JP2006268026A - トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁誘導加熱方式の定着装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置、並びにこれらに用いられるトナー、現像剤、トナー入り容器、及びプロセスカートリッジの提供。
【解決手段】静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを含み、該定着工程は、磁性金属から構成され、前記定着工程では、電磁誘導加熱方式の定着装置が用いられ、前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなる画像形成方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリンター、複写機、ファクシミリ等に好適な電磁誘導加熱方式の定着装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置、並びにこれらに用いられるトナー、現像剤、トナー入り容器、及びプロセスカートリッジに関する。
近年、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に対し、省エネルギー化及び高速化についての市場要求が強くなってきている。これらの性能を達成するためには、画像形成装置に用いられる定着装置の熱効率の改善が重要である。
画像形成装置では、電子写真記録、静電記録、磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式、又は直接方式により未定着トナー画像が、記録シート、印刷紙、感光紙、静電記録紙等の記録媒体に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式が広く採用されている。
前記熱ローラ方式の定着装置は、内部にハロゲンランプ等の熱源を有して所定の温度に温調される定着ローラと、該定着ローラに圧接された加圧ローラとの回転ローラ対を基本構成としている。これらの回転ローラ対の接触部(いわゆるニップ部)に記録媒体を導入して搬送させ、定着ローラ及び加圧ローラからの熱及び圧力により未定着トナー画像を溶融し、定着させる。
前記フィルム加熱方式の定着装置としては、例えば、特許文献1及び特許文献2等に提案されている。
このフィルム加熱方式の定着装置は、支持部材に固定支持された加熱体に耐熱性を有する薄肉の定着フィルムを介して記録媒体を密着させ、定着フィルムを加熱体に対して摺動移動させながら加熱体の熱をフィルム材を介して記録媒体に供給するものである。前記加熱体としては、例えば、耐熱性、絶縁性、良熱伝導性等の特性を有するアルミナや窒化アルミニウム等のセラミック基板上に抵抗層を備えたセラミックヒータを使用する。この定着装置は、定着フィルムとして薄膜で低熱容量のものを用いることができるために、熱ローラ方式の定着装置よりも伝熱効率が高く、ウォームアップ時間の短縮が図れ、クイックスタート化や省エネルギー化が可能になる。
前記電磁誘導加熱方式の定着装置としては、例えば、交流磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる技術が提案されている(特許文献3参照)。
ここで、前記電磁誘導加熱方式の定着装置の構成について説明する。図1は、従来の電磁誘導加熱方式による定着装置を示す模式図である。この定着装置は、励磁コイルユニット118と加熱部である磁性金属部材119とからなる加熱体120が装着されたフィルム内面ガイド121と、磁性金属部材119を内壁に当接した状態でフィルム内面ガイド121を包む耐熱性を備えた円筒状のフィルム117と、磁性金属部材119の位置でフィルム117に圧接してこのフィルム117との間にニップ部Nを形成するとともに当該フィルム117を回転させる加圧ローラ122とから構成されている。
前記フィルム117は、膜厚が100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性を有するPTFE、PFA、FEPの等の単層フィルム、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが使用されている。
また、フィルム内面ガイド121はPEEK、PPS等の樹脂より形成された剛性及び耐熱性を有する部材からなり、加熱体120はこのようなフィルム内面ガイド121の長手方向の略中央部に嵌め込まれている。
加圧ローラ122は、芯122aと、その周囲に設けられたシリコーンゴム等の離型性のよい耐熱ゴム層122bからなり、軸受や付勢手段(何れも図示せず)により所定の押圧力を持ってフィルム117を挟んで加熱体120の磁性金属部材119に圧接するように配設されている。そして加圧ローラ122は駆動手段(図示せず)により反時計回りに回転駆動される。
加圧ローラ122の回転駆動により、加圧ローラ122とフィルム117との間に摩擦力が発生してフィルム117に回転力が作用し、フィルム117は加熱体120の磁性金属部材119に密着しながら摺動回転する。
加熱体120が所定の温度に達した状態において、ニップ部Nのフィルム117と加圧ローラ122との間に、画像形成部(図示せず)で形成された未定着トナー画像Tを有する記録媒体111を導入する。記録媒体111は加圧ローラ122とフィルム117とに挟まれてニップ部Nを搬送されることにより磁性金属部材119の熱がフィルム117を介して記録媒体111に付与され、未定着トナー像Tが記録媒体111上に溶融定着される。なお、ニップ部Nの出口においては、通過した記録媒体111はフィルム117の表面から分離されて排紙トレイ(図示せず)に搬送される。
このように電磁誘導加熱方式の定着装置では、渦電流の発生を利用することで、誘導加熱手段としての磁性金属部材119をフィルム117を介して記録媒体111のトナー像Tに近くに配置することができ、フィルム加熱方式の定着装置よりも更に加熱効率が工場する。
しかし、画像形成装置の中でも、フルカラー画像形成装置における定着装置では、4層以上に積層された厚みのあるトナー粒子層を十分に加熱溶融させる能力が要求される。そして、この要求を達成するためには、前記電磁誘導加熱方式の定着装置では、トナー像を十分包み込んで均一に加熱溶融するためにフィルムの表面にはある程度の厚さのゴム弾性層が必要となる。これらを解消するためにフィルムの表面にシリコーンゴムなどの弾性層をある程度被覆した場合、弾性層の低い熱伝導性のために熱応答性が悪くなり、加熱体から加熱されるフィルムの内面とトナーに接する外面とでは温度差が非常に大きくなってしまいトナー量が非常に多い場合などに際してはベルト表面温度が急速に低下し、定着性能を十分に確保することができず、いわゆるコールドオフセットが発生するという問題がある。
一方、前記画像形成方法において、電気的潜像又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化される。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、該潜像をトナーを用いて現像して、トナー画像を形成する。次いで、トナー画像は、通常、紙等の記録媒体上に転写され、定着される。
現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その製造方法には、大別して粉砕法と懸濁重合法とがある。前記粉砕法では、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造している。この粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られるトナー組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合したトナー組成物は、充分に脆くせざるを得ない。
このため、実際に、前記トナー組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。また、前記粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。配合剤の不均一な分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼす。また、前記粉砕法では粒子径の限界が存在し、更なる小粒径化には対応できない。
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するため、懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。静電潜像現像用のトナーを重合法によって製造する技術としては、例えば、懸濁重合法がある。
しかし、前記懸濁重合法で得られるトナー粒子は球形であり、クリーニング性に劣るという欠点がある。また、画像面積率の低い現像及び転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いものでは、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。更に、球形であるためトナー間の接触面積が下がり、付着力が低下するため定着への余裕度が落ちやすく、定着下限の安定性が得られないという問題がある。
このため、乳化重合法により得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、前記乳化重合法で得られるトナー粒子は、水洗浄工程を経ても、界面活性剤が表面だけでなく粒子内部にも多量に残存し、トナーの帯電の環境安定性を損ない、かつ帯電量分布を広げ、得られた画像の地汚れが不良となる。また、残存する界面活性剤により、感光体や帯電ローラ、現像ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。
また、画像形成方法の定着工程においては、加熱部材に対するトナー粒子の離型性(以下、「耐オフセット性」と称することがある)が要求される。前記耐オフセット性は、トナー粒子表面に離型剤を存在させることにより向上させることができる。例えば、樹脂微粒子をトナー粒子中に含有させるだけでなく、該樹脂微粒子がトナー粒子の表面に偏在していることにより、耐オフセット性を向上させる方法が提案されている(特許文献5及び特許文献6参照)。
しかし、これらの提案では、定着下限温度が上昇し、低温定着性、即ち、省エネルギー定着性が十分でないという問題がある。
また、前記乳化重合法によって得られる樹脂微粒子を会合させて不定形のトナー粒子を得る方法では、耐オフセット性を向上させるために、離型剤微粒子を会合させる場合において、前記離型剤微粒子がトナー粒子の内部に取り込まれてしまい、その結果、耐オフセット性の向上を十分に図ることができない。更に、樹脂微粒子、離型剤微粒子、着色剤微粒子などがランダムに融着してトナー粒子が構成されるので、得られるトナー粒子間において組成(構成成分の含有割合)及び構成樹脂の分子量等にバラツキが発生する。その結果、トナー粒子間で表面特性が異なり、長期にわたり安定した画像を形成することができない。
また、低温定着が求められる低温定着システムにおいては、トナー表面に偏在する樹脂微粒子による定着阻害が発生し、定着温度幅を確保できなかった。また、前記懸濁重合法、乳化重合法、及び溶解懸濁法のいずれもスチレン/アクリル系の樹脂を用いることが一般的で、ポリエステル系樹脂では粒子化に難があり粒径、粒度分布、形状制御が困難であった。またより低温定着を目指した場合に定着性に限界がある。
また、耐熱保存性、低温定着を目的として、ウレア結合で変性されたポリエステル樹脂を使用することも試みられている(特許文献7参照)。しかし、トナー表面が工夫されたものではなく、より条件の厳しい環境帯電安定性では十分な性能を有するものではない。
更に、電子写真の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、中でも、トナーの小径化が極めて有効であるとの認識が高まっている。しかし、トナーの小径化が進むにつれて、転写性、定着性が低下し、貧弱な画像となってしまうという課題もある。
また、トナーの帯電性など各種の特性を安定化させるため、トナーの粒径分布をシャープにする手段が用いられるが、トナーの平均粒径と、具体的な粒径分布がマッチしない場合には十分な効果が得られない。即ち、平均粒径と粒径分布の関係を一般化した規定をしても不十分であり、それぞれのトナーの平均粒径に応じた粒径分布と形状が存在する必要がある。
また、加熱部材を内包した加熱ローラと、対向配設された加圧ローラとからなる定着装置により定着し、加圧ローラをクリーニングする部材を有する画像形成装置では、長期にわたる定着により微量のトナーがクリーニング部に蓄積し、クリーニングローラに回収されたトナーが再び溶け出すという問題がある。
そこで、トナーが再び溶け出す問題点を解決するため、例えば、クリーニングローラの長さを加圧ローラよりも長くすることによってクリーニングローラ端部での蓄熱性を上げて端部の温度が上がりにくくすると同時に、クリーニングローラと加圧ローラが接触していない部分からクリーニングローラの端部に蓄積された熱を放出することが可能になる方法が提案されている(特許文献8参照)。
また、特許文献9には、定着装置内と定着装置外の空気を交換可能にする通風口としての穴をあけることにより、クリーニングローラ端部の温度を冷却する方法が提案されている。
また、特許文献10には、2つの切り替え可能なクリーニングローラを有し、温度を制御しつつそれぞれのクリーニングローラを交互に切替使用する方法が提案されている。
しかしながら、これらの提案では、クリーニングローラへのトナーの付着そのものを防ぐことはできない。このため、長時間の連続印刷などではクリーニングローラの温度を下げきれずにトナーが溶け出すことがある。また、クリーニング部への付着量の絶対量を減少させることは高耐久性の観点からも重要であり、これらの改良も必要である。
特開昭63−313182号公報 特開平1−263679号公報 特開平8−22206号公報 特許第2537503号公報 特開2000−292973号公報 特開2000−292978号公報 特開平11−133667号公報 特開2000−194223号公報 特開2002−123119号公報 特開2002−318500号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、第1に、クリーニングローラへの付着量を減少し、クリーニングローラに回収されたトナーについても再び溶け出すことを防止でき、トナーの逆流を防いで画像汚れの問題を解消することができるトナー、並びに該トナーを用いた現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、第2に、耐オフセット性に優れると共に、低温定着性にも優れた電磁誘導加熱方式の定着装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられ、
前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなることを特徴とする画像形成方法である。
<2> トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させてトナーを造粒してなる前記<1>に記載の画像形成方法である。
<3> トナー材料の溶解乃至分散液が有機溶剤を含み、造粒時乃至造粒後に前記有機溶媒を除去する前記<2>に記載の画像形成方法である。
<4> 造粒が、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われる前記<2>から<3>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<5> 外添剤が、少なくとも疎水化処理されたシリカを含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<6> 外添剤が、粒径の異なる少なくとも2種の添加剤を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<7> 外添剤が、平均一次粒子径20nm未満の添加剤と、平均一次粒子径20nm以上の添加剤とを含む前記<6>に記載の画像形成方法である。
<8> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられ、
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、かつ前記トナーがその内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有することを特徴とする画像形成方法である。
<9> 活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均2.1〜2.8個有する前記<8>に記載の画像形成方法である。
<10> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられ、
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られることを特徴とする画像形成方法である。
<11> 有機酸化合物が、カルボン酸化合物及びカルボン酸無水物の少なくとも1種である前記<10>に記載の画像形成方法である。
<12> 有機酸化合物の数平均分子量が15〜1500である前記<10>から<11>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<13> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられ、
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記未変性樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有することを特徴とする画像形成方法である。
<14> 未変性樹脂が、未変性ポリエステル樹脂を含む前記<13>に記載の画像形成方法である。
<15> トナー材料が未変性ポリエステル樹脂を更に含み、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、該未変性ポリエステル樹脂との質量比(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体/未変性ポリエステル樹脂)が、5/95〜80/20である前記<1>から<12>及び<14>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<16> 活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、官能基含有ポリエステル系樹脂を含む前記<1>から<15>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<17> 官能基含有ポリエステル系樹脂が、ウレア基を有するポリエステル樹脂である前記<16>に記載の画像形成方法である。
<18> 未変性ポリエステル樹脂のピーク分子量が1000〜20000である前記<14>から<17>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<19> 未変性ポリエステル樹脂の酸価が10〜30mgKOH/gである前記<14>から<18>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<20> 未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が35〜55℃である前記<14>から<19>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<21> トナーがワックスを含み、該ワックスがトナー内部に微分散され、かつトナー中央部よりも表面近傍に多く存在する前記<1>から<20>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<22> トナーが、帯電制御剤を含む前記<1>から<21>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<23> トナーの体積平均粒径が3〜8μmである前記<8>から<22>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<24> トナーの体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.25である前記<8>から<23>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<25> トナーの平均円形度が0.900〜0.980である前記<8>から<24>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<26> トナーのフローテスターによるT1/2溶融温度が、140〜180℃である前記<1>から<25>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<27> 下記数式1で表されるトナーの形状係数SF−1が、105〜170である前記<1>から<26>のいずれかに記載の画像形成方法である。
ただし、前記数式1中、MXLNGは、トナーを二次元平面に投影してできる形状の最大長を表す。AREAは、トナーを二次元平面に投影してできる図形の面積を表す。
<28> トナーが、固体の微粒子分散剤を用いて水系媒体中で10〜90%の体積収縮率によって得られる前記<2>から<27>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<29> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなり、
前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなることを特徴とする画像形成装置である。
<31> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなり、
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、かつ前記トナーがその内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有することを特徴とする画像形成装置である。
<31> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなり、
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られることを特徴とする画像形成装置である。
<32> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなり、
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記未変性樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有することを特徴とする画像形成装置である。
<33> 静電潜像担持体が、アモルファスシリコンを含む前記<29>から<32>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<34> 更に帯電器を有し、静電潜像担持体に帯電器を接触させて、該帯電器に電圧を印加することによって静電潜像担持体に帯電を行う前記<29>から<33>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<35> 前記<1>から<28>のいずれかに記載の画像形成方法に用いられることを特徴とするトナーである。
