塗布、乾燥することにより、更に加水分解及び脱水縮合反応が進み、3次元網目構造(架橋構造)を有するシロキサン樹脂層が形成される。そして、このシロキサン樹脂層が表面保護層となる。
特に、一般式(I)で表される化合物の中でも、nが1である化合物とnが2である化合物とを併用した塗布液を用いることで、弾性と剛性とを備え、且つ、表面自由エネルギーが小さい、シロキサン樹脂層を形成しうる。
また、一般式(I)で表される化合物を含む塗布液を電荷輸送層上に塗布する方法としては、表面保護層形成用塗布液を電荷輸送層上に塗布する方法と同じ方法が適用される
また、乾燥後のシロキサン樹脂層を、30℃以上100℃以下で数時間以上の再加熱を行うことが好ましい。
触媒としては、酸、金属酸化物、金属塩、金属キレート化合物、アルキルアミノシラン化合物などの公知の触媒が挙げられ、中でも、燐酸、酢酸の他、チタンキレートやアルミニウムキレート、及びスズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)等が好ましい。
表面保護層に含まれるシロキサン樹脂は、電荷輸送性能を有することが好ましい。
電荷輸送性能を有するシロキサン樹脂は、例えば、前述の反応性有機ケイ素化合物及びその縮合物(前述の反応性有機ケイ素化合物の加水分解及び脱水縮合反応により得られた縮合物)と、これらと反応する反応性基と電荷輸送性骨格を有する化合物(以降、特定反応性基含有電荷輸送材料と称する)と、を反応させて得られる。
B−(R2−ZH)m (II)
Bに含まれる電荷輸送性骨格としては、電子写真感光体に用いられる公知の電荷輸送材料に由来する骨格であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物等の正孔輸送性化合物に由来する骨格が挙げられる。
これらの中でも、電荷輸送性能の点から、Bはトリアリールアミン骨格を含むことが好ましい。
ZHは、OH、NH2、又はSHであり、反応性基に該当し、有機ケイ素化合物又は有機ケイ素化合物の縮合物との反応性の点から、OHが好ましい。
即ち、例えば、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物を含む塗布液を調製し、この塗布液を、電荷輸送層上に塗布、乾燥することにより形成される。
塗布液中や塗布乾燥中において、一般式(I)で表される化合物及びその縮合物と一般式(II)で表される化合物とが縮合反応し、3次元網目構造(架橋構造)を有する、電荷輸送性能を有するシロキサン樹脂層が形成される。そして、このシロキサン樹脂層が表面保護層となる。
このようなシロキサン樹脂層を表面保護層として有する特定感光体は、弾性と剛性とを備え、残留電位上昇が小さく、且つ、表面自由エネルギーが小さい。そのため、クリーニングブレードのトルク変動が小さくなり、安定化することから、残留物のすり抜けや、ブレードめくれの発生が起き難くなる。
シロキサン樹脂を含む表面保護層は、強度及び弾性の向上のため、金属酸化物粒子を含んでいてもよい。
金属酸化物粒子を構成する金属原子の例としては、Si、Ti、Al、Cr、Zr、Sn、Fe、Mg、Mn、Ni、Cuなどが挙げられる。
金属酸化物粒子は通常は液相法によって合成され、コロイド粒子として得られる。
シロキサン樹脂を含む表面保護層は、酸化防止剤を含んでいてもよい。
酸化防止剤としては、感光体に適用される公知の酸化防止剤が挙げられ、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等がある。
図1に示す画像形成装置においては、帯電手段として、帯電ロール2Y、2M、2C、2Kを用いているが、この形態に限定されるものではない。
帯電手段の他の例としては、例えば、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用されてもよい。
また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等が用いられてもよい。
図1に示す画像形成装置においては、静電潜像形成手段として、レーザ光線3Y、3M、3C、3Kを照射しうる露光装置3を用いているが、この形態に限定されるものではない。
静電潜像の形成には、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を発する光源が用いられる。この際、光源から発せされる光の波長は、電子写真感光体の分光感度領域内とする。特定感光体の表面に、定められた像様の静電潜像を形成しうる光学系機器等が挙げられる。
半導体レーザ光の波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像手段としては、例えば、特定感光体に現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。
現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分現像剤又は二成分現像剤を、ブラシ、ローラ等を用いて感光体に付着させる機能を有する公知の現像装置等が挙げられる。中でも、現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
ここで、現像手段(現像装置)に使用される現像剤は、後述する特定トナー単独の一成分現像剤であってもよいし、特定トナーとキャリアとを含む二成分現像剤であってもよい。また、現像剤は、磁性であってもよいし、非磁性であってもよい。
転写手段としては、図1に示す画像形成装置においては、中間転写体を用いた中間転写方式が採用されており、一次転写ロール5Y、5M、5C、5K、及び、二次転写ロール26を用いているが、この形態に限定されるものではない。
転写手段の他の例としては、例えば、転写コロトロンや転写ロール等を用いた直接転写方式、記録媒体を静電的に吸着して搬送し感光体上のトナー像を転写する転写ベルト方式を利用した転写手段などが挙げられる。
