JP5326750B2 - トナー、現像剤、画像形成方法 - Google Patents

トナー、現像剤、画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナー、現像剤、及び画像形成方法に関する。
一般に電子写真方式の画像形成方法では、像担持体からトナー像を画像支持体に転写する際に、画像支持体に転写されずに像担持体上に残ったトナーを像担持体上から除去することが必要である。像担持体上に残ったトナーをクリーニングする方法として、ウレタンゴム等の弾性材料からなるクリーニングブレードのエッジを像担持体表面に接触させる方法が広く用いられている。このとき、クリーニングブレードは一般に、その一端のエッジを像担持体の走行方向に対しカウンター方向に圧接させて使用している。
又、電子写真画像形成方法を用いて高速で高画質のプリント画像を得るという要望が高まっている。
高画質のプリント画像を得る手段として、画像形成に用いるトナーの球形化と小粒径化が検討されている。
球形化したトナーを用いると、上記のようなクリーニングブレードを用いたのではトナーがクリーニングブレードをすり抜けてしまい、像担持体上に残ったトナーをクリーニングするのが非常に困難であることが知られている。
球形トナーがクリーニングブレードをすり抜けてしまう現象については、これまで様々な説明がなされている。一般的な説明としては、クリーニングブレードのエッジに集められた球形トナーは、互いに接触面積が大きく互いに同等の粒径であるため、互いを乗り越えて移動することが困難である結果、最密充填状態(隙間無く充填された状態)になり易く、しかも像担持体表面との接触面積が大きいことにより付着力も大きくなる。そのためあたかも1つの集合体のようになり、クリーニングブレードのエッジを押し上げる力を持つ。その結果転写残の球形トナーがクリーニングブレードをすり抜けてしまうと考えられている。単にクリーニングブレードの圧接力を増しても、その効果は小さく、むしろ像担持体の寿命を低減させてしまう等の不具合により適用できないケースが多い。
像担持体上の球形トナーからなる転写残トナーを、クリーニングブレードによりクリーニングする方法として(A)、(B)及び(C)が検討されている。
(A)は、像担持体表面の摩擦係数を低減させる潤滑物質を像担持体表面に供給する方法である。像担持体表面の摩擦係数を低減することで、球形トナーが最密充填状態になったとしても像担持体表面を滑るためクリーニングブレードをすり抜けるには至らないという効果を狙ったものである(例えば、特許文献1参照。)。
(B)は、4色フルカラー画像形成方法において、うち1色の現像器に収容された現像剤のトナーを粉砕法で作製した不定形トナーとするという方法である。球形トナーと不定形トナーがクリーニングブレードのエッジ部付近で混合され、最密充填状態とならない構成とし、クリーニングブレードをすり抜けるのを防止するという効果を狙ったものである(例えば、特許文献2参照。)。
(C)は、クリーニングブレードのエッジに塗布された粉体潤滑剤と球形トナーよりも平均粒径が小さい不定形トナーとの混合粉体材料を用い、クリーニングブレードのすり抜けを防止する方法である。球形トナーよりも平均粒径が小さい不定形トナーにより最密充填状態とならない構成とし、クリーニングブレードをすり抜けるのを防止するという効果を狙ったものである(例えば、特許文献3参照。)。
又、近年、電子写真方式の画像形成方法においては、特にデジタル方式のデータを容易に送信できるようなネットワークの進化に伴い、単なる複写という行為から、軽印刷の分野にまで利用範囲が拡大してきている。この軽印刷の分野では、従来のオフィスでの複写とは異なり、印刷物に付加価値を求めるため高い印字品質が要求されている。
更に、使用される画像支持体として厚紙から薄紙まで種々のものを使用できることが望まれている。
然るに、電子写真方式の画像形成方法においては定着時に熱を使用しトナーを定着する方式が一般的であり、特に、省エネルギーの観点から熱効率を高めるために加熱ローラと加圧ローラを用いた定着方式のものが広く使用されている。
この加熱ローラと加圧ローラを用いた定着方式においては画像支持体が加熱ローラに接触するため、画像支持体の種類によっては定着部材への付着性や伝熱が異なり、例えば薄紙においては加熱ローラへの巻き付きが発生しやすいという問題があり、厚紙においては定着の熱エネルギーが紙の加熱に消費されてしまい、トナーの溶融が不足し十分な定着性が得られないという問題がある。
このような問題を解決するために、定着装置として、加熱ローラと加圧ベルトによってニップ部を構成し、このニップ部のニップ幅を制御することによって、画像支持体の種類にかかわらず十分な定着性が得られる定着装置が提案されている。
このような定着装置においては、加熱ローラと加圧ベルトの下方から加圧パッドを加圧ベルトに沿わせる形状にすることで、広いニップ幅を確保することができる。
更に、ニップ部の出口付近(画像支持体の出口側)でニップ圧を最大にし、その他の部分(例えば画像支持体の入口側)のニップ圧を弱くすることにより全体として低圧力で広いニップ幅を形成することができる。
ニップ部の出口付近においてニップ圧を最大にして加熱ローラに剥離力を加えることによって、ニップ部の出口において薄紙であっても加熱ローラから簡単に剥離できる構成とすることができる。その結果、ニップ部の出口付近における画像支持体の加熱ローラへの巻き付きを抑制することができるという利点もある。
しかしながら、加熱ローラと加圧ベルトを用いた定着方式は低圧でニップ幅が広い構成であるため、トナー粒子内部に内包されているワックスの染み出しが悪くなり、低温オフセットを生じやすい。
又、加熱ローラと加圧ベルトを用いた定着方式はニップ部の出口付近において剥離作用を加え、加熱ローラからの画像支持体の剥離性を高めた定着装置であるため、加圧ベルト側に画像支持体が引っ張られる構成となり、加熱ローラから剥離される方向に力が働いて加熱ローラから画像支持体が急速に剥離される結果、その剥離力がトナー粒子の内部凝集力よりも大きくなり、高温定着オフセットが生じやすい。
定着オフセットの発生防止策として、トナー粒子に特定の組み合わせのワックスを内包したトナーを用いる提案がされている(例えば、特許文献4参照。)。
又、定着オフセットの発生防止策として、トナー粒子に付着させる無機外添剤の粒径、添加量、無機外添剤の種類を組み合わせて用いるトナーが提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平5−188643号公報 特開平8−254873号公報 特開2000−267536号公報 特開2006−11461号公報 特開2002−82473号公報
しかしながら、加熱ローラと加圧ベルトを用いた定着装置で定着する画像形成方法に、上記提案のトナーを用いても低温或いは高温定着オフセットの発生を防ぐには不十分で、定着オフセットによる画像汚れのないプリント画像を継続して得られていないのが現状である。
前記(A)、(B)及び(C)についても検討を行った。その結果、
(前記(A)の問題点)
前記(A)では、像担持体表面の摩擦係数を低減させる潤滑物質として提案されているものの多くは高温高湿条件のもとでは吸湿しやすく、像担持体表面に付着した潤滑物質が帯電状態に悪影響を与え、かぶり等の画像欠損が発生するという問題が有った。
(前記(B)の問題点)
前記(B)では、複数色の像を担持する像担持体の場合は適用できるが、タンデム方式のカラー画像形成装置の像担持体の場合は適用できない。又、画像形成装置が使用開始初期ではクリーニングブレードのエッジに不定形トナーが十分到達していないので、多量の球形トナーが到達したような場合には、前述のメカニズムによってクリーニングブレードを球形トナーがすり抜けてしまうとうい問題が有った。
前記(C)の問題点)
前記(C)では、不定形トナーによりせき止め部を形成させているが、せき止め部を形成する粒子とせき止められる粒子が同じトナーであるため、選択的にクリーニングブレードのエッジ部に不定形トナーのみが行くことが困難である。このため、十分なせき止め部を形成することができず、球形トナーがすり抜けてしまうという問題が有った。
上記のように、クリーニングブレードにより球形トナーからなる転写残トナーを良好にクリーニングする方法は未だ見つかっていないのが現状である。
