JP6794165B2 - トナーおよびトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法の如き方法によって形成される静電潜像を現像してトナー画像を形成するために用いられるトナー、及びトナーの製造方法に関する。
近年、複写機やプリンター、ファックスにおいては、省エネルギー化が大きな技術的課題として考えられており、画像定着装置にかかる熱量の大幅な削減が望まれている。したがって、トナーにおいては、より低エネルギーでの画像定着が可能な、いわゆる「低温定着性」のニーズが高まっている。
トナーの低温定着性を改善する方法としては、使用する結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を低くする方法が挙げられる。しかしながら、単に結着樹脂のTgを低下させるだけでは、低温での離型性が不足するため、Tg低下による粘度低下の効果が発揮される前に定着部材へのコールドオフセットが発生してしまう。コールドオフセットを抑制するためには、定着時の離型剤の表面への染み出しを速くする必要がある。しかし、より融点の低い離型剤を用いてこれを達成しようとした場合、定着時の染み出しが速くなると同時に、保存中にも離型剤のトナー表面への染み出しが起こりやすくなり、耐熱保存性との両立が困難になる。
そこで、離型剤(ワックス)の上記のような弊害を抑制するために、離型剤の融点を下げずに、トナー中での分散状態を制御することによって、離型剤の染み出しを向上させる試みが行われている。
特許文献1では、ポリエステル結着樹脂中での炭化水素ワックスの分散性を向上させるためにワックス分散剤を用いる方法が提案されている。
特許文献2では、水系媒体を用いてトナー製造を行う溶解懸濁法においてワックス分散剤を用いてワックスをポリエステルの結着樹脂中に分散させる方法が提案されている。
特許文献3では、水系媒体中でトナー製造を行う方法である乳化凝集法においてスチレン/アクリル系樹脂を結着樹脂として用いたトナー中にワックスを分散させる方法が提案されている。
特開2013−228707号公報 特開2010−122667号公報 特開2005−91707号公報
特許文献1における炭化水素ワックスは、ポリエステルに対して相溶性が小さいワックス分散剤を用いることによってワックスの分散性は向上している。しかしながら、スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂中にワックスを分散させるワックス分散剤として、特許文献1に記載のワックス分散剤を用いたところ、ワックスの分散に関して改善の余地があるものであった。また、この方法はトナー原材料を混練してから粉砕してトナー粒子を得る、いわゆる粉砕法によるトナー製造に適用できるものであるため、溶解懸濁法や懸濁重合法などの方法によってトナーを製造する際のワックスの分散性については、改善の必要があるものであった。
特許文献2には、ポリエステル樹脂を結着樹脂とした場合に有効なワックス分散剤が記載されており、スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂中にワックスを分散させるには、改善の余地があることがわかった。
特許文献3に記載のワックス分散剤は、スチレン/アクリル系結着樹脂とワックス分散剤との親和性が十分とはいえず、ワックスの分散性に関してさらなる改善の余地があるものであった。また、特許文献3には、乳化凝集法によりトナーを製造することが記載されているが、溶解懸濁法や懸濁重合法とはワックスを導入する方法が異なる。したがって、トナーの製造法に依存せずに、スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂中でワックスの分散性を向上させるには改善の余地があるものである。
以上のように、スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂を用いて、ワックスが低温定着性を向上させるに十分な分散状態を有するトナーを得る方法は未だ提案されていなかった。
本発明は、上述した従来の問題点を解決したトナーを提供するものである。即ち、本発明は、スチレンアクリル系樹脂を主成分とする結着樹脂として用いた場合でも、トナー中でのワックス分散性がよく、低温定着時の離型性に優れ、コールドオフセットの発生が著しく抑制されたトナー、及びトナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、スチレンアクリル樹脂(カルボキシル基含有スチレン系樹脂である場合を除く。)を主成分とする結着樹脂、着色剤、炭化水素ワックス、及びワックス分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ワックス分散剤が、
スチレンモノマー、および該スチレンモノマー以外の1種以上のビニル系重合性単量体を含む組成物の重合体であるビニル樹脂部位と、
炭化水素化合物部位と、
を有し、
該結着樹脂、該炭化水素ワックスおよび該ワックス分散剤が下記式(1))を満たすことを特徴とするトナーに関する。
|A−C|≦0.20 (1)
C−D<1.65 (2)
|B−D|≦0.30 (3)
(式(1)〜()中、
Aは、該結着樹脂の溶解度パラメータを示す。
Bは、該炭化水素ワックスの溶解度パラメータを示す。
Cは、該ワックス分散剤が有するビニル樹脂部位の溶解度パラメータを示す。
Dは、該ワックス分散剤が有する炭化水素化合物部位の溶解度パラメータを示す。)
また、本発明は、上記構成のトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
重合性単量体、前記着色剤、前記炭化水素ワックスおよび前記ワックス分散剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成する工程、
該重合性単量体組成物の粒子に含まれる該重合性単量体を重合して、前記スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂を生成する工程、