転写手段には、例えば、ロールの他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が使用される。
中間転写ベルトとしては、半導電性を付与した、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むものが使用される。
また、中間転写体の形態としては、ベルト状に限定されず、ドラム状のものを用いてもよい。
特定クリーニング手段は、クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードの先端を特定感光体の回転方向と対向する方向に向けて接触させて特定感光体の表面の残留物を除去するものである。
図3は、図1に示す感光体クリーニング装置6Yが特定クリーニング手段である場合のクリーニングブレードの設置態様を示す概略構成図である。
図3に示すように、クリーニングブレード6YBの先端は、感光体1Yの回転方向(矢印方向)と対向する方向を向いており、この状態で感光体1Yの表面に接触している。
また、クリーニングブレード6YBの感光体1Yに対する押し付け圧Nは、0.6gf/mm2以上6.0gf/mm2以下に設定されることが好ましい。
ここで、上記角度θとは、具体的には、図3に示すように、クリーニングブレード6YBの先端と感光体1Yとの接触点における接線(図3中の一点鎖線)とクリーニングブレードの非変形部とでなす角の角度を指す。
また、上記押し付け圧Nとは、図3に示すように、クリーニングブレード6YBが感光体1Yに接触する位置において感光体1Yの中心に向けて押し付ける圧力(gf/mm2)である。
クリーニングブレードを構成する材料としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ポリウレタンゴム等の弾性材料が用いられ、中でも、耐摩耗性、耐欠け性、耐クリープ性等の機械的性質に優れる、ポリウレタンゴムが好ましい。
この支持部材により、クリーニングブレードが、感光体に対し上記押し付け圧にて押し付けられる。
支持部材としては、アルミニウム、ステンレス等の金属材料が挙げられる。
なお、支持部材とクリーニングブレードとの間には、両者の接着を接合するための接着剤等による接着層を有していてもよい。
図1に示す画像形成装置においては、定着手段として、定着ロール対28が用いているが、実施形態はこれに限定されない。
定着手段としては、熱ローラ対、加圧ローラ対、加圧加熱ロール対等の接触型定着装置や、フラッシュ定着器等の非接触定着装置など、公知の定着装置が広く適用されるが、前述した定着温度を達成するためには、加熱手段を含む定着装置であることが好ましい。
なお、定着手段としては、ロール対の形態でなくともよく、例えば、加熱加圧ロールと加圧ベルトとを組合せた定着装置や、加圧ロールと加熱加圧ベルトとの組合せた定着装置であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置に収容される現像剤は、以下に示す特定トナーを含む。
まず、特定トナーについて説明する。
特定トナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、結着樹脂を含む海部と離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有する。
そして、この海島構造において、式(1)で示される離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値は0.75以上0.95以下であり、偏在度Bの分布の歪度は−1.10以上−0.50以下である。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナーの断面観察におけるトナーの円相当径(μm)を示す。dは、トナーの断面観察におけるトナーの重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
最頻値が0.75以上であることで、離型剤ドメインがトナーの表層部近くに存在することになり、感光体フィルミングを抑制しうる。また、最頻値が0.95以下であることで、離型剤ドメインがトナー表面に露出し難くなり、圧力が加わってはじめて離型剤の染み出しが生じるようになることから、感光体フィルミングの抑制のために離型剤を効率的に使用しうる。
歪度が−1.10以上−0.50以下であることで、感光体フィルミングを抑制しつつ、定着時の離型性が発現される。
なお、尖度とは偏在度Bの分布の頂点(つまり分布の最頻値)の尖りを示す指数である。そして、尖度が上記範囲とは、偏在度Bの分布において、頂部(最頻値)が過剰に尖っておらず、尖りつつも適度に湾曲した分布となって状態を示している。このため、圧力に応じたトナーからの離型剤の染み出し量の変化がなだらかとなり、感光体フィルミングの抑制と定着時の離型性の発現との釣合いが良化する。
トナーの海島構造は、例えば、トナー(トナー粒子)の断面を透過型電子顕微鏡により観察する方法、トナー粒子の断面に四酸化ルテニウムによる染色を行い、走査型電子顕微鏡により観察する方法によって確認する。トナーの断面における離型剤ドメインがより鮮明に観察できる点で、走査型電子顕微鏡により観察する方法が好ましい。走査型電子顕微鏡としては、当業者の間でよく知られた機種であればよく、例えば、日立ハイテク社製SU8020、日本電子社製JSM−7500F等が挙げられる。
具体的な、観察方法は、次の通りである。まず、測定対象となるトナー(トナー粒子)をエポキシ樹脂に包埋した後、エポキシ樹脂を硬化する。ダイヤモンド刃を備えたミクロトームによって、この硬化物を薄片化し、トナーの断面が露出した観察試料を得る。薄片の観察試料に対し、四酸化ルテニウムにより染色を施し、走査型電子顕微鏡によりトナーの断面を観察する。この観察方法によって、トナーの断面には、染色度の違いにより、結着樹脂の連続相中に対し、輝度差(コントラスト)がある離型剤が島状に存在する海島構造が観察される。
