JP6044384B2 - トナーセット及び画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、トナーセット及び画像形成方法に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化(現像)する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、例えば、帯電、露光工程により静電荷像保持体表面に静電荷像を形成し(静電荷像形成工程)、これにトナーを供給して静電荷像を現像し(現像工程)、現像されたトナー像を、中間転写部材を介して又は介さずに、記録媒体に転写して(転写工程)、転写された転写像を定着する(定着工程)ことで可視化される。
ここで、高速定着を行った時に紙が定着ドラムに巻き付くことなく、定着加熱部材にオイル塗布機構を設けなくとも汚れが発生しないオイルレスの画像形成方法を提供するため、転写材上にイエロー、マゼンタ、シアン及び黒の4色の静電荷像現像用トナーを重ね合わせてフルカラートナー画像を形成する画像形成方法において、黒トナーの離型剤含有量が15質量%以上30質量%以下で、それ以外のカラートナーの離型剤含有量が8質量%以上23質量%以下であり、且つ黒トナーの離型剤含有量がそれ以外のカラートナーの離型剤含有量よりも4〜15%大きいことを特徴とする画像形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、小型の現像装置でトナーに十分な帯電付与効果があり、迅速に帯電が立ち上がることで適切な帯電量が確保でき、感光体への余分なトナーカブリが少なく、印字物の白地部の汚れがなく、ベタ画像の均質性が良いフルカラー画像形成方法を提供するため、複数のカラートナー及び黒色トナーを使用してカラー画像を形成するフルカラー画像形成方法において、該複数のカラートナーと黒色トラーが少なくとも結着樹脂、ポリオレフィンワックス、着色剤、及び帯電制御剤を含有し、該複数のカラートナーの軟化温度の何れもが、黒色トナーの軟化温度より低く、且つ、該複数のカラートナー中のポリオレフィンワックスの添加量が何れも黒色トナー中のポリオレフィンワックスの添加量以上であることを特徴とするフルカラー画像形成方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−099400号公報 特開2001−147555号公報
本発明は、定着画像の荒れが発生しにくい画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
即ち、請求項1に係る発明は、
互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)のトナーを有し、
前記トナーが、コア粒子と前記コア粒子を被覆するシェル層とを有するコアシェル構造のトナーであり、
第nのトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、下記式(1)の関係を満たし、
第nのトナーの前記コア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに、下記式(2)の関係を満たすトナーセットである。
W1(n−1)<W1(n) 式(1)
W2(n−1)>W2(n) 式(2)
請求項に係る発明は、
前記トナーの少なくとも一種が、結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有し、
前記結晶性樹脂の融解温度Tcと前記離型剤の融解温度Twとの差の絶対値が5℃以下である請求項1に記載のトナーセットである。
請求項に係る発明は、
請求項又は請求項に記載のトナーセットを用いて複数のトナー像を形成する複数のトナー像形成工程と、
前記複数のトナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記複数のトナー像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、を有し、
前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、下記式(3)の関係を満たし、
前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのコア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに、下記式(4)の関係を満たす画像形成方法である。
W1(n−1)<W1(n) 式(3)
W2(n−1)>W2(n) 式(4)
請求項に係る発明は、
請求項に記載のトナーセットを用いて複数のトナー像を形成する複数のトナー像形成工程と、
前記複数のトナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記複数のトナー像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、を有し、
前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、下記式(3)の関係を満たし、
前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのコア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに、下記式(4)の関係を満たし、
前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側から1番目のトナー像を構成するトナーが結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有し、前記結晶性樹脂の融解温度Tcと前記離型剤の融解温度Twとの差の絶対値が5℃以下である画像形成方法である。
W1(n−1)<W1(n) 式(3)
W2(n−1)>W2(n) 式(4)
請求項に係る発明は、
前記定着工程における定着圧力が、0.7kgf/cm以上2.0kgf/cm以下である請求項3又は請求項4に記載の画像形成方法である。
請求項1又は請求項2に係る発明によれば、トナー表面における離型剤の存在率が特定の関係を満たさない場合に比較して、定着画像の荒れが発生しにくいトナーセットが提供される。
請求項〜請求項に係る発明によれば、転写された複数のトナー像における記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率が特定の関係を満たさない場合に比較して、定着画像の荒れが発生しにくい画像形成方法が提供される。
本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 電磁誘導加熱方式の定着装置を示す概略断面図である。 実施例で用いられた評価チャートを示す図である。 評価チャートの各画像パッチの色の重ね方を示す図である。
以下、本発明のトナーセット及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
<トナーセット及び画像形成方法>
本実施形態の第1の画像形成方法では、互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)のトナーを有し、第nのトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、下記式(1)の関係を満たすトナーセット(以下、本実施形態の第1のトナーセットと称することがある)が用いられる。
W1(n−1)<W1(n) 式(1)
本実施形態の第1の画像形成方法は、本実施形態の第1のトナーセットを用いて複数のトナー像を形成する複数のトナー像形成工程と、前記複数のトナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、前記複数のトナー像を前記記録媒体上に定着する定着工程とを有し、前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、下記式(3)の関係を満たすものである。
W1(n−1)<W1(n) 式(3)
本実施形態の第1のトナーセットを用いる本実施形態の第1の画像形成方法によれば、定着画像の荒れが発生しにくい。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
近年、電子写真法による画像形成装置の使用前の待機時間(加熱部材のウォーミングアップ時間)の短縮のために、電磁誘導加熱方式の定着手段が提案されている。電磁誘導加熱方式においては、省エネルギーや光沢度制御の観点から、加熱部材として、加熱ベルトが好ましい態様として用いられるが、ベルトを構成する導電層の強度の点から、定着ニップ部に加えられる圧力には限界がある。そのため、特定の使用条件(例えば、起動直後における用紙(記録媒体)搬送方向後端部のトナー載り量の高い画像(2次色/3次色))においては定着の際にトナーの変形や離型剤の染み出し不足に起因する定着画像の荒れが発生する場合があった。
