JP2021033156A - 磁性トナー - Google Patents

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祥平 山下
橋本 康弘
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康弘 橋本
淳彦 大森
Atsuhiko Omori
淳彦 大森
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Abstract

【課題】低温環境において良好なクリーニング性を有し、低温定着性に優れた磁性トナーを提供すること。【解決手段】トナー輪郭から輪郭と断面の重心点間距離の10%未満の範囲における、磁性体が占める面積比率Aが30%以上80%以下であり、ワックスドメインが存在し、断面輪郭から輪郭と断面の重心点間距離の10%の深さから、断面輪郭から輪郭と断面の重心点間距離の20%の深さに、ワックスドメインの総面積のうち、15面積%以上60面積%以下存在し、トナーのヘキサンを用いたソックスレー抽出において、1.5時間抽出した際のヘキサン可溶分に含まれる脂肪酸金属塩量をB1.5、3時間抽出した際のヘキサン可溶分に含まれる脂肪酸金属塩量をB3としたとき、(1)および(2)を満たす。0.01質量%≦B1.5≦0.08質量%(1)0.01質量%≦B3−B1.5≦0.20質量%(2)【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法に用いる磁性トナーに関する。
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置は、使用目的及び使用環境の多様化が進むと共に、更なる高速化や省エネルギー化が求められている。
トナーによる省エネルギー性能の向上という観点では、低温定着性がより向上したトナーが求められている。
トナーの低温定着性を向上するために、ワックスなどの結晶性材料が用いられる。結晶性材料は、その材料の持つ融点で溶融し、トナーの結着樹脂を可塑化し、トナーの溶融変形を促す。
しかし、こうした定着性を良化させたトナーであっても、プリントされた後にテープによってトナーが一部剥がれるテープ剥がしという性能が重要視されることがある。これは、特にライン画像の様なトナー載り量の少ない部分で起きやすく、その原因としてはトナーの溶融特性が不十分であることや、定着部材との離型性が不足しているためだと考えられる。
また、複写機やプリンターの高速化に伴い、その構成上、クリーニングブレードとドラムの摺擦による熱の蓄積がより高まってきている。これにより溶融特性に優れたトナーはワックスの染み出しが加速され、トナーのドラム融着を促進させる。特に極低温環境では加熱時との温度差が大きいことから、急激な温度変化による固化により、ドラム上の融着物の発生が顕著である。その融着物がドラム上の突起となって阻止層を崩すことでクリーニング不良を起こすことも課題の一つである。阻止層とは、ドラムとクリーニングブレードの接触面に対して、ドラムの進行方向の逆側に滞留している、主に外添剤を主成分とする層である。阻止層があることで、トナーがクリーニングブレードをすり抜けることを防止している。
これら両者の課題は、互いの改善方法がトレードオフの関係になることが多い。そのため、従来より数多くの技術が開示されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2017−40845号公報 特開2015−118177号公報 特開2012−68623号公報
上述のような従来の技術の開示にかかわらず、両者を高いレベルで達成することは未だ不十分であり、改良の余地がある。
本発明の目的は、低温環境においても良好なクリーニング性を有しつつ、低温定着性に優れた磁性トナーを得ることにある。
本発明は、結着樹脂、磁性体、ワックス、脂肪酸金属塩を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、該トナーの該輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%未満の範囲における、該磁性体が占める面積比率をAとしたときに、Aが30%以上80%以下であり、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、該ワックスのドメインが存在し、
該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%の深さから、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の20%の深さの領域に、該ワックスドメインの総面積のうち、15面積%以上60面積%以下存在し、
該トナー粒子のヘキサンを用いたソックスレー抽出において、1.5時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB1.5、3時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB3としたとき、関係式(1)および関係式(2)を満たすことを特徴とする磁性トナーに関する。
0.01質量%≦B1.5≦0.08質量%・・・(1)
0.01質量%≦B3−B1.5≦0.20質量%・・・(2)
本発明により、低温環境においても良好なクリーニング性を有しつつ、低温定着性に優れた磁性トナーを得ることができる。
トナー内部におけるトナー構成材料の存在状態を示す模式図の一例である。 トナー内部における磁性体の存在状態を示す模式図の一例である。 画像処理に用いるマスクのイメージ図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明は、結着樹脂、磁性体、ワックス、脂肪酸金属塩を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、該トナーの該輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%未満の範囲における、
該磁性体が占める面積比率をAとしたときに、Aが30%以上80%以下であり、
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、該ワックスのドメインが存在し、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%の深さから、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の20%の深さの領域に、該ワックスドメインの総面積のうち、15面積%以上60面積%以下存在し、
該トナー粒子のヘキサンを用いたソックスレー抽出において、1.5時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB1.5、3時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB3としたとき、関係式(1)および関係式(2)を満たすことを特徴とする。
0.01質量%≦B1.5≦0.08質量%・・・(1)
0.01質量%≦B3−B1.5≦0.20質量%・・・(2)
ここで、定着性を判断する指標の一例として、テープ剥がしについて、本発明者らの検討を踏まえた説明をする。テープ剥がしは、接着剤の付いたテープを画像に貼りつけ、一定の速度で剥がした際にどれだけ画像が欠損せず耐えるかを見る試験である。接着剤との離型性、紙との付着力が効く性能になる。そのため、離型性に優れるワックスを如何に有効に作用させるかが重要となる。
本発明者らの検討によると、表面近傍の磁性体の数をある程度少なくすることで、定着性、特にテープ剥がしが良化する。これは、磁性体の分散状態が上述した炭化水素ワックスを含むワックス成分の染み出しと、磁性トナーの濡れ広がり特性に影響を与えているためと考えている。ただし、単純に表面近傍の磁性体の数を少なくすると、例えばジャンピング現像方式を採用した際には、磁極スリーブへの付着力が低下する等により、現像性が低下する傾向が見られる。
磁性体の数が多いと、熱定着時にワックスの染み出しを阻害する傾向があり、上述したように接着剤との離型効果が弱まることからテープ剥がしが悪化する傾向である。更に、磁性トナー表面近傍が熱的に硬くなることから、濡れ広がりも起きにくくなり、紙との付着力も上がりにくい。
本発明のトナーは、該トナーの該輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%未満の範囲における、磁性体が占める面積比率をAとしたときに、Aが30%以上80%以下である。さらにAが40%以上70%以下であることが好ましい。上記Aが本発明の範囲内であれば、現像性を維持しつつ、加熱溶融時のワックスの染み出しを最低限阻害しない構造をとれることを意味する。
次に、極低温環境のクリーニング性について本発明者らの検討を踏まえた説明をする。現像時、ドラム回転中にクリーニングブレードとドラムの間の摺擦による摩擦熱によって阻止層の温度が上昇する。ここで阻止層とは、ドラムとクリーニングブレードの接触面に対して、ドラムの進行方向の逆側に滞留している、主に外添剤を主成分とする層である。本来、阻止層があることで、トナーがクリーニングブレードをすり抜けることを防止している。しかし、阻止層が高温化することで、阻止層に接したトナーへ熱の授受が行われ、ワックスが染み出し、さらにドラム回転停止時に極低温にさらされることでワックスの急激な固化が進み、ドラム上での融着物を発生させる。このドラム上の融着物が阻止層を破壊することで、トナーがクリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良による縦スジを引き起こすものと本発明者らは推察する。本発明者らは鋭意検討し、この現象を改善させるためには、前述した磁性体の分散状態の制御だけでは不十分であり、ワックスの結晶化に関しても改良の余地があることが分かった。
本発明者らの検討によると、トナー中のワックス成分は非晶性成分を減らすために、ある程度結晶化していることが望ましい。特に、非晶性成分の染み出しの影響が大きいトナー表層部分においてはその傾向が顕著である。
本発明のトナーは、走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナー粒子の断面において、該ワックスのドメインが存在し、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%の深さから、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の20%の深さの領域に、該トナーの断面における、該ワックスドメインの総面積のうちワックスドメインが占める面積比率が15面積%以上60面積%以下存在する。好ましくは25面積%以上50面積%以下である。
ここで、「該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%の深さから」とは、トナー表層近傍の結着樹脂と磁性体とを主として構成される層よりも、トナー重心側であることを意味する。この層には、結着樹脂、ワックス、脂肪酸金属塩を主として構成される層であると本発明者らは推察する。また、「該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の20%の深さ」とは次のように考える。この深さまではクリーニング性の悪化影響が大きいことから、阻止層によって熱を受けた際に、トナー中に含まれる非晶性成分のトナー表層への染み出し具合が大きい領域を示す深さであると本発明者らは推察する(図1参照)。