を有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
さらに、本発明は、上記構成のトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
有機溶媒に前記スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂、前記着色剤、前記炭化水素ワックスおよび前記ワックス分散剤を溶解又は分散した樹脂溶液の粒子を水系媒体中で形成する工程、
該樹脂溶液の粒子に含まれる該有機溶媒を除去する工程、
を有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明によれば、スチレンアクリル系樹脂を結着樹脂として用いた場合でも、トナー中でのワックス分散性がよく、低温定着時の離型性に優れ、コールドオフセットの発生が著しく抑制されたトナー、及びトナーの製造方法を得ることができる。
本発明者らは、スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂中に、炭化水素ワックスを分散させることに際し、ビニル樹脂部位と炭化水素化合物部位とを有するワックス分散剤を用いた。さらに、結着樹脂、ワックス分散剤が有するビニル樹脂部位、ワックス分散剤が有する炭化水素化合物部位の溶解度パラメータをそれぞれある特定の範囲とした。その結果、ワックスのトナー中での分散性が飛躍的に向上し、その結果、低温定着時の離型性が向上することを見出した。
トナー中でのワックス分散状態は、透過型電子顕微鏡を用いトナー粒子の断面を観察することにより確認できる。本発明によれば、ワックス分散剤中の結着樹脂親和性部位であるビニル樹脂部位とワックス親和性部位である炭化水素化合物部位がそれぞれスチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂および炭化水素ワックスに対して最適化される。その結果、ワックスの分散性が向上し、定着時におけるワックスのトナー粒子表面への染み出しがよくなり、低温定着時の離型性が向上したものと推測される。
以下に本発明の製造方法を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明はスチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂を用いるトナー全てに適用することができるが、中でもトナー原材料を水系媒体中で造粒しトナー粒子を製造する湿式製法に適用するとその効果が顕著に得られる。例として重合性単量体含む組成物を水系媒体中で造粒しトナー粒子を製造する懸濁重合法による製造方法を工程ごとに説明する。
なお、本発明において、「スチレンアクリル樹脂を主成分」とは、スチレンアクリル樹脂が結着樹脂中50質量%以上含まれていることを意味する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体、炭化水素ワックス、ワックス分散剤、着色剤などを混合し、重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体または有機溶媒中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。上記重合性単量体組成物中には必要に応じて極性樹脂、顔料分散剤、荷電制御剤等を適宜加えることが出来る。
(造粒工程)
分散安定剤を含む水系分散媒を調製し、高剪断力を有する撹拌機を設置した撹拌槽に投入し、ここに重合性単量体組成物を添加し、撹拌することにより分散させ、重合性単量体組成物分散液とする。重合性単量体組成物の分散液滴径(粒子径)の分布は、得られるトナー粒子の粒径分布にそのまま反映されるので、重合性単量体組成物の分散液滴径を均一にすることが重要である。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂を生成し、樹脂粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50℃以上90℃以下で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌翼は樹脂粒子分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。
(揮発成分除去工程)
重合工程が終了した樹脂粒子分散液中から未反応の重合性単量体などを除去するために、揮発成分除去工程を行ってもよい。揮発成分除去工程は樹脂粒子分散液を撹拌手段が設置された撹拌槽で加熱、撹拌することによって行う。揮発成分除去工程時の加熱条件は重合性単量体など除去したい成分の蒸気圧を考慮し適宜調節される。揮発成分除去工程は常圧または減圧下で行うことができる。
(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸又はアルカリで処理をする。トナー粒子から分散安定剤を除去した後、一般的な固液分離法によりトナー粒子を水系媒体と分離するが、酸又はアルカリ、及びそれらに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加してトナー粒子を洗浄することが好ましい。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥してもよい。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子に、さらにシャープな粒度分布を要求される場合には風力分級機などで分級工程を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
また、本発明は有機溶媒に溶解させた結着樹脂などを含む溶解液を水系媒体中で造粒しトナー粒子を製造する溶解懸濁法に適用できる。溶解懸濁法による製造方法の例を工程ごとに説明する。
