JP6171987B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真法などにより、静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電および露光工程により像保持体(感光体)表面に画像情報を静電荷像として形成し、トナーを含む現像剤を用いて、感光体表面にトナー画像を現像し、このトナー画像を、用紙などの記録媒体に転写する転写工程、さらに、トナー画像を記録媒体表面に定着させる定着工程を経て画像として可視化される。
例えば、特許文献1には、「少なくとも、結着樹脂と、着色剤と、2種以上の離形剤とを含む静電荷現像用トナーであって、前記2種以上の離形剤のうち、主離形剤と、該主離形剤よりも含有量の小さい微量離形剤との密度の差が、ASTM D792で規定される値で、0.02以上であり、前記離形剤における前記微量離形剤の合計混合比率が0.1〜15.0質量%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー」が開示されている。
特開2005−265989号公報
本発明の課題は、定着されるときの記録媒体先端部の変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られる静電荷像現像用トナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
結着樹脂、着色剤、及び融解温度が異なる2種以上の離型剤を含み、
定着前のトナーの断面観察において、少なくとも最も高融解温度側の前記離型剤を芯部とし、少なくとも最も低融解温度側の前記離型剤で前記芯部が被覆された扁平状の離型剤のドメインを有し、前記離型剤のドメイン径の長径(DL1)が0.6μm以上で、且つ前記離型剤のドメイン径の長径(DL1)と短径(DS1)との比(DL1/DS1)が2.0以上であり、
下記定着条件で定着した定着後の画像の断面観察において、前記離型剤のドメイン径(D2)が0.5μm以下である静電荷像現像用トナー。
−定着条件−
記録媒体上に形成した、トナー載り量が5.0g/cm のベタ画像の画像を、定着温度150℃、定着圧力20kgfで定着し、定着後、冷却用ファンにより、冷却用ファンの送風面と画像との距離70mm、風量1.4m /秒で冷却する定着条件。
削除
請求項に係る発明は、
前記融解温度が異なる2種以上の離型剤として、融解温度80℃以下の離型剤、及び融解温度90℃以上の離型剤を少なくとも含む請求項に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項に係る発明は、
請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項に係る発明は、
請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項に係る発明は、
請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項に係る発明は、
前記定着手段が、電磁誘導加熱方式の定着手段である請求項に記載の画像形成装置。
請求項に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項に係る発明は、
前記定着工程が、電磁誘導加熱方式の定着手段により、前記トナー画像を定着する工程である請求項に記載の画像形成方法。
請求項1に係る発明によれば、定着前のトナーの断面観察と定着後の画像の断面観察とで離型剤のドメイン径が上記関係を満たさない場合に比べ、定着されるときの記録媒体先端部の変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られる静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項に係る発明によれば、1種の離型剤を含む場合に比べ、定着されるときの記録媒体の先端部変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られる静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3、4、5、6、7、8、及び9に係る発明によれば、定着前のトナーの断面観察と定着後の画像の断面観察とで離型剤のドメイン径が上記関係を満たさない静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、定着されるときの記録媒体先端部の変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られる静電荷像現像、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 定着装置を示す概略断面図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明一例である実施形態について詳細に説明する。
(静電荷像現像用トナー)
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含む。
定着前のトナーの断面観察において、離型剤は扁平状のドメインを有し、離型剤のドメイン径の長径(DL1)は0.6μm以上で、且つ離型剤のドメイン径の長径(DL1)と短径(DS1)との比(DL1/DS1:以下「アスペクト比」とも称する)は2.0以上である。
そして、定着後の画像の断面観察において、離型剤のドメイン径(D2)は0.5μm以下である。
本実施形態に係るトナーでは、上記構成により、定着されるときの記録媒体先端部の変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られる。この理由は定かではないが、以下に示す理由と推測される。
まず、近年、画像形成装置の使用前の待機時間(加熱部材のウォーミングアップ時間)の短縮のために、電磁誘導加熱方式の定着が提案されている。電磁誘導加熱方式の定着では、省エネの観点から加圧部材に熱源を有さないことが多く、使用環境によっては起動直後には加圧部材の温度が上昇しきらないことがある。このため、定着するときの加熱温度が十分でなく、離型剤の染み出しが悪化する傾向がみられる。これに加え、電磁誘導加熱方式の定着では、例えば20kgf/cm以上35kgf/cmの範囲の定着圧力で定着を行うため、定着圧力が小さい傾向があり、定着するときのトナーの変形量が小さく、やはり、離型剤の染み出しが悪化する傾向がみられる。
このように、電磁誘導加熱方式の定着に限られず、他の方式の定着であっても、定着するときトナー画像に対して加熱又は圧力が十分付与されない場合、トナーからの離型剤の染み出しが悪化する傾向がみられる。