更に、パッチ像を形成する画像形成方法では、画像部の転写残トナーよりクリーニングされるトナー量が多いので、パッチ像を形成するトナー(以下、パッチ部トナーとも云う)をクリーニングするのにより負荷がかかる。
パッチ部トナーとは、画像濃度が正常に維持されるよう補正するために用いられるものである。詳細には、1.5cm角程度の各色パッチ像を感光体上に形成し、その後中間転写体に転写し、中間転写体上の各色パッチ像トナーの濃度をパッチセンサで測定し、画像濃度が正常化を確認するために用いられるものである。パッチ像濃度が薄ければ濃くなるように帯電条件や現像条件を制御し、パッチ像濃度が濃ければ薄くなるように帯電条件や現像条件を制御して常に良好なプリント画像が得られるようにする。
本発明の目的は、クリーニングブレードを用いたブレードクリーニング工程でトナーのすり抜けが無く、加熱ローラと加圧ベルトとで形成されるニップ部のニップ圧が画像支持体の入口側(ニップ部入口側)より排出側(ニップ部出口側)が大きい定着装置を用いる定着工程を有する画像形成方法でも低温及び高温定着オフセットの発生が無く、多数枚プリントしてもかぶりの無い高品質のプリント画質を継続して得られるトナー、現像剤、及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の前記目的は、下記構成を採ることにより達成できる。
1.少なくともブレードクリーニング工程と、
加熱ローラと加圧ベルトとで形成されるニップ部のニップ圧が画像支持体の入口側より排出側が大きい定着装置を用いる定着工程を有する画像形成方法に用いられるトナーにおいて、
該トナーは、少なくともトナー粒子(A)と樹脂粒子(B)とを有し、
該トナー粒子(A)の円形度が0.93〜0.99で、個数基準におけるメディアン径(D50)が3.0〜8.0μmであり、
該樹脂粒子(B)の円形度が0.70〜0.92であり、
該樹脂粒子(B)の個数基準におけるメディアン径(D50)がトナー粒子(A)の個数基準におけるメディアン径(D50)の0.15〜0.60倍であり、
該樹脂粒子(B)の表面エネルギーの値がトナー粒子(A)の表面エネルギーの値よりも小さいことを特徴とするトナー。
2.前記樹脂粒子(B)の表面エネルギーの値が、トナー粒子(A)の表面エネルギーの値よりも3×10−3N/m以上小さいことを特徴とする前記1に記載のトナー。
3.前記樹脂粒子(B)のDSC測定における1stデータのピークトップ温度が、95〜140℃の範囲にあることを特徴とする前記1又は2に記載のトナー。
4.前記樹脂粒子(B)が、ポリエチレン樹脂からなることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載のトナー。
5.前記トナー粒子(A)が、ワックスを含有していることを特徴とする前記1〜4の何れかに記載のトナー。
6.前記トナーが、トナー粒子(A)100質量部に対して樹脂粒子(B)を0.05〜5.0質量部配合したものであることを特徴とする前記1〜5の何れかに記載のトナー。
7.前記1〜6の何れかに記載のトナーとキャリアを用いて調製されたもので有ることを特徴とする現像剤。
8.前記1〜6の何れかに記載のトナーを用いて画像形成することを特徴とする画像形成方法。
本発明のトナー、現像剤、及び画像形成方法は、クリーニングブレードを用いたブレードクリーニング工程でトナーのすり抜けが無く、加熱ローラと加圧ベルトとで形成されるニップ部のニップ圧が画像支持体の入口側より排出側が大きい定着装置を用いる定着工程を有する画像形成方法でも低温及び高温定着オフセットの発生が無く、多数枚プリントしてもかぶりの無い高品質のプリント画質を継続して得られる優れた効果を有する。
トナー粒子(A)の円形度を制御する円形度制御装置の一例を示す概略図である。 樹脂粒子(B)がクリーニングブレードのニップ部にせき止め部を形成し、該せき止め部によりトナー粒子(A)がせき止められている状態を示す模式図である。 感光体のクリーニング手段の一例を示す概要図である。 中間転写体のクリーニング手段の一例を示す概要図である。 二次転写部材のクリーニング手段の一例を示す概要図である。 ニップ圧調整機構を有するローラ・ベルト定着装置の一例を示す模式図である。 図6の(a)に示す定着装置の詳細図である。 図7に示す定着装置のニップ部のニップ圧とニップ幅を示す模式図である。 本発明のトナーを用いたカラー画像形成装置の一例を示す断面概要図である。
本発明者等は、クリーニングブレードを用いたブレードクリーニング方式でクリーニングしてもトナーのすり抜けが発生せず、加熱ローラと加圧ベルトとで形成されるニップ部のニップ圧が画像支持体の入口側より排出側が大きい定着装置(以下、ニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置とも云う)を用いた定着方法で定着しても定着オフセットが発生せず、多数枚プリントしてもかぶりの無い高品質のプリント画質を継続して得られるトナーについて検討を行った。
本発明者等は、球形トナーをクリーニングブレードでクリーニングしてもすり抜けが発生するのを防止するため、球形のトナー粒子(A)と非球形でトナー粒子(A)より小粒径の樹脂粒子(B)を適量配合したトナーを用いることを検討した。
種々検討の結果、球形のトナー粒子(A)に非球形の樹脂粒子(B)を適量配合することで、クリーニングブレードのニップ部に樹脂粒子(B)からなるせき止め部が形成され、このせき止め部により球形のトナー粒子(A)の最密充填群がクリーニングブレードのニップ先端部に到達するのが防止され、トナーすり抜けが発生するのを防止できるようになった。
又、本発明者等は、ニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置で定着してもオフセットが発生を防止するために、トナー粒子(A)に表面エネルギーの値が小さい樹脂粒子(B)を適量添加したトナーを用いることを検討した。
ニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置を用いた定着工程では、加熱ローラの表面には表面張力が小さいフッ素樹脂等が用いられ高温オフセットの発生を防止する工夫がされ、加圧ベルトの表面には画像支持体の搬送性に優れた部材を用いる工夫がされている。
しかしながら、加熱ローラはその径が小径のため曲線が小さく、ニップ部の出口でトナーが画像支持体から剥離する力がトナーの内部凝集力より大きくなり高温オフセットが発生しやすくなると推察している。
種々検討の結果、トナー粒子(A)と表面エネルギーの値が小さく離型効果のある樹脂粒子(B)とを共存するトナーを用いるとオフセットが発生を防止できるようになった。
これはワックスを内包するトナー粒子(A)だけでは高温オフセットに対して不十分であると考え、トナー粒子(A)と表面エネルギーの値が小さく離型効果のある樹脂粒子(B)とを共存するトナーを用いることで、定着時に加熱ローラから分離をしやすくする効果を狙ったものである。
本発明のトナーは、
(1)トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)で構成される
(2)トナー粒子(A)は、その円形度が0.93〜0.99で、個数基準におけるメディアン径(D50)が3.0〜8.0μmである
(3)樹脂粒子(B)は、その円形度が0.70〜0.92であり、その個数基準におけるメディアン径(D50)がトナー粒子(A)の0.15〜0.60倍である
(4)樹脂粒子(B)は、その表面エネルギーの値がトナー粒子(A)の表面エネルギーの値よりも小さい
ものである。
更に、樹脂粒子(B)は、その表面エネルギーの値がトナー粒子(A)の表面エネルギーの値より3×10−3N/m以上小さいものであることが好ましい。
更に、本発明のトナーは、トナー粒子(A)100質量部に対してと樹脂粒子(B)を0.05〜5.0質量部配合して得られたものが好ましい。樹脂粒子(B)を上記質量部配合したトナーは、トナーすり抜けの発生防止とオフセット発生防止に有効であり好ましい。
更に、樹脂粒子(B)は、そのDSC測定における1stデータのピークトップ温度が、95〜140℃の範囲にあるものが好ましい。95℃以上とすることで定着装置の加熱ローラや加圧ベルトにトナーフィルミングが発生するのを防止でき、140℃以下とすることで定着不良の発生を防止でき好ましい。