(樹脂溶液調製工程)
有機溶媒中にスチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂、着色剤、炭化水素ワックス及びワックス分散剤などを加え、樹脂溶液を調製する。着色剤の分散性向上の目的でホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機を用いてもよい。また予めこれらの分散機で有機溶媒中に顔料を分散させたものを用いてもよい。上記樹脂溶液中には、必要に応じて炭化水素ワックス以外の離型剤や極性樹脂、顔料分散剤、荷電制御剤等を適宜加えることが出来る。
(造粒工程)
次いで、前述の樹脂溶液を、分散安定剤を含有する水系媒体中に投入し、高速撹拌機もしくは超音波分散機の如き高剪断力分散機を用いて懸濁させ、造粒を行うことにより樹脂組成物分散液を得る。
(有機溶媒除去工程)
次いで、樹脂組成物分散液中の有機溶媒を蒸発除去することによって、樹脂組成物中の樹脂を析出させ、樹脂粒子とすることにより、樹脂粒子分散液を得る。有機溶媒除去工程の条件は前述の懸濁重合法によるトナーの製造方法における揮発成分除去工程の条件と同様である。
(固液分離工程、洗浄工程及、乾燥工程及び分級工程)
得られた樹脂粒子分散液に対して、固液分離工程、洗浄工程及、乾燥工程及び分級工程を前述の懸濁重合法によるトナーの製造方法における条件と同様に行うことができる。
次に、本発明のトナー粒子の製造方法に用いることができる材料を例示して具体的に説明するが、以下に限定されるものではない。
スチレンアクリル樹脂を構成する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
前記単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、及び、p−フェニルスチレンなどのスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル系重合性単量体類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及び、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類;
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及び、ジビニルエーテルなどが挙げられる。
単官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上組み合わせて、又は、単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、又は、多官能性重合性単量体を単独で、あるいは、二種以上を組み合わせて使用する。重合性単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独もしくは混合して、又は、それらとほかの重合性単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性の観点から好ましい。
本発明のトナーには極性樹脂を添加することもできる。極性樹脂としては、ポリエステル系樹脂またはカルボキシル基含有スチレン系樹脂が好ましい。極性樹脂としてポリエステル系樹脂またはカルボキシル基含有スチレン系樹脂を用いることで、当該樹脂がトナー粒子の表面に偏在してシェルを形成した際に、当該樹脂自身のもつ潤滑性が期待できる。
ポリエステル系樹脂としてはアルコールモノマーとカルボン酸モノマーが縮重合したものが用いられる。アルコールモノマーとしては以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン。
一方、カルボン酸モノマーとしては、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
また、その他にも以下のモノマーを使用することが可能である。
グリセリン、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類。
それらの中でも、特に、下記式(4)で表されるビスフェノール誘導体を2価アルコールモノマー成分とし、2価以上のカルボン酸(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分を酸モノマー成分として、これらのポリエステルユニット成分で縮重合した樹脂が良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 0006794165
(式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
カルボキシル基含有スチレン系樹脂としては、スチレン系のアクリル酸共重合体、スチレン系のメタクリル酸共重合体、スチレン系のマレイン酸共重合体などが好ましく、特にスチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸系共重合体が帯電量を制御しやすく好ましい。また、カルボキシル基含有スチレン系樹脂は1級アルコール部位または2級アルコール部位を有するモノマーを含有していることがより好ましい。具体的な重合体組成物としては、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体などを挙げることができる。1級アルコール部位または2級アルコール部位を有するモノマーを含有した樹脂は極性が大きく、長期放置安定性がより良好となる。
極性樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以上10.0質量部以下がより好ましい。
