JP4368541B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真の大きな課題の一つである低温定着性の向上を目的として、結晶性ポリエステルを結着樹脂としたトナーが提案されているが、十分に良好な画質は得られていない。これは、結晶性ポリエステルは、非晶質ポリエステルに比べて荷電制御剤との相溶性が低く、飽和帯電量の低下による画質劣化が発生するためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた低温定着性を有し、かつ高品質な画像が得られる電子写真用トナーを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結着樹脂、荷電制御剤及び着色剤を含有してなる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂として結晶性ポリエステルを含有し、前記荷電制御剤としてサリチル酸誘導体の金属化合物を含有してなる電子写真用トナーに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、結着樹脂、荷電制御剤及び着色剤を含有した電子写真用トナーにおいて、結晶性ポリエステルとサリチル酸誘導体の金属化合物とが併用されている点に特徴を有する。結晶性ポリエステルとサリチル酸誘導体の金属化合物とは相溶性が高く、結晶性ポリエステルが有する低温定着性とサリチル酸誘導体の金属化合物が有する帯電能とが互いに損なわれることなく、効果的に発揮される。
【0006】
本発明において、結晶性ポリエステルは、炭素数が2〜6、好ましくは4〜6の脂肪族ジオールを80モル%以上含有したアルコール成分と炭素数が2〜8、好ましくは4〜6、より好ましくは4の脂肪族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有したカルボン酸成分を縮重合させて得られた樹脂(以下、脂肪族系結晶性ポリエステルという)が好ましい。
【0007】
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、特にα,ω−直鎖アルキルジオールが好ましい。
【0008】
炭素数2〜6の脂肪族ジオールは、アルコール成分中に、80モル%以上、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%含有されているのが望ましく、特にその中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85〜95モル%を占めているのが望ましい。
【0009】
炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外にアルコール成分に含まれていてもよい2価以上のアルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物等が挙げられる。
【0010】
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
【0011】
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物は、カルボン酸成分中に、80モル%以上、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%含有されているのが望ましく、特にその中の1種の脂肪族ジカルボン酸化合物が、カルボン酸成分中の80モル%以上、好ましくは90〜100モル%を占めているのが望ましい。
【0012】
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物以外にカルボン酸成分に含まれていてもよい2価以上のカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
【0013】
アルコール成分とカルボン酸成分は、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒、重合禁止剤等を用いて、120〜230℃の温度で反応させること等により縮重合させることができる。具体的には、樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させる等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。
【0014】
なお、本発明において、「結晶性」とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が0.9以上1.1未満、好ましくは0.98〜1.05であることをいい、また「非晶質」とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が1.1〜4.0、好ましくは1.5〜3.0であることをいう。
【0015】
結晶性ポリエステルの軟化点は、好ましくは85〜150℃、より好ましくは100〜140℃、特に好ましくは110〜130℃であり、融解熱の最大ピーク温度は、好ましくは77〜150℃、より好ましくは90〜140℃、特に好ましくは110〜130℃である。
【0016】
なお、結晶性ポリエステルが2種以上の樹脂からなる場合は、その少なくとも1種、好ましくはそのいずれもが以上に説明した結晶性ポリエステルであるのが望ましい。
【0017】
