JP2009058822A - カラートナーセットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電量の環境安定性が良好である各色のトナーを良好な生産性で製造することができるカラートナーセットの製造方法、及び該カラートナーセットを提供すること。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含む原料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕させることにより得られる、少なくとも4色のトナーを組み合わせるカラートナーセットの製造方法であって、各色のトナー中のワックス平均分散径のうち最大のワックス平均分散径(Wmax)と最小のワックス平均分散径(Wmin)の比(Wmax/Wmin)を1.5以下となる条件下で溶融混練し、得られた混練物を機械式粉砕機で粉砕して各色のトナーの平均円形度のうち最大の平均円形度と最小の平均円形度の差を0.010以下とすることを特徴とする、各色のトナーの体積中位粒径(D50)が3〜9μmのカラートナーセットの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるカラートナーセットの製造方法、及び該カラートナーセットに関する。
電子写真技術の発展に伴い、低温定着性等の各種特性に優れたトナーの開発が望まれている。例えば、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐フィルミング性等に優れるトナーとして、トナー内部のワックス分散径が特定範囲にあるトナー、さらには特定円形度を有するトナーが開示されている(特許文献1参照)。また、OHPの透明性が良好で、低温定着性及び耐高温オフセット性、高温環境放置時の耐ブロッキング性に優れるトナーとして、ワックスを含む一次平均粒径が特定範囲であるトナーが開示されている(特許文献2参照)。
また、カラープリンターやカラー複写機は4色以上のトナーを用いるため、それぞれの色のトナーについて、高温高湿や低温低湿条件等の環境変化に対して帯電性の変化が同じ傾向であることが求められる、即ち、帯電の環境安定性を揃える必要がある。一般的に、トナーの表面積が大きい程、帯電の環境安定性を確保することは困難であることから、トナーに丸みを持たせて表面積を小さくすることで環境安定性を良好にすることができることが知られている。トナーの球形化に関する技術としては、機械式粉砕機を用いる手法が提案されている(特許文献3参照)。
特開2003−131430号公報 特開2001−255690号公報 特開2005−31201号公報
しかしながら、例えば、ワックスと着色剤を含有した各色のトナー原料を同様の混練条件で混練すると、着色剤の種類によってワックス分散径が変化しやすく、そのようなワックス分散径の異なるトナーを同一条件で機械式粉砕を行っても、円形度を調整する工程を追加することなく粉砕後のトナー円形度を一定の水準に揃えるのは困難であった。全色のトナーの環境安定性を揃えるためには、各色のトナーの円形度を揃えることが重要であり、例えば、ワックス分散径の大きいトナーについては粉砕フィードを下げて粉砕条件を調整する必要があるが、トナーの色ごとの生産性が変わってしまうため、生産ラインの取り回し効率が悪化してしまう。また、時間当たりの収量も悪化する。従って、カラープリンターやカラー複写機用のトナーにおいては、機械式粉砕機を用いることにより各色のトナーの球形化を行うことができたとしても、各色のトナーを同等の平均円形度に揃えることは容易ではなく、トナーの帯電の環境安定性を各色間で揃えることは困難である。
本発明の課題は、帯電量の環境安定性が良好である各色のトナーを良好な生産性で製造することができるカラートナーセットの製造方法、及び該カラートナーセットを提供することである。
本発明者らは、用いる各色トナー間において、トナーにおけるワックス分散径を同程度に揃えるよう溶融混練した後、特定の粉砕機により粉砕することにより、特定の円形度を持った各色のトナーを、単一色のトナーを得る場合と同程度の生産性で得られることが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕 少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含む原料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕させることにより得られる、少なくとも4色のトナーを組み合わせるカラートナーセットの製造方法であって、各色のトナー中のワックス平均分散径のうち最大のワックス平均分散径(Wmax)と最小のワックス平均分散径(Wmin)の比(Wmax/Wmin)を1.5以下となる条件下で溶融混練し、得られた混練物を機械式粉砕機で粉砕して各色のトナーの平均円形度のうち最大の平均円形度と最小の平均円形度の差を0.010以下とすることを特徴とする、各色のトナーの体積中位粒径(D50)が3〜9μmのカラートナーセットの製造方法、ならびに
