JP5773758B2 - 磁性トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法などを利用した記録方法に用いられる磁性トナーに関する。
電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により静電荷像担持体(以下、「感光体」ともいう)上に静電潜像を形成する。次いで前記潜像をトナーにより現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録媒体にトナー像を転写した後、熱或いは圧力等により記録媒体上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。このような画像形成装置としては、複写機やプリンター等がある。
これらプリンターや複写機は近年アナログからデジタルへの移行が進み、潜像の再現性に優れ高解像度であると同時に、多様な使用状況においても常に安定した高画質を得られる事が強く求められている。ここで多様な使用状況とは、プリンター等の設置環境や稼動環境だけでなく、使用される状態をも指す。
プリンターが使用される状態について考えると、オフィス等で稼動する中高速機はプリントボリュームが大きく稼動率が高いのに対し、コンパクトな低速機はプリントボリュームも小さく、時として長期間プリントされないこともある。
このような長期間の放置が生ずると、それに由来する特殊な問題が生じることが分かってきた。具体的には、高温高湿環境下において、長期保管した後に、画像濃度が低下してしまうという問題である。この問題は特に、低印字率であり、1ジョブでの印字枚数が少なく、多数枚印刷されてトナー残量が少なくなってきた後に長期放置された場合に顕著に生じる傾向にある。一枚一枚の印字率が低いために多くの枚数のプリントが可能となり、結果、トナーの劣化が促進される、或いは、低印字率であるため、適正な帯電量を保持するトナーのみが選択的に消費され(所謂、「選択現像」)、その結果、徐々に適正な帯電量を保持するトナーの割合が低下し、所定の現像が困難となる、といった理由による。
また、多数枚印刷後はトナーの帯電性も劣るため、「ゴースト」と呼ばれる濃淡ムラが画像上に出易くなってしまう。
高温高湿環境下での放置では、トナーが吸水してしまうため、帯電が妨げられ、現像性が低下するものと考えられる。トナーの吸水性については、トナーを構成する原材料と、その存在状態に主として依存する。一般的に、磁性トナーに用いられる磁性体は結着樹脂に比して親水性であり、水分を吸着し易い。一方、粉砕法により得られるトナー(以後、粉砕トナーと呼ぶ)は磁性体がトナー表面に露出し易く、水分を吸着し易い。
これに対し、磁性体にケイ元素を含有させ、その存在状態を制御することによって、環境安定性を改善したトナーが提案されている(特許文献1、2参照)。しかしながら、これらのトナーを用いても、高温高湿環境下での耐久後に放置した際の濃度安定性、ゴーストには改善の余地があった。
さらに、磁性体中のケイ元素の量を規定すると共に、表面を表面改質剤により改質した処理磁性体を用いることにより、環境安定性を改善するという提案もなされている(特許文献3参照)。このトナーは処理磁性体を用い懸濁重合することで磁性体を内包化し、トナー表面への磁性体の露出を防ぐことにより環境安定性を改善している。しかしながら、このような処理磁性体を用いても、高温高湿環境での耐久後に放置した際の濃度安定性には改善の余地があった。これは、トナー表面付近に存在する磁性体が、長期放置により水分を吸着してしまうことに由来する。
このように、高温高湿環境下での耐久安定性、耐久後に放置した際の濃度安定性やゴーストに関しては更なる改善の余地があった。
特開平05−72801号公報 特開平11−316474号公報 特開平10−239897号公報
本発明の課題は上記従来技術の問題に鑑みなされたものであり、高温高湿環境下で優れた耐久安定性を有すると共に、耐久後に放置した際にも画像濃度が高く、ゴーストの無い画像を得ることが出来る磁性トナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを有する磁性トナーであって、
(1)前記磁性体は、磁性酸化鉄の表面をシラン化合物で処理したものであり、
(2)塩酸水溶液中に前記磁性酸化鉄を分散させて、鉄元素の溶解率が磁性酸化鉄に含まれる全鉄元素量に対して5質量%になるまで磁性酸化鉄を溶解させ、その時点までに溶出したケイ元素の量が、磁性酸化鉄に対して0.05質量%以上0.50質量%以下であり、
(3)前記磁性体の単位面積あたりの水分吸着量が0.30mg/m以下であることを特徴とする磁性トナーに関する。
高温高湿環境下で優れた耐久安定性を有すると共に、耐久後に放置した後にも画像濃度が高く、ゴーストの無い画像を得ることが出来る。
本発明のトナーを好適に用いることができる画像形成装置の概略図である。 アルコキシシランの模式的なGPCチャート図である。
本発明者らが鋭意検討したところ、磁性酸化鉄表面にケイ素元素を特定量存在させ、前記磁性酸化鉄表面をシラン化合物により表面処理を行った磁性体を用いることが重要であった。さらに、磁性体の単位面積あたりの水分吸着量を0.30mg/m以下とすることで、高温高湿環境下での放置濃度低下とゴーストを改善できることを見出し、本発明に至った。
まず、磁性酸化鉄についてであるが、磁性酸化鉄表面には水酸基等の官能基が存在する。これら官能基は水分を吸着するため、環境安定性が低下する。よって、これら官能基を化学修飾(表面処理)することにより環境安定性を高めることが非常に重要である。ここで、表面処理剤としては一般的にシラン化合物、チタネート化合物、アルミネート化合物等が知られているが、これらの表面処理剤はいずれも加水分解し、磁性酸化鉄表面の水酸基と縮合反応する事で強固な化学結合を有し、疎水性を発揮する。しかし、加水分解したこれら化合物は自己縮合を生じてしまい、ポリマーやオリゴマーを生じ易いことが知られている。本発明者等が鋭意検討したところ、チタネート化合物やアルミネート化合物は加水分解後の自己縮合が生じ易く、磁性酸化鉄表面を均一に処理することが困難であった。これは、チタネート化合物やアルミネート化合物が有するチタンやアルミの活性が高いためであると考えられる。
これに対し、シラン化合物は加水分解条件を制御することにより加水分解率を高めつつ自己縮合を抑制することが可能であり、磁性酸化鉄表面を均一に処理することが可能であった。これは、シラン化合物が有するケイ元素の活性がチタンやアルミに比して高くないためであると本発明者らは考えている。このため、シラン化合物を用いることが重要である。
さらに、次に述べるように、本発明の磁性酸化鉄は表面にケイ素元素が存在する。よって、磁性酸化鉄表面とシラン化合物との親和性が向上し、シラン化合物による処理の均一性がより向上すると考えている。また、磁性酸化鉄表面とシラン化合物の親和性が向上することにより、磁性酸化鉄表面に結合するシラン化合物の量が増加する。これにより環境安定性が良化すると共に、トナー粒子間での磁性体の分散性が非常に良好なものとなり、低印字率で多数枚印刷した後も選択現像が起こることを抑制でき、良好な現像性を維持できる。
上記の理由から、本発明においては磁性酸化鉄表面及びその近傍にケイ素元素を特定量存在させることが重要である。具体的には、塩酸水溶液中に前記磁性酸化鉄を分散させて、鉄元素の溶解率が磁性酸化鉄に含まれる全鉄元素量に対して5質量%になるまで磁性酸化鉄を溶解させ、その時点までに溶出したケイ元素の量が、磁性酸化鉄に対して0.05質量%以上、0.50質量%以下である。
ここで、磁性酸化鉄の鉄元素の溶解率についてであるが、鉄元素の溶解率が100質量%とは磁性酸化鉄が完全に溶解した状態であり、数値が100質量%に近い程、磁性酸化鉄全体が溶けたことを意味する。本発明者らが鋭意検討したところ、磁性酸化鉄は酸性条件下において表面から均一に溶解する。よって、鉄元素の溶解率が5質量%となる時点までに溶出する元素の量は、磁性酸化鉄表面及びその近傍に存在する元素の量を示していると考えられる。
磁性酸化鉄表面及びその近傍に存在するケイ元素の量が0.05質量%以上であると、上述のように、シラン化合物と磁性酸化鉄との親和性が向上し、処理の均一性等が向上する。このため、磁性体としての水分吸着量を少なく抑えることができる。
