JP5531599B2 - 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
静電潜像を経て画像情報を可視化する電子写真法は、現在さまざまな分野で利用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。前記電子写真法は、一般には、帯電・露光工程において、潜像保持体(感光体)表面に静電潜像を形成し、現像工程において、トナーを含む静電潜像現像剤(以下、単に「現像剤」と称する場合がある。)を用いて前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、転写工程において、前記トナー像を紙やシート等の記録媒体上に転写し、定着工程において、熱、溶剤、圧力等を利用して前記トナー像を記録媒体上に定着し、画像を得る方法である。
1980年代の後半から、電子写真の市場はデジタル化をキーワードとして小型化、高機能要求が強く、特にカラー画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行える事が挙げられている。この事により、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。
一方、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。しかし、単にトナーの小粒径化だけでは、安定的に高画質を得る事は困難であり、現像、転写、定着、クリーニング特性における基礎特性の改善が重要となっている。
トナーに対しては、感光体表面から残留トナーが遊離しやすいこと、また、ブレードなどのクリーニング部材を用いたときに、感光体を傷つけないこと等のクリーニング性が要求される。これらの諸要求を満たすべく、シリカ等の無機粒子、脂肪酸及びその金属塩並びにそれらの誘導体等の有機粒子、フッ素系樹脂などをトナーに外添した1成分現像剤や2成分現像剤が種々提案され、流動性、耐久性あるいはクリーニング性の改善が図られている。
従来から、トナーに添加剤として脂肪酸金属塩を外部添加する発明が開示されている(例えば、特許文献3乃至5参照)。これらの発明では、潤滑剤を感光体表面に供給することにより、安定したクリーニング性が提供される。
また、トナーに添加剤として脂肪酸金属塩を外部添加し、また、ワックスを外部添加する発明が開示されている(例えば、特許文献6乃至8参照)。これらの発明では、いずれも添加剤の粒径が3μm以上20μm以下と大きく、その効果を効率よく発現するためには、相当量の添加が必要となる。
また、添加剤として、脂肪酸金属塩で処理した酸化チタン粒子、水系中で脂肪酸化合物を加水分解しながら表面処理された酸化チタン微粒子、脂肪酸金属塩で表面処理された無機化合物、脂肪酸アルミニウムで表面処理して疎水化した酸化チタン微粒子などが提案されている(例えば、特許文献9乃至12参照)。
また、疎水性硬質微粉末をトナーに外部添加して、その研磨効果により感光体表面を削り、トナーフィルミングを防止する方法が提案されている(例えば、特許文献13参照)。
米国特許第2297691号明細書 米国特許第2357809号明細書 特開平9−251214号公報 特開2000−89502号公報 特開2003−255585号公報 特開昭60−198556号公報 特開昭61−231562号公報 特開昭61−231563号公報 特開平4−452号公報 特開平5−66607号公報 特開平5−165250号公報 特開平10−161342号公報 特開平2−89064号公報
本発明は、低湿度下において連続して画像を出力する場合でも安定したクリーニング性を示す静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
即ち、請求項1に係る発明は、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含むトナー粒子と、パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と研磨剤とを含む外添剤と、を含有し、前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、前記離型剤が、炭化水素系ワックスであり、前記着色剤が、アゾ基を有する有機顔料である静電潜像現像用トナーである。
請求項に係る発明は、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーを含む静電潜像現像剤である。
請求項に係る発明は、請求項1に記載の静電潜像現像用トナーを収納し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項に係る発明は、請求項に記載の静電潜像現像剤を収納し、潜像保持体上に形成された静電潜像を前記静電潜像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
請求項に係る発明は、潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を請求項に記載の静電潜像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、低湿度下において連続して画像を出力する場合でも安定したクリーニング性を示す静電潜像現像用トナーが提供される。
請求項に係る発明によれば、低湿度下において連続して画像を出力する場合でも安定したクリーニング性を示す静電潜像現像剤が提供される。
請求項に係る発明によれば、低湿度下において連続して画像を出力する場合でも安定したクリーニング性を示す静電潜像現像用トナーの供給を容易にするトナーカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、低湿度下において連続して画像を出力する場合でも安定したクリーニング性を示す静電潜像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高められる。
請求項に係る発明によれば、低湿度下において連続して画像を出力する場合でも安定したクリーニング性を示す静電潜像現像用トナーを用いた画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置の実施形態について詳細に説明する。
<静電潜像現像用トナー>
本実施形態に係る静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)は、結着樹脂と着色剤とを含むトナー粒子と、パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子(以下、「特定のPTFE粒子」と称することがある。)と研磨剤とを含む外添剤と、を含有する静電潜像現像用トナーである。
本実施形態では、感光体の磨耗抑制とクリーニング性の両立のためにポリテトラフルオロエチレン粒子と研磨剤とがトナーに外添される。トナーにPTFE粒子が外添されると、その材料の素材に起因する低摩擦係数という特性により、トナー−感光体表面間の摩擦軽減効果はもちろんのこと、トナー−トナー間の付着を抑制する効果が得られる。そのため、クリーニングブレードのブレードニップ部に堆積したトナーの表面に付着するPTFE粒子がトナー同士の凝集を抑制し、トナーを対流させやすくする。そのことにより、前記ブレードニップ部におけるトナー等の堆積物の凝集が抑制されるため、前記ブレードニップによる前記感光体表面への極端に偏った圧力が生じにくくなり、前記感光体表面の偏磨耗が抑制され、クリーニング性が保持されるものと推察される。