上記課題を解決するために、トナーの低融解温度化が挙げられるが、このようなトナーを用いると、低光沢コート紙に対しては、画像グロスが高すぎて画像が浮いて見えてしまい、用紙グロスと画像グロスの差が大きくなりすぎてしまうため好ましくない場合があった。トナーに弾性を付与して剥離性を上げる方法では、高光沢コート紙に対しては、画像グロスが低すぎて画像が沈んでしまうように感じられ好ましくない場合があった。
一方、トナー中の離型剤量を多くして剥離性を上げる方法もあるが、単純な量の増加は定着画像を脆くしたり、定着後の排出ロールとの接触部分に発生するロールマークに繋がるため好ましくない。
トナー像が2次色や3次色のような複数層から成る場合、定着の際の画像欠損なく、十分な画像強度を有するトナー画像を形成するためには、定着器の加熱部材に接する最上層(つまり、記録媒体上に転写されたトナー層のうちの該記録媒体から最も離れた層)のトナーと定着器の加熱部材との剥離性が重要である。近年、とくに省エネルギーの観点から、定着温度を下げることが求められているが、定着温度が低くなると、最上部のトナーから離型剤の染み出す量が低くなり剥離不良に起因する画像欠損(画像抜け、荒れ、ささくれ)が発生しやすくなる。
本実施形態の第1の画像形成方法は、式(3)の関係を満たすようにすることで、定着器の加熱部材に近い(用紙最上部の)トナー層ほどトナー表面の離型剤存在率が増加し、加熱部材とトナー画像との離型性が増し、剥離不良による画像欠損の発生が抑制されるものと推察される。
本実施形態の第2の画像形成方法では、互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)のトナーを有し、前記トナーが、コア粒子と前記コア粒子を被覆するシェル層とを有するコアシェル構造のトナーであり、第nのトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに式(1)の関係を満たし、第nのトナーの前記コア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに下記式(2)の関係を満たすトナーセット(以下、本実施形態の第2のトナーセットと称することがある)が用いられる。
W2(n−1)>W2(n) 式(2)
本実施形態の第2の画像形成方法は、本実施形態の第2のトナーセットを用いて複数のトナー像を形成する複数のトナー像形成工程と、前記複数のトナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、前記複数のトナー像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、を有し、前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、式(3)の関係を満たし、前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのコア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに、下記式(4)の関係を満たすものである。
W2(n−1)>W2(n) 式(4)
トナー像が2次色や3次色のような複数層から成る場合、十分な画像強度を有するトナー画像を形成するためには、用紙と接する最下部のトナーは用紙との接着性が重要である。近年、とくに省エネルギーの観点から、定着温度を下げることが求められているが、定着温度が低くなると、熱が伝わりにくい最下部(記録媒体側から1番目のトナー像)のトナーは融解不足から用紙との接着性が悪くなり画像強度(折り曲げ強度)が低下しやすくなることがある。
本実施形態の第2の画像形成方法により式(4)の関係を満たすトナー像が形成されることで、用紙に近いトナー層はトナー内部の離型剤存在率が増えることになり、トナーの融解性が向上することで用紙との接着性が増し、折り曲げ性に十分な画像強度が得られるようになるものと推察される。
本実施形態の第3の画像形成方法では、互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)のトナーを有し、前記トナーが、コア粒子と前記コア粒子を被覆するシェル層とを有するコアシェル構造のトナーであり、前記トナーの少なくとも一種が、結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有し、第nのトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに式(1)の関係を満たし、第nのトナーの前記コア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに式(2)の関係を満たし、前記結晶性樹脂の融解温度Tcと前記離型剤の融解温度Twとの差の絶対値が5℃以下としたトナーセット(以下、本実施形態の第3のトナーセットと称することがある)が用いられる。
本実施形態の第3の画像形成方法は、本実施形態の第3のトナーセットを用いて複数のトナー像を形成する複数のトナー像形成工程と、前記複数のトナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、前記複数のトナー像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、を有し、前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、式(3)の関係を満たし、前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのコア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに、式(4)の関係を満たし、前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側から1番目のトナー像を構成するトナーが結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有し、前記結晶性樹脂の融解温度Tcと前記離型剤の融解温度Twとの差の絶対値が5℃以下とされたものである。
一般的に、非晶質樹脂、結晶性樹脂、離型剤の順にSP値は小さくなる(疎水性が強くなる)。そのため、トナー中で結晶性樹脂は離型剤ドメイン周辺に存在しやすい。よって、離型剤と結晶性樹脂の融解温度差を本実施形態の範囲に調整することで、トナー画像を定着する際に離型剤ドメインが融解すると共に結晶性樹脂も溶けることで、トナー中での結晶性樹脂の拡散性が増進したり相溶性が向上することにより、トナー載せ量が多い二次色、三次色においても定着性が高まる。
結晶性樹脂と離型剤の融解温度の差の絶対値が5℃以下であれば、定着器の定着部材が温まっていない電子写真法による画像形成装置の起動直後の定着の際にトナー中での結晶性樹脂の加熱による拡散性が向上し、トナー載せ量が多い二次色や三次色のトナー画像において最下層のトナー(即ち、記録媒体側から1番目のトナー像を構成するトナー)が融解しやすくなり、用紙との接着性が向上し、耐擦性が向上するものと推察される。
本実施形態の第3の画像形成方法により記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側から1番目のトナー像を構成するトナーが結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有し、前記結晶性樹脂の融解温度Tcと前記離型剤の融解温度Twとの差の絶対値が5℃以下であるようにトナー像を形成することで、用紙に近いトナー層はトナー内部の離型剤存在率が増えることになり、結晶性樹脂の拡散及び相溶性が増すことにより、用紙との接着性が増し、折り曲げ性に十分な画像強度が得られるようになるものと推察される。さらには、結晶性樹脂の拡散及び相溶性が増すことで低温定着性が高まると推察される。
以下、本実施形態の第1〜第3のトナーセット(以下、単に、本実施形態のトナーセットと称することがある)を構成するトナーについて詳述する。なお、本実施形態において、互いに異なる色を呈するn種のトナーには、着色剤を含む従来から公知の有色トナー(ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナー等)の他に、光輝性顔料を含む光輝性トナーや着色剤を含有しない透明トナー(クリアトナー)等が含まれていてもよい。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
なお、樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下より好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
