JP2014059430A - 静電荷像現像用トナー、現像剤、トナー容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法および装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、現像剤、トナー容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法および装置 Download PDF

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Tomohiro Fukao
朋寛 深尾
Takuya Kadota
拓也 門田
Yoshihiro Mikuriya
義博 御厨
Takeshi Nozaki
剛 野▲崎▼
Yoshimichi Ishikawa
義通 石川
Kazuoki Fuwa
一興 不破
Yuta Takeuchi
佑太 竹内
Tomoharu Miki
智晴 三木
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Abstract

【課題】低温定着性に優れると共に、帯電性、耐固着性、クリーニング性、耐熱保管性を向上させた静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色材を含む静電荷像現像用トナーであって、前記トナーは表面に突起部を有し、前記突起部において長辺長さの平均が0.5μm以上1.5μm未満であり、前記突起部の最大隆起高さの平均が0.5μm未満であり、かつ前記突起部の被覆率の平均が50%以上100%未満であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法において形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナーに関し、更には該トナーを用いる現像剤、トナー容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法および装置に関する。
潜像担持体に静電潜像を形成し、これを現像剤によって可視像化して記録画像を得る電子複写機、プリンター或いはファクシミリ等の画像形成装置では、粉体状の現像剤を用いる乾式の現像装置が広く採用されている。
近年、電子写真方式を利用したカラー画像形成装置は広範に普及してきており、また、デジタル化された画像が容易に入手できることも関係して、プリントされる画像の更なる高精細化が要望されている。画像のより高い解像度や階調性が検討される中で、潜像を可視化するトナー側の改良としては、高精細画像を形成するために、更なる球形化、小粒径化の検討がなされている。粉砕法により製造されたトナーでは、これらの特性に限界があるため、球形化や小粒径化が可能な懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造されたいわゆる重合トナーが採用されつつある。
重合トナーの場合、小粒径であることで部材との付着力が増大することによる転写効率の悪化やフィルミング、また球形であることによるクリーニング性の悪化が問題になっている。また重合トナーの製法上、比較的低抵抗のトナー構成成分がトナー母体表面近傍に偏在するため、帯電性の低さによる地肌汚れが課題である。
そこで、トナー芯粒子に表面改質を施し、これらの課題を解決しようとする試みがなされてきた。表面改質の方法として、機械的衝撃力でトナー表面に微粒子を固着させる乾式法と、トナーが溶媒に分散した分散剤に異なる樹脂分散剤を添加して付着させる湿式法が挙げられる。
乾式法としては、例えば特許文献1において、母体粒子をこの粒子の軟化点付近の温度に加熱、軟化させて、これに小粒径粒子を加えて撹拌、混合することにより母体粒子の表面に小粒径粒子が埋設されたトナーが開示されている。また特許文献2においては、芯粒子に樹脂微粒子を機械的衝撃力により固着被覆させたトナーが開示されている。これら乾式法では、付着する微粒子が不均一であり、かつトナーとの接着が不十分である。これにより、微粒子が遊離することでフィルミング、固着といった問題があった。
湿式法としては、例えば特許文献3において、第一の樹脂粒子と着色剤とからなるトナー芯粒子表面の一部もしくは全部を第二の樹脂粒子で被覆する方法が開示されている。しかしここで開示されている方法では、被覆する第二の樹脂粒子があまりにも疎らで不均一であり、クリーニング性は向上するが、地肌汚れ、保存性の向上には不十分である。また、転写性の悪化を引き起こす。
特許文献4においては、トナー芯粒子表面に平均粒径が100nm〜500nmの凸部を有し、10%〜80%の被覆率でトナーを構成している。しかし、その実施例で示されている製造方法では、トナーの突起部の大きさが均一でなく、地肌汚れ等の課題を達成できない。また、長期間使用において突起部の遊離によりトナーとしての性能が低下するだけでなく、遊離した突起部が部材を汚染するといった問題がある。
特許文献5においては、粒径を制御するために水相に予め樹脂微粒子を投入して融着させているが、その実施例で示されている製造方法では、トナーの突起部の大きさが均一でなく、地肌汚れ等の課題を達成できない。特許文献6ではシェル層によりコアを完全に被覆してしまっているため、定着性が大幅に悪化する。特許文献7においてはビニル系樹脂微粒子からなるシェル層を持つトナーであるが、開示された方法で本発明に規定する突起部を有するトナーを製造しようとした場合、トナー同士の凝集体があまりにも多く、トナー飛散や画像スジなどの画像不良が発生する問題があった。
特許文献8においては突起部の長辺長さが0.1μm以上0.5μm未満の大きさの揃った突起部が30%〜90%被覆しているトナーであるが、突起部がトナーに対して小さく、コア粒子の接触や、突起部自身の遊離による部材汚染が発生する問題があった。特許文献9においてはスチレンモノマーとエステル系モノマーからなる樹脂で構成されるシェルを持つトナーであるが、開示された方法で本発明に規定する突起部を有するトナーを製造しようとした場合、トナー同士の凝集体があまりにも多く、トナー飛散や画像スジなどの画像不良が発生する問題があった。
特許文献10においては、トナー核の表面に凸凹を有し、平均粒径100nm〜500nm、被覆率10%〜80%の凸部が一体化されているトナーであるが、その実施例で示されている製造方法では、トナーの突起部の大きさが均一でなく、地肌汚れ等の課題を達成できない。また、この凸部を構成している結着樹脂は極性が高いため環境変動が大きく、耐熱保管性の改善には不十分である。特許文献11においては、トナー母粒子の体積平均粒子径の5%以上17%以下の体積平均粒子径を有する樹脂微粒子を、トナー母粒子表面に付着させる工程を含むトナーの製造方法であるが、示されているような機械的な方法で形成した突起部は、例えば1成分現像装置におけるストレスによって明らかに遊離しやすく部材汚染が発生するといった問題があった。
本発明の目的は、低温定着性に優れると共に、帯電性、耐固着性、クリーニング性、耐熱保管性を向上させた静電荷像現像用トナーを提供することにある。本発明の他の目的は、前記トナーを用いるとする現像剤、トナー容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法および装置を提供することにある。
本発明者らは上述の従来の問題点を解決し、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、表面に特定の性状を有する突起部を形成したトナーによれば、帯電性、クリーニング性を向上させるだけでなく、トナーの芯粒子(以降、単に「芯粒子」ということがある。)から突起部の遊離、また突起部自身の遊離を抑制する効果があり、さらに低温定着性を悪化させないことを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、少なくとも結着樹脂、着色材を含む静電荷像現像用トナーであって、該トナーは表面に突起部を有し、該突起部において長辺長さの平均が0.5μm以上1.5μm未満であり、該突起部の最大隆起高さの平均が0.5μm未満であり、かつ、該突起部の被覆率の平均が50%以上100%未満であることを特徴とするものである。
本発明の静電荷像現像用トナーは、突起部の長辺長さの平均を0.5μm以上1.0μm未満、被覆率を50%以上100%未満とすることで、芯粒子表面を広く覆い、芯粒子からの遊離物もしくは突起部自身の遊離による部材汚染が抑制され、また、突起部の最大隆起高さの平均を0.5μm未満とすることで、定着時の芯粒子間距離を大きくせず定着性を悪化させない、また突起部自身がストレスにより脱離することが抑制される、等の効果がもたらされる。
本発明におけるトナーの突起部の長辺長さ及び被覆率の計測方法説明する図である。 本発明におけるトナーの突起部の最大隆起高さの計測方法説明する図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられる画像形成装置の一実施形態の要部を示す説明図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられる画像形成装置に用いられる定着手段の構成を示す説明図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられる画像形成装置の他の例を示す説明図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられる画像形成装置の他の例を示す説明図である。 本発明の静電荷像現像用トナーが用いられるプロセスカートリッジを示す説明図である。 本発明の実施例3で得たトナー母体粒子の外観を示すSEM写真である。 本発明の実施例7で得たトナー母体粒子の外観を示すSEM写真である。 本発明の比較例1で得たトナー母体粒子の外観を示すSEM写真である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は少なくとも結着樹脂、着色材を含む静電荷像現像用トナーであって、該トナーは表面に突起部を有し、該突起部において長辺長さの平均が0.5μm以上1.5μm未満であり、該突起部の最大隆起高さの平均が0.5μm未満であり、かつ、該突起部の被覆率の平均が50%以上100%未満であることを特徴とする。
より詳しくは、突起部の長辺の平均長さは、0.5μm以上であって、1.5μm以下、好ましくは1.0μm以下であることが望ましい。0.5μm未満であるとストレスによる変形が著しく、経時での地汚れなどの不具合が生じる。1.5μm以上となると、表面の突起部が疎らになり表面改質の効果が得られない。また、平均長さの標準偏差が0.5以下、好ましくは0.3以下が望ましい。標準偏差が0.5以上となると表面の不均一さに起因する不具合が生じる。
被覆率は50%以上100%未満、好ましくは65%以上95%未満、より好ましくは80%以上90%未満である。被覆率が50%未満となると、地肌汚れ、耐熱保管性など表面改質の効果が不十分となる。また、100%となると低温定着性が悪化する。
突起部の平均最大隆起高さは、0.5μm未満である。
〔突起部の長辺と被覆率について〕
トナーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行い、得られたSEM画像から突起部の長辺の長さとトナーに対する突起部の被覆率を求める。図1に基づいて実施例に記載した突起部の長辺と被覆率の算出方法は次のとおりである。なお、突起部の長辺の長さ、突起部の面積の計測法として特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(被覆率)
・トナーに接する平行する2線の最短長さを求め、それぞれの接点をA、Bとする。
・その線分ABの中点Oを中心として線分AOの長さを直径とする円の面積と、その円内に含まれる突起部の面積からトナーに対する突起部の被覆率を算出する。
・100個以上のトナー粒子に対して上記方法で被覆率を計算し、平均値を求める。
(長辺の平均長さ)
・100個以上のトナー粒子について100個以上の突起部の長辺の長さを計測することで求める。
なお、実施例ではトナー粒子を100個選択し、1個のトナー粒子について1個の突起部の長辺の長さを計測し、この測定を選択した100個のトナー粒子について行った。
・突起部の面積、突起部の長辺の計測には画像解析式粒度分布測定ソフトウェア”Mac−View”(マウンテック社製)を用いた。
〔突起部の最大隆起高さについて〕
突起部の最大隆起高さの算出法は、次のとおりである。
・図2に本発明のトナーの隆起部のTEM割断面の模式図を示す。突起部の最外周点を点Aとし、点Aに接線Laを引く。前記接線Laの垂線をLbとする。芯粒子の最外周部と突起部の接点をそれぞれ点B、Cとし、線BCを引く。線BCと、垂線Lbの交点を点Dとし、(点AD間の距離)=d1とする。同様に各トナーの突起部の最大隆起高さを算出し、その平均値を、隆起高さdとする。
・100個以上のトナー粒子に対して上記方法で突起部の最大隆起高さを算出し、平均値を求める。
本発明者らの検討によれば、上記のような突起部を得るためには、突起部を構成する樹脂の組成と、突起部形成におけるスラリー分散安定性を制御する必要があることが分かった。ここでは芯粒子構成材料としてポリエステル樹脂を用いた場合について記述する。
突起部の組成としては芯粒子と相溶しない樹脂を用いることで明確に突起部として形成させることができる。突起部形成工程において、芯粒子分散液中に突起部構成材料である樹脂微粒子分散液を滴下するのだが、樹脂微粒子が一度芯粒子液滴内に取り込まれ合一した後、芯粒子表面に析出することで突起部を形成する。その際に芯粒子に樹脂微粒子が取り込まれやすい樹脂がよく、樹脂微粒子の極性は大きい方が好ましい。極性基が増加すると帯電性の環境変動が大きくなる傾向にあるが、突起部はビニル重合性官能基を有する芳香族化合物を70質量%以上85質量%未満含み、またトナーの全重量のうち突起部を構成する樹脂の重量が占める割合が21%以上30%未満であることで、突起部が遊離することなく機能する。
突起部形成工程において、樹脂微粒子が複数の芯粒子と結着し、凝集体を形成してしまうことがある。上記のように芯粒子により取り込まれやすい樹脂微粒子の組成を選択することでそれは抑制できるが、特に本発明のような芯粒子に対して突起部構成材料の重量比率が大きい場合には、突起部形成時に芯粒子の分散を安定化させる工程を追加する必要があることが分かった。具体的な方法としては、芯粒子同士の分散距離を大きくし、さらに突起部が形成されたトナー母体粒子の表面エネルギーを小さくすることで達成される。
