JP2011090173A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた低温定着性と保存性とを維持しつつ、帯電立ち上がり性と高温高湿下での帯電安定性に優れた電子写真用トナー、該トナーに用いられる結着樹脂及びポリエステル系樹脂を提供すること。
【解決手段】アルコール成分と、アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸から選ばれる少なくとも1種のコハク酸誘導体を含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる電子写真トナー用ポリエステル系樹脂であって、式(I):
Figure 2011090173

(式中、R1は、水素原子、水酸基又はメトキシ基を示し、Xは、水素原子、アルデヒド基、アリル基、ビニル基、メトキシ基又は連結基を有していてもよい水酸基もしくはカルボキシル基を示す。)
で表される芳香族化合物を、カルボン酸成分及び/又はアルコール成分として用いて得られる、電子写真トナー用ポリエステル系樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真トナー用ポリエステル系樹脂、該ポリエステル系樹脂を含有したトナー用結着樹脂及び該結着樹脂を含有した電子写真用トナーに関する。
近年、マシンの高速化、省エネ化に伴い、低温定着性に優れたトナーが要求されている。トナー用結着樹脂として、低温定着性に優れるポリエステルが多数検討されており、その中でも、低い軟化点を維持しつつ、ガラス転移点を向上させることが可能である芳香環を有するカルボン酸を原料モノマーとして用いて得られたポリエステルが用いられている。しかしながら、かかるポリエステルを使用したトナーは、帯電の立ち上がりが遅いという課題がある。
特許文献1には、帯電立ち上がり性及び耐湿、耐熱保存性に優れるトナーの提供を課題として、少なくとも結着樹脂、ワックス、着色剤及び帯電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記帯電制御剤として芳香族オキシカルボン酸の金属錯体を用い、さらに第三物質としてヒドロキシ化芳香族オキシカルボン酸化合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
特許文献2には、低温定着性及び耐オフセット性に優れ、かつ機内汚染を低減することのできるトナーを提供することを課題として、アルコール成分と炭素数が10以上のアルキルコハク酸及び/又は炭素数が10以上のアルケニルコハク酸を0.5〜50モル%含有したカルボン酸成分とを縮重合して得られるトナー用ポリエステルであって、加熱脱着−ガスクロマトグラフ−質量分析において6-メチル-2-ヘプタノン及び5-メチル-2-ヘプタノンの検出量が各々0.5ppm以下であるトナー用ポリエステルが開示されている。
特開2006−71970号公報 特開2007−163682号公報
しかしながら、マシンの高速化に対応したトナーでは、さらなる帯電立ち上がり性と帯電安定性の向上が望まれる。
本発明の課題は、優れた低温定着性と保存性とを維持しつつ、帯電立ち上がり性と高温高湿下での帯電安定性に優れた電子写真用トナー、該トナーに用いられる結着樹脂及びポリエステル系樹脂を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 アルコール成分と、アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸から選ばれる少なくとも1種のコハク酸誘導体を含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる電子写真トナー用ポリエステル系樹脂であって、式(I):
Figure 2011090173
(式中、R1は、水素原子、水酸基又はメトキシ基を示し、Xは、水素原子、アルデヒド基、アリル基、ビニル基、メトキシ基又は連結基を有していてもよい水酸基もしくはカルボキシル基を示す。)
で表される芳香族化合物を、カルボン酸成分及び/又はアルコール成分として用いて得られる、電子写真トナー用ポリエステル系樹脂、
〔2〕 前記〔1〕記載のポリエステル系樹脂を含有してなる、電子写真トナー用結着樹脂、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載の結着樹脂を含有してなる、電子写真用トナー
に関する。
本発明のポリエステル系樹脂を結着樹脂として含有した電子写真用トナーは、優れた低温定着性と保存性を維持しつつ、帯電立ち上がり性と高温高湿下での帯電安定性に優れるという効果を奏するものである。
本発明のポリエステル系樹脂は、アルコール成分と、アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸から選ばれる少なくとも1種のコハク酸誘導体を含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる電子写真トナー用ポリエステル系樹脂であり、式(I):
Figure 2011090173
(式中、R1は、水素原子、水酸基又はメトキシ基を示し、Xは、水素原子、アルデヒド基、アリル基、ビニル基、メトキシ基又は連結基を有していてもよい水酸基もしくはカルボキシル基を示す。)
で表される芳香族化合物を、カルボン酸成分及び/又はアルコール成分として用いて得られる樹脂である点に特徴を有しており、これにより、トナーの結着樹脂として、トナーの低温定着性と保存性を損なうことなく、優れた帯電立ち上がり性を発揮する。本発明のポリエステル系樹脂が帯電立ち上がり性に優れるのは、樹脂中において、式(I)で表される芳香族化合物が、テレフタル酸やイソフタル酸と比べ、芳香環内で電子供与性を有するメトキシ基と水酸基が互いに隣接した炭素原子に結合しているため、pKa(等電点)の高いフェノール性の水酸基を有するモノマーとなり、芳香環中の電子密度が上がる結果、帯電の立ち上がり性が向上するものと考えられる。水酸基の結合した炭素原子に隣接する炭素原子に結合するメトキシ基の数は、少なくとも1つあれば、トナーの帯電の立ち上がり性が向上するが、2つであってもよい。さらに、高温高湿下での帯電安定性に優れるのは、上記特定の構造を有する芳香族化合物がポリエステル主鎖の疎水性を高めるとともに、疎水性の高い長鎖炭化水素基を有するコハク酸誘導体を側鎖に用いているため吸湿性が低下することによるものと推定される。
式(I)のXにおいて、水酸基又はカルボキシル基が有していてもよい連結基としては、好ましくは不飽和結合を有する2価の炭化水素基であり、炭素数は、好ましくは2〜4、より好ましくは2又は3の2価の炭化水素基が望ましく、連結基を有さない場合は、Xは、水酸基又はカルボキシル基となる。より好ましいXの具体例としては、−CH=CH−COOH又は−CH=CH−CH2OHで表される基が挙げられる。
1とXの好ましい組み合わせとしては、R1が水素原子のとき、Xは、アルデヒド基、アリル基、ビニル基、メトキシ基又は連結基を有していてもよい水酸基もしくはカルボキシル基であることが好ましい。R1が水酸基のとき、Xは、メトキシ基又は連結基を有していてもよい水酸基もしくはカルボキシル基であることが好ましい。また、R1がメトキシ基のとき、Xは、水素原子、アルデヒド基、又は連結基を有していてもよい水酸基もしくはカルボキシル基が好ましい。
芳香族化合物の分子量は、縮重合の反応性の観点から、1000以下が好ましく、800以下がより好ましい。また、下限は、R1及びXがともに水素原子である場合の124である。
式(I)で表される芳香族化合物は、官能基の種類によって、ポリエステルの原料モノマーとして、縮重合の際に、カルボン酸成分とアルコール成分のいずれの成分としても作用する。ヒドロキシカルボン酸は、主にカルボン酸成分として縮重合するため、本発明においては、便宜上、芳香族化合物が、Xがカルボキシル基を有しているヒドロキシカルボン酸である場合には、カルボン酸成分として、Xがカルボキシル基を有していないアルコールである場合には、アルコール成分としてみなし、含有量やモル比の計算に用いる。一般に、芳香環に直接結合した水酸基の反応性は低いが、式(I)で表される芳香族化合物は、水酸基が結合する炭素原子に隣接する炭素原子にメトキシ基が結合しているため、反応性は高くなるものと考えられる。
