JP2009258681A - トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 長期間にわたって、得られる可視画像に高い画像濃度および高い細線再現性が得られて高い解像度を有する高画質な画像を形成することのできるトナーの提供。
【解決手段】 トナーは、少なくとも、ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を有する着色粒子と外添剤微粒子とを含有してなるトナーにおいて、トナーは、平均円形度が0.950〜0.990、体積基準のメジアン径が4.5〜8.0μm、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)が15〜25であり、かつ、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される金属が10〜1500ppmの割合で含有されたものであり、外添剤微粒子が、ケイ素原子と、チタン原子およびアルミニウム原子の少なくとも一方とを含有する複合酸化物よりなり、かつ、外添剤微粒子の全体におけるケイ素原子の存在比率をR1 、表面層におけるケイ素原子の存在比率をR2 とするとき、係数(R1 )/(R2 )が、1.0以下であること。
【選択図】 なし
【解決手段】 トナーは、少なくとも、ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を有する着色粒子と外添剤微粒子とを含有してなるトナーにおいて、トナーは、平均円形度が0.950〜0.990、体積基準のメジアン径が4.5〜8.0μm、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)が15〜25であり、かつ、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される金属が10〜1500ppmの割合で含有されたものであり、外添剤微粒子が、ケイ素原子と、チタン原子およびアルミニウム原子の少なくとも一方とを含有する複合酸化物よりなり、かつ、外添剤微粒子の全体におけるケイ素原子の存在比率をR1 、表面層におけるケイ素原子の存在比率をR2 とするとき、係数(R1 )/(R2 )が、1.0以下であること。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真法による画像形成方法に用いるトナーに関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置としては、通常の複写機やプリンターとしてオフィス内文書の印刷や単なるコピーとして使用するものから、オフィス外用の印字物の作製の分野、具体的には、電子データから可変情報を簡単に印字できることから、軽印刷の領域であるオンデマンドプリンティング(POD)市場にまで用途が拡大してきており、これに伴ってオフィス内においては複数の複写機やプリンターが設置された状態となるなど全体として電力消費量が増大してきている。
POD市場においては、複写行為にではなく印字物自体に価値が求められるために、当該印字物として、高い画質のものを形成することが要求されている。
POD市場においては、複写行為にではなく印字物自体に価値が求められるために、当該印字物として、高い画質のものを形成することが要求されている。
高い画質の印字物を得るためにはトナーの小粒径化が有効であることが知られており、これを実現するためのいわゆるケミカルトナーが種々提案されている。このケミカルトナーは、水系媒体中などで造粒を行う手法であるため、粉砕法とは異なり、小粒径のトナー粒子を高い均一性で得られるという利点を有している。
一方、定着時にオフセット現象などを発生させずに高い光沢性を与えて高い画像品質の印字物を得るためには、トナー粒子を構成する結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用することが有効であることが知られている。
一方、定着時にオフセット現象などを発生させずに高い光沢性を与えて高い画像品質の印字物を得るためには、トナー粒子を構成する結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用することが有効であることが知られている。
そして、ポリエステル樹脂による小粒径化トナーを調製する方法としては、ポリエステル樹脂を溶剤に溶解または分散させ、これを水系媒体中に分散させて油滴を形成し、その後、脱溶剤することにより、トナー粒子を得る方法が提案されている。
ポリエステル樹脂を重縮合によって合成する際の触媒としては、一般的に、例えばジブチルスズなどのスズ化合物による触媒が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
ポリエステル樹脂を重縮合によって合成する際の触媒としては、一般的に、例えばジブチルスズなどのスズ化合物による触媒が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この方法によっては、着色剤をポリエステル樹脂と同時に溶剤中に溶解または分散させた後に造粒するため、得られるトナー粒子中における着色剤の分散性が低いという問題がある。
また、上記のように触媒として用いられるスズ化合物は、金属(スズ)に脂肪族置換基が結合された構造を有する有機スズであり、このような有機スズは環境適正上、安全面に問題があることが近年指摘されており、この触媒の使用の見直しがなされている。
このように環境への配慮の点などから、近年、触媒として、ハロゲン化チタン、チタンジケトネノレート、カルボン酸チタン、カルボン酸チタニル、カルボン酸チタニル塩などのチタン触媒;ゲルマニウム触媒;アルミニウム触媒などの金属触媒が提案されている(特許文献2〜4参照。)。
しかしながら、これらの特定の金属触媒を用いて得たポリエステル樹脂によるトナーを長期間にわたって使用した場合に、次第に得られる可視画像が画像濃度の低下したものとなってしまう、という問題がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、長期間にわたって使用した場合にも、得られる可視画像に高い画像濃度および高い細線再現性が得られ、その結果、高い解像度を有する高画質な画像を形成することのできるトナーを提供することにある。
本発明者らが検討した結果、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される金属(以下、「特定の触媒金属」ともいう。)が特定量トナー粒子中に存在することにより、着色剤のポリエステル樹脂への高い分散性を得ることができるものの、これらの微量に存在する特定の触媒金属がポリエステル樹脂とイオン架橋した構造を形成し、これによりいわゆる帯電付与性が発現してしまい、その結果、当該トナーを長期間にわたって使用した場合に現像装置内のトナーにおいて電荷の蓄積が発生して現像性が低下してしまうものと推定された。
この電荷の蓄積の問題を解決するために、外添剤微粒子として特定のもの、すなわち、電荷の蓄積を抑制することができるものを使用することにより、安定した可視画像を長期間にわたって形成することができるものと考え、本発明を完成するに至ったものである。
この電荷の蓄積の問題を解決するために、外添剤微粒子として特定のもの、すなわち、電荷の蓄積を抑制することができるものを使用することにより、安定した可視画像を長期間にわたって形成することができるものと考え、本発明を完成するに至ったものである。
本発明のトナーは、少なくとも、ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を有する着色粒子と外添剤微粒子とを含有してなるトナーにおいて、
当該トナーは、平均円形度が0.950〜0.990、体積基準のメジアン径が4.5〜8.0μm、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)が15〜25であり、
かつ、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される金属が10〜1500ppmの割合で含有されたものであり、
前記外添剤微粒子が、ケイ素原子と、チタン原子およびアルミニウム原子の少なくとも一方とを含有する複合酸化物よりなり、かつ、
前記外添剤微粒子の全体におけるケイ素原子の存在比率をR1 、表面層におけるケイ素原子の存在比率をR2 とするとき、係数(R1 )/(R2 )が、1.0以下であることを特徴とする。
当該トナーは、平均円形度が0.950〜0.990、体積基準のメジアン径が4.5〜8.0μm、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)が15〜25であり、
かつ、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される金属が10〜1500ppmの割合で含有されたものであり、
前記外添剤微粒子が、ケイ素原子と、チタン原子およびアルミニウム原子の少なくとも一方とを含有する複合酸化物よりなり、かつ、
前記外添剤微粒子の全体におけるケイ素原子の存在比率をR1 、表面層におけるケイ素原子の存在比率をR2 とするとき、係数(R1 )/(R2 )が、1.0以下であることを特徴とする。
本発明のトナーにおいては、前記外添剤微粒子中のケイ素原子の含有質量が、ケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子の合計含有質量の49%以下であることが好ましい。
また、本発明のトナーにおいては、前記外添剤微粒子は、数平均一次粒子径が20〜200nmのものであることが好ましい。
また、本発明のトナーにおいては、前記外添剤微粒子の係数(R1 )/(R2 )が、0.7以下であることが好ましい。
本発明のトナーによれば、これを構成するトナー粒子がポリエステル樹脂よりなり、特定の小さい粒径を有することによって基本的に高い画質の画像が得られ、特定のシャープな粒径分散度を有することによって過度に粒径が小さいトナー粒子や大きいトナー粒子の存在を抑制することができて定着時にトナー粒子間に高い密着性が得られ、さらに、特定の不定形形状を有するためにトナー粒子間の間隙を最小化することができて定着時にトナー粒子間により一層高い密着性が得られてトナーが拡散せず、従って得られる画像において細線再現性が得られると共に高い画像濃度が得られ、そして、特定の触媒金属を特定の割合で含有すると共に特定の外添剤微粒子を含有するものであるために、高い画像濃度を長期間にわたって形成することができる。
特定の触媒金属を特定の割合で含有すると共に特定の外添剤微粒子を含有するものであるために高い画像濃度を長期間にわたって形成することができる理由としては、明確ではないが、特定の触媒金属とポリエステル樹脂との相互作用によるイオン架橋構造が形成されており、このイオン架橋構造が形成された部位が電荷の発生点として機能して安定した帯電付与性が得られ、さらに特定の外添剤微粒子が過剰な電荷の蓄積を抑制することができるものであることにより、帯電付与性と電荷の蓄積の抑制性との間のバランスが良好なものとなり、その結果、高い画像濃度を長期間にわたって形成することができるものと推定される。
特定の触媒金属を特定の割合で含有すると共に特定の外添剤微粒子を含有するものであるために高い画像濃度を長期間にわたって形成することができる理由としては、明確ではないが、特定の触媒金属とポリエステル樹脂との相互作用によるイオン架橋構造が形成されており、このイオン架橋構造が形成された部位が電荷の発生点として機能して安定した帯電付与性が得られ、さらに特定の外添剤微粒子が過剰な電荷の蓄積を抑制することができるものであることにより、帯電付与性と電荷の蓄積の抑制性との間のバランスが良好なものとなり、その結果、高い画像濃度を長期間にわたって形成することができるものと推定される。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔トナー〕
本発明のトナーは、少なくとも、ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を有する着色粒子と外添剤微粒子とを含有してなるものであり、当該トナーは、平均円形度が0.950〜0.990、体積基準のメジアン径が4.5〜8.0μm、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)が15〜25であり、かつ、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される金属が10〜1500ppmの割合で含有されたものであり、当該外添剤微粒子が、後述する特定の外添剤微粒子であるものである。
ここに、前記金属は、トナー粒子を構成する結着樹脂に分散された状態で含有されていることが好ましい。
本発明のトナーは、少なくとも、ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を有する着色粒子と外添剤微粒子とを含有してなるものであり、当該トナーは、平均円形度が0.950〜0.990、体積基準のメジアン径が4.5〜8.0μm、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)が15〜25であり、かつ、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される金属が10〜1500ppmの割合で含有されたものであり、当該外添剤微粒子が、後述する特定の外添剤微粒子であるものである。
ここに、前記金属は、トナー粒子を構成する結着樹脂に分散された状態で含有されていることが好ましい。
〔トナーの平均粒径〕
本発明のトナーの平均粒径は、体積基準のメジアン径で4.5〜8.0μm、好ましくは4.0〜7.5μmである。トナーの平均粒径が体積基準のメジアン径で上記の範囲であることにより、定着時において飛翔して加熱部材に付着し定着オフセットを発生させる付着力の大きいトナー粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
本発明のトナーの平均粒径は、体積基準のメジアン径で4.5〜8.0μm、好ましくは4.0〜7.5μmである。トナーの平均粒径が体積基準のメジアン径で上記の範囲であることにより、定着時において飛翔して加熱部材に付着し定着オフセットを発生させる付着力の大きいトナー粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
このトナーの平均粒径は、トナーの製造時の凝集工程における凝集剤の濃度や有機溶剤の添加量、または融着時間、さらにはポリエステル樹脂の組成によって制御することができる。
トナーの体積基準のメジアン径は、「コールターマルチサイザーIII 」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定・算出されるものである。
具体的には、まず、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の電解液「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25,000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径(体積D50%径)を体積基準のメジアン径とする。
具体的には、まず、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の電解液「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25,000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径(体積D50%径)を体積基準のメジアン径とする。
〔体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)〕
本発明のトナーにおける体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)は15〜25であり、好ましくは15〜22である。
この体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)は、下記式(x)によって求められるものである。ただし、下記式(x)において、体積基準粒径の算術平均値は、トナー粒子25,000個によって算出される値であり、この値は「コールターマルチサイザーIII 」(ベックマン・コールター社製)によって測定されるものである。
式(x):CVVOL 値={(標準偏差)/(体積基準粒径の算術平均値)}×100
本発明のトナーにおける体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)は15〜25であり、好ましくは15〜22である。
この体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)は、下記式(x)によって求められるものである。ただし、下記式(x)において、体積基準粒径の算術平均値は、トナー粒子25,000個によって算出される値であり、この値は「コールターマルチサイザーIII 」(ベックマン・コールター社製)によって測定されるものである。
式(x):CVVOL 値={(標準偏差)/(体積基準粒径の算術平均値)}×100
上記のように体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)がシャープなものであることにより、過度に粒径が小さいものや大きいトナー粒子の存在が抑制されて定着時にトナー粒子間に高い密着性が得られ、形成される印字物について高い細線再現性が得られると共に高い画像濃度が得られる。
〔トナー粒子の平均円形度〕
本発明のトナーにおいては、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、平均円形度が0.950〜0.990、好ましくは0.955〜0.980である。
