JP2010249918A - マゼンタ静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、静電荷現像用トナーの製造方法、画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マゼンタ静電荷現像用トナーは、静電荷現像用トナー中に含まれる着色剤及び離型剤を含まない形状係数SF1が110以下となる結着樹脂粒子が静電荷現像用トナー5000個に対して50個以下であり、かつ、中心粒径が5nm以上70nm以下の無機微粒子が静電荷現像用トナー質量に対して0.01質量%以上0.4質量%以下で含有され、着色剤としてアゾ基を有するマゼンタ系着色剤を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本実施の形態のマゼンタ静電荷現像用トナー(以下「マゼンタトナー」ともいう)は、マゼンタ静電荷現像用トナー中に含まれる着色剤及び離型剤を含まない形状係数SF1が110以下となる結着樹脂粒子が静電荷現像用トナー5000個に対して50個以下であり、かつ、中心粒径が5nm以上70nm以下の無機微粒子がマゼンタ静電荷現像用トナーの質量に対して0.01質量%以上0.4質量%以下で含有され、着色剤としてアゾ基を有するマゼンタ系着色剤を含有するマゼンタ静電荷現像用トナーである。
以上説明した本発明の静電荷現像トナーの製造方法により得られるトナーは、静電荷現像剤として使用される。この現像剤は、この静電荷現像トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷現像トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷現像剤として調製される。
次に、本実施の形態の画像形成装置について説明する。
本実施の形態における画像形成方法は、少なくとも、像保持体を帯電させる工程と、像保持体上に潜像を形成する工程と、潜像担持体上の潜像を上述した電子写真用現像剤を用いて現像する工程と、現像されたトナー像を中間転写体上に転写する1次転写工程と、前記中間転写体に転写されたトナー像を、記録媒体に転写する2次転写工程と、前記トナー画像を熱と圧力によって定着する工程とを有する。前記現像剤は、少なくとも、本発明の静電荷現像用トナーを含有する現像剤である。前記現像剤は、一成分系、二成分系のいずれの態様であってもよい。
(1)マゼンタ系着色剤は、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 2、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、95、112、114、119、136、147、148、150、164、170、184、187、188、210、212、213、222、223、238、245、253、256、258、261、266、267、268、269からなる群から選択されるβ−ナフトール系顔料であるマゼンタ静電荷現像用トナー及びその製造方法である。
粒径(「粒度」ともいう。)及び粒径分布測定(「粒度分布測定」ともいう。)について述べる。
式:GSDv={(D84v)/(D16v)}0.5
トナーの形状係数SF1は、トナー粒子表面の凹凸の度合いを示す形状係数SFであり、以下の式により算出した。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
式中、MLはトナー粒子の最大長を示し、Aは粒子の投影面積を示す。形状係数SF1の測定は、まずスライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについてSFを計算し、平均値を求めた。
トナーのガラス転移温度は、DSC(示差走査型熱量計)測定法により決定し、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製、6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
ニレコ社製LUZEXにて観察画像を撮影し、任意に5000個程度抽出したトナーについて、画像解析することで求める。具体的には、画像中の全粒子数を測定し、次にその中の無色の粒子について選択し、トナーの形状係数SF1と無色の粒子の個数を測定した。これをトナー数が5000になるまで繰り返した。
<実施例1>
−樹脂粒子分散液(1)の作製−
重合反応槽にイオン交換水370質量部と界面活性剤0.3質量部を投入し、撹拌混合しながら75℃まで昇温した。一方、乳化槽には下記成分を投入し、撹拌混合して乳化液を作製した。
非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 2質量部
及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製) 3質量部
スチレン 300質量部
n−ブチルアクリレート 90質量部
β−カルボキシエチルアクリレート(以下「β−CEA」ともいう) 11質量部
ドデカンチオール 6質量部
1,10−デカンジオールジアクリレート 1.5質量部
重合槽の温度が安定した時点で、作製した乳化液重量の2%を反応槽へ10分間かけて添加し、その後、過硫酸アンモニウム5質量部をイオン交換水で5倍に希釈して、やはり10分間かけて反応槽へ添加し、20分間保持した。次いで、残りの乳化液を3時間かけて反応槽へ添加し、添加終了後、更に3時間保持して反応を完了させた。