<トナー>
本発明においては、結着樹脂、着色剤を必須成分として含有したトナー芯粒子に突起部を設けたものをトナー母体粒子と表し、トナー母体粒子に外添剤を担持させたものをトナー粒子と表す。トナー母体粒子には、必要に応じて離型剤、荷電制御剤、可塑剤を含有していてもよい。
〔結着樹脂〕
結着樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂などが挙げられる。また、異なる樹脂が化学的に結合したハイブリッド樹脂を使用してもよい。さらに、樹脂の末端もしくは側鎖に反応性官能基を導入し、トナーの製造過程において結合させることにより伸長させてもよい。これら1種を単独で使用することもできるが、大きさが均一な突起部を持つトナーを作製するためトナー母体粒子を構成する樹脂は突起部を構成する樹脂と異なることが好ましい。
〔トナー芯粒子を構成する樹脂〕
トナー芯粒子を構成する樹脂としては、有機溶媒に少なくとも一部は溶解するようなものを用いるが、その酸価は2〜24mgKOH/gであるのが好ましい。酸価が24mgKOH/gを超える場合、水相への移行が起こりやすくなり、その結果製造の過程で物質収支にロスが発生してしまう、あるいは油滴の分散安定性が悪化してしまうなどの問題が発生しやすくなる。またトナーの水分吸着性が高まり、帯電能力の低下だけでなく、高温高湿環境での保管性が悪化する。一方、酸価が2mgKOH/g未満になると、樹脂の極性が低くなるため、ある程度極性を有する着色剤を油滴内で均一に分散することが難しくなる。
樹脂の種類としては特に限定はないが、電子写真における静電潜像現像用トナーとして用いる場合には、ポリエステル骨格を有する樹脂を用いることにより良好な定着性が得られるので好ましい。ポリエステル骨格を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂や、ポリエステルと他の骨格を有する樹脂とのブロックポリマーがあるが、ポリエステル樹脂を用いたほうが得られるトナー芯粒子の均一性が高く好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ラクトン類の開環重合物、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられ、設計の自由度の観点からポリオールとポリカルボン酸との重縮合物が好ましい。
ポリエステル樹脂のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると静電潜像現像用トナーとしては低温定着性が悪化する。
また、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は40〜80℃、好ましくは50〜70℃の範囲にあるのが良い。本発明のようにトナー芯粒子を突起部で被覆する場合、高温高湿環境下で保管されたとき大気中の水分により突起部の樹脂が可塑化され、ガラス転移温度の低下を引き起こしかねない。トナー、またはトナーカートリッジの輸送中は高温高湿環境が想定され、得られたトナー粒子が一定圧力下に置かれたときに変形する、あるいはトナー粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなる可能性があるため40℃未満は好ましくない。また80℃を超えるような場合、トナー粒子を静電潜像現像用トナーとして用いるとき、低温定着性が悪化するため好ましくない。
(ポリオール)
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)と3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
ジオール(1−1)としては、
・アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);
アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);
・ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、等の4,4′−ジヒドロキシビフェニル類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類;ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル類;
・上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物
などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、
・3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);
・3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);
・上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物
などが挙げられる。
(ポリカルボン酸)
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)と3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、または(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、2−フルオロテレフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸、5−トリフルオロメチルイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビフェニルジカルボン酸、3,3'−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ビフェニルジカルボン酸、2,2'−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′−ビフェニルジカルボン酸、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
〔結晶性ポリエステル樹脂〕
本発明のトナーには、低温定着性を向上させるために結晶性ポリエステルが含有されていても良い。結晶性ポリエステルも前述のポリオールとポリカルボン酸の重縮合物として得られるが、ポリオールとしては脂肪族ジオールが好ましく具体的にはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられ、その中でも1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールや1,8−オクタンジオールが好ましく、さらに好ましくは1,6−ヘキサンジオールである。
ポリカルボン酸としてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸が好ましいが、結晶化度を高くするためには脂肪族カルボン酸がより好ましい。
なお、結晶性樹脂(結晶性ポリエステル)と非結晶性樹脂とは熱特性で判別される。結晶性樹脂は、例えばDSC測定においてワックスのように明確な吸熱ピークを有する樹脂を指す。一方、非結晶性樹脂はガラス転移に基づく緩やかなカーブが観測される。
〔変性樹脂〕
また、得られるトナー粒子の力学的強度を高めたり、静電潜像現像用トナーとして用いる場合においては先の力学的強度に加え定着時における高温オフセットを防止したりする目的で、油相中に末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を溶解してトナー粒子を得ても良い。変性樹脂を得る方法としては、イソシアネートを含有するモノマーとともに重合反応をしてイソシアネート基を有する樹脂を得る方法、末端に活性水素を有する樹脂を重合して得た後、ポリイソシアネートと反応させることでポリマー末端にイソシアネート基を導入する方法などが挙げられるが、末端にイソシアネート基を導入するという制御性から後者の方法が好ましく採用されうる。
活性水素としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
変性樹脂の骨格としては、粒子の均一性を考慮すると有機溶媒に溶解する樹脂と同じものを用いるのが好ましく、ポリエステル骨格を有するものが良い。アルコール性水酸基をポリエステルの末端に有する樹脂を得る方法としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合において、ポリオールの官能基数をポリカルボン酸の官能基数よりも多めにして重縮合反応を行えばよい。
〔アミン化合物〕
変性樹脂のイソシアネート基は、水相中で油相を分散させ粒子を得る過程で加水分解をして一部はアミノ基となり、生成したアミノ基は未反応のイソシアネート基を反応していき、伸長反応が進行していく。上記の反応以外にも伸長反応を確実に反応させる、もしくは架橋点を導入する目的で、アミン化合物を併用することができる。
アミン化合物(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′ジアミノジフェニルメタン、テトラフルオロ−p−キシリレンジアミン、テトラフルオロ−p−フェニレンジアミンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の数がイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]の数の4倍以下、好ましくは2倍以下、より好ましくは1.5倍以下、さらに好ましくは1.2倍以下である。4倍を超えると、過剰のアミノ基がイソシアネートをブロックしてしまい変性樹脂の伸長反応が起きないため、ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
〔有機溶剤〕
有機溶剤は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
〔水系媒体〕
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ(登録商標)など)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
〔界面活性剤〕
水系媒体中に油相を分散させて液滴を作成するために界面活性剤が用いられる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸、及び、その金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
〔無機分散剤〕
上記水系媒体中に、トナー組成物の溶解物または分散物を、無機分散剤または樹脂微粒子の存在する中分散させてもよい。無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
〔高分子系保護コロイド〕
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
〔着色剤〕
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。
(着色剤のマスターバッチ化)
本発明で用いる着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(マスターバッチ作成方法)
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
〔外添剤〕
(無機微粒子)
本発明で外添剤として用いる無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。その中でも特にシリカと酸化チタンが好ましい。
(有機微粒子)
本発明で外添剤として用いる有機微粒子としては、例えばポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(無機微粒子の疎水化処理)
本発明に用いられる無機微粒子の疎水化方法としては、無機微粒子と反応或いは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理する方法が用いられる。好ましい方法は、金属ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された無機微粒子を有機ケイ素化合物で処理する方法である。
疎水化処理に用いる有機ケイ素化合物の例としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メトルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α‐クロルエチルトリクロルシラン、ρ‐クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3‐ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3‐ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。
未処理の無機微粒子の疎水化には、含窒素シランカップリング剤を用いることができる。逆極性の帯電性を有する外添剤として含窒素シランカップリング剤によって表面処理されている微粒子が好ましい。
そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルベンジンアミン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルピペリジン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルモルホリン、トリメトキシシリル‐γ‐プロピルイミダゾール等がある。これらの処理剤は1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
本発明で用いるシリコーンオイルを含む無機微粒子は、疎水化処理された又は疎水化処理されていない無機微粒子をシリコーンオイル処理したものである。この場合のシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。これらのシリコーンオイルは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