結晶性ポリエステルは、保存性及び低温定着性の観点から、結着樹脂中に、1〜40重量%、好ましくは5〜40重量%、好ましくは10〜35重量%含有されているのが望ましく、結着樹脂にはポリエステル以外の結晶性樹脂も適宜含有されていてもよいが、本発明では、さらに非晶質樹脂が含有されているのが好ましい。
【0018】
非晶質樹脂としては、非晶質ポリエステル、非晶質ポリエステルポリアミド、非晶質スチレンアクリル樹脂等のいずれであってもよいが、本発明では、定着性や結晶性ポリエステルとの相溶性の観点から、非晶質ポリエステルが好ましい。
【0019】
非晶質ポリエステルは、原料モノマーとして、アルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸成分とを縮重合させて得られる。非晶質ポリエステルの原料モノマーとしては、結晶性ポリエステルの原料モノマーとして例示したアルコール成分やカルボン酸成分が挙げられる。
【0020】
非晶質ポリエステルも、原料モノマーの選択及びそれらの比率を変える以外は、結晶性ポリエステルと同様にして製造することができる。
【0021】
一般に、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂とは相溶性が低く、この性質を利用して結晶性ポリエステルを非晶質ポリエステル中に分散させて使用するのが低温定着性と耐ブロッキング性のバランスの点より好ましい。しかし、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂の骨格が類似していると、両者が相溶しやすいため、結晶性ポリエステルの分散性を所望の範囲とするためには、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂は、ある程度異なる骨格を有していることが好ましい。
【0022】
本発明では、脂肪族系結晶性ポリエステルには、非晶質樹脂として脂肪族化合物を5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%含有した原料モノマーを重合させて得られた樹脂を組み合わせるのが好ましく、結晶性ポリエステルが芳香族化合物を0.1〜10重量%含有した原料モノマーを縮重合させて得られた樹脂の場合は、非晶質樹脂として芳香族化合物を50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%含有した原料モノマーを重合させて得られた樹脂(以下、芳香族系非晶質樹脂という)を組み合わせるのが好ましい。また、脂肪族化合物を20〜70重量%含有した原料モノマーを重合させて得られた非晶質樹脂をつなぎとして併用することにより、脂肪族系結晶性ポリエステルと芳香族系非晶質樹脂とを組み合わせても、結晶性ポリエステルの分散性を高めることもできる。なお、本発明において、芳香族化合物とは、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸等の芳香族環を有する化合物をいい、脂肪族化合物とは、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ドデセニルコハク酸、フマル酸等の芳香族環を有さない化合物をいう。
【0023】
非晶質樹脂の軟化点は、好ましくは70〜180℃、より好ましくは100〜160℃、融解熱の最大ピーク温度は、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜75℃、ガラス転移点は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃、クロロホルム不溶分率は、好ましくは0〜50重量%である。なお、ガラス転移点は非晶質樹脂に特有の物性であり、融解熱の最大ピーク温度とは区別される。
【0024】
なお、非晶質樹脂が2種以上の樹脂からなる場合は、その少なくとも1種、好ましくはそのいずれもが以上に説明した物性を有する非晶質樹脂であるのが望ましい。
【0025】
結晶性ポリエステルと非晶質樹脂の重量比(結晶性ポリエステル/非晶質樹脂)は、保存性及び低温定着性の観点から、1/99〜40/60が好ましく、10/90〜35/65がより好ましい。
【0026】
サリチル酸誘導体の金属化合物は、一般式(I):
【0027】
【化1】
Figure 0004368541
【0028】
(式中、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立して水素原子、直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜10のアルキル基またはアルケニル基、Mは亜鉛、ジルコニウム、クロム、アルミニウム、銅、ニッケル又はコバルト、mは2以上の整数、nは1以上の整数を示す)
で表される化合物が好ましい。なお、サリチル酸誘導体の金属化合物は、金属塩及び金属錯体のいずれであってもよく、また単独の化合物であっても、2種以上の化合物が併用されていてもよい。サリチル酸誘導体の金属化合物は、無色であるため、カラートナーにおいても好適に使用することができる。無色の荷電制御剤としては、ベンジル酸誘導体の金属化合物やカリックスアレーン化合物も挙げられるが、多数のアルキル基を有するサリチル酸誘導体の金属化合物は、これらに比べて結晶性ポリエステル、特に脂肪族系結晶性ポリエステルとの相溶性に極めて優れている。
【0029】
式(I)において、R2 は水素原子が好ましく、R1 及びR3 は好ましくは分岐鎖状のアルキル基、より好ましくはtert−ブチル基である。
