JP2003186244A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

Info

Publication number
JP2003186244A
JP2003186244A JP2001380488A JP2001380488A JP2003186244A JP 2003186244 A JP2003186244 A JP 2003186244A JP 2001380488 A JP2001380488 A JP 2001380488A JP 2001380488 A JP2001380488 A JP 2001380488A JP 2003186244 A JP2003186244 A JP 2003186244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
wax
toner
temperature
kneading
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001380488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3727267B2 (ja
Inventor
Toshiharu Arita
俊治 有田
Yasuhisa Otani
泰久 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2001380488A priority Critical patent/JP3727267B2/ja
Publication of JP2003186244A publication Critical patent/JP2003186244A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3727267B2 publication Critical patent/JP3727267B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】連続印刷における耐フィルミング性に優れ、か
つ光沢性及び光透過性に優れた画像が得られるトナーを
生産性よく製造し得る方法を提供すること。 【解決手段】結着樹脂、着色剤及びワックスを含有した
組成物を混練機を用いて溶融混練し、得られた混練物
を、前記混練機排出時から10秒以内で前記ワックスの
融点以下の温度まで冷却し、次いで、Tg+5℃〜Tg
−5℃(ここで、Tgは前記結着樹脂のガラス転移点を
示す)の温度において1.5℃/秒以下の冷却速度で冷
却するトナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に
用いられるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷面の光沢の適正化は、特にフルカラ
ー印刷における重要な課題の一つである。従来、印刷光
沢はトナーを構成する結着樹脂の種類及び/又は配合組
成によって変わるが、定着特性などの制約から印刷光沢
を制御することはできず、また製造段階において印刷光
沢を向上させる手段も知られていない。
【0003】一方、フルカラー印刷においてはオフセッ
ト防止剤としてワックスをトナー中へ配合する技術が数
多く開示されている。ワックスの配合量が増加するとと
もに、現像機内の感光体に付着しフィルミングを起こす
ことは広く知られているが、これは、ワックスの配合量
が増加するとともに、混練してもトナー中にワックスの
一部が分散しないためである。
【0004】かかる問題を解決すべく、特許第3094
695号には、二軸押出機の設定温度がTm−20℃〜
Tm+20℃(式中、Tmは結着樹脂の溶融温度を示
す、以下同じ)の範囲で混練する技術、また特開200
0−75548号公報にはオープンロール型連続混練機
を用いて、溶融混練時の混練物の温度がTm−20℃〜
Tm+20℃の条件で溶融混練を行う工程を有するトナ
ーの製造方法が開示されている。しかしながら、混練工
程においてトナー中へ配合されているワックスの分散を
十分行っても、冷却方法が適正でないとワックスの分散
状態が悪化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、連続
印刷における耐フィルミング性に優れ、かつ光沢性及び
光透過性に優れた画像が得られるトナーを生産性よく製
造し得る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂、着
色剤及びワックスを含有した組成物を混練機を用いて溶
融混練し、得られた混練物を、前記混練機排出時から1
0秒以内で前記ワックスの融点以下の温度まで冷却し、
次いで、Tg+5℃〜Tg−5℃(ここで、Tgは前記
結着樹脂のガラス転移点を示す)の温度において1.5
℃/秒以下の冷却速度で冷却するトナーの製造方法に関
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では、トナーの製造過程に
おいて、溶融混練により得られた混練物をワックスの融
点以下の温度まで冷却する速度、及び混練物をTg+5
℃からTg−5℃(ここで、Tgは前記結着樹脂のガラ