一方、磁性酸化鉄表面及びその近傍に存在するケイ元素の量が0.50質量%より多いと、トナーの環境安定性が低下しやすくなり、好ましくない。この理由についてであるが、以下のように考えている。磁性酸化鉄表面を表面処理するシラン化合物は、1分子で被覆できる面積(被覆面積)が決まっている。このため、単位面積あたりに縮合できるシラン化合物の最大量は被覆面積により上限値が決まってしまう。このような理由から、ケイ元素の含有量が0.50質量%より多い場合、ケイ元素とそれに由来するシラノール基が磁性酸化鉄表面に残存し過ぎることになり、結果として水分を吸着し易い表面になり、環境安定性に劣るようになる。
次に、本発明の磁性体(シラン化合物によって処理された磁性酸化鉄)は単位面積あたりの水分吸着量が0.30mg/m以下であることが重要であり、より好ましくは0.25mg/m以下である。処理磁性体の水分吸着量が0.30mg/m以下であると言うことは、磁性酸化鉄表面の表面処理が均一であり、充分な量の処理剤で処理されていることを意味する。このような処理磁性体を用いることによりトナーとしても水分を吸着し難く、環境安定性が向上する。そして、高温高湿環境下に放置してもトナーの帯電性を良好に保つことが可能となる。
一方、処理磁性体の単位面積あたりの水分吸着量が0.30mg/mよりも多い場合、特に多数枚印刷後に高温高湿環境下にて放置された場合にトナーの帯電性が劣るものとなり、濃度低下やゴーストの発生を生じ易くなるために好ましくない。
これまで述べてきたように、磁性酸化鉄表面にケイ素元素を特定量存在させ、前記磁性酸化鉄表面をシラン化合物により表面処理を行うことで、磁性体の分散性が非常に良好なものとなり、選択現像が起こりにくくなる。さらに、磁性体の単位面積あたりの水分吸着量を0.30mg/m以下とすることで、トナーの水分吸着量が減少し、トナーの帯電性が良化する。これら2つの相乗効果により、高温高湿環境下において低印字率で多数枚印刷を行なった後に放置しても濃度低下が生じない。さらに、本発明のトナーは水分の吸着量が少ないことに加え、トナーの選択現像が生じ難いことから放置後であっても帯電の立ち上がりが早く、ゴーストを改善できる。
なお、磁性体の単位面積あたりの水分吸着はシラン化合物の処理量、シラン化合物の状態、シラン化合物にて処理した後の乾燥条件、及び、磁性酸化鉄表面に存在するケイ元素の量等により制御できる。具体的には、シラン化合物の加水分解率(後述)を50%以上とし、自己縮合率(後述)が30%以下のシラン化合物を用いることが好ましい。このようなシラン化合物を用いることにより、磁性酸化鉄表面を均一に処理することができ、非常に好ましい。
また、シラン化合物の処理量は磁性酸化鉄の比表面積にもよるが、磁性酸化鉄100質量部に対し0.5質量部以上5.0質量部以下である事が好ましい。シラン化合物の処理量が少ないと処理磁性体の吸水量が増加してしまい、処理量が多いと処理磁性体が凝集してしまい、好ましくない。
本発明において、磁性酸化鉄表面を均一に表面処理するために用いるシラン化合物は加水分解されたものであることが好ましい。一般に、シラン化合物は加水分解せずに用いられ、そのまま処理されることが多いが、これでは磁性酸化鉄表面の水酸基等と化学結合を有することが出来ず、物理的な付着程度の強度しか有さない。この状態ではトナー化の際に受けるシェアによりシラン化合物が脱離してしまいやすい。また、表面処理を行う場合、一般的にはシラン化合物を添加・混合した後に熱をかける。しかしながら、本発明者らが詳細に検討したところ、100℃から120℃程度の熱をかけると加水分解していないシラン化合物は磁性酸化鉄表面から揮発してしまう。このため、シラン化合物が揮発した後の磁性酸化鉄表面には水酸基やシラノール基が残存してしまい、本発明で規定する水分吸着量を満たすことが難しい。これらの理由から、本発明においてシラン化合物はアルコキシシランに加水分解処理を施したものであることが好ましい。加水分解処理を施すことにより、シラン化合物は磁性酸化鉄表面の水酸基等と水素結合を介し吸着し、これを加熱・脱水することにより強固な化学結合を形成する。また、水素結合を形成することで、加熱時にシラン化合物の揮発を抑制でき、水分吸着量に関する規定を満たすものが得られやすくなる。
このような理由から、本発明において、シラン化合物の加水分解率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。シラン化合物の加水分解率が50%以上の場合、上述の理由で多くの処理剤で磁性酸化鉄表面を処理することが出来る。さらに、表面処理の均一性も高まり、磁性体の分散性が更に良化する。このため選択現像がより生じ難くなると共に、放置後の濃度低下も生じ難く非常に好ましい。なお、シラン化合物の加水分解率はアルコキシシランが完全に加水分解した状態を加水分解率100%とし、残存するアルコキシ基の割合を引いた値である。
また、シラン化合物の自己縮合率は30%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。シラン化合物の自己縮合率が30%以下であると、磁性酸化鉄表面を均一に処理し易い。このため、磁性体の水分吸着量が減少するので好ましい。
この理由であるが、磁性酸化鉄表面に存在する水酸基等の官能基は、磁性酸化鉄表面に点在すると考えられる。よって、シラン化合物は「単量体」として挙動する方がこれら官能基と反応し易いと考えられる。このため、シラン化合物の多くを「単量体」として存在させるために、自己縮合率は30%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。
また、シラン化合物の自己縮合率は、全シラン化合物に対する自己縮合したシラン化合物の割合である。
アルコキシシランの加水分解は以下の如く行うことが好ましい。
具体的には、pHを4.0以上6.5以下に調整した水溶液もしくはアルコールと水との混合溶液にアルコキシシランを徐々に投入し、例えばディスパー翼などを用いて均一に分散させる。この時、分散液の液温は35℃以上50℃以下であることが好ましい。一般的に、pHが低いほど、そして液温が高いほどアルコキシシランは加水分解しやすい。しかし、同時に自己縮合も生じやすく、このような状態のシラン化合物を用いても本発明に必須の処理磁性体の単位面積あたりの水分吸着量が得られ難い。このように、アルコキシシランの加水分解を行いつつ自己縮合を抑制することは非常に困難であった。
本発明者らが鋭意検討したところ、加水分解し難い条件(すなわち、自己縮合し難い条件)であってもディスパー翼のように、高せん断を付与できる分散装置を用いると、アルコキシシランと水の接触面積が増加し、効率良く加水分解を促進させることができた。これにより、加水分解率を高めつつ、自己縮合を抑制することが可能となった。
本発明において、気相中にて、磁性酸化鉄の表面をシラン化合物で処理することが好ましい。これまで述べてきたように、本発明の磁性体は磁性酸化鉄表面にシラン化合物が水素結合により吸着し、これを脱水することにより強固な化学結合を有することが出来る。しかし、シラン化合物と磁性酸化鉄表面との水素結合は可逆反応であるため、系中に水が少ない方が多くのシラン化合物で磁性酸化鉄表面を処理する事が可能である。これにより処理磁性体の疎水性が非常に高まり、トナーの帯電の立ち上がりが早くなる。更に、ゴーストが生じ難くなるために好ましい。
磁性酸化鉄を表面処理するための装置としては、公知の撹拌装置を用いることが出来る。具体的には、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機)、ハイスピードミキサー(深江パウテック)、ハイブリタイザー(奈良機械製作所)等が好ましい。
磁性酸化鉄は、四三酸化鉄やγ−酸化鉄などを主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウムなどの元素を含んでもよい。
磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2.0m/g以上20.0m/g以下であることが好ましく、3.0m/g以上10.0m/g以下であることがより好ましい。
磁性体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。
磁性体は、トナー中での均一分散性や色味の観点から、体積平均粒径(Dv)が0.10μm以上0.40μm以下であることが好ましい。
