JP5506325B2 - トナー - Google Patents
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Description
即ち、如何なる環境下においても良好な帯電性能を有することにより、高温高湿環境下において放置された場合においても、現像時にカブリが発生しにくく、且つ、極低温低湿環境下においての現像時にも、転写不良が発生しにくいトナーを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、トナー粒子にゼオライトを外添したトナーにおいて、前記ゼオライトはケイ素原子とアルミニウム原子を少なくとも含有し、前記ゼオライトに含有されるケイ素原子とアルミニウム原子の合計に対するアルミニウム原子の比率(%)が0.3乃至22.5であることを特徴とするトナーに関する。
即ち、高温高湿環境下において放置した際のカブリが発生しにくく、極低温低湿環境下においての転写不良が発生しにくいトナーを提供することが可能である。
本発明のトナーは、トナー粒子にゼオライトを外添したトナーにおいて、前記ゼオライトはケイ素原子とアルミニウム原子を少なくとも含有し、前記ゼオライトに含有されるケイ素原子とアルミニウム原子の合計に対するアルミニウム原子の比率(%)が0.2乃至24.0の関係を満たすことが大きな特徴である。
アルミノケイ酸塩の構造の基本単位は四面体構造をもつ(SiO4)4−および(AlO4)5−単位(あわせてTO4単位と表記する)であり、1つのTO4単位が4つの頂点酸素をそれぞれ隣の4つのTO4単位と共有することにより、次々と3次元的に連結し結晶を形成したものである(「ゼオライトの科学と工学」講談社サイエンティフィク)。
である。
そのため、シリカとアルミナの複合酸化物の一種であるゼオライトにおいて、正帯電性を有するアルミニウム原子部分とトナー粒子が摩擦帯電することによってトナーの帯電性が向上すると考えられる。
即ち、上記トナーを高温高湿環境下に放置した際においても、画像の白地部分にも帯電不良トナーが印字されてしまう所謂カブリといった問題が軽微になることを見出した。
一方、極低温低湿環境下においては、トナー粒子の過帯電を抑制することが可能になり、過帯電によるトナーの静電的付着力の増加による転写不良が軽微になることを見出した。
具体的なメカニズムについては明確になってはいないが、本発明者らは以下のように推測している。
さらに、ゼオライトは、規則的な細孔を有する多孔質材料であるため、結晶表面のアルミニウム原子が局所的に集中する部分が存在しにくく、単純なシリカ−アルミナ複合酸化物と比較した際に局所的な水の吸着が起こりにくいと考えられる。
そのため、本発明のトナーは高温高湿環境下に放置されても、ゼオライトが水分を過剰に吸着することなく、高分散したアルミニウム原子がトナー同士の摩擦帯電による帯電立ち上がり性能を格段に向上させると考えている。
一方で低温低湿環境下においては、疎水性のシリカ成分が多い多孔質材料であるため結晶内に過剰ではない適度な水分を保持することが可能であり、その水分が過帯電を抑制していると考えている。
アルミニウム原子の比率が0.2%よりも小さいときは、アルミニウム元素による効果が小さくなり、高温高湿環境下における帯電立ち上げ効果が不十分であり、低温低湿環境下においては過帯電が起こりやすい傾向にあるためである。
また、アルミニウム原子の比率が24.0%よりも大きいときはアルミニウム原子の吸水性の効果が大きく、高温高湿環境下における帯電不良が起こりやすい傾向にある。
なお、ゼオライトとシリカ−アルミナ複合酸化物は、X線回折装置を用いてX線回折を測定することにより、結晶構造を有しているか否かで区別することが出来る。
BET比表面積が350m2/gよりも小さいと、結晶中のアルミニウム原子の分散性
が小さくなりアルミニウム原子による帯電性能向上の効果が得難くなる傾向にある。また、結晶内に水分を物理的に吸着し難くなるため、低温低湿環境下におけるチャージアップ抑制効果が小さくなる傾向にある。
D50yが0.01よりも小さいとゼオライトの細孔による発明の効果が得難くなり、
更にはゼオライトとしての安定性が損なわれる傾向にある。
また、D50yが1.50よりも大きいとトナー粒子に外添した際に均一に外添され難
くなる傾向にある。
D50zが0.10よりも小さいとそれを形成するゼオライト一次粒子の粒径も小さく
なりやすく、ゼオライトが細孔を有する効果が得難くなる傾向にある。
また、D50zが7.00よりも大きいとゼオライト二次粒子の粒径がトナー粒径と同
程度、乃至はそれよりも大きくなるため、ゼオライトを外添した際に均一にトナー表面上にゼオライトが存在するのが困難になる傾向にある。
(DON)。
ここで、上記に例示したゼオライト名に付したかっこ内の記号は構造コードを意味する(出典; W.H.Meier、 D.H.Olson, Ch.Baelocher ed., Atlas of Zeolite Strucure Types,4th Ed., Elsevier、1996年)。
;H+ 、NH4 +、Ag+ 、K+ 、Li+、Ca2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、Zn2+、Pb2+、Ni2+、Cu2+、Co2+、Mn2+、またはこれらの組合せ。
なお、これらのゼオライトは単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
例えば、多面体状、球状、針状などが例示できる。これらの形状の中では、トナー粒子に外添した際に良好な摩擦帯電を起こす点で、より球形に近い形状であることが好ましい。
0.01質量部よりも少ない場合、前記ゼオライト添加による帯電性能向上の効果が得
られにくい傾向にあり、5.00質量部よりも多い場合、部材汚染などが起こりやすい傾
向にある。
具体的には、下記の構造を有するスルホン酸基又はスルホン酸塩基を有する重合体及び共重合体が例示される。
X(SO3 -)n・mYk+
(X:重合性単量体に由来する重合体部位又は共重合体部位を表し、Yk+:カウンターイオンを表し、kはカウンターイオンの価数であり、m及びnは整数であり、n=k×mである。)
上記重合体又は共重合体としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体は、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、及びそれらのアルキルエステルよりなる群から選ばれた1種以上の単量体を構成成分として含む重合体又は共重合体が挙げられる。