ス転移点を示す)に冷却する際の冷却速度を調整してい
る点に特徴を有する。
【0008】ワックスの融点以下の温度までの混練物の
冷却速度を調整することにより、ワックスの再凝集を防
止することができる。そこで、本発明では、溶融混練後
の混練物を、ワックスの融点以下の温度まで、混練機排
出時から10秒以内、好ましくは5秒以内で冷却するこ
とにより、ワックスの再凝集によるフィルミングを効果
的に防止することができる。これは、ワックスが流動性
を失う温度まで急速に冷却することにより、溶融混練に
よるワックスの分散状態を維持することができるためと
推定される。
【0009】Tg+5℃からTg−5℃に冷却する際の
冷却速度を、1.5℃/秒以下、好ましくは0.5〜1
℃/秒に調整することにより、画像の光沢性及び光透過
性を向上させることができる。このような効果が得られ
る詳細は不明なるも、結着樹脂のガラス転移点近辺の温
度における冷却速度が結着樹脂の部分的な結晶性に影響
を与えているためと推定される。混練物を結着樹脂のガ
ラス転移点に近い温度であるワックスの融点以下の温度
から単に放置して自然冷却しても同様の効果は得られる
が、冷却に長時間を要するため生産性の観点から好まし
くない。
【0010】結着樹脂としては、ポリエステル、スチレ
ン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、
ポリウレタン等が挙げられ、これらの中では、低温定着
性能の観点から、ポリエステルが好ましい。ポリエステ
ルの含有量は、結着樹脂中、50〜100重量%が好ま
しく、90〜100重量%がより好ましく、100重量
%が特に好ましい。
【0011】ポリエステルの原料モノマーとしては、公
知の2価以上のアルコール成分と、2価以上のカルボン
酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知の
カルボン酸成分が用いられる。
【0012】アルコール成分としては、式(I):
【0013】
【化1】
【0014】(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン
基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、
好ましくは1.5〜5.0である)で表される化合物が
含有されていることが好ましい。
【0015】式(I)で表される化合物としては、ポリ
オキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)
オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げ
られる。また、他のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペン
タエリスリトール、トリメチログリコールプロパン、水
素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらの
アルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル
数1〜16)付加物等が挙げられ、これらの1種以上を
含有することが好ましい。
【0016】式(I)で表される化合物のアルコール成
分中の含有量は、5モル%以上、好ましくは50モル%
以上、より好ましくは100モル%が望ましい。
【0017】また、カルボン酸成分としては、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン
酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコ
ハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜
20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれら
の酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げら
れ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0018】ポリエステルは、例えば、アルコール成
分、カルボン酸成分等を不活性ガス雰囲気中にて、要す
ればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度
で縮重合することにより製造することができる。
【0019】ポリエステルの溶融温度は95〜140
℃、ガラス転移点は50〜80℃、酸価は1〜40mg
KOH/g、水酸基価は3〜60mgKOH/gである
ことが、それぞれ好ましい。
【0020】結着樹脂の溶融温度(Tm)は、好ましく
は95〜140℃、より好ましくは100〜125℃で
ある。溶融温度は、高化式フローテスター(CFT−5
00D、島津製作所(株)製)を用い、ダイスの細孔の
径1mm、長さ1mm、荷重196N/cm2 、昇温速
度6℃/minの条件下で1cm3 の試料を溶融流出さ
せたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に
相当する温度とする。
