JP2012027165A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コールドオフセットを抑制し、折り目強度にも優れ、良好な画像形成が可能であって、また、定着装置の耐久性向上を図ることのできる画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像形成方法は、電磁誘導発熱層23を有する無端状の定着ベルト28と、定着ベルト28の内側に配置された定着ローラ27と、定着ベルト28及び定着ローラ27とともにニップ部Nを形成する加圧ローラ12と、定着ベルト28の電磁誘導発熱層23に印加する磁束を発生する磁束発生部13と、を有し、記録材Pをニップ部Nに通過させて、記録材P上のトナーを定着させる定着装置100を使用する。トナーの結着樹脂がドメイン・マトリクス型の分散構造を有し、ドメインは少なくともジエン系ユニットを含む重合体からなるゴム成分相である。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成方法に関する。
複写機、プリンタ等に採用されている電子写真プロセスにおける画像形成は、着色剤を含んだ樹脂であるトナーを定着装置によって紙に固定化することによって達成される。このような定着プロセスへの要請として、トナーをしっかりと紙に固定化し良質な画像を形成すること及び電子写真プロセス中において、定着プロセスで多くのエネルギーが使用されることから、プロセスの省電力化が望まれている。
定着プロセスとしては、ヒーターを内蔵した加熱ローラと、それに対向する形で設けられた加圧部材との間にニップ部を形成し、そのニップ部において搬送されてくる紙上にトナーに熱と圧力を加えて紙に固定化するローラ熱定着方式が一般的である。
このような定着プロセスにおいては、搬送されてくる紙上のトナーは定着ニップ部に入ってくると、加熱、圧縮され、より凝集した状態となる。そして、さらに定着ニップ部内へ進んでいくと、トナーの温度がガラス転移点(Tg)を超え、そこからトナーの変形が始まる。さらに温度が上昇すると、今度は溶融が始まり紙繊維間への浸透が起こる。そして、定着ニップ部を過ぎると、今度は放熱による冷却が始まり、トナーは固形化して紙に固定化される。
上記定着プロセスにおいては、トナーへの熱供給を十分に行うには、ニップ部を長くすることが有利であることから、熱源である加熱ローラ表面に弾性層を設けることが広く行われる。これによって加圧部材による定着ローラの変形が大きくなり良好な画像形成を行うためのニップ長が確保されることになる。また、硬質のローラによる定着では定着画像の文字がつぶれ、画質が悪化するという問題もある。しかしながら、このようなプロセスにおいては、熱源から供給される熱が上記弾性層に奪われるためにエネルギー効率が悪くなるという問題があった。また、弾性層が熱、圧力により劣化し易く、定着プロセスの寿命も問題となっていた。
そこで、トナーに供給される熱を、ニップ部を形成する、定着ローラの内部からではなく、外部の磁束発生部から定着ベルトに供給するIH定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。IH定着装置では、外部の磁束発生部から定着ベルトに熱が供給されるので、定着プロセスに供給される熱が有効に使われ、省電力化を達成することができる。また、定着ローラの熱劣化も抑制されるため、定着ベルトの長寿命化にも繋がる。
特開2009−75191号公報
上記IH定着装置においても、定着ベルトと加圧ローラ間で、十分なニップ長を確保できるので、良質な画像の形成は可能である。
しかしながら、定着ベルトが電磁誘導発熱層から加熱されるため、定着ニップ部において、定着ベルトの熱が加圧ローラ側に奪われて、プリント数が増加する場合に、設定された定着温度より低温で定着されることが多い。このため、トナーの溶融不足による定着性不足、コールドオフセットが発生するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コールドオフセットを抑制し、折り目強度にも優れ、良好な画像形成が可能であって、また、定着装置の耐久性向上を図ることのできる画像形成方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、電磁誘導発熱層を有する無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトの内側に配置された定着ローラと、
前記定着ベルト及び前記定着ローラとともにニップ部を形成する加圧ローラと、
前記定着ベルトの前記電磁誘導発熱層に印加する磁束を発生する磁束発生部と、を有し、
記録材を前記ニップ部に通過させて、前記記録材上のトナーを定着させる定着装置を使用し、
前記トナーの結着樹脂がドメイン・マトリクス型の分散構造を有し、
前記ドメインは少なくともジエン系ユニットを含む重合体からなるゴム成分相であり、
前記トナー中の前記ゴム成分のガラス転移温度が−40℃以上40℃以下の範囲であることを特徴とする画像形成方法が提供される。
本発明によれば、上記定着装置と、上記トナーとを組み合わせて画像形成することによって、トナー中にガラス転移温度の低いドメイン部が存在しているので、ニップ部において容易にトナー変形が起こり、トナー間の接触面積増加に伴い、トナー中の熱伝達が促進される。そのため、従来、上記定着装置の問題であった、プリント数の増加や定着装置のウォーミングアップ直後及び休止時からの再スタート時のように、定着温度が低い場合であっても、熱エネルギーが有効にトナーに加えられ、熱エネルギーの効率化が図られる。その結果、コールドオフセットが発生せず、良質な定着画像が得られる。また、定着プロセス全体として省電力化も達成され、より低い温度においてもトナーを紙に固定化することも可能となり、折り目強度に優れる。
さらには、上述したトナー中のゴム成分相は、架橋構造を有する重合体であるため、直鎖状の構造からなる重合体に比べて、比較的高い温度においても、弾性を維持する特徴がある。このため、仮にニップ部温度が上昇し、温度ばらつきが発生しても、トナー中に高温でも適切な弾性率を維持することができる。溶融しにくいドメイン構造が存在しているのでトナーの弾性率過度な低下は抑制され、ホットオフセットや定着ベルトへの巻き付きも起こりにくくなる。その結果、定着ベルトの劣化が抑制されて、定着装置の耐久性も向上する。
本発明で使用するデジタル画像形成装置の内部構成を示す図である。 電磁誘導加熱方式の定着装置の説明図である。 加熱ローラの断面図である。 加圧ローラの断面図である。 リブを示すための説明図である。 滑り層を示すための説明図である。 封止板を示すための説明図である。 封止板を示すための説明図である。
以下、本発明に係る画像形成方法について説明する。
[トナー]
まず、本発明の画像形成方法において使用されるトナーについて説明する。
トナーは、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含み、結着樹脂がドメイン・マトリクス型の分散構造を有し、ドメインは少なくともジエン系ユニットを含む重合体からなるゴム成分相からなる。
(ジエン系ユニットを含む重合体からなるゴム成分相)
本発明で言うゴム成分とは、共役ジエン系単量体を用いた共重合体、もしくは単独共重合体を言う。共役ジエン系単量体ブタジエン、イソプレン、2−クロル1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。定着強度を確保する観点から、特にブタジエンが好ましい。
