JP7166856B2 - トナー及び該トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
トナーの低温定着性を改善するための一般的な方法としては、使用する結着樹脂の軟化を目的としてガラス転移温度(Tg)を低くする方法が挙げられる。しかしながら、単に結着樹脂のTgを低下させるだけでは、定着時の離型性不足による定着部材へのオフセットの発生や、トナーの保存中における耐熱性の低下などが起こる。
Tgを低下させずに結着樹脂を軟化させる方法として、可塑剤を添加することが行われている。しかし、定着時にトナーを十分に軟化させるためには、結着樹脂に対する可塑能力が大きい可塑剤を用いる必要がある。このような可塑剤を用いた場合、保存時における可塑剤のトナー表面への染み出しが起こりやすく、ブロッキングや流動性低下による画像弊害が発生する。
また、定着時の離型性を補うために、離型性を有するワックスをトナーに含有させることが行われている。しかし、ただ含有させるだけでは、定着時にトナー表面へのワックスの染み出しが不十分となり、定着時の離型性不足による定着部材へのオフセットが発生する。これらの問題を解決するために様々な試みが行われている。
また、特許文献2では、変性層状無機鉱物と離型剤の平均分散粒子径のコントロールすることで、粒径で離型剤含有率が大きくバラツキのあるトナーにおいて、定着性低下の防止と、スペントの発生を抑制する方法が開示されている。
しかしながら、可塑性に優れた軟化剤はトナー表面へ移行しやすく、保存中にトナー表面への可塑剤の染み出しが起こり、流動性低下による画像濃度の低下などが生じる。
一方、特許文献2では、離型性を有するワックスを均一に微分散させる方法が開示されている。これにより、定着時のワックスのトナー表面への染み出しが促進され、定着時の離型性は得られる。
しかしながら、該ワックスの可塑性が十分でないために、トナーを軟化させる効果が低く、低温定着のためには結着樹脂のTgを下げる必要がある。このため保存時の耐熱性が
低下する。
また、両者の方法で使用する可塑剤又は離型剤は結晶性を有するものが用いられるが、これらは一般に板状又は針状に結晶成長する。トナー中にこれらが存在すると、画像形成時のストレスなどによって結着樹脂とこれらの界面に応力が集中し、ここからの割れが発生しやすくなり、トナーの流動性低下が起こる。
以上を解決するためには、結着樹脂との相溶性が高い可塑剤を用いることによって、Tgを下げなくとも定着時に結着樹脂を十分に軟化させ、かつ、トナーの保存中に可塑剤をトナー表面に露出させない技術開発が望まれていた。
すなわち、本発明は、結着樹脂の可塑性に優れたワックスを用いた場合であっても、低温定着性と、耐熱保存性及び経時安定性とが両立し、かつ、連続通紙時の耐久性に優れたトナーを提供するものである。また、本発明は、該トナーの製造方法を提供するものである。
結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂はスチレンアクリル系共重合体を含有し、
該結着樹脂中の該スチレンアクリル系共重合体の含有量が、50質量%以上であり、
該ワックスが、ワックスAを含有し、
該ワックスAは100℃において、下記組成のスチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して15.0質量部以上相溶し、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、
該ワックスのドメインが存在し、
該ドメインの平均個数が、20個以上2000個以下であり、
該ドメインの平均長径をr1とし、平均短径をr2としたときに、
該r1が、0.03μm以上1.00μm以下であり、
該r1のr2に対する比が、1.0以上3.0以下、
であることを特徴とするトナーに関する。
(該スチレン-アクリル酸ブチル共重合体は、75質量部のスチレン単量体と25質量部のアクリル酸ブチル単量体との共重合体であって、重量平均分子量が30000である。)
結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂はスチレンアクリル系共重合体を含有し、
該結着樹脂中の該スチレンアクリル系共重合体の含有量が、50質量%以上であり、
該ワックスが、炭素数2以上6以下のジオールと炭素数14以上22以下の脂肪族モノカルボン酸とのエステルワックスを含有し、
該エステルワックスの溶解度パラメータが、8.83(cal/cm3)1/2以上であり、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、
該ワックスのドメインが存在し、
該ドメインの平均個数が、20個以上2000個以下であり、
該ドメインの平均長径をr1とし、平均短径をr2としたときに、
該r1が、0.03μm以上1.00μm以下であり、
該r1のr2に対する比が、1.0以上3.0以下、
であることを特徴とするトナーに関する。
スチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂、及びワックスを含有するトナー粒子
を有するトナーの製造方法であって、
該トナー粒子の製造工程が、下記(i)又は(ii)のいずれかの工程を含み、
該結着樹脂中の該スチレンアクリル系共重合体の含有量が、50質量%以上であり、
該ワックスが、ワックスAを含有し、
該ワックスAは100℃において、下記組成のスチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して15.0質量部以上相溶し、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、
該ワックスのドメインが存在し、
該ドメインの平均個数が、20個以上2000個以下であり、
該ドメインの平均長径をr1とし、平均短径をr2としたときに、
該r1が、0.03μm以上1.00μm以下であり、
該r1のr2に対する比が、1.0以上3.0以下、
であることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
(i)スチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂を生成し得る重合性単量体、及び該ワックスを含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる重合性単量体を重合する工程。
(ii)有機溶媒中にスチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂、及び、該ワックスを溶解又は分散して得られた樹脂溶液の粒子を水系媒体中で形成し、該樹脂溶液の該粒子に含まれる有機溶媒を除去する工程。