無機微粒子をシリコーンオイル処理するには、あらかじめ数百℃のオーブンで充分脱水乾燥した無機微粒子とシリコーンオイルを均一に接触させ、シリコーンオイルを無機微粒子表面に付着させる。
シリコーンオイルを付着させるには、無機微粒子粉体とシリコーンオイルを回転羽根等の混合機により充分粉体のまま混合させたり、シリコーンオイルが希釈できる比較的低沸点の溶剤によりシリコーンオイルを溶解させ、無機微粒子粉体を液中に含浸させ溶剤を除去乾燥させればよい。シリコーンオイルの粘度が高い場合には液中で処理するのが好ましい。その後シリコーンオイルが付着した無機微粒子粉体を100℃から数百度(通常400℃程度)のオーブン中で熱処理を施すことにより、無機微粒子粉体表面の水酸基を用いて金属とシリコーンオイルとのシロキサン結合を形成させたり、シリコーンオイル自身をさらに高分子化、架橋することができる。あらかじめシリコーンオイル中に酸やアルカリ、金属塩、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート等の触媒を含ませて反応を促進させても良い。
本発明で用いるシリコーンオイルを含む無機微粒子は、シリコーンオイル処理の前にあらかじめシランカップリング剤等の疎水化剤による処理を行っておいても良い。あらかじめ疎水化されている無機粉体の方がシリコーンオイルの吸着量は多くなる。
(無機微粒子粒子径)
シリコーンオイルで処理された無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、特に限定されるものでないが、大きくてもせいぜい100nmであり、70nm以下が好ましい。平均粒径が100nmより大きいと、無機微粒子の表面積が少なくなり、担持できるシリコーンオイルの全体量も少量になり、遊離率を前記範囲に設定してもその効果は発揮しにくくなる。また、感光体表面を不均一に傷つけるため好ましくない。ここでの平均粒径は、数平均の粒子径である。
本発明に使用される無機微粒子の粒子径は、動的光散乱を利用する粒径分布測定装置、例えば大塚電子社製のDLS‐700やコールターエレクトロニクス社製のコールターN4により測定可能である。しかし、シリコーンオイル処理後の粒子の二次凝集を解離することは困難であるため、走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡により得られる写真より直接粒径を求めることが好ましい。より好ましくはトナー表面の外添剤をFE‐SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)により10万倍の倍率で観察することが好ましい。この場合少なくとも100個以上の無機微粒子を観察しその長径の平均値を求める。トナー表面で外添剤が凝集構造をとっている場合は凝集体を構成する単独の一次粒子の長径を求める。
(外添方法)
本発明において外添剤は、前記トナーに対して添加混合して用いられる。外添剤の混合は、一般の粉体の混合機が用いられるが、ジャケット等を装備して、内部の温度を調節できるものが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は随時外添剤を加えていけばよい。もちろん、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備の例としては、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。
(外添剤添加量)
外添剤量によってトナーとしての特性を制御することができる。本発明で用いられる無機微粒子の添加量は、トナーに対し1.0質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以上4.5質量%以下がより好ましく、2.0質量%以上4.0質量%以下が特に好ましい。1.0質量%未満となると長期にわたり転写性、耐摩耗性を保持するには不足であるため好ましくない。またトナーの保管性も悪化するため好ましくない。5.0重量%を超えるとトナー特性の経時変化が著しく好ましくない。またトナーとの付着力が低いため、遊離した外添剤が部材を汚染するため好ましくない。外添剤を2種以上添加する場合も、上記の範囲内にあればよい。
〔離型剤〕
また、トナー粒子を静電潜像現像用トナーとして用いる際に、定着離型性を高める目的で離型剤を有機溶媒中に分散させておいても良い。
離型剤としては、ワックスやシリコーンオイルなどの、定着プロセスで加熱されたときに十分に粘度が低く、かつトナー粒子のほかの物質とも定着部材表面に相溶あるいは膨潤しにくい物質が使用され、トナー粒子そのものの保存安定性を考えると、通常保管時に着色樹脂粒子中で固体として存在するワックスを用いるのか好ましい。
ワックスとしては、長鎖炭化水素、カルボニル基含有ワックスなどがあり、長鎖炭化水素としては、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);石油系ワックス(パラフィンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックスなど);のほか、フィッシャートロプシュワックスも挙げられる。
カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
この中で、特に離型性がよい長鎖炭化水素が好ましい。さらに、長鎖炭化水素を離型剤として用いる場合、カルボニル基含有ワックスを併用してもよい。離型剤はトナー粒子中に2〜25重量%、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは4〜15質量%含まれているのが良い。2質量%未満であると、定着離型性向上効果が発揮できず、また25質量%を超えるとトナー粒子の機械強度が低下する。
〔荷電制御剤〕
さらに、必要に応じて帯電制御剤を有機溶媒中に溶解あるいは分散させておいても良い。
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
帯電制御剤は性能を発現し定着性などへの阻害がない範囲の量で用いられればよく、トナー中に0.5〜5質量%、好ましくは0.8〜3質量%含まれるのが良い。
〔トナー母体粒子の製造方法について〕
トナー母体粒子の製造方法は、特に限定されないが、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法等の公知の湿式造粒法、粉砕法などが挙げられる。粒径制御や形状制御のしやすさから、溶解懸濁法、乳化凝集法、乳化凝集法が好ましい。
乳化法、懸濁重合法により核となるトナー母体粒子を得る場合、それぞれの公知の方法にて核となるトナー芯粒子を得た後の工程で樹脂微粒子を系中に添加し、核となるトナー芯粒子表面に樹脂微粒子を付着・融着させる。付着・融着を促進させるために加熱を行っても良い。また、金属塩を添加することも付着・融着を促す上で有効である。
〔樹脂微粒子〕
本発明における突起部を形成する樹脂微粒子は、水系媒体中に分散されたものを用いることができる。樹脂微粒子を構成する樹脂としてはビニル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂等が挙げられる。この中で水系媒体に分散した樹脂微粒子を簡便に得られることからビニル系樹脂が好ましい。ビニル系樹脂微粒子の水系分散体を得る方法としては、乳化凝集法、懸濁重合法、分散重合法など公知の重合法によれば良い。この中で、本発明に適した粒径の粒子を得られやすい乳化重合法が特に好ましい。
(ビニル系樹脂微粒子)
本発明に用いられるビニル系樹脂微粒子は、少なくともスチレン系モノマーからなるモノマー混合物を重合させて得られるビニル系樹脂を有する。
本発明で得られるトナー粒子を静電潜像現像用トナーなどの帯電することにより機能する粒子として用いるためには、トナー母体粒子表面は帯電しやすい構造を有しているのがよく、そのためには芳香環構造のように電子を安定に存在できるような電子軌道を持つスチレン系モノマーがモノマー混合物のうち70質量%以上85質量%未満がよく、好ましくは72.5質量%以上82.5質量%未満、より好ましくは75質量%以上80質量%未満で用いられるのが良い。スチレン系モノマーが70質量%未満であると、得られたトナー母体粒子の帯電性が乏しくなり、トナー母体粒子のアプリケーションが限定される。
ここで、スチレン系モノマーというのは、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物のことを指す。重合可能な官能基としては、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
具体的なスチレン系モノマーとしては、スチレン、αメチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−エトキシスチレン、4−カルボキシスチレンもしくはその金属塩、4−スチレンスルホン酸もしくはその金属塩、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、アリルベンゼン、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート等が挙げられる。この中では、入手が容易で反応性に優れ帯電性の高いスチレンを主に用いるのが好ましい。
また、本発明に用いられるビニル系樹脂には、酸モノマーがモノマー混合物のうち15質量%以上30質量%未満、好ましくは17.5質量%以上27.5質量%使用するのがよく、より好ましくは20質量%以上25質量%用いるが良い。
酸モノマーが30質量%を超えて使用されると、得られるビニル系樹脂微粒子はそれ自身の分散安定性が高いため、油滴が水相中に分散された分散液中にこのようなビニル系樹脂微粒子を添加しても、常温では付着しにくいか、付着をしても脱離しやすい状態にあり、溶媒除去、洗浄、乾燥、外添処理を行う過程で容易に剥がれてしまう。さらに、酸モノマーの使用量が4質量%以下にすることで、得られるトナー母体粒子が使用される環境によって帯電性の変化が少なくすることができる。
ここで、酸モノマーというのは、ビニル重合性官能基と酸基を有する化合物のことをいい、酸基としては、カルボキシル酸、スルホニル酸、ホスフォニル酸などが挙げられる。
酸モノマーとしては、例えばカルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩((メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル、桂皮酸等)、スルホン酸基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル及びこれらの塩、リン酸基含有ビニル系モノマー及びその塩などがある。この中では、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキル、フマル酸、フマル酸モノアルキルが好ましい。
一方、トナー芯粒子との相溶性を制御のため、フェノキシアルキレングリコールアクリレート、フェノキシアルキレングリコールメタクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールアクリレート、フェノキシポリアルキレングリコールメタクリレート等のエチレンオキサイド(EO)鎖を有するモノマーの使用量は15質量%以上30質量%未満、好ましくは17.5質量%以上27.5質量%使用するのがよく、より好ましくは20質量%以上25質量%用いるが良い。30質量%を超えて用いると、トナー母体粒子表面の極性基の増加により帯電の環境安定性が著しく低下するため好ましくない。
また、トナー芯粒子との相溶性を制御のため2-アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸などのエステル結合を有するモノマーを同時に用いてもよい。その際の使用量は15質量%以上30質量%未満、好ましくは17.5質量%以上27.5質量%使用するのがよく、より好ましくは20質量%以上25質量%用いるが良い。30質量%を超えて用いると、トナー母体粒子表面の極性基の増加により帯電の環境安定性が著しく低下するため好ましくない。
ビニル系樹脂微粒子を得る方法としては特に限定されないが、以下の(a)〜(f)が挙げられる。
(a)モノマー混合物を懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法等の重合反応により反応させ、ビニル系樹脂微粒子の分散液を製造する。
(b)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を機械回転式またはジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を製造する。
(c)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を製造する。
(d)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を製造する。
(e)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する。
(f)あらかじめモノマー混合物を重合し、得られた樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する。
この中で、製造が容易であり、樹脂微粒子を分散液として得られることから次工程への適用がスムーズに行うことができる(a)の方法が好ましい。
(a)の方法において、重合反応を行う際には、水系媒体中に分散安定剤を添加する、もしくは重合反応を行うモノマー中に、重合してできた樹脂微粒子の分散安定性を付与できるようなモノマー(いわゆる反応性乳化剤)を添加する、またはこれら2つの手段を併用し、できあがったビニル系樹脂微粒子の分散安定性を付与するのがよい。分散安定剤や反応性乳化剤を使用しないと、粒子の分散状態を維持できないためにビニル系樹脂を微粒子として得ることができなかったり、得られた樹脂微粒子の分散安定性が低いために保存安定性に乏しく保管中に凝集してしまったり、あるいは後述の樹脂微粒子付着工程での粒子の分散安定性が低下するために、芯粒子同士が凝集・合一しやすくなり最終的に得られるトナー母体粒子の粒径や突起部の大きさの均一性が悪くなるため好ましくない。
