JP5910559B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法に関する。
トナーに、表面処理等を施した添加剤を含有させ、トナーの性質を制御する試みがなされている。
例えば、特許文献1には、ヒュームドシリカと、チタン又はジルコニウムの金属アルコキシドとを乾式で処理し、加水分解した表面処理シリカ粒子が開示されている。
また、特許文献2には、チタン原子の含有量、鉄粉との摩擦帯電量、嵩密度、粒子径で規定されたシラン表面処理球状シリカチタニア系粒子が開示されている。
また、特許文献3には、気相法で製造された焼結物である、酸化チタンとシリカとの複合酸化物をトナー粒子に付着させたトナーが開示されている。
また、特許文献4には、周期律表4Aから7A、8、1Bから4B族に属する金属原子から選択(Si、Al、Ti、Zr、Fe、Nb、V、W、Sn、Ge)され、少なくとも珪素を含む複合酸化物粒子を使用した多色トナーが開示されている。
特許第4346403号 特許第3988936号 特許第4636709号 特許第4190985号
本発明の課題は、画像の白抜けの発生を抑制した静電荷像現像用トナーを提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
トナー粒子と、
シリカ粒子の表層部であって、シリカ粒子の表面から深さ5nm以内の領域のチタン含有率が0.001質量%以上10質量%以下であり、
シリカ粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下で、且つ粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、シリカ粒子の表面がチタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物及び疎水化処理剤により順次表面処理されたシリカ粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。
請求項2に係る発明は、
前記シリカ粒子の平均円形度が、0.5以上0.85以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項3に係る発明は、
前記シリカ粒子が、
アルコールを含む溶媒中にアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシラン、及びアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、
前記シリカ粒子が生成した前記アルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を添加して、前記チタン化合物により前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
疎水化処理剤により、前記チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
を経て得られたものである請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項4に係る発明は、
前記シリカ粒子が、
アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
前記アルカリ触媒溶液中に、前記アルコールに対して、0.001mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下の供給量で、テトラアルコキシシランを供給すると共に、前記テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、
前記シリカ粒子が生成した前記アルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を供給して、前記チタン化合物により前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
疎水化処理剤により、前記チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
を経て得られたものである請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項7に係る発明は、、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項8に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項9に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1、3に係る発明によれば、表層部のチタン含有率が上記範囲で、且つ平均粒径、及び粒度分布指標が上記範囲を満たすシリカ粒子を外添剤として適用しない場合に比べ、画像の白抜けの発生を抑制した静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項2、4に係る発明によれば、シリカ粒子の円形度が上記範囲を満たさない場合に比べ、画像の白抜けの発生を抑制した静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項5、6、7、8、9に係る発明によれば、表層部のチタン含有率が上記範囲で、且つ平均粒径、及び粒度分布指標が上記範囲を満たすシリカ粒子を外添剤とした静電荷像現像用トナーを適用しない場合に比べ、転写効率に優れ、画像の白抜けの発生を抑制した静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法を提供できる。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、トナー粒子と、特定シリカ粒子と、を有するトナーである。
そして、特定シリカ粒子は、表層部のチタン含有率が0.001質量%以上10質量%以下であり、シリカ粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下で、且つ粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、シリカ粒子の表面がチタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物及び疎水化処理剤により順次表面処理されたシリカ粒子である。
本実施形態に係るトナーは、上記構成により、画像の白抜けの発生が抑制される。
この理由は定かではないが、以下に示す理由によるものと考えられる。
上記体積平均粒径、粒度分布指標を持つ特定シリカ粒子は、適度な大きさで、粒度分布が揃っている特性を有する粒子である。
