JP4113544B2 - トナーバインダー - Google Patents
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Description
本発明者らは、ポリエステル系トナーバインダーの優れた低温定着性と、耐ホットオフセット性を維持しつつ、低温低湿度条件下でも画質低下を生じないトナーバインダーを得ることを目的に鋭意検討した結果、特定の触媒の存在下に形成されたポリエステル樹脂を用いることで得られることを見出し、本発明に到達した。
なお、他の触媒を用いた、上記以外のトナーバインダーおよびトナーは参考発明である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、上記チタン含有触媒(A)、及び/又は、上記スズ含有触媒(B)の存在下に形成されてなる重縮合ポリエステル樹脂を用いる。(A)と(B)は2種以上を併用してもよい。
これら(A3)の中では(A3−2)が好ましく、(A3−2b)がさらに好ましい。
分散の方法としては特に限定されないが、例えば、攪拌翼を用いた攪拌、容器中での振とう、ボールミルによる湿式分散などが用いられる。分散後、濾別、遠心分離などの方法で溶剤を除去することができる。
(X1):(G)及び(I)を用いた線状のポリエステル樹脂
(X2):(G)及び(I)とともに(H)及び/又は(J)を用いた非線状のポリエステル樹脂
(Y1):(X2)に(C)を反応させた変性ポリエステル樹脂
ヒドロキシカルボン酸(K)としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸などが挙げられる。
(C)の1分子当たりのエポキシ基数は、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6、特に好ましくは2〜4である。
(1)ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸重縮合物。
(2)ビスフェノールA・EO4モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸重縮合物。
(3)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸重縮合物。
(4)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/無水フタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(5)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水マレイン酸/ジメチルテレフタル酸エステル/無水トリメリット酸重縮合物。
(6)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(7)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/テレフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(8)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(9)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/イソフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(10)ビスフェノールA・EO2モル付加物/ビスフェノールA・PO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/フマル酸/無水トリメリット酸重縮合物。
(11)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸重縮合物にテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(12)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸重縮合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(13)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(14)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(15)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/イソフタル酸/無水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(16)ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/フマル酸/無水トリメリット酸重縮合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(17)ビスフェノールA・PO2モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水ドデセニルコハク酸/無水トリメリット酸重縮合物にテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(18)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/フェノールノボラックのEO付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(19)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・PO3モル付加物/フェノールノボラックのPO5モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にビスフェノールAジグリシジルエーテルを反応させて得られる変性ポリエステル。
