JP5060149B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
しかし、上記のトナーは、高温高湿下での画像安定性、低温定着性、耐オフセット性等の観点からは、未だ十分なものではなかった。また、近年の電子写真装置の高速化に対しては、トナーの帯電量も不十分であった。
に関する。
結着樹脂に含有されるポリエステルは、分岐鎖を有する炭素数9〜14のアルキル基を有するアルキルコハク酸の少なくとも2種、及び/又は分岐鎖を有する炭素数9〜14のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸の少なくとも2種を含有するカルボン酸成分由来の構成単位を有するものであり、あるいは、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合して得られ、該カルボン酸成分が、分岐鎖を有する炭素数9〜14のアルキル基を有するアルキルコハク酸の少なくとも2種、及び/又は分岐鎖を有する炭素数9〜14のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸の少なくとも2種を含有するものである。該ポリエステルは低温定着性、耐ホットオフセット性、高温高湿下における画像濃度の安定性に優れるものである。
また、上記ポリエステルを含む結着樹脂と前記式(1)で表されるサリチル酸誘導体の金属化合物を用いることで、本発明のトナーは、高速機にも対応できる十分な帯電性を有することができるものであるが、これは該サリチル酸誘導体の金属化合物の分散性が高まるためと推測される。
尚、本発明においては、上記アルキル基又はアルケニル基にそれぞれ由来するアルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸の各々の構造異性体同士は、異なるアルキルコハク酸、又はアルケニルコハク酸として扱うものとする。
アルキレン化合物の合成に使用される好適な触媒としては、液体リン酸、固体リン酸、タングステン、三フッ化ホウ素錯体等が挙げられる。尚、構造異性体の数の制御容易性の観点から、ランダム重合した後に、蒸留条件(例えば温度)により調整する方法が好ましい。
ポリエステルの原料モノマーである該カルボン酸成分中における、アルキルコハク酸及び/又はアルケニルコハク酸の総含有量は、樹脂の疎水性すなわちトナーの高温高湿下での画像安定性とトナーの定着性、保存性の観点から、3〜50モル%が好ましく、4〜45モル%がより好ましい。5〜43モル%が更に好ましい。
なお、カルボン酸、カルボン酸の無水物、及びカルボン酸のアルキルエステルを、本明細書では以下総称してカルボン酸化合物と呼ぶことがある。
チタン化合物としては、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
Sn−O結合を有する錫(II)化合物としては、シュウ酸錫(II)、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、ラウリル酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);オクチロキシ錫(II)、ラウロキシ錫(II)、ステアロキシ錫(II)、オレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(R1COO)2Sn(ここでR1は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R2O)2Sn(ここでR2は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R1COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、オクタン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)がさらに好ましく用いられる。
上記チタン化合物及び錫(II)化合物は、その各々について2種以上組み合わせて使用することができる。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、前記エステル化触媒の存在下、不活性ガス雰囲気中にて、180〜250℃の温度で行うことができる。
本発明においては、上記分岐鎖を有する炭素数9〜14のアルキル基を有するアルキルコハク酸の少なくとも2種及び/又は分岐鎖を有する炭素数9〜14のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸の少なくとも2種を含有するカルボン酸成分由来の構成単位は、高温高湿下の画像濃度安定性の観点から、本発明のトナー中に1〜30重量%含有されることが好ましく、より好ましくは3〜20重量%である。
トナーの耐久性の観点から、ポリエステルの数平均分子量は1,000〜10,000が好ましく、2,000〜8,000がより好ましい。
ポリエステル以外の樹脂としては、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、スチレン−アクリル共重合体、エポキシ、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