特定シリカ粒子は、適度な大きさで、粒度分布が揃っていることにより、粒度分布が広い粒子群よりも粒子同士の密着性が少なくなるため、粒子同士の摩擦が生じ難くなると考えられる。その結果、シリカ粒子自体の流動性に優れると考えられる。これにより、特定シリカ粒子は、トナー粒子の表面に対して、偏在することなく付着すると考えられる。
そして、特定シリカ粒子は、適度な大きさで、トナー粒子に対してシリカ単独の粒子よりも親和性が高いチタンが表面に存在することにより、トナー粒子に付着した際、トナー粒子への埋まり込み、離脱が生じ難くなると考えられる。
したがって、本実施形態に係るトナーは、遊離した特定シリカ粒子が単独で静電潜像保持体に移行することにより発生する画像の白抜けが抑制されると考えられる。
また、本実施形態に係るトナーでは、シリカ粒子の遊離が抑制されると、シリカ粒子が単独で静電潜像保持体上に現像され残存することが抑制されるので、静電潜像保持体が目的とする電位を得られ易くなり、その結果、画像の濃度変動を抑制すると考えられる。
また、本実施形態に係るトナーでは、特定シリカ粒子が表層部にトナー粒子に対いて親和性の高いチタンを上記含有率で適度に含むことにより、トナー粒子に対する外添構造が安定化する。そして、特定シリカ粒子の表層部のチタンが抵抗を下げず帯電を維持し、電荷交換性を向上させるため、その結果、特定シリカ粒子の外添量が増加した場合であっても、現像性の低下(特に非画像部にトナーが付着する現像「カブリ」)が抑制されると考えられる。
さらに、チタンによるトナーの電荷交換性の向上に加え、シリカ粒子が適度な大きさであるため、その結果、転写性も向上すると考えられる。
また、本実施形態に係るトナーでは、特定シリカ粒子がチタンを上記含有率で適度に含むことから、酸化ケイ素単独で構成されたシリカ粒子に比べ、その吸湿性が小さくなる、つまり、環境が変動(例えば、夏場に代表される高温高湿下の環境と冬場に代表される低温低湿下の環境との間での環境変動)しても、水分保持量の変動が少なくなることから、特性変動(現像性や転写性の変動)が抑制されるものと考えられる。
特に、本実施形態に係るトナーにおいて、特定シリカ粒子は、平均円形度が0.5以上0.85以下と異形状である場合、球状(平均円形度が0.85を超える形状)の場合に比べ、トナー粒子に付着した際、トナー粒子への埋まり込み、転がりによる偏在、離脱が生じ難くなると共に、機械的負荷による破壊が生じ難いと考えられる。このため、画像の白抜けが抑制され易くなる。
以下、トナーの構成について詳細に説明する。
トナーは、トナー粒子と、外添剤としてシリカ粒子と、を含んで構成される。
(トナー粒子)
トナー粒子としては、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等)が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下より好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂の製造は、周知の製造方法が挙げられる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法が挙げられる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
(外添剤)
外添剤として、特定シリカ粒子が適用される。
−特定シリカ粒子−
特定シリカ粒子は、酸化ケイ素(二酸化ケイ素:シリカ)で構成された粒子の表面をチタン化合物により表面処理した粒子、つまり、シリカ粒子の中央部に比べ表層部に多くチタンが存在する粒子である。
そして、特定シリカ粒子の表層部のチタンの含有率は、特定シリカ粒子の表層部のチタン含有率は、0.001質量%以上10質量%以下(望ましくは0.005質量%以上2質量%以下、より望ましくは0.01質量%以上1質量%以下)である。
チタンの含有率が上記範囲未満では、特定シリカ粒子のトナー粒子からの離脱が生じることとなる、また、環境変動により特定シリカ粒子の特性変動が生じることとなる、
一方、チタンの含有率が上記範囲を超えると、特定シリカ粒子を作製する際、チタン化合物(特にテトラアルコキシチタン)の反応が激しいことに起因して、過大な粗粉の発生や、粒度分布、形状の悪化とつながり、目的とする粒度が得られず、特に、シリカ粒子に機械的負荷がかかった場合に欠損しやすく、流動維持性を向上させ難い。
ここで、特定シリカ粒子の表層部とは、粒子表面から深さ5nm以内の領域を意味している。
そして、特定シリカ粒子の表層部のチタン含有率は、次のようにして測定した値である。
シリカ粒子を加速電圧10mVで30秒イオンエッチングした後のX線光電子分光分析による元素分析により求める。X線光電子分析(XPS)は、JPS9000MX(日本電子(株)社製)を用い、加速電圧20kv、電流値10mA、Ar雰囲気下、加速電圧400±10V、真空度(3±1)×10−2Paの条件で行うものである。得られた元素の量から、100×チタン量/(ケイ素量+チタン量)より求めるものである。
−平均粒径−
特定シリカ粒子は、平均粒径が30nm500nm以下(望ましくは60nm以上500nm以下、より望ましくは100nm以上350nm以下、さらに望ましくは100nm以上250nm以下)である。
なお、平均粒径は、特定シリカ粒子の一次粒子の体積平均粒径である。
特定シリカ粒子の平均粒径が30nm未満では、特定シリカ粒子の形状が球状となりやすく、特定シリカ粒子の平均円形度を0.50以上0.85以下とすることが難しく、異形状となっても、トナー粒子に対する特定シリカ粒子の埋没を抑制することが難しく、トナー粒子の流動維持性が実現され難くなる。
一方、特定シリカ粒子の平均粒径が500nmを超えると、特定シリカ粒子に機械的負荷が加わった場合に欠損しやすく、トナー粒子の流動維持性が実現され難くなる。
特定シリカ粒子の平均粒径は、トナー粒子に特定シリカ粒子を外添させた後の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50v)を意味する。
−粒度分布指標−
特定シリカ粒子は、粒度分布指標が1.1以上1.5以下(望ましくは1.25以上1.40以下)である。
なお、粒度分布指数は、特定シリカ粒子の一次粒子の粒度分布指数である。
特定シリカ粒子の粒度分布指標が1.1未満であるシリカ粒子は製造し難い。
一方、特定シリカ粒子の粒度分布が1.5を超えると、粗大粒子の発生や、粒径のばらつきによりトナー粒子への分散性が悪化し、また、粗大粒子の存在が増えるに伴い、その機械的負荷による欠損粒子が増えるため、トナー粒子の流動維持性が実現され難くなる。
特定シリカ粒子の粒度分布指標とは、トナー粒子に特定シリカ粒子を外添させた後の一次粒子100個をSEM装置により観察し、一次粒子の画像解析によって得られた円相当径の累積頻度において、84%径を16%径で除した値の平方根を意味する。
−平均円形度−
特定シリカ粒子は、例えば、平均円形度が0.5以上0.85以下(望ましくは0.6以上0.8以下)がよい。
