JP4597724B2 - トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、定着方法、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、定着方法、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に好適に用いられるトナー、並びに、該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、定着方法、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
乾式現像方式で用いられている定着方式としては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ヒートローラ方式が広く一般に採用されている。近年はトナーの低温定着化による省エネルギーを図るため、定着時にトナーに与えられる熱エネルギーは小さくなる傾向にある。1999年度の国際エネルギー機関(IEA)のDSM(Demand−side M
anagement)プログラムにおいては、次世代複写機として、複写速度(CPM)が30以上の複写機の場合、待機時間が10秒以内、待機時の消費電力が10〜30ワット以下(複写速度で異なる)である性能が要求されており、省エネルギー化の達成が極めて重要な課題となっている。
前記省エネルギー化の達成としては、例えば、加熱ヒートローラなどの定着部材を低熱容量化させてトナーの温度応答性を向上させる方法が考えられている。しかし、この方法は、省エネルギー化の実現という点では、十分に満足することができる方法であるとはいえない。また、前記待機時間を極小にすることを目的として、トナー自体の定着温度を下げ、使用時のトナー定着温度を低下させる方法が考えられている。該トナーの低温定着化の方法としては、例えば、結着樹脂中にガラス転移温度がシャープメルト性を有する特定の非オレフィン系結晶性重合体や、結晶性ポリエステルを用いる方法が提案されている。
しかし、このような結晶性を有する樹脂は、トナーを形成するその他の樹脂との組合せによっては、トナーの低温定着化を図ることができないことがある。また、前記結晶性樹脂を用いるだけでは、前記トナーの低温定着化を図ることはできても、ホットオフセット現象やブロッキング現象が生じるという問題がある。更に、シャープメルト性を有する結晶性樹脂を混練する場合、トナーにおける結晶性樹脂の含有量が多すぎると溶融粘度が極端に低くなり、トナーに含まれる着色剤や離型剤の微分散化を妨げやすい。該着色剤の分散不均一は、着色度の低下を招き、高濃度の画像を得ることができないことがある他、フルカラートナーを用いる場合には、鮮明な画像を得ることができないことがある。また、着色剤が、例えば、カーボンなどの低抵抗の物質で形成される場合、トナーにおける着色剤の分散状態が悪いとトナーの抵抗を下げ、現像性の悪化による画像の地肌汚れ(かぶり)や、転写性の悪化による、ベタ部分における濃度ムラなどが発生することがある。また、離型剤の分散不均一は、トナー表面におけるワックスの存在確率を高め、着色剤の分散不均一と同様、現像性の悪化による弊害を招く。更に、経時において、2成分現像剤を用いる場合にはキャリアへ、1成分現像剤を用いる場合には、帯電ローラやブレードへ、それぞれ離型剤が融着し、耐久性が悪化するという問題がある。
また、従来より、画像の高画質化に対する要望も極めて高い。該高画質化の実現に対しては、トナーの小粒径化が有効であるが、トナー粒径が小さくなるほど、トナーを形成する各成分の分散性の悪化による問題が生じやすく、かぶりやトナー飛散が顕著になる。このため、小粒径化を考慮すると、トナーを形成する各成分の分散状態を悪化させることなく、トナーに結晶性樹脂を含有させることが必要となる。
例えば、特許文献1には、少なくとも1つの融点を有する結晶性樹脂(特に結晶性ポリエステル樹脂)を含む結着樹脂を含有することにより、トナーの低温定着性が改善されたトナーが記載されている。
また、特許文献2には、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を主成分として含むトナーを用いて行うことにより、トナーの低温定着性が改善された画像形成方法が記載されている。
しかし、これらのトナーは、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を主成分として用いているため、溶融混練した場合に、トナーにおける着色剤や離型剤の不均一に起因する前記諸問題を生ずることがある。
また、例えば、特許文献3には、結着樹脂として、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを含有し、これらが互いに不相溶であるトナーが記載されていると共に、該結晶性樹脂と該非晶性樹脂との軟化点の関係が規定されている。しかし、この技術では、結晶性樹脂のシャープメルト性により、画像の低温定着化に寄与するトナーを得ることができるものの、耐ブロッキング性が悪化することがあり、画像の低温定着化と耐ブロッキング性との両立を図る
ことが困難である。
したがって、帯電性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、耐ホットオフセット性が良好であり、優れた耐ブロッキング性と低温定着性とを両立し、高画質が得られるトナー及び該トナーを用いた関連技術は、未だ提供されていないのが現状である。
特開2002−108018号公報 特開2002−214831号公報 特開2003−167384号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、帯電性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、耐ホットオフセット性が良好であり、優れた耐ブロッキング性と低温定着性とを両立し、高画質が得られるトナー、並びに、該トナーを用い、高画質化が可能な、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリ
ッジ、定着方法、画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、結着樹脂として非晶性樹脂及び結晶性樹脂をトナーに含有し、これらを互いに相溶させることにより、トナーのガラス転移温度(Tg)が低下し、トナーの低温定着化に有効であることを知見した。また、前記結着樹脂を形成する樹脂の組合せにより、トナーのガラス転移温度(Tg)の降下度が異なり、低温定着化しやすい組合せがあることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも2種の結着樹脂を含み、該結着樹脂が非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含み、ガラス転移温度TgAが下記数式(1)で表されるガラス転移温度TgCよりも低いことを特徴とするトナーである。
ただし、前記数式(1)中、TgBiは前記非晶性樹脂のガラス転移温度を表す。nは前記非晶性樹脂の種類数を表し、bは前記非晶性樹脂の含有量(質量部)を表す。
該<1>に記載のトナーにおいては、前記結着樹脂が非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含むので、トナーの溶融粘度が低温でも下がり、温度に対する前記溶融粘度の低下が急激で、前記トナーが低温でも十分に定着される。また、前記トナーのガラス転移温度TgAが前記数式(1)で表されるガラス転移温度TgCよりも低いので、トナーの低温定着化が、より容易に実現される。このため、耐ホットオフセット性が良好であり、優れた耐ブロッキング性と低温定着性とが両立され、高画質が形成可能である。
<2> 非晶性樹脂と結晶性樹脂との少なくとも一部が互いに相溶可能である前記<1>に記載のトナーである。該<2>に記載のトナーにおいては、前記非晶性樹脂と前記結晶性樹脂との少なくとも一部が互いに相溶可能であるので、トナーのガラス転移温度TgAの低下が容易に行われる。
<3> ガラス転移温度TgAが、数式(1)で表されるガラス転移温度TgCよりも10℃以上低い前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。該<3>に記載のトナーにおいては、前記トナーのガラス転移温度TgAが、前記ガラス転移温度TgCよりも10℃以上低いので、前記トナーが低温でも十分に定着され、トナーの低温定着化が容易に実現される。
<4> トナーのDSC吸熱曲線において、結晶性ポリエステル由来の吸熱ピークが存在する前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナー。該<4>に記載のトナーにおいては、トナー中に結晶性を保持した部分が存在するため、耐ブロッキング性を確保でき、低温定着性との両立が容易となる。
<5> 結晶性樹脂が、下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリエステル樹脂である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数2〜20の2価炭化水素基を表し、nは繰り返し単位の数を表し、2〜20である。
<6> 前記一般式(1)中、Rが直鎖状不飽和脂肪族2価炭化水素基である前記<5>に記載のトナーである。該<6>に記載のトナーにおいては、ガラス転移温度(Tg)のシャープメルト性が高く、前記トナーが低温でも十分に定着される。
<7> 結晶性樹脂の結着樹脂における含有量が50質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。該<7>に記載のトナーにおいては、前記結晶性樹脂の前記結着樹脂における含有量が50質量%以下であるので、前記トナーが帯電性及び転写性に優れる。
<8> 結晶性樹脂の融点が80℃〜130℃である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。該<8>に記載のトナーにおいては、前記結晶性樹脂の融点が所定の数値範囲内にあるので、優れた耐ブロッキング性と低温定着性とが両立され、高画質が形成可能である。
<9> 結晶性樹脂の粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークが存在する前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 非晶性樹脂のガラス転移温度TgBが40〜70℃であり、軟化点(F1/2)が120〜160℃である前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。該<10>に記載のトナーにおいては、非晶性樹脂のガラス転移温度TgB及び軟化点(F1/2)が所定の数値範囲内にあるので、耐ホットオフセット性が良好であり、優れた耐ブロッキング性と低温定着性とが両立され、高画質が形成可能である。
<11> 非晶性樹脂が、少なくともポリエステル樹脂を含む前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーである。該<11>に記載のトナーにおいては、前記非晶性樹脂がポリエステル樹脂であるので、前記トナーのガラス転移温度TgAの低下が容易に実現される。
<12> 非晶性樹脂のポリエステル樹脂が、構成成分として、フマル酸、マレイン酸、及びコハク酸の少なくともいずれかを含む前記<11>に記載のトナー。
<13> 非晶性樹脂及び結晶性樹脂が、少なくともポリエステル樹脂を含み、結晶性樹脂のポリエステル樹脂及び非晶性樹脂のポリエステル樹脂が、いずれも、構成成分として、フマル酸、マレイン酸、及びコハク酸の少なくともいずれかを含有する前記<4>に記載のトナーである。該<13>に記載のトナーにおいては、前記非晶性樹脂であるポリエステル樹脂が、前記フマル酸、前記マレイン酸、及び前記コハク酸の少なくともいずれかを含むので、これらの成分が前記結晶性樹脂における前記ポリエステル樹脂の成分と共通し、部分相溶を達成しやすく、前記トナーのガラス転移温度TgAの低下が容易に実現される。
<14> 非晶性樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分の量が10質量%以上である前記<11>に記載のトナーである。該<14>に記載のトナーにおいては、前記非晶性樹脂のTHF不溶分の量が10質量%以上であるので、トナーの低温定着化の実現及び耐オフセット性の確保が可能である。
<15> 非晶性樹脂のポリエステル樹脂の構成成分として、芳香族ジカルボン酸を含有し、前記ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%である前記<11>に記載のトナーである。
<16> 非晶性樹脂及び結晶性樹脂が、少なくともポリエステル樹脂を含み、前記非晶性樹脂のポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%であり、結晶性樹脂のポリエステル樹脂及び非晶性樹脂のポリエステル樹脂の少なくともいずれかが、構成成分として、芳香族ジカルボン酸を含有する前記<4>に記載のトナーである。該<15>及び<16>に記載のトナーにおいては、フルカラートナーのように複数色を重ね合わせて画像を得るトナーにおいて、鮮明な画像を得やすく、このようなトナーでも低温定着性と耐ホットオフセット性の両立、および耐ブロキング性の確保がしやすくなる。
<17> 更に離型剤を含み、該離型剤の融点が70〜90℃である前記<1>から<16>のいずれかに記載のトナーである。該<17>に記載のトナーにおいては、更に前記離型剤を含み、該離型剤の融点が所定の数値範囲内であるので、該離型剤の機能が十分に発揮される。
<18> トナーの体積平均粒径が2.5〜7μmである前記<1>から<17>のいずれかに記載のトナーである。該<18>に記載のトナーにおいては、前記トナーの体積平均粒径が、所定の数値範囲内にあるので、細線再現性に優れた高画質を形成可能である。