〔2〕 少なくとも4色のトナーからなるカラートナーセットであって、各色のトナーが少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含む原料を溶融混練し、粉砕する工程を含む方法により得られ、各色のトナーのワックス平均分散径のうち、最大のワックス平均分散径(Wmax)と最小のワックス平均分散径(Wmin)の比(Wmax/Wmin)が1.5以下であり、前記粉砕を機械式粉砕機を用いて行い、各色のトナーの平均円形度のうち、最大の平均円形度と最小の平均円形度の差が0.010以下であり、各色のトナーの体積中位粒径(D50)がそれぞれ3〜9μmである、カラートナーセット
に関する。
本発明の方法により、良好な生産性で帯電量の環境安定性が良好なカラートナーセットを得ることができる。
本発明は、少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含む原料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕させることにより得られる、少なくとも4色のトナーを組み合わせるカラートナーセットの製造方法であって、各色のトナー中のワックス平均分散径のうち最大のワックス平均分散径(Wmax)と最小のワックス平均分散径(Wmin)の比(Wmax/Wmin)を1.5以下となる条件下で溶融混練し、得られた混練物を機械式粉砕機で粉砕して各色のトナーの平均円形度のうち最大の平均円形度と最小の平均円形度の差を0.010以下とすることに、一つの特徴を有する。
一般的に、ワックスと着色剤を含有した各色のトナー原料を同様の混練条件で混練すると、着色剤の種類によってワックス平均分散径が変化する。例えば、ブラックトナーはカーボンブラックのフィラー効果により、また、マゼンタトナーは顔料の架橋効果により混練時のシェアが上昇するため、いずれもワックス平均分散径はシアントナーやイエロートナーよりも小さくなる傾向にある。なかでも、キナクリドンレッド、ブリリアンカーミン6Bを用いるマゼンタトナーにおいてはその傾向が大きい。
一方、ワックス分散径が大きい場合には、機械式粉砕機のチッピング効果のために、機械式粉砕の効率が低下する。その結果、混練物中のワックス平均分散径が各色毎に異なると、機械式粉砕の効率が変動し、円形度の異なるトナーが得られることになる。逆にこれらのワックス平均分散径が色毎に異なるトナーを、機械式粉砕条件を調整することにより円形度を揃えることを狙って粉砕したとしても、トナーの平均粒径を揃えることが困難になる。
ワックスの平均分散径を揃える方法としては、混練温度、混練時間、装置設定(例えば、連続式オープンロール型混練機を用いる場合、ロールの回転数差、クリアランスの幅、ロール設定温度など)等の混練条件を適宜調整する方法の他、ワックスの添加量を調整する方法、ワックスと樹脂との相溶性から使用するワックスを色ごとに調整する方法などが挙げられる。本発明では、設計の自由度の観点から混練条件で調整する。例えば、連続式オープンロール型混練機を用いて溶融混練する場合、ワックスの平均分散径を小さくするためには、ロールの回転数差を大きくする、クリアランスの幅を小さくする、設定温度を低くする、混練時間を長くすることが挙げられる。逆に、ワックスの平均分散径を大きくするためには、ロールの回転数差を小さくする、クリアランスの幅を大きくする、設定温度を高くする、混練時間を短くすることが挙げられる。ワックスの平均分散径を揃えることで、機械式粉砕の効率が各色のトナーで同等となり、同様の粉砕条件で各色間で円形度の揃ったトナーが得られる。
本発明におけるカラートナーセットは、少なくとも4色のトナーからなるカラートナーセットであって、各色のトナーは、少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含む原料を用いて得られる。なお、4色としては、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックが挙げられる。
結着樹脂としては、公知の結着樹脂を使用することができ、例えば、ポリエステル等の縮重合系樹脂、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられるが、本発明では、透明性の観点から、ポリエステルが好ましい。
ポリエステルは、特に限定されないが、2価以上のアルコールからなるアルコール成分と、2価以上のカルボン酸化合物からなるカルボン酸成分を含む原料モノマーを縮重合させて得られる。
2価以上のアルコールとしては、トナーの保存安定性の観点から、式(I):
Figure 2009058822
(式中、ROはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値が1〜16、好ましくは1.5〜5である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。かかるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のRがエチレン基のエチレンオキサイド付加物、ポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のRがプロピレン基のプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物以外のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