離型剤ドメインの偏在度Bの測定は、次の通り行う。まず、海島構造の確認方法を利用し、トナー(トナー粒子)1個の断面が視野に入る倍率で画像を記録する。記録された画像について、画像解析ソフト(三谷商事社製WinROOF)を用いて、0.010000μm/pixel条件で画像解析を行う。この画像解析により、包埋に用いたエポキシ樹脂とトナーの結着樹脂との輝度差(コントラスト)により、トナーの断面の形状を抽出する。抽出されたトナーの断面の形状に基づいて、投影面積を求める。そして、この投影面積から、円相当径を求める。円相当径は、式:2√(投影面積/π)により算出する。求めた円相当径を、トナーの断面観察におけるトナーの円相当径Dとする。
一方、抽出されたトナーの断面の形状に基づいて、重心位置を求める。続けて、結着樹脂と離型剤の輝度差(コントラスト)により、離型剤ドメインの形状を抽出し、離型剤ドメインの重心位置を求める。この各重心位置は、具体的には、抽出されたトナー、又は、離型剤ドメインの領域に対し、領域内の画素数をn、各画素のxy座標をxi、yi(i=1,2,…,n)とし、重心のx座標は各xi座標値の合計をnで割った値、重心のy座標は各yi座標値の合計をnで割った値として求める。そして、トナーの断面の重心位置と離型剤ドメインの重心位置との距離を求める。求めた距離を、トナーの断面観察におけるトナーの重心から離型剤を含む島部の重心までの距離dとする。
最後に、各円相当径D及び距離dから、式(1):偏在度B=2d/Dにより、離型剤ドメインの偏在度Bを求める。そして、一個のトナー(トナー粒子)の断面に存在する複数の離型剤ドメインについて、各々、上記同様の操作を行って、離型剤ドメインの偏在度Bを求める。
まず、既述の離型剤ドメインの偏在度Bの測定をトナー(トナー粒子)200個について行う。得られた各離型剤ドメインの偏在度Bのデータを、0から0.01刻みのデータ区間で統計解析処理を行い、偏在度Bの分布を求める。得られた分布の最頻値、すなわち、離型剤ドメインの偏在度Bの分布で最も多く現れるデータ区間の値を求める。そして、このデータ区間の値を、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値とする。
まず、既述通り、離型剤ドメインの偏在度Bの分布を求める。求めた下記式に基づいて、偏在度Bの分布の歪度を求める。なお、下記式において、歪度をSk、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ数をn、各離型剤ドメインの偏在度Bのデータの値をxi(i=1,2,…,n)、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ全体の平均値をx(上方にバーを付したx)、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ全体の標準偏差をsとする。
まず、既述通り、離型剤ドメインの偏在度Bの分布を求める。求めた下記式に基づいて、偏在度Bの分布の尖度を求める。なお、下記式において、尖度をKu、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ数をn、各離型剤ドメインの偏在度Bのデータの値をxi(i=1,2,…,n)、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ全体の平均値をx(上方にバーを付したx)、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ全体標準偏差をsとする
特定トナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含む。具体的には、トナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を有する。トナーは、トナー粒子の表面に付着する外添剤を有していてもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、特定トナーの製造方法について説明する。
特定トナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、及び着色剤の粒子(以下「着色剤粒子」とも称する)が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた分散液中で、各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と、
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、結着樹脂となる第2樹脂粒子及び離型剤の粒子(以下「離型剤粒子」とも称する)が分散された混合分散液を、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、第1凝集粒子分散液に順次添加して、第1凝集粒子の表面に更に第2樹脂粒子及び離型剤粒子を凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
を経て、トナー粒子を製造することが好ましい。
まず、凝集合一法で使用する各分散液と準備する。具体的には、結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、結着樹脂となる第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液、及び離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
なお、各分散液準備工程において、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とを「樹脂粒子」と称して説明する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(所謂、転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、第1樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、を混合する。
