JP5910559B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ヒュームドシリカと、チタン又はジルコニウムの金属アルコキシドとを乾式で処理し、加水分解した表面処理シリカ粒子が開示されている。
また、特許文献2には、チタン原子の含有量、鉄粉との摩擦帯電量、嵩密度、粒子径で規定されたシラン表面処理球状シリカチタニア系粒子が開示されている。
また、特許文献3には、気相法で製造された焼結物である、酸化チタンとシリカとの複合酸化物をトナー粒子に付着させたトナーが開示されている。
また、特許文献4には、周期律表4Aから7A、8、1Bから4B族に属する金属原子から選択(Si、Al、Ti、Zr、Fe、Nb、V、W、Sn、Ge)され、少なくとも珪素を含む複合酸化物粒子を使用した多色トナーが開示されている。
トナー粒子と、
シリカ粒子の表層部であって、シリカ粒子の表面から深さ5nm以内の領域のチタン含有率が0.001質量%以上10質量%以下であり、
シリカ粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下で、且つ粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、シリカ粒子の表面がチタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物及び疎水化処理剤により順次表面処理されたシリカ粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。
前記シリカ粒子の平均円形度が、0.5以上0.85以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
前記シリカ粒子が、
アルコールを含む溶媒中にアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシラン、及びアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、
前記シリカ粒子が生成した前記アルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を添加して、前記チタン化合物により前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
疎水化処理剤により、前記チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
を経て得られたものである請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
前記シリカ粒子が、
アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、前記アルコールに対して、0.001mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下の供給量で、テトラアルコキシシランを供給すると共に、前記テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、
前記シリカ粒子が生成した前記アルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を供給して、前記チタン化合物により前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
疎水化処理剤により、前記チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
を経て得られたものである請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項2、4に係る発明によれば、シリカ粒子の円形度が上記範囲を満たさない場合に比べ、画像の白抜けの発生を抑制した静電荷像現像用トナーが提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、トナー粒子と、特定シリカ粒子と、を有するトナーである。
そして、特定シリカ粒子は、表層部のチタン含有率が0.001質量%以上10質量%以下であり、シリカ粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下で、且つ粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、シリカ粒子の表面がチタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物及び疎水化処理剤により順次表面処理されたシリカ粒子である。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
特定シリカ粒子は、適度な大きさで、粒度分布が揃っていることにより、粒度分布が広い粒子群よりも粒子同士の密着性が少なくなるため、粒子同士の摩擦が生じ難くなると考えられる。その結果、シリカ粒子自体の流動性に優れると考えられる。これにより、特定シリカ粒子は、トナー粒子の表面に対して、偏在することなく付着すると考えられる。
そして、特定シリカ粒子は、適度な大きさで、トナー粒子に対してシリカ単独の粒子よりも親和性が高いチタンが表面に存在することにより、トナー粒子に付着した際、トナー粒子への埋まり込み、離脱が生じ難くなると考えられる。
さらに、チタンによるトナーの電荷交換性の向上に加え、シリカ粒子が適度な大きさであるため、その結果、転写性も向上すると考えられる。
トナー粒子としては、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等)が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤として、特定シリカ粒子が適用される。
特定シリカ粒子は、酸化ケイ素(二酸化ケイ素:シリカ)で構成された粒子の表面をチタン化合物により表面処理した粒子、つまり、シリカ粒子の中央部に比べ表層部に多くチタンが存在する粒子である。