なお、平均円形度は、特定シリカ粒子の一次粒子の平均円形度である。
特定シリカ粒子の平均円形度が0.50未満では、特定シリカ粒子の縦/横比が大きな球状となり、シリカ粒子に機械的負荷が加わった場合に応力集中が生じて欠損しやすくなり、トナー粒子の流動維持性が実現され難くなることがある。
一方、特定シリカ粒子の平均円形度が0.85を超えると、特定シリカ粒子は球形に近づく。そのため、トナー粒子との混合する際の撹拌の機械的負荷などによって特定シリカ粒子が偏って付着したり、経時保存後に特定シリカ粒子が偏って付着したりしてトナー粒子への分散性が悪化し、また、特定シリカ粒子がトナー粒子からの脱離が生じやすくなることがある。
なお、特定シリカ粒子の円形度「100/SF2」は、トナー粒子に特定シリカ粒子を外添させた後の一次粒子を、SEM装置により観察し、得られた一次粒子の画像解析から、下記式により算出される。
・式:円形度(100/SF2)=4π×(A/I
〔式中、Iは画像上における一次粒子の周囲長を示し、Aは一次粒子の投影面積を表す。
そして、特定シリカ粒子の平均円形度は、上記画像解析によって得られた一次粒子100個の円相当径の累積頻度における50%円形度として得られる。
<特定シリカ粒子の製造方法>
特定シリカ粒子の製造方法は、特定シリカ粒子を得るための製造方法であり、具体的には、以下の通りである。
特定シリカ粒子の製造方法は、アルコールを含む溶媒中にアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシラン、及びアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、シリカ粒子が生成したアルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を添加して、チタン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、疎水化処理剤により、チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を疎水化処理剤により表面処理(以下「疎水化処理」と称する)する工程と、を有するシリカ粒子の製造方法である。
つまり、特定シリカ粒子の製造方法は、ゾルゲル法によりシリカ粒子が生成した溶液中に、チタン化合物をアルコールで希釈したアルコール希釈液を供給し、チタン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理して、その後、疎水化処理剤により、チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を疎水化処理剤により疎水化処理して、特定シリカ粒子を得る方法である。
特定シリカ粒子の製造方法では、上記手法により、上記特性を持つ特定シリカ粒子を得られる。の理由は定かではないが、チタン化合物により表面処理を施す際、チタン化合物単独ではなく、チタン化合物をアルコールで希釈したアルコール希釈液を用いることで、チタン化合物が特定の領域で反応することなく、比較的均一に反応することで凝集の発生を抑制することとなり、上記目的とする粒径・粒度分布を持つ特定シリカ粒子が生成されると考えられるためである。
ここで、特定シリカ粒子の製造方法において、シリカ粒子を生成するゾルゲル法は、特に制限はなく、周知の方法が採用される。
一方で、特に、特定シリカ粒子のうち、異形状のシリカ粒子を得るためには、以下に示す方法を採用することがよい。
以下、この異形状のシリカ粒子の製造方法を、「特定シリカ粒子の製造方法」と称して説明する。
特定シリカ粒子の製造方法は、アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、アルカリ触媒溶液中に、アルコールに対して、0.001mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下の供給量で、テトラアルコキシシランを供給すると共に、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、シリカ粒子が生成したアルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を供給し、チタン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、疎水化処理剤により、チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を疎水化処理剤により疎水化処理する工程と、を有する異形状の特定シリカ粒子の製造方法である。
つまり、特定シリカ粒子の製造方法では、上記濃度のアルカリ触媒が含まれるアルコールの存在下に、原料であるテトラアルコキシシランと、別途、触媒であるアルカリ触媒と、をそれぞれ上記関係で供給しつつ、テトラアルコキシシランを反応させて、シリカ粒子を生成した後、シリカ粒子が生成した溶液中に、チタン化合物とアルコールとの混合液を添加して、チタン化合物によりシリカ粒子の表面処理を施し、その後、疎水化処理剤により、チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の疎水化処理を施して、特定シリカ粒子を得る方法である。
特定シリカ粒子の製造方法では、上記手法により、粗大凝集物の発生が少なく、異形状の特定シリカ粒子が得られる。この理由は、定かではないが以下の理由によるものと考えられる。
まず、アルコールを含む溶媒中に、アルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備し、この溶液中にテトラアルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給すると、アルカリ触媒溶液中に供給されたテトラアルコキシシランが反応して、核粒子が生成される。このとき、アルカリ触媒溶液中のアルカリ触媒濃度が上記範囲にあると、2次凝集物等の粗大凝集物の生成を抑制しつつ、異形状の核粒子が生成すると考えられる。これは、アルカリ触媒は、触媒作用の他に、生成される核粒子の表面に配位し、核粒子の形状、分散安定性に寄与するが、その量が上記範囲内であると、アルカリ触媒が核粒子の表面を均一に覆わないため(つまりアルカリ触媒が核粒子の表面に偏在して付着するため)、核粒子の分散安定性は保持するものの、核粒子の表面張力及び化学的親和性に部分的な偏りが生じ、異形状の核粒子が生成されると考えられるためである。
そして、テトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給をそれぞれ続けていくと、テトラアルコキシシランの反応により、生成した核粒子が成長し、シリカ粒子が得られる。
このテトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給を、その供給量を上記関係で維持しつつ行うことで、2次凝集物等の粗大凝集物の生成を抑制しつつ、異形状の核粒子がその異形状を保ったまま粒子成長し、結果、異形状のシリカ粒子が生成されると考えられる。これは、このテトラアルコキシシランとアルカリ触媒との供給量を上記関係とすることで、核粒子の分散を保持しつつも、核粒子表面における張力と化学的親和性の部分的な偏りが保持されることから、異形状を保ちながらの核粒子の粒子成長が生じると考えられるためである。
ここで、テトラアルコキシシランの供給量は、シリカ粒子の粒度分布や円形度に関係すると考えられる。テトラアルコキシシランの供給量を、アルコールに対して0.001mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下とすることで、滴下されたテトラアルコキシシランと核粒子との接触確率を下げ、テトラアルコキシシラン同士の反応が起こる前に、テトラアルコキシシランが核粒子に偏りなく供給されると考えられる。従って、テトラアルコキシシランと核粒子との反応を偏り無く生じさせ得ると考えられる。その結果、粒子成長のバラツキを抑制し、分布幅の狭いシリカ粒子を製造し得ると考えられる。
なお、シリカ粒子の平均粒径は、テトラアルコキシシランの総供給量に依存すると考えられる。
そして、このようにして得られたシリカ粒子に対して、チタン化合物による表面処理、及び疎水化処理剤による表面処理を順次施す。
以上から、特定シリカ粒子の製造方法では、異形状の特定シリカ粒子が得られると考えられる。
また、特定シリカ粒子の製造方法では、異形状の核粒子を生成させ、この異形状を保ったまま核粒子を成長させてシリカ粒子が生成されると考えられることから、機械的負荷に対する形状安定性が高い異形状の特定シリカ粒子が得られると考えられる。
また、特定シリカ粒子の製造方法では、生成した異形状の核粒子が異形状を保ったまま粒子成長され、シリカ粒子が得られると考えられることから、機械的負荷に強く、壊れ難い特定シリカ粒子が得られると考えられる。
また、特定シリカ粒子の製造方法では、アルカリ触媒溶液中に、アルコキシシランとアルカリ触媒とをそれぞれ供給し、アルコキシシランの反応を生じさせることで、粒子生成を行っていることから、従来のゾルゲル法により異形状のシリカ粒子を製造する場合に比べ、総使用アルカリ触媒量が少なくなり、その結果、アルカリ触媒の除去工程の省略も実現される。これは、特に、高純度が求められる製品に特定シリカ粒子を適用する場合に有利である。
まず、アルカリ触媒溶液準備工程について説明する。
アルカリ触媒溶液準備工程は、アルコールを含む溶媒を準備し、これにアルカリ触媒を添加して、アルカリ触媒溶液を準備する。
アルコールを含む溶媒は、アルコール単独の溶媒であってもよいし、必要に応じて水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のセロソルブ類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の他の溶媒との混合溶媒であってもよい。混合溶媒の場合、アルコールの他の溶媒に対する量は80質量%以上(望ましくは90質量%以上)であることがよい。
なお、アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコールが挙げられる。
一方、アルカリ触媒としては、テトラアルコキシシランの反応(加水分解反応、縮合反応)を促進させるための触媒であり、例えば、アンモニア、尿素、モノアミン、四級アンモニウム塩等の塩基性触媒が挙げられ、特にアンモニアが望ましい。
アルカリ触媒の濃度(含有量)は、0.6mol/L以上0.85mol/Lであり、望ましくは0.63mol/L以上0.78mol/Lであり、より望ましくは0.66mol/L以上0.75mol/Lである。
アルカリ触媒の濃度が、0.6mol/Lより少ないと、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成されたり、ゲル化状となったりして、粒度分布が悪化することがある。
一方、アルカリ触媒の濃度が、0.85mol/Lより多いと、生成した核粒子の安定性が過大となり、真球状の核粒子が生成され、平均円形度が0.85以下の異形状の核粒子が得られず、その結果、異形状のシリカ粒子が得られない。
なお、アルカリ触媒の濃度は、アルコール触媒溶液(アルカリ触媒+アルコールを含む溶媒)に対する濃度である。
次に、粒子生成工程について説明する。
粒子生成工程は、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランと、アルカリ触媒と、をそれぞれ供給し、当該アルカリ触媒溶液中で、テトラアルコキシシランを各々反応(加水分解反応、縮合反応)させて、シリカ粒子を生成する工程である。
この粒子生成工程では、テトラアルコキシシランの供給初期に、テトラアルコキシシランの反応により、核粒子が生成した後(核粒子生成段階)、この核粒子の成長を経て(核粒子成長段階)、シリカ粒子が生成する。
ここで、テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられるが、反応速度の制御性や得られる特定シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランがよい。
テトラアルコキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液中のアルコールに対して、0.001mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下とし、0.002mol/(mol・min)以上0.009mol/(mol・min)以下が望ましく、より望ましくは0.003mol/(mol・min)以上 0.008mol/(mol・min)以下である。 これは、アルカリ触媒溶液を準備する工程で用いたアルコール1molに対して、1分間当たり0.001mol以上0.01mol以下の供給量でテトラアルコキシシランを供給することを意味する。
なお、特定シリカ粒子の粒径については、テトラアルコキシシランの種類や、反応条件にもよるが、粒子生成の反応に用いるテトラアルコキシシランの総供給量を、例えばシリカ粒子分散液1Lに対し1.08mol以上とすることで、粒径が100nm以上の一次粒子が得られ、シリカ粒子分散液1Lに対し5.49mol以下とすることで、粒径が500nm以下の一次粒子が得られる。
テトラアルコキシシランの供給量が、0.001mol/(mol・min)より少ないと、滴下されたテトラアルコキシシランと核粒子との接触確率をより下げることにはなるが、テトラアルコキシシランの総供給量を滴下し終わるまでに長時間を要し、生産効率が悪い。