該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離における、構成成分の分布は各構成成分の含有量、及びトナー粒子の製造方法により制御することができる。
本発明者らの検討によるとワックスの結晶化度を高める手法としては、脂肪酸金属塩をトナー中に内包させることが好ましい。
脂肪酸金属塩によるトナー表層近傍のワックスの結晶化は、脂肪酸金属塩とワックスの界面における核形成が関係している。
トナー粒子中の脂肪酸金属塩はワックスとの界面において、結晶核を形成する。脂肪酸金属塩由来の結晶核をワックス中に形成することができれば、結晶核を中心に結晶成長が比較的容易に起きるため、ワックスの結晶化度を高めることができる。このため、脂肪酸金属塩をワックス中に分散させて、ワックスとの界面で形成される結晶核を増やす必要がある。特に、トナー表層近傍のワックスは、非晶性成分がトナー表層に染み出しやすいため、結晶化度を高めるために脂肪酸金属塩由来の結晶核をワックス中に形成させる必要がある。
本発明のトナーは、ヘキサンを用いて、トナー粒子に対してソックスレー抽出を1.5時間行った際のヘキサン抽出分に含有される脂肪酸金属塩の量B1.5が、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上0.08質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上0.06質量部以下であることがより好ましい。ヘキサンを用いてソックスレー抽出を1.5時間行うと、トナー表層近傍の脂肪酸金属塩のみを抽出することができる。ソックスレー抽出を1.5時間行った際のヘキサン抽出分に含有される脂肪酸金属塩が本発明の範囲内であることで、脂肪酸金属塩由来の結晶核によりトナー表層近傍のワックスの結晶化度を高めることができる。これはワックスのトナー表層への染み出しを抑制できることを意味する。さらに、表面を疎水化処理した磁性体を用いた場合、ワックスとの親和性において、磁性体の疎水化処理部位よりも脂肪酸金属塩の親和性を高くすることで、脂肪酸金属塩を核とした結晶化を選択的に進めることができる。これにより、従来、磁性体の疎水化処理部位近傍で非晶性成分として存在していたワックス成分のトナー表層への染み出しを抑制するだけでなく、トナー表層のワックス成分の結晶化度を高めることができる。
ヘキサンを用いてソックスレー抽出を1.5時間行った際のヘキサン抽出分に含有される脂肪酸金属塩の量は、脂肪酸金属塩の組成、脂肪酸金属塩の含有量、ワックスの組成、ワックスの添加量、及びトナー粒子の製造方法により制御することができる。
本発明のトナーは、該トナー粒子のヘキサンを用いたソックスレー抽出において、1.5時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB1.5、3時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB3としたとき、その差であるB3−B1.5が0.01質量部以上0.20質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上0.15質量部以下であることがより好ましい。
ヘキサンを用いてソックスレー抽出を3時間行うことで、該トナー断面輪郭から該トナー断面重心に向かって、より深い位置にある脂肪酸金属塩を抽出することができる。ここでの深さ領域における脂肪酸金属塩の量は、極低温環境におけるクリーニング不良に影響を与えることから、阻止層から受ける熱に対して、染み出してくるワックス成分が分布している領域であると本発明者らは推察する。即ち、B3−B1.5が本発明の範囲内であるということは、極低温環境でのクリーニング不良を引き起す一因となるワックスが分布する領域において、ワックス成分を結晶化させることができる十分な脂肪酸金属塩量が存在することを意味する。
ヘキサンを用いてソックスレー抽出を3時間行った際のヘキサン抽出分に含有される脂肪酸金属塩の量は、脂肪酸金属塩の組成、脂肪酸金属塩の含有量、ワックスの組成、ワックスの添加量、及びトナー粒子の製造方法により制御することができる。
上記記載のように、トナー粒子中の脂肪酸金属塩の核剤効果を高めるためには、脂肪酸金属塩とワックスの界面を増やす必要があり、脂肪酸金属塩をトナー粒子に外添するのではなく、トナー粒子中に分散もしくは相溶させることが好ましい。
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナーの断面において、該トナーの該輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%未満の範囲における、該磁性体が占める面積比率をAとしたときに、Aが80%より高い場合、熱定着時にワックスの染み出しを阻害する傾向があり、接着剤との離型効果が弱まることからテープ剥がしが悪化する傾向である。更に、磁性トナー表面近傍が熱的に硬くなることから、濡れ広がりも起きにくくなり、紙との付着力も上がりにくい。一方、Aが30%より低い場合、トナーの磁気特性が十分に保てず現像性が低下する傾向がある。例えばジャンピング現像方式を採用した際には、磁極スリーブへの付着力が低下する等により、現像性が低下する傾向が見られる。
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナーの断面において、該ワックスのドメインが存在し、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%の深さから、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の20%の深さの領域に、該ワックスドメインの総面積のうち、60面積%よりも高い場合、加熱時の可塑性が低下し、低温定着性が低下する傾向がある。一方で、15面積%よりも低い場合、ワックスの非晶性成分が多いため、熱を受けた際に、容易にトナー表層にワックスが染み出し、ドラム上に融着物を発生させることから、クリーニング不良の原因となる傾向がある。
該トナーのヘキサンを用いたソックスレー抽出において、1.5時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB1。5としたとき、B1。5が0.01質量%未満の場合、脂肪酸金属塩量がワックスの結晶化に必要な必要最低限未満になるため、ワックスの結晶化度が低下する。この結果、阻止層から熱を受けた際にワックスがトナー表層に染み出してくることを抑制できず、クリーニング不良が発生する。一方、B1。5が0.08質量%より大きい場合、脂肪酸金属塩が必要以上に含有されているため、一部の脂肪酸金属塩が結着樹脂を可塑し、ワックスと共にトナー表層に染み出してくる。この結果、長期使用時にドラム上に融着物を発生させることから、クリーニング不良の原因となる傾向がある。
3時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB3としたとき、B3−B1。5の値が、0.01質量%未満の場合、脂肪酸金属塩量がワックスの結晶化に必要な必要最低限未満になるため、ワックスの結晶化度が低下する。この結果、阻止層から熱を受けた際にワックスがトナー表層に染み出してくることを抑制できず、クリーニング不良が発生する。一方、B3−B1。5の値が0.20質量%より大きい場合、脂肪酸金属塩が必要以上に含有されているため、一部の脂肪酸金属塩が結着樹脂を可塑し、ワックスと共にトナー表層に染み出してくる。この結果、長期使用時にドラム上に融着物を発生させることから、クリーニング不良の原因となる傾向がある。
本発明のトナーはトナー粒子に含まれる、該磁性体がアルキル基で表面処理され、該磁性体の表面処理アルキル基の炭素数をC1、該脂肪酸金属塩を構成するアルキル基炭素数をC2としたとき、下記式(3)を満たすことが好ましい。
C1<C2・・・(3)
脂肪酸金属塩を構成するアルキル基炭素数C2が、磁性体の表面処理したアルキル基の炭素数C1よりも大きいことで、ワックスとの親和性が高まり、脂肪酸金属塩を核としてワックスを選択的に結晶化することができる。これにより、従来、磁性体の疎水化処理部位近傍で非晶性成分として存在していたワックス成分のトナー表層への染み出しを抑制するだけでなく、トナー表層のワックス成分の結晶化度を高めることができる。選択性を高めるためにC1とC2の差が大きいことがより好ましい。また、ワックスとの親和性を高めるために、用いるワックスと類似構造を持つ脂肪酸金属塩がより好ましい。
本発明のトナーは走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナーの断面において、該トナー粒子の輪郭から断面の重心点間の距離が200nm未満の範囲における、該磁性体が占める面積比率をD1とし、該トナー粒子の輪郭から断面の重心点間の距離が200nm以上400nm未満の範囲における、該磁性体が占める面積比率をD2とした際に、該面積比率D1が38%以上85%以下であり、該面積比率D2が0%以上37%以下であり、かつ、該面積比率D1とD2の比(D2/D1)が0以上、0.75以下であることが好ましい。より好ましくは該面積比率D2が29%以下であり、D2/D1が0.60以下である。
走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナーの断面において、該トナーの該輪郭から該断面の重心点間の距離が200nmの範囲とは、磁性体粒子がトナー表層に近接して配置された場合に一粒子を格納できる範囲であることを意味する(図2参照)。
面積比率D1およびD2/D1が本件の範囲内にあることで、トナーの最表層の磁性体量をより精密に制御し、磁気特性による現像性の維持と、加熱溶融時のワックスの表層染み出しを両立することができる。D1が38%未満である場合、トナー最表層の磁性体量が少ないことから、磁気特性の低下を招き、磁極スリーブへの付着力が低下する等により、現像性が低下する傾向が見られる。D1が85%を超える場合、熱定着時にワックスの染み出しを阻害する傾向があり、接着剤との離型効果が弱まることからテープ剥がしが悪化する傾向である。更に、磁性トナー表面近傍が熱的に硬くなることから、濡れ広がりも起きにくくなり、紙との付着力も上がりにくい。
D2/D1が0.75より大きいと、最表層の磁性体量の割合が減少することから、磁気特性の低下を招きやすく、現像性が低下する傾向がある。
脂肪酸金属塩をワックスの結晶核剤として効果的に使用するには、脂肪酸金属塩とワックスの量も適正に制御する必要があると本発明者らは考える。
本発明のトナーは、結着樹脂100質量部に対して、ワックスの含有量をE(質量部)とし、脂肪酸金属塩の含有量をF(質量部)としたとき、下記式(4)、(5)を満たすことが好ましい。
10.0≦E≦40.0 ・・・・(4)
0.0014≦F/E≦0.026・・・・(5)
すなわち、Eが10.0質量部以上40.0質量部以下であり、F/Eが0.0014以上0.026以下であることが好ましく、さらに、上記Eが15.0質量部以上35.0質量部以下、上記F/Eが0.0016以上0.017以下であることがより好ましい。上記E及びFが本発明の範囲内であれば、低温定着性に必要なワックス量を含有すると共に、ワックスの結晶化に必要な最低限の脂肪酸金属塩のみ含有していることを意味する。
