JP3727267B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷面の光沢の適正化は、特にフルカラー印刷における重要な課題の一つである。従来、印刷光沢はトナーを構成する結着樹脂の種類及び/又は配合組成によって変わるが、定着特性などの制約から印刷光沢を制御することはできず、また製造段階において印刷光沢を向上させる手段も知られていない。
【0003】
一方、フルカラー印刷においてはオフセット防止剤としてワックスをトナー中へ配合する技術が数多く開示されている。ワックスの配合量が増加するとともに、現像機内の感光体に付着しフィルミングを起こすことは広く知られているが、これは、ワックスの配合量が増加するとともに、混練してもトナー中にワックスの一部が分散しないためである。
【0004】
かかる問題を解決すべく、特許第3094695号には、二軸押出機の設定温度がTm−20℃〜Tm+20℃(式中、Tmは結着樹脂の溶融温度を示す、以下同じ)の範囲で混練する技術、また特開2000−75548号公報にはオープンロール型連続混練機を用いて、溶融混練時の混練物の温度がTm−20℃〜Tm+20℃の条件で溶融混練を行う工程を有するトナーの製造方法が開示されている。しかしながら、混練工程においてトナー中へ配合されているワックスの分散を十分行っても、冷却方法が適正でないとワックスの分散状態が悪化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、連続印刷における耐フィルミング性に優れ、かつ光沢性及び光透過性に優れた画像が得られるトナーを生産性よく製造し得る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶融温度が95〜140℃の結着樹脂、着色剤及び融点が70℃以上、該結着樹脂の溶融温度以下の温度であるワックスを含有した組成物であって、前記ワックスの含有量が前記結着樹脂100重量部に対して3〜20重量部である組成物を混練機を用いて、混練物の温度がTm−20℃〜Tm+20℃(ここで、Tmは前記結着樹脂の溶融温度を示す)となる条件で溶融混練し、得られた混練物を、前記混練機排出時から10秒以内で前記ワックスの融点以下の温度まで冷却し、次いで、Tg+5℃〜Tg−5℃(ここで、Tgは前記結着樹脂のガラス転移点を示す)の温度において1.5℃/秒以下の冷却速度で冷却するトナーの製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、トナーの製造過程において、溶融混練により得られた混練物をワックスの融点以下の温度まで冷却する速度、及び混練物をTg+5℃からTg−5℃(ここで、Tgは前記結着樹脂のガラス転移点を示す)に冷却する際の冷却速度を調整している点に特徴を有する。
【0008】
ワックスの融点以下の温度までの混練物の冷却速度を調整することにより、ワックスの再凝集を防止することができる。そこで、本発明では、溶融混練後の混練物を、ワックスの融点以下の温度まで、混練機排出時から10秒以内、好ましくは5秒以内で冷却することにより、ワックスの再凝集によるフィルミングを効果的に防止することができる。これは、ワックスが流動性を失う温度まで急速に冷却することにより、溶融混練によるワックスの分散状態を維持することができるためと推定される。
【0009】
Tg+5℃からTg−5℃に冷却する際の冷却速度を、1.5℃/秒以下、好ましくは0.5〜1℃/秒に調整することにより、画像の光沢性及び光透過性を向上させることができる。このような効果が得られる詳細は不明なるも、結着樹脂のガラス転移点近辺の温度における冷却速度が結着樹脂の部分的な結晶性に影響を与えているためと推定される。混練物を結着樹脂のガラス転移点に近い温度であるワックスの融点以下の温度から単に放置して自然冷却しても同様の効果は得られるが、冷却に長時間を要するため生産性の観点から好ましくない。
【0010】
結着樹脂としては、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられ、これらの中では、低温定着性能の観点から、ポリエステルが好ましい。ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、50〜100重量%が好ましく、90〜100重量%がより好ましく、100重量%が特に好ましい。
【0011】
ポリエステルの原料モノマーとしては、公知の2価以上のアルコール成分と、2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
【0012】
アルコール成分としては、式(I):
【0013】
【化1】
Figure 0003727267
【0014】
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)で表される化合物が含有されていることが好ましい。
【0015】
式(I)で表される化合物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。また、他のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチログリコールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられ、これらの1種以上を含有することが好ましい。
【0016】
式(I)で表される化合物のアルコール成分中の含有量は、5モル%以上、好ましくは50モル%以上、より好ましくは100モル%が望ましい。
【0017】