なお、処理磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームにより薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の処理磁性体の粒子径を測定する。そして、処理磁性体の投影面積に等しい円の相当径を基に、体積平均粒径(Dv)の算出を行う。また、画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
本発明のトナーに用いられる処理磁性体は、例えば下記の方法で製造することができる。具体的には、第一鉄塩水溶液に鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7.0以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5.0以上10.0以下に維持し、空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。この時、任意のpH及び反応温度、撹拌条件を選択することにより、磁性酸化鉄の形状及び磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5.0未満にしない方が好ましい。酸化反応終了後、ケイ酸ソーダ等のケイ元素源を添加し、液のpHを5.0以上8.0以下に調整する。このようにすることで磁性酸化鉄粒子表面にケイ元素の被覆層が形成される。以上のように得られた磁性酸化鉄粒子を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性酸化鉄を得ることができる。
磁性酸化鉄表面に存在するケイ素元素量は、酸化反応終了後に添加するケイ酸ソーダ等のケイ元素源の添加量を調整することにより制御することが出来る。
次いで、本発明に必須のシラン化合物による表面処理を行う。具体的には、pHを3.0以上6.5以下に調整した水溶液を35℃以上50℃以下になるように液温を調整する。この水溶液にアルコキシシランを徐々に投入し、例えばディスパー翼などを用いて均一に撹拌・分散させ、加水分解を行う。このようにして得られた加水分解物を磁性酸化鉄に添加し、ハイスピードミキサーやヘンシェルミキサー等の撹拌・混合機にて均一に混合する。その後80℃以上160℃以下の温度で乾燥・解砕し、表面処理がなされた磁性体を得ることが出来る。
湿式にて表面処理を行う場合、酸化反応終了後、乾燥させたものを再分散させる、又は酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄体を乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させ、表面処理を行う。具体的には、再分散液を十分撹拌しながらアルコキシシランを添加し、加水分解後温度を上げる、或いは、加水分解後に分散液のpHをアルカリ域に調整することで表面処理を行う。
磁性酸化鉄の表面処理に用いることが出来るシラン化合物としては、例えば一般式(1)で示されるものが挙げられる。
SiY (1)
(式中、Rはアルコキシ基、或いは、水酸基を示し、mは1から3の整数を示し、Yはアルキル基或いはビニル基を示し、該アルキル基は、置換基として、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基などの官能基を有していても良い。nは1から3の整数を示す。但し、m+n=4である。)
一般式(1)で示されるシラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、及びこれらの加水分解物等を挙げることができる。
上記シラン化合物を用いる場合、単独で処理する、或いは複数の種類を併用して処理することが可能である。複数の種類を併用する場合、それぞれのシラン化合物で個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。
塩酸水溶液中に前記磁性酸化鉄を分散させて、鉄元素の溶解率が磁性酸化鉄に含まれる全鉄元素量に対して5質量%になるまで磁性酸化鉄を溶解させ、その時点までに溶出したアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の総量の量が、磁性酸化鉄に対して0.0050質量%以下であることが好ましい。アルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の総量が0.0050質量%以下であれば、磁性酸化鉄表面に、殆どアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素が存在しないことを意味する。
このような金属が磁性酸化鉄表面及びその近傍に存在しないと、シラン化合物の処理がより均一に行われるために好ましい。これは、次の理由であると本発明者らは考えている。
これまで述べてきたように、本発明では磁性酸化鉄表面の水酸基やシラノール基とシラン化合物が水素結合をし、脱水することにより化学結合を有することが重要である。しかし、磁性酸化鉄表面に多数のアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素が存在すると水酸基やシラノール基にこれら金属元素が配位し、シラン化合物との水素結合を妨げてしまう。これは、水酸基やシラノール基は陰イオンであるのに対し、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素は陽イオンであるため、電気的に配位し易いためであると考えている。このため、シラン化合物による処理の均一性が損なわれ易い。よって、本発明においては磁性酸化鉄表面及びその近傍に存在するアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の総量が0.0050質量%以下であることが好ましい。
磁性酸化鉄表面のアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の存在量は、磁性酸化鉄製造後にイオン交換樹脂にてイオン交換することにより制御可能である。
具体的には、上記の如く水系中にて製造した磁性酸化鉄をろ過・洗浄した後に、再度水中に投入してリスラリーする。このスラリーにイオン交換樹脂を投入し、撹拌することによりアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素を取り除く。その後、イオン交換樹脂をメッシュにてろ過して、イオン交換樹脂を取り除けばよい。
ここで、撹拌する時間、投入するイオン交換樹脂の量により磁性酸化鉄表面に存在するアルカリ金属元素、及び/またはアルカリ土類金属元素の総量を制御することが可能である。
本発明において、磁性体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して20質量部以上、150質量部以下であることが好ましい。
なお、トナー中の磁性体の含有量の測定は、パーキンエルマー社製熱分析装置、TGA7を用いて測定することができる。測定方法は以下の通りである。窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃までトナーを加熱する。100℃から750℃まで間の減量質量%を結着樹脂量とし、残存質量を近似的に処理磁性体量とする。
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は3.0μm以上、12.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは4.0μm以上、10.0μm以下である。重量平均粒径(D4)が3.0μm以上、12.0μm以下であると良好な流動性が得られ、潜像に忠実に現像することが出来る。このため、ドット再現性に優れた良好な画像を得ることが出来る。