更に、樹脂粒子(B)を構成する樹脂が、ポリエチレン樹脂であることが好ましい。ポリエチレン樹脂を用いると、ポリエチレン樹脂が低温定着性を阻害せずワックスとしての効果も有し、クリーニング性も確保でき好ましい。
更に、トナー粒子(A)は、その粒子中にワックスを含有しているものが好ましい。トナー粒子(A)中にワックスを含有させると、高温定着オフセットの発生を防ぐのにより有効であり好ましい。
更に、樹脂粒子(B)は電子写真プロセスにおいて定着工程までトナー粒子(A)と同じ動きをする必要があるためトナー粒子(A)と同極性であることが好ましい。樹脂粒子(B)の粒径は帯電性に影響を与える大きさでは低温低湿環境において帯電量が大きくなって環境差が広がってしまうためトナー粒子(A)より小さいことが好ましい。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明で規定している項目について説明する。
〈トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)の円形度〉
本発明のトナーを構成するトナー粒子(A)の円形度は0.93〜0.99、好ましくは0.935〜0.985である。円形度を上記範囲とすることにより、トナー自体に適度な流動性が付与され、画像形成装置内で機械的な負荷を受ける状態が長期にわたり続いてもトナーは破損、劣化しにくくなる。すなわち、トナーに耐久性が付与されることにより、高精細なプリント画像を長期にわたり、安定して形成することが可能になる。
又、本発明のトナーを構成する樹脂粒子(B)の円形度は0.70〜0.92、好ましくは0.73〜0.91である。円形度を上記範囲とすることにより、ニップ部をすり抜けずにせき止め部を形成することができる。
トナー粒子(A)及び樹脂粒子(B)の円形度は、下記式より算出した値である。
トナー粒子(A)について算出すると、
円形度=(トナー粒子(A)の投影像と同じ投影面積を有する円の周囲長)/(トナー粒子の投影像の周囲長)
トナー粒子(A)の円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100(Sysmex社製)」を用いて算出することができる。
詳細には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、トナー粒子(A)と子粒子(B)を分離する。分離したトナー粒子(A)を超音波分散で1分間分散した後、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある測定値が得られる。
樹脂粒子(B)についても、トナー粒子(A)と同様にして算出することができる。
〈トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)の個数基準におけるメディアン径(D50)〉
トナー粒子(A)の個数基準におけるメディアン径(D50)は、3.0〜8.0μmが好ましい。個数基準におけるメディアン径(D50)が前記範囲であると、高精細なプリント画像を長期にわたり安定して形成することができる。
樹脂粒子(B)の個数基準におけるメディアン径(D50)は、トナー粒子(A)の個数基準におけるメディアン径(D50)の0.15〜0.60倍である。前記倍数であると、良好にニップ部にせき止め部を形成することができる。
トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)の個数基準におけるメディアン径(D50)は、「マルチサイザ3」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用い、測定、算出することができる。
「マルチサイザ3」を用いた個数基準におけるメディアン径(D50)の測定は以下の手順で行う。
(1)トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)を分離し、トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)の測定試料を調製する。
(2)測定試料0.02gを界面活性剤溶液20mlで十分なじませた後、超音波分散処理を1分間行って測定試料の分散液を作製する。
(3)この測定試料の分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカにピペットで注入する。
(4)測定機カウントを2500個に設定して測定を開始する。尚、「マルチサイザ3」のアパーチャー径は100μmのものを使用する。
〈トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)の表面エネルギーの値〉
樹脂粒子(B)は、その表面エネルギーの値がトナー粒子(A)の表面エネルギーの値より小さいもので、好ましくは3×10−3N/m以上小さいものである。
トナー粒子(A)より表面エネルギーの値が小さい樹脂粒子(B)を用いることにより、トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)とが均一に混ざり合わず、ニップ部に樹脂粒子(B)によるせき止め部を形成しやすくなる。
更に、表面エネルギーの値が小さい樹脂粒子(B)は、熱定着時に剥離効果(オフセット発生防止効果)を有する。
トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)の表面エネルギーの値は、各粒子を熱で板状にし、この板の接触角を測定することにより求める。
各粒子を熱で溶融して形成した板の接触角は、純水に対する接触角を、全自動接触角計(CA−W型ロール特型:協和界面科学社製)を用いて23℃、50%RHの環境下で測定する。水の蒸発による測定値の変化と測定の安定性を両立させる為、水滴滴下後5秒から30秒以内に測定を終了させる。測定はθ/2法による。測定個所は板の12カ所を測定し、この平均値を本発明の接触角とする。
測定して得られた接触角から、拡張Fowkesの理論に基づいて表面エネルギーの値を算出する(協和界面化学 表面自由エネルギー解析ソフトウェアEG−11 取り扱い説明書参照)。
〈DSC測定における1stデータのピークトップ温度〉
本発明おいて、DSC測定における1stデータのピークトップ温度とは、「示差熱分析装置」(DSC)により樹脂粒子(B)を測定したときの吸熱ピーク温度の値である。DSC測定はASTM D3418−8に準じて行われる。
吸熱ピーク温度の測定は、示差熱分析装置「DSC−7」(パーキンエルマー社製)を用いて行う。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い、対照用には空のパンをセットし、昇温速度は10℃/minとし、融解にともなう吸熱ピークを測定する。
次に、トナー粒子(A)と樹脂粒子(B)の作製について説明する。
〈トナー粒子(A)の作製〉
本発明に係るトナー粒子(A)は、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなる粒子より構成されるものである。本発明に係るトナー粒子(A)の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来のトナーの製造方法により作製することが可能である。すなわち、混練、粉砕、分級工程を経てトナー粒子(A)を作製するいわゆる粉砕トナーの製造方法(粉砕法)や、重合性単量体を重合させ、同時に、形状や大きさを制御しながら粒子形成を行ういわゆる重合トナーの製造方法(例えば、乳化重合法、懸濁重合法、ポリエステル伸長法等)を適用することにより作製可能である。
この中でも、重合法による作製は、その製造工程で粒子の形状や大きさを制御しながら所望のトナー粒子(A)を形成することが可能であることから好ましい製造方法である。
その中でも、乳化重合法や懸濁重合法により予め120nm前後の樹脂粒子を形成しておき、この樹脂粒子を凝集させる工程を経て粒子形成を行う乳化会合法は有効な製造方法の1つといえる。
以下に、乳化会合法によるトナー粒子(A)の作製の例を説明する。乳化会合法では概ね以下の様な工程を経てトナー粒子(A)を作製する。すなわち、
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