<19> トナーが無機微粒子及び樹脂微粒子の少なくともいずれかを含む前記<1>から<18>のいずれかに記載のトナーである。該<19>に記載のトナーにおいては、前記トナーが前記無機微粒子及び前記樹脂微粒子の少なくともいずれかを含むので、転写性及び耐久性が向上し、高画質を形成可能である。
<20> 前記<1>から<19>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。該<20>に記載の現像剤においては、前記本発明のトナーを含むので、前記現像剤を用いて電子写真法により画像形成を行うと、ホットオフセットを生ずることなく、低温定着条件で、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
<21> 前記<1>から<19>のいずれかに記載のトナーが収容されてなることを特徴とするトナー入り容器である。該<21>に記載のトナー入り容器においては、前記本発明のトナーが収容されてなるので、該トナー入り容器に収容されたトナーを用いて電子写真法により画像形成を行うと、ホットオフセットを生ずることなく、低温定着条件で、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
<22> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<1>から<19>のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。該<22>に記載のプロセスカートリッジにおいては、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、前記本発明のトナーを用いるので、ホットオフセットを生ずることなく、低温定着条件で、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
<23> 前記<1>から<19>のいずれかに記載のトナーを用いて形成した可視像が記録媒体に転写されてなる転写像を、前記記録媒体に定着させる定着工程を含むことを特徴とする定着方法である。該<23>に記載の定着方法では、前記定着工程において、前記本発明のトナーを用いて形成した可視像が前記記録媒体に転写されてなる前記転写像が、前記記録媒体に定着される。その結果、ホットオフセットを生ずることなく、低温定着条件で、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
<24> 前記記録媒体が、平滑度20〜35secの記録紙である前記<23>に記載の定着方法。該<24>に記載の定着方法においては、<1>から<19>のトナーを用いることにより、接着性が低下しやすい平滑度の低い記録紙においても、ホットオフセットを生ずることなく、低温定着条件で、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
<25> 定着工程が、転写像を、互いに回転可能に圧接されてなる一対の定着ローラを有してなり、該一対の定着ローラ間の接触面圧(ローラ荷重/接触面積)が1×10Pa以下であり、かつ、転写像と接触する定着ローラが非弾性部材を有し、該非弾性部材の厚みが1.0mm以下である定着装置を用いて記録媒体に定着させる前記<23>に記載の定着方法である。該<25>に記載の定着方法では、前記定着工程が、低面圧、かつ、低熱容量の定着ローラを有する定着装置を用いて行われる。このため、熱量の損失が少なく、前記転写像が前記記録媒体に効率よく定着される。
<26> 定着工程が、磁場発生手段と、電磁誘導により発熱する発熱層、弾性層および離型層を少なくとも有する回転加熱部材と、該回転加熱部材とニップを形成している回転加圧部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を有する定着装置を用いて、前記ニップにおいて前記回転加圧部材が記録媒体上に転写されたトナーからなる転写像を、前記記録媒体を介して押圧しながら、記録媒体に加圧加熱定着させる工程であり、
前記トナーの、非晶性樹脂が少なくともポリエステル樹脂を含み、前記非晶性樹脂のポリエステル樹脂の構成成分として、芳香族ジカルボン酸を含有し、前記ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%である前記<23>に記載の定着方法である。
<27> 定着工程が、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラに張り渡され、前記加熱ローラにより加熱されるとともに、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、前記加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されるとともに、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置を用いて、前記定着ニップにおいて前記加圧ローラが記録媒体上に転写されたトナーからなる転写像を、前記記録媒体を介して押圧しながら、記録媒体に加圧加熱定着させる工程であり、
前記トナーの、非晶性樹脂が少なくともポリエステル樹脂を含み、前記非晶性樹脂のポリエステル樹脂の構成成分として、芳香族ジカルボン酸を含有し、前記ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%である前記<23>に記載の定着方法である。
<28> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記<1>から<19>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
該<28>に記載の画像形成装置においては、前記静電潜像形成手段が、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する。前記現像手段が、該静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像して可視像を形成する。前記転写手段が、前記可視像を記録媒体に転写する。前記定着手段が、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる。その結果、ホットオフセットを生ずることなく、低温定着条件で、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
<29> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<1>から<19>のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
該<29>に記載の画像形成方法では、前記静電潜像形成工程において、静電潜像担持体上に静電潜像が形成される。前記現像工程において、前記静電潜像が前記本発明のトナーを用いて現像され、可視像が形成される。前記転写工程において、前記可視像が記録媒体に転写される。前記定着工程において、前記記録媒体に転写された転写像が定着される。その結果、ホットオフセットを生ずることなく、低温定着条件で、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、帯電性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、耐ホットオフセット性が良好であり、優れた耐ブロッキング性と低温定着性とを両立し、高画質が得られるトナー、並びに、該トナーを用い、高画質化が可能な、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、定着方法、画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂として、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含んでなり、該非晶性樹脂と該結晶性樹脂との少なくとも一部が互いに相溶可能であり、更に必要に応じて、着色剤、離型剤、無機微粒子、樹脂微粒子、帯電制御剤等のその他の成分を含んでなる。
前記トナーのガラス転移温度TgAは、下記数式(1)で表されるガラス転移温度TgCよりも低いことが必要であり、該TgAは該TgCよりも10℃以上低いのが好ましい。前記トナーのガラス転移温度TgAと計算値TgCとの差が大きくなると、前記非晶性樹脂と前記結晶性樹脂との組合せによる低温定着化への寄与も大きくなる。しかし、低くなりすぎると耐ブロッキング性が不十分となりやすいため、前記トナーのガラス転移温度TgAは35℃以上であるのが好ましい。
ただし、前記数式(1)中、TgBiは前記非晶性樹脂のガラス転移温度を表す。nは前記非晶性樹脂の種類数を表し、bは前記非晶性樹脂の含有量(質量部)を表す。
前記数式(1)は、前記トナー中の非晶性樹脂のガラス転移温度について、非晶性樹脂が1種類(n=1)の場合はその樹脂のガラス転移温度を表し、2種以上(n≧2)の場合は、それらの樹脂が相溶する場合における、相溶後の樹脂のガラス転移温度が、それぞれの樹脂のガラス転移温度の調和平均であることを表す式である。
本発明の前記トナーのガラス転移温度TgAは、前記トナーを形成する樹脂のガラス転移温度の調和平均よりも低いだけでなく、前記トナーを形成する前記非晶性樹脂のみのガラス転移温度(TgB)の調和平均(TgC)よりも低い必要がある。
前記ガラス転移温度TgAは、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて、10℃/分で20〜150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/分で測定開始温度まで冷却した後、昇温速度10℃/分で測定した際に、1回目の昇温時において接線法により求めることができる。
−結晶性樹脂−
前記結晶性樹脂は融点を有し、該融点において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下する、シャープメルト性を有する。
前記結晶性樹脂は、前記非晶性樹脂に部分的に相溶可能であるのが好ましい。前記結晶性樹脂と前記非晶性樹脂との少なくとも一部が互いに相溶することにより、前記トナーのガラス転移温度TgAが低下し、該トナーの溶融粘度が低下し始める温度を低下させることができる。また、前記非晶性樹脂よりも融点の高い結晶性樹脂が分散し、前記トナーのガラス転移温度TgAが低くても耐ブロッキング性が確保される。
前記非晶性樹脂と前記結晶性樹脂との相溶性は、例えば、下記方法により測定することができる。
すなわち、前記非晶性樹脂及び前記結晶性樹脂の混合品(質量比1:1)を、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて、10℃/分で20〜150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/分で測定開始温度まで冷却した後、昇温速度10℃/分で測定した際に、2回目の昇温時において接線法により求め
たガラス転移温度(Tg)が、前記非晶性樹脂のガラス転移温度TgBよりも2℃以上低く、かつ、前記結晶性樹脂に由来する吸熱がある場合に、これら非晶性樹脂及び結晶性樹脂は互いに部分的に相溶するものであると判断することができる。また、前記結晶性樹脂に由来する吸熱が前記非晶性樹脂の吸熱と重なる場合には、そのピークの吸熱量が、前記混合比より推測される前記非晶性樹脂の吸熱量よりも大きい場合に、前記結晶性樹脂に由来する吸熱があると判断することができる。
なお、前記結晶性樹脂を含有することによる低温定着化は、該結晶性樹脂と前記非晶性樹脂とを部分的に相溶させるだけも可能となるが、前記トナーのガラス転移温度TgAが該トナーを形成する前記非晶性樹脂のそれぞれのガラス転移温度TgBを用いて、上記数式(1)で計算される値TgCよりも低くすることにより、更に優れた低温定着性を確保することができる。
結晶性樹脂が分散することによる耐ブロッキング性の確保は、トナーのDSC吸熱曲線において、結晶性樹脂由来の吸熱ピークを存在させるように、トナー中に結晶性ポリエステルを含有することにより容易となる。
前記結晶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数2〜20のジオール化合物及びこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸等の多価カルボン酸化合物及びこれらの誘導体を含有する酸成分と、を用いて合成されるポリエステル樹脂が好ましい。
前記脂肪族系ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シャープメルト性の高いトナーを形成することができる点で、下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリエステル樹脂が好ましい。
前記式中、Rは炭素数2〜20の2価炭化水素基を示す。好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜4の肪族基2価炭化水素基である。nは2〜20、好ましくは2〜6の整数である。前記2価化炭化水素基としては、結晶性を損なわないものであればどのようなものでもよく、特に制約されない。この2価炭化水素基には、脂肪族2価炭化水素基及び芳香族2価炭化水素基が包含されるが、好ましい2価炭化水素基は、脂肪族2価炭化水素基である。脂肪族2価炭化水素基には、直鎖状のもの及び分岐鎖状のものが包含されるが、好ましくは直鎖状脂肪族2価炭化水素基である。本発明の場合、Rは、特に、直鎖状不飽和脂肪族2価炭化水素基であるのが好ましい。前記2価炭化水素基の具体例を示すと、エチレン基、n−プロピレン基、ビニレン基、プロペニレン基、イソプロペニレン基、n−ブチレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂は、(i)2価カルボン酸又はその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル、酸ハライド等)からなる多価カルボン酸成分と、(ii)ジオールからなる多価アルコール成分とを、常法により重縮合反応させることによって製造することができる。この場合の、多価カルボン酸成分には、3〜4価のカルボン酸を添加することができる。また、多価ジオール成分には、3〜4価のアルコールを添加することができる。