また、2価以上のカルボン酸化合物としては、例えば、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸(例えば、n-ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸)等の脂肪族カルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、並びにこれらの酸の無水物及び低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらの中では、トナーの保存性の観点から、テレフタル酸が好ましく、カルボン酸成分の30モル%以上がテレフタル酸であることが好ましい。なお、上記のような酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。
また、ポリエステルは、軟化点と粉砕性の観点から、アルコール成分及び/又はカルボン酸成分として3価以上のモノマーを用いて得られた架橋ポリエステルであることが好ましい。3価以上のモノマーの含有量は、アルコール成分及びカルボン酸成分の総量中、2〜50モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましい。3価以上のモノマーとしては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその無水物が好ましい。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整や耐オフセット性向上の観点から、適宜含有されていてもよい。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、180〜250℃の温度で行うことができるが、本発明の効果がより顕著に奏される観点から、エステル化触媒、例えば、ジブチル錫オキシドの存在下で行うことが好ましい。
エステル化触媒の反応系における存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.05〜1重量部が好ましく、0.1〜0.8重量部がより好ましい。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
本発明において、ポリエステルは、保存性及び耐オフセット性の観点から、少なくとも2種の樹脂からなることが好ましい。具体的には、トナーの定着性を向上させる観点から、軟化点が好ましくは140℃を超え170℃以下、より好ましくは150〜170℃である高軟化点ポリエステルと、軟化点が好ましくは90〜140℃、より好ましくは110〜140℃である低軟化点ポリエステルの組み合わせが望ましい。また、高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの軟化点の差は、定着性及び保存性の観点から20〜60℃が好ましく、20〜45℃がより好ましい。なお、3種以上の樹脂からなる場合は、含有量が多い方から2種が上記を満たすことが好ましく、例えば、多い順における2番目と3番目が同じ含有量の時は1番多いものと2番目の少なくとも一方が上記を満たすことが好ましい。
高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルとの重量比(高軟化点ポリエステル/低軟化点ポリエステル)は、保存性及び耐オフセット性の観点から、1/9〜9/1が好ましく、2/8〜8/2がより好ましい。
結着樹脂が2種以上のポリエステルからなる場合、平均軟化点は120〜160℃であることが好ましく、130〜155℃であることがより好ましい。本明細書において、平均軟化点とは各樹脂の含有量に基づく加重平均軟化点のことをいい、各軟化点は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
ポリエステルのガラス転移点は、機械式粉砕機によるチッピング特性の観点から、50〜85℃が好ましく、55〜80℃がより好ましい。酸価は、環境安定性の観点から、0.5〜40mgKOH/gが好ましく、0.5〜30mgKOH/gがより好ましい。本明細書において、ガラス転移点及び酸価は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
ワックスとしては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらのなかでは、離型性及び安定性の観点から、脂肪族炭化水素系ワックス及びエステル系ワックスが好ましく、これらは単独で又は2種以上を混合して含有されていても良い。ワックスの含有量は、結着樹脂100重量部に対して、3重量部以上が好ましく、3.5〜7.0重量部がより好ましい。