さらに、本発明の結着樹脂には、トナーの定着性の観点から、離型剤を含有させても良い。離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン・ポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらのなかでは、離型性及び安定性の観点から、脂肪族炭化水素系ワックスが好ましい。
結着樹脂中に離型剤を含有させる方法としては、例えば、離型剤の存在下で原料モノマーを重合させる方法が挙げられる。
式(1)において、R2は水素原子が好ましく、R1及びR3は、各々好ましくは分岐鎖状のアルキル基、より好ましくはtert−ブチル基である。Mとしては、電気陰性度が高く、帯電性の付与効果が良好な亜鉛及びクロムが好ましい。従って、式(1)はR1及びR3がいずれもtert−ブチル基であり、Mが亜鉛又はクロムであることがより好ましく、この化合物は無色であるために、本発明のトナーをカラー用トナーとして使用する場合には、画像特性の観点から好適に用いられれる。
本発明において好適に用いられる、R2が水素原子、R1及びR3がいずれもtert−ブチル基である市販品としては、「ボントロンE−84」(M:亜鉛、オリエント化学工業(株)製)、「TN−105」(M:ジルコニウム、保土谷化学工業( 株)製)、「ボントロンE−81」(M:クロム、オリエント化学工業(株)製)、「ボントロンE−88」(M:アルミニウム、オリエント化学工業(株)製)等が挙げられる。
本発明においては、上記サリチル酸誘導体の金属化合物とともに、必要に応じて、他の公知荷電制御剤、例えば安息香酸の金属塩、上記式(1)で表わされるサリチル酸誘導体の金属化合物以外のアルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などを用いてもよい。
該離型剤としては、前述の結着樹脂に含有させることができる離型剤に加え、カルナバロウワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス等が挙げられ、これらは単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。離型剤の融点は、トナーの定着性と耐オフセット性の観点より、60〜140℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、トナー中、結着樹脂100重量部に対して、結着樹脂中への分散性の観点から、0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。これらの中では、キナクリドン系顔料であるC.I.ピグメントレッド122が好ましい。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。これらの中では、カーボンブラックが好ましい。
なお、これらの着色剤は必要に応じて2種以上を併用しても良い。又、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲に設定するのがよい。
本発明により得られるトナーには、必要に応じ、更に体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等の添加剤が、適宜添加されていてもよい。
また、トナーの軟化点は、低温定着性の観点から、80〜160℃が好ましく、80〜150℃がより好ましく、90〜140℃がさらに好ましい。また、ガラス転移点は、同様の観点から、45〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
本発明のトナーは、溶融粉砕法により得られるものであるが、該方法については後述する。
本発明においては、粉砕機として、気流式ジェットミルが好適に用いられ、その市販品としては、トナー小粒径化の観点から、日本ニューマチック社製の「IDS」シリーズ等が挙げられる。
外添剤の個数平均粒子径は好ましくは4〜200nm、より好ましくは8〜30nmである。外添剤の個数平均粒子径は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて求められる。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー100重量部に対して、0.8〜5.0重量部が好ましく、1.0〜5.0重量部がより好ましく、1.5〜3.5重量部がさらに好ましい。
本発明の電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
1.樹脂の酸価
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とした。
(1)軟化点
フローテスター(島津製作所、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(2)ガラス転移点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mlに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
質量分析ガスクロマトグラフ(GC/MS)にCIイオンソースと下記分析カラムを取り付け、立上げを行なう。なお、CI反応ガス(メタン)を流し、MS部の真空排気作業から24時間経過後にチューニングを行なう。
ガスクロマトグラフ : Agilent社 HP6890N
分析カラム : HP社製 Ultra1(カラム長50m、内径0.
