JP6966189B2 - 非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤 - Google Patents

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Description

本発明は、非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤に関する。
従来、デジタル複写機やレーザープリンター等に使用される静電荷像現像用トナーにおいて、その流動性改善や帯電特性の安定化のために、表面処理されたシリカ微粉体がトナー外添剤として用いられている。このシリカ微粉体には、トナー表面を均一に被覆できるように、200〜500m/g程度の高比表面積の超微粉末が使用されるが、繰り返しの画像形成を行っていくうちにトナー粒子表面にシリカ超微粉末が埋没し、トナーの流動性、摩擦帯電量、保存性等が低下して画像不良を引き起こすことが確認されている。
このシリカ超微粉末の埋没を低減させるため、比表面積80m/g未満の比較的粒子径の大きな無機微粉末を併用する方法(特許文献1、特許文献2、特許文献3)がある。比較的粒子径の大きな無機微粉末はトナー同士が直接接して生じるストレスを低減させるスペーサー効果を発現する。これにより、シリカ超微粉末の埋没を抑え、トナーの長寿命化を図る方法などがとられている。
しかしながら、一般的なシリカをトナーに外添すると、高温高湿下と低温低湿下での水分変動が大きく、トナーの帯電環境差を安定させることが難しい。また、比較的粒径の大きなシリカ微粉末の外添量を増加させると、流動性が悪化する問題がある。この問題の解決を狙い、20〜100m/gのフュームドシリカをヘキシル基以下のアルキルアルコキシシランを用い、アミン系触媒の存在下で表面処理する方法(特許文献3)が提案されているが、フュームドシリカの形状、及びアルキルシランによる凝集により、外添量を増加させると流動性が悪化する恐れがある。また、ゾルゲル法によって得られる親水性球状シリカ微粒子を疎水化処理して得られる20〜500nmの疎水性球状シリカ微粒子に電荷制御剤を被着せしめた外添用電荷制御粒子が、摩擦帯電量を一定範囲に保つ方法として提案(特許文献4)されているが、トナー同士の接触により電荷制御剤の脱落し、帯電量の低下を招く恐れがある。また、シリカ表面がアルミナでドープされたアルミナドープシリカを用いることによって、凝集粒子径が小さく流動性に優れ、かつ摩擦帯電量を低く抑える方法(特許文献5)が提案されているが、表面にアルミナが偏在していることで表面処理剤との反応性が下がり、しかも、形状がストラクチャー構造となっている為、流動特性の向上効果は十分ではない。また、Alが50〜80重量%、Siが20〜50重量%の組成を持ち、平均粒子径が10〜70nmである球状の非晶質ムライト系微粒子を用いる方法(特許文献6)が提案されているが、アルミナの割合が高いため表面処理剤との反応性が下がり、流動性の付与効果および環境変化に対する帯電安定性の向上効果が十分ではない。その為、比較的粒径の大きな微粉末の帯電特性、特に環境変化に伴う帯電安定性、流動特性に対する更なる改善が求められている。
特開平5−346682号公報 特開2000−81723号公報 特開2004−231498号公報 特開2011−185998号公報 特開2004−143028号公報 特開平11−228123号公報
本発明の目的は、帯電環境安定性、流動性、保存性に優れた非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤を提供することである。
本発明者は、上記の目的を達成するべく鋭意研究を進めたところ、これを達成する非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤を見いだした。本発明はかかる知見に基づくものであり、以下の要旨を有する。
(1)以下の条件(a)〜(d)をすべて満足することを特徴とする非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤。
(a)比表面積が20m/g以上80m/g以下である。
(b)粒子全体のSi原子とAl原子の合計質量に対するAl原子の質量の比率(A)が0.03以上0.5以下である。
(c)X線光電子分光分析法(XPS)により測定される粒子表面近傍に存在するSi原子とAl原子の合計質量に対する粒子表面近傍のAl原子の質量の比率を(B)としたときに(A)と(B)の比(B)/(A)が0.4以上2.0以下である。
(d)平均粒子密度が2.4g/cm以下である。
(2)粒子径50nm以上の粒子の平均球形度が0.82以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤。
(3)疎水化度が55%以上であり、水分量が0.2質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれかに記載の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤。