<36> 前記<35>に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<37> 前記<35>に記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器である。
<38> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<35>に記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の第1形態から第4形態に係る画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む。
前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられる。
第1形態では、前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなる。
第2形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、かつ前記トナーがその内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有する。
第3形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物と、未変性ポリエステル樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られる。
第4形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記未変性樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有する。
本発明の第1形態から第4形態に係る画像形成方法において、上記構成を採用することにより、クリーニングローラへの付着量を減少し、クリーニングローラに回収されたトナーについても再び溶け出すことを防止でき、トナーの逆流を防いで画像汚れの問題を解消することができ、耐オフセット性に優れると共に、低温定着性にも優れた電磁誘導加熱方式の定着装置を用いた画像形成方法を提供できる。
本発明の第1形態から第4形態に係る画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する。
前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなる。
第1形態では、前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなる。
第2形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性ポリエステル樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、かつ前記トナーがその内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有する。
第3形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られる。
第4形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性ポリエステル樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記未変性ポリエステル樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有する。
本発明の第1形態から第4形態に係る画像形成装置において、上記構成を採用することにより、クリーニングローラへの付着量を減少し、クリーニングローラに回収されたトナーについても再び溶け出すことを防止でき、トナーの逆流を防いで画像汚れの問題を解消することができ、耐オフセット性に優れると共に、低温定着性にも優れた電磁誘導加熱方式の定着装置を有する画像形成装置を提供できる。
本発明のトナーは、本発明の前記画像形成方法に用いられる。該本発明のトナーは、現像安定性、耐フィルミング性、低温定着性に優れ、かつ耐ホットオフセット性に優れ、しかも帯電安定性にも優れており、寿命の長いものである。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含む。このため、該現像剤を用いて電子写真法により画像形成を行うと、トナー画像におけるトナーの充填性が高く、画像層厚を低くして高精細な画像を得ることができ、長期にわたって安定したクリーニング性を有し、安定した画像を再現性よく形成できる高画質が得られる。
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナーを容器中に収容してなる。このため、該トナー入り容器に収容されたトナーを用いて電子写真法により画像形成を行うと、その結果、優れたクリーニング性を有し、帯電性、転写性等の諸特性に優れ、高画質が得られる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記本発明のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有する。該プロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱可能であり、利便性に優れ、また、本発明の前記トナーを用いるので、その結果、優れたクリーニング性を有し、帯電性、転写性等の諸特性に優れ、高画質が得られる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、現像安定性、耐フィルミング性、低温定着性に優れ、かつ耐ホットオフセット性に優れ、しかも帯電安定性にも優れており、寿命の長いトナーと、特定の電磁誘導加熱方式による定着装置と組み合わせることにより、クリーニングローラへの付着量を減少し、クリーニングローラに回収されたトナーについても再び溶け出すことを防止でき、トナーの逆流を防いで画像汚れの問題を解消することができ、耐オフセット性に優れる画像形成方法及び画像形成装置、並びに、これらに用いられるトナー、現像剤、トナー入り容器、及びプロセスカートリッジを提供できる。
また、本発明によれば、特定の電磁誘導加熱方式による定着装置を使用し、かつ特定のトナーを使用することにより、耐オフセット性、及び低温定着性を向上することができる。また、オゾンの発生が低減された帯電装置、及び表面硬度が高く、半導体レーザ(770〜800nm)などの長波長光に高い感度を示し、しかも繰返し使用による劣化もほとんど認められない感光体、及び効率がよく立ち上がり時間の短縮可能な定着装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置、並びにこれらに用いられるトナー、現像剤、トナー入り容器、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
また、本発明によれば、フィルミングが強く、低温定着システムに対応し、耐オフセット性が良好で、定着装置及び画像を汚染することのないトナーと、特定の電磁誘導加熱方式による定着装置を使用し、また、オゾンの発生が低減された帯電器、及び表面硬度が高く、半導体レーザ(770〜800nm)などの長波長光に高い感度を示し、しかも繰返し使用による劣化もほとんど認められない感光体、及び効率がよく立ち上がり時間の短縮可能な定着装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置、並びに、これらに用いられるトナー、現像剤、トナー入り容器、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の第1形態から第4形態に係る画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記定着工程は、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられる。
第1形態では、前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなる。
第2形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、かつ前記トナーがその内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有する。
第3形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られる。
第4形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記未変性樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有する。
本発明の第1形態から第4形態に係る画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなる。
第1形態では、前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなる。
第2形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性ポリエステル樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、かつ前記トナーがその内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有する。
第3形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物と、未変性ポリエステル樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られる。
第4形態では、前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性ポリエステル樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記未変性ポリエステル樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有する。
本発明の第1形態から第4形態に係る画像形成方法は、本発明の第1から第4形態に係る画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記第1形態に係る画像形成方法及び画像形成装置においては、以下の特徴を有する。
前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなる。
前記トナー母体粒子の体積平均粒径(Dv)は、例えば3〜7μmが好ましく、4〜7μmがより好ましく、5〜6μmが更に好ましい。ここで、前記体積平均粒径は、Dv=〔(Σ(nD)/Σn)1/3(ただし、式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。
前記トナー母体粒子における体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.01〜1.25が好ましく、1.01〜1.20がより好ましく、1.10〜1.20が更に好ましい。
ここで、前記体積平均粒径及び体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を使用した。具体的にはコールターマルチサイザー(いずれもコールター社製)を使用し、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、及び個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
前記粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下であり、3〜12個数%がより好ましい。
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、定着性には有利になり、また高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。特に、粒径2.0μm以下、具体的には粒径0.6〜2.0μmのいわゆる超微粉トナーが20個数%より多く存在する場合には、とくに前記キャリアの表面にトナーが融着する現象や、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着といった現象が発生しやすくなる。
逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、定着性が不利となり、特にコールドオフセット(定着しない)が発生すると共に高解像で高画質の画像を得ることが難しくなる。現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径(Dv)/個数平均粒子径(Dn)が1.25よりも大きい場合はトナー粒子への熱効率にばらつきが大きくなることより、定着性の悪化や現像ローラ等へのフィルミング、融着などが発生することが明らかとなった。
これら粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率と、Dv/Dnは常に相関があるわけではなく、本発明の目的を達成するためには、両特性ともに独立した特性として本発明の範囲にする必要がある(下記表1を参照)。また、トナーのDv/Dnと2μm以下の微粉量との関係を図3に示す。図3のグラフからも明らかなように、トナーのDv/Dnと微粉量とは全く独立した特性であることが分る。従来からトナーの粒径分布を示す特性にDv/Dnが用いられてきたが、本発明において目的達成のためには微粉量も重要な特性である。
ここで、前記粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率の測定は、FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。次いで、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行った。更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び形状を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行い、0.6〜2.0μmの範囲の粒子の個数の割合を算出することができる。
前記トナー母体粒子の平均円形度は、前記トナー母体粒子の形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.93〜0.99が好ましく、0.940〜0.98がより好ましい。
ここで、前記平均円形度は、前記粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率の測定と同様にして行うことができる。
前記外添剤をトナー母体粒子100質量部に対し0.3〜5.0質量部の比率で添加混合されていることが現像性、転写性の面から重要であり、0.6〜3.0質量部が好ましい。前記添加量が0.3質量部よりも少ない場合には、トナーの流動性が不十分で感光体から転写紙などへのトナーの転写効率が低下や定着の際のホットオフセットが弱くなり過ぎ、定着装置をトナーで汚し、転写紙等を汚す場合があり、一方、一般的に添加剤は定着性を阻害する方向にあるため5.0質量部よりも多いとトナーの定着性が劣ってしまう。
前記外添剤としては流動性や帯電性を向上させる目的で、無機微粒子を好ましく用いることができる。
この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500μmが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
その他、高分子系微粒子、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
これらの中でも、無機微粒子としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ等が好ましく、特に疎水化処理されたシリカが好ましい。
前記第2形態に係る画像形成方法及び画像形成装置においては、以下の特徴を有する。
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性ポリエステル樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、平均2.1〜2.8個であることが好ましい。前記官能基が平均1.5個未満であると、低温定着性には優れるものの、クリーニングローラからの溶け出しに対する余裕がなくなってしまうことがあり、3個を超えると、耐オフセット性、及びクリーニングローラからの溶け出しには優れるものの、低温定着性への弊害が生じることがある。
前記トナーは、その内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有する。前記無機微粒子は、トナー内部に含有させることによって、トナー母体の帯電特性を安定化させ、現像機内における長期のトナー攪拌による帯電能力の低下を抑えることができる。
トナー母体表面に露出した無機微粒子は、外添剤の埋没を防ぐだけでなく潤滑剤としても機能し、優れた流動性を発揮する。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカと二酸化チタンが特に好ましい。
また、前記無機微粒子は、疎水化処理剤により表面処理されたものを使用してもよい。疎水化処理剤としては例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが好ましい表面処理剤として挙げられる。また、シリコーンオイルを疎水化処理剤として使用したものでも充分な効果が得られる。
前記無機微粒子は、本発明の製造過程のトナー組成物溶液又は分散液中に添加することによって、容易にトナー内部に含有させることができる。
また、本発明の製造過程の樹脂微粒子を含む水系媒体中に添加してもトナー内部に含有させることができるが、この場合に無機微粒子は上記のような疎水化処理をしたものを用いるのが好ましい。
前記無機微粒子の含有量は、トナー母体粒子100質量部に対し0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。この範囲内の添加量とすると、トナー母体に良好な帯電特性を持たすことができ、トナー強撹拌劣化時の外添剤の埋没や遊離による帯電能力の低下を防ぐ効果がある。更に、トナー表面に露出した無機微粒子が潤滑剤としての効果を充分に発揮され、優れた流動性を持たせることができる。
この範囲より小さいと、充分な帯電能力と流動性を発揮しにくくなり、また、この範囲より大きいと、トナー表面に露出する無機微粒子量が多くなり、トナー粒子の円形度を悪化させるだけでなく、無機微粒子が定着阻害因子として作用し、定着下限温度が上昇し、低温定着性が損なわれるので好ましくない。
ここで、前記トナー母体粒子における無機微粒子の含有量は、蛍光X線分析法で求める。予め無機微粒子の含有量が明らかなトナー母体粒子を用いて、蛍光X線分析で検量線を作成し、この検量線を使ってトナー母体粒子中の無機微粒子含有量を蛍光X線分析法で求める。蛍光X線装置には、例えば(株)RIGAKU社製のZSX−100Eを用いて測定可能である。また、用いる無機微粒子が2種類以上の場合は、それぞれ無機微粒子含有量の分析値の総和を、トナー母体粒子中の無機微粒子含有量とした。
無機微粒子はある程度の量がトナー母体粒子の表面近傍に存在している方が、トナーの帯電安定性、流動性によりよい効果を与えることが出来、且つ、外添剤の埋没をより防ぐことができる。トナー母体粒子の表面に存在している無機微粒子の量は、以下のようにして測定される。
測定には、XPS(X線光電子分光法)法を用いる。ここでは特にトナー表面数nm程度の極表面の領域である。測定方法、装置種類、条件等は同様な結果が得られるのであれば特に制限されないが、以下の条件が好ましい。
装置:PHI社製1600S型X線光電子分光装置
X線源:MgKα(400W)
分析領域:0.8×2.0mm
前処理:試料はアルミニウム皿内に詰め込み、カーボンシートで試料ホルダに接着させて測定した。
表面原子濃度算出:PHI社提供の相対感度因子を用いた。
また得られる結果はatomic%(原子個数%)である。
また、用いる無機微粒子が2種類以上の場合は、それぞれ無機微粒子由来の元素濃度の総和を、求める分析値とした。
上記方法での分析結果によれば、トナー母体粒子において、XPS法によって求められる無機微粒子に由来する元素濃度が、0.1〜15atomic%(原子個数%)が好ましく、0.5〜5atomic%がより好ましい。この範囲より少ないと、トナーの帯電安定性、流動性、外添剤の埋没性に効果を発揮しにくくなるし、この範囲より多いと、定着下限温度が上昇し、低温定着性が損なわれるので好ましくない。
また、無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、5〜200nmが好ましく、10〜180nmがより好ましい。この範囲内の粒径にすることによって、トナー同士の凝集を防ぐスペーサー効果が充分発揮し、かつトナー高温保存時あるいは、トナー強撹拌劣化時の外添剤の埋没を防ぐ効果が優れている。
この範囲より小さいと、トナーの凝集や外添剤の埋没が生じやすくなり、また、この範囲より大きいと、トナー粒子の円形度を悪化させるだけでなく、定着下限温度が上昇し、低温定着性が損なわれるので好ましくない。
これらの無機微粒子は、静電荷像現像用トナーとして用いる際には、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
また、ここでの平均粒径は数平均の粒子径である。本発明に使用される無機微粒子の粒子径は、動的光散乱を利用する粒径分布測定装置、例えば(株)大塚電子製のDLS−700やコールターエレクトロニクス社製のコールターN4により測定可能である、しかしシリコーンオイル処理後の粒子の二次凝集を解離することは困難であるため、走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡により得られる写真より直接粒径を求めることが好ましい。この場合少なくとも100個以上の無機微粒子を観察しその長径の平均値を求める。
前記第3形態に係る画像形成方法及び画像形成装置においては、以下の特徴を有する。
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物と、未変性ポリエステル樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られる。
前記有機酸化合物は、トナーの粒度分布を安定化させることを目的として用いることができる。前記有機酸化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水系溶媒中で造粒する際に、上記のほかに、乳化乃至分散に影響するために、乳化した粒子中の未変性のポリエステルの量が変動しても乳化乃至分散に影響しないように酸化を調整することができる。
前記有機酸化合物としては、カルボン酸化合物及びカルボン酸無水物の少なくともいずれかが好ましく、酢酸メチル、酢酸エチルの加水分解物である酢酸、ポリカルボン酸がより好ましい。これらは、乳化した形成された粒子中含有されていることが好ましい。
また、前記有機酸化合物の数平均分子量は15〜1500が好ましい。前記数平均分子量が15未満であると、酸としての効果がなくなってしまうことがあり、1500を超えると、粒子内に含有されにくくなることがある。
前記有機酸化合物の前記トナー材料における含有量は、1〜10000ppmが好ましく、10〜1000ppmがより好ましい。
前記第4形態に係る画像形成方法及び画像形成装置においては、以下の特徴を有する。
前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