共役ジエン系単量体を用いた共重合体を俗称に置き換えると、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)が好ましく用いられる。特に好ましいのは、スチレンブタジエンゴムであり、スチレンとブタジエンの共重合比は、30:70〜50:50である。
本発明では、トナー中のゴム成分相のガラス転移温度が−40℃以上40℃以下の範囲であることが好ましい。
−40℃未満では、トナーの耐熱保存性が不十分となり、40℃より高いと、期待される定着性が得られない。この範囲において、折り目定着性が大幅に改良されるためである。
ガラス転移温度は、例えば、ナノサーマルアナリシス(Nano-TA)によって確認するこ
とができる。Nano-TAはカンチレバーの先端に加熱機能が付いているサーマルカンチレバ
ーを使用し、局所熱分析を行うものであり、カンチレバーが加熱された試料内部へ侵入する現象に基づき、ドメインのガラス転移点を測定することができる。ガラス転移点測定時は、あらかじめ液体窒素などで試料を冷却するか、装置に試料を冷却する機構を設置すると良い。
トナー中のゴム成分相のガラス転移温度は、先端に加熱機能を有するサーマルプローブを用いた局所熱解析システムを用いて測定されるものとする。具体的には、予め液体窒素などにより冷却した試料を局所熱解析システム「ナノサーマルアナリシスシステム(Nano−TA)」(日本サーマル・コンサルティング社製)を用いて測定する。
具体的には、平滑に切り出した試料表面の測定部位にサーマルプローブを接触させはサーマルプローブの温度を上昇させたときに、侵入深さに対応するdeflection電圧が、上昇から下降へ転ずる温度をガラス転移点とする。
(ドメイン・マトリクス構造)
ドメイン・マトリクス構造とは、マトリクス中で空間的に別個のドメインの構造を有するものと理解される。本発明のトナーにおいては、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の結着樹脂中に、上記ゴム成分が非相溶に導入され、ゴム成分相を形成する状態を示す。
この構造は、オスミウム染色したトナー断面を透過型電子顕微鏡を用いて、定法により測定することができる。ウルトラミクロトームで切片を切り出す場合、切片の厚さは100nmに設定する。また、ドメイン部の粒径は以下のフェレ径で示すことができる。
(フェレ径)
フェレ径は、ドメインの周を単に、撮影した像のX軸上に投影するものである。像を観察し撮影するとき、方向は選ばないため、X軸は任意の直線と同義になる。
ゴム成分相が形成するフェレ径が50〜300nmであると、低温定着性、折り目定着性が改善するため好ましい。
50〜300nmの範囲に微分散することで、マトリクス樹脂相との界面が増加し、結着樹脂への改質効果、すなわち本発明の効果が発現すると推察される。
トナー結着樹脂中にゴム成分をドメイン状(すなわち非相溶)に導入することで、結着樹脂の強度及び応力緩和特性が付与され、定着画像に堅牢性を付与できる。この性能の発現には、特に、低Tg、高弾性率のゴム成分が有効である。また、マトリクスの樹脂中にゴム成分相をより微細に分散させることにより、ゴム成分相とマトリクス樹脂相との接触面積が高くなり、トナー改質効果が大きい。
フェレ径は、原料となるゴム成分を乳化重合法、あるいはミニエマルション重合法で作成し、トナーに導入することで該当する範囲のものを作成することができる。このとき、ゴム成分として、ジエン系モノマー以外に、酸モノマーを1〜5%共重合させるとゴム粒子間の凝集を抑制できる。ゴム成分が酸モノマーを有すると、マトリクス樹脂として好ましく使用されるスチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂との親和性が向上し、定着強度付与の効果が拡大する。酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸が好ましく用いられる。酸モノマーの導入の仕方としては、(a)ジ
エンモノマーと共重合することが好ましいが、(b)例えばアクリル酸ブチルなどアクリル
酸アルキルエステルをジエンモノマーと共重合した後に、塩酸など強酸で加水分解しアクリル酸共重合体に転ずることもできる。
(着色剤)
着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料等の公知の着色剤を任意に用いることができる。
黒の着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックの他、マグネタイト、フェライト等の磁性粉を用いることができる。
カラーの着色剤としては、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、C.I.ピグメントグリーン7等の顔料が挙げられる。また、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82,同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95等の染料を挙げることができる。また、これらを混合してもよい。
(離形剤)
離形剤としては、特に限定されるものではなく、公知の離型剤を使用することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、合成エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス、或いはこれらの変性物が挙げられる。
上記離型剤の中でも、融点が70℃〜95℃の合成エステルワックスはフィルミング防止の観点から特に好ましく用いられる。上記合成エステルワックスの例としては、ベヘン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、クエン酸トリベエニルが挙げられる。また、ベヘン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、クエン酸トリベへニルのような合成エステルワックスと、融点が75〜100℃のパラフィンワックスを併用することにより、トナー画像の光沢性向上と耐フィルミング性向上とを両立することができる。
パラフィンワックスの中でも、融点が75〜100℃のフィッシャートロプシュワックスを使用すると、低速領域から高速領域のいかなるプロセススピードでも、高温領域でのオフセット性を向上できる。加えて、クリーニングブレードをクリーニング手段とする画像形成装置では良好なブレードクリーニング性能を発現することができる。
これら離型剤のトナー中の含有量は5〜20質量%が好ましく、7〜13質量%がより好ましい。5質量%未満の場合は高温領域でオフセットが発生することがあり、20質量%を超える場合はトナー内部に離型剤が取り込まれにくくなる傾向がある。トナー粒子から浮遊したり、トナー粒子に取り込まれなかった離型剤は、トナー表面に付着しやすくなるので、これら浮遊離型剤や付着離型剤の影響でフィルミング性を低下させる可能性がある。
(その他)
本発明におけるトナーは、必要に応じて荷電制御剤、外添剤等を用いてもよい。
荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩又はその金属錯体等が挙げられる。含有される金属としては、Al、B、Ti、Fe、Co、Ni等である。荷電制御剤として特に好ましいのはベンジル酸誘導体の金属錯体化合物である。