0である。
0.01質量部よりも少ない場合、重合体又は共重合体による帯電安定性の効果が得ら
れにくい傾向にある。
また、20.00質量部よりも多い場合、トナー粒子が気中の水分を吸着しやすくなり
、高湿環境下での帯電安定性が低下しやすくなり、低湿環境下においては帯電過多になりやすい傾向にある。
公知の製造方法の中でも本発明のトナー粒子は、重合性単量体及び着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒して重合性単量体組成物粒子を形成し、重合性単量体組成物粒子に含まれる重合性単量体を重合して得られることが好ましい。
このような造粒方式で合成されたトナー粒子は粒度分布がシャープで、円形度の高いトナーを得やすく、トナーの流動性を高くし、摩擦帯電を引き起こすことで優れた帯電性能を得やすい傾向にある。
重合性単量体、着色剤、必要に応じた極性樹脂、離型剤など他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機に依って均一に溶解または分散させ、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。
次に、重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に分散した後に造粒して粒子を形成し、粒子中の重合性単量体を重合させることによってトナー粒子を製造する。
前記重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に重合性単量体組成物を分散する直前に混合しても良い。
また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
即ち、極性樹脂を添加することで、樹脂層に応じた機能分離が可能となる。また、懸濁重合法により得られるトナー粒子は、離型剤成分を内包化しているコアシェル構造を有しているため好ましい。
特にポリエステル樹脂が好ましく、酸価は4乃至20mgKOH/gの範囲が好ましい。酸価が4mgKOH/gより小さい場合、シェル構造を形成しにくく、かつ帯電の立ち上がりが遅く、画像濃度の低下やカブリといった弊害を引き起こしやすい傾向にある。
酸価が20mgKOH/gを超える場合、帯電性に影響を及ぼし現像性が悪化し易くなる傾向にある。また分子量は3,000乃至30,000にメインピークの分子量を有すると、トナー粒子の流動性、負摩擦帯電特性を良好にすることができるため好ましい。
前記極性樹脂の好ましい添加量は、結着樹脂を構成する重合性単量体100質量部に対して1乃至25質量部であり、より好ましくは2乃至15質量部である。
1質量部未満ではトナー粒子中での極性樹脂の存在状態が不均一となりやすい傾向にあり、一方、25質量部を超えるとトナー粒子の表面に形成される極性樹脂の層が厚くなる傾向にあるために、好ましくない。
結着樹脂を構成する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
前記重合性単量体混合物の理論ガラス転移点が40℃未満の場合にはトナーの耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合は、低温定着時の光沢度が低下する。
低分子量ポリマーは、懸濁重合法によってトナー粒子を製造する場合には、重合性単量体組成物中に添加することができる。
低分子量ポリマーとしては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が2,000乃至5,000の範囲で、且つ、Mw/Mnが4.5未満、好ましくは3.0未満のものが定着性と現像性において好ましい。
低分子量ポリマーの一例としては、以下のものが挙げられる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。
なお、前記低分子量ポリマーは単独或いは混合して使用できる。
一方、75.0質量部以上だとトナー粒子の耐久性が低下する傾向にある。
2官能の架橋剤として、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び前記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテート。
これらの架橋剤の添加量は、重合性単量体100.00質量部に対して、好ましくは0.05質量部乃至10.00質量部、より好ましくは0.10質量部乃至5.00質量部である。
5.0質量部、より好ましくは7.0質量部乃至15.0質量部である。
離型剤含有量が4.0質量部より小さいと、低温定着時に十分な光沢度を得ることができなくなる。一方、25.0質量部より大きいと、耐久性が低下する。
更に、前記離型剤は、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時のDSC曲線において、最大吸熱ピーク温度が40℃乃至110℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは45℃乃至90℃である。
最大吸熱ピーク温度が40℃未満の場合は、トナーの耐久性が低下する。一方、最大吸熱ピーク温度が110℃を超える場合は、低温定着時の光沢度が低下する。
本発明に用いられる離型剤としては、トナー粒子中心部により内包化され易いといった点で炭化水素系離型剤の如き極性成分が少ない離型剤が特に好ましい。
その他の離型剤として、以下のものが挙げられる。アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、ケトンワックス、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体。必要に応じて2種以上の離型剤を併用しても良い。
前記炭化水素系離型剤としては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法によるフィッシャートロプシュワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体。誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。