前記未変性樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有する。
前記未変性樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有割合が4質量%以下であり、分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有する樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、未変性ポリエステル樹脂、未変性ポリオール樹脂などが挙げられる。
前記分子量500以下の成分は、これらは樹脂のうちでも分子量の低い脆弱な部分であるためクリーニングローラへの付着後、熱により再び溶けやすい成分となる。
また、これらの部分は小さな発熱等でも融着等を起こしやすくなってしまい、これらが現像スリーブや感光体等への汚染を発生してしまうこととなる。このため分子量500以下の成分の含有割合を4質量%以下にすることにより、これらの問題が解消され安定した画像が提供できることとなる。
フルカラートナー用結着樹脂として発色性、画像強度の点から好適なポリエステル樹脂用いられる。カラー画像は、数種のトナー層が幾重にも重ねられるため、トナー層が厚くなってしまい、トナー層の強度不足による画像の亀裂や欠陥が生じたり、適度な光沢が失われたりする。このことから適度な光沢や優れた強度を保持させるためポリエステル樹脂やポリオール樹脂が用いられる。
前記未変性ポリエステル樹脂は、一般に多価アルコールと多価カルボン酸とのエステル化反応により得ることができる。本発明におけるポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうちアルコールモノマーとしては、3価以上の多官能モノマーも含めて、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコールトリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタジエンオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、その他の二価のアルコール、又はソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、その他の3価以上の多価アルコールがあげることができる。
これらのモノマーのうち特に、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を主成分モノマーとして用いたものが好適に用いられる。
ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を構成モノマーとして用いた場合、ビスフェノールA骨格の性質上、比較的高めのガラス転移点のポリエステルが得られ、耐コピーブロッキング性、耐熱保存性が良好となる。また、ビスフェノールA骨格両側のアルキル基の存在が、ポリマー中でソフトセグメントとして働き、トナー定着時の発色性、画像強度が良好となる。特にビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のうち、エチレン基、プロピレン基のものが好適に用いられる。
前記ポリエステル樹脂を構成しているモノマーのうち酸モノマーとしては、3価以上の多官能モノマーも含めて、たとえばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、又はn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、これらの酸の無水物、アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸、そして、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、アルキルエステル、アルケニルエステル、アリールエステル、その他の3価以上のカルボン酸を挙げることができる。
ここで述べているアルキル基、アルケニル基又はアリールエステルの具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリエチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸イソブチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−オクチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリ2−エチルヘキシル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリベンジル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−イソプロピルベンジル)等が挙げられる。
ポリエステル樹脂の帯電性と酸価との関係はほぼ比例関係にあり、酸価が高くなれば、樹脂の負帯電性も大きくなることが知られており、同時に帯電の環境安定性にも影響する。即ち酸価が高いと、低温低湿下では帯電量が高くなり、高温高湿下では帯電量が低くなり、地汚れや画像濃度、色再現性の変化が大きくなり、高画像品質の維持が難しい。従って、ポリエステル樹脂の酸価は30mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/g以下がより好ましい。
ここで、前記酸価は、例えば以下の測定装置を用いて行うことができる。
測定装置:電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極:DG113−SC(メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度:23℃
測定条件は以下のとおりである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
At maximum volume[mL] 10.0
At potential No
At slope No
After number EQPs Yes
n=1
comb. Termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
次に、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調製:トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は、上記記載の装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算する。予め標定されたN/10苛性カリウム〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリウム液の消費量から、次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量
(ただし、Nは、N/10KOHのファクター)
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(感光体)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、互いに当接してニップ部を形成可能であり、該ニップ部に、トナーによる画像が転写された記録媒体を通過させることにより前記画像を前記記録媒体に定着可能な少なくとも2つの定着部材を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の部材を有してなるもの、などが好ましい。
前記定着装置としては、具体的には、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が特に好ましい。
前記ニップ部は、少なくとも2つの前記定着部材が互いに当接して形成される。
前記ニップ部の面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7〜50N/cmが好ましい。
前記ニップ部における、前記記録媒体の導入側端及び排出側端の間に位置する中間領域は、前記導入側端及び前記排出側端と略同一直線上に位置していてもよいし、画像と接触側に位置する画像接触側定着部材の側に位置していてもよい。前記中間領域が、前記画像接触側定着部材の側に位置する場合には、前記ニップ部からの前記記録媒体の排出が画像面を前記定着部材から引き離す方向となるため、前記記録媒体の前記定着部材への巻き付きを防止することができる。
前記定着部材としては、互いに当接してニップ部を形成可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、無端状ベルトとローラとの組合せや誘導加熱などによる前記定着部材の表面からの加熱方法を用いるのが好ましい。
前記定着部材としては、例えば、公知の加熱加圧手段(加熱手段と加圧手段との組合せ)が挙げられる。前記加熱加圧手段としては、前記無端状ベルトと前記ローラとの組合せの場合には、例えば、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せが挙げられ、前記ローラと前記ローラとの組合せの場合には、例えば、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、などが挙げられる。
前記定着部材が無端状ベルトである場合、該無端状ベルトは、熱容量の小さい材料で形成されるのが好ましく、例えば、基体上にオフセット防止層が設けられてなる態様などが挙げられる。前記基体を形成する材料としては、例えば、ニッケル、ポリイミドなどが挙げられ、前記オフセット防止層を形成する材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記定着部材がローラである場合、該ローラの芯金は、高い圧力による変形(たわみ)を防止するため非弾性部材で形成されるのが好ましい。該非弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮などの高熱伝導率体が好適に挙げられる。また、前記ローラは、その表面がオフセット防止層で被覆されるのが好ましい。該オフセット防止層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、RTVシリコーンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが好適に挙げられる。
前記定着部材は、それ自体が加熱手段を有し、加熱部材としての機能を有していてもよいが、前記定着部材の少なくとも1つにおける表面の少なくとも一部が加熱手段により加熱されるのが好ましい。このような加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電磁誘導加熱手段などが挙げられる。
前記電磁誘導加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記定着部材(例えば、加熱ローラ)へ近接するように配置される誘導コイルと、この誘導コイルが設けられている遮蔽層と、この遮蔽層の誘導コイルが設けられている面の反対側に設けられている絶縁層とからなるのが好ましい。このとき、前記加熱ローラは、磁性体からなる態様、ヒートパイプである態様などが好ましい。
前記誘導コイルは、前記加熱ローラの、前記加熱ローラと前記定着部材(例えば、加圧ローラ、無端状ベルトなど)との接触部位の反対側において、少なくとも半円筒部分を包む状態にて配置されるのが好ましい。
前記トナーによる画像の前記記録媒体への定着の温度、即ち、前記加熱手段による前記定着部材の表面温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、120〜170℃が好ましく、120〜160℃がより好ましい。該定着温度が120℃未満であると、定着性が不十分となることがあり、170℃を超えると、省エネルギー化の実現の点で好ましくない。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
ここで、図2に示す定着装置は、誘導加熱手段6の電磁誘導により加熱される加熱ローラ1と、加熱ローラ1と平行に配置された定着ローラ2と、加熱ローラ1と定着ローラ2とに張り渡され、加熱ローラ1により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)3と、ベルト3を介して定着ローラ2に圧接されるとともにベルト3に対して順方向に回転する加圧ローラ4とから構成されている。
加熱ローラ1は、例えば鉄、コバルト、ニッケル又はこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径を例えば20mm、肉厚を例えば0.1mmとして、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
定着ローラ2は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金2aと、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状又は発泡状にして芯金2aを被覆した弾性部材2bとからなる。そして、加圧ローラ4からの押圧力でこの加圧ローラ4と定着ローラ2との間に所定幅の接触部を形成するために外径を40mm程度として加熱ローラ1より大きくしている。弾性部材2bはその肉厚を3〜6mm程度、硬度を40〜60°(Asker硬度)程度としている。この構成により、加熱ローラ1の熱容量は定着ローラ2の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ1が急速に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ1と定着ローラ2とに張り渡されたベルト3は、誘導加熱手段6により加熱される加熱ローラ1との接触部位W1で加熱される。そして、ローラ1,2の回転によってベルト3の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
ベルト3の表層部である離型層の厚さとしては、50μmから500μm程度が望ましく、特に200μm程度が望ましい。このようにすれば、記録媒体111上に形成されたトナー像Tをベルト3の表層部が十分に包み込むため、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。
離型層の厚さが100μmよりも小さい場合には、ベルト3の熱容量が小さくなってトナー定着工程においてベルト表面温度が急速に低下し、定着性能を十分に確保することができない。また、離型層の厚さが500μmよりも大きい場合には、ベルト3の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。更に加えて、トナー定着工程においてベルト表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、ベルトの離型性が低下してトナーがベルトに付着する、いわゆるホットオフセットが発生する。
なお、ベルト3の基材として、上記金属からなるベルト3の内側である発熱層の代わりに、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ4は、例えば銅又はアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金4aと、この芯金4aの表面に設けられた耐熱性及びトナー離型性の高い弾性部材4bとから構成されている。芯金4aには上記金属以外にSUSを使用してもよい。
加圧ローラ4はベルト3を介して定着ローラ2を押圧してニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ4の硬度を定着ローラ2に比べて硬くすることによって、加圧ローラ4が定着ローラ2(及びベルト3)へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録媒体111は加圧ローラ4表面の円周形状に沿うため、記録媒体111がベルト3表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ4の外径は定着ローラ2と同じ40mm程度であるが、肉圧は1〜3mm程度で定着ローラ2より薄く、また硬度は50〜70°(Asker硬度)程度で前述したとおり定着ローラ2より硬く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ1を加熱する誘導加熱手段6は、図2及び図3(A)、(B)に示すように、磁界発生手段である励磁コイル7と、この励磁コイル7が巻き回されたコイルガイド板8とを有している。コイルガイド板8は加熱ローラ1の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、図3(B)に示すように、励磁コイル7は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板8に沿って加熱ローラ1の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル7は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。
励磁コイル7の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア9が、励磁コイルコア支持部材10に固定されて励磁コイル7に近接配置されている。なお、本実施の形態において、励磁コイルコア9は比透磁率が2500のものを使用している。
励磁コイル7には駆動電源から10kHz〜1MHzの高周波交流電流、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交流電流が給電され、これにより交番磁界を発生する。そして、加熱ローラ1と耐熱性ベルト3との接触領域W1及びその近傍部においてこの交番磁界が加熱ローラ1及びベルト3の発熱層に作用し、これらの内部では交番磁界の変化を妨げる方向に渦電流Iが流れる。
この渦電流Iが加熱ローラ1及び発熱層の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として加熱ローラ1とベルト3との接触領域及びその近傍部において加熱ローラ1及び発熱層を有するベルト3が電磁誘導加熱される。
このようにして加熱されたベルト3は、ニップ部Nの入口側近傍においてベルト3の内面側に当接して配置されたサーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出手段5により、ベルト内面温度が検知される。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図5を参照しながら説明する。図5に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下「感光体10」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終記録媒体としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図5に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図6を参照しながら説明する。図6に示す画像形成装置100は、図5に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図5に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図6においては、図5におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図7を参照しながら説明する。図7に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。前記タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図7中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器220が配置されている。タンデム型現像器220の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器220が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、前記タンデム画像形成装置を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図8に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図8中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、特定の結着樹脂と多量の帯電制御剤を用いても、安定した帯電性を有し、地汚れ、白スジ、フィルミングなどの発生がなく、十分な耐久性を有する本発明のトナーを用いているので、鮮明な高画質画像を形成することができる。
<トナー>
本発明のトナーは、本発明の前記画像形成方法及び画像形成装置に用いられ、製法や材料については特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記トナーの製造方法としては、粉砕分級法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。
前記粉砕法は、トナーバインダー樹脂、帯電制御剤、顔料などのトナー材料を機械的に混合する。この混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。
以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。
この溶融混練は、トナーバインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要である。具体的には、溶融混練温度は、トナーバインダー樹脂の軟化点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると切断が激しく、高温過ぎると分散が進まない。
以上の溶融混練工程が終了したら、次いで混練物を粉砕する。この粉砕工程においては、まず粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
この粉砕工程が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中で分級し、もって所定の粒径、例えば平均粒径が5〜20μmのトナーを製造する。
また、トナーを調製する際には、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナーに更に先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合する。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
得られたトナーを球形化するにはトナーバインダー樹脂、着色剤からなるトナー材料を溶融混練後、微粉砕したものをハイブリタイザー、メカノフュージョンなどを用いて機械的に球形化する方法や、いわゆるスプレードライ法と呼ばれるトナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散後、スプレードライ装置を用いて脱溶剤して球形トナーを得る方法、また、水系媒体中で加熱することにより球形化する方法などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有すものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後、後述する無機微粒子の湿式処理を行えばよい。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