外添剤としては、公知の疎水性シリカ、疎水性金属酸化物の他に、酸化セリウム粒子或いは炭素数20〜50の高級アルコール粒子を添加することが耐フィルミング性の観点から特に好ましい。酸化セリウム粒子を添加する場合、耐フィルミング性を高める観点から個数平均粒径が150〜800nmのものを用いることが好ましく、250〜700nmのものを用いることがより好ましい。また、酸化セリウム粒子の添加量は、トナーに対して0.5〜3.5質量%とすることが好ましく、0.5〜3.5質量%の範囲とすることにより、良好なクリーニング性が維持されて耐フィルミング性の効果を安定して得ることができる。また、添加量が過剰なケースでは加熱定着時に溶融したトナー粒子の接着力が抑制されて定着強度が低下するが、上記範囲とすることによりこのような定着強度低下の問題も生じない。
また、炭素数20〜50の高級アルコール粒子を添加する場合、異なる炭素数のアルコール粒子が多少混合していてもよいが、アルコール粒子の炭素数分布のピークが20〜45の範囲内にあることが好ましい。また、前記高級アルコール粒子は直鎖成分が75%〜98%の範囲内にあることが好ましい。また、前記高級アルコールの個数基準のメディアン径は、耐フィルミング性の観点から、200nm以上800nm以下が好ましい。
[トナーの製造方法]
次に、上記トナーを製造する方法について説明する。
本発明のトナーを製造する方法としては、着色剤担持樹脂粒子及びトナー結着樹脂などの構成成分を加熱溶融させ混練、冷却、粉砕、粉級して製造する粉砕法、トナー結着樹脂を得るための重合性単量体、油溶性重合開始剤、及び着色剤担持樹脂粒子などを水系媒体中で乳化分散後、加熱して重合させる懸濁重合法、トナー結着樹脂を得るための重合性単量体及び着色剤担持樹脂粒子などを水系媒体中で乳化分散させ、これに水溶性重合開始剤を添加し加熱して重合させる乳化重合法、乳化重合法により製造したトナー結着樹脂よりなる微粒子(以下、「トナー結着樹脂微粒子」とも言う)及び着色剤担持樹脂粒子などを水系媒体中で分散後、凝集剤を添加し加熱して微粒子を凝集させる乳化重合凝集法などを挙げることができるが、トナー中に微細なゴム成分相ドメインを均一に形成させるという観点から、乳化重合凝集法が好ましい。この場合、マトリクスを形成する樹脂微粒子、ドメインを形成するゴム成分微粒子、及び着色剤微粒子を凝集・融着させることで目的とするトナーを作製することができる。
本発明のトナーを製造する方法として、乳化重合凝集法を用いる場合の一例を具体的に示すと、
(1)着色剤及び着色媒体樹脂を含有する着色剤担持樹脂粒子を得る着色剤担持樹脂粒子形成工程。
(2)マトリクスを形成する樹脂粒子、ドメインを形成するゴム成分微粒子を得るためのトナー結着樹脂微粒子重合工程。
この際に、必要に応じてオフセット防止剤、帯電制御剤などを含有した樹脂微粒子とすることも可能である。
(3)トナー結着微粒子と着色剤担持粒子と水系媒体中で塩析、凝集、融着させてトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程。
(4)トナー粒子の分散系から(水系媒体)トナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程。
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程。
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程。
から構成される。以下に各工程の具体例を示す。
(1)着色剤及び着色媒体樹脂を含有する着色剤担持樹脂粒子を得る着色剤担持樹脂粒子形成工程
イオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤の水溶液に代表される水系媒体中に、公知の着色剤を添加して分散機によって分散処理し、着色剤が微粒子状に分散された着色剤の分散液を調製する。着色剤の分散処理は、界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態の水系媒体中で行われる。分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械式ホモジナイザ、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザといった加圧分散機、サンドグラインダ、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミルといった媒体型分散機が挙げられる。
分散液における着色剤粒子は、ドメインを構成するゴム成分相のフェレ径を制御するために、体積基準のメディアン径で40〜200nmであることが好ましい。なお、分散液における着色剤粒子は、測定の簡便さから体積基準のメディアン径によって調整することが好ましい。
(2−1)マトリクスを形成する樹脂微粒子重合工程
マトリクスを形成する樹脂粒子を乳化重合により調整する。乳化した樹脂粒子は30〜300nmであることが好ましい。例えば、重合性の単量体を乳化、分散し、重合開始剤を添加して重合反応を進行させることにより、マトリクスを形成する樹脂粒子の分散液を調製する。重合反応を使用せず、樹脂及び必要に応じて離型剤や着色剤を溶媒中に溶解或いは分散させた後に水系媒体中に分散、脱溶剤して樹脂粒子を調整することもできる。このとき、重合性単量体又は樹脂溶液に離型剤を溶解させて乳化(分散)液を調製すると、トナー粒子が完成した後に離型剤粒子が脱離して、画像形成装置の部材を汚染することを抑制できるので好ましい。
(2−2)ドメインを形成するゴム成分微粒子重合工程
ドメインを形成するゴム成分微粒子を、例えば乳化重合により調整する。
乳化重合会合法においてゴム成分を微細なドメインとして導入する観点から、予めゴム成分微粒子を作製し、このゴム成分微粒子と、上記マトリクスを形成する樹脂微粒子とを凝集・融着させる方法が好ましい。
この際、ゴム成分微粒子を作製する必要があるが、この微粒子作製法としては、(a)ゴ
ム成分相を形成する重合成性単量体を用いて乳化重合等で直接重合体のラテックスを得る方法、あるいは、(b)ゴム成分からなる(共)重合体を予め作製した後に、しかる手段(
直接乳化、溶解懸濁法、ミニエマルジョン重合)で乳化・分散する方法、いずれでも作製できる。
後述する実施例では、微粒子作製の容易性の観点から、乳化重合で直接ゴム成分微粒子を作製した。
(3)凝集・融着工程
上記マトリクスを形成する樹脂微粒子と、ゴム成分微粒子の分散液に、着色剤粒子の分散液を添加するとともに、必要に応じて離型剤粒子の分散液を添加する。次いで、凝集剤を添加し、水系媒体中に上記樹脂粒子と着色剤粒子、離型剤が添加されている場合にはさらに添加された離型剤粒子を凝集、融着させてトナー粒子を形成する。凝集と融着の一連の工程を会合工程と呼ぶことがある。
凝集・融着の方法としては、塩析融着法が好ましい。塩析融着法は、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径まで凝集粒子が成長したところで凝集の停止剤を添加し、粒子成長を停止させる方法である。この方法では、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱が継続して行われる。