非晶性ポリエステル樹脂の製造は、周知の製造方法が挙げられる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法が挙げられる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、周知の製造方法が挙げられる。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
本実施形態のトナーセットを構成する各トナーに含まれる離型剤の含有量のうち、最も離型剤を含有するトナー中の離型剤含有量と離型剤の含有量が最低のトナー中の離型剤含有量との差は0質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0質量%以上1.5質量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態のトナーセットを構成するトナーの少なくとも一種は、結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有し、前記結晶性樹脂の融解温度Tcと前記離型剤の融解温度Twとの差の絶対値が5℃以下であることが好ましく、3℃以下であることが更に好ましい。
結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有すると共に上述したTcとTwとの関係を満たすトナーは、トナーセットを構成するトナーの少なくとも一種であればよいが、全てのトナーが結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有すると共に上述したTcとTwとの関係を満たすトナーであることが好ましい。
本実施形態のトナーセットを構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率の上限は、20%以下が好ましく、19%以下が更に好ましく、18%以下が特に好ましい。離型剤の存在率の上限が20%以下であれば、現像器内において熱的、機械的なストレスを受けた場合でもブロッキングの発生が抑制される。
本実施形態のトナーセットを構成する各トナー間でのトナー表面における離型剤の存在率の差(即ち、W1(n)とW1(n−1)との差)は1.5%以上7.0%以下が好ましく、2.0%以上6.5%以下が更に好ましく、2.5%以上6.0%以下が特に好ましい。W1(n)とW1(n−1)との差が1.5%以上7.0%以下であれば、各色トナー間での転写部材への非静電的付着力に差が生じることを抑制でき、各色とも高い転写効率を得ることができる。
トナー表面における離型剤の存在率は、トナー粒子をルテニウム染色した上で、走査型電子顕微鏡(SEM)の5000倍の拡大画像によってトナー表面を観察することで確認される。SEM画像において、黒く見える部分が離型剤であり、これを画像解析することで、トナー表面積に対する離型剤の露出面積の比率として離型剤の存在率が求められる。本実施形態においては、トナー粒子100個の平均値を採用する。
なお、外添剤を添加した後のトナーの場合、外添剤の除去処理を施し、トナー粒子を得た上で上記操作を行えばよい。外添剤の除去処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。
イオン交換水にコンタミノン(和光純薬社製)等の界面活性剤を数滴入れ、そこにトナーを加え濡らし混合分散させ、その後超音波を1分から5分当てることにより、外添剤の除去を行う。その後、混合分散させた分散液をろ紙に通し、リンス洗浄後、ろ紙上のトナーを乾燥させトナー粒子を得る。
本実施形態のトナーセットを構成するトナーのコア粒子中における離型剤の存在率の上限は、22%以下が好ましく、20%以下が更に好ましく、18%以下が特に好ましい。コア粒子中における離型剤の存在率の上限が22%以下であれば定着の際に溶け残ったコア粒子中の離型剤ドメインによる定着強度の低下を抑制できるという利点がある。
本実施形態のトナーセットを構成する各トナー間でのコア粒子中における離型剤の存在率の差(即ち、W2(n)とW2(n−1)との差)は0.8%以上4.0%以下が好ましく、1.0%以上3.5%以下が更に好ましく、1.0%以上3.0%以下が特に好ましい。W2(n)とW2(n−1)との差が0.8%以上4.0%以下であれば、単層でのトナー溶融性に差が生じることによるグロスの色間差を抑制できるという利点が得られる。
コア粒子中における離型剤の存在率は、下記方法により測定される。
トナーをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームによって厚さ100nmに切片化する。このトナー断面を、走査型電子顕微鏡(TEM)の5000倍の拡大画像によって観察することで離型剤の存在率は確認される。形状が棒状、塊状で、より白いコントラストの部分が離型剤であり、これを画像解析することで、トナー断面積に対する離型剤の占有面積の比率として、コア粒子中における離型剤の存在率が求められる。本実施形態においては、トナー粒子100個の平均値を採用する。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中も、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μmがさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散と同様にして、例えば、着色剤分散液、離型剤分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
トナー表面における離型剤の存在率を調整する方法としては、例えば、第2凝集粒子を形成する工程において凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着する際に離型剤分散液を追加して離型剤粒子を第2凝集粒子の表面に付着させる方法が挙げられる。こうすることで過度の離型剤の露出や、トナー表面で離型剤のドメインが大きくなりすぎることが抑制される。
コア粒子中における離型剤の存在率を調整する方法としては、例えば、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する場合において、凝集粒子形成工程で用いられる離型剤分散液の量を調整する方法が挙げられる。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;マトリックス樹脂に導電性粒子が分散・配合された樹脂分散型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、樹脂含浸型キャリア、及び導電性粒子分散型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい
<画像形成装置>
本実施形態の画像形成装置は、本実施形態のトナーセットを用いて複数のトナー像を形成する複数のトナー像形成手段と、前記複数のトナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記複数のトナー像を前記記録媒体上に定着する定着手段と、を有する。形成された複数のトナー像を記録媒体に転写する順番を調節することで、本実施形態の第1乃至第3の画像形成方法に係る式(3)及び式(4)の関係が満たされる。
以下、本実施形態の画像形成装置を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニットY,M,C,K,T、各画像形成ユニットY,M,C,K,Tにて形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト45に順次転写(一次転写)させる一次転写部40、中間転写ベルト45上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録媒体)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部(転写手段)50、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置(定着手段)30を備えている。
また、本実施形態の画像形成装置は、各装置(各部)の動作を制御する制御部70を有している。