本発明においては、これらの中でも、樹脂の選択性が高く、低温定着性が高く、また、造粒性に優れ、粒径、粒度分布、形状の制御が容易であるため、前記トナーとしては、トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させてトナーを造粒してなるものが好ましい。
前記トナー材料の溶解液は、前記トナー材料を溶媒中に溶解させてなり、前記トナー材料の分散液は、前記トナー材料を溶媒中に分散させてなる。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、離型剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて樹脂微粒子、帯電制御剤などのその他の成分を含む。
−接着性基材−
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
前記接着性基材の質量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1,000以上が好ましく、2,000〜10,000,000がより好ましく、3,000〜1,000,000が特に好ましい。
前記質量平均分子量が、1,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材の貯蔵弾性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、測定周波数20Hzにおいて10,000dyne/cmとなる温度(TG’)が、通常100℃以上であり、110〜200℃が好ましい。該(TG’)が100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記接着性基材の粘性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、測定周波数20Hzにおいて1,000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下であり、90〜160℃が好ましい。該(Tη)が180℃を超えると、低温定着性が悪化することがある。
したがって、耐ホットオフセット性と低温定着性との両立を図る観点から、前記(TG’)は前記(Tη)よりも高いことが好ましい。即ち、(TG’)と(Tη)との差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。該差は大きければ大きいほどよい。
また、低温定着性と耐熱保存性との両立を図る観点からは、前記(TG’−Tη)は0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が更に好ましい。
前記接着性基材の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適に挙げられる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを前記水系媒体中で反応させて得られる。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下(1)から(10)、即ち、(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、等が好適に挙げられる。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物は、前記水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基、が特に好ましい。
前記アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等、が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
なお、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いることができる。該反応停止剤を用いると、前記接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
前記アミン類(B)と、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、前記イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であるのが好ましく、1/2〜2/1であるのがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適に挙げられる。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。前記脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。前記ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
前記3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合物における、前記ジオール(DIO)と前記3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。
前記アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。前記アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物における前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、前記ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
前記ポリオール(PO)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプローラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネート(PIC)と、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、該ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と、該水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1であるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネート(PIC)の前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、前記ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の質量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。該質量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、以下のようにして行った。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー社製)カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)を用い、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業株式会社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いて行った。また、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いた。なお、バインダー樹脂のTHF不溶分有無は、分子量分布測定のTHF試料溶液作成時に判断される。即ち、0.45μmのフィルターユニットをシリンジの先に取り付けて液をシリンジ内から押し出す際に、フィルターに詰まりがなければTHF不溶分はないと判断される。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が挙げられるが、特に、未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)が好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、即ち、互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂の質量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜15,000がより好ましい。前記質量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあるので、上述したように前記質量平均分子量(Mw)が1,000未満である成分の含有量は、8〜28質量%であることが必要である。一方、前記質量平均分子量(Mw)が30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度としては、通常30〜70℃であり、35〜70℃がより好ましく、35〜50℃が更に好ましく、35〜45℃が特に好ましい。前記ガラス転移温度が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。
ここで、前記ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計を用いて測定することができる。具体的には、次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
<測定条件>
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
〔温度条件〕
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は、前記島津製作所製データ解析ソフト(Ta−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最も低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次に、DSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能を用いて、DSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナーのガラス転移温度(Tg)に相当する。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5mgKOH/gが以上が好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、1.0〜50.0mgKOH/gが好ましく、1.0〜45.0mgKOH/gがより好ましく、15.0〜45.0mgKOH/gが更に好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記未変性ポリエステル樹脂を前記トナー材料に含有させる場合、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂)と、該未変性ポリエステル樹脂との混合質量比(重合体/未変性ポリエステル樹脂)が、5/95〜80/20が好ましく、10/90〜25/75がより好ましい。
前記未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがあり、20未満であると、光沢性が悪化することがある。
前記結着樹脂における前記未変性ポリエステル樹脂の含有量としては、例えば、50〜100質量%が好ましく、70〜95質量%がより好ましく、80〜90質量%が更に好ましい。該含有量が50質量%未満であると、低温定着性や画像の光沢性が悪化することがある。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、樹脂微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ワックス類は、該ワックスがトナー内部に微分散され、かつトナー中央部よりも表面近傍に多く存在することが好ましい。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−樹脂微粒子−
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられるが、これらの中でも、ビニル系樹脂が特に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
なお、前記ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。
また、前記樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
前記少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業株式会社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、目的に応じて適宜選択した公知の方法に従って重合させることにより得ることができるが、該樹脂微粒子の水性分散液として得るのが好ましい。該樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、などが好適に挙げられる。
次に、前記トナーとしては、例えば、公知の懸濁重合法、乳化凝集法、乳化分散法、などにより製造されるトナーが挙げられるが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含む前記トナー材料を有機溶剤に溶解させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られるトナーが好適に挙げられる。
−トナー溶液−
前記トナー溶液の調製は、前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解させることにより行うことができる。
−−有機溶剤−−
前記有機溶剤としては、前記トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
−分散液−
前記分散液の調製は、前記トナー溶液を水系媒体中に分散させることにより行う。
前記トナー溶液を前記水系媒体中に分散させると、該水系媒体中に、前記トナー溶液からなる分散体(油滴)が形成される。
−−水系媒体−−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、前記水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナー溶液は、前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。
前記分散の方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速剪断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体(油滴)の粒径を2〜20μmに制御することができる点で、高速剪断式分散機が好ましい。
前記高速剪断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1,000〜30,000rpmが好ましく、5,000〜20,000rpmがより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5分が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記トナーの製造方法の一例として、前記接着性基材を粒子状に生成させてトナーを得る方法を以下に示す。
前記接着性基材を粒子状に生成させてトナーを造粒する方法においては、例えば、水系媒体相の調製、前記トナー溶液の調製、前記分散液の調製、前記水系媒体の添加、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成等)を行う。
前記水系媒体相の調製は、例えば、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
前記トナー溶液の調製は、前記有機溶剤中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。また、トナー表面から1μm以内に無機酸化物粒子含有層を形成するため、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子を添加する。
なお、前記トナー材料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、前記水系媒体相調製において、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させる際に該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記トナー溶液を前記水系媒体相に添加する際に、該トナー溶液と共に前記水系媒体相に添加してもよい。
前記分散液の調製は、先に調製した前記トナー溶液を、先に調製した前記水系媒体相中に乳化乃至分散させることにより行うことができる。そして、該乳化乃至分散の際、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させると、前記接着性基材が生成する。
前記接着性基材(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記トナー溶液を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体相中に乳化乃至分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記トナー溶液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化乃至分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記トナー溶液を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、分散体を形成し、該水系媒体相中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記乳化乃至分散により、前記接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましく、反応温度としては、0〜150℃が好ましく、40〜98℃がより好ましい。
前記水系媒体相中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記分散体を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体相中に、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂等の前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解乃至分散させて調製した前記トナー溶液を添加し、剪断力により分散させる方法等が挙げられる。なお、前記分散の方法の詳細は上述した通りである。
前記分散液の調製においては、必要に応じて、前記分散体(前記トナー溶液からなる油滴)を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子株式会社製);フローラドFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子株式会社製);フローラドFC−135(住友3M株式会社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クローライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クローライド類としては、例えば、アクリル酸クローライド、メタクリル酸クローライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散液の調製においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、等が挙げられる。
得られた分散液(乳化スラリー)から、有機溶剤を除去する。該有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記油滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。
前記有機溶剤の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、離型剤、前記帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えばオングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
前記トナーは、以下のような、体積平均粒径(Dv)、体積平均粒径(Dv)/個数平均粒径(Dn)、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率、平均円形度、形状係数SF−1、水系媒体中で体積収縮率、T1/2溶融温度、などを有していることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3〜8μmが好ましく、4〜7μmがより好ましく、5〜6μmが更に好ましい。ここで、体積平均粒径は、Dv=〔(Σ(nD)/Σn)1/3(式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像器における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、例えば、1.00〜1.25が好ましく、1.00〜1.20がより好ましく、1.10〜1.20が更に好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.25以下であると、前記トナーの粒度分布が比較的シャープであり、定着性が向上するが、1.00未満であると、二成分現像剤では現像器における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.20を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
ここで、前記体積平均粒径及び体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を使用した。具体的にはコールターマルチサイザー(いずれもコールター社製)を使用し、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの質量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜0.98が好ましく、0.940〜0.98がより好ましい。
前記平均円形度が、0.900未満であると、球形から離れた不定形の形状のトナーとなり、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.98を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