ビニル系樹脂の重量平均分子量は3,000〜300,000、このましくは4,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000の範囲が良い。重量平均分子量が3,000に満たないと、ビニル系樹脂の力学的強度が弱く脆弱であるため、最終的に得られるトナー母体粒子のアプリケーションによっては使用状況によってトナー母体粒子表面が容易に変化してしまい、例えば帯電性の著しい変化や周辺部剤への付着などの汚染、それに伴う品質問題の発生を引き起こすため好ましくない。また、300,000を超えるような場合、分子末端が少なくなるためトナー芯粒子との分子鎖の絡み合いが少なくなり、トナー芯粒子への付着性が低下するため好ましくない。
また、ビニル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、45〜100℃、好ましくは55〜90℃、より好ましくは65〜80℃である。高温高湿環境下で保管されたとき、大気中の水分により突起部の樹脂が可塑化され、ガラス転移温度の低下を引き起こしかねない。その結果、得られたトナー母体粒子が一定圧力下に置かれたときに変形する、あるいはトナー母体粒子同士がくっついてしまい本来の粒子としての振る舞いができなくなる可能性があるため45℃以下は好ましくない。また、1成分現像に用いる場合、摩擦に対する耐久性が低下するため45℃以下は好ましくない。100℃以上となると定着性の悪化を招くため好ましくない。
〔分散安定剤〕
分散安定剤としては、界面活性剤、無機分散剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
〔油相作成工程〕
有機溶媒中に樹脂、着色剤などを溶解あるいは分散させた油相を作成する方法としては、有機溶媒中に攪拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
前述のように着色剤のマスターバッチ化も手段の一つであり、同様の方法を離型剤や帯電制御剤に展開することもできる。
また別の手段として、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、着色剤、離型剤、帯電制御剤を湿式で分散を行い、ウエットマスターを得ることも可能である。
さらに別の手段として、有機溶媒の沸点未満で溶融するようなものを分散するのであれば、有機溶媒中で、必要に応じて分散助剤を添加し、分散質とともに攪拌しながら加熱を行い、一旦溶解させた後、攪拌もしくはせん断しながら冷却を行うことによって晶析を行い、分散質の微結晶を生成させる方法を行っても良い。
以上の手段を用いて分散された着色剤、離型剤、帯電制御剤は、有機溶媒中に樹脂とともに溶解あるいは分散された後、さらに分散を行っても良い。分散に際しては公知のビーズミルやディスクミルなどの分散機を用いることができる。
〔トナー芯粒子作製工程〕
少なくとも界面活性剤を有する水系媒体中に前述の工程で得られた油相を分散させ、油相からなるトナー芯粒子が分散した分散液を作製する方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。
分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。5分を超えて分散を行うと、望ましくない小径の粒子が残存してしまったり、分散が過分散状態になって系が不安定になり凝集体や粗大粒子が発生したりすることがあるので好ましくない。
分散時の温度としては、通常、0〜40℃、好ましくは10〜30℃である。40℃を超えると分子運動が活発になることから分散安定性が低下し凝集体や粗大粒子が発生しやすくなるため好ましくない。また、0℃未満になると分散体の粘度が高くなり、分散に必要なせん断エネルギーが増大するため製造効率が低下する。界面活性剤は、前述の樹脂微粒子の製造法に関する説明で記載したものと同じものが使用できるが、溶媒を含む油滴を効率よく分散するためには、HLBが高めのジスルホン酸塩のものが好ましい。
界面活性剤は、水系媒体中での濃度が1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは3〜7質量%の範囲にあるのが良い。10質量%を超えると、油滴が小さくなりすぎたり、逆ミセル構造を形成して逆に分散安定性が低下して油滴の粗大化が発生したりするため好ましくない。また1質量%未満では油滴の分散を安定に行うことができずに油滴が粗大化してしまうため好ましくはない。
また、後述する樹脂微粒子付着工程において所望の突起部を形成するためには界面活性剤濃度は低いほうが好ましい。つまり、樹脂微粒子がトナー芯粒子内部に取り込まれ膨潤し、これも後述するが、脱溶工程において有機溶媒を取り除く際にトナー芯粒子表面に偏在すると考えられており、界面活性剤濃度が高すぎるとトナー芯粒子表面の濡れ性が高く、樹脂微粒子が取り込まれずトナー芯粒子表面もしくは分散溶媒中に残ってしまう、またトナー芯粒子内部に取り込まれたとしても表面偏在した際にトナー芯粒子外に吐き出されてしまうため、界面活性剤の水系媒体中での濃度は3〜7質量%の範囲にあるのが好ましい。
〔突起部形成工程〕
溶解懸濁法を用いる場合、上記方法によっても良いが、有機溶媒中に核となるトナー芯粒子の構成材料を溶解もしくは分散した油相を水系媒体中に分散させた状態において、樹脂微粒子を添加してトナー芯粒子表面に樹脂微粒子を付着・融着させ、トナー母体粒子分散液を得た方が核となるトナー芯粒子と樹脂微粒子が強固に付着・融着できるため好ましい。トナー芯粒子作製工程中に樹脂微粒子を添加すると、突起部が粗大、不均一になるため好ましくない。
得られたトナー芯粒子分散液は、攪拌を行っている間は安定にトナー芯粒子の液滴を存在させておくことができる。その状態に前記樹脂微粒子分散液を投入してトナー芯粒子上に付着させる。ビニル系樹脂微粒子分散液の投入は、30秒以上かけて行うのが良い。30秒未満で投入を行うと、分散系が急激に変化するために凝集粒子が発生したり、ビニル系樹脂微粒子の付着が不均一になったりするため好ましくない。一方、闇雲に長い時間、例えば60分を超えて添加するのは生産効率の面から好ましくはない。このようにしてトナー芯粒子に突起部が形成されたトナー母体粒子が得られる。
ビニル系樹脂微粒子分散液は、トナー芯粒子分散液に投入する前に、適宜濃度調整のために希釈あるいは濃縮しても良い。ビニル系樹脂微粒子分散液の濃度は、5〜30質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましい。5質量%未満では、分散液の投入に伴う有機溶媒濃度の変化が大きく、樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。また30質量%を超えるような場合、樹脂微粒子がトナー芯粒子分散液中に偏在しやすくなり、その結果樹脂微粒子の付着が不均一になるため避けたほうが良い。
また、油相液滴を製造する場合の界面活性剤の質量は、水相全体の質量に対して7%以下、好ましくは6%以下、より好ましくは5%以下がよい。界面活性剤の質量が水相全体の質量に対して7%を超えると、突起部の長辺長さの均一性が著しく低下する、または樹脂微粒子がトナー芯粒子に付着しないため好ましくない。
本発明の方法によってトナー芯粒子に対してビニル系樹脂微粒子が十分な強度で付着するのは、ビニル系樹脂微粒子が芯粒子の液滴に付着したときに、芯粒子が自由に変形できるためにビニル系樹脂微粒子界面と接触面を十分に形成すること、および、有機溶媒によってビニル系樹脂微粒子が膨潤もしくは溶解し、ビニル系樹脂微粒子と芯粒子内の樹脂とが接着しやすい状況になることだと思われる。したがって、この状態において有機溶媒は系内に十分に存在することが必要である。具体的には、トナー芯粒子分散液の状態において、固形分(樹脂、着色剤、および必要に応じて離型剤、帯電制御剤など)に対して50質量%〜150質量%、好ましくは70質量%〜125質量%の範囲にあるのがよい。150質量%を超えると、一度の製造工程で得られる着色樹脂粒子が少なくなり生産効率が低いこと、また有機溶媒が多いと分散安定性が低下して安定した製造が難しくなることなどから好ましくない。
トナー芯粒子にビニル系樹脂微粒子を付着するときの温度としては、10〜60℃、好ましくは20〜45℃である。60℃を超えると、製造に必要なエネルギーが増大するために製造環境負荷が大きくなることに加え、低酸価のビニル系樹脂微粒子が液滴表面に存在することもあり分散が不安定になり粗大粒子が発生する可能性もあるため好ましくない。一方10℃未満では分散体の粘度が高くなり、樹脂微粒子の付着が不十分になるため好ましくない。
トナーの全質量のうち突起部を構成する樹脂の質量が占める割合は21%以上30%未満であり、22%以上28%未満が好ましく、24%以上26%未満がより好ましい。21%以下となると、トナー芯粒子表面被覆率が小さくなるためその効果が不十分であり好ましくない。30%以上となると、過剰となった樹脂微粒子がトナー芯粒子から遊離し、部材汚染等の原因となるため好ましくない。過不足なく、かつ高い均一性を保つためには21%以上30%未満にするこが好ましい。
〔分散安定化工程〕
分散安定化のために、トナー母体粒子分散液(水系媒体)にイオン交換水を添加する。添加量としては、トナー母体粒子分散液に対して50質量%以上200質量%未満がよく、75質量%以上175質量%未満が好ましく、100質量%以上150質量%未満がより好ましい。50質量%未満になると安定化の効果が小さいため、凝集体が生成し易くなるため好ましくない。200質量%以上となると生産性の面から好ましくない。
さらに、分散安定化のために、トナー母体粒子分散液に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては前述したものを用いることができる。添加量としては、トナー母体粒子分散液(水系媒体)に対して1質量%以上6質量未満%、好ましくは2質量%以上5質量未満%、より好ましくは3質量%以上4質量未満%の範囲にあるのが良い。6質量%を超えると、逆ミセル構造を形成して逆に分散安定性が低下して凝集体が発生したりするため好ましくない。また、形成される突起部の最大隆起高さが大きくなりすぎて、ストレスによる遊離が発生するため好ましくない。1質量%未満では分散を安定に行うことができずに凝集体が発生してしまうため好ましくはない。
さらに、分散安定化のために高分子系保護コロイドを添加しても良い。高分子系保護コロイドとしては前述したものを用いることができる。添加量としてはトナー母体粒子に対して0.1質量%以上2.0質量%未満が良く、0.25質量%以上1.5質量%未満が好ましく、0.5質量%以上1.0質量%未満がより好ましい。0.1質量%未満となると安定化の効果が得られないため好ましくない。2.0質量%以上となるとその極性の高さから帯電性の環境変動が大きくなりやすくなるため好ましくない。
〔脱溶工程〕
得られたトナー母体粒子分散液から有機溶剤を除去するためには、系全体を攪拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
あるいはまた、得られたトナー母体粒子分散液を攪拌しながら乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の有機溶剤を完全に除去することも可能である。もしくは、トナー母体粒子分散液を攪拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去しても良い。後の2つの手段は、最初の手段と併用することも可能である。
乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレードライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
〔熟成工程〕
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜65℃、好ましくは35〜50℃である。
〔洗浄工程〕
上記の方法で得られたトナー母体粒子分散液には、トナー母体粒子のほか、界面活性剤などの分散剤などの副材料が含まれているため、これからトナー母体粒子のみを取り出すために洗浄を行う。
トナー母体粒子の洗浄方法としては、遠心分離法、減圧濾過法、フィルタープレス法などの方法があるが、本発明においては特に限定されるものではない。いずれの方法によってもトナー母体粒子のケーキ体が得られるが、一度の操作で十分に洗浄できない場合は、得られたケーキを再度水系溶媒に分散させてスラリーにして上記のいずれかの方法でトナー母体粒子を取り出す工程を繰り返しても良いし、減圧濾過法やフィルタープレス法によって洗浄を行うのであれば、水系溶媒をケーキに貫通させてトナー母体粒子が抱き込んだ副材料を洗い流す方法を採っても良い。この洗浄に用いる水系溶媒は水あるいは水にメタノール、エタノールなどのアルコールを混合した混合溶媒を用いるが、コストや排水処理などによる環境負荷を考えると、水を用いるのが好ましい。
〔乾燥工程〕
洗浄されたトナー母体粒子は水系媒体を多く抱き込んでいるため、乾燥を行い水系媒体を除去することでトナー母体粒子のみを得ることができる。乾燥方法としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動槽乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などの乾燥機を使用することができる。乾燥されたトナー母体粒子は最終的に水分が1%未満になるまで乾燥を行うのが好ましい。また、乾燥後のトナー母体粒子は軟凝集をしており使用に際して不都合が生じる場合には、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、コーヒーミル、オースターブレンダー、フードプロセッサーなどの装置を利用して解砕を行い、軟凝集をほぐしても良い。
なお、湿式造粒法で製造されたトナーの場合、イオン性のトナー構成材料が表面近傍に偏在するため、トナー表層が比較的低抵抗となる結果、トナーの帯電速度が大きくなり帯電立ち上がり性が向上するが、帯電保持性が乏しく、即ちトナー電荷量が急速に減衰しやすいという問題を有する。これを改善するために、例えば表面改質材をトナー表面に担持させる方法が挙げられる。
〔トナーの粒径について〕
本発明のトナーにおいて均一で十分な帯電をするためには、トナーの体積平均粒径が3μm以上9μm未満、好ましくは4μm以上8μm未満、より好ましくは4μm以上7μm未満の範囲にあることが好ましい。3μm未満ではトナー付着力が相対的に増大し、電界によるトナー操作性が落ちるため好ましくない。また、9μmを超える場合は、細線の再現性など画像品位が低下する。