(該スチレン-アクリル酸ブチル共重合体は、75質量部のスチレン単量体と25質量部のアクリル酸ブチル単量体との共重合体であって、重量平均分子量が30000である。)
本発明のトナーは、
結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂がスチレンアクリル系共重合体を含有し、
該結着樹脂中の該スチレンアクリル系共重合体の含有量が、50質量%以上であり、
該ワックスが、ワックスAを含有し、
該ワックスAは100℃において、下記組成のスチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して15.0質量部以上相溶し、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、
該ワックスのドメインが存在し、
該ドメインの平均個数が、20個以上2000個以下であり、
該ドメインの平均長径をr1とし、平均短径をr2としたときに、
該r1が、0.03μm以上1.00μm以下であり、
該r1のr2に対する比が、1.0以上3.0以下、
であることを特徴とする。
(該スチレン-アクリル酸ブチル共重合体は、75質量部のスチレン単量体と25質量部のアクリル酸ブチル単量体との共重合体であって、重量平均分子量が30000である。)
すワックスAを含有する。
すなわち、ワックスAは100℃において、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して15.0質量部以上相溶する。但し、該スチレン-アクリル酸ブチル共重合体は、75質量部のスチレン単量体と25質量部のアクリル酸ブチル単量体との共重合体であって、重量平均分子量が30000である。
該相溶量は、該スチレン-アクリル酸ブチル共重合体を30mLのバイアル瓶に1.00g測り取り、100℃まで加熱した。その後、ワックスAをバイアル瓶に添加し、100℃で十分に混合して目視観察する。
相溶の可否は、目視観察によって透明であれば相溶していると判断する。
ワックスAを0.005g(スチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して0.5質量部)ずつ添加していき、相溶と判断される最大量を求める。
トナー粒子が、該特性を有するワックスAを含有することで、低温定着性が向上する。
また、該相溶性については、ワックスAは100℃において、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して、25.0質量部以上相溶することが好ましく、40.0質量部以上相溶することがより好ましい。一方、該相溶性の上限値は特に限定されるわけではないが、100.0質量部以下程度であることが好ましい。
該相溶量は、ワックスAの溶解度パラメータ(SP値)とその分子量によって制御することができる。
(SPc-SPw)2×Mw≦680 (1)
(SPc-SPw)2×Mw≦600 (1)’
該式(1)の関係を満たすワックスAを用いることにより、結着樹脂へのワックスの相溶性を十分とすることができる。
該ワックスのドメインが存在し、
該ドメインの平均個数が、20個以上2000個以下である。
該ドメインの平均個数が、20個以上であれば、定着時に結着樹脂に対するワックスAを含むワックスによる可塑化の速さが十分となり、トナーは優れた低温定着性を示す。
一方、該ドメインの平均個数が、2000個以下であれば、過剰な微分散によって相溶した状態のワックスAを含むワックスが増えることに起因する耐熱保存性低下が抑制される。
該ドメインの平均個数は、50個以上1600個以下であることが好ましく、100個以上1000個以下であることがより好ましい。
該r1が、0.03μm以上1.00μm以下である。
該ドメインの平均長径(r1)が0.03μm以上である場合、ドメインの過剰な小径化に起因する耐熱保存性低下が抑制される。
一方、該ドメインの平均長径(r1)が1.00μm以下である場合、ドメインとトナー粒子表面との距離がある程度確保され、ワックスAを含むワックスのトナー粒子表面への露出が抑制される。その結果、トナーの耐熱保存性が向上し、また、耐久出力時のワックスAの過剰な染み出しが抑制され、耐久出力時の転写効率が向上する。
該ドメインの平均長径(r1)は、0.05μm以上0.95μm以下であることが好ましく、0.10μm以上0.80μm以下であることがより好ましい。
該(r1/r2)の値が3.0以下の場合、ドメインは板状になっておらず、結着樹脂中に存在するワックスの相溶分が経時でドメインに配向することに起因する結晶成長によって、ワックスがトナー粒子表面に露出するのを抑制することができる。その結果、過酷条件下に放置されても、流動性低下に起因する画像濃度低下が抑制される。また、また、耐久出力時のワックスAの過剰な染み出しが抑制され、耐久出力時の転写効率が向上する。
該(r1/r2)の値は、1.0以上2.8以下であることが好ましく、1.0以上2.6以下であることがより好ましい。
上述のように、スチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂に対して高い相溶性を示すワックスAを用い、トナー粒子中でのワックスのドメインの存在状態を制御することで、低温定着性と、耐熱保存性及び経時安定性とが両立し、かつ、連続通紙時の耐久性に優れたトナーを提供することができる。
(i)スチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂を生成し得る重合性単量体、及び該ワックスを含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる重合性単量体を重合する工程(懸濁重合法)。
(ii)有機溶媒中にスチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂、及び、該ワックスを溶解又は分散して得られた樹脂溶液の粒子を水系媒体中で形成し、該樹脂溶液の該粒子に含まれる有機溶媒を除去する工程(溶解懸濁法)。
スチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂を生成し得る重合性単量体、及び、ワックスAを含むワックス、並びに、必要に応じて着色剤、極性樹脂、及び荷電制御剤などの他の成分を混合し、重合性単量体組成物を調製する。
なお、着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体又は有機溶媒中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