そして、特定シリカ粒子の表層部のチタンの含有率は、特定シリカ粒子の表層部のチタン含有率は、0.001質量%以上10質量%以下(望ましくは0.005質量%以上2質量%以下、より望ましくは0.01質量%以上1質量%以下)である。
一方、チタンの含有率が上記範囲を超えると、特定シリカ粒子を作製する際、チタン化合物(特にテトラアルコキシチタン)の反応が激しいことに起因して、過大な粗粉の発生や、粒度分布、形状の悪化とつながり、目的とする粒度が得られず、特に、シリカ粒子に機械的負荷がかかった場合に欠損しやすく、流動維持性を向上させ難い。
そして、特定シリカ粒子の表層部のチタン含有率は、次のようにして測定した値である。
シリカ粒子を加速電圧10mVで30秒イオンエッチングした後のX線光電子分光分析による元素分析により求める。X線光電子分析(XPS)は、JPS9000MX(日本電子(株)社製)を用い、加速電圧20kv、電流値10mA、Ar雰囲気下、加速電圧400±10V、真空度(3±1)×10−2Paの条件で行うものである。得られた元素の量から、100×チタン量/(ケイ素量+チタン量)より求めるものである。
特定シリカ粒子は、平均粒径が30nm500nm以下(望ましくは60nm以上500nm以下、より望ましくは100nm以上350nm以下、さらに望ましくは100nm以上250nm以下)である。
なお、平均粒径は、特定シリカ粒子の一次粒子の体積平均粒径である。
一方、特定シリカ粒子の平均粒径が500nmを超えると、特定シリカ粒子に機械的負荷が加わった場合に欠損しやすく、トナー粒子の流動維持性が実現され難くなる。
特定シリカ粒子は、粒度分布指標が1.1以上1.5以下(望ましくは1.25以上1.40以下)である。
なお、粒度分布指数は、特定シリカ粒子の一次粒子の粒度分布指数である。
一方、特定シリカ粒子の粒度分布が1.5を超えると、粗大粒子の発生や、粒径のばらつきによりトナー粒子への分散性が悪化し、また、粗大粒子の存在が増えるに伴い、その機械的負荷による欠損粒子が増えるため、トナー粒子の流動維持性が実現され難くなる。
特定シリカ粒子は、例えば、平均円形度が0.5以上0.85以下(望ましくは0.6以上0.8以下)がよい。
なお、平均円形度は、特定シリカ粒子の一次粒子の平均円形度である。
一方、特定シリカ粒子の平均円形度が0.85を超えると、特定シリカ粒子は球形に近づく。そのため、トナー粒子との混合する際の撹拌の機械的負荷などによって特定シリカ粒子が偏って付着したり、経時保存後に特定シリカ粒子が偏って付着したりしてトナー粒子への分散性が悪化し、また、特定シリカ粒子がトナー粒子からの脱離が生じやすくなることがある。
・式:円形度(100/SF2)=4π×(A/I2)
〔式中、Iは画像上における一次粒子の周囲長を示し、Aは一次粒子の投影面積を表す。
そして、特定シリカ粒子の平均円形度は、上記画像解析によって得られた一次粒子100個の円相当径の累積頻度における50%円形度として得られる。
特定シリカ粒子の製造方法は、特定シリカ粒子を得るための製造方法であり、具体的には、以下の通りである。
一方で、特に、特定シリカ粒子のうち、異形状のシリカ粒子を得るためには、以下に示す方法を採用することがよい。
以下、この異形状のシリカ粒子の製造方法を、「特定シリカ粒子の製造方法」と称して説明する。
そして、テトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給をそれぞれ続けていくと、テトラアルコキシシランの反応により、生成した核粒子が成長し、シリカ粒子が得られる。
このテトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給を、その供給量を上記関係で維持しつつ行うことで、2次凝集物等の粗大凝集物の生成を抑制しつつ、異形状の核粒子がその異形状を保ったまま粒子成長し、結果、異形状のシリカ粒子が生成されると考えられる。これは、このテトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給量を上記関係とすることで、核粒子の分散を保持しつつも、核粒子表面における張力と化学的親和性の部分的な偏りが保持されることから、異形状を保ちながらの核粒子の粒子成長が生じると考えられるためである。
なお、シリカ粒子の平均粒径は、テトラアルコキシシランの総供給量に依存すると考えられる。
また、特定シリカ粒子の製造方法では、生成した異形状の核粒子が異形状を保ったまま粒子成長され、シリカ粒子が得られると考えられることから、機械的負荷に強く、壊れ難い特定シリカ粒子が得られると考えられる。
また、特定シリカ粒子の製造方法では、アルカリ触媒溶液中に、アルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給し、アルコキシシランの反応を生じさせることで、粒子生成を行っていることから、従来のゾルゲル法により異形状のシリカ粒子を製造する場合に比べ、総使用アルカリ触媒量が少なくなり、その結果、アルカリ触媒の除去工程の省略も実現される。これは、特に、高純度が求められる製品に特定シリカ粒子を適用する場合に有利である。
アルカリ触媒溶液準備工程は、アルコールを含む溶媒を準備し、これにアルカリ触媒を添加して、アルカリ触媒溶液を準備する。
なお、アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコールが挙げられる。
アルカリ触媒の濃度が、0.6mol/Lより少ないと、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成されたり、ゲル化状となったりして、粒度分布が悪化することがある。
一方、アルカリ触媒の濃度が、0.85mol/Lより多いと、生成した核粒子の安定性が過大となり、真球状の核粒子が生成され、平均円形度が0.85以下の異形状の核粒子が得られず、その結果、異形状のシリカ粒子が得られない。
なお、アルカリ触媒の濃度は、アルコール触媒溶液(アルカリ触媒+アルコールを含む溶媒)に対する濃度である。