【0030】
Mとしては、電気陰性度が高く、帯電性の付与効果が良好な亜鉛が特に好ましい。
【0031】
本発明において好適に用いられる、R2 が水素原子、R1 及びR3 がtert−ブチル基である市販品としては、「ボントロンE−84」(M:亜鉛、オリヱント化学工業(株)製)、「TN−105」(M:ジルコニウム、保土谷化学工業(株)製)、「ボントロンE−81」(M:クロム、オリヱント化学工業(株)製)、「ボントロンE−88」(M:アルミニウム、オリヱント化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0032】
また、サリチル酸誘導体の金属化合物は、CLARK, J. L. KAO, H (1948) J. Amer. Chem. Soc. 70, 2151 に記載された方法によって容易に合成することができる。例えば、溶媒中に2モルのサリチル酸のナトリウム塩(サリチル酸誘導体のナトリウム塩を含む)と、1モルの塩化亜鉛とを添加して混合し、加温して攪拌することにより亜鉛化合物として得ることができる。この金属化合物は白色を呈する結晶であり、結着樹脂中に分散させた場合にも着色を示さないものである。亜鉛化合物以外の金属化合物についても前記した方法に準じて製造することができる。
【0033】
サリチル酸誘導体の金属化合物の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、帯電量を向上させるために、0.5重量部以上、荷電制御剤の脱離を防止する観点から、10重量部以下が好ましく、より好ましくは1〜5重量部である。
【0034】
本発明では、荷電制御剤として、サリチル酸誘導体の金属化合物以外に、通常使用される荷電制御剤が併用されていてもよい。
【0035】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラー用トナーのいずれにも使用することができるが、これらのなかでも有機顔料を含有したフルカラー用トナーであるのが好ましい。サリチル酸誘導体の金属化合物は、それ自身が無色であるだけでなく、有機顔料との相溶性にも優れているため、本発明のトナーは、有機顔料が均一に分散し、透明性に優れたフルカラー用トナーとなる。着色剤の含有量は、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0036】
さらに、本発明のトナーには、離型剤として、ワックスが含有されていてもよい。ワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス、エステル系ワックス等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して含有されていてもよく、またこれらのなかでは、結着樹脂との相溶性の観点から、カルナウバワックス及びポリエチレンワックスが好ましい。
【0037】
ワックスの融点は、結晶性ポリエステルの軟化点(ただし、2種以上の結晶性ポリエステルが含有される場合は、最も低い軟化点を有する結晶性ポリエステルの軟化点)よりも10℃以上、好ましくは10〜50℃低いことが望ましく、その含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましい。
【0038】
さらに、本発明の電子写真用トナーには、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有されていてもよい。
【0039】
本発明のトナーは、混練粉砕法等により得られる粉砕トナーが好ましく、例えば、結着樹脂、着色剤等をボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機、連続式二本ロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。さらに、トナーの表面には、必要に応じて流動性向上剤等を添加してもよい。このようにして得られるトナーの体積平均粒子径は、好ましくは3〜15μmである。
【0040】
本発明のトナーの軟化点は、保存性及び定着性の観点から、90〜150℃が好ましく、120〜145℃がより好ましい。
【0041】
本発明の電子写真用トナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として使用されるが、本発明のトナーは帯電性に優れているため、特に非磁性一成分現像法においてその特性を好適に発揮することができる。
【0042】
【実施例】
〔軟化点〕
高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
【0043】
〔融解熱の最大ピーク温度及びガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を求める。また、ガラス転移点は、前記測定で最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分から、ピークの頂点まで、最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
【0044】
結晶性ポリエステルの製造例
表1に示す原料モノマー及びハイドロキノン2gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させた。得られた樹脂を樹脂aとする。
【0045】
【表1】
Figure 0004368541
