JP4185427B2 - 静電潜像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の静電複写プロセスによる画像形成に用いられる静電潜像現像用トナーに関するものであり、また、このトナーを用いるトナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真法としては、特許文献1、特許文献2などに各種の方法が記載されているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙などにトナー粉像を転写したのち、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し、コピー画像を得るものである。
電気的潜像を現像する方式には大別して、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料を微細に分散させた現像剤を用いる液体現像方式とカスケード法、磁気ブラシ法、パウダークラウド法等のように天然または合成樹脂にカーボンブラック等の着色剤を分散したトナーを用いる乾式現像方式があり、乾式現像方式には一成分現像方式とキャリアを用いる二成分現像方式がある。
また、トナー像を転写紙上に加熱定着する方法としては、大別して接触定着法と非接触定着法があり、前者は加熱ローラ定着、ベルト定着、後者はフラッシュ定着、オーブン(雰囲気)定着があげられる。加熱ローラ定着方式はトナー像と加熱ローラが直接接触するため、極めて熱効率の良い定着方式であり、装置も小型化できるため、広く一般に用いられている。
しかしながら、近年の省エネルギー化により、定着時に使用できる熱エネルギーは非常に少なくなってきている。このため、このような定着装置に用いられるトナーはさらに低温定着化が求められている。
この問題を解決する技術として、従来よりいくつかの提案がなされている。
例えば、特許文献3には、ポリエステル樹脂と極性基を有するワックスから成る芯粒子を樹脂被覆し、ポリエステル樹脂とワックスの溶融粘度を規定したロール定着用トナーが開示されている。
特許文献4、特許文献5、特許文献6には、特定のポリエステル樹脂と離型剤から成り、ポリエステル樹脂の80〜120℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用トナーが開示されている。
特許文献7には、特定のポリエステル樹脂と離型剤から成り、ポリエステル樹脂の80〜120℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用カプセルトナーが開示されている。
特許文献8には、特定のポリエステル樹脂と有機金属化合物、離型剤を含有し、ポリエステル樹脂の120〜150℃における溶融粘度と溶融粘度と温度のグラフの傾きと特定の離型剤の溶融粘度を規定したフィルム定着用トナーが開示されている。
特許文献9には、110〜130℃で測定された溶融粘度と温度の関係式を規定したスチレン−アクリル樹脂から成るトナーが開示されている。
特許文献10には、特定の荷電制御剤を含有し、平均粘度勾配を規定したトナーが開示されている。
特許文献11には、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の重縮合触媒がジオールのチタン酸エステルからなる新規なポリエステル樹脂が開示されている。
特許文献12には高軟化点と低軟化点のポリエステル樹脂を含有するトナーが開示されている。
以上の従来技術のように、ポリエステル樹脂はトナーとした場合に、熱ーラ温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)と、高い熱ローラ温度でもトナーが熱ロールに融着しないこと(耐ホットオフセット性)を両立し易く、特に低温定着性に優れることが知られている。
しかしながら、省エネルギー化はますます進み、従来の技術では充分な定着性を得る事が困難であるとともに、耐フィルミング性の改善が不充分であり、高速機対応トナーや更なる省エネルギートナーにおいてはさらなる性能向上が望まれている。
米国特許第2,297,691号明細書 特公昭43−24748号公報 特許第2743476号公報 特開平3−122661号公報 特開平4−85550号公報 特公平8−16804号公報 特公平8−12459号公報 特公平7−82250号公報 特公平7−72809号公報 特開平10−246989号公報 特開2002−148867号公報 特開2002-287427号公報
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、結着樹脂として特定の触媒の存在下に形成されたポリエステル樹脂を用い、定着エネルギーの少ない定着装置を用いても、定着性及び耐ホットオフセット性に優れ、またフィルミングも生じ難い静電荷像現像用トナーを提供するものである。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤からなる静電荷像現像用トナーにおいて、前記結着樹脂は、チタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、カルボン酸チタニル及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂であり、軟化点が125〜150℃の高軟化点ポリエステルと軟化点が85〜105℃の低軟化点ポリエステルとを含有してなり、高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの軟化点の差が30〜55℃であることを特徴とする。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、さらに、前記チタンジケトンエノレートは、チタンアセチルアセトナートであることを特徴とする。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、さらに、前記カルボン酸チタンは、芳香族カルボン酸チタンであることを特徴とする。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、さらに、前記カルボン酸チタニル塩は、マレイン酸チタニル塩又はシュウ酸チタニル塩であることを特徴とする。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、さらに、荷電制御剤としてオキシカルボン酸錯化合物を含有することを特徴とする。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、さらに、ワックス成分として0.5〜10重量%のカルナウバワックス及びまたはライスワックス及びまたはエステルワックスを含有することを特徴とする。
本発明のトナーカートリッジは、現像装置に補給する静電荷像現像用トナーが充填されているトナーカートリッジにおいて、上記いずれかの静電荷像現像用トナーが充填されていることを特徴とする。
本発明のプロセスカ−トリッジは、少なくとも感光体と現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、前記現像装置は、上記いずれかの静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、外部より電圧を印加して潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電している潜像担持体に静電荷像を形成する露光工程と、静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、外部より電圧を印加してトナー画像を転写体又は記録材上に転写する転写工程と、転写後の潜像担持体表面をクリーニングするクリーニング工程と、記録材上のトナー画像を加熱定着する定着工程を有する画像形成方法において、前記画像形成方法は、上記いずれかの静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、外部より電圧を印加して潜像担持体に帯電を行う帯電装置と、帯電している潜像担持体に静電荷像を形成する露光装置と、静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像装置と、外部より電圧を印加してトナー画像を転写体又は記録材上に転写する転写装置と、転写後の潜像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置と、記録材上のトナー画像を加熱定着する定着装置を有する画像形成装置において、前記画像形成装置は、上記いずれかの静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする。