本発明のトナーは、着色剤を含有しており、着色剤としては従来知られている種々の染料や顔料等、公知の着色剤を用いることが出来る。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、例えばモノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー74,93,95,109,111,128,155,174,180,185が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えばモノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48:4,57:1,81:1,122,144,146,150,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254,269、C.I.ピグメントバイオレッド19等が例示できる。
シアン着色剤としては、例えば銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的にはC.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66が挙げられる。
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合には、トナー粒子に磁性体を含有させればよい。この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、該磁性体としては、例えばマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルなどの金属が挙げられる。或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどの金属との合金及びその混合物が挙げられる。
本発明に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、およびトナー粒子中の分散性の点から選択される。これらの着色剤は、単独または混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。該着色剤は、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下で用いることが好ましい。
本発明に用いる炭化水素ワックスとしては、例えば、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類などが挙げられる。
炭化水素ワックスは結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下使用するのが好ましい。本発明に用いられる炭化水素ワックスの融点は30℃以上130℃以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは60℃以上100℃以下の範囲であることが好ましい。上記のような熱特性を呈するワックスを用いることにより、得られるトナーの良好な定着性はもとより、ワックスによる離型効果が効率良く発現され、十分な定着領域が確保される。
本発明に用いるワックス分散剤は、スチレンモノマー、およびスチレンモノマー以外の1種以上のビニル系重合性単量体を含む組成物の重合体であるビニル樹脂部位と、炭化水素化合物部位と、を有する。すなわち、ワックス分散剤は、スチレンモノマー、およびスチレンモノマー以外の1種以上のビニル系重合性単量体を含む組成物の重合体であるビニル樹脂部位と、炭化水素化合物部位と、が反応した構造を有する。スチレンモノマー以外のビニル系重合性単量体としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、アクリロニトリルなどのアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類を用いることができる。
本発明の式(1)(|A−C|≦0.20)を制御しやすくする観点から、ビニル樹脂部位におけるアクリロニトリルの含有比率は少ない方が好ましく、具体的には5質量%以下である。より好ましくは3質量%以下であり、ビニル樹脂部位中にアクリロニトリルを含有しないことが特に好ましい。
ワックス分散剤の有する炭化水素化合物部位としては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの直鎖脂肪族炭化水素化合物;マイクロクリスタリンワックスなどの合成ワックス類を用いることができる。トナー粒子に炭化水素ワックスを用い、このワックスと親和性を高めるため、ワックス親和性部位として炭化水素化合物を用いる。また、炭化水素化合物部位は、親和性の観点から炭化水素ワックスと同種のものとすることがさらに好ましい。
ワックス分散剤の有するビニル樹脂部位は、結着樹脂の溶解度パラメータ値(以下SP値とよぶ)Aとビニル樹脂部位のSP値Cが|A−C|≦0.20であることが必要である。|A−C|>0.20であると結着樹脂とワックス分散剤の親和性が小さくなるため、ワックス分散剤の効果が小さくなる。ビニル樹脂部位のSP値はビニル系重合性単量体の組成によって適宜調整できる。結着樹脂とビニル樹脂部位の組成を同一とすると|A−C|が最小となり親和性は最大になると考えられる。
ワックス分散剤の有する炭化水素化合物部位は、炭化水素ワックスのSP値Bと炭化水素化合物部位のSP値Dが|B−D|≦0.30であることが好ましい。この範囲を満たすと、炭化水素ワックスとワックス分散剤の親和性が高くなり、ワックス分散剤の効果が十分に得られる。ワックス分散剤に用いる炭化水素化合物部位によりSP値Dは異なるが、トナーに用いる炭化水素ワックスと同種のものとすると|B−D|が最小になり親和性はさらに高まると考えられる。
また、本発明のように結着樹脂にスチレンアクリル樹脂を用いる場合には、ワックス分散剤の有するビニル樹脂部位のSP値Cと炭化水素化合物部位のSP値DがC−D<1.65であることが必要である。C−D≧1.65であると、ワックス分散剤における結着樹脂と、炭化水素ワックスに対する親和性を両立することが難しくなり、結果としてワックス分散剤の効果が小さくなる。ビニル樹脂部位に用いるビニル系重合性単量体の組成と炭化水素化合物部位の選択によってC−Dの値を適宜調整することができる。
