JP4884126B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents
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〔1〕 炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有したトナー原料を、周速度が異なる2本のロールを備えた連続式オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記モノアルキルスズ化合物中のジアルキルスズ化合物とトリアルキルスズ化合物の合計含有量が重量基準で12000ppm以下である、電子写真用トナーの製造方法、
〔2〕 炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有したトナー原料を、周速度が異なる2本のロールを備えた連続式オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記ポリエステル中のジアルキルスズ化合物とトリアルキルスズ化合物の合計含有量が重量基準で50ppm以下である、電子写真用トナーの製造方法、ならびに
〔3〕 炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有したトナー原料を、周速度が異なる2本のロールを備えた連続式オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記トナー中のジアルキルスズ化合物とトリアルキルスズ化合物の合計含有量が重量基準で5ppm以下である、電子写真用トナーの製造方法
に関する。
態様1:モノアルキルスズ化合物中のジアルキルスズ化合物とトリアルキルスズ化合物の合計含有量が重量基準で12000ppm以下である製造方法。
態様2:ポリエステル中のジアルキルスズ化合物とトリアルキルスズ化合物の合計含有量が重量基準で50ppm以下である製造方法。
態様3:トナー中のジアルキルスズ化合物とトリアルキルスズ化合物の合計含有量が重量基準で5ppm以下である製造方法。
なお、ジアルキルスズ化合物とトリアルキルスズ化合物の合計含有量が、それぞれ重量基準でモノアルキルスズ化合物中に12000ppm以下、ポリエステル中に50ppm以下、かつトナー中に5ppm以下であるトナーの製造方法、即ち、態様1、態様2及び態様3の製造方法を組み合わせた製造方法もまた、本発明に含まれ、態様1、態様2及び態様3の製造方法のいずれか2つを組み合わせた製造方法も、本発明に含まれる。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から、体積中位粒径(Dv50、μm)、個数中位粒径(Dp50、μm)、(1.4×Dv50)μm以上の粒子径を有する粒子の含有量(体積%)及び(0.6×Dp50)μm以下の粒子径を有する粒子の含有量(個数%)を求める。
水/アセトニトリルが1/1(容量比)の混合溶媒100mLに2Mの塩酸10mLを添加した後、クロロホルムに溶解させたモノアルキルスズ化合物「MBTO」(エーピーアイコーポレーション(株)製、)を溶液に加え、振とうしたのち、分液ロートを用いて水相とアセトニトリル相に分離した溶液からアセトニトリル相のみを除去した。この操作を、DBT及びTBTの含有量が所望の範囲となるまで繰り返した。未精製及び精製後の「MBTO」のMBTO、DBT及びTBTの含有量を表1に示す。
試料を抽出溶液(KOHのメタノール溶液)で処理する。さらに抽出液をテトラエチルホウ酸ナトリウムで処理し、得られたアルキル化合物をGC/MS/SIMで定量する。また、触媒の主成分であるブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイドについては、GCで定量する。詳細を以下に示す。
(1) 試料溶液の調製
試料として、触媒0.1g又は樹脂1.0gを使用し、図1に示すフローチャートに従って前処理し、GC/MS/SIM測定用の試料溶液を調製する。触媒の試料溶液は最終的に100mLとし、樹脂の試料溶液は最終的に10mLとする。
(2) 標準溶液の調製
市販のトリクロロブチルスズ、ジクロロジブチルスズ、クロロトリブチルスズの混合溶液から3つの標準溶液(定量用に1ppm、0.1ppm、定量下限用に10ppb)を調製する。
(3) 測定装置
GC-MS:GC mate II(日本電子社製)
GC:GC-2010型(島津製作所製)
(4) GC測定条件
カラム:CP-SIL-5CB(0.25mmID×60m)
温度:100℃〜250℃(5℃/min)
注入口温度:250℃
キャリヤーガス:ヘリウム(1mL/min)
注入量:1μL
(5) MS測定条件
検出:選択的イオンモニタリング(SIM)
加速電圧:4kv
イオン源温度:180℃
測定質量数:m/z=179(モノブチル)
m/z=263(ジブチル、トリブチル)
表2に示すポリエステルの原料モノマー及びスズ触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂A〜Dを得た。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
表3に示すトナー原料をヘンシェルミキサーにて攪拌混合後、表3に示す条件で溶融混練した。なお、各条件については以下に記載の通りである。得られた混練物を冷却ローラーで圧延冷却した後、ジェットミルで粉砕し、分級して、体積中位粒径(Dv50)4.5μmのトナーを得た。