また、前記トナーの体積平均粒径と個数平均粒径の比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.17以下がさらに好ましい。1.25を超えると、トナーの粒径の均一性が低いため突起部の大きさにバラつきが生じやすい。また、繰り返すうちに粒径の大きなトナーもしくは場合によっては小さなトナーが消費され、現像装置内に残存するトナーの平均粒径が変化するため、残存したトナーを現像するための最適な現像条件がずれてしまい、その結果、帯電不良、搬送量の極端な増加もしくは減少、トナー詰まり、トナーこぼれなど諸現象が発生しやすくなる。
トナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上ないし40.30μm未満の粒子を対象とする。
〔トナーの形状について〕
トナーの平均円形度は0.930以上、好ましくは0.950以上、さらに好ましくは0.970以上とするのがよい。平均円形度が0.930未満であると、外添剤が凹部に集積してしまい、シリコーンオイルの供給がなされ難くなるため好ましくない。また、トナーの流動性が低いため現像における不具合を起こしやすく、転写効率も低下する。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000により測定される。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状および分布を測定することによって得られる。
〔ビニル系樹脂微粒子の粒径測定〕
樹脂微粒子の粒径はUPA−150EX(日機装社製)を用いて測定を行った。
樹脂微粒子の粒径は50〜200nm、好ましくは80〜160nm、より好ましくは100〜140nmが良い。50nm未満であるとトナー表面に十分な大きさの突起部を形成させるのが困難であり、また200nmを超えると突起部が不均一になりやすいので好ましくない。また、体積平均粒径と個数平均粒径の比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.17以下がさらに好ましい。1.25を超えると、樹脂微粒子の粒径の均一性が低いため突起部の大きさにバラつきが生じやすい。
〔分子量測定(GPC)〕
樹脂の分子量測定は、GPC(gel permeation chromatography)によって、以下の条件で測定した。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1mL注入した。
以上の条件で測定した樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して樹脂の数平均分子量および重量平均分子量を算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製Showdex STANDARDのStd.No.S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
〔ガラス転移温度(Tg)測定(DSC)〕
Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置、室温まで試料を冷却して10min放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行った。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
〔固形分濃度測定〕
油相の固形分濃度の測定は以下のようにして行った。
あらかじめ質量が正確に秤量されたアルミ皿(1〜3g程度)の上に、油相2g程度を30秒以内に乗せ、乗せた油相の質量を正確に秤量する。これを150℃のオーブンに1時間入れ溶媒を蒸発させた後、オーブンから取り出し放置冷却し、アルミ皿と油相固形分を合わせた質量を電子天秤で測定する。アルミ皿と油相固形分を合わせた質量からアルミ皿の質量を引いて油相固形分の質量を算出し、それを乗せた油相の質量で除して油相の固形分濃度を算出する。また、油相中の固形分に対する溶媒の量の割合は、油相の質量から油相固形分の質量を引いた値(溶媒の質量)を油相固形分の質量で除した値である。
〔酸価の測定〕
樹脂の酸価はJIS K1557−1970に準じて測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
試料の粉砕品約2gを精秤する(W(g))。
200mlの三角フラスコに試料を入れ、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間溶解した後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加える。
0.1規定の水酸化カリウムアルコール溶液を用いて上記溶液をビュレットを用いて滴定する。この時のKOH溶液の量をS(ml)とする。ブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB(ml)とする。
次式により酸価を計算する。
酸価=〔(S−B)×f×5.61〕/W
(f:KOH溶液のファクター)
<現像剤>
本発明の静電荷像現像用トナーは、一成分現像剤として用いることもできるし、静電荷像現像用トナーと静電荷像現像用キャリアとから構成される二成分現像剤としても使用することができる。本発明の現像剤を用いることにより、耐久性に優れ、長期間使用しても帯電性能が維持され、安定して高画質画像が形成できる。
<キャリア>
静電荷像現像用キャリア(キャリア)としては、限定されるものではないが、例えば、キャリア芯材上に結着樹脂及び導電性微粒子を含む被覆層を設けたものなどが挙げられる。
上記キャリア芯材としては、電子写真用二成分キャリアとして公知のもの、例えば、フェライト、Cu−Znフェライト、Mnフェライト、Mn−Mgフェライト、Mn−Mg−Srフェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等、キャリアの用途や使用目的に合わせ適宜選択して用いればよい。
<トナー容器>
また、本発明の静電荷像現像用トナーは容器に充填して用いることができる。トナーを充填したトナー容器によれば、環境変化などに対しても安定し、取扱い操作が簡便かつ容易となる。更に、装置汚染の防止などにもつながる。
<画像形成装置・画像形成方法>
本発明の画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、潜像を可視像化するトナーと、潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像手段と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体上の可視像を定着させる定着手段と、を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、帯電した潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光工程と、現像剤担持体上に現像剤層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、現像剤層を介して潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像し、可視像化する現像工程と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体上の可視像を定着させる定着工程と、を有し、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像の形成は、例えば前記潜像担持体の表面を帯電手段により一様に帯電させた後、露光手段により像様に露光することにより行うことができる。
前記現像による可視像の形成は、現像剤担持体としての現像ローラ上にトナー層を形成し、現像ローラ上のトナー層を潜像担持体である感光体ドラムと接触させるように搬送することにより、感光体ドラム上の静電潜像を現像することでなされる。
トナーは、撹拌手段により攪拌され、機械的に現像剤供給部材へ供給される。
現像剤供給部材から供給され、現像剤担持体に堆積したトナーは、現像剤担持体の表面に当接するよう設けられた現像剤層規制部材を通過することで均一な薄層に形成されるとともに、さらに帯電される。
潜像担持体上に形成された静電潜像は、現像領域において、前記現像手段により帯電したトナーを付着させることで現像され、トナー像となる。
前記可視像の転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
転写された可視像の定着は、記録媒体に転写された可視像を定着手段を用いてなされ、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。
前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
次に本発明の実施形態に係る画像形成装置(プリンター)の基本的な構成について図面を参照してさらに説明する。
図3に、本発明の画像形成装置の一例を示す。この画像形成装置は、図示を省略している本体筐体内に、図3中、時計方向に回転駆動される潜像担持体(1)が収納されており、潜像担持体(1)の周囲に、帯電手段(2)、露光手段(3)、本発明の静電荷像現像用トナー(T)を有する現像手段(4)、クリーニング手段(5)、中間転写体(6)、支持ローラ(7)、転写ローラ(8)、除電手段(不図示)等を備えている。
この画像形成装置は、記録媒体例としての複数枚の記録紙(P)を収納する給紙カセット(不図示)を備えており、給紙カセット内の記録紙(P)は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、転写手段としての転写ローラ(8)と、中間転写体(6)の間に送り出される。
この画像形成装置は、潜像担持体(1)を図3中、時計方向に回転駆動して、潜像担持体(1)を帯電手段(2)で一様に帯電した後、露光手段(3)により画像データで変調されたレーザーを照射して潜像担持体(1)に静電潜像を形成し、静電潜像の形成された潜像担持体(1)に現像手段(4)でトナーを付着させて現像する。次に、現像手段(4)でトナー像を形成した潜像担持体(1)から中間転写体(6)に転写バイアスを付加してトナー像を中間転写体(6)上に転写し、さらに該中間転写体(6)と転写ローラ(8)の間に記録紙(P)を搬送することにより、記録紙(P)にトナー像を転写する。さらに、トナー像が転写された記録紙(P)を定着手段(不図示)に搬送する。
定着手段は、内蔵ヒータにより所定の定着温度に加熱される定着ローラと、定着ローラに所定圧力で押圧される加圧ローラとを備え、転写ローラ(8)から搬送されてきた記録紙を加熱、加圧して、記録紙上のトナー像を記録紙に定着させた後、排紙トレー(不図示)上に排出する。
一方、画像形成装置は、転写ローラ(8)でトナー像を記録紙に転写した潜像担持体(1)をさらに回転して、クリーニング手段(5)で潜像担持体(1)の表面に残留するトナーを掻き落として除去した後、不図示の除電手段で除電する。画像形成装置は、除電手段で除電した潜像担持体(1)を帯電手段(2)で一様に帯電させた後、上記と同様に、次の画像形成を行う。
以下、本発明の画像形成装置に好適に用いられる各部材について詳細に説明する。
潜像担持体(1)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としては、ドラム状、ベルト状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点で、アモルファスシリコンや有機感光体が好ましい。
潜像担持体(1)に静電潜像を形成する際には、例えば、潜像担持体(1)の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。静電潜像形成手段は、例えば、潜像担持体(1)の表面を帯電させる帯電手段(2)と、潜像担持体(1)の表面を像様に露光する露光手段(3)を少なくとも備える。
帯電は、例えば、帯電手段(2)を用いて潜像担持体(1)の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
帯電手段(2)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた、それ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
帯電手段(2)の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等の形態を採ってもよく、電子写真装置の仕様や形態に合わせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ブラシを用いる場合、例えば、ファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで構成される。
帯電手段(2)は、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
露光は、例えば、露光手段(3)を用いて感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光手段(3)としては、帯電手段(2)により帯電された潜像担持体(1)の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器が挙げられる。
現像は、例えば、本発明のトナーを用いて静電潜像を現像することにより行うことができ、現像手段(4)により行うことができる。現像手段(4)は、例えば、本発明のトナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明のトナーを収容し、静電潜像にトナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
現像手段(4)としては、周面にトナーを担持し、潜像担持体(1)に接して回転すると共に、潜像担持体(1)上に形成された静電潜像にトナーを供給して現像を行う現像ローラ(40)と、現像ローラ(40)の周面に接し、現像ローラ(40)上のトナーを薄層化する薄層形成部材(41)を有する態様が好ましい。
現像ローラ(40)としては、金属ローラ及び弾性ローラのいずれかが好適に用いられる。金属ローラとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウムローラ等が挙げられる。金属ローラは、ブラスト処理を施すことで、比較的容易に任意の表面摩擦係数を有する現像ローラ(40)を作製することができる。具体的には、アルミニウムローラにガラスビーズブラストで処理することにより、ローラ表面を粗面化でき、現像ローラ上に適正なトナー付着量が得られる。