【0021】結着樹脂のガラス転移点(Tg)は50〜
80℃が好ましく、55〜70℃がより好ましい。ガラ
ス転移点は、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、
DSC220)を用いて200℃まで昇温し、その温度
から降温速度100℃/分で−10℃まで冷却したサン
プルを昇温速度10℃/分で測定した際に、得られた吸
熱曲線の接線と最大ピーク温度以下のベースラインとの
交点の温度とする。
【0022】着色剤としては、トナー用着色剤として用
いられている染料、顔料等のすべてを使用することがで
き、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマ
ネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレッ
ト、ピグメントグリーンB 、ローダミン−B ベース、ソ
ルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベント
ブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー
等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して
用いることができ、本発明において、トナーは黒トナ
ー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであって
もよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対
して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がよ
り好ましい。
【0023】ワックスとしては、カルナバワックス、ラ
イスワックス等の天然ワックス、ポリプロピレンワック
ス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ
等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワック
ス、アルコール系ワックス、エステル系ワックス等が挙
げられ、これらは単独でまたは2種以上を併用してもよ
く、またこれらのなかでは、速やかにブリードアウトし
やすいことから、カルナバワックスが好ましい。
【0024】ワックスの融点は、トナーを比較的低温で
定着させる観点から、Tm以下の温度であることが好ま
しく、より好ましくは90℃以下、特に好ましくは86
℃以下である。また、保存安定性の観点からは、70℃
以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。従って、
これらの観点から、ワックスの融点は、70℃〜Tmが
好ましく、80〜90℃がより好ましく、80〜86℃
が特に好ましい。
【0025】ワックスの含有量は、結着樹脂100重量
部に対して、3〜20重量部、好ましくは5〜15重量
部、より好ましくは5〜10重量部である。通常、ワッ
クスの含有量が増加すると、トナー内で凝集したワック
スが感光体に付着してフィルミングの原因となる。しか
しながら、本発明では、ワックスをトナー中に微細に分
散させることができるため、ワックスを多量に含有して
いても、フィルミングを生じることなく、印刷光沢に一
層優れたトナーを得ることができる。
【0026】さらに、組成物には、荷電制御剤、離型
剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物
質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニ
ング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
【0027】結着樹脂、着色剤及びワックスを含有した
組成物は、ヘンシェルミキサー等で予備混合した後に、
溶融混練に供するのが好ましい。
【0028】組成物の溶融混練には、密閉式ニーダー、
1軸又は2軸の押出機等を用いることができるが、本発
明では、加熱機能及び冷却機能を有するオープンロール
型連続混練機を用いるのが好ましい。
【0029】オープンロール型連続混練機は、2本のロ
ールが並行に近接して配設された混練機であり、各ロー
ルは、熱媒体を通すことにより加熱又は冷却を行うこと
ができる。かかるオープンロール型連続混練機は、加熱
ロールと冷却ロールを備えていることから、また、溶融
混練する部分がオープン型であることから、溶融混練の
際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。
【0030】2本のロールの間隙は、好ましくは0.1
〜10mm、更に好ましくは0.1〜3mmである。ま
た、各ロールの構造、大きさ、材料等について特に限定
はなく、ロール表面は、平滑であってもよく、波型、凸
凹型等であってもよい。
【0031】また、ロールの回転数は、周速度2〜10
0m/minであることが好ましい。また、2本のロー
ルの回転数比は、1/10〜9/10(冷却ロール/加
熱ロール)であることが好ましい。
【0032】溶融混練は、混練物の温度が、Tm−20