(20)ビスフェノールA・PO2モル付加物/ビスフェノールA・EO2モル付加物/テレフタル酸/無水トリメリット酸重縮合物にフェノールノボラックグリシジルエーテル化物を反応させて得られる変性ポリエステル。
即ち、フルカラー用には高光沢画像が求められるため、低粘性のバインダーとする必要があるが、モノクロ用は光沢は特に必要なく耐ホットオフセット性が重視されるため高弾性のバインダーとする必要がある。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加え、3時間撹拌還流させて冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別する。THF不溶分の値(%)は、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後の重量と試料の重量比から算出する。
尚、後述する分子量の測定には、このろ液をTHF可溶分として使用する。
装置 : 東ソー製 HLC−8120
カラム : TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量: 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : ポリスチレン
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量と称する。
(D2)としては特に限定されないが、例えば、石油系フィッシャートロプシュワックス(シューマン・サゾール社製パラフリントH1、パラフリントH1N4及びパラフリントC105など)、天然ガス系フィッシャートロプシュワックス(シェルMDS社製FT100など)及びこれらフィッシャートロプシュワックスを分別結晶化などの方法で精製したもの[日本精蝋(株)製MDP−7000、MDP−7010など]などが挙げられる。
(D3)としては特に限定されないが、例えば、石油ワックス系のパラフィンワックス[日本精蝋(株)製パラフィンワックスHNP−5、HNP−9、HNP−11など]などが挙げられる。
(D4)としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンワックス[三洋化成工業(株)製サンワックス171P、サンワックスLEL400Pなど]、ポリプロピレンワックス[三洋化成工業(株)製ビスコール550P、ビスコール660Pなど]などが挙げられる。
(E)としては特に限定されないが、例えば、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー及びハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
他の樹脂としては特に限定されないが、例えば、スチレン系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの付加縮合物等)、ウレタン樹脂(ジオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
他の樹脂の重量平均分子量は、通常1000〜200万である。
混合温度が低すぎると充分に混合できず、不均一となり好ましくない。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合温度が高すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるためトナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できなくなる。
粉体混合する場合は、通常の混合条件及び混合装置で混合することができる。
トナー中の(E)の含有量としては特に限定されないが、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.01〜4%である。
尚、粒径D50は、コールターカウンター[例えば、商品名:マルチタイザーIII(コールター社製)]を用い測定される。
次いで、公知の熱ロール定着方法等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。
尚、実施例1〜2、5〜9、および13は参考例である。
また、実施例及び比較例における軟化点及びTBT含有量は以下の方法で測定される。
フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
装置 :島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 :20kgf/cm2
ダイ :1mmΦ−1mm
昇温速度:6℃/min
試料量 :1.0g
(1)測定装置:GC−MS(日本電子製 JMS GC mateII型)
(2)GC条件
カラム:CP−SIL−5CB(膜厚0.25マイクロメートル、内径0.25mm、長さ60m)
測定温度:100℃〜210℃(5℃/min)、210℃〜300℃(10℃/min)
(3)MS条件
検出:SIM(選択的イオンモニタリング)
加速電圧:2.5kV
イオン源温度:230℃
測定質量数:277
(4)操作
試料2.5gをクロロホルムに溶解し、塩酸−アセトニトリル溶液に加え、加熱し塩素化する。上澄みを濃縮し、ヘキサンにて抽出し、脱水後濃縮する。臭化プロピルマグネシウム溶液にてプロピル化後、希硫酸処理し、ヘキサン抽出する。1mLに濃縮したものを試料とした。
[ジブチルスズオキシドの精製1]
TBT含有量453ppmのジブチルスズオキシド(L)5.0部をマイヤーフラスコにはかり取り、これにメタノール50部及びヘキサン50部を加えてマグネティックスターラーで室温で1時間攪拌ののち濾別して溶剤を除去する操作を10回繰り返し、TBT含有量5.12ppmのジブチルスズオキシド(M)3.5部を得た。
精製の操作を20回繰り返す以外は上記と同様にして、TBT含有量0.92ppmのジブチルスズオキシド(N)3.2部を得た。