更に、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらワックスは単独で又は2種以上を併せて用いることが可能である。
なお、これらの炭化水素系離型剤には、トナーの帯電性に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていてもよい。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤。
これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、重合性ビニル系単量体100質量部に対して3質量部乃至20質量部である。
重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
具体的には、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー。
具体的には、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
具体的には、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは重合性単量体100質量部に対し1質量部乃至20質量部添加
して用いられる。
具体的には、無機系の分散安定剤の例としては、以下のものが挙げられる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。この様な界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
また、本発明においては、水系媒体を調製する場合に、これらの分散安定剤の使用量は重合性単量体100.0質量部に対して、0.2質量部乃至2.0質量部であることが好ましい。
本発明において、前記のような分散安定剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散安定剤をそのまま用いて分散させてもよい。
また、細かい均一な粒度を有する分散安定剤の粒子を得るために、水の如き液媒体中で、高速撹拌下、分散安定剤を生成させて水系媒体を調製してもよい。
例えば、リン酸三カルシウムを分散安定剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定剤を得ることができる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が少ない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。
荷電制御剤の好ましい配合量は、重合性単量体100.00質量部に対して0.01質量部乃至20.00質量部、より好ましくは0.30質量部乃至10.00質量部である。
前記無機微粉体としては、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体またはそれらの複酸化物微粉体の如き微粉体が挙げられる。該無機微粉体の中でもシリカ微粉体及び酸化チタン微粉体が好ましい。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。
無機微粉体としては、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2−の少ない乾式シリカの方が好ましい。
また前記乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他の如き金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体であっても良い。
前記無機微粉体を疎水化処理することによって、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粉体を用いることが好ましい。
トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、トナーとしての帯電量が低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなり過酷な環境下での耐久性が低下する傾向にある。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粉体が好ましい。
より好ましくは、無機微粉体をカップリング剤で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理した疎水化処理無機微粉体が高湿環境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、安定した画像を提供することができる点でよい。
無機微粉体の総量は、トナー粒子100.0質量部に対して1.0乃至5.0質量部で
あることが好ましい。
<ゼオライトに含有されるケイ素原子とアルミニウム原子の合計に対するアルミニウム原子の比率(%)の測定>
本発明に用いられるゼオライト中のケイ素原子とアルミニウム原子の合計に対するアルミニウム原子の比率の測定は、蛍光X線分析装置で求めることができる。以下本発明における測定方法を説明する。
波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いてHe雰囲気下、FP法にてゼオライト中におけるNaからUまでの元素を直接測定する。
その際、検出された元素全てが酸化物であると仮定し、それらの総質量を100%として、ソフトウエアUniQuant(登録商標)5(ver.5.49)(販売元:PANalytical社製)にて総質量に対するSiO2および/またはAl2O3の含有量(質量%)を酸化物換算値として求める。
次いで、得られた含有量からケイ素原子とアルミニウム原子の存在比率を算出し、下記式(1)からケイ素原子とアルミニウム原子の合計に対するアルミニウム原子の比率(%)を算出する。
ゼオライトのBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000 Version4.00」を用いて行い、また装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明におけるBET比表面積とする。