ワックス分散剤の炭化水素化合物部位の量は、ワックス分散剤全体の1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。炭化水素化合物部位の量がこの範囲であるとワックスとワックス分散剤の親和性が小さくなりすぎることが抑制されて好ましい。
ワックス分散剤のトナー中の含有量Wb質量%と炭化水素ワックスのトナー中の含有量Wa質量%が0.1≦Wb/Wa≦2.0の関係を満たすことが好ましい。Wb/Waがこの範囲であるとトナー中での炭化水素ワックスの分散状態の安定が保たれ、炭化水素ワックスの分散性も十分となり好ましい。
また、本発明のトナー粒子は、荷電制御剤を使用しても良い。中でも、トナー粒子を負荷電性に制御する荷電制御剤を用いることが好ましい。該荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体が挙げられる。また、スルホン酸基、スルホン酸塩基、或いは、スルホン酸エステル基を有するスルホン酸樹脂を好ましく用いることができる。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
溶解懸濁法における樹脂溶液に用いる有機溶媒は、結着樹脂、ワックスなどトナー粒子の原材料となるものと相溶するものであれば特に限定されるものではないが、溶媒除去の観点から水の沸点以下でもある程度の蒸気圧があるものが好ましい。例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを用いることができる。
また、水系媒体中に添加する分散安定剤としては、公知の界面活性剤や有機分散剤、無機分散剤を使用することができる。これらの中でも無機分散剤は重合温度や時間経過によっても安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナーに悪影響を与えにくいため、好適に使用することができる。無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などのリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナなどの無機酸化物。これらの無機分散剤は、重合終了後に酸あるいはアルカリを加えて溶解することにより、ほぼ完全に取り除くことができる。
以下に、本発明で規定する各物性値の計算方法および測定方法を記載する。
<溶解度パラメータ(SP値)の計算方法>
本発明におけるSP値は、Fedorsの式(5)を用いて求めた。ここでのΔei、および、Δviの値は原崎勇次著「コーティングの基礎科学」54〜57頁、1988年(槇書店)の表3〜9による「原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積(25℃)」を参考にした。
δi=(Ev/V)1/2=(Δei/Δvi)1/2 (5)
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子または原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子または原子団のモル体積
<分子量の測定方法>
ワックス分散剤のピークトップ分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で、ワックス分散剤をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<ワックス分散剤の炭化水素化合物部位の含有量の測定>
ワックス分散剤の炭化水素化合物部位とビニル樹脂部位の比率を核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて測定した。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値から炭化水素化合物部位とビニル樹脂部位の質量比をもとめ、そこからワックス分散剤の炭化水素化合物に由来する部位の含有量を算出した。
<重量平均粒子径(D4)、個数平均粒子径(D1)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒子径(D4)および個数平均粒子径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加する。(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5体積%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒子径(D4)および個数平均粒子径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒子径(D4)である。また、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒子径(D1)である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中で使用する部数は全て質量部を示す。
<ワックス分散剤1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応容器に、キシレン600.0部、及び融点77℃のフィッシャートロプシュワックス240.0部を入れて十分溶解し、窒素置換を行った。これを175℃に昇温した後、スチレン1684.8部、n−ブチルアクリレート475.2部、ジ−t−ブチルパーオキサイド78.0部、及びキシレン455部の混合溶液を3時間で滴下し、さらにこの温度で30分間保持して重合を行った。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤1を得た。ワックス分散剤1の物性を表1に示す。