TBT含有量505ppmのジブチルスズオキシド(P)5.0部をテトラヒドロフランを用いて10時間ソックスレー抽出し、TBT含有量71.2ppmのジブチルスズオキシド(Q)2.5部を得た。
実施例1
[線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物430部、ビスフェノールA・PO3モル付加物300部、テレフタル酸257部、イソフタル酸65部、無水マレイン酸10部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(X1−1)を得た。
(X1−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は12、Tgは59℃、数平均分子量は6890、ピークトップ分子量は19800であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物350部、ビスフェノールA・PO3モル付加物326部、テレフタル酸278部、無水フタル酸40部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1.5部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂(X2−1)を得た。
(X2−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は36、水酸基価は17、Tgは69℃、数平均分子量は3810、ピークトップ分子量は11400であった。
(X1−1)400部と(X2−1)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー(TB1)を得た。
[線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をテレフタル酸チタン2部に代える以外は実施例1の(X1−1)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(X1−2)を得た。
(X1−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は7、水酸基価は11、Tgは59℃、数平均分子量は7010、ピークトップ分子量は20100であった。
重縮合触媒をテレフタル酸チタン1.5部に代える以外は実施例1の(X2−1)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(X2−2)を得た。
(X2−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は33、水酸基価は15、Tgは69℃、数平均分子量は4130、ピークトップ分子量は11830であった。
ポリエステル(X1−2)500部とポリエステル(X2−2)500部をヘンシェルミキサーにて5分間粉体混合して本発明のトナーバインダー用樹脂(TB2)を得た。
[線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(M)2部に代える以外は実施例1の(X1−1)と同様に反応させて、線状ポリエステル樹脂(X1−3)を得た。尚、220℃で10時間反応後の酸価は15であった。
(X1−3)のTBT含有量は0.01ppm未満(GC−MS−SIMの検出限界以下)、THF不溶分は0%、酸価は7、水酸基価は12、Tgは59℃、数平均分子量は6700、ピークトップ分子量は18500であった。
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(M)2部に代える以外は実施例1の(X2−1)と同様に反応させて、非線状ポリエステル樹脂(X2−3)を得た。尚、5〜20mmHgの減圧下で3時間反応させた後の酸価は1.5であった。
(X2−3)のTBT含有量は0.01ppm未満、THF不溶分は0%、酸価は39、水酸基価は18、Tgは68℃、数平均分子量は3900、ピークトップ分子量は12400であった。
(X1−3)400部と(X2−3)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、2分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー用樹脂(TB3)を得た。
[線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をジオクチルスズオキシド2部に代える以外は実施例1の(X1−1)と同様に反応させて、線状ポリエステル樹脂(X1−4)を得た。
(X1−4)のTBT含有量は0.01ppm未満、THF不溶分は0%、酸価は7、水酸基価は11、Tgは58℃、数平均分子量は7050、ピークトップ分子量は19500であった。
重縮合触媒をモノブチルスズオキシド2部に代える以外は実施例1の(X2−1)と同様に反応させて、非線状ポリエステル樹脂(X2−4)を得た。
(X2−4)のTBT含有量は0.01ppm未満、THF不溶分は0%、酸価は36、水酸基価は18、Tgは69℃、数平均分子量は3830、ピークトップ分子量は12200であった。
(X1−4)400部と(X2−4)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー(TB4)を得た。
[比較用線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をチタンテトラブトキシド2部に代える以外は実施例1の(X1−1)と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトラブトキシド1.5部を5回追加したが、酸価5まで反応させることができず、目的の重縮合物は得られなかった。また、反応物は紫褐色に強く着色していた。
[比較用線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をチタンテトラグリコキシド2部に代える以外は実施例1の(X1−1)と同様に反応させた。反応速度が遅かったため、常圧下で16時間、減圧下で8時間反応させて比較用線状ポリエステル樹脂(CX1−1)を得た。
