JP4850535B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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工程(I):結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナー原料組成物と回収微粉とを溶融混練する工程、
工程(II):工程(I)で得られた混練物を冷却し、無機微粉末の存在下、粉砕する工程、及び
工程(III):工程(II)で得られた粉砕物を分級する工程
を含むものであり、工程(I)の溶融混練工程を、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機を用いて行い、前記トナー原料組成物の供給口とは異なる別の供給口から、工程(III)で発生した回収微粉を該混練機に供給して行う点に1つの特徴を有する。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
目的の粒径に対応した目開きXμmの篩を用意し、試料50gを篩の上に置いて篩分けする。篩上に残存した粗粉砕物が30重量%(15g)未満であるものをXμmの粒径とする。
トナーの体積中位粒径(D50)と同様の方法により測定する。
下記式より求める。
個数平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρは無機微粉末又は外添剤の比重であり、比表面積は原体の、外添剤の場合は疎水化処理前の原体の、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。シリカの比重は2.2であり、酸化チタンの比重は4.2である。
なお、上記式は、粒径Rの球と仮定して、
BET比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×密度
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン3308g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン341g、フマル酸792g、ハイドロキノン5g及びジブチルスズオキサイド10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃から210℃まで5時間かけて昇温して反応させた後、8.3kPaにて1時間反応を行った。その後、無水トリメリット酸480gを投入し、1時間常圧(101.3kPa)で反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は155.8℃、ガラス転移点は64.7℃、酸価は33.2mgKOH/gであった。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1286g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン2218g、テレフタル酸1603g及びジブチルスズオキサイド10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂Bを得た。樹脂Bの軟化点は111.4℃、ガラス転移点は68.5℃、酸価は3.2mgKOH/gであった。なお、反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
樹脂A60重量部、樹脂B40重量部、着色剤「ECB-301」(フタロシアニンブルー15:3,大日精化社製)3重量部、離型剤「カルナバワックス」(加藤洋行社製、融点:83℃)6重量部及び荷電制御剤「ボントロン E-84」(オリエント化学工業社製)3重量部をヘンシェルミキサーにより予備混合して得られたトナー原料組成物を、連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製)に供給して溶融混練を行った。
0.51Lに設置された供給口(供給口Y)から、トナー原料組成物100重量部に対して参考例1で回収したシアン微粉A20重量部を20kg/hで供給した以外は、参考例1と同様にしてシアントナーを得た。
連続式二本オープンロール型混練機において、供給口側の端部のロール間隙が0.20mm、混練物排出口側の端部のロール間隙が0.80mmとなるように、ロールを配置した以外は、実施例1と同様にしてシアントナーを得た。
参考例1の粉砕工程において、粗粉砕物を疎水性シリカの非存在下で微粉砕し、その後の下限分級により除去された微粉(以下、シアン微粉Bという)を別途回収した。シアン微粉Bの体積中位粒径(D50)は、4.3μmであった。
参考例1において回収したシアン微粉Aを供給口Yから混練機に供給せず、供給口Xから供給した以外は、実施例2と同様にしてシアントナーを得た。
オープンロール型混練機の代わりに、二軸押出機「PCM-45型」(池貝社製)を使用して、混練部のバレル温度を100℃、スクリュー回転数を200r/minに設定して溶融混練し、トナー原料組成物を50kg/hで供給した以外は、参考例1と同様にしてシアントナーを得た。
オープンロール型混練機の代わりに、二軸押出機「PCM-45型」(池貝社製)を使用して溶融混練した。
非磁性一成分現像装置「MICROLINE 100」(沖データ社製、感光体:負帯電性有機感光体)にトナーを実装し、印字率5%のチャートを50,000枚印刷した。印刷後、感光体ドラム表面への残留トナーの融着の発生状況とプリントアウトした画像への影響を目視で観察し、以下の評価基準に従って、耐久性(耐フィルミング性)を評価した。結果を表1に示す。
◎:トナー融着は未発生
○:トナー融着が感光体上に1〜2箇所確認されるが、画像への影響は無い
△:トナー融着が感光体上に3〜5箇所確認されるが、画像への影響は無い
×:トナー融着が感光体上に6箇所以上確認され、画像に欠陥が生じている
水スライドグラス(厚さ1mm、幅26mm、長さ76mm)上にトナー0.1gを拡散して乗せた後、軽く振って、粒子単位での観察が可能な程度に、過剰のトナーを除去した。スライドグラスを150℃のホットプレート上に乗せ、20秒間放置した後、スライドグラス上のトナーを、光学顕微鏡を用いて600倍の倍率で観察した。トナー中の原料の分散性を着色剤に注目し、参考例1で得られたトナーを基準にして以下の評価基準により評価した。結果を表1に示す。
◎:参考例1のトナーより着色剤が均一に分散している
○:参考例1のトナーと同程度に着色剤が分散している
△:参考例1のトナーより着色剤の凝集体が若干多く見られるが、印字画像へ影響はない
×:参考例1のトナーより着色剤の凝集体が多く、印字画像でも濁りが見られる
Claims (4)
- 結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナー原料組成物と回収微粉とを溶融混練する工程(I)、該工程(I)で得られた混練物を冷却し、無機微粉末の存在下、粉砕する工程(II)、及び、該工程(II)で得られた粉砕物を分級する工程(III)を含むトナーの製造方法であって、前記回収微粉が前記工程(III)で発生した微粉であり、前記工程(I)を、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の供給口と混練物排出口を備えた連続式オープンロール型混練機であって、2本のロールを備え、混練物排出口側の端部のロール間隙が供給口側の端部のロール間隙よりも広い連続式オープンロール型混練機を用いて、前記トナー原料組成物の供給口とは異なる別の供給口から、前記回収微粉を該混練機に供給して行うトナーの製造方法。
- さらに、工程(III)で得られた分級物を表面処理する工程(IV)を含む、請求項1記載のトナーの製造方法。
- 前記無機微粉末が、個数平均粒径が8〜100nmの無機酸化物である、請求項1又は2記載の製造方法。
- 前記トナー原料組成物の供給口より混練物排出口側で、かつ前記混練機の混練有効長をLとするとき、前記トナー原料組成物の供給口から混練物排出口側に向かって0.3L〜0.7Lの範囲に位置する供給口から前記回収微粉を供給する請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
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