トナー粒子の大きさとしては、体積基準のメディアン径で3〜10μmが好ましく、特に好ましいのは3〜7μmである。コア粒子の体積基準のメディアン径は、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピュータシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、試料0.02gを、界面活性剤溶液20ml(試料の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、試料の分散液を作製する。作製した分散液を、サンプルスタンド内のISOTON II(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器の表示濃度が5〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定器において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径とする。
水系媒体とは、主成分(50%質量以上)が水からなるものをいう。水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
なお、凝集・融着工程の後、熟成工程を経ることとしてもよい。
具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして粒子間の融着の進行を抑制し凝集粒子の均一化を図る。その後、熟成工程において加熱温度を低めに、かつ時間を長くしてトナー粒子の表面が均一形状となるよう制御する。
(4)冷却・洗浄工程
冷却・洗浄工程では、得られたトナー粒子の分散液を、例えば1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。所定温度まで冷却すると、冷却されたトナー粒子の分散液からトナー粒子を固液分離する。固液分離は遠心分離の他、ヌッチェ等を用いた減圧濾過、フィルタープレス等を用いた濾過等、何れの方法でもよい。次いで、固液分離によって得られたトナーケーキ(ウェット状のトナー粒子をケーキのような円筒形状に整えたもの)を洗浄し、界面活性剤や塩析剤等の付着物を除去する。
(5)乾燥工程
乾燥工程では、洗浄されたトナーケーキを乾燥処理する。乾燥処理には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等を用いることができる。乾燥されたトナー粒子の水分は、5%質量以下であることが好ましく、さらに好ましくは2%質量以下である。
(6)外添処理工程
外添処理工程では、乾燥によって得られたトナー粒子に外添剤を混合し、静電荷現像用トナーを得る。
[現像剤の作製]
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられ、何れも好適に使用することができる。
本発明のトナーにおいては、キャリアと混合する二成分現像剤として使用する場合は、キャリアに対するトナーフィルミング(キャリア汚染)の発生を抑制することができ、一成分現像剤として使用する場合は、現像装置の摩擦帯電部材に対するトナーフィルミングの発生を抑制することができる。
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子を用いることが好ましい。
キャリアとしては、その体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜60μmのものがより好ましい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアとしては、さらに樹脂により被覆されているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂組成としては特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂等を使用することができる。
[画像形成方法]
次に、本発明の画像形成方法について、画像形成装置とともに説明する。
図1は、本発明で使用するデジタル画像形成装置の内部構成を示す図である。
デジタル画像形成装置(以下、単位「画像形成装置」と言う)1は、下部に複数の記録材収納部20を有している。記録材収納部20の上方には画像形成部40と中間転写ベルト50が設置されており、装置本体の上部には原稿読取部30が設置されている。
記録材収納部20は、装置前面側(図1における紙面手前側)に引き出し可能となっている。
画像形成部40は、Y、M、C、Kの各色毎のトナー像を形成するための4組の画像形成手段400Y、400M、400C、400Kを有している、画像形成手段400Y、400M、400C、400Kは、この順で上から下方向に直線状に配列されており、各々同じ構成となっている。画像形成手段400Yを例にとって構成を説明すると、画像形成手段400Yは反時計方向に回転する感光体410、スコロトロン帯電手段420、露光手段430及び現像手段440を有する。
クリーニング手段450は、感光体410の最下部に対向した領域を含んで配置されている。
装置本体の中央部に位置する中間転写ベルト50は、無端状であり、適宜の体積抵抗率を有する。また、中間転写ベルト50は、例えば、編成ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した半導電性フィルム基体の外側に、フッ素コーティングを行った2層から構成されている。また、シリコンゴムあるいはウレタンゴム等に導電材料を分散したものもあり得る。
一次転写電極510は、中間転写ベルト50を挟んで感光体410と対向する位置に設置されている。
次に、カラー画像を形成するプロセスについて説明する。
感光体410がメインモータ(図示せず)により駆動され、感光体410の表面が電源(図示せず)により電圧供給され、スコロトロン帯電手段420の放電により正極性に帯電される(本実施例では+800V)。次に、露光手段430により画像情報に応じた光書込がなされ、感光体410上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像が現像手段440を通過すると、現像手段内で正極性に帯電されたトナーが正極性現像バイアスの印加により潜像画像の部分に付着し、感光体410上にトナー像が形成される。形成されたトナー像は感光体410と圧着する中間転写ベルト50に転写される。転写後に残留した感光体410上のトナーはクリーニング手段450により清掃される。画像形成手段400Y、400M、400C及び400K各々で形成されたトナー像が中間転写ベルト50に重複して転写されることにより、中間転写ベルト50上にカラー画像が形成される。記録材Pは記録材収納部20により1枚ずつ排出され、レジストローラ60の位置まで搬送される。レジストローラ60により記録材Pの先端が整列された後、中間転写ベルト50上のトナー像と画像位置が一致するタイミングで記録材Pがレジストローラ60より給送される。レジストローラ60により給送された記録材Pは、ガイド板より案内され、中間転写ベルト50と転写部70により形成された転写ニップ部へ送り込まれる。ローラにより構成される転写部70は記録材Pを中間転写ベルト50側へ押圧している。トナーと逆極性のバイアス(−500V)が転写部70に印可されることにより、静電気力の作用で、中間転写ベルト50上のトナー像が記録材Pへ転写させる。記録材Pは、除電針からなる分離手段(図示せず)により除電されて中間転写ベルト50から分離され、定着ベルト28を介した定着ローラ27、加圧ローラ12の対からなる定着装置100へ送られる。その結果、トナー像が記録材Pへ定着され、画像形成された記録材Pが装置外へ排出される。
図2は、電磁誘導加熱方式の定着装置の説明図である。
図2に示すように、定着装置100は、加熱ローラ11、加圧ローラ12、磁束発生部13を有している。加熱ローラ11と加圧ローラ12とは、互いに平行に配置されて、いずれも回転可能に支持されている。加圧ローラ12は、加熱ローラ11へ向けて垂直の方向に付勢されている。