本発明は、上記解決するための手段によって、定着性、耐ホットオフセット性に優れ、かぶりが無い高品位な画像を得ることが出来る静電潜像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明に用いられる静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と記す。)は、少なくとも結着樹脂と着色剤からなるトナーにおいて、結着樹脂がハロゲン化チタン、チタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、カルボン酸チタニル及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂であり、軟化点が125〜150℃の高軟化点ポリエステルと軟化点が85〜105℃の低軟化点ポリエステルとを含有してなり、高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの軟化点の差が20〜60℃であることを特徴とする静電荷像現像用トナーを用いるものである。
本発明のポリエステル樹脂はハロゲン化チタン、チタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、カルボン酸チタニル、及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒を使用することにより、樹脂の組成が均一化するため、トナー中の着色剤や荷電制御剤、ワックスなど他の材料分散性が良好であり、これにより均一な帯電性がえられる。また、ワックスの分散性が良好であるためにフィルミングが改善できる。
さらに、低温定着性と耐ホットオフセット性を良好にするためには、軟化点が125〜150℃の高軟化点ポリエステルと軟化点が85〜105℃の低軟化点ポリエステルとを含有してなり、高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの軟化点の差が30〜55℃であることがよい。高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの軟化点の差が30℃未満であると混練により高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの相溶性が高くなり、均一化してしまうため、十分な低温定着性が得られなくなる。また、高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの軟化点の差が55℃を超えると、混練により高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの相溶性が悪化し、分散不良を生じる。高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの軟化点の差が30〜55℃であることにより、適度な海島構造が得られ、十分な低温定着性、耐ホットオフセット性がえられる。また、混練時の粘度が適度に得られるため、分散性がさらに良好となり均一な帯電性が得られる。
チタン含有触媒のうち、ハロゲン化チタンとしては特に限定されないが、例えば、ジクロロチタン、トリクロロチタン、テトラクロロチタン、トリフルオロチタン、テトラフルオロチタン、テトラブロモチタンなどが挙げられる。
チタンジケトンエノレートとしては特に限定されないが、例えば、チタンアセチルアセトナート、チタンジイソプロポキシドビスアセチルアセトナート、チタニルアセチルアセトナートなどが挙げられる。これらチタンジケトンエノレートの中ではチタンアセチルアセトナートが好ましく、反応性が良好となり未反応のモノマーなど不純物レベルでの低分子量成分の存在が減少する。そのため、バインダー樹脂としてトナーに使用した場合、これらの物質に起因するフィルミングを抑制することができる。これにより、長期使用におけるキャリアスペントによる帯電量低下や感光体融着を抑制できる。
カルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、炭素数1〜32の脂肪族カルボン酸チタン、炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタンなどが挙げられる。2価以上のポリカルボン酸チタンの場合、チタンに配位するカルボキシル基は、1個でも2個以上でもよく、チタンに配位せず遊離のカルボキシル基が存在していてもよい。炭素数1〜32の脂肪族カルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、脂肪族モノカルボン酸チタン、脂肪族ジカルボン酸チタン、脂肪族トリカルボン酸チタン及び4〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸チタンなどが挙げられる。脂肪族モノカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、ぎ酸チタン、酢酸チタン、プロピオン酸チタン、オクタン酸チタンなどが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、シュウ酸チタン、コハク酸チタン、マレイン酸チタン、アジピン酸チタン、セバシン酸チタンなどが挙げられる。脂肪族トリカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、ヘキサントリカルボン酸チタン、イソオクタントリカルボン酸チタンなどが挙げられる。脂肪族トリカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、オクタンテトラカルボン酸チタン、デカンテトラカルボン酸チタンなどが挙げられる。
炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、芳香族モノカルボン酸チタン、芳香族ジカルボン酸チタン、芳香族トリカルボン酸チタン及び4〜8価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸チタンなどが挙げられる。芳香族モノカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、安息香酸チタンなどが挙げられる。芳香族ジカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、フタル酸チタン、テレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、1,3−ナフタレンジカルボン酸チタン、4,4−ビフェニルジカルボン酸チタン、2,5−トルエンジカルボン酸チタン、アントラセンジカルボン酸チタンなどが挙げられる。芳香族トリカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、トリメリット酸チタン、2,4,6−ナフタレントリカルボン酸チタンなどが挙げられる。芳香族ポリカルボン酸チタンとしては特に限定されないが、例えば、ピロメリット酸チタン、2,3,4,6−ナフタレンテトラカルボン酸チタンなどが挙げられる。
これらカルボン酸チタンの中では炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタンが好ましく、芳香族ジカルボン酸チタンが好ましく、反応性が良好となり未反応のモノマーなど不純物レベルでの低分子量成分の存在が減少する。そのため、バインダー樹脂としてトナーに使用した場合、これらの物質に起因するフィルミングを抑制することができる。これにより、長期使用におけるキャリアスペントによる帯電量低下や感光体融着を抑制できる。
カルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば炭素数1〜32の脂肪族カルボン酸チタニル、炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタニルなどが挙げられる。2価以上のポリカルボン酸チタニルの場合、チタンに配位するカルボキシル基は1個でも2個以上でもよく、チタンに配位せず遊離のカルボキシル基が存在していてもよい。