そして、この混合分散液中で、第1樹脂粒子と着色剤粒子とをヘテロ凝集さて、第1樹脂粒子と着色剤粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体若しくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、第1樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、第2樹脂粒子及び離型剤粒子が分散された混合分散液を、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、第1凝集粒子分散液に順次添加する。
なお、第2樹脂粒子は第1樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
そして、分散液のpHを、例えば6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
第1収容槽321には、第1撹拌装置351が配置されている。第1撹拌装置351の駆動により、第2収容槽322に収容された分散液を第1収容槽321に収容された分散液へ送液したとき、第1収容槽321において各分散液が撹拌及び混合される。
第2収容槽322には、第2撹拌装置352が配置されている。第2撹拌装置352の駆動により、第3収容槽323に収容された分散液を第2収容槽322に収容された分散液へ送液したとき、第2収容槽322において各分散液が撹拌及び混合される。
一方、第3収容槽323に収容された離型剤粒子分散液を第2収容槽322に収容された第2樹脂粒子分散液へ送液する。そして、第2撹拌装置352の駆動により、第2収容槽322において各分散液が撹拌及び混合される。
そして、パワーフィード添加法において、第2収容槽322及び第3収容槽323に収容された各分散液の送液開始時期及び送液速度を調整することにより、トナーの離型剤ドメインの分布特性が調整される。また、パワーフィード添加法において、第2収容槽322及び第3収容槽323に収容された各分散液の送液中に、送液速度を調整することによっても、トナーの離型剤ドメインの分布特性が調整される。
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して、例えば、第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
即ち、第2凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該第2凝集粒子分散液と、結着樹脂となる第3樹脂粒子が分散された第3樹脂粒子分散液と、を更に混合し、第2凝集粒子の表面に更に第3樹脂粒子を付着するように凝集して、第3凝集粒子を形成する工程と、第3凝集粒子が分散された第3凝集粒子分散液に対して加熱をし、第3凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造する方法である。
この操作により、第3の樹脂粒子のみによる被覆層が形成され、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値は0.95以下となる。
なお、第3凝集粒子は、第1樹脂粒子及び第2樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
現像剤は、前述した特定トナーを少なくとも含むものである。
現像剤は、特定トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、特定トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
〔樹脂粒子分散液(1)の調製〕
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 :5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 :95モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を210℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,500、酸価14mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステル樹脂(1)を合成した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
〔着色剤粒子分散液(1)の調製〕
・シアン顔料 C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン DIC社製、商品名:FASTOGEN BLUE LA5380) :70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :5部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(1)を得た。
〔離型剤粒子分散液(1)の調製〕
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製 HNP−9) :100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :1部
・イオン交換水 :350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。
〔トナー粒子(1)の調製〕
丸型ステンレス製フラスコと容器AとをチューブポンプAで接続し、チューブポンプAの駆動により容器Aに収容した収容液をフラスコへ送液し、容器Aと容器BとをチューブポンプBで接続し、チューブポンプBの駆動により容器Bに収容した収容液を容器Aへ送液する装置(図4参照)を準備した。そして、この装置を用いて、以下の操作を実施した。