離型剤の染み出しが悪化すると、定着部材に対する離型性が低下して、定着後に定着部材から記録媒体を剥離するときに記録媒体先端部の変形が生じる。特に、記録媒体が薄く腰が弱い場合、又は高温高湿環境下(例えば、30℃、85%RH環境下)で記録媒体が吸水して腰が弱くなった場合に、記録媒体先端部の変形が生じやすくなる。
一方、離型剤の染み出しを高めるために、離型剤の含有量を多くし、トナー中の離型剤のドメイン径を大きくする方法が知られている。
しかし、トナー中の離型剤のドメイン径を球状に大きくすると、定着後の画像中の離型剤のドメイン径も大きくなる傾向があり、着色剤の分散性が悪化することがある。定着後の画像中で、着色剤の分散性が悪化すると、発色性が低下する。具体的には、例えば、黒色の画像の場合、CIE1976(L*a*b*)表色系のL*(明度)が高くなり、白っぽく見える現象が生じる。
これに対して、本実施形態に係るトナーでは、定着前のトナー中において、長径(DL1)0.6μm以上、且つアスペクト比(DL1/DS1)2.0以上といった長径が長い扁平状の形状で、離型剤のドメインを存在させる。この形状で離型剤のドメインを存在させると、球状で離型剤のドメイン径を大きくした場合と同様に、定着するときの離型剤の染み出しが高まる。
その一方で、定着前のトナー中において、扁平状で離型剤のドメインを存在させると、定着するときに離型剤のドメインのうち長手方向の端部が染み出されやすくなる。このため、球状の離型剤のドメインを存在させた場合に比べ、離型剤の一部が染み出した定着後の画像中では、離型剤のドメイン自体が小さくなる割合が大きく、分散性が高まった状態となる。そして、この定着後の画像中において、離型剤のドメイン径(D2)を0.5μm以下と小さくすると、着色剤の分散性の阻害が抑制される。
以上の理由から、本実施形態に係るトナーでは、定着されるときの記録媒体先端部の変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られると推測される。
また、本実施形態に係るトナーでは、定着部材に対する離型性が高まることから、定着部材に対する記録媒体の巻き付き等も抑制される。
特に、本実施形態に係るトナーでは、1)トナー画像に対して加熱又は圧力が十分付与され難いときがある電磁誘導加熱方式の定着方式を採用する場合、2)腰が弱い薄い記録媒体を使用する場合、3)記録媒体が吸水して腰が弱くなりやすい高温高湿環境下で使用する場合でも、定着されるときの記録媒体先端部の変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られる。
ここで、定着前のトナーの断面観察における離型剤のドメイン径の長径(DL1)は、0.6μm以上であり、記録媒体先端部の変形抑制の点から、0.75μm以上がより好ましい。ただし、離型剤のドメイン径の長径(DL1)は、トナーの粉体特性の悪化抑制の点から、1.5μm以下が好ましい。
一方、定着後の画像の断面観察における離型剤のドメイン径(D2)は、離型剤のドメインの最大径を示す。離型剤のドメイン径(D2)は、0.5μm以下であるが、画像の発色性向上の点から、0.4μm以下がより好ましい。なお、定着後の画像の断面観察における離型剤の形状は、球状であっても、扁平状であってもよく、離型剤のドメイン径(D2)の範囲を満たせば特に制限はない。
これら離型剤のドメイン形状特性を付与する構成としては、例えば、融解温度が異なる2種以上の離型剤(例えば、融解温度80℃以下の離型剤、及び融解温度90℃以上の離型剤を少なくとも含む離型剤)をトナー中に含ませる構成が挙げられる。この構成により、上記離型剤のドメイン形状特性が付与できる理由については定かではないが、以下に示す理由によるものと推測される。なお、融解温度80℃以下の離型剤を低融解温度側の離型剤と称し、融解温度が90℃以上の離型剤を高融解温度側の離型剤と称して、以下説明する。
まず、トナーを作製するとき、融解温度が異なる2以上の離型剤を添加すると、高融解温度側の離型剤を結晶核として、低融解温度側の離型剤が結晶成長する。具体的には、トナーの作製において、2種以上の離型剤における最も高い融解温度と最も低い融解温度との間の温度で養生すると、養生中、低融解温度側の離型剤が高融解温度側の離型剤を結晶核として、結晶成長する。このとき、低融解温度側の離型剤の結晶成長が、結晶核のある径方向でのみ促進される。その結果、高融解温度側の離型剤を芯部とし、低融解温度側の離型剤で被覆された扁平状の離型剤のドメインが形成されると考えられる。
この扁平状の離型剤のドメインが存在するトナーを用いて画像を形成すると、定着による加熱及び加圧により、離型剤のドメインの外側に存在する低融解温度側の離型剤がトナーから染み出されやすくなる。一方、高融解温度側の離型剤は溶融しきらずに存在し、これを核としてトナーから染み出さなかった低融解温度側の離型剤も存在し、定着後の画像に残存する。つまり、定着後の画像中も、定着前のトナー中の離型剤のドメインの分散状態を維持したまま、ドメイン径が小さくなると考えられる。
なお、定着前のトナー中の離型剤のドメイン径(定着前のトナーの断面観察におけるドメイン径)の測定は、走査透過型電子顕微鏡(STEM)によるトナー断面の画像を画像解析することにより行う。具体的には、まず、測定対象となるトナーをエポキシ樹脂に包埋した後、エポキシ樹脂を固化する。この固化物をミクロトームによって厚さ100nmに切片化する。切片のトナー断面を四酸化ルテニウム0.5%水溶液によりルテニウム染色した後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により、トナー断面のSTEM画像を得る。SETM画像中、白く見える部分が離型剤のドメインである。得られたSTEM画像を画像解析することにより、離型剤のドメインの長径(DL1)と短径(DS1)を計測する。具体的には、走査透過型電子顕微鏡(STEM)にて観察した画像を電子化し、三谷商事株式会社製の画像解析ソフト(Wim ROOF)に取り込み、例えば次のような手順で離型剤のドメインの長径(DL1)と短径(DS1)を求める。
一個のトナー断面領域を選択対象として選択後、「2値化処理」コマンドの「自動2値化−判別分析法」を用い、2値化処理を行ない、抽出された離型剤ドメイン一つ一つに対し、計測項目「絶対最大長」解析により離型剤のドメインの長径(DL1)を計測し、計測項目「対角幅」解析により離型剤のドメインの短径(DS1)を計測する。
写真の撮影濃度やノイズなどにより、自動2値化が正常に行なえない場合は「フィルタ−メディアン」処理やエッジ抽出処理を行なうことにより画像を鮮明化したり、手動の2値化コマンドにおいて画像を確認しながら手動で敷位置を設定してから、離型剤のドメインの長径(DL1)と短径(DS1)を計測してもよい。
そして、離型剤のドメインの長径(DL1)と短径(DS1)の値は、トナー100個の平均値を採用する。つまり、離型剤のアスペクト比(DL1/DS1)は、離型剤のドメインの長径(DL1)と短径(DS1)の平均値の比を採用する。