(3)樹脂粒子の凝集・融着工程
(4)熟成工程
(5)冷却工程
(6)洗浄工程
(7)乾燥工程
必要に応じ
(8)外添剤処理工程
を経て作製することができる。
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂粒子分散液の作製工程
この工程は、樹脂粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行うことにより120nm程度の大きさの樹脂粒子を形成する工程である。樹脂粒子にワックスを含有させたものを形成することも可能で、この場合、ワックスを重合性単量体に溶解或いは分散させておき、これを水系媒体中で重合させることにより、ワックスを含有する樹脂粒子が形成される。
(2)着色剤粒子分散液の作製工程
水系媒体中に着色剤粒子を分散させ、110nm程度の大きさの着色剤粒子分散液を作製する工程である。
(3)樹脂粒子の凝集・融着工程
この工程は、水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させ、凝集させたこれらの粒子を融着させて粒子を得る工程である。この工程では、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水系媒体中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等を凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで凝集を進行させると同時に樹脂粒子同士の融着を行う。詳細には、前述の手順で作製した樹脂粒子と着色剤粒子とを反応系に添加し、塩化マグネシウム等の凝集剤を添加することにより、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集させると同時に粒子同士を融着させて粒子形成を行う。そして、粒子の大きさが目標の大きさになった時に、食塩水等の塩を添加して凝集を停止させる。
(4)熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより粒子の形状が所望の円形度になるまで熟成を行う工程である。
(5)冷却工程
この工程は、前記粒子の分散液を冷却処理する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された粒子分散液から粒子を固液分離する工程と、固液分離されてウェットのケーキ状集合体にした粒子から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去する洗浄工程からなる。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(7)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された粒子を乾燥処理し、乾燥された粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを挙げることができる。
乾燥された粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサ、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)外添剤処理工程
この工程は、乾燥された粒子に外添剤を混合し、トナー粒子(A)を作製する工程である。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサ、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
又、本発明に係るトナー粒子(A)は、粉砕法により作製した粒子を加熱処理することにより円形度を制御して作製されるものでもよい。詳細には、下記に示す手順により作製することができる。
粉砕法によるトナー粒子の作製は、最初に、バインダー樹脂、荷電制御剤、及び、着色剤等のトナー構成物を、ヘンシェルミキサ等を用いて混合した後、混合物を2軸押出混練機等の混練機に投入して混練を行う。
混練物を冷却後、フェザーミル、ハンマーミル等で租粉砕し、クリプトロン等の機械式粉砕機やジェットミル等の気流式粉砕機で微粉砕する。
その後、微粉砕したものを機械式或いは気流式の分級機に投入し、分級処理を行って、所望の粒径を有する粒子を得る。
その後、上記粒子を、円形度制御装置を用いて加熱処理することにより、粒子の円形度を制御する。円形度を制御する装置としては、粒子に熱風を接触させて円形度制御を行う「サフュージョンシステム」(NPK社製)を挙げることができる。
その後、上記手順を経て作製された粒子に、外添剤を添加してトナー粒子(A)を作製する。外添剤処理を施す装置としては、ヘンシェルミキサやコーヒーミル等の機械式の混合装置を挙げることができる。
トナー粒子(A)の円形度を制御する円形度制御装置について説明する。
図1は、トナー粒子(A)の円形度を制御する円形度制御装置の一例を示す概略図である。
円形度制御装置は、図1に示すように、所望の粒径を有する粒子を熱処理する処理槽410の上部に筒状の熱風供給部材420を設け、熱風供給部材420の周囲に分散室430が設けられる。この分散室430の外周側には、粒子を分散させてなる分散気流を分散室430内に吹き込む原料供給部材431が接続され、一方、分散室430の内周側には、その周方向に所定間隔を介して複数の原料噴射ノズル432が設けられる。
上記熱風供給部材420より処理槽410内に熱風を噴射させ、一方、上記原料供給部材431よりトナー粒子(A)を分散させた分散気流が分散室430内に吹き込まれる。分散室430内に吹き込まれた分散気流は、上記熱風供給部材420より噴射される熱風に向かって各原料噴射ノズル432より処理槽410内に噴射される。
上記各原料噴射ノズル432より噴射する分散気流を前記熱風に向けて噴射させるとき、分散気流と熱風とでなす角度が大きくなることがある。この場合、分散気流が熱風を横切るように噴射されるので、分散気流は熱風と衝突し易い状態となり、分散気流中の粒子が凝集し易くなる。
一方、各原料噴射ノズル432より噴射される分散気流と熱風供給部材420より噴射される熱風とでなす角度が小さくなることがある。この場合、分散気流は熱風中に十分に取り込まれにくくなり易いので、分散気流中の粒子は十分な熱処理が行われなくなる。以上の見解から、各原料噴射ノズル432より噴射される分散気流と熱風供給部材20より噴射される熱風との間の角度は20〜40°、好ましくは25〜35°の範囲とすることが好ましい。
図1に示す円形度制御装置には、熱風供給部材420から処理槽410内に噴射する熱風を整流する整流手段が設けられている。詳細には、熱風供給部材420内に設けられた仕切り部材で、この仕切り部材を設けることにより、熱風供給部材420内の熱風の通路は複数の小さな通路より構成されている。この様に、熱風供給部材420内に設けられた仕切り部材により、熱風供給部材420内を通過する熱風は、仕切り部材で仕切られた複数の小さな通路を通過することにより熱風の乱れが是正され、整流された状態で処理槽410内に供給されることになる。
整流された熱風を熱風供給部材420より処理槽410内に噴射すると、熱風による乱れがないので、分散気流中の粒子の一部が熱風から遠ざけられたり、或いは、熱風中で局所的に集合されたりする様なことがなくなり、粒子が均一に熱処理される。又、処理槽410の上面に設けられた空気導入口411より処理槽410内に導入される冷風で熱処理された粒子を冷却する際、適切な冷却が行われ、粒子同士の不要な結合も抑制される。
次に、トナー粒子(A)の作製に用いられる部材(樹脂、ワックス、着色剤等)について説明する。
〈樹脂〉
トナー粒子(A)を構成する樹脂としては、下記(1)〜(10)に示す様なビニル系単量体に代表される重合性単量体を重合して作製される重合体が代表的なものである。好ましくは、下記に示すビニル系単量体を単独或いは複数種類組み合わせて重合を行って得られるものが挙げられる。
(1)スチレン或いはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等。