各画像形成ユニットY,M,C,K,Tは、矢印A方向に回転する感光体ドラム(像保持体)41の周囲に、これらの感光体ドラム41を帯電させる帯電器(帯電手段)42、感光体ドラム41上に静電荷像が書込まれるレーザー露光器(静電荷像形成手段)43 (図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム41上の静電荷像をトナーにより可視像化する現像器(トナー像形成手段)44、感光体ドラム41上に形成された各色成分トナー像を一次転写部40にて中間転写ベルト45に転写する一次転写ロール46、感光体ドラム41上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ47、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニットY,M,C,K,Tは、中間転写ベルト45の回転方向上流側から、透明(T)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト45は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト45は、各種ロールによって図1に示すB方向に予め定められた速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモーター(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト45を循環駆動(回動)させる駆動ロール61、各感光体ドラム41の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト45を支持する支持ロール62、中間転写ベルト45に対して張力を与えると共に中間転写ベルト45の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール63、二次転写部50に設けられるバックアップロール55、中間転写ベルト45上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール64を有している。
一次転写部40は、中間転写ベルト45を挟んで感光体ドラム41に対向して配置される一次転写ロール46で構成されている。一次転写ロール46は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBR(ニトリルブタジエンゴム)とSBR(スチレン−ブタジエンゴム)とEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)とのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール46は中間転写ベルトを挟んで感光体ドラム41に圧接配置され、さらに一次転写ロール46にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム41上のトナー像が中間転写ベルト45に順次、静電吸引され、中間転写ベルト45上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部50は、中間転写ベルト45のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール52と、バックアップロール55とによって構成される。バックアップロール55は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様)に設定される。このバックアップロール55は、中間転写ベルト45の裏面側に配置されて二次転写ロール52の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール56が接触して配置されている。
一方、二次転写ロール52は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール52は中間転写ベルト45を挟んでバックアップロール55に圧接配置され、さらに二次転写ロール52は接地されてバックアップロール55との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部50に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト45の二次転写部50の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト45上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト45の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ65が接離自在に設けられている。一方、透明(クリア)の画像形成ユニットTの上流側には、各画像形成ユニットY,M,C,K,Tにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)72が配設されている。また、黒の画像形成ユニットKの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ73が配設されている。この基準センサ72は、中間転写ベルト45の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部70からの指示により、各画像形成ユニットY,M,C,K,Tは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、図1に示す画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙(記録媒体)Pを収容する用紙トレイ80、この用紙トレイ80に集積された用紙Pを予め定められたタイミングで取り出して搬送するピックアップロール81、ピックアップロール81にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール82、搬送ロール82により搬送された用紙Pを二次転写部50へと送り込む用紙搬送路83、二次転写ロール52によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置30へと搬送する搬送ベルト85、用紙Pを定着装置30に導く定着入口ガイド86を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置にて画像処理が施された後、画像形成ユニットY,M,C,K,Tによって作像作業が実行される。画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、K,Tの5色の色材階調データに変換され、レーザー露光器に出力される。
レーザー露光器43では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザーから出射された露光ビームBmを画像形成ユニットY,M,C,K,Tの各々の感光体ドラム41に照射している。画像形成ユニットY,M,C、K,Tの各感光体ドラム41では、帯電器42によって表面が帯電された(帯電工程)後、このレーザー露光器43によって表面が走査露光され、静電荷像が形成される(静電荷像形成工程)。形成された静電荷像は、各々の画像形成ユニットY,M,C,K,Tにて、Y、M、C、K,Tの各色のトナー像として現像される(トナー像形成工程)。
画像形成ユニットY,M,C,K,Tの感光体ドラム41上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム41と中間転写ベルト45とが接触する一次転写部40にて、中間転写ベルト45上に転写される。より具体的には、一次転写部40において、一次転写ロール46にて中間転写ベルト45の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト45の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる(転写工程)。
トナー像が中間転写ベルト45の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト45は移動してトナー像が二次転写部50に搬送される。トナー像が二次転写部50に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部50に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール81が回転し、用紙トレイ80から用紙Pが供給される。ピックアップロール81により供給された用紙Pは、搬送ロール82により搬送され、用紙搬送路83を経て二次転写部50に到達する。この二次転写部50に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト45の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる
二次転写部50では、中間転写ベルト45を介して、二次転写ロール52がバックアップロール55に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト45と二次転写ロール52との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール56からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール52とバックアップロール55との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト45上に保持されたトナー像は、二次転写ロール52とバックアップロール55とによって押圧される二次転写部50にて、用紙P上に一括して静電転写される(転写工程)。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール52によって中間転写ベルト45から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール52の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト85へと搬送される。搬送ベルト85では、定着装置30における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置30まで搬送する。定着装置30に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置30によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される(定着工程)。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置から排出される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト45上に残った残留トナーは、中間転写ベルト45の循環駆動(回動)に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール64及び中間転写ベルトクリーナ65によって中間転写ベルト45上から除去される。
図2は、定着装置30を示す概略断面図である。
図2に示す定着装置は、無端状の周面を有する加熱ベルト(加熱部材)1と、この加熱ベルト1の外周面に接触する加圧ロール2と、加熱ベルト1の背面側に接触し、加熱ベルト1を加圧ロール2に押圧する押圧パッド3と、押圧パッド3を支持するパッド支持部材4と、押圧パッド3と加熱ベルト1との間に設けられており、摺動性が良く、耐摩耗性が高い摺動シート9と、加熱ベルト1の外周面に沿って設けられ、該加熱ベルト1を加熱する電磁誘導加熱装置5と、加熱ベルト1の両側縁部の内周面に接触している不図示のガイド部材と、加圧ロール2と押圧パッド3との圧接部の下流側で、加圧ロール2の周面に接している金属ロール7と、この圧接部の出口近傍に設けられている剥離補助部材8と、で構成されている。尚、図2に示す定着装置では、ベルト状の加熱部材(加熱ベルト)を用いたが、ロール状の加熱部材でも構わない。本実施形態における加熱部材としては、比較的自由な定着機設計が許容される上に用紙剥離その他の性能に優れるという点、定着温度を制御することができ、光沢をより高くすることができる点で、ベルト状の加熱部材(加熱ベルト)が好ましい。
加熱ベルト1は、周方向(図中、矢印方向)への周回移動が可能かつ、幅方向の両端部と定着ニップ部以外では基本的には他の部材と接触することがないように、無張架で支持された薄肉の導電性層を有する無端状の柔軟なベルトから構成されている。上記加熱ベルト1の好ましい態様としては、その内側から、耐熱性の高いシート状部材からなる基層と、当該基層の上に積層された導電性層と、トナー像の定着性・画質を向上させる弾性層と、最も上層となる表面離型層とから構成されているものが挙げられる。
上記基層は、例えば、厚さ10μm以上150μm以下の耐熱性の高いシートであることが好ましく、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等の耐熱性の高い合成樹脂からなるものが挙げられる。
上記導電性層は、電磁誘導加熱装置5によって生じる磁界の電磁誘導作用により、誘導発熱する層であり、鉄・コバルト・ニッケル・銅・アルミニウム・クロム等の金属層を1μm以上80μm以下の厚みで形成したものが用いられ、電磁誘導で十分な発熱が得られるような固有抵抗値となるように材質が選択される。
上記弾性層については、ニップ部で記録紙上の未定着トナー像を覆ってトナー像を加熱するためのものであり、例えば、ゴム硬度10°以上30°以下(JIS K 6301、JIS A又はJIS K 6253、デュロメータタイプAスプリング式)のシリコーンゴムを100μm以上600μm以下の厚さで用いることができる。
上記表面離型層は、記録紙上に転写された未定着トナー像と、直接接する層であるため、離型性の良い材料を使用することが好ましい。この表面離型層を構成する材料としては、例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコン共重合体、またはこれらの複合層等が挙げられる。上記表面離型層は、これらの材料のうちから選択されたものを、10μm以上50μm以下の厚さでベルトの最上層に設けたものである。この表面離型層の厚さは、薄すぎると、耐磨耗性の面で耐久性が悪く、加熱ベルト1の寿命が短くなってしまうことがあり、逆に、厚すぎると、ベルトの熱容量が大きくなり、ウォームアップが長くなってしまうことがある。
なお、4層構造の加熱ベルトについて説明したが、接着層や各層の保護層などを設けた5層、6層などのベルトであってもよいし、弾性層を削除した3層のベルトであってもよい。
加熱ベルト1としてのより好ましい態様としては、無拘束状態で内径約30mmの円形断面となるものであり、基層は幅方向に座屈等が生じない程度の剛性を有するように80μmのポリイミドが挙げられる。また、導電性層は、加熱ベルト1の曲率が大きい場合でも永久変形やひびが生じないように薄層であることが望ましく、基層上に蒸着又はメッキ等の手段によって10μmの銅が形成されている。導電性層上にはゴム硬度15°(JIS K 6301、JIS A又はJIS K 6253、デュロメータタイプAスプリング式)、厚さ300μmのシリコーンゴムと、さらにその上に厚さ30μmのPFAが積層されている。
尚、加熱ベルト1の表面温度は、加熱ベルト1に設けられた感温素子により計測され、制御手段によりその温度が制御される。感温素子としては、特に制限はなく、例えば、サーミスタ、温度センサなどが挙げられる。
本実施形態において用いられる加熱部材がロール状の加熱部材(加熱ロール)の場合は、少なくとも最表層の電気抵抗率が10−7Ωm以上10−2Ωm未満であることが好ましい。ここで、上記「少なくとも最表層が」とは、加熱部材全体が前記範囲の電気抵抗率を有する構成であってもよいし、加熱部材に設けられた最表層のみが前記範囲の電気抵抗率を有する構成であってもよいことを意味する。尚、本実施形態において、電気抵抗率は、25℃における電気抵抗率とする。
前記電気抵抗率は10−6Ωm以上10−3Ωm以下の範囲であることが更に好ましい。電気抵抗率が10−7Ωm未満の低い値とすることは困難となる場合があり、電気抵抗率が10−2Ωmを超えると電磁誘導加熱方式でのジュール発熱が十分でなく、ウォームアップタイムを低減できなくなる場合がある。
上記10−2Ωmよりも低い電気抵抗率を有する材料としては、一般的な金属及び各種合金類の殆どが使用できる。特にアルミニウム、クロム、銅、鉄、マグネシウム、ニッケル、チタン、亜鉛などの常用金属類と、それらにケイ素や炭素、リン、イオウ、酸素、塩素などの非金属、または上記の金属の一種または二種以上、さらにモリブデン、タングステン、バナジウム、コバルト、ベリリウム、ビスマス、鉛、スズ、リチウム、ナトリウム、カルシウム、ガリウム、砒素、ストロンチウム、ジルコニウム、カドミウム、インジウム、テルル、バリウム、タンタル、金、銀などの金属の一種または二種以上を含有する合金などを使用することができる。
これらの中では、鉄、銅、及びアルミニウムのうちのいずれか、またはこれらのいずれかを主成分とする合金を用いることが、価格や強度の点から好ましく、特に鉄を用いることが好ましい。
電磁誘導加熱の効率という観点からは、前記最表層は前記適度な電気抵抗率範囲であることが望ましく、さらに、表面に電流が集中しやすい磁性体を用いた方が効率が良い場合が多いが、誘導電流を発生するコイルの周波数を調整することで、電気抵抗率の低いアルミニウムや銅なども十分加熱することが知られている。
加熱ロールを用いる定着装置では、例えば、金属導体からなる加熱ロールの内部に、同心状にコイルを巻装した開磁路鉄芯を配置し、この加熱ロールの内面に近接した前記コイルに高周波電流を流し、これによって生じた高周波磁界で定着ロールに誘導渦電流を発生させ、定着ロール自体の表皮抵抗によって定着ロールそのものをジュール発熱させる。