これは、脂肪酸金属塩が長鎖アルキル基を有すると共に、エステル基を介して金属と結合しているため、脂肪酸金属塩がワックスにも結着樹脂にもなじむことが影響している。これにより、脂肪酸金属塩をワックスの結晶核剤として効果的に使用するには、脂肪酸金属塩が結着樹脂に相溶するのを抑制するため、脂肪酸金属塩の含有量を必要最低限にする必要がある。
結着樹脂100質量部に対して、ワックスの含有量をE(質量部)とした時、Eが10.0質量部未満の場合、定着ニップ部においてワックスによりトナーを十分可塑することができなくなるため、低温定着性が低下する。特に、高速プリンターにおいては、トナーが定着ニップを通過する時間が短くなるため、低温定着性は悪化しやすい。一方、Eが40.0質量部より大きい場合、非晶性ワックス成分が増加することで、阻止層による熱にさらされた場合、ワックスがトナー粒子表面に染み出しくることを抑制出来ず、極低温環境におけるクリーニング性が悪化する傾向がある。
結着樹脂100質量部に対して、脂肪酸金属塩の含有量をF(質量部)としたとき、F/Eが0.0014未満の場合、脂肪酸金属塩量がワックスの結晶化に必要な必要最低限未満になるため、ワックスの結晶化度が低下する。この結果、非晶性ワックス成分が増加することで、阻止層による熱にさらされた場合、ワックスがトナー粒子表面に染み出しくることを抑制出来ず、極低温環境におけるクリーニング性が悪化する傾向がある。一方、F/Eが0.026より大きい場合には、脂肪酸金属塩が必要以上に含有されているため、一部の脂肪酸金属塩が結着樹脂を可塑し、ワックスと共にトナー表層に染み出してくる。その結果、ドラム上の融着物を発生させ、極低温環境におけるクリーニング性が悪化する傾向がある。
本発明のトナー粒子は、着色剤を含有してもよい。該着色剤としては、従来知られている種々の染料や顔料などが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
イエロー着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー74、93、95、109、111、128、155、174、180、185などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレット19などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66などが挙げられる。
本発明において水系媒体中でトナーを製造する場合、磁性粉体表面を疎水化処理することが非常に好ましい。乾式にて表面処理をする場合、洗浄・ろ過・乾燥した磁性粉体にカップリング剤処理を行う。湿式にて表面処理を行う場合、酸化反応終了後、乾燥させたものを再分散させる、又は酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄体を乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させ、カップリング処理を行う。本発明においては、乾式法及び湿式法どちらも適宜選択出来る。
本発明における磁性粉体の表面処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、一般式(6)で示される部分構造を有する有機ケイ素重合体である。
R−Si(O1/23・・・(6)
(式(6)中のRは炭素数1以上10以下のアルキル基又はフェニル基)
本発明においては、一般式(6)のRがアルキル基であるものが好ましく用いることが出来る。中でも好ましいのは、炭素数1以上18以下のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数4以上10以下のアルキル基である。
上記シランカップリング剤を用いる場合、単独で処理する、或いは複数の種類を併用して処理することが可能である。複数の種類を併用する場合、それぞれのカップリング剤で個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。
用いるカップリング剤の総処理量は磁性粉体100質量部に対して0.9質量部以上3.0質量部以下であることが好ましく、磁性粉体の表面積、カップリング剤の反応性等に応じて処理剤の量を調整する。
本発明では、磁性粉体以外に他の着色剤を併用しても良い。併用し得る着色剤としては、上記した公知の染料及び顔料の他、磁性又は非磁性の無機化合物が挙げられる。具体的には、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、又はこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金。ヘマタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げられる。これらもまた、表面を処理して用いることが好ましい。
本発明のトナーに用いられる脂肪酸金属塩としては、特段の制限なく従来公知の脂肪酸金属塩を用いることができる。具体的には以下のモンタン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム等に代表される飽和脂肪酸と1価の金属からなる脂肪酸金属塩;ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、モンタン酸カルシウム等に代表される飽和脂肪酸と2価の金属からなる脂肪酸金属塩;ステアリン酸アルミニウム等に代表される飽和脂肪酸と3価の金属からなる脂肪酸金属塩;12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛に代表されるヒドロキシル基で修飾された脂肪酸と2価の金属からなる脂肪酸金属塩;12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等に代表されるヒドロキシル基で修飾された脂肪酸と3価の金属からなる脂肪酸金属塩;オレイン酸リチウム等に代表される不飽和脂肪酸と1価の金属からなる脂肪酸金属塩;オレイン酸亜鉛等に代表される不飽和脂肪酸と2価の金属からなる脂肪酸金属塩;オレイン酸アルミニウム等に代表される不飽和脂肪酸と3価の金属からなる脂肪酸金属塩等が挙げられる。
上記記載の脂肪酸金属塩の中でも、2価または3価の金属と飽和脂肪酸からなる脂肪酸金属塩であることが好ましい。上記記載の脂肪酸金属塩は、2価または3価の金属と飽和脂肪酸を有することで脂肪酸金属塩自体の疎水性を高めることができ、脂肪酸金属塩とワックスの相溶性を向上させることができる。この結果、トナー中の脂肪酸金属塩の含有量を減らしたとしても、脂肪酸金属塩の核剤効果により、ワックスの結晶化度を高めることができるようになる。この結果、ワックスの非晶性成分の染み出しを抑制され、極低温環境下での長期使用時にもクリーニング不良の発生を抑制できる。
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、特段の制限なく従来公知のワックスを用いることができる。具体的には、以下の;ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル等に代表される単官能エステルワックス類;セバシン酸ジベヘニル、ヘキサンジオールジベヘネート等に代表される二官能エステルワックス類;グリセリントリベヘネート等に代表される三官能エステルワックス類;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート等に代表される四官能エステルワックス類;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート等に代表される六官能エステルワックス類;ポリグリセリンベヘネート等に代表される多官能エステルワックス類;カルナバワックス、ライスワックス等に代表される天然エステルワックス類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ラウリン酸アミド等に代表されるアミドワックス類;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;長鎖脂肪酸等が挙げられる。
本発明に用いられるワックスは、上記ワックスの中でも、2価以上3価以下のアルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、或いは、2価以上3価以下のカルボン酸と脂肪族アルコールのエステルを含有することが好ましい。また、ワックス及び結着樹脂の溶解度パラメーターをSP1、SP2とし、ワックスの重量平均分子量をMwとしたときに、SP1、SP2、及びMwが下記式(7)の関係を満たすことが好ましい(但し、溶解度パラメーターの単位は(cal/cm31/2である)。
450≦(SP1−SP2)2×Mw≦780 ・・・・式(7)
上記式(7)の関係を満たすワックスを用いることにより、結着樹脂へのワックスの相溶性を向上させることができる。この結果、定着ニップを通過する時間が短くなる高速機においても、ワックスが結着樹脂を可塑化することができるため、低温定着性を向上させることができる。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、特段の制限なく従来公知の樹脂を用いることができる。具体的には、以下の;ビニル系樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用できる。なお、ビニル系樹脂としてはスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等に代表されるスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等に代表される不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等に代表される不飽和カルボン酸;マレイン酸等に代表される不飽和ジカルボン酸;マレイン酸無水物等に代表される不飽和ジカルボン酸無水物;アクリロニトリル等に代表されるニトリル系ビニル単量体;塩化ビニル等に代表される含ハロゲン系ビニル単量体;ニトロスチレン等に代表されるニトロ系ビニル単量体;等の単量体の単重合体または共重合体を用いることができる。中でも、トナー中でのワックス、及び脂肪酸金属塩の分散性を考慮すると、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。結着樹脂としてビニル系樹脂、ポリエステル樹脂を用いることで、脂肪酸金属塩がワックス中に分散しやすくなり、トナーの定着ニップ内におけるシャープメルト化を維持しつつ、ワックスの結晶化度を高めることができる。この結果、低温定着性を悪化させずに、極低温環境下での長期使用時にもクリーニング不良の発生を抑制できる。
本発明のトナーは、非晶性ポリエステル樹脂を含有していてもよく、非晶性ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はその両者を適宜選択して使用することが可能である。
本発明に使用される非晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分と酸成分から生成さ