<ワックス分散剤2の製造>
ワックス分散剤1の製造において、フィッシャートロプシュワックスに換えて融点107℃のポリエチレンワックスを用いた他は、同様の方法でワックス分散剤2の製造を行った。得られたワックス分散剤2の物性を表1に示す。
<ワックス分散剤3の製造>
ワックス分散剤1の製造において、フィッシャートロプシュワックスに換えて融点75℃のマイクロクリスタリンワックスを用いた他は、同様の方法でワックス分散剤3の製造を行った。得られたワックス分散剤3の物性を表1に示す。
<ワックス分散剤4の製造>
ワックス分散剤1の製造において、フィッシャートロプシュワックスの量を24.0部、スチレンの量を1853.3部、n−ブチルアクリレートの量を522.7部とした以外は、全く同様の方法でワックス分散剤4を得た。ワックス分散剤4の物性を表1に示す。
<ワックス分散剤5の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応容器に、キシレン3000.0部、及び融点77℃のフィッシャートロプシュワックス1200.0部を入れて十分溶解し、窒素置換を行った。これを175℃に昇温した後、スチレン936.0部、n−ブチルアクリレート264.0部、ジ−t−ブチルパーオキサイド39.0部、及びキシレン227.5部の混合溶液を3時間で滴下し、さらにこの温度で30分間保持して重合を行った。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤5を得た。ワックス分散剤5の物性を表1に示す。
<ワックス分散剤6の製造>
ワックス分散剤1の製造において、フィッシャートロプシュワックスの量を19.2部、スチレンの量を1857.0部、n−ブチルアクリレートの量を523.8部とした他は全く同様の方法でワックス分散剤6の製造を行った。得られたワックス分散剤6の物性を表1に示す。
<ワックス分散剤7の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応容器に、キシレン3120.0部、及び融点77℃のフィッシャートロプシュワックス1248.0部を入れて十分溶解し、窒素置換を行った。これを175℃に昇温した後、スチレン898.6部、n−ブチルアクリレート253.4部、ジ−t−ブチルパーオキサイド37.5部、及びキシレン218.8部の混合溶液を3時間で滴下し、さらにこの温度で30分間保持して重合を行った。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤7を得た。ワックス分散剤7の物性を表1に示す。
<ワックス分散剤8の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応容器に、キシレン600.0部、及び融点77℃のフィッシャートロプシュワックス240.0部を入れて十分溶解し、窒素置換を行った。これを175℃に昇温した後、スチレン2095.2部、アクリロニトリル64.8部、ジ−t−ブチルパーオキサイド78.0部、及びキシレン455部の混合溶液を3時間で滴下し、さらにこの温度で30分間保持して重合を行った。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤8を得た。なお、ビニル樹脂部位中のアクリロニトリルの含有比率は、3.0質量%である。ワックス分散剤8の物性を表1に示す。
<ワックス分散剤9の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、及び減圧装置を備えた反応容器に、キシレン600.0部、及び融点77℃のフィッシャートロプシュワックス240.0部を入れて十分溶解し、窒素置換を行った。これを175℃に昇温した後、スチレン1506.8部、n−ブチルアクリレート424.7部、アクリロニトリル228.5部、ジ−t−ブチルパーオキサイド78.0部、及びキシレン455部の混合溶液を3時間で滴下し、さらにこの温度で30分間保持して重合を行った。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤9を得た。なお、ビニル樹脂部位中のアクリロニトリルの含有比率は、10.6質量%である。ワックス分散剤9の物性を表1に示す。
Figure 0006794165
(実施例1)
<トナー粒子1の製造>
・スチレン 78.0部
・n−ブチルアクリレート 22.0部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 0.7部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
・極性樹脂 4.0部
(スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(質量比95:2:2:3)、酸価10mgKOH/g、ガラス転移点(Tg)=80℃、重量平均分子量(Mw)=15000)
・フィッシャートロプシュワックス 9.0部
(HNP−51:日本精鑞製:融点77℃、SP値:8.32)
・ワックス分散剤1 4.5部
からなる重合性単量体の混合物を調製した。これに15mmのセラミックビーズを入れ、湿式アトライター(日本コークス工業製)を用いて2時間分散して、重合性単量体組成物1を得た。
一方、イオン交換水414.0部にリン酸ナトリウム(Na3PO4)6.3部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した。その後、3.6部の塩化カルシウム(CaCl2)を25.5部のイオン交換水に溶解した塩化カルシウム水溶液を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca3(PO42)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