前記2価カルボン酸の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、1,3−n−プロペンジカルボン酸、1,4−n−ブテンジカルボン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸等が挙げられる。前記ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。必要に応じて用いられる3〜4価のカルボン酸の添加量は、全カルボン酸に対して、通常、40モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。
必要に応じて添加することのできる3〜4価のカルボン酸の具体例を示すと、無水トリメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸等を挙げることができる。
前記多価アルコール成分には、必要に応じ、少量の脂肪族系の分岐鎖2価アルコールや環状2価アルコールの他、3価以上の多価アルコールを添加することができる。その添加量は、全アルコールに対して、40モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下であり、得られるポリエステルが結晶性を有する範囲内で適宜添加される。必要に応じて添加される多価アルコールを例示すると、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ポリエチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、グリセリン等が挙げられる。
また、前記ポリエステル樹脂としては、酸成分として、芳香族ジカルボン酸を有する態様も、非晶性樹脂のTHF不溶分がないか、あるいは少ない場合に相溶しすぎて結晶性部分が保持できなくなることを防ぐ観点から好ましい。
前記結晶性樹脂の融点は、シャープメルト性が高い場合、定着の下限温度に大きく影響し、該融点は、ブロッキング等を生じない限り、低いことが好ましく、具体的には80〜130℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。該融点が80℃未満であると、シャープメルト性を有し、かつ低温定着性に優れる結晶性樹脂の合成が困難になることがあり、前記融点が130℃を超えると定着下限温度が高くなるため、良好な低温定着性が得られないことがある。
前記結晶性樹脂の融点は、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて、10℃/分で20〜150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/分で測定開始温度まで冷却した後、昇温速度10℃/分で測定した際に、2回目の昇温時における吸熱ピーク温度を算出することにより求めることができる。
前記結晶性樹脂の結晶性の存在は粉末X線回折装置による回折パターンで確認することができる。該回折パターンは、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークが存在するものであり、2θ=19〜20°、21〜22°、23〜25°、及び29〜31°のいずれかの位置に回折ピークが存在することが好ましい。 前記回折パターンは、例えば、X線回折装置(「RINT−1100」;リガク電機社製)を用いて、下記条件でXRD用標準試料ホルダーを使用して粉体を測定することにより確認することができる。すなわち、管球:Cu、管電圧・電流:50KV−30mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.020°、走査速度:2.0°/min、走査範囲:5〜50°の条件において、回折ピークの存在は、平滑化点数11として処理したものをピークサーチし、検出されたピークから有無を判断することができる。
前記結晶性樹脂の前記結着樹脂における含有量は、50質量%以下が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。該含有量が50質量%を超えると、前記結晶性樹脂が前記非晶性樹脂と非相溶で相分離構造をとりやすいため、これらの樹脂の前記トナーにおける分散性が悪化することがある。また、前記トナーにおける着色剤やワックスの不均一により、
前記トナーの帯電性が悪化し、画像にかぶりを生じたり、トナー飛散による機内汚染を生じることがある。前記含有量が5質量%未満であると、低温定着性に劣ることがある。
−非晶性樹脂−
前記非晶性樹脂は、温度の上昇に伴って、前記ガラス転移温度TgBから徐々に溶融粘度が低下する性質を有する。
前記非晶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて、公知の樹脂の中から適宜選択することができ、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素が添加された石油系樹脂などが挙げられる。これら中でも芳香族化合物を成分として含有する、スチレン系樹脂やポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多価カルボン酸とから合成される。
前記多価アルコール及び前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記結晶性ポリエステル樹脂に用いられる成分が好適に使用可能であり、これ以外にもビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、イソフタル酸、テレフタル酸及びこれらの誘導体等を使用することができる。これらの樹
脂は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、前記酸成分にマレイン酸、フマル酸、コハク酸及びこれらの誘導体の少なくとも一つを含有するのが好ましい。これらの成分は、特に、前記結晶性樹脂として、酸成分にマレイン酸、フマル酸、コハク酸を有する上記一般式(1)で表される構成単位を含む結晶性ポリエステルを用いる場合、その成分と同一であるため、前記トナーのガラス転移温度TgAを、より低下させることができる。
前記非晶性樹脂のガラス転移温度TgBは40〜70℃が好ましい。該ガラス転移温度TgBが40℃未満であると前記トナーの耐熱保存性が著しく悪化し、ブロッキングを生ずることがあり、70℃を超えると前記トナーの低温定着性が悪化することがある。
前記非晶性樹脂のガラス転移温度TgBは、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて、10℃/分で20〜150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/分で測定開始温度まで冷却した後、昇温速度10℃/分で測定した際に、2回目の昇温時において接線法により求めることができる。
前記非晶性樹脂の軟化点(F1/2)は120〜160℃が好ましい。該F1/2温度が120℃未満であるとホットオフセット性が悪化することがあり、160℃を超えると高弾性になりやすく、前記トナーを形成する材料を分散させる際のシェアが高くなり、混練装置の負荷が大きくなる。また、低温定着性が悪化することがある。
前記非晶性樹脂のF1/2温度は、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。該F1/2温度はダイス穴径1mm、ダイス穴長さ1mm、加圧10kgf/cm、昇温速度3℃/minの条件下で、1cmの試料を溶融流出させたときのストロークが、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。
前記非晶性樹脂のTHF(テトラヒドロフラン)不溶分の含有量は10質量%以上が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。該不溶分の含有量が該数値範囲内であると、耐オフセット性と低温定着性との両立が容易となる。トナーがフルカラートナーの場合には、複数色が十分に溶融して発色するために、非晶性樹脂のTHF不溶分は0〜5質量%であることが好ましい。THF不溶分がないか、あるいは少ない場合には、結晶性樹脂と非晶性樹脂の組成が異なる場合でも相溶しやすく、トナーを低Tg化しやすい。かえって同じ成分が多いと相溶しすぎて結晶性部分が保持できなくなる場合がある。したがって、非晶性樹脂がTHF不溶分の少ないポリエステル樹脂の場合には、その酸成分に芳香族ジカルボン酸およびその誘導体を含むことが好ましい。このような組合せにより、低温定着で耐ホットホフセット性および耐ブロッキング性が確保でき、発色性の良いフルカラートナーが得られる。
前記非晶性樹脂のTHF不溶分の量は、ソックスレー抽出器によるTHF可溶分の抽出により、THF不溶分を算出した。ソックスレー抽出器によるTHF可溶分の抽出は次のように行なった。樹脂5gを精秤し内径が24mmΦの円筒ろ紙に入れ抽出管にセットし、フラスコにはTHF100gを入れた。冷却管をとりつけた一式のフラスコ部分をマントルヒーターに入れ、80℃でTHFを還流させ、冷却管からのTHFが樹脂に滴下され、THF可溶分がフラスコ中に抽出されるようにした。10時間抽出後に、抽出液のTHFを減圧留去して、残留分を求めた。樹脂5gの精秤値(A)と抽出液の残留重量(B)から、THF不溶分は(1−B/A)×100として算出される。
なお、前記非晶性樹脂は、該非晶性樹脂のみで、ガラス転移温度TgAを低くし、低い温度で溶融粘度低下が始まるようにすると共に、分子量やゲル分を少なくして溶融粘度が急激に下がるようにすると、低温定着化が可能となるが、耐ホットオフセット性や耐ブロッキング性が不十分になりやすい。しかし、本発明のトナーは、前記結晶性樹脂をも含有することによりこのような不具合を伴わずに、急激な溶融粘度の低下を達成することができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、無機微粒子、樹脂微粒子、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、などが好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックスなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低分子量ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記合成炭化水素ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックスが挙げられる。
前記天然ワックス類としては、例えば、蜜ろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。
前記石油ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
前記高級脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、65〜110℃が好ましく、70〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、65℃未満であると、前記離型剤が耐ブロッキング性に悪影響を与えることがあり、110℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある他、定着機への紙の巻き付きなどが発生することがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜20質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。該含有量が、20質量部を超えると、トナーの流動性の悪化が見られ、また他部材への汚染等の問題が観られることがある。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m2/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
なお、前記無機微粒子は、前記トナーの外添剤として好適に使用することができる。
前記樹脂微粒子としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子の体積平均粒径としては、20〜400nmが好ましく、30〜350nmがより好ましい。該体積平均粒径が、20nm未満であると、前記トナーの表面上に残存する前記樹脂微粒子が皮膜化したり、前記トナーの表面全体を密に覆ってしまうことがあり、その結果、前記トナーと転写材としての定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度が上昇してしまうことがあり、400nmを超えると、前記樹脂微粒子がワックス成分の染み出しを阻害し、十分な離型性が得られず、オフセットが発生することがある。
前記樹脂微粒子のトナー被覆率としては、75〜100%が好ましく、80〜100%がより好ましい。該トナー被覆率が、75%未満であると、前記トナーの保存性が悪化してしまい、保管時乃至使用時にブロッキングを発生してしまうことがある。