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0018】
ポリエステルは、例えば、アルコール成分、カルボン酸成分等を不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
【0019】
ポリエステルの溶融温度は95〜140℃、ガラス転移点は50〜80℃、酸価は1〜40mgKOH/g、水酸基価は3〜60mgKOH/gであることが、それぞれ好ましい。
【0020】
結着樹脂の溶融温度(Tm)は、好ましくは95〜140℃、より好ましくは100〜125℃である。溶融温度は、高化式フローテスター(CFT−500D、島津製作所(株)製)を用い、ダイスの細孔の径1mm、長さ1mm、荷重196N/cm2 、昇温速度6℃/minの条件下で1cm3 の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度とする。
【0021】
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は50〜80℃が好ましく、55〜70℃がより好ましい。ガラス転移点は、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC220)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度100℃/分で−10℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定した際に、得られた吸熱曲線の接線と最大ピーク温度以下のベースラインとの交点の温度とする。
【0022】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB 、ローダミン−B ベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明において、トナーは黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0023】
ワックスとしては、カルナバワックス、ライスワックス等の天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス、エステル系ワックス等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用してもよく、またこれらのなかでは、速やかにブリードアウトしやすいことから、カルナバワックスが好ましい。
【0024】
ワックスの融点は、トナーを比較的低温で定着させる観点から、Tm以下の温度であることが好ましく、より好ましくは90℃以下、特に好ましくは86℃以下である。また、保存安定性の観点からは、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。従って、これらの観点から、ワックスの融点は、70℃〜Tmが好ましく、80〜90℃がより好ましく、80〜86℃が特に好ましい。
【0025】
ワックスの含有量は、結着樹脂100重量部に対して、3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部、より好ましくは5〜10重量部である。通常、ワックスの含有量が増加すると、トナー内で凝集したワックスが感光体に付着してフィルミングの原因となる。しかしながら、本発明では、ワックスをトナー中に微細に分散させることができるため、ワックスを多量に含有していても、フィルミングを生じることなく、印刷光沢に一層優れたトナーを得ることができる。
【0026】
さらに、組成物には、荷電制御剤、離型剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
【0027】
結着樹脂、着色剤及びワックスを含有した組成物は、ヘンシェルミキサー等で予備混合した後に、溶融混練に供するのが好ましい。
【0028】
組成物の溶融混練には、密閉式ニーダー、1軸又は2軸の押出機等を用いることができるが、本発明では、加熱機能及び冷却機能を有するオープンロール型連続混練機を用いるのが好ましい。
【0029】
オープンロール型連続混練機は、2本のロールが並行に近接して配設された混練機であり、各ロールは、熱媒体を通すことにより加熱又は冷却を行うことができる。かかるオープンロール型連続混練機は、加熱ロールと冷却ロールを備えていることから、また、溶融混練する部分がオープン型であることから、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。
【0030】
2本のロールの間隙は、好ましくは0.1〜10mm、更に好ましくは0.1〜3mmである。また、各ロールの構造、大きさ、材料等について特に限定はなく、ロール表面は、平滑であってもよく、波型、凸凹型等であってもよい。
【0031】
また、ロールの回転数は、周速度2〜100m/minであることが好ましい。また、2本のロールの回転数比は、1/10〜9/10(冷却ロール/加熱ロール)であることが好ましい。
【0032】
溶融混練は、混練物の温度が、Tm−20℃〜Tm+20℃、より好ましくはTm−10℃〜Tm+10℃となる条件で行うのが好ましい。なお、本発明において、混練物の温度とは、ロールに付着した混練物自体の温度を指し、非接触式レーザー型温度計で測定する。
【0033】
溶融混練後、得られた混練物を、前記冷却速度に調整して冷却する。
【0034】