式(I)で表される芳香族化合物において、カルボン酸成分として用いられる芳香族化合物としては、トナーの帯電立ち上がり性の観点から、フェルラ酸(X:−CH=CH−COOH、R1:水素原子)、5-ヒドロキシフェルラ酸(X:−CH=CH−COOH、R1:水酸基)、シナピン酸(X:−CH=CH−COOH、R1:メトキシ基)、バニリン酸(X:−COOH、R:H)及びシリンガ酸(X:−COOH、R1:メトキシ基)からなる群より選ばれた少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸が好ましく、フェルラ酸、5-ヒドロキシフェルラ酸、シナピン酸、及びシリンガ酸からなる群より選ばれた少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸がより好ましい。
また、アルコール成分として用いられる芳香族化合物としては、バニリン(X:−CHO、R1:水素原子)、オイゲノール(X:−CH2−CH=CH2、R1:水素原子)、2-メトキシ-4-ビニルフェノール(X:−CH=CH2、R1:水素原子)、2,4−ジメトキシフェノール(X:メトキシ基、R1:水素原子)、2,6−ジメトキシフェノール(X:水素原子、R1:メトキシ基)等のモノアルコール(フェノール性の水酸基);コニフェリルアルコール(X:−CH=CH−CH2OH、R1:水素原子)、5-ヒドロキシコニフェリルアルコール(X:−CH=CH−CH2OH、R1:水酸基)、シナピルアルコール(X:−CH=CH−CH2OH、R1:メトキシ基)等のジオール(フェノール性の水酸基を含む)が挙げられ、これらの中では、トナーの帯電立ち上がり性の観点から、ジオールが好ましく、コニフェリルアルコール、5-ヒドロキシコニフェリルアルコール及びシナピルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のジオールが好ましい。
本発明のトナー用ポリエステル系樹脂において、式(I)で表される芳香族化合物は、カルボン酸成分とアルコール成分のいずれか一方であっても、両方に用いられていてもよい。
式(I)で表される芳香族化合物の含有量は、トナーの保存性、帯電立ち上がり性及び高温高湿下での帯電安定性の観点から、カルボン酸成分とアルコール成分の総量中、好ましくは0.5〜80モル%、より好ましくは2.5〜80モル%、さらに好ましくは2.5〜60モル%、よりさらに好ましくは5〜50モル%であり、よりさらに好ましくは5〜25モル%である。
式(I)で表される芳香族化合物がヒドロキシカルボン酸である場合、該ヒドロキシカルボン酸の含有量は、トナーの帯電立ち上がり性及び高温高湿下での帯電安定性の観点から、ポリエステル系樹脂を構成するカルボン酸成分の総量中、好ましくは5〜90モル%、より好ましくは10〜80モル%、さらに好ましくは10〜50モル%である。
式(I)で表される芳香族化合物がカルボキシル基を有していないジオールである場合、該ジオールの含有量は、トナーの帯電立ち上がり性及び高温高湿下での帯電安定性の観点から、ポリエステル系樹脂を構成するアルコール成分の総量中、好ましくは5〜100モル%、より好ましくは10〜80モル%、よりさらに好ましくは10〜50モル%である。
式(I)で表される芳香族化合物がカルボキシル基を有していないモノアルコールである場合、該モノアルコールの含有量は、トナーの帯電立ち上がり性及び高温高湿下での帯電安定性の観点から、ポリエステル系樹脂を構成するアルコール成分の総量中、好ましくは1〜80モル%、より好ましくは3〜70モル%、さらに好ましくは5〜50モル%である。
本発明のトナー用ポリエステル系樹脂に用いられるカルボン酸成分は、トナーの低温定着性及び高温高湿下での帯電安定性を更に高める観点から、アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸から選ばれる少なくとも1種のコハク酸誘導体を含有する。なお、コハク酸誘導体は、アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸の無水物や炭素数1〜3の低級アルキルエステルであってもよい。
アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸におけるアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下での帯電安定性を高める観点から、9〜18であり、好ましくは9〜14、より好ましくは10〜12である。それらのアルキル基及びアルケニル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、高温高湿下での帯電安定性を高める観点から、分岐鎖であることが好ましい。
さらに、トナーの低温定着性及び高温高湿下での帯電安定性を高める観点から、コハク酸誘導体は、炭素数9〜18、好ましくは9〜14の分岐鎖のアルキル基を有するアルキルコハク酸及び炭素数9〜18、好ましくは9〜14の分岐鎖のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸からなる群から選ばれる2種以上からなるものが好ましい。従って、コハク酸誘導体は、炭素数9〜18、好ましくは9〜14の分岐鎖のアルキル基を有するアルキルコハク酸の2種以上からなるもの、炭素数9〜18、好ましくは9〜14の分岐鎖のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸の2種以上からなるもの、又は前記アルキルコハク酸及び前記アルケニルコハク酸の各々1種以上からなるものが好ましい。
炭素数の異なる、分岐鎖のアルキル基及び/又はアルケニル基を有するコハク酸誘導体を併用することにより、得られる樹脂は、示差走査熱量分析(DSC)におけるガラス転移点付近の吸熱ピークがブロードとなるため、トナー用結着樹脂として、非常に広範囲な定着領域を有するものとなる。
ここでいう「種類」は、アルキル基又はアルケニル基に由来するもので、アルキル基又はアルケニル基の炭素数の鎖長が異なるものや構造異性体は異なる種類のアルキルコハク酸又はアルケニルコハク酸として扱う。
分岐鎖を有する炭素数9〜18のアルキル基及びアルケニル基としては、具体的には、イソドデセニル基、イソドデシル基等が挙げられる。
トナーの保存性及び低温定着性、高温高湿下での帯電安定性を向上させる観点から、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸は、アルキレン基を有する化合物(アルキレン化合物)と、マレイン酸、フマル酸及びそれらの酸無水物から選ばれる少なくとも1種とから得られるものであることが好ましい。
アルキレン化合物としては、炭素数が9〜18、好ましくは9〜14のものが好ましく、具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ノルマルブチレン等から得られるもの、例えばこれらのトリマー、テトラマー等が好ましく用いられる。アルキレン化合物の合成に使用される好適な原料としては、構造異性体数を増やす観点から、分子量の小さいプロピレンが好ましい。また、アルキレン化合物は、コハク酸誘導体を用いて得られる縮重合系樹脂が、トナー用結着樹脂として、非常に広範囲な定着領域を有する観点から、ガスクロマトグラフィー質量分析において、後述の測定条件で、炭素数9〜18、好ましくは9〜14のアルキレン化合物に相当するピークを2以上有することが好ましく、10以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、30以上がよりさらに好ましく、また、80以下が好ましく、60以下がより好ましい。
アルキレン化合物の合成に使用される好適な触媒としては、液体リン酸、固体リン酸、タングステン、三フッ化ホウ素錯体等が挙げられる。なお、構造異性体の数の制御容易性の観点から、ランダム重合した後に、蒸留により調整する方法が好ましい。
一方、マレイン酸、フマル酸及びそれらの酸無水物のなかでは、反応性の観点から、無水マレイン酸が好ましい。
アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸は、公知の製造方法により得ることができるが、例えば、アルキレン化合物と、マレイン酸、フマル酸及びそれらの酸無水物から選ばれる少なくとも1種とを混合し、加熱することで、エン反応を利用することにより得られる(特開昭48−23405号公報、特開昭48−23404号公報、米国特許3374285号明細書等参照)。