本発明のトナーは、平均円形度が0.960以上であることが好ましく、モード円形度が0.97以上であるとより好ましい。トナーの平均円形度が0.960以上だとトナーの形状は球形又はこれに近い形になり、流動性に優れ均一な摩擦帯電性を得られやすい。このため、耐久後半においても高い現像性を維持し易くなるために好ましい。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は40.0℃以上70.0℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が40.0℃以上70.0℃以下であると、良好な定着性を維持しつつ保存安定性、そして耐久性を向上できるために好ましい。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂を用いることができ、これらは単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。この中でも特にスチレン−アクリル樹脂が現像特性、定着性等の点で好ましい。
本発明のトナーには、帯電特性向上のために必要に応じて荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、帯電スピードが速く、且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が特に好ましい。更に、トナーを後述するような重合法を用いて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。荷電制御剤のうち、ネガ系荷電制御剤として具体的には、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体、スルフォン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
これらの荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり、一義的に限定されるものではない。しかし、トナー粒子に内部添加する場合、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲で用いられる。また、トナー粒子に外部添加する場合、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.005質量部以上1.000質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上0.30質量部以下である。
本発明のトナーには、定着性向上のために必要に応じて離型剤を配合しても良い。離型剤としては公知の全ての離型剤を用いることが出来る。具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体、エステルワックスなどである。ここで、誘導体とは酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。また、エステルワックスとしては1官能エステルワックス、2官能エステルワックスをはじめ、4官能や6官能等の多官能エステルワックスを用いることが出来る。
本発明に用いる離型剤の吸熱ピークトップ温度は50℃以上90℃以下であることが好ましい。吸熱ピークトップ温度が50℃以上90℃以下であると、定着時にトナーが可塑化しやすく、定着性が良化する。また、高温高湿環境下で放置してもワックスのブリーディング等も生じ難く好ましい。
本発明のトナーに離型剤を用いる場合、結着樹脂100質量部に対し離型剤を2質量部以上30質量部以下用いることが好ましい。2質量部以上30質量部以下であると、定着性が向上するとともに、トナーの保存安定性も良好になり易く好ましい。
本発明のトナーは保存安定性の向上、現像性の更なる向上のためにコア−シェル構造を有している事が好ましい。これは、シェル層を有することによりトナーの表面性が均一になり、流動性が向上すると共に帯電性が均一になるためである。
また、高分子量体のシェルが均一に表層を覆うため、長期保存においても低融点物質の染み出し等が生じ難く保存安定性が向上する。
このため、シェル層には非晶質の高分子量体を用いる事が好ましく、帯電の安定性と言う観点から酸価は5.0mgKOH/g以上、20.0mgKOH/g以下であることが好ましい。
シェルを形成させる具体的手法としては、コア粒子にシェル用の微粒子を埋め込む方法が挙げられる。また、水系媒体中でトナーを製造する場合はコア粒子にシェル用の微粒子を付着させ、乾燥させる事によりシェル層を形成させることが可能である。また、溶解懸濁法、懸濁重合法においてはシェル用の高分子量体の親水性を利用し、水との界面、即ち、トナー表面近傍にこれら高分子量体を偏在せしめ、シェルを形成することが可能である。さらには、所謂シード重合法によりコア粒子表面にモノマーを膨潤させ、重合する事によりシェルを形成することができる。
シェル層用の高分子量体としては例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ポリエステル共重合体、ポリアクリレート−ポリエステル共重合体、ポリメタクリレート−ポリエステル共重合体、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂等があり、これらを単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。また、これらポリマー中にアミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、ニトリル基等の官能基を導入しても良い。
懸濁重合法でトナーを製造する場合、これら樹脂の添加量としては、重合性単量体100質量部に対し総量で1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量部以上20.0質量以下である。
これらの樹脂の中でも特にポリエステルが上記効果が大きく発現され好ましい。本発明に使用されるポリエステル樹脂は、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはその両者を適宜選択して使用することが可能である。
また、シェルを形成する高分子量体の数平均分子量(Mn)は2500以上20000以下が好ましく用いられる。数平均分子量(Mn)が2500以上20000以下では定着性を阻害せずに現像性、耐ブロッキング性、耐久性を向上できるために好ましい。なお、数平均分子量(Mn)はGPCにより測定できる。
本発明のトナーは、公知のいずれの方法によっても製造することが可能である。まず、粉砕法により製造する場合は、例えば、結着樹脂、処理磁性体、離型剤等のトナーとして必要な成分及びその他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合する。その後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練してトナー材料を分散又は溶解させ、冷却固化、粉砕後、分級、必要に応じて表面処理を行って磁性トナー粒子を得ることができる。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
本発明のトナーは、上述のように粉砕法によって製造することも可能であるが、この粉砕法で得られるトナーはトナー表面に磁性体が露出してしまう。この為、均一な帯電性が得られ難く、耐久後の放置において濃度低下を生じ易い。
そこで、本発明において、磁性トナー粒子は、分散重合法、会合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法等の方法によって、水系媒体中で製造することが好ましく、懸濁重合法で製造することが特に好ましい。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び処理磁性体(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解又は分散させて重合性単量体組成物を得る。その後、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散し同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーを得るものである。この懸濁重合法で得られるトナー(以後「重合トナー」ともいう)は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、帯電量の分布も比較的均一となるために好ましい。