冷却手段は、特に限定されず、空冷式、水冷式、スチール製の冷却ベルト方式、ドラム式等の公知の冷却方法を用いることができる。例えば、図1や図2に示す圧延装置付きの冷却機を用いてもよい。図1に示す冷却機では、混練物1をプレスローラー2で圧延して混練物の厚みを整え、冷却エアー4で冷却後、ベルトコンベア3から排出された混練物をさらに振動コンベア6上で冷却エアー5を用いて冷却することができる。従って、図1に示す冷却では、冷風による冷却を行うが、例えば、冷却エアー4は10℃、冷却エアー5は40℃というように冷却エアーの温度を変えることにより、冷却速度を調整することができる。図2に示す冷却機は、スチール製の冷却ベルト方式を採用しており、混練物1をプレスローラー2で圧延して混練物の厚みを整え、混練物を上下のスチールベルト7、8で挟み込んで搬送しながら冷却水9、10により冷却することができる。従って、図2に示す冷却機では、冷却水9と冷却水10の温度をそれぞれ変えることにより、冷却ゾーンを分割して設けて、冷却速度を調整することができる。
【0035】
冷却した混練物を、粉砕、分級等の公知の工程でさらに処理することにより、トナーを製造することができる。
【0036】
粉砕に用いられる粉砕装置としては、例えば、ジェットミル、衝突板式ミル、回転型機械ミル等が挙げられる。
【0037】
分級に用いられる分級装置としては、例えば、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。
【0038】
トナーの重量平均粒径は、5〜15μmが好ましく、トナーの表面には、さらに疎水性シリカ等の流動性向上剤等が外添剤として添加されていてもよい。重量平均粒径は実施例に示す方法により求められる。
【0039】
本発明により得られるトナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
【0040】
【実施例】
実施例1
・ポリエステル樹脂(ガラス転移点(Tg):62℃、溶融温度(Tm):114℃)100重量部(酸成分:テレフタル酸42重量部、トリメリット酸34重量部、ドデセニルコハク酸24重量部;アルコール成分:ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン28重量部、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン72重量部)
・銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント・ブルー (C. I. Pigment Blue) 15:3) 3重量部
・カルナバワックス(融点:82℃) 7重量部
【0041】
以上の原料からなる組成物15kgを、ヘンシェルミキサー(有効容量:75リットル)を用い、羽根回転数を1200回転/分にて3分間混合した後、テーブルフィーダーにて、オープンロール型連続混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製)に供給して溶融混練した。
【0042】
溶融混練にした使用したオープンロール型連続混練機は、ロール外径0.14〔m〕、有効ロール長0.8〔m〕のものであり、運転条件は、高回転側ロール(前ロール)回転数75回転/分、低回転側ロール(後ロール)回転数50回転/分、ロール間隙0.0001〔m〕であった。ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側温度150℃、混練物排出側温度100℃、低回転ロールの温度30℃に設定した。ロールに付着した混練物の温度は、原料投入側では126℃、混練物排出側では115℃であり、排出時の混練物温度は111℃であった。また、原料混合物の供給速度は20kg/時であった。
【0043】
次に、得られた混練物を、概略構造図が図1に相当する冷却機を用いて冷却した。混練物1をプレスローラー2で圧延して混練物の厚みを整え、8℃の冷却エアー4で冷却した。ベルトコンベア3から排出された混練物の温度は、ワックスの融点(82℃)以下である75℃であり、混練物が混練機排出からベルトコンベア3から排出されるまでの時間は7秒であった。ベルトコンベア3から排出された75℃の混練物を振動コンベア6上で35℃の冷却エアー5を用いて冷却した。振動コンベア6出口での混練物の温度は45℃、振動コンベア6での混練物の滞留時間は30秒であった。
【0044】
ここで、高温物体を冷却媒体を用いてTa ℃からTd ℃に冷却した際の冷却時間がtz (秒)である場合、一般に、Tb ℃からTc ℃における冷却時間tx (秒)は、式(II):
【0045】
【数1】
Figure 0003727267
【0046】
(式中、Ta 〜Td はTa >Tb >Tc >Td の関係を有し、TW は冷却媒体の温度(℃)を示す。)
により求められる(化学工学講義シリーズ「熱的単位操作(上)」(昭和51年9月25日)丸善、187〜188頁)。従って、本実施例1においては、式(I)にTa =75、Tb =67、Tc =57、Td =45、tz =30、TW =35を代入することにより、67(=Tg+5)℃から57(=Tg−5)℃への冷却時間tx は8.1秒となり、67℃から57℃への冷却速度は、(67−57)/8.1=1.2℃/秒と算出される。
【0047】
冷却した混練物を粉砕、分級し、重量平均粒径が9μmのトナーを得た。なお、トナーの重量平均粒径は、コールターカウンターにて測定した。得られたトナー100重量部に対し、コロイダルシリカ2重量部を外添して、現像剤とした。
【0048】
実施例2