一方、感光体の表面は研磨剤により研磨されることで表面へのトナーなどの付着が抑制される。前記ブレードニップ部で適度な摩擦を生じ、研磨効果を保っているのは、たとえば研磨剤表面の吸着水、あるいは感光体表面の吸着水による液架橋力が大きな要素の一つと考えられる。しかしPTFE粒子に含まれるパーフルオロオクタン酸及びその塩(以下、PFOAと称することがある。)は、現像機内での攪拌や、現像工程での前記感光体へのトナーの付着等により、PTFE粒子より離れ、前記感光体表面や、現像機の内部で研磨剤に移行し、前記研磨剤表面の吸着水や感光体表面の吸着水を除去してしまう。この結果、低湿度下において連続して画像を出力する場合では、感光体表面への付着物の抑制という効果を得られにくくなる。
上記の課題を解決するには、外添剤として添加されるPTFE粒子中に含まれるPFOAの含有量を抑制することが有効である。本発明者等は、鋭意検討の結果、PTFE粒子に含まれるPFOAの含有量が0.5ppm以下であれば液架橋力の減少が抑制され、低湿度下において連続して画像を出力する場合でも、安定したクリーニング性が得られることを見出した。
なお、PFOAは、PTFE粒子を合成する際の添加剤(界面活性剤)として使用されるものである。
本実施形態においては、PTFE粒子中のPFOAの含有量は、理想的には0ppmである。
なお、本実施形態において、低湿度とは15%RH以下のことをいう。
本実施形態に係るトナーは、結着樹脂と着色剤とを含むトナー粒子と、特定のPTFE粒子と研磨剤とを含む外添剤と、を含有するものである。以下、本実施形態に係るトナーの構成について説明する。
−結着樹脂−
本実施形態に係るトナー粒子に使用し得る結着樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)等を主成分とするスチレン系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリロニトリル等を主成分とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂が挙げられるが、低湿度環境下で適度に表面に吸着水を有し、前記研磨剤表面や前記感光体表面へ吸着水を供給可能な酸素原子を含む極性基を有する重合性単量体を重合して得られた樹脂が望ましく、その中でもエステル結合を含む樹脂であることが望ましい。エステル結合を含む樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂や(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂に用いる重縮合性単量体としては、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールがある。2価のカルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用してもよい。
前記ポリエステル樹脂は、従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は、組み合せて用いてもよい。
また帯電性の観点から、結着樹脂の分子骨格にカルボキシル基を残留させることが望ましい。ポリエステル樹脂は製法上分子側鎖へのカルボキシル基の導入が困難であるため、樹脂分子の両末端をカルボキシル基にすることによって、分子骨格にカルボキシル基が導入される。
スチレン系樹脂及び(メタ)アクリル系樹脂、特にスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂は本実施形態において結着樹脂として有用である。
ビニル芳香族単量体(スチレン系単量体)60質量部以上90質量部以下、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体((メタ)アクリル酸エステル系単量体)10質量部以上40質量部以下、及びエチレン性不飽和酸単量体1質量部以上3質量部以下よりなる単量体混合物を重合して得られる共重合体を界面活性剤で分散安定化したラテックスを結着樹脂成分として望ましく使用してもよい。
上記の共重合体のガラス転移温度は50℃以上70℃以下であることが望ましい。
以下に上記の共重合樹脂を構成する重合性単量体について説明する。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等がある。スチレン系単量体としては、スチレンが望ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等がある。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸n−ブチルが望ましい。
エチレン性不飽和酸単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基、酸無水物等の酸性基を含有するエチレン性不飽和単量体である。
前記スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂にカルボキシル基を含有させる場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を共重合させることによって得られる。
カルボキシル基含有重合性単量体の具体例としては、アクリル酸、アコニット酸、アトロパ酸、アリルマロン酸、アンゲリカ酸、イソクロトン酸、イタコン酸、10−ウンデセン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、オルト−カルボキシケイ皮酸、クロトン酸、クロロアクリル酸、クロロイソクロトン酸、クロロクロトン酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、ケイ皮酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シトラコン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、チグリン酸、ニトロケイ皮酸、ビニル酢酸、フェニルケイ皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸、フェルラ酸、フマル酸、ブラシジン酸、2−(2−フリル)アクリル酸、ブロモケイ皮酸、ブロモフマル酸、ブロモマレイン酸、ベンジリデンマロン酸、ベンゾイルアクリル酸、4−ペンテン酸、マレイン酸、メサコン酸、メタクリル酸、メチルケイ皮酸、メトキシケイ皮酸等であり、重合体形成反応の容易性などからアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などが望ましく、アクリル酸がより望ましい。
本実施形態に係るトナー粒子に用いる結着樹脂は、その重合の際に連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては特に制限はないが、チオール成分を有する化合物を用いてもよい。具体的には、ヘキシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が望ましい。連鎖移動剤を用いると、分子量分布が狭くなり、そのため高温でのトナーの保存性が良好になる点で望ましい。