前記樹脂微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.5〜8.0質量%が好ましく、0.6〜7.0質量%がより好ましい。該含有量が、0.5質量%未満であると、前記トナーの保存性が悪化してしまい、保管時乃至使用時にブロッキングの発生が見られることがあり、8.0質量%を超えると、前記樹脂微粒子がワックスの染み出しを阻害し、十分な離型性が得られず、オフセットが発生することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、などが挙げられる。これらの中でも、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素、ニッケル、鉄、クロム、ジルコニウムなどが挙げられる。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷
化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ
系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に前記有機溶媒に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、トナーの帯電特性の悪化が見られることがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
本発明のトナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーを形成する材料を溶融混練後、粉砕分級する粉砕法や重合法などが挙げられる。
溶融混練により構成材料を分散させる場合には、溶融混練時のせん断力により部分相溶性を調整できる場合がある。例えば、部分相容によるTg低下が小さい樹脂の組合せの場合には、回転数を上げたり、装置設定温度を樹脂のF1/2温度より低くし、トナー構成材料の自己発熱による温度上昇により溶融された状態で混練するなどにより、せん断力がかかりやすく、トナーが低Tg化しやすくなる。
本発明のトナーは、その形状、大きさ等の諸物性については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、熱特性、体積平均粒径等を有していることが好ましい。
前記熱特性は、フローテスター特性とも言われ、例えば、軟化温度(Ts)、流出開始温度(Tfb)、1/2法軟化点(F1/2)などとして評価される。
これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、例えば、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。
前記軟化温度(Ts)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30℃以上が好ましく、50〜120℃がより好ましい。前記軟化温度(Ts)が、30℃未満であると、耐久性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記流出開始温度(Tfb)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50℃以上が好ましく、60〜150℃がより好ましい。前記流出開始温度(Tfb)が、50℃未満であると、耐ホットオフセット性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
前記1/2法軟化点(F1/2)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60℃以上が好ましく、80〜170℃がより好ましい。前記1/2法軟化点(F1/2)が、60℃未満であると、耐ホットオフセット性及び低温保存性の少なくともいずれかが悪化することがある。
なお、前記1/2法軟化点(F1/2)は、前記高架式フローテスターCFT500型(島津製作所製)を用いた場合、ダイス穴径1mm、ダイス穴長さ1mm、加圧10kgf/cm、昇温速度3℃/minの条件下で、1cmの試料を溶融流出させたときのストロークが、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度である。
前記トナーの体積平均粒径としては、例えば、2.5〜10μmが好ましく、2.5〜7μmがより好ましい。
前記体積平均粒径が、2.5μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、10μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
本発明のトナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
本発明のトナーは、前記非晶性樹脂及び前記結晶性樹脂を含み、該非晶性樹脂と該結晶性樹脂とが互いに相溶するので、溶融粘度が低温でも下がり、温度に対する該溶融粘度の低下が急激で、低温でも十分に定着される。また、本発明のトナーのガラス転移温度TgAが、上記数式(1)で表されるガラス転移温度TgCよりも低いので、トナーの低温定着化が、より容易に実現される。このため、本発明のトナーは、帯電性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、耐ホットオフセット性が良好であり、優れた耐ブロッキング性と低温定着性とを両立するため、高品質な画像形成に好適に使用される。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた
前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、体積平均粒径で、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有しているので、画像形成時における帯電性と定着性とをバランス良く両立することができ、高画質な画像を安定に形成することができる。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、定着方法、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
(定着方法)
本発明の定着方法は、定着工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
前記定着工程は、本発明の前記トナーを用いて形成した可視像が記録媒体に転写されてなる転写像を前記記録媒体に定着させる工程であり、該定着工程は、定着装置を用いて行われる。また、該定着工程は、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、互いに回転可能に圧接されてなる一対の定着ローラ(例えば、加熱ローラと加圧ローラとの組合せなど)、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記一対の定着ローラは、非弾性部材で形成されるのが好ましい。該非弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮などの高熱伝導率体が好適に挙げられる。また、前記定着ローラは、その表面がオフセット防止層で被覆されるのが好ましい。該オフセット防止層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、RTV、シリコーンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが好適に挙げられる。
前記一対の定着ローラにおける、該定着ローラ間の接触面圧(ローラ荷重/接触面積)は低いのが好ましく、具体的には1.5×10Pa以下であることが必要であり、1×10Pa以下が好ましく、0.5×10Paがより好ましい。該接触面圧が該数値範囲内であると、低温定着性が良好となるだけでなく、前記定着ローラが低熱容量となり、前記定着装置の電源を入れてから、該装置が作動するまでの待機時間が短縮され、省エネルギー化を容易に図ることができる。
ここで、前記接触面圧は、前記定着ローラ両端に加えられる荷重を前記定着ローラの接触面積で割った値である。該定着ローラの接触面積は、定着可能温度まで加熱した定着ローラ間に、例えば、OHPシートのような加熱により表面積が大きく変化するシートを通過させ、該シートを途中で停止させた状態にて数10秒間保持した後、排出させ、該シート上の表面性が変化した箇所の面積を求めることにより得られる。
また、前記一対の定着ローラのうち、前記転写像と接触する定着ローラは、前記非弾性部材で形成された部分の厚みが1.0mm以下であるのが好ましく、前記非弾性部材の強度、熱伝導率などにより異なるが、0.2〜0.7mmであるのがより好ましい。該厚みが1.0mm以下であると、前記定着ローラの温度立ち上がり特性が改善され、極めて短時間で所望の温度まで立ち上げることができる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
本発明の定着方法を実施する一の態様について、図1に示す定着装置を参照しながら説明する。
図1に示す定着装置1は、前記加熱加圧部材(前記一対の定着ローラ)としての加熱ローラ2と、これに圧接されて配置された加圧ローラ3とを備える。
加熱ローラ2は、金属シリンダー4を有し、その表面がオフセット防止層5で被覆されて形成されており、内部に加熱ランプ6が配設されている。
加圧ローラ3は、金属シリンダー7を有し、その表面がオフセット防止層8で被覆されて形成されている。なお、加圧ローラ3は、その内部に加熱ランプ9が配設されていてもよい。
加熱ローラ2と加圧ローラ3は、図示しないバネにより付勢されることにより、圧接された状態にて、回転可能に設けられている。
図1に示す定着装置において、まず、定着処理すべきトナー像Tが形成された記録媒体Sが加熱ローラ2と加圧ローラ3とのニップ部まで搬送される。そして、内蔵されている加熱ランプ6の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ2及び加圧ローラ3により記録媒体S上のトナーTが加熱されて溶融状態となると同時に、加圧ローラ3の押圧力により前記ニップ部を通過する際に押圧され、トナー像TがシートS上に定着される。
本発明の定着方法によれば、シャープメルト性の高い本発明の前記トナーを用いて形成された転写像が、前記記録媒体に定着される。その結果、ホットオフセットを生ずることなく、低温定着条件で、高画像濃度で高鮮鋭な高品質画像が得られる。また、低面圧、かつ、低熱容量の前記定着ローラにより記録媒体に定着されるので、熱量の損失が少なく、前記転写像が効率よく定着される。
また、本発明の定着方法を実施する他の態様としては、定着工程が、磁場発生手段と、電磁誘導により発熱する発熱層および離型層を少なくとも有する回転加熱部材と、該回転加熱部材とニップを形成している回転加圧部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を有する定着装置を用いて、前記ニップにおいて前記回転加圧部材が記録媒体上に転写されたトナーからなる転写像を、前記記録媒体を介して押圧しながら、記録媒体に加圧加熱定着させる工程であってもよい。前記態様によっても、従来以上の低温定着と広い定着温度範囲を確保することが可能となる。特に、前記態様においては耐ホットオフセット性に加え、耐巻きつき性も確保しやすいため、溶融性を高めるために弾性成分の少ない場合が多い、フルカラートナーの定着に適している。
上記定着装置においては、少なくとも発熱層と離型層を有すれば良く、トナー層厚が厚いカラー画像などの定着装置としては混色性を高めるなどの目的で、発熱層と離型層の間に弾性層を設けることもできる。
図2は、前記電磁誘導加熱方式の定着装置1100の要部の横断側面模式図、図3は要部の正面模式図、図4は要部の縦断正面模式図を具体的に示したものである。ここでは、発熱層と離型層に加えて弾性層を有する回転加熱部材を有する例を表す。また、図2は例示であり、適宜構成を変えることができ、例えば励磁コイル部分をベルトの外部に設置した構成を用いても良い。
図2の定着装置1100は、円筒状の電磁誘導発熱性ベルトを用いた、加圧ローラ駆動方式、電磁誘導加熱方式の装置である。1010は電磁誘導発熱層(導電体層、磁性体層、抵抗体層)を有する、電磁誘導発熱性の回転体としての円筒状の定着フィルムである。
磁場発生手段は、磁性コア1017a、1017b、1017c及び励磁コイル1018からなる。
磁性コア1017a、1017b及び1017cは高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料が好ましく用いられ、100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いるのがより好ましい。
励磁コイル1018には、図5に示すように給電部1018a及び1018bに励磁回路1027が接続されている。この励磁回路1027は、10kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっている。
励磁コイル1018は、励磁回路1027から供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生する。
1016a及び1016bは横断面略半円弧状樋型のベルトガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせて略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱ベルトである定着ベルト1010がルーズに外嵌されている。
前記ベルトガイド部材1016aは、磁場発生手段としての磁性コア1017a、1017b及び1017cと励磁コイル1018とを内側に保持している。
また、ベルトガイド部材1016aには、図4に示すように紙面垂直方向長手の良熱伝導部材1040がニップ部Nの加圧ローラ1030との対向面側で、定着ベルト1010の内側に配設されている。