ここで、前記平均円形度は、例えばFPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いで、イオン交換水80mlを添加した。次いで、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行った。更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び形状を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行った。
前記形状係数SF−1は、例えば、日立製作所製FE−SEM(S−4200)により測定して得られたトナーのSEM像を300個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行い、下記数式1より算出し得られた値を形状係数SF−1と定義した。なお、SF−1の値はLuzexにより求めた値が好ましいが、同様の解析結果が得られるのであれば特に上記FE−SEM装置、画像解析装置に限定されない。
ただし、前記数式1中、MXLNGは、トナーを二次元平面に投影してできる形状の最大長を表す。AREAは、トナーを二次元平面に投影してできる図形の面積を表す。
したがって前記SF−1は、トナー全体の形状(楕円や球等)を表し、トナーが真球であれば100となり、100より値が大きくなるにつれて球形から不定形になる。前記トナーでは、SF−1は105〜170が好ましく、120〜155がより好ましい。
前記トナーにおいては、適度なトナー形状を与えるために、水系媒体中で体積収縮率が10〜90%の体積収縮工程を有する製造法において、固体の微粒子分散剤を用いることが重要である。ここで、前記体積収縮率は、水系媒体中に乳化分散する前のトナー材料が分散された油相(分散相)の容積をVo、乳化分散し揮発成分を除去した後の分散相の体積をVtとして、体積収縮率=(1−Vt/Vo)×100で表わされ、乳化前と乳化分散を経て粒子化された後の特性変化を測定する。
具体的には、次に例示するような方法によって求めることができる。
(1)乳化前の油相と得られたトナーの質量と真比重を測定する方法。
(2)水系媒体中に乳化分散した後の液滴と揮発成分を除去した粒子の平均粒径を測定し、体積換算する方法。
したがって前記体積収縮率は、10〜90%が好ましく、30〜70%がより好ましい。前記体積収縮率が10〜90%の範囲を外れると、トナー粒子形状が不定形となるため好ましくない。
前記トナーのフローテスターによるT1/2溶融温度は、140〜180℃が好ましく、145〜165℃がより好ましい。流出開始温度及びT1/2流出温度の高いトナーは溶け出しにくいため、クリーニングローラに回収されたトナーが再び溶け出すことがないからである。これが140℃未満であるとクリーニングローラにたまったトナーが定着ローラの加熱による熱により再び溶け出し、定着ローラへ逆転写を起こし、画像を汚すことがあり、180℃を超えると、本来の定着性に影響を与えてしまうため好ましくない。
ここで、前記T1/2溶融温度は、以下のようにして求めることができる。トナーの軟化点はフローテスター(CFT−500、島津製作所製)を用い、測定は、荷重30kg、昇温速度:3℃/min、ダイ径0.5mm、ダイ長さ1,0mmの条件下で測定し、得られた曲線からT1/2溶融温度を算出できる。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像器の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像器における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の粒径としては、平均粒径(体積平均粒径(D50))で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ系樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ポリビニル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等が挙げられる。前記ハロゲン化オレフィン樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セロソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が前記二成分現像剤である場合、前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90〜98質量%が好ましく、93〜97質量%がより好ましい。
二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部である。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有しているので、高精細な画像を得ることができ、長期にわたって安定したクリーニング性を有する。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
(トナー入り容器)
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンターに着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図9に示すように、感光体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。図9中103は露光手段による露光であり、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。105は記録媒体を表す。
前記感光体101としては、後述する画像形成装置と同様なものを用いることができる。前記帯電手段102には、任意の帯電部材が用いられる。
次に、図9に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(図示せず)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成装置としては、前記静電潜像担持体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを静電潜像担持体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるもの
ではない。なお、下記例において「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。
(製造例A−1)
−トナー1の製造−
<トナーバインダー樹脂の合成>
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応させた後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応させた。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次いで、プレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させて、質量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル樹脂(1)を得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応させて、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル樹脂(a)を合成した。
ウレア変性ポリエステル樹脂(1)200部と、前記変性されていないポリエステル樹脂(a)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(1)を単離した。ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は10mgKOH/gであった。
<酸価の測定方法>
前記酸価の測定方法については、以下の測定装置を用いて行った。
測定装置:電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極:DG113−SC(メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度:23℃
測定条件は以下のとおりである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
At maximum volume[mL] 10.0
At potential No
At slope No
After number EQPs Yes
n=1
comb. Termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
次に、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調製:トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は、上記記載の装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算する。予め標定されたN/10苛性カリウム〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリウム液の消費量から、次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量
(ただし、Nは、N/10KOHのファクター)
<ガラス転移温度の測定>
前記ガラス転移温度は、示差走査熱量計を用いて測定することができる。具体的には、次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
〔測定条件〕
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
〔温度条件〕
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
測定した結果は、前記島津製作所製データ解析ソフト(Ta−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最も低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次に、DSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能を用いて、DSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナーのガラス転移温度(Tg)に相当する。
−トナーの作製−
ビーカー内に前記トナーバインダー樹脂(1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、カーボンブラック10部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーを用いて12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。
次に、ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業株式会社製、スーパタイト10)294部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。次いで、60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。
次に、得られた混合液を攪拌棒及び温度計付きのコルベンに移し、98℃まで昇温して一部溶剤を除去し、室温に戻してから同ホモミキサーを用いて12000rpmで攪拌を行いトナーの形状を球形から変形させ、更に溶剤を完全に除去した。次いで、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、トナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子100部に疎水性シリカ1.0部と疎水性酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー1を作製した。その他の条件については表3に示す通りである。
(製造例A−2)
−トナー2の作製−
製造例A−1において、カーボンブラック10部をマゼンタ着色剤(C.I.pigment Yellow 180)を12部に変えた以外は、製造例A−1と同様にして、トナー2を作製した。
(製造例A−3)
−トナー3の作製−
製造例A−1において、カーボンブラック10部をマゼンタ着色剤(C.I.pigment Red 184)7部に変えた以外は、製造例A−1と同様にして、トナー3を作製した。
(製造例A−4)
−トナー4の作製−
製造例A−1において、カーボンブラック10部をマゼンタ着色剤(C.I.pigment Blue 15:3)5部に変えた以外は、製造例A−1と同様にして、トナー4を作製した。
(製造例A−5)
−トナー5の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
製造例A−3と同様にして、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物334部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物334部、イソフタル酸274部、及び無水トリメリット酸20部を重縮合した後、イソホロンジイソシアネート154部を反応させて、プレポリマー(2)を合成した。次いで、得られたプレポリマー(2)213部と、イソホロンジアミン9.5部及びジブチルアミン0.5部を製造例A−3と同様に反応させ、質量平均分子量79000のウレア変性ポリエステル樹脂(2)を合成した。
次に、得られたウレア変性ポリエステル樹脂(2)200部と、変性されていないポリエステル樹脂(a)800部とを、酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(2)の酢酸エチル溶液を得た。これを一部減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(2)を単離した。ピーク分子量は5000、ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は10mgKOH/gであった。
<トナーの作製>
製造例A−3において、トナーバインダー樹脂(1)をトナーバインダー樹脂(2)に変え、また溶解温度及び分散温度を50℃に変えた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー母体粒子(2)を得た。得られたトナー母体粒子(2)100部に、帯電制御剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩を1.0部を混合し、加温雰囲気中で攪拌し、トナーの表面に帯電制御剤を固着させた。次いで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー5を作製した。その他の詳細な条件については表3に示す。
(製造例A−6)
−トナー6の作製−
<トナーバインダー樹脂の作製>
ウレア変性ポリエステル樹脂(1)30部と、変性されていないポリエステル樹脂(a)970部とを、酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(3)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。これの一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(3)を単離した。ピーク分子量は5000、ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は10mgKOH/gであった。
<トナーの作製>
製造例A−5において、トナーバインダー樹脂(2)をトナーバインダー樹脂(3)に変え、また着色剤をカーボンブラック8部に変えた以外は、製造例A−5と同様にして、トナー6を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−7)
−トナー7の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ウレア変性ポリエステル樹脂(1)500部と、変性されていないポリエステル樹脂(a)500部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(4)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。これの一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(4)を単離した。ピーク分子量は5000、ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は10mgKOH/gであった。
<トナーの作製>
製造例A−3において、トナーバインダー樹脂(1)をトナーバインダー樹脂(4)に変え、C.I.Pigment Red 184を8部用いた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー7を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−8)
−トナー8の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ウレア変性ポリエステル樹脂(1)を750部と、変性されていないポリエステル樹脂(a)250部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(5)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。これの一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(5)を単離した。ピーク分子量は5000、ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は10mgKOH/gであった。
<トナーの作製>
製造例A−3において、トナーバインダー樹脂(1)を前記トナーバインダー樹脂(5)に変えた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー8を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−9)
−トナー9の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ウレア変性ポリエステル樹脂(1)850部と、変性されていないポリエステル樹脂(a)150部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(6)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。これの一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(6)を単離した。ピーク分子量は5000、Tgは62℃、酸価は10mgKOH/gであった。
<トナーの作製>
製造例A−3において、トナーバインダー樹脂(1)を前記トナーバインダー樹脂(6)に変えた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー9を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−10)
−トナー10の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、及びテレフタル酸276部を常圧下、230℃で2時間重縮合した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量800の変性されていないポリエステル樹脂(b)を合成した。
次に、ウレア変性ポリエステル樹脂(1)200部と、前記変性されていないポリエステル樹脂(b)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(7)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。これの一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(7)を単離した。ガラス転移温度(Tg)は45℃であった。
<トナーの作製>
製造例A−3において、トナーバインダー樹脂(1)を前記トナーバインダー樹脂(7)に変えた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー10を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−11)
−トナー11の作製−
製造例A−1で得られたトナーバインダー溶液210部を、酢酸エチル210部で希釈し、この希釈した分散体210部を、製造例A−1と同様に処理して乳化後粒子化した。次いで、製造例A−1と同様にしてトナー11を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−12)
−トナー12の作製−
製造例A−3で得られたトナー組成物350部を、エバポレータによって175部に濃縮し、この濃縮した分散体210部を製造例A−3と同様に処理して乳化後、粒子化した。次いで、製造例A−3と同様にして、トナー12を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−13)
−トナー13の作製−
製造例A−3で得られたトナー組成物210部を酢酸エチル965部で希釈し、この希釈した分散体210部を製造例A−3と同様に処理して乳化後、粒子化した。次いで、製造例A−3と同様にして、トナー13を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−14)
−トナー14)の作製−
製造例A−3で得られたトナー組成物350部を、エバポレータによって125部に濃縮し、この濃縮した分散体210部を製造例A−3と同様に処理して乳化後、粒子化した。次いで、製造例A−3と同様にして、トナー14を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−15)
−トナー15の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、80℃まで冷却し、トルエン中にてトルエンジイソシアネート14部を入れ110℃にて5時間反応を行った。その後、脱溶剤し、質量平均分子量98000のウレタン変性ポリエステル樹脂を合成した。
次に、得られたビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物363部、及びイソフタル酸166部を製造例A−1と同様に重縮合し、ピーク分子量3800、酸価7の変性されていないポリエステル樹脂を得た。得られたウレタン変性ポリエステル樹脂350部と、変性されていないポリエステル樹脂650部をトルエンに溶解、混合後、脱溶剤し、比較トナーバインダー樹脂(2)を作製した。得られた比較トナーバインダー樹脂(2)のガラス転移温度(Tg)は58℃であった。
<トナーの作製>
前記比較トナーバインダー樹脂(2)100部、C.I.Pigment Red 184を7部、下記の方法でトナー化した。まず、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、連続式混練機で混練した。次に、ジェット粉砕機微粉砕した後、気流分級機で分級し、トナー粒子を作製した。次いで、ロータリーキルンを用いてトナーの丸め処理を行った。得られたトナー粒子100部に疎水性シリカ1.0部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー15を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−16)