本実施形態における前記結着樹脂には、必要に応じて架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、分子内に2以上のエチレン型重合性不飽和基を有する、多官能単量体が代表的である。
架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類等が挙げられる。
本実施形態において、これらの架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いても良い。また、上記架橋剤のうち、本実施形態における架橋剤としては、ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコ−ルの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類などを用いることが望ましい。
前記架橋剤の望ましい含有量は、重合性単量体総量の0.05質量%以上5質量%以下の範囲が望ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下の範囲がより望ましい。
本実施形態に係るトナー粒子に用いる結着樹脂のうち重合性単量体のラジカル重合により製造されるものは、ラジカル重合用開始剤を用いて重合してもよい。
ここで用いるラジカル重合用開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル等が挙げられる。
トナー粒子中の結着樹脂の含有量は、トナー粒子の固形分総重量に対して40質量%以上95質量%以下の範囲であることが望ましく、より望ましく50質量%以上90質量%以下の範囲であり、さらに望ましくは60質量%以上85質量%以下の範囲である。
−着色剤−
本実施形態に係るトナー粒子に使用し得る着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があげられる。クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラロゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などの種々の顔料などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を併せて使用してもよい。
本実施形態においては、着色剤として、一般的な顔料を用いてもよいが、低湿度環境下で適度に表面に吸着水を有し、前記研磨剤表面や前記感光体表面へ吸着水を供給可能な適度に極性基を有する顔料が望ましく、このような特性を示す着色剤としてアゾ基を有する有機顔料が挙げられる。
着色剤は、定着時の発色性を確保するために、トナー粒子の固体分総重量に対して、4質量%以上15質量%以下の範囲で添加することが望ましく、4質量%以上10質量%以下の範囲で添加することがより望ましい。ただし、黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、12質量%以上48質量%以下の範囲内で添加することが望ましく、15質量%以上40質量%以下の範囲で添加することがより望ましい。前記着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、黒色トナー、白色トナー、緑色トナー等の各色トナーが得られる。
−離型剤−
本実施形態に係るトナー粒子は、離型剤をさらに含んでもよい。離型剤は一般に離型性を向上させる目的で使用される。
さらに、トナー粒子が離型剤を含むことで、離型剤によるトナー−感光体表面間及びトナー−トナー間の付着力が適度に増加するため、さらに安定したクリーニング性が得られる。また、特定のPTFE粒子の存在により、離型剤を含むことによって生じやすくなるトナー同士の凝集が防がれ、偏った磨耗が生じにくくなる。
前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。本実施形態において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態においては、一般的な離型剤を用いてもよいが、中でも適度にトナーの摩擦係数が増加する炭化水素系ワックスが望ましい。炭化水素系ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられ、これらの中でもポリオレフィンワックスがさらに望ましい。
これらの離型剤の添加量としては、トナー粒子の固形分総重量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが望ましく、より望ましくは5質量%以上15質量%以下である。上記範囲内であると、離型剤の効果が発揮されるため望ましい。
−その他の成分−
本実施形態に係るトナー粒子には、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。
帯電制御剤としては、公知のものが使用されるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が用いられてもよい。イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが望ましい。なお、本実施形態に係るトナー粒子は、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
本実施形態に係るトナー粒子は、内添剤を含有してもよい。内添剤は一般に定着画像の粘弾性制御の目的で使用される。前記内添剤の具体例としては、シリカ、チタニア等の無機粒子や、ポリメチルメタクリレート等の有機粒子などからなり、分散性を高める目的で表面処理されていてもよい。またそれらは単独でも、2種以上の内添剤を併用してもよい。
−PTFE粒子−
本実施形態に係るトナーには、外添剤として特定のPTFE粒子が添加される。
本実施形態において、PTFE粒子に含まれるPFOAの含有量は、PTFE粒子約0.2gをその10倍量のアセトンに溶解させ、アセトン溶液を約2倍量の水にゆっくりと滴下し、得られた水溶液をLC/MS/MS(アプライドバイオシステムズジャパン社製:3200 Q TRAP(登録商標)LC / MS / MSシステム)にて定量される。
PTFE粒子におけるPFOAの含有量を0.5ppm以下とするには、パーフルオロオクタン酸を用いないでPTFE粒子を乳化重合する方法や、パーフルオロオクタン酸とパーフルオロオクタン酸以外の界面活性剤とを併用する方法が挙げられ、これにより特定のPTFE粒子が得られる。また、パーフルオロオクタン酸を使用し乳化重合した後に水溶液をフッ化アルキル系溶媒で抽出する方法、ノニオン性界面活性剤に水溶液を接触させる方法、超臨界流体を用いてパーフルオロオクタン酸を除去することによっても、特定のPTFE粒子におけるPFOAの含有量を0.5ppm以下としうる。
特定のPTFE粒子の平均一次粒径は100nm以上500nm以下が望ましく、200nm以上400nm以下がさらに望ましい。