本例においては、良熱伝導性部材1040にアルミニウムを用いている。前記良熱伝導部材1040は熱伝導率kがk=240[W・m-1・K-1]であり、厚さ1[mm]である。
また、良熱伝導部材1040は、磁場発生手段である励磁コイル1018と磁性コア1017a、1017b及び1017cから発生する磁場の影響を受けないように、この磁場の外に配設されている。
具体的には、良熱伝導部材1040を励磁コイル1018に対して磁性コア1017cを隔てた位置に配設し、励磁コイル1018による磁路の外側に位置させて良熱伝導体1040に影響を与えないようにしている。
横長の加圧用剛性ステイ1022は、ベルトガイド部材1016bの内面平面部に当接させて配設される。
磁性コア1017a、1017b、1017c及び励磁コイル1018と加圧用剛性ステイ1022との間は絶縁部材1019で絶縁されている。
フランジ部材1023a及び1023bは、ベルトガイド部材1016a及び1016bのアセンブリの左右両端部に外嵌し、前記左右位置を固定しつつ回転自在に取り付け、定着ベルト1010の回転時に前記定着ベルト1010の端部を受けて定着ベルトのベルトガイド部材長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。
加圧部材としての加圧ローラ1030は、芯金1030aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層1030bとで構成されており、芯金1030aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板金間に回転自由に軸受け保持させて配設してある。
加圧用剛性ステイ1022の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材1029a及び1029bとの間にそれぞれ加圧バネ1025a・1025bを縮設することで、加圧用構成ステイ1022に押し下げ力を作用させている。これにより、ベルトガイド部材1016aの下面と加圧ローラ1030の上面とが定着ベルト1010を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
加圧ローラ1030は駆動手段Mにより矢示の方向に回転駆動される。この加圧ローラ1030の回転駆動による前記加圧ローラ1030と定着ベルト1010の外面との摩擦力で定着ベルト1010に回転力が作用し、前記定着ベルト1010が、その内面が定着ニップNにおいて良熱伝導部材1040の下面に密着して摺動しながら、矢示の方向に加圧ローラ1030の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってベルトガイド部材1016a及び1016bの外回りを回転状態になる。
この場合、定着ニップ部Nにおける良熱伝導部材1040の下面と定着ベルト1010の内面との相互摺動摩擦力を低減化させるために、定着ニップ部Nの良熱伝導部材1040の下面と定着ベルト1010の内面との間に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させる、あるいは良熱伝導性部材1040の下面を潤滑部材で被覆することもできる。これは、良熱伝導部材1040としてアルミニウムを用いた場合のように表面滑り性が材質的によくない或いは仕上げ加工を簡素化した場合に、摺動する定着ベルト1010に傷をつけて定着ベルト1010の耐久性が悪化してしまうことを防ぐものである。
良熱伝導部材1040は長手方向の温度分布を均一にする効果があり、例えば、小サイズ紙を通紙した場合、定着ベルト1010での非通紙部の熱量が、良熱伝導部材1040へ伝熱し、良熱伝導部材1040における長手方向の熱伝導により、非通紙部の熱量が小サイズ紙通紙部へ伝熱される。これにより、小サイズ紙通紙時の消費電力を低減させる効果も得られる。
また、図5に示すように、ベルトガイド部材1016aの曲面に、その長手に沿い所定の間隔を置いて凸リブ部1016eを形成具備させ、ベルトガイド部材1016aの曲面と定着ベルト1010の内面との接触摺動抵抗を低減させて定着ベルト1010の回転負荷を少なくしている。このような凸リブ部はベルトガイド部材1016bにも同様に形成具備することができる。
図6は交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表す。磁性コア1017a、1017b及び1017cに導かれた交番磁束Cは、磁性コア1017aと磁性コア1017bとの間、そして磁性コア1017aと磁性コア1017cとの間において定着ベルト1010の電磁誘導発熱層1001に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁誘導発熱層1001の固有抵抗によって電磁誘導発熱層1001にジュール熱(渦電流損)を発生させる。ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1001を通る磁束の密度によって決まり、図6のグラフような分布を示す。図6のグラフは、縦軸が磁性コア1017aの中心を0とした角度θで表した定着ベルト1010における円周方向の位置を示し、横軸が定着ベルト1010の電磁誘導発熱層1001での発熱量Qを示す。ここで、発熱域Hは最大発熱量をQとした場合、発熱量がQ/e以上の領域と定義する。これは、定着に必要な発熱量が得られる領域である。
この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル1018に対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるように調節される。また、定着ベルト1010の温度を検知するサーミスタなどの温度センサ1026を備え、本例においては温度センサ1026で測定した定着ベルト1010の温度情報をもとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
定着ベルト1010が回転し、励磁回路1027から励磁コイル1018への給電により上記のように定着ベルト1010の電磁誘導発熱がなされて定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像t1が形成された記録材Pが定着ニップ部Nの定着ベルト1010と加圧ローラ1030との間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト1010の外面に密着して定着ベルト1010と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着ベルト1010と一緒に記録材Pが挟持搬送されていく過程において定着ベルト1010の電磁誘導発熱で加熱されて、記録材P上の未定着トナー画像t1が加熱定着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると回転定着ベルト1010の外面から分離して排出搬送されていく。記録材上の加熱定着トナー画像t2は定着ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
また、本発明の定着方法を実施する他の態様としては、定着工程が、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラに張り渡され、前記加熱ローラにより加熱されるとともに、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、前記加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されるとともに、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置を用いて、前記定着ニップにおいて前記加圧ローラが記録媒体上に転写されたトナーからなる転写像を、前記記録媒体を介して押圧しながら、記録媒体に加圧加熱定着させる工程である定着方法であってもよい。前記態様によっても、従来以上の低温定着と広い定着温度範囲を確保することが可能となる。
特に、広いニップ幅を確保しやすいため、複数色のトナーが十分に溶融して発色することが必要なフルカラー画像の定着装置として好適である。
前記定着装置の一例を図7に示す。
図7に示す定着装置は、誘導加熱手段2006の電磁誘導により加熱される加熱ローラ2001と、加熱ローラ2001と平行に配置された定着ローラ2002と、加熱ローラ2001と定着ローラ2002とに張け渡され、加熱ローラ2001により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)2003と、ベルト2003を介して定着ローラ2002に圧接されるとともにベルト2003に対して順方向に回転する加圧ローラ2004とから構成されている。
加熱ローラ2001はたとえば鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径をたとえば20mm、肉厚をたとえば0.1mmとして、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
定着ローラ2002は、たとえばステンレススチール等の金属製の芯金2002aと、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金2002aを被覆した弾性部材2002bとからなる。そして、加圧ローラ2004からの押圧力でこの加圧ローラ2004と定着ローラ2002との間に所定幅の接触部を形成するために外径を40mm程度として加熱ローラ2001より大きくしている。弾性部材2002bはその肉厚を3〜6mm程度、硬度を40〜60°(Asker硬度)程度としている。この構成により、加熱ローラ2001の熱容量は定着ローラ2002の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ2001が急速に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ2001と定着ローラ2002とに張り渡されたベルト2003は、誘導加熱手段2006により加熱される加熱ローラ2001との接触部位W1で加熱される。そして、ローラ2001,2002の回転によってベルト2003の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
離型層2003bの厚さとしては、50μmから500μm程度が望ましく、特に200μm程度が望ましい。このようにすれば、記録材2011上に形成されたトナー像Tをベルト2003の表層部が十分に包み込むため、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。
離型層2003bの厚さが100μmよりも小さい場合には、ベルト2003の熱容量が小さくなってトナー定着工程においてベルト表面温度が急速に低下し、定着性能を十分に確保することができない。また、離型層2003bの厚さが500μmよりも大きい場合には、ベルト2003の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに加えて、トナー定着工程においてベルト表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、ベルトの離型性が低下してトナーがベルトに付着する、いわゆるホットオフセットが発生する。
なお、ベルト2003の基材として、上記金属からなる発熱層2003aの代わりに、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ2004は、たとえば銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金2004aと、この芯金2004aの表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材2004bとから構成されている。芯金2004aには上記金属以外にSUSを使用しても良い。
加圧ローラ2004はベルト2003を介して定着ローラ2002を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ2004の硬度を定着ローラ2002に比べて硬くすることによって、加圧ローラ2004が定着ローラ2002(及びベルト2003)へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録材2011は加圧ローラ2004表面の円周形状に沿うため、記録材2011がベルト2003表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ2004の外径は定着ローラ2002と同じ40mm程度であるが、肉圧は1〜3mm程度で定着ローラ2002より薄く、また硬度は50〜70°(Asker硬度)程度で前述したとおり定着ローラ2002より硬く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ2001を加熱する誘導加熱手段2006は、図7および図8a、bに示すように、磁界発生手段である励磁コイル2007と、この励磁コイル2007が巻き回されたコイルガイド板2008とを有している。コイルガイド板2008は加熱ローラ2001の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、図8bに示すように、励磁コイル2007は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板2008に沿って加熱ローラ2001の軸方向に交互に巻き付けたものである。
なお、励磁コイル7は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。
励磁コイル2007の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア2009が、励磁コイルコア支持部材2010に固定されて励磁コイル2007に近接配置されている。なお、本実施の形態において、励磁コイルコア2009は比透磁率が2500のものを使用している。
