JP4500242B2 - 電子写真用トナー用結着樹脂 - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナー用結着樹脂及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーに関する。
近年、幅広い非オフセット域を有し、より一層優れた低温定着性を有するトナーの開発が求められており、離型剤を含有したトナーが種々検討されている。特に、高速機では、定着機の温度に対してトナーに伝導するエネルギー量(熱量)が少なくなるため、さらなる低温定着性が求められる。さらに、高速印字によるストレスが大きいため、オフセット防止のために必要な量の離型剤を添加することも困難である。また、カラートナーでは、透明性や光沢を上げるために樹脂自体の耐オフセット性が低下しやすく、より多量の離型剤が必要とされる。
そこで、離型剤の分散性を高める観点から、1価の脂肪族モノマーを用いて得られた変性ポリエステルを結着樹脂と使用するトナー(特許文献1参照)、あるいは、変性ワックスを使用するトナーが開示されている(特許文献2、3参照)。しかしながら、離型剤を多量に含有すると、溶融混練時の相分離、粉砕時の融着、耐刷時のフィルミング等が問題となるため、より一層の離型剤の分散性向上が求められる。
特開平11−282203号公報 特開平11−258934号公報 特開2004−4806号公報
本発明の課題は、離型剤の分散性に優れ、良好な耐オフセット性を有する電子写真用トナー及び該トナーの結着樹脂として用いられる電子写真用トナー用結着樹脂を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 数平均分子量が400〜1000である1価の脂肪族化合物を含有してなる原料モノマーを縮重合させて得られるポリエステルを含有してなる電子写真用トナー用結着樹脂であって、前記1価の脂肪族化合物が1価の脂肪族カルボン酸化合物及び1価の脂肪族アルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種である電子写真用トナー用結着樹脂、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー
に関する。
本発明の結着樹脂を含有した電子写真用トナーは、離型剤の分散性に優れ、良好な耐オフセット性を有するという優れた効果を奏するものである。
本発明の電子写真用トナー用結着樹脂は、特定の数平均分子量を有する1価の脂肪族化合物を含有した原料モノマーを縮重合させて得られるポリエステルを含有している点に特徴を有する。ポリエステルの原料モノマーとしては分子量の大きい1価の脂肪族化合物が縮重合反応によりポリエステルの末端に導入されることにより、かかるポリエステルを結着樹脂として含有したトナーの離型剤の分散性が格段に向上する。1価の脂肪族化合物の数平均分子量は、かかる観点より、400〜1000であり、好ましくは450〜900、より好ましくは600〜800である。
前記1価の脂肪族化合物は、前記特定の数平均分子量を有する1価の脂肪族カルボン酸化合物及び1価の脂肪族アルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種であるが、その構造は特に限定されない。
本発明においては、離型剤の分散補助においてより高い効果が得られる観点から、前記特定の数平均分子量を有する1価の脂肪族化合物は、2級の脂肪族化合物であることが好ましい。本発明において、2級の脂肪族化合物とは、官能基が第二炭素原子に結合している脂肪族化合物をいう。従って、本明細書においては、水酸基が第二炭素原子に結合している1価のアルコールを2級アルコール、カルボキシル基が第二炭素原子に結合している1価のカルボン酸化合物を2級カルボン酸化合物とそれぞれ定義する。本発明では2級アルコールを使用することがより好ましい。
前記1価の脂肪族化合物の含有量は、原料モノマー中、0.1〜10モル%が好ましく、1〜7モル%がより好ましく、2.5〜4.5モル%がさらに好ましい。
本発明のトナー用結着樹脂が含有するポリエステルの原料モノマーとしては、前記1価の脂肪族化合物に加えて、2価以上のアルコール成分とカルボン酸成分とが用いられる。
2価以上のアルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の、式(I):
Figure 0004500242
(式中、ROはアルキレンオキサイドであり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)
で表される、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水素添加ビスフェノールA等の2価のアルコール;ソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
本発明においては、2価以上のアルコール成分として、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が用いられていることが好ましい。ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の含有量は、トナーの保存性の観点から、アルコール成分中、30モル%以上が好ましく、50〜95モル%がより好ましく、70〜90モル%がさらに好ましい。
一方、2価以上のカルボン酸成分において、2価のカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらの中では、帯電性の観点から、芳香族ジカルボン酸化合物が好ましく、テレフタル酸及びイソフタル酸がより好ましく、テレフタル酸がさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、55〜99モル%が好ましく、70〜90モル%がより好ましい。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えば1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、粉砕性の観点から、カルボン酸成分中、3〜49モル%が好ましく、6〜45モル%がより好ましく、8〜40モル%がさらに好ましい。
3価以上の原料モノマー(3価以上の多価アルコール及び/又は3価以上の多価カルボン酸化合物)の含有量は、全原料モノマー中、1〜25モル%が好ましく、3〜23モル%がより好ましく、4〜20モル%がさらに好ましい。
本発明の結着樹脂は、例えば、前記1価の脂肪族化合物を含有する原料モノマーを、不活性ガス雰囲気中、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
さらに、本発明の結着樹脂には、前記ポリエステルの原料モノマーとビニル系樹脂の原料モノマーを用いて得られる樹脂(ハイブリッド樹脂)も含まれる。
ビニル系樹脂の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられ、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが、50重量%以上、好ましくは80〜100重量%含有されていることが望ましい。
なお、ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる際には、重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
本発明においては、ポリエステルのビニル系樹脂に対する重量比、即ちポリエステルの原料モノマーのビニル系樹脂の原料モノマーに対する重量比は、連続相がポリエステルであることが好ましいことから、50/50〜95/5が好ましく、60/40〜95/5がより好ましい。
ハイブリッド樹脂において、ポリエステルとビニル系樹脂は、ポリエステルの原料モノマーとビニル系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを介して部分的に化学結合していることが好ましい。従って、本発明において、ポリエステルを形成する縮重合反応とビニル系樹脂を形成する付加重合反応は、両反応性モノマーの存在下で行うことが好ましく、これにより、ポリエステルとビニル系樹脂とが部分的に両反応性モノマーを介して結合し、ポリエステル中にビニル系樹脂がより微細に、かつ均一に分散した樹脂が得られる。
両反応性モノマーは、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシル基、より好ましくはカルボキシル基と、エチレン性不飽和結合とを有するモノマーであることが好ましい。両反応性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられ、さらにこれらのヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)エステルであってもよいが、反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸が好ましい。
本発明において、両反応性モノマーのうち、官能基を2個以上有するモノマー(ポリカルボン酸等)及びその誘導体はポリエステルの原料モノマーとして、官能基を1個有するモノマー(モノカルボン酸等)及びその誘導体はビニル系樹脂の原料モノマーとして扱う。両反応性モノマーの使用量は、官能基を2個以上有するモノマー及びその誘導体についてはポリエステルの原料モノマー中、官能基を1個有するモノマー及びその誘導体についてはビニル系樹脂の原料モノマー中、1〜10モル%が好ましく、4〜8モル%がより好ましい。
ハイブリッド樹脂を製造する際には、縮重合反応と付加重合反応は、同一反応容器中で行うことが好ましい。また、それぞれの重合反応の進行及び完結が時間的に同時である必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び時間を適当に選択し、反応を進行、完結させればよい。具体的には、例えば、ポリエステルの原料モノマー、ビニル系樹脂の原料モノマー、両反応性化合物等を混合し、まず、主として50〜180℃で付加重合反応により縮重合反応が可能な官能基を有するビニル系樹脂成分を得、次いで反応温度を190〜270℃に上昇させた後、主として縮重合反応によりポリエステル成分を形成させることが好ましい。
本発明における前記ポリエステルの軟化点は、低温定着性の観点から、85〜150℃が好ましく、100〜130℃がより好ましい。軟化点は、反応温度、反応時間等により適宜調整することができる。
また、ポリエステルのガラス転移点は、保存性及び低温定着性の観点から、45〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。
本発明の結着樹脂中、前記ポリエステルの含有量は、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、98重量%がさらに好ましい。
本発明の結着樹脂は、さらに、官能基を有していない脂肪族化合物を含有していることが好ましい。かかる官能基を有していない脂肪族化合物が、ポリエステル中の前記1価の脂肪族化合物と離型剤との「つなぎ」としての役目を果たし、すなわち分散助剤として機能し、離型剤の分散性がより一層高まる。なお、かかる官能基を有していない脂肪族化合物は、官能基を有していない化合物であること以外は特に限定されず、前記1価の脂肪族化合物と同様の数平均分子量を有するものであることが好ましく、前記1価の脂肪族化合物と官能基の有無のみが相違する実質同一の化合物が好ましい。
官能基を有していない脂肪族化合物は、ポリエステルの原料モノマーの縮重合反応を該脂肪族化合物の存在下で行うことにより、ポリエステル中に内添されていてもよく、ポリエステルと混合されて結着樹脂中に含有されていてもよいが、本発明においては、ポリエステルに内添されていることが好ましい。官能基を有していない脂肪族化合物としては、ポリエチレンが好ましい。
官能基を有していない脂肪族化合物の含有量は、ポリエステル100重量部に対して、0.2〜10重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。
さらに、本発明の結着樹脂を含有した電子写真用トナーを提供する。かかるトナーには、本発明の結着樹脂以外の結着樹脂が含有されていてもよいが、本発明の結着樹脂の含有量は、全結着樹脂中、30重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
本発明のトナーには、離型剤が含有されていることが好ましい。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、これらのワックスは単独で又は2種以上を混合して用いられていてもよい。離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
離型剤の数平均分子量は、本発明の結着樹脂中に官能基を有していない脂肪族化合物が含有されている場合、かかる脂肪族化合物の数平均分子量の0.7〜3倍が好ましく、0.9〜2倍がより好ましい。
離型剤の融点は、定着性の観点から、70〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
離型剤は、トナーを製造する際に、本発明の結着樹脂等とともに混合されてトナー中に含有されていても、本発明の結着樹脂中にポリエステルと混合されて含有されていても、また本発明の結着樹脂中のポリエステルを製造する際に、原料モノマーの縮重合を離型剤の存在下で行うことにより、ポリエステル中に内添されていてもよい。
離型剤の含有量は、本発明の結着樹脂中のポリエステル100重量部に対して、0.3〜15重量部が好ましく、1〜12重量部がより好ましく、3〜10重量部がさらに好ましい。
本発明のトナーには、さらに、着色剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよいが、本発明の結着樹脂は、透明性や光沢を損なうことなく耐オフセット性が向上されるため、カラートナーの結着樹脂としても好適に用いることができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、結着樹脂、着色剤、離型剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することが出来る。トナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明の電子写真用トナーは、一成分現像用トナーとして、またはキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
本発明の電子写真用トナーは、高速の定着機、線速が好ましくは300mm/sec以上、より好ましくは500〜1000mm/secの画像形成装置に用いても、より低い温度での低温定着と幅広い非オフセット領域の確保が可能である。ここで、線速とは印刷機のプロセススピードをいい、定着部の紙送り速度により決定される。
〔軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔ガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔数平均分子量(Mn)〕
オストワルド粘度計を用いて測定する。
〔融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
樹脂製造例
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー、官能基を有していない脂肪族化合物(分散助剤)及び離型剤とオクチル酸錫4gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃で12時間かけて反応させた後、無水トリメリット酸を加え、8.3kPaにて所定の軟化点を得るまで反応させて、樹脂A〜Hを得た。
Figure 0004500242
実施例1〜8、比較例1〜3(実施例1、3〜8は参考例である)
表2に示す結着樹脂及び離型剤、着色剤「ECB-301」(大日精化社製)4重量部、並びに荷電制御剤「ボントロン E-84」(オリエント化学工業社製)0.5重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。ロール回転速度は200r/minであった。ロール内の加熱温度は120℃であり、混合物の供給速度は10kg/h、平均滞留時間は、約18秒であった。
得られた混練物を冷却ローラーで圧延した後、機械式粉砕機し、分級して、体積中位粒径(D50)が8.5μmのトナーを得た。
さらに、得られたトナー100重量部に対して、疎水性シリカ「R-972」(日本アエロジル社製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。
実施例9
着色剤として、「ECB-301」の代わりにカーボンブラック「MOGUL L」(キャボット社製)4重量部を使用し、荷電制御剤として、「ボントロン E-84」の代わりに「T-77」(保土谷化学工業社製)0.5重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして、トナーを得、疎水性シリカと混合した。
試験例〔混練性〕
各実施例及び比較例において原料をヘンシェルミキサーで混合して得られた混合物の一部を採取し、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機で溶融混練した。溶融混練は、ロール回転速度を100回転/分、ロール内の加熱温度を実際の製造条件より厳しい条件である140℃に設定し、混合物の供給速度を10kg/時、平均滞留時間を約18秒で行い、以下の評価基準に従ってトナーの混練性を評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎:問題なく混練できた。
○:混練は可能であるが、混練物に光沢があり、混練物表面に若干のワックスが染み出していることが伺えた。
×:ワックスと樹脂部が相分離した。
試験例〔粉砕性〕
各実施例及び比較例において、得られた混練物の一部を採取し、実際の製造条件より厳しい条件で粉砕試験を行うため、ジェットミル IDS2型(日本ニューマチック社製)で体積中位粒径(D50)を小粒径(7μm)に粉砕し、以下の評価基準に従ってトナーの粉砕性を評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎:問題なく粉砕できた。
○:粉砕は可能であるが、流動性悪化のためフィード量を半分以下に落とした。
×:一部融着が発生した。
試験例〔耐オフセット性〕
非磁性一成分現像装置「MICROLINE 5400」(沖データ(株)製)にトナーを実装し、高解像モードで未定着で印字を行った。印字画像を「MICROLINE 5400」の定着機を装置外での定着が可能なように改良した定着機(定着速度:100mm/sec)で90℃から220℃まで10℃ごとに定着温度が上げながら、定着試験を行って非オフセット域を判断した。以下の評価基準に従って、耐オフセット性を評価した。結果を表2に示す。
〔評価基準〕
◎:非オフセット域が60℃以上
○:非オフセット域が20〜50℃
×:非オフセット域が10℃以下
Figure 0004500242
以上の結果より、所望の数平均分子量を有する1価の脂肪族化合物を使用していないポリエステルを結着樹脂とする実施例のトナーと対比して、比較例のトナーはいずれも離型剤を使用していても良好に製造することができ、離型剤の分散性にも優れているため、耐オフセット性に優れていることが分かる。
本発明の電子写真用トナー用結着樹脂は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられるトナーの結着樹脂等として好適に用いられるものである。

Claims (4)

  1. 数平均分子量が400〜800である1価の2級の脂肪族アルコール、原料モノマー中、0.1〜10モル%含有してなる原料モノマーを縮重合させて得られるポリエステルを含有してなる結着樹脂と、該結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部の離型剤を含有してなる電子写真用トナー
  2. ポリエステルが、得られるポリエステル100重量部に対して0.2〜10重量部の数平均分子量が400〜800であるポリエチレンの存在下で、原料モノマーの縮重合反応を行って得られるものである請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 原料モノマーが、アルコール成分として、式(I):
    Figure 0004500242
    (式中、ROはアルキレンオキサイドであり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数であり、xとyの和は1〜16である)
    で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有してなる請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の結着樹脂を含有してなる電子写真用トナーを、線速300mm/sec以上の定着機を有する画像形成装置に使用する画像形成方法
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