コハク酸誘導体の含有量は、トナーの低温定着性、保存性及び高温高湿下での帯電安定性の観点から、カルボン酸成分中、3〜60モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましい。
コハク酸誘導体と前記芳香族化合物のモル比(コハク酸誘導体/前記芳香族化合物)は、帯電立ち上がり性及び高温高湿下での帯電安定性の観点から、0.1〜5が好ましく、0.2〜3がより好ましく、0.25〜1.5がさらに好ましい。
カルボン酸成分には、コハク酸誘導体以外に、ジカルボン酸化合物や3価以上の多価カルボン酸化合物が含有されていてもよい。
ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。本発明において、上記のような酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。
カルボン酸成分は、保存性の観点から、芳香族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましい。カルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは20〜70モル%である。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
その他のカルボン酸化合物として、ロジン;フマル酸、マレイン酸、アクリル酸等で変性されたロジン等も挙げられる。
本発明において、カルボン酸成分は、樹脂の分子量を上げ、トナーの低温定着性及び保存性を高める観点から、3価以上の多価カルボン酸化合物、好ましくはトリメリット酸化合物、より好ましくは無水トリメリット酸を含有していることが望ましい。3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、0.1〜30モル%が好ましく、1〜25モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
前記芳香族化合物以外のアルコール成分としては、式(II):
Figure 2011090173
(式中、R2O及びOR2はオキシアルキレン基であり、R2はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物又は脂肪族ジオールが好ましい。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物は、トナーの保存性の観点から好ましい。
式(II)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、及び2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
前記ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、トナーの保存性の観点から、アルコール成分中、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%である。
前記芳香族化合物をカルボン酸成分として用いる場合(即ち、式(I)で表される芳香族化合物がカルボキシル基を有しているヒドロキシカルボン酸である場合、以下同じ)、前記ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、トナーの保存性の観点から、アルコール成分中、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%である。
前記芳香族化合物をアルコール成分として用いる場合(即ち、式(I)で表される芳香族化合物がカルボキシキル基を有さないアルコールである場合、以下同じ)、又はアルコール成分とカルボン酸成分の両方に前記芳香族化合物を用いる場合、前記ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、トナーの保存性の観点から、アルコール成分中、好ましくは0〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜80モル%である。
脂肪族ジオール、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜6の脂肪族ジオールは、トナーの低温定着性の観点から好ましい。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール等が挙げられる。
それらの中で、トナーの低温定着性と保存安定性とに優れる観点から、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールが好ましい。かかる脂肪族ジオールは、低温定着性と保存性の観点から、炭素数3〜8が好ましく、炭素数3〜6がより好ましく、具体的な好適例としては、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール等が挙げられる。
従って、前記芳香族化合物のカルボン酸成分として、フェルラ酸(X:−CH=CH−COOH、R1:水素原子)、5-ヒドロキシフェルラ酸(X:−CH=CH−COOH、R1:水酸基)、バニリン酸(X:−COOH、R1:水素原子)、シナピン酸(X:−CH=CH−COOH、R1:メトキシ基)、及びシリンガ酸(X:−COOH、R1:メトキシ基)からなる群より選ばれた少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸を含むカルボン酸成分を用いた場合、前記脂肪族ジオールを用いて得られるポリエステル系樹脂が、反応性を高め、低温定着性、保存性及び帯電立ち上がり性のバランスの観点から好ましい。
脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性の観点から、アルコール成分中、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%、さらに好ましくは50〜100モル%である。
前記芳香族化合物をカルボン酸成分として用いる場合、前記脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性の観点から、アルコール成分中、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは80〜100モル%である。
前記芳香族化合物をアルコール成分として用いる場合、又はアルコール成分とカルボン酸成分の両方に前記芳香族化合物を用いる場合、前記脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性の観点から、アルコール成分中、好ましくは0〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜80モル%である。
その他のアルコールとして、グリセリン、ペンタエリスリトール、及びトリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールを用いてもよい。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、樹脂の分子量調整やトナーの耐オフセット性向上の観点から、適宜含有されていてもよい。
カルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、0.75〜1.3が好ましく、0.8〜1.3がより好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、錫化合物、チタン化合物等のエステル化触媒の存在下、不活性ガス雰囲気中にて、160〜250℃の温度で行うことが好ましく、前記芳香族化合物を添加した後の縮重合反応は、反応性や熱分解性の観点から、160〜210℃が好ましく、170〜200℃がより好ましい。より好ましくは、前記芳香族化合物以外の2価のアルコール成分及びカルボン酸成分を縮重合反応させた後、前記芳香族化合物を添加し、上記の温度で縮重合反応を行なうことが、反応性や熱分解性の観点から、好ましい。
錫化合物としては、例えば、酸化ジブチル錫が知られているが、本発明では、ポリエステル中での分散性が良好である観点から、Sn-C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。