℃〜Tm+20℃、より好ましくはTm−10℃〜Tm
+10℃となる条件で行うのが好ましい。なお、本発明
において、混練物の温度とは、ロールに付着した混練物
自体の温度を指し、非接触式レーザー型温度計で測定す
る。
【0033】溶融混練後、得られた混練物を、前記冷却
速度に調整して冷却する。
【0034】冷却手段は、特に限定されず、空冷式、水
冷式、スチール製の冷却ベルト方式、ドラム式等の公知
の冷却方法を用いることができる。例えば、図1や図2
に示す圧延装置付きの冷却機を用いてもよい。図1に示
す冷却機では、混練物1をプレスローラー2で圧延して
混練物の厚みを整え、冷却エアー4で冷却後、ベルトコ
ンベア3から排出された混練物をさらに振動コンベア6
上で冷却エアー5を用いて冷却することができる。従っ
て、図1に示す冷却では、冷風による冷却を行うが、例
えば、冷却エアー4は10℃、冷却エアー5は40℃と
いうように冷却エアーの温度を変えることにより、冷却
速度を調整することができる。図2に示す冷却機は、ス
チール製の冷却ベルト方式を採用しており、混練物1を
プレスローラー2で圧延して混練物の厚みを整え、混練
物を上下のスチールベルト7、8で挟み込んで搬送しな
がら冷却水9、10により冷却することができる。従っ
て、図2に示す冷却機では、冷却水9と冷却水10の温
度をそれぞれ変えることにより、冷却ゾーンを分割して
設けて、冷却速度を調整することができる。
【0035】冷却した混練物を、粉砕、分級等の公知の
工程でさらに処理することにより、トナーを製造するこ
とができる。
【0036】粉砕に用いられる粉砕装置としては、例え
ば、ジェットミル、衝突板式ミル、回転型機械ミル等が
挙げられる。
【0037】分級に用いられる分級装置としては、例え
ば、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げら
れる。
【0038】トナーの重量平均粒径は、5〜15μmが
好ましく、トナーの表面には、さらに疎水性シリカ等の
流動性向上剤等が外添剤として添加されていてもよい。
重量平均粒径は実施例に示す方法により求められる。
【0039】本発明により得られるトナーは、磁性体微
粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体
微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤とし
て、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として
使用することができる。
【0040】
【実施例】実施例1 ・ポリエステル樹脂(ガラス転移点(Tg):62℃、
溶融温度(Tm):114℃)100重量部(酸成分:
テレフタル酸42重量部、トリメリット酸34重量部、
ドデセニルコハク酸24重量部;アルコール成分:ポリ
オキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン28重量部、ポリオキシプロピ
レン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン72重量部) ・銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント・ブルー
(C. I. Pigment Blue)15:3) 3重量部 ・カルナバワックス(融点:82℃) 7重量部
【0041】以上の原料からなる組成物15kgを、ヘ
ンシェルミキサー(有効容量:75リットル)を用い、
羽根回転数を1200回転/分にて3分間混合した後、
テーブルフィーダーにて、オープンロール型連続混練機
「ニーデックス」(三井鉱山(株)製)に供給して溶融
混練した。
【0042】溶融混練にした使用したオープンロール型
連続混練機は、ロール外径0.14〔m〕、有効ロール
長0.8〔m〕のものであり、運転条件は、高回転側ロ
ール(前ロール)回転数75回転/分、低回転側ロール
(後ロール)回転数50回転/分、ロール間隙0.00
01〔m〕であった。ロール内の加熱及び冷却媒体温度
は、高回転ロールの原料投入側温度150℃、混練物排
出側温度100℃、低回転ロールの温度30℃に設定し
た。ロールに付着した混練物の温度は、原料投入側では
126℃、混練物排出側では115℃であり、排出時の
混練物温度は111℃であった。また、原料混合物の供
給速度は20kg/時であった。
【0043】次に、得られた混練物を、概略構造図が図
1に相当する冷却機を用いて冷却した。混練物1をプレ
スローラー2で圧延して混練物の厚みを整え、8℃の冷
却エアー4で冷却した。ベルトコンベア3から排出され
た混練物の温度は、ワックスの融点(82℃)以下であ
る75℃であり、混練物が混練機排出からベルトコンベ
ア3から排出されるまでの時間は7秒であった。ベルト
コンベア3から排出された75℃の混練物を振動コンベ
ア6上で35℃の冷却エアー5を用いて冷却した。振動
コンベア6出口での混練物の温度は45℃、振動コンベ
ア6での混練物の滞留時間は30秒であった。
【0044】ここで、高温物体を冷却媒体を用いてTa
℃からTd ℃に冷却した際の冷却時間がtz (秒)であ
る場合、一般に、Tb ℃からTc ℃における冷却時間t