れる通常のものが使用でき、両成分については以下に例示する。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、また下記(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;下記(B)式で示されるジオール類等が挙げられる。
Figure 2021033156
(式(A)において、Rは、エチレン又はプロピレン基である。x及びyは、それぞれ0以上の整数である。ただし、x+yの平均値は0以上10以下である。なお、プロピレン基は1,2−プロパンジオール由来の官能基である。)
Figure 2021033156
(式(B)において、R’は、上記(B1)〜(B3)のいずれかである。x’及びy’は、0以上の整数である。ただし、x’+y’の平均値は0以上10以下である。)
本発明において、非晶性ポリエステル樹脂Aは、式(A)のビスフェノール及びその誘導体が反応性の観点から好ましく、より好ましくは、式(A)のビスフェノール及びその誘導体のうちx+yの平均値が1以上4以下である化合物である。
非晶性ポリエステル樹脂の調製で用いることができる三価以上のアルコールとして、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
非晶性ポリエステル樹脂の調製で用いることができる二価のカルボン酸として、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類又はアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。本発明においては、ハンドリング性や反応性の観点から、テレフタル酸、イソフタル酸等のようなベンゼンジカルボン酸類が好適に用いられる。
非晶性ポリエステル樹脂の調製で用いることができる三価以上の多価カルボン酸成分として、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;下記式(C)
Figure 2021033156
(式(C)において、Xは、アルキレン基又はアルケニレン基を表す。ただし、Xは、炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5以上30以下の置換基である。)
で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。本発明においては反応性や樹脂酸価の調整し易さの点から、トリメリット酸が好適に用いられる。
さらに、アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの如き多価アルコールが挙げられ、酸成分としてトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
本発明のトナーは、懸濁重合法を利用して製造することができる。懸濁重合法は、水とトナー材料との極性のバランスを利用して、トナー表面近傍におけるワックスと脂肪酸金属の存在状態を容易に制御することができる。そのため懸濁重合法は、トナー中のワックスの分散性、及びワックスの結晶化度を良好なものとするという点で、より好ましい形態である。以下に懸濁重合法を利用したトナー製造方法について詳細を説明する。
本発明のトナーはトナー粒子が懸濁重合トナー粒子であり、トナー粒子が非晶性ポリエステル樹脂を含有し、非晶性ポリエステル樹脂の酸価が3.0mgKOH/g以上30.0mgKOH/g以下であることが好ましい。水系媒体中でトナー粒子を形成する懸濁重合法では、疎水性の高いワックスをトナー粒子に内包化しやすくなるため、ワックスのトナー表層への染み出しを抑制することができる。さらに、非晶性ポリエステル樹脂の酸価を上記範囲内にすることで、懸濁重合法の水系媒体中でトナー粒子を形成する工程において、非晶性ポリエステル樹脂がトナー粒子表層を均一に被覆できるため、ワックスのトナー表層への染み出しを抑制することができる。この結果、極低温環境下での長期使用時にもドラム融着を抑制し、クリーニング不良の発生を抑制できる。
本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹脂は、下記式(8)で示されるイソソルビドユニットを、非晶性ポリエステル樹脂を構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上30.00mol%以下含有することが好ましい。なお、「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
Figure 2021033156
式(8)のイソソルビドユニットを有する非晶性ポリステル樹脂は、ワックスとの親和性が低く、トナー表層へのワックスの染み出しをより一層抑制することができると考えられる。式(8)のイソソルビドユニットは、従来から使用されるアルコールモノマー(例えば、ビルフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド付加物)よりも酸素原子が外側を向いていることから分極しやすい構造であると考えられる。式(8)のユニットが、非晶性ポリエステル樹脂中に上記範囲内含有されていると、上述した分極によりワックスとの親和性が低下し、ワックスの染み出しを抑制できることで、極低温環境下で長期間使用した際にも、ドラム融着の発生を抑え、クリーニング性を良好に保つことができる。
本発明において、式(8)のイソソルビドユニットを構成成分として含む非晶性ポリエステル樹脂は、二価のカルボン酸又はその無水物と、下記式(9)で示されるイソソルビド及び二価のアルコールとを縮合させることで調製される。具体的には、カルボキシル基が残存する組成比率で、窒素雰囲気中、180〜260℃の反応温度で脱水縮合する方法などにより調製することができる。また、必要に応じて下記式(9)のイソソルビド以外の一価又は二価以上のアルコールを併用してもよい。前記二価のアルコールとしては、上記記載の材料を用いることができる。また、一価や、三価以上のカルボン酸成分又はその無水物などを用いてもよい。前記記載の一価、二価、三価カルボン酸としては、上記記載の材料を用いることができる。
Figure 2021033156
本発明のトナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。該荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体、スルホン酸基、スルホン酸塩基、又は、スルホン酸エステル基を有するスルホン酸樹脂。
具体的には、負帯電用荷電制御剤として以下のものが挙げられる。
サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などに代表される芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体;アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなど。
一方、正帯電用荷電制御剤としては以下のものが挙げられる。
四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物など。
これらのうち、負帯電用荷電制御剤を用いることが多い。
また、該スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸などに代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体又は他のビニル系モノマーと該スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体などが挙げられる。
該荷電制御剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上10.0質量部以下であることがより好ましい。
該トナーは、画質向上の観点より、トナー粒子に外添剤が添加されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子、及び酸化アルミニウム微粒子のような無機微粒子が挙げられる。
該無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
外添剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
以下に、本発明のトナー粒子の製造方法として懸濁重合法について詳細を説明するが、これに限定されるわけではない。
(重合性単量体組成物Aの調製工程)
重合性単量体組成物Aの調製工程として、非晶性ポリエステル樹脂、ワックス、脂肪酸金属塩、及び重合性単量体を含有する重合性単量体組成物Aを作製する工程を有することが好ましい。重合性単量体組成物Aの調製工程において、温度、及び撹拌動力を調整することにより、脂肪酸金属塩、及びワックスの分散性を制御することができる。
また、上記記載の材料以外、必要に応じて着色剤、及び荷電制御剤などの他の成分を混合し、重合性単量体組成物を調製してもよい。なお、着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体又は有機溶媒中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(重合性単量体組成物Aの粒子の造粒工程)
重合性単量体組成物Aの粒子の造粒工程として、水系媒体中に重合性単量体組成物Aを添加し、水系媒体中に重合性単量体組成物Aの粒子が分散された分散液Bを作製する工程を有することが好ましい。重合性単量体組成物Aの粒子の造粒工程において、温度、分散安定剤の種類を適切に選択することで、脂肪酸金属塩、及びワックスの分散性を制御することができる。
造粒工程で用いる分散安定剤としては、公知の界面活性剤や有機分散剤、無機分散剤を使用することができる。これらの中でも無機分散剤は重合温度や時間経過によっても安定性が崩れにくく、洗浄も容易でトナーに影響を与えにくいため、好適に使用することができる。
該無機分散剤としては、以下のものが挙げられる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛のようなリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのような炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのような無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム;シリカ、ベントナイト、アルミナのような無機酸化物。
該無機分散剤は、重合終了後に酸又はアルカリを加えて溶解することにより、ほぼ完全に取り除くことができる。
(重合工程)
重合工程として、分散液Bに重合開始剤を添加して、分散液B中に含まれる前記重合性単量体Aを重合し、水系媒体中にトナー粒子が分散された分散液Cを作成する工程を有することが好ましい。反応工程において、反応温度を調整することにより、分散液B中に含有される重合性単量体Aを短時間で重合することができ、結着樹脂の分子量を制御できる。
