JP5375405B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置 - Google Patents
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Description
結着樹脂を含み、前記樹脂粒子より体積平均粒径の大きいトナー母粒子と、を含む静電荷像現像用トナーである。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー用樹脂粒子は、樹脂粒子と滑剤とを含む(以下、本実施形態に係る静電荷像現像用トナー用樹脂粒子を「滑剤含有樹脂粒子」と呼ぶ場合がある。)。滑剤含有樹脂粒子において、滑剤の含有量が、樹脂粒子に対して5質量%以上15質量%以下の範囲であり、7質量%以上12質量%以下の範囲であることが好ましい。また、樹脂粒子の表面に付着した滑剤の樹脂粒子表面に対する被覆率が、40%以上70%以下の範囲であり、45%以上65%以下の範囲であることが好ましい。
被覆率(%)=[(滑剤の面積)/(樹脂粒子の表面積)]×100 式(1)
静電荷像現像用トナー用樹脂粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、予め、樹脂粒子と滑剤粒子とをそれぞれ作製し、それらをヘンシェルミキサ等による混合あるいはハイブリタイゼーションシステムやメカノフュージョンシステム等によるメカノケミカル反応等の乾式法;水溶液中湿式により混合、凝集、加熱融着する等の湿式法;等により作製すればよい。また、樹脂と滑剤とを混合し、溶融混練、粉砕、分級して滑剤含有樹脂粒子を作製してもよい。
本実施形態に係るトナーは、トナー母粒子を含むトナーと上記滑剤含有樹脂粒子とを含有する。トナー母粒子は、少なくとも結着樹脂を含み、着色剤、その他の成分等を含んでもよい。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒径D50vとしては、4μm以上8μm以下の範囲が好ましく、5μm以上7μm以下の範囲がより好ましく、また、個数平均粒径D50nとしては、3μm以上7μm以下の範囲が好ましく、4μm以上6μm以下の範囲がより好ましい。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
本実施形態において、静電荷像現像用現像剤は、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。本実施形態における静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像用現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像用現像剤となる。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、像保持体の表面を清掃する像保持体清掃手段とを含み、現像剤として、前記静電荷像現像用現像剤が用いられる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記した手段以外の手段、例えば、像保持体を帯電する帯電手段、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段等を含むものであってもよい。
帯電手段である帯電部10としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いてもよい。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部10により、電子写真感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体14は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、および、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
露光手段である露光部12としては、特に制限はなく、例えば、像保持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光する光学系機器等が挙げられる。
現像手段である現像部16は、像保持体上に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体14に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体14には、通常直流電圧が使用されるが、さらに交流電圧を重畳させて使用してもよい。
転写手段である転写部18としては、例えば、図1に示すような被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被転写体24に与え、静電気力によりトナー画像を被転写体24に転写するもの、あるいは被転写体24の表面に被転写体24を介して直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いればよい。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定すればよい。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の被転写体24に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被転写体24に転写する方式でもよい。
像保持体清掃手段であるクリーニング部20については、像保持体上の残留トナー等の異物を清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いた場合に、上記滑剤含有樹脂粒子を含むトナーの効果が発揮される。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。
定着手段(画像定着装置)である定着部22としては、被転写体24に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
トナー画像を転写する被転写体(用紙)24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を使用してもよい。
(樹脂微粒子分散液の調製)
スチレン280質量部、n−ブチルアクリレート120質量部、アクリル酸7質量部、ドデカンチオール8質量部の混合溶液と、非イオン性界面活性剤(三洋化成製、ノニボール400)6質量部およびアニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンR)10質量部とをイオン交換水550質量部に溶解した反応容器中で、20分間撹拌混合しながら過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。その後、反応容器内を窒素置換した後、容器内を70℃まで加熱して5時間乳化重合を継続した。その結果、レーザ回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定された体積平均粒径D50vが151nmの樹脂微粒子分散液が得られた。
イオン交換水200質量部に滑剤としてステアリン酸亜鉛(アデカ製、ZNS−P)12質量部、およびアニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンR)2質量部を加えて乳化分散させた。その後、ゴーリンホモジナイザにて130℃に加熱、500kg加圧の条件で30分間運転し、その後冷却して取り出した。その結果、レーザ回折式粒度分布測定装置で測定された体積平均粒径D50vが505nmの滑剤粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は7.0質量%であった。
上記樹脂微粒子分散液260質量部、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W)2質量部、イオン交換水1000質量部を加え、分散機(太平洋機構社製、キャビトロンCD1010)で混合、分散させた。分散液を反応容器内で40℃に加熱して1時間保持した。このときのコールターカウンタで測定した体積平均粒径は3.2μmであった。この分散液を0.5N水酸化ナトリウム水溶液でpH7まで調整し、撹拌を継続しながら反応容器内を80℃まで加熱して2時間保持した。このときのコールターカウンタで測定した体積平均粒径は3.5μmであった。この樹脂粒子を濾別、イオン交換水で洗浄後、固形分濃度が10質量%になるようにイオン交換水を加えて樹脂粒子分散液を得た。
上記樹脂粒子分散液100質量部と上記滑剤粒子分散液11質量部とを混合し、硝酸でpH5以下に調整した後、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を加えることで滑剤を含んだ滑剤含有樹脂粒子分散液を調製した。この粒子を濾別、イオン交換水で洗浄後、容器回転式混合乾燥機(神鋼バンテック社製、コニカルドライヤ C−CDB)を用いて、回転数0.5rpm、温度40℃の条件で乾燥、混合を実施し、滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子Aを得た。