この平均円形度が0.950〜0.990の範囲にあることにより、得られる印字物について高い細線再現性が得られると共に高い画像濃度が得られる。
この高い細線再現性が得られると共に高い画像濃度が得られる理由としては、従来、小粒径化されたトナーにおいては、トナー粒子の厚みが薄いために、大粒径トナーと異なりトナー粒子1個に係る隠蔽率は低くなり、また隠蔽率が低減された小粒径化されたトナーにおいては、トナー粒子間の空隙の存在が、単層状にトナー粒子が存在して構成される細線部の再現性に影響を及ぼすため、高い細線再現性が得られず、さらに高い画像濃度も得られないところ、トナー粒子の形状が上記のような不定形形状を有するために、トナー粒子間の空隙が極小化されたからと考えられる。
本発明のトナーにおいては、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、平均円形度が0.950〜0.990、好ましくは0.955〜0.980である。
この平均円形度が0.950〜0.990の範囲にあることにより、得られる印字物について高い細線再現性が得られると共に高い画像濃度が得られる。
この高い細線再現性が得られると共に高い画像濃度が得られる理由としては、従来、小粒径化されたトナーにおいては、トナー粒子の厚みが薄いために、大粒径トナーと異なりトナー粒子1個に係る隠蔽率は低くなり、また隠蔽率が低減された小粒径化されたトナーにおいては、トナー粒子間の空隙の存在が、単層状にトナー粒子が存在して構成される細線部の再現性に影響を及ぼすため、高い細線再現性が得られず、さらに高い画像濃度も得られないところ、トナー粒子の形状が上記のような不定形形状を有するために、トナー粒子間の空隙が極小化されたからと考えられる。
トナー粒子の平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定される値である。具体的には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(z)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される値である。HPF検出数が上記の範囲であれば、再現性が得られる。
式(z):
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
式(z):
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
本発明のトナーを構成するトナー粒子は、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される特定の触媒金属の合計を、10〜1500ppmの割合で含有するものである。
金属の含有割合は、一般的に、原子吸光分析法やプラズマ発光分析法などの公知の金属分析方法を用いることにより測定することができ、本発明に係るトナー粒子における特定の触媒金属の含有割合は、高周波プラズマ発光分析装置「SPS1200A」(セイコー電子工業社製)によって金属定量分析されるものである。
金属の含有割合は、一般的に、原子吸光分析法やプラズマ発光分析法などの公知の金属分析方法を用いることにより測定することができ、本発明に係るトナー粒子における特定の触媒金属の含有割合は、高周波プラズマ発光分析装置「SPS1200A」(セイコー電子工業社製)によって金属定量分析されるものである。
ここに、特定の触媒金属とは、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから1種または2種以上選択されるものである。
この特定の触媒金属は、有機金属化合物、金属酸化物など、特に有機金属化合物の形状で含有されることが好ましい。また、この金属化合物は、金属アルコレートなどの骨格を有していることが好ましい。
この特定の触媒金属は、有機金属化合物、金属酸化物など、特に有機金属化合物の形状で含有されることが好ましい。また、この金属化合物は、金属アルコレートなどの骨格を有していることが好ましい。
この特定の触媒金属の含有割合が上記の範囲にあることにより、当該特定の触媒金属とポリエステル樹脂との相互作用による帯電付与性を得ることができる。すなわち、この特定の触媒金属の含有割合が上記の範囲にある場合は、ポリエステル樹脂中に存在する水酸基やカルボキシル基とこれら特定の触媒金属とによるイオン架橋構造が形成され、これにより、このイオン架橋構造が形成された部位が電荷の発生点として機能される。
この特定の触媒金属の含有割合が10ppm未満である場合は、イオン架橋構造の形成の程度が低いものとなって電荷の発生点が低減し、従って帯電付与性が低いものとなり、その結果、カブリが発生してしまう。一方、この特定の触媒金属の含有割合が1500ppmを超える場合は、過剰の触媒金属の存在により、イオン架橋構造の形成の程度が過度なものとなって電荷の発生点が過剰となり、従って帯電付与性が過度に高いものとなり、その結果、画像濃度の低下が発生してしまう。
この特定の触媒金属の含有割合が10ppm未満である場合は、イオン架橋構造の形成の程度が低いものとなって電荷の発生点が低減し、従って帯電付与性が低いものとなり、その結果、カブリが発生してしまう。一方、この特定の触媒金属の含有割合が1500ppmを超える場合は、過剰の触媒金属の存在により、イオン架橋構造の形成の程度が過度なものとなって電荷の発生点が過剰となり、従って帯電付与性が過度に高いものとなり、その結果、画像濃度の低下が発生してしまう。
また、本発明のトナーの着色粒子を構成するポリエステル樹脂の酸価は、5〜45mg・KOH/gが好ましく、さらに好ましくは5〜30mg・KOH/gである。ポリエステル樹脂の酸価が過大である場合は、高温高湿度、低温低湿度の環境下において画像形成動作を行ったときに環境の影響を受けやすく、画像の劣化を招くおそれがある。
また、ポリエステル樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、30〜60℃、特に35〜54℃であることが好ましく、また、軟化点温度は70〜130℃、特に80〜120℃であることが好ましい。
ここに、ポリエステル樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、示差走査カロリメーター「DSC−7」(パーキンエルマー製)、および熱分析装置コントローラー「TAC7/DX」(パーキンエルマー製)を用いて測定されるものである。具体的には、トナー4.50mgをアルミニウム製パン「KITNO.0219−0041」に封入し、これを「DSC−7」のサンプルホルダーにセットし、リファレンスの測定には空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを取得し、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点温度(Tg)として示す。なお、1st.Heat昇温時は200℃にて5分間保持する。
また、軟化点温度は、以下のように測定されるものである。すなわち、まず、20℃、50%RHの環境下において、トナー1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを軟化点温度とする。
ここに、ポリエステル樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、示差走査カロリメーター「DSC−7」(パーキンエルマー製)、および熱分析装置コントローラー「TAC7/DX」(パーキンエルマー製)を用いて測定されるものである。具体的には、トナー4.50mgをアルミニウム製パン「KITNO.0219−0041」に封入し、これを「DSC−7」のサンプルホルダーにセットし、リファレンスの測定には空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを取得し、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点温度(Tg)として示す。なお、1st.Heat昇温時は200℃にて5分間保持する。
また、軟化点温度は、以下のように測定されるものである。すなわち、まず、20℃、50%RHの環境下において、トナー1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを軟化点温度とする。
さらに、ポリエステル樹脂は、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)が好ましくは3,500〜400,000、より好ましくは7,000〜80,000、重量平均分子量(Mw)が好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000である。ポリエステル樹脂の分子量が上記範囲であることによって、ウレア変性による十分な低温定着性および画像支持体への優れた接着性が得られると共にトナー粒子の現像装置内における破砕が抑制され、また、得られる定着画像を強度の高いものとすることができる。
ポリエステル樹脂の分子量が過小である場合には、溶融粘度が低いものとなって十分な低温定着性が得られるものの、トナー粒子自体の強度が若干低いものとなるため、現像装置内においてストレスによって破砕されたり、得られる定着画像が強度の低いものなってしまうおそれがある。また、ポリエステル樹脂の分子量が過大である場合には、溶融粘度が高いものとなって画像支持体への接着性が十分に得られないおそれがある。
ポリエステル樹脂の分子量が過小である場合には、溶融粘度が低いものとなって十分な低温定着性が得られるものの、トナー粒子自体の強度が若干低いものとなるため、現像装置内においてストレスによって破砕されたり、得られる定着画像が強度の低いものなってしまうおそれがある。また、ポリエステル樹脂の分子量が過大である場合には、溶融粘度が高いものとなって画像支持体への接着性が十分に得られないおそれがある。
GPCによる分子量測定は、以下のように行われるものである。すなわち、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料(トナー)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて分子量を算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成する。また、検出器には屈折率検出器を用いる。
結着樹脂がウレア変性されたポリエステル樹脂よりなるものであると、ウレア結合の存在によってポリエステル樹脂自体が保有する負帯電性が緩和され、従って得られるトナーが過剰帯電せず、高い帯電安定性が得られると共に、画像支持体に対する高い接着性が得られる。また、分子内にエステル結合およびウレア結合の両方が形成されていることによってトナー粒子が高い内部凝集力を有して耐破砕性が得られる。
〔特定の外添剤微粒子〕
本発明のトナーを構成する特定の外添剤微粒子は、ケイ素原子と、チタン原子および/またはアルミニウム原子とを含有する複合酸化物よりなり、かつ、前記外添剤微粒子の全体におけるケイ素原子の存在比率をR1 、表面層におけるケイ素原子の存在比率をR2 とするとき、係数(R1 )/(R2 )が、1.0以下のものである。
この特定の外添剤微粒子は、ケイ素原子が表面に多く存在したものであるために、これが着色粒子に外添処理されて得られるトナーが、静置保管した場合にもパッキング現象などを発生させないなど、シリカにより外添処理されてなるトナーと同様の優れた流動特性を示す。
本発明のトナーを構成する特定の外添剤微粒子は、ケイ素原子と、チタン原子および/またはアルミニウム原子とを含有する複合酸化物よりなり、かつ、前記外添剤微粒子の全体におけるケイ素原子の存在比率をR1 、表面層におけるケイ素原子の存在比率をR2 とするとき、係数(R1 )/(R2 )が、1.0以下のものである。
この特定の外添剤微粒子は、ケイ素原子が表面に多く存在したものであるために、これが着色粒子に外添処理されて得られるトナーが、静置保管した場合にもパッキング現象などを発生させないなど、シリカにより外添処理されてなるトナーと同様の優れた流動特性を示す。
特定の外添剤微粒子は、その全体におけるケイ素原子の存在比率をR1 とし、その表面層におけるケイ素原子の存在比率をR2 としたときに、係数(R1 )/(R2 )が1.0以下ある。
ケイ素原子の係数(R1 )/(R2 )は、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.25以下である。
ケイ素原子の係数(R1 )/(R2 )は、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.25以下である。
特定の外添剤微粒子全体におけるケイ素原子の存在比率R1 は、その全体におけるケイ素原子、チタン原子および/またはアルミニウム原子の含有質量を蛍光X線分析(XRF)装置「XRF−1800」(島津製作所社製)によって測定し、これにより質量分率として算出されるものである。
具体的には、以下の(1)〜(3)の手順で行われる。
(1)まず、検量線作成用の試料として、スチレンパウダー100質量部に既知量の二酸化ケイ素を添加してケイ素原子測定用ペレットを作製し、同様に、スチレンパウダー100質量部に既知量の酸化チタンを添加したチタン原子測定用ペレットおよび/またはスチレンパウダー100質量部に既知量の酸化アルミニウムを添加したアルミニウム原子測定用ペレットを作製する。
(2)次いで、作製したケイ素原子測定用ペレット、チタン原子測定用ペレットおよび/またはアルミニウム原子測定用ペレットをそれぞれ蛍光X線分析し、スチレンパウダー中の二酸化ケイ素、酸化チタンあるいは酸化アルミニウムについて、各ペレットから得られるピーク強度により、検量線を作成する。
(3)その後、特定の外添剤微粒子の試料を蛍光X線分析し、得られたピーク強度を検量線と照合することにより、ケイ素原子、チタン原子および/またはアルミニウム原子の含有量が定量される。
なお、この測定においては、2θテーブルより、測定すべき元素のKαピーク角度を決定し、これを用いた。また、X線発生部条件は、ターゲット:Rh、管電圧:40kV、管電流:95mA、フィルター:なしであり、分光系条件は、スリット:標準、アッテネータ:なし、分光結晶:(Si=PET、Ti=LiF、Al=PET)、検出器:(Si=FPC、Ti=SC、Al=FPC)である。
具体的には、以下の(1)〜(3)の手順で行われる。
(1)まず、検量線作成用の試料として、スチレンパウダー100質量部に既知量の二酸化ケイ素を添加してケイ素原子測定用ペレットを作製し、同様に、スチレンパウダー100質量部に既知量の酸化チタンを添加したチタン原子測定用ペレットおよび/またはスチレンパウダー100質量部に既知量の酸化アルミニウムを添加したアルミニウム原子測定用ペレットを作製する。
(2)次いで、作製したケイ素原子測定用ペレット、チタン原子測定用ペレットおよび/またはアルミニウム原子測定用ペレットをそれぞれ蛍光X線分析し、スチレンパウダー中の二酸化ケイ素、酸化チタンあるいは酸化アルミニウムについて、各ペレットから得られるピーク強度により、検量線を作成する。
(3)その後、特定の外添剤微粒子の試料を蛍光X線分析し、得られたピーク強度を検量線と照合することにより、ケイ素原子、チタン原子および/またはアルミニウム原子の含有量が定量される。
なお、この測定においては、2θテーブルより、測定すべき元素のKαピーク角度を決定し、これを用いた。また、X線発生部条件は、ターゲット:Rh、管電圧:40kV、管電流:95mA、フィルター:なしであり、分光系条件は、スリット:標準、アッテネータ:なし、分光結晶:(Si=PET、Ti=LiF、Al=PET)、検出器:(Si=FPC、Ti=SC、Al=FPC)である。
一方、特定の外添剤微粒子の表面層におけるケイ素原子の存在比率R2 は、その表面から深さ数nm(およそ10原子層程度)までの表面層におけるケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子の含有質量をX線光電子分光装置「ESCA−1000」(島津製作所社製)によって測定し、これにより質量分率として算出されるものである。
具体的には、上記の蛍光X線分析(XRF)装置による測定の(1)および(2)と同様にして、ケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子について検量線を作成し、以下の測定条件により、特定の外添剤微粒子の試料をX線光電子分光測定した。
−測定条件−
X線強度;30mA、10kV
分析深度;Normalモード
定量元素;Si,Ti,Alの元素を同時に定量分析
具体的には、上記の蛍光X線分析(XRF)装置による測定の(1)および(2)と同様にして、ケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子について検量線を作成し、以下の測定条件により、特定の外添剤微粒子の試料をX線光電子分光測定した。
−測定条件−
X線強度;30mA、10kV
分析深度;Normalモード
定量元素;Si,Ti,Alの元素を同時に定量分析
特定の外添剤微粒子においては、その全体におけるケイ素原子の存在比率が1〜49%であることが好ましく、より好ましくは1〜20%である。
また、特定の外添剤微粒子においては、その表面から深さ数nmまでの表面層におけるケイ素原子の存在比率が、70〜100%であることが好ましく、より好ましくは80〜100%である。
外添剤微粒子全体におけるケイ素原子の存在比率が1%未満である場合は、得られる外添剤微粒子が十分な帯電性を有するものとならないおそれや、着色粒子に外添処理して得られるトナーが流動性に劣るものとなるおそれがあり、一方、当該外添剤微粒子全体におけるケイ素原子の存在比率が49%を超える場合は、得られる外添剤微粒子が過剰帯電を十分に抑制できないおそれがある。また、表面層におけるケイ素原子の存在比率が70%未満である場合は、着色粒子に対する帯電付与能が低いものとなるおそれがある。