x (秒)は、式(II):
【0045】
【数1】
【0046】(式中、Ta 〜Td はTa >Tb >Tc
d の関係を有し、TW は冷却媒体の温度(℃)を示
す。)により求められる(化学工学講義シリーズ「熱的
単位操作(上)」(昭和51年9月25日)丸善、18
7〜188頁)。従って、本実施例1においては、式
(I)にTa =75、Tb =67、Tc =57、Td
45、tz =30、TW =35を代入することにより、
67(=Tg+5)℃から57(=Tg−5)℃への冷
却時間tx は8.1秒となり、67℃から57℃への冷
却速度は、(67−57)/8.1=1.2℃/秒と算
出される。
【0047】冷却した混練物を粉砕、分級し、重量平均
粒径が9μmのトナーを得た。なお、トナーの重量平均
粒径は、コールターカウンターにて測定した。得られた
トナー100重量部に対し、コロイダルシリカ2重量部
を外添して、現像剤とした。
【0048】実施例2 ベルトコンベア3から排出された75℃の混練物を振動
コンベア6上で40℃の冷却エアー5を用いて冷却し、
振動コンベア6出口での混練物の温度が47℃、振動コ
ンベアでの混練物の滞留時間は35秒であった以外は、
実施例1と同様にして、重量平均粒径が9μmのトナー
を得た。得られたトナー100重量部に対し、コロイダ
ルシリカ2重量部を外添して、現像剤とした。なお、本
実施例2における67(=Tg+5)℃から57(=T
g−5)℃への冷却時間tx は、前記式(II)より、1
0.1秒であり、従って、67℃から57℃への冷却速
度は1.0℃/秒となる。
【0049】比較例1 溶融混練により得られた混練物を30℃の冷却エアー4
で冷却し、混練物が混練機排出からベルトコンベア3か
ら排出されるまでの時間が10秒であり、排出された混
練物の温度がワックスの融点以上である88℃であった
以外は、実施例1と同様にして、重量平均粒径が9μm
のトナーを得た。得られたトナー100重量部に対し、
コロイダルシリカ2重量部を外添して、現像剤とした。
【0050】比較例2 ベルトコンベア3から排出された75℃の混練物を振動
コンベア6上で15℃の冷却エアー5を用いて冷却し、
振動コンベア6出口での混練物の温度が45℃、振動コ
ンベアでの混練物の滞留時間は13秒であった以外は、
実施例1と同様にして、重量平均粒径が9μmのトナー
を得た。得られたトナー100重量部に対し、コロイダ
ルシリカ2重量部を外添して、現像剤とした。なお、本
比較例2における67(=Tg+5)℃から57(=T
g−5)℃への冷却時間tx は、前記式(II)より、
4.0秒であり、従って、67℃から57℃への冷却速
度は2.5℃/秒となる。
【0051】試験例1 実施例及び比較例で得られたトナーを「SPEEDIA
N5」(カシオ計算機(株)製)に実装し、印字率4
%の画像を1万枚連続して印刷した。1万枚目の画質を
目視にて判断し、以下の基準に従って、印刷耐久性を評
価した。結果を表1に示す。
【0052】〔評価基準〕 ◎:画像が特に鮮明である。 ○:画像が鮮明である。 △:画像がやや不鮮明である。 ×:感光体へのフィルミングが発生し、画像に白すじが
発生している。
【0053】試験例2 試験例2と同じ装置にトナーを実装し、ベタ画像を10
枚連続して印刷した。10枚目のベタ画像の光沢を印刷
面の光沢度を測定して評価した。さらに、OHP用紙に
印刷したベタ画像の画質を目視にて判断し、以下の基準
に従って、画像の光沢及び光透過性を評価した。結果を
表1に示す。
【0054】〔光沢の評価〕得られた画像の光沢度をグ
ロスチェッカー「IG−330」(堀場製作所(株)
製)を用いて、入射角度60°で測定し、以下の評価基
準により評価した。 (評価基準) ◎:13%以上、 ○:10%以上13%未満、 ×:
10%未満
【0055】〔光透過性の評価〕画像が特に明るく鮮明
であるものを「◎」、画像が明るく鮮明であるものを
「○」、画像が暗く不鮮明であるものを「×」として評
価した。
【0056】
【表1】
【0057】以上の結果より、混練物を所望の冷却速度
で冷却して得られた実施例1及び2のトナーは、連続印
刷における耐フィルミング性に優れ、かつ光沢性及び光
透過性に優れた画像が得られていることが分かる。これ
に対し、ワックスの融点以下の温度までの冷却速度が遅
い比較例1のトナーでは、ワックスの再凝集によるフィ
ルミングが発生し、光透過性に欠けている。また、ガラ
ス転移点近辺での冷却速度が速い比較例2のトナーは、
耐フィルミング性には優れているものの、得られる画像
の光沢性、光透過性に欠けている。
【0058】
【発明の効果】本発明により、連続印刷における耐フィ
ルミング性に優れ、かつ光沢性及び光透過性に優れた画
像が得られるトナーを生産性よく製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に用いられる冷却機の一実施態
様を示す概略構造図である。
【図2】図2は、本発明に用いられる冷却機の一実施態
様を示す概略構造図である。
【符号の説明】
1 混練物 2 プレスローラー 3 ベルトコンベア 4 冷却エアー 5 冷却エアー 6 振動コンベア 7 上側スチールベルト 8 下側スチールベルト 9 冷却水 10 冷却水