粒子生成工程は、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランと、アルカリ触媒と、をそれぞれ供給し、当該アルカリ触媒溶液中で、テトラアルコキシシランを各々反応(加水分解反応、縮合反応)させて、シリカ粒子を生成する工程である。
この粒子生成工程では、テトラアルコキシシランの供給初期に、テトラアルコキシシランの反応により、核粒子が生成した後(核粒子生成段階)、この核粒子の成長を経て(核粒子成長段階)、シリカ粒子が生成する。
なお、特定シリカ粒子の粒径については、テトラアルコキシシランの種類や、反応条件にもよるが、粒子生成の反応に用いるテトラアルコキシシランの総供給量を、例えばシリカ粒子分散液1Lに対し1.08mol以上とすることで、粒径が100nm以上の一次粒子が得られ、シリカ粒子分散液1Lに対し5.49mol以下とすることで、粒径が500nm以下の一次粒子が得られる。
テトラアルコキシシランの供給量が0.01mol/(mol・min)以上であると、滴下されたテトラアルコキシシランと核粒子とが反応する前に、テトラアルコキシシラン同士の反応を生じさせることになると考えられる。そのため、核粒子へのテトラアルコキシシラン供給の偏在化を助長し、核粒子形成のバラツキをもたらすことから、平均粒径、形状分布の分布幅が拡大することとなる。
アルカリ触媒の供給量が、0.1molより少ないと、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成さたり、ゲル化状となったりして、粒度分布が悪化することがある。
一方、アルカリ触媒の供給量が、0.4molより多いと、生成した核粒子の安定性が過大となり、核粒子生成段階で異形状の核粒子が生成されても、その核粒子成長段階で核粒子が球状に成長し、異形状のシリカ粒子が得られない。
表面処理工程は、上記工程を経てシリカ粒子が生成したアルカリ触媒溶液中に、チタン化合物とアルコールとの混合液を供給し、チタン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する工程である。
具体的には、例えば、チタン化合物の有機基(例えばアルコシキ基)とシリカ粒子の表面のシラノール基を反応させて、チタン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する。
但し、チタン化合物は、反応速度の制御性や得られる特定シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、アルコキシ基を1個以上(望ましくは2個以上)有するチタン化合物であることがよい。つまり、チタン化合物は、アルコキシ基(酸素を介してチタン原子に結合するアルキル基)がチタン原子に1個以上(望ましくは2個以上)結合しているチタン化合物であることがよい。
なお、アルコキシ基の炭素数は、反応速度の制御性や得られる特定シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、8以下がよく、望ましくは3以上8以下である。
特に、チタン化合物の反応速度の制御や得られる特定シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、アルコールは、チタン化合物のアルコキシ基の炭素数よりも小さい炭素数(具体的には、例えば、炭素数差が1以上4以下の炭素数)のアルコールであることがよい。
なお、アルコールは、上記アルカリ触媒溶液に含まれるアルコールと同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
そして、チタン化合物とアルコールとの混合液の供給は、例えば、シリカ粒子に対するチタン化合物の比率が1質量%以上10質量%以下となるように行うことがよい。
本混合液の供給量を上記範囲とすると、チタン化合物の反応速度が制御され、ゲル化を抑制し易くなり、上記目的とする特定シリカ粒子のチタン含有率、形状、粒径、粒度分布が得られ易くなる。
この状態で、得られるシリカ粒子は、分散液の状態で得られるが、そのままシリカ粒子分散液の状態で疎水化処理に移行してもよいし、溶媒を除去してシリカ粒子の粉体にして、疎水化処理に移行してもよい。
乾燥されたシリカ粒子は、必要に応じて解砕、篩分により、粗大粒子や凝集物の除去を行うことがよい。解砕方法は、特に限定されないが、例えば、ジェットミル、振動ミル、ボールミル、ピンミルなどの乾式粉砕装置により行う。篩分方法は、例えば、振動篩、風力篩分機など公知のものにより行う。
疎水化工程は、上記工程を経てチタン化合物により表面処理されたシリカ粒子に対して、疎水化処理剤により疎水化処理を施す。
これら疎水化処理剤の中も、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチル基を有する有機珪素化合物が好適である。
ここで、粉体のシリカ粒子を疎水化処理する方法としては、ヘンシェルミキサーや流動床などの処理槽内で粉体のシリカ粒子を攪拌し、そこに疎水化処理剤を加え、処理槽内を加熱することで疎水化処理剤をガス化して粉体のシリカ粒子の表面のシラノール基と反応させる方法が挙げられる。処理温度は、特に限定されないが、例えば、80℃以上300℃以下がよく、望ましくは120℃以上200℃以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中も、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50pとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、樹脂含浸型キャリア、及び導電性粒子分散型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電装置の一例)、現像装置111(現像装置の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用の静電荷像現像トナーを収容するものである。
(トナー粒子)