・着色剤粒子分散液(1) :40部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower) :2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で1℃/30分のペースで温度を上げながら、凝集粒子の粒径を成長させた。
一方、ポリエステル製ボトルの容器Aに樹脂粒子分散液(1)150部を入れ、同じく容器Bに離型剤粒子分散液(1)を25部入れた。次に、チューブポンプAの送液速度を0.70部/1分、チューブポンプBの送液速度を0.14部/1分に設定し、凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコ内の温度が37.0℃に到達した時点からチューブポンプA及びBを駆動させ、各分散液の送液を開始した。これにより、離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、樹脂粒子及び離型剤粒子が分散された混合分散液を容器Aから凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコへ送液した。
そして、フラスコへの各分散液の送液が完了し、フラスコ内の温度が48℃になった時点から30分保持し、第2凝集粒子を形成させた。
トナー粒子(1)100部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子(日本アエロジル社製RY200)0.7部と、をヘンシェルミキサー(周速30m/秒、3分)を用いて混合し、特定トナー(1)を得た。
・フェライト粒子(平均粒径50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) 3部
・カーボンブラック 0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
そして、上記キャリア100部に対して、特定トナー(1)8部を混合し、現像剤(1)を得た。
トナー粒子(1)の作製において、チューブポンプAの送液速度を0.55部/1分、チューブポンプBの送液速度を0.11部/1分に設定し、フラスコ内の温度が30.0℃に到達した時点から、チューブポンプA及びBを駆動させた以外は同様にして、トナー粒子(C1)を得た。得られたトナー粒子(C1)は体積平均粒径5.2μmであった。
そして、トナー粒子(C1)を用いて、特定トナー(1)の調製と同様にして、比較用トナー(C1)を作製し、続いて、比較用トナー(C1)を用いて、現像剤(1)の調製と同様にして、現像剤(C1)を得た。
各例で得られた現像剤のトナーについて、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値、歪度、及び尖度を既述の方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
−下引層の形成−
酸化亜鉛(平均粒子径70nm:テイカ社製:比表面積値15m2/g)100質量部をトルエン500質量部と攪拌混合し、シランカップリング剤(KBM503:信越化学工業社製)1.3質量部を添加し、2時間攪拌した。その後トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で3時間焼き付けを行い、シランカップリング剤で表面処理を施した酸化亜鉛を得た。表面処理を施した酸化亜鉛110質量部を500質量部のテトラヒドロフランと攪拌混合し、アリザリン0.6質量部を50質量部のテトラヒドロフランに溶解させた溶液を添加し、50℃にて5時間攪拌した。その後、減圧ろ過にてアリザリンを付与させた酸化亜鉛をろ別し、更に60℃で減圧乾燥を行い、アリザリンを付与させた酸化亜鉛を得た。
電荷発生材料としてのCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン(CGM−1)15質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn−酢酸ブチル200質量部からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散した。得られた分散液にn−酢酸ブチル175質量部、及びメチルエチルケトン180質量部を添加し、攪拌して電荷発生層形成用塗布液を得た。この電荷発生層形成用塗布液を下引層上に浸漬塗布し、常温(25℃)で乾燥して、厚さが0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)45質量部、及び結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万):55質量部をテトラヒドロフラン(THF)/トルエン混合溶剤(質量比70/30):800質量部、に加えて溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を得た。この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布し、130℃、45分の乾燥を行って膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、メチルトリメトキシシラン150質量部、ジメチルジメトキシシラン30質量部、コロイダルシリカ(固形分30質量%のメタノール溶液)100質量部、1−ブタノール225質量、及び2%酢酸106質量部を混合し、40℃で16時間撹拌した。その後、この混合液に、下記構造の特定反応性基含有電荷輸送材料(A)50質量部、下記構造の酸化防止剤(B)1質量部、及びアルミニウムトリスアセチルアセテート1質量部を加え、更に室温で1時間撹拌して表面保護層形成用塗布液を得た。この表面保護層形成用塗布液を電荷輸送層上に塗布し、110℃、1時間加熱硬化を行って膜厚が1μmの表面保護層を形成した。
以上のようにして、特定感光体を得た。