上記重合性単量体組成物1に重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート10.0部を添加し、これを上記水系分散媒体に投入した。上記クレアミックスにて15000回転/分を維持しつつ10分間の造粒工程を行った。その後、一般的な撹拌機を備えた撹拌槽で、撹拌しながら70℃で保持して8時間重合を行うことによってトナー粒子分散液1を得た。
トナー粒子分散液1を冷却した後、塩酸を添加し、pHを1.4以下として分散安定剤を溶解し、ろ過、洗浄、乾燥を行うことによってトナー粒子1を得た。トナー粒子1の物性を表2に示す。トナー粒子1において、結着樹脂であるスチレンアクリル樹脂のSP値は、9.8である。
(実施例2)
<トナー粒子2の製造>
実施例1においてワックス分散剤1の添加量を17.1部とした他は、同様の方法によってトナー粒子2の製造を行った。得られたトナー粒子2の物性を表2に示す。
(実施例3)
<トナー粒子3の製造>
実施例1においてワックス分散剤1の添加量を0.9部とした他は、同様の方法によってトナー粒子3の製造を行った。得られたトナー粒子3の物性を表2に示す。
(実施例4)
<トナー粒子4の製造>
実施例1においてワックス分散剤1の添加量を18.9部とした他は、同様の方法によってトナー粒子4の製造を行った。得られたトナー粒子4の物性を表2に示す。
(実施例5)
<トナー粒子5の製造>
実施例1においてワックス分散剤1の添加量を0.72部とした他は、同様の方法によってトナー粒子5の製造を行った。得られたトナー粒子5の物性を表2に示す。
(実施例6)
<トナー粒子6の製造>
実施例1においてワックス分散剤1をワックス分散剤2に換えた他は、同様の方法によってトナー粒子6の製造を行った。得られたトナー粒子6の物性を表2に示す。
(実施例7)
<トナー粒子7の製造>
実施例1においてワックス分散剤1をワックス分散剤3に換えた他は、同様の方法によってトナー粒子7の製造を行った。得られたトナー粒子7の物性を表2に示す。
(実施例8)
<トナー粒子8の製造>
実施例1においてワックス分散剤1をワックス分散剤4に換えた他は、同様の方法によってトナー粒子8の製造を行った。得られたトナー粒子8の物性を表2に示す。
(実施例9)
<トナー粒子9の製造>
実施例1においてワックス分散剤1をワックス分散剤5に換えた他は、同様の方法によってトナー粒子9の製造を行った。得られたトナー粒子9の物性を表2に示す。
(実施例10)
<トナー粒子10の製造>
実施例1においてワックス分散剤1をワックス分散剤6に換えた他は、同様の方法によってトナー粒子10の製造を行った。得られたトナー粒子10の物性を表2に示す。
(実施例11)
<トナー粒子11の製造>
実施例1においてワックス分散剤1をワックス分散剤7に換えた他は、同様の方法によってトナー粒子11の製造を行った。得られたトナー粒子11の物性を表2に示す。
(実施例12)
<トナー粒子12の製造>
還流冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を入れた。
・トルエン 100.0部
・スチレン 78.0部
・n−ブチルアクリレート 22.0部
・t−ブチルパーオキシピバレート 3.0部
上記容器内を毎分200回転で撹拌し、70℃に加熱して10時間撹拌し、結着樹脂溶解液1を得た。次いで、
・結着樹脂溶解液1 160.0部
・フィッシャートロプシュワックス 7.2部
(HNP−51:日本精鑞製 融点77℃、SP値:8.32)
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 4.8部
・サリチル酸アルミニウム化合物 0.6部
(ボントロンE−88:オリエント化学社製)
・ワックス分散剤1 3.6部
上記成分を15mmのセラミックビーズを入れた湿式アトライター(日本コークス工業製)を用いて10時間混合分散させ樹脂組成物溶解液12を得た。
一方、イオン交換水414.0部にリン酸ナトリウム(Na3PO4)6.3部を投入し、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて撹拌しながら、60℃に加温した。その後、3.6部の塩化カルシウム(CaCl2)を25.5部のイオン交換水に溶解した塩化カルシウム水溶液を添加してさらに撹拌を続け、リン酸三カルシウム(Ca3(PO42)からなる分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
樹脂組成物溶解液12を上記水系分散媒体に投入し、クレアミックスにて15000回転/分を維持しつつ10分間の造粒工程を行い樹脂組成物分散液12を得た。
樹脂組成物分散液12を95℃に昇温して120分間撹拌を行うことによって樹脂組成物分散液12中のトルエンを除去しトナー粒子分散液12を得た。
トナー粒子分散液12を冷却した後、塩酸を添加し、pHを1.4以下として分散安定剤を溶解し、ろ過、洗浄、乾燥を行うことによってトナー粒子12を得た。得られたトナー粒子12の物性を表2に示す。トナー粒子12において、結着樹脂であるスチレンアクリル樹脂のSP値は、9.8である。
(実施例13)
<トナー粒子13の製造>
実施例1においてワックス分散剤1をワックス分散剤8に換えた他は、同様の方法によってトナー粒子13の製造を行った。得られたトナー粒子13の物性を表2に示す。
(比較例1)
<トナー粒子14の製造>
実施例1においてワックス分散剤1をワックス分散剤9に換えた他は、同様の方法によってトナー粒子14の製造を行った。得られたトナー粒子14の物性を表2に示す。
(比較例2)
<トナー粒子15の製造>
実施例1においてワックス分散剤1を用いない他は、同様の方法によってトナー粒子15の製造を行った。得られたトナー粒子15の物性を表2に示す。
Figure 0006794165
<各トナーの製造>
実施例1乃至13、比較例1及び2で得られた各トナー粒子について、トナー粒子100.0部に対して一次粒子の個数平均粒径が40nmのシリカ微粒子1.0部を加え、FMミキサー(日本コークス工業製)を用いて混合しトナーを得た。