上記コイルは、通常用いられるあらゆる種類の誘電加熱用コイルを用いることが可能で、さらに誘電加熱用コイルは定着ロール内部でも定着ロール外部でも設置することができる。定着ロール外部に設置する場合は周辺金属部材等を加熱しないための消磁カバーが通常用いられる。
上記コイルに流す高周波電流の周波数としては、1kHz以上100kHz以下の範囲であることが好ましく、10kHz以上80kHz以下の範囲であることがより好ましい。周波数が1kHz未満では加熱が不十分となる場合があり、100kHzを超えると加熱コイルのエネルギー損失が過大となる場合がある。
加圧ロール2は、上記加熱ロールと同様の構成であってもよい。
加圧ロール2の好ましい態様としては、金属製の円筒状芯金2aを芯材とし、該円筒状芯金2aの表面にスポンジやゴムなどの弾性層2bと、さらに表面に表面離型層2cとを備えており、該加圧ロール2と押圧パッド3とで加熱ベルト1を挟み込んだ状態に保持して、加熱ベルト1に、加圧ロール2を圧接させ、当該圧接部を未定着トナー像が転写された記録紙を通過させることにより、熱及び圧力で未定着トナー像を記録紙上に定着して、定着画像を形成するようになっている。
加圧ロール2は、駆動モータ(図示しない)によって回転駆動され、これにともなって加熱ベルト1が従動回転する。
押圧パッド3は、台座3a上に弾性部材3bを備え、加熱ベルト1を加圧ロール2に押し付けるものであり、弾性部材3bと加圧ロール2との間に圧接部が形成される。弾性部材3bは、ニップ部の上流側から下流側にかけて厚さが増大しており、弾性部材3bの摺動シート9を介して加熱ベルト1と接触する面が、加圧ロール2とほぼ同じ曲率を有する形状に湾曲している。この弾性部材3bが加熱ベルト1の内面に押圧されると、弾性部材3bの厚さが増大している下流部が下流側に膨らみだすように変形し、さらに、加熱ベルト1の周回移動にともなって、加熱ベルト1の移動方向の下流側へ摩擦力が作用して突き出すように変形する。
押圧パッド3の好ましい態様としては、SUS、鉄等の金属又は耐熱性を有する樹脂等からなる台座3a上に、弾性部材3bとしてゴム硬度20°(JIS K 6301、JIS A又はJIS K 6253、デュロメータタイプAスプリング式)のシリコーンゴムが積層されたものが挙げられる。
摺動シート9は、摺動性が良く、耐摩耗性に優れ、かつ熱に強い材料であることが好ましく、例えば、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート(中興化成工業:FGF400−4等)、オイルを保持しやすいゴアテックス(登録商標)のシートなどが用いられている。さらに加熱ベルト1の内面には、潤滑オイル、潤滑グリース等の離型材を塗布してもよい。これにより、加熱ベルト1は加圧ロール2に従動して加圧ロール2とほぼ同じ速度で周回し、加圧ロール2の駆動負荷を低減することができる。
電磁誘導加熱装置5は、励磁回路5dによって交流電流が印加される励磁コイル5aと、当該励磁コイル5aを支持するコイル支持部材5bと、コイルとベルト表面との絶縁を保ち、かつコイルの形状を保持するためのコイルカバー5cと、で主要部が構成されている。この電磁誘導加熱装置5は、電磁誘導加熱装置5の周方向における中心部が、パッド支持部材4、ニップ部及び加圧ロール2の中心を結ぶ軸線A−A上の位置、すなわちニップ部から上下流側へほぼ等距離となる位置より下流側の軸線B−B上の位置となるように、加熱ベルト1の外周面と特定の間隔をおいて配置されている。また、軸線B−B上の位置は、加熱ベルト1が弾性部材3bによって大きな曲率で曲げ回される位置から、上下流側へほぼ等距離となる位置となっている。そして、コイル支持部材5b及びコイルカバー5cが加熱ベルト1の外周面に沿って約180°の領域を覆い、励磁コイル5aが約160°の領域を覆っている。
励磁コイル5aは、連続したリッツ線が加熱ベルト1の幅方向に平行に配置され、平行部分の両端部で折り返して巻き回されている。そして、コイル支持部材5bとコイルカバー5cとで挟み込むことにより保持された状態で、当該加熱ベルト1に対して予め定められた間隔が得られるように設置されている。
コイル支持部材5bは、耐熱性のある非磁性・絶縁材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ガラス入りポリエチレンテレフタレート、ガラス入りポリフェニレンサルファイド、ガラス入りポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂が用いられる。
コイルカバー5cは、励磁コイル5aの加熱ベルト1側の面の絶縁状態を保ち、かつ励磁コイルの形状を維持するために、励磁コイル5aと加熱ベルト1との間に配置されている。材料はコイル支持部材5bと同様でよいが、コイル支持部材5bよりも加熱部材である加熱ベルト1に近いため、より耐熱性が要求され、また電磁誘導加熱装置とベルト表面との距離を特定の距離以下にするためには、より薄い肉厚で、かつ熱が加わったときでも反りなどの変形が発生し難く、コイルの形状を保ちやすい材料であることが好ましい。
なお、この電磁誘導加熱装置5では、磁束を強めるために、コイルの中央部分にフェライトなどの強磁性体からなる芯材を設けても良いし、耐熱性を有する樹脂等をボビンとして、それにコイルを巻き付けた状態で使用してもよい。
励磁回路5dは、画像形成装置の本体に設けられており、この励磁回路5dから励磁コイル5aに交流電流が供給されると、励磁コイル5aの周囲に磁束(H)が生成消滅を繰り返す。交流電流の周波数は、例えば、10kHz以上50kHz以下に設定されるが、本実施形態では、交流電流の周波数が30kHzに設定されている。そして、この磁束が加熱ベルト1の導電性層を横切るとき、その磁界の変化を妨げる磁界を生じるように導電性層中に渦電流が発生し、導電性層の表皮抵抗に比例した電力(W=IR)でジュール熱が発生する。これにより、加熱ベルト1が予め定められた温度まで加熱される。
この電磁誘導加熱装置5では、電磁誘導によって適切な発熱量を得るためには、励磁コイル5aと加熱ベルト1の表面との距離を2.5mm以下にすることが好ましい。この距離が3mm以上になると、加熱ベルト1への磁気的な影響が弱くなり、予め定められた有効電力を得るためには、コイルを流れる電流が増えて、コイルが自己発熱したり、電源のスイッチング素子に流れる電流が定格電流値を超えて素子が発熱して、電力効率が落ちてしまうことがある。
剥離補助部材8は、ステンレス等の薄い板状部材で構成され、先端部がニップ部の出口で加熱ベルト1と近接対向するように配置されており、先端部と加熱ベルト1との間隔が1mm以下になるように設定されている。この剥離補助部材8は、ニップ部を通過して加熱ベルト1から剥離した記録紙の先端をすくい取り、記録紙が再び加熱ベルト1に巻き付くのを防ぐものである。
本実施形態においては、定着手段としては上述の電磁誘導加熱方式の定着装置以外にも、表面にフッ素樹脂成分、シリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料を用い、かつベルト形状を有する定着ベルトを有する定着装置や、同様に表面にフッ素樹脂成分、シリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料を用い、かつ円筒状の定着ロールを有する定着装置が挙げられる。電磁誘導加熱方式の定着装置と定着ベルトや定着ロールを有する定着装置とを比較すると、電磁誘導加熱方式の定着装置の定着圧力は定着ベルトや定着ロールを有する定着装置の定着圧力に比較して低い。しかし、本実施形態のトナーセットを用いる本実施形態の第1乃至第3の画像形成方法によれば、定着圧力が低い場合であっても、定着画像の荒れが発生しにくい。
具体的には、本実施形態においては、定着圧力が0.7kgf/cm以上2.0kgf/cm以下の定着装置を用いた場合であっても定着画像の荒れが発生しにくい。
以下、本実施形態を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本実施形態は下記実施例に限定されるものではない。なお「部」及び「%」は特に断わりのない限り「質量部」及び「質量%」を表す。
<結晶性ポリエステル樹脂1の合成>
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10−デカンジカルボン酸225部と、1,9−ノナンジオール160部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.8部と、を入れ、その後減圧操作により、三口フラスコ内の空気を窒素に置換して不活性雰囲気下として、機械撹拌により180℃、5時間撹拌し、かつ、還流して反応を進行させた。反応の間、反応系内において生成した水を留去した。その後、減圧下において、230℃まで徐々に昇温し、2時間撹拌して粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量が24,200になったところで、減圧蒸留を停止し結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