−トナー16の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸184部、及びフマル酸55部を常圧下、230℃で2時間重縮合した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量1000の変性されていないポリエステル樹脂(c)を合成した。ウレア変性ポリエステル樹脂(1)200部と、変性されていないポリエステル樹脂(c)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(8)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。これの一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(8)を単離した。ガラス転移温度(Tg)は45℃であった。
<トナーの作製>
製造例A−3において、トナーバインダー樹脂(1)を前記トナーバインダー樹脂(8)に変えた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー16を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−17)
−トナー17の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、及びテレフタル酸276部を常圧下、230℃で1.5時間重縮合した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量600の変性されていないポリエステル樹脂(d)を合成した。得られたウレア変性ポリエステル樹脂(1)200部と、変性されていないポリエステル樹脂(d)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(9)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。これの一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(9)を単離した。ガラス転移温度(Tg)は45℃であった。
<トナーの作製>
製造例A−3において、トナーバインダー樹脂(1)を前記トナーバインダー樹脂(9)に変えた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー17を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−18)
−トナー18の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物354部、及びイソフタル酸166部を、ジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、ピーク分子量4,000の比較トナーバインダー樹脂(1)を合成した。得られた比較トナーバインダー樹脂(1)のガラス転移温度(Tg)は57℃であった。
<トナーの作製>
ビーカー内に前記比較トナーバインダー樹脂(1)100部、酢酸エチル溶液200部、及びC.I.Pigment Red 184を7部入れ、50℃にてTK式ホモミキサーを用いて12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。次いで製造例A−1と同様にしてトナー化し、トナー18を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−19)
−トナー19の作製−
製造例A−15において、トナーの作製でロータリーキルンでのトナーの丸め処理を行わない以外は、製造例A−15と同様にして、トナー19を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−20)
−トナー20の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物354部、及びテレフタル酸166部を、ジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮合し、ピーク分子量12,000の比較トナーバインダー樹脂(3)を合成した。ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は10であった。
<トナーの製造>
ビーカー内に、前記比較トナーバインダー樹脂(3)100部、酢酸エチル200部、及び銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させ、比較トナー材料溶液を作製した。次いで、製造例A−11と同様にして、トナー化し、トナー20を作製した。その他の条件については表3示す。
(製造例A−21)
−トナー21の作製−
製造例A−3で作製したトナー母体粒子と異型化を行う工程で、一部脱溶剤後、室温に戻してから、TK式ホモミキサーを用いて18000rpmで攪拌を行い、トナーの形状を球形から変形させた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー21を作製した。その他の条件については、表3に示す。
(製造例A−22)
−トナー22の作製−
製造例A−1で作製したトナー母体粒子100部に対して、疎水性シリカ0.2部をヘンシェルミキサーにて混合した以外は、製造例A−1と同様にしてトナー22を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−23)
−トナー23の作製−
<トナーバインダー樹脂の合成>
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、及びテレフタル酸276部を常圧下、230℃にて1時間重縮合した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量400の変性されていないポリエステル樹脂(f)を合成した。得られたウレア変性ポリエステル樹脂(1)200部と、変性されていないポリエステル樹脂(f)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー樹脂(9)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。これの一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(9)を単離した。ガラス転移温度(Tg)は45℃であった。
<トナーの作製>
製造例A−3において、トナーバインダー樹脂(1)を前記トナーバインダー樹脂(9)に変えた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー23を作製した。その他の条件については表3に示す。
(製造例A−24〜製造例A−27)
−トナー24〜27の作製−
製造例A−3において、表3に示すように添加剤の条件を変えた以外は、製造例A−3と同様にして、トナー24〜27を作製した。
次に、得られた各トナー1〜27について、以下のようにして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
<トナーの粒径(体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn))>
前記体積平均粒径及び体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を使用した。具体的にはコールターマルチサイザー(いずれもコールター社製)を使用し、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、及び個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
<平均円形度の計測方法>
前記平均円形度は、FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。次いで、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行った。更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び形状を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行った。
<粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率>
粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率の測定は、FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。次いで、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行った。更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び形状を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行い、0.6〜2.0μmの範囲の粒子の個数の割合を算出することができる。
<形状係数SF−1>
日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い1000倍に拡大した2μm以上のトナー粒子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、例えばニコレ社製の画像解析装置(Luzex III)に導入し解析を行った。
<T1/2流出温度>
トナーの軟化点は、フローテスター(CFT−500、島津製作所製)を用い、測定は、荷重30kg、昇温速度:3℃/min、ダイ径0.5mm、ダイ長さ1,0mmの条件下で測定し、得られた曲線からT1/2溶融温度を算出した。
(実施例A−1〜A−22及び比較例A−1〜A−6)
次に、トナー1〜27と、定着装置A(図2)及び定着装置B(図1)とを、表4に示すように組み合わせ、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表4に示す。
<フィルミング>
画像形成装置(株式会社リコー製、Ipsio color 8100)の改造機でトナーを10,000枚相当分の空回し(白紙通紙)実験を行い、現像ローラーの表面でのトナーのフィルミングの発生有無を目視観察した。
〔評価基準〕
○:発生なし
×:発生あり
<溶け出し、定着クリーニングローラ付着量>
画像形成装置(株式会社リコー製、Ipsio color 8100)の改造機でトナーを100,000枚5%画像の作像を行い、転写紙への溶け出しによる逆転写を下記基準で確認した。なお、同時に定着のクリーニングローラの重さを測定し、質量増加分を測定し、トナー付着量とした。
〔評価基準〕
○:発生なし
×:発生あり
<定着性(定着下限温度)>
普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200及びNBSリコー製、複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、1.0±0.05mg/cmのトナーが現像される様に調整を行い、定着ベルトの温度が可変となる様に調整を行って、普通紙でオフセットの発生しない温度を、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。
<ホットオフセット発生温度(HOT)>
上記定着下限温度と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
(実施例B−1)
以下に、本発明の「少なくとも官能基含有ポリエステル系樹脂が溶解されている有機溶媒相と、活性水素含有化合物と、着色剤とを、樹脂微粒子が分散されている水系媒体相中に分散させて、前記官能基含有ポリエステル系樹脂と前記活性水素含有化合物との伸長反応及び/又は架橋反応を起こさせ、これにより得られた分散液から粒子を形成する静電荷像現像用トナーであって、前記官能基含有ポリエステル系樹脂の1分子当たりに含有する官能基が、平均1.5〜3個、更に好ましくは、平均2.1〜2.8個である」トナーを具体的に製造することについて、順を追って説明する。
−無機微粒子の製造−
コア用原料の液状SiClを液体原料供給装置を用いてキャリアガスとしてArガスを流量300SCCM(毎分標準体積流量(CC))で吹き込み、流量250SCCMのSiCl蒸気を、Hガス20SLM(毎分標準体積流量(L))、Oガス20SLMと共にコア用バーナーに送り火炎加水分解、融合させてSiO微粒子を生成させた。得られた微粒子を所定の一次粒子径になるまで成長させて、得られた微粒子をヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理を行い、平均一次粒子径が5nmの[無機微粒子1]を製造した。
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。次いで、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを[微粒子分散液1]とする。
得られた[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、島津製作所製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は42℃であり、質量平均分子量は3万であった。
−水相の調製−
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7、三洋化成工業社製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
−低分子ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧下、2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
得られた[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、質量平均分子量6700、ガラス転移温度(Tg)43℃、酸価25であった。
−中間体ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、質量平均分子量9500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51であった。
−少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート125部、及び酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
得られた[プレポリマー1]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均2.15個であった。
−ケチミンの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
−マスターバッチの合成−
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、ポリエステル樹脂(三洋化成工業社製、RS801)60部、及び水30部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
−油相、即ち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下、80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで、反応容器内に、前記[マスターバッチ1]500部、及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
次に、得られた[原料溶解液1]1324部を反応容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記の[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料及びワックス分散液1]を得た。得られた[顔料及びワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
−乳化−
前記[顔料及びワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、及び[ケチミン化合物1]8.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。即ち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行われる。
−脱溶剤−
撹拌機、及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
−洗浄及び乾燥−
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
得られた[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを[トナー母体粒子1]とする。
−外添剤処理−
得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。
(実施例B−2)
−トナー2の作製−
実施例B−1において、以下のようにして作製した[プレポリマー2]を使用した以外は、実施例B−1と同様にして、トナー2を作製した。
−中間体ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸264部、無水トリメリット酸41部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル2]を得た。[中間体ポリエステル2]は、数平均分子量2400、質量平均分子量11400、ガラス転移温度(Tg)59℃、酸価0.9mgKOH/g、水酸基価94であった。
−少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー2という)の合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル2]410部、イソホロンジイソシアネート160部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー2]を得た。[プレポリマー2]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均2.75個であった。
(実施例B−3)
−トナー3の作製−
実施例B−1において、以下のようにして作製した[プレポリマー3]を使用した以外は、実施例B−1と同様にして、トナー3を作製した。
−中間体ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸264部、無水トリメリット酸41部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル3]を得た。[中間体ポリエステル3]は、数平均分子量2400、質量平均分子量11400、ガラス転移温度(Tg)59℃、酸価0.9mgKOH/g、水酸基価94であった。
−少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー3という)の合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル3]410部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応し、[プレポリマー3]を得た。得られた[プレポリマー3]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均1.53個であった。
(実施例B−4)
−トナー4の作製−
実施例B−1において、以下のようにして作製した[プレポリマー4]を使用した以外は、実施例B−1と同様にして、トナー4を作製した。
−中間体ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸264部、無水トリメリット酸41部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル4]を得た。[中間体ポリエステル4]は、数平均分子量2400、質量平均分子量11400、ガラス転移温度(Tg)59℃、酸価0.9mgKOH/g、水酸基価94であった。
−少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー4という)の合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル4]410部、イソホロンジイソシアネート170部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー4]を得た。[プレポリマー4]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均2.92個であった。
(比較例B−1)
−トナー5の作製−
実施例B−1において、以下のようにして作製した[プレポリマー5]を使用した以外は、実施例B−1と同様にして、トナー5を作製した。
−中間体ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸253部、無水トリメリット酸52部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル5]を得た。[中間体ポリエステル5]は、数平均分子量2800、質量平均分子量12300、ガラス転移温度(Tg)62℃、酸価1.1mgKOH/g、水酸基価118であった。
−少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー5という)の合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル5]410部、イソホロンジイソシアネート72部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー5]を得た。[プレポリマー5]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均1.23個であった。
(比較例B−2)
−トナー6の作製−
実施例B−1において、以下のようにして作製した[プレポリマー6]を使用した以外は、実施例B−1と同様にして、トナー6を作製した。
−中間体ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物680部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物79部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド6部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル6]を得た。[中間体ポリエステル6]は、数平均分子量1800、質量平均分子量5800、ガラス転移温度(Tg)52℃、酸価0.2mgKOH/g、水酸基価38であった。
−少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー6という)の合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル6]410部、イソホロンジイソシアネート186部、及び酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー6]を得た。得られた[プレポリマー6]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均3.20個であった。