2mm、膜厚0.33μm)
GCオーブン昇温条件: 初期温度 100℃(0min)
第1段階昇温速度 1℃/min(150℃まで)
第2段階昇温速度 10℃/min(300℃まで)
最終温度 300℃(10min)
サンプル注入量 : 1μL
注入口条件 : 注入モード スプリット法
スプリット比 50:1
注入口温度 300℃
キャリアガス : ガス ヘリウム
流量 1ml/min(定流量モード)
質量分析器 : Agilent社製5973N MSD
イオン化法 : 化学イオン化法
反応ガス : イソブタン
温度設定 : 四重極 150℃
イオン源 250℃
検出条件 : スキャン
スキャン範囲 : m/z 75〜300
検出器ON時間 : 5min
キャリブレーション(質量校正および感度調整)
: 反応ガス メタン
キャリブラント PFDTD(ペルフルオロ−5,
8―ジメチル-3,6,9−トリオキシドデカン)
チューニング法 オートチューニング
プロピレンテトラマーをイソプロピルアルコールに溶解し5%とした。
(データ処理法)
C9〜C14の範囲にある各炭素数のアルケン成分について、それぞれ分子イオンに該当する質量数によるマスクロマトグラムを抽出し、S/N(シグナル/ノイズ比)>3の条件下で、成分毎の積分条件に従い積分を実行する。表1〜5の各々に示す検出結果から、特定アルキル鎖長成分の割合を以下の式により計算する。
特定アルキル鎖長成分の割合=[(特定アルキル鎖長の積分値の総和)/(C9〜C14全ての積分値の総和)]×100(%)
新日本石油株式会社製のプロピレンテトラマー(商品名:ライトテトラマー)を分留して、183〜208℃の温度範囲の分留物をアルキレン化合物Aとして得た。得られたアルキレン化合物Aは,ガスクロマトグラフィー質量分析において、40個のピークを有していた。
アルキレン化合物Aの製造例の分留条件を171〜175℃に変更した以外は同様にしてアルキレン化合物Bを得た。得られたアルキレン化合物Bはガスクロマトグラフィー質量分析において、25個のピークを有していた。
1Lの日東高圧製オートクレーブにアルキレン化合物A 542.4g、無水マレイン酸157.2g、チェレックス−O 0.4g(堺化学工業(株)社製)、ブチルハイドロキノン(以下、BHQと略)0.1gを仕込み、加圧窒素置換(0.2MPaG)を3回繰り返した。60℃で撹拌開始後、230℃まで1時間かけて昇温して6時間反応を行った。反応温度到達時の圧力は、0.3MPaGであった。反応終了後、80℃まで冷却し、常圧(101.3kPa)に戻して1Lの4つ口フラスコに移しかえた。180℃まで撹拌しながら昇温し、1.3kPaにて残存アルキレン化合物を1時間で留去した。ひきつづき、室温(25℃)まで冷却後、常圧(101.3kPa)に戻して目的物のアルケニル無水コハク酸A(406.1g)を得た。
原料として、アルキレン化合物Aに代えてアルキレン化合物Bを用いた以外は、アルケニル無水コハク酸Aの製造と同様にしてアルケニル無水コハク酸Bを得た。
ドデセニル無水コハク酸の製造
アルキレン化合物Aに代えて市販のガスクロマトグラフィー質量分析において1個のピークを有する1−ドデセンを用いた以外は、アルケニル無水コハク酸Aの製造と同様にして無水ドデセニルコハク酸を得た。
表6に示す無水トリメリット酸を除くポリエステルの原料モノマー、及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。210℃まで冷却して表6に示す量の無水トリメリット酸を添加し、1時間反応させた後、8kPaにて所望の軟化点まで反応させ、ポリエステル樹脂A,C,D及びEをそれぞれ得た。得られた各樹脂について、酸価、軟化点及びガラス転移点を測定した結果を表7に示す。
表6に示すフマル酸を除くポリエステルの原料モノマー、及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、さらに8kPaにて1時間反応させた。180℃まで冷却して表6に示すフマル酸、ハイドロキノンを添加し、210℃まで4時間かけて昇温した後、8kPaにて所望の軟化点まで反応させ、ポリエステル樹脂Bを得た。得られた樹脂について、酸価、軟化点及びガラス転移点を測定した結果を表7に示す。
表6に示す、無水トリメリット酸を除くポリエステルの原料モノマー、及びエステル化触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、230℃、常圧(101.3kPa)にて10時間反応させ、その後、8kPaにて1時間反応させた。その後、210℃まで冷却して表6に示す量の無水トリメリット酸を添加し、1時間反応させた後、8kPaにて所望の軟化点まで反応させ、ポリエステル樹脂Fを得た。得られた樹脂について、酸価、軟化点及びガラス転移点を測定した結果を表7に示す。
樹脂A 100重量部、シアン顔料としてToner Cyan BG;C.I.ピグメントブルー15;3(クラリアント社製)6重量部、ポントロンE−84(オリエント化学工業社製)2重量部、及び離型剤としてHNP−9(日本精鑞社製、融点:70℃)2重量部をヘンシェルミキサーで十分に混合した後、同方向回転二軸押出し機(池貝鉄工社製PCM−30)を用い、ロール回転速度200r/min、ロール内の加熱温度80℃で溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミル(日本ニューマチック社製IDS−5)にて粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が8.0μmの粉体のトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100重量部に、外添剤として「アエロジル R−972」(日本アエロジル社製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーを得た。