酸成分及びアルコール成分の各添加量を表1に示すように変更した以外は結晶性ポリエステル樹脂1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂2及び3を得た。
<非晶質ポリエステル樹脂1の合成>
・ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物:469部
・ビスフェノールAエチレンオキシド付加物:137部
・テレフタル酸:152部
・フマル酸:75部
・ドデセニルコハク酸:114部
・ジブチル錫オキサイド:4部
上記成分を加熱乾燥した三口フラスコに入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。210℃まで冷却して無水トリメリット酸を4部添加し、1時間反応させた後、8kPaにて軟化温度が107℃になるまで反応させ、非晶質ポリエステル樹脂1を得た。
なお、樹脂の軟化温度はフローテスター(島津製作所、CFT−5000)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出し、試料の半量が流出した温度とした。
<非晶質ポリエステル樹脂2の合成>
モノマー成分の添加量、樹脂抜き出し時の軟化温度を表2のように変更した以外は非晶質ポリエステル樹脂1と同様にして、非晶質ポリエステル樹脂2を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液の調製>
結晶性ポリエステル樹脂1の100部と、メチルエチルケトン40部、イソプロピルアルコール30部をセパラブルフラスコに入れ、これを75℃で混合、溶解した後、10%アンモニア水溶液を6.0部滴下した。加熱温度を60℃に下げ、撹拌しながらイオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度6g/minで滴下し、液が白濁したのち、送液速度25g/minに上げ、総液量が400部になったところで、イオン交換水の滴下を止めた。その後、減圧下で溶媒の除去を行い、結晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂分散液1の体積平均粒径は168nm、固形分濃度は11.5%であった。
使用する結晶性ポリエステル樹脂を表3のように変更した以外は結晶性ポリエステル樹脂分散液1と同様にして結晶性ポリエステル樹脂分散液2及び3を得た。

<離型剤分散液の調製>
・パラフィンワックスHNP9(日本精蝋(株)製):500部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50部
・イオン交換水:1700部
以上を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が180nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液1(固形分濃度:32%)を調製した。
使用する離型剤を表4のように変更した以外は離型剤分散液1と同様にして、離型剤分散液2及び3を得た。

なお、表4においてHNP51はフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞社製)であり、FNP0080は炭化水素系ワックス(日本精鑞社製)である。
<非晶質ポリエステル樹脂分散液の調製>
・非晶質ポリエステル樹脂1:300部
・メチルエチルケトン:150部
・イソプロパノール:50部
・10%アンモニア水溶液:10.6部
上記成分(非晶質ポリエステル樹脂に関しては不溶分を除去した後)をセパラブルフラスコに入れ、混合、溶解した後、40℃で加熱攪拌しながら、イオン交換水を送液ポンプを用いて送液速度8g/minで滴下した。液が白濁した後、送液速度12g/minに上げて転相させ、送液量が1050部になったところで滴下を止めた。その後減圧下で溶剤除去を行い、非晶質ポリエステル樹脂分散液1を得た。非晶質ポリエステル樹脂分散液1の体積平均粒径は165nm、固形分濃度は30.6%であった。
非晶質ポリエステル樹脂の種類、メチルエチルケトン、イソプロパノール、アンモニア水の量を表5のように変更した以外は非晶質ポリエステル樹脂分散液1と同様にして、非晶質ポリエステル樹脂分散液2を得た。
<Cyan顔料分散液の調製>
・Pigment Blue15:3(大日本インキ化学製):200部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:800部
以上を混合し、分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、Cyan顔料分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
<Yellow顔料分散液の調製>
・Pigment Yellow180(クラリアント製):200部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:800部
以上を混合し、分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、Yellow顔料分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
<Magenta顔料分散液の調製>
・Pigment Red122(クラリアント製):200部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:800部
以上を混合し、分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、Magenta顔料分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
<Kuro顔料分散液の調製>
・カーボンブラックR330(キャボット製):200部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:800部
以上を混合し、分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、Kuro顔料分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
<Cyanトナー1の作製>
・非晶質ポリエステル樹脂分散液1:250部
・非晶質ポリエステル樹脂分散液2:250部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液1:116部
・離型剤分散液1:52部
・Cyan顔料分散液:70部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、攪拌回転数を550rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、49℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2以上3.5以下の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次に、非晶質ポリエステル樹脂分散液1:50部、非晶質ポリエステル樹脂分散液2:50部、および、離型剤分散液1:10部を追添加し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子及び離型剤粒子を付着させた。さらに53℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.8に調整し、15分間保持した。その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、85℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、2時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してCyanトナー粒子1を得た。
トナー表面における離型剤の存在率の測定は、トナー粒子の染色SEM画像を画像解析することにより行った。具体的には、トナー粒子を、四酸化ルテニウム0.5%水溶液を用いてルテニウム染色した後、SEM画像を撮影した。SEM画像中、黒く見える部分が離型剤のドメインである。得られたSEM画像を画像解析することにより、トナー粒子の表面積に対する離型剤面積の割合として離型剤の存在率を算出した。離型剤存在率は、トナー100個の平均値を採用した。
Cyanトナー1の離型剤存在率は7.5%であった。