ロール外径0.12m、有効ロール長0.8mの連続式二本ロール型混練機を使用した。連続式二本ロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度9m/min、低回転側ロール(バックロール)周速度6m/min、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側が160℃及び混練物排出側が100℃であり、低回転ロールの原料投入側が30℃及び混練物排出側が30℃であった。また、原料混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。
混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を混練に使用した。ロール周速度は8.6m/minであった。ロール内の加熱温度は100℃であり、原料混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は、約18秒間であった。
表3のトナーを「MicroLine 5400」(沖データ(株)製)に実装し、3cm×8cmのべた画像をXerox L紙(A4用紙)にトナー付着量0.50mg/cm2に調整して印字し、未定着のまま取り出した。未定着の画像を「MicroLine 3050」(沖データ(株)製)の定着機を改良した外部定着機を用いて、160℃において100mm/secの定着速度で定着試験を行った。その後、得られた定着画像にメンディングテープを貼り付け、メンディングテープを静かに剥がし取った。メンディングテープを貼付前と剥離後の画像濃度をそれぞれ「X-Rite938」(X-Rite社製)を用いて測定し、下記式より画像濃度の定着率を算出し、以下の評価基準に従って、定着強度を評価した。結果を表3に示す。なお、テープ剥離後の画像濃度がテープ貼付前と同じだった場合に定着率は100%となり、値が小さくなるにつれ定着性が低いことを示す。
定着率(%)=(テープ剥離後の画像濃度/テープ貼付前の画像濃度)×100
◎:定着率が90%以上、100%以下
○:定着率が80%以上、90%未満
△:定着率が70%以上、80%未満
×:定着率が70%未満
上記定着強度試験後、引き続き試験例1と同じ装置を用いて、印字率5%の画像を3000枚印字した。その後、現像槽周囲のトナーによる汚れ具合を以下の評価基準で目視評価した。
◎:飛散したトナーによる汚れが全くない
○:現像槽端部に飛散したトナーによる汚れが若干観察される
△:現像槽周囲全体に飛散したトナーによる汚れが若干観察される
×:飛散したトナーによる汚れがはっきり観察される
Claims (5)
- ブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイドを主成分とする触媒の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有したトナー原料を、周速度が異なる2本のロールを備えた連続式オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記触媒中に不純物として含まれるジブチルスズ化合物とトリブチルスズ化合物の合計含有量が重量基準で6010ppm以下である、電子写真用トナーの製造方法。
- ブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイドを主成分とする触媒の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有したトナー原料を、周速度が異なる2本のロールを備えた連続式オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記ポリエステル中に不純物として含まれるジブチルスズ化合物とトリブチルスズ化合物の合計含有量が重量基準で15.1ppm以下である、電子写真用トナーの製造方法。
- ブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイドを主成分とする触媒の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有したトナー原料を、周速度が異なる2本のロールを備えた連続式オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記トナー中に不純物として含まれるジブチルスズ化合物とトリブチルスズ化合物の合計含有量が重量基準で2ppm以下である、電子写真用トナーの製造方法。
- 連続式オープンロール型混練機において、周速度が高い方のロールの原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が50〜140℃であり、周速度が低い方のロールの原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が40〜90℃である、請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 得られるトナーの体積中位粒径をDv50、個数中位粒径をDp50とするとき、Dv50が3〜7μm、体積粒度分布の標準偏差が(Dv50/4)以下、体積粒度分布における(1.4×Dv50)μm以上の粒子径を有する粒子の含有量が5体積%以下であり、かつ個数粒度分布における(0.6×Dp50)μm以下の粒子径を有する粒子の含有量が5個数%以下である、請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
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