JP6171987B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
結着樹脂、着色剤、及び融解温度が異なる2種以上の離型剤を含み、
定着前のトナーの断面観察において、少なくとも最も高融解温度側の前記離型剤を芯部とし、少なくとも最も低融解温度側の前記離型剤で前記芯部が被覆された扁平状の離型剤のドメインを有し、前記離型剤のドメイン径の長径(DL1)が0.6μm以上で、且つ前記離型剤のドメイン径の長径(DL1)と短径(DS1)との比(DL1/DS1)が2.0以上であり、
下記定着条件で定着した定着後の画像の断面観察において、前記離型剤のドメイン径(D2)が0.5μm以下である静電荷像現像用トナー。
−定着条件−
記録媒体上に形成した、トナー載り量が5.0g/cm 2 のベタ画像の画像を、定着温度150℃、定着圧力20kgfで定着し、定着後、冷却用ファンにより、冷却用ファンの送風面と画像との距離70mm、風量1.4m 3 /秒で冷却する定着条件。
前記融解温度が異なる2種以上の離型剤として、融解温度80℃以下の離型剤、及び融解温度90℃以上の離型剤を少なくとも含む請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
前記定着手段が、電磁誘導加熱方式の定着手段である請求項6に記載の画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
前記定着工程が、電磁誘導加熱方式の定着手段により、前記トナー画像を定着する工程である請求項8に記載の画像形成方法。
請求項2に係る発明によれば、1種の離型剤を含む場合に比べ、定着されるときの記録媒体の先端部変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られる静電荷像現像用トナーが提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含む。
定着前のトナーの断面観察において、離型剤は扁平状のドメインを有し、離型剤のドメイン径の長径(DL1)は0.6μm以上で、且つ離型剤のドメイン径の長径(DL1)と短径(DS1)との比(DL1/DS1:以下「アスペクト比」とも称する)は2.0以上である。
そして、定着後の画像の断面観察において、離型剤のドメイン径(D2)は0.5μm以下である。
このように、電磁誘導加熱方式の定着に限られず、他の方式の定着であっても、定着するときトナー画像に対して加熱又は圧力が十分付与されない場合、トナーからの離型剤の染み出しが悪化する傾向がみられる。
一方、離型剤の染み出しを高めるために、離型剤の含有量を多くし、トナー中の離型剤のドメイン径を大きくする方法が知られている。
しかし、トナー中の離型剤のドメイン径を球状に大きくすると、定着後の画像中の離型剤のドメイン径も大きくなる傾向があり、着色剤の分散性が悪化することがある。定着後の画像中で、着色剤の分散性が悪化すると、発色性が低下する。具体的には、例えば、黒色の画像の場合、CIE1976(L*a*b*)表色系のL*(明度)が高くなり、白っぽく見える現象が生じる。
その一方で、定着前のトナー中において、扁平状で離型剤のドメインを存在させると、定着するときに離型剤のドメインのうち長手方向の端部が染み出されやすくなる。このため、球状の離型剤のドメインを存在させた場合に比べ、離型剤の一部が染み出した定着後の画像中では、離型剤のドメイン自体が小さくなる割合が大きく、分散性が高まった状態となる。そして、この定着後の画像中において、離型剤のドメイン径(D2)を0.5μm以下と小さくすると、着色剤の分散性の阻害が抑制される。
特に、本実施形態に係るトナーでは、1)トナー画像に対して加熱又は圧力が十分付与され難いときがある電磁誘導加熱方式の定着方式を採用する場合、2)腰が弱い薄い記録媒体を使用する場合、3)記録媒体が吸水して腰が弱くなりやすい高温高湿環境下で使用する場合でも、定着されるときの記録媒体先端部の変形を抑制し、且つ高い発色性の画像が得られる。
この扁平状の離型剤のドメインが存在するトナーを用いて画像を形成すると、定着による加熱及び加圧により、離型剤のドメインの外側に存在する低融解温度側の離型剤がトナーから染み出されやすくなる。一方、高融解温度側の離型剤は溶融しきらずに存在し、これを核としてトナーから染み出さなかった低融解温度側の離型剤も存在し、定着後の画像に残存する。つまり、定着後の画像中も、定着前のトナー中の離型剤のドメインの分散状態を維持したまま、ドメイン径が小さくなると考えられる。
一個のトナー断面領域を選択対象として選択後、「2値化処理」コマンドの「自動2値化−判別分析法」を用い、2値化処理を行ない、抽出された離型剤ドメイン一つ一つに対し、計測項目「絶対最大長」解析により離型剤のドメインの長径(DL1)を計測し、計測項目「対角幅」解析により離型剤のドメインの短径(DS1)を計測する。
写真の撮影濃度やノイズなどにより、自動2値化が正常に行なえない場合は「フィルタ−メディアン」処理やエッジ抽出処理を行なうことにより画像を鮮明化したり、手動の2値化コマンドにおいて画像を確認しながら手動で敷位置を設定してから、離型剤のドメインの長径(DL1)と短径(DS1)を計測してもよい。
そして、離型剤のドメインの長径(DL1)と短径(DS1)の値は、トナー100個の平均値を採用する。つまり、離型剤のアスペクト比(DL1/DS1)は、離型剤のドメインの長径(DL1)と短径(DS1)の平均値の比を採用する。
トナー粒子は、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含む。トナー粒子は、必要に応じて、その他添加剤を含んでいてもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
融解温度80℃以下の離型剤の融解温度は、50℃以上80℃以下が好ましく、60℃以上77℃以下がより好ましい。