これにより、図示のようにどちらかというと加熱ローラ11の方がより変形して、加熱ローラ11と加圧ローラ12との間にニップ部Nが形成される。定着処理時には、この加熱ローラ11と加圧ローラ12との間のニップ部Nを、図2中、下から上へ記録材Pが通される。そして、ニップ部Nの出口の近傍には、記録材Pを加熱ローラ11から分離するための分離爪14が備えられている。また、磁束発生部13には、過熱防止のためのサーモスタット(図示しない)が設けられている。
図3は、加熱ローラの断面図である。
図3に示すように、加熱ローラ11は、内側から芯金21、断熱層22、発熱体層23、弾性層24、離型層25の5層構成になっている。このうち、芯金21と断熱層22とは互いに接着されており、合わせて定着ローラ27という。また、発熱体層23と弾性層24と離型層25とは互いに接着されており、合わせて定着ベルト28という。定着ローラ27と定着ベルト28とは接着されておらず、無端状の定着ベルト28の内部に定着ローラ27が挿入されている。なお、この加熱ローラ11全体としてのローラ硬度は、アスカーC硬度で30〜90度程度が好ましい。
本実施形態では、図2に示すように、定着ベルト28の内周の径は、定着ローラ27の外周の径と比較して大きく形成されている。そのため、加圧ローラ12とのニップ部Nを除いて、定着ローラ27と定着ベルト28との間には空間Sがある。定着ベルト28の内周の径と定着ローラ27の外周の径との差は、この定着装置100が定着動作のために加熱され、定着ローラ27が熱膨張された状態でも、空間Sがなくならない程度に設定されている。これにより、定着動作においても定着ローラ27と定着ベルト28との間は、空間Sの空気によって断熱されている。従って、定着ベルト28で発生した熱が、定着ローラ27へ逃げることがかなり防止される。
芯金21は、加熱ローラ11の全体を支持する支持体であり、十分な耐熱性と強度を有することが必要である。例えば、壁厚4mm程度で、径15〜25mmφのアルミ製パイプとすればよい。あるいは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のような耐熱性のモールドのパイプ、又は鉄パイプ等を使用することもできる。できれば、電磁誘導による影響を受けにくい非磁性のものが好ましい。
断熱層22は、発熱体層23によって発生した熱を芯金21へ逃さないためのものである。そのために、熱伝導率が低く、耐熱性及び弾性を有する、ゴム材や樹脂材のスポンジ体(断熱構造体)のものが好ましい。このようにすれば、芯金21と発熱体層23との間を断熱して保持できる。また、定着ベルト28の撓みを許容し、ニップ幅を大きく保つことができる。また、加熱ローラ11全体としての硬度を小さくして、変形し易くできる。これにより、排紙性や用紙(記録材P)の分離性を向上させることができる。
また、例えば、断熱層22として、シリコンスポンジ材を用いる場合は、厚さ2〜15mm、さらに望ましくは3〜10mmのものを使用する。また、この断熱層22の硬度は、アスカーC硬度で20〜60度、さらに望ましくは30〜50度の範囲内とする。あるいは、断熱層22は、ゴム材と樹脂材との2層構造としたものでもよい。
発熱体層23は、磁束発生部13によって発生される磁束を受けて誘導電流が誘起され、それによって発熱する層である。例えば、無端状のニッケル電鋳ベルトによって形成されている。この場合は、厚さ10〜100μm、さらに望ましくは20〜50μmのものを使用することが望ましい。
あるいは、発熱体層23の材料としては、以下のものでもよい。例えば、磁性ステンレスのようなその他の磁性材料(磁性金属)でもよい。比較的透磁率μが高く、適切な範囲内の抵抗率ρを持つ材料であれば使用できる。また、非磁性材料であっても、金属などの導電性のある材料であれば、薄膜にする等の工夫により使用可能である。また、樹脂に金属粒子等の発熱粒子を分散させたものでもよい。また、この発熱体層23に樹脂ベースのものを用いれば、用紙(記録材P)の分離性を向上させることができる。
弾性層24は、加熱ローラ11の表面と用紙(記録材P)との、密着性を高めるためのものである。これは、耐熱性と弾性とを有するゴム材や樹脂材の層である。その材料としては、例えば、定着温度での使用に耐えられるシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性エラストマーが適している。また、上記の材料に、熱伝導性や補強等を目的とした各種の充填材を混入したものでもよい。熱伝導性の向上のために充填される粒子の例としては、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等が挙げられる。実用的には、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウム等が好ましい。
この弾性層24としては、厚さ10〜800μm、さらに望ましくは100〜300μmのものとする。弾性層24の厚さが10μm未満では厚さ方向の十分な弾力性を得ることが難しい。また、この厚さが800μmを超えると、発熱体層23で発生した熱を加熱ローラ11の外周面まで到達させることが難しく、熱効率が悪化するので好ましくない。
弾性層24の硬度は、JIS硬度で1〜80度,さらに望ましくは5〜30度のものとする。この範囲内の硬度であれば,弾性層24の強度の低下や密着性の低下を防止しつつ,安定した定着性を確保できる。硬度がこの範囲内となるシリコンゴムとして、例えば、1成分系、2成分系、または3成分系以上のシリコンゴム、LTV(LowTemperature Vulcanizable:低温加硫)型、RTV(RoomTemperature Vulcanizable:常温加硫)型、またはHTV(HighTemperature Vulcanizable:高温加硫)型のシリコンゴム、縮合型または付加型のシリコンゴム等が使用できる。ここでは、JIS硬度10度で厚さ200μmのシリコンゴムを使用している。
離型層25は、加熱ローラ11の最外層をなし、加熱ローラ11と用紙との離型性を高めるためのものである。この離型層25としては、定着温度での使用に耐えられるとともにトナーに対する離型性に優れたものを使用する。例えば,シリコンゴムやフッ素ゴム、あるいはPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)、PTFE(四フッ化エチレン)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化エチレン共重合体)、PFEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素樹脂が好ましい。離型層25の厚さは5〜100μm、さらに望ましくは10〜50μmとする。また、この離型層25と弾性層24との接着力を向上させるために、プライマー等による接着処理を行ってもよい。また、離型層25の中に、必要に応じて、導電材、耐摩耗材、良熱伝導材をフィラーとして添加してもよい。
次に、加圧ローラ12について説明する。加圧ローラ12は、図4に示すように、芯金31、断熱層32、離型層33を有している。芯金31は、壁厚3mmのアルミ製パイプである。強度が確保できれば、芯金31として、PPSのような耐熱性のモールドのパイプや鉄パイプを使用することもできる。しかし、この芯金31の材質としても、加熱ローラ11の芯金21と同様に、電磁誘導による影響を受けにくい非磁性のものがより好ましい。
芯金31の外周には、断熱層32が設けられている。断熱層32は、厚さ3〜10mmの範囲内のシリコンスポンジゴムの層である。1層の断熱層32に代えて、シリコンゴムとシリコンスポンジとの2層構造としてもよい。