ポリウレタン製で、硬度75度、347mm×10mm×2mm(厚み)の板状物をクリーニングブレードとして用いた。
画像形成装置として、富士ゼロックス社製D136 Printerに、前述した特定感光体とクリーニングブレードとを取り付け、また、現像装置内に前述した現像剤(現像剤(1)又は(C1))を収容した改造機を用意した。
クリーニングブレードは、その先端を感光体の回転方向と対向する方向に向けて接触させた。その際、角度θは23°、押し付け圧Nを2.6gf/mm2とした。
また、画像形成の際の特定感光体の表面の回転速度は600mm/sとし、定着手段による定着温度は190℃又は175℃とした。
上記の画像形成装置を、40℃で1ヶ月放置した。
放置後、28℃85%RHの環境下において、画像濃度15%で、A4サイズの用紙10万枚に画像形成した。
10万枚の画像形成後、特定感光体表面を目視で観察し、フィルミングの発生の有無を確認した。結果を表1に示す。
感光体フィルミングの評価における10万枚の画像形成時、画像形成装置から放散する粉じん(UFP)を、富士ゼロックス社内国際検証センターにおいて、RAL UZ−171に基づいて、粒子エミッション率(PER10 PW)を測定した。
測定された粒子エミッション率の値[単位(粒子数/10分)]を元に、G1〜G3の3段階で評価した。なお、G1が最も値が小さく、粉じんが少ないことを示す。
ここで、特定トナーと比較用トナーとでは離型剤の含有量が同等であるため、本実施例の画像形成装置においては、トナー中の離型剤の含有量を増やさずとも、感光体フィルムンが抑制されることが分かる。
また、実施例1は、定着温度を175℃とし実施例2の定着温度190℃よりも低くすることで、粉じん(UFP)がより低減されていることが分かる。
これは、比較用トナーが表層部近くに離型剤を含まないため、175℃の定着温度では、トナーの溶融が不十分となり、トナー内部の離型剤が定着時に染み出し難かったことによるものと考えられる。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
6YB クリーニングブレード
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 電子写真感光体
108 帯電装置(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (6)
- 導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び表面保護層をこの順に備えた電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤を収容し、該現像剤により前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードの先端を前記電子写真感光体の回転方向と対向する方向に向けて接触させて当該電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備え、
前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、前記結着樹脂を含む海部と、前記離型剤を含む島部と、を持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.75以上0.95以下であり、前記偏在度Bの分布の歪度が−1.10以上−0.50以下であり、前記偏在度Bの分布の尖度が−0.20以上+1.50以下であり、且つ、
前記結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、及び前記着色剤の粒子が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた混合分散液中で各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程、前記第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、前記結着樹脂となる第2樹脂粒子及び前記離型剤の粒子が分散された混合分散液を、該混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、前記第1凝集粒子分散液に順次添加して、前記第1凝集粒子の表面に更に前記第2樹脂粒子及び前記離型剤粒子を凝集して、第2凝集粒子を形成する工程、及び、前記第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、前記第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程を経て得られたトナー粒子、又は、前記結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、及び前記着色剤の粒子が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた混合分散液中で、各粒子を凝集させる工程、前記各粒子の凝集過程で、前記混合分散液に対して、添加速度を次第に速めつつ若しくは離型剤粒子の濃度を高めながら、前記離型剤の粒子が分散された離型剤粒子分散液を添加し、更に各粒子の凝集を進行させて、凝集粒子を形成する工程、及び、前記凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程を経て得られたトナー粒子を経て得られたトナー粒子を含み、
前記電子写真感光体における表面保護層が、下記一般式(I−1)で表される化合物と、下記一般式(I−2)で表される化合物と、下記一般式(II)で表される化合物と、の反応生成物であって、電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ、架橋構造を有するシロキサン樹脂及び金属酸化物粒子を含む、画像形成装置。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナーの断面観察におけるトナーの円相当径(μm)を示す。dは、トナーの断面観察におけるトナーの重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