弾性ローラとしては、弾性ゴム層を被覆したローラが用いられ、さらに、表面にはトナーと逆の極性に帯電しやすい材料からなる表面コート層が設けられる。弾性ゴム層は、薄層形成部材(41)との当接部での圧力集中によるトナー劣化を防止するために、JIS−Aで60度以下の硬度に設定される。表面粗さ(Ra)は、0.3〜2.0μmに設定され、必要量のトナーが表面に保持される。また、現像ローラ(40)には、潜像担持体(1)との間に電界を形成させるための現像バイアスが印加されるので、弾性ゴム層は、10〜1010Ωの抵抗値に設定される。現像ローラ(40)は、時計回りの方向に回転し、表面に保持したトナーを薄層形成部材(41)及び潜像担持体(1)との対向位置へと搬送する。
薄層形成部材(41)は、供給ローラ(42)と現像ローラ(40)の当接位置よりも低い位置に設けられる。薄層形成部材(41)は、ステンレス(SUS)、リン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ(40)の表面に10〜40N/mの押圧力で当接させたもので、その押圧下を通過したトナーを薄層化するとともに摩擦帯電によって電荷を付与する。さらに、薄層形成部材(41)には摩擦帯電を補助するために、現像バイアスに対してトナーの帯電極性と同方向にオフセットさせた値の規制バイアスが印加される。
現像ローラ(40)の表面を構成するゴム弾性体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム又はこれらの2種以上のブレンド物等が挙げられる。これらの中でも、エピクロロヒドリンゴムとアクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴムのブレンドゴムが特に好ましい。
現像ローラ(40)は、例えば、導電性シャフトの外周にゴム弾性体を被覆することにより製造される。導電性シャフトは、例えば、ステンレス(SUS)等の金属で構成される。
転写は、例えば、潜像担持体(1)を帯電することにより行うことができ、転写ローラにより行うことができる。転写ローラとしては、トナー像を中間転写体(6)上に転写して転写像を形成する第一次転写手段と、転写像を記録紙(P)上に転写する第二次転写手段(転写ローラ(8))を有する態様が好ましい。このとき、トナーとして、二色以上、好ましくは、フルカラートナーを用い、トナー像を中間転写体(6)上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、複合転写像を記録紙(P)上に転写する第二次転写手段を有する態様がさらに好ましい。
なお、中間転写体(6)は、特に制限はなく、目的に応じて、公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
転写手段(第一次転写手段、第二次転写手段)は、潜像担持体(1)上に形成されたトナー像を記録紙(P)側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有することが好ましい。転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。転写手段としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。
なお、記録紙(P)としては、代表的には、普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
定着は、例えば、記録紙(P)に転写されたトナー像に対して、定着手段を用いて行うことができ、各色のトナー像に対して、記録紙(P)に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナー像を積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトの組み合わせ等が挙げられる。なお、加熱加圧手段による加熱温度は、80〜200℃が好ましい。
定着手段としては、図4に示すようなフッ素系表層剤構成のソフトローラタイプの定着装置であってよい。これは、加熱ローラ(9)は、アルミ芯金(10)上にシリコーンゴムからなる弾性体層(11)及びPFA(四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)表層(12)を有しており、アルミ芯金内部にヒータ(13)を備えている。加圧ローラ(14)は、アルミ芯金(15)上にシリコーンゴムからなる弾性体層(16)及びPFA表層(17)を有している。なお、未定着画像(18)が印字された記録紙(P)は図示のように通紙される。
なお、本発明においては、目的に応じて、定着手段と共に、又は、これに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
除電は、例えば、潜像担持体に対して、除電バイアスを印加することにより、行うことができ、除電手段により好適に行うことができる。除電手段は、特に制限はなく、潜像担持体に対して、除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
クリーニングは、例えば、感光体上に残留するトナーを、クリーニング手段により除去することにより、好適に行うことができる。クリーニング手段は、特に制限はなく、感光体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
リサイクルは、例えば、クリーニング手段により除去したトナーを、リサイクル手段により現像手段に搬送することにより、好適に行うことができる。リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
制御は、例えば、制御手段により各手段を制御することにより、好適に行うことができる。制御手段は、各手段を制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置、画像形成方法およびプロセスカートリッジによれば、定着性に優れ、現像プロセスにおけるストレスに対して割れなどの劣化のない静電潜像現像用トナーを用いることで、良好な画像を提供することができる。
(多色画像形成装置)
図5は、本発明を適用した多色画像形成装置の一例を示す概略図である。この図5はタンデム型のフルカラー画像形成装置である。
この図5において、画像形成装置は、図示しない本体筐体内に、図5中時計方向に回転駆動される潜像担持体(1)が収納されており、潜像担持体(1)の周囲に、帯電手段(2)、露光手段(3)、現像手段(4)、中間転写体(6)、支持ローラ(7)、転写ローラ(8)等が配置されている。画像形成装置は、図示しないが複数枚の記録紙を収納する給紙カセットを備えており、給紙カセット内の記録紙(P)は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、中間転写体(6)と転写ローラ(8)の間に送り出され、定着手段(19)によって定着される。
画像形成装置は、潜像担持体(1)を図5中時計方向に回転駆動して、潜像担持体(1)を帯電手段(2)で一様に帯電した後、露光手段(3)により画像データで変調されたレーザーを照射して潜像担持体(1)に静電潜像を形成し、静電潜像の形成された潜像担持体(1)に現像手段(4)でトナーを付着させて現像する。画像形成装置は、現像手段(4)で潜像担持体にトナーを付着して形成されたトナー画像を、潜像担持体(1)から中間転写体に転写させる。これをシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の4色それぞれについて行い、フルカラーのトナー画像を形成する。
次に、図6は、リボルバタイプのフルカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。この画像形成装置は、現像手段の動作を切り替えることによって1つの潜像担持体(1)上に順次複数色のトナーを現像していくものである。そして、転写ローラ(8)で中間転写体(6)上のカラートナー画像を記録紙(P)に転写し、トナー画像の転写された記録紙(P)を定着部に搬送し、定着画像を得る。
一方、画像形成装置は、中間転写体(6)でトナー画像を記録紙(P)に転写した潜像担持体(1)を更に回転して、クリーニング手段(5)で潜像担持体(1)表面に残留するトナーをブレードにより掻き落として除去した後、除電部で除電する。画像形成装置は、除電部で除電した潜像担持体(1)を帯電手段(2)で一様に帯電させた後、上記同様に、次の画像形成を行う。なお、クリーニング手段(5)は、ブレードで潜像担持体(1)上の残留トナーを掻き落とすものに限るものではなく、例えばファーブラシで潜像担持体(1)上の残留トナーを掻き落とすものであってもよい。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置では、前記現像剤として本発明の前記トナーを用いているので良好な画像が得られる。
<プロセスカートリッジ>
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、本発明のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなり、画像形成装置本体に着脱自在なものである。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンターに着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
前記プロセスカートリッジは、例えば、図7に示すように、潜像担持体(1)を内蔵し、帯電手段(2)、現像手段(4)、転写ローラ(8)、クリーニング手段(5)を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図7中、(L)は露光手段からの露光、(P)は記録紙をそれぞれ示す。前記潜像担持体(1)としては、前記画像形成装置と同様なものを用いることができる。前記帯電手段(2)には、任意の帯電部材が用いられる。
次に、図7に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、潜像担持体(1)は、時計方向に回転しながら、帯電手段(2)による帯電、露光手段(図示せず)による露光(L)により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段(4)でトナー現像され、該トナー現像は転写ローラ(8)により、記録紙(P)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の潜像担持体表面は、クリーニング手段(5)によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
以下に実施例を示すが、本発明の範囲はこれらの実施例によって制限されるものではない。また、実施例における部は質量部を示し、濃度についての%は質量%を示す。
<樹脂微粒子分散液1の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー140部、下記構造の化合物(1)60部、n−オクタンチオール1.0部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。
その後、冷却して体積平均粒子径92.6nmの白色の[樹脂微粒子分散液1]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液1]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が22511、重量平均分子量が54344、Tgが50.6℃であった。
<樹脂微粒子分散液2の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー140部、前記<樹脂微粒子分散液1の製造例>で用いた化合物(1)60部、n−オクタンチオール0.4部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径96.5nmの白色の[樹脂微粒子分散液2]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液2]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が41020、重量平均分子量が90894、Tgが52.3℃であった。
<樹脂微粒子分散液3の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー160部、前記<樹脂微粒子分散液1の製造例>で用いた化合物(1)40部、n−オクタンチオール1.0部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径115.7nmの白色の[樹脂微粒子分散液3]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液3]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が98361、重量平均分子量が421913、Tgが69.8℃であった。
<樹脂微粒子分散液4の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー153部、ブチルアクリレート30部、前記<樹脂微粒子分散液1の製造例>で用いた化合物(1)17部、n−オクタンチオール1.0部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径109.2nmの白色の[樹脂微粒子分散液4]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液4]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が93027、重量平均分子量が355290、Tgが60.9℃であった。