炭素数1〜32の脂肪族カルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、脂肪族モノカルボン酸チタニル、脂肪族ジカルボン酸チタニル、脂肪族トリカルボン酸チタニル及び4〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、ぎ酸チタニル、酢酸チタニル、プロピオン酸チタニル、オクタン酸チタニルなどが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、シュウ酸チタニル、コハク酸チタニル、マレイン酸チタニル、アジピン酸チタニル、セバシン酸チタニルなどが挙げられる。脂肪族トリカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、ヘキサントリカルボン酸チタニル、イソオクタントリカルボン酸チタニルなどが挙げられる。4〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、オクタンテトラカルボン酸チタニル、デカンテトラカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
炭素数7〜38の芳香族カルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、芳香族モノカルボン酸チタニル、芳香族ジカルボン酸チタニル、芳香族トリカルボン酸チタニル及び4〜8価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
芳香族モノカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、安息香酸チタニルなどが挙げられる。芳香族ジカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、フタル酸チタニル、テレフタル酸チタニル、イソフタル酸チタニル、1,3−ナフタレンジカルボン酸チタニル、4,4−ビフェニルジカルボン酸チタニル、2,5−トルエンジカルボン酸チタニル、アントラセンジカルボン酸チタニルなどが挙げられる。芳香族トリカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、トリメリット酸チタニル、2,4,6−ナフタレントリカルボン酸チタニルなどが挙げられる。4−8価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸チタニルとしては特に限定されないが、例えば、ピロメリット酸チタニル、2,3,4,6−ナフタレンテトラカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
カルボン酸チタニル塩としては特に限定されないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸チタニル、脂肪族トリカルボン酸チタニル、4〜8価又はそれ以上の脂肪族ポリカルボン酸チタニル、芳香族ジカルボン酸チタニル、芳香族トリカルボン酸チタニル、または4〜8価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸チタニルに挙げたカルボン酸チタニルの、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)塩もしくはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)塩などが挙げられる。これらカルボン酸チタニル塩の中では、マレイン酸チタニル塩及びシュウ酸チタニル塩が好ましく、反応性が良好となり未反応のモノマーなど不純物レベルでの低分子量成分の存在が減少する。そのため、バインダー樹脂としてトナーに使用した場合、これらの物質に起因するフィルミングを抑制することができる。これにより、長期使用におけるキャリアスペントによる帯電量低下や感光体融着を抑制できる。
チタン含有触媒の使用量としては特に限定されないが、ポリエステル樹脂を得るのに用いるポリオールとポリカルボン酸の合計重量を基準として、下限は0.01%が好ましく、0.02%が更に好ましく、0.03%が特に好ましく、0.05%が最も好ましい。上限は5%が好ましく、2%が更に好ましく、1.5%が特に好ましく、0.8%が最も好ましい。0.01%以上では重縮合触媒としての作用が十分得られ、5%以下であると、触媒量に応じて高い触媒作用が得られる。また上記触媒量の範囲内であれば、得られるポリエステル樹脂からなるトナーバインダーを用いたトナーの、必要な諸特性がより良好となる。なお、上記及び以下において、%は特に規定しない限り重量%を示す。
これらのチタン含有触媒のうちで好ましいものは、チタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、カルボン酸チタニル塩及びこれらの併用であり、より好ましくは、チタンジケトンエノレート、芳香族カルボン酸チタン、脂肪族カルボン酸チタニル塩、芳香族カルボン酸チタニル塩及びこれらの併用であり、更に好ましくは、チタンアセチルアセトナート、芳香族ジカルボン酸チタン、カルボン酸チタニル塩のうちアルカリ金属塩及びこれらの併用であり、特に好ましくはテレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、オルトフタル酸チタン、シュウ酸チタニル塩、マレイン酸チタニル塩及びこれらの併用であり、最も好ましくはテレフタル酸チタン、シュウ酸チタニルカリウム及びこれらの併用である。
本発明のトナーにおいては、極性を制御するために、極性制御を配合することが可能である。この場合の極性制御剤としては、例えばニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物などが挙げられるが、その中でもオキシカルボン酸としては公知のものが使用可能であるが下記の一般式(1)であらわされる化合物が帯電付与能力の点から好ましい。
Figure 0004185427
さらに、帯電付与の点から以下の具体例のものが好ましい。
Figure 0004185427
本発明を二成分現像用モノクロトナーに使用する場合は着色剤としてカーボンブラックを使用することができるが、着色剤として、波長分散型蛍光X線装置で測定したチタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有する黒色酸化鉄化合物を用いることにより、熱伝導性が高くなるため、さらに低温定着性を良好となる。
黒色酸化物化合物の構造としては、Fe−FeTiO固溶体を含有する多結晶粒子粉末であることが黒色でありかつ磁性が弱いという点から好ましい。
本発明に係る黒色酸化鉄化合物は、例えば、粒子表面をチタン化合物で被覆したマグネタイト粒子粉末、マグネタイト粒子粉末とチタン化合物との混合粉末又は粒子表面をチタン化合物で被覆したヘマタイト粒子粉末を還元して得られた還元粉末のそれぞれを非酸化性雰囲気下700℃以上の温度で加熱焼成した後粉砕する方法によって得られる。粒子表面をチタン化合物で被覆したマグネタイト粒子粉末を原料として用いる場合には、磁化値が小さい粒子が得られやすく非磁性という点から好ましい方法である。
マグネタイト粒子粉末、ヘマタイト粒子粉末としては、粒状、球状、針状等いかなる形態の粒子でもよく、また、大きさは0.03〜1.5μm程度の粒子を使用することができる。原料粒子のサイズと生成物粒子のサイズは、相関であり、小さいサイズの原料粒子を用いると小さいサイズの生成物粒子が、大きいサイズの原料粒子を用いると大きいサイズの生成物粒子が得られる傾向にある。
チタン化合物としては、チタンの含水酸化物、水酸化物、酸化物のいずれをも使用することができる。マグネタイト粒子粉末と混合する場合には水溶性のチタン化合物を用いるのが好ましい。チタン化合物の量は、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量の範囲が好ましい。10重量%未満の場合には、得られる黒色顔料粒子粉末の磁化値が大きくなりトナーの現像能力が低下し、画像濃度が低くなる。45重量%を超える場合には非磁性の黒色顔料粒子粉末が得られるが、TiOの生成量が多くなるためL値(明度)が高くなりトナー着色力が低下する。Ti原子換算でFe原子に対する比率は蛍光X線分析装置を使用し、得られたメインピークの比率により求めることができる。
本発明は、結着樹脂としてチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂、着色剤として、波長分散型蛍光X線装置で測定した、チタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有する黒色酸化鉄化合物を用いることで従来技術の欠点を改善するものである。すなわち本発明ではカーボンブラックに比べ粒径の大きい黒色酸化鉄化合物を用いても、該黒色酸化鉄化合物の分散性が良いため、少ない添加量で充分な着色力を得ることができ、低温定着性や耐熱保存性に悪影響を与えることがない。