加圧ローラ12の最外周の離型層33は、加熱ローラ11の離型層25と同様に、用紙に対するローラ表面の離型性を向上させるためのものである。この離型層33は、PTFEまたはPFA等のフッ素系樹脂による厚さ5〜100μm、さらに望ましくは10〜50μmの層である。なお本形態では、この加圧ローラ12は、加熱ローラ11に対して300〜500Nの荷重で加圧されており、ニップ部Nの幅は約5〜15mmである。ニップ部Nの幅を変更して使用したい場合には荷重を異なる大きさとすればよい。
次に、磁束発生部13について説明する。磁束発生部13は、加熱ローラ11の外周に対面するとともに、加熱ローラ11の長手方向に沿って、加熱ローラ11に平行に配置されている。磁束発生部13は、図2に示すように、励磁コイル41と磁性体コア42とがコイルボビン43に覆われているものである。
励磁コイル41は、加熱ローラ11の長手方向に沿って巻かれたコイルである。その横断面(図2参照)は、加熱ローラ11の外周に倣ってやや湾曲した形状となっている。この励磁コイル41には、高周波インバータ44が接続され、10〜100kHz、100〜2000Wの高周波電力が供給される。そのため、本形態では、励磁コイル41の巻き線として、細い線を数十〜数百本束ねてリッツ線としたものを使用している。さらには、巻き線に伝熱した場合を想定して、本形態では、巻き線に耐熱性の樹脂が被覆されたものを使用している。
励磁コイル41は、メインコイル51と消磁コイル52とを有している。メインコイル51は、加熱ローラ11の軸方向に少なくとも画像形成可能な最大幅以上の長さで設けられている。それに対し、消磁コイル52は、メインコイル51の長手方向両端部に設けられている短いコイルである。これらにより、幅の広い用紙に画像形成する場合では、メインコイル51のみを使用して、加熱ローラ11の幅の広い範囲を加熱する。幅の狭い用紙に画像形成する場合では、メインコイル51による磁束のうち両端部のものを消磁コイル52で打ち消すことにより、加熱ローラ11のうち、中央部の幅の狭い範囲のみを加熱する。
磁性体コア42は、磁気回路の効率を上げるためと、磁気遮蔽のためのものである。この磁性体コア42は、メインコア53、端部コア54、裾コア55を有している。メインコア53は、その横断面が図2に示すような湾曲した形状であり、励磁コイル41を覆うように配置されている。メインコア53の両裾に裾コア55が配置されている。メインコア53の軸方向の両端部には端部コア54が配置されている。なお、メインコア53として、断面が略「E」字の形状で、中央部に加熱ローラ11側へ突出した部分のあるコアを使用しても良い。このようにすれば、さらに発熱効率を高めることができる。
磁性体コア42はいずれも、高透磁率かつ低損失の材質で形成されている。本形態では高周波を用いるため、パーマロイのような合金によるコアでは、コア内の渦電流損失が大きくなりがちである。そこで、このような材質を使用する場合は積層構造のコアとすることが望ましい。なお、励磁コイル41と磁性体コア42とによる磁気回路部分の磁気遮蔽が、他の手段によって十分にできる場合には、コアなし(空芯)にしてもよい。さらに、磁性体コア42として、樹脂材に磁性粉を分散させたものを用いることもできる。この素材は、透磁率はやや低いが、形状を自由に設定できるという利点がある。
コイルボビン43は、磁性体コア42と励磁コイル41との全体を覆っているボビン本体56と、ボビン本体56の外部に設けられたリブ57とを有している。リブ57は、ボビン本体56の軸方向両端部に設けられた、略円弧状の凸部である。リブ57は、ボビン本体56と一体的に成型されている。そして、定着装置1として組み立てられたときには、リブ57は、定着ベルト28の軸方向の両端部の通紙領域外の範囲58(図5参照)にそれぞれ接触する位置に設けられている。定着ベルト28は、リブ57に接触することにより、回転時にも安定した配置が保持される。従って、定着ベルト28と定着ローラ27との間の空間Sも安定して保持される。従って、リブ57により、精度や耐久性に優れた定着ベルト28の位置決めが可能となっている。
なお、本実施形態では、図5に示すように、定着ベルト28の軸方向の両端部の通紙領域外に、弾性層24と離型層25とが設けられていない範囲58がある。すなわち、この範囲58では、発熱体層23が露出している。そして、リブ57は、この範囲58にそれぞれ接触する位置に設けられている。すなわち、リブ57は、発熱体層23に直接接触している。発熱体層23は、離型層25や弾性層24と異なり、金属であり樹脂ではない。従って、リブ57が発熱体層23に対して摺動し続けたとしても、摩耗は起こりにくい。もし、リブ57が離型層25に直接接触していると、樹脂の摩耗による摩耗粉等が出ることにより、画質劣化の原因となるおそれがある。本形態では、リブ57が範囲58に接触しているのでそのようなことはない。
また、リブ57として、耐熱性、摺動性に優れたフッ素樹脂等の材質のものを用いてもよい。この場合には、ボビン本体56とは別に形成し、はめ込み等によって取り付けるとよい。このようにすれば、リブ57と定着ベルト28との摺動性がさらに向上する。また、この場合、リブ57は必要に応じて交換可能である。さらには、図6に示すように、リブ57が接触する定着ベルト28の範囲58にも、フッ素樹脂等の滑り層59を設けるようにしても良い。このようにすれば、リブ57と定着ベルト28との間の摺動性がさらに向上する。
さらに、加熱ローラ11の軸方向両端部には、図7と図8に示すように、封止板61が設けられている。この封止板61は、その中央部に加熱ローラ11の回転軸(芯金21)を通すための貫通穴62が設けられた円板状の部材である。封止板61の外径は、加熱ローラ11の外径より大きい。従って、両端側の封止板61によって、定着ローラ27と定着ベルト28との間の空間S内の空気がある程度封止される。つまり、この空間Sにある空気は、あまり外部と入れ替わらない。これにより、空間Sの空気層の気密性をある程度保つことができるので、この空気層による断熱効果が向上される。
さらに、封止板61は、加熱ローラ11の両端部を覆っているので、加熱ローラ11のうち、定着ベルト28だけが定着ローラ27から軸方向へずれて、片側へよることが防止されている。すなわち、この封止板61は、ベルトの寄り防止機能をも有している。なお、図7と図8に示しているのは、加圧ローラ12による加圧を受けていない状態の加熱ローラ11である。加圧ローラ12は、加熱ローラ11のうち、両側の封止板61より軸方向の内側のみに圧接される。封止板61は、加圧ローラによってその一部が加圧された状態の加熱ローラ11においても、空間Sの両端部を覆うような大きさに形成される。なお、ベルトの寄り防止機能は他の部材によって行うこととし、封止板61に代えて、空気の封止のみを目的とした封止板を設けてもよい。
次に、本実施形態の定着装置100の動作を説明する。本実施形態の定着装置1では、図1に示すように、加圧ローラ12が加熱ローラ11に押し付けられ、これらの間にニップ部Nが形成される。さらに、加圧ローラ12が図2中時計回り方向に回転駆動される。これにより、加熱ローラ11は、加圧ローラ12との摩擦力によって、図2中反時計回り方向に従動回転される。なお、この駆動と従動との関係は、逆でもよい。
磁束発生部13においては、高周波インバータ44によって、励磁コイル41に高周波電力が供給される。これにより誘導された磁束は、磁性体コア42の内部を外部に漏れることなく通る。そして、その磁束は、磁性体コア42の突起部間で外部に出て、加熱ローラ11の発熱体層23を貫く。これにより、発熱体層23に渦電流が流れ、発熱体層23がジュール発熱する。そして、適切な定着温度(例えば、100〜200℃程度)となるように、高周波インバータ44が制御される。そのために、別にサーミスタを設けておくと良い。