Sn-C結合を有していない錫(II)化合物としては、Sn-O結合を有する錫(II)化合物、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が好ましく、Sn-O結合を有する錫(II)化合物がより好ましい。
Sn-O結合を有する錫(II)化合物としては、シュウ酸錫(II)、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ラウリル酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);オクチロキシ錫(II)、ラウロキシ錫(II)、ステアロキシ錫(II)、オレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(R3COO)2Sn(ここでR3は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R4O)2Sn(ここでR4は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R3COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)がさらに好ましい。
チタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C37O)2〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C4102N)2(C37O)2〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C511O)2〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C25O)2〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(OHC816O)2〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C1837O)2〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)(C37O)3〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C6143N)3(C37O)〕等が挙げられ、これらの中ではチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましく、これらは、例えばマツモト交商(株)の市販品としても入手できる。
他の好ましいチタン化合物の具体例としては、テトラ-n-ブチルチタネート〔Ti(C49O)4〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(C37O)4〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)4〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)4〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C817O)4〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C817O)2(OHC816O)2〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)2(C817O)2〕等が挙げられ、これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましい。これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることができ、又は、ニッソー社等の市販品としても入手できる。
エステル化触媒の存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜2.0重量部が好ましく、0.1〜1.5重量部がより好ましく、0.2〜1.0重量部がさらに好ましい。ここで、エステル化触媒の存在量とは、縮重合反応に供した触媒の全配合量を意味する。
本発明において、互いに隣接する3個の炭素原子に結合した水素原子が水酸基で置換されたベンゼン環を有するピロガロール化合物をエステル化触媒とともに用いることが、本発明に用いられる芳香族化合物の反応性を高め、トナーの保存性を向上させる観点から好ましい。
ピロガロール化合物としては、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4-テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート等のカテキン誘導体等が挙げられ、これらの中では、得られる樹脂の耐久性の観点から、式(III):
Figure 2011090173
(式中、R5〜R7はそれぞれ独立して、水素原子又は−COOR8(R8は水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数2〜12のアルケニル基を示す)を示す)
で表される化合物が好ましい。式中、R8の炭化水素基の炭素数は、1〜8が好ましく、反応活性の観点から、炭素数1〜4がより好ましい。式(III)で表される化合物のなかでは、R5及びR7が水素原子、R6が水素原子又は−COOR8である化合物がより好ましい。具体例としては、ピロガロール(R5〜R7:水素原子)、没食子酸(R5及びR7:水素原子、R6:−COOH)、没食子酸エチル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC25)、没食子酸プロピル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC37)、没食子酸ブチル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC49)、没食子酸オクチル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC817)、没食子酸ラウリル(R5及びR7:水素原子、R6:−COOC1225)等の没食子酸エステル等が挙げられる。トナーの保存性の観点からは、没食子酸及び没食子酸エステルが好ましい。
縮重合反応におけるピロガロール化合物の存在量は、縮重合反応に供される原料モノマー100重量部に対して、トナーの保存性の観点から、0.001〜1.0重量部が好ましく、0.005〜0.4重量部がより好ましく、0.01〜0.2重量部がさらに好ましい。ここで、ピロガロール系化合物の存在量とは、縮重合反応に供したピロガロール系化合物の全配合量を意味する。
ピロガロール化合物は、エステル化触媒の助触媒として働いていると考えられる。ピロガロール化合物とともに用いられるエステル化触媒としては、錫化合物、チタン化合物、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、及び2酸化ゲルマニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属触媒が好ましい。
ピロガロール化合物とエステル化触媒の重量比(ピロガロール化合物/エステル化触媒)は、トナーの保存性の観点から、0.01〜0.5が好ましく、0.03〜0.3がより好ましく、0.05〜0.2がさらに好ましい。
本発明のポリエステル系樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分の縮重合によるポリエステルユニットを含む樹脂をいい、ポリエステルだけでなく、ポリエステル・ポリアミド等も含まれるが、これらの中では、耐久性及び帯電立ち上がり性の観点から、ポリエステルが好ましい。
なお、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい
ポリエステル変性樹脂としては、例えば、ポリエステルがウレタン結合で変性されたウレタン変性ポリエステル、ポリエステルがエポキシ結合で変性されたエポキシ変性ポリエステル、及びポリエステル成分とビニル系樹脂成分を含む2種以上の樹脂成分を有する複合樹脂等が挙げられる。