また、特定の外添剤微粒子においては、その表面から深さ数nmまでの表面層におけるケイ素原子の存在比率が、70〜100%であることが好ましく、より好ましくは80〜100%である。
外添剤微粒子全体におけるケイ素原子の存在比率が1%未満である場合は、得られる外添剤微粒子が十分な帯電性を有するものとならないおそれや、着色粒子に外添処理して得られるトナーが流動性に劣るものとなるおそれがあり、一方、当該外添剤微粒子全体におけるケイ素原子の存在比率が49%を超える場合は、得られる外添剤微粒子が過剰帯電を十分に抑制できないおそれがある。また、表面層におけるケイ素原子の存在比率が70%未満である場合は、着色粒子に対する帯電付与能が低いものとなるおそれがある。
〔外添剤微粒子の平均粒径〕
特定の外添剤微粒子は、数平均一次粒子径が10〜500nmであることが好ましく、より好ましくは20〜300nm、特に好ましくは20〜200nmである。
数平均一次粒子径が上記の範囲であることにより、着色粒子表面の電荷を安定化させ、かつ、当該特定の外添剤微粒子自身を着色粒子の表面に高い安定性で保持させることができる。
特定の外添剤微粒子は、数平均一次粒子径が10〜500nmであることが好ましく、より好ましくは20〜300nm、特に好ましくは20〜200nmである。
数平均一次粒子径が上記の範囲であることにより、着色粒子表面の電荷を安定化させ、かつ、当該特定の外添剤微粒子自身を着色粒子の表面に高い安定性で保持させることができる。
特定の外添剤微粒子の数平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定されるものである。
具体的には、30,000倍に拡大したSEM写真をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP」(ニレコ社製)にて、当該SEM写真画像のトナー表面に存在する外添剤微粒子について2値化処理し、外添剤微粒子1種につき100個についての水平方向のフェレ径を算出し、その平均値が数平均一次粒子径とされる。
なお、外添剤微粒子の数平均一次粒子径が小径であって凝集体としてトナー表面に存在する場合は、当該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
具体的には、30,000倍に拡大したSEM写真をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP」(ニレコ社製)にて、当該SEM写真画像のトナー表面に存在する外添剤微粒子について2値化処理し、外添剤微粒子1種につき100個についての水平方向のフェレ径を算出し、その平均値が数平均一次粒子径とされる。
なお、外添剤微粒子の数平均一次粒子径が小径であって凝集体としてトナー表面に存在する場合は、当該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
〔外添剤微粒子の比表面積〕
特定の外添剤微粒子は、そのBET比表面積が2〜100m2 /gのものであることが好ましい。
なお、BET比表面積とは、例えば窒素ガスのような吸着占有面積が既知であるガス分子の吸着量から、BET吸着等温式を利用して算出した比表面積である。
外添剤微粒子のBET比表面積が上記の範囲であることにより、外添剤微粒子の着色粒子への埋没や着色粒子の表面からの離脱が過度に生じることなく外添剤として安定して作用する環境が形成される。
特定の外添剤微粒子は、そのBET比表面積が2〜100m2 /gのものであることが好ましい。
なお、BET比表面積とは、例えば窒素ガスのような吸着占有面積が既知であるガス分子の吸着量から、BET吸着等温式を利用して算出した比表面積である。
外添剤微粒子のBET比表面積が上記の範囲であることにより、外添剤微粒子の着色粒子への埋没や着色粒子の表面からの離脱が過度に生じることなく外添剤として安定して作用する環境が形成される。
特定の外添剤微粒子のBET比表面積は、自動比表面積測定装置「GEMINI 2360」(島津・マイクロメリテイックス社製)を用いて多点法(7点法)によって測定される値である。
具体的には、まず、外添剤微粒子2gをストレートサンプルセルに充填し、前処理としてセル内を窒素ガス(純度99.999%)で2時間置換し、その後、測定装置本体によって外添剤微粒子に窒素ガス(純度99.999%)を吸脱着させることにより、算出される。
具体的には、まず、外添剤微粒子2gをストレートサンプルセルに充填し、前処理としてセル内を窒素ガス(純度99.999%)で2時間置換し、その後、測定装置本体によって外添剤微粒子に窒素ガス(純度99.999%)を吸脱着させることにより、算出される。
〔外添剤微粒子のかさ密度〕
特定の外添剤微粒子は、そのかさ密度が100〜400g/Lのものであることが好ましい。
なお、かさ密度とは、容積が既知の容器に外添剤微粒子を充填したときに、充填された外添剤微粒子の質量をその容積で除して得られる値のことであって、外添剤微粒子を充填状態においた場合の単位体積当たりにおける外添剤微粒子間に形成される空隙の存在度合いを意味するものである。
特定の外添剤微粒子のかさ密度が上記の範囲であることにより、得られるトナーがトナー粒子間に確実に空隙が確保されるものとなるので、静置保管によるパッキングが発生しにくく、従って、十分な流動性を確実に維持することができる。
特定の外添剤微粒子は、そのかさ密度が100〜400g/Lのものであることが好ましい。
なお、かさ密度とは、容積が既知の容器に外添剤微粒子を充填したときに、充填された外添剤微粒子の質量をその容積で除して得られる値のことであって、外添剤微粒子を充填状態においた場合の単位体積当たりにおける外添剤微粒子間に形成される空隙の存在度合いを意味するものである。
特定の外添剤微粒子のかさ密度が上記の範囲であることにより、得られるトナーがトナー粒子間に確実に空隙が確保されるものとなるので、静置保管によるパッキングが発生しにくく、従って、十分な流動性を確実に維持することができる。
特定の外添剤微粒子のかさ密度は、川北式かさ密度測定機「IH−2000型」(セイシン企業社製)により測定される値である。
具体的には、120メッシュの篩の上に試料(特定の外添剤微粒子)50gを載せ、振動強度6で90秒間篩を振動させ、100mL容器へ試料を落下させた後、振動を停止し30秒間静置した後、容器のすり切りを行い、この質量を測定することにより、かさ密度が算出される。
具体的には、120メッシュの篩の上に試料(特定の外添剤微粒子)50gを載せ、振動強度6で90秒間篩を振動させ、100mL容器へ試料を落下させた後、振動を停止し30秒間静置した後、容器のすり切りを行い、この質量を測定することにより、かさ密度が算出される。
〔外添剤微粒子の疎水化度〕
特定の外添剤微粒子は、その疎水化度が30%以上のものであることが好ましい。
特定の外添剤微粒子の疎水化度が30%以上であることにより、高温高湿環境下においても十分な帯電性が得られるという利点がある。
特定の外添剤微粒子は、その疎水化度が30%以上のものであることが好ましい。
特定の外添剤微粒子の疎水化度が30%以上であることにより、高温高湿環境下においても十分な帯電性が得られるという利点がある。
特定の外添剤微粒子の疎水化度は、以下のように測定される値である。
すなわち、200mLビーカーに水50mLを投入し、さらに、0.2gの外添剤微粒子(試料)を添加し、マグネットスターラで撹拌しながら、滴下時に先端が水に浸漬されたビュレットからメタノールを添加していき、当初浮かんでいた外添剤微粒子(試料)が完全に沈んだときのメタノールの滴下量(Me)から、下記式(1)を用いて算出する。
式(1):疎水化度(%)=〔Me(mL)/(50+Me(mL))〕×100
すなわち、200mLビーカーに水50mLを投入し、さらに、0.2gの外添剤微粒子(試料)を添加し、マグネットスターラで撹拌しながら、滴下時に先端が水に浸漬されたビュレットからメタノールを添加していき、当初浮かんでいた外添剤微粒子(試料)が完全に沈んだときのメタノールの滴下量(Me)から、下記式(1)を用いて算出する。
式(1):疎水化度(%)=〔Me(mL)/(50+Me(mL))〕×100
特定の外添剤微粒子は、その表面層におけるケイ素原子の存在比率が全体に比べて高い、または存在比率が同じものである。
特定の外添剤微粒子としては、具体的には、チタニアおよび/またはアルミナ成分よりなる核粒子の表面にシリカ成分よりなる表面層が形成された構造を有するものが、構造的に本発明の効果を得やすい傾向を有しているために好ましい。なお、前記核粒子は、ケイ素原子も含む酸化物よりなるものであることが好ましい。
このような形態である場合、シリカ成分による表面層が必ずしも核粒子を完全に被覆していなくてもよく、X線光電子分光装置によって質量で測定されるシリカ成分の存在比率が70〜100%であることが好ましく、より好ましくは80〜100%である。
特定の外添剤微粒子としては、具体的には、チタニアおよび/またはアルミナ成分よりなる核粒子の表面にシリカ成分よりなる表面層が形成された構造を有するものが、構造的に本発明の効果を得やすい傾向を有しているために好ましい。なお、前記核粒子は、ケイ素原子も含む酸化物よりなるものであることが好ましい。
このような形態である場合、シリカ成分による表面層が必ずしも核粒子を完全に被覆していなくてもよく、X線光電子分光装置によって質量で測定されるシリカ成分の存在比率が70〜100%であることが好ましく、より好ましくは80〜100%である。
シリカの存在比率は、具体的にはX線光電子分光装置「ESCA−1000」(島津製作所社製)によって、上述の特定の外添剤微粒子の表面層におけるケイ素原子の存在比率R2 の測定方法と同様にして測定されるものである。
〔外添剤微粒子の製造方法〕
本発明のトナーを構成する特定の外添剤微粒子の製造方法としては、特に限定されず、例えば、気相法、火炎加水分解法などの熱分解法(pyrogenic process);ゾル−ゲル法;プラズマ法;沈殿法;水熱法;鉱山法(mining process;bergmaennische Verfahren);およびこれらの方法を組み合わせた方法などが挙げられるが、原子の存在部位を調整し易いという点において、熱分解法を用いることが好ましく、特に、特許第3202573号公報に開示される気相法を採用した製法を挙げることができる。
気相法による外添剤微粒子の製造方法とは、外添剤微粒子の原料を、蒸気状態または粉体状態において高温火炎中に導入し、これらを酸化させて外添剤微粒子を製造する方法である。
本発明のトナーを構成する特定の外添剤微粒子の製造方法としては、特に限定されず、例えば、気相法、火炎加水分解法などの熱分解法(pyrogenic process);ゾル−ゲル法;プラズマ法;沈殿法;水熱法;鉱山法(mining process;bergmaennische Verfahren);およびこれらの方法を組み合わせた方法などが挙げられるが、原子の存在部位を調整し易いという点において、熱分解法を用いることが好ましく、特に、特許第3202573号公報に開示される気相法を採用した製法を挙げることができる。
気相法による外添剤微粒子の製造方法とは、外添剤微粒子の原料を、蒸気状態または粉体状態において高温火炎中に導入し、これらを酸化させて外添剤微粒子を製造する方法である。
ケイ素原子が表面に配向した特定の外添剤微粒子を、原料を蒸気状態において高温火炎中に導入する方法(以下、「蒸気による気相法」ともいう。)によって製造する場合は、例えば、高温火炎中に、チタン原子源および/またはアルミニウム原子源とを加熱して気化させた蒸気を先行して導入し、ある程度結晶が成長した後に、ケイ素原子源を加熱して気化させた蒸気を導入することが、製造の安定性の観点から好ましい。
ケイ素原子源としては、四塩化ケイ素などのハロゲン化ケイ素、または有機ケイ素化合物などを挙げられ、また、チタン原子源としては、硫酸チタン、四塩化チタンなどが挙げられ、さらに、アルミニウム原子源としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウムなどが挙げられる。
ケイ素原子源としては、四塩化ケイ素などのハロゲン化ケイ素、または有機ケイ素化合物などを挙げられ、また、チタン原子源としては、硫酸チタン、四塩化チタンなどが挙げられ、さらに、アルミニウム原子源としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウムなどが挙げられる。
一方、ケイ素原子が表面に配向した特定の外添剤微粒子を、原料を粉体状態において高温火炎中に導入する方法(以下、「粉体による気相法」ともいう。)によって製造する場合は、例えば、高温火炎中に核粒子を形成する粉体(以下、「核粒子形成用粉体」ともいう。)および表面に修飾させて表面層を形成する粉体(以下、「修飾用粉体」ともいう。)を導入するところ、核粒子形成用粉体を修飾用粉体よりも大きいものとすることが、製造の安定性の観点から好ましい。
これは、核粒子形成用粉体および修飾用粉体は同じ高温火炎中に導入され、当該高温火炎中においては複数の粉体が会合・成長して、径の大きな粒子へと成長するところ、修飾用粉体を微粒とすることにより、修飾用粉体について受熱面積が大きくなり、より溶融しやすい状態となるからであると考えられる。従って、例えば高温火炎の温度を制御することにより、核粒子形成用粉体の会合・成長の度合いを小さく抑制し、修飾用粉体が溶融・付着する条件を特別な試行錯誤なしに見出すことができる。
以上において、核粒子形成用粉体および修飾用粉体は、同時に高温火炎中に導入されることにより、互いにその表面を改質するものと考えられる。
これは、核粒子形成用粉体および修飾用粉体は同じ高温火炎中に導入され、当該高温火炎中においては複数の粉体が会合・成長して、径の大きな粒子へと成長するところ、修飾用粉体を微粒とすることにより、修飾用粉体について受熱面積が大きくなり、より溶融しやすい状態となるからであると考えられる。従って、例えば高温火炎の温度を制御することにより、核粒子形成用粉体の会合・成長の度合いを小さく抑制し、修飾用粉体が溶融・付着する条件を特別な試行錯誤なしに見出すことができる。
以上において、核粒子形成用粉体および修飾用粉体は、同時に高温火炎中に導入されることにより、互いにその表面を改質するものと考えられる。
この製造方法においては、核粒子形成用粉体として、チタニアおよび/またはアルミナ成分などの金属酸化物よりなる粒子が用いられる。この核粒子形成用粉体としては、ケイ素原子も含む酸化物よりなるものであってもよい。
金属酸化物による核粒子形成用粉体は、例えば火炎中で当該金属酸化物の原料を燃焼させることにより得られる。金属酸化物の原料としては、チタン原子源、アルミニウム原子源として上記に挙げたものを挙げることができる。これらは単独でまたは任意の組み合わせで併用して用いることができる。
一方、修飾用粉体としては、シリカよりなるものが用いられ、具体的には、高温火炎中で上記に挙げたケイ素原子源を燃焼させて得られるものが好ましく用いられる。なお、シリカとしては、環境安全性の観点から、非晶質のものを用いることが好ましい。
シリカは、熱により核粒子の表面上において当該シリカの原型を観察できないまでに接着・融合されていることが好ましい。
金属酸化物による核粒子形成用粉体は、例えば火炎中で当該金属酸化物の原料を燃焼させることにより得られる。金属酸化物の原料としては、チタン原子源、アルミニウム原子源として上記に挙げたものを挙げることができる。これらは単独でまたは任意の組み合わせで併用して用いることができる。
一方、修飾用粉体としては、シリカよりなるものが用いられ、具体的には、高温火炎中で上記に挙げたケイ素原子源を燃焼させて得られるものが好ましく用いられる。なお、シリカとしては、環境安全性の観点から、非晶質のものを用いることが好ましい。
シリカは、熱により核粒子の表面上において当該シリカの原型を観察できないまでに接着・融合されていることが好ましい。
図1は、本発明のトナーを構成する外添剤微粒子を、粉体による気相法によって製造する製造設備の一例を示す概略図である。なお、本発明に係る特定の外添剤微粒子を粉体による気相法によって製造する製造設備は、これに限定されるものではない。
この粉体による気相法によって外添剤微粒子を製造する場合であって、例えばケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する外添剤微粒子を製造する場合は、具体的には、以下のように得ることができる。
この粉体による気相法によって外添剤微粒子を製造する場合であって、例えばケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する外添剤微粒子を製造する場合は、具体的には、以下のように得ることができる。
すなわち、まず、核粒子形成用粉体A用のタンク21Aに収容された核粒子形成用粉体A、および、修飾用粉体B用のタンク21Bに収容された修飾用粉体Bが、それぞれ定量供給ポンプ22A,22Bによって導入管23A,23Bを通して先端に噴霧ノズルが取り付けられたメインバーナー26に導入され、さらに、酸素・水蒸気混合ガスDと共に燃焼炉27内に噴霧され、補助火炎により着火して高温火炎28が形成される。
そして、燃焼により外添剤微粒子が生成し、この外添剤微粒子が排ガスと共に煙道29において冷却され、サイクロン30およびバグフィルター32によって排ガスと分離され、それぞれ回収器31,33によって捕集される。外添剤微粒子と分離された排ガスは、排風機34により排気される。
なお、図1において、21Dは酸素・水蒸気混合ガスDのタンク、23Dは酸素・水蒸気混合ガスの導入管である。
そして、燃焼により外添剤微粒子が生成し、この外添剤微粒子が排ガスと共に煙道29において冷却され、サイクロン30およびバグフィルター32によって排ガスと分離され、それぞれ回収器31,33によって捕集される。外添剤微粒子と分離された排ガスは、排風機34により排気される。
なお、図1において、21Dは酸素・水蒸気混合ガスDのタンク、23Dは酸素・水蒸気混合ガスの導入管である。
図2は、本発明のトナーを構成する外添剤微粒子を、蒸気による気相法によって製造する製造設備の一例を示す概略図である。なお、本発明に係る特定の外添剤微粒子を蒸気による気相法によって製造する製造設備は、これに限定されるものではない。