本発明で黒色酸化鉄化合物の分散性が改善されるメカニズムについては明確とはなっていないが、チタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂とチタン成分をTi原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有する黒色酸化鉄化合物を用いることで、樹脂に対する黒色酸化鉄化合物の親和性が増し、分散性が改善されたものと考えられる。分散性からチタン成分は、Ti原子換算でFe原子に対して10〜45重量%含有することが好ましい。
また、398kA/m(5kOe)の磁場で測定したトナーの飽和磁化σsは0.1〜5.0emu/gであることが好ましい。トナーの飽和磁化が5.0emu/g以上の場合、磁気スリーブ、磁気ブラシなどの磁石を内蔵したトナー担時体との保持力が強くなり、感光体への現像性が悪化する。0.1emu/g未満の場合は、トナー担時体との保持力が弱くなり、トナー飛散、地汚れが悪化する。
トナーの飽和磁化の測定は、理研電子(株)製の磁化測定装置BHU−60を用い、内径7mmφ、高さ10mmのセルに充填したトナーに、磁界を398kA/m(5kOe)まで掃引した際の履歴曲線から飽和磁化を求めた。
黒色酸化鉄化合物の含有量は15〜40重量部、好ましくは20〜30重量部である。15重量部未満の場合、トナーの着色力が不十分となり、トナーが赤味を帯びた色になる。また、定着温度が充分に低下しない。40重量部以上の場合は、トナーの比重が大きくなりすぎて、現像能力が低下する。
また、本発明は該ポリエステル樹脂の少なくとも一部がポリエポキシドで変性されてなるものであることが好ましい。
例えば、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物であるポリエステル樹脂、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物であるポリエステル樹脂にさらにポリエポキシドなどを反応させて得られる変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂などは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて混合物として使用してもよい。
ポリオールとしては特に限定されないが、例えば、ジオール及び3価以上のポリオールなどが挙げられる。ポリカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、ジカルボン酸及び3価以上のポリカルボン酸などが挙げられる。
本発明のトナーバインダーを構成するポリエステル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、具体的には以下のものなどが挙げられ、これらのものを併用することもできる。
線状ポリエステル:ジオール及びジカルボン酸を用いた線状のポリエステル樹脂
非線状ポリエステル:ジオール及びジカルボン酸とともにポリオール及び/又はポリカルボン酸を用いた非線状のポリエステル樹脂
(Yl):(X2)にポリエポキシドを反応させた変性ポリエステル樹脂。
ジオールとしては特に限定されないが、例えば、水酸基価180〜1900mgKOH/gのジオール類、具体的には、炭素数2〜12のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール及び1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)及びブチレンオキシド(以下BOと略記する)など〕付加物;上記ビスフェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物及びこれらの併用であり、特に好ましいものはビスフエノール類のアルキレンオキシド付加物、及び、これと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。尚、上記及び以下において水酸基価及び酸価は、JIS K 0070に規定の方法で測定される。
3価以上のポリオール(H)としては特に限定されないが、例えば、水酸基価150〜1900mgKOH/gのポリオール類、具体的には、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ぺンタエリスリトール及びソルビトールなど);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物;トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラックなど);上記トリスフェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO及びBOなど)付加物;上記ノボラック樹脂の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物であり、特に好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物である。
ジカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、酸価180〜1250mgKOH/gのジカルボン酸、具体的には、炭素数4〜36のアルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデセニルコハク酸など):炭素数4〜36のアルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。またこれらは2種以上を併用しても何ら問題ない。なお、ジカルボン酸としては上述のものの酸無水物又は低級(炭素数1〜4)アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
3価以上のポリカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、酸価150〜1250mgKOH/gのポリカルボン酸、具体的には、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など);不飽和カルボン酸のビニル重合体(スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、α−オレフィン/マレイン酸共重合体、スチレン/フマル酸共重合体など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、特に好ましいものはトリメリット酸、ピロメリット酸である。なお、3価以上のポリカルボン酸(J)としては、上述のものの酸無水物又は低級(炭素数1〜4)アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
また、ジオール、ポリオール、ジカルボン酸及びポリカルボン酸とともにヒドロキシカルボン酸を共重合することもできる。
ヒドロキシカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸などが挙げられる。
ポリエポキシドとしては特に限定されないが、例えば、ポリグリシジルエーテル〔エチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラック(平均重合度3〜60)グリシジルエーテル化物など〕;ジエンオキサイド(ぺンタジエンジオキサイド、ヘキサジエンジオキサイドなど)などが挙げられる。これらの中で好ましくは、ポリグリシジルエーテルであり、更に好ましくは、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びビスフェノールAジグリシジルエーテルである。ポリエポキシドの1分子当たりのエポキシ基数は、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。ポリエポキシドのエポキシ当量としては特に限定されないが、好ましくは50〜500である。下限は、更に好ましくは70、特に好ましくは80であり、上限は、更に好ましくは300、特に好ましくは200である。エポキシ基数及び/又はエポキシ当量が上記範囲内であると、現像性と定着性が共により良好になる。上述の1分子当たりのエポキシ基数及びエポキシ当量の範囲を同時に満たせば更に好ましい。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、特に好ましくは1.3/1〜1/1.2である。また使用するポリオールとポリカルボン酸の種類は、最終的に調整されるポリエステル系トナーバインダーのガラス転移点が40〜90℃となるよう分子量調整も考慮して選択されるのが好ましい。