<樹脂微粒子分散液5の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー170部、ブチルアクリレート30部、n−オクタンチオール1.0部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径117.4nmの白色の[樹脂微粒子分散液5]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液5]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が8891、重量平均分子量が30971、Tgが60.5℃であった。
<樹脂微粒子分散液6の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー170部、前記<樹脂微粒子分散液1の製造例>で用いた化合物(1)30部、n−オクタンチオール1.0部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径90.0nmの白色の[樹脂微粒子分散液6]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液6]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が107126、重量平均分子量が427863、Tgが75.9℃であった。
<樹脂微粒子分散液7の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー160部、メタクリル酸40部、n−オクタンチオール1.0部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径99.5nmの白色の[樹脂微粒子分散液7]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液7]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が59992、重量平均分子量が215507、Tgが98.8℃であった。
<樹脂微粒子分散液8の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.2部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー200部、n−オクタンチオール3.0部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径136.0nmの白色の[樹脂微粒子分散液8]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液8]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が8309、重量平均分子量が16885、Tgが83.2℃であった。
<樹脂微粒子分散液9の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー185部、ブチルアクリレート15部、n−オクタンチオール1.0部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径105.5nmの白色の[樹脂微粒子分散液9]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液9]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が9155、重量平均分子量が14334、Tgが70.0℃であった。
<樹脂微粒子分散液10の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.2部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー130部、前記<樹脂微粒子分散液1の製造例>で用いた化合物(1)70部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径115.2nmの白色の[樹脂微粒子分散液10]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液10]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が87559、重量平均分子量が391726、Tgが47.9℃であった。
<樹脂微粒子分散液11の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.0部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー80部、ブチルアクリレート80部、メタクリル酸20部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径96.2nmの白色の[樹脂微粒子分散液11]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液11]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が88322、重量平均分子量が356560、Tgが57.5℃であった。
<樹脂微粒子分散液12の製造例>
冷却管、撹拌機および窒素導入管のついた反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム1.5部、イオン交換水489部を入れ、攪拌しながら80℃に加熱して溶解させた後、過硫酸カリウム1.2部をイオン交換水66部に溶解させたものを加え、その15分後に、スチレンモノマー119部、ブチルアクリレート30部、前記<樹脂微粒子分散液1の製造例>で用いた化合物(1)51部の単量体混合液を90分かけて滴下し、その後さらに60分間80℃に保ち重合反応をさせた。その後、冷却して体積平均粒子径79.1nmの白色の[樹脂微粒子分散液12]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液12]を2mlシャーレに取り、分散媒を蒸発させて得られた乾固物を測定したところ、数平均分子量が70532、重量平均分子量が288179、Tgが36.9℃であった。
これらの製造例により得られた樹脂微粒子1〜12の物性をまとめて表1に示す。
<ポリエステル1の合成>
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、反応槽中に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、[ポリエステル1]を合成した。得られた[ポリエステル1]は、数平均分子量が2,500、重量平均分子量が6,700、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
<ポリエステル2の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物264部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物523部、テレフタル酸123部、アジピン酸173部およびジブチルチンオキサイド1部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で8時聞反応した。その後、反応容器に無水トリメリット酸26部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル2]を得た。[ポリエステル2]は、数平均分子量4000、重量平均分子量47000、Tg65℃、酸価12mgKOH/gであった。
<イソシアネート変性ポリエステル1の合成>
冷却管撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、[中間体ポリエステル1]を合成した。得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量が2,200、重量平均分子量が9,700、ガラス転移温度が54℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が52mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[イソシアネート変性ポリエステル1]を得た。
<マスターバッチの作製>
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20,000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
〔実施例1〕
<油相作製工程>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、[パラフィンワックス(融点74℃)]181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル2]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合して[油相1]を得た。得られた[油相1]の固形分を測定したところ52.0質量%であり、固形分に対する酢酸エチルの量は92質量%であった。
<水相の調製>
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン/メタクリル酸/アクリル酸ブチル/メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌したところpH6.2となった。これに、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH9.5に調整し、[水相1]を得た。
<芯粒子作製工程>
得られた[油相1]に[水相1]1200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー1]を得た。
<突起部形成工程>
[芯粒子スラリー1]をアンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数350〜450rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[樹脂微粒子分散液1]530部をイオン交換水で希釈し、固形分濃度15%に調整したものを3分間かけて滴下した。滴下後、15分間攪拌を続けた。
<分散安定化工程>
イオン交換水970部を3分間かけて滴下した。滴下後、15分間攪拌を続け、[母体粒子スラリー1]を得た。この[母体粒子スラリー1]を1ml取ってイオン交換水で10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<脱溶剤>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[母体粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]を少量スライドグラス上に置き、カバーガラスを挟んで光学顕微鏡にて200倍の倍率で様子を観察したところ、均一な着色粒子が観察された。また[分散スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<洗浄・乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]が得られた。得られた[トナー母体1]を走査電子顕微鏡で観察したところ、図8に示したように、芯粒子の表面にビニル樹脂が均一に融着していた。
<外添剤付着工程>
前記の[トナー母体1]100部に対し、市販のシリカ微粉体RX50(日本アエロジル社製、平均一次粒径40nm)1.5部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き60μmの篩を通過させることにより粗大粒子や凝集物を取り除くことで、[トナー1]を得た。
〔実施例2〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液2]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー2]を得た。
〔実施例3〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液3]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー3]を得た。
〔実施例4〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液4]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー4]を得た。
〔実施例5〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液5]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー5]を得た。
〔実施例6〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液6]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー6]を得た。
〔実施例7〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液7]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー7]を得た。
〔実施例8〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]530部を212部に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー8]を得た。
〔実施例9〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]530部を636部に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー9]を得た。
〔実施例10〕
実施例1の<分散安定化工程>を以下のように変更して[母体粒子スラリー10]を得た。その後、実施例1と同様にして[トナー10]を得た。
<分散安定化工程>