まず、ゼオライトに窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)とトナーの窒素吸着量Va(モル・g−1)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(モル・g−1)を縦軸とした吸着等温線を得る。次いで、ゼオライトの表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(モル・g−1)を、下記のBET式を適用して求める。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる(この直線をBETプロットという)。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて上記の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、上記で算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm2)から、下記の式に基づいて、ゼオライトのBET比表面積S(m2・g−1)を算出する。
S=Vm×N×0.162×10−18
(ここで、Nはアボガドロ数(モル−1)である。)
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5ml)の風袋を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約0.15gのゼオ
ライトを入れる。
ゼオライトを入れた前記試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。尚、真空脱気の際には、トナーが真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差からトナーの正確な質量を算出する。尚、この際に、試料セル内のゼオライトが大気中の水分等で汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、ゼオライトが入った前記の試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、前記装置の分析ポートに試料セルをセットする。尚、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入してゼオライトに窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記した吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。尚、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、前記したようにゼオライトのBET比表面積を算出する。
本発明で用いられるゼオライト粒子の一次粒径D50yの測定は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いて求めることが可能である。
初めに、倍率10000倍に拡大したデジタル観察画像を得た。次いで該デジタル画像から、ゼオライトの一次粒径D50yを画像処理ソフトWin-Roof(販売元:三谷
商事株式会社)にて以下の様に測定する。
画像上にてゼオライト結晶の一次粒子1つに注目し、一次粒子一つの面積から一次粒子
の円相当径を算出し、無作為に100個選んだ粒子の円相当径を測定し、得られた粒子径から、体積基準のメジアン径D50yを算出する。
本発明で用いられるゼオライト粒子の体積基準のメジアン径(D50z)の測定は、JIS Z8825−1(2001年)に準じて測定されるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用いる。
測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows(登録商標) WET(LA−920)
Ver.2.02」を用いる。
また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。
測定手順は、以下の通りである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、ファイル「118A000I」(相対屈折率1.18)を選択する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒子径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行った後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
(7)ガラス製の100ml平底ビーカーに約60mlのイオン交換水を入れる。この中に分散剤として、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(9)前記(7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(10)前記(9)のビーカー内の水溶液に超音波を照射した状態で、約1mgのゼオライトを少量ずつ前記ビーカー内の水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。
尚、この際にゼオライトが固まりとなって液面に浮く場合があるが、その場合はビーカーを揺り動かすことで固まりを水中に沈めてから60秒間の超音波分散を行う。また、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(11)前記(10)で調製したゼオライトが分散した水溶液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%〜95%となるように調整する。
そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、体積基準のメジアン径(D50z)を算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商
標、ベックマン・コールター社製)を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター
Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。