特定のPTFE粒子の平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(S−4700型、日立株式会社製)を用いて、100視野(50000倍)の観察を実施し、PTFE粒子の画像面積に相当する粒子を円として近似して粒径(長径と短径の平均値)を1000箇所測定し、その平均値をPTFE粒子の個数平均一次粒径とすることにより測定される。
PTFE粒子は、乳化重合法で製造されてもよい。PTFE粒子は市販品として購入してもよく、例えば、ダイキン工業社製ルブロン−L2としても入手してもよい。
特定のPTFE粒子の組成は、テトラフルオロエチレンの単独重合体であることが望ましいが、例えば、フッ化ビニリデン、モノフルオロエチレン、などを10質量%以下程度含むものであってもよい。
特定のPTFEの添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下が望ましく、より望ましくは0.1質量部以上0.6質量部以下である。
−研磨剤−
本実施形態に係るトナーには、外添剤として研磨剤が添加される。本実施形態において、研磨剤とは感光体表面の蓄積汚染抑制や、感光体表面劣化層の除去を目的としてトナーに添加されるものをいう。
本実施形態で用いられる研磨剤は特に限定されるものではないが、金属酸化物粒子が一般的であり、例えば、チタン酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化スズなどが挙げられる。これらの中でも、酸化セリウムが望ましい。
研磨剤は、表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、有機酸、界面活性剤などが知られている。また、特定の樹脂を処理する方法も知られている。表面処理に関しては、所望の特性が得られるものであればよく、特に限定されない。
表面処理に用いるカップリング剤としては特に制限はないが、例えばメチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェエルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、フルオロアルキルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシランカップリング剤;イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルメタクリルイソステアロイルチタネート等のチタネートカップリング剤;アルミネートカップリング剤;等が好適な例として挙げられる。
研磨剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上2.0質量部以下が望ましく、より望ましくは0.1質量部以上1.0質量部以下である。
本実施形態においては、外添剤として、研磨剤以外のその他の無機粒子を併用してもよい。その他の無機粒子としては、例えば、炭化ホウ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素(シリカ)、メタチタン酸、ダイヤモンド粉末、無機/有機複合粒子などが挙げられる。
その他の無機粒子は、表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、上述の研磨剤の場合と同様のものを用いてもよい。
本実施形態に係るトナーは、形状係数SF1が105以上140以下であることが望ましく、より望ましくは110以上140以下であり、更に望ましくは110以上135以下である。形状係数が105未満のトナーは製造が困難であり、また、形状係数が105未満であると、ほぼ真球状であるために、良好な定着性を得ることができないことがある。一方、形状係数が140より大きいと、精細な画質を得ることができないことがある。
形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡画像を画像解析装置によって解析することによって数値化され、例えば、次のようにして求められる。形状係数SF1の測定は、まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上の粒子について下記式のSF1を計算し、平均値を求めることにより得られる。
なお、本実施形態において、トナーの形状係数は、これに外添剤を外添したトナーの形状係数と近似される。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
ここでMLは粒子の絶対最大長、Aは粒子の投影面積である。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒子径D50vは望ましくは3.0μm以上9.0μm以下であり、より望ましくは3.0μm以上8.0μm以下であり、更に望ましくは3.0μm以上7.0μm以下である。D50vが上記範囲内であると、付着力が強く、現像性が良好であるので望ましい。また、画像の解像性が良好であるので望ましい。
また、トナーの体積平均粒度分布指標(GSDv)は1.30以下であることが望ましい。GSDvが1.30以下であると、解像性が良好であり、トナー飛散やカブリ等の画像欠損の原因となることがないので望ましい。
また、トナーの数平均粒度分布指標(GSDp)は1.40以下であることが望ましく、1.31以下であることがより望ましく、1.20以上1.27以下であることが特に望ましい。
ここで、体積平均粒子径D50v、数平均粒度分布指標(GSDp)、体積平均粒度分布指標(GSDv)等は、コールターマルチサイザー(コールター社製)測定器で測定される。粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
<トナーの製造方法>
本実施形態に係るトナーの製造方法は特に限定されず、公知である混練・粉砕製法等の乾式法や、乳化凝集法や懸濁重合法等の湿式法等によって作製される。これらの方法の中でも、コアシェル構造のトナーを作成容易な乳化凝集法が望ましい。以下、乳化凝集法によるトナーの製造方法について詳しく説明する。
本実施形態に係る乳化凝集法はトナーを構成する原料を乳化して樹脂粒子(乳化粒子)を形成する乳化工程と、該樹脂粒子を含む凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合させる融合工程とを有してもよい。
(乳化工程)
例えば樹脂粒子分散液の作製は、水系媒体と結着樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより行ってもよい。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。さらに、樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、該樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液が作製される。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられるが、水であることが望ましい。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