有機樹脂微粒子(スチレン/メタクリル酸/アクリル酸ブチル/メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液20部を3分間かけて滴下した。滴下後、15分間攪拌を続けた。次いで、イオン交換水970部を3分間かけて滴下した。滴下後、15分間攪拌を続け、[母体粒子スラリー10]を得た。この[母体粒子スラリー10]を1ml取ってイオン交換水で10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
〔実施例11〕
実施例1の<分散安定化工程>を以下のように変更して[母体粒子スラリー11]を得た。その後、実施例1と同様にして[トナー11]を得た。
<分散安定化工程>
ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液32部をイオン交換水970部で希釈したものを3分間かけて滴下した。滴下後、15分間攪拌を続け、[母体粒子スラリー11]を得た。この[母体粒子スラリー11]を1ml取ってイオン交換水で10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
〔比較例1〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]530部を0部に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー12]を得た。
〔比較例2〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液8]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー13]を得た。
〔比較例3〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液9]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー14]を得た。
〔参考例1〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液10]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー15]を得た。
〔参考例2〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液11]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー16]を得た。
〔参考例3〕
実施例1の<突起部形成工程>で用いた[樹脂微粒子分散液1]を[樹脂微粒子分散液12]に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー17]を得た。
〔参考例4〕
実施例1の<分散安定化工程>を実施しなかった以外は実施例1と同様にして[トナー18]を得た。
〔比較例4〕
実施例1の<油相作製工程>で用いた[イソシアネート変性ポリエステル1]88部を0部に変更した以外は実施例1と同様にして[トナー19]を得た。
上記により得られたトナーの物性を表2に、以下の方法で評価した結果を表3にまとめて示す。
(低温定着性)
カラー電子写真装置(リコー社製、IPSiO SP C220)の定着器を130℃に温度制御ができるように改造したものを用いた。普通紙の転写紙(リコー製 タイプ6200)にベタ画像で、9.8±0.2g/mのトナー付着量で定着評価した。定着性には上島製作所社製AD−401描画試験機により評価した。
◎・・・削り跡がなく非常に良好なレベル
○・・・削り跡が目立たず、画質に影響しないレベル
△・・・削り跡があり、画質に影響するレベル
×・・・削り跡が目立ち、画質に大きく影響するレベル
(地肌汚れ)
カラー電子写真装置(リコー社製、IPSiO SP C220)を用いて、1%画像面積の画像チャートを2000枚出力後、白ベタ画像印字中の感光体上の付着トナーをスコッチテープで剥ぎ取ったものを白紙に貼り付け、分光濃度計(X−Rite社製)を用いてΔEを測定し、4段階で評価した。
◎・・・ΔE=3未満
○・・・ΔE=3以上5未満
△・・・ΔE=5以上10未満
×・・・ΔE=10以上
(耐固着性)
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)を用いて、白ベタ画像チャートを2000枚出力後、黒ベタの画像チャートを印字し、画質を4段階で評価した。
◎・・・スジ状の色抜けがなく非常に良好なレベル
○・・・スジ状の色抜けが目立たず、画質に影響しないレベル
△・・・スジ状の色抜けがあり、画質に影響するレベル
×・・・スジ状の色抜けが目立ち、画質に大きく影響するレベル
(転写率)
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)を用いて、1%画像面積の画像チャートを2000枚出力後、感光体上と転写ベルト上の黒ベタ画像(7.8cm×1.0cm)のトナー量を測定し、転写率
転写率(%)=(転写ベルト上トナー量/感光体上トナー量)×100
を求め、4段階で評価した。
◎・・・90%以上
○・・・80%以上90%未満
△・・・70%以上80%未満
×・・・70%未満
(転写ムラ)
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)を用いて、1%画像面積の画像チャートを2000枚出力後、転写ベルト上の黒ベタ画像(7.8cm×1.0cm)を段階見本と比較して、転写ムラを4段階で評価した。
◎・・・転写ムラが無く、非常に良好なレベル
○・・・転写ムラが目立たず、画質に影響しないレベル
△・・・転写ムラがあり、画質に影響するレベル
×・・・転写ムラが目立ち、画質に大きく影響するレベル
(ハーフトーン再現性)
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)を用いて、1%画像面積の画像チャートを2000枚出力後、1ドット書き込みと1ドットの空白からなるハーフトーン画像をリコー社製TYPE6000紙に出力し、段階見本と比較して、ハーフトーン再現性を4段階で評価した。
◎・・・再現性が非常に良好なレベル
○・・・再現性が画質に影響しないレベル
△・・・再現性が画質に影響するレベル
×・・・再現性が画質に大きく影響するレベル
(画像濃度変化)
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)を用いて、初期と1%画像面積の画像チャートを2000枚出力後、黒ベタ画像(7.8cm×1.0cm)をリコー社製TYPE6000紙に出力し、画像濃度を分光濃度計(X−Rite社製)により測定し、2000枚出力前後の濃度変化を評価した。
◎・・・・差が0.1%未満
○・・・・差が0.1%以上0.2%未満
△・・・・差が0.2%以上0.3%未満
×・・・・差が0.3%以上
(クリーニング性)
カラー電子写真装置(IPSiO SP C220)を用いて、1%画像面積の画像チャートを2000枚出力後、白ベタ画像を出力し、クリーニング不良の有無を4段階で評価した。
◎・・・クリーニング不良が無く、非常に良好なレベル
○・・・クリーニング不良が目立たず、実用上問題ないレベル
△・・・クリーニング不良があり、実用上問題あるレベル
×・・・クリーニング不良が目立つレベル
表3にみられるように、実施例のトナーの使用によれば良好な評価が得られる。
1 潜像担持体
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像手段
40 現像ローラ
41 薄層形成部材
42 供給ローラ
5 クリーニング部
6 中間転写体
7 支持ローラ
8 転写ローラ
9 加熱ローラ
10 アルミ芯金
11 弾性体層
12 PFA表層
13 ヒータ
14 加圧ローラ
15 アルミ芯金
16 弾性体層
17 PFA表層
18 未定着画像
19 定着手段
L 露光
P 記録紙
T 静電荷像現像用トナー
特許第2838410号公報 特許第2750853号公報 特開2008−090256号公報 特開2008−233430号公報 特開2003−202701号公報 特開平9−258480号公報 特開2011−48251号公報 特開2011−95286号公報 特開2011−70179号公報 特許第4852455号公報 特開2011−100078号公報

Claims (20)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色材を含む静電荷像現像用トナーであって、
    前記トナーは表面に突起部を有し、
    前記突起部において長辺長さの平均が0.5μm以上1.5μm未満であり、
    前記突起部の最大隆起高さの平均が0.5μm未満であり、かつ、
    前記突起部の被覆率の平均が50%以上100%未満である、
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記突起部において長辺の長さの標準偏差が0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記突起部は、ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物を70質量%以上85質量%未満含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像剤用トナー。
  4. 前記突起部は、酸モノマーを15質量%以上30質量%未満含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像剤用トナー。
  5. 前記突起部は、エステル系モノマーを15質量%以上30質量%未満含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像剤用トナー。
  6. 前記ビニル重合性官能基を有する芳香族化合物がスチレンであることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像剤用トナー。
  7. 前記結着樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像剤用トナー。
  8. 前記トナーの全重量のうち前記突起部を構成する樹脂の重量が占める割合が21%以上30%未満であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 前記トナーの体積平均粒径が3μm以上9μm未満であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 前記トナーの体積平均粒径と個数平均粒径の比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.25以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 前記トナーの平均円形度が0.930以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 前記トナーはトナーの芯粒子表面に突起部を有するトナー母体粒子と外添剤とからなり、該トナー母体粒子は該トナー芯粒子を製造する工程の後、該トナー芯粒子の表面に該突起部を付着・融着させる工程を経て得られることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  13. 前記トナーはトナーの芯粒子表面に突起部を有するトナー母体粒子と外添剤とからなり、該トナー芯粒子は少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む油相を水系媒体で乳化又は分散させて造粒することによって得られることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  14. 前記突起部を付着・融着させる工程が、トナーの芯粒子が乳化又は分散している水系媒体に樹脂微粒子の水系分散液を添加して、トナーの芯粒子表面に樹脂微粒子による突起部を付着・融着させる工程であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  15. 前記トナーはトナーの芯粒子表面に突起部を付着・融着させる工程の後、イオン交換水、界面活性剤又は高分子系保護コロイドを添加する工程を経て得られることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを充填したことを特徴とするトナー容器。
  17. 請求項1〜15のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする現像剤。
  18. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体の表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体の表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像装置と、該潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、該被転写体上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置であって、該トナーが請求項1〜15のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  19. 潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し静電潜像を書き込む露光工程と、該潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像し可視像化する現像工程と、該潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、該被転写体上の可視像を定着させる定着工程とを有する画像形成方法であって、該現像工程に、請求項1〜15のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  20. 潜像担持体と、少なくとも該潜像担持体上の潜像を現像剤で可視像化するする現像装置とを一体化して画像形成装置に対して着脱可能に構成したプロセスカートリッジであって、該トナーとして請求項1〜15のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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