JP5518425B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
〔1〕 アルコール成分と、アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸から選ばれる少なくとも1種のコハク酸誘導体を含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる電子写真トナー用ポリエステル系樹脂であって、式(I):
で表される芳香族化合物を、カルボン酸成分及び/又はアルコール成分として用いて得られる、電子写真トナー用ポリエステル系樹脂、
〔2〕 前記〔1〕記載のポリエステル系樹脂を含有してなる、電子写真トナー用結着樹脂、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載の結着樹脂を含有してなる、電子写真用トナー
に関する。
で表される芳香族化合物を、カルボン酸成分及び/又はアルコール成分として用いて得られる樹脂である点に特徴を有しており、これにより、トナーの結着樹脂として、トナーの低温定着性と保存性を損なうことなく、優れた帯電立ち上がり性を発揮する。本発明のポリエステル系樹脂が帯電立ち上がり性に優れるのは、樹脂中において、式(I)で表される芳香族化合物が、テレフタル酸やイソフタル酸と比べ、芳香環内で電子供与性を有するメトキシ基と水酸基が互いに隣接した炭素原子に結合しているため、pKa(等電点)の高いフェノール性の水酸基を有するモノマーとなり、芳香環中の電子密度が上がる結果、帯電の立ち上がり性が向上するものと考えられる。水酸基の結合した炭素原子に隣接する炭素原子に結合するメトキシ基の数は、少なくとも1つあれば、トナーの帯電の立ち上がり性が向上するが、2つであってもよい。さらに、高温高湿下での帯電安定性に優れるのは、上記特定の構造を有する芳香族化合物がポリエステル主鎖の疎水性を高めるとともに、疎水性の高い長鎖炭化水素基を有するコハク酸誘導体を側鎖に用いているため吸湿性が低下することによるものと推定される。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物又は脂肪族ジオールが好ましい。
で表される化合物が好ましい。式中、R8の炭化水素基の炭素数は、1〜8が好ましく、反応活性の観点から、炭素数1〜4がより好ましい。式(III)で表される化合物のなかでは、R5及びR7が水素原子、R6が水素原子又は−COOR8である化合物がより好ましい。具体例としては、ピロガロール(R5〜R7:水素原子)、没食子酸(R5及びR7:水素原子、R6:−COOH)、没食子酸エチル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC2H5)、没食子酸プロピル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC3H7)、没食子酸ブチル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC4H9)、没食子酸オクチル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC8H17)、没食子酸ラウリル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC12H25)等の没食子酸エステル等が挙げられる。トナーの保存性の観点からは、没食子酸及び没食子酸エステルが好ましい。
で表される単量体、式(IVb):
で表される単量体、及び式(IVc):
で表される単量体又はその4級化物を含有する単量体混合物の重合により得られる4級アンモニウム塩基含有スチレンアクリル系樹脂がより好ましい。予め単量体を4級化してもよく、重合後に4級化してもよい。4級化剤としては、塩化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジエチル、硫酸ジ-n-プロピル等が挙げられる。
質量分析ガスクロマトグラフ(GC/MS)にCIイオンソースと下記分析カラムを取り付け、立上げを行う。なお、CI反応ガス(メタン)を流し、MS部の真空排気作業から24時間経過後にチューニングを行う。
ガスクロマトグラフ : Agilent社 HP6890N
分析カラム : HP社製 Ultra1(カラム長50m、内径0.2mm、膜厚0.33μm)
GCオーブン昇温条件: 初期温度 100℃(0min)
第1段階昇温速度 1℃/min(150℃まで)
第2段階昇温速度 10℃/min(300℃まで)
最終温度 300℃(10min)
サンプル注入量 : 1μL
注入口条件 : 注入モード スプリット法
スプリット比 50:1
注入口温度 300℃
キャリアガス : ガス ヘリウム
流量 1ml/min(定流量モード)
質量分析器 : Agilent社製 5973N MSD
イオン化法 : 化学イオン化法
反応ガス : イソブタン
温度設定 : 四重極 150℃
イオン源 250℃
検出条件 : スキャン
スキャン範囲 : m/z 75〜300
検出器ON時間 : 5min
キャリブレーション(質量校正及び感度調整)
: 反応ガス メタン
キャリブラント PFDTD(ペルフルオロ−5,8-ジメチル
-3,6,9-トリオキシドデカン)
チューニング法 オートチューニング
プロピレンテトラマーを、5重量%の濃度でイソプロピルアルコールに溶解させる。
炭素数が9〜14の範囲にある各炭素数のアルケン成分について、それぞれ分子イオンに該当する質量数によるマスクロマトグラムを抽出し、S/N(シグナル/ノイズ比)>3の条件下で、成分毎の積分条件に従い積分を実行する。表1〜5の各々に示す検出結果から、特定アルキル鎖長成分の割合を以下の式により計算する。
C9H18
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
JIS K0070の方法に基づき測定する。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
走査電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
新日本石油株式会社製のプロピレンテトラマー(商品名:ライトテトラマー)を用いて、183〜208℃の加熱条件で分留してアルキレン化合物Aを得た。得られたアルキレン化合物Aは,ガスクロマトグラフィー質量分析において、40個のピークを有していた。アルキレン化合物の分布は、C9:0.5重量%、C10:4重量%、C11:20重量%、C12:66重量%、C13:9重量%、C14:0.5重量%であった。
アルキレン化合物Aの製造例において、分留条件を171〜175℃に変更した以外は同様にして、アルキレン化合物Bを得た。得られたアルキレン化合物Bはガスクロマトグラフィー質量分析において、25個のピークを有していた。アルキレン化合物の分布は、アルキレン化合物Aと同様の分布を有していた。