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)ビニル化合物類
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等
(10)アクリル酸或いはメタクリル酸誘導体
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等。
又、樹脂を構成する重合性単量体として、イオン性解離基を有する重合性単量体を組み合わせて使用することも可能である。イオン性解離基としては、例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基が挙げられ、イオン性解離基を有する重合性単量体はこれらの置換基を有するものである。
イオン性解離基を有する重合性単量体の具体例を以下に挙げる。
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等。
更に、樹脂を構成する重合性単量体として、多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることも可能である。多官能性ビニル類の具体例を以下に挙げる。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等。
〈ワックス〉
トナー粒子(A)の作製で用いられるワックスとしては、従来公知のものが挙げられ、好ましくは、以下のものが挙げられる。
(1)長鎖炭化水素系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等
(2)エステル系ワックス
トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(3)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
(4)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(5)その他
カルナウバワックス、モンタンワックス等。
ワックスの融点は、好ましくは40〜160℃であり、より好ましくは50〜120℃、更に好ましくは60〜90℃である。ワックスの融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保され、同時に、低温での定着を行う場合でもコールドオフセット等を発生させずに安定したトナー画像形成が行える。又、トナー粒子(A)のワックス含有量は、1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは5〜20質量%である。
〈着色剤〉
トナー粒子(A)を構成する着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。好ましくは、以下の着色剤を挙げることができる。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックや、マグネタイト、フェライトなどの磁性粉が挙げられる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、ピグメントレッド48;3、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
上記の着色剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
着色剤の添加量はトナー粒子(A)に対して1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
又、着色剤としては、表面改質されたものを使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、好ましくはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を用いることができる。
〈荷電制御剤〉
本発明に係るトナー粒子(A)中には、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
〈外添剤〉
本発明に係るトナー粒子(A)は、必要に応じ外添剤を混合して用いることもできる。
外添剤の粒径は、トナー粒子(A)の個数基準におけるメディアン径(D50)の0.14倍以下が好ましい。
外添剤の添加により、トナーの流動性や帯電性が改良される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、以下に挙げる無機微粒子や有機微粒子、及び、滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム等の微粒子が好ましいものとして挙げられる。又、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用可能である。
シリカ微粒子としては、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の有機微粒子を使用することができる。好ましくはスチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を挙げることができる。
又、滑剤としては、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー粒子(A)に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。又、外添剤や滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
〈樹脂粒子(B)の作製〉
本発明に係る樹脂粒子(B)は、樹脂粉末を機械式粉砕装置で粉砕し、その後、分級して作製したものが好ましい。
樹脂粒子(B)の円形度と個数基準におけるメディアン径(D50)は、粉砕条件と分級条件で制御することができる。
樹脂粒子(B)を構成する樹脂は、トナー粒子(A)の表面エネルギーの値より小さなものを用いる。樹脂粒子(B)の表面エネルギーの値は、用いる樹脂により決まる。
樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等や、これらの樹脂をブレンドした樹脂を挙げることができる。
尚、樹脂粒子(B)は、トナー粒子(A)と同様、外添剤を添加して作製されたものでも良い。
《トナーの作製》
本発明のトナーは、トナー粒子(A)に樹脂粒子(B)を特定量配合して作製することができる。
トナー粒子(A)に樹脂粒子(B)を配合する配合量は、トナー粒子(A)100質量部に対して樹脂粒子(B)0.05〜5.0質量部が好ましい。
トナー粒子(A)に樹脂粒子(B)を配合し、混合する混合装置としては、公知のヘンシェルミキサ、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
《現像剤の調製》
本発明のトナーは、キャリアとトナーより構成される二成分現像剤として、又、トナーのみから構成される非磁性一成分現像剤として使用することが可能であるが、二成分現像剤が高画質のプリント画像を得るのには好ましい。
本発明で用いられる二成分現像剤は、キャリア100質量部にトナー3〜10質量部を公知の機械式混合機で混合して調製することができる。
二成分現像剤を構成するキャリアは、鉄やフェライト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂などによって被覆した樹脂被覆キャリア、或いは樹脂と磁性粉とを混合して得られる樹脂分散型キャリアいずれのものでも良い。キャリアの平均粒径は体積平均粒径で30〜150μm程度が好ましい。
次に、ブレードクリーニング工程について説明する。
クリーニング工程は、クリーニングされる部材上の残トナーをクリーニングブレードで除去する工程である。
図2は、樹脂粒子(B)がクリーニングブレードのニップ部にせき止め部を形成し、該せき止め部によりトナー粒子(A)がせき止められている状態を示す模式図である。
図2において、1はクリーニングブレード、2はトナー粒子(A)、3は樹脂粒子(B)、4は当接部(ニップ部)、5はクリーニングされる部材(感光体、中間転写体、二次転写部材)、7はクリーニングされる部材の移動方向、8はせき止め部を示す。