定着後の画像中の離型剤のドメイン径(定着後の画像の断面観察におけるドメイン径)の測定も、走査透過型電子顕微鏡(STEM)によるトナー断面の画像を画像解析することにより行う。具体的には、記録媒体(用紙)排出口に冷却用ファン(三上鉄工社製、クロスファンJE−03029A10)を取り付け、定着後の画像が冷却されるように改造した富士ゼロックス株式会社製「DC IV C4470」の改造機の現像装置に、測定対象となるトナーを含む現像剤を装填する。この改造機により、トナー載り量が5.0g/cmのベタ画像の画像を記録媒体上に形成する。記録媒体はOSコート127gsm紙(富士ゼロックス社製)を使用し、定着温度は150℃、定着圧力は20kgfに設定する。定着後、冷却用ファンにより、画像全体を急冷し、離型剤ドメイン観察用の画像を得る。なお、画像形成は、温度25℃、湿度50%RHの環境下で行う。また、冷却用ファンによる冷却は、冷却用ファンの送風面と画像との距離を70mm、風量1.4m/秒で行う。
次に、定着後の画像から、2mm×2mm片の画像を採取する。採取した画像をエポキシ樹脂に包埋し、エポキシ樹脂を固化する。この固化物をミクロトームによって厚さ100nmに切片化する。切片の定着後の画像断面を四酸化ルテニウム0.5%水溶液によりルテニウム染色した後、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により、定着後の画像のSTEM画像を得る。SETM画像中、白く見える部分が離型剤のドメインである。一方、SETM画像中、定着後の個々のトナーは、例えば黒く見える外添剤により形成される界面により判別する。得られたSTEM画像を画像解析することにより、離型剤のドメインの最大径をドメイン径(D2)として計測する。具体的には、一個の定着後のトナー断面において、離型剤のドメインの長径(DL1)及び短径(DS1)を計測したのと同様にして、三谷商事株式会社製の画像解析ソフト(Wim ROOF)を用いて、二値化処理を行い、計測項目「絶対最大長」解析により、離型剤のドメインの最大径をドメイン径(D2)として計測する。ドメイン径(D2)の値は、10枚の記録媒体に形成した個々の定着後の画像中から、各々10個のトナーを抽出し、計100個のトナーの平均値を採用する。
本実施形態に係るトナーは、記録媒体先端部の変形抑制、及び画像の発色性向上の点から、扁平状の離型剤のドメインがトナー表層側に偏在していることがよい。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について説明する。
本実施形態に係るトナーは、具体的には、トナー粒子を含み、必要に応じて外添剤を含んでいてもよい。
(トナー粒子)
トナー粒子は、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含む。トナー粒子は、必要に応じて、その他添加剤を含んでいてもよい。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下より好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
特に、離型剤は、上記離型剤のドメイン形状特性を付与する点から、例えば、融解温度が異なる2種以上の離型剤を併用することが好ましい。具体的には、離型剤は、融解温度80℃以下の離型剤、及び融解温度90℃以上の離型剤を少なくとも併用することが好ましい。
融解温度80℃以下の離型剤の融解温度は、50℃以上80℃以下が好ましく、60℃以上77℃以下がより好ましい。
融解温度80℃以下の離型剤としては、例えば、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックスが好適に挙げられる。
融解温度90℃以上の離型剤の融解温度は、90℃以上110℃以下が好ましく、95℃以上106℃以下がより好ましい。
融解温度90℃以上の離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のワックスが好適に挙げられる。
融解温度80℃以下の離型剤と融解温度90℃以上の離型剤との質量比(融解温度80℃以下の離型剤/融解温度90℃以上の離型剤)は、2/1以上10/1以下が好ましく、2.5/1以上8/1以下がより好ましく、3/1以上6/1以下が更に好ましい。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、3質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤と必要に応じてその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂及び離型剤を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
トナー粒子は、トナー粒子の表層側に扁平状の離型剤のドメインを偏在させ、記録媒体先端部の変形をより抑制、且つ画像の発色性をより向上させる点から、次に示す凝集合一法により製造することがよい。
具体的には、各分散液を準備する工程(分散液準備工程)と、
結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、着色剤の粒子(以下「着色剤粒子」とも称する)が分散された着色剤粒子分散液、及び、2種以上の離型剤の粒子(以下「離型剤粒子」とも称する)のうち、低融解温度側の離型剤粒子(例えば融解温度が80℃以下の離型剤粒子)が分散された第1離型剤粒子分散液を混合し、混合分散液中で、各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と、
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、第1凝集粒子分散液、結着樹脂となる第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液、及び、2種以上の離型剤粒子のうち、高融解温度側の離型剤粒子(例えば融解温度が90℃以上の離型剤粒子)が分散された第2離型剤粒子分散液を混合し、第1凝集粒子の表面に更に第2樹脂粒子及び高融解温度側の離型剤粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
を経て、トナー粒子を製造することが好ましい。
以下、各工程の詳細について説明する。
−各分散液準備工程−