(CX1−1)は紫褐色をした樹脂であり、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は5、水酸基価は11、Tgは58℃、数平均分子量は6500、ピークトップ分子量は20200であった。
重縮合触媒をチタンテトラグリコキシド2部に代える以外は実施例1の(X2−1)と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトラグリコキシド1.5部を4回追加し、比較用非線状ポリエステル樹脂(CX2−1)を得た。
(CX2−1)は紫褐色をした樹脂であり、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は33、水酸基価は16、Tgは68℃、数平均分子量は3680、ピークトップ分子量は11800であった。
(CX1−1)400部と(CX2−1)600部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して比較トナーバインダー(CTB1)を得た。(CTB1)は強い紫褐色をした樹脂であった。
[比較用線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(L)0.2部に代える以外は実施例1の(X1−1)と同様に反応させて、比較用線状ポリエステル樹脂(CX1−2)を得た。尚、220℃で10時間反応後の酸価は25であった。
(CX1−2)のTBT含有量は0.08ppm、THF不溶分は0%、酸価は15、水酸基価は27、Tgは57℃、数平均分子量は4300、ピークトップ分子量は11500であった。
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(P)0.2部に代える以外は実施例1の(X2−1)と同様に反応させて、比較用非線状ポリエステル樹脂(CX2−2)を得た。尚、5〜20mmHgの減圧下で3時間反応させた後の酸価は25であった。
(CX2−2)のTBT含有量は0.09ppm、THF不溶分は0%、酸価は45、水酸基価は27、Tgは63℃、数平均分子量は3500、ピークトップ分子量は8200であった。
(X1−3)を(CX1−2)に、(X2−3)を(CX2−2)に代える以外は実施例3と同様にして、比較用トナーバインダー(CTB2)を得た。
[比較用線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(L)2部に代える以外は実施例1の(X1−1)と同様に反応させて、比較用線状ポリエステル樹脂(CX1−3)を得た。尚、220℃で10時間反応後の酸価は14であった。
(CX1−3)のTBT含有量は0.89ppm、THF不溶分は0%、酸価は6、水酸基価は12、Tgは60℃、数平均分子量は6940、ピークトップ分子量は19100であった。
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(P)2部に代える以外は実施例1の(X2−1)と同様に反応させて、比較用非線状ポリエステル樹脂(CX2−3)を得た。尚、5〜20mmHgの減圧下で3時間反応させた後の酸価は1.6であった。
(CX2−3)のTBT含有量は0.97ppm、THF不溶分は0%、酸価は40、水酸基価は19、Tgは68℃、数平均分子量は3760、ピークトップ分子量は11950であった。
(X1−3)を(CX1−3)に、(X2−3)を(CX2−3)に代える以外は実施例3と同様にして、比較用トナーバインダー(CTB3)を得た。
本発明のトナーバインダー(TB1)〜(TB4)及び比較トナーバインダー(CTB1)〜(CTB3)のそれぞれについて、トナーバインダー100部、カルナウバワックス5部及びイエロー顔料[クラリアント(株)製toner yellow HG VP2155]4部をヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル(株)製]0.5部をサンプルミルにて混合して、トナー(T1)〜(T4)及び比較トナー(CT1)〜(CT3)を得た。
以下の評価方法により評価した結果を表1に示す。
(1)光沢発現温度(GLOSS)
トナー30部とフェライトキャリア(F−150;パウダーテック社製)800部を均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。該現像剤を用い市販複写機(AR5030;シャープ製)で現像した未定着画像を、市販プリンター(LBP2160;キヤノン製)の定着ユニットを改造し熱ローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード120mm/secで定着した。市販光沢計(MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY製 gmx−202−60型)を用い、定着画像の60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって光沢発現温度とした。
上記GLOSSと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
上記GLOSSと同様にして、定着ロール温度170℃でOHPフィルム上に定着し、オーバーヘッドプロジェクターにて定着画像を透写し、その色調を目視判定した。
判定基準 ○:鮮やかな黄色
△:わずかにくすんだ黄色
×:くすんでいる
ホソカワミクロン製パウダーテスターでトナーの静かさ密度を測定し、トナー流動性を下記基準で判定した。△以上が実用範囲である。
静かさ密度 36g/100ml以上 :トナー流動性 ○
33〜36 : ○△
30〜33 : △
27〜30 : △×
27未満 : ×
上記(1)で作成した現像剤を、10℃・40%R.H.の低温低湿環境下で、8時間以上調湿した。同環境下において該現像剤を用い市販複写機(AR5030:シャープ製)で3000枚コピーした時の感光体汚れ具合と、転写された画像の画質を観察した。