励磁コイル2007には駆動電源から10kHz〜1MHzの高周波交流電流、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交流電流が給電され、これにより交番磁界を発生する。そして、加熱ローラ2001と耐熱性ベルト2003との接触領域W1およびその近傍部においてこの交番磁界が加熱ローラ2001およびベルト2003の発熱層2003aに作用し、これらの内部では交番磁界の変化を妨げる方向に渦電流Iが流れる。
この渦電流Iが加熱ローラ2001および発熱層2003aの抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として加熱ローラ2001とベルト2003との接触領域およびその近傍部において加熱ローラ2001および発熱層2003aを有するベルト2003が電磁誘導加熱される。
本発明では、平滑度20〜35secの記録紙に静電潜像を定着する定着方法において、本発明のトナーを用いることが特に効果的である。シャープメルト性があり、かつ低温で溶融粘度が低くなる本発明のトナーを用いることにより、接着性が悪く定着強度が確保しにくくなりやすい平滑度の低い記録紙でも、低温で定着しやすい。
本発明における記録紙の平滑度の測定は、紙パルプ技術協会規格のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000(紙及び板紙 ―平滑度及び透気度試験方法― 第2部:王研法)に規定されている試験機で測定することができる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図9を参照しながら説明する。図9に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、
中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図9に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図10を参照しながら説明する。図10に示す画像形成装置100は、図9に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図9に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図10においては、図9におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図11を参照しながら説明する。図11に示すタンデム画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置100は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図11中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、加熱ローラ26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム画像形成装置100を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム画像形成装置100における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム画像形成装置100における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図12に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図12中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ150を回転して手差しトレイ51上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、耐ブロッキング性と低温定着性とを両立し、耐ホットオフセット性が良好な本発明の前記トナーを用いるので、低温定着条件下でも高画質が効率よく得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
本発明のトナーを形成する材料として、樹脂1〜14を用意した。該樹脂1〜14の組成及び物性について、表1〜2に示す。
表1〜2において、粉末X線回折ピークの存在は、X線回折装置(「PINT−1100」;リガク電機社製)により測定し、ピークの存在の有無を下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
有:少なくとも2θ=20〜25°にピークが存在する
無:2θ=20〜25°にピークが存在しない
なお、表1中、樹脂1〜6は、上記一般式(1)で表される構成単位を含むポリエステル樹脂である。
なお、表2中、BPA−EOはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物であり、BPA−POはビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物である。
参考例1)
−トナーの作製−
下記組成に基づいて、トナーを作製した。
樹脂1 60質量部
樹脂7 40質量部
カーボンブラック 10質量部
ポリエチレンワックス(融点95℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
上記組成のトナー形成材料をヘンシェルミキサー(「MF20C/I型」;三井三池加工機社製)に仕込み、十分攪拌混合した後、2軸押出機(東芝機械社製)にて混練し、冷却した。次いで、体積平均粒径が9.5±0.5μmとなるように、粉砕、分級を行い、トナー母体を作製した。ここで、前記混練は、2軸押出機出口での混練生成物の温度が120℃前後となるように設定して行った。
得られたトナー母体に疎水性シリカ0.6質量%及び酸価チタン0.3質量%を添加、混合し、参考例1のトナーを作製した。
−−現像剤の作製−−
次に、得られたトナー4質量部と、シリコーン樹脂で被覆した平均粒径45μmのシリコーンコートフェライトキャリア96質量部と、をターブラーミキサーで攪拌して適当な帯電量の現像剤を作製した。
−定着工程−
リコー製複写機(IMAGIO NEO350)の定着部を、図1に示す定着装置で定着温度が変えられるように改造した画像形成装置を使用し、参考例1で得られたトナー及び現像剤を用いてトナー像Tを形成し、該トナー像Tを記録媒体S(「タイプ6200」;株式会社リコー製、平滑度40〜55sec)に定着させた。
定着装置1は、加熱ローラ2と、これに圧接されて配置された加圧ローラ3とを備えている。
加熱ローラ2は、金属シリンダー4を有し、その表面がオフセット防止層5で被覆されて形成されており、内部に加熱ランプ6が配設されている。
加圧ローラ3は、金属シリンダー7を有し、その表面がオフセット防止層8で被覆されて形成されている。なお、加圧ローラ3は、その内部に加熱ランプ9が配設されていてもよい。
加熱ローラ2と加圧ローラ3は、図示しないバネにより付勢されることにより、圧接された状態にて、回転可能に設けられている。
まず、定着処理すべきトナー像Tが形成された記録媒体(シート)Sが加熱ローラ2と加圧ローラ3とのニップ部まで搬送される。そして、内蔵されている加熱ランプ6の働きにより所定の温度に加熱された加熱ローラ2及び加圧ローラ3によりシートS上のトナーTが加熱されて溶融状態となると同時に、加圧ローラ3の押圧力により前記ニップ部を通過する際に押圧され、トナーTがシートS上に定着される。
(定着条件1) 図1に示す定着装置で、加熱ローラ2及び加圧ローラ3により、ローラ間の接触面圧2.5×10Pa、線速180mm/secの定着条件(1)にて定着が行われた。
加熱ローラ2は、厚さ3.0mmのSUS製のシリンダー上に、厚さ20μmのPTFE層を被覆したローラである。加圧ローラ3は、厚さ2.0mmのSUS製シリンダー上に、厚さ4μmのシリコーンゴム層を有し、該シリコーンゴム層の表面に、厚さ50μmのPFAを被覆したローラである。
参考例2)
参考例1において、定着工程における定着条件(1)を定着条件(2)に代えた以外は、参考例1と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
−定着工程−
(定着条件2) 図1に示す定着装置で、加熱ローラ2及び加圧ローラ3により、ローラ間の接触面圧9.0×10Pa、線速180mm/secの定着条件(2)にて定着が行われた。
加熱ローラ2は、厚さ0.5mmのアルミニウム製のシリンダー上に、厚さ16μmのPTFE層を被覆したローラである。加圧ローラ3は、厚さ1.0mmのアルミニウム製シリンダー上に、厚さ3μmのシリコーンゴム層を有し、該シリコーンゴム層の表面に、厚さ30μmのPFAを被覆したローラである。
参考例3)
参考例1において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例1と同様な方法により、トナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂2 60質量部
樹脂7 40質量部
カーボンブラック 10質量部
ポリエチレンワックス(融点95℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
参考例4)
参考例3において、定着工程における定着条件(1)を、参考例2の定着工程における定着条件(2)に代えた以外は、参考例3と同様な方法により、トナーを作製し、定着工程を行った。
参考例5)
参考例3において、樹脂7の代わりに樹脂8を用い、定着工程における定着条件を参考例2の定着工程における定着条件(2)に代えた以外は、参考例3と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
参考例6)
参考例2において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例2と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂4 50質量部
樹脂8 50質量部
カーボンブラック 10質量部
ポリエチレンワックス(融点95℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
参考例7)
参考例6において、体積平均粒径が6.5±0.5μmとなるように粉砕、分級を行った以外は、参考例6と同様な方法によりトナー母体を作製し、得られたトナー母体に、疎水性シリカ1.0質量%及び酸価チタン0.5質量%を添加混合してトナーを作製した以外は、参考例6と同様な方法により、トナーを作製し、定着工程を行った。
(実施例
参考例7において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例7と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂4 30質量部
樹脂9 70質量部
カーボンブラック 10質量部
カルナバワックス(融点83℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
(実施例
参考例7において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例7と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂4 25質量部
樹脂8 65質量部
樹脂10 10質量部
カーボンブラック 10質量部
カルナバワックス(融点83℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
参考
参考例7において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例7と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂5 10質量部
樹脂11 90質量部
カーボンブラック 10質量部
エステルワックス(融点85℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
(実施例
参考例7において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例7と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂5 20質量部
樹脂12 80質量部
カーボンブラック 10質量部
カルナバワックス(融点95℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
(実施例
実施例と同じトナーを用いて、定着工程における記録媒体Sを「タイプ6200(株式会社リコー製、平滑度40〜55sec)」から「OAペーパー(株式会社リコー製、平滑度25〜30sec)」に変える以外は、実施例と同様に定着工程を行った。
(実施例
参考例7において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例7と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂6 30質量部
樹脂12 70質量部
カーボンブラック 10質量部
カルナバワックス(融点83℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
(実施例
−トナーの作製−
樹脂5 15質量部
樹脂14 85質量部
カーボンブラック 10質量部
カルナバワックス(融点83℃) 5質量部
サリチル酸亜鉛 0.8質量部