まず、凝集合一法で使用する各分散液と準備する。具体的には、結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、及び、2種以上の離型剤粒子のうち、低融解温度側の離型剤粒子(例えば融解温度が80℃以下の離型剤粒子)が分散された第1離型剤粒子分散液、第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液、及び、2種以上の離型剤粒子のうち、高融解温度側の離型剤粒子(例えば融解温度が90℃以上の離型剤粒子)が分散された第2離型剤粒子分散液を準備する。
なお、各分散液準備工程において、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とを「樹脂粒子」と称し、第1離型剤粒子と第2離型剤粒子とを「離型剤粒子」と称して説明する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μmがさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−第1凝集粒子形成工程−
次に、第1樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、第2離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、第1樹脂粒子と着色剤粒子と第1離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、第1樹脂粒子と着色剤粒子と第1離型剤粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、第1樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、第1樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、第1凝集粒子を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、第1樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−第2凝集粒子形成工程−
次に、得られた第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液と、第2樹脂粒子分散液と、第2離型剤粒子分散液とを混合する。なお、これに限られず、例えば、第1凝集粒子分散液と、予め第2樹脂粒子及び第2離型剤粒子が分散された混合分散液とを混合してもよい。
ここで、第2樹脂粒子及び第2離型剤粒子が分散された分散液は、例えば、第2樹脂粒子分散液と、第2離型剤粒子分散液と、を各々準備し、各分散液を混合することで得る。なお、第2樹脂粒子は第1樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
そして、第1凝集粒子、第2樹脂粒子、及び第2離型剤粒子が分散された混合分散液中で、第1凝集粒子の表面に第2樹脂粒子及び第2離型剤粒子を付着するように凝集して、第1凝集粒子の表面に第2樹脂粒子及び第2離型剤粒子が付着した第2凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、第1凝集粒子形成工程において、第1凝集粒子が目的とする粒径に達したときに、第1凝集粒子分散液に、第2樹脂粒子分散液及び第2離型剤粒子分散液を混合し、この混合分散液に対して、第2樹脂粒子のガラス転移温度のガラス転移温度以下で加熱を行う。
そして、混合分散液のpHを、例えば6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
これにより、第1凝集粒子の表面に第2樹脂粒子及び第2離型剤粒子が付着するようにして凝集した第2凝集粒子が得られる。
−融合・合一工程−
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して、例えば、第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
ここで、融合・合一するときの加熱は、第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度以上で、且つ低融解温度側の離型剤粒子と高融解温度側の離型剤粒子の融解温度間の温度を維持しつつ、養生することがよい。具体的には、養生温度は、低融解温度側の離型剤粒子と高融解温度側の離型剤粒子の融解温度間の温度で、且つ高融解温度側の離型剤粒子の融解温度より3℃から10℃低い温度であることがよい。養生時間は、例えば1時間以上5時間以下がよい。
この養生により、第2凝集粒子(トナー粒子)の中央部側に存在する低融解温度側の離型剤粒子が融解し、第2凝集粒子(トナー粒子)の表層部側に移動し、当該表層部側に融解しきれずに存在する高融解温度側の離型剤粒子の周囲に集まると考えられる。そして、冷却されると、融解しきれずに存在する高融解温度側の離型剤粒子を結晶核として、低融解温度側の離型剤粒子が結晶成長することで、高融解温度側の離型剤を芯部とし、低融解温度側の離型剤で被覆された扁平状の離型剤のドメインが得られるトナー粒子の表層側に形成されると考えられる。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー画像が形成される複数の画像形成ユニットY,M,C,K,T、各画像形成ユニットY,M,C,K,Tにて形成された各色成分トナー画像を中間転写ベルト45に順次転写させる一次転写部40、中間転写ベルト45上に転写された重畳トナー画像を記録媒体の一例である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部50、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置(定着手段の一例)30を備えている。なお、中間転写ベルト45、一次転写部40、二次転写部50を備える転写装置が転写手段の一例に相当する。
また、本実施形態の画像形成装置は、各装置(各部)の動作を制御する制御部70を有している。
各画像形成ユニットY,M,C,K,Tは、矢印A方向に回転する感光体ドラム(像保持体の一例)41の周囲に、これらの感光体ドラム41を帯電させる帯電器(帯電手段の一例)42、感光体ドラム41上に静電荷像が書込まれるレーザー露光器(静電荷像形成手段の一例)43(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム41上の静電荷像をトナーにより可視像化する現像器(現像手段の一例)44、感光体ドラム41上に形成された各色成分トナー画像を一次転写部40にて中間転写ベルト45に転写する一次転写ロール46、感光体ドラム41上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ47、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニットY,M,C,K,Tは、中間転写ベルト45の回転方向上流側から、透明(T)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、配置されている。