「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。
そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。
この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。
超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。
尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、個数基準のメジアン径D50tを算出する。尚、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」がトナーの個数基準のメジアン径D50tである。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100」(シスメックス社製)を用いて測定する。詳細は以下の通りである。
先ず、円形度を次式より算出する。
円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
ここで、「粒子投影面積」とは二値化された粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さである。
測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度は粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度をci、測定粒子数をmとすると、下記式(2)から算出される。
まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約10mlを入れる。
この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.1ml加える。
更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。
超音波分散器としては、発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用いる。
尚、超音波分散器の水槽内には、所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26乃至27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールする。
また、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmの標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。
前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、測定時のトナー粒子濃度が約5000個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整して計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2.00μm以上40.02μm未満の範囲のトナーの平均円形度を求める。
なお、円相当径は、以下のようにして算出される値である。
円相当径=(粒子投影面積/π)1/2×2
本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来トナーの形状を観察するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、シースフローの薄層化(7μm→4μm)及び処理粒子画像の倍率が向上した装置である。
また、取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)させた装置であり、トナーの形状測定の精度が向上した装置である。
〔負荷電性制御剤(1)の製造例〕
還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250質量部、2−ブタノン150質量部及び2−プロパノール100質量部、モノマーとしてスチレン88質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル6.5質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸4.8質量部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。
重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。
更に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了した。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミルにて100μm以下に粗粉砕し、さらにジェットミルにより微粉砕した。
その微粉体を250メッシュの篩により分級し、60μm以下の粒子を分別して得た。次に該粒子を10%の濃度になるようにMEK(メチルエチルケトン)を加え溶解し、前述の溶液をMEKの20倍量のメタノール中に徐々に投じ再沈殿した。
得られた沈殿物を再沈殿に使用した量の2分の1のメタノールで洗浄し、ろ過した粒子を35℃にて48時間真空乾燥した。
さらに前述の真空乾燥後の粒子を10%の濃度になるようにMEKを加え再溶解し、前述の溶液をMEKの20倍量のn−ヘキサン中に徐々に投じ再沈殿した。
得られた沈殿物を再沈殿に使用した量の2分の1のn−ヘキサンで洗浄し、ろ過した粒子を35℃にて48時間真空乾燥した。
こうして得られた極性重合体はTg約83℃であり、メインピーク分子量(Mp)が215000、Mn11900、Mw31500であった。
また、1H−NMR(日本電子社製EX−400:400MHz)で測定された組成は
仕込み量どおりであった。得られた樹脂を負荷電性制御剤(1)とする。
四つ口容器中にイオン交換水60.0質量部と0.1モル/リットルのリン酸ナトリウム水溶液300.00質量部と1.00モル/リットル−塩酸10.00質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌し、60℃に保持した。