分散安定剤を含む水系媒体を調製し、高剪断力を有する撹拌機を設置した撹拌槽などに投入し、ここに重合性単量体組成物を添加し、撹拌することによりこれを分散させ、水系媒体中に重合性単量体組成物の粒子を形成する。
該分散安定剤としては、公知の界面活性剤や有機分散剤、無機分散剤を使用することができる。
これらの中でも無機分散剤は重合温度や時間経過によっても安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナーに影響を与えにくいため、好適に使用することができる。
該無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛のようなリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのような無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム;シリカ、ベントナイト、アルミナのような無機酸化物。
該無機分散剤は、重合終了後に酸又はアルカリを加えて溶解することにより、ほぼ完全に取り除くことができる。
得られた重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合し、樹脂粒子分散液を得る。重合性単量体を重合することで結着樹脂が生成される。重合工程では、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は、40℃以上であることが好ましく、50℃以上90℃以下であることがより好ましい。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌翼は樹脂粒子分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いてもよい。
重合工程が終了した樹脂粒子分散液中から未反応の重合性単量体などを除去するために、揮発成分除去工程を行ってもよい。揮発成分除去工程は、樹脂粒子分散液を撹拌手段が設置された撹拌槽で加熱、撹拌することによって行う。揮発成分除去工程時の加熱条件は重合性単量体など除去したい成分の蒸気圧を考慮し適宜調節される。揮発成分除去工程は常圧又は減圧下で行うことができる。
揮発成分除去工程が終了した樹脂粒子分散液を次の工程に送る前に液温を下げるために冷却工程を行うとよい。冷却工程の条件によってワックスの存在状態を変化させることができる。
冷却の条件は、冷却開始温度、冷却速度、冷却終了温度によって決めることができる。
冷却開始温度は、結着樹脂中でのワックスの結晶化温度より高い任意の温度とすることが好ましい。冷却開始温度がこの範囲であると冷却によってワックスの微細な結晶核が生成し、これを核にしてワックスのドメインが成長するため、微細なドメインの生成が促進される。
また、冷却速度は、0.33℃/秒以上が好ましく、1.00℃/秒以上であることがより好ましい。
冷却速度が該範囲であると、冷却に伴う結着樹脂の硬化が十分に速いため、ワックスAのように板状結晶を作りやすい物質であっても結晶の配向成長が阻害され、球状に近いドメインを形成することができる。
冷却終了温度は、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以下とすることが好ましい。冷却終了温度が該範囲であると、結着樹脂の硬化によりワックスのドメインの成長を抑制することができる。
また、ワックスのドメインの存在状態はトナー粒子の断面を走査透過型電子顕微鏡で観察することにより確認することができる。
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸又はアルカリで処理してもよい。トナー粒子から分散安定剤を除去した後、一般的な固液分離法によりトナー粒子を水系媒体と分離するが、酸又はアルカリ、及びそれらに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加してトナー粒子を洗浄することが好ましい。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得ることができる。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥してもよい。
得られたトナー粒子の重量平均粒子径は3μm以上10μm以下であることが好ましく、4μm以上8μm以下であることがより好ましい。トナー粒子の重量平均粒子径は、造粒工程に用いる分散安定剤の添加量により制御することができる。
得られたトナー粒子に対して、流動性や帯電性、耐ケーキング性などを向上させる目的で、外添剤を添加してもよい。外添工程は、外添剤とトナー粒子を、高速回転する羽根を備えた混合装置に入れ、十分混合することによって行う。
得られた樹脂溶液を水系媒体中に分散して樹脂溶液の粒子を形成し、得られた粒子中に含まれる有機溶媒を除去して、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
得られたトナー粒子は、前記の懸濁重合法と同様の方法で、冷却工程、洗浄工程、乾燥工程及び外添工程を行うことができる。
溶解懸濁法における樹脂溶液に用いる有機溶媒は、結着樹脂、ワックスなどトナー粒子の原材料となるものと相溶するものであれば特に限定されるものではないが、溶媒除去の観点から水の沸点以下でもある程度の蒸気圧があるものが好ましい。例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。
該スチレンアクリル系共重合体は、スチレン系単量体とアクリル系単量体(アクリル酸又はメタクリル酸及びそれらのアルキルエステル)との共重合体である。
ここで、スチレンアクリル系共重合体は、スチレンアクリル系共重合体のみから構成された状態で結着樹脂中に含有されていてもよいし、他の重合体などとのブロック共重合体、グラフト共重合体、又はそれらの混合物の状態で結着樹脂中に含有されていてもよい。
また、結着樹脂中のスチレンアクリル系重合体の含有量は、50質量%以上であり、80質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
結着樹脂が、スチレンアクリル系共重合体を含有することで、トナーの現像特性及び耐久性が向上する。
なお、結着樹脂には、該スチレンアクリル系共重合体以外に、トナーに用いられる公知の樹脂又は重合体を用いることができる。
スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、ジビニルベンゼンなど。