懸濁重合法によるトナーの製造において、重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類、その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独で、又は混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、或いは他の単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明のトナーの重合法による製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時における半減期が0.5時間以上、30.0時間以下であるものが好ましい。また、重合開始剤の添加量は重合性単量体100質量部に対して0.5質量部以上、20.0質量部以下であることが好ましい。
重合開始剤は公知のものを使用可能であり、具体的にはアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤等を用いることができる。
本発明のトナーを重合法で製造する方法では、一般に上述のトナー組成物等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解又は分散させた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
本発明のトナーを製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が高く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いため、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸三カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.20質量部以上、20.質量部以下の量を用いることが好ましい。また、上記分散安定剤は単独で用いても良いし、複数種を併用してもよい。更に、分散安定剤に加えて、界面活性剤を併用しても良い。
上記重合性単量体を重合する工程において、重合温度は40℃以上、一般には50℃以上90℃以下の温度に設定される。
上記重合性単量体の重合終了後、得られた重合体粒子を公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥することによりトナー粒子が得られる。このトナー粒子に、後述するような無機微粉体を必要に応じて混合して前記トナー粒子の表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。また、製造工程(無機微粉体の混合前)に分級工程を入れ、トナー粒子中に含まれる粗粉や微粉をカットすることも可能である。
本発明のトナーは無機微粉体を有するが、無機微粉体としては個数平均1次粒径(D1)が4nm以上80nm以下、より好ましくは6nm以上40nm以下であることが好ましい。
無機微粉体の個数平均1次粒径(D1)が4nm以上80nm以下であるとトナーの流動性が優れたものとなり、均一な帯電性を得ることが出来ると共に、長期使用においても均一な画像を得ることが出来る。
本発明において、無機微粉体の個数平均1次粒径(D1)の測定法は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真を用いて行う。
本発明で用いられる無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナなどが使用できる。シリカ微粉体としては、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能である。しかし、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO 2−等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
本発明において無機微粉体の添加量は、磁性トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。無機微粉体の添加量が上記範囲であると、トナーに良好は流動性を与えることが出来、定着性も阻害しないので好ましい。
なお、無機微粉体の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
次に、本発明のトナーを好適に用いることのできる画像形成装置の一例を図1に沿って説明する。図1において、100は静電潜像担持体(以下、感光体とも呼ぶ)であり、その周囲に帯電ローラー117、トナー担持体102を有する現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナー116、レジスタローラー124等が設けられている。静電潜像担持体100は帯電ローラー117によって例えば−600Vに帯電される(印加電圧は例えば交流電圧1.85kVpp、直流電圧−620Vdc)。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を静電潜像担持体100に照射することによって露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像担持体100上の静電潜像は現像器140によって一成分トナーで現像されてトナー画像を得、トナー画像は転写材を介して静電潜像担持体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像を載せた転写材は搬送ベルト125等により定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部静電潜像担持体上に残されたトナーはクリーナー116によりクリーニングされる。
次に、本発明のトナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
(1)トナーの平均粒径及び粒度分布
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
1−1)Multisizer3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
1−2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
1−3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
1−4)前記1−2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
1−5)前記1−4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
1−6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記1−5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
1−7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
(2)処理磁性体の単位面積あたりの水分吸着量
本発明における処理磁性体の単位面積あたりの水分吸着量は用いた処理磁性体のBET表面積及び水分吸着量を測定し、それらの数値を用いて算出する。具体的には、下記2−2)で得る単位質量あたりの水分吸着量を下記2−1)で得るBET比表面積で割り、算出する。
2−1)処理磁性体のBET測定
BET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(マイクロメソティック社製)、BET測定装置ジェミニ2375(マイクロメソティック社製)を用いて行った。本発明におけるBET比表面積は、多点法BET比表面積の値である。具体的には、以下のような手順で行う。