判定基準
◎:感光体のトナー汚れはなく、画質も良好
○:感光体に微量のトナーの付着があるものの、
画質低下(白地汚れ)はほとんど無し
△:感光体に微量のトナーの付着があり、
画質低下(白地汚れ)も観察された
×:感光体へのトナーの付着が多く、
白地汚れに加え、画像に白スジが入るなど画質低下が顕著
実施例5
[変性ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物549部、ビスフェノールA・PO3モル付加物20部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物133部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のEO5モル付加物10部、テレフタル酸252部、イソフタル酸19部、無水トリメリット酸10部及び重縮合触媒としてチタンアセチルアセトナート2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで無水トリメリット酸50部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ軟化点が105℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル20部を加え、軟化点150℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕して変性ポリエステル樹脂(Y1−1)を得た。
(Y1−1)の軟化点は150℃、酸価は53、水酸基価は17、Tgは74℃、数平均分子量は1800、ピークトップ分子量は6700、THF不溶分は33%であり、これをトナーバインダー(TB5)として使用した。
[変性ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をマレイン酸チタニルカリウム2部に代える以外は実施例5の(Y1−1)と同様に反応させ、軟化点150℃で取り出し、室温まで冷却後粉砕して変性ポリエステル樹脂(Y1−2)を得た。
(Y1−2)の軟化点は150℃、酸価は51、水酸基価は16、Tgは74℃、数平均分子量は1940、ピークトップ分子量は6630、THF不溶分は35%であり、これをトナーバインダー(TB6)として使用した。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物132部、ビスフェノールA・PO3モル付加物371部、ビスフェノールA・EO2モル付加物20部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のPO5モル付加物125部、テレフタル酸201部、無水マレイン酸25部、ジメチルテレフタル酸エステル35部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1.5部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸65部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し非線状ポリエステル樹脂(X2−5)を得た。
非線状ポリエステル樹脂(X2−5)の軟化点は142℃、酸価は30、水酸基価は17、Tgは57℃、数平均分子量は1380、ピークトップ分子量は4150、THF不溶分は26%であり、これをトナーバインダー(TB7)として使用した。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物410部、ビスフェノールA・PO3モル付加物270部、テレフタル酸110部、イソフタル酸125部、無水マレイン酸15部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後粉砕し非線状ポリエステル樹脂(X2−6)を得た。
(X2−6)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は18、水酸基価は35、Tgは61℃、数平均分子量は1990、ピークトップ分子量は5310であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物317部、ビスフェノールA・PO2モル付加物57部、ビスフェノールA・PO3モル付加物298部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のPO5モル付加物75部、イソフタル酸30部、テレフタル酸157部、無水マレイン酸27部及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム1.5部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、次いで無水トリメリット酸68部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ軟化点が120℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル25部を加え、軟化点155℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し変性ポリエステル樹脂(Y1−3)を得た。
(Y1−3)の軟化点は155℃、酸価は10、水酸基価は29、Tgは58℃、数平均分子量は3120、ピークトップ分子量は6130、THF不溶分は36%であった。
(X2−6)500部と(Y1−3)500部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー(TB8)を得た。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をテレフタル酸チタン2部に代える以外は実施例8の(X2−6)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して非線状ポリエステル樹脂(X2−7)を得た。