該スチレン系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、n-デシルアクリレート、n-ドデシルアクリレートのようなアクリル酸アルキルエステル類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、n-デシルメタクリレート、n-ドデシルメタクリレートのようなメタクリル酸アルキルエステル類;
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートなどのアクリル酸ジエステル類;
アクリル酸、メタクリル酸など。
該アクリル系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
該アクリル酸アルキルエステル及び該メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が、いずれも2以上10以下であることが好ましく、2以上8以下であることがより好ましい。
アルキル基の炭素数が上記範囲であると、得られるスチレンアクリル系共重合体とワックスAの相溶性が高く保たれる。また、該スチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を適切な範囲とすることができる。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)はスチレン系単量体とアクリル系単量体の重合比率を調整することにより所望の範囲とすることができる。
具体的には、スチレン系単量体とアクリル系単量体との重合比率(スチレン系単量体:アクリル系単量体)は、質量基準で、65:35~100:0であることが好ましく、70:30~85:15であることがより好ましい。
該結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、25℃以上65℃以下であることが好ましい。
有機系の過酸化物系重合開始剤としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。
無機系の過酸化物系重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。
過酸化物系重合開始剤の具体例としては、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ヘキシルパーオキシアセテート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;
ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1-ジ-t-ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ-t-ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt-ブチルパーオキシアリルモノカーボネートなどが挙げられる。
また、アゾ系重合開始剤としては、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)などが例示される。
なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上同時に用いることもできる。
該重合開始剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して、0.10質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
極性樹脂としては、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
極性樹脂としてポリエステル系樹脂を用いることで、当該樹脂がトナー粒子の表面に偏在してシェルを形成した際に、当該樹脂自身のもつ潤滑性が期待できる。
ポリエステル系樹脂としては、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとの縮重合体が挙げられる。
該アルコールモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6~18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
また、その他にも以下のモノマーを使用することが可能である。
ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルなどの多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物などの多価カルボン酸類。
2価以上のカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びそれらの酸無水物、それらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
(式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2~10である。)
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
イエロー着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー74、93、95、109、111、128、155、174、180、185などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレット19などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66などが挙げられる。
該磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
該着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナー粒子中の分散性の観点から選択するとよい。該着色剤は、単独又は混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。
該着色剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
該スチレン-アクリル酸ブチル共重合体は、75質量部のスチレン単量体と25質量部のアクリル酸ブチル単量体との共重合体であって、重量平均分子量が30000である。
また、相溶の可否は、目視観察によって透明であれば相溶していると判断する。
該条件を満たすものであれば、特に制限はなく公知のワックスが利用できる。