中間転写ベルト45は、各種ロールによって図1に示すB方向に予め定められた速度で循環駆動(回転駆動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモーター(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト45を循環駆動(回転駆動)させる駆動ロール61、各感光体ドラム41の配列方向に沿って延びる中間転写ベルト45を支持する支持ロール62、中間転写ベルト45に対して張力を与えると共に中間転写ベルト45の蛇行を抑制する補正ロールとして機能するテンションロール63、二次転写部50に設けられるバックアップロール55、中間転写ベルト45上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール64を有している。
一次転写部40は、中間転写ベルト45を挟んで感光体ドラム41に対向して配置される一次転写ロール46で構成されている。そして、一次転写ロール46は中間転写ベルトを挟んで感光体ドラム41に圧接配置され、さらに一次転写ロール46にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム41上のトナー画像が中間転写ベルト45に順次、静電吸引され、中間転写ベルト45上において重畳されたトナー画像が形成されるようになっている。
二次転写部50は、中間転写ベルト45のトナー画像保持面側に配置される二次転写ロール52と、バックアップロール55とによって構成される。バックアップロール55は、中間転写ベルト45の裏面側に配置されて二次転写ロール52の対向電極をなし、二次転写バイアスが印加される金属製の給電ロール56が接触して配置されている。
二次転写ロール52は中間転写ベルト45を挟んでバックアップロール55に圧接配置され、さらに二次転写ロール52は接地されてバックアップロール55との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部50に搬送される用紙P上にトナー画像を二次転写する。
中間転写ベルト45の二次転写部50の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト45上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト45の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ65が接離自在に設けられている。一方、透明(クリア)の画像形成ユニットTの上流側には、各画像形成ユニットY,M,C,K,Tにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)72が配設されている。また、黒の画像形成ユニットKの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ73が配設されている。この基準センサ72は、中間転写ベルト45の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部70からの指示により、各画像形成ユニットY,M,C,K,Tは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、図1に示す画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙収容容器80、この用紙収容容器80に集積された用紙Pを予め定められたタイミングで取り出して搬送するピックアップロール81、ピックアップロール81にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール82、搬送ロール82により搬送された用紙Pを二次転写部50へと送り込む用紙搬送路83、二次転写ロール52によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置30へと搬送する搬送ベルト85、用紙Pを定着装置30に導く定着入口ガイド86を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示す画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置にて画像処理が施された後、画像形成ユニットY,M,C,K,Tによって作像作業が実行される。画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、K,Tの5色の色材階調データに変換され、レーザー露光器に出力される。
レーザー露光器43では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザーから出射された露光ビームBmを画像形成ユニットY,M,C,K,Tの各々の感光体ドラム41に照射している。画像形成ユニットY,M,C、K,Tの各感光体ドラム41では、帯電器42によって表面が帯電された後(帯電工程の一例)、このレーザー露光器43によって表面が走査露光され、静電荷像が形成される(静電荷像形成工程の一例)。形成された静電荷像は、各々の画像形成ユニットY,M,C,K,Tにて、Y、M、C、K,Tの各色のトナー画像として現像される(現像工程の一例)。
画像形成ユニットY,M,C,K,Tの感光体ドラム41上に形成されたトナー画像は、各感光体ドラム41と中間転写ベルト45とが接触する一次転写部40にて、中間転写ベルト45上に転写される。より具体的には、一次転写部40において、一次転写ロール46にて中間転写ベルト45の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー画像を中間転写ベルト45の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる(一次転写工程の一例)。
トナー画像が中間転写ベルト45の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト45は移動してトナー画像が二次転写部50に搬送される。トナー画像が二次転写部50に搬送されると、用紙搬送系では、トナー画像が二次転写部50に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール81が回転し、用紙収容容器80から用紙Pが供給される。ピックアップロール81により供給された用紙Pは、搬送ロール82により搬送され、用紙搬送路83を経て二次転写部50に到達する。この二次転写部50に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー画像が保持された中間転写ベルト45の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー画像の位置との位置合わせがなされる