−ポリエステル樹脂粒子分散液の調製−
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕 37部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕 65部
・1,9 ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕 32部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕 96部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂Aを得た。
体積平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂粒子が分散されたポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
・シアン顔料〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕 10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕 2部
・イオン交換水 80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
・カルナバワックス〔RC−160、溶融温度84℃、東亜化成(株)製〕 50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
・ポリエステル樹脂粒子分散液 200部
・着色剤粒子分散液 25部
・離型剤粒子分散液: 30部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用い混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂粒子分散液を70部追加した。
トナー粒子1の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は130であった。
(シリカ粒子A1)
−アルカリ触媒溶液準備工程〔アルカリ触媒溶液の調製〕−
攪拌翼、滴下ノズル、温度計を有した容積2.5Lのガラス製反応容器にメタノール400部、10%アンモニア水(NH4OH)66部を入れ、攪拌混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このときのアルカリ触媒溶液のアンモニア触媒量:NH3量(NH3〔mol〕/(NH3+メタノール+水)〔L〕)は、0.68mol/Lであった。
次に、アルカリ触媒溶液の温度を25℃に調整し、アルカリ触媒溶液を窒素置換した。その後、アルカリ触媒溶液を120rpmで撹拌しながら、テトラメトキシシラン(TMOS)200部と、触媒(NH3)濃度3.8%アンモニア水(NH4OH)158部とを、下記供給量で、同時に滴下を開始し、シリカ粒子の懸濁液(シリカ粒子懸濁液)を得た。
また、3.8%アンモニア水の供給量は、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1molに対して0.27mol/minとなるように調整した。
ブタノールによりチタン化合物としてのオルトチタン酸テトラブチル(テトラ−n−ブトキシチタニウム)が1質量%となるように希釈したアルコール希釈液を作製した。
シリカ粒子が生成した溶液に、アルコール希釈液を添加し、シリカ粒子の表面に反応させて、表面処理を行い、シリカ粒子を得た。なお、アルコール希釈液の添加は、シリカ粒子100部に対してオルトチタン酸テトラブチルが3.0部と成るように行った。
その後、得られたシリカ粒子懸濁液の溶媒を加熱蒸留により500部留去し、純水を500部加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、異形状の親水性シリカ粒子を得た。
さらに、親水性シリカ粒子35部にヘキサメチルジシラザン7部を添加し、150℃で2時間反応させ、粒子表面が疎水化処理された異形状の疎水性シリカ粒子を得た。
表1に従って、アルカリ触媒溶液準備工程、粒子生成工程、シリカ粒子の表面処理工程での各種条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、シリカ粒子A2〜A13、C1〜C6を得た。
但し、シリカ粒子A10において、オルトチタン酸テトラブチルに代えて、オルトチタン酸テトライソプロピルを用いた。
また、シリカ粒子A11において、オルトチタン酸テトラブチルに代えて、オルトチタン酸テトラエチルを用いた。
なお、表1中、「TMOS供給量」は、アルカリ触媒溶液のアルコールのモル数に対するTMOSの供給量である。
また、「NH3供給量」は、有機金属化合物1min当たりの供給される総供給量の1mol当たりに対するmol数で示す。
・「TBT」=オルトチタン酸テトラブチル(テトラ−n−ブトキシチタニウム)
・「BuOH」=ブタノール
・「TET」=オルトチタン酸テトラエチル
・「TIPT」=オルトチタン酸テトライソプロピル
酸化チタン粒子CC1は、上市されている酸化チタン粒子TT0−55(C)(石原産業(株)社製、平均粒径=45nm)をそのまま用いた。
トナー粒子100部に、表2に従ったシリカ粒子を2部添加し、ヘンシェルミキサーにて2000rpmで3分間混合し、各トナーを得た。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体 2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
(シリカ粒子の物性)
各例で得られたトナーのシリカ粒子について、既述の方法に従って、シリカ粒子の表層部のチタンの含有率、平均粒径、粒度分布、平均円形度について調べた。
なお、各シリカ粒子について、蛍光X線測定機:XRF1500(島津製作所製)を用い、粒子中の構成元素のNET強度によりチタン含有率を定量し、SEM−EDX(株式会社日立製作所製、S−3400N)によりマッピング処理を行って調べたところ、チタンがシリカ粒子の表層部に存在していることが確認された。