空のサンプルセルの質量を測定した後、処理磁性体を2.0g秤量して充填する。さらに、脱ガス装置に、試料が充填されたサンプルセルをセットし、室温で12時間脱ガスを行う。脱ガス終了後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。次に、BET測定装置のバランスポートおよび分析ポートに空のサンプルセルをセットする。所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに脱ガス調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量およびP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
2−2)処理磁性体の水分吸着量測定
水分吸着量の測定においては、まず処理磁性体を温度30℃湿度80%の環境下に72時間放置した後に下記測定装置にて測定した。
水分吸着量の測定は平沼産業社製の水分測定装置を使用した。具体的には、微量水分測定装置AQ−2100、自動加熱気化水分測定システムAQS−2320、自動水分気化装置SE320を組み合わせて用い、カールフィッシャー電量滴定法によって処理磁性体中の水分量を測定した。
測定条件を以下に述べる。測定方式は待ち時間(INTERVAL)制御方式を採用した。設定時間を40秒とし、加熱温度は120℃、処理磁性体の仕込み量は2.0gとした。なお、この測定によって単位質量あたりの水分吸着量が得られる。
(3)シラン化合物の加水分解率測定方法
シラン化合物の加水分解率について述べる。アルコキシシランに加水分解処理を施すと、加水分解物と未加水分解物及び縮合物により構成される混合物が得られる。下記に述べるのは、得られる混合物中における加水分解物の比率である。この混合物は上述したシラン化合物に該当するものである。
まず、アルコキシシランの加水分解反応に関して、メトキシシランを例に取って説明する。メトキシシランが加水分解すると、メトキシ基がヒドロキシル基になると共にメタノールが生成する。したがって、メトキシ基とメタノールの量比から加水分解の進行度を知ることが出来る。本発明では、H−NMR(核磁気共鳴)によって上記量比を測定し、加水分解率を求めた。メトキシシランを例として、具体的な測定及び計算手法を下記に示す。
まず、加水分解処理を施す前のメトキシシランのH−NMR(核磁気共鳴)を重クロロホルムを用いて測定し、メトキシ基由来のピーク位置を確認した。その後、メトキシシランに対して加水分解処理を施してシラン化合物とし、未処理の磁性体に対して加える直前のシラン化合物水溶液をpH7.0、温度10℃にすることで加水分解反応を停止させた。得られた水溶液の水分を除去してシラン化合物の乾固物を得た。この乾固物に重クロロホルムを少量添加してH−NMRを測定した。得られたスペクトルにおけるメトキシ基由来のピークは、予め確認したピーク位置を元に決定した。メトキシ基由来のピーク面積をAとし、メタノールのメチル基由来のピーク面積をBとして加水分解率を下式で求めた。
加水分解率(%)={B/(A+B)}×100
なお、H−NMRの測定条件は下記のように設定した。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :1024回
測定温度 :40℃
(4)シラン化合物の自己縮合率の測定方法
シラン化合物の自己縮合率は、シラン化合物中の全成分に対する自己縮合物(シロキサン)の割合である。具体的にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記のように測定した。
まず、未処理の磁性体に加える直前のシラン化合物水溶液をpH7.0、温度10℃にすることで反応を停止させた。pH調整には酢酸とトリエチルアミン及びイオン交換水を用いた。その後、シラン化合物の濃度が10体積%となるようにアセトニトリルを添加し、得られた溶液のGPCを測定した。
GPCの測定条件を下記に示す。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:GF−310−HQ(昭和電工株式会社製)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:25μL
続いて、シラン化合物のGPCの結果より自己縮合率を算出する方法を以下に述べる。
シラン化合物をGPCで測定した場合、模式的に示した図2のようなチャートが得られる。図2には加水分解処理前(上)と後(下)のチャートを示しており、上段の模式図は加水分解処理を施す前のアルコキシシランを測定して得られるGPCチャートを示している。下段の模式図はアルコキシシランの加水分解処理を進め、アルコキシシラン、加水分解物、自己縮合物が存在する状態のGPCチャートを示しており、ピークの帰属も模式図上に記載した。
得られたGPCチャートにおいてシラン化合物に由来するピークの全面積をβとし、自己縮合物に対応するピークの面積をγとした。これらβ、γを用いて自己縮合率を下記式の如く定義した。
自己縮合率(%)=100×(γ/β)
(5)鉄元素溶解率及び、ケイ元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の含有量
本発明において、磁性酸化鉄の鉄元素の溶解率及び鉄元素溶解率に対する鉄元素以外の金属元素の含有量は、次のような方法によって求めることができる。具体的には、5リットルのビーカーに3リットルの脱イオン水を入れ50℃になるようにウォーターバスで加温する。これに磁性酸化鉄25gを加え撹拌する。次いで、特級塩酸を加え、3モル/Lの塩酸水溶液とし、磁性酸化鉄を溶解させる。溶解開始から、すべて溶解して透明になるまでの間に十数回サンプリングし、目開き0.1μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液を採取する。ろ液をプラズマ発光分光(ICP)によって、鉄元素及び鉄元素以外の金属元素の定量を行い、次式によって、各サンプルの鉄元素溶解率を求める。
鉄元素溶解率=(サンプル中の鉄元素濃度/完全に溶解した時の鉄元素濃度)×100
また、各サンプルのケイ元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の含有量を求め、上記の測定により得られた鉄元素溶解率と、その時に検出された元素の含有率の関係から、鉄元素溶解率が5質量%までに存在するケイ元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の含有量を求める。
以下、本発明を製造例及び実施例により更に具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部を示す。
<磁性酸化鉄1の製造>
Fe2+を2.0mol/L含有する硫酸鉄第一水溶液50リットルに、4.0mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液55リットルを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この水溶液を85℃に保ち、20L/minで空気を吹き込みながら酸化反応を行い、コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過・洗浄した後、コア粒子を水中に再度分散させ、リスラリーした。このリスラリー液に、コア粒子100部あたりケイ元素換算で0.10質量%となるケイ酸ソーダを添加し、スラリー液のpHを6.0に調整し、撹拌することでケイ元素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。得られたスラリーをフィルタープレスにてろ過、洗浄、更にイオン交換水にてリスラリーを行った。このリスラリー液(固形分50g/L)に500g(磁性酸化鉄に対して10質量%)のイオン交換樹脂SK110(三菱化学製)を投入し、2時間撹拌してイオン交換を行った。その後、イオン交換樹脂をメッシュでろ過して除去し、フィルタープレスにてろ過・洗浄し、乾燥・解砕して体積平均粒径が0.21μmの磁性酸化鉄1を得た。
<磁性酸化鉄2の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を0.03部に変えたこと以外は同様にして、体積平均粒径が0.21μmの磁性酸化鉄2を得た。
<磁性酸化鉄3の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を0.05部に変えたこと以外は同様にして、体積平均粒径が0.21μmの磁性酸化鉄3を得た。