図3は、感光体のクリーニング手段の一例を示す概略図である。
図3において、1は感光体、16はクリーニングブレード、θはクリーニングブレードが感光体に当接する当接角を示す。クリーニングブレード16の自由長Lはブレードホルダ17の端部Bから変形しないと仮定したクリーニングブレード(図面では点線で示した)の先端点A’の長さである。Hはクリーニングブレードの厚さを示す。クリーニングブレード当接角θは感光体の当接点Aにおける接線Xと変形しないと仮定したクリーニングブレードとのなす角を表す。食い込み量aは感光体外周Sの半径rと変形しないと仮定したクリーニングブレードの先端点A’を一点とする感光体と同一中心軸Cを中心とした円S11の半径r11との差である。該クリーニングブレードの感光体への当接角θは5〜35°が好ましい。当接角を前記範囲とすることで転写残トナーのクリーニング不良がなく、クリーニングブレード捲れ(クリーニングブレード先端部がカウンター方向から、感光体の回転方向と同方向にもっていかれた状態)も発生せず好ましい。
クリーニングブレードの自由長Lは6〜15mmが好ましく、クリーニングブレードの厚さHは0.5〜10mmが好ましい。
クリーニングブレードの材質としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。これらの中では、ウレタンゴムが、摩耗特性が優れている点で好ましい。
クリーニングブレードの形状及び材質は、トナーの特性、感光体の特性、クリーニングブレードの当接角や当接圧等の種々の条件によって適宜に決定できる。
図4は、中間転写体のクリーニング手段の一例を示す概略図である。
図4において、190Aはクリーニング手段、601はケーシング、602はクリーニングブレード、Lはクリーニングブレードの自由長、Hはクリーニングブレードの厚さ、6は中間転写体、75はバックアップローラを示す。
図4では、ケーシング601に、クリーニング手段190Aを構成する各部材を取り付け、且つ、中間転写体6から除去したトナーを収容する収容部を有する。
602は、ウレタンゴム等の弾性体からなるクリーニングブレードで、ブレードホルダ603に接着剤等により固定されている。
ブレードホルダ603はケーシング601に設けられた支持軸604に回動自在に取り付けられている。
605は押圧バネで、ブレードホルダ603が支持軸604の周りに反時計方向に回動するように付勢し、クリーニングブレード602の先端が、中間転写体6の回転方向と反対方向(カウンター方向)に向いた状態で、バックアップローラ75にバックアップされた中間転写体6に圧接位置Cで圧接するように配設されている。
608はスポンジローラからなるトナーガイド部材であり、中間転写体6の図の矢印で示す回転方向にみて、クリーニングブレード602と中間転写体6との圧接位置Cよりも上流側で、中間転写体6に当接するように配設されている。
スポンジローラ608は、図示しない回転手段により、中間転写体6との当接位置において、中間転写体6と同方向に回転し、且つ、スポンジローラ608の周速が中間転写体6の周速よりも早くなるように構成されている。
609は、ポリエステル樹脂(PET)シートからなるトナー排出規制部材であり、その一端は、スポンジローラ608の表面に、スポンジローラ608と中間転写体6との当接位置と反対側の位置で当接し、他端は、スポンジローラ608の上方に設けられたシート保持部材610に両面テープ等により固定されている。
シート保持部材610は、ケーシング601の突起部611にネジ等により固定されている。
この様な構成により、中間転写体6、クリーニングブレード602、スポンジローラ608、及び、トナー排出規制部材609は、空間Sを形成する。
612はケーシング601の底部に設けられた回収スクリュウであり、ケーシング601の底部に貯溜したトナーを図の紙面に対し垂直方向に搬送し、ケーシング601外へ排出する。
613は、図に示すように、一端が中間転写体6に対向するケーシング601の底部に接着され、他端が中間転写体6に軽く接触するPETからなるトナー受けシートで、ケーシング601内部のトナーが下方に落下することを防止する。
図4において、クリーニングブレードは、その材質がウレタンゴムで、その硬度が74°(JIS、Aゴム硬度)、その先端部の中間転写体に対する当接圧が16.0N/mにセットされる。
図5は、二次転写部材のクリーニング手段の一例を示す概略図である。
二次転写装置70の二次転写部材の形状は特に限定されず、ローラ状のものでもベルト状のものでも用いることができる。
図5において、7Aは二次転写ローラ、6は中間転写体、6Bはバックアップローラ、73B1はクリーニングブレード、Lはクリーニングブレードの自由長、Hはクリーニングブレードの厚さ、7Dは二次転写ベルトを示す。
図5の(a)は、二次転写部材として二次転写ローラ7Aを用いたクリーニング手段を示す。
図5の(a)では二次転写ローラ7Aが中間転写体6を介して、バックアップローラ6Bに圧着される。
二次転写装置70は、前記二次転写ローラ7Aとそのクリーニング手段部71を有し、前記二次転写ローラ7Aの回転軸7Cの位置と前記クリーニング部71におけるクリーニングブレード73B1のクリーニング保持部73Hの回動支軸73Cの位置と該クリーニング保持部73Hに一端を掛けられたバネ74の他端を固定する固定ピン74Pの位置との各位置が、前記二次転写装置70の筐体72に固定されている。
上述の実施の形態においては弾性部材としてのバネ74から形成され、その一端がクリーニング保持部73Hに固定され、他端が筐体72に固定されている。
図5の(a)において、クリーニングブレード73B1は、その材質がウレタンゴムで、自由長Lが9mm、厚さHが2mm、バネ74のバネ力が18.3N/mであり、先端部の二次転写ローラに対する当接圧は13.7N/mにセットされる。
図5の(b)は、二次転写部材として二次転写ベルト7Dを用いたクリーニング手段を示す。
図5の(b)では二次転写ベルト7Dが中間転写体6を介して、バックアップローラ6Bに圧着される。
次に、定着工程について説明する。
定着工程では、加熱ローラと加圧ベルトとで形成されるニップ部のニップ圧が画像支持体の入口側(ニップ部入口側)より排出側(ニップ部出口側)が大きい定着装置(ニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置)を用い、トナー像を画像支持体上に定着する。
好ましい定着装置として、加熱ローラと当該加熱ローラに圧接されてなる加圧ベルトを有し、該加圧ベルトの中に加熱ローラを加圧する加圧機構を有する定着装置を挙げることができる。
この加圧機構により、ニップ部のニップ圧が画像支持体の入口側より排出側が大きくなるよう調整される。
加圧機構としては、画像支持体が排出する側で最大ニップ圧が得られるものであれば特に限定されず、加圧ローラや加圧パッド等を挙げることができる。
以下、ニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置について説明する。
図6は、ニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置の一例を示す模式図である。
図6おいて、11はニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置、12は加熱ローラ、13は加圧ベルト、14は熱源、15はテンションローラ、16はニップ圧Pを得るニップ圧調整機構、17はニップ圧Pを得るニップ圧調整機構、18はニップ圧Pを得るニップ圧調整テンションローラ、Nはニップ部、Pはニップ圧が最大となる圧力、Pはニップ圧が弱い圧力、Tはトナー、Pは画像支持体を示す。
図6の(a)は、ニップ圧Pを得るニップ圧調整機構16により加圧ベルト13が加熱ローラ12に圧接される構造のものである。ニップ部のニップ幅はニップ圧調整機構16と17の構造により決められる。
図6の(b)は、ニップ圧Pを得るニップ圧調整機構を有するテンションローラ18で加熱ローラ12に加圧ベルト13が圧接される構造のものである。ニップ部のニップ幅はテンションローラ間の距離により決められる。
図6の(c)は、ニップ圧Pを得るニップ圧調整機構16により加圧ベルト13が加熱ローラ12に圧接される構造のものである。ニップ部のニップ幅はニップ圧調整機構16と17の構造により決められる。
