JP4086180B2 - ヒートロール定着用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フルカラープリンタにおける低電力化、小型化の流れの中で、フルカラートナーのオイルレス定着に対する要求が高まっている。オイルレス定着が可能なトナーとして、特定のポリエステルに低融点ワックスを含有させたトナーが特開2000−214638号公報に開示されているが、定着性、発色性、耐久性等の低下が問題となる場合があり、更なる改良が求められている。
【0003】
さらに、高速化の観点から、高速機におけるトナーの耐久性と定着性の改善が望まれており、特に、オイルレス定着可能で、かつマシンの単色印字速度が100mm/sec〜350mm/sec程度のフルカラープリンタでの耐久性と定着性の両立が可能なトナーは未だ報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高速機に用いた場合であっても、定着性、発色性及び耐久性に優れたトナーの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、オイルレス定着可能なトナーの製造について検討した結果、オープンロール型混練機を用いることにより、離型剤、特に低融点ワックスの分散性が向上し、さらに、ガラス転移点が70℃以上のポリエステルを結着樹脂として用いることにより、耐久性の向上のみならず、定着可能温度域も広がることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤をオープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有するトナーの製造方法であって、前記結着樹脂として、ガラス転移点が70℃以上、重量平均分子量が5万以上のポリエステルを、全結着樹脂中、10〜50重量%用い、離型剤として、ヒドロキシ酸エステルを含有してなる離型剤を用いるトナーの製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明では、結着樹脂として、ガラス転移点の高いポリエステル(以下、高Tgポリエステルという)を用いることにより、トナーの耐久性のみならず、定着可能温度域までも広げることができる。さらに、仮説ではあるが、かかるポリエステルをオープンロール型混練機を用いて溶融混練することにより、トナー中に、線型ポリエステルでは達成されない、フルカラートナーに要求される透明性及び発色性に優れた高分子量成分を得ることができるのではないかと推定される。
【0008】
高Tgポリエステルのガラス転移点は、70℃以上であり、好ましくは70〜135℃、より好ましくは70〜80℃である。ガラス転移点は、原料モノマー中の芳香族化合物の濃度を高めて、剛直なポリエステルを設計したり、原料モノマー中の架橋剤の配合比、反応時間等を検討することにより、調整することができる。
【0009】
高Tgポリエステルの重量平均分子量は、トナーの耐久性及びトナー製造時の製造性の観点から、5万以上が好ましく、5万〜10万がより好ましい。
【0010】
高Tgポリエステルの使用量は、トナー耐久性、保存性及び色再現性の観点から、全結着樹脂中、10〜50重量%であり、好ましくは30〜50重量%、より好ましくは30〜45重量%である。
【0011】
高Tgポリエステルの原料モノマーとしては、2価以上のアルコールからなるアルコール成分と、2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸化合物からなるカルボン酸成分が用いられる。
【0012】
アルコール成分としては、式(I):
【0013】
【化1】
【0014】
(式中、Rは炭素数2〜4のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16である)で表される化合物が含有されていることが好ましい。
【0015】
式(I)で表される化合物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。また、その他のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール成分等が挙げられる。
【0016】
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等のジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸、これらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。
【0017】
高Tgポリエステルはアルコール成分とカルボン酸成分を、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合させることにより製造することができる。
【0018】
高Tgポリエステルの酸価は、着色剤の分散性、トナーの帯電性の観点から、0.5〜60mgKOH/gが好ましく、水酸基価は、1〜60mgKOH/gが好ましい。また、ポリエステルの軟化点は、80〜165℃が好ましい。
【0019】