テトラアルコキシシランの供給量が0.01mol/(mol・min)以上であると、滴下されたテトラアルコキシシランと核粒子とが反応する前に、テトラアルコキシシラン同士の反応を生じさせることになると考えられる。そのため、核粒子へのテトラアルコキシシラン供給の偏在化を助長し、核粒子形成のバラツキをもたらすことから、平均粒径、形状分布の分布幅が拡大することとなる。
一方、アルカリ触媒溶液中に供給するアルカリ触媒は、上記例示したものが挙げられる。この供給するアルカリ触媒は、アルカリ触媒溶液中に予め含まれるアルカリ触媒と同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよいが、同じ種類のものであることがよい。
アルカリ触媒の供給量は、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下とし、望ましくは0.14mol以上0.35mol以下であり、より望ましくは0.18mol以上0.30mol以上である。
アルカリ触媒の供給量が、0.1molより少ないと、生成した核粒子の成長過程の核粒子の分散性が不安定となり、2次凝集物等の粗大凝集物が生成さたり、ゲル化状となったりして、粒度分布が悪化することがある。
一方、アルカリ触媒の供給量が、0.4molより多いと、生成した核粒子の安定性が過大となり、核粒子生成段階で異形状の核粒子が生成されても、その核粒子成長段階で核粒子が球状に成長し、異形状のシリカ粒子が得られない。
ここで、粒子生成工程において、アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシランと、アルカリ触媒と、をそれぞれ供給するが、この供給方法は、連続的して供給する方式であってもよいし、間欠的に供給する方式であってもよい。
また、粒子生成工程において、アルカリ触媒溶液中の温度(供給時の温度)は、例えば、5℃以上50℃以下であることがよく、望ましくは15℃以上40℃以下の範囲である。
次に、チタン化合物による表面処理工程について説明する。
表面処理工程は、上記工程を経てシリカ粒子が生成したアルカリ触媒溶液中に、チタン化合物とアルコールとの混合液を供給し、チタン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する工程である。
具体的には、例えば、チタン化合物の有機基(例えばアルコシキ基)とシリカ粒子の表面のシラノール基を反応させて、チタン化合物によりシリカ粒子の表面を表面処理する。
ここで、チタン化合物としては、チタン原子が酸素を介して有機基と結合している金属化合物であるが、例えば、アルコキシド類(例えばメトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、i−プロポキシド、n−ブトキシド、i−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−ブトキシド等)、キレート類やアシレート類(例えばアセチルアセトナート等のβ−ジケトン類;、エチルアセトアセテート等のβ−ケトエステル類;、トリエタノールアミン等のアミン類;、酢酸、酪酸、乳酸、クエン酸等のカルボン酸類;等)のチタン化合物が挙げられる。
但し、チタン化合物は、反応速度の制御性や得られる特定シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、アルコキシ基を1個以上(望ましくは2個以上)有するチタン化合物であることがよい。つまり、チタン化合物は、アルコキシ基(酸素を介してチタン原子に結合するアルキル基)がチタン原子に1個以上(望ましくは2個以上)結合しているチタン化合物であることがよい。
なお、アルコキシ基の炭素数は、反応速度の制御性や得られる特定シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、8以下がよく、望ましくは3以上8以下である。
チタン化合物として具体的には、例えば、テトラ−i−プロポキシチタニウム、テトラ−n−ブトキシチタニウム、テトラ−t−ブトキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(トリエタノールアミナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシチタン・ジアセテート、ジ−i−プロポキシチタン・ジプロピオネートが挙げられる。
一方、アルコールとしては、炭素数1以上6以下(望ましくは炭素数1以上4以下)が挙げられ、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
特に、チタン化合物の反応速度の制御や得られる特定シリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、アルコールは、チタン化合物のアルコキシ基の炭素数よりも小さい炭素数(具体的には、例えば、炭素数差が1以上4以下の炭素数)のアルコールであることがよい。
なお、アルコールは、上記アルカリ触媒溶液に含まれるアルコールと同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
チタン化合物とアルコールとの混合液において、チタン化合物濃度はアルコールに対して0.1質量%以上5質量%以下であることがよく、望ましくは0.5質量%以上2質量%以下である。
そして、チタン化合物とアルコールとの混合液の供給は、例えば、シリカ粒子に対するチタン化合物の比率が1質量%以上10質量%以下となるように行うことがよい。
本混合液の供給量を上記範囲とすると、チタン化合物の反応速度が制御され、ゲル化を抑制し易くなり、上記目的とする特定シリカ粒子のチタン含有率、形状、粒径、粒度分布が得られ易くなる。
チタン化合物によるシリカ粒子の表面処理条件は、特に制限はなく、例えば、攪拌下において25℃以上90℃以下の温度範囲で、チタン化合物を反応させることで行う。
以上の工程を経て、チタン化合物により表面処理されたシリカ粒子を得る。
この状態で、得られるシリカ粒子は、分散液の状態で得られるが、そのままシリカ粒子分散液の状態で疎水化処理に移行してもよいし、溶媒を除去してシリカ粒子の粉体にして、疎水化処理に移行してもよい。
シリカ粒子分散液の状態で疎水化処理に移行する場合は、必要に応じて水やアルコールで希釈したり濃縮することにより特定シリカ粒子固形分濃度の調整を行ってもよい。また、シリカ粒子分散液は、その他のアルコール類、エステル類、ケトン類などの水溶性有機溶媒などに溶媒置換して用いてもよい。
一方、シリカ粒子の粉体にして疎水化処理に移行する場合、シリカ粒子分散液からの溶媒を除去する必要があるが、この溶媒除去方法としては、1)濾過、遠心分離、蒸留などにより溶媒を除去した後、真空乾燥機、棚段乾燥機などにより乾燥する方法、2)流動層乾燥機、スプレードライヤーなどによりスラリーを直接乾燥する方法など、公知の方法が挙げられる。乾燥温度は、特に限定されないが、望ましくは200℃以下である。200℃より高いと特定シリカ粒子表面に残存するシラノール基の縮合による一次粒子同士の結合や粗大粒子の発生が起こり易くなる。