加熱ローラとしては耐熱性と離型性を有するローラが用いられる。好ましくはテトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類等を被覆した鉄やアルミニウム等で構成される金属シリンダ内部に熱源を有するものを挙げることができる。
加圧ベルトとしては耐熱性と柔軟性を有し、且つ離型性を有するシームレスのベルトが用いられる。好ましくは基材ポリイミドの上に弾性層シリコーンゴムと表面層PFA(パーフルオロアルコキシ)チューブの3層構造のもの、基材ポリエステル、ポリパーフロオロアルキルビニルエーテル、ポリイミド或いはポリエーテルイミドにフッ素樹脂に導電材を添加した離型材層を被覆させた2層構造のものを挙げることができる。
ニップ圧調整機構16としては、画像支持体の入口側より排出側が大きくなるよう調整できるものであれば特に限定されず、好ましくはローラやパッドを挙げることができる。
図7は、図6の(a)に示す定着装置の詳細図である。
図7において、12は加熱ローラ、13は加圧ベルト、16はニップ圧Pを得るニップ圧調整機構、17はニップ圧Pを得るニップ圧調整機構、Nはニップ部、Pはニップ圧が最大となる圧力、Pはニップ圧が弱い圧力、12Cはホルダ、40は潤滑剤供給部材、Tはトナー、Pは画像支持体を示す。
図7に示す定着装置は、加熱ローラ12と加圧ベルト13、及び加圧ベルト13を介して加熱ローラ12にニップ圧が最大(ニップ圧P)となるよう圧接する圧接機構16、ニップ圧が弱く(ニップ圧P)なるよう圧接する圧接機構17、潤滑剤供給部材40とで主要部が構成されている。
加熱ローラ12は、金属製のコア(円筒状芯金)10aの周囲に耐熱性弾性体層10b、及び離型層(耐熱性樹脂層)10cを形成したものであり、コア10aの内部には、加熱源としてのハロゲンランプ14が配置されている。加熱ローラ12の表面の温度は温度センサ15によって計測され、その計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ14がフィードバック制御されて、加熱ローラ12の表面温度が規定の温度になるように調整される。加圧ベルト13は、加熱ローラ12に圧接し、ニップ部Nを形成している。
加圧ベルト13の内側には、低摩擦層を表面に有する圧接機構16と17が加圧ベルト13を介して加熱ローラ12に押圧される状態で配置されている。圧接機構は、ニップ圧Pを得るニップ圧調整機構16とニップ圧Pを得るニップ圧調整機構17から成り、金属製等のホルダ12cに保持されている。
更にホルダ12cには、加圧ベルト11がスムーズに摺動回転するようにベルト走行ガイドが取り付けられている。ベルト走行ガイドは加圧ベルト13内面と摺擦するため摩擦係数が低い部材が望ましく、且つ、加圧ベルト13から熱を奪いにくいように熱伝導の低い部材がよい。
加熱ローラ12は、図示しないモータにより矢印B方向に回転させられ、この回転により加圧ベルト13も従動回転する。図示しない転写装置により画像支持体P上にトナー像Tが転写され、図の右側からニップ部に向けて(矢印A方向)、この画像支持体Pが搬送されてくる。ニップ部に挿通させられた画像支持体P上のトナー像Tは、ニップ部に作用する圧力と、ハロゲンランプ14により加熱ローラ12を通じて与えられる熱とニップ部の圧力により定着させられる。
コア10aとしては鉄、アルミニウムやステンレス等熱伝導率の高い金属製の円筒体を使用することができる。鉄製の場合、外径20〜35mm程度、肉厚0.3〜0.5mm程度のものを使用することができる。使用する材質により強度や熱伝導率が異なるため、最適な寸法は適宜決定すればよい。
コア10aの表面に形成される耐熱性弾性体層10bとしては、耐熱性の高い弾性体であればどのような材料を使用することもできる。特に、ゴム硬度25〜40°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体を用いることが好ましく、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。耐熱性弾性体層10bの厚みとしては、用いる材料のゴム硬度にもよるが0.3〜1.0mm程度が好ましい。
耐熱性弾性体層10bの上に形成される離型層(耐熱性樹脂層)10cとしては、耐熱性の樹脂であればどのような樹脂を用いてもよく、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。離型層10cの離型性や摩耗性を考慮すれば特にフッ素樹脂を用いることが好ましい。フッ素樹脂としては、PFA(パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂)等のフッ素樹脂が使用できるが、耐熱性と加工性の観点よりPFAが最適である。離型層10cの厚みとしては、好ましくは5〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。離型層10cの厚みが5μm未満であると、加熱ローラ10の歪みに基づくシワが発生する可能性があり、又、30μmを超えると離型層10cが硬くなり、光沢ムラ等の画質欠陥が現れる可能性があり、共に好ましくない。離型層10cの形成方法としては、従来公知の如何なる方法も採用することができ、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法、スピンコート法等を挙げることができる。
加圧ベルト13は、ベース層とその表面(加熱ローラ12と接する面、又は両面)に被覆された離型層とから構成されることが好ましい。ベース層はポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等から選ばれ、その厚さは、好ましくは50〜125μm程度、より好ましくは75〜100μm程度である。ベース層の表面に形成される離型層としては、前述の如きフッ素樹脂、例えばPFA等が5〜20μmの厚さでコーティングされたものが好ましい。
又、ニップ部のデュエルタイム(画像支持体の挿通時間)が、30msec以上、特に50〜70msec程度となるようなニップ部の幅好ましい。
ニップ部のニップ幅を上記の範囲とすることで、定着温度を低く、電源を入れてからプリント開始までの立ち上がり速度を速くすることができ好ましい。
圧接機構16はニップ圧がPとなるようスプリング等で加熱ローラ12に圧接される。圧接機構17はニップ圧がPとなるようスプリング等で加熱ローラ12に圧接される。
圧接機構の部材としては、特に限定されず、金属や耐熱性のある樹脂を用いることができる。又、加圧ベルト13の内周面と圧接機構との摺動抵抗を小さくするために、圧接部材の加圧ベルト13と接する面に低摩擦層を設けたものが好ましい。
図8は、図7に示す定着装置のニップ部のニップ圧とニップ幅を示す模式図である。
図8においては、画像支持体が排出する側(ニップ部出口側)でニップ圧が最大となり、画像支持体が挿入される側(ニップ部入り口側)でニップ圧が弱く設定されて圧力分布を示している。
ニップ圧が最大に設定されるPのニップ圧は200〜500Nが好ましい。ニップ圧が弱く設定されるPのニップ圧は50〜200Nが好ましい。
尚、ニップ圧は、定着装置の圧接機構と加圧ベルトの間に圧力測定治具を挿入して測定した値である。
ニップ部の幅は5〜40mmが好ましく、10〜30mmがより好ましい。尚、ニップ圧Pのニップ部の幅は、ニップ圧Pのニップ部の幅より1.5〜5.0倍広いことが好ましい。
《画像形成》
本発明のトナーは、感光体上、中間転写体上、及び二次転写部材上の何れかに残存するトナーをクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程、ニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置を用いた定着工程を有する白黒画像形成方法やカラー画像形成方法の画像形成装置に装填して用いることができる。
ここで、残存するトナーとは、感光体上の転写残トナー、中間転写ベルト上の転写残トナーとパッチ像トナー、及び二次転写部材上の転写残トナーとパッチ像トナーを云う。
カラー画像形成方法では、一定プリントごとにパッチ像を中間転写体上に形成し、このパッチ像の反射濃度を検知センサで測定し、プリント画像の濃度が規定された値になるよう帯電条件や現像条件を制御して高品質のプリント画像を継続して得ている。