ジオール及びジカルボン酸を用いた線状のポリエステル樹脂の具体的な例としては特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(3)などが挙げられる。
(1)ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸重縮合物。
(2)ビスフェノールA・EO4モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸重縮合物。
(3)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸重縮合物。
(X2)の具体的な例としては特に限定されないが、例えば、以下の(4)〜(10)などが挙げられる。
(4)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/無水フタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(5)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水マレイン酸/ジメチルテレフタル酸エステル/無水トリメリット酸重縮合物。
(6)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(7)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(8)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(9)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・P03モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/イソフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(10)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/フマル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
ジオール及びジカルボン酸とともにポリオール及び/又はポリカルボン酸を用いた非線状のポリエステル樹脂にポリエポキシドを反応させた変性ポリエステル樹脂の具体的な例としては特に限定されないが、例えば、以下の(11)−(20)などが挙げられる。
(11)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸重縮合物にテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(12)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸重結合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(13)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(14)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(15)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(16)ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/フマル酸/無水トリメリット酸重縮合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(17)ビスフェノールA・PO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸/無水トリメリット酸重縮合物にテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(18)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(19)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(20)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にフェノールノボラックグリシジルエーテル化物を反応させて得られる変性ポリエステル。
トナーバインダーはフルカラー用、モノクロ用で各々異なる物性が求められており、ポリエステル樹脂の設計も異なる。フルカラー用には高光沢画像が求められるため、低粘性のバインダーとする必要があるが、モノクロ用は光沢が特に必要なくホットオフセット性が重視されるため高弾性のバインダーとする必要がある。
モノクロ複写機等に有用である高い耐ホットオフセット性を得る場合は、非線状ポリエステル、変性ポリエステル及びこれらの混合物が好ましい。この場合、高弾性であることが好ましいことから、これのポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸を両方用いたものが特に好ましい。
ポリオール及びポリカルボン酸の比率は、ポリオールとポリカルボン酸のモル数の和がジオール、ポリオール、ジカルボン酸、ポリカルボン酸のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは0・5〜25モル%、特に1〜20モル%である。
モノクロ用ポリエステル樹脂は、高軟化点ポリエステルがテトラヒドロフラン(THF)不溶分を5〜70%含有していることが好ましく、更に好ましくは10〜60%、特に15〜50%である。THF不溶分が5%以上で耐ホットオフセット性が良好になり、70%以下で良好な低温定着性が得られる。尚、THF不溶分及びTHF可溶分は以下の方法で得られる。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加え、3時間撹拌還流させて冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別する。THF不溶分の値(%)は、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後の重量と試料の重量比から算出する。尚、後述する分子量の測定には、このろ液をTHF可溶分として使用する。
ポリエステル樹脂のピークトップ分子量はモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、好ましくは1000〜30000、更に好ましくは1500〜25000、特に1800〜20000である。ピークトップ分子量が1000以上で、耐熱保存安定性及び粉体流動性が良好となり、30000以下でトナーの粉砕性が向上し、生産性が良好となる。
上記及び下記においてポリエステル樹脂のピ−クトップ分子量及び数平均分子量は、THF可溶分についてGPCを用いて以下の条件で測定される。
装置 :東ソー製 HLC−8120
カラム :TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量:100μL
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :ポリスチレン
得られたクロマトグラム上最大のピ−ク高さを示す分子量をピークトップ分子量と称する。
ポリエステル樹脂のTgはモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、好ましくは40〜90℃、更に好ましくは50〜80℃、特に55〜75℃である。Tgが40℃〜90℃の範囲で耐熱保存安定性と低温定着性がより良好になる。
尚、上記及び以下においてポリエステル樹脂のTgは、セイコー電子工業(株)製DSC20,SSC/580を用いてASTMD3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
線状ポリエステル樹脂の製造方法としては特に限定されないが、例えば、ジオール、ジカルボン酸及び重縮合触媒を180℃〜260℃に加熱し、常圧及び/又は減圧条件で脱水縮合させてポリエステル樹脂を得る方法などが挙げられる。
非線状ポリエステル樹脂の製造方法としては特に限定されないが、例えば、ジオール、ジカルボン酸、3価以上のポリオール及び重縮合触媒を180℃〜260℃に加熱し常圧及び/又は減圧条件で脱水縮合させた後、さらに3価以上のポリカルボン酸を反応させてポリエステル樹脂を得る方法などが挙げられる。3価以上のポリカルボン酸をジオール、ジカルボン酸及び3価以上のポリオールと同時に反応させることもできる。