ここに1.00モル/リットル−CaCl2水溶液25.00質量部を一度に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
・n−ブチルアクリレート 22.00質量部
・C.I.Pigment Blue15:3 8.00質量部
・スチレン系樹脂(ポリスチレン Mw=2880、Mw/Mn=2.2) 20.00
質量部
・ポリエステル系樹脂(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(3モル付加物)(モル比 30:55:15)) 8.00質量部
・負荷電性制御剤(1) 0.30質量部
・負荷電性制御剤(オリエント化学工業社製:ボントロンE88)) 0.70質量部
・ワックス(日本精蝋製:HNP−10) 12.50質量部
上記材料を、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmの条件にて分散させた後、65℃に加温し均一に溶解・分散させ重合性単量体組成物を調製した。
該重合性単量体組成物に重合開始剤である1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート7.5質量部(トルエン溶液75%)を添加した後、攪拌
機の回転数を12,000rpmにした水系分散媒体中に投入した。
そして、回転数を12,000rpmに維持して10分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を67℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた。
次いで、容器内を温度80℃に昇温して40分間維持し、毎分1℃の冷却速度で徐々に30℃まで冷却し、スラリー1を得た。スラリー1を含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去した。
更に、ろ別、洗浄、乾燥した後に、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、個数基準のメジアン径D50tが6.3μmのトナー粒子(1)を得た。得られたト
ナー粒子(1)の平均円形度は0.985であった。
前記トナー粒子(1)における負荷電性制御剤(1)の添加量を0.30部から0.70部にした以外はトナー粒子(1)と同様にしてトナー粒子(2)を得た。得られたトナー粒子(2)の個数基準のメジアン径D50tは6.5μmであり、平均円形度は0.98
0であった。
前記トナー粒子(1)における負荷電性制御剤(1)を添加しない以外はトナー粒子(1)と同様にしてトナー粒子(3)を得た。得られたトナー粒子(3)の個数基準のメジアン径D50tは7.2μmであり、平均円形度は0.975であった。
・結着樹脂〔ポリエステル樹脂(1)*〕 100.00質量部
・C.I.Pigment Blue15:3 5.00質量部
・負荷電制御剤(1) 0.30質量部
・負荷電性制御剤(オリエント化学工業社製:ボントロンE88)) 0.60質量部
・ワックス(日本精蝋製:HNP−10) 5.00質量部
・ジビニルベンゼン 0.30質量部
*上記ポリエステル樹脂(1)に用いたモノマー構成比を以下に示す。
フマル酸 21mol%
テレフタル酸 11mol%
トリメリット酸 9mol%
及び、
下記式〔化1〕に示した構造において(x+y=3.0)で表わされるジオール成分
59mol%
さらに、第二段階として、上記第一段階の工程により得られた微粉砕物を、粉砕条件を変更した機械式粉砕機により更に粉砕処理し、第二段階の工程により得られた微粉砕物を熱球形化装置によって67℃で処理した。
その後、上記工程により得られた微粉砕物を分級及び機械式衝撃力を用いる表面改質処理を同時に行う装置にて分級および球形化し、個数基準のメジアン径D50tが8.1μmのトナー粒子(4)を得た。
トナー粒子(4)の平均円形度は0.970であった。
前記トナー粒子(4)における負荷電性制御剤(1)の添加量を0.30部から10.00部にした以外はトナー粒子(4)と同様にしてトナー粒子(5)を得た。得られたトナー粒子(5)の個数基準のメジアン径D50tは8.7μmであり、平均円形度は0.9
65であった。
市販されているゼオライト(385HUA 東ソー株式会社製)を外添剤(1)とする。外添剤(1)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(2)〕
市販されているゼオライト(630HOA 東ソー株式会社製)を外添剤(2)とする。外添剤(2)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(3)〕
市販されているゼオライト(930NHA 東ソー株式会社製)を外添剤(3)とする。外添剤(3)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(4)〕
市販されているゼオライト(390HUA 東ソー株式会社製)を外添剤(4)とする。外添剤(4)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(5)〕
市販されているゼオライト(341NHA 東ソー株式会社製)を外添剤(5)とする。外添剤(5)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(6)〕
市販されているゼオライト(ZEOSTAR PGS450 日本化学工業株式会社製)を外添剤(6)とする。外添剤(6)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(7)〕
市販されているゼオライト(330HUA 東ソー株式会社製)を外添剤(7)とする。外添剤(7)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(8)〕
市販されているゼオライト(ゼオラムA−3 100# 東ソー株式会社製)を外添剤(8)とする。外添剤(8)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(9)〕
市販されているゼオライト(ルナモスSP−PA 花王株式会社製)を外添剤(9)とする。外添剤(9)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(10)〕