得られたCyanトナー粒子1に、外添剤として、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ(平均粒径40nm)0.5%、メタチタン酸にイソブチルトリメトキシシラン50%処理後焼成して得られたチタン化合物(平均粒径30nm)0.7%を加え(何れもトナー粒子に対する質量比)、75Lヘンシェルミキサーにて10分間混合し、その後、風力篩分機ハイボルター300(新東京機械社製)にて篩分し、Cyanトナー1を作製した。得られたCyanトナー1の体積平均粒子径は5.8μmであった。
トナー中の結晶性樹脂、および、離型剤の融解温度の測定には、示差走査熱量計(島津製作所製 DSC−60A)を用い、室温(例えば、25℃)から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行なった。融解温度は、DSC測定におけるASTMD3418−8に準拠した示差熱分析測定の融解極大吸収温度として測定される。なお、本実施形態のトナーでは結晶性樹脂と離型剤とで2つ以上の融解極大吸収温度が測定されるが、いずれのピークが結晶性樹脂、離型剤かという判断は各材料単体の示差熱分析測定結果をもとに行った。
Cyanトナー1の結晶性樹脂の融解温度(Tc)と離型剤の融解温度(Tw)の差の絶対値(融解温度差)は1℃であった。
Cyanトナー粒子1に係るコア粒子中における離型剤の存在率は、13.3%であった。
つぎに平均粒径35μmのフェライトコア100部に対して、0.15部にあたる弗化ビニリデン、及び1.35部にあたるメチルメタアクリレートとトリフロロエチレンとの共重合体(重合比80:20)樹脂をニーダー装置を用いコーティングし、キャリアを作製した。得られたキャリアとCyanトナー1とを、それぞれ100部:8部の割合で2リッターのVブレンダーで混合し、Cyan現像剤1を作製した。
使用する非晶質ポリエステル樹脂分散液、結晶性ポリエステル樹脂分散液、離型剤分散液、顔料分散液の種類/添加量を表6乃至表8のように変更した以外はCyanトナー1と同様にして、各トナー/現像剤を作製した。
<画像形成>
東芝テック社製PREMAGE355の定着ユニットを取り外し、この定着ユニットのコイルバネを取り換え、加熱ベルトと加圧ロールを押圧する荷重を1.7kgf/cmに調整し、さらに定着ユニットに電源供給をするための配線を施し電磁誘導加熱方式の定着テストユニット(定着装置)とした。
一方、複写の未定着トナー像を得るために富士ゼロックス社製DCIIC7500の定着ユニットを取り外し、複写物が未定着なまま排出可能なように改造した。さらに画像形成ユニットを5つに増設改造し、複写機の各現像器に、表9に示すような組み合わせでトナーセット1の現像剤を装填した。なお、表9のE1乃至E5は、DCIIC7500に設けられている各画像形成ユニットを示し、中間転写ベルトの回転方向上流側からE1乃至E5の順で画像形成ユニットが設けられている。
評価チャートとしては、図3に示すように、単色から5色重ねまで6種類のベタ画像パッチを記録媒体の搬送方向の先端部及び後端部に、それぞれ先端余白20mm、後端余白20mmで配置した。各画像パッチの色の重ね方は図4に示した。また、各色のトナー載り量は、単色が4.0g/cm、2色重ねが8.0g/cm、3色重ねが10.0g/cm、4色重ねが12.0g/cm、5色重ねが14.0g/cmになるように調整した。温度10℃、湿度90%環境下で、未定着トナー像を作製した。更に作製した未定着トナー像が前記定着テストユニット中に流れるように定着テストユニットを装着し、画像を500枚連続プリントし、1、5、10、500枚目の画像欠損の有無、および、画像の定着強度を評価した。なお、画像の紙中での面積は30%、定着器の温度は165℃、使用する紙はJD紙、OSコート127gsm紙(ともに富士ゼロックス製)を用いた。
<画像欠損の評価方法>
目視でOSコート127gsm紙に形成された定着画像を観察し、下記基準に基づき評価した。
先端部の画像の評価結果を表10乃至表13に、後端部の画像の評価結果を表14乃至表17に示す。
G4:画像の抜けや、荒れ、ささくれの何れも見えない
G3:画像荒れが極僅かに見えるが、実使用上、問題ない
G2:画像の抜けや、荒れ、ささくれの少なくとも何れかが僅かに見える
G1:画像の抜けや、荒れ、ささくれの少なくとも何れかが見える
<画像強度の評価法>
JD紙に形成された画像の画像面を内側にして2つ折りにし、更に圧力10g/cmの荷重を1分間かけ、その後2つ折りを開き、折れた部分をガーゼで軽くなぞるように拭いたときの画像の抜け具合を、以下の基準により目視で評価した。
先端部の画像の評価結果を表18乃至表21に、後端部の画像の評価結果を表22乃至表25に示す。
◎:全く画像欠陥なし
○:筋が軽くみられる(幅100μm以下)
△:画像欠落があるが、許容できる範囲(幅500μm以下)
×:画像欠陥が激しく許容できない範囲(幅500μmを超えるもの)
















1 加熱ベルト
2 加圧ロール
3 押圧パッド
4 パッド支持部材
7 金属ロール
8 剥離補助部材
9 摺動シート
30 定着装置
40 一次転写部
41 感光体ドラム
42 帯電器
43 レーザー露光器
44 現像器
45 中間転写ベルト
46 一次転写ロール
47 ドラムクリーナ
50 二次転写部
70 制御部

Claims (5)

  1. 互いに異なる色を呈するn種(nは2以上の整数)のトナーを有し、
    前記トナーが、コア粒子と前記コア粒子を被覆するシェル層とを有するコアシェル構造のトナーであり、
    第nのトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、下記式(1)の関係を満たし、
    第nのトナーの前記コア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに、下記式(2)の関係を満たすトナーセット。
    W1(n−1)<W1(n) 式(1)
    W2(n−1)>W2(n) 式(2)
  2. 前記トナーの少なくとも一種が、結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有し、
    前記結晶性樹脂の融解温度Tcと前記離型剤の融解温度Twとの差の絶対値が5℃以下である請求項1に記載のトナーセット。
  3. 請求項又は請求項に記載のトナーセットを用いて複数のトナー像を形成する複数のトナー像形成工程と、
    前記複数のトナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、
    前記複数のトナー像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、を有し、
    前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、下記式(3)の関係を満たし、
    前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのコア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに、下記式(4)の関係を満たす画像形成方法。
    W1(n−1)<W1(n) 式(3)
    W2(n−1)>W2(n) 式(4)
  4. 請求項に記載のトナーセットを用いて複数のトナー像を形成する複数のトナー像形成工程と、
    前記複数のトナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、
    前記複数のトナー像を前記記録媒体上に定着する定着工程と、を有し、
    前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのトナー表面における離型剤の存在率をW1(n)としたときに、下記式(3)の関係を満たし、
    前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側からn番目のトナー像を構成するトナーのコア粒子中における離型剤の存在率をW2(n)としたときに、下記式(4)の関係を満たし、
    前記記録媒体上に転写された前記複数のトナー像における前記記録媒体側から1番目のトナー像を構成するトナーが結着樹脂として非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有し、前記結晶性樹脂の融解温度Tcと前記離型剤の融解温度Twとの差の絶対値が5℃以下である画像形成方法。
    W1(n−1)<W1(n) 式(3)
    W2(n−1)>W2(n) 式(4)
  5. 前記定着工程における定着圧力が、0.7kgf/cm以上2.0kgf/cm以下である請求項3又は請求項4に記載の画像形成方法。
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