着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、イソインドリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート等の種々の顔料やアクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系等の各種染料を1種又は2種以上を併せて使用することができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
また、本発明におけるトナーには、結着樹脂、ワックス及び着色剤以外に、荷電制御剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等の添加剤が、適宜含有されていてもよい。
荷電制御剤としては、負帯電性及び正帯電性のいずれのものも使用することができる。負帯電性荷電制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体、カリックスアレーン等のフェノール類とアルデヒド類との重合体等が挙げられる。正帯電性荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。また、樹脂等の高分子タイプのものを使用することもできる。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
本発明におけるカラートナーセットを構成するトナーは、それぞれ、前記結着樹脂、ワックス及び着色剤等を含むトナー原料を、溶融混練し、粉砕する工程を含む方法により得られる。
溶融混練においては、結着樹脂等のトナー原料を均一に混合した後、オープンロール型混練機に供することが好ましく、トナー原料の混合は、結着樹脂等の全ての原料を一度に混合する方法であっても、分割して混合する方法であってもよい。
トナー原料の混合に用いられる混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等が挙げられるが、分散性の観点から、ヘンシェルミキサーが好ましい。
トナー原料の溶融混練では、混練の繰り返しや分散助剤の使用をしなくても、離型剤を効率よく高分散でき、混練条件の調整でワックス平均分散径を調整できることから、ロールの軸方向に沿って設けられた供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用いることが好ましい。
トナー原料の混合物は、1箇所の供給口から混練機に供給してもよく、複数の供給口から分割して混練機に供給してもよいが、操作の簡便性及び装置の簡略化の観点からは、1箇所の供給口から混練機に供給することが好ましい。
連続式オープンロール型混練機とは、溶融混練部がオープン型であるものをいい、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、連続式オープンロール型混練機は、少なくとも2本のロールを備えた混練機であることが望ましく、本発明に用いられる連続式オープンロール型混練機は、周速度の異なる2本のロール、即ち、周速度の高い高回転側ロールと周速度の低い低回転側ロールとの2本のロールを備えた混練機である。本発明においては、分散性の観点から、高回転側ロールは加熱ロール、低回転側ロールは冷却ロールであることが望ましい。
ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
ロールの温度は、高回転側ロールの原料投入側端部で100〜160℃が好ましく、低回転側ロールの原料投入側端部で35〜100℃が好ましい。高回転側ロールの原料投入側端部の温度を高くするとワックスの平均分散径が大きくなり、低くするとワックスの平均分散径が小さくなる傾向がある。
周速度が高い高回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、混練物のロールからの脱離防止の観点から、20〜70℃であることが好ましく、30〜60℃であることがより好ましく、35〜55℃であることがさらに好ましい。周速度が低い低回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、ワックス分散性の観点から、0〜60℃であることが好ましく、0〜50℃であることがより好ましく、20〜45℃であることがさらに好ましい。原料投入側端部が混練物排出側端部よりも設定温度が高いことが好ましい。
高回転側ロールの周速度は、2〜100m/minであることが好ましく、10〜50m/minがより好ましい。低回転側ロールの周速度は2〜100m/minが好ましく、4〜60m/minがより好ましく、4〜50m/minがさらに好ましい。また、2本のロールの周速度の比(低回転側ロール/高回転側ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。この周速度の比を大きくするとワックスの平均分散径が大きくなり、比を小さくするとワックスの平均分散径が小さくなる傾向がある。
2本のロールの間隙(クリアランス)は、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.1〜3mmである。なお、2本のロールの間隙を広くするとワックスの平均分散径が大きくなり、間隙を狭くするとワックスの平均分散径が小さくなる傾向がある。