乾燥されたシリカ粒子は、必要に応じて解砕、篩分により、粗大粒子や凝集物の除去を行うことがよい。解砕方法は、特に限定されないが、例えば、ジェットミル、振動ミル、ボールミル、ピンミルなどの乾式粉砕装置により行う。篩分方法は、例えば、振動篩、風力篩分機など公知のものにより行う。
次に、疎水化処理剤による疎水化処理工程について説明する。
疎水化工程は、上記工程を経てチタン化合物により表面処理されたシリカ粒子に対して、疎水化処理剤により疎水化処理を施す。
疎水化処理剤としては、例えば、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を有する公知の有機珪素化合物が挙げられ、具体例には、例えば、シラザン化合物(例えばメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシランなどのシラン化合物、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等)等が挙げられる。疎水化処理剤は、1種で用いてもよいし、複数種用いてもよい。
これら疎水化処理剤の中も、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチル基を有する有機珪素化合物が好適である。
疎水化処理剤の使用量は、特に限定はされないが、疎水化の効果を得るためには、例えば、シリカ粒子に対し、1質量%以上100質量%以下、望ましくは5質量%以上80質量%以下である。
疎水化処理剤による疎水化処理が施された特定シリカ粒子分散液を得る方法としては、例えば、チタン化合物により表面処理されたシリカ粒子分散液に疎水化処理剤を必要量添加し、攪拌下において30℃以上80℃以下の温度範囲で反応させることで、シリカ粒子に疎水化処理を施し、特定シリカ粒子分散液を得る方法が挙げられる。この反応温度が30℃より低温では疎水化反応が進行し難く、80℃を越えた温度では疎水化処理剤の自己縮合による分散液のゲル化やシリカ粒子同士の凝集などが起り易くなることがある。
一方、粉体の特定シリカ粒子を得る方法としては、上記方法で特定シリカ粒子分散液を得た後、上記方法で乾燥して特定シリカ粒子の粉体を得る方法、チタン化合物により表面処理されたシリカ粒子分散液を乾燥してシリカ粒子の粉体を得た後、疎水化処理剤を添加して疎水化処理を施し、特定シリカ粒子の粉体を得る方法、一度疎水化処理を施して特定シリカ粒子分散液を得た後、乾燥して特定シリカ粒子の粉体を得た後、更に疎水化処理剤を添加して疎水化処理を施し、特定シリカ粒子の粉体を得る方法等が挙げられる。
ここで、粉体のシリカ粒子を疎水化処理する方法としては、ヘンシェルミキサーや流動床などの処理槽内で粉体のシリカ粒子を攪拌し、そこに疎水化処理剤を加え、処理槽内を加熱することで疎水化処理剤をガス化して粉体のシリカ粒子の表面のシラノール基と反応させる方法が挙げられる。処理温度は、特に限定されないが、例えば、80℃以上300℃以下がよく、望ましくは120℃以上200℃以下である。
以上説明した、外添剤であるシリカ粒子は、トナー粒子100質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下で添加することが望ましく、より望ましくは0.7質量部以上4.0質量部以下であり、さらに望ましくは0.9質量部以上3.5質量部以下である。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中も、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μmがさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50pとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散と同様にして、例えば、着色剤分散液、離型剤分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシュルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;、マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;、多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;、マトリックス樹脂に導電性粒子が分散・配合された樹脂分散型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、樹脂含浸型キャリア、及び導電性粒子分散型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、例えば、酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;、トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;、トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置111と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電装置の一例)、現像装置111(現像装置の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用の静電荷像現像トナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお以下の説明において、特に断りがない限り、「部」「%」は全て「質量部」「質量%」を意味する。
[トナー粒子の作製]
(トナー粒子)
−ポリエステル樹脂粒子分散液の調製−
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕 37部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕 65部
・1,9 ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕 32部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕 96部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂Aを得た。
次いで、ポリエステル樹脂Aを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に毎分100部の速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で上記ポリエステル樹脂溶融体と共に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、