本発明によれば、帯電環境安定性、流動性、保存性に優れた非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の比表面積は、20m/g以上80m/g以下である必要がある。比表面積が20m/g未満だと外添時にトナーから脱離しやすく、十分な流動性付与効果が得られない。比表面積が80m/gを超えると外添時にトナーに埋没しやすく、十分な保存性付与効果が得られない。好ましい比表面積は25m/g以上65m/g以下であり、さらに好ましい比表面積は、30m/g以上55m/g以下である。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の比表面積は、BET法に基づく値であり、マウンテック社製比表面積測定機「MacsorbHM model−1208」を用い、BET一点法にて測定する。測定に先立ち、窒素ガス雰囲気中で300℃、18分間加熱して前処理を行った。なお、吸着ガスには、窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、本体流量計の指示値が25ml/minになるように流量を調整した。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤は、粒子全体のSi原子とAl原子の合計質量に対するAl原子の質量の比率(A)が0.03以上0.5以下であることが必要である。本発明による帯電環境安定効果の発現理由を説明すれば以下のとおりである。すなわち、シリカの構造中、例えば−O−Si−O−Al−O−Si−O−のように、Siの位置にAlが置換すると、Siの配位数とAlの配位数との違いから、その点が強力な固体酸点となり、その部分にOH基がトラップされる。通常のシリカは高温高湿下では水分量が増加し、低温低湿下では水分量が低下する為、水分量の変動により帯電性の環境差が生じる。しかし、本発明の非晶質アルミノシリケート粒子は上述した固体酸効果により、一定量の水分量を安定的に保持することで帯電環境安定性に優れた外添剤を得ることが出来る。(A)の値が0.03未満であると組成が通常のシリカに近くなり固体酸効果による帯電環境安定性の十分な向上効果が得られない、帯電環境安定性が悪化する。一方、(A)の値が0.6を超えると組成が通常のアルミナに近くなり十分に強い固体酸点が形成されないため、帯電環境安定性が悪化する。好ましい(A)の値は0.1以上0.4以下であり、さらに好ましくは0.2以上0.3以下である。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤は、粒子全体のSi原子とAl原子の合計質量に対するAl原子の質量の比率(A)と粒子表面近傍に存在するSi原子とAl原子の合計質量に対するAl原子の質量の比率(B)の比(B)/(A)が0.4以上2.0以下である必要がある。(B)/(A)が0.4未満であるとAl原子が粒子中心部に偏在しているため、全体のAl濃度に対して十分な帯電環境安定性の向上効果が得られない。(B)/(A)が2.0を超えると、Al原子が粒子表面に偏在しているため、粒子表面と表面処理剤との反応性が低くトナー外添時に十分な流動性の付与効果が得られない。好ましい(B)/(A)の値は0.6以上1.6以下であり、更に好ましくは0.8以上1.4以下である。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の粒子全体のSi原子とAl原子の合計質量に対するAl原子の質量の比率(A)は下記方法を用いて算出する。まず非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤1gに四ホウ酸リチウム5g及び剥離剤(50%臭化リチウム水溶液)30μlを加えて、1100℃で20分間溶融し、ガラスビードを作成した。これを蛍光X線装置(例えば理学電機工業社製「Primus2」)を用いて測定し、SiO又はAlの標準試料から作成した検量線からそれぞれの含有率の定量を行った。この方法により測定すると、蛍光X線が粒子表面から数μm程度の深さまで侵入することから、粒子全体の組成に関する情報が得られる。(A)の値は、この測定により得られたAl原子とSi原子の質量分率より、以下の式を用いて算出した。
(A)=Al原子の質量分率/(Al原子の質量分率+Si原子の質量分率)
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の粒子表面近傍に存在するSiとAlの合計質量に対するAlの質量の比率(B)は下記方法により算出する。まずX線光電子分光組成装置(例えばULVAC−PHI社製「PHI5000VersaProbeII」)を用い、Al Kα線をX線源として非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤のSi原子の質量に対するAl原子の質量の比率を測定した。この方法により測定すると、粒子表面から5nm程度までの深さから生じた光電子のみが検出されるため、粒子の表面近傍の組成に関する情報が得られる(B)の値は、この測定により得られたSi原子の質量に対するAl原子の質量の比率より、以下の式により算出した。