前記乳化液の作製に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒子径)は1.0μm以下が望ましく、60nm以上300nm以下の範囲であることがより望ましく、さらに望ましくは150nm以上250nm以下の範囲である。60nm未満では、樹脂粒子が分散液中で安定な粒子となるため、該樹脂粒子の凝集が困難となる場合がある。また1.0μmを超えると、樹脂粒子の凝集性が向上しトナー粒子を作成することが容易となるが、トナーの粒子径分布が広がってしまう場合がある。
結着樹脂がスチレン系樹脂や(メタ)アクリル系樹脂等の場合には、スチレン系樹脂や(メタ)アクリル系樹脂等を構成する重合性単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、スチレン系樹脂や(メタ)アクリル系樹脂等の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる樹脂粒子分散液が調製される。
離型剤分散液の調製に際しては、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散した後、離型剤の溶融温度以上の温度に加熱すると共に、強いせん断力が付与されるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて分散処理する。上記処理を経ることにより、離型剤分散液が得られる。分散処理の際、ポリ塩化アルミニウム等の無機化合物を分散液に添加してもよい。望ましい無機化合物としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、高塩基性ポリ塩化アルミニウム(BAC)、ポリ水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が望ましい。上記離型剤分散液は乳化凝集法に用いられるが、トナーを懸濁重合法により製造する際にも上記離型剤分散液を用いてもよい。
分散処理により、体積平均粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液が得られる。なお、より望ましい離型剤粒子の体積平均粒子径は、100nm以上500nm以下である。
体積平均粒子径が100nm未満では、使用される結着樹脂の特性にも影響されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれにくくなる。また、500nmを超える場合には、トナー中の離型剤の分散状態が不充分となる場合がある。
着色剤分散液の調製は、公知の分散方法が利用でき、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル、アルティマイザーなどの一般的な分散手段を採用することができ、なんら制限されるものではない。着色剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散される。分散させた着色剤粒子の体積平均粒子径は1μm以下であればよいが、80nm以上500nm以下の範囲であれば、凝集性を損なうことなく且つトナー中の着色剤の分散が良好で望ましい。
(凝集工程)
前記凝集工程においては、樹脂粒子の分散液、着色剤分散液、必要に応じて離型剤分散液等を混合して混合液とし、樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる場合が多い。pHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、この際、凝集剤を使用することも有効である。
なお、凝集工程において、離型剤分散液は、樹脂粒子分散液等の各種分散液とともに一度に添加・混合してもよいし、複数回に分割して添加しても良い。
凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に望ましい。
前記無機金属塩としては、特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。より狭い粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが、狭い粒度分布を得るためには望ましい。
また、前記凝集粒子が所望の粒子径になったところで樹脂粒子分散液を追添加することで(被覆工程)、コア凝集粒子の表面を樹脂で被覆した構成のトナーを作製してもよい。この場合、離型剤や着色剤がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で望ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
(融合工程)
融合工程においては、前記凝集工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。また、前記樹脂で被覆した場合には、該樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
融合後に冷却し、融合粒子を得る。また冷却の工程で、樹脂のガラス転移温度近傍(ガラス転移温度±10℃の範囲)で冷却速度を落とす、いわゆる徐冷をすることで結晶化を促進してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とされる。
(外添工程)
得られたトナー粒子には、特定のPTFE粒子と研磨剤と必要に応じてその他の無機粒子とが外添される。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行うことができ、段階を分けて付着させることができる。トナー粒子に上記成分を外添することで、本実施形態に係るトナーが得られる。
<静電潜像現像剤>
本実施形態に係る静電潜像現像剤は、本実施形態に係る静電潜像現像用トナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いてもよい。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが望ましい。キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲にあり、望ましくは30μm以上100μm以下の範囲にある。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記二成分現像剤における、本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
<画像形成装置>
次に、本実施形態に係る静電潜像現像用トナーを用いた本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を静電潜像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備え、前記静電潜像現像剤として本実施形態に係る静電潜像現像剤を用いるものである。以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、本実施形態に係る静電潜像現像剤を収納し、潜像保持体上に形成された静電潜像を前記静電潜像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱される、本実施形態に係るプロセスカートリッジが好適に用いられる。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