市販されているゼオライト(シルトンB 水澤化学工業社製)を外添剤(10)とする。外添剤(10)の物性値を表1に示した。
〔外添剤(11)〕
焔内反応によって形成されたシリカ−アルミナ複合酸化物を外添剤(11)とする。外添剤(11)の物性値を表1に示した。
前記トナー粒子(1)100.0質量部に対し、前記外添剤(1)0.3質量部とヘキ
サメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.7質量部(数平均一次粒子径:7nm)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて回転数4000rpmの条件で300秒間混合工程を行う。
このようにして本発明のトナー(1)を得た。
表2に示したトナー粒子と外添剤を用いて、表2に示した条件下でトナーを作製する以外は、トナー(1)と同様にしてトナー(2)乃至トナー(15)を得た。
前記トナー(1)を用い、以下の画像形成装置を用いて後述する画像評価を行ったところ、極高温高湿環境下における印刷での帯電不良による弊害および、極低温低湿環境下における帯電過多による弊害の抑制に優れていた。
以下、具体的な評価手段について記す。
画像形成装置としては市販のレーザプリンタLBP−3700(HP社製)の改造機(プロセススピード:150mm/sec)を使用した。
評価は、カートリッジに前記トナー(1)を150g充填しシアンステーションに装着し、その他のステーションにはダミーカートリッジを装着して評価を実施した。
前記画像形成装置を用いて後述する画像評価を行った。
評価画像はトナー載り量0.40mg/cm2に調整し、先端から5cmのところに印字比率が1%となるように調整した横幅20cmの画像を用いた。
また、評価紙としてLETTERサイズのXEROX4024紙(XEROX社製、75g/m2)を使用した。
評価環境としては、常温常湿環境(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)での評価と、低温低湿環境下(L/L:温度15.0℃、湿度10.0%RH)と高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃、湿度80.0%RH)での評価を行った。
また、転写不良の評価においては、0℃環境(温度0.0℃、湿度50%RH)と極低温低湿環境(温度10.0℃,湿度15%RH)を交互に繰り返す環境(以下、寒冷地モード)での評価を行った。
なお、この寒冷地モードは、夜間のプリンターの保管温度が0℃程度の低温になる使用環境を模したものであり、以下に前記モードを具体的に説明する。
初めに前処理として0℃環境(温度0.0℃、湿度50%RH)に10時間静置する保管モードを設け、一時間かけて評価環境を極低温低湿環境(温度10.0℃,湿度15%RH)にし、後述する評価を行った。
各環境下において0枚、10000枚印刷後に、LETTERサイズのHP Photo Paper(HP社製、220g/m2)に全面白画像をプロセススピード:50mm/secで出力した。
これを「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを下記の判断基準に基づいて評価した。
ランクA:良好 反射濃度1.0%未満
ランクB:実用上問題なし 反射濃度1.0%以上、3.0%未満
ランクC:問題あり 反射濃度3.0%以上
各環境下において、10000枚印刷した後に、各環境にて電源を切ったマシンの中にカートリッジを入れたまま2日間放置した。
その後、LETTERサイズのHP Photo Paper(HP社製、220g/m2)に全面白画像をプロセススピード:50mm/secで出力した。
これを「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを下記の判断基準に基づいて評価した。
ランクA:良好 反射濃度1.0%未満
ランクB:実用上問題なし 反射濃度1.0%以上、3.0%未満
ランクC:問題あり 反射濃度3.0%以上
寒冷地モードにおいて、極低温低湿環境(温度10.0℃,湿度15%RH)にした後
にLETTERサイズのXEROX4024紙(XEROX社製、75g/m2)に全面黒色画像を出力した。
黒色画像形成時の感光体上の転写残トナーを、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、はぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったもののマクベス濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼ったもののマクベス濃度を差し引いた数値で下記の判断基準に基づいて評価した。
ランクA:良好 0.10未満
ランクB:実用上問題なし 0.10以上、0.20未満
ランクC:問題あり 0.20以上
得られた評価結果を表3に示す。
実施例1のトナー(1)の代わりに表2に記載のトナー(2)〜(8)を用いる以外は実施例1と同様にして画像評価を行い、評価結果を表3に記した。
Claims (4)
- トナー粒子にゼオライトを外添したトナーにおいて、前記ゼオライトはケイ素原子とアルミニウム原子を少なくとも含有し、
前記ゼオライトに含有されるケイ素原子とアルミニウム原子の合計に対するアルミニウム原子の比率(%)が0.3乃至22.5であることを特徴とするトナー。
- 前記ゼオライトは、BET比表面積が350m2/g以上、750m2/g以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体を含有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナー粒子は、重合性単量体及び着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物を造粒して前記重合性単量体組成物粒子を形成し、前記重合性単量体組成物の粒子に含まれる前記重合性単量体を重合して得られることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
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