また、各ロールの構造、大きさ、材料等について特に限定はなく、ロール表面は、平滑であってもよく、波型、凸凹型等であってもよい。
原料混合物の供給速度及び平均滞留時間は、用いるロールのサイズや原料の組成等により異なるので、これらの条件により最適な条件を選択すればよい。原料の供給速度を大きく、平均滞留時間を小さくするとワックスの平均分散径が大きくなり、原料の供給速度を小さく、平均滞留時間を大きくするとワックスの平均分散径が小さくなる傾向がある。
溶融混練で得られる混練物中のワックスの平均分散径を調整することで、最終的に得られるトナーのワックスの平均分散径を調整することができる。各色の混練物中におけるワックス平均分散径は、0.1〜1.0μmであることが好ましく、0.3〜1.0μmであることがより好ましい。なお、溶融混練後に、さらに混練物を加熱する工程を有さない場合は、混練物中のワックスの平均分散径はトナー中のワックスの平均分散径にほぼ一致する。
トナーに、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色を用いる場合、イエロー及び/又はシアンのワックスの平均分散径が大きくなる傾向があるので、イエロー及び/又はシアンの混練は、マゼンタ及びブラックのいずれの混練条件よりも、ワックスの平均分散径が小さくなる条件で混練することが好ましい。
前記に従って溶融混練を行った後、冷却した混練物の粉砕は、一度に行っても、複数回に分けて行ってもよいが、粉砕効率及び生産効率の観点から、粗粉砕、中粉砕及び微粉砕を含むことが好ましく、予め粒径を最大径が好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下となるまで粗粉砕した後、得られた粗粉砕物をさらに目的のトナー粒径を考慮して中粉砕を経て、さらに微粉砕することが好ましい。ここで、最大径が3mm以下とは、実質的に全てのトナー粒子が目開き3mmのふるいを通過することを意味する。同様に、最大径が2mm以下とは、実質的に全てのトナー粒子が目開き2mmのふるいを通過することを意味する。なお、本発明において、機械式粉砕機による粉砕を用いることで、得られるトナーが球形に近づき、さらに各色の混練物中のワックス平均分散径を揃えることで、各色毎の粉砕効率が同程度となり、円形度の揃ったトナーが得ることができる。機械式粉砕機による粉砕は、微粉砕工程において用いることが好ましい。
混練物を粗粉砕する工程には、アトマイザー、ロートプレックス等を用いることができる。
粗粉砕物を中粉砕する工程には、流動層式ジェットミル、気流式ジェットミル等のジェット気流により被粉砕物を衝突させるジェット式粉砕機を用いることができる。なお、中粉砕する際には、時間当たりの生産性改善の観点から、疎水性シリカ等の流動性向上剤等の外添剤をヘンシェルミキサー等の混合機により粗粉砕物表面に外添してから、粉砕することが好ましい。
本発明に用いられる流動層式ジェットミルとしては、例えば、下方部分に複数のジェットノズルが対向するように配置された粉砕室を少なくとも有し、ジェットノズルから噴出する高速のガス噴流により、粉砕容器内に供給された粒子の流動層が形成され、流動層において、粒子の加速、相互衝突が繰り返されることにより、粒子が微粉砕される構造・原理を有する、粉砕機が挙げられる。
上記構造を有するジェットミルにおいて、ジェットノズルの本数は特に限定されないが、風量、流量、流速のバランスや粒子の衝突効率等の観点から、複数、好ましくは3〜4本のジェットノズルが、対向して配置されていることが好ましい。
さらに、粉砕室の上方部分には粉砕により小粒径化され、上昇した小粒径の粒子を捕集する分級ロータが設けられている。粒度分布は、かかる分級ロータの回転数により容易に調整することができる。分級ロータによる分級により、粉砕物(上限分級粉)が得られる。
分級ロータは、鉛直方向に対して縦向き、横向きのいずれに配置されていてもよいが、分級性能の観点から、縦向きに配置されていることが好ましい。
複数のジェットノズルが備えられ、さらに分級ロータを有する流動層式ジェットミルの具体例としては、特開昭60-166547号公報、特開2002-35631号公報に開示された粉砕機が挙げられる。
本発明において好適に用いられる流動層式ジェットミルとしては、ホソカワミクロン社製の「TFG」シリーズ、ホソカワミクロン社製の「AFG」シリーズ等が挙げられる。
また、気流式ジェットミルとしては、例えば、ベンチュリノズルと該ベンチュリノズルと対向するように配置した衝突部材とを備えた衝突式ジェットミル等が挙げられる。
本発明において好適に用いられる気流式ジェットミルとしては、日本ニューマチック社製の「IDS」シリーズ等が挙げられる。
中粉砕物を微粉砕する工程には、機械的に被粉砕物を破壊する原理・構造を有する機械式粉砕機を用いることができる。
上記構造を有する機械式粉砕機としては、ロータ部とステータ部との間隙でトナーを磨砕しながら粉砕する機構を有する粉砕機が挙げられる。
本発明において好適に用いられる機械式粉砕機としては、ターボミル(ターボ工業社製)、クリプトロン(アーステクニカ社製)等が挙げられる。