<磁性酸化鉄4の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を0.50部に変えたこと以外は同様にして、体積平均粒径が0.21μmの磁性酸化鉄4を得た。
<磁性酸化鉄5の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を0.55部に変えたこと以外は同様にして、体積平均粒径が0.21μmの磁性酸化鉄5を得た。
<磁性酸化鉄6の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を0.50部に変え、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を1時間に変えたこと以外は同様にして、体積平均粒径が0.21μmの磁性酸化鉄6を得た。
<磁性酸化鉄7の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を0.50部に変え、イオン交換樹脂を投入した後の撹拌時間を45分に変えたこと以外は同様にして、体積平均粒径が0.21μmの磁性酸化鉄7を得た。
<磁性酸化鉄8の製造>
磁性酸化鉄1の製造において、添加するケイ酸ソーダの量を0.50部に変え、イオン交換樹脂を投入しなかったこと以外は同様にして、体積平均粒径が0.21μmの磁性酸化鉄8を得た。
<シラン化合物1の調製>
イソブチルトリメトキシシラン40部をイオン交換水60部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.3、温度40℃に保持し、ディスパー翼を用いて、周速0.46m/sで2.0時間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうして加水分解率が95%、自己縮合率が16%のシラン化合物1を含有する水溶液を得た。
<シラン化合物2の調製>
ディスパー翼を用いての分散時間を1.5時間に変更する以外は、シラン化合物1の調製と同様にして、加水分解率が70%、自己縮合率が12%のシラン化合物2を含有する水溶液を得た。
<シラン化合物3の調製>
ディスパー翼を用いての分散時間を1.0時間に変更する以外は、シラン化合物1の調製と同様にして、加水分解率が50%、自己縮合率が9%のシラン化合物3を含有する水溶液を得た。
<シラン化合物4の調製>
ディスパー翼を用いての分散時間を45分に変更する以外は、シラン化合物1の調製と同様にして、加水分解率が45%、自己縮合率が6%のシラン化合物4を含有する水溶液を得た。
<シラン化合物5の調製>
イソブチルトリメトキシシラン40部をイオン交換水60部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH3.2、温度48℃に保持し、ディスパー翼を用いて周速0.46m/sで15分間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうして加水分解率が44%、自己縮合率が21%のシラン化合物5を含有する水溶液を得た。
<シラン化合物6の調製>
イソブチルトリメトキシシラン40部をイオン交換水60部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH2.8、温度52℃に保持し、ディスパー翼を用いて周速0.46m/sで15分間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうして加水分解率が46%、自己縮合率が32%のシラン化合物6を含有する水溶液を得た。
<シラン化合物7の調製>
イソブチルトリメトキシシラン40部をイオン交換水60部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.3、温度40℃に保持し、プロペラ翼を用いて周速0.10m/sで60分間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうして加水分解率が45%、自己縮合率が34%のシラン化合物7を含有する水溶液を得た。
<チタネート化合物の調製>
チタンカップリング剤であるプレンアクトTTS(味の素ファインテクノ株式会社製)40質量部をイオン交換水60質量部に撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.3、温度40℃に保持し、ディスパー翼を用いて周速0.46m/sで2.0時間分散させて加水分解を行った。その後、水溶液のpHを7.0とし、10℃に冷却して加水分解反応を停止させた。こうして加水分解率が70%のチタネート化合物を含有する水溶液を得た。
<処理磁性体1の製造>
磁性酸化鉄1の100部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製 LFS−2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、シラン化合物1を含有する水溶液8.5部を2分間かけて滴下した。その後3分間混合・撹拌した。次いで、混合物を120℃で1時間乾燥すると共に、シラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通して処理磁性体1を得た。処理磁性体1の物性を表1に示す。
<処理磁性体2〜9、11〜13の製造>
処理磁性体1の製造において、磁性酸化鉄、シラン化合物及びその添加量を表1に記載したように変更すること以外は同様にして、処理磁性体2〜9、11〜13を得た。得られた処理磁性体の物性を表1に示す。
<処理磁性体10の製造>
磁性酸化鉄4の100部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製 LFS−2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、シラン化合物4を含有する水溶液8.5部を2分間かけて滴下した。その後3分間混合・撹拌した。次いで、混合物を170℃で2時間乾燥すると共に、シラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通し処理磁性体10を得た。処理磁性体10の物性を表1に示す。
<処理磁性体14の製造>
磁性酸化鉄8の製造と同様にして、ケイ元素リッチな表面を有する磁性酸化鉄粒子を得た。その後、ろ過し、一旦含水サンプルを取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計った。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌すると共にスラリーを循環させながら再分散させた。そして、撹拌しながらシラン化合物4を磁性酸化鉄100部に対し8.5部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、分散液のpHを8.6にして表面処理を行った。得られた磁性体をフィルタープレスにてろ過し、水で洗浄した後、120℃で1時間乾燥し、得られた粒子を解砕処理して体積平均粒径が0.21μmの処理磁性体14を得た。処理磁性体14の物性を表1に示す。
<処理磁性体15の製造>
磁性酸化鉄1の100部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製 LFS−2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、前記チタネート化合物を含有する水溶液8.5部を2分間かけて滴下した。その後3分間混合・撹拌した。次いで、混合物を120℃で1時間乾燥すると共に、チタネート化合物の縮合反応を進行させた。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通し処理磁性体15を得た。処理磁性体15の物性を表1に示す。
<処理磁性体16の製造>
磁性酸化鉄1 100部をハイスピードミキサー(深江パウテック社製 LFS−2型)に入れ、回転数2000rpmで撹拌しながら、イソブチルトリメトキシシラン3.4部を2分間かけて滴下した。その後3分間混合・撹拌した。次いで、混合物を120℃で1時間乾燥した。その後、解砕し、目開き100μmの篩を通し処理磁性体16を得た。処理磁性体16の物性を表1に示す。