結着樹脂に含まれるスチレンアクリル系共重合体に対する相溶性の観点から、該ワックスAは、アルコール成分とカルボン酸成分との縮合物であるエステルワックスが好適に例示できる。
具体的には、ワックスAは、ジオールと脂肪族モノカルボン酸とのエステルワックスを含有することが好ましい。
また、該エステルワックスは、炭素数2以上6以下のジオールと炭素数14以上22以下の脂肪族モノカルボン酸とのエステルワックスであることが好ましい。
さらに、該エステルワックスの溶解度パラメータ(SP値)は、8.83(cal/cm3)1/2以上であることが好ましく、8.85(cal/cm3)1/2以上であることがより好ましい。該SP値の上限値は特に限定されないが、8.90(cal/cm3)1/2以下であることが好ましい。
炭素数2以上6以下のジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどが挙げられる
炭素数14以上22以下の脂肪族モノカルボン酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
該ワックスAの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上25質量部以下であることがより好ましい。
該炭化水素ワックスは、スチレンアクリル系共重合体に対して相分離性が高いため、上記冷却工程においてワックスAよりも早く析出し、微細な結晶核となる。
この結晶核を中心にワックスAのドメインが形成されるため、微細でより多数のドメインを生成することができる。
炭化水素ワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;脂肪族炭化水素ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類などが挙げられる。
炭化水素ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
炭化水素ワックスの含有量がこの範囲であると、十分な結晶核形成の効果が得られ、かつ定着されたトナー画像と紙の十分な接着性が得られるため、低温定着性がより向上する。
また、ワックスAと炭化水素ワックスの混合質量比(ワックスA:炭化水素ワックス)は、30:1~1:1であることが好ましく、25:1~2:1であることがより好ましい。
ワックスA及び炭化水素ワックスの融点は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、60℃以上100℃以下であることがより好ましい。該熱特性を呈することにより、得られるトナーの低温定着性及び耐熱保存性の両立を確保しやすい。
有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体、スルホン酸基、スルホン酸塩基、又は、スルホン酸エステル基を有するスルホン酸樹脂。
具体的には、負帯電用荷電制御剤として以下のものが挙げられる。
サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などに代表される芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体;アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなど。
一方、正帯電用荷電制御剤としては以下のものが挙げられる。
四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン
化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物など。
これらのうち、負帯電用荷電制御剤を用いることが多い。
また、該スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体としては、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸などに代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体又は他のビニル系モノマーと該スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体などが挙げられる。
該荷電制御剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上10.0質量部以下であることがより好ましい。
外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子、及び酸化アルミニウム微粒子のような無機微粒子が挙げられる。
該無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
外添剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
<溶解度パラメータ(SP値)の計算方法>
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorsの式(2)を用いて求める。
下記Δei、及び、Δviの値は、「コーティングの基礎科学、54~57頁、1986年(槇書店)の表3-9に記載された、原子及び原子団の蒸発エネルギーとモル体積(25℃)」を参考にする。
なお、SP値の単位は、(cal/cm3)1/2であるが、1(cal/cm3)1/2=2.046×103(J/m3)1/2によって(J/m3)1/2の単位に換算することができる。
δi=(Ev/V)1/2=(Δei/Δvi)1/2 式(2)
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子又は原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子又は原子団のモル体積
ワックスAの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のようにして測定する。
まず、室温で、ワックスAをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF-604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6mL/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成された分子量校正曲線を使用する。