実施例1の操作のうち、遠心分離を行わなかったものを樹脂粒子分散液(2)とした。得られた樹脂の重量平均分子量は36,200、体積平均粒子径は219nmであった。
POLYWAX655(ベーカーペトロライト社製) 30質量部
カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製) 2質量部
イオン交換水 68質量部
上記成分を120℃に加熱して、高圧型ホモジナイザーで50MPaで処理し、速やかに冷却して離型剤分散液(1)を得た。分散したワックスの体積平均粒径は250nmであった。なお、上記POLYWAX655(ベーカーペトロライト社製)は、ポリエチレンワックスであり、数平均分子量が655で、融点が99℃のものである。
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(1)の調製−
C.I.Pigment Red 238:山陽色素社製) 50質量部
イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5質量部
イオン交換水 192.9質量部
上記成分を混合し、アルティマイザ(スギノマシン社製)により240MPaで10分処理し、数平均粒径137nmであるマゼンタ着色剤分散液を得た。
シリカ(中心粒径:5nm、スノーテックスXS、日産化学社製) 2.0質量部
凝集剤としてポリ塩化アルミニウム 1質量部
着色分散液とシリカを攪拌速度300rpmで混合したところに凝集剤を添加し、攪拌速度450rpmに上げて10分間攪拌した後300rpmまで下げ、マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(1)を得た。
イオン交換水: 300質量部
樹脂粒子分散液(1): 135質量部
マゼンタ着色剤無機微粒子凝集分散液(1):28.1質量部
離型剤分散液(1): 24質量部
その後、ウルトラタラックスでせん断を加えながら、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム1%水溶液14.5質量部を徐々に添加した。凝集剤の添加に連れてスラリーの粘度が上昇したため、ウルトラタラックスの回転数を最大7000rpmまで上昇させて、添加終了後さらに5分間の分散処理を行った。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(2)の調製−
C.I.Pigment Red 238:山陽色素社製) 50質量部
シリカ(中心粒径:40nm、スノーテックスXS、日産化学社製)0.055質量部
イオン交換水 195質量部
以上を混合し、アルティマイザ(スギノマシン社製)により撹拌速度を1200rpmで10分間分散し、次いで撹拌速度を1000rpmまで下げてから、
イオン性界面活性剤ネオゲンRK (第一工業製薬) 5質量部
を添加してマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(2)を得た。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(3)の調製−
C.I.Pigment Red 238:山陽色素社製) 50質量部
シリカ(中心粒径:55nm、スノーテックスXL、日産化学社製) 0.28質量部
イオン交換水 195質量部
以上を混合し、アルティマイザ(スギノマシン社製)により撹拌速度を1200rpmで10分間分散し、次いで撹拌速度を1000rpmまで下げてから、
イオン性界面活性剤ネオゲンRK (第一工業製薬) 5質量部
を添加してマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(3)を得た。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(4)の調製−
C.I.Pigment Red 53:1(A120レッド、大日精化工業社製)50質量部にした以外はマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(2)の調製と同様にして、マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(4)を調製した。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(5)の調製−
C.I.Pigment Red 5(セイカファーストカーミン3840(アゾ顔料)、大日精化工業社製)50質量部にした以外はマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(2)の調製と同様にして、マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(5)を調製した。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(6)の調製−
C.I.Pigment Red 170(セイカファーストレッド3820、大日精化工業社製)50質量部にした以外はマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(2)の調製と同様にして、マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(6)を調製した。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(7)の調製−
チタニア(中心粒径:10nm、テイカ社製) 0.4質量部
イオン交換水 195質量部