本発明においては、結着樹脂として、さらに、ガラス転移点が70℃未満のポリエステル、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、2種以上の樹脂成分が部分的に化学結合したハイブリッド樹脂等の樹脂を用いるのが好ましく、これらの中では、色再現性及び透明性の観点から、ガラス転移点が70℃未満の線型ポリエステルがより好ましい。
【0020】
ガラス転移点が70℃未満の線型ポリエステルも、高Tgポリエステルと同様にして製造することができるが、ガラス転移点を考慮して、原料モノマー中の芳香族化合物の濃度を調整することが好ましい。また線型のものを得るために、3価以上のカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、5モル%以下であるのが好ましい。
【0021】
なお、本発明において、ハイブリッド樹脂は、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーから得られたものであっても、さらに2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
【0022】
従って、ハイブリッド樹脂としては、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマー、好ましくはポリエステルの原料モノマーとビニル系樹脂の原料モノマーを混合し、該二つの重合反応を行わせることにより得られる樹脂が好ましく、具体的には、特開平10−087839号公報に記載のハイブリッド樹脂が好ましい。
【0023】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれにも使用することができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0024】
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、特に限定されないが、本発明では、後述するヒドロキシ酸エステルを含有した低融点の離型剤が好ましい。
【0025】
ヒドロキシ酸エステルを含有した離型剤としては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然ワックス、セリル−ω−ヒドロキシセロテート(Ceryl-ω-hydroxycerotate) 、セリル−ω−ヒドロキシメリセート(Ceryl-ω-hydroxymelissate)、ミリシル−ω−ヒドロキシメリセート(Myricyl-ω-hydroxymelissate)等のヒドロキシ酸エステルを含有した合成ワックス等が挙げられる。離型剤におけるヒドロキシ酸エステルの含有量は、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、40重量%以上が特に好ましく、50重量%以上が最も好ましい。
【0026】
ヒドロキシ酸エステルを含有した低融点の離型剤の融点は、保存性及び耐オフセット性の観点から、好ましくは65〜110℃、より好ましくは70〜100℃である。
【0027】
ヒドロキシ酸エステルを含有した離型剤の含有量は、耐オフセット性及び定着性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは5〜25重量部、より好ましくは7〜20重量部である。
【0028】
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を、オープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有する方法であれば特に限定されない。
【0029】
溶融混練工程は、例えば、結着樹脂、着色剤及及び離型剤を含み、必要に応じて添加剤を併用した原料を、ヘンシェルミキサー等の混合機で適宜混合し、テーブルフィーダー、減算式スクリューフィーダー等を用いてオープンロール型混練機に投入して行うことができる。なお、原料は、混練機のロールをロール間で下向きに回転するように互いに逆方向に回転させたロールの上面又はその間隙に投入することが好ましい。
【0030】
本発明で用いるオープンロール型混練機としては、回転速度の異なる2本のロールを有する二本ロール型混練機であるのが好ましく、また、生産効率と設備の簡素化の観点から連続式の混練機であるのが好ましい。
【0031】
ロールの回転速度は、回転速度が速い方のロール(高回転ロール)では、50〜150r/minが好ましく、50〜100r/minがより好ましい。また、回転速度が遅い方のロール(低回転ロール)では、高回転ロールの回転速度よりも、10〜75r/min、より好ましくは10〜30r/min低回転であるのが好ましい。
【0032】
混練物が高回転ロールに張りつきやすくするために、高回転ロールの温度は結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも高く、低回転ロールの温度は結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも低く調整されているのが好ましい。
【0033】