トナー粒子の重量平均粒子径(D4)は、以下のようにして測定する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。(4)前記(2)のビーカーを超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子10mgを少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒子径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒子径(D4)である。
トナー粒子中でのワックスの存在状態は、走査透過型電子顕微鏡を用いトナー粒子の断面を観察することにより確認する。
走査透過型電子顕微鏡を用いたトナー粒子の断面画像において、ワックスはドメインとして観察される。このワックスのドメインの個数及び形状を計測することにより、ワックスの存在状態を特定する。
トナー粒子の断面の観察手順は以下の通りである。
トナー粒子を可視光硬化性包埋樹脂(D-800、日新EM社製)で包埋し、超音波ウルトラミクロトーム(UC7、ライカ社製)により70nm厚に切削した。
得られた薄片サンプルのうち、トナー粒子断面の直径がトナー粒子の重量平均粒径(D4)±2.0μm以内のものを任意に10個選択する。
選択された薄片サンプルを、真空染色装置(VSC4R1H、フィルジェン社製)を用いて、RuO4ガス500Pa雰囲気で15分間染色し、走査透過型電子顕微鏡(JEM2800、JEOL社)の走査像モードを用いて、STEM画像を作成する。
STEMのプローブサイズは1nm、画像サイズ1024×1024pixelにて画像を取得した。また、明視野像のDetector ControlパネルのContrastを1425、Brightnessを3750、Image ControlパネルのContrastを0.0、Brightnessを0.5、Gammmaを1.00に調整して、STEM画像を取得する。
得られたSTEM画像は、画像処理ソフト「Image-Pro Plus (Media Cybernetics社製)」にて2値化(閾値120/255段階)を行い、ワックスのドメインと結着樹脂の領域の区別を明確化する。
2値化の閾値を210とした場合に白く見える部分がワックスのドメインである。
選択された10個のトナー粒子断面のSTEM画像において、各々のワックスのドメイン数をカウントし、その平均値をドメインの平均個数とする。
また、選択された10個のトナー粒子断面のSTEM画像において、各々、任意に2μm×2μmの領域を選択し、そこに含まれるドメインの最大径をすべて計測し、その平均値をドメインの平均長径(r1)とする。同様に、ドメインの最小径をすべて計測し、その平均値をドメインの平均短径(r2)とする。
・スチレン 75.0部
・n-ブチルアクリレート 25.0部
・1,6-ヘキサンジオールジアクリレート 0.6部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 0.7部
(ボントロンE-88:オリエント化学社製)
・極性樹脂 4.0部
(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物と、テレフタル酸及びイソフタル酸との縮重合反応により得られた飽和ポリエステル樹脂;重量平均分子量が13000
、酸価が8mgKOH/g、ガラス転移温度が74℃)
・ワックス1(エチレングリコールジステアレート:融点76℃) 15.0部
・ワックス2(フィッシャートロプシュワックス:融点77℃) 1.0部
以上の材料を混合し、得られた混合物に15mmのセラミックビーズを入れ、湿式アトライタ(日本コークス工業製)を用いて2時間分散して、重合性単量体組成物1を得た。
一方、イオン交換水414.0部にリン酸ナトリウム(Na3PO4)6.3部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した。
その後、3.6部の塩化カルシウム(CaCl2)を25.5部のイオン交換水に溶解した塩化カルシウム水溶液を添加して、さらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
該重合性単量体組成物1に重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加し、これを上記水系媒体に投入し、上記クレアミックスにて15000回転/分を維持しつつ10分間の造粒工程を行った。
その後、一般的な撹拌機を備えた撹拌槽で、攪拌しながら70℃を保持して5時間重合を行った後、85℃まで昇温して1時間保持、さらに100℃まで昇温して2時間保持した。
その後、40℃まで1.00℃/秒の速度で冷却して、トナー粒子分散液1を得た。
トナー粒子分散液1に塩酸を添加し、pHを1.4以下として分散安定剤を溶解し、ろ過、洗浄、乾燥を行うことによってトナー粒子1を得た。
用いる材料及び冷却の条件を表1のように変更した以外は、トナー粒子1の製造例と同様にして、トナー粒子2~19、及び21を得た。
表中、
ワックス1における表記(X)は、「ワックス1の100℃における、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して相溶する質量部」を表し、SP値の単位は、(cal/cm3)1/2である。
ワックス2における表記(A)は、フィッシャートロプシュワックス(融点77℃)を意味する。
還流冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を入れた。
・トルエン 100.0部
・スチレン 75.0部
・n-ブチルアクリレート 25.0部
・1,6-ヘキサンジオールジアクリレート 0.6部
・t-ブチルパーオキシピバレート 3.0部
上記反応容器内を毎分200回転で撹拌し、70℃に加熱して10時間撹拌し、結着樹脂溶解液20を得た。次いで、
・結着樹脂溶解液20 160.0部
・極性樹脂 3.2部
(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物と、テレフタル酸及びイソフタル酸との縮重合反応により得られた飽和ポリエステル樹脂;重量平均分子量が13000、酸価が8mgKOH/g、ガラス転移温度が74℃)
・ワックス1(エチレングリコールジステアレート:融点76℃) 12.0部
・ワックス2(フィッシャートロプシュワックス:融点77℃) 0.8部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 4.8部
・サリチル酸アルミニウム化合物 0.6部
(ボントロンE-88:オリエント化学社製)