以上を混合し、アルティマイザ(スギノマシン社製)により撹拌速度を1200rpmで10分間分散し、次いで撹拌速度を1000rpmまで下げてから、
イオン性界面活性剤ネオゲンRK (第一工業製薬) 5質量部
を添加してマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(7)を得た。
−マゼンタ着色剤分散液(8)の調製−
C.I.Pigment Red 238:山陽色素社製) 50質量部
イオン性界面活性剤ネオゲンRK (第一工業製薬) 5質量部
イオン交換水 195質量部
以上を混合し、アルティマイザ(スギノマシン社製)により10分間分散し、数平均粒径168nmのマゼンタ着色剤分散液(8)を得た。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(9)の調製−
シリカの量を0.041質量部とする以外は−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(2)の調製と同様にしてマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(9)を調製した。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(10)の調製−
シリカの量を2.2質量部とする以外は−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(2)の調製と同様にしてマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(10)を調製した。
(着色剤−無機微粒子凝集分散液の作製)
−マゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(11)の調製−
シリカ(中心粒径:85nm、スノーテックスZL、日産化学社製)にした以外はマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(2)の調製と同様にしてマゼンタ着色剤−無機微粒子凝集分散液(11)を調整した。
樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(2)を用いる以外はトナー2と同様の方法でマゼンタトナー12を作製した。得られたトナーの粒径6.2μm、トナー5000個中のSF110以下の無着色結着樹脂粒子の数は85個であった。
静電荷像現像用現像剤1から静電荷像現像用現像剤12を現像装置に、また、マゼンタトナー1〜12をカートリッジに充填し、図3に示す富士ゼロックス(株)製のDocuCentre Color 400改造機(トリクル機構を有しないように改造)にて画出しを行った。高温高湿(28℃85%RH環境)にて、その後原稿(電子写真学会テストチャート No.5−1 1995)を1,000枚連続出力し、1,001枚目の画像の電子写真学会テストチャート No.5−1 1995の黄色部分の+1.8の画像のLabの評価を行い、差を評価した。結果を表1に示す。なお、dL、da、dbは1枚目に対する1001枚目のLabそれぞれの差を示すものであり、差が1.0未満が許容できる範囲である。なお色の測定はJIS Z 8729−2004に記載の方法により行った。
Claims (5)
- 静電荷現像用トナー中に含まれる着色剤及び離型剤を含まない形状係数SF1が110以下となる結着樹脂粒子が静電荷現像用トナー5000個に対して50個以下であり、かつ、中心粒径が5nm以上70nm以下の無機微粒子が静電荷現像用トナー質量に対して0.01質量%以上0.4質量%以下で含有され、着色剤としてアゾ基を有するマゼンタ系着色剤を含有することを特徴とするマゼンタ静電荷現像用トナー。
- 請求項1に記載のマゼンタ静電荷現像用トナーとキャリアからなることを特徴とする静電荷現像用現像剤。
- モノアゾ系顔料からなる着色剤と無機微粒子とに凝集剤を添加して着色剤と無機微粒子の凝集分散液を調製する工程と、
前記モノアゾ系顔料からなる着色剤と無機微粒子の凝集分散液と結着樹脂粒子を分散した結着樹脂粒子分散液と離型剤を分散した離型剤分散液とを混合し、離形剤と結着樹脂粒子と着色剤と無機微粒子とを含有するトナー粒径の粒子に凝集させる凝集工程と、
得られた凝集体を結着樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱し融合させトナー粒子を形成する融合工程と、を含むことを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 - 感光体を帯電する帯電工程と、帯電した感光体に露光して感光体上に潜像を作成する露光工程と、潜像を現像し現像像を作成する現像工程と、現像像を被転写体上に転写する転写工程と、定着基材上のトナーを加熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であり、
前記トナーが請求項1に記載のマゼンタ静電荷現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー画像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー画像を加定着する定着手段と、を含む画像形成装置であり、
前記静電荷現像用現像剤が、請求項2に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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