続いて、上記工程により得られた粉砕物を分級機に供することが好ましい。
本発明において好適に用いられる分級機の具体例としては、微粉を除去する観点から、特開平11-216425号公報の図2、特開2004-78063号公報の図6に図示された分級機や、ホソカワミクロン社製の「TSP」シリーズ等の市販品等が挙げられるが、分級ロータを上下2段に備えた分級機の具体例として、特開2001-293438号公報の図1に図示された分級機や、ホソカワミクロン社製の「TTSP」シリーズ等の市販品等が好ましい。
かくして、本発明におけるカラートナーセットを構成するトナーが得られるが、さらに、各トナーには、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、樹脂微粒子等の有機微粒子等の外添剤を、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌可能な混合機によって、外添処理が施されていてもよい。
外添剤としては、スペーサー効果を発揮させる観点から、比重の小さいシリカが好ましい。シリカは、環境安定性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。疎水化の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。疎水化処理剤の処理量は、無機微粒子の表面積当たり1〜7mg/m2が好ましい。
外添剤の含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
本発明における各トナーの体積中位粒径(D50)は、機械式粉砕による生産性及び画質及び帯電性の観点から、3〜9μmであり、4〜8μmが好ましく、5〜7μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。各トナーの体積中位粒径(D50)の最大値と最小値の差が、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。
各色のトナーにおけるワックス平均分散径は、0.1〜1.0μmであることが好ましく、0.3〜1.0μmであることがより好ましい。なお、本明細書において、ワックス平均分散径は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
また、本発明においては、トナー色間の生産性及び対環境安定性を揃えることが目的であることから、得られた各色のトナーにおけるワックス平均分散径は、最大のワックス平均分散径(Wmax)と最小のワックス平均分散径(Wmin)の比(Wmax/Wmin)が、1.5以下であり、好ましくは1.1〜1.5、より好ましくは1.2〜1.4である。
本発明における各色のトナーは、平均円形度として、次式:
Figure 2009058822
により算出される円形度の平均値を有し、トナーの平均円形度は「粒子の投影像と同じ面積を有する円の周囲長」及び「粒子投影像の周囲長」はフロー式粒子像分析装置(FPIA-1000、FPIA-2000又はFPIA-3000;シスメックス社製)を用いて水分散系で測定を行って得られる値である。また、上記の分析装置による値は、数千個、少なくとも3000個の平均値として得られる値であるため、本発明における平均円形度の信頼性は極めて高い。なお、本明細書中において、平均円形度の測定装置は上記装置に限定されるものではなく、同様の原理により、平均円形度を上式に基づいて求めることができる装置であればいかなる装置によって測定されてもよい。
本発明における各色のトナーの平均円形度は、0.950以上であることが好ましく、0.952以上がより好ましく、0.955以上がさらに好ましい。機械式粉砕による生産性の観点から、平均円形度は0.970以下が好ましい。
また、画質及び帯電性の観点から各色のトナーの平均円形度は、最大の平均円形度と最小の平均円形度の差が0.010以下であり、0.001〜0.010が好ましく、0.001〜0.008がより好ましい。
本発明において得られる各色のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として、組み合わせてカラートナーセットに用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出する温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔ワックス平均分散径〕
ワックス平均分散径とは、ワックスの個数平均粒径のことであり、下記方法により求める。
トナーの断面をTEM(透過型顕微鏡)(日本電子社製、JEM2100)を用い、5000倍の倍率で観察し、ワックスドメインの長径と短径の平均値をワックス分散径とし、100個の粒子のワックス分散径の平均値を個数平均粒径とする。なお、トナー断面の各ワックスの輪郭に接するように引いた平行線のうち、その平行線間が最大となる平行線間の距離を長径とし、平行線間が最小となる平行線間の距離を短径とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔トナーの平均円形度〕