高回転ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれかの高い方の温度よりも、0〜80℃高いことがより好ましく、0〜50℃高いことが特に好ましい。また、低回転ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも低いことが好ましく、そのいずれかの低い方の温度よりも、0〜80℃低いことがより好ましく、40〜80℃低いことが特に好ましい。
【0034】
高回転ロールと低回転ロールの温度の差は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。なお、ロールの温度は、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
【0035】
2本のロールは互いに近接して配設されているのが好ましく、ロールの間隙は、0.01〜5mmが好ましく、0.05〜2mmがより好ましい。
【0036】
ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよい。
【0037】
さらに、オープンロール型混練機を用いて溶融混練した混練物を、例えば、冷却、粉砕、分級工程等の公知の粉砕トナーの製造工程に供することにより、トナーを得ることができる。
【0038】
本発明により得られるトナーの体積平均粒子径は3〜15μmが好ましい。また、トナーと疎水性シリカ等の流動性向上剤等の外添剤とをスーパーミキサー、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機等で攪拌混合することにより、トナー表面に外添剤を添加してもよい。
【0039】
本発明の方法により得られるトナーは、離型剤の分散性に優れており、耐オフセット性に極めて優れているため、オイル供給装置を備えていないヒートロール定着装置を有する印字装置に好適に使用することができる。かかる印字装置のシートスピードは、特に限定されないが、単色印字速度が100〜350mm/secの高速装置に特に好適に用いることができる。ここで、オイル供給装置とは、オイルタンクを有し、定量的にオイルをヒートロール表面に塗布する機構を有する装置の他、オイルを予め含浸させたロールをヒートロールに接触させるような機構を有する装置等を含む。
【0040】
【実施例】
〔軟化点〕
高化式フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、樹脂の半分が流出する温度を軟化点とする(試料:1g、昇温速度:6℃/分、荷重:1.96MPa、ノズル:1mmφ×1mm)。
【0041】
〔ガラス転移点及び融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
【0042】
〔酸価及び水酸基価〕
JIS K0070の方法により測定する。
【0043】
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン540g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン215g、テレフタル酸255g、n−ドデセニル無水琥珀酸31.5g及び酸化ジブチル錫4gの混合物を、温度計、ステンレス攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を装備した4つ口フラスコに入れ、電熱マントル中で230℃に昇温させて窒素気流下で反応させた。反応により生成する水が流出しなくなった時点で測定した酸価が、1.5mgKOH/gであった。
さらに、無水トリメリット酸94gを加えて8時間反応させ、環球法による軟化点が130℃に達した時点で反応を終了させて、淡黄白色の固体として、架橋ポリエステル(樹脂A)を得た。樹脂Aのガラス転移点は74℃、酸価は25mgKOH/g、水酸基価は26mgKOH/g、重量平均分子量は18万であった。
【0044】
樹脂製造例2
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン350g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン975g、テレフタル酸299g、トリメリット酸2g及び酸化ジブチル錫4gの混合物を、温度計、ステンレス攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を装備した4つ口フラスコに入れ、電熱マントル中で230℃に昇温させて窒素気流下で反応させた。反応により生成する水が流出しなくなった時点で、フラスコ内を減圧し、樹脂製造例1と同様にして、軟化点が110℃に達するまで反応させて、白色の固体として線型ポリエステル(樹脂B)を得た。樹脂Bのガラス転移点は64℃、酸価は6.0mgKOH/g、水酸基価は39mgKOH/gであった。
【0045】
実施例1、2、比較例1、2
表1に示す結着樹脂、青色顔料「ECB−301」(大日精化社製)3.5重量部、離型剤「カルナバワックス C1」(加藤洋行社製、ヒドロキシ酸エステルの含有率:38〜40重量%、融点:79℃)5.0重量部及び荷電制御剤「LR−147」(日本カーリット社製)1.2重量部からなる原料3kgを、ヘンシェルミキサー(有効容量:10リットル)を用い、羽根回転数を2300回転/分に設定して3分間予備混合を行った。
【0046】