この蒸気による気相法によって外添剤微粒子を製造する場合であって、例えばケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する外添剤微粒子を製造する場合は、具体的には、以下のように得ることができる。
この蒸気による気相法によって外添剤微粒子を製造する場合であって、例えばケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する外添剤微粒子を製造する場合は、具体的には、以下のように得ることができる。
(1)まず、ケイ素原子源、チタン原子源およびアルミニウム原子源を、原料投入口1から投入して蒸発器2中で加熱して気化させてケイ素に係る蒸気,チタンに係る蒸気,アルミニウムに係る蒸気を得る。
(2)次いで、これらの蒸気を窒素などの不活性ガス(図示せず)と共に混合室3に導入し、これに、乾燥空気および/または酸素ガスと、水素ガスとを、所定比率で混合して混合ガスを得、この混合ガスを燃焼バーナー4から反応室5に形成された燃焼火炎(図示せず)中に導入する。
(3)そして燃焼火炎中において1000℃〜3000℃の温度で燃焼処理を行うことにより、ケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する粒子を生成させる。
(4)生成した粒子を冷却器6において冷却した後、分離器7においてガス状の反応生成物を分離除去する。この際、場合によっては湿潤空気中で粒子表面に付着している塩化水素を除去する。さらに、
処理室8において塩化水素の脱酸処理し、そして、フィルターで捕集してサイロ9に複合酸化物粒子が回収される。
(2)次いで、これらの蒸気を窒素などの不活性ガス(図示せず)と共に混合室3に導入し、これに、乾燥空気および/または酸素ガスと、水素ガスとを、所定比率で混合して混合ガスを得、この混合ガスを燃焼バーナー4から反応室5に形成された燃焼火炎(図示せず)中に導入する。
(3)そして燃焼火炎中において1000℃〜3000℃の温度で燃焼処理を行うことにより、ケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する粒子を生成させる。
(4)生成した粒子を冷却器6において冷却した後、分離器7においてガス状の反応生成物を分離除去する。この際、場合によっては湿潤空気中で粒子表面に付着している塩化水素を除去する。さらに、
処理室8において塩化水素の脱酸処理し、そして、フィルターで捕集してサイロ9に複合酸化物粒子が回収される。
以上のような製造方法においては、燃焼火炎中に導入するケイ素に係る蒸気とチタンに係る蒸気とアルミニウムに係る蒸気との流量比率、各蒸気の燃焼火炎中への導入のタイミング、燃焼時間、燃焼温度、燃焼雰囲気、およびその他の燃焼条件による影響がケイ素原子の特定の外添剤微粒子の表面への配向の状態に反映されるので、本発明においては、チタン原子およびアルミニウム原子を内部に配向させ、ケイ素原子を表面に配向させるために、これらの条件を複合的に調整することが好ましい。
ケイ素原子が表面に配向した状態は、例えば、燃焼火炎中に導入するケイ素に係る蒸気の導入のタイミングを遅いものとすることや、流過する全蒸気中のケイ素に係る蒸気の濃度を反応の後半において高いものとすることにより、得られる。
具体的には、燃焼火炎中に、比較的電気抵抗が低いチタンに係る蒸気および/またはアルミニウムに係る蒸気を先行して(あるいは反応の前半において流過する全蒸気中のケイ素に係る蒸気の濃度を低くして)導入し、ある程度結晶が成長した後に、比較的電気抵抗が高いケイ素に係る蒸気を導入する(反応の後半において流過する全蒸気中のケイ素に係る蒸気の濃度を高くする)ことが、製造の安定性の観点から好ましい。
ケイ素原子が表面に配向した状態は、例えば、燃焼火炎中に導入するケイ素に係る蒸気の導入のタイミングを遅いものとすることや、流過する全蒸気中のケイ素に係る蒸気の濃度を反応の後半において高いものとすることにより、得られる。
具体的には、燃焼火炎中に、比較的電気抵抗が低いチタンに係る蒸気および/またはアルミニウムに係る蒸気を先行して(あるいは反応の前半において流過する全蒸気中のケイ素に係る蒸気の濃度を低くして)導入し、ある程度結晶が成長した後に、比較的電気抵抗が高いケイ素に係る蒸気を導入する(反応の後半において流過する全蒸気中のケイ素に係る蒸気の濃度を高くする)ことが、製造の安定性の観点から好ましい。
得られた複合酸化物粒子をそのまま外添剤微粒子として用いてもよいが、この複合酸化物粒子に疎水化処理を施すことが好ましい。
疎水化処理方法としては、例えば、以下のような乾式法を挙げることができる。
すなわち、疎水化剤をテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンエタノールおよび塩化水素飽和エタノールなどの溶剤で希釈し、複合酸化物粒子をブレンダーなどで強制的に撹拌しつつ、疎水化剤の希釈液を滴下したりスプレーしたりして加え、充分に混合する。その際、ニーダーコーター、スプレードライヤー、サーマルプロセッサーおよび流動床などの装置を使用することができる。
次に、得られた混合物をバットなどに移してオーブンなどで加熱して乾燥させる。その後、再びミキサーやジェットミルなどによって充分に解砕する。得られた解砕物は、必要に応じて分級することが好ましい。上記のような方法において、疎水化剤を複数種類用いて疎水処理する場合は、各々の疎水化剤を同時に用いて処理してもよく、また、別々に処理してもよい。
また、このような乾式法の他に、複合酸化物粒子をカップリング剤の有機溶剤溶液に浸漬させた後、乾燥させる方法;複合酸化物粒子を水中に分散させてスラリー状にした後、疎水化剤の水溶液を滴下し、その後、複合酸化物粒子を沈降させて加熱乾燥して解砕する方法などの湿式法を用いて疎水化処理してもよい。
以上のような疎水化処理において、加熱時の温度は100℃以上とすることが好ましい。加熱時の温度が100℃未満である場合は、複合酸化物粒子と疎水化剤との縮合反応が完結しにくくなる。
疎水化処理方法としては、例えば、以下のような乾式法を挙げることができる。
すなわち、疎水化剤をテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトンエタノールおよび塩化水素飽和エタノールなどの溶剤で希釈し、複合酸化物粒子をブレンダーなどで強制的に撹拌しつつ、疎水化剤の希釈液を滴下したりスプレーしたりして加え、充分に混合する。その際、ニーダーコーター、スプレードライヤー、サーマルプロセッサーおよび流動床などの装置を使用することができる。
次に、得られた混合物をバットなどに移してオーブンなどで加熱して乾燥させる。その後、再びミキサーやジェットミルなどによって充分に解砕する。得られた解砕物は、必要に応じて分級することが好ましい。上記のような方法において、疎水化剤を複数種類用いて疎水処理する場合は、各々の疎水化剤を同時に用いて処理してもよく、また、別々に処理してもよい。
また、このような乾式法の他に、複合酸化物粒子をカップリング剤の有機溶剤溶液に浸漬させた後、乾燥させる方法;複合酸化物粒子を水中に分散させてスラリー状にした後、疎水化剤の水溶液を滴下し、その後、複合酸化物粒子を沈降させて加熱乾燥して解砕する方法などの湿式法を用いて疎水化処理してもよい。
以上のような疎水化処理において、加熱時の温度は100℃以上とすることが好ましい。加熱時の温度が100℃未満である場合は、複合酸化物粒子と疎水化剤との縮合反応が完結しにくくなる。
疎水化処理に使用される疎水化剤としては、ヘキサメチルジシラザンなどのシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどの通常の表面処理剤として使用されるものが挙げられる。さらに、フッ素系シランカップリング剤やフッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイルなども使用することができる。これらの疎水化剤は、エタノールなどの溶剤に溶解させた状態で使用することが好ましい。
〔その他の外添剤微粒子〕
本発明のトナーに含有される外添剤微粒子としては、以上説明したような特定の外添剤微粒子のみに限定されず、その他の外添剤微粒子を併用してもよい。
本発明のトナーに含有される外添剤微粒子としては、以上説明したような特定の外添剤微粒子のみに限定されず、その他の外添剤微粒子を併用してもよい。
その他の外添剤微粒子としては、種々の無機微粒子および有機微粒子、並びにチタン酸化合物、ステアリン酸金属塩などの滑剤を使用することができる。例えば、無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物の微粒子を使用することが好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2,000nm程度の球形のものを使用することができる。この有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。
これらのその他の外添剤微粒子としては、種々のものを組み合わせて使用してもよい。
これらのその他の外添剤微粒子としては、種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔外添剤微粒子の添加処理〕
以上のような外添剤微粒子を、下記に詳述するように製造される、トナーを形成すべき着色粒子に添加することにより、トナーが得られる。
外添剤微粒子の添加において、外添剤微粒子を添加するために使用される混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
以上のような外添剤微粒子を、下記に詳述するように製造される、トナーを形成すべき着色粒子に添加することにより、トナーが得られる。
外添剤微粒子の添加において、外添剤微粒子を添加するために使用される混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
〔外添剤微粒子の添加割合〕
外添剤微粒子の添加割合は、着色粒子に対して特定の外添剤微粒子の添加割合が0.1〜2.0質量%であることが好ましい。
外添剤微粒子の添加割合は、着色粒子に対して特定の外添剤微粒子の添加割合が0.1〜2.0質量%であることが好ましい。
〔着色粒子〕
本発明のトナーを構成する着色粒子は、少なくともポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を有するものである。
本発明のトナーを構成する着色粒子は、少なくともポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を有するものである。
〔着色粒子の製造方法〕
以上のようなトナーを構成する着色粒子は、いわゆる水系媒体中における粒子の分子成長を利用することによって製造することができる。具体的には、少なくともポリエステル樹脂を形成すべきポリエステルセグメントと着色剤とを溶剤に溶解あるいは分散させた着色粒子形成用材料液による油滴から水系媒体中において造粒することにより、ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を含有する着色粒子を製造することができる。
そして、ポリエステル樹脂を形成すべきポリエステルセグメントは、特定の触媒金属のイオンの存在下で多価オールと多価カルボン酸とを重縮合させることにより得られる。
特定の触媒金属のイオンは、後記に挙げるような、特定の触媒化合物の形状でポリエステルセグメントの合成反応系に供給されることが好ましい。
以上のようなトナーを構成する着色粒子は、いわゆる水系媒体中における粒子の分子成長を利用することによって製造することができる。具体的には、少なくともポリエステル樹脂を形成すべきポリエステルセグメントと着色剤とを溶剤に溶解あるいは分散させた着色粒子形成用材料液による油滴から水系媒体中において造粒することにより、ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を含有する着色粒子を製造することができる。
そして、ポリエステル樹脂を形成すべきポリエステルセグメントは、特定の触媒金属のイオンの存在下で多価オールと多価カルボン酸とを重縮合させることにより得られる。
特定の触媒金属のイオンは、後記に挙げるような、特定の触媒化合物の形状でポリエステルセグメントの合成反応系に供給されることが好ましい。
このような着色粒子の製造方法としては、具体的には例えば以下のような工程が挙げられる。
(1−1)特定の触媒金属の存在下にてポリエステルセグメントを合成するポリエステルセグメント合成工程
(1−2)上記工程(1−1)において得られたポリエステルセグメントをイソシアネート変性させてイソシアネート変性ポリエステルセグメントを合成するイソシアネート変性工程。
(2)上記工程(1−2)で得られたイソシアネート変性ポリエステルセグメント、架橋剤(分子伸張剤)、着色剤、および必要に応じてワックスを加え、さらに溶剤を添加して着色粒子形成用材料液を調製する着色粒子形成用材料液の調製工程
(3)着色粒子形成用材料液を水系媒体中に分散させて油滴を形成する分散工程
(4)分散された油滴中で分子伸張させてポリエステル樹脂を得る分子伸長工程
(5)水系媒体中において油滴を凝集させる凝集工程
(6)凝集された油滴より溶剤を除去し、着色粒子を得る脱溶剤工程
(7)得られる着色粒子を水系媒体中より濾別し、当該着色粒子から界面活性剤などを洗浄除去する濾過・洗浄工程
(8)洗浄処理された着色粒子の乾燥工程、
から構成される。
(1−2)上記工程(1−1)において得られたポリエステルセグメントをイソシアネート変性させてイソシアネート変性ポリエステルセグメントを合成するイソシアネート変性工程。
(2)上記工程(1−2)で得られたイソシアネート変性ポリエステルセグメント、架橋剤(分子伸張剤)、着色剤、および必要に応じてワックスを加え、さらに溶剤を添加して着色粒子形成用材料液を調製する着色粒子形成用材料液の調製工程
(3)着色粒子形成用材料液を水系媒体中に分散させて油滴を形成する分散工程
(4)分散された油滴中で分子伸張させてポリエステル樹脂を得る分子伸長工程
(5)水系媒体中において油滴を凝集させる凝集工程
(6)凝集された油滴より溶剤を除去し、着色粒子を得る脱溶剤工程
(7)得られる着色粒子を水系媒体中より濾別し、当該着色粒子から界面活性剤などを洗浄除去する濾過・洗浄工程
(8)洗浄処理された着色粒子の乾燥工程、
から構成される。
以下、このような製造方法について詳細に説明する。
(1−1)ポリエステルセグメント合成工程
この工程は、多価オール成分と多価カルボン酸成分とを、特定の触媒金属のイオンの存在下において好ましくは150〜280℃、より好ましくは170〜260℃の反応温度にて、必要により減圧し、生成する水を溜去しながら、ヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を有するポリエステルセグメントを生成させる工程である。具体的には、多価オール成分、多価カルボン酸成分および特定の触媒化合物の混合物を反応条件下に存在させることによって、ポリエステルセグメントが合成される。
この工程は、多価オール成分と多価カルボン酸成分とを、特定の触媒金属のイオンの存在下において好ましくは150〜280℃、より好ましくは170〜260℃の反応温度にて、必要により減圧し、生成する水を溜去しながら、ヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を有するポリエステルセグメントを生成させる工程である。具体的には、多価オール成分、多価カルボン酸成分および特定の触媒化合物の混合物を反応条件下に存在させることによって、ポリエステルセグメントが合成される。
反応温度が150℃未満である場合は、反応に要する時間が長いものとなり、また、テレフタル酸など多価カルボン酸成分の多価オール成分に対する溶解性が十分に得られないおそれがある。一方、反応温度が280℃より大きい場合は、原料の分解が生じるおそれがある。
〔多価オール成分〕
ポリエステルセグメントを合成するための多価オール成分としては、芳香族ジオールを用いることが好ましく、この芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類、およびこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、この芳香族ジオールの他に、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,7−ヘプタングリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ジプロピレングリコールなどの脂肪族ジオールを添加してもよい。この場合、芳香族ジオールの使用量が全体のジオール成分の50質量%以上とすることが好ましい。芳香族ジオールの使用量が全体のジオール成分の50質量%未満であると、適度な粘弾性が得られずに高温オフセット現象が発生し、高速定着性を十分に得ることができないおそれがある。
さらに、ポリエステル樹脂の融点を調整するために、微量の3価以上の脂肪族多価オール、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、また、3価以上の多価オールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどを加えても良い。
ポリエステルセグメントを合成するための多価オール成分としては、芳香族ジオールを用いることが好ましく、この芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類、およびこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、この芳香族ジオールの他に、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,7−ヘプタングリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ジプロピレングリコールなどの脂肪族ジオールを添加してもよい。この場合、芳香族ジオールの使用量が全体のジオール成分の50質量%以上とすることが好ましい。芳香族ジオールの使用量が全体のジオール成分の50質量%未満であると、適度な粘弾性が得られずに高温オフセット現象が発生し、高速定着性を十分に得ることができないおそれがある。