(B)=(Si原子の質量に対するAl原子の質量の比率)/{1+(Si原子の質量に対するAl原子の質量の比率)}
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤は、平均粒子密度が2.4g/cm以下であることが必要である。平均粒子密度が2.4g/cmを超えると外添時にトナー樹脂から脱離しやすく十分な保存性が得られない。また、平均粒子密度がシリカの理論密度である2.2を超えることは、上述したシリカの構造のSiの位置にAlが置換されず、Al粒子が単独で存在することを意味しており、固体酸効果による十分な帯電環境安定性が得られない。好ましい平均粒子密度は2.3g/cm以下であり、シリカ理論密度である2.2g/cm以下がより好ましい。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の平均粒子密度は、セイシン企業社製連続自動粉粒体真密度測定器「オートトゥルーデンサーMAT−7000」を用いて測定する。測定溶媒には試薬特級エタノールを用いた。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の粒子径50nm以上の粒子の平均球形度は0.82以上であることが好ましい。球形度が0.82未満であると分散性が悪化し、トナーに外添した際に十分な保存性付与効果が得られない。さらに好ましい球形度は0.86以上である。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の平均球形度は、下記方法で測定する。非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤をカーボンペーストで試料台に固定後、オスミウムコーティングを行い、日本電子社製走査型電子顕微鏡「JSM−6301F型」で撮影した倍率10万倍、解像度2048×1536ピクセルの画像をパソコンに取り込んだ。この画像を、マウンテック社製画像解析装置「MacView Ver.4」を使用し、簡単取り込みツールを用いて粒子を認識させ、粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)から球形度を測定した。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形度はA/Bとなるので、試料の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πrであるから、B=π×(PM/2π)となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)となる。このようにして得られた任意の投影面積円相当径50nm以上の粒子200個の球形度を求め、その平均値を平均球形度とした。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤は、疎水化度が55%以上であることが好ましい。疎水化度が55%未満であると、表面の親水性が高く粒子表面へ吸着する水の量が湿度に影響されて変化し易くなることから、帯電環境安定性が悪化する。さらに好ましい疎水化度は60%以上である。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の疎水化度は、以下の方法により測定する。すなわち、イオン交換水50ml、試料0.2gをビーカーに入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下する。ビーカー内のメタノール濃度が増加するにつれ粉体は徐々に沈降していき、その全量が沈んだ終点におけるメタノールとイオン交換水の混合溶液中のメタノールの容量%を疎水化度(%)とした。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の疎水化度を達成させる為には表面処理剤で疎水化処理すれば良い。表面処理剤の具体例としては、アルキルクロロシラン、アルキルアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤、チタネート系カップリング剤、フッ素系シランカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等である。これらの中でも、表面処理後の疎水性の高さから、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