変性ポリエステル樹脂の製造方法としては特に限定されないが、例えば、非線状ポリエステル樹脂にポリエポキシドを加え、180℃〜260℃でポリエステルの分子伸長反応を行うことで変性ポリエステル樹脂を得る方法などが挙げられる。本発明のトナーバインダーにおいては、ポリエステル樹脂を2種以上併用して用いることもできる。
本発明では、ワックス成分としてカルナウバワックス及びまたはライスワックス及びまたはエステルワックスを含有することが好ましい。カルナウバワックスはカルナウバヤシの葉から得られる天然のワックスであるが、特に遊離脂肪酸脱離した低酸価タイプのものが結着樹脂中に均一分散が可能であるので好ましい。ライスワックスは米糠から抽出される米糠油を精製する際に、脱ろうまたはウィンタリング工程で製出される粗ろうを精製して得られる天然ワックスである。
エステルワックスは単官能直鎖脂肪酸と単官能直鎖アルコールからエステル反応で合成される。これらのワックス成分は単独または併用して使用される。ワックス成分の添加量は0.5〜10重量部、さらに好ましくは2〜8重量部である。本発明では、カルナウバワックス、ライスワックス、合成エステルワックスの他のワックス成分も使用可能である。例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等のようなポリオレフィンワックスなどである。本発明のトナーはポリエステル樹脂以外の他樹脂も使用可能である。本発明に用いられる他の樹脂としては、従来より公知の樹脂が使用される。例えば、スチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられる。また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
本発明のトナーの製造方法は、従来公知の方法でよく、樹脂成分、着色剤、ワックス成分、その他場合によつては荷電制御剤等をミキサー等を用いて混合し、熱ロール、エクストルーダー等の混練機を用い混練した後、冷却固化し、これをジェットミル等の粉砕で粉砕し、その後分級し得られる。
上記トナーには必要に応じてその他、添加剤を添加する事も可能である。添加剤としては、シリカ、酸化アルミニウム類、酸化チタン類を例示することができる。高流動性を付与する事を主目的する場合には疎水化処理シリカあるいはルチル型微粒子酸化チタンとして平均一次粒径が0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.1μmの範囲ものから適宜選択でき、特に有機シラン表面処理シリカあるいはチタニアが好ましく、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%の割合で使用される。
また、例えば本発明のトナーを二成分系乾式トナーとして使用する場合に混合して使用するキャリアとしては、ガラス、鉄、フェライト、ニッケル、ジルコン、シリカ等を主成分とする、粒径30〜1000μm程度の粉末、または、該粉末を芯材としてスチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂等をコーティングしたものから適宜選択して使用可能である。
本トナーは、ワックスの分散性がよいことから、流動性に優れているため、カートリッジ容器に入れて保管することが十分可能であり、カートリッジ容器から現像部へトナー搬送するような構成のプロセスカートリッジ90にも適している。
図1は、本発明のプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。
プロセスカートリッジと90しては、トナーを充填するトナーカートリッジ56と、少なくとも感光体60と現像装置50を具備し、現像装置のトナー収容部にトナーを充填するトナーカートリッジ56とを挙げることができ、通常これらのトナーカートリッジ56又はプロセスカートリッジ90を画像形成装置100に装着して、画像形成が行なわれる。
図2は、本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
また、本発明のトナーは、画像形成装置に用いることができる。画像形成の動作を開始させると、感光体60時計回り方向に回転する。そして、その感光体60の表面が帯電ローラ70により一様に帯電される。そして、感光体60には、露光装置110により画像に対応するレーザ光が露光し画像データに対応した潜像が形成される。感光体60が回転することにより現像装置50の位置に達すると、トナーにより現像されて、トナー像となる。
一方、給紙カセット130から転写紙が分離給紙部により給紙され、それが転写装置120で、搬送された転写紙上に静電的に吸着される。そして、転写紙Pは、定着装置140で熱と圧力が加えられることによりトナー像が溶融定着され、画像形成装置100の排紙トレイに排紙される。
この現像装置10に上述のトナーを用いることで、小さい力による混合・攪拌でトナーの帯電立ち上がりを早くすることができ、トナー帯電量の分布が狭く帯電量の均一性が高く、カブリの少ない高品位の画質を得ることができる。また、定着下限が低いことから、定着装置140の消費電力が少なく、ランニングコストを下げることができる。また、感光体60、キャリアへのフィルミングを少なくすることで、使用できる期間を延ばすことで装置のメンテナンスする期間を長くすることができる。
以下、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。尚、軟化点は以下の方法で測定される。
(軟化点の測定方法)
フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
装置 :島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 :20kgf/cm
ダイ :1mmΦ−1mm
昇温速度:6℃/min
試料量 :1.0g
(ポリエステル樹脂の合成)
[線状ポリエステル樹脂の合成]
<線状ポリエステル:A1>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物400部、ビスフェノールA・PO3モル付加物350部、テレフタル酸250部、イソフタル酸85部、無水マレイン酸10部及び重縮合触媒として酢酸チタン2部を入れ 220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂A1を得た。A1はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は6、水酸基価は20、Tgは59℃、軟化点は105℃であった。
<線状ポリエステル:A2>
重縮合触媒をイソオクタントリカルボン酸3部に代える以外はA1と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂A2を得た。A2はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は9、水酸基価は23、Tgは59℃、軟化点は85℃であった。
<線状ポリエステル:A3>
冷却管、粉砕機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物410部、ビスフェノールA・PO3モル付加物300部、テレフタル酸110部、イソフタル酸100部、無水マレイン酸15部及び重縮合触媒としてテレフタル酸チタン2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂A3を得た。A3は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は20、水酸基価は40、Tgは61℃、軟化点は90℃であった。
<線状ポリエステル:A4>
重縮合触媒をシュウ酸チタニルカリウム3部に代える以外はA3と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して非線状ポリエステル樹脂A4を得た。A4は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は17、水酸基価は35、Tgは61℃、軟化点は100℃であった。
[比較用線状ポリエステル樹脂の合成]
<比較用線状ポリエステル>
重縮合触媒をチタンテトラブトキシド2部に代える以外はA1と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトラブトキシド1.5部を5回追加したが、酸価5まで反応させることができず、目的の重縮合物は得られなかった。また、反応物は紫褐色に強く着色していた。