実施例1において、樹脂A及びシアン顔料を表7に示す樹脂及び顔料にそれぞれ代えた以外は同様にして各トナーを得た。
実施例1〜7及び比較例1、2の各々で得られたトナーについて、以下の方法で、低温定着性、耐オフセット性、現像性及び帯電性を評価した。結果を表7に示す。
プリンター「ページプレスト N−4」(カシオ計算機社製、定着:接触定着方式、現像方式:非磁性一成分現像方式、現像ロール径:2.3cm)にトナーを実装し、トナー付着量を0.8mg/cm2に調整して未定着画像を得た。得られた未定着画像を接触定着方式の複写機「AR−505」(シャープ社製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した定着機(定着速度:350mm/s)を用いて、定着ロールの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ上昇させながら未定着画像を定着させ、定着試験を行った。
各定着温度で得られた画像を、「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社製、幅18mm、JISZ−1522)を貼りつけ、30℃に設定した上記定着機の定着ロールを通過させた後、テープを剥し、テープ剥離前後の光学反射密度を反射濃度計「RD−915」(マクベス社製)を用いて測定した。剥離前後の両者の濃度比(剥離後/剥離前)が最初に98%を超える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。また同時に、ホットオフセットの発生を目視にて観察し、以下の評価基準に従って耐オフセット性を評価した。
(低温定着性)
4:最低定着温度が160℃未満
3:最低定着温度が160℃以上170℃未満
2:最低定着温度が170℃以上180℃未満
1:最低定着温度が180℃以上
4:220℃でもホットオフセットは発生しない。
3:200℃以上220℃未満でホットオフセットが発生する。
2:190℃以上200℃未満でホットオフセットが発生する。
1:190℃未満でホットオフセットが発生する。
非磁性一成分現像装置として、「OKI Microline 18」(沖データ社製)にトナーを実装し、40℃、相対湿度90%の環境下で500枚の画像を得た。50枚目と500枚目の画像を透過型マクベス濃度計「TR−927」を用いて画像濃度を測定し、H/H環境帯電安定性(500枚目の画像濃度の値/50枚目の画像濃度の値)として、下記の基準で評価を行った。
4:H/H環境帯電安定性0.95以上
3:H/H環境帯電安定性0.85以上0.95未満
2:H/H環境帯電安定性0.7以上0.85未満
1:H/H環境帯電安定性0.7未満
トナー0.6gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径90μm)19.4gとを50mL容のポリ瓶に入れ、ボールミルを用いて250r/minで10分間混合し、帯電量をq/mメーター(EPPING社製)を用いて測定した。所定の混合時間後、q/mメーター付属のセルに規定量の現像剤を投入し、目開き32μmのふるい(ステンレス製、綾織、線径:0.0035mm)を通してトナーのみを90秒間吸引した。そのとき発生するキャリア上の電圧変化をモニターし、以下の評価基準に従って帯電性(帯電量)を評価した。電圧変化が大きいほど高帯電量であることを示す。
4:電圧変化が−25以上
3:電圧変化が−20以上−25未満
2:電圧変化が−15以上−20未満
1:電圧変化が−15未満
Claims (5)
- ポリエステルを含む結着樹脂、及び式(1)
前記カルボン酸成分が、分岐鎖を有する炭素数9〜14のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸の構造異性体を少なくとも20種含有する電子写真用トナー。 - ポリエステルを含む結着樹脂、及び式(1)
- アルケニルコハク酸が、アルキレン化合物とマレイン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも一種とから得られるものであって、前記アルキレン化合物が、ガスクロマトグラフィー質量分析において、炭素数9〜14の範囲内のアルキレン化合物に相当するピークを少なくとも20有する、請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
- カルボン酸成分中における、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸の総含有量が3〜50モル%である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナー。
- 下記工程(1)〜(3)を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法、
工程(1):炭素数9〜14のアルキレン基を有する化合物と、マレイン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも一種とから、前記アルケニルコハク酸を得る工程
工程(2):工程(1)で得られたアルケニルコハク酸とアルコール成分とを縮重合してポリエステルを得る工程
工程(3):工程(2)で得られたポリエステルを含む結着樹脂及び前記式(1)で表わされるサリチル酸誘導体の金属化合物に、溶融粉砕方法を施して電子写真用トナーを得る工程
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