非晶質アルミノシリケート微粉末の疎水化処理法について説明する。ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理を行う前に、非晶質アルミノシリケート微粉末表面に予め水分を吸着させることでシラノール基が活性化し、ヘキサメチルジシラザンを球状シリカ微粉末表面に高反応率で結合させることが可能となり、非晶質アルミノシリケート微粉末の帯電安定性を向上させることが出来る。また、必要に応じてヘキサメチルジシラザン1種類を単独で、あるいは、2種類以上の場合は混合、もしくは順次段階的に表面処理して要求される表面処理特性を達成することができる。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤は、水分量が0.2質量%以上2.0質量%以下であることが必要である。水分量は、トナー外添剤に使用した際に、帯電量の高さに影響を及ぼす。水分量が0.2質量%未満だと帯電量(特に低温低湿下での帯電量)が高くなるため、帯電環境安定性が低下する。水分量が2.0質量%を超えると、外添時のトナー樹脂の流動性が低下する。より好ましい水分量は0.3質量%以上1.5質量%以下である。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の水分量は、カールフィッシャー法を用いて測定することが出来る。カールフィッシャー測定には三菱化学社製水分気化装置VA−122と三菱化学社製水分測定装置CA−100を使用し、水分測定装置の陽極液にはアクアミクロンAX(三菱化学社製)、陰極液にはアクアミクロンCXU(三菱化学社製)を使用した。カールフィッシャー測定に際してはバックグラウンド値を0.20(μg/sec)に固定し、検出される水分がバックグラウンド値を下回るまで継続して測定を行った。水分気化装置の電気ヒーターによる加熱処理時は非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤が外気にさらさないようにし、水分気化装置から発生した水分を高純度アルゴン300ml/minに同伴させカールフィッシャー装置に導入し、水分量を測定した。本発明においては、非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤を、温度25℃、相対湿度55%の条件下で24Hr静置させた後に装置に仕込み、水分気化装置の電気ヒーターの加熱温度が200℃となるまでに発生した水分を水分量とした。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤の製造方法は、本発明のAl濃度比、球形度、水分量を実現する為に、金属シリコンと金属アルミニウムの酸化反応法が好ましい。この製造方法として、例えば金属シリコンを化学炎や電気炉等で形成された高温場に投じて酸化反応させながら球状化する方法(例えば特許第1568168号明細書)、金属シリコン粒子スラリーを火炎中に噴霧して酸化反応させながら球状化する方法(例えば特開2000−247626号公報)などを参考にし、金属シリコンを投じる際に金属アルミニウムを同伴して投じる方法がある。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤のトナーへの配合量は、通常、トナー100質量部に対して、0.1〜6質量部が好ましく、さらに好ましくは0.3〜4質量部である。配合量が少なすぎると、トナーへの付着量が少なく十分なスペーサー効果が得られず、多すぎるとトナー表面から非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤が脱離するおそれがある。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤は、単独で使用されるものとは限らず、例えば、流動性付与効果の高い200〜500m/g程度の超微粉末シリカと併用して使用することもできる。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤が添加される静電荷像現像用トナーとしては、結着樹脂と着色剤を主成分として構成される公知のものが使用できる。また、必要に応じて帯電制御剤が添加されていてもよい。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤が添加された静電荷像現像用トナーは、一成分現像剤として使用でき、また、それをキャリアと混合して二成分現像剤として使用することもできる。二成分現像剤として使用する場合においては、上記トナー外添剤は予めトナー粒子に添加せず、トナーとキャリアの混合時に添加してトナーの表面被覆を行ってもよい。キャリアとしては、鉄粉等、あるいはそれらの表面に樹脂コーティングされた公知のものが使用される。
以下、本発明について、実施例及び比較例により、更に詳細に説明する。
実施例1〜11 比較例1〜11
非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤は、燃焼炉の頂部に内炎と外炎が形成できる二重管構造のLPG−酸素混合型バーナーが設置され、下部に捕集系ラインが直結されてなる装置を用いて製造した。上記バーナーの中心部には更にスラリー噴霧用の二流体ノズルが設置され、その中心部から、金属シリコン粉末(平均粒径:13μm)、金属アルミニウム粉末(平均粒径:3〜30μm)及び水からなるスラリー(金属シリコン粉末、金属アルミニウム粉末、水の合計100質量部に対して、金属シリコン粉末と金属アルミニウム粉末の合計量:10.3〜70質量部、水量:30〜89.7質量部。金属シリコン粉末量に対する金属アルミニウム粉末量の比率:0.004〜4)を2〜30L/Hrのフィード量で噴射した。