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)を用いて以下の条件において計測する。
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液10mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、さらに蒸留水10mLを加えた後、超音波分散機にてさらに1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:有効解析数を3000に設定し、トナーの形状及び分布を測定する。
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA-PO)3308g(90モル)、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA-EO)341g(10モル)、フマル酸792g(BPA-POとBPA-EOの総量100モルに対して65モル)、ハイドロキノン5g、及びジブチルスズオキサイド10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃から210℃まで5時間かけて昇温して反応させた後、8.3kPaにて1時間反応を行った。その後、無水トリメリット酸480g(BPA-POとBPA-EOの総量100モルに対して23.8モル)を投入し、1時間常圧(101.3kPa)で反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂の軟化点は155.8℃、ガラス転移点は64.7℃、酸価は33.2mgKOH/gであった。得られた樹脂を樹脂Aとする。
樹脂製造例2
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA-PO)1286g(35モル)、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA-EO)2218g(65モル)、テレフタル酸1603g(BPA-POとBPA-EOの総量100モルに対して92モル)、及びジブチルスズオキサイド10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂組成物を得た。得られた樹脂の軟化点は111.4℃、ガラス転移点は68.5℃、酸価は3.2mgKOH/gであった。得られた樹脂を樹脂Bとする。なお、本明細書において反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値で定義される値を意味する。
トナー製造例1〜10
表1に示すトナー原料をヘンシェルミキサーにて攪拌混合後、表2に示す条件で溶融混練した。なお、溶融混練における表2に示す以外の条件は、以下の記載の通りである。
〔溶融混練工程〕
ロール外径0.14m、有効ロール長0.7mの連続式二本ロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製)を使用した。連続式二本ロール型混練機の運転条件として、混練物供給口側端部のロール間隙(クリアランス)、高回転側ロール(フロントロール)周速度、低回転側ロール(バックロール)周速度、高回転側ロールの原料投入側温度及び混練物排出側温度、ならびに、低回転側ロールの原料投入側温度及び混練物排出側温度は表2に示す通りであった。また、原料混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は約10分間であった。ロール間隙及び低回転側ロールの周速度を調整することにより、最終的に得られるトナー中のワックス平均分散径を調整した。
次に、得られた混練物を冷却ローラーで圧延冷却した後、アトマイザーで粗粉砕し、以下に記載の中粉砕、微粉砕、外添工程を連続して行い、トナー1〜10を得た。
〔中粉砕工程〕
得られた粗粉砕物100重量部に対し、「アエロジル R-972」(日本アエロジル社製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、得られた混合物を「ジェットミルI−2」(日本ニューマチック工業)にて粉砕粒径が7.0〜7.5μmになるよう粉砕した。
〔微粉砕工程〕
得られた中粉砕物を、「ターボミルT400-RSS型」(ターボ工業社製、クリアランス0.7mm)にて機械式粉砕を行った。ロータの回転数は6500r/min、フィードは40kg/h、出口の排気温度は45℃以下に設定した。得られた粉砕品を「TTSP」(ホソカワミクロン社製)にて下限分級を行い、トナー母粒子を得た。
〔外添工程〕
得られたトナー母粒子100重量部に対し、「SI-Y」(日本アエロジル社製)1.0重量部及び「H13TM」(ワッカー社製)0.3重量部を10L容ヘンシェルミキサーにて3000r/min、180秒間混合し、外添処理を行いトナーを得た。得られたトナーの体積中位粒径(D50)及び平均円形度を表2に示す。
トナー製造例11