上記成分を直径15mmのセラミックビーズを入れた湿式アトライタ(日本コークス工業製)を用いて10時間混合分散させて、樹脂組成物溶解液20を得た。
一方、イオン交換水414.0部にリン酸ナトリウム(Na3PO4)6.3部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した。
その後、3.6部の塩化カルシウム(CaCl2)を25.5部のイオン交換水に溶解した塩化カルシウム水溶液を添加して、さらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca3(PO4)2)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
樹脂組成物溶解液20を上記水系媒体に投入し、上記クレアミックスにて15000回転/分を維持しつつ10分間の造粒工程を行い、樹脂組成物分散液20を得た。
樹脂組成物分散液20を95℃に昇温して120分間撹拌を行うことによって樹脂組成物分散液20中のトルエンを除去した。
その後、40℃まで1.00℃/秒の速度で冷却して、トナー粒子分散液20を得た。
トナー粒子分散液20に塩酸を添加し、pHを1.4以下として分散安定剤を溶解し、ろ過、洗浄、乾燥を行うことによってトナー粒子20を得た。
得られたトナー粒子100.0部に対して一次粒子の個数平均粒径が40nmのシリカ微粒子1.0部を加え、FMミキサ(日本コークス工業製)を用いて混合し、トナー1~13及び20~21(実施例1~13及び14~15のトナー)を得た。また全く同様にしてトナー14~19(比較例1~6のトナー)を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
[評価1:過酷放置後の画像濃度]
トナー200gを、40℃/相対湿度95%の環境下に30日間放置し、これを評価用トナーとして用いた。
画像形成装置としてLBP-7700C(キヤノン製)を用い、常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%)で画像評価を行った。トナーの着色力の指標として画像濃度の測定を行った。
A4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)に、トナーの載り量が0.30mg/cm2になるように調整し、ベタ画像を出力した。
そして、該ベタ画像の濃度を測定(右上、右下、中心、左上、左下の5点平均)することにより評価した。なお、画像濃度は「504分光濃度計」(エックスライト社製)を用いて、画像濃度が0.00の白地部分に対する相対濃度を測定した。
(評価基準)
A:画像濃度が1.45以上
B:画像濃度が1.35以上1.45未満
C:画像濃度が1.20以上1.35未満
D:画像濃度が1.05以上1.20未満
E:画像濃度が1.05未満
転写効率とは、感光ドラム上に現像されたトナーの何%が中間転写ベルト上に転写されたかを示す転写性の指標である。
該転写効率は、以下の手順で測定した。
まず、フルカラープリンター「LBP-5050」(キヤノン社製)のプロセスカートリッジにトナーを詰め、記録媒体上にベタ画像を連続して出力した。
該ベタ画像を3000枚出力した後、中間転写ベルトにトナーが転写されたときまでの画像形成プロセスを行い、中間転写ベルト上に転写されたトナーと転写後も感光ドラム上に残留したトナーを透明なポリエステル製の粘着テープによりはぎ取った。
はぎ取られた粘着テープを紙上に貼ったもののトナー濃度から、粘着テープのみを紙上に貼ったもののトナー濃度を差し引いた濃度差をそれぞれ算出した。
転写効率は、それぞれのトナー濃度差の和を100とした場合の、中間転写ベルト上のトナー濃度差の割合であり、この割合が高いほど転写効率に優れる。
測定環境は、高温高湿環境下(30℃/相対湿度80%)で行い、上記画像を3000枚出力した後の転写効率の評価を下記の基準で判断した。
なお、トナー濃度は「504分光濃度計」(エックスライト社製)で測定した。
(評価基準)
A:転写効率が98%以上
B:転写効率が95%以上98%未満
C:転写効率が92%以上95%未満
D:転写効率が89%以上92%未満
E:転写効率が89%未満
定着ユニットを外したカラーレーザープリンタ(HP Color LaserJet
3525dn、HP社製)を準備し、シアンカートリッジからトナーを取り出し、代わりに評価するトナーを充填した。
次いで、受像紙(HP Laser Jet90、HP社製、90g/m2)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(トナーの載り量:0.9mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。
次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
まず、常温常湿環境下(23℃/相対湿度60%)、プロセススピードを250mm/sに設定し、初期温度を110℃として設定温度を5℃ずつ順次昇温させながら、各温度で上記未定着画像の定着を行った。
低温定着性の評価基準は以下の通りである。
低温側定着開始点とは、低温オフセット現象(トナーの一部が定着器に付着してしまう現象)が観察されない下限温度のことである。
(評価基準)
A:低温側定着開始点が130℃以下
B:低温側定着開始点が135℃以上145℃以下
C:低温側定着開始点が150℃以上160℃以下
D:低温側定着開始点が165℃以上175℃以下
E:低温側定着開始点が180℃以上
各トナー5gを50mLのポリエステル製カップに取り、温度55℃/相対湿度10%
で3日間放置し、凝集塊の有無を調べ、下記の基準で評価した。
(評価基準)
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽い振とうでほぐれる
C:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
D:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
E:完全に凝集
Claims (13)
- 結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂がスチレンアクリル系共重合体を含有し、
該結着樹脂中の該スチレンアクリル系共重合体の含有量が、50質量%以上であり、
該ワックスが、ワックスAを含有し、
該ワックスAは100℃において、下記組成のスチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して15.0質量部以上相溶し、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、