二次転写部50では、中間転写ベルト45を介して、二次転写ロール52がバックアップロール55に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト45と二次転写ロール52との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール56からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール52とバックアップロール55との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト45上に保持されたトナー画像は、二次転写ロール52とバックアップロール55とによって押圧される二次転写部50にて、用紙P上に一括して静電転写される(二次転写工程の一例)。
その後、トナー画像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール52によって中間転写ベルト45から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール52の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト85へと搬送される。搬送ベルト85では、定着装置30における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置30まで搬送する。定着装置30に搬送された用紙P上の未定着トナー画像は、定着装置30によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される(定着工程の一例)。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置から排出される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト45上に残った残留トナーは、中間転写ベルト45の循環駆動(回転駆動)に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール64及び中間転写ベルトクリーナ65によって中間転写ベルト45上から除去される。
図2は、定着装置30を示す概略断面図である。
図2に示す定着装置は、無端状の周面を有する加熱ベルト(加熱部材の一例)1と、この加熱ベルト1の外周面に接触する加圧ロール2(加圧部材の一例)と、加熱ベルト1の背面側に接触し、加熱ベルト1を加圧ロール2に押圧する押圧パッド3(押圧部材の一例)と、押圧パッド3を支持するパッド支持部材4と、押圧パッド3と加熱ベルト1との間に設けられてた摺動シート9と、加熱ベルト1の外周面に沿って設けられ、該加熱ベルト1を加熱する電磁誘導加熱装置5と、加熱ベルト1の両側縁部の内周面に接触している不図示のガイド部材と、加圧ロール2と押圧パッド3との圧接部の下流側で、加圧ロール2の周面に接している金属ロール7と、この圧接部の出口に設けられている剥離補助部材8と、で構成されている。なお、図2に示す定着装置では、ベルト状の加熱部材(加熱ベルト)を用いたが、ロール状の加熱部材でも構わない。
加熱ベルト1は、周方向(図中、矢印方向)への周回移動し、且つ幅方向の両端部と定着ニップ部以外では他の部材と接触することがないように、張力を付与せず支持されている。加熱ベルト1は、例えば、基材層上に、電磁誘導により発熱する金属発熱層と、弾性層と、表面離型層とがこの順で有するものが挙げられる。
なお、加熱ベルト1の表面温度は、例えば、加熱ベルト1に設けられた感温素子により計測され、制御手段によりその温度が制御される。感温素子としては、特に制限はなく、例えば、サーミスタ、温度センサなどが挙げられる。
加圧ロール2は、例えば、金属製の円筒状芯金2aを芯材とし、該円筒状芯金2aの表面に弾性層2bと、さらに表面に表面離型層2cとを有するものが挙げられる。加圧ロール2と押圧パッド3とで加熱ベルト1を挟み込んだ状態に保持して、加熱ベルト1に、加圧ロール2を圧接させ、当該圧接部を未定着のトナー画像が転写された用紙を通過させることにより、熱及び圧力で未定着のトナー画像を用紙上に定着して、定着画像を形成するようになっている。
加圧ロール2は、駆動モータ(図示しない)によって回転駆動され、これにともなって加熱ベルト1が従動回転する。
押圧パッド3は、台座3a上に弾性部材3bを備え、加熱ベルト1を加圧ロール2に押し付けるものであり、弾性部材3bと加圧ロール2との間に圧接部が形成される。弾性部材3bは、ニップ部の上流側から下流側にかけて厚さが増大しており、弾性部材3bの摺動シート9を介して加熱ベルト1と接触する面が、加圧ロール2に沿った曲率を有する形状に湾曲している。この弾性部材3bが加熱ベルト1の内面に押圧されると、弾性部材3bの厚さが増大している下流部が下流側に膨らみだすように変形し、さらに、加熱ベルト1の周回移動にともなって、加熱ベルト1の移動方向の下流側へ摩擦力が作用して突き出すように変形する。
押圧パッド3としては、台座3a上に、弾性部材3bが積層されたものが挙げられる。
摺動シート9は、例えば、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート(中興化成工業:FGF400−4等)、オイルを保持しやすいゴアテックス(登録商標)のシートなどが用いられている。さらに加熱ベルト1の内面には、潤滑オイル、潤滑グリース等の離型材を塗布してもよい。これにより、加熱ベルト1は加圧ロール2に従動するとき、加圧ロール2の駆動負荷が低減される。
電磁誘導加熱装置5は、励磁回路5dによって交流電流が印加される励磁コイル5aと、当該励磁コイル5aを支持するコイル支持部材5bと、コイルとベルト表面との絶縁を保ち、かつコイルの形状を保持するためのコイルカバー5cと、で主要部が構成されている。この電磁誘導加熱装置5は、電磁誘導加熱装置5の周方向における中心部が、パッド支持部材4、ニップ部及び加圧ロール2の中心を結ぶ軸線A−A上の位置、すなわちニップ部から上下流側へほぼ等距離となる位置より下流側の軸線B−B上の位置となるように、加熱ベルト1の外周面と特定の間隔をおいて配置されている。また、軸線B−B上の位置は、加熱ベルト1が弾性部材3bによって大きな曲率で曲げ回される位置から、上下流側へ等距離となる位置となっている。