一般式(I−1): R 11 −Si−(X) 3
一般式(I−2): (R 11 )(R 12 )>Si−(X) 2
一般式(II): B−(R 2 −ZH) m
(一般式(I−1)及び(I−2)中、R 11 及びR 12 は、各々独立に、Siに直接結合する炭素原子を含む有機基を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。一般式(II)中、Bは、電荷輸送性骨格を含む基を表し、R 2 は、単結合又は2価のアルキレン基を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子、又はNHを表し、mは、1、2、3、又は4である。)
- 前記電子写真感光体の回転速度が300mm/s以上である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着手段による定着温度が190℃未満である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び表面保護層をこの順に備えた電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードの先端を前記電子写真感光体の回転方向と対向する方向に向けて接触させて当該電子写真感光体の表面の残留物を除去するクリーニング工程と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着工程と、
を有し
前記トナーが、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、前記結着樹脂を含む海部と、前記離型剤を含む島部と、を持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.75以上0.95以下であり、前記偏在度Bの分布の歪度が−1.10以上−0.50以下であり、前記偏在度Bの分布の尖度が−0.20以上+1.50以下であり、且つ、
前記結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、及び前記着色剤の粒子が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた混合分散液中で各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程、前記第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、前記結着樹脂となる第2樹脂粒子及び前記離型剤の粒子が分散された混合分散液を、該混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、前記第1凝集粒子分散液に順次添加して、前記第1凝集粒子の表面に更に前記第2樹脂粒子及び前記離型剤粒子を凝集して、第2凝集粒子を形成する工程、及び、前記第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、前記第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程を経て得られたトナー粒子、又は、前記結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、及び前記着色剤の粒子が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた混合分散液中で、各粒子を凝集させる工程、前記各粒子の凝集過程で、前記混合分散液に対して、添加速度を次第に速めつつ若しくは離型剤粒子の濃度を高めながら、前記離型剤の粒子が分散された離型剤粒子分散液を添加し、更に各粒子の凝集を進行させて、凝集粒子を形成する工程、及び、前記凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程を経て得られたトナー粒子を経て得られたトナー粒子を含み、
前記電子写真感光体における表面保護層が、下記一般式(I−1)で表される化合物と、下記一般式(I−2)で表される化合物と、下記一般式(II)で表される化合物と、の反応生成物であって、電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ、架橋構造を有するシロキサン樹脂及び金属酸化物粒子を含む、画像形成方法。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナーの断面観察におけるトナーの円相当径(μm)を示す。dは、トナーの断面観察におけるトナーの重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
一般式(I−1): R 11 −Si−(X) 3
一般式(I−2): (R 11 )(R 12 )>Si−(X) 2
一般式(II): B−(R 2 −ZH) m
(一般式(I−1)及び(I−2)中、R 11 及びR 12 は、各々独立に、Siに直接結合する炭素原子を含む有機基を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。一般式(II)中、Bは、電荷輸送性骨格を含む基を表し、R 2 は、単結合又は2価のアルキレン基を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子、又はNHを表し、mは、1、2、3、又は4である。) - 前記電子写真感光体の回転速度が300mm/s以上である請求項4記載の画像形成方法。
- 前記定着工程における定着温度が190℃未満である請求項4又は請求項5に記載の画像形成方法。
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