ポリエステル成分とビニル系樹脂成分とを有する複合樹脂は、それぞれの樹脂を必要に応じて開始剤等の存在下に溶融混練する方法、それぞれの樹脂を溶剤に溶解させ混合する方法、それぞれの樹脂の原料モノマー混合物を重合させる方法等の、いずれの方法により製造されたものでもよい。好ましくは、前記ポリエステル成分の原料モノマー及びビニル系樹脂成分の原料モノマーを用いて、縮重合反応と付加重合反応とを行う方法により得られる樹脂(特開平7−98518号公報)である。具体的には、縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーに加えて、さらに縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物(両反応性モノマー)を用いて得られるハイブリッド樹脂(縮重合系樹脂と付加重合系樹脂とが部分的に両反応性モノマーを介して結合した樹脂)であることが好ましい。両反応性モノマーとしては、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシル基、より好ましくはカルボキシル基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸がより好ましい。
ビニル系樹脂成分の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられる。反応性、粉砕性及び帯電安定性の観点から、スチレン、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸メチルが好ましく、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが、ビニル系樹脂成分中、50重量%以上含有されていることが好ましく、より好ましくは80〜100重量%である。
なお、ビニル系樹脂成分の原料モノマーを重合させる際には、重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
ビニル系樹脂成分の原料モノマーに対するポリエステル成分の原料モノマーの重量比(ポリエステル成分の原料モノマー/ビニル系樹脂成分の原料モノマー)は、ポリエステル成分により連続相を形成する観点から、好ましくは55/45〜95/5、より好ましくは60/40〜95/5、70/30〜90/10がさらに好ましい。なお、両反応性モノマーはポリエステル成分の原料モノマーとする。
本発明のポリエステル系樹脂の軟化点は、トナーの定着性、保存性及び耐久性の観点から、90〜160℃が好ましく、100〜150℃がより好ましく、105〜145℃がさらに好ましい。
本発明の結着樹脂を軟化点の高い樹脂と低い樹脂とを両方用いることが、トナーの低温定着性と保存性の観点から好ましく、軟化点が好ましくは10℃以上、より好ましくは20〜60℃異なる高軟化点樹脂と低軟化点樹脂とからなることが好ましい。高軟化点樹脂の軟化点は、好ましくは125℃を超えて、160℃、より好ましくは130〜150℃であり、低軟化点樹脂の軟化点は、好ましくは90〜125℃、より好ましくは90〜110℃である。高軟化点樹脂の低軟化点樹脂に対する重量比(高軟化点樹脂/低軟化点樹脂)は、1/3〜3/1が好ましく、1/3〜2/1がより好ましい。
ガラス転移点は、トナーの定着性、保存性及び耐久性の観点から、45〜85℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
帯電立ち上がり性の観点から、酸価は、5〜90mgKOH/gが好ましく、10〜80mgKOH/gがより好ましく、10〜70mgKOH/gがさらに好ましく、水酸基価は、1〜80mgKOH/gが好ましく、8〜60mgKOH/gがより好ましく、8〜55mgKOH/gがさらに好ましい。
本発明のポリエステル系樹脂を含む結着樹脂を用いることにより、トナーの低温定着性と保存性と高温高湿下での帯電安定性を維持しつつ、帯電立ち上がり性に優れた電子写真用トナーが得られる。
本発明の結着樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の結着樹脂、例えば、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂が併用されていてもよいが、本発明のポリエステル系樹脂の含有量は、結着樹脂中、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%であることがさらに好ましい。
本発明のトナーには、さらに、着色剤、離型剤、荷電制御剤、荷電制御樹脂、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
離型剤としては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバロウワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、結着樹脂中への分散性の観点から、0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(ヘキスト社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業社製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成社製)等が挙げられる。
また、負帯電性の荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-77」(保土谷化学工業社製)、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット社製);サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「E-304」(以上、オリエント化学工業社製)、「TN-105」(保土谷化学工業社製);銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(ヘキスト社製)、ニトロイミダゾール誘導体;有機金属化合物、例えば「TN105」(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電立ち上がり性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましく、0.3〜3重量部がさらに好ましく、0.5〜3重量部がよりさらに好ましく、1〜2重量部がよりさらに好ましい。
本発明には、帯電性を向上させるために、荷電制御樹脂を含有することが好ましい。荷電制御樹脂としては、スチレン系樹脂が好ましく、トナーの正帯電性発現の観点からは、4級アンモニウム塩基含有スチレン系樹脂が好ましく、トナーの負帯電性発現の観点からは、スルホン酸基含有スチレン系樹脂が好ましい。
4級アンモニウム塩基含有スチレン系樹脂としては、式(IVa):
Figure 2011090173
(式中、R9は水素原子又はメチル基を示す)
で表される単量体、式(IVb):
Figure 2011090173
(式中、R10は水素原子又はメチル基、R11は炭素数1〜12のアルキル基を示す)
で表される単量体、及び式(IVc):
Figure 2011090173
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13及びR14はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を示す)
で表される単量体又はその4級化物を含有する単量体混合物の重合により得られる4級アンモニウム塩基含有スチレンアクリル系樹脂がより好ましい。予め単量体を4級化してもよく、重合後に4級化してもよい。4級化剤としては、塩化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジエチル、硫酸ジ-n-プロピル等が挙げられる。
式(IVa)で表される単量体としては、好ましくはR9が水素原子であるスチレン、式(IVb)で表される単量体としては、R10が好ましくは水素原子であり、R11が好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。式(IVb)で表される単量体の具体例としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。式(IVc)で表される単量体としては、好ましくはR12がメチル基、R13及びR14がメチル基又はエチル基である単量体、より好ましくはR12、R13及びR14がメチル基であるメタクリル酸ジメチルアミノエチルが、それぞれ望ましい。