重合温度は、40℃以上であることが好ましく、50℃以上90℃以下であることがより好ましい。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。重合工程では温度調整可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。撹拌に用いられる撹拌翼は樹脂粒子分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いてもよい。
(揮発成分の除去工程)
重合工程が終了した分散液Cから未反応の重合性単量体などを除去するために、揮発成分除去工程を行ってもよい。揮発成分の除去工程は、分散液Cを撹拌手段が設置された撹拌槽で加熱、撹拌することによって行う。揮発成分の除去工程の加熱条件は、重合性単量体など除去したい成分の蒸気圧を考慮し適宜調節される。具体的には、分散液Cをワックスの融点もしくは着色粒子のガラス転移温度Tg(℃)のいずれか高い方の温度より高い温度TA(℃)とする。また、揮発成分の除去工程は常圧又は減圧下で行うことができる。
(冷却工程)
冷却工程として、揮発成分除去工程が終了した分散液Cを次の工程に送る前に液温を下げるために冷却工程を行うことが好ましい。冷却工程の条件によってワックスのドメイン中に結晶核を形成することができ、ワックスの存在状態を変化させることができる。冷却の条件は、冷却開始温度、冷却速度、冷却終了温度によって決めることができる。
冷却開始温度としては、分散液Cを、ワックスの冷結晶化ピーク温度、脂肪酸金属塩の冷結晶化ピーク温度もしくはトナー粒子のガラス転移温度のいずれか高い方の温度より高い温度Ta(℃)で保持する工程を有することが好ましい。冷却開始温度をこの範囲に制御することで、トナー粒子中にワックス、及び脂肪酸金属塩をトナー粒子中に溶解させておくができ、ワックス、及び脂肪酸金属塩の分散性を向上させることができる。メイン中に結晶核が生成しやすく、ワックスのドメインの数を増やすことができる。
また、冷却速度と冷却終了温度としては、分散液Cを、40.0℃/分以上の冷却速度で、トナー粒子のTg(℃)以下の温度まで冷却する工程を有することが好ましい。
冷却速度が上記範囲内であると、冷却に伴う結着樹脂の硬化が十分に速いため、ワックスのドメイン中に結晶核が生成しやすく、ワックスのドメイン径を小径化することができる。また、冷却終了温度を、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)以下とすると、結着樹脂の硬化によりワックスのドメインの成長を抑制することができる。
(アニール工程)
冷却工程を経た分散液Cを、ワックスの結晶化を促進するためにアニール工程を行うとよい。アニール工程において、冷却工程で形成した結晶核を中心にワックスの結晶化度を高めることができる。このため、脂肪酸金属塩も冷却工程でワックスとの界面に形成した結晶核を中にワックスの結晶化度を向上させる。
アニールの条件は、アニール温度、アニール時間によって決めることができる。アニール温度、及びアニール時間としては、分散液Cを、Tg−10℃以上Tg+10℃以下の温度領域に、30分間以上保持する工程を有することが好ましい。
(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、分散液Cを酸又はアルカリで処理してもよい。トナー粒子から分散安定剤を除去した後、一般的な固液分離法によりトナー粒子を水系媒体と分離するが、酸又はアルカリ、及びそれらに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加してトナー粒子を洗浄することが好ましい。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得ることができる。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥してもよい。
得られたトナー粒子の重量平均粒子径は3μm以上10μm以下であることが好ましく、4μm以上8μm以下であることがより好ましい。トナー粒子の重量平均粒子径は、造粒工程に用いる分散安定剤の添加量により制御することができる。
(外添工程)
得られたトナー粒子に対して、流動性や帯電性、耐ケーキング性などを向上させる目的で、外添剤を添加してもよい。外添工程は、外添剤とトナー粒子を、高速回転する羽根を備えた混合装置に入れ、十分混合することによって行う。
以下に、本発明で規定する各物性値の計算方法及び測定方法を記載する。
<溶解度パラメータ(SP値)の計算方法>
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorsの式(10)を用いて求める。
下記Δei、及び、Δviの値は、「コーティングの基礎科学、54〜57頁、1986年(槇書店)の表3−9に記載された、原子及び原子団の蒸発エネルギーとモル体積(25℃)」を参考にする。
なお、SP値の単位は、(cal/cm31/2であるが、1(cal/cm31/2=2.046×103(J/m31/2によって(J/m31/2の単位に換算することができる。
δi=(Ev/V)1/2=(Δei/Δvi)1/2 式(10)
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子又は原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子又は原子団のモル体積
<ワックスの重量平均分子量(Mw)の測定方法>
ワックスの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下のようにして測定する。
まず、室温で、ワックスAをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連[昭和電工(株)製]
溶離液:THF
流速:0.6mL/min
オーブン温度:40℃
試料注入量:0.020mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成された分子量校正曲線を使用する。
<重量平均粒子径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒子径(D4)は、以下のようにして測定する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子10mgを少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒子径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒子径(D4)である。
<走査透過型電子顕微鏡におけるトナー断面の観察>
トナー中でのワックスの存在状態は、走査透過型電子顕微鏡を用い、トナーの断面を観察することにより確認する。
走査透過型電子顕微鏡を用いたトナーの断面画像において、ワックスはドメインとして観察される。このワックスのドメインの個数及び形状を計測することにより、ワックスの存在状態を特定する。
トナーの断面の観察手順は以下の通りである。
トナーを可視光硬化性包埋樹脂(D−800、日新EM社製)で包埋し、超音波ウルトラミクロトーム(UC7、ライカ社製)により70nm厚に切削した。
得られた薄片サンプルのうち、トナー断面の直径がトナー粒子の重量平均粒径(D4)±2.0μm以内のものを任意に10個選択する。
選択された薄片サンプルを、真空染色装置(VSC4R1H、フィルジェン社製)を用いて、RuO4ガス500Pa雰囲気で15分間染色し、走査透過型電子顕微鏡(JEM2800、JEOL社)の走査像モードを用いて、STEM画像を作成する。
STEMのプローブサイズは1nm、画像サイズ1024×1024pixelにて画像を取得した。また、明視野像のDetector ControlパネルのContrastを1425、Brightnessを3750、Image ControlパネルのContrastを0.0、Brightnessを0.5、Gammmaを1.00に調整して、STEM画像を取得する。
得られたSTEM画像は、画像処理ソフト「Image−Pro Plus (Media Cybernetics社製)」にて2値化(閾値120/255段階)を行い、ワックスのドメインと結着樹脂の領域の区別を明確化する。
2値化の閾値を210とした場合に白く見える部分がワックスのドメインである。
<ワックスドメイン面積および存在比の測定>
トナー断面のワックスドメインの面積測定は、該トナーについて、TEM観察によって得られた画像(明視野像)を、画像処理ソフト「Image−Pro Plus (Media Cybernetics社製)」にて2値化(閾値120/255段階)を行い、ワックスのドメインと結着樹脂の領域の区別を明確化する。2値化の閾値を210とした場合に白く見える部分がワックスのドメインである。
同様にして特定の領域内のワックスドメイン面積を算出し、トナー断面における、該ワックスドメイン面積の総和で除することで、特定の領域内に存在するワックスドメインの存在比を求める。
<面積比率E1、E2の測定>
透過型電子顕微鏡(TEM)で観察されるトナーの断面における、磁性体の表面偏在度の測定方法は、以下の通りである。
まず、得られたTEM像に対し、画像処理ソフト「ImageJ」(https://imagej.Nih.gov/ij/より入手可能)を用いて、2値化する。その後、断面の2値化像から円相当径(投影面積円相当径)を求め、その値がトナーの個数平均粒径(D1)(μm)の±5%の幅に含まれるものとする。
該当する粒子のTEM像から、「ImageJ」を用いて、測定に必要な部位以外をマスクし、トナー輪郭内部における、マスクされていない領域の面積と、マスクされていない領域に存在する磁性体の総面積とを算出する。この手法について、E1を例に具体的に述べる。
まず、取得したトナー輪郭のTEM画像(以下、画像1と記載)の輪郭および、内部が白、それ以外の背景にあたる部分が黒になる様に、2値化する(以下、画像2と記載)
次に、マスクの倍率を算出する為、画像1において、単位画素数あたりの長さを算出する。次に、算出した値から、トナー輪郭表面から領域Eの境界線までの距離である200nmが何ピクセルにあたるかを算出する(以下、x1と記載)。同様に、前述の手法用いて測定したトナー粒径が何ピクセルに当たるかを算出する(以下、x2と記載)。そして、マスクの倍率Mを(x1−x2)/x1より算出する。
次に、画像2を、算出された倍率Mに縮小する(縮小された画像を画像3と記載)この際、トナー輪郭、および内部は、画像2とは異なり、黒、それ以外の背景にあたる部分は白になる様に(透明になる様に)設定しておく。
次に、画像2と画像3を足し合わせる。この際「ImageJ」の機能である「Image Calculator」を用いて画像2と画像3を足し合わせ、図3に示したような、トナー輪郭から、トナー銃身に向かって200nmまでの領域が白く、その他の部位が黒い、画像4を作成する。この画像4における白い領域の面積S1を測定する。
次に、作成した画像4と前述のTEM画像を、同様に「Image Calculator」を用いて足し合わせ、測定部位以外をマスクした画像5を作成する。この画像5を2値化し、マスク内部の磁性体面積S2を測定する。
最後に、領域Eにおける磁性体の占める面積率E1をS2/S1により算出する。
以上の手順を
面積率E2においては、上記領域を200nmから400nmに変更し、その他は同様の手順で算出する。
<トナーのヘキサン可溶分の含有量B1.5、及びB3の測定方法>