該ワックスのドメインが存在し、
該ドメインの平均個数が、20個以上2000個以下であり、
該ドメインの平均長径をr1とし、平均短径をr2としたときに、
該r1が、0.03μm以上1.00μm以下であり、
該r1のr2に対する比が、1.0以上3.0以下、
であることを特徴とするトナー。
(該スチレン-アクリル酸ブチル共重合体は、75質量部のスチレン単量体と25質量部のアクリル酸ブチル単量体との共重合体であって、重量平均分子量が30000である。) - 前記ワックスA及び前記スチレン-アクリル酸ブチル共重合体の溶解度パラメータをそれぞれSPw、SPcとし、該ワックスAの重量平均分子量をMwとしたときに、
該SPw、該SPc、及び該Mwが下記式(1)の関係を満たす(但し、溶解度パラメータの単位は(cal/cm3)1/2である。)、請求項1に記載のトナー。
(SPc-SPw)2×Mw≦680 (1) - 前記スチレンアクリル系共重合体が、
スチレン-アクリル酸アルキルエステル共重合体、及び、スチレン-メタクリル酸アルキルエステル共重合体からなる群より選ばれた少なくとも一の共重合体を含み、
該アクリル酸アルキルエステル及び該メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が2以上10以下である、請求項1又は2に記載のトナー。 - 前記ワックスAが、ジオールと脂肪族モノカルボン酸とのエステルワックスを含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記ワックスAが、炭素数2以上6以下のジオールと炭素数14以上22以下の脂肪族モノカルボン酸とのエステルワックスを含有し、
該エステルワックスの溶解度パラメータが、8.83(cal/cm3)1/2以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー。 - 前記ワックスが、さらに炭化水素ワックスを含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のトナー。
- 結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂はスチレンアクリル系共重合体を含有し、
該結着樹脂中の該スチレンアクリル系共重合体の含有量が、50質量%以上であり、
該ワックスが、炭素数2以上6以下のジオールと炭素数14以上22以下の脂肪族モノカルボン酸とのエステルワックスを含有し、
該エステルワックスの溶解度パラメータが、8.83(cal/cm3)1/2以上であり、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、
該ワックスのドメインが存在し、
該ドメインの平均個数が、20個以上2000個以下であり、
該ドメインの平均長径をr1とし、平均短径をr2としたときに、
該r1が、0.03μm以上1.00μm以下であり、
該r1のr2に対する比が、1.0以上3.0以下、
であることを特徴とするトナー。 - スチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂、及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
該トナー粒子の製造工程が、下記(i)又は(ii)のいずれかの工程を含み、
該結着樹脂中の該スチレンアクリル系共重合体の含有量が、50質量%以上であり、
該ワックスが、ワックスAを含有し、
該ワックスAは100℃において、下記組成のスチレン-アクリル酸ブチル共重合体100質量部に対して15.0質量部以上相溶し、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、
該ワックスのドメインが存在し、
該ドメインの平均個数が、20個以上2000個以下であり、
該ドメインの平均長径をr1とし、平均短径をr2としたときに、
該r1が、0.03μm以上1.00μm以下であり、
該r1のr2に対する比が、1.0以上3.0以下、
であることを特徴とするトナーの製造方法。
(i)スチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂を生成し得る重合性単量体、及び該ワックスを含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる重合性単量体を重合する工程。
(ii)有機溶媒中にスチレンアクリル系共重合体を含有する結着樹脂、及び、該ワックスを溶解又は分散して得られた樹脂溶液の粒子を水系媒体中で形成し、該樹脂溶液の該粒子に含まれる有機溶媒を除去する工程。
(該スチレン-アクリル酸ブチル共重合体は、75質量部のスチレン単量体と25質量部のアクリル酸ブチル単量体との共重合体であって、重量平均分子量が30000である。) - 前記ワックスA及び前記スチレン-アクリル酸ブチル共重合体の溶解度パラメータをそれぞれSPw、SPcとし、該ワックスAの重量平均分子量をMwとしたときに、
該SPw、該SPc、及び該Mwが下記式(1)の関係を満たす(但し、溶解度パラメータの単位は(cal/cm3)1/2である。)、請求項8に記載のトナーの製造方法。
(SPc-SPw)2×Mw≦680 (1) - 前記スチレンアクリル系共重合体が、
スチレン-アクリル酸アルキルエステル共重合体、及び、スチレン-メタクリル酸アルキルエステル共重合体からなる群より選ばれた少なくとも一の共重合体を含み、
該アクリル酸アルキルエステル及び該メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が2以上10以下である、請求項8又は9に記載のトナーの製造方法。 - 前記ワックスAが、ジオールと脂肪族モノカルボン酸とのエステルワックスを含有する、請求項8~10のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
- 前記ワックスAが、炭素数2以上6以下のジオールと炭素数14以上22以下の脂肪族モノカルボン酸とのエステルワックスを含有し、
該エステルワックスの溶解度パラメータが、8.83(cal/cm3)1/2以上で
ある、請求項8~10のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。 - 前記ワックスが、さらに炭化水素ワックスを含有する、請求項8~12のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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