ベルトコンベア3から排出された75℃の混練物を振動コンベア6上で40℃の冷却エアー5を用いて冷却し、振動コンベア6出口での混練物の温度が47℃、振動コンベアでの混練物の滞留時間は35秒であった以外は、実施例1と同様にして、重量平均粒径が9μmのトナーを得た。得られたトナー100重量部に対し、コロイダルシリカ2重量部を外添して、現像剤とした。なお、本実施例2における67(=Tg+5)℃から57(=Tg−5)℃への冷却時間tx は、前記式(II)より、10.1秒であり、従って、67℃から57℃への冷却速度は1.0℃/秒となる。
【0049】
比較例1
溶融混練により得られた混練物を30℃の冷却エアー4で冷却し、混練物が混練機排出からベルトコンベア3から排出されるまでの時間が10秒であり、排出された混練物の温度がワックスの融点以上である88℃であった以外は、実施例1と同様にして、重量平均粒径が9μmのトナーを得た。得られたトナー100重量部に対し、コロイダルシリカ2重量部を外添して、現像剤とした。
【0050】
比較例2
ベルトコンベア3から排出された75℃の混練物を振動コンベア6上で15℃の冷却エアー5を用いて冷却し、振動コンベア6出口での混練物の温度が45℃、振動コンベアでの混練物の滞留時間は13秒であった以外は、実施例1と同様にして、重量平均粒径が9μmのトナーを得た。得られたトナー100重量部に対し、コロイダルシリカ2重量部を外添して、現像剤とした。なお、本比較例2における67(=Tg+5)℃から57(=Tg−5)℃への冷却時間tx は、前記式(II)より、4.0秒であり、従って、67℃から57℃への冷却速度は2.5℃/秒となる。
【0051】
試験例1
実施例及び比較例で得られたトナーを「SPEEDIA N5」(カシオ計算機(株)製)に実装し、印字率4%の画像を1万枚連続して印刷した。1万枚目の画質を目視にて判断し、以下の基準に従って、印刷耐久性を評価した。結果を表1に示す。
【0052】
〔評価基準〕
◎:画像が特に鮮明である。
○:画像が鮮明である。
△:画像がやや不鮮明である。
×:感光体へのフィルミングが発生し、画像に白すじが発生している。
【0053】
試験例2
試験例2と同じ装置にトナーを実装し、ベタ画像を10枚連続して印刷した。10枚目のベタ画像の光沢を印刷面の光沢度を測定して評価した。さらに、OHP用紙に印刷したベタ画像の画質を目視にて判断し、以下の基準に従って、画像の光沢及び光透過性を評価した。結果を表1に示す。
【0054】
〔光沢の評価〕
得られた画像の光沢度をグロスチェッカー「IG−330」(堀場製作所(株)製)を用いて、入射角度60°で測定し、以下の評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:13%以上、 ○:10%以上13%未満、 ×:10%未満
【0055】
〔光透過性の評価〕
画像が特に明るく鮮明であるものを「◎」、画像が明るく鮮明であるものを「○」、画像が暗く不鮮明であるものを「×」として評価した。
【0056】
【表1】
Figure 0003727267
【0057】
以上の結果より、混練物を所望の冷却速度で冷却して得られた実施例1及び2のトナーは、連続印刷における耐フィルミング性に優れ、かつ光沢性及び光透過性に優れた画像が得られていることが分かる。これに対し、ワックスの融点以下の温度までの冷却速度が遅い比較例1のトナーでは、ワックスの再凝集によるフィルミングが発生し、光透過性に欠けている。また、ガラス転移点近辺での冷却速度が速い比較例2のトナーは、耐フィルミング性には優れているものの、得られる画像の光沢性、光透過性に欠けている。
【0058】
【発明の効果】
本発明により、連続印刷における耐フィルミング性に優れ、かつ光沢性及び光透過性に優れた画像が得られるトナーを生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に用いられる冷却機の一実施態様を示す概略構造図である。
【図2】図2は、本発明に用いられる冷却機の一実施態様を示す概略構造図である。
【符号の説明】
1 混練物
2 プレスローラー
3 ベルトコンベア
4 冷却エアー
5 冷却エアー
6 振動コンベア
7 上側スチールベルト
8 下側スチールベルト
9 冷却水
10 冷却水

Claims (5)

  1. 溶融温度が95〜140℃の結着樹脂、着色剤及び融点が70℃以上、該結着樹脂の溶融温度以下の温度であるワックスを含有した組成物であって、前記ワックスの含有量が前記結着樹脂100重量部に対して3〜20重量部である組成物を混練機を用いて、混練物の温度がTm−20℃〜Tm+20℃(ここで、Tmは前記結着樹脂の溶融温度を示す)となる条件で溶融混練し、得られた混練物を、前記混練機排出時から10秒以内で前記ワックスの融点以下の温度まで冷却し、次いで、Tg+5℃〜Tg−5℃(ここで、Tgは前記結着樹脂のガラス転移点を示す)の温度において1.5℃/秒以下の冷却速度で冷却するトナーの製造方法。
  2. 得られた混練物を、Tg+5℃〜Tg−5℃の温度において0.5〜1℃/秒の冷却速度で冷却する請求項1記載の製造方法。
  3. ワックスの融点が90℃以下である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 結着樹脂のガラス転移点が50〜80℃である請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 組成物の溶融混練を、加熱機能及び冷却機能を有するオープンロール型連続混練機を用いて行う請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
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