トナー約1.5gを精秤(X1[g])し、予め精秤した円筒濾紙(商品名:No.86R、サイズ28×100mm、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。
溶媒としてn−ヘキサン200mLを用いて1.5時間抽出する。その際に溶媒の抽出サイクルが約5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、円筒ろ紙を取り出して風乾した後、50℃で24時間真空乾燥し、抽出残分を含む円筒濾紙の質量を秤量し、円筒濾紙の質量を差し引くことにより、抽出残分の質量(X2[g])を算出する。
次に、樹脂以外の成分の含有量(X3[g])を以下の手順で求める。
予め秤量した30mLの磁性るつぼに約2gのトナーを精秤(Xa[g])する。
磁性るつぼを電気炉に入れ、約900℃で約3時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、焼却残灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより焼却残灰分(Xb[g])を算出する。
そして、下記式(A)により、試料X1[g]中の焼却残灰分の質量(X3[g])を算出する。
X3=X1×(Xb/Xa) (A)
この場合、トナー中のn−ヘキサン可溶分の含有量B1.5は、下記式(B)で求められる。
トナー中のヘキサン可溶分の含有量(質量%)=
{1−(X2−X3)/(X1−X3)}×100 (B)
トナー中のn−ヘキサン可溶分の含有量B3は、上記ソックスレー抽出時間を3時間にする以外は同様の操作を行うことで、求めることができる。
<脂肪酸金属塩の含有量が最も多い炭素鎖長成分の測定方法>
脂肪酸金属塩の含有量が最も多い炭素鎖長成分の含有量は、高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
具体的な手法としては、脂肪酸金属塩0.01gをゲルクロマトグラフ用のo−ジクロロベンゼンに、特級2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10wt/vol%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンにワックスと上記のBHTを添加したo−ジクロロベンゼンとを入れ、135℃に設定した恒温槽で加熱し、脂肪酸金属塩を溶解する。得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
[分析条件]
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器:高温用RI
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度:135.0℃
溶媒:ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン(BHT 0.10wt/vol%添加)
流速:1.0ml/min
注入量:0.4ml
ワックスの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<ヘキサン抽出分中の脂肪酸金属塩の含有量の測定方法>
ヘキサン抽出分中の脂肪酸金属塩の含有量については、ヘキサンを用いたソックスレー抽出を行った後、ソックスレー抽出により得られたヘキサン抽出分を高温GPCで測定することにより算出することができる。
(1)ヘキサンを用いたトナーのソックスレー抽出
上記「トナーのヘキサン可溶分の含有量B1.5、及びB3の測定方法」に記載された通り、ヘキサンを用いて1.5時間ソックスレー抽出を行い、ソックスレー抽出器に残ったヘキサンをヘキサン抽出物として全量回収する。
(2)ヘキサン抽出物中に含有される脂肪酸金属塩の含有量の測定方法
(1)で得られたヘキサン抽出物をサンプル溶液として、上記「脂肪酸金属塩の含有量が最も多い炭素鎖長成分の測定方法」に記載された通り高温GPCで測定する。
<脂肪酸金属塩の冷結晶化ピーク温度、及びワックスの冷結晶化ピーク温度、トナーのガラス転移温度の測定方法>
脂肪酸金属塩の冷結晶化温度、ワックスの冷結晶化温度、及びトナーのガラス転移点温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。
測定温度範囲を−10℃〜200℃とし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
なお、測定においては、一度、−10℃から200℃まで昇温速度10℃/minで昇温し、続いて200℃から−10℃まで降温速度10℃/minで降温する。
その後、−10℃から200℃まで昇温速度10℃/minで再度昇温を行う。
冷結晶化ピーク温度は、該1度目の降温時の温度200℃から10℃の範囲におけるDSC曲線から得る。
該1回目の降温時のDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後をベースラインとして、もっともピーク高さが高い温度を試料の冷結晶化ピーク温度とする。
ガラス転移温度は、該2度目の昇温時の温度20℃から100℃の範囲におけるDSC曲線から得る。
該2回目の昇温時のDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線とDSC曲線との交点における温度(℃)を、トナーのガラス転移温度とする。
<非晶性ポリエステル樹脂の酸価の測定方法>
非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、以下の操作により求められる。基本操作はJIS K0070に属する極性樹脂の酸価は以下の方法により測定することができる。
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。樹脂の酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定した。具体的には、以下の手順に従って測定した。
(1−1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて液量を100mlとすることで、フェノールフタレイン溶液を得た。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて液量を1lとした。次に、この溶液を炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得た。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管した。なお、前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/lの塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定したときに、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求めた。このとき用いた0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いた。
(1−2)操作
(A)本試験
粉砕した樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解させる。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(1−3)
得られた結果を下記式(11)に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S (11)
式(11)において、Aは、酸価(mgKOH/g)を表し、Bは、空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)を表し、Cは、本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)を表す。fは、水酸化カリウム溶液のファクターを表し、Sは、試料の量(g)を表す。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。なお、実施例において部は、特に断りのない限り質量基準である。
(脂肪酸金属塩1〜4の製造例)
脂肪酸金属塩1〜4として表1に記載の脂肪酸金属塩を用意した。
Figure 2021033156
(ワックス1の製造例)
・ステアリン酸 100.00部
・エチレングリコール 48.00部
・p−トルエンスルホン酸 0.50部
還流下にて上記材料を加え、6時間120℃にてエステル化反応を進行させた。この間、生成する水はトルエン/水共沸にて系中より除いた。反応終了後にp−トルエンスルホン酸を、炭酸水素ナトリウムを用いて中和した。得られた溶液をエバポレーションすることでトルエンを除去した。生成物を90℃に加熱後セライトろ過することによりp−トルエンスルホン酸ナトリウムを除去し、ワックス1を得た。ワックス1の融点、冷結晶化ピーク温度を表2に示した。
(ワックス2〜4の製造例)
ワックス1の製造例において、使用する酸モノマー、アルコールモノマーの種類、量を表1に記載の通り変更する以外はワックス1の製造例と同様にしてワックス2〜4を得た。ワックス2〜4の融点および冷結晶化ピーク温度を表2に示した。
Figure 2021033156
(磁性酸化鉄の製造例)
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を行い、コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過・洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させ、リスラリーした。このリスラリー液に、コア粒子100部あたり珪素換算で0.20質量%となる珪酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することで珪素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過、洗浄、更にイオン交換水にてリスラリーを行った。このリスラリー液(固形分50g/L)に500g(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去し、フィルタープレスにてろ過・洗浄し、乾燥・解砕して個数平均径が0.23μmの磁性酸化鉄を得た。
(磁性体1の製造例)
デシルトリメトキシシラン20部をイオン交換水80部に対して撹拌しながら滴下して水溶液を調製した。その後、この水溶液のpHを6.2とし、温度61℃に保持ながら、ディスパー翼を用いて0.46m/sで3時間分散させて加水分解を行うことで、加水分解物を含有する水溶液であるシラン化合物を得た。
磁性酸化鉄(100部)をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社(旧三井三池化工機(株))に入れた後、回転速度34.5m/sで未処理磁性体を分散させた状態で、シラン化合物(3.8部)を噴霧させながら加えた。次に、そのまま10分間分散させた後、シラン化合物が吸着した磁性体を取り出し、160℃で2時間静かに置いた状態で処理後磁性体を乾燥すると共にシラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過させた磁性体を磁性体1として得た。得られた磁性体1の詳細を表3に示す。