上述した第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置(静電潜像形成手段)3、静電潜像に帯電したトナーを供給して静電潜像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配置されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電潜像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。
現像効率、画像粒状性、階調再現性等の観点から、直流成分に交流成分を重畳させたバイアス電位(現像バイアス)を現像剤保持体に付与してもよい。具体的には、現像剤保持体直流印加電圧Vdcを−300乃至−700Vとしたとき、現像剤保持体交流電圧ピーク幅Vp−pを0.5乃至2.0kVの範囲としてもよい。
イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写位置へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(ロール状定着手段)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。
トナー像を転写する記録媒体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本実施形態に係る静電潜像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、現像装置111とともに、感光体107、帯電ローラ108、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は記録媒体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
図2で示すプロセスカートリッジ200では、感光体107、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態に係るプロセスカートリッジでは、現像装置111のほかには、感光体107、帯電装置108、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。本実施形態に係るトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態に係る静電潜像現像用トナーとしたものである。なお、本実施形態に係るトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本実施形態に係る静電潜像現像用トナーを収めたトナーカートリッジを利用することにより、本実施形態に係る静電潜像現像用トナーが容易に現像装置に供給される。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。また、実施例3、4、6及び7以外のその他の実施例は、本発明の範囲外である。
−ポリエステル樹脂分散液の調製−
・テレフタル酸 30mol%
・フマル酸 70mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 20mol%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 80mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記モノマーを仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイド1.2部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、酸価が12.0mgKOH/g,重量平均分子量が9700であるポリエステル樹脂を得た。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行った。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出したものである。
また、酸価の測定は、JIS K−0070−1992に準ずる。
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時にキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に移送した。
回転子の回転速度が60Hz,圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、平均粒径0.16μm,固形分濃度30%のポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂分散液を得た。
−アクリル系樹脂分散液の調製−
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・296部
・アクリル酸n−ブチル・・・・・・・・・104部
・アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・6部
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・・10部
・アジピン酸ジビニル・・・・・・・・・・1.6部
(以上、和光純薬(株)製)
以上の成分を混合し溶解した混合物を、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)12部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)8部をイオン交換水550部に溶解した溶液に加えて、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製)8部を溶解したイオン交換水61部を投入し、窒素置換を0.1リットル/分で20分行った。その後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が200nmのアクリル系樹脂分散液を調製した。これに水を加えて固形分濃度を30%とした。その分散液の一部を100℃のオーブン上に放置して水分を除去したものの酸価は15.0mgKOH/g、ガラス転移温度は53℃、重量平均分子量は30,000であった。なお、上記アクリル系樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
−スチレン系樹脂分散液の調製−
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・400部
・ドデカンチオール・・・・・・・・・・・・10部
・ジビニルベンゼン・・・・・・・・・・1.6部
(以上、和光純薬(株)製)