(X2−7)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は17、水酸基価は35、Tgは61℃、数平均分子量は2110、ピークトップ分子量は5450であった。
重縮合触媒をテレフタル酸チタン1.5部に代える以外は実施例8の(Y1−3)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して変性ポリエステル樹脂(Y1−4)を得た。
(Y1−4)の軟化点は155℃、酸価は9、水酸基価は28、Tgは59℃、数平均分子量は3050、ピークトップ分子量は6010、THF不溶分は38%であった。
ポリエステル(X2−7)500部とポリエステル(Y1−4)500部をヘンシェルミキサーにて5分間粉体混合して本発明のトナーバインダー用樹脂(TB9)を得た。
[変性ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(N)2部に代える以外は実施例5の(Y1−1)と同様に反応させ、軟化点145℃で取り出し、室温まで冷却後粉砕して変性ポリエステル樹脂(Y1−5)を得た。
(Y1−5)のTBT含有量は0.01ppm未満、軟化点は151℃、酸価は54、水酸基価は17、Tgは73℃、数平均分子量は2100、ピークトップ分子量は6500、THF不溶分は34%であり、これをトナーバインダー(TB10)として使用した。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(N)2部に代える以外は実施例8の(X2−6)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して非線状ポリエステル樹脂(X2−8)を得た。
(X2−8)のTBT含有量は0.01ppm未満、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は18、水酸基価は33、Tgは62℃、数平均分子量は2100、ピークトップ分子量は5400であった。
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(Q)2部に代える以外は実施例8の(Y1−3)と同様に反応させ、軟化点148℃で取り出し、室温まで冷却後粉砕して変性ポリエステル樹脂(Y1−6)を得た。
(Y1−6)のTBT含有量は0.13ppm、軟化点は153℃、酸価は9、水酸基価は31、Tgは58℃、数平均分子量は3100、ピークトップ分子量は6100、THF不溶分は33%であった。
(X2−8)500部と(Y1−6)500部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー(TB11)を得た。
[比較用変性ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をジブチルスズオキシド(P)2部に代える以外は実施例5(Y1−1)と同様に反応させて比較用変性ポリエステル樹脂(CY−1)を得た。
(CY−1)のTBT含有量は0.91ppm、軟化点は150℃、酸価は54、水酸基価は16、Tgは74℃、数平均分子量は1820、ピークトップ分子量は6600、THF不溶分は34%であり、これをトナーバインダー(CTB4)として使用した。
本発明のトナーバインダー(TB5)〜(TB11)及び比較トナーバインダー(CTB4)のそれぞれについて、トナーバインダー100部、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナウバワックス5部、荷電制御剤T−77(保土谷化学製)1部をヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し粒径D50が9μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル(株)製]0.3部をサンプルミルにて混合して、トナー(T5)〜(T11)及び比較トナー(CT4)を得た。
以下の評価方法により評価した結果を表2に示す。
(1)最低定着温度(MFT)
トナー30部とフェライトキャリア(F−150;パウダーテック社製)800部を均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。該現像剤を用い市販複写機(AR5030;シャープ製)で現像した未定着画像を、市販複写機(SF8400A;シャープ製)の定着ユニットを改造し熱ローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード145mm/secで定着した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
(2)ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
(3)顔料分散性
トナーの誘電正接(tanδ)を測定し、これを顔料分散性の指標とした。
判定基準 ○:tanδ:10以下
△:tanδ:10〜30
×:tanδ:30以上
誘電正接測定条件
装置 :安藤電気(株)製 TR−1100型誘電体損測定装置
電極 :安藤電気(株)製 SE−43型 粉体電極
測定周波数:1kHz
(4)感光体汚れ
上記(1)で作成した現像剤を、10℃・40%R.H.の低温低湿環境下で、8時間以上調湿した。同環境下において該現像剤を用い市販複写機(AR5030:シャープ製)で3000枚コピーした時の感光体汚れ具合と、転写された画像の画質を観察した。
判定基準
◎:感光体のトナー汚れはなく、画質も良好
○:感光体に微量のトナーの付着があるものの、
画質低下(白地汚れ)はほとんど無し
△:感光体に微量のトナーの付着があり、
画質低下(白地汚れ)も観察された
×:感光体へのトナーの付着が多く、
白地汚れに加え、画像に白スジが入るなど画質低下が顕著
実施例12