さらに、ポリエステル樹脂の融点を調整するために、微量の3価以上の脂肪族多価オール、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、また、3価以上の多価オールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどを加えても良い。
〔多価カルボン酸成分〕
ポリエステルセグメントを合成するための多価カルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコ酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などの脂肪族ジカルボン酸およびこれらの酸無水物または酸塩化物などを挙げることができる。さらに、上述の脂肪族ジカルボン酸に加え、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ、ポリエステル樹脂の溶融粘度を適当なものにする目的で、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を用いてもよい。
これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステルセグメントを合成するための多価カルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコ酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などの脂肪族ジカルボン酸およびこれらの酸無水物または酸塩化物などを挙げることができる。さらに、上述の脂肪族ジカルボン酸に加え、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ、ポリエステル樹脂の溶融粘度を適当なものにする目的で、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を用いてもよい。
これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の多価オール成分と多価カルボン酸成分との使用比率は、多価オール成分のヒドロキシル基[OH]と多価カルボン酸成分のカルボキシル基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]が、1.5/1〜1/1.5とされることが好ましく、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
多価オール成分と多価カルボン酸成分との使用比率が上記の範囲にあることにより、所望の分子量を有するポリエステルセグメントを確実に得ることができる。
多価オール成分と多価カルボン酸成分との使用比率が上記の範囲にあることにより、所望の分子量を有するポリエステルセグメントを確実に得ることができる。
特定の触媒化合物としては、有機金属化合物、金属酸化物など、特に金属アルコレートの骨格を有する有機金属化合物を挙げられ、具体的には、特定の触媒金属としてチタンを供給するチタン化合物としては、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2‐エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド;ポリヒドロキシチタンステアレートなどのチタンアシレート;チタンテトラアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネートなどなどのチタンキレートなどを挙げることができる。
また、ゲルマニウムを供給するゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。
さらにアルミニウムを供給するアルミニウイム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシドなどが挙げられ、トリブチルアルミネート、トリオクチルアルミネート、トリステアリルアルミネートなども例示することができる。
これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ゲルマニウムを供給するゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウムなどを挙げることができる。
さらにアルミニウムを供給するアルミニウイム化合物としては、ポリ水酸化アルミニウムなどの酸化物、アルミニウムアルコキシドなどが挙げられ、トリブチルアルミネート、トリオクチルアルミネート、トリステアリルアルミネートなども例示することができる。
これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特定の触媒化合物の使用量としては、ポリエステルセグメントを形成すべき多価オール成分および多価カルボン酸成分との合計に対して0.01〜1.00質量%が好ましい。
なお、特定の触媒化合物は、重縮合反応の開始時に添加してもよく、また、重縮合反応の途中で添加してもよい。
重縮合反応の途中に特定の触媒化合物を追加することにより、得られるトナーにおける特定の触媒金属の含有割合を調整することができる。
重縮合反応の途中に特定の触媒化合物を追加することにより、得られるトナーにおける特定の触媒金属の含有割合を調整することができる。
得られるポリエステルセグメントのガラス転移点温度(Tg)は、20〜90℃であることが好ましく、特に35〜65℃であることが好ましい。
また、この芳香族ジオール由来ポリエステルセグメントの軟化点温度は、80〜220℃であることが好ましく、特に80〜150℃であることが好ましい。
ここに、ポリエステルセグメントのガラス転移点温度(Tg)および軟化点温度は、測定試料をポリエステルセグメントとして上記と同様の方法によって測定されるものである。
また、この芳香族ジオール由来ポリエステルセグメントの軟化点温度は、80〜220℃であることが好ましく、特に80〜150℃であることが好ましい。
ここに、ポリエステルセグメントのガラス転移点温度(Tg)および軟化点温度は、測定試料をポリエステルセグメントとして上記と同様の方法によって測定されるものである。
また、得られるポリエステルセグメントは、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)が好ましくは2,000〜10000、より好ましくは2,500〜8,000、重量平均分子量(Mw)が好ましくは3,000〜100,000、より好ましくは4,000〜70,000である。
ここに、ポリエステルセグメントの分子量は、測定試料をポリエステルセグメントとして上記と同様の方法によって測定されるものである。
ここに、ポリエステルセグメントの分子量は、測定試料をポリエステルセグメントとして上記と同様の方法によって測定されるものである。
(1−2)イソシアネート変性工程
この工程は、40〜140℃にて、上記工程(1−1)において合成したポリエステルセグメントに多価イソシアネート化合物を反応させ、ポリエステルセグメントの分子末端のヒドロキシル基および/またはカルボキシル基をイソシアネート基に置換してイソシアネート変性ポリエステルセグメントを得る工程である。多価イソシアネート化合物を反応させる際には、必要に応じて、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;テトロヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤などの多価イソシアネート化合物に対して不活性な溶剤を用いることもできる。
この工程は、40〜140℃にて、上記工程(1−1)において合成したポリエステルセグメントに多価イソシアネート化合物を反応させ、ポリエステルセグメントの分子末端のヒドロキシル基および/またはカルボキシル基をイソシアネート基に置換してイソシアネート変性ポリエステルセグメントを得る工程である。多価イソシアネート化合物を反応させる際には、必要に応じて、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;テトロヒドロフランなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤などの多価イソシアネート化合物に対して不活性な溶剤を用いることもできる。
〔多価イソシアネート化合物〕
このようなポリエステルセグメントをイソシアネート変性させるために作用させる多価イソシアネート化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族多価イソシアネート化合物類;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式多価イソシアネート化合物類;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;α,α,α´,α´−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート類;イソシアヌレート類;これらの多価イソシアネート化合物のフェノール誘導体;これらの多価イソシアネート化合物をオキシム、カプロラクタムなどでブロックしたものなどが挙げられる。
これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなポリエステルセグメントをイソシアネート変性させるために作用させる多価イソシアネート化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの脂肪族多価イソシアネート化合物類;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式多価イソシアネート化合物類;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;α,α,α´,α´−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート類;イソシアヌレート類;これらの多価イソシアネート化合物のフェノール誘導体;これらの多価イソシアネート化合物をオキシム、カプロラクタムなどでブロックしたものなどが挙げられる。
これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(2)着色粒子形成用材料液の調製工程
この工程は、イソシアネート変性ポリエステルセグメント、アミン架橋剤からなる結着樹脂構成成分、着色剤、および必要に応じてワックス、荷電制御剤などのトナー構成材料を有機溶剤中に溶解または分散させた着色粒子形成用材料液を調製する工程である。
この工程は、イソシアネート変性ポリエステルセグメント、アミン架橋剤からなる結着樹脂構成成分、着色剤、および必要に応じてワックス、荷電制御剤などのトナー構成材料を有機溶剤中に溶解または分散させた着色粒子形成用材料液を調製する工程である。
ここに、着色粒子形成用材料液に含有されるポリエステルセグメントとしては、イソシアネート変性ポリエステルセグメントのみに限定されず、未変性のポリエステルセグメントなども併用することができる。
着色粒子形成用材料液の調製に使用される有機溶剤としては、着色粒子形成後の除去処理が容易である観点から沸点が低く、かつ、水への溶解性が低いものが好ましく、具体的には、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
有機溶剤の使用量は、イソシアネート変性ポリエステルセグメント100質量部に対して、通常1〜300質量部、好ましくは1〜100質量部、さらに好ましくは25〜70質量部である。
有機溶剤の使用量は、イソシアネート変性ポリエステルセグメント100質量部に対して、通常1〜300質量部、好ましくは1〜100質量部、さらに好ましくは25〜70質量部である。
〔アミン架橋剤〕
アミン架橋剤としては、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン、および、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンなどのジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの3価以上の多価アミン;エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどのアミノアルコール;アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどのアミノメルカプタン;アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などのアミノ酸、およびこれらのアミノ基をブロックした、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトンと反応させて得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などのアミノブロック化合物などが挙げられる。これらは1種単独で2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る製造方法においては、アミン架橋剤としてジアミンを用いることが好ましいが、ポリエステル樹脂の溶融粘度を適当なものにする目的で、ジアミンと少量の3価以上の多価アミンとを混合して用いてもよい。これは、得られるポリエステル樹脂において未反応のアミノ末端が残留すると、トナーを高い均一性で帯電させることができなくなるおそれがあるからである。
アミン架橋剤としては、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン、および、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンなどのジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの3価以上の多価アミン;エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどのアミノアルコール;アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどのアミノメルカプタン;アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などのアミノ酸、およびこれらのアミノ基をブロックした、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトンと反応させて得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などのアミノブロック化合物などが挙げられる。これらは1種単独で2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係る製造方法においては、アミン架橋剤としてジアミンを用いることが好ましいが、ポリエステル樹脂の溶融粘度を適当なものにする目的で、ジアミンと少量の3価以上の多価アミンとを混合して用いてもよい。これは、得られるポリエステル樹脂において未反応のアミノ末端が残留すると、トナーを高い均一性で帯電させることができなくなるおそれがあるからである。
さらに、必要により伸長停止剤を用いることにより得られるポリエステル樹脂の分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなどのモノアミン、およびケチミン化合物などのそれらをブロックしたものなどが挙げられる。
着色粒子形成用材料液において、アミン架橋剤の含有量は、イソシアネート変性ポリエステルセグメント100質量部に対して0.1〜5質量部とされる。
〔着色剤〕
本発明のトナーを構成する着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いることができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などを用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60などを用いることができ、これらの混合物も用いることができる。
本発明のトナーを構成する着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いることができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などを用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60などを用いることができ、これらの混合物も用いることができる。
必要に応じて使用されるワックスとしては、特に限定されず、種々の公知のものを使用することができ、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
必要に応じて使用される荷電制御剤としては、特に限定されず、種々の公知のものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体などが挙げられる。
この着色粒子形成用材料液において、着色剤の含有量は、例えば着色粒子形成用材料液における固形分全体において1〜15質量%、好ましくは4〜10質量%とされる。
また、着色粒子形成用材料液を、ワックスが含有されたものとする場合には、ワックスの含有量は、例えば着色粒子形成用材料液における固形分全体において2〜20質量%、好ましくは3〜18質量%とされる。さらに、また、着色粒子形成用材料液を、荷電制御剤が含有されたものとする場合には、荷電制御剤の含有量は、例えば着色粒子形成用材料液における固形分全体において0.1〜2.5質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%とされる。
また、着色粒子形成用材料液を、ワックスが含有されたものとする場合には、ワックスの含有量は、例えば着色粒子形成用材料液における固形分全体において2〜20質量%、好ましくは3〜18質量%とされる。さらに、また、着色粒子形成用材料液を、荷電制御剤が含有されたものとする場合には、荷電制御剤の含有量は、例えば着色粒子形成用材料液における固形分全体において0.1〜2.5質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%とされる。
(3)分散工程
この工程は、上記工程(2)で得られた着色粒子形成用材料液を水系媒体中に添加、分散させて、得られる着色粒子の粒径が所望のものとなるようその粒径が制御された状態の油滴を形成させる工程である。
この工程は、上記工程(2)で得られた着色粒子形成用材料液を水系媒体中に添加、分散させて、得られる着色粒子の粒径が所望のものとなるようその粒径が制御された状態の油滴を形成させる工程である。
着色粒子形成用材料液の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、乳化分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられ、具体的には例えば「TK式ホモミキサー」(特殊機化工業社製)などを挙げることができる。
油滴は、数平均一次粒子径が60〜1000nmとされることが好ましく、さらに好ましくは80〜500nmである。
油滴の数平均一次粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定されるものである。
油滴の数平均一次粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定されるものである。
ここに、「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものをいい、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶剤を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルセルソルブ、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶剤であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶剤を使用することが好ましい。
水系媒体の使用量は、着色粒子形成用材料液100質量部に対して、50〜2,000質量部であることが好ましく、100〜1,000質量部であることがより好ましい。
水系媒体の使用量を上記の範囲とすることで、水系媒体中において着色粒子形成用材料液を所望の粒径に乳化分散させることができる。
水系媒体の使用量を上記の範囲とすることで、水系媒体中において着色粒子形成用材料液を所望の粒径に乳化分散させることができる。
水系媒体中には、分散安定剤が溶解されている。また、この水系媒体中には、油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤などが添加されていてもよい。
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなどの無機化合物を挙げることができるが、得られる着色粒子中より分散安定剤を除去する必要があることから、リン酸三カルシウムなどのように酸やアルカリに可溶性のものを使用することが好ましく、または環境面の視点からは、酵素により分解可能なものを使用することが好ましい。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価オール誘導体などの非イオン界面活性剤、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤などが挙げられ、また、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤も使用することができる。
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなどの無機化合物を挙げることができるが、得られる着色粒子中より分散安定剤を除去する必要があることから、リン酸三カルシウムなどのように酸やアルカリに可溶性のものを使用することが好ましく、または環境面の視点からは、酵素により分解可能なものを使用することが好ましい。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価オール誘導体などの非イオン界面活性剤、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤などが挙げられ、また、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤も使用することができる。
(4)分子伸長工程
この工程は、油滴において、イソシアネート変性ポリエステルセグメントのイソシアネート基をアミン架橋剤により架橋反応させてウレア結合を形成させることにより分子伸長を行い、ウレア変性されたポリエステル樹脂を生成させ、このポリエステル樹脂よりなる結着樹脂中に着色剤や必要に応じてワックスなどを含有してなるポリエステル微粒子を生成する工程である。
この工程は、油滴において、イソシアネート変性ポリエステルセグメントのイソシアネート基をアミン架橋剤により架橋反応させてウレア結合を形成させることにより分子伸長を行い、ウレア変性されたポリエステル樹脂を生成させ、このポリエステル樹脂よりなる結着樹脂中に着色剤や必要に応じてワックスなどを含有してなるポリエステル微粒子を生成する工程である。
アミン架橋剤による架橋反応時間(分子伸長時間)は、使用される原材料の種類やアミン架橋剤の種類によっても異なるが、例えば1〜24時間とすることが好ましく、2〜15時間とすることがより好ましい。また、反応温度は、20〜100℃とすることが好ましく、50〜98℃とすることがより好ましい。
以上の工程(2)〜(4)においては、水系媒体中の油滴(着色粒子形成用材料液)中に予めアミン架橋剤を含有させているが、このような方法の代わりに、着色粒子形成用材料液中にアミン架橋剤を含有させず、水系媒体中に当該着色粒子形成用材料液を分散させて油滴を形成させ、その後、水系媒体中にアミン架橋剤を添加する方法を採用することもできる。この場合、水系媒体中から油滴にアミン架橋剤が供給されることにより、当該油滴において、イソシアネート変性ポリエステルのイソシアネート基をアミン架橋剤により架橋反応させてウレア結合を形成させることにより、ウレア変性されたポリエステル樹脂が生成される。
(5)凝集工程
この工程は、上記工程(4)において得られたポリエステル微粒子を凝集させて着色粒子を形成させる工程である。
具体的には、分散された状態のポリエステル微粒子の分散安定性を低下させることによって、当該ポリエステル微粒子の凝集を発生させる。さらに具体的な方法としては、ポリエステル微粒子の凝集を発生させることができれば特に限定されるものではないが、例えば、分散安定能を低下させるために、ポリエステル微粒子の分散された水系媒体を昇温する方法や、当該水系媒体に凝集剤を添加するなどの方法が挙げられる。これらの方法のうち、前記水系媒体を昇温して分散安定能を低下させる方法が簡便であるために好ましい。水系媒体を昇温する方法においてポリエステル微粒子の凝集を発生させるための温度としては、当該ポリエステル微粒子の凝集が発生する温度であれば特に限定されるものではないが、例えば50〜98℃、好ましくは60〜90℃である。また、ポリエステル微粒子の凝集を継続させることにより粒子成長が行われるところ、その凝集の継続時間としては、所望の粒径まで成長する時間であれば特に限定されるものではないが、例えば1〜10時間、好ましくは2〜8時間である。また、得られる凝集粒子の粒径は特に限定されるものではなく、所望の粒径のトナーを形成するために必要な粒径とされればよい。
この工程は、上記工程(4)において得られたポリエステル微粒子を凝集させて着色粒子を形成させる工程である。
具体的には、分散された状態のポリエステル微粒子の分散安定性を低下させることによって、当該ポリエステル微粒子の凝集を発生させる。さらに具体的な方法としては、ポリエステル微粒子の凝集を発生させることができれば特に限定されるものではないが、例えば、分散安定能を低下させるために、ポリエステル微粒子の分散された水系媒体を昇温する方法や、当該水系媒体に凝集剤を添加するなどの方法が挙げられる。これらの方法のうち、前記水系媒体を昇温して分散安定能を低下させる方法が簡便であるために好ましい。水系媒体を昇温する方法においてポリエステル微粒子の凝集を発生させるための温度としては、当該ポリエステル微粒子の凝集が発生する温度であれば特に限定されるものではないが、例えば50〜98℃、好ましくは60〜90℃である。また、ポリエステル微粒子の凝集を継続させることにより粒子成長が行われるところ、その凝集の継続時間としては、所望の粒径まで成長する時間であれば特に限定されるものではないが、例えば1〜10時間、好ましくは2〜8時間である。また、得られる凝集粒子の粒径は特に限定されるものではなく、所望の粒径のトナーを形成するために必要な粒径とされればよい。
以上の工程(4),(5)においては、分子伸長反応とポリエステル微粒子の凝集が並行して行われてもよい。
この凝集工程終了後に、形状制御処理を行うことが好ましい。形状制御処理においては、上記工程(5)において得られた着色粒子の分散液を、ミクロンオーダーのフィルター通過処理やアニュラー型連続撹拌ミルなどの撹拌操作により、着色粒子の長短軸比が所定範囲の値になるように形状制御が行われる。
着色粒子の形状制御処理を行う具体的方法としては、例えば、ギャップやフィルター、細孔を通過させる方法や高速回転などにより着色粒子に遠心力を付与して形状を制御する方法などが挙げられる。また、着色粒子の具体的な形状制御処理装置としては、前述のアニュラー型連続湿式撹拌ミルの他に、ピストン型高圧式均質化機、インラインスクリューポンプなどが挙げられる。
所望の形状のトナー粒子は、例えば形状制御処理の処理時間、処理温度、および処理速度などの因子を制御することにより、実現される。
このようにして、着色粒子の形状制御処理が行われ、所定範囲の長短軸比を有する着色粒子が製造される。
着色粒子の形状制御処理を行う具体的方法としては、例えば、ギャップやフィルター、細孔を通過させる方法や高速回転などにより着色粒子に遠心力を付与して形状を制御する方法などが挙げられる。また、着色粒子の具体的な形状制御処理装置としては、前述のアニュラー型連続湿式撹拌ミルの他に、ピストン型高圧式均質化機、インラインスクリューポンプなどが挙げられる。
所望の形状のトナー粒子は、例えば形状制御処理の処理時間、処理温度、および処理速度などの因子を制御することにより、実現される。
このようにして、着色粒子の形状制御処理が行われ、所定範囲の長短軸比を有する着色粒子が製造される。
(6)脱溶剤工程
この工程は、着色粒子より有機溶剤を除去する脱溶剤工程である。この工程においては、有機溶剤以上の沸点にまで加熱し、有機溶剤の除去を行う。この脱溶剤の速度を調整することにより、形成される粒子の表面性状を調整することができる。すなわち、脱溶剤の速度を早くすることで、表面に凹凸を形成させることができ、より不定形化させることができる。
具体的には、脱溶剤時に外部より溶剤の沸点以上、より好ましくは沸点+5〜20℃に加熱すること、さらには加熱と同時に減圧、例えば具体的には1〜300hpaとすることにより、凹凸を形成させることができる。この加熱も高すぎる場合には形状を本発明の範囲内にすることができず、同様に、減圧条件もこの範囲を外れてしまう場合には本発明の範囲内に制御することができない。
この有機溶剤の除去処理時においても、特定の触媒金属イオンあるいは特定の触媒金属化合物の存在により、着色剤の凝集が抑制され、着色剤が高い分散状態を維持しながらポリエステル樹脂中に存在し、当該着色剤の高い分散性が得られたトナーを調製することができる。
この工程は、着色粒子より有機溶剤を除去する脱溶剤工程である。この工程においては、有機溶剤以上の沸点にまで加熱し、有機溶剤の除去を行う。この脱溶剤の速度を調整することにより、形成される粒子の表面性状を調整することができる。すなわち、脱溶剤の速度を早くすることで、表面に凹凸を形成させることができ、より不定形化させることができる。
具体的には、脱溶剤時に外部より溶剤の沸点以上、より好ましくは沸点+5〜20℃に加熱すること、さらには加熱と同時に減圧、例えば具体的には1〜300hpaとすることにより、凹凸を形成させることができる。この加熱も高すぎる場合には形状を本発明の範囲内にすることができず、同様に、減圧条件もこの範囲を外れてしまう場合には本発明の範囲内に制御することができない。
この有機溶剤の除去処理時においても、特定の触媒金属イオンあるいは特定の触媒金属化合物の存在により、着色剤の凝集が抑制され、着色剤が高い分散状態を維持しながらポリエステル樹脂中に存在し、当該着色剤の高い分散性が得られたトナーを調製することができる。
(7)濾過・洗浄工程
この濾過・洗浄工程では、上記工程(6)において得られた着色粒子の分散液を冷却し、この冷却された着色粒子の分散液から着色粒子を固液分離して着色粒子を濾別する濾過処理と、濾別された着色粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。具体的な固液分離および洗浄の方法としては、遠心分離法、ヌッチェなどを使用する減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用する濾過法などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。
この濾過・洗浄工程では、上記工程(6)において得られた着色粒子の分散液を冷却し、この冷却された着色粒子の分散液から着色粒子を固液分離して着色粒子を濾別する濾過処理と、濾別された着色粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。具体的な固液分離および洗浄の方法としては、遠心分離法、ヌッチェなどを使用する減圧濾過法、フィルタープレスなどを使用する濾過法などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。
(8)乾燥工程
この乾燥工程では、洗浄処理された着色粒子に乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。なお、乾燥処理された着色粒子中の水分量は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下とされる。
この乾燥工程では、洗浄処理された着色粒子に乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが挙げられ、これらは特に限定されるものではない。なお、乾燥処理された着色粒子中の水分量は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下とされる。
ここに、着色粒子の水分量の測定はカール・フィッシャー電量滴定法にて実施される。具体的には、水分計「AO−6、AQI−601」(AQ−6用インターフェイス)、加熱気化装置「LE−24S」からなる自動熱気化水分測定システム「AQS−724」(平沼産業社製)を用い、20℃、50%RHの環境下にて24時間放置した着色粒子0.5gをガラス製20mlのサンプル管に精密に秤量して入れ、テフロン(登録商標)コートのシリコーンゴムパッキングを用いて密栓し、以下の測定条件および試薬にてこの密栓した環境中に存在する水分量の測定を行う。さらに、この密栓した環境中の水分量を補正するため、空のサンプルを同時に2本測定した。
・試料加熱温度:110℃
・試料加熱時間:1分
・窒素ガス流量:150ml/分
・試薬:対極液(陰極液);ハイドラナール クーロマット CG−K(HYDRANAL(R)−Coulomat CG−K)、発生液(陽極液);ハイドラナール クーロマット AK(HYDRANAL(R)−Coulomat AK)
・試料加熱温度:110℃
・試料加熱時間:1分
・窒素ガス流量:150ml/分
・試薬:対極液(陰極液);ハイドラナール クーロマット CG−K(HYDRANAL(R)−Coulomat CG−K)、発生液(陽極液);ハイドラナール クーロマット AK(HYDRANAL(R)−Coulomat AK)
また、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集して凝集体を形成している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
以上のような着色粒子の製造方法によれば、ポリエステルセグメントの合成時における触媒として特定の触媒化合物を用い、これを残留させる構成であるために、この特定の触媒化合物が分散性付与機能を発揮する時点においてポリエステル樹脂中に均一に存在する状態とされており、この特定の触媒金属化合物が着色剤に配向されることにより効果的に当該着色剤の高い分散性を得ることができ、従って、着色剤がポリエステル樹脂に対して極めて高い分散性で含有された着色粒子を確実に製造することができる。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられ、いずれも好適に使用することができる。
本発明のトナーにおいては、キャリアと混合する二成分現像剤として使用する場合は、キャリアに対するトナーフィルミング(キャリア汚染)の発生を抑制することができ、一成分現像剤として使用する場合は、現像装置の摩擦帯電部材に対するトナーフィルミングの発生を抑制することができる。