カーボンブラック(R330、キャボット社製)45質量部、イオン性界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬製)5質量部、イオン交換水200質量部を混合し、ホモジナイザ(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いでアルティマイザを用いて分散処理して、体積平均粒径250nmの着色剤分散液Kを得た。
パラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP0190)45質量部、イオン性界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬製)5質量部、イオン交換水200質量部を混合し、120℃に加熱し、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理して、固形分20質量%、体積平均粒径222nmの離型剤分散液を得た。
上記樹脂微粒子分散液230質量部、着色剤分散液K 30質量部、離型剤分散液20質量部、ポリ塩化アルミニウム0.5質量部、イオン交換水600質量部をステンレス製フラスコ中でホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコ内を撹拌しながら47℃まで加熱し、60分保持して凝集粒子分散液を調製した。この分散液に前記樹脂微粒子分散液25質量部を追加した後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を追加してフラスコ内のpHを6に調整した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱して5時間保持した。凝集粒子分散液を冷却、濾別してイオン交換水で洗浄、真空乾燥して、トナー母粒子Kを得た。コールターカウンタで測定した体積平均粒径は5.9μmであった。
フェライト粒子(パウダーテック社製、体積平均粒径50μm)100質量部とメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、重量平均分子量95,000、10,000以下の成分比率は5質量%)1.5質量部を、トルエン500質量部と共に加圧式ニーダに入れ、常温で15分間撹拌混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温してトルエンを留去し、その後冷却し、105μmの篩を用いて分級して樹脂被覆フェライトキャリアを得た。この樹脂被覆フェライトキャリアと、トナーA(K,C,M,Y)とをそれぞれ混合し、トナー濃度が7質量%の二成分系静電荷像現像用の現像剤A(K,C,M,Y)を調製した。
(クリーニング性の評価)
富士ゼロックス社製DocuCentreColorの改造機に上記4色の現像剤Aを現像機に入れ、クリーニング性の評価を行った。クリーニングブレード(ウレタン製)の線圧を15g/m2の条件で評価を行った。高温高湿条件下(30℃/80%RH)でトナーの載り量を5g/m2になるように調整し、連続20,000枚、富士ゼロックス社製J紙A3にベタ画像を出力して、出力画像の線状または筋状の画質欠陥の有無を確認した。以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○ 20,000枚まで画像欠陥なし
△ 20,000枚まででわずかに画像欠陥が発生
× 10,000枚で画像欠陥が発生
20,000枚出力後、感光体の傷の有無を確認した。以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○ 20,000枚まで傷の発生なし
△ 20,000枚まででわずかに傷が発生
× 20,000枚までで傷が発生し、画像欠陥も発生
20,000枚出力前後の感光体の膜厚(回転方向で2cmごとに10点、軸方向で1cmごとに30点の厚さの平均値)の差から、摩耗の確認を行った。以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○:膜厚差0.0μm以上3.0μm未満
△:膜厚差3.0μm以上6.0μm未満
×:膜厚差6.0μm以上
上記滑剤粒子分散液6質量部を用いた以外は実施例1と同じ条件で滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子B、トナーB(K,C,M,Y)、現像剤B(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
上記滑剤粒子分散液17質量部を用いた以外は実施例1と同じ条件で滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子C、トナーC(K,C,M,Y)、現像剤C(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
実施例1と同じ条件で滑剤含有樹脂粒子分散液を調製した後、この粒子を濾別、イオン交換水で洗浄後、真空凍結乾燥(−40℃で2時間凍結後、40℃に加温しつつ1×10−4Torrの条件)を実施した。その後、容器回転式混合乾燥機(神鋼バンテック社製、コニカルドライヤ C−CDB)を用いて、回転数0.5rpm、常温の条件で混合し、滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子Dを得た。実施例1と同様にして、トナーD(K,C,M,Y)、現像剤D(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
上記滑剤粒子分散液8質量部を用いた以外は実施例1と同じ条件で滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子E、トナーE(K,C,M,Y)、現像剤E(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
上記滑剤粒子分散液13質量部を用いた以外は実施例1と同じ条件で滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子F、トナーF(K,C,M,Y)、現像剤F(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
上記滑剤粒子分散液40質量部を用いた以外は実施例1と同じ条件で滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子G、トナーG(K,C,M,Y)、現像剤G(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
上記滑剤粒子分散液3質量部を用いた以外は実施例1と同じ条件で滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子H、トナーH(K,C,M,Y)、現像剤H(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
容器回転式混合乾燥機で回転数5rpmの条件で乾燥を実施した以外は実施例1と同じ条件で滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子I、トナーI(K,C,M,Y)、現像剤I(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
気流式乾燥機(セイシン企業製、フラッシュジェットドライヤ)で乾燥した以外は実施例1と同じ条件で滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子J、トナーJ(K,C,M,Y)、現像剤J(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
実施例1と同じ条件で滑剤含有樹脂粒子分散液を調製した後、この粒子を濾別、イオン交換水で洗浄後、真空凍結乾燥(−40℃で2時間凍結後、40℃に加温しつつ1×10−4Torrの条件)を実施して、滑剤を含む滑剤含有樹脂粒子K、トナーK(K,C,M,Y)、現像剤K(K,C,M,Y)を得た。評価結果を表1に示す。
Claims (3)
- 樹脂粒子と滑剤とを含み、前記滑剤の含有量が、前記樹脂粒子に対して5質量%以上15質量%以下の範囲であり、前記樹脂粒子の表面に付着した前記滑剤の樹脂粒子表面に対する被覆率が40%以上70%以下の範囲である静電荷像現像用トナー用樹脂粒子と、
結着樹脂を含み、前記樹脂粒子より体積平均粒径の大きいトナー母粒子と、
を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
- 像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、前記像保持体の表面を清掃する像保持体清掃手段とを含み、
前記現像剤は、請求項2に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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