4級アンモニウム塩基含有スチレン系樹脂において、単量体混合物中の式(IVa)で表される単量体の含有量は、好ましくは60〜97重量%、より好ましくは70〜90重量%であり、式(IVb)で表される単量体の含有量は、好ましくは1〜33重量%、より好ましくは5〜20重量%であり、式(IVc)で表される単量体又はその4級化物の含有量は、好ましくは2〜35重量%、より好ましくは5〜20重量%であることが望ましい。
式(IVa)〜(IVc)で表される単量体を用いて得られる4級アンモニウム塩基含有スチレン系樹脂の具体例としては、アクリル酸ブチル・N,N-ジエチル-N-メチル-2-(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム・スチレン共重合体等が挙げられる。
スルホン酸基含有スチレン系樹脂としては、前記の式(IVa)で表される単量体、式(IVb)で表される単量体、及びスルホン酸基含有単量体を含有する単量体混合物を重合することにより得られるスルホン酸基含有スチレン系樹脂が好ましい。
スルホン酸基含有モノマーとしては、(メタ)アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸が挙げられる。具体的には、アクリル酸2-エチルヘキシル・2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸・スチレン共重合物等が挙げられる。
スルホン酸基含有スチレン系樹脂において、単量体混合物中の式(IVa)で表される単量体の含有量は、好ましくは60〜97重量%、より好ましくは70〜90重量%であり、式(IVb)で表される単量体の含有量は、好ましくは1〜33重量%、より好ましくは5〜20重量%であり、スルホン酸基含有モノマーの含有量は、好ましくは2〜35重量%、より好ましくは5〜20重量%であることが望ましい。
4級アンモニウム塩基含有スチレン系樹脂及びスルホン酸基含有スチレン系樹脂のいずれにおいても、単量体混合物の重合は、例えば、単量体混合物をアゾビスジメチルバレロニトリル等の重合開始剤の存在下で不活性ガス雰囲気下、50〜100℃に加熱することにより、行うことができる。なお、重合法としては、溶液重合、懸濁重合又は塊状重合のいずれでもよいが、好ましくは溶液重合である。
スチレン系樹脂の軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、100〜140℃が好ましく、110〜130℃がより好ましい。
荷電制御樹脂として含有されるスチレン系樹脂の使用量は、トナーの帯電性発現の観点から、結着樹脂100重量部に対して、3〜40重量部が好ましく、4〜30重量部がより好ましく、5〜20重量部がさらに好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。一方、トナーの小粒径化の観点からは、重合法によるトナーが好ましい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーには、転写性を向上させるために、無機微粒子を外添剤として用いるのが好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上が好ましく挙げられ、これらの中では、シリカが好ましく、埋め込み防止の観点から、比重の小さいシリカが含有されているのがより好ましい。
シリカは、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。
シリカを疎水化する方法としては、シリカ粒子の表面のシラノール基を好ましくは炭素数1〜12のアルキルシリル基(例えば、メチルシリル基、ヘキシルシリル基等)等の疎水基により修飾するか、または、疎水性樹脂により表面を被覆することが好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、オルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノジシラザン、環状オルガノポリシラザン、線状オルガノポリシロキサン等が例示され、具体的には、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの中ではヘキサメチルジシラザンが好ましい。
外添剤の平均粒径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、10〜250nmであり、10〜200nmが好ましく、15〜90nmがより好ましい。
外添剤の含有量は、外添剤で処理する前のトナー粒子100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜3重量部であり、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
〔アルキレン化合物の質量分析ガスクロマトグラフィーによる分析〕
質量分析ガスクロマトグラフ(GC/MS)にCIイオンソースと下記分析カラムを取り付け、立上げを行う。なお、CI反応ガス(メタン)を流し、MS部の真空排気作業から24時間経過後にチューニングを行う。
(1) GC
ガスクロマトグラフ : Agilent社 HP6890N
分析カラム : HP社製 Ultra1(カラム長50m、内径0.2mm、膜厚0.33μm)
GCオーブン昇温条件: 初期温度 100℃(0min)
第1段階昇温速度 1℃/min(150℃まで)
第2段階昇温速度 10℃/min(300℃まで)
最終温度 300℃(10min)
サンプル注入量 : 1μL
注入口条件 : 注入モード スプリット法
スプリット比 50:1
注入口温度 300℃
キャリアガス : ガス ヘリウム
流量 1ml/min(定流量モード)
(2) 検出器
質量分析器 : Agilent社製 5973N MSD
イオン化法 : 化学イオン化法
反応ガス : イソブタン
温度設定 : 四重極 150℃
イオン源 250℃
検出条件 : スキャン
スキャン範囲 : m/z 75〜300
検出器ON時間 : 5min
キャリブレーション(質量校正及び感度調整)
: 反応ガス メタン
キャリブラント PFDTD(ペルフルオロ−5,8-ジメチル
-3,6,9-トリオキシドデカン)
チューニング法 オートチューニング
(3) 試料調製
プロピレンテトラマーを、5重量%の濃度でイソプロピルアルコールに溶解させる。
(データ処理法)
炭素数が9〜14の範囲にある各炭素数のアルケン成分について、それぞれ分子イオンに該当する質量数によるマスクロマトグラムを抽出し、S/N(シグナル/ノイズ比)>3の条件下で、成分毎の積分条件に従い積分を実行する。表1〜5の各々に示す検出結果から、特定アルキル鎖長成分の割合を以下の式により計算する。
Figure 2011090173
Figure 2011090173
(4)積分条件
918
Figure 2011090173
1020
Figure 2011090173
1122、C1224及びC1326
Figure 2011090173
1428
Figure 2011090173
本発明において、炭素数9〜14に相当するアルキレン化合物とは、ガスクロマトグラフィー質量分析において、分子イオンに対応するピークのことをいう。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔樹脂の水酸基価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔外添剤の平均粒径〕
走査電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
アルキレン化合物Aの製造例
新日本石油株式会社製のプロピレンテトラマー(商品名:ライトテトラマー)を用いて、183〜208℃の加熱条件で分留してアルキレン化合物Aを得た。得られたアルキレン化合物Aは,ガスクロマトグラフィー質量分析において、40個のピークを有していた。アルキレン化合物の分布は、C9:0.5重量%、C10:4重量%、C11:20重量%、C12:66重量%、C13:9重量%、C14:0.5重量%であった。
アルキレン化合物Bの製造例
アルキレン化合物Aの製造例において、分留条件を171〜175℃に変更した以外は同様にして、アルキレン化合物Bを得た。得られたアルキレン化合物Bはガスクロマトグラフィー質量分析において、25個のピークを有していた。アルキレン化合物の分布は、アルキレン化合物Aと同様の分布を有していた。