【0046】
非晶質樹脂の製造例1
表2に示す原料モノマー及び酸化ジブチル錫4gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、220℃で8時間かけて反応させた後、さらに8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させた。得られた樹脂を樹脂Aとする。
【0047】
【表2】
Figure 0004368541
【0048】
実施例1〜6、比較例1〜8
樹脂a20重量部、樹脂A80重量部、表3に示す荷電制御剤、着色剤「ECB−301」(大日精化社製、青色顔料)4重量部及び離型剤「カルナバワックス C1」(加藤洋行社製、融点:83℃)1重量部をヘンシェルミキサーで十分に混合した後、同方向回転二軸押出機〔混練部分の全長:1560mm、スクリュー径:42mm、バレル内径:43mm、ロール回転速度:200回転/分、ロール内の加熱温度:100℃、混合物の供給速度:10kg/時、平均滞留時間:約18秒〕により溶融混練し、冷却、粗粉砕した。その後、ジェットミルにより粉砕し分級して、体積平均粒子径が7.5μmの粉体を得た。得られた粉体100重量部に、外添剤として「アエロジル R−972」(日本アエロジル(株)製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。得られたトナーの軟化点を表3に示す。
【0049】
比較例9
樹脂aを使用せず、樹脂Aの使用量を100重量部とした以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
【0050】
試験例1〔低温定着性〕
トナーを非磁性一成分現像装置「フェーザー560」(テクトロニクス社製)に実装し、定着機の上ローラをシリコーンチューブを装着したソフトロールに変更し、シリコーンオイルの塗布装置を外して、定着ロールの温度を90℃から順次上昇させながら画像出しを行った。
【0051】
各定着温度で得られた画像を、500gの荷重をかけた底面が15mm×7.5mmの砂消しゴムで5往復擦り、擦る前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定した。両者の比率(擦り後/擦り前)が最初に70%を超える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準により、低温定着性を評価した。結果を表3に示す。
【0052】
〔評価基準〕
◎:最低定着温度が130℃未満
○:最低定着温度が130℃以上、150℃未満
×:最低定着温度が150℃以上
【0053】
試験例2〔画質評価〕
試験例1と同じ装置にトナーを実装し、160℃で定着させたベタ画像を得、以下の評価基準より画質を評価した。結果を表3に示す。
【0054】
〔評価基準〕
◎:画像濃度が濃く、均一であり、カブリもほとんどみられない。
○:画像濃度が濃く、均一であり、カブリは若干みられるものの、実使用上全く問題ない。
×:画像濃度が薄く、カブリも多い。
××:画像濃度が非常に薄く、カブリが非常に多い。
【0055】
【表3】
Figure 0004368541
【0056】
以上の結果より、実施例1〜6では、低温定着性に優れ、高品質な画像が得られているのに対し、比較例1〜7では結晶性ポリエステルを含有していることから、低温定着性は良好であるものの、荷電制御剤としてベンジル酸誘導体の金属化合物やカリックスアレーン化合物を含有しているために、画質に劣っていることが分かる。比較例8は、結晶性ポリエステルを含有しているにもかかわらず、低温定着性、画質のいずれにも不十分であるが、これは荷電制御剤により結着樹脂の金属架橋が生じ、定着性が悪化したためと推定される。また、比較例9では、サリチル酸誘導体の金属化合物を含有していることから、画質は良好であるが、結晶性ポリエステルを含有していないために、低温定着性に欠けている。
【0057】
【発明の効果】
本発明により、優れた低温定着性を有し、かつ高品質な画像が得られる電子写真用トナーを提供することができる。

Claims (5)

  1. 結着樹脂、荷電制御剤及び着色剤を含有してなる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂として、炭素数が2〜6の脂肪族ジオールを80モル%以上含有したアルコール成分と炭素数が2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有したカルボン酸成分を縮重合させて得られた脂肪族系結晶性ポリエステルを含有し、前記荷電制御剤としてサリチル酸誘導体の金属化合物を含有してなる電子写真用トナー。
  2. サリチル酸誘導体の金属化合物が亜鉛化合物である請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 着色剤として有機顔料を含有してなる請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
  4. 結着樹脂として、さらに非晶質樹脂を含有してなる請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナー。
  5. 非磁性一成分現像法に用いられる請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナー。
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