体積平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂粒子が分散されたポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
−着色剤粒子分散液の調製−
・シアン顔料〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕 10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕 2部
・イオン交換水 80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
−離型剤粒子分散液の調製−
・カルナバワックス〔RC−160、溶融温度84℃、東亜化成(株)製〕 50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕 2部
・イオン交換水 200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
−トナー粒子の作製−
・ポリエステル樹脂粒子分散液 200部
・着色剤粒子分散液 25部
・離型剤粒子分散液: 30部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用い混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂粒子分散液を70部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0 に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を2℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。
トナー粒子1の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであり、SF1は130であった。
[外添剤の作製]
(シリカ粒子A1)
−アルカリ触媒溶液準備工程〔アルカリ触媒溶液の調製〕−
攪拌翼、滴下ノズル、温度計を有した容積2.5Lのガラス製反応容器にメタノール400部、10%アンモニア水(NHOH)66部を入れ、攪拌混合して、アルカリ触媒溶液を得た。このときのアルカリ触媒溶液のアンモニア触媒量:NH量(NH〔mol〕/(NH+メタノール+水)〔L〕)は、0.68mol/Lであった。
−粒子生成工程〔シリカ粒子懸濁液の調製〕−
次に、アルカリ触媒溶液の温度を25℃に調整し、アルカリ触媒溶液を窒素置換した。その後、アルカリ触媒溶液を120rpmで撹拌しながら、テトラメトキシシラン(TMOS)200部と、触媒(NH)濃度3.8%アンモニア水(NHOH)158部とを、下記供給量で、同時に滴下を開始し、シリカ粒子の懸濁液(シリカ粒子懸濁液)を得た。
但し、テトラメトキシシランの供給量は、アルカリ触媒溶液中のメタノール総mol数に対して、0.0017mol/(mol・min)となるように調整した。
また、3.8%アンモニア水の供給量は、テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1molに対して0.27mol/minとなるように調整した。
−シリカ粒子の表面処理工程−
ブタノールによりチタン化合物としてのオルトチタン酸テトラブチル(テトラ−n−ブトキシチタニウム)が1質量%となるように希釈したアルコール希釈液を作製した。
シリカ粒子が生成した溶液に、アルコール希釈液を添加し、シリカ粒子の表面に反応させて、表面処理を行い、シリカ粒子を得た。なお、アルコール希釈液の添加は、シリカ粒子100部に対してオルトチタン酸テトラブチルが3.0部と成るように行った。
その後、得られたシリカ粒子懸濁液の溶媒を加熱蒸留により500部留去し、純水を500部加えた後、凍結乾燥機により乾燥を行い、異形状の親水性シリカ粒子を得た。
−シリカ粒子の疎水化処理工程−
さらに、親水性シリカ粒子35部にヘキサメチルジシラザン7部を添加し、150℃で2時間反応させ、粒子表面が疎水化処理された異形状の疎水性シリカ粒子を得た。
以上の工程を経て得られた疎水性シリカ粒子をシリカ粒子A1とした。
(シリカ粒子A2〜A13、C1〜C6)
表1に従って、アルカリ触媒溶液準備工程、粒子生成工程、シリカ粒子の表面処理工程での各種条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、シリカ粒子A2〜A13、C1〜C6を得た。
但し、シリカ粒子A10において、オルトチタン酸テトラブチルに代えて、オルトチタン酸テトライソプロピルを用いた。
また、シリカ粒子A11において、オルトチタン酸テトラブチルに代えて、オルトチタン酸テトラエチルを用いた。
なお、表1中、「TMOS供給量」は、アルカリ触媒溶液のアルコールのモル数に対するTMOSの供給量である。
また、「NH供給量」は、有機金属化合物1min当たりの供給される総供給量の1mol当たりに対するmol数で示す。
なお、表1中、略称は以下の通りである。
・「TBT」=オルトチタン酸テトラブチル(テトラ−n−ブトキシチタニウム)
・「BuOH」=ブタノール
・「TET」=オルトチタン酸テトラエチル
・「TIPT」=オルトチタン酸テトライソプロピル
(酸化チタン粒子CC1)
酸化チタン粒子CC1は、上市されている酸化チタン粒子TT0−55(C)(石原産業(株)社製、平均粒径=45nm)をそのまま用いた。
[実施例1〜13、比較例1〜7]
トナー粒子100部に、表2に従ったシリカ粒子を2部添加し、ヘンシェルミキサーにて2000rpmで3分間混合し、各トナーを得た。
そして、得られた各トナーとキャリアとを、トナー:キャリア=5:95(質量比)の割合でVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、各現像剤を得た。
なお、キャリアは次のように作製されたものを用いた。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体 2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
[物性]
(シリカ粒子の物性)
各例で得られたトナーのシリカ粒子について、既述の方法に従って、シリカ粒子の表層部のチタンの含有率、平均粒径、粒度分布、平均円形度について調べた。
なお、各シリカ粒子について、蛍光X線測定機:XRF1500(島津製作所製)を用い、粒子中の構成元素のNET強度によりチタン含有率を定量し、SEM−EDX(株式会社日立製作所製、S−3400N)によりマッピング処理を行って調べたところ、チタンがシリカ粒子の表層部に存在していることが確認された。