<比較用線状ポリエステル:A‘1>
重縮合触媒をチタンテトラグリコキシド2部に代える以外はA1と同様に反応させた。反応速度が遅かったため、常圧下で20時間、減圧下で6時間反応させて比較用線状ポリエステル樹脂A‘1を得た。A‘1は紫褐色をした樹脂であり、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は5、水酸基価は11、Tgは58℃、軟化点は75℃であった。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
<非線状ポリエステル:B1>
冷却管、攪拌機及び窒素導入菅の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物400部、ビスフェノールA・PO3モル付加物350部、テレフタル酸302部、無水フタル酸40部及び重縮合触媒としてコハク酸チタン2.5部を入れ 230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂B1得た。
B1はTHF不溶分が5重量%含有しており、その酸価は31、水酸基価は17、Tgは62℃、軟化点125℃であった。
<非線状ポリエステル:B2>
重縮合触媒をセバシン酸チタン3.0部に代える以外はB1と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂B2を得た。B2はTHF不溶分を25重量%含有しており、その酸価は25、水酸基価は25、軟化点145℃であった。
<非線状ポリエステル:B3>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物132部、ビスフェノールA・PO3モル付加物371部、ビスフェノールA・EO2モル付加物20部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のPO5モル付加物125部、テレフタル酸201部、無水マレイン酸25部、ジメチルテレフタル酸エステル35部及び重縮合触媒としてチタンアセチルアセトナート1.5部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸65部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し非線状ポリエステル樹脂B3を得た。
非線状ポリエステル樹脂B3の軟化点は130℃、酸価は30、水酸基価は17、Tgは57℃、THF不溶分は15重量%、軟化点130℃であった。
[比較用非線状ポリエステル樹脂の合成]
<比較用非線状ポリエステル:B‘1>
重縮合触媒をチタンテトラグリコキシド2部に代える以外はB1と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトラグリコキシド1.5部を4回追加し、比較用非線状ポリエステル樹脂B‘1を得た。B‘1は紫褐色をした樹脂であり、THF不溶分を2重量%含有し、その酸価は33、水酸基価は16、Tgは68℃、軟化点は115℃であった。
<比較用非線状ポリエステル:B‘2>
<非線状ポリエステル:B‘2>
冷却管、粉砕機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物380部、ビスフェノールA・PO3モル付加物360部、テレフタル酸110部、イソフタル酸125部、無水マレイン酸45部及び重縮合触媒としてチタンテトラメトキシド2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後粉砕し非線状ポリエステル樹脂B‘2を得た。B‘2は、THF不溶分を50重量%含有しており、その酸価は25、水酸基価は35、Tgは61℃、軟化点は160℃であった。
参考例1)
<トナー処方>
線状ポリエステル樹脂:A1 50重量部
非線状ポリエステル樹脂:B1 33重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 5重量部
(重量平均分子量:6000)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.75重量部を混合し、本発明のトナーを得た。本トナーと、平均粒径80μmの球形フェライト粒子にシリコーン樹脂コートしたキャリアで、トナー濃度3.5重量部の現像剤を調整する。
(定着性の評価方法)
リコーimagio420にてヒーター温度を振ってコピーを行い定着画像を得る。定着後の画像(トナー付着量:0.85±0.05mg/cm)にメンデイングテープ(3M社製)を貼り、一定の圧力(2Kg)を掛けた後、ゆっくり引き剥がす。その前後の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、次式にて定着率を算出する。定着ローラの温度を段階的に下げて、
定着率(%)=テープ引き剥がし後の画像濃度/元の画像濃度×100
上記式で示す定着率が80%以下となるときの温度を定着温度とする。(画像濃度=テープ付着前)
(画像評価方法)
リコーimagio420にて常温常湿環境(18〜27℃、30〜70%)にて初期画像と50000枚複写画像をとった後、画像評価としてかぶりを評価した。かぶりは以下の基準で総合的に判断した。
A:非常に良好。かぶりなし。
B:良好。わずかにかぶり発生
C:可能。かぶり発生しているが現実的には問題なし。
D:悪い。かぶりひどい。
参考例2)
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A2 35重量部
非線状ポリエステル樹脂:B2 50重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 2重量部
低分子ポリプロピレン 3重量部
(重量平均分子量:6000)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.00重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果は最後に一覧で示す。
(実施例
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A2 40重量部
非線状ポリエステル樹脂:B3 42重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 3重量部
低分子ポリプロピレン 5重量部
(重量平均分子量:6000)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径5.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.50重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果は最後に一覧で示す。
(実施例
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A3 40重量部
非線状ポリエステル樹脂:B2 42重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 3重量部
低分子ポリプロピレン 5重量部
(重量平均分子量:6000)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.25重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果は最後に一覧で示す。
(実施例
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A4 42重量部
非線状ポリエステル樹脂:B3 42重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤(スピロンブラックTR−H:保土ヶ谷化学) 1重量部
低分子ポリプロピレン 5重量部
(重量平均分子量:6000)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.75重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果は最後に一覧で示す。
(実施例
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A4 40重量部