アルケニル無水コハク酸Aの製造例
1Lの日東高圧製オートクレーブにアルキレン化合物A 542.4g、無水マレイン酸157.2g、チェレックス-O 0.4g(堺化学工業(株)社製)、ブチルハイドロキノン0.1gを仕込み、加圧窒素置換(0.2MPaG)を3回繰り返した。60℃で撹拌開始後、230℃まで1時間かけて昇温して6時間反応を行った。反応温度到達時の圧力は、0.3MPaGであった。反応終了後、80℃まで冷却し、常圧(101.3kPa)に戻して1Lの4つ口フラスコに移しかえた。180℃まで撹拌しながら昇温し、1.3kPaにて残存アルキレン化合物を1時間で留去した。ひきつづき、室温(25℃)まで冷却後、常圧(101.3kPa)に戻して目的物のアルケニル無水コハク酸A 406.1gを得た。酸価より求めたアルケニル無水コハク酸Aの平均分子量は268であった。
アルケニル無水コハク酸Bの製造例
原料として、アルキレン化合物Aに代えてアルキレン化合物Bを用いた以外は、アルケニル無水コハク酸Aの製造例と同様にして、アルケニル無水コハク酸B(平均分子量:268)を得た。
樹脂製造例1〔樹脂1〜3、5〜8、10、13〜15〕
表6〜8に示す無水トリメリット酸と式(I)で表される芳香族化合物以外の原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で反応させた後に180℃から230℃まで5℃/hrで昇温し、その後230℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させた。さらに、温度を180℃に下げ、表6〜8に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表6〜8に示す無水トリメリット酸を添加して、210℃で1時間常圧にて反応させ、その後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
樹脂製造例2〔樹脂4〕
表6に示す無水トリメリット酸と式(I)で表される芳香族化合物以外の原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させ、さらに235℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。さらに、温度を180℃に下げ、表6に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表6に示す無水トリメリット酸を添加して、200℃で反応させ、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
樹脂製造例3〔樹脂9〕
表7に示すフマル酸、無水トリメリット酸及び式(I)で表される芳香族化合物以外の原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で2時間反応した後に180℃から230℃まで5℃/hrで昇温し、その後230℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させた。さらに、180℃に冷却後、表7に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表7に示すフマル酸及び無水トリメリット酸と重合禁止剤(ターシャルブチルカテコール)0.5gを添加して、180℃から210℃まで常圧にて5時間かけて反応させ、その後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
樹脂製造例4〔樹脂11〕
表9に示す無水トリメリット酸と式(I)で表される芳香族化合物以外のポリエステルの原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、160℃まで昇温した。その後、表9に示す両反応性モノマー(アクリル酸)、スチレン系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた。その後、180℃まで昇温し、2時間反応させた後、210℃まで5℃/hrにて昇温し、210℃にて反応率が90%に到達するまで反応させた。その後、180℃に冷却し、表9に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表9に示す無水トリメリット酸を添加して、200℃で反応させ、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ハイブリッド樹脂を得た。
樹脂製造例5〔樹脂12〕
表7に示す原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で反応した後に180℃から210℃まで5℃/hrで昇温し、その後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
樹脂製造例6〔樹脂16、17、19〕
表8に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー(アルコール成分及びカルボン酸成分)及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で2反応した後に180℃から230℃まで5℃/hrで昇温し、その後230℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させた。さらに、表8に示す前記芳香族化合物を添加し、180℃で5時間反応させた後、表8に示す無水トリメリット酸を添加して、210℃で1時間常圧にて反応させ、その後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
樹脂製造例7〔樹脂18〕
表8に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃で反応率が90%に到達するまで、縮重合反応させ、さらに235℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。その後、210℃に冷却し、表8に示す無水トリメリット酸を添加して、210℃で1時間常圧にて反応させた後、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルを得た。
Figure 2011090173
Figure 2011090173
Figure 2011090173
Figure 2011090173
実施例1〜23及び比較例1〜3
表10に示す結着樹脂100重量部、着色剤5重量部、荷電制御剤1重量部及び離型剤2重量部、実施例18ではさらに荷電制御樹脂5重量部を、ヘンシェルミキサーで十分混合した後、同方向回転二軸押出し機を用い、ロール回転速度200r/min、ロール内の加熱温度80℃で溶融混練した。得られた粗粉砕物をエアージェット方式の粉砕機(IDS-2型、日本ニューマチック(株)製)により微粉砕後、分級し、体積中位粒径(D50)が7.5μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100重量部に、表10に示す外添剤1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
各実施例及び比較例で用いた着色剤、荷電制御剤、離型剤及び荷電制御樹脂は以下のとおりである。
〔着色剤〕
黒色顔料:「Mougl-L」(キャボット社製)、カーボンブラック
シアン顔料:「ECB-301」(大日精化社製)、ピグメント・ブルー15:3
マゼンタ顔料:「Super Magenta R」(大日本インキ化学工業社製)、ピグメント・レッド122
イエロー顔料:「Paliotol Yellow D1155」(BASF社製)、ピグメント・イエロー185
〔荷電制御剤〕
CCA-A:「ボントロンS-34」(オリエント化学工業社製)、負帯電性荷電制御剤
CCA-B:「ボントロンN-04」(オリエント化学工業社製)、正帯電性荷電制御剤
CCA-C:「LR-147」(日本カーリット社製)、負帯電性荷電制御剤
CCA-D:「ボントロンE-84」(オリエント化学工業社製)、負帯電性荷電制御剤
〔離型剤〕
ワックス-A:「ハイワックスNP-056」(三井化学社製)、ポリプロピレンワックス、融点125℃
ワックス-B:「HNP-9」(日本精鑞社製)、パラフィンワックス、融点75℃