上記組成のトナー形成材料をヘンシェルミキサー(「MF20C/I型」;三井三池加工機社製)に仕込み、十分攪拌混合した後、2軸押出機(東芝機械社製)にて混練し、冷却した。次いで、体積平均粒径が6.5±0.5μmとなるように、粉砕、分級を行い、トナー母体を作製した。ここで、前記混練は、2軸押出機出口での混練生成物の温度が100℃前後となるように設定して行った。
得られたトナー母体に疎水性シリカ1.0質量%及び酸価チタン0.8質量%を添加、混合し、実施例のトナーを作製した。
次に得られたトナーを用いて、参考例1と同様の方法で現像剤を作成し、参考例2と同様の方法で定着工程を行った。
(実施例
リコー製 imagio Color 4000の定着部を、定着温度が変えられるように改造した図2に示す定着装置に変更した画像形成装置を使用し、実施例と同じトナーおよび現像剤を用いてトナー像を形成し、トナー像を記録媒体S(「タイプ6200;リコー製」)に定着させた。
(定着条件3) 図2に示す定着装置で、定着ニップ部N(ニップ幅10mm)の面圧5×10Pa、線速100mm/secの定着条件(3)にて定着が行われた。
定着ベルトは、厚さ10μmのニッケルベルトからなる発熱層と、その外層の弾性層(100μmのシリコーンゴム、JIS K−6301硬度35度)と、その外層の離型層(20μmのフッ素樹脂)から構成されるものを用いた。加圧ローラはSUSの芯金にフッ素ゴムを被覆し外径35mmとしたものを用いた。
(実施例
リコー製 imagio Color 4000の定着部を、定着温度が変えられるように改造した図7に示す定着装置に変更した画像形成装置を使用し、実施例と同じトナーおよび現像剤を用いてトナー像を形成し、トナー像を記録媒体S(タイプ6200;リコー製)に定着させた。
(定着条件4) 図7に示す定着装置で、定着ニップ部N(ニップ幅12mm)の面圧8×10Pa、線速125mm/secの定着条件(4)にて定着が行われた。
加熱ローラは外径20mm、肉厚0.1mmのニッケル製の中空円筒状のものを用いた。定着ローラはSUS製芯金に弾性部材として厚さ5mmの発泡状のシリコーンゴム(アスカー硬度50度)を被覆して、外径40mmとしたものを用いた。加圧ローラはアルミ製芯金に弾性部材として厚さ5mmの発泡状のシリコーンゴム(アスカー硬度60度)を被覆して、外径40mmとしたものを用いた。
定着ベルトは厚さ10μmのニッケルベルトからなる発熱層に、200μmのフッ素ゴムからなる離型層を積層したものを用いた。
(参考実施例17)
実施例のトナー構成材料のうち、サリチル酸鉄1質量部をサリチル酸ジルコニウム1質量部に変える以外は、実施例と同じ方法で、ブラックトナーおよび現像剤を得た。
上記ブラックトナー構成材料のうち、カーボンブラック10質量部をジスアゾイエロー顔料7質量部に変える以外は、上記ブラックトナーと同様にしてイエロートナーおよび現像剤を得た。
上記ブラックトナー構成材料のうち、カーボンブラック10質量部を銅フタロシアニンブルー顔料4質量部に変える以外は、上記ブラックトナーと同様にしてシアントナーおよび現像剤を得た。
上記ブラックトナー構成材料のうち、カーボンブラック10質量部をナフトール系マゼンタ顔料5質量部に変える以外は、上記ブラックトナーと同様にしてマゼンタトナーおよび現像剤を得た。
これらトナーと現像剤を実施例と同じ画像形成装置を用いて、ブルー、グリーン、レッドの2色重ね画像を形成し、トナー像を定着設定温度180℃で記録媒体S(タイプ6000 70W;リコー製)に定着させた。これら任意のべた部を、分光形(X−ライト社製 938 スペクトルデンシトメータ)で測色した。測色結果を表5に示す。表5中、L、a、bはL表色系で色を表す値であり、Lは明度、a、bは色相と彩度を示す色度である。
(参考実施例18)
実施例と同じ方法で、ブラックトナーおよび現像剤を得た。
上記ブラックトナー構成材料のうち、カーボンブラック10質量部をジスアゾイエロー顔料7質量部に変える以外は、上記ブラックトナーと同様にしてイエロートナーおよび現像剤を得た。
上記ブラックトナー構成材料のうち、カーボンブラック10質量部を銅フタロシアニンブルー顔料4質量部に変える以外は、上記ブラックトナーと同様にしてシアントナーおよび現像剤を得た。
上記ブラックトナー構成材料のうち、カーボンブラック10質量部をナフトール系マゼンタ顔料5質量部に変える以外は、上記ブラックトナーと同様にしてマゼンタトナーおよび現像剤を得た。
これらトナーおよび現像剤を用いて、定着設定温度を160℃にする以外は参考実施例17と同様に2色重ね画像を定着させ、参考実施例17と同様の方法で測色した。測色結果を表5に示す。
(比較例1)
参考例1において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例1と同様な方法により、トナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂3 50質量部
樹脂8 50質量部
カーボンブラック 10質量部
ポリエチレンワックス(融点95℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
(比較例2)
比較例1において、定着工程における定着条件(1)を、参考例2の定着工程における定着条件(2)に代えた以外は、比較例1と同様な方法によりトナーを作製し、定着工程を行った。
(比較例3)
参考例7において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、参考例7と同様な方法により、トナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂2 25質量部
樹脂13 75質量部
カーボンブラック 10質量部
カルナバワックス(融点83℃) 5質量部
サリチル酸鉄 1質量部
(比較例4)
比較例3において、トナーの組成を下記組成に代えた以外は、比較例3と同様な方法により、トナーを作製し、定着工程を行った。
−−トナーの組成−−
樹脂10 50質量部
樹脂11 50質量部
カーボンブラック 10質量部
エステルワックス(融点75℃) 20質量部
サリチル酸鉄 1質量部
(比較例5)
比較例4と同じトナーを用いて、定着工程における記録媒体Sを「タイプ6200(株式会社リコー製、平滑度40〜55sec)」から「OAペーパー(株式会社リコー製、平滑度25〜30sec)」に変える以外は、比較例4と同様に定着工程を行った。
上記実施例1、参考例1〜8及び比較例1〜5で用いた樹脂の部分相溶性を表3に示す。
実施例1〜8、参考例1〜8及び比較例1〜5で作製したトナーについて、下記方法によりガラス転移温度TgAを測定した。また、下記方法により耐ブロッキング性の評価を行った。結果を表4に示す。なお、下記数式(1)により算出したTgCの値も併せて表4に示す。
<ガラス転移温度TgAの測定>
実施例、参考例及び比較例で作製したトナーを、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製)を用いて、10℃/分で20〜150℃まで昇温した後、保持時間なしで、降温速度10℃/分で測定開始温度まで冷却した後、昇温速度10℃/分で測定した。そして、1回目の昇温時において接線法によりガラス転移温度TgAを求めた。
<耐ブロッキング性>
実施例、参考例及び比較例で得られたトナー約20gを20mlのガラス瓶に入れ、50回タッピングを行い、トナーを密に固めた。次いで、50℃の恒温槽に入れ、24時間放置した後、針入度試験(JIS K2235―1991)により針入度(%)を測定した。密に固めた後のトナーに対する針入度(%)より、下記基準に基づいて耐ブロッキング性を評価した。
〔評価基準〕
5:90〜100%
4:75〜90%
3:60〜75%
2:30〜60%
1:30%以下
ここで、評価基準3〜5であれば、耐ブロッキング性に問題がないと認められる。
実施例1〜8、参考例1〜8及び比較例1〜5で作製したトナーについて、下記方法により定着性(低温定着性、耐ホットオフセット性)、画像濃度、地肌汚れ、トナー飛散及び細線再現性の評価を行った。結果を表4に示す。
<定着性>
実施例、参考例及び比較例において、定着工程における定着温度を変化させ、下記方法によりコールドオフセット発生温度、及びホットオフセット発生温度を測定し、下記基準に基づいて低温定着性(コールドオフセット発生温度)及び耐ホットオフセット性(ホットオフセット発生温度)について評価した。
−測定方法−
リコー製複写機(IMAGIO NEO350)の定着部を、図1に示す定着装置1に改造した画像形成装置を用いてオフセット発生温度を測定した。即ち、画像形成は、複写機(「IMAGIO NEO350」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に、黒のベタ画像を形成した。得られた画像を加熱ローラの温度を変えて図1の定着装置を用いて定着し、オフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定した。なお、耐ホットオフセット性の評価には紙送りの線速度を50mm/secに設定し、ホットオフセット発生に対して厳しい条件とした。
−評価方法−
−−低温定着性(耐コールドオフセット性)−−
測定したコールドオフセット発生温度より、下記基準に基づいて低温定着性を評価した。
〔評価基準〕
5:120℃未満
4:120〜130℃
3:130〜140℃
2:140〜150℃
1:150℃以上
ここで、従来の低温定着性を有するトナーは評価基準2であり、評価基準3〜5であれば、低温定着性が良好であると認められる。
−−耐ホットオフセット性−−
測定したホットオフセット発生温度より、下記基準に基づいて耐ホットオフセット性を評価した。
〔評価基準〕
5:210℃以上
4:200〜210℃
3:190〜200℃
2:180〜190℃
1:180℃未満
ここで、評価基準3〜5であれば、耐ホットオフセット性が良好であると認められる。
<画像濃度>
画像形成は、図11に示すカラー画像形成装置「Imagio Color 4000」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に、黒のベタ画像を形成した。得られた画像について、任意の6箇所の位置を選択し、該位置における画像濃度を分光計(「938 スペクトロデンシトメータ」;X−ライト社製)を用いて測定し、これらの平均値から下記基準に基づいて画像濃度を評価した。なお、この評価は本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法の実施例に相当する。
〔評価基準〕
5:1.5以上
4:1.45〜1.5
3:1.40〜1.45
2:1.35〜1.40
1:1.35未満
ここで、評価基準が1〜3であれば、優れた画像濃度が得られることが認められる。
<地肌汚れ>
複写機(「IMAGIO NEO350」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に100万枚の画像を出力後に、白のベタ画像を出力した。得られた画像について、任意の6箇所の位置を選択し、該位置の画像濃度を分光計(「938 スペクトロデンシトメータ」;X−ライト社製)で測定し、これらの平均値から下記基準に基づいて地肌汚れを評価した。
〔評価基準〕
5:紙の反射濃度と同じ
4:紙の反射濃度+0.02未満
3:紙の反射濃度+0.02〜0.04
2:紙の反射濃度+0.04〜0.06
1:紙の反射濃度+0.06以上
ここで、全く地肌汚れがない状態においては、画像の反射濃度は紙の反射濃度と同等な値を示し、該反射濃度が大きいほど、地肌汚れは悪い結果となることが認められる。
<トナー飛散>
複写機(「IMAGIO NEO350」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に100万枚の画像を出力後に、複写機内部のトナー飛散による汚れの状態を、下記評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
5:大変よい
4:よい
3:普通である
2:悪い
1:大変悪い
ここで、評価基準3〜5であれば、トナー飛散が問題とならないレベルであると求められる。
<細線再現性>
複写機(「IMAGIO NEO350」;株式会社リコー製)を用いて、転写紙(「タイプ6200」;株式会社リコー製)に主走査方向、副走査方向ともに、600dot/inch、150dot/inchの1ドット格子ライン画像を出力し、ライン画像の切れ、かすれを目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
5:大変よい
4:よい
3:普通である
2:悪い
1:大変悪い
表1〜5の結果より、実施例1〜8、参考例1〜8で作製したトナーは、比較例1〜4で作製したトナーに比べて、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び耐ブロッキング性に優れることが確認され、高画質な画像が得られることが認められた。
参考例1では部分相溶性のある樹脂の組合せにより、従来以上の低温定着性が得られることが認められた。
参考例2では熱損失の少ない定着装置で定着することにより、参考例1よりも低温定着性となることが認められた。
参考例3では、直鎖の結晶性ポリエステル樹脂(樹脂2)を用いることにより、シャープメルト性が高くなり、該ポリエステル樹脂の融点が高いにもかかわらず、低温定着性の良好なトナーが得られることが認められた。
参考例5では、非晶性樹脂としてポリエステル樹脂(樹脂8)を用いることにより、参考例1〜4と比較して、低温定着性に優れたトナーが得られた。
参考例6では参考例5と比較して融点の低い結晶性樹脂を用いたため、結晶性樹脂の含有量を少なく設定したが、低温定着性が良好で、耐ブロッキング性に優れたトナーが得られ、また該トナーを用いて形成した画像の画質も向上することが認められた。
参考例7では、形成するトナーの体積平均粒径を小粒径化しても、かぶりによる画質悪化がなく、細線再現性に優れることが認められた。また、トナー飛散による複写機内の機内汚染にも問題がみられなかった。