融解温度80℃以下の離型剤としては、例えば、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックスが好適に挙げられる。
融解温度90℃以上の離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のワックスが好適に挙げられる。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤と必要に応じてその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂及び離型剤を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、各分散液を準備する工程(分散液準備工程)と、
結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、着色剤の粒子(以下「着色剤粒子」とも称する)が分散された着色剤粒子分散液、及び、2種以上の離型剤の粒子(以下「離型剤粒子」とも称する)のうち、低融解温度側の離型剤粒子(例えば融解温度が80℃以下の離型剤粒子)が分散された第1離型剤粒子分散液を混合し、混合分散液中で、各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と、
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、第1凝集粒子分散液、結着樹脂となる第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液、及び、2種以上の離型剤粒子のうち、高融解温度側の離型剤粒子(例えば融解温度が90℃以上の離型剤粒子)が分散された第2離型剤粒子分散液を混合し、第1凝集粒子の表面に更に第2樹脂粒子及び高融解温度側の離型剤粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
を経て、トナー粒子を製造することが好ましい。
まず、凝集合一法で使用する各分散液と準備する。具体的には、結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、及び、2種以上の離型剤粒子のうち、低融解温度側の離型剤粒子(例えば融解温度が80℃以下の離型剤粒子)が分散された第1離型剤粒子分散液、第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液、及び、2種以上の離型剤粒子のうち、高融解温度側の離型剤粒子(例えば融解温度が90℃以上の離型剤粒子)が分散された第2離型剤粒子分散液を準備する。
なお、各分散液準備工程において、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とを「樹脂粒子」と称し、第1離型剤粒子と第2離型剤粒子とを「離型剤粒子」と称して説明する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、第1樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、第2離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、第1樹脂粒子と着色剤粒子と第1離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、第1樹脂粒子と着色剤粒子と第1離型剤粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、第1樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、得られた第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液と、第2樹脂粒子分散液と、第2離型剤粒子分散液とを混合する。なお、これに限られず、例えば、第1凝集粒子分散液と、予め第2樹脂粒子及び第2離型剤粒子が分散された混合分散液とを混合してもよい。
ここで、第2樹脂粒子及び第2離型剤粒子が分散された分散液は、例えば、第2樹脂粒子分散液と、第2離型剤粒子分散液と、を各々準備し、各分散液を混合することで得る。なお、第2樹脂粒子は第1樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
そして、混合分散液のpHを、例えば6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して、例えば、第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば第1及び第2樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
この養生により、第2凝集粒子(トナー粒子)の中央部側に存在する低融解温度側の離型剤粒子が融解し、第2凝集粒子(トナー粒子)の表層部側に移動し、当該表層部側に融解しきれずに存在する高融解温度側の離型剤粒子の周囲に集まると考えられる。そして、冷却されると、融解しきれずに存在する高融解温度側の離型剤粒子を結晶核として、低融解温度側の離型剤粒子が結晶成長することで、高融解温度側の離型剤を芯部とし、低融解温度側の離型剤で被覆された扁平状の離型剤のドメインが得られるトナー粒子の表層側に形成されると考えられる。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー画像が形成される複数の画像形成ユニットY,M,C,K,T、各画像形成ユニットY,M,C,K,Tにて形成された各色成分トナー画像を中間転写ベルト45に順次転写させる一次転写部40、中間転写ベルト45上に転写された重畳トナー画像を記録媒体の一例である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部50、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置(定着手段の一例)30を備えている。なお、中間転写ベルト45、一次転写部40、二次転写部50を備える転写装置が転写手段の一例に相当する。