各例で得られた静電荷像現像剤を、「Docu Centre Color 400改造機(富士ゼロックス社製)」の現像器に充填し、転写効率、カブリ、及び画像濃度について評価を行った。
転写効率は、次のようにして評価した。テスト手順としては、まず温度10℃/湿度20RH%環境下で、感光体上にトナー乗り量が5g/m2になるように現像電位を調整した。次に、感光体上の現像されたトナーが中間転写体(中間転写ベルト)へ移行した直後に評価機を止める。このことにより感光体上では転写後(クリーニング前)の状態でトナーが残っている。このトナーをメンディングテープで取りその時のトナー重量測定を行う。現像時のトナー乗り量と転写後のトナー乗り量の割合から次式に基づいて転写効率を求めた。転写効率の測定は、画像面積が5%となる画像をA4用紙、50000枚連続で出力した後に行った。また、初期状態として、上記50000枚の連続出力を行う前にも転写効率を測定した。
・式:転写効率=転写後の紙上トナー乗り量/感光体上トナー乗り量×100
転写効率評価基準は以下の通りである。
◎ :転写効率95%以上100%
○ :転写効率90%以上95%未満
△ :転写効率85%以上90%未満
× :転写効率80%以上85%未満
××:転写効率80%未満。
カブリは、25℃/80%RHの条件で画像濃度20%、4cm×4cm画像をA4紙5万枚出力し、10枚目(表中「初期」と表記)と5万枚目の出力画像について、次のようにして行った。出力画像を目視(ルーペを用いて非画像部のトナー有無を確認)評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
◎:カブリ未発生
○:軽微なカブリ発生、但し画質上問題なし
×:カブリが発生
画像の濃度変動は、25℃/80RHの条件で画像濃度20%で、4cm×4cm画像をA4紙5万枚出力し、10枚目(表中「初期」と表記)と5万枚目の出力画像について、Xrite938(Xrite社製)を使用して測定した。
評価基準は以下の通りである。
◎ :濃度差:0.5以下
○ :濃度差:0.5より大きく1.0以下
△ :濃度差:1.0より大きく1.5以下
× :濃度差:1.5より大きい
画像の白抜けは、25℃/80%RHの条件で画像濃度20%、10cm×10cm画像をA4紙5万枚出力し、10枚目(表中「初期」と表記)と5万枚目の出力画像について、次のようにして行った。出力画像を目視して評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
◎ : 白抜けが確認できない
○ : 白抜けが1個または2個確認出来る
△ : 白抜けが3個以上5個以下確認出来る
× : 白抜けが6個以上ある
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (9)
- トナー粒子と、
シリカ粒子の表層部であって、シリカ粒子の表面から深さ5nm以内の領域のチタン含有率が0.001質量%以上10質量%以下であり、
シリカ粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下で、且つ粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、シリカ粒子の表面がチタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物及び疎水化処理剤により順次表面処理されたシリカ粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。 - 前記シリカ粒子の平均円形度が、0.5以上0.85以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記シリカ粒子が、
アルコールを含む溶媒中にアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシラン、及びアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、
前記シリカ粒子が生成した前記アルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を添加して、前記チタン化合物により前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
疎水化処理剤により、前記チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
を経て得られたものである請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。 - 前記シリカ粒子が、
アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、前記アルコールに対して、0.001mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下の供給量で、テトラアルコキシシランを供給すると共に、前記テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、
前記シリカ粒子が生成した前記アルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を供給して、前記チタン化合物により前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
疎水化処理剤により、前記チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
を経て得られたものである請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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