二流体ノズルの外周部からは、スラリー分散ガスとして酸素を3〜15m/Hrで供給した。火炎の形成は二重管バーナーの出口に数十個の細孔を設け、そこからLPGと酸素の混合ガスを噴射することによって行った。また、非晶質アルミノシリケート微粉末の水分量を調整するために、炉体中部側面に1流体ノズルを取り付け、0〜10L/Hrのフィード量で水を噴霧した。二流体ノズルから噴射され火炎を通過して生成した非晶質アルミノシリケート微粉末は、ブロワによって捕集ラインを空気輸送させ、バグフィルターで捕集した。なお、非晶質アルミノシリケート微粉末のAl濃度の調整は、スラリー中の金属シリコンと金属アルミニウムの組成比を調整することにより行った。具体的には非晶質アルミノシリケート微粉末のAl濃度を高くする場合は、金属シリコン粉末濃度を低くして金属アルミニウム粉末濃度を高くし、非晶質アルミノシリケート微粉末のAl濃度を低くする場合は、金属シリコン粉末濃度を高くして金属アルミニウム粉末濃度を低くすることで調整した。Al濃度比(B)/(A)の調整は、金属アルミニウム粉末の平均粒径の調整により行った。金属アルミニウム粉末の平均粒径が小さいと金属アルミニウムの酸化反応が素早く起こる為、Alが非晶質アルミノシリケート系微粉末の中心部に偏在しやすくなり、粒子の中心部のAl濃度が上昇する。一方、金属アルミニウム粉末の粒径が大きいと金属アルミニウムの酸化反応が遅れる為、Alが非晶質アルミノシリケート微粉末の表面層に偏在しやすくなり、粒子表面のAl濃度が上昇する。その為、Al濃度比(B)/(A)を低減する場合は、金属アルミニウム粉末の平均粒径を小さくし、Al濃度比(B)/(A)を増加する場合は、金属アルミニウム粉末の平均粒径を大きくすることで調整した。平均粒子密度の調整は二流体ノズルの外周部から供給する酸素量を調整することにより行った。この酸素は、スラリーを分散させ、金属シリコン粉末、及び金属アルミニウム粉末を効率良く酸化反応させる為に供給するが、供給量が過剰であると、反応場中の金属シリコン粉末と金属アルミニウム粉末の存在割合にムラが生じる為、金属アルミニウムの酸化反応により生成したAl単独粒子が混入し、結果として非晶質アルミノシリケート微粉末の平均粒子密度が高くなる。その為、平均粒子密度を高くする場合は二流体ノズルの外周部から供給する酸素量を増やすことで調整した。球形度の調整は、スラリー中の粉末濃度、すなわち、金属シリコン粉末、及び金属アルミニウム粉末の濃度を調整することにより行った。具体的には、球形度を高くする場合は、粉末濃度を高くし、球形度を低くする場合は、粉末濃度を低くすることで調整した。比表面積の調整はスラリーのフィード量を調整することにより行った。具体的には比表面積を高くする場合は、スラリーのフィード量を少なくし、比表面積を低くする場合は、スラリーのフィード量を多くすることで調整した。水分量の調整は炉体中部からの水噴霧量を調整することにより行った。具体的には、水分量を増やす場合は水噴霧量を多くし、水分量を減らす場合は水噴霧量を少なくすることで調整した。
それらを適宜配合し、各種の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤を得た。得られた非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤を流動層(中央化工機社製「振動流動層装置VUA−15型」)に仕込み、Nガスで流動させながら種々の噴霧量で水を噴霧して粒子表面に水を吸着させたところに、ヘキサメチルジシラザン(信越化学工業社製「SZ−31」)を、種々の噴霧量で噴霧し、20分間流動混合した。疎水化度の調整はヘキサメチルジシラザンの噴霧量を調整することにより行った。具体的には疎水化度を高くする場合は、ヘキサメチルジシラザンの噴霧量を多くすることで調整した。流動混合後、130℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら生成したアンモニアを除去し、疎水化処理を施した非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤A〜Vを得た。非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤A〜Rの平均粒子密度、Al濃度の比率、比表面積、カーボン量、水分量を表1に示す。
非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤A〜Vの、トナー外添剤としての特性を評価するために、帯電環境安定性(帯電環境差)、流動性(安息角)、保存性(耐熱保存性)を以下の方法に従って測定した。それらの結果を表1、表2に示す。
(1)帯電環境差