以上の成分を混合し溶解した混合物を、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)12部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)8部をイオン交換水550部に溶解した溶液に加えて、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製)8部を溶解したイオン交換水61部を投入し、窒素置換を0.1リットル/分で20分行った。その後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が200nmのスチレン系樹脂分散液を調製した。これに水を加えて固形分濃度を30%とした。その分散液の一部を100℃のオーブン上に放置して水分を除去したものの酸価は2.0mgKOH/g、ガラス転移温度は53℃、重量平均分子量は32,000であった。
−着色剤分散液(1)の調製−
・シアン顔料(銅フタロシアニンB15:3:大日精化製) 45部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5部
・イオン交換水 200部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、中心粒径168nm,固形分濃度22.0%の着色剤分散液(1)を得た。
−着色剤分散液(2)の調製−
着色剤分散液(1)の調製において着色剤をC.I.ピグメントイエロー74(モノアゾ系顔料:大日精化社製:セイカファストイエロー2054)にした以外は着色剤分散液(1)の調製と同様にして着色剤分散液(2)を得た。
−着色剤分散液(3)の調製−
着色剤分散液(1)の調製において着色剤をC.I.ピグメントイエロー93(ジスアゾ縮合系顔料:大日精化社製:クロモファイン イエロー 5930)にした以外は着色剤分散液(1)の調製と同様にして着色剤分散液(3)を得た。
−着色剤分散液(4)の調製−
着色剤分散液(1)の調製において着色剤をC.I.ピグメントイエロー139(イソインドリン系顔料:BASF社製:Paliotol Yellow L1820)にした以外は着色剤分散液(1)の調製と同様にして着色剤分散液(4)を得た。
−着色剤分散液(5)の調製−
着色剤分散液(1)の調製において着色剤をC.I.ピグメントレッド37(ジスアゾ系顔料:クラリアントジャパン社製:Maroon HFM01)にした以外は着色剤分散液(1)の調製と同様にして着色剤分散液(5)を得た。
−着色剤分散液(6)の調製−
着色剤分散液(1)の調製において着色剤をC.I.ピグメントレッド57:1(アゾレーキ系顔料:大日本インキ化学社製:KET Red 306)にした以外は着色剤分散液(1)の調製と同様にして着色剤分散液(6)を得た。
−着色剤分散液(7)の調製−
着色剤分散液(1)の調製において着色剤をC.I.ピグメントレッド122(キナクリドン系顔料:大日精化社製:クロモファインマゼンタ6887)にした以外は着色剤分散液(1)の調製と同様にして着色剤分散液(7)を得た。
−離型剤分散液(1)の調製−
・パラフィンワックス HNP9(溶融温度75℃:日本精鑞製) 45部
・カチオン性界面活性剤ネオゲン RK(第一工業製薬) 5部
・イオン交換水 200部
以上を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、中心径200nm,固形分濃度20.0%の離型剤分散液(1)を得た。
−離型剤分散液(2)の調製−
離型剤分散液(1)の調製において離型剤をステアリン酸ステアリル(和光純薬社製)にした以外は離型剤分散液(1)の調製と同様にして離型剤分散液(2)を得た。
−トナー粒子1の作製−
・ポリエステル樹脂樹分散液 323.9部
・着色剤分散液(1) 26.1部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.25部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに前記ポリエステル樹脂分散液を、緩やかに70.0部を追加した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。固形分を更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、18分350rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒子径を測定したところ体積平均粒子径D50は6.1μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は128であることが観察された。
−トナー粒子2の作製−
・ポリエステル樹脂分散液 292.2部
・着色剤分散液(1) 26.3部
・離型剤分散液(1) 34部
丸型ステンレス製フラスコ中に最初に加える成分を上記成分とした以外はトナー粒子1の作製と同様にトナー粒子2を作製した。体積平均粒子径D50は6.2μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は129であることが観察された。
−トナー粒子3の作製−
着色剤分散液(1)を着色剤分散液(2)にした以外はトナー粒子2と同様にトナー粒子3を作製した。体積平均粒子径D50は6.1μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は128であることが観察された。
−トナー粒子4の作製−
着色剤分散液(1)を着色剤分散液(3)にした以外はトナー粒子2と同様にトナー粒子4を作製した。体積平均粒子径D50は6.2μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は129であることが観察された。
−トナー粒子5の作製−
着色剤分散液(1)を着色剤分散液(4)にした以外はトナー粒子2と同様にトナー粒子5を作製した。体積平均粒子径D50は6.2μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は129であることが観察された。
−トナー粒子6の作製−
着色剤分散液(1)を着色剤分散液(5)にした以外はトナー粒子2と同様にトナー粒子6を作製した。体積平均粒子径D50は6.2μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は127であることが観察された。
−トナー粒子7の作製−
着色剤分散液(1)を着色剤分散液(6)にした以外はトナー粒子2と同様にトナー粒子7を作製した。体積平均粒子径D50は6.0μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は130であることが観察された。
−トナー粒子8の作製−
着色剤分散液(1)を着色剤分散液(7)にした以外はトナー粒子2と同様にトナー粒子8を作製した。体積平均粒子径D50は6.1μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は129であることが観察された。
−トナー粒子9の作製−
離型剤分散液(1)を離型剤分散液(2)にした以外はトナー粒子2と同様にトナー粒子9を作製した。体積平均粒子径D50は6.2μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は127であることが観察された。
−トナー粒子10の作製−
離型剤分散液(1)を離型剤分散液(2)にした以外はトナー粒子3と同様にトナー粒子10を作製した。体積平均粒子径D50は6.2μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は129であることが観察された。