(磁性体2の製造例)
メチルトリメトキシシラン20部をイオン交換水80部に対して撹拌しながら滴下して水溶液を調製した。その後、この水溶液のpHを5.3とし、温度40℃に保持ながら、ディスパー翼を用いて0.46m/sで100分分散させて加水分解を行うことで、加水分解物を含有する水溶液であるシラン化合物を得た。
磁性酸化鉄(100部)をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社(旧三井三池化工機(株))に入れた後、回転速度34.5m/sで未処理磁性体を分散させた状態で、シラン化合物(3.8部)を噴霧させながら加えた。次に、そのまま10分間分散させた後、シラン化合物が吸着した磁性体を取り出し、160℃で2時間静かに置いた状態で処理後磁性体を乾燥すると共にシラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過させた磁性体を磁性体2として得た。得られた磁性体2の詳細を表3に示す。
(磁性体3の製造例)
iso−ブチルトリメトキシシラン30部をイオン交換水70部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.5、温度55℃に保持し、ディスパー翼を用いて、周速0.46m/sで120分間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうしてシラン化合物を含有する水溶液を得た。
磁性酸化鉄の100部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製 LFS−2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、シラン化合物を含有する水溶液8.0部を2分間かけて滴下した。その後5分間混合・撹拌した。次いで、シラン化合物の固着性を高めるために、40℃で1時間乾燥し、水分を減少させた後に、混合物を110℃で3時間乾燥し、シラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通して磁性体3を得た。得られた磁性体3の詳細を表3に示す。
(磁性体4の製造例)
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.00から1.10当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.15質量%となる量のP25、鉄元素に対して珪素元素換算で0.50質量%となる量のSiO2を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを8.0とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.90から1.20当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH7.6に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌すると共にスラリーを循環させながらピンミルにて再分散させ、再分散液のpHを約4.8に調整する。そして、撹拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を磁性酸化鉄100部に対し1.4部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、撹拌を十分行い、分散液のpHを8.6にして表面処理を行った。生成した疎水性磁性体をフィルタープレスにてろ過し、多量の水で洗浄した後に100℃で2時間乾燥し、得られた粒子を解砕処理して体積平均粒径が0.26μmの磁性体4を得た。得られた磁性体4の詳細を表1に示す。
(磁性体5の製造例)
ドデシルトリメトキシシラン20部をイオン交換水80部に対して撹拌しながら滴下して水溶液を調製した。その後、この水溶液のpHを6.2とし、温度61℃に保持ながら、ディスパー翼を用いて0.46m/sで3時間分散させて加水分解を行うことで、加水分解物を含有する水溶液であるシラン化合物を得た。
磁性酸化鉄(100部)をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社(旧三井三池化工機(株))に入れた後、回転速度34.5m/sで未処理磁性体を分散させた状態で、シラン化合物(3.8部)を噴霧させながら加えた。次に、そのまま10分間分散させた後、シラン化合物が吸着した磁性体を取り出し、160℃で2時間静かに置いた状態で処理後磁性体を乾燥すると共にシラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過させた磁性体を磁性体5として得た。得られた磁性体5の詳細を表3に示す。
Figure 2021033156
(非晶性ポリエステル樹脂の製造例)
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、テレフタル酸40mol%、トリメリット酸10mol%、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物50mol%を入れた後、触媒としてジブチル錫をモノマー総量100部に対して1.5部添加した。次いで、窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した後、180℃から210℃まで10℃/時間の速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行った。210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、210℃、5kPa以下の条件下にて重縮合を行い、非晶性ポリエステル樹脂を得た。その際、得られるポリエステル樹脂の軟化点が120℃となるように重合時間を調整した。
<磁性トナー1の製造例>
下記の手順によってトナー粒子、トナーを製造した。
(第一水系媒体の調製)
イオン交換水353.8部にリン酸ナトリウム12水和物2.9部を投入してTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)を用いて撹拌しながら60℃に加温した後、イオン交換水11.7部に塩化カルシウム2水和物1.7部を添加した塩化カルシウム水溶液と、イオン交換水15.0部に塩化マグネシウム0.5部を添加した塩化マグネシウム水溶液を添加して撹拌を進め、分散安定剤Aを含む第一水系媒体を得た。
(重合性単量体組成物の調製)
・スチレン 75.0部
・n−ブチルアクリレート 25.0部
・1−6ヘキサンジオールジアクリレート 0.5部
・磁性体1 95.0部
・ポリエステル樹脂 5.0部
・脂肪酸金属塩1 0.10部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株)製)を用いて均一に分散混合した後、60℃に加温し、そこにエステルワックスとしてワックス1(融点76℃)25.0部、炭化水素ワックスとしてパラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP−9)10.0部を添加混合し、溶解して重合性単量体組成物を得た。
(第二水系媒体の調製)
イオン交換水166.8部にリン酸ナトリウム12水和物0.6部を投入してパドル撹拌翼を用いて撹拌しながら60℃に加温した後、イオン交換水2.3部に塩化カルシウム2水和物0.3部を添加した塩化カルシウム水溶液を添加して撹拌を進め、分散安定剤Bを含む第二水系媒体を得た。
(造粒)
上記第一水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、この造粒液を、キャビトロン(ユーロテック社製)を用いて、回転子の周速を29m/sにて1時間処理を行い、均一に分散混合した。更に重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート7.0部を投入し、60℃、N2雰囲気下においてクレアミックス(エムテクニック社製)にて周速22m/sで10分間撹拌しながら造粒し、重合性単量体組成物の液滴を含む造粒液を得た。
(重合/蒸留/乾燥/外添)
上記第二水系媒体中に上記造粒液を投入し、パドル撹拌翼で撹拌しながら74℃で3時間反応させた。反応終了後、98℃に昇温して3時間蒸留させ反応スラリーを得た。その後、冷却工程として、反応スラリーに0℃の水を投入し、50℃/分の速度で反応スラリーを98℃から45℃まで冷却した後、更に昇温して55℃で3時間保持した。その後、25℃まで室温で放冷した。放冷した反応スラリーを、塩酸を加えて洗浄し、濾過・乾燥して、重量平均粒径が7.4μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に対して、下記材料をヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製FM−10型)で混合して、トナー1を得た。
・ヘキサメチルジシラザン25質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径20nmの疎水性シリカ微粒子 0.5部
・ヘキサメチルジシラザン15質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径40nmの疎水性シリカ微粒子 0.5部
得られたトナー1の物性を表5に記載した。
<磁性トナー2〜16、18〜19、21、23〜38の製造例>
磁性トナー1の製造例において、表4に示すような材料構成および製造条件にした以外は、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー2〜16、21、23〜38を得た。得られた磁性トナーの物性を表5に示す。
<磁性トナー17の製造例>
磁性トナー1の製造例において、表4に示すような材料構成および製造条件にし、造粒工程を以下のように変更した以外は、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー17を得た。得られた磁性トナーの物性を表5に示す。
(造粒)
第一水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート7.0部を投入し、60℃、N2雰囲気下においてクレアミックス(エムテクニック社製)にて周速20m/sで10分間撹拌しながら造粒し、重合性単量体組成物の液滴を含む造粒液を得た。
<磁性トナー20の製造例>
磁性トナー1の製造例において、表4に示すような材料構成および製造条件にし、造粒工程を以下のように変更した以外は、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー20を得た。得られた磁性トナーの物性を表5に示す。
(造粒)
第一水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート7.0部を投入し、60℃、N2雰囲気下においてクレアミックス(エムテクニック社製)にて周速22m/sで10分間撹拌しながら造粒し、重合性単量体組成物の液滴を含む造粒液を得た。
<磁性トナー22の製造例>