実施例では、フマル酸成分を含む結晶性樹脂(樹脂4)と非晶性樹脂(樹脂9又は樹脂10)とを使用することにより、結晶性樹脂との相溶性が上がり、結晶性樹脂の含有量が参考例1〜7と比較して少ないにもかかわらず、トナーのガラス転移温度TgAが低くなり、低温定着性に優れたトナーが得られることが確認された。また、実施例は、使用したワックスの融点が低いため、コールドオフセットによる定着下限温度の上昇もみられなかった。
参考では、非晶性樹脂のTHF不溶分が10%を超えると、低温定着性だけでなく、耐ホットオフセット性や耐ブロッキング性に非常に優れたトナーが得られることが認められた。
実施例では、実施例と比較して、融点の低い結晶性樹脂を使用することにより、定着下限温度の低いトナーが得られた。該トナーは、非晶性樹脂のTHF不溶分が多いので、定着下限温度が低いにもかかわらず、十分な耐オフセット性を有し、耐ブロッキング性も非常に良好なトナーであることが確認された。
実施例では、結晶性樹脂の融点が80℃よりも低いと、低温定着化の寄与に対して、ホットオフセット発生温度の低下が著しくなるため、前記融点は80℃以上であるのが好ましいことが確認された。
実施例では、本発明のトナーは平滑度の低い記録媒体でも、低温定着性と耐ホットオフセット性に優れることが確認された。
実施例では、THF不溶分を5質量%未満にすることにより、類似成分のない樹脂の組合せでもトナーが低Tg化しやすくなり、低温定着性に優れるトナーが得られることが確認された。
実施例およびでは、本発明の別のタイプの定着装置を使用することにより、フルカラートナーに適したTHF不溶分の少ないトナーにおいて、低温定着性と耐ホットオフセット性を確保しやすくなることが確認された。
参考実施例18では、THF不溶分を5質量%未満にすることにより、色再現性の良いトナーが得られることが確認された。
比較例1より非晶性樹脂同士の組み合わせでは、従来以上の低温定着性が得られないことが認められた。
なお、比較例2では、低温定着化が容易となる定着条件(2)により定着工程を行ったが、比較例1と同様、定着下限温度は高いことが認められた。また、結晶性樹脂を含まないため、シャープメルト性に劣り、低接触面圧の定着ロールを有する定着装置を用いても、低温定着性が得られないことが確認された。
比較例3では、結晶性樹脂(樹脂2)を含有するものの、非晶性樹脂と結晶性樹脂とが互いに相溶しないため(表3参照)、トナーのガラス転移温度TgAは非晶性樹脂のガラス転移温度TgBと同等であり、低温定着性に劣ることが認められた。
比較例4では、トナーのガラス転移温度TgAが低く、低温定着性に優れるが、ワックスの含有量が多いため、溶融混練時のトナー形成材料の分散性が不十分となり、耐ブロッキング性に劣るとともに、高画質が得られないことが認められた。
比較例5では、トナーのガラス転移温度TgAが低くても、結晶性ポリエステルのシャープメルト性がないと、平滑度の低い記録媒体では低温定着性が得られないことが確認された。
本発明のトナーは、帯電性、転写性、定着性等の諸特性に優れ、耐ホットオフセット性が良好であり、優れた耐ブロッキング性と低温定着性とを両立するため、高品質な画像形成に好適に使用される。本発明のトナーを用いた本発明の現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、定着方法、画像形成装置及び画像形成方法は、高品質な画像形成に好適に使用される。
図1は、本発明の定着方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 図2は、本発明の定着方法を実施する他の一の例を示す概略説明図である。 図3は、図2に記載の定着装置要部の正面模式図である。 図4は、図2に記載の定着装置要部の縦断正面模式図である。 図5は、図2に記載の定着装置にかかる磁場発生手段の模式図である。 図6は、交番磁束の発生の様子を模式的に表したものである。 図7は、本発明の定着方法を実施する他の一の例を示す概略説明図である。 図8(a)は、図7に記載の定着装置における誘導加熱手段の励磁コイルの配置を示す断面図であり、図8(b)は、図7に記載の定着装置における誘導加熱手段の励磁コイルの配置を示す側面図である。 図9は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 図10は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。 図11は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図12は、図11に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
符号の説明
1 定着装置
2 加熱ロール
3 加圧ロール
4,7 金属シリンダー
5,8 オフセット防止層
6,9 加熱ランプ
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 加熱ローラ
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
1001 発熱層
1010 定着ベルト
1016,1016a,1016b フィルム(ベルト)ガイド部材
1016e 凸リブ部
1017,1017a,1017b,1017c 磁性コア
1018 励磁コイル
1018a,1018b 給電部
1019 絶縁部材(励磁コイル保持部材)
1022 加圧用剛性ステイ
1023a,1023b フランジ部材
1025a,1025b 加圧バネ
1026 温度センサ
1027 励磁回路
1029a,1029b バネ受け部材
1030 加圧ローラ(弾性)
1030a 芯金
1030b 弾性材層
1040 良熱伝導部材
1100 定着装置
N 定着ニップ
P 転写材(記録材)
2001 加熱ローラ
2002 定着ローラ
2003 ベルト
2004 加圧ローラ
2005 温度検出手段
2006 誘導加熱手段
2007 励磁コイル
2008 コイルガイド板
2009 励磁コイルコア
2010 励磁コイルコア支持部材
2011 記録材

Claims (28)

  1. 少なくとも2種の結着樹脂を含み、該結着樹脂が非晶性樹脂及び結晶性樹脂であって、下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリエステル樹脂を含み、
    ガラス転移温度TgAが下記数式(1)で表されるガラス転移温度TgCよりも10℃以上低く、
    前記ポリエステル樹脂は、炭素2〜20のジオール化合物及びこれらの誘導体を含有するアルコール成分を用いて合成されることを特徴とするトナー。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは炭素数2〜20の2価の脂肪族炭化水素基を表し、nは繰り返し単位の数を表し、2〜20である。
    ただし、前記数式(1)中、TgBiは前記非晶性樹脂のガラス転移温度を表す。nは前記非晶性樹脂の種類数を表し、bは前記非晶性樹脂の含有量(質量部)を表す。
  2. 非晶性樹脂と結晶性樹脂との少なくとも一部が互いに相溶可能である請求項1に記載のトナー。
  3. トナーのDSC吸熱曲線において、結晶性ポリエステル由来の吸熱ピークが存在する請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 前記一般式(1)中、Rが直鎖状不飽和脂肪族2価炭化水素基である請求項1に記載のトナー。
  5. 結晶性樹脂の結着樹脂における含有量が50質量%以下である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. 結晶性樹脂の融点が80℃〜130℃である請求項1からのいずれかに記載のトナー。
  7. 結晶性樹脂の粉末X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、少なくとも2θ=20〜25°の位置に回折ピークが存在する請求項1からのいずれかに記載のトナー。
  8. 非晶性樹脂のガラス転移温度TgBが40〜70℃であり、軟化点(F1/2)が120〜160℃である請求項1からのいずれかに記載のトナー。
  9. 非晶性樹脂が、少なくともポリエステル樹脂を含む請求項1からのいずれかに記載のトナー。
  10. 結晶性樹脂のポリエステル樹脂が、構成成分として、少なくともフマル酸を含む請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
  11. 結晶性樹脂のポリエステル樹脂が、構成成分として、少なくとも酸成分としてフマル酸を、アルコール成分としてエチレングリコールを含む請求項10に記載のトナー。
  12. 非晶性樹脂及び結晶性樹脂が、少なくともポリエステル樹脂を含み、結晶性樹脂のポリエステル樹脂及び非晶性樹脂のポリエステル樹脂が、いずれも、構成成分として、少なくともフマル酸を含む請求項1から11のいずれかに記載のトナー。
  13. 非晶性樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分の含有量が10質量%以上である請求項12に記載のトナー。
  14. 非晶性樹脂のポリエステル樹脂の構成成分として、芳香族ジカルボン酸を含有し、前記ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%である請求項10に記載のトナー。
  15. 非晶性樹脂及び結晶性樹脂が、少なくともポリエステル樹脂を含み、前記非晶性樹脂のポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%であり、結晶性樹脂のポリエステル樹脂及び非晶性樹脂のポリエステル樹脂の少なくともいずれかが、構成成分として、芳香族ジカルボン酸を含有する請求項1から14のいずれかに記載のトナー。
  16. 更に離型剤を含み、該離型剤の融点が70〜90℃である請求項1から15のいずれかに記載のトナー。
  17. トナーの体積平均粒径が2.5〜7μmである請求項1から16のいずれかに記載のトナー。
  18. トナーが無機微粒子及び樹脂微粒子の少なくともいずれかを含む請求項1から17のいずれかに記載のトナー。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  20. 請求項1から18のいずれかに記載のトナーが収容されてなることを特徴とするトナー入り容器。
  21. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項1から18のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  22. 請求項1から18のいずれかに記載のトナーを用いて形成した可視像が記録媒体に転写されてなる転写像を、前記記録媒体に定着させる定着工程を含むことを特徴とする定着方法。
  23. 前記記録媒体が、平滑度20〜35secの記録紙である請求項22に記載の定着方法。
  24. 定着工程が、転写像を、互いに回転可能に圧接されてなる一対の定着ローラを有してなり、該一対の定着ローラ間の接触面圧(ローラ荷重/接触面積)が1×105Pa以下であり、かつ、転写像と接触する定着ローラが非弾性部材を有し、該非弾性部材の厚みが1.0mm以下である定着装置を用いて記録媒体に定着させる工程である請求項22に記載の定着方法。
  25. 定着工程が、磁場発生手段と、電磁誘導により発熱する発熱層、弾性層および離型層を少なくとも有する回転加熱部材と、該回転加熱部材とニップを形成している回転加圧部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を有する定着装置を用いて、前記ニップにおいて前記回転加圧部材が記録媒体上に転写されたトナーからなる転写像を、前記記録媒体を介して押圧しながら、記録媒体に加圧加熱定着させる工程であり、
    前記トナーの、非晶性樹脂が少なくともポリエステル樹脂を含み、前記非晶性樹脂のポリエステル樹脂の構成成分として、芳香族ジカルボン酸を含有し、前記ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%である請求項22に記載の定着方法。
  26. 定着工程が、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラに張り渡され、前記加熱ローラにより加熱されるとともに、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、前記加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されるとともに、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置を用いて、前記定着ニップにおいて前記加圧ローラが記録媒体上に転写されたトナーからなる転写像を、前記記録媒体を介して押圧しながら、記録媒体に加圧加熱定着させる工程であり、前記トナーの、非晶性樹脂が少なくともポリエステル樹脂を含み、前記非晶性樹脂のポリエステル樹脂の構成成分として、芳香族ジカルボン酸を含有し、前記ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が0〜5質量%である請求項22に記載の定着方法。
  27. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を請求項1から18のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  28. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項1から18のいずれかに記載のトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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