(実機評価)
各例で得られた静電荷像現像剤を、「Docu Centre Color 400改造機(富士ゼロックス社製)」の現像器に充填し、転写効率、カブリ、及び画像濃度について評価を行った。
−転写効率−
転写効率は、次のようにして評価した。テスト手順としては、まず温度10℃/湿度20RH%環境下で、感光体上にトナー乗り量が5g/m2になるように現像電位を調整した。次に、感光体上の現像されたトナーが中間転写体(中間転写ベルト)へ移行した直後に評価機を止める。このことにより感光体上では転写後(クリーニング前)の状態でトナーが残っている。このトナーをメンディングテープで取りその時のトナー重量測定を行う。現像時のトナー乗り量と転写後のトナー乗り量の割合から次式に基づいて転写効率を求めた。転写効率の測定は、画像面積が5%となる画像をA4用紙、50000枚連続で出力した後に行った。また、初期状態として、上記50000枚の連続出力を行う前にも転写効率を測定した。
・式:転写効率=転写後の紙上トナー乗り量/感光体上トナー乗り量×100
転写効率評価基準は以下の通りである。
◎ :転写効率95%以上100%
○ :転写効率90%以上95%未満
△ :転写効率85%以上90%未満
× :転写効率80%以上85%未満
××:転写効率80%未満。
−カブリ−
カブリは、25℃/80%RHの条件で画像濃度20%、4cm×4cm画像をA4紙5万枚出力し、10枚目(表中「初期」と表記)と5万枚目の出力画像について、次のようにして行った。出力画像を目視(ルーペを用いて非画像部のトナー有無を確認)評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
◎:カブリ未発生
○:軽微なカブリ発生、但し画質上問題なし
×:カブリが発生
−画像の濃度変動−
画像の濃度変動は、25℃/80RHの条件で画像濃度20%で、4cm×4cm画像をA4紙5万枚出力し、10枚目(表中「初期」と表記)と5万枚目の出力画像について、Xrite938(Xrite社製)を使用して測定した。
評価基準は以下の通りである。
◎ :濃度差:0.5以下
○ :濃度差:0.5より大きく1.0以下
△ :濃度差:1.0より大きく1.5以下
× :濃度差:1.5より大きい
−画像の白抜け−
画像の白抜けは、25℃/80%RHの条件で画像濃度20%、10cm×10cm画像をA4紙5万枚出力し、10枚目(表中「初期」と表記)と5万枚目の出力画像について、次のようにして行った。出力画像を目視して評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
◎ : 白抜けが確認できない
○ : 白抜けが1個または2個確認出来る
△ : 白抜けが3個以上5個以下確認出来る
× : 白抜けが6個以上ある
表2に、外添剤であるシリカ粒子の特性と共に、評価結果を一覧にして示す。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、転写効率、カブリ、画像の濃度変動、画像の白抜けの各評価について共に良好な結果が得られたことが分かる。
1Y、1M、1C、1K、感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (9)

  1. トナー粒子と、
    シリカ粒子の表層部であって、シリカ粒子の表面から深さ5nm以内の領域のチタン含有率が0.001質量%以上10質量%以下であり、
    シリカ粒子の平均粒径が30nm以上500nm以下で、且つ粒度分布指標が1.1以上1.5以下であり、シリカ粒子の表面がチタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物及び疎水化処理剤により順次表面処理されたシリカ粒子と、
    を有する静電荷像現像用トナー。
  2. 前記シリカ粒子の平均円形度が、0.5以上0.85以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記シリカ粒子が、
    アルコールを含む溶媒中にアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
    前記アルカリ触媒溶液中に、テトラアルコキシシラン、及びアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、
    前記シリカ粒子が生成した前記アルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を添加して、前記チタン化合物により前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
    疎水化処理剤により、前記チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
    を経て得られたものである請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記シリカ粒子が、
    アルコールを含む溶媒中に、0.6mol/L以上0.85mol/L以下の濃度でアルカリ触媒が含まれるアルカリ触媒溶液を準備する工程と、
    前記アルカリ触媒溶液中に、前記アルコールに対して、0.001mol/(mol・min)以上0.01mol/(mol・min)以下の供給量で、テトラアルコキシシランを供給すると共に、前記テトラアルコキシシランの1分間当たりに供給される総供給量の1mol当たりに対して、0.1mol以上0.4mol以下でアルカリ触媒を供給して、シリカ粒子を生成する工程と、
    前記シリカ粒子が生成した前記アルカリ触媒溶液中に、チタン原子に酸素原子を介して有機基が結合しているチタン化合物とアルコールとの混合液を供給して、前記チタン化合物により前記シリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
    疎水化処理剤により、前記チタン化合物で表面処理されたシリカ粒子の表面を表面処理する工程と、
    を経て得られたものである請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを含む静電荷像現像剤。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  7. 請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  8. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  9. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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