また、本実施形態の画像形成装置は、各装置(各部)の動作を制御する制御部70を有している。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト45上に残った残留トナーは、中間転写ベルト45の循環駆動(回転駆動)に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール64及び中間転写ベルトクリーナ65によって中間転写ベルト45上から除去される。
図2に示す定着装置は、無端状の周面を有する加熱ベルト(加熱部材の一例)1と、この加熱ベルト1の外周面に接触する加圧ロール2(加圧部材の一例)と、加熱ベルト1の背面側に接触し、加熱ベルト1を加圧ロール2に押圧する押圧パッド3(押圧部材の一例)と、押圧パッド3を支持するパッド支持部材4と、押圧パッド3と加熱ベルト1との間に設けられてた摺動シート9と、加熱ベルト1の外周面に沿って設けられ、該加熱ベルト1を加熱する電磁誘導加熱装置5と、加熱ベルト1の両側縁部の内周面に接触している不図示のガイド部材と、加圧ロール2と押圧パッド3との圧接部の下流側で、加圧ロール2の周面に接している金属ロール7と、この圧接部の出口に設けられている剥離補助部材8と、で構成されている。なお、図2に示す定着装置では、ベルト状の加熱部材(加熱ベルト)を用いたが、ロール状の加熱部材でも構わない。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
・スチレン(和光純薬製):325質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):75質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9質量部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):2.7質量部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、さらに、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。次いで充分にフラスコ内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量42%のアニオン性の樹脂粒子分散液を得た。
樹脂粒子分散液中の樹脂粒子は、中心粒径が196nm、ガラス転移温度が51.5℃、重量平均分子量Mwが32400であった。
・カーボンブラックR330(キャボット製):200質量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR):1.5質量部
・イオン交換水:800質量部
上記成分を混合し、分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間ほど分散して、黒色の着色剤粒子分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
(離型剤粒子分散液1の調製)
・パラフィンワックスHNP9(日本精蝋(株)製、融解温度=75℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が180nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液1(固形分濃度:20質量%)を調製した。
・パラフィンワックスFT105(日本精蝋(株)製、融解温度=96℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液2(固形分濃度:20質量%)を調製した。
・パラフィンワックスFT100(日本精蝋(株)製、融解温度=100℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液3(固形分濃度:20質量%)を調製した。
・ポリエチレンワックスPW725(東洋ペトロライト(株)製、融解温度=104℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液4(固形分濃度:20質量%)を調製した。
・パラフィンワックスFNP0090(日本精蝋(株)製、融解温度=90.2℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液5(固形分濃度:20質量%)を調製した。
・パラフィンワックスHNP3(日本精蝋(株)製、融解温度=65℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液6(固形分濃度:20質量%)を調製した。
・パラフィンワックスHNP51(日本精蝋(株)製、融解温度=77℃):500質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):50質量部
・イオン交換水:1700質量部
上記成分を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液6(固形分濃度:20質量%)を調製した。
(トナー粒子1の作製)
・樹脂粒子分散液:290質量部
・着色剤粒子分散液:60質量部
・離型剤粒子分散液1(第1離型剤粒子分散液):40質量部
・イオン交換水:1092質量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した溶液を得た。