この発生した熱は、発熱体層23に接着されている弾性層24を介して、加熱ローラ11の表面へ伝達される。トナー像を担持する用紙は、トナー像の載っている面を加熱ローラ11の側に向けた状態で、加熱ローラ11と加圧ローラ12との間のニップ部Nに挿入される。そして、加熱ローラ11と加圧ローラ12との間のニップ部Nを通過する間に、トナーが溶融されて用紙に定着される。ニップ部Nを通過した用紙(記録材P)は、加熱ローラ11から分離されて後段へと搬送される。用紙が、ニップ部Nを通過した後も加熱ローラ11に張り付いたままであれば、分離爪14によって加熱ローラ11から強制的に分離される。これにより、用紙(記録材P)が定着装置100でジャムになることが防止されている。なお、分離爪14の先端部は、加熱ローラ11の表面に接触していてもしていなくてもよい。
以上のような定着装置100を有する画像形成装置1及び上述のトナーを使用して画像を形成する。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)着色剤及び着色媒体樹脂を含有する着色剤担持樹脂粒子を得る着色剤担持樹脂粒子形成工程
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に攪拌、溶解させ、ここへ25質量部のC.I.ピグメントブルー15:3を徐々に添加した。この溶液を、クリアミックスWモーションCLM-0.8(エムテクニック社製)を用いて分散処理し
、着色剤粒子の体積基準のメディアン径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」を用いて測定したところ、158nmであった。
(2−1)マトリクスを形成する樹脂微粒子重合工程
以下に示す方法で離型剤を含有する「樹脂微粒子A」を調整した。
まず、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部とイオン交換水3000質量部を添加し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら内温を80℃に昇温した。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を添加して、液温を80℃に調整した。
次に、下記に示す化合物を含有してなる重合性単量体混合液を反応容器に1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌して重合を行い、樹脂微粒子を調製した。これを「樹脂微粒子(1H)」とする。
スチレン 480質量部
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 16質量部
また、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を添加した。反応容器を、98℃に加熱後、前記「樹脂微粒子(1H)」を260質量部と、下記に示す化合物を含有してなる重合性単量体混合液をそのまま添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEAMIX(エム・テクニック(株)製)」を用いて1時間混合分散させて乳化粒子(油滴)を含有する分散液を調製した。
スチレン 245質量部
n−ブチルアクリレート 120質量
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 1.5質量部
ポリエチレンワックス(融点81℃) 190質量部
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を添加し、82℃の温度下で1時間加熱撹拌して重合を行い、樹脂微粒子を得た。これを「樹脂微粒子(1HM)」とする。
更に、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を添加し、82℃の温度下で下記に示す化合物を含有してなる重合性単量体溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂微粒子を得た。これを「樹脂微粒子A」とする。
スチレン 435質量部
n−ブチルアクリレート 130質量部
メタクリル酸 33質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8質量部
(2−2)ドメインを形成するゴム成分微粒子重合工程
以下に示す方法で「ゴム成分微粒子B1」を調整した。
まず、耐圧容器に、重合性単量体としてブタジエン50部、スチレン30部、メタクリル酸メチル18部、アクリル酸2部を仕込み、さらに水200部、t−ドデシルメルカプタン1.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、過硫酸カリウム1.0部を仕込んだ後、窒素雰囲気中で温度70℃で2時間重合を行なった。その後、重合を完結させるため、さらに3時間反応を継続し、重合を終了した。
得られた共重合体ラテックスについて、ガラス転移点、ラテックス粒子径を以下の方法で求めた。
(I)ガラス転移点
得られた共重合体ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを示差走査熱量計(DSC:デュポン社製)を用いてASTM法に準じて測定した。
(II)ラテックス粒子径
得られた共重合体ラテックスの平均粒子径は、大塚電子社製の粒子径測定装置で、常法により求めた。
同様な手段を用いて、添加成分の比率のみを変更したゴム成分微粒子B2〜B10を作成した。添加剤量ならびに物性の結果を下記表1に示す。
Figure 2012027165
(3)凝集・融着工程
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記物質を添加し、液温を30℃に調整した。
「樹脂微粒子A」 300質量部(固形分換算)
「ゴム成分微粒子B1」 15質量部(固形分換算)
イオン交換水 1400質量部
「着色剤分散液1」 120質量部
ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に添加した水溶液 123部
次に、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整し、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解させた30℃の水溶液を、撹拌状態にある反応系中に10分間かけて添加した。そして、添加後3分経過してから昇温を開始し、反応系を60分間かけて90℃まで昇温し、凝集を進行させた。凝集により形成される粒子の大きさは「マルチサイザー3」で観察した。体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μmになった時、20%塩化ナトリウム水溶液750質量部を添加して凝集を停止させた。
20%塩化ナトリウム水溶液添加後、液温を98℃にして撹拌を継続し、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」で粒子の平均円形度を観察しながら、凝集した樹脂微粒子の融着を進行させた。平均円形度が0.965になった時、液温を30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。