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられ、いずれも好適に使用することができる。
本発明のトナーにおいては、キャリアと混合する二成分現像剤として使用する場合は、キャリアに対するトナーフィルミング(キャリア汚染)の発生を抑制することができ、一成分現像剤として使用する場合は、現像装置の摩擦帯電部材に対するトナーフィルミングの発生を抑制することができる。
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子を用いることが好ましい。
キャリアとしては、その体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜60μmのものがより好ましい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアとしては、その体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜60μmのものがより好ましい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアとしては、さらに樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂などが用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂などを使用することができる。
〔画像形成方法〕
以上のトナーは、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法に好適に用いることができる。画像形成方法としては、具体的には、以上のようなトナーを使用して、例えば像担持体上に静電的に形成された静電潜像を、現像装置において現像剤を摩擦帯電部材によって帯電させることにより顕在化させてトナー像を得、このトナー像を画像支持体に転写し、その後、画像支持体上に転写されたトナー像を接触加熱方式の定着処理によって画像支持体に定着させることにより、可視画像が得られる。
以上のトナーは、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法に好適に用いることができる。画像形成方法としては、具体的には、以上のようなトナーを使用して、例えば像担持体上に静電的に形成された静電潜像を、現像装置において現像剤を摩擦帯電部材によって帯電させることにより顕在化させてトナー像を得、このトナー像を画像支持体に転写し、その後、画像支持体上に転写されたトナー像を接触加熱方式の定着処理によって画像支持体に定着させることにより、可視画像が得られる。
〔定着方法〕
本発明のトナーを使用する好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式のものを挙げることができる。接触加熱方式としては、特に熱圧定着方式、さらには熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
本発明のトナーを使用する好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式のものを挙げることができる。接触加熱方式としては、特に熱圧定着方式、さらには熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
熱ロール定着方式の定着方法においては、通常、表面にフッ素樹脂などが被覆された鉄やアルミニウムなどよりなる金属シリンダー内部に熱源が備えられた上ローラと、シリコーンゴムなどで形成された下ローラとから構成された定着装置が用いられる。
熱源としては、線状のヒータが用いられ、このヒータによって上ローラの表面温度が120〜200℃程度に加熱される。上ローラおよび下ローラ間には圧力が加えられており、この圧力によって下ローラが変形されることにより、この変形部にいわゆるニップが形成される。ニップの幅は1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmとされる。定着線速は40mm/sec〜600mm/secとされることが好ましい。ニップの幅が過小である場合には、熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着ムラが発生するおそれがあり、一方、ニップ幅が過大である場合には、トナー粒子に含有されるポリエステル樹脂の溶融が促進され、定着オフセットが発生するおそれがある。
熱源としては、線状のヒータが用いられ、このヒータによって上ローラの表面温度が120〜200℃程度に加熱される。上ローラおよび下ローラ間には圧力が加えられており、この圧力によって下ローラが変形されることにより、この変形部にいわゆるニップが形成される。ニップの幅は1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmとされる。定着線速は40mm/sec〜600mm/secとされることが好ましい。ニップの幅が過小である場合には、熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着ムラが発生するおそれがあり、一方、ニップ幅が過大である場合には、トナー粒子に含有されるポリエステル樹脂の溶融が促進され、定着オフセットが発生するおそれがある。
〔画像支持体〕
本発明のトナーを用いる画像形成方法において用いられる画像支持体は、トナー像を保持する支持体であって、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明のトナーを用いる画像形成方法において用いられる画像支持体は、トナー像を保持する支持体であって、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以上のようなトナーによれば、これを構成するトナー粒子がポリエステル樹脂よりなり、特定の小さい粒径を有することによって基本的に高い画質の画像が得られ、特定のシャープな粒径分散度を有することによって過度に粒径が小さいトナー粒子や大きいトナー粒子の存在を抑制することができて定着時にトナー粒子間に高い密着性が得られ、さらに、特定の不定形形状を有するためにトナー粒子間の間隙を最小化することができて定着時にトナー粒子間により一層高い密着性が得られてトナーが拡散せず、従って得られる画像において細線再現性が得られると共に高い画像濃度が得られ、そして、特定の触媒金属を特定の割合で含有すると共に特定の外添剤微粒子を含有するものであるために、高い画像濃度を長期間にわたって形成することができる。
特定の触媒金属を特定の割合で含有すると共に特定の外添剤微粒子を含有するものであるために高い画像濃度を長期間にわたって形成することができる理由としては、明確ではないが、特定の触媒金属とポリエステル樹脂との相互作用によるイオン架橋構造が形成されており、このイオン架橋構造が形成された部位が電荷の発生点として機能して安定した帯電付与性が得られ、さらに特定の外添剤微粒子が過剰な電荷の蓄積を抑制することができるものであることにより、帯電付与性と電荷の蓄積の抑制性との間のバランスが良好なものとなり、その結果、高い画像濃度を長期間にわたって形成することができるものと推定される。
特定の触媒金属を特定の割合で含有すると共に特定の外添剤微粒子を含有するものであるために高い画像濃度を長期間にわたって形成することができる理由としては、明確ではないが、特定の触媒金属とポリエステル樹脂との相互作用によるイオン架橋構造が形成されており、このイオン架橋構造が形成された部位が電荷の発生点として機能して安定した帯電付与性が得られ、さらに特定の外添剤微粒子が過剰な電荷の蓄積を抑制することができるものであることにより、帯電付与性と電荷の蓄積の抑制性との間のバランスが良好なものとなり、その結果、高い画像濃度を長期間にわたって形成することができるものと推定される。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔外添剤微粒子の製造例1〕
図2に示される製造装置を用い、四塩化ケイ素の蒸気〔A〕、四塩化チタンの蒸気〔B〕および塩化アルミニウムの蒸気〔C〕を、表1の初期導入量欄に示される流量で不活性ガスと共に反応室中に導入し、水素および空気が所定比率で混合された混合ガスを2,000℃の燃焼温度で0.3秒間燃焼させてケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する複合粒子を生成させ、冷却後、フィルターによって捕集した。
得られた複合粒子を、オーブンにて空気雰囲気下、500℃で1時間加熱して脱塩素処理し、この500質量部を加熱、冷却用ジャケット付き高速撹拌混合機に仕込み、500rpmで撹拌しながら、密閉下で純水25質量部を噴霧供給し、さらに10分間撹拌した。続いて、ヘキサメチルジシラザンを25質量部添加し、密閉下で60分間撹拌し、その後、撹拌しながら150℃で窒素を通気し、生成したアンモニアガスおよび残存する処理剤を除去することにより、複合酸化物粒子よりなる外添剤微粒子〔1〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔1〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。なお、係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度は、上述の測定手順に基づいて算出したものである。
図2に示される製造装置を用い、四塩化ケイ素の蒸気〔A〕、四塩化チタンの蒸気〔B〕および塩化アルミニウムの蒸気〔C〕を、表1の初期導入量欄に示される流量で不活性ガスと共に反応室中に導入し、水素および空気が所定比率で混合された混合ガスを2,000℃の燃焼温度で0.3秒間燃焼させてケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する複合粒子を生成させ、冷却後、フィルターによって捕集した。
得られた複合粒子を、オーブンにて空気雰囲気下、500℃で1時間加熱して脱塩素処理し、この500質量部を加熱、冷却用ジャケット付き高速撹拌混合機に仕込み、500rpmで撹拌しながら、密閉下で純水25質量部を噴霧供給し、さらに10分間撹拌した。続いて、ヘキサメチルジシラザンを25質量部添加し、密閉下で60分間撹拌し、その後、撹拌しながら150℃で窒素を通気し、生成したアンモニアガスおよび残存する処理剤を除去することにより、複合酸化物粒子よりなる外添剤微粒子〔1〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔1〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。なお、係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度は、上述の測定手順に基づいて算出したものである。
〔外添剤微粒子の製造例2〜5〕
外添剤微粒子の製造例1において、四塩化ケイ素の蒸気〔A〕、四塩化チタンの蒸気〔B〕および塩化アルミニウムの蒸気〔C〕を、反応の初期原料としてメインルートから表1の初期導入量欄に示される流量で反応室に導入すると共に、反応の後期原料として図示しない別ルートから表1の後期導入量欄に示される流量で反応室に導入して、ケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する複合粒子を生成させたことの他は同様にして、外添剤微粒子〔2〕〜〔5〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔2〕〜〔5〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。
外添剤微粒子の製造例1において、四塩化ケイ素の蒸気〔A〕、四塩化チタンの蒸気〔B〕および塩化アルミニウムの蒸気〔C〕を、反応の初期原料としてメインルートから表1の初期導入量欄に示される流量で反応室に導入すると共に、反応の後期原料として図示しない別ルートから表1の後期導入量欄に示される流量で反応室に導入して、ケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子を含有する複合粒子を生成させたことの他は同様にして、外添剤微粒子〔2〕〜〔5〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔2〕〜〔5〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。
〔外添剤微粒子の製造例6〜10、13〜15〕
外添剤微粒子の製造例1において、燃焼バーナーの反応炉に導入する原料を、表1に示す原料とその混合比に変更することの他は同様にして、外添剤微粒子〔6〕〜〔10〕および外添剤微粒子〔13〕〜〔15〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔6〕〜〔10〕および外添剤微粒子〔13〕〜〔15〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。
外添剤微粒子の製造例1において、燃焼バーナーの反応炉に導入する原料を、表1に示す原料とその混合比に変更することの他は同様にして、外添剤微粒子〔6〕〜〔10〕および外添剤微粒子〔13〕〜〔15〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔6〕〜〔10〕および外添剤微粒子〔13〕〜〔15〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。
〔外添剤微粒子の製造例11〕
外添剤微粒子の製造例14と同様にして得た二酸化チタン粒子〔t〕と、外添剤微粒子の製造例13と同様にして得たシリカ粉体〔s〕とを、予め質量で9:1となるように樹脂袋内で混合し、図1に記載の製造装置を用い、タンクに投入し、4kg/時間の供給速度で、キャリアガスである空気と共に導入管を介して搬送し、ノズルから噴き出させた。この時、空気のノズル噴き出し流速は48m/秒であった。
反応後、燃焼炉内の高温滞留時間が0.3秒以下となるように冷却空気を燃焼炉に導入し、その後、ポリテトラフルオロエチレン製のバグフィルターを用いて、製造された微粉末〔P〕を捕集した。
捕集した微粉末〔P〕を、オーブンにて空気雰囲気下、500℃で1時間加熱して脱塩素処理し、この500質量部を加熱、冷却用のジャケット付き高速撹拌混合機に仕込み、500rpmで撹拌しながら、密閉下で純水25質量部を噴霧供給し、その後、撹拌を10分間継続した。続いて、ヘキサメチルジシラザンを25質量部添加し、密閉下で撹拌を60分間行い、その後、撹拌加熱し、150℃で窒素を通気しながら生成したアンモニアガスおよび残存する処理剤を除去し、外添剤微粒子〔11〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔11〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。
外添剤微粒子の製造例14と同様にして得た二酸化チタン粒子〔t〕と、外添剤微粒子の製造例13と同様にして得たシリカ粉体〔s〕とを、予め質量で9:1となるように樹脂袋内で混合し、図1に記載の製造装置を用い、タンクに投入し、4kg/時間の供給速度で、キャリアガスである空気と共に導入管を介して搬送し、ノズルから噴き出させた。この時、空気のノズル噴き出し流速は48m/秒であった。
反応後、燃焼炉内の高温滞留時間が0.3秒以下となるように冷却空気を燃焼炉に導入し、その後、ポリテトラフルオロエチレン製のバグフィルターを用いて、製造された微粉末〔P〕を捕集した。
捕集した微粉末〔P〕を、オーブンにて空気雰囲気下、500℃で1時間加熱して脱塩素処理し、この500質量部を加熱、冷却用のジャケット付き高速撹拌混合機に仕込み、500rpmで撹拌しながら、密閉下で純水25質量部を噴霧供給し、その後、撹拌を10分間継続した。続いて、ヘキサメチルジシラザンを25質量部添加し、密閉下で撹拌を60分間行い、その後、撹拌加熱し、150℃で窒素を通気しながら生成したアンモニアガスおよび残存する処理剤を除去し、外添剤微粒子〔11〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔11〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。
〔外添剤微粒子の製造例12〕
外添剤微粒子の製造例11において、二酸化チタン粒子〔t〕の代わりに、外添剤微粒子の製造例15と同様にして得た酸化アルミニウム〔a〕を用いたことの他は同様にして、外添剤微粒子〔12〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔12〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。
外添剤微粒子の製造例11において、二酸化チタン粒子〔t〕の代わりに、外添剤微粒子の製造例15と同様にして得た酸化アルミニウム〔a〕を用いたことの他は同様にして、外添剤微粒子〔12〕を得た。
得られた外添剤微粒子〔12〕の係数(R1 )/(R2 )、数平均一次粒子径、BET比表面積、かさ密度および疎水化度を表1に示す。
〔着色粒子の製造例1〕
(ポリエステルセグメント〔a1〕の合成)
撹拌機および窒素導入管が取り付けられた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、イソフタル酸200質量部、フマル酸70質量部、およびテトラノルマルブチルチタネート0.3質量部(0.03質量%)を入れ、常圧下、220℃において7時間反応させ、さらに10mmHgの減圧下において4時間反応させた後、160℃まで冷却し、次いで無水フタル酸32質量部を加え、2時間反応させてポリエステルセグメント〔a1〕を得た。このポリエステルセグメント〔a1〕のガラス転移点温度Tgは52℃、軟化点温度は108℃であり、数平均分子量(Mn)が4,300、重量平均分子量(Mw)が22,000であった。