得られた原料混合物をテーブルフィーダーにて、オープンロール型連続式混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製)に供給して混練を行い、混練物を得た。この際に使用したオープンロール型連続式混練機は、ロール外径が0.14m、有効ロール長が0.8mのものであり、運転条件は、高回転側ロール(前ロール)の回転数が75回転/分、低回転側ロール(後ロール)の回転数が50回転/分、ロール間隙が0.1mmであった。ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側の温度を150℃、混練物排出側の温度を130℃、低回転ロールの原料投入側の温度を35℃及び混練物排出側の温度を30℃に設定した。また、原料混合物の供給速度は5kg/時、平均滞留時間は約5分間であった。
【0047】
得られた溶融混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmφのスクリーンを有するミルにて粗砕した。次に、この粗砕物を衝突板型ジェットミルにて粉砕し、さらに、サイクロン型風力分級機にて粗粉及び微粉を除去し、体積平均粒径が8.0μmの粉体を得た。なお、トナーの平均粒径は、コールターカウンターにて測定した。
【0048】
得られた粉体100重量部に対し、疎水性シリカ「R−972」(キャボット製)2重量部を、ヘンシェルミキサーにより混合し、シアントナーを得た。
【0049】
比較例3
オープンロール型連続式混練機の代わりに、2軸型連続混練機「PCM−30」((株)池貝製)を使用して、溶融混練を行った以外は、実施例1と同様にして、シアントナーを得た。なお、混練機のシリンダー温度を80℃に設定し、回転数は200回転/分に設定した。また、原料混合物の供給速度は5kg/時、平均滞留時間は約1分間であった。
【0050】
試験例1
「マイクロライン3010c」(沖電気製)を、1分間に32枚印字できるように改造した装置に、トナーを実装し、定着温度を変化させながら、紙上へのトナー付着量が1.3mg/cm2 となるように現像条件を設定して画像出しを行い、定着可能温度域を調べた。ここで定着可能温度域とは、コールドオフセット消滅温度から、ホットオフセット発生温度もしくは紙が定着器に巻き付くまでの温度をいう。なお、定着可能領域で得られた画像の発色性に関しては、少量のトナーをスライドガラス上にのせ、200℃のホットプレートにより3分間加熱し、その後顕微鏡で着色剤の分散性を観察して評価した。結果を表1に示す。
【0051】
〔発色性の評価基準〕
◎: 着色剤が均一に分散している。
○: 着色剤の分散がやや悪いが、実使用上問題がない。
×: 着色剤の分散状態が悪い。
【0052】
試験例2
試験例1と同様の装置を用い、印字率5%で10000枚の画像出しを行った後、ベタ画像を印刷して、画像上の白スジの発生状況及びベタ追従性を目視にて観察し、耐久性として評価した。結果を表1に示す。
【0053】
〔ベタ追従性の評価基準〕
◎: カスレがなく良好。
○: ややカスレあり。
×: カスレあり。
【0054】
【表1】
【0055】
以上の結果より、実施例1、2で得られたトナーは定着可能領域が広く、発色性に優れ、かつ白スジの発生やベタ追従性の低下がみられない高品質な画像が得られていることが分かる。これに対し、比較例1における発色性の低下は、ガラス転移点の高いポリエステルを過剰量で使用しているために、透明性及び適度な光沢性が維持されておらず、比較例2において、定着可能領域が狭く、耐久性が低下しているのは、ガラス転移点の高いポリエステルの使用量が少なすぎて、荷電制御剤の分散性を向上させる効果が発揮されていないためと、それぞれ推定される。また、実施例1と比較例3の対比より、オープンロール型混練機の使用により、着色剤や離型剤の分散性が向上することが分かる。
【0056】
【発明の効果】
本発明により、高速機に用いた場合であっても、定着性及び発色性に優れ、かつ多数枚を印字した際にも、画像に白スジが発生することのない耐久性に優れたトナーを、オープンロール型混練機を用いて製造することができる。
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤をオープンロール型混練機を用いて溶融混練する工程を有するヒートロール定着用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂として、ガラス転移点が70℃以上、重量平均分子量が5万以上のポリエステルを、全結着樹脂中、10〜50重量%用い、離型剤として、ヒドロキシ酸エステルを含有してなる離型剤を用いるヒートロール定着用トナーの製造方法。
- さらに、結着樹脂としてガラス転移点が70℃未満の線型ポリエステルを用いる請求項1記載の製造方法。
- オープンロール型混練機が回転速度の異なる2本のロールを有する二本ロール型混練機であり、回転速度が速い方のロールの温度は結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも高く、回転速度が遅い方のロールの温度は結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも低く調整されている請求項1又は2記載の製造方法。
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