1Lの日東高圧製オートクレーブにアルキレン化合物A 542.4g、無水マレイン酸157.2g、チェレックス-O 0.4g(堺化学工業(株)社製)、ブチルハイドロキノン0.1gを仕込み、加圧窒素置換(0.2MPaG)を3回繰り返した。60℃で撹拌開始後、230℃まで1時間かけて昇温して6時間反応を行った。反応温度到達時の圧力は、0.3MPaGであった。反応終了後、80℃まで冷却し、常圧(101.3kPa)に戻して1Lの4つ口フラスコに移しかえた。180℃まで撹拌しながら昇温し、1.3kPaにて残存アルキレン化合物を1時間で留去した。ひきつづき、室温(25℃)まで冷却後、常圧(101.3kPa)に戻して目的物のアルケニル無水コハク酸A 406.1gを得た。酸価より求めたアルケニル無水コハク酸Aの平均分子量は268であった。
原料として、アルキレン化合物Aに代えてアルキレン化合物Bを用いた以外は、アルケニル無水コハク酸Aの製造例と同様にして、アルケニル無水コハク酸B(平均分子量:268)を得た。
表6〜8に示す無水トリメリット酸と式(I)で表される芳香族化合物以外の原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で反応させた後に180℃から230℃まで5℃/hrで昇温し、その後230℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させた。さらに、温度を180℃に下げ、表6〜8に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表6〜8に示す無水トリメリット酸を添加して、210℃で1時間常圧にて反応させ、その後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
表6に示す無水トリメリット酸と式(I)で表される芳香族化合物以外の原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させ、さらに235℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。さらに、温度を180℃に下げ、表6に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表6に示す無水トリメリット酸を添加して、200℃で反応させ、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
表7に示すフマル酸、無水トリメリット酸及び式(I)で表される芳香族化合物以外の原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で2時間反応した後に180℃から230℃まで5℃/hrで昇温し、その後230℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させた。さらに、180℃に冷却後、表7に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表7に示すフマル酸及び無水トリメリット酸と重合禁止剤(ターシャルブチルカテコール)0.5gを添加して、180℃から210℃まで常圧にて5時間かけて反応させ、その後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
表9に示す無水トリメリット酸と式(I)で表される芳香族化合物以外のポリエステルの原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、160℃まで昇温した。その後、表9に示す両反応性モノマー(アクリル酸)、スチレン系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた。その後、180℃まで昇温し、2時間反応させた後、210℃まで5℃/hrにて昇温し、210℃にて反応率が90%に到達するまで反応させた。その後、180℃に冷却し、表9に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表9に示す無水トリメリット酸を添加して、200℃で反応させ、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ハイブリッド樹脂を得た。
表7に示す原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で反応した後に180℃から210℃まで5℃/hrで昇温し、その後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
表8に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で2反応した後に180℃から230℃まで5℃/hrで昇温し、その後230℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させた。さらに、表8に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表8に示す無水トリメリット酸を添加して、210℃で1時間常圧にて反応させ、その後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
表8に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させ、さらに235℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。その後、210℃に冷却し、表8に示す無水トリメリット酸を添加して、210℃で1時間常圧にて反応させた後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
表10に示す結着樹脂100重量部、着色剤5重量部、荷電制御剤1重量部及び離型剤2重量部、実施例18ではさらに荷電制御樹脂5重量部を、ヘンシェルミキサーで十分混合した後、同方向回転二軸押出し機を用い、ロール回転速度200r/min、ロール内の加熱温度80℃で溶融混練した。得られた粗粉砕物をエアージェット方式の粉砕機(IDS-2型、日本ニューマチック(株)製)により微粉砕後、分級し、体積中位粒径(D50)が7.5μmのトナー粒子を得た。
黒色顔料:「Mougl-L」(キャボット社製)、カーボンブラック
シアン顔料:「ECB-301」(大日精化社製)、ピグメント・ブルー15:3
マゼンタ顔料:「Super Magenta R」(大日本インキ化学工業社製)、ピグメント・レッド122