非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤A〜V15gと、平均粒子径5μmの架橋スチレン樹脂粉(綜研化学社製商品名「SX−500H」)485gをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製「FM−10B型」)に入れ、1000rpmで1分間混合し疑似トナーを作製した。この疑似トナーを、温度15℃、相対湿度30%の低温低湿環境下、及び温度30℃、相対湿度80%の高温高湿環境下でそれぞれ24Hr静置した後、温度と湿度を静置した環境に保ったままブローオフ帯電量を以下の手法で測定した。模擬トナー0.20gと、キャリアとして負帯電極性トナー用標準キャリア(日本画像学会より頒布「N−01」)3.80gを100mlポリエチレン製容器に入れ、アサヒ理化製作所社製小型ボール回転架台「AV−1型」を用い、1秒間に1回転の速度で回転振とうさせた。振とう5分後、この模擬トナーとキャリアの混合物0.30gを用いて吸引分離式帯電量測定器(三協パイオテク社製「セパソフトSTC−1」)により、ブローオフ帯電量を測定した。吸引時間は3分間、吸引圧力は−3.5kPaとし、模擬トナーとキャリアの分離に用いるスクリーンには目開き25μmの金網を使用した。
このブローオフ帯電量のマイナスの値が大きいほど帯電量が大きいことを表す。
得られたブローオフ帯電量を用いて以下の式より、帯電環境差を算出した。
帯電環境差=(低温低湿環境下におけるブローオフ帯電量)−(高温高湿環境下におけるブローオフ帯電量)
この帯電環境差の値が小さいほど、帯電環境安定性が良好であることを表す。
(2)安息角
非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤A〜V10gと、平均粒子径5μmの架橋スチレン樹脂粉(綜研化学社製商品名「SX−500H」)490gをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製「FM−10B型」)に入れ、1000rpmで1分間混合し疑似トナーを作製した。この模擬トナーを、温度25℃、相対湿度50%の条件下で24Hr静置後、パウダテスタ(ホソカワミクロン社製「PT−E型」)を用いて安息角を評価した。温度25℃、相対湿度50%の条件下で24Hr静置させた模擬トナーを目開き710μmの篩に乗せ、振動を与えながら、漏斗を通して直径8cmの円形測定用テーブルに堆積させた。円錐状に形成される堆積状態が一定になるまで堆積させた後、分度器を用いて水平面に対する堆積粉の陵線の角度を安息角とした。この安息角の値が小さいほど、流動性が良好であることを示す。
(3)耐熱保存性
非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤A〜V15gと、ガラス転移点62℃のポリエステル樹脂をジェットミルで平均粒径が6.0μmになるように粉砕調整した樹脂粉485gをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製「FM−10B型」)に入れ、1000rpmで1分間混合した。この混合物10gをシリコーンカップに計り取り、温度62℃の条件下で3時間静置した後、目開き74μmの篩の上に静かに移し、パウダテスタ(ホソカワミクロン社製「PT−E型」)の振動台にセットした。篩の振幅を1.0mmに設定して、30秒間振動した後、篩上に残った混合物の質量を測定した。この値が小さいほど、トナーの保存性が良いことを表す。
Figure 0006966189

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実施例と比較例の対比から明らかなように、本発明によれば、帯電環境安定性、流動性、保存性に優れた非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤が提供される。
本発明の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤は、複写機やレーザープリンター等に使用される電子写真用トナーの外添剤として利用される。

Claims (3)

  1. 以下の条件(a)〜(d)をすべて満足することを特徴とする非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤。
    (a)比表面積が20m/g以上80m/g以下である。
    (b)粒子全体のSi原子とAl原子の合計質量に対するAl原子の質量の比率(A)が0.03以上0.以下である。
    (c)X線光電子分光分析法(XPS)により測定される粒子表面近傍に存在するSi原子とAl原子の合計質量に対する粒子表面近傍のAl原子の質量の比率を(B)としたときに(A)と(B)の比(B)/(A)が0.4以上2.0以下である。
    (d)平均粒子密度が2.4g/cm以下である。
  2. 粒子径50nm以上の粒子の平均球形度が0.82以上であることを特徴とする請求項1に記載の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤。
  3. 疎水化度が55%以上であり、水分量が0.2質量%以上2.0質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の非晶質アルミノシリケート系トナー外添剤。
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