次いで、この溶液に硫酸アルミニウム0.94質量部を加えてコア凝集粒子を作製し、ウルトラタラックスを用いて分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコ内の溶液を攪拌しながら52℃まで加熱し、52℃で60分保持した後、ここに樹脂粒子分散液 133質量部と離型剤粒子分散液2(第2離型剤粒子分散液) 10質量部とを緩やかに追加し、コア/シェル凝集粒子を作製した。その後、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHを5.6にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、1時間保持した後、冷却し、黒色トナー粒子を得た。
次に溶液中に分散した状態の黒色トナーを、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.01、電気伝導度9.8μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行い、得られた黒色トナー粒子からなる固形物を、12時間かけて真空乾燥させたトナー粒子1を得た。
トナー粒子1: 50質量部に対して、外添剤として疎水性シリカ(TS720、キャボット社製)3.5質量を添加し、サンプルミルにてブレンドし、トナー1を得た。
トルエン11質量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(共重合比:2/20/78、重量平均分子量50,000)2質量部、カーボンブラック(キャボット社製、R330R)0.2質量部及びガラスビーズ(粒径1mm、トルエンと同量)を関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌して被覆樹脂層形成用溶液を調製した。
次に、この被覆樹脂層形成用溶液とMn−Mg系フェライト粒子(真比重:4.6g/cm3、体積平均粒径:35μm、飽和磁化:65emu/g)100質量部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度を60℃を保って10分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去することにより、被覆樹脂層が形成されたフェライトキャリアを得た。
離型剤粒子分散液の種類及び添加量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、現像剤2〜7を得た。
各例で得られた現像剤のトナーについて、体積平均粒径(D50v)、体積平均粒度分布指標(GSDv)、定着前のトナーの断面観察における離型剤のドメイン径の長径(DL1)及び短径(DS2)、定着後の画像の断面観察における離型剤のドメイン径(D2)を既述の方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
各例で得られた現像剤について、次の評価を行った。
東芝テック社製PREMAGE355の定着ユニットを取り外し、この定着ユニットのコイルバネを取り換え、加熱ベルトと加圧ロールを押圧する荷重を31kgfに調整し、さらに定着ユニットに電源供給をするための配線を施し定着テストユニット(定着装置)とした。
一方、複写の未定着トナー画像を得るために富士ゼロックス社製DCIIC7500の定着ユニットを取り外し、複写物が未定着なまま排出するように改造した。複写機の現像器に、各例で得られた現像剤を装填した。
なお、定着器の温度は185℃、使用する紙はC2紙(富士ゼロックス製)、SP紙(富士ゼロックス製)の2種を用いた。そして、各々用紙を使用して評価した。なお、G1、及びG2が許容できるレベルとする。
定着画像の用紙先端を目視で観察し、剥離不良による画像荒れや、剥離部材と用紙が接触することによる用紙先端部の変形の有無について、以下の基準に従い目視で評価した。結果を表2に示す。
G1:剥離性も問題なく、用紙先端部の変形もない
G2:画像先端部に極僅かな画像荒れが見えるが、用紙先端部の変形はなく、実使用上、問題ない
G3:画像荒れが見えるが、用紙先端部の変形はない
G4:画像荒れが発生し、用紙先端部になんらかの変形がある
定着画像を分光測色計X−Rite938(X−Rite社製)を用いて、明度を3回測定し平均値を求め、以下の基準に従い評価した。結果を表3に示す。
G1:明度が20以下
G2:明度が20超え22未満
G3:明度が22以上24未満
G4:明度が24以上
40 一次転写部
41 感光体ドラム
42 帯電器
43 レーザー露光器
44 現像器
45 中間転写ベルト
46 一次転写ロール
47 ドラムクリーナ
50 二次転写部
70 制御部
Claims (9)
- 結着樹脂、着色剤、及び融解温度が異なる2種以上の離型剤を含み、
定着前のトナーの断面観察において、少なくとも最も高融解温度側の前記離型剤を芯部とし、少なくとも最も低融解温度側の前記離型剤で前記芯部が被覆された扁平状の離型剤のドメインを有し、前記離型剤のドメイン径の長径(DL1)が0.6μm以上で、且つ前記離型剤のドメイン径の長径(DL1)と短径(DS1)との比(DL1/DS1)が2.0以上であり、
下記定着条件で定着した定着後の画像の断面観察において、前記離型剤のドメイン径(D2)が0.5μm以下である静電荷像現像用トナー。
−定着条件−
記録媒体上に形成した、トナー載り量が5.0g/cm 2 のベタ画像の画像を、定着温度150℃、定着圧力20kgfで定着し、定着後、冷却用ファンにより、冷却用ファンの送風面と画像との距離70mm、風量1.4m 3 /秒で冷却する定着条件。 - 前記融解温度が異なる2種以上の離型剤として、融解温度80℃以下の離型剤、及び融解温度90℃以上の離型剤を少なくとも含む請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記定着手段が、電磁誘導加熱方式の定着手段である請求項6に記載の画像形成装置。
- 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。 - 前記定着工程が、電磁誘導加熱方式の定着手段により、前記トナー画像を定着する工程である請求項8に記載の画像形成方法。
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