磁性トナー1の製造例において、表4に示すような材料構成および製造条件にし、造粒工程を以下のように変更した以外は、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー22を得た。得られた磁性トナーの物性を表5に示す。
(造粒)
第一水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート7.0部を投入し、60℃、N2雰囲気下においてクレアミックス(エムテクニック社製)にて周速18m/sで10分間撹拌しながら造粒し、重合性単量体組成物の液滴を含む造粒液を得た。
<磁性トナー39の製造例>
下記に示される原材料を、ヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機(株))で予備混合した。
・ポリエステル樹脂 90.0部
・磁性体5 95.0部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 1.0部
・炭化水素ワックスHNP−51(日本精蝋社製) 10.0部
・ワックス4 25.0部
・脂肪酸金属塩4 1.0部
その後、回転数200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)により、混練物の出口付近における直接温度が150℃となるように設定温度を調節し、混練した。
得られた溶融混練物を冷却し、冷却された溶融混練物をカッターミルで粗粉砕した。その後、得られた粗粉砕物を、ターボミルT−250(ターボ工業社製)を用いて、フィード量を20kg/hrとし、排気温度が40℃になるようエアー温度を調整しながら微粉砕した。その後、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級することで、重量平均粒径(D4)が7.6μmである比較用磁性トナー粒子39を得た。
得られた比較用磁性トナー粒子39(100部)に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ1.0部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))にて外添を行ない、磁性トナー39を得た。得られた磁性トナーの物性を表5に示す。
Figure 2021033156
Figure 2021033156
〔実施例1〕
トナー1を以下のようにして評価した。評価結果を表6に示す。
特に記載がない場合は、評価紙はPB PAPER(キヤノンマーケティングジャパン社製、坪量66g/cm2、レター)を用いた。
また、評価機としては、HP LaserJet Enterprise M606dnをプロセススピード400mm/secとし、現像バイアスは調整できるよう改造したものを用いた。
<常温常湿下(23℃50%RH)での定着性評価>
上記改造機を用いて評価を行った。カートリッジのトナーを空にした後、トナー1をカートリッジに300g充填した。定着メディアにはFOX RIVER BOND紙(110g/m2)を用いた。
評価画像はライン画像とする。現像バイアスを振って画像部の反射濃度を高く設定することで画像上のトナー量を多くし、さらに比較的表面凹凸が大きい厚紙を用いることで、定着工程において紙の凹部やトナー層の下層部のトナーが溶融しにくくなるため、剥がれに対して厳しく評価できる。評価環境としても、低温であると定着器が暖まりにくく、厳しい評価となる。
評価手順を以下に示す。まず、画像形成装置を低温低湿環境(温度15℃湿度10%)下に一晩放置した。その後、FOX RIVER BOND紙を用いてライン幅が180μmになるよう、現像バイアスを調整した横線画像を印字する。さらに低温低湿環境において1時間放置した後に、横線画像に対してポリプロピレン製テープ(tesa社製、Klebeband 19mm×10mm)を張り付け、ゆっくり剥がした。剥がした後の画像を目視及び顕微鏡観察し、下記評価基準にて評価した。評価結果を表6に記載した。
A;欠損無し
B;目視でわかる欠損がなく、顕微鏡で観察した際に見られる欠陥が1〜5個所未満
C;目視でわかる欠損がなく、顕微鏡で観察した際に見られる欠陥が5個所以上
D;目視で認識できる欠損がある
E;目視で認識できる欠損があり、ラインの途切れがある
表6に記載された、定着性試験(テープ剥がし試験)の評価項目における( / )内の数字は以下を示す。
(顕微鏡で観察した際に見られる欠陥の数/目視で認識できる欠損の数)
尚、ラインの途切れは目視で認識できる欠損の数に含めるものとする。
<極低温環境(0℃30%RH)でのクリーニング性評価>
上記改造機を用いて評価を行った。
印字率が1.5%となる横線パターンを2枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンが一旦停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、上限を20,000枚として、クリーニング不良による画像端部の縦スジが発生するまで画出し試験を実施した。評価は極低温環境下(温度0℃、湿度30%RH)で行った。極低温環境下で行うことで、ニップ通過時の温度との温度差が広がり、ドラム融着によるクリーニング不良に対して、より厳しい評価を行うことができる。下記評価基準にて評価した。評価結果を表6に記載した。
A;初めてクリーニング不良による縦スジが発生するまでの画だし枚数が10,000〜20,000枚
B;初めてクリーニング不良による縦スジが発生するまでの画だし枚数が7,000〜10,000枚
C;初めてクリーニング不良による縦スジが発生するまでの画だし枚数が4,000〜7,000枚
D;初めてクリーニング不良による縦スジが発生するまでの画だし枚数が1,000〜4,000枚
E;初めてクリーニング不良による縦スジが発生するまでの画だし枚数が1,000枚未満
〔実施例2〜32、比較例1〜7〕
トナー1を表6に記載したトナーに変更する以外、実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表6に示す。
Figure 2021033156
11:トナー表面(輪郭線)、12:磁性体、13:(破線)輪郭表面から重心方向へ200nmの位置の境界線、14:(一点鎖線)輪郭表面から重心方向へ400nmの位置の境界線、15:トナー内部

Claims (8)

  1. 結着樹脂、磁性体、ワックス、脂肪酸金属塩を含有するトナー粒子を有する磁性トナーであって、
    走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナーの断面において、該トナーの該輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%未満の範囲における、該磁性体が占める面積比率をAとしたときに、Aが30%以上80%以下であり、
    走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナーの断面において、該ワックスのドメインが存在し、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の10%の深さから、該断面の輪郭から該輪郭と該断面の重心点間の距離の20%の深さの領域に、該ワックスドメインの総面積のうち、15面積%以上60面積%以下存在し、
    該トナー粒子のヘキサンを用いたソックスレー抽出において、1.5時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB1.5、3時間抽出したときのヘキサン可溶分に含有される該脂肪酸金属塩の量をB3としたとき、関係式(1)および関係式(2)を満たすことを特徴とする磁性トナー。
    0.01質量%≦B1.5≦0.08質量%・・・(1)
    0.01質量%≦B3−B1.5≦0.20質量%・・・(2)
  2. 該トナー粒子に含まれる、該磁性体がアルキル基で表面処理され、
    該磁性体の表面処理アルキル基の炭素数をC1、該脂肪酸金属塩を構成するアルキル基炭素数をC2としたとき、下記式(3)を満たす請求項1に記載の磁性トナー。
    C1<C2・・・(3)
  3. 走査透過型電子顕微鏡で観察される該トナーの断面において、該トナーの該輪郭から断面の重心点間の距離が200nm未満の範囲における、該磁性体が占める面積比率をD1とし、該トナー粒子の輪郭から断面の重心点間の距離が200nm以上400nm未満の範囲における、該磁性体が占める面積比率をD2とした際に、該面積比率D1が38%以上85%以下であり、該面積比率D2が0%以上37%以下であり、かつ、該面積比率D1とD2の比(D2/D1)が0以上、0.75以下である請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 該脂肪酸金属塩が、2価または3価の金属と飽和脂肪酸からなる脂肪酸金属塩である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁性トナー。
  5. 該ワックスの該トナー粒子の結着樹脂100質量部に対する添加量をE(質量部)、該脂肪酸金属塩の該トナー粒子の結着樹脂100質量部に対する添加量をF(質量部)としたとき、
    下記式(4)、(5)を満たす請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁性トナー。
    10.0≦E≦40.0 ・・・・(4)
    0.0014≦F/E≦0.026・・・・(5)
  6. 該トナー粒子に含まれる、該磁性体粒子が下記式(6)で表される部分構造を有する有機ケイ素重合体を表面に有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁性トナー。
    R−Si(O1/23・・・(6)
    (式(6)中のRは炭素数1以上10以下のアルキル基又はフェニル基)
  7. 該ワックス、及び、該結着樹脂の溶解度パラメータ((cal/cm31/2)をそれぞれSP1、及びSP2とし、該ワックスの重量平均分子量をMwとしたときに、該SP1、該SP2、及び該Mwが下記式(7)を満たす請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁性トナー。
    450≦(SP2−SP1)2×Mw≦780・・・(7)
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁性トナーの製造方法であって、重合性単量体、ワックス、脂肪酸金属塩および磁性体を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得、
    該トナー粒子が水系媒体中に分散された分散液を、ワックスの融点もしくは着色粒子のガラス転移温度Tg(℃)のいずれか高い方の温度より高い温度TA(℃)とする工程(I)、
    工程(I)を経た分散液を、温度TAから、Tg(℃)以下の温度まで、5.0℃/分以上の冷却速度で冷却する工程(II)、及び、
    工程(II)を経た分散液を、Tg−10℃以上Tg+10℃以下の温度領域に、30分間以上保持する工程(III)、
    を有することを特徴とする磁性トナーの製造方法。
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