得られた各トナーについて、以下の方法に従って性能評価を行った。
[ワックス分散性]
トナー粒子中のワックス分散性は、トナー粒子の断面を透過型電子顕微鏡で観察し、ワックスによって形成されたドメインの断面積の平均の円相当径を測定し、任意に選択したトナー粒子10個の平均値をもって評価した。詳細には、トナー粒子を可視光硬化性包埋樹脂(D−800、日新EM社製)で包埋し、超音波ウルトラミクロトーム(EM5、ライカ社製)により60nm厚に切削し、真空染色装置(フィルジェン社製)によりRu染色を行った。その後、透過型電子顕微鏡(H−7500、日立ハイテクノロジー社製)により加速電圧120kVで観察を行った。観察するトナー粒子は、重量平均粒径から±2.0μm以内のものを10個選んで撮影を行った。
ワックス分散性の評価基準は以下のとおりである。ワックスドメインの円相当径が小さいほどワックスの分散性がよい。
A:ワックスドメインの平均円相当径が200nm未満
B:ワックスドメインの平均円相当径が200nm以上500nm未満
C:ワックスドメインの平均円相当径が500nm以上1000nm未満
D:ワックスドメインの平均円相当径が1000nm以上1500nm未満
E:ワックスドメインの平均円相当径が1500nm以上
[低温定着性]
定着ユニットを外したカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、シアンカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、受像紙(HP Laser JET90、HP社製 90g/m2)上に、充填したトナーを用いて、縦2.0cm横15.0cmの未定着のトナー画像(0.9mg/cm2)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、これを用いて未定着画像の定着試験を行った。
まず、常温常湿環境下(23℃、60%RH)、プロセススピードを380mm/s、定着線圧25.0kgfに設定し、初期温度を130℃として設定温度を5℃ずつ順次昇温させながら、各温度で上記未定着画像の定着を行った。
低温定着性の評価基準は以下の通りである。低温側定着開始点とは、低温オフセット現象(トナーの一部が定着器に付着してしまう現象)が観察されない下限温度のことである。
A:低温側定着開始点が145℃以下(低温定着性が特に優れている)
B:低温側定着開始点が150℃以上155℃以下(低温定着性に優れている)
C:低温側定着開始点が160℃以上165℃以下(低温定着性がよい)
D:低温側定着開始点が170℃以上175℃以下(低温定着性にやや劣る)
E:低温側定着開始点が180℃以上(低温定着性に劣る)
トナーの性能評価の結果を表3に示す。
Figure 0006794165

Claims (7)

  1. スチレンアクリル樹脂(カルボキシル基含有スチレン系樹脂である場合を除く。)を主成分とする結着樹脂、着色剤、炭化水素ワックス、及びワックス分散剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該ワックス分散剤が、
    スチレンモノマー、および該スチレンモノマー以外の1種以上のビニル系重合性単量体を含む組成物の重合体であるビニル樹脂部位と、
    炭化水素化合物部位と、
    を有し、
    該結着樹脂、該炭化水素ワックスおよび該ワックス分散剤が下記式(1))を満たすことを特徴とするトナー。
    |A−C|≦0.20 (1)
    C−D<1.65 (2)
    |B−D|≦0.30 (3)
    (式(1)〜()中、
    Aは、該結着樹脂の溶解度パラメータを示す。
    Bは、該炭化水素ワックスの溶解度パラメータを示す。
    Cは、該ワックス分散剤が有するビニル樹脂部位の溶解度パラメータを示す。
    Dは、該ワックス分散剤が有する炭化水素化合物部位の溶解度パラメータを示す。)
  2. 前記ワックス分散剤の炭化水素化合物部位が、該ワックス分散剤全体に対して1質量%以上50質量%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記ワックス分散剤の炭化水素化合物部位が、ポリオレフィンまたはパラフィンである請求項1または2に記載のトナー。
  4. トナー粒子中の前記炭化水素ワックスの含有量をWa質量%、前記ワックス分散剤の含有量をWb質量%としたときに、0.1≦Wb/Wa≦2.0の関係を満たす請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記スチレンモノマー以外のビニル系重合性単量体が、アクリル系重合性単量体およびメタクリル系重合性単量体の少なくとも一方である請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    重合性単量体、前記着色剤、前記炭化水素ワックスおよび前記ワックス分散剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成する工程、
    該重合性単量体組成物の粒子に含まれる該重合性単量体を重合して、前記スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂を生成する工程、
    を有することを特徴とするトナーの製造方法。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    有機溶媒に前記スチレンアクリル樹脂を主成分とする結着樹脂、前記着色剤、前記炭化水素ワックスおよび前記ワックス分散剤を溶解又は分散した樹脂溶液の粒子を水系媒体中で形成する工程、
    該樹脂溶液の粒子に含まれる該有機溶媒を除去する工程、
    を有することを特徴とするトナーの製造方法。
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