<処理磁性体17〜19の製造>
処理磁性体1の製造において、磁性酸化鉄、シラン化合物及びその添加量を表1に記載したように変更すること以外は同様にして、処理磁性体17〜19を得た。得られた処理磁性体17〜19の物性を表1に示す。

※1 ケイ元素の含有量は鉄元素溶解率が5質量%までに存在する、磁性酸化鉄に対するケイ元素の含有割合を示す。
※2 アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の含有量は、鉄元素溶解率が5質量%までに存在する、磁性酸化鉄に対するアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素の総含有割合を示す。
※3 表面処理剤の処理量は、水溶液から水を除いた表面処理剤としての量である。
※4 組成は磁性酸化鉄8と同様であるが、乾燥工程を経ることなく製造したものである。
<トナー1の製造>
イオン交換水720部に0.1モル/L−NaPO水溶液450部を投入して60℃に加温した後、1.0モル/L−CaCl水溶液67.7部を添加して、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 78.0部
・n−ブチルアクリレート 22.0部
・ジビニルベンゼン 0.6部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 1.5部
・処理磁性体1 90.0部
・飽和ポリエステル樹脂 7.0部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸との縮合反応により得られる飽和ポリエステル樹脂 Mn=5000、酸価=12mgKOH/g、Tg=68℃)
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにフィッシャートロプシュワックス12.0部を添加混合し、溶解した後に重合開始剤としてジラウロイルパーオキサイド7.0部を溶解した。
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて12000rpmで10分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ74℃で6時間反応させた。
反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて洗浄した後に濾過・乾燥してトナー粒子1を得た。
このトナー粒子1を100部と個数平均1次粒径12nmの疎水性シリカ微粉体1.0部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し、重量平均粒径(D4)が6.5μmのトナー1を得た。
<トナー2〜14及び16〜21の製造>
トナー1の製造において、処理磁性体1を表2に示すように変更したこと以外は同様にして、トナー2〜14、及び16〜21を得た。それぞれのトナーに用いた磁性体、及び、トナーの重量平均粒径(D4)を表2に示す。
<トナー15の製造>
・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比78/22) 100.0部
・処理磁性体14 90.0部
・フィッシャートロプシュワックス 12.0部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77保土ヶ谷化学社製) 1.5部
・トナー1の製造で用いた飽和ポリエステル樹脂 7.0部
上記材料をブレンダーにて混合し、130℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕した後、微粉砕物を風力分級してトナー粒子2を得た。このトナー粒子2を100部と個数平均1次粒径12nmの疎水性シリカ微粉体1.0部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し、重量平均粒径(D4)が6.6μmのトナー15を得た。
<実施例1>
(画像形成装置)
画像形成装置としてLBP3100(キヤノン製)を用いた。トナー1を使用し、常温常湿環境下(23℃/60%RH)、及び、高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)にて印字率が2%の横線を1枚間欠モードで3000枚プリントアウトした。その後、さらに各環境で7日間放置した。放置後、再度プリントアウトし、放置後の濃度、カブリ、ゴーストの評価を行った。
その結果、耐久試験前後で濃度が高く、非画像部へのカブリ、ゴーストの無い画像を得ることができた。また、7日間放置後でも濃度低下が生じず、ゴーストも無い良好な画像が得られた。常温常湿環境下の評価結果を表3に、高温高湿環境下での評価結果を表4に示す。
各評価の評価方法とその判断基準について以下に述べる。
[画像濃度]
画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ画像の濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定した。
[カブリ]
白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
なお、カブリの判断基準は以下の通りである。
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良好(1.5%以上2.5%未満)
C:普通(2.5%以上4.0%未満)
D:劣る(4%以上)
[ゴースト]
10mm×10mmのベタ画像複数個を転写紙の前半分に形成し、後ろ半分には2ドット3スペースのハーフトーン画像を形成した。ハーフトーン画像上に前記ベタ画像の痕跡がどの程度出るかを目視で判断する。
A:非常に良好(ゴースト未発生)。
B:良好。
C:実用的には問題の無いがゴーストが見られる。
D:ゴーストが顕著に発生。
<実施例2〜15、比較例1〜6>
トナー2〜21を用いたこと以外は実施例1と同様にして、画出し試験を行った。常温常湿環境下での評価結果を表3に、高温高湿環境下での評価結果を表4に示す。
尚、実施例5〜15は、参考例として記載するものである。
100 静電潜像担持体(感光体)
102 トナー担持体
114 転写部材(転写ローラー)
116 クリーナー
117 接触帯電部材(帯電ローラー)
121 レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)
123 レーザー
124 レジスタローラー
125 搬送ベルト
126 定着器
140 現像器
141 撹拌部材

Claims (2)

  1. 結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナー粒子と、
    無機微粉体と、
    を有する磁性トナーであって、
    (1)前記磁性体が、磁性酸化鉄の表面をシラン化合物で、気相中にて処理したものであり、
    (2)塩酸水溶液中に前記磁性酸化鉄を分散させて、鉄元素の溶解率が前記磁性酸化鉄に含まれる鉄元素の総量に対して5質量%になるまで前記磁性酸化鉄を溶解させ、その点までに溶出したケイ素元素の量が、前記磁性酸化鉄に対して0.05質量%以上0.50質量%以下であり、
    (3)前記磁性体の単位面積あたりの水分吸着量が、0.30mg/m以下であり、
    磁性酸化鉄の表面の処理に用いられる該シラン化合物が、
    (i)アルコキシシランに加水分解処理を施したものであり、
    (ii)加水分解率が50%以上であり、
    (iii)自己縮合率が30%以下である
    ことを特徴とする磁性トナー。
  2. 塩酸水溶液中に前記磁性酸化鉄を分散させて、鉄元素の溶解率が前記磁性酸化鉄に含まれる鉄元素の総量に対して5質量%になるまで前記磁性酸化鉄を溶解させ、その時点までに溶出したアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の総量が、前記磁性酸化鉄に対して0.0050質量%以下である請求項1に記載の磁性トナー。
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