励磁コイル5aは、連続したリッツ線が加熱ベルト1の幅方向に沿って配置され、この沿った部分の両端部で折り返して巻き回されている。そして、コイル支持部材5bとコイルカバー5cとで挟み込むことにより保持された状態で、当該加熱ベルト1に対して予め定められた間隔が得られるように設置されている。
コイルカバー5cは、励磁コイル5aの加熱ベルト1側の面の絶縁状態を保ち、かつ励磁コイルの形状を維持するために、励磁コイル5aと加熱ベルト1との間に配置されている。
なお、この電磁誘導加熱装置5では、磁束を強めるために、コイルの中央部分にフェライトなどの強磁性体からなる芯材を設けても良いし、耐熱性を有する樹脂等をボビンとして、それにコイルを巻き付けた状態で使用してもよい。
励磁回路5dは、画像形成装置の本体に設けられており、この励磁回路5dから励磁コイル5aに交流電流が供給されると、励磁コイル5aの周囲に磁束(H)が生成消滅を繰り返す。交流電流の周波数は、例えば、10kHz以上50kHz以下に設定されるが、本実施形態では、交流電流の周波数が30kHzに設定されている。そして、この磁束が加熱ベルト1の金属発熱層を横切るとき、その磁界の変化を妨げる磁界を生じるように金属発熱層中に渦電流が発生し、金属発熱層の表皮抵抗に比例した電力(W=I2R)でジュール熱が発生する。これにより、加熱ベルト1が予め定められた温度まで加熱される。
剥離補助部材8は、板状部材で構成され、先端部がニップ部の出口で加熱ベルト1と対向するように配置されている。剥離補助部材8の先端部と加熱ベルト1との間隔は1mm以下になるように設定されている。この剥離補助部材8は、ニップ部を通過して加熱ベルト1から剥離した記録紙の先端をすくい取り、記録紙が再び加熱ベルト1に巻き付くのを防ぐものである。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」とは、特に断りがない限り、「質量部」を意味する。
<樹脂粒子分散液の調製>
・スチレン(和光純薬製):325質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):75質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9質量部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):2.7質量部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、さらに、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。次いで充分にフラスコ内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量42%のアニオン性の樹脂粒子分散液を得た。
樹脂粒子分散液中の樹脂粒子は、中心粒径が196nm、ガラス転移温度が51.5℃、重量平均分子量Mwが32400であった。
<着色剤粒子分散液の調製>
・カーボンブラックR330(キャボット製):200質量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5質量部
・イオン交換水:800質量部
上記成分を混合し、分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、黒色の着色剤粒子分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
<離型剤粒子分散液の調製>
(離型剤粒子分散液1の調製)
・パラフィンワックスHNP9(日本精蝋(株)製、融解温度=75℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が180nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液1(固形分濃度:20質量%)を調製した。
(離型剤粒子分散液2の調製)
・パラフィンワックスFT105(日本精蝋(株)製、融解温度=96℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液2(固形分濃度:20質量%)を調製した。
(離型剤粒子分散液3の調製)
・パラフィンワックスFT100(日本精蝋(株)製、融解温度=100℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液3(固形分濃度:20質量%)を調製した。
(離型剤粒子分散液4の調製)
・ポリエチレンワックスPW725(東洋ペトロライト(株)製、融解温度=104℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液4(固形分濃度:20質量%)を調製した。
(離型剤粒子分散液5の調製)
・パラフィンワックスFNP0090(日本精蝋(株)製、融解温度=90.2℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液5(固形分濃度:20質量%)を調製した。
(離型剤粒子分散液6の調製)
・パラフィンワックスHNP3(日本精蝋(株)製、融解温度=65℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液6(固形分濃度:20質量%)を調製した。
(離型剤粒子分散液7の調製)
・パラフィンワックスHNP51(日本精蝋(株)製、融解温度=77℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液6(固形分濃度:20質量%)を調製した。
<実施例1>
(トナー粒子1の作製)
・樹脂粒子分散液:290質量部
・着色剤粒子分散液:60質量部
・離型剤粒子分散液1(第1離型剤粒子分散液):40質量部
・イオン交換水:1092質量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した溶液を得た。
次いで、この溶液に硫酸アルミニウム0.94質量部を加えてコア凝集粒子を作製し、ウルトラタラックスを用いて分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコ内の溶液を攪拌しながら52℃まで加熱し、52℃で60分保持した後、ここに樹脂粒子分散液 133質量部と離型剤粒子分散液2(第2離型剤粒子分散液) 10質量部とを緩やかに追加し、コア/シェル凝集粒子を作製した。その後、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHを5.6にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、1時間保持した後、冷却し、黒色トナー粒子を得た。