ワックス-C:「カルナバワックス C1」(加藤洋行社製)、融点80℃
〔荷電制御樹脂〕
CCR-A:「FCA-701PT」(藤倉化成社製)、正帯電性荷電制御樹脂、4級アンモニウム塩基含有スチレンアクリル系共重合体、軟化点:123℃
〔外添剤〕
シリカ-A:「R-972」(日本アエロジル社製)、負帯電性疎水性シリカ、平均粒径 16nm、疎水化処理剤 DMDS(ジメチルジクロロシラン)
シリカ-B:「HDK H3050VP」(クラリアント社製)、正帯電性疎水性シリカ、平均粒径 8nm、疎水化処理剤 アミノシラン
シリカ-C:「SI-Y」(日本アエロジル社製)、負帯電性疎水性シリカ、平均粒径 40nm、疎水化処理剤 ジメチルシリコーンオイル
試験例1A〔低温定着性〕(実施例18以外)
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改造した装置にトナーを実装し、未定着画像を得た。その後、総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)で、100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着画像の定着試験を行った。定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ローラーに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前とテープを貼って剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前)が最初に90%を越える定着ローラーの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。結果を表10に示す。なお、定着試験に用いた紙は、シャープ(株)製のCopyBond SF-70NA(75g/m2)である。
試験例1B〔低温定着性〕(実施例18)
非磁性一成分現像方式プリンター「HL−2040」(ブラザー工業社製)を改造した装置にトナーを実装し、未定着画像を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ローラーの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着画像を得た。その後は、試験例1Aと同じ方法、低温定着性を評価した。
〔評価基準〕
A:最低定着温度が150℃未満である。
B:最低定着温度が150℃以上、170℃未満である。
C:最低定着温度が170℃以上である。
試験例2〔保存性〕
トナー4gを温度55℃、相対湿度60%の環境下で72時間放置した。放置後、トナー凝集の発生程度を目視にて観察し、以下の評価基準より保存性を評価した。結果を表10に示す。
〔評価基準〕
A:72時間後でも凝集は全く認められない。
B:48時間後で凝集は認められないが72時間後では凝集が認められる。
C:48時間で凝集が認められる。
試験例3A〔帯電立ち上がり性〕(実施例18以外)
トナー0.6gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径90μm)19.4gとを50mL容のポリ瓶に入れ、ボールミルを用いて250r/minで10分間混合し、1分、10分における帯電量をq/mメーター(EPPING社製)を用いて測定した。所定の混合時間後、q/mメーター付属のセルに規定量の現像剤を投入し、目開き32μmのふるい(ステンレス製、綾織、線径:0.0035mm)を通してトナーのみを90秒間前述の測定機で吸引した。そのとき発生するキャリア上の電圧変化をモニターし、以下の評価基準に従って、帯電立ち上がり性を評価した。結果を表10に示す。
試験例3B〔帯電立ち上がり性〕(実施例18)
キャリアを「P-01」(フェライトキャリア:日本画像学会標準品、平均粒子径:70μm)に変更した以外は、試験例3Aと同じ本発明法で、帯電立ち上がり性を評価した。
〔評価基準〕
(混合時間1分における帯電量)/(混合時間10分における帯電量)の値が
A:0.95以上
B:0.9以上0.95未満
C:0.9未満
試験例4A〔高温高湿(HH)下での帯電安定性〕(実施例18以外)
温度32℃、相対湿度85%の条件下にて、トナー0.6gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径:90μm)19.4gとを50ml容のポリビンに入れ、ボールミルを用いて250r/minで混合し、以下の方法により、トナーの帯電量をQ/Mメーター(EPPING社製)を用いて測定した。
所定の混合時間後、Q/Mメーター付属のセルに規定量のトナーとキャリアの混合物を投入し、目開き32μmのふるい(ステンレス製、綾織、線径:0.0035mm)を通してトナーのみを90秒間吸引した。そのとき発生するキャリア上の電圧変化をモニターし、〔90秒後の総電気量(μC)/吸引されたトナー量(g)〕の値を帯電量(μC/g)とした。混合時間60秒後における帯電量と混合時間600秒後における帯電量の比率(混合時間60秒後における帯電量/混合時間600秒後の帯電量)を計算し、以下の評価基準に従って帯電安定性を評価した。結果を表10に示す。
試験例4B〔高温高湿(HH)下での帯電安定性〕(実施例18)
キャリアを「P-01」(フェライトキャリア:日本画像学会標準品、平均粒子径:70μm)に変更した以外は、試験例4Aと同じ本発明法で、帯電安定性を評価した。
〔評価基準〕
A:0.8以上
B:0.6以上、0.8未満
C:0.6未満
Figure 2011090173
以上の結果より、特定の芳香族化合物とコハク酸誘導体とを併用して得られたポリエステルを結着樹脂として含有した実施例1〜23のトナーは、比較例1〜3のトナーと対比して、トナーの低温定着性及び保存性のいずれもが良好であり、さらにトナーの高温高湿下での帯電安定性、及び帯電立ち上がり性にも優れていることが分かる。
本発明のポリエステル系樹脂を結着樹脂として含有した電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. アルコール成分と、アルキル(炭素数9〜18)コハク酸及びアルケニル(炭素数9〜18)コハク酸から選ばれる少なくとも1種のコハク酸誘導体を含有するカルボン酸成分とを縮重合させて得られる電子写真トナー用ポリエステル系樹脂であって、式(I):
    Figure 2011090173
    (式中、R1は、水素原子、水酸基又はメトキシ基を示し、Xは、水素原子、アルデヒド基、アリル基、ビニル基、メトキシ基又は連結基を有していてもよい水酸基もしくはカルボキシル基を示す。)
    で表される芳香族化合物を、カルボン酸成分及び/又はアルコール成分として用いて得られる、電子写真トナー用ポリエステル系樹脂。
  2. 式(I)で表される芳香族化合物の含有量が、カルボン酸成分とアルコール成分の総量中、0.5〜80モル%である、請求項1記載のポリエステル系樹脂。
  3. コハク酸誘導体の含有量が、カルボン酸成分中、3〜60モル%である、請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂。
  4. Xにおける連結基が炭素数2〜4の2価の炭化水素基である、請求項1〜3いずれか記載のポリエステル系樹脂。
  5. 式(I)で表される芳香族化合物が、フェルラ酸、5-ヒドロキシフェルラ酸、シナピン酸、バニリン酸及びシリンガ酸からなる群より選ばれた少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸を含む、請求項1〜4いずれか記載のポリエステル系樹脂。
  6. アルコール成分が脂肪族ジオールを含む、請求項1〜5いずれか記載のポリエステル系樹脂。
  7. 式(I)で表される芳香族化合物が、コニフェリルアルコール、5-ヒドロキシコニフェリルアルコール、及びシナピルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のジオールを含む、請求項1〜6いずれか記載のポリエステル系樹脂。
  8. 請求項1〜7いずれか記載のポリエステル系樹脂を含有してなる、電子写真トナー用結着樹脂。
  9. 請求項8記載の結着樹脂を含有してなる、電子写真用トナー。
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