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤及びワックスを含有し
    た組成物を混練機を用いて溶融混練し、得られた混練物
    を、前記混練機排出時から10秒以内で前記ワックスの
    融点以下の温度まで冷却し、次いで、Tg+5℃〜Tg
    −5℃(ここで、Tgは前記結着樹脂のガラス転移点を
    示す)の温度において1.5℃/秒以下の冷却速度で冷
    却するトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 得られた混練物を、Tg+5℃〜Tg−
    5℃の温度において0.5〜1℃/秒の冷却速度で冷却
    する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ワックスの融点が90℃以下である請求
    項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 結着樹脂のガラス転移点が50〜80℃
    である請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 組成物の溶融混練を、加熱機能及び冷却
    機能を有するオープンロール型連続混練機を用いて行う
    請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
JP2001380488A 2001-12-13 2001-12-13 トナーの製造方法 Expired - Fee Related JP3727267B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001380488A JP3727267B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001380488A JP3727267B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 トナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003186244A true JP2003186244A (ja) 2003-07-03
JP3727267B2 JP3727267B2 (ja) 2005-12-14

Family

ID=27591528

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001380488A Expired - Fee Related JP3727267B2 (ja) 2001-12-13 2001-12-13 トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3727267B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008040168A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Kao Corp 電子写真用トナーの製造方法
JP2009058822A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Kao Corp カラートナーセットの製造方法
US7723002B2 (en) 2003-09-26 2010-05-25 Kao Corporation Toner for electrostatic image development

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0297969A (ja) * 1988-10-05 1990-04-10 Canon Inc 熱ローラー定着用トナー
JPH06161153A (ja) * 1992-11-24 1994-06-07 Minolta Camera Co Ltd 電子写真用トナーの製造方法
JPH07152205A (ja) * 1993-11-26 1995-06-16 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像用トナーの製造方法
JPH1138677A (ja) * 1997-07-16 1999-02-12 Ricoh Co Ltd 静電荷現像用トナーおよびその製造方法
JP2001042567A (ja) * 1999-05-26 2001-02-16 Ricoh Co Ltd 混練押出装置、並びにトナー及びその製造方法
JP2001142248A (ja) * 1999-11-12 2001-05-25 Ricoh Co Ltd 中間転写方式画像形成用トナーおよび該トナーを用いた中間転写方式画像形成方法
JP2001318484A (ja) * 2000-02-28 2001-11-16 Konica Corp 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法並びに画像形成方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0297969A (ja) * 1988-10-05 1990-04-10 Canon Inc 熱ローラー定着用トナー
JPH06161153A (ja) * 1992-11-24 1994-06-07 Minolta Camera Co Ltd 電子写真用トナーの製造方法
JPH07152205A (ja) * 1993-11-26 1995-06-16 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像用トナーの製造方法
JPH1138677A (ja) * 1997-07-16 1999-02-12 Ricoh Co Ltd 静電荷現像用トナーおよびその製造方法
JP2001042567A (ja) * 1999-05-26 2001-02-16 Ricoh Co Ltd 混練押出装置、並びにトナー及びその製造方法
JP2001142248A (ja) * 1999-11-12 2001-05-25 Ricoh Co Ltd 中間転写方式画像形成用トナーおよび該トナーを用いた中間転写方式画像形成方法
JP2001318484A (ja) * 2000-02-28 2001-11-16 Konica Corp 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法並びに画像形成方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7723002B2 (en) 2003-09-26 2010-05-25 Kao Corporation Toner for electrostatic image development
JP2008040168A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 Kao Corp 電子写真用トナーの製造方法
JP2009058822A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Kao Corp カラートナーセットの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3727267B2 (ja) 2005-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3219688B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JP5361046B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5059560B2 (ja) 電子写真用トナー
JP3686357B2 (ja) トナーの製造方法
JP3727267B2 (ja) トナーの製造方法
JP4021277B2 (ja) トナーの製造方法
JP4027926B2 (ja) トナーの製造方法
JP3926246B2 (ja) トナーの製造方法
JP3942958B2 (ja) トナーの製造方法
JP5298952B2 (ja) 画像形成用トナー、一成分現像剤、二成分現像剤、画像形成方法、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP5101270B2 (ja) トナーの製造方法
JP2006227431A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4086180B2 (ja) ヒートロール定着用トナーの製造方法
JP2007093808A (ja) 電子写真用トナー用結着樹脂
JP2003280272A (ja) トナーの製造方法
JP3092917B2 (ja) 非磁性一成分用トナー
JP3677490B2 (ja) トナーの製造方法
JP3991037B2 (ja) トナーの製造方法
JP3942944B2 (ja) トナーの製造方法
JP4317379B2 (ja) トナーの製造方法
JP2004252226A (ja) トナー
JP4424614B2 (ja) トナーの製造方法
JP2003029460A (ja) トナーの製造方法
JP2005077721A (ja) トナーの製造方法
JP2004252227A (ja) トナーの製造方法およびトナー

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20031218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050921

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050927

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3727267

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101007

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111007

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121007

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131007

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees