JP2002072557A - 電子写真用カラートナー - Google Patents

電子写真用カラートナー

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JP2002072557A JP2000259688A JP2000259688A JP2002072557A JP 2002072557 A JP2002072557 A JP 2002072557A JP 2000259688 A JP2000259688 A JP 2000259688A JP 2000259688 A JP2000259688 A JP 2000259688A JP 2002072557 A JP2002072557 A JP 2002072557A
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polyester
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】耐ブロッキング性、優れた定着性、透明性粉砕
性を有し、感光体汚染を生じることなく、長期にわたっ
て帯電量を維持する。 【解決手段】結晶性ポリエステルと非晶質樹脂とを主成
分とする結着樹脂及び着色剤を含有してなり、結晶性ポ
リエステルが3価以上の多価アルコール及び3価以上の
多価カルボン酸化合物からなる群より選ばれた3価以上
の単量体を全アルコール成分100モルに対し0.1〜
20モル含有した単量体を用いて縮重合させた非線状結
晶性ポリエステルで、非晶質樹脂が式(I): (Rは炭素数2又は3のアルキレン基、xとyの和は1
〜16)をアルコール成分中40モル%以上含有したア
ルコール成分を単量体の一つとして得られる、ポリエス
テル、ポリエステルポリアミド及びポリエステル成分を
含むハイブリッド樹脂からなる群より選ばれた1種以上
の樹脂で、非晶質樹脂に対する結晶性ポリエステルの重
量比が1/99〜50/50。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現
像に用いられるフルカラー等のカラー画像形成に有用な
電子写真用カラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】カラートナーに要求される種々の特性の
なかで、特に定着性の向上は透明性の向上につながる。
そこで、色重ね時の混色性やOHPフィルム透過性等の
分光透過特性の要求されるカラートナーでは定着性のさ
らなる改善が要望されている。
【0003】例えば、結着樹脂として非晶質の樹脂を用
いる場合、樹脂の分子量を下げることにより、定着性を
向上させることができるが、樹脂のガラス転移点も低下
するため、トナーの耐ブロッキング性が悪化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐ブロッキ
ング性を損なうことなく、優れた定着性を有するととも
に、透明性及び粉砕性に優れ、感光体汚染を生じること
なく、長期にわたって優れた帯電量を維持することがで
きる電子写真用カラートナーを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、結晶性ポリエ
ステルと非晶質樹脂とを主成分とする結着樹脂及び着色
剤を含有してなる電子写真用カラートナーであって、前
記結晶性ポリエステルが3価以上の多価アルコール及び
3価以上の多価カルボン酸化合物からなる群より選ばれ
た3価以上の単量体を全アルコール成分100モルに対
して0.1〜20モル含有した単量体を用いて縮重合さ
せて得られた非線状結晶性ポリエステルであり、前記非
晶質樹脂が式(I):
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン
基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16で
ある)で表される化合物をアルコール成分中40モル%
以上含有したアルコール成分を単量体の一つとして用い
て得られる、ポリエステル、ポリエステルポリアミド及
びポリエステル成分を含むハイブリッド樹脂からなる群
より選ばれた1種以上の樹脂であり、前記非晶質樹脂に
対する前記結晶性ポリエステルの重量比〔結晶性ポリエ
ステル/非晶質樹脂〕が1/99〜50/50である電
子写真用カラートナーに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真用カラートナー
は、結晶性ポリエステル(樹脂A)と非晶質樹脂(樹脂
B)とを主成分とする結着樹脂を含有してなる。結着樹
脂中の、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂の総量は、5
0〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がよ
り好ましく、100重量%が特に好ましい。なお、結着
樹脂中には、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂が適宜含有さ
れていてもよい。
【0009】樹脂Aとしての結晶性ポリエステルは、3
価以上の多価アルコール及び3価以上の多価カルボン酸
化合物からなる群より選ばれた3価以上の単量体を全ア
ルコール成分100モルに対して0.1〜20モル含有
した単量体を用いて縮重合させて得られる非線状結晶性
ポリエステルである。このような、非線状、かつ結晶性
のポリエステルは、非線状であることから、優れた強度
を有し、かつ結晶性であることから、優れた定着性をも
兼ね備えている。
【0010】なお、本発明において、「非線状」とは、
線状構造でなければよく、分岐構造であっても、架橋構
造であってもよい。「結晶性」とは、軟化点とDSCに
よる融解温度の比(軟化点/融解温度)が0.9以上
1.1未満、好ましくは0.98〜1.05であること
をいい、また「非晶質」とは、軟化点と融解温度の比
(軟化点/融解温度)が1.1〜4.0、好ましくは
1.5〜3.0であることをいう。なお、融解温度は後
述するように最大吸熱ピーク温度以下のベースラインの
延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点まで
の間の最大傾斜を示す接線との交点の温度である。非晶
質樹脂では、以下、同温度をガラス転移点と呼ぶ。
【0011】本発明の非線状結晶性ポリエステルは、2
価以上の多価アルコールからなるアルコール成分と、2
価以上の多価カルボン酸化合物からなるカルボン酸成分
とを含有した単量体を用いて得られるが、本発明では、
非線状ポリエステルを形成するため、前記したように、
3価以上の多価アルコール及び3価以上の多価カルボン
酸化合物からなる群より選ばれた3価以上の単量体を、
全アルコール成分100モルに対して、0.1〜20モ
ル、好ましくは0.5〜15モル、より好ましくは1〜
13モル含有した単量体を用いる。
【0012】2価の多価アルコールとしては、エチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノ
ールA、1,4−ブテンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、これ
らの中では、樹脂の軟化点及び結晶性の観点から、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール等の炭素数2〜6のジオー
ルが好ましく、α,ω−直鎖アルキレングリコールがよ
り好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
【0013】炭素数2〜6のジオールは、アルコール成
分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60
〜80モル%、特に好ましくは80〜100モル%含有
されていることが望ましい。
【0014】3価以上の多価アルコールとしては、ソル
ビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,
4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、
グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチ
ル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒド
ロキシメチルベンゼン等が挙げられ、これらの中では樹
脂の軟化点及び結晶性の観点からグリセリンが好まし
い。
【0015】また、2価の多価カルボン酸化合物として
は、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、
イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バチン酸、アゼライン酸、マロン酸及びドデセニルコハ
ク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル
基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハ
ク酸等の脂肪族カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;シクロヘキサンジ
カルボン酸等の脂環式カルボン酸及びこれらの酸の無水
物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が
挙げられ、これらの中では樹脂の軟化点及び結晶性の観
点から、脂肪族カルボン酸が好ましく、フマル酸がより
好ましい。
【0016】脂肪族カルボン酸は、カルボン酸成分中
に、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80〜
100モル%含有されていることが望ましい。
【0017】3価以上の多価カルボン酸化合物として
は、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリッ
ト酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタ
ントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレ
ンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサント
リカルボン酸、テトラ (メチレンカルボキシル) メタ
ン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロ
メリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水
物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等が
挙げられ、これらの中では樹脂の軟化点及び結晶性の観
点からトリメリット酸及びその酸無水物が好ましい。
【0018】アルコール成分とカルボン酸成分は、不活
性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒等を用い
て、150〜250℃の温度で反応させること等により
縮重合させることができる。
【0019】非線状結晶性ポリエステルの軟化点は、好
ましくは85〜140℃、より好ましくは100〜14
0℃、特に好ましくは100〜130℃である。また、
非線状結晶性ポリエステルの融解温度は、好ましくは7
7〜140℃、より好ましくは90〜140℃、特に好
ましくは100〜130℃である。
【0020】非線状結晶性ポリエステルのテトラヒドロ
フラン可溶分の数平均分子量は、耐ブロッキング性及び
定着性の観点から、500〜6000が好ましく、50
0〜1000がより好ましい。
【0021】なお、結晶性ポリエステルが2種以上の樹
脂からなる場合は、その少なくとも1種、好ましくはそ
のいずれもが以上に説明した結晶性ポリエステルである
のが望ましい。
【0022】樹脂Bの非晶質樹脂は、式(I):
【0023】
【化3】
【0024】(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン
基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、
好ましくは1.5〜5.0である)で表される化合物を
40モル%以上含有したアルコール成分を単量体の一つ
として用いて得られる、ポリエステル、ポリエステルポ
リアミド及びポリエステル成分を含むハイブリッド樹脂
からなる群より選ばれた1種以上の樹脂である。
【0025】樹脂Bとしての非晶質ポリエステルは、前
記式(I)で化合物を含有した公知のアルコール成分
と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステ
ル等のカルボン酸成分を含有した単量体を用いて得られ
る。
【0026】式(I)で表される化合物としては、ポリ
オキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒド
ロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.
2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)
オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げ
られる。また、他のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペン
タエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加
ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキ
レン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜
16)付加物等が挙げられ、これらの1種以上を含有す
ることが好ましい。
【0027】式(I)で表される化合物のアルコール成
分中の含有量は、40モル%以上、好ましくは60〜1
00モル%、より好ましくは80〜100モル%が望ま
しい。
【0028】また、カルボン酸成分としては、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン
酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコ
ハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜
20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれら
の酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げら
れ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0029】また、非晶質ポリエステルポリアミドは、
前記のアルコール成分及びカルボン酸成分に加えてさら
に、アミド成分を形成するために、エチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、キシ
リレンジアミン等のポリアミン、ε−カプロラクタム等
のアミノカルボン酸類、プロパノールアミン等のアミノ
アルコール等が用いられ、これらの中ではヘキサメチレ
ンジアミン及びε−カプロラクタムが好ましい。
【0030】非晶質ポリエステル及び非晶質ポリエステ
ルポリアミドも、結晶性ポリエステルと同様にして製造
することができる。
【0031】本発明における非晶質ハイブリッド樹脂と
は、各々独立した反応経路を有する二つの重合系の樹脂
の少なくとも一部が化学的に結合した構造をもつ樹脂組
成物のことであり、本発明では、非晶質ハイブリッド樹
脂は前記非晶質ポリエステルと同様に、式(I)で表さ
れる化合物をアルコール成分中40モル%以上含有した
単量体を縮重合させて得られるポリエステル成分を有す
る。
【0032】ハイブリッド樹脂は、例えば、特開平8−
171231号公報に記載されているように、各々独立
した反応経路を有する二つの重合系の原料モノマーの混
合物を原料とし、要すれば一部の樹脂存在下、該二つの
重合反応を行わせて得られる。
【0033】前記二つの重合反応は、それぞれ縮重合系
樹脂と付加重合系樹脂を生ずる反応であることが好まし
い。縮重合系樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポ
リエステル・ポリアミド等が挙げられ、これらの中では
ポリエステルが好ましく、付加重合系樹脂の代表例とし
ては、ラジカル重合反応により得られるビニル重合系樹
脂が挙げられる。
【0034】非晶質樹脂の軟化点は70〜180℃、好
ましくは80〜150℃、ガラス転移点は50〜85
℃、好ましくは50〜70℃であることが、それぞれ好
ましい。
【0035】なお、非晶質樹脂が2種以上の樹脂からな
る場合は、その少なくとも1種、好ましくはそのいずれ
もが以上に説明した物性を有する非晶質樹脂であるのが
望ましいが、定着性と耐ブロッキング性の両立の点から
は、軟化点が70〜110℃の樹脂(樹脂a)と、軟化
点が110〜180℃の樹脂(樹脂b)の混合物が好ま
しく、その配合比率(樹脂a/樹脂b)は、重量比で、
30/70〜80/20が好ましい。
【0036】非晶質樹脂に対する前記結晶性ポリエステ
ルの重量比〔結晶性ポリエステル/非晶質樹脂〕は、耐
ブロッキング性の観点から、1/99以上、粉砕性及び
フィルミング防止の観点から、50/50以下であり、
好ましくは5/95〜40/60、特に好ましくは10
/90〜30/70である。なお、結晶性ポリエステル
及び非晶質樹脂は、それぞれ単独の樹脂であってもよ
く、2種以上の樹脂の混合物であってもよい。
【0037】着色剤としては、カラートナー用着色剤と
して用いられている染料、顔料等のすべてを使用するこ
とができ、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウ
ンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメン
トグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッ
ド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キ
ナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げら
れ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いること
ができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に
対して、1〜10重量部が好ましい。
【0038】本発明のカラートナーは、混練粉砕法等に
より得られる粉砕トナーが好ましく、例えば、結着樹
脂、着色剤等をボールミル等の混合機で均一に混合した
後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で
溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができ
る。さらに、トナーの表面には、必要に応じて流動性向
上剤等を添加してもよい。このようにして得られるトナ
ーの体積平均粒子径は、好ましくは3〜15μmであ
る。
【0039】さらに、本発明のカラートナーには、荷電
制御剤、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質
等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上
剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有され
ていてもよい。
【0040】本発明の電子写真用カラートナーは、磁性
体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁
性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤と
して、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤とし
て使用される。
【0041】
【実施例】〔軟化点〕高化式フローテスター((株)島
津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を
昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより
1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mm
のノズルを押し出すようにし、これによりフローテスタ
ーのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、
そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温
度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0042】〔融解温度及びガラス転移点〕示差走査熱
量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて
200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分
で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測
定した際に、最大吸熱ピーク温度以下のベースラインの
延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点まで
の最大傾斜を示す接線との交点の温度を融解温度又はガ
ラス転移点として求める。
【0043】〔テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子
量〕ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定する(試
料濃度:0.5重量%、溶離液:テトラヒドロフラン、
流量:1ml/分、温度:40℃、カラム:GMHLX
/G3000HXL(東ソー(株)製)、標準試料:単
分散ポリスチレン)。なお、試料には樹脂粉末40mg
とテトラヒドロフラン10mlを20ml容のサンプル
管に入れ、ボールミルにて室温にて3時間攪拌後、メン
ブランフィルター(東洋濾紙(株)製、0.2μm穴
径)で濾過して調製したものを用いる。
【0044】樹脂製造例1〔結晶性ポリエステルの製造
例〕 表1に示す原料、酸化ジブチル錫1.5g及びハイドロ
キノン1.5gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱
伝対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、
160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1
時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させ
た。得られた樹脂A〜Fの軟化点、融解温度及びテトラ
ヒドロフラン可溶分の数平均分子量を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】樹脂製造例2〔非晶質ポリエステルの製造
例〕 表2に示す原料、酸化ジブチル錫1.5g及びハイドロ
キノン1.5gを、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備し
た5リットル容の四つ口フラスコに入れ、220℃で8
時間反応させた後、8.3kPaにて所定の軟化点に達
するまでさらに反応させた。得られた樹脂a〜eの軟化
点、ガラス転移点を表2に示す。
【0047】樹脂製造例3〔非晶質ハイブリッド樹脂の
製造例〕 表2に示す原料を、常法に従い、窒素雰囲気下、135
℃で、次いで230℃に昇温して反応させ、軟化点が所
定の温度に達したときに反応を終了した。得られた樹脂
f、gの軟化点、ガラス転移点を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例1〜8及び比較例1〜4 結着樹脂として表3に示す結着樹脂の合計100重量
部、C.I.ピグメント・レッド11 5重量部、ポリ
プロピレンワックス「ビスコール550P」(三洋化成
社製)2重量部及び荷電制御剤「LR−147」(日本
カーリット社製)1重量部をヘンシェルミキサーを用い
て混合した後、二軸押出機により溶融混練した。得られ
た溶融混練物を、高速ジェットミル粉砕分級機「IDS
−2型」(日本ニューマティック社製)を用いて、体積
平均粒径が8μmとなるよう、粉砕、分級した。その際
の粉砕性を以下の評価基準に従って評価した。結果を表
4に示す。
【0050】〔粉砕性の評価基準〕 ○:全く問題なく体積平均粒径8μmの粉体が得られ
る。 ×:粉砕途中に融着が生じ、連続粉砕が出来ない。
【0051】得られた粉体100重量部に疎水性シリカ
「R−972」(日本アエロジル社製)0.3重量部を
添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。
【0052】
【表3】
【0053】試験例1 トナー4重量部に対し、平均粒子径90μmのシリコン
コートフェライトキャリア(関東電化工業社製)96重
量部を混合して現像剤とした。ついで複写機「AR−5
05」(シャープ社製)を改造した装置(印字枚数:5
0枚/分)に、得られた現像剤を実装し、定着速度10
0m/秒、定着温度180℃で画像出しを行った。
【0054】初期画像を、500gの荷重を載せた底面
が15mm×7.5mmの砂消しゴムで5往復こすり、
こする前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−91
5」(マクベス社製)を用いて測定し、以下の評価基準
に従って定着性を評価した。結果を表4に示す。
【0055】〔評価基準〕 ◎:光学反射密度の前後比が80%を超える ○:光学反射密度の前後比が70〜80%である ×:光学反射密度の前後比が70%未満である
【0056】試験例2 画像電子学会チャートNo.22のOHPコピーを投影
し、波長400〜70nmの範囲における分光透過率を
測定し、以下の評価基準に従って透明性を評価した。結
果を表4に示す。
【0057】〔評価基準〕 ◎:分光透過率の最大値と最小値の差が60%を超える ○:分光透過率の最大値と最小値の差が50〜60%で
ある ×:分光透過率の最大値と最小値の差が50%未満であ
【0058】試験例3 トナー5.0gを、高さ12mm、半径30mmの円柱
型のステンレス製容器に入れ、50℃で72時間放置
後、30メッシュの篩いにかけ、通過したトナーの重量
を測定し、以下の評価基準に従って耐ブロッキング性を
評価した。結果を表4に示す。
【0059】〔評価基準〕 ◎:通過したトナーが90%を超える ○:通過したトナーが80〜90%である ×:通過したトナーが80%未満である
【0060】試験例4 トナー4重量部に対し、平均粒子径90μmのシリコン
コートフェライトキャリア(関東電化工業社製)96重
量部を混合して現像剤とした。ついで複写機「AR−5
05」(シャープ社製)を改造した装置(印字枚数:5
0枚/分)に、得られた現像剤を実装し、黒化率5%の
A4相当の原稿を30万枚連続印刷した。連続印刷の
際、1000枚印刷後(印刷初期)と連続印刷終了後
(耐刷後)に少量のトナーをサンプリングし、ブローオ
フ式帯電量測定装置を用いてトナーの帯電量を測定する
とともに、連続印刷終了後の感光体汚染を目視にて判断
した。結果を表4に示す。
【0061】
【表4】
【0062】以上の結果から、実施例1〜8のトナー
は、粉砕性、定着性、透明性及び耐ブロッキング性のい
ずれにも優れており、かつ感光体汚染を生じることなく
耐刷後も優れた帯電性を維持できることが分かる。これ
に対して、結晶性ポリエステルを多量に含有した比較例
1のトナーは、粉砕性が悪く、溶融粘度が低いため、荷
電制御剤の分散不良による、帯電量の低下、フィルミン
グがみられる。低分子量の非晶質樹脂を用いた比較例2
のトナーは、耐ブロッキング性が不良である。線状の結
晶性ポリエステルを含有した比較例3のトナーは、粉砕
性をはじめとする各種性能が不良である。比較例4のト
ナーは、非晶質樹脂のビスフェノールAのアルキレンオ
キサイド付加物の含有量が少なく、樹脂同志が相溶しや
すいため、結晶性樹脂を配合する利点が減少し、ブロッ
キング、感光体汚染が発生している。
【0063】
【発明の効果】本発明により、耐ブロッキング性を損な
うことなく、優れた定着性を有するとともに、透明性及
び粉砕性に優れ、感光体汚染を生じることなく、長期に
わたって優れた帯電量を維持することができるフルカラ
ー等のカラー画像形成に有用な電子写真用カラートナー
を提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/12 G03G 9/08 331 G03G 9/09 361 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA21 CA08 EA03 EA07 4J002 CF01W CF10X CL08X FD096 GS00 4J029 AA01 AB01 AC02 AD05 AD07 AE18 BA02 BA03 BA04 BA05 BA10 BF26 CA01 CA02 FC02 FC04 FC12 FC36

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリエステルと非晶質樹脂とを主
    成分とする結着樹脂及び着色剤を含有してなる電子写真
    用カラートナーであって、前記結晶性ポリエステルが3
    価以上の多価アルコール及び3価以上の多価カルボン酸
    化合物からなる群より選ばれた3価以上の単量体を全ア
    ルコール成分100モルに対して0.1〜20モル含有
    した単量体を用いて縮重合させて得られた非線状結晶性
    ポリエステルであり、前記非晶質樹脂が式(I): 【化1】 (式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びy
    は正の数を示し、xとyの和は1〜16である)で表さ
    れる化合物をアルコール成分中40モル%以上含有した
    アルコール成分を単量体の一つとして用いて得られる、
    ポリエステル、ポリエステルポリアミド及びポリエステ
    ル成分を含むハイブリッド樹脂からなる群より選ばれた
    1種以上の樹脂であり、前記非晶質樹脂に対する前記結
    晶性ポリエステルの重量比〔結晶性ポリエステル/非晶
    質樹脂〕が1/99〜50/50である電子写真用カラ
    ートナー。
  2. 【請求項2】 非線状結晶性ポリエステルが炭素数2〜
    6のジオールを50モル%以上含有したアルコール成分
    と脂肪族カルボン酸を70モル%以上含有したカルボン
    酸成分とを縮重合させて得られる樹脂である請求項1記
    載の電子写真用カラートナー。
  3. 【請求項3】 非線状結晶性ポリエステルの軟化点が8
    5〜140℃である請求項1又は2記載の電子写真用カ
    ラートナー。
  4. 【請求項4】 非晶質樹脂の軟化点が70〜180℃、
    ガラス転移点が50〜85℃である請求項1〜3いずれ
    か記載の電子写真用カラートナー。
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