−トナー粒子11の作製−
離型剤分散液(1)を離型剤分散液(2)にした以外はトナー粒子6と同様にトナー粒子11を作製した。体積平均粒子径D50は6.2μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は129であることが観察された。
−トナー粒子12の作製−
ポリエステル樹脂分散液をアクリル系樹脂分散液にした以外はトナー粒子3と同様にトナー粒子12を作製した。体積平均粒子径D50は6.1μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は135であることが観察された。
−トナー粒子13の作製−
ポリエステル樹脂分散液をスチレン系樹脂分散液にした以外はトナー粒子3と同様にトナー粒子13を作製した。体積平均粒子径D50は6.2μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は142であることが観察された。
<キャリア>
・フェライト粒子(体積平均粒子径50μm、体積電気抵抗3×10Ω・cm)
100部
・トルエン 14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比40:60(質量基準)、Mw=80000) 1.6部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製) 0.12部
上記の成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成用溶液を調製し、この被覆層形成用溶液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60rpmで30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを得た。
<外添剤>
−PTFE粒子1の作製−
ステンレス製アンカー型攪拌翼と温度調節用ジャケットとを備えたオートクレーブに、脱イオン水3.5Lを仕込み、加熱しながら窒素ガス、テトラフルオロエチレン(以下「TFE」という)で系内を置換した後に、エタン1.0gをTFEで圧入し、攪拌を500rpmで行いつつ内温を80℃に保った。脱イオン水25mlに過硫酸アンモニウム400mgを溶解させた水溶液をTFEで圧入した。TFEは槽内圧力(0.80MPa)が一定となるように供給した。温度を90℃、攪拌速度を550rpmに制御した。1時間攪拌した後、PTFE分散液500gに対して硝酸1gを添加すると同時に攪拌速度600rpmで凝析を開始し、ポリマーと水を分離した後、1時間攪拌し、その後水を除去し、乾燥させて、PTFE粒子1を得た。PFOA量は0ppmであった。
−PTFE粒子2の作製−
オートクレーブにパーフルオロオクタン酸アンモニウム200mgを仕込んだ以外はPTFE粒子1の作製と同様に凝析まで実施し水溶液を得た。その水溶液500gと、CFClCFCHClF、CFCFCHClの混合溶媒(混合比6:4(モル基準))を500gとを分液槽へ入れ激しく攪拌した後、3時間放置し抽出した。抽出操作を3回実施した後、乾燥させ、その後、この粉末を水で洗浄し乾燥させて、PTFE粒子2を得た。PFOA量は0.5ppmであった。
−PTFE粒子3の作製−
抽出操作をCHFCHCFで行った以外はPTFE粒子2の作製と同様にし、PTFE粒子3を得た。PFOA量は0.7ppmであった。
<外添トナー>
前記各トナー粒子1乃至13を100部に対して、PTFE粒子1を0.4部、研磨剤として酸化セリウム(三井金属社製:ミレークE10)を0.3部添加し、ヘンシェルミキサーにより800rpmで20分間ブレンドして静電潜現像用トナー1乃至13を得た。また前記静電荷現像用トナー1においてPTFE粒子1をPTFE粒子2に変更することで静電荷現像用トナー14を、前記静電荷現像用トナー3においてPTFE粒子1をPTFE粒子3に変更することで静電荷現像用トナー15を得た。
さらに、研磨剤を外添しない以外は前記静電荷現像用トナー3と同様にして静電荷現像用トナー16を得た。
<現像剤作製>
得られた静電荷現像用トナー1乃至16を各5部と上記キャリア100部とをV−ブレンダーを用いて40rpmで10分間攪拌し、静電潜像現像剤1乃至16を得た。
<評価>
−画質評価−
20℃15%RHの低湿環境下でDocuCentreColor400(富士ゼロックス(株)製)の改造機(定着機を取り除いたもの)を用いて、A4サイズの普通紙(富士ゼロックス(株)製、C2紙)を使用し、日本画像学会テストチャート番号8、5%を用いて30000枚の画像を出力する試験を行った。10000枚ごとに感光体を抜き出し、感光体表面と出力した画像表面を目視で観察した。評価は以下の通りであり、Cまでを許容範囲とした。なおDになったものはその段階で試験を中止した。20000枚終了時点でCよりも良いものについて本実施形態に係るトナーとしてクリーニング性に優れるものとした。評価結果を表1に示す。
A:感光体上の異物の付着、画像上のトナー汚れをともに目視では観察できない
B:感光体上の異物の付着は認められるが、画像上には現れていない。
C:感光体上の異物の付着が認められ、画像上に僅かなトナー汚れが観察される。
D:感光体全面にトナー汚れが観察される
−感光体磨耗評価−
渦電流膜厚計により、磨耗量(周方向に90度ごとに4箇所、長軸方向にほぼ等間隔になるように20箇所の、計80箇所を測定した平均値)と偏磨耗量(最大磨耗量−最小磨耗量)を10000枚出力ごとに測定した。評価指標は以下の通りである。20000枚終了時点で磨耗量400nm以下、偏磨耗量200nm以下を許容されるものとした。評価結果を表1に示す。
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(記録媒体)

Claims (5)

  1. 結着樹脂と着色剤と離型剤とを含むトナー粒子と、パーフルオロオクタン酸及びその塩の含有量が0.5ppm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と研磨剤とを含む外添剤と、を含有し、前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、前記離型剤が、炭化水素系ワックスであり、前記着色剤が、アゾ基を有する有機顔料である静電潜像現像用トナー。
  2. 請求項1に記載の静電潜像現像用トナーを含む静電潜像現像剤。
  3. 請求項1に記載の静電潜像現像用トナーを収納し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  4. 請求項に記載の静電潜像現像剤を収納し、潜像保持体上に形成された静電潜像を前記静電潜像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  5. 潜像保持体と、前記潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を請求項に記載の静電潜像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置。
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