イエロー顔料:「Paliotol Yellow D1155」(BASF社製)、ピグメント・イエロー185
CCA-A:「ボントロンS-34」(オリエント化学工業社製)、負帯電性荷電制御剤
CCA-B:「ボントロンN-04」(オリエント化学工業社製)、正帯電性荷電制御剤
CCA-C:「LR-147」(日本カーリット社製)、負帯電性荷電制御剤
CCA-D:「ボントロンE-84」(オリエント化学工業社製)、負帯電性荷電制御剤
ワックス-A:「ハイワックスNP-056」(三井化学社製)、ポリプロピレンワックス、融点125℃
ワックス-B:「HNP-9」(日本精鑞社製)、パラフィンワックス、融点75℃
ワックス-C:「カルナバワックス C1」(加藤洋行社製)、融点80℃
CCR-A:「FCA-701PT」(藤倉化成社製)、正帯電性荷電制御樹脂、4級アンモニウム塩基含有スチレンアクリル系共重合体、軟化点:123℃
シリカ-A:「R-972」(日本アエロジル社製)、負帯電性疎水性シリカ、平均粒径 16nm、疎水化処理剤 DMDS(ジメチルジクロロシラン)
シリカ-B:「HDK H3050VP」(クラリアント社製)、正帯電性疎水性シリカ、平均粒径 8nm、疎水化処理剤 アミノシラン
シリカ-C:「SI-Y」(日本アエロジル社製)、負帯電性疎水性シリカ、平均粒径 40nm、疎水化処理剤 ジメチルシリコーンオイル
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改造した装置にトナーを実装し、未定着画像を得た。その後、総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)で、100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着画像の定着試験を行った。定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前とテープを貼って剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前)が最初に90%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。結果を表10に示す。なお、定着試験に用いた紙は、シャープ(株)製のCopyBond SF-70NA(75g/m2)である。
非磁性一成分現像方式プリンター「HL−2040」(ブラザー工業社製)を改造した装置にトナーを実装し、未定着画像を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着画像を得た。その後は、試験例1Aと同じ方法、低温定着性を評価した。
A:最低定着温度が150℃未満である。
B:最低定着温度が150℃以上、170℃未満である。
C:最低定着温度が170℃以上である。
トナー4gを温度55℃、相対湿度60%の環境下で72時間放置した。放置後、トナー凝集の発生程度を目視にて観察し、以下の評価基準より保存性を評価した。結果を表10に示す。
A:72時間後でも凝集は全く認められない。
B:48時間後で凝集は認められないが72時間後では凝集が認められる。
C:48時間で凝集が認められる。
トナー0.6gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径90μm)19.4gとを50mL容のポリ瓶に入れ、ボールミルを用いて250r/minで10分間混合し、1分、10分における帯電量をq/mメーター(EPPING社製)を用いて測定した。所定の混合時間後、q/mメーター付属のセルに規定量の現像剤を投入し、目開き32μmのふるい(ステンレス製、綾織、線径:0.0035mm)を通してトナーのみを90秒間前述の測定機で吸引した。そのとき発生するキャリア上の電圧変化をモニターし、以下の評価基準に従って、帯電立ち上がり性を評価した。結果を表10に示す。
キャリアを「P-01」(フェライトキャリア:日本画像学会標準品、平均粒子径:70μm)に変更した以外は、試験例3Aと同じ本発明法で、帯電立ち上がり性を評価した。
(混合時間1分における帯電量)/(混合時間10分における帯電量)の値が
A:0.95以上
B:0.9以上0.95未満
C:0.9未満
温度32℃、相対湿度85%の条件下にて、トナー0.6gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径:90μm)19.4gとを50ml容のポリビンに入れ、ボールミルを用いて250r/minで混合し、以下の方法により、トナーの帯電量をQ/Mメーター(EPPING社製)を用いて測定した。
キャリアを「P-01」(フェライトキャリア:日本画像学会標準品、平均粒子径:70μm)に変更した以外は、試験例4Aと同じ本発明法で、帯電安定性を評価した。
A:0.8以上
B:0.6以上、0.8未満
C:0.6未満
Claims (7)
- (1) アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸から選ばれる少なくとも1種のコハク酸誘導体を含有するポリカルボン酸成分と、式(I):
で表される1種以上の芳香族化合物を含む原料モノマー、又は
(2) アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸から選ばれる少なくとも1種のコハク酸誘導体を含有するポリカルボン酸成分、前記式(I)で表される1種以上の芳香族化合物、及び式(I)で表される化合物以外のポリヒドロキシ成分を含む原料モノマー
を縮重合して得られる構造を有するポリエステル系樹脂を含有してなるトナー用結着材。 - 式(I)で表される芳香族化合物の含有量が、原料モノマー中、0.5〜80モル%である、請求項1記載のトナー用結着材。
- コハク酸誘導体の含有量が、原料モノマー中のカルボン酸成分中、3〜60モル%である、請求項1又は2に記載のトナー用結着材。
- 式(I)で表される芳香族化合物が、フェルラ酸、5-ヒドロキシフェルラ酸、シナピン酸、バニリン酸及びシリンガ酸からなる群より選ばれた少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸を含む、請求項1〜3いずれか記載のトナー用結着材。
- ポリヒドロキシ成分が脂肪族ジオールを含む、請求項1〜4いずれか記載のトナー用結着材。
- 式(I)で表される芳香族化合物が、コニフェリルアルコール、5-ヒドロキシコニフェリルアルコール、及びシナピルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のジオールを含む、請求項1〜5いずれか記載のトナー用結着材。
- 請求項1〜6いずれか記載のトナー用結着材を含有してなる、電子写真用トナー。
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