非線状ポリエステル樹脂:B3 43重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤:3,5-ジ-ターシャリブチルサリチル酸化合物 2重量部
低分子ポリプロピレン 5重量部
(重量平均分子量:6000)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.75重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果は最後に一覧で示す。
(実施例
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A4 40重量部
非線状ポリエステル樹脂:B3 43重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤:3,5-ジ-ターシャリブチルサリチル酸化合物 2重量部
カルナウバワックス5重量部
(重量平均分子量:3500)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.75重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果は最後に一覧で示す。
(実施例
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A4 40重量部
非線状ポリエステル樹脂:B3 43重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤:3,5-ジ-ターシャリブチルサリチル酸化合物 2重量部
エステルワックス 5重量部
(重量平均分子量:2500)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径7.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)0.75重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果は最後に一覧で示す。
(比較例1)
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A‘1 40重量部
非線状ポリエステル樹脂:B‘143重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤:3,5-ジ-ターシャリブチルサリチル酸化合物 2重量部
エステルワックス 5重量部
(重量平均分子量:2500)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.00重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果は最後に一覧で示す。
(比較例2)
(トナー処方)
線状ポリエステル樹脂:A‘1 40重量部
非線状ポリエステル樹脂:B‘2 43重量部
カーボンブラック 10重量部
荷電制御剤:3,5-ジ-ターシャリブチルサリチル酸化合物 2重量部
エステルワックス 5重量部
(重量平均分子量:2500)
以上の処方で2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級し重量平均粒径6.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、シリカ微粉末(R−972:クライアントジャパン製)1.00重量部を混合し、本発明のトナーを得た。評価結果一覧で示す。
Figure 0004185427

表1から明らかなように、本発明のトナーは定着性、耐ホットオフセット性に優れ、かぶりが無い高品位な画像を得られることがわかる。
本発明のプロセスカートリッジの構成を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
50 現像装置
60 感光体
70 帯電装置
80 クリーニング装置
90 プロセスカートリッジ
100 画像形成装置
110 露光装置
120 転写装置
130 給紙カセット
140 定着装置

Claims (10)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤からなる静電荷像現像用トナーにおいて、
    前記結着樹脂は、チタンジケトンエノレート、カルボン酸チタン、カルボン酸チタニル及びカルボン酸チタニル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のチタン含有触媒の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂であり、軟化点が125〜150℃の高軟化点ポリエステルと軟化点が85〜105℃の低軟化点ポリエステルとを含有してなり、
    高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの軟化点の差が30〜55℃である
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 請求項1記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
    前記チタンジケトンエノレートは、チタンアセチルアセトナートである
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  3. 請求項1記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
    前記カルボン酸チタンは、芳香族カルボン酸チタンである
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
    前記カルボン酸チタニル塩は、マレイン酸チタニル塩又はシュウ酸チタニル塩である
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
    前記トナーは、荷電制御剤としてオキシカルボン酸錯化合物を含有する
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーにおいて、
    ワックス成分として0.5〜10重量%のカルナウバワックス及びまたはライスワックス及びまたはエステルワックスを含有する
    ことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  7. 現像装置に補給する静電荷像現像用トナーが充填されているトナーカートリッジにおいて、
    前記トナーカートリッジは、請求項1ないし6のいずれかに記載された静電荷像現像用トナーが充填されている
    ことを特徴とするトナーカートリッジ。
  8. 少なくとも感光体と現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、
    前記現像装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載された静電荷像現像用トナーを用いる
    ことを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
  9. 外部より電圧を印加して潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電している潜像担持体に静電荷像を形成する露光工程と、静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像工程と、外部より電圧を印加してトナー画像を転写体又は記録材上に転写する転写工程と、転写後の潜像担持体表面をクリーニングするクリーニング工程と、記録材上のトナー画像を加熱定着する定着工程を有する画像形成方法において、
    前記画像形成方法は、1ないし6のいずれかに記載された静電荷像現像用トナーを用いる
    ことを特徴とする画像形成方法。
  10. 外部より電圧を印加して潜像担持体に帯電を行う帯電装置と、帯電している潜像担持体に静電荷像を形成する露光装置と、静電荷像をトナーによって現像してトナー画像を形成する現像装置と、外部より電圧を印加してトナー画像を転写体又は記録材上に転写する転写装置と、転写後の潜像担持体表面をクリーニングするクリーニング装置と、記録材上のトナー画像を加熱定着する定着装置を有する画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、1ないし6のいずれかに記載された静電荷像現像用トナーを用いる
    ことを特徴とする画像形成装置。
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