(4)冷却・洗浄工程、(5)乾燥工程
凝集・融着工程にて生成した粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII型式番号6
0×40(松本機械(株)製)」で固液分離し、粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)」に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して粒子を作製した。
(6)外添工程
上記で得られた粒子に、疎水性シリカ(数平均1次粒子径=12nm)を1質量%、疎水性チタニア(数平均1次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1」を作製した。
トナー1の体積基準におけるメディアン径は、6.5μm、平均円形度は0.965であった。尚、体積基準におけるメディアン径、平均円形度は前記の方法で測定して得られた値である。
ジエン系ユニットを含む「ゴム成分微粒子B1」9部 を用いたところを下記表2のとおりに変更した以外は、トナー1と同様の方法により作製した。これらをトナー2〜10とする。
ゴム成分微粒子B1を使用せず、樹脂微粒子Aの使用量を315質量部(固形分換算)としたこと以外は、トナー1と同様の方法により作製した。これをトナー11とする。
このトナー1〜10、及び比較用のトナー11の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積基準のメディアン径60μmのフェライトキャリアを、前記現像剤用トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、現像剤1〜11を作製した。
Figure 2012027165
なお、表2には各トナー1〜11におけるゴム成分相が構成するドメインのフェレ径も示している。
上記定着装置と表2に記載のトナー1〜11を用いて以下に示す評価を実施した。
<実験条件>
(1)定着装置は基本的に上述の図2に示す構成のものを使用した。
ただし、ウォームアップタイム短縮を目的に、加熱ローラ11は、中空のアルミ芯金の肉厚2mmを0.5mmに、その表面のPFAコーティング層を30μmから15μmにそれぞれ改造した。
(2)システムスピード(感光体410、中間転写ベルト50、定着ベルト28の周速)を300 [mm/秒]に設定した。
<ニップ部温度の測定>
定着ベルト28の温度を150℃及び180℃に設定し、定着初期のニップ部温度と加熱ローラ温度との温度差及び普通紙(坪量80g)連続100枚通紙後、ニップ部温度が何度まで低下するかを確認した(下記表3参照)。
Figure 2012027165
<コールドオフセット>
定着ベルト28の温度を180℃、150℃に設定し、紙上に転写したトナーを連続100枚通紙、定着させる。定着画像の1枚目及び100枚目において、コールドオフセット発生の有無を目視で評価した。トナーとしては、本発明のトナー1〜6及び比較用トナー7〜11を用いた。
<折り目定着強度>
折り目定着強度は、定着ベルト28の温度を5℃刻みで変更して紙上に転写したトナーを通紙、定着させ、トナーの定着画像を内面に向けて折り曲げた時、折り曲げ部分におけるトナー剥がれの程度を定着率として評価した。定着画像の1枚目及び100枚目においてそれぞれ評価した。トナーとしては、トナー1〜11を用いた。
測定方法は、べた画像部(画像濃度が0.8)を画像面を内側にして折り、3回指で擦った後、画像を開いて「JKワイパー(株式会社クレシア製)」で3回ふき取り、べた画像の折り目個所の折り曲げ前後の画像濃度から下記式により算出した値である。
定着率(%)=(折り曲げ後画像濃度)/(折り曲げ前画像濃度)×10
得られた定着率から、下記の様に折り目定着強度を評価し、○以上となる温度を示した。評価結果を下記表4に示した。
評価基準
◎:各温度で折り目の定着率が90〜100%となった
○:各温度で折り目の定着率が80〜90%未満となった
×:折り目の定着率が80%未満となるものがあった
<定着装置の耐久試験>
坪量80gの転写紙を用い、画素率50%の画像をプリントした。定着画像に定着ベルト由来の傷による筋状光沢ムラ、もしくは定着ベルトのトナー汚染による画像汚れが発生した時点の枚数を、定着ベルトの交換時期、すなわち寿命と判断した。50万枚以上を合格、100万枚以上を優良と評価する。評価結果を下記表4に示した。なお、表中、Kは千枚通紙(千プリント)を表す。すなわち、表4においては500K以上が合格である。
Figure 2012027165
上記表3より、本発明の定着装置では、定着初期においては定着ベルトの温度に対してニップ部の温度が少し下がっている。しかし、100枚通紙後は、ニップ部の温度が極端に下がり、ニップ部から加圧ローラに対して過剰に熱が供給されるため、ニップ部の温度の低下が大きいことがわかる。また、この傾向は定着ベルトの設定温度が高いと顕著になることが確認できる。
上記表4より、本発明の定着装置とトナーを組み合わせた画像形成方法において、比較用トナー7〜11においては、初期通紙及び100枚通紙時に、コールドオフセットが発生しているが、本発明のトナー1〜6においては、コールドオフセットが抑制されている。
また、折り目強度においても、比較用トナー7〜11は、初期通紙及び100枚通紙後、折り目強度の温度が175℃以上となっているが、本発明のトナー1〜6は折り目強度の温度が低く、折り目強度に優れることがわかる。
さらに、本発明の1〜6においては、定着装置の耐久性も向上していることがわかる。ゴム成分を含んだトナーの成分の使用によって定着時の定着ベルトとトナーの離型性が向上し、定着ベルトの劣化が抑制されるためである。
1 画像形成装置
11 加熱ローラ
12 加圧ローラ
13 磁束発生部
14 分離爪
20 記録材収納部
21 芯金
22 断熱層
23 発熱体層(電磁誘導発熱層)
24 弾性層
25 離型層
27 定着ローラ
28 定着ベルト
30 原稿読取部
31 芯金
32 断熱層
33 離型層
40 画像形成部
41 励磁コイル
42 磁性体コア
43 コイルボビン
44 高周波インバータ
50 中間転写ベルト
51 メインコイル
52 消磁コイル
53 メインコア
54 端部コア
55 裾コア
56 ボビン本体
57 リブ
58 通紙領域外の範囲
59 滑り層
60 レジストローラ
61 封止板
70 転写部
100 定着装置
400Y、400M、400C、400K 画像形成手段
410 感光体
420 スコロトロン帯電手段
430 露光手段
440 現像手段
450 クリーニング手段
N ニップ部
S 空間
P 記録材

Claims (1)

  1. 電磁誘導発熱層を有する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内側に配置された定着ローラと、
    前記定着ベルト及び前記定着ローラとともにニップ部を形成する加圧ローラと、
    前記定着ベルトの前記電磁誘導発熱層に印加する磁束を発生する磁束発生部と、を有し、
    記録材を前記ニップ部に通過させて、前記記録材上のトナーを定着させる定着装置を使用し、
    前記トナーの結着樹脂がドメイン・マトリクス型の分散構造を有し、
    前記ドメインは少なくともジエン系ユニットを含む重合体からなるゴム成分相であり、
    前記トナー中の前記ゴム成分のガラス転移温度が−40℃以上40℃以下の範囲であることを特徴とする画像形成方法。
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