次に、得られた各トナーについて、以下のようにして、諸物性を測定した。結果を表5に示す。
<体積平均粒径(Dv)及び(Dv/Dn)の測定>
前記体積平均粒径及び体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を使用した。具体的にはコールターマルチサイザー(いずれもコールター社製)を使用し、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、及び個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
<平均円形度>
前記平均円形度は、FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。次いで、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行った。更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び形状を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行った。
−現像剤の調製−
各トナー5質量%と、シリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95質量%とから、常法により二成分現像剤を調製した。
得られた各現像剤を使用して、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できる画像形成装置(株式会社リコー製、Ipsio color 8100)の改造機(定着装置A(図2)又は定着装置B(図1))を用い、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表6及び表7に示す。
<帯電量>
各現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求める。トナー濃度は4.5〜5.5質量%に調整した。
<クリーニング性>
定着装置A(図2)を用い、100枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.005未満のものを◎、0.005〜0.010のものを○、0.011〜0.02のものを△、0.02を超えるものを×として評価した。
<画像濃度>
定着装置A(図2)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを150,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定を行った。これを4色単独に行い平均を求めた。この値が、1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.2未満の場合は◎とした。
<画像粒状性、鮮鋭性>
定着装置B(図1)を用い、単色で写真画像の出力を行い、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから◎、○、△、×で評価した。◎はオフセット印刷並、○はオフセット印刷よりわずかに悪い程度、△はオフセット印刷よりかなり悪い程度、×は従来の電子写真画像程度で非常に悪い。
<地肌汚れ>
定着装置A(図1)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行った。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れがよく、×、△、○、◎の順にランクがよくなる。
<文字画像内部の白抜け>
定着装置A(図2)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、文字部画像をリコー社製タイプDXのOHPシートに4色重ねて出力させ、文字部の線画像内部が抜けるトナー未転写頻度を段階見本と比較した。ランク1が最低、ランク5が最高である。ランク1又は2の場合は×、ランク3の場合は△、ランク4の場合は○、ランク5の場合は◎とした。
<トナー流動性>
パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン製)に、上から順に目開き75μm、45μm、22μmのメッシュを重ねて装填し、トナー母体を一番上側の75μmメッシュ上に2g入れ、縦方向に1mmの振動を10秒間与え、各メッシュ上のトナー残存量からトナー母体の流動性(凝集度)を算出した。
<数式2>
凝集度(%)=(5×(75μmメッシュ上の残トナー量(g))+3×(45μmメッシュ上の残トナー量(g))+(22μmメッシュ上の残トナー量(g)))×10
凝集度が8%以下の場合は◎、8〜16%の場合は○、16〜25%の場合は△、25%以上の場合は×とした。
<定着性>
定着装置A(図2)及び定着装置B(図1)を用い、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6200及びNBSリコー製の複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。定着上限温度は190℃以上の場合は◎、190〜180℃の場合は○、180〜170℃の場合は△、170℃以下の場合は×とした。また、定着下限温度は135℃以下の場合は◎、135〜145℃の場合は○、145〜155℃の場合は△、155℃以上の場合は×とした。
<総合評価>
以上の諸特性の評価結果から、下記基準により総合評価を行った。
○:良好
×:不良
(実施例C−1)
以下に、本発明の「少なくとも官能基含有ポリエステル系樹脂が溶解されている有機溶媒相と、活性水素含有化合物と、着色剤とを、樹脂微粒子が分散されている水系媒体相中に分散させて、前記官能基含有ポリエステル系樹脂と前記活性水素含有化合物との伸長反応及び/又は架橋反応を起こさせ、これにより得られた分散液から粒子を形成する静電荷像現像用トナーであって、該有機溶媒相に有機酸化合物を含有する」トナーを具体的に製造することについて、順を追って説明する。
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。次いで、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。
得られた[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、島津製作所製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。この[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は42℃であり、質量平均分子量は3万であった。
−水相の調製−
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
−低分子ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧下、2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
得られた[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、質量平均分子量6700、ガラス転移温度(Tg)43℃、酸価24mgKOH/gであった。
−中間体ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、質量平均分子量9500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51であった。
−少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
−ケチミンの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
−マスターバッチの合成−
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、及びポリエステル樹脂(三洋化成工業社製、RS801)60部、及び水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。次いで、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
−油相、即ち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製−
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記の[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料及びワックス分散液1]を得た。[顔料及びワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
−乳化−
[顔料及びワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部、及び有機酸化合物(酢酸)0.01部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。即ち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行われる。
−脱溶剤−
撹拌機、及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
−洗浄及び乾燥−
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを[トナー母体粒子1]とする。
−外添剤処理−
上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。
(実施例C−2)
−トナー2の作製−
実施例C−1の乳化において、有機酸化合物(酢酸)の添加量を0.01部から0.03部に変えた以外は、実施例C−1と同様にして、トナー2を作製した。
(実施例C−3)
−トナー3の作製−
実施例C−1の乳化において、有機酸化合物(酢酸)0.01部を、有機酸化合物(無水トリメリット酸)0.01部に変えた以外は、実施例C−1と同様にして、トナー3を作製した。
(実施例C−4)
−トナー4の作製−
実施例C−1の乳化において、有機酸化合物(酢酸)0.01部を、有機酸化合物(無水トリメリット酸)0.03部に変えた以外は、実施例C−1と同様にして、トナー4を作製した。
(比較例C−1)
−トナー5の作製−
実施例C−1の乳化において、有機酸化合物を添加しない以外は、実施例C−1と同様にして、トナー5を作製した。
次に、各トナーについて、以下のようにして、諸物性を測定した。結果を表8に示す。
<体積平均粒径、及び(Dv/Dn)の測定>
前記体積平均粒径及び体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を使用した。具体的にはコールターマルチサイザー(いずれもコールター社製)を使用し、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
<平均円形度>
前記平均円形度は、FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。次いで、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行った。更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び形状を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行った。
−現像剤の調製−
各トナー5質量%と、シリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95質量%とから、常法により二成分現像剤を調製した。
得られた各現像剤を使用して、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できる画像形成装置(株式会社リコー製、Ipsio color 8100)の改造機(定着装置A(図2)又は定着装置B(図1))を用い、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表9及び表10に示す。
<帯電量>
各現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求める。トナー濃度は4.5〜5.5質量%に調整した。
<クリーニング性>
定着装置A(図2)を用い、100枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.005未満のものを◎、0.005〜0.010のものを○、0.011〜0.02のものを△、0.02を超えるものを×として評価した。
<画像濃度>
定着装置A(図2)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを150,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定を行った。これを4色単独に行い平均を求めた。この値が、1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.2未満の場合は◎とした。
<画像粒状性、鮮鋭性>
定着装置B(図1)を用い、単色で写真画像の出力を行い、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから◎、○、△、×で評価した。◎はオフセット印刷並、○はオフセット印刷よりわずかに悪い程度、△はオフセット印刷よりかなり悪い程度、×は従来の電子写真画像程度で非常に悪い。
<地肌汚れ>
定着装置A(図1)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行った。画像濃度の差が少ない方が地肌汚れがよく、×、△、○、◎の順にランクがよくなる。
<文字画像内部の白抜け>
定着装置A(図2)を用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、文字部画像をリコー社製タイプDXのOHPシートに4色重ねて出力させ、文字部の線画像内部が抜けるトナー未転写頻度を段階見本と比較した。ランク1が最低、ランク5が最高である。ランク1又は2の場合は×、ランク3の場合は△、ランク4の場合は○、ランク5の場合は◎とした。
<トナー流動性>
パウダーテスター(PT−N型、ホソカワミクロン社製)に、上から順に目開き75μm、45μm、22μmのメッシュを重ねて装填し、トナー母体を一番上側の75μmメッシュ上に2g入れ、縦方向に1mmの振動を10秒間与え、各メッシュ上のトナー残存量からトナー母体の流動性(凝集度)を算出した。
<数式2>
凝集度(%)=(5×(75μmメッシュ上の残トナー量(g))+3×(45μmメッシュ上の残トナー量(g))+(22μmメッシュ上の残トナー量(g)))×10
凝集度が8%以下の場合は◎、8〜16%の場合は○、16〜25%の場合は△、25%以上の場合は×とした。
<定着性>
定着装置A(図2)及び定着装置B(図1)を用い、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6200及びNBSリコー製の複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。定着上限温度は190℃以上の場合は◎、190〜180℃の場合は○、180〜170℃の場合は△、170℃以下の場合は×とした。また、定着下限温度は135℃以下の場合は◎、135〜145℃の場合は○、145〜155℃の場合は△、155℃以上の場合は×とした。
<総合評価>
以上の諸特性の評価結果から、下記基準により総合評価を行った。
○:良好
×:不良
(合成例D−1)
−未変性ポリエステル樹脂(A)の合成−
撹拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、及び冷却管つき4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2.2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステルか触媒と供に加えた。窒素雰囲気下で前半210℃まで常圧昇温し、後半210℃まで減圧にて攪拌しつつ反応させた。これにより分子量500以下の含有量3.5%、分子量ピーク7500の未変性ポリエステル樹脂(A)を合成した。得られた未変性ポリエステル樹脂(A)はテトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含んでいなかった。
(合成例D−2)
−未変性ポリエステル樹脂(B)の合成−
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1225gポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン165g、テレフタル酸500g、イソドデセニル無水コハク酸130g、及び1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリイソプロピル170gをエステル化触媒と共にフラスコに加えた。これらを合成例D−1と同様の装置、条件にて反応させ、分子量500以下の含有量3.0%、分子量ピーク8000の未変性ポリエステル樹脂(B)を合成した。得られた未変性ポリエステル樹脂(B)はテトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含んでいなかった。
(合成例D−3)
−未変性ポリオール樹脂(C)の合成−
撹拌装置、温度計、窒素導入口、及び冷却管付きセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールAがたエポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.4g、高分子ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物191.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノール70.1gキシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.1839g加えた。次いで、160℃まで昇温し、減圧下でキシレンを除去し、180℃の反応温度で5時間重合させた。以上により。分子量500以下の含有量3.7%、分子量ピーク4000のポリオール樹脂を合成した。これを簡易粉砕器で粉砕し、質量平均粒径0.42mmの未変性ポリオール樹脂(C)を調製した。得られた未変性ポリエステル樹脂(C)はテトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含んでいなかった。
(合成例D−4)
−未変性ポリエステル樹脂(D)の合成−
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン714gポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン663g、イソフタル酸648g、イソオクテニルコハク酸150、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸120gをエステル化触媒と共にフラスコに加えた。これらを合成例1と同様の装置、条件にて反応させ、分子量500以下の含有量4.8%、分子量ピーク8000の未変性ポリエステル樹脂(D)を合成した。得られた未変性ポリエステル樹脂(D)はテトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含んでいなかった。
(合成例D−5)
−未変性ポリオール樹脂(E)の合成−
撹拌装置、温度計、窒素導入口、及び冷却管付きセパラブルフラスコに、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量:約360)378.4g、高分子ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加体のグリシジル化物191.0g、ビスフェノールF274.5g、p−クミルフェノール70.1g、及びキシレン200gを加えた。窒素雰囲気下で70〜100℃まで昇温し、塩化リチウムを0.1839g加えた。次いで、160℃まで昇温し減圧下でキシレンを除去し、180℃の反応温度で9時間重合させた。以上により、分子量500以下の含有量2.0%、分子量ピーク9500のポリオール樹脂を合成した。これを簡易粉砕器で粉砕し、質量平均粒径0.42mmの未変性ポリオール樹脂(E)を調製した。得られた未変性ポリエステル樹脂(E)はテトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含んでいなかった。
(製造例D−1)
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。
得られた[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920、島津製作所製)で測定した体積平均粒径は120nmであった。この[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は42℃であり、質量平均分子量は3万であった。
−水相の調製−
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
−中間体ポリエステルの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、質量平均分子量9500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51であった。
−少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。得られた[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
−ケチミンの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
−マスターバッチの合成−
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、前記未変性ポリエステル樹脂(A)60部、及び水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
−油相、即ち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、前記未変性ポリエステル樹脂(A)400部、カルナバワックス110部、及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで、反応容器内に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
次に、得られた[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料及びワックス分散液1]を得た。得られた[顔料及びワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
−乳化−
前記[顔料及びワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]154部、及び[ケチミン化合物1]8.5部、を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