中粉砕工程を行わず、「ジェットミルI−2」(日本ニューマチック工業)にて微粉砕を行い、「TTSP」(ホソカワミクロン社製)にて下限分級を行った以外は製造例1と同様にしてトナー11を得た。得られたトナーの体積中位粒径(D50)及び平均円形度を表2に示す。
Figure 2009058822
Figure 2009058822
実施例1〜3及び比較例1〜2
表3に示すトナーを実施例1〜3及び比較例1〜2のトナーセットとして、以下の試験例1を行った。
試験例1〔帯電の環境安定性〕
有機感光体(OPC)を備えた非磁性一成分現像装置「MicroLine 5400」(沖データ社製)のカートリッジに各実施例及び各比較例のトナーセットを実装し、各カートリッジを低温低湿(10℃/30%RH)環境下に12時間放置したあとでプリンタに実装し、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のパッチを印字した。その後、高温高湿(35℃/80%RH)環境下にて各カートリッジを12時間放置した後に同様に、前記パッチを印字し、パッチ部分の画像濃度を「X-Rite」(X-Rite社製)にて測定し、その差ΔE(高温高湿環境下保存後の画像濃度−低温低湿環境下保存後の画像濃度)を算出した。R、G、BのパッチはそれぞれYとM、MとC、CとYの各色のトナーにより形成されるため、トナーの色ごとに帯電量の環境特性が違う場合、色相のズレが大きくなることから、以下の環境特性1、2の評価基準に従って、帯電の環境安定性を評価した。結果を表3に示す。
〔環境特性1の評価基準〕
R(YとM)、G(MとC)、B(CとY)のパッチにおいて、
◎:R、G、Bの低温低湿時と高温高湿時の濃度差ΔEの最大値が2.0未満
○:R、G、Bの低温低湿時と高温高湿時の濃度差ΔEの最大値が2.0以上4.0未満
△:R、G、Bの低温低湿時と高温高湿時の濃度差ΔEの最大値が4.0以上6.0未満
×:R、G、Bの低温低湿時と高温高湿時の濃度差ΔEの最大値が6.0以上
〔環境特性2の評価基準〕
単色パッチY、M、C、Kにおいて、
◎:それぞれの単色パッチの低温低湿時と高温高湿時の濃度差ΔEが2.0未満
○:それぞれの単色パッチの低温低湿時と高温高湿時の濃度差ΔEが2.0以上3.0未満
△:それぞれの単色パッチの低温低湿時と高温高湿時の濃度差ΔEが3.0以上4.0未満
×:それぞれの単色パッチの低温低湿時と高温高湿時の濃度差ΔEが4.0以上
Figure 2009058822
以上の結果より、実施例のトナーセットは、比較例のトナーセットに比べて、環境安定性に優れることが分かる。一方、最大のワックス平均分散径(Wmax)と最小のワックス平均分散径(Wmin)の比(Wmax/Wmin)が1.8である比較例1のトナーセットと、構成トナーのうち1色のトナーの製造においてでも機械式粉砕機を用いていない比較例2のトナーセットは、R、G、Bの色相のズレが大きく、帯電量の環境特性が劣るものである。また、実施例のトナーセットは、構成トナーがいずれも同じ粉砕条件で製造されたものであることから、生産性も良好であることが示唆される。
本発明により得られるカラートナーセットは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含む原料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕させることにより得られる、少なくとも4色のトナーを組み合わせるカラートナーセットの製造方法であって、各色のトナー中のワックス平均分散径のうち最大のワックス平均分散径(Wmax)と最小のワックス平均分散径(Wmin)の比(Wmax/Wmin)を1.5以下となる条件下で溶融混練し、得られた混練物を機械式粉砕機で粉砕して各色のトナーの平均円形度のうち最大の平均円形度と最小の平均円形度の差を0.010以下とすることを特徴とする、各色のトナーの体積中位粒径(D50)が3〜9μmのカラートナーセットの製造方法。
  2. 各色のトナーの平均円形度がそれぞれ0.950以上である、請求項1記載のカラートナーセットの製造方法。
  3. 各色のトナー中のワックス平均分散径がそれぞれ0.1〜1.0μmである、請求項1又は2記載のカラートナーセットの製造方法。
  4. 各色のトナー中のワックスの含有量が、各色のトナーに含まれる結着樹脂100重量部に対してそれぞれ3重量部以上である、請求項1〜3いずれか記載のカラートナーセットの製造方法。
  5. 溶融混練を連続式オープンロール型混練機を用いて行う、請求項1〜4いずれか記載のカラートナーセットの製造方法。
  6. 少なくとも4色のトナーからなるカラートナーセットであって、各色のトナーが少なくとも結着樹脂、ワックス及び着色剤を含む原料を溶融混練し、粉砕する工程を含む方法により得られ、各色のトナーのワックス平均分散径のうち、最大のワックス平均分散径(Wmax)と最小のワックス平均分散径(Wmin)の比(Wmax/Wmin)が1.5以下であり、前記粉砕を機械式粉砕機を用いて行い、各色のトナーの平均円形度のうち、最大の平均円形度と最小の平均円形度の差が0.010以下であり、各色のトナーの体積中位粒径(D50)がそれぞれ3〜9μmである、カラートナーセット。
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