(ポリエステルセグメント〔a1〕の合成)
撹拌機および窒素導入管が取り付けられた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、イソフタル酸200質量部、フマル酸70質量部、およびテトラノルマルブチルチタネート0.3質量部(0.03質量%)を入れ、常圧下、220℃において7時間反応させ、さらに10mmHgの減圧下において4時間反応させた後、160℃まで冷却し、次いで無水フタル酸32質量部を加え、2時間反応させてポリエステルセグメント〔a1〕を得た。このポリエステルセグメント〔a1〕のガラス転移点温度Tgは52℃、軟化点温度は108℃であり、数平均分子量(Mn)が4,300、重量平均分子量(Mw)が22,000であった。
(イソシアネート変性ポリエステルセグメント〔A1〕の合成)
このポリエステルセグメント〔a1〕1,000質量部に対して酢酸エチル2,000質量部を加え、次いで、イソホロンジイソシアネート120質量部を添加し、80℃にて2時間反応させ、イソシアネート変性ポリエステルセグメント〔A1〕を得た。
このポリエステルセグメント〔a1〕1,000質量部に対して酢酸エチル2,000質量部を加え、次いで、イソホロンジイソシアネート120質量部を添加し、80℃にて2時間反応させ、イソシアネート変性ポリエステルセグメント〔A1〕を得た。
(着色粒子の形成)
液封シール(環流器)、撹拌機が取り付けられた混合槽中において、酢酸エチル900質量部、イソシアネート変性ポリエステルセグメント〔A1〕300質量部、銅フタロシアニンブルー4質量部、カーボンブラック4質量部、ペンタエリスリトールテトラステアレート15質量部、およびイソホロンジアミン5質量部を混合温度20℃において2時間混合処理し、着色粒子形成用材料液を得た。
一方、別の反応槽に、イオン交換水600質量部、メチルエチルケトン60質量部、リン酸三カルシウム60質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3質量部を入れ、「TK式ホモミキサー」(特殊機化工業社製)によって、温度30℃において15,000rpmで3分間撹拌しながら、上記の着色粒子形成用材料液を投入して水系媒体中に数平均一次粒子径0.5μmの油滴として分散させ、その後、撹拌を通常の撹拌機に変更し、300rpmにて撹拌しつつ80℃に昇温し、3時間撹拌することにより分子伸長反応およびこれによって得られるポリエステル微粒子の凝集を行った。ここで得られた凝集粒子は体積基準のメジアン径で6.9μmであった。その後、90℃に昇温して酢酸エチルを除去した。酢酸エチルが完全に無くなるまで除去した後、室温まで冷却し、35%濃塩酸150質量部を加えてトナー表面のリン酸三カルシウムを溶出させた。次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄したのち、40℃で24時間乾燥させることにより、着色粒子〔1〕を得た。
液封シール(環流器)、撹拌機が取り付けられた混合槽中において、酢酸エチル900質量部、イソシアネート変性ポリエステルセグメント〔A1〕300質量部、銅フタロシアニンブルー4質量部、カーボンブラック4質量部、ペンタエリスリトールテトラステアレート15質量部、およびイソホロンジアミン5質量部を混合温度20℃において2時間混合処理し、着色粒子形成用材料液を得た。
一方、別の反応槽に、イオン交換水600質量部、メチルエチルケトン60質量部、リン酸三カルシウム60質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3質量部を入れ、「TK式ホモミキサー」(特殊機化工業社製)によって、温度30℃において15,000rpmで3分間撹拌しながら、上記の着色粒子形成用材料液を投入して水系媒体中に数平均一次粒子径0.5μmの油滴として分散させ、その後、撹拌を通常の撹拌機に変更し、300rpmにて撹拌しつつ80℃に昇温し、3時間撹拌することにより分子伸長反応およびこれによって得られるポリエステル微粒子の凝集を行った。ここで得られた凝集粒子は体積基準のメジアン径で6.9μmであった。その後、90℃に昇温して酢酸エチルを除去した。酢酸エチルが完全に無くなるまで除去した後、室温まで冷却し、35%濃塩酸150質量部を加えてトナー表面のリン酸三カルシウムを溶出させた。次いで、固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄したのち、40℃で24時間乾燥させることにより、着色粒子〔1〕を得た。
〔着色粒子の製造例2〜9〕
着色粒子の製造例1において、ポリエステルセグメント〔a1〕の合成の工程における金属触媒およびその添加量を、「テトラノルマルブチルチタネート0.3質量部」から、表2に従ったものに変更したことの他は同様にして、着色粒子〔2〕〜〔9〕を得た。
なお、着色粒子〔8〕,〔9〕は比較用の着色粒子である。
着色粒子の製造例1において、ポリエステルセグメント〔a1〕の合成の工程における金属触媒およびその添加量を、「テトラノルマルブチルチタネート0.3質量部」から、表2に従ったものに変更したことの他は同様にして、着色粒子〔2〕〜〔9〕を得た。
なお、着色粒子〔8〕,〔9〕は比較用の着色粒子である。
〔着色粒子の製造例10〕
着色粒子の製造例2において、酢酸エチルの除去温度を90℃から80℃に変更したことの他は同様にして、比較用の着色粒子〔10〕を得た。
着色粒子の製造例2において、酢酸エチルの除去温度を90℃から80℃に変更したことの他は同様にして、比較用の着色粒子〔10〕を得た。
〔着色粒子の製造例11〕
着色粒子の製造例2において、酢酸エチルの除去温度を90℃から98℃に変更したことの他は同様にして、比較用の着色粒子〔11〕を得た。
着色粒子の製造例2において、酢酸エチルの除去温度を90℃から98℃に変更したことの他は同様にして、比較用の着色粒子〔11〕を得た。
〔トナーの製造例1〕
着色粒子〔1〕100質量部に、外添剤微粒子〔1〕2質量部、疎水性シリカ(数平均粒子径7nm)1質量部および疎水性シリカ(数平均粒子径21nm)1.0質量部をヘンシェルミキサーで混合し、トナー〔1〕を得た。なお、ヘンシェルミキサーの回転翼周速は35m/sec、32℃で20分間混合したのち、目開き45μmのふるいを通した。
このトナー〔1〕の体積基準のメジアン径(D50)は5.6μm、平均円形度は0.969、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)は19、特定の触媒金属(チタン)の含有割合は10ppmであった。また、ガラス転移点温度(Tg)は54℃、軟化点温度は113℃であり、数平均分子量(Mn)は8,000、重量平均分子量(Mw)は34,000であった。
着色粒子〔1〕100質量部に、外添剤微粒子〔1〕2質量部、疎水性シリカ(数平均粒子径7nm)1質量部および疎水性シリカ(数平均粒子径21nm)1.0質量部をヘンシェルミキサーで混合し、トナー〔1〕を得た。なお、ヘンシェルミキサーの回転翼周速は35m/sec、32℃で20分間混合したのち、目開き45μmのふるいを通した。
このトナー〔1〕の体積基準のメジアン径(D50)は5.6μm、平均円形度は0.969、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)は19、特定の触媒金属(チタン)の含有割合は10ppmであった。また、ガラス転移点温度(Tg)は54℃、軟化点温度は113℃であり、数平均分子量(Mn)は8,000、重量平均分子量(Mw)は34,000であった。
〔トナーの製造例2〜25〕
トナーの製造例1において、着色粒子および外添剤微粒子として、着色粒子〔1〕および外添剤微粒子〔1〕の代わりに、表3または表4に従ったものを用いたことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔25〕を得た。これらのトナー〔2〕〜〔25〕の体積基準のメジアン径(D50)、平均円形度、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)、特定の触媒金属の含有割合、ガラス転移点温度(Tg)、軟化点温度(Tsp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を表3および表4に示す。
なお、トナー〔1〕〜〔4〕、〔6〕〜〔12〕、〔16〕〜〔21〕は本発明の実施例用のものであり、トナー〔5〕、〔13〕〜〔15〕、〔22〕〜〔25〕が比較例用のものである。
トナーの製造例1において、着色粒子および外添剤微粒子として、着色粒子〔1〕および外添剤微粒子〔1〕の代わりに、表3または表4に従ったものを用いたことの他は同様にして、トナー〔2〕〜〔25〕を得た。これらのトナー〔2〕〜〔25〕の体積基準のメジアン径(D50)、平均円形度、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)、特定の触媒金属の含有割合、ガラス転移点温度(Tg)、軟化点温度(Tsp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を表3および表4に示す。
なお、トナー〔1〕〜〔4〕、〔6〕〜〔12〕、〔16〕〜〔21〕は本発明の実施例用のものであり、トナー〔5〕、〔13〕〜〔15〕、〔22〕〜〔25〕が比較例用のものである。
〔キャリアの製造例〕
重量平均粒径50μmのマンガン・マグネシウムフェライトに、シリコーン樹脂(オキシム硬化タイプ、トルエン溶液)を固形分として85質量部、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤)を10質量部、アルミナ粒子(粒子径100nm)を3質量部、カーボンブラック2質量部よりなるコート剤をスプレーコートし、190℃において6時間焼成し、その後、常温に戻し、樹脂コーティング型のキャリアを得た。樹脂コートの平均膜厚は0.2μmであった。
重量平均粒径50μmのマンガン・マグネシウムフェライトに、シリコーン樹脂(オキシム硬化タイプ、トルエン溶液)を固形分として85質量部、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤)を10質量部、アルミナ粒子(粒子径100nm)を3質量部、カーボンブラック2質量部よりなるコート剤をスプレーコートし、190℃において6時間焼成し、その後、常温に戻し、樹脂コーティング型のキャリアを得た。樹脂コートの平均膜厚は0.2μmであった。
〔現像剤の製造例〕
上記のように製造したトナー〔1〕〜〔25〕6質量部と、以上のように製造したキャリア94質量部とをV型混合機で混合処理することにより、それぞれ現像剤〔1〕〜〔25〕を製造した。なお、混合処理は、トナー帯電量が20〜23μC/gとなった時点で混合を停止し、一旦、ポリエチレンポットに排出した。
上記のように製造したトナー〔1〕〜〔25〕6質量部と、以上のように製造したキャリア94質量部とをV型混合機で混合処理することにより、それぞれ現像剤〔1〕〜〔25〕を製造した。なお、混合処理は、トナー帯電量が20〜23μC/gとなった時点で混合を停止し、一旦、ポリエチレンポットに排出した。
〔実施例1〜17、比較例1〜8〕
以上の現像剤〔1〕〜〔25〕を用い、デジタル複写機「bizhub 750」(モノクロA4で75枚機:コニカミノルタビジネステクノロジーズ製)を用いて、高温高湿環境(温度35℃、湿度85%RH)下において、以下の評価を行った。
すなわち、画素率5%の画像を、1枚形成して5秒休止する1枚間欠モードで20万枚形成するところ、その前後に、5cm×5cmの黒ベタ画像、1本/mm〜8本/mmのそれぞれ1本/mmずつ解像度が異なる細線が1/8領域にそれぞれ印字された細線画像およびベタ白画像をそれぞれ1枚ずつ形成し、初期の黒ベタ画像および20万枚印字後黒ベタ画像を用いて画像濃度を評価し、初期の細線画像および20万枚印字後の細線画像を用いて細線再現性を評価し、さらに初期のベタ白画像および20万枚印字後のベタ白画像を用いてカブリ濃度を評価した。結果を表5に示す。
画像濃度は、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用い、印字紙の絶対反射濃度を「0」に設定し、任意の10箇所の相対反射濃度を測定してその算術平均値を画像濃度として評価した。
細線再現性は、倍率10倍のルーペで細線が判別できる最高の解像度を細線再現性の指標として評価した。
カブリ濃度は、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用い、印字紙の絶対反射濃度を「0」に設定し、任意の10箇所の相対反射濃度を測定してその算術平均値をカブリ濃度として評価した。
なお、画像濃度が1.30以上であれば、十分な画像濃度が得られているといえる。また、細線再現性は解像度の高いものほど好ましく、さらに、カブリ濃度が0.005以下であれば、カブリは実用的に問題ないといえる。
以上の現像剤〔1〕〜〔25〕を用い、デジタル複写機「bizhub 750」(モノクロA4で75枚機:コニカミノルタビジネステクノロジーズ製)を用いて、高温高湿環境(温度35℃、湿度85%RH)下において、以下の評価を行った。
すなわち、画素率5%の画像を、1枚形成して5秒休止する1枚間欠モードで20万枚形成するところ、その前後に、5cm×5cmの黒ベタ画像、1本/mm〜8本/mmのそれぞれ1本/mmずつ解像度が異なる細線が1/8領域にそれぞれ印字された細線画像およびベタ白画像をそれぞれ1枚ずつ形成し、初期の黒ベタ画像および20万枚印字後黒ベタ画像を用いて画像濃度を評価し、初期の細線画像および20万枚印字後の細線画像を用いて細線再現性を評価し、さらに初期のベタ白画像および20万枚印字後のベタ白画像を用いてカブリ濃度を評価した。結果を表5に示す。
画像濃度は、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用い、印字紙の絶対反射濃度を「0」に設定し、任意の10箇所の相対反射濃度を測定してその算術平均値を画像濃度として評価した。
細線再現性は、倍率10倍のルーペで細線が判別できる最高の解像度を細線再現性の指標として評価した。
カブリ濃度は、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用い、印字紙の絶対反射濃度を「0」に設定し、任意の10箇所の相対反射濃度を測定してその算術平均値をカブリ濃度として評価した。
なお、画像濃度が1.30以上であれば、十分な画像濃度が得られているといえる。また、細線再現性は解像度の高いものほど好ましく、さらに、カブリ濃度が0.005以下であれば、カブリは実用的に問題ないといえる。
表5の結果から明らかなように、本発明のトナーに係る実施例1〜17においては、長期間にわたって使用しても十分に高い細線再現性および高い画像濃度が得られることが確認された。
1 原料投入口
2 蒸発器
3 混合室
4 燃焼バーナー
5 反応室
6 冷却器
7 分離器
8 処理室
9 サイロ
21A,21B,21D タンク
22A,22B 定量供給ポンプ
23A,23B,23D 導入管
A 核粒子形成用粉体
B 修飾用粉体
D 酸素・水蒸気混合ガス
26 メインバーナー
27 燃焼炉(反応管)
28 高温火炎
29 煙道
30 サイクロン
32 バグフィルター
31,33 回収器
34 排風機
2 蒸発器
3 混合室
4 燃焼バーナー
5 反応室
6 冷却器
7 分離器
8 処理室
9 サイロ
21A,21B,21D タンク
22A,22B 定量供給ポンプ
23A,23B,23D 導入管
A 核粒子形成用粉体
B 修飾用粉体
D 酸素・水蒸気混合ガス
26 メインバーナー
27 燃焼炉(反応管)
28 高温火炎
29 煙道
30 サイクロン
32 バグフィルター
31,33 回収器
34 排風機
Claims (4)
- 少なくとも、ポリエステル樹脂よりなる結着樹脂および着色剤を有する着色粒子と外添剤微粒子とを含有してなるトナーにおいて、
当該トナーは、平均円形度が0.950〜0.990、体積基準のメジアン径が4.5〜8.0μm、体積基準の粒径分散度(CVVOL 値)が15〜25であり、
かつ、チタン、ゲルマニウム、およびアルミニウムから選択される金属が10〜1500ppmの割合で含有されたものであり、
前記外添剤微粒子が、ケイ素原子と、チタン原子およびアルミニウム原子の少なくとも一方とを含有する複合酸化物よりなり、かつ、
前記外添剤微粒子の全体におけるケイ素原子の存在比率をR1 、表面層におけるケイ素原子の存在比率をR2 とするとき、係数(R1 )/(R2 )が、1.0以下であることを特徴とするトナー。 - 前記外添剤微粒子中のケイ素原子の含有質量が、ケイ素原子、チタン原子およびアルミニウム原子の合計含有質量の49%以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記外添剤微粒子は、数平均一次粒子径が20〜200nmのものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトナー。
- 前記外添剤微粒子の係数(R1 )/(R2 )が、0.7以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のトナー。
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-
2009
- 2009-03-13 JP JP2009060354A patent/JP2009258681A/ja not_active Withdrawn
- 2009-03-18 US US12/406,259 patent/US8133646B2/en active Active
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