次に溶液中に分散した状態の黒色トナーを、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.01、電気伝導度9.8μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行い、得られた黒色トナー粒子からなる固形物を、12時間かけて真空乾燥させたトナー粒子1を得た。
(トナー1の作製)
トナー粒子1: 50質量部に対して、外添剤として疎水性シリカ(TS720、キャボット社製)3.5質量を添加し、サンプルミルにてブレンドし、トナー1を得た。
(現像剤1の作製)
トルエン11質量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(共重合比:2/20/78、重量平均分子量50,000)2質量部、カーボンブラック(キャボット社製、R330R)0.2質量部及びガラスビーズ(粒径1mm、トルエンと同量)を関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌して被覆樹脂層形成用溶液を調製した。
次に、この被覆樹脂層形成用溶液とMn−Mg系フェライト粒子(真比重:4.6g/cm3、体積平均粒径:35μm、飽和磁化:65emu/g)100質量部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度を60℃を保って10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去することにより、被覆樹脂層が形成されたフェライトキャリアを得た。
このフェライトキャリアに対し、トナー1をトナー濃度が8%になるように混合し、ボールミルで5分間攪拌・混合し、トナー1を含む現像剤1を得た。
<実施例2〜5、比較例1〜2>
離型剤粒子分散液の種類及び添加量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、現像剤2〜7を得た。
<各種測定>
各例で得られた現像剤のトナーについて、体積平均粒径(D50v)、体積平均粒度分布指標(GSDv)、定着前のトナーの断面観察における離型剤のドメイン径の長径(DL1)及び短径(DS2)、定着後の画像の断面観察における離型剤のドメイン径(D2)を既述の方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
<評価>
各例で得られた現像剤について、次の評価を行った。
(画像形成)
東芝テック社製PREMAGE355の定着ユニットを取り外し、この定着ユニットのコイルバネを取り換え、加熱ベルトと加圧ロールを押圧する荷重を31kgfに調整し、さらに定着ユニットに電源供給をするための配線を施し定着テストユニット(定着装置)とした。
一方、複写の未定着トナー画像を得るために富士ゼロックス社製DCIIC7500の定着ユニットを取り外し、複写物が未定着なまま排出するように改造した。複写機の現像器に、各例で得られた現像剤を装填した。
評価チャートとしては、先端余白を2mm、および、1mmとしたベタ画像を用いた。温度30℃、湿度90%環境下で、未定着トナー画像を作製した。更に作製した未定着トナー画像が定着テストユニット中に流れるように定着テストユニットを装着し、画像を5000枚連続形成し、剥離性、用紙先端部変形の有無、および、画像の明度を評価した。この評価は、1枚目、10枚目、100枚目、5000枚目について、各々評価した。
なお、定着器の温度は185℃、使用する紙はC2紙(富士ゼロックス製)、SP紙(富士ゼロックス製)の2種を用いた。そして、各々用紙を使用して評価した。なお、G1、及びG2が許容できるレベルとする。
(剥離性及び用紙先端部変形の評価)
定着画像の用紙先端を目視で観察し、剥離不良による画像荒れや、剥離部材と用紙が接触することによる用紙先端部の変形の有無について、以下の基準に従い目視で評価した。結果を表2に示す。
G1:剥離性も問題なく、用紙先端部の変形もない
G2:画像先端部に極僅かな画像荒れが見えるが、用紙先端部の変形はなく、実使用上、問題ない
G3:画像荒れが見えるが、用紙先端部の変形はない
G4:画像荒れが発生し、用紙先端部になんらかの変形がある
(明度の評価)
定着画像を分光測色計X−Rite938(X−Rite社製)を用いて、明度を3回測定し平均値を求め、以下の基準に従い評価した。結果を表3に示す。
G1:明度が20以下
G2:明度が20超え22未満
G3:明度が22以上24未満
G4:明度が24以上
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、剥離性及び用紙先端部変形の評価、明度の評価について、共に良好な結果が得られていることがわかる。
30 定着装置
40 一次転写部
41 感光体ドラム
42 帯電器
43 レーザー露光器
44 現像器
45 中間転写ベルト
46 一次転写ロール
47 ドラムクリーナ
50 二次転写部
70 制御部

Claims (9)

  1. 結着樹脂、着色剤、及び融解温度が異なる2種以上の離型剤を含み、
    定着前のトナーの断面観察において、少なくとも最も高融解温度側の前記離型剤を芯部とし、少なくとも最も低融解温度側の前記離型剤で前記芯部が被覆された扁平状の離型剤のドメインを有し、前記離型剤のドメイン径の長径(DL1)が0.6μm以上で、且つ前記離型剤のドメイン径の長径(DL1)と短径(DS1)との比(DL1/DS1)が2.0以上であり、
    下記定着条件で定着した定着後の画像の断面観察において、前記離型剤のドメイン径(D2)が0.5μm以下である静電荷像現像用トナー。
    −定着条件−
    記録媒体上に形成した、トナー載り量が5.0g/cm のベタ画像の画像を、定着温度150℃、定着圧力20kgfで定着し、定着後、冷却用ファンにより、冷却用ファンの送風面と画像との距離70mm、風量1.4m /秒で冷却する定着条件。
  2. 前記融解温度が異なる2種以上の離型剤として、融解温度80℃以下の離型剤、及び融解温度90℃以上の離型剤を少なくとも含む請求項に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  4. 請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  5. 請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  7. 前記定着手段が、電磁誘導加熱方式の定着手段である請求項に記載の画像形成装置。
  8. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
  9. 前記定着工程が、電磁誘導加熱方式の定着手段により、前記トナー画像を定着する工程である請求項に記載の画像形成方法。
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