[変性ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をモノブチルスズオキシド2部に代える以外は実施例5(Y1−1)と同様に反応させて、変性ポリエステル樹脂(Y1−7)を得た。
(Y1−7)の酸価は54、水酸基価は17、Tgは74℃、数平均分子量は1850、ピークトップ分子量は6750、THF不溶分は33%、TBT含有量は0.01ppm未満であり、これをトナーバインダー(TB12)として使用した。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をジオクチルスズオキシド2部に代える以外は実施例7(X2−5)と同様に反応させて、非線状ポリエステル樹脂(X2−9)を得た。
非線状ポリエステル樹脂(X2−9)の軟化点は145℃、酸価は28、水酸基価は16、Tgは58℃、数平均分子量は1480、THF不溶分は26%、TBT含有量は0.01ppm未満であり、これをトナーバインダー(TB13)として使用した。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をモノブチルスズオキシド2部に代える以外は実施例8の(X2−6)と同様に反応させて、非線状ポリエステル樹脂(X2−10)を得た。
(X2−10)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は18、水酸基価は34、Tgは61℃、数平均分子量は2010、ピーク分子量は5450、TBT含有量は0.01ppm未満であった。
重縮合触媒をジオクチルスズオキシド2.5部に代える以外は実施例8の(Y1−3)と同様に反応させて、変性ポリエステル樹脂(YI−8)を得た。
(Y1−8)の酸価は11、水酸基価は29、Tgは58℃、数平均分子量は3150、ピークトップ分子量は6050、THF不溶分は34%、TBT含有量は0.01ppm未満であった。
(X2−10)500部、(Y1−8)500部及びフィッシャートロプシュワックス(パラフリントH1)50部をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂をスチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー(TB14)を得た。
[比較用非線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をチタンテトラグリコキシド2部に代える以外は実施例7の(X2−5)と同様に反応させた。反応が遅かったため常圧下で16時間、減圧下で18時間させたが酸価は6であった。180℃に冷却し、無水トリメリット酸65部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し比較用非線状ポリエステル樹脂(CX2−4)を得た。
(CX2−4)の軟化点は131℃、酸価は33、水酸基価は22、Tgは51℃、数平均分子量は1250、ピークトップ分子量は3570、THF不溶分は17%であり、これを比較トナーバインダー(CTB5)として使用した。
本発明のトナーバインダー(TB12)、(TB13)及び比較トナーバインダー(CTB5)それぞれについて、トナーバインダー100部、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、フィッシャートロプシュワックス(パラフリントH1)5部、荷電制御剤T−77(保土谷化学製)1部をヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し粒径D50が9μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル(株)製]0.3部をサンプルミルにて混合して、トナー(T12)、(T13)及び比較トナー(CT5)を得た。
本発明のトナーバインダー(TB14)を用いて、フィッシャートロプシュワックスを加えない以外は評価例12と同様にして、トナー(T14)を得た。
前述の評価方法により(T12)〜(T14)及び(CT5)を評価した結果を表3に示す。
1.低温低湿下でも安定した画質が得られる。
2.低温定着性と耐ホットオフセット性のいずれにも優れる。
3.着色が少なく、カラートナーにした場合の色調に優れる。
4.流動性、顔料分散性に優れ、帯電特性に優れる。
5.内分泌攪乱作用が疑われるトリブチルスズ化合物を全く含有しないか、ごく少量含有する触媒を用いるため、環境への影響が小さい。
Claims (5)
- 重縮合ポリエステル樹脂からなる静電荷像現像用トナーバインダーであって、該ポリエステル樹脂が、モノブチルスズオキシド(B2)、及びジブチルスズオキシド(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種のスズ含有触媒(B)の存在下に形成されてなるものであり、ジブチルスズオキシド(B3)中のトリブチルスズ化合物の含有量が250ppm以下であり、該ポリエステル樹脂中のトリブチルスズ化合物の含有量が0.6ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーバインダー。
- 該ポリエステル樹脂の少なくとも一部がポリエポキシド(C)で変性されてなるものである請求項1記載の静電荷像現像用トナーバインダー。
- さらに、カルナウバワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス及びポリオレフィンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種の離型剤を含有する請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナーバインダー。
- さらに、荷電制御剤を含有する請求項1〜3のいずれか記載の静電荷像現像用トナーバインダー。
- 請求項1〜4のいずれか記載の静電荷像現像用トナーバインダー、着色剤、及び、必要により添加剤からなる静電荷像現像用トナー。
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