即ち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行われる。
−脱溶剤−
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃にて8時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
−洗浄及び乾燥−
前記[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
(2)(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3)(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。
(4)(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
得られた[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃にて48時間乾燥した。その後、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを[トナー母体粒子1]とする。
−外添剤処理−
得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。
(製造例D−2)
−トナー2の作製−
製造例D−1の乳化において、未変性ポリエステル樹脂(A)を未変性ポリエステル樹脂(B)に変えた以外は、製造例D−1と同様にして、トナー2を作製した。
(製造例D−3)
−トナー3の作製−
製造例D−1の乳化において、未変性ポリエステル樹脂(A)を未変性ポリエステル樹脂(C)に変えた以外は、製造例D−1と同様にして、トナー3を作製した。
(製造例D−4)
−トナー4の作製−
製造例D−1の乳化において、未変性ポリエステル樹脂(A)を未変性ポリエステル樹脂(D)に変えた以外は、製造例D−1と同様にして、トナー4を作製した。
(製造例D−5)
−トナー5の作製−
製造例D−1の乳化において、未変性ポリエステル樹脂(A)を未変性ポリオール樹脂(E)に変えた以外は、製造例D−1と同様にして、トナー5を作製した。
(製造例D−6)
−トナー6の作製−
イオン交換水709gに0.1M−NaPO水溶液451gを投入し60℃に加温した後、TKホモミキサーを用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl水溶液68gを徐々に添加し、CaPOを含む水系媒体を得た。
次に、スチレン170g、2−エチルヘキシルアクリレート30g、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)10g、パラフィンワックス(s.p.70℃)60g、ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物5g、及びスチレン−メタクリル酸共重合体(Mw5万、酸価20mgKOH/g)10gをTK式ホモミキサーに投入、60℃に加温し、12,000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体系を調製した。
次に、前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、60℃、N雰囲気下において、TKホモミキサーにて10,000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体系を造粒した。
次に、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で3時間反応させた後、液温を80℃とし、10時間反応させた。重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥をして、製造例D−1と同様にして添加剤を混ぜて、混合を行うことでトナー6を得た。
(製造例D−7)
−ワックス粒子水性分散液1の調製−
1000mlの攪拌装置、温度センサ、窒素導入管、及び冷却管付き4頭コルベンに脱気した蒸留水500mlにニューコール565C(日本乳化剤社製)28.5g、キャンデリアワックスNo.1(野田ワックス社製)185.5gを添加し、窒素気流下攪拌を行いつつ、温度を昇温した。内温85℃の時点で5N−水酸化ナトリウム水溶液を添加しそのまま75℃まで昇温した後、そのまま1時間加熱攪拌を続け、室温まで冷却し〔ワックス粒子水性分散液1〕を得た。
−着色剤水性分散液1の調製−
カーボンブラック(商品名:モーガルL、キャボット社製)100g、ドデシル硫酸ナトリウム25gを蒸留水540mlに添加し、十分攪拌を行った後、加圧型分散機(MINI−LAB、ラーニー社製)を用い、分散を行い〔着色剤水性分散液1〕を得た。
−バインダー微粒子水性分散液の合成−
攪拌装置、冷却管、温度センサ、及び窒素導入管を装着した1Lの4頭コルベンに蒸留水480ml、ドデシル硫酸ナトリウム0.6g、スチレン106.4g、n−ブチルアクリレート43.2g、メタクリル酸10.4gを添加し攪拌を行いながら窒素気流下70℃まで昇温した。ここで過硫酸カリウム2.1gを120mlの蒸留水に溶解した開始剤水溶液を添加し、窒素気流下70℃、3時間攪拌を行い、重合を完結させた後室温まで冷却し、〔高分子量バインダー樹脂微粒子分散液1〕を得た。
次に、攪拌装置、冷却管、温度センサ、及び窒素導入管を装着した5Lの4頭コルベンに蒸留水2400ml、ドデシル硫酸ナトリウム2.8g、スチレン620g、n−ブチルアクリレート128g、メタクリル酸52g、及びtert−ドデシルメルカプタン27.4gを添加し攪拌を行いながら窒素気流下70℃まで昇温した。ここで過硫酸カリウム11.2gを600mlの蒸留水に溶解した開始剤水溶液を添加し、窒素気流下70℃、3時間攪拌を行い、重合を完結させた後室温まで冷却し、〔低分子量バインダー樹脂微粒子分散液2〕を得た。
−トナーの作製−
攪拌装置、冷却管、及び温度センサを備えた1Lセパラブルフラスコに、〔高分子量バインダー微粒子分散液1〕47.6g、〔低分子量バインダー微粒子分散液2〕190.5g、〔ワックス粒子水性分散液1〕を7.7g、〔着色剤分散液1〕を26.7g及び蒸留水252.5mlを加え混合攪拌した後、5N−水酸化ナトリウム水溶液を用いpH=9.5に調整した。次いで、攪拌下、塩化ナトリウム50gを蒸留水600mlに溶解した塩化ナトリウム水溶液、イソプロパノール77ml、及びフルオラードFC−170C(住友3M社製:フッ素系ノニオン界面活性剤)10mgを10mlの蒸留水に溶解した界面活性剤水溶液を順次添加し、内温を85℃まで上昇させて6時間反応を行った後、室温まで冷却した。この反応液を5N−水酸化ナトリウム水溶液を用いpH=13に調整した後、濾過を行った。
次いで、蒸留水に再懸濁を行い濾過、再懸濁を繰り返し、洗浄を行った後乾燥し、製造例D−1と同様にして、外添剤を混合することでトナー7を作製した。
次に、得られた各トナーについて、以下のようにして、諸特性を測定した。結果を表11に示す。
<体積平均粒径、及び(Dv/Dn)の測定>
前記体積平均粒径及び体積平均粒径/個数平均粒径(Dv/Dn)の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を使用した。具体的にはコールターマルチサイザー(いずれもコールター社製)を使用し、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、及び個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とした。
<平均円形度>
前記平均円形度は、FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。次いで、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行った。更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布及び形状を測定した。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行った。
−現像剤の調製−
各トナー5質量%と、シリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95質量%とから、常法により二成分現像剤を調製した。
得られた各現像剤を使用して、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できる(株式会社リコー製、imagio Neo450)の改造機(定着装置A(図2)又は定着装置B(図1))を用い、以下のようにして諸特性を評価した。結果を表12及び表13に示す。
<クリーニング性>
定着装置Aを用いて、100枚出力後の清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.005未満のものを◎、0.005〜0.010のものを○、0.011〜0.02のものを△、0.02を超えるものを×として評価した。
<汚染状況>
定着装置Aを用いて、5%画像面積の画像チャートを100,000枚ランニング出力した後、現像ローラ、層規制部材、及び感光体上の汚染状況を観察した。○が良好く、△は確認されるものの画像にははっきり確認できない、×が汚染しており画像でも確認できるである。
<画像濃度>
上記汚染状況の評価終了後、ベタ画像を記録紙(株式会社リコー製、タイプ6000)に画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定を行った。これを4色単独に行い平均を求めた。この値が、1.2未満の場合は×、1.2以上1.4未満の場合は△、1.4以上1.8未満の場合は○、1.8以上2.2未満の場合は◎とした。
<定着性>
定着装置A(図2)及び定着装置B(図1)を用い、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6200及びNBSリコー製の複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行い、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。また厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。定着上限温度は190℃以上の場合は◎、190〜180℃の場合は○、180〜170℃の場合は△、170℃以下の場合は×とした。また、定着下限温度は135℃以下の場合は◎、135〜145℃の場合は○、145〜155℃の場合は△、155℃以上の場合は×とした。
<総合評価>
以上の諸特性の評価結果から、下記基準により総合評価を行った。
○:良好
×:不良
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、クリーニングローラへの付着量を減少し、クリーニングローラに回収されたトナーについても再び溶け出すことを防止でき、トナーの逆流を防いで画像汚れの問題を解消することができ、耐オフセット性に優れると共に、低温定着性にも優れ、特に電磁誘導加熱方式の定着装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置に好適に用いられる。
図1は、従来の電磁誘導加熱方式による定着装置を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施の形態の定着装置を示す説明図である。 図3(A)は、本発明の定着装置における誘導加熱手段の励磁コイルの配置を示す断面図である。図3(B)は、本発明の定着装置における誘導加熱手段の励磁コイルの配置を示す側面図である。 図4は、トナーのDv/Dnと2μm以下の微粉量(個数%)との関係を示す図である。 図5は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 図6は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。 図7は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図8は、図7に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。 図9は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 加熱ローラ
2 定着ローラ
3 ベルト
4 加圧ローラ
5 温度検出手段
6 誘導加熱手段
7 励磁コイル
8 コイルガイド板
9 励磁コイルコア
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
71 クリーニングブレード
72 支持部材
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
108 転写手段
107 クリーニング手段
110 励磁コイルコア支持部材
111 記録媒体
220 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (38)

  1. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられ、
    前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなることを特徴とする画像形成方法。
  2. トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させてトナーを造粒してなる請求項1に記載の画像形成方法。
  3. トナー材料の溶解乃至分散液が有機溶剤を含み、造粒時乃至造粒後に前記有機溶媒を除去する請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 造粒が、前記活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を生成しつつ該接着性基材を少なくとも含む粒子を得ることにより行われる請求項2から3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 外添剤が、少なくとも疎水化処理されたシリカを含む請求項1から4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 外添剤が、粒径の異なる少なくとも2種の添加剤を含む請求項1から5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 外添剤が、平均一次粒子径20nm未満の添加剤と、平均一次粒子径20nm以上の添加剤とを含む請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられ、
    前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
    前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、かつ前記トナーがその内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
  9. 活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均2.1〜2.8個有する請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられ、
    前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られることを特徴とする画像形成方法。
  11. 有機酸化合物が、カルボン酸化合物及びカルボン酸無水物の少なくとも1種である請求項10に記載の画像形成方法。
  12. 有機酸化合物の数平均分子量が15〜1500である請求項10から11のいずれかに記載の画像形成方法。
  13. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
    前記定着工程では、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着装置が用いられ、
    前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
    前記未変性樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有することを特徴とする画像形成方法。
  14. 未変性樹脂が、未変性ポリエステル樹脂を含む請求項13に記載の画像形成方法。
  15. トナー材料が未変性ポリエステル樹脂を更に含み、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、該未変性ポリエステル樹脂との質量比(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体/未変性ポリエステル樹脂)が、5/95〜80/20である請求項1から12及び14のいずれかに記載の画像形成方法。
  16. 活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、官能基含有ポリエステル系樹脂を含む請求項1から15のいずれかに記載の画像形成方法。
  17. 官能基含有ポリエステル系樹脂が、ウレア基を有するポリエステル樹脂である請求項16に記載の画像形成方法。
  18. 未変性ポリエステル樹脂のピーク分子量が1000〜20000である請求項14から17のいずれかに記載の画像形成方法。
  19. 未変性ポリエステル樹脂の酸価が10〜30mgKOH/gである請求項14から18のいずれかに記載の画像形成方法。
  20. 未変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が35〜55℃である請求項14から19のいずれかに記載の画像形成方法。
  21. トナーがワックスを含み、該ワックスがトナー内部に微分散され、かつトナー中央部よりも表面近傍に多く存在する請求項1から20のいずれかに記載の画像形成方法。
  22. トナーが、帯電制御剤を含む請求項1から21のいずれかに記載の画像形成方法。
  23. トナーの体積平均粒径が3〜8μmである請求項8から22のいずれかに記載の画像形成方法。
  24. トナーの体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.25である請求項8から23のいずれかに記載の画像形成方法。
  25. トナーの平均円形度が0.900〜0.980である請求項8から24のいずれかに記載の画像形成方法。
  26. トナーのフローテスターによるT1/2溶融温度が、140〜180℃である請求項1から25のいずれかに記載の画像形成方法。
  27. 下記数式1で表されるトナーの形状係数SF−1が、105〜170である請求項1から26のいずれかに記載の画像形成方法。
    ただし、前記数式1中、MXLNGは、トナーを二次元平面に投影してできる形状の最大長を表す。AREAは、トナーを二次元平面に投影してできる図形の面積を表す。
  28. トナーが、固体の微粒子分散剤を用いて水系媒体中で10〜90%の体積収縮率によって得られる請求項2から27のいずれかに記載の画像形成方法。
  29. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなり、
    前記トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含有するトナー材料を含むと共に、該トナーが、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、該体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.01〜1.25、粒径0.6〜2.0μmの粒子の含有率が20個数%以下、及び平均円形度が0.93〜0.99のトナー母体粒子を含み、かつ該トナー母体粒子100質量部に対し外添剤を0.3〜5.0質量部添加してなることを特徴とする画像形成装置。
  30. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなり、
    前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
    前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が、1分子当たりに官能基を平均1.5〜3個有し、かつ前記トナーがその内部に少なくとも1種の無機微粒子を含有することを特徴とする画像形成装置。
  31. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなり、
    前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、有機酸化合物とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られることを特徴とする画像形成装置。
  32. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記定着手段が、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、該加熱ローラと該定着ローラとに張り渡され、該加熱ローラにより加熱されると共に、これらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、該トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されると共に、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転してニップ部を形成する加圧ローラとを有してなり、
    前記トナーが、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、未変性樹脂とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られ、
    前記未変性樹脂が、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分を含まず、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における分子量分布において、分子量500以下の成分の含有量が4質量%以下であり、かつ分子量3000〜9000の領域に1つのピークを有することを特徴とする画像形成装置。
  33. 静電潜像担持体が、アモルファスシリコンを含む請求項29から32のいずれかに記載の画像形成装置。
  34. 更に帯電器を有し、静電潜像担持体に帯電器を接触させて、該帯電器に電圧を印加することによって静電潜像担持体に帯電を行う請求項29から33のいずれかに記載の画像形成装置。
  35. 請求項1から28のいずれかに記載の画像形成方法に用いられることを特徴とするトナー。
  36. 請求項35に記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  37. 請求項35に記載のトナーが充填されてなることを特徴とするトナー入り容器。
  38. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項35に記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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