詳細には、感光体上に形成されたパッチ像は、中間転写体にそのまま転写され、パッチ像の反射濃度が中間転写体周上に設置された検知センサにより測定される。検知センサにより測定されたパッチ像の反射濃度により帯電条件や現像条件が制御され、安定した高品質のプリント画像が継続して得られるようになっている。
パッチ像の反射濃度が測定された後、中間転写体上のパッチ像トナーは、下記で示す中間転写体のクリーニング手段によりクリーニングされるか、或いは、中間転写体から二次転写部材に転写された後、二次転写部材のクリーニング手段によりクリーニングされる。
以下、本発明のトナーが好ましく用いられるカラー画像形成方法について説明する。
図9は、本発明のトナーを用いたカラー画像形成装置の一例を示す断面概要図である。
先ず、検知センサ、二次転写装置が装着されているカラー電子写真用の画像形成装置についてその概略を説明する。
画像形成装置GSは、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、中間転写体の移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン及び黒色の各カラートナー像を形成する画像形成ユニットを配置し、各画像形成ユニットの像担持体上に形成したカラートナー像を中間転写体上に多重転写して重ね合わせた後、画像支持体上に一括転写するものである。
図において、画像形成装置GSの上部を占める位置に配設される画像読取装置SC上に載置された原稿画像が光学系により走査露光され、ラインイメージセンサCCDに読み込まれ、ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ信号は、画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、画像書込手段としての露光光学系3に画像データ信号を送る。
中間転写体としてはドラム式のものや無端ベルト式のものがあり、何れも同じような機能を有するものであるが、以下の説明においては中間転写体としては無端ベルト状の中間転写6を指すことにする。
又、図において、中間転写体6の周縁部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色毎の画像形成用として4組のプロセスユニット100が設けられている。プロセスユニット100はカラートナー像の形成手段として、図の矢印で示す鉛直方向の中間転写体6の回転方向に対して、中間転写体6に沿って垂直方向に縦列配置され、Y、M、C、Kの順に配置されている。
4組のプロセスユニット100は何れも共通した構造であり、それぞれ、感光体ドラム1と、帯電手段としての帯電器2と、画像書込手段としての露光光学系3と、現像装置4と、像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置190とからなっている。
感光体ドラム1は、例えば外径が40〜100mm程度のアルミニウム等の金属性の部材によって形成される円筒状の基体の外周に、層厚(膜厚)20〜40μm程度の感光層を形成したものである。感光体ドラム1は、図示しない駆動源からの動力により、基体を接地された状態で矢印の方向に、例えば80〜280mm/s程度で、好ましくは220mm/sの線速度で回転される。
感光体ドラム1の周りには、帯電手段としての帯電器2、画像書込手段としての露光光学系3、現像装置4を1組とした画像形成部が、図の矢印にて示す感光体ドラム1の回転方向に対して配置される。
帯電手段としての帯電器2は、感光体ドラム1の回転軸に平行な方向で感光体ドラム1と対峙し近接して取り付けられる。帯電器2は、感光体ドラム1の感光層に対し所定の電位を与えるコロナ放電電極としての放電ワイヤを備え、トナーと同極性のコロナ放電によって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム1に対し一様な電位を与える。
画像書込手段である露光光学系3は、不図示の半導体レーザ(LD)光源から発光されるレーザ光を、回転多面鏡(符号なし)により主走査方向に回転走査し、fθレンズ(符号なし)、反射ミラー(符号なし)等を経て感光体ドラム1上を画像信号に対応する電気信号による露光(画像書込)を行い、感光体ドラム1の感光層に原稿画像に対応する静電潜像を形成する。
現像手段としての現像装置4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性に帯電されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色の2成分現像剤を収容し、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレス或いはアルミニウム材で形成された現像剤担持体である現像ローラ4aを備えている。現像ローラ4aは、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム1と所定の間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム1の回転方向と同方向に回転するようになっており、現像時、現像ローラ4aに対してトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳する現像バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1上の露光部に対して反転現像が行われる。
中間転写体6は、体積抵抗率が1.0×10〜1.0×10Ω・cm程度で、表面抵抗率が1.0×1010〜1.0×1012Ω/□程度の半導電性の無端状(シームレス)の樹脂ベルトが用いられる。樹脂ベルトとしては、変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した厚さ0.05〜0.5mmの半導電性の樹脂フィルムを用いることができる。中間転写体6としては、この他に、シリコーンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。中間転写体6はテンションローラ6a及び二次転写部材と対峙するバックアップローラ6Bを含む複数のローラ部材により巻回され、鉛直方向に回動可能に支持されている。
各色毎の第1の転写手段としての一次転写ローラ7は、例えばシリコーンやウレタン等の発泡ゴムを用いたローラ状の導電性部材からなり、中間転写体6を挟んで各色毎の感光体ドラム1に対向して設けられ、中間転写体6の背面を押圧して感光体ドラム1との間に転写域を形成する。一次転写ローラ7には定電流制御によりトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流定電流が印加され、転写域に形成される転写電界によって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写体6上に転写される。
中間転写体6上に転写されたトナー像は画像支持体Pに転写される。中間転写体6の周上には、パッチ像トナーの濃度を測定する検知センサ8が設置されている。
中間転写体6上の残留トナーをクリーニングするために、クリーニング装置190Aが設けられている。
更に、二次転写部材7A上のパッチ像トナーをクリーニングするために、二次転写装置70が設けられている。
次に、画像形成工程(画像形成プロセス)について説明する。
画像記録のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動によりYの感光体ドラム1が図の矢印で示す方向へ回転され、Yの帯電器2によってYの感光体ドラム1に電位が付与される。Yの感光体ドラム1は電位を付与された後、Yの露光光学系3によって第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Yの感光体ドラム1上にイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像装置4により反転現像され、Yの感光体ドラム1上にイエロー(Y)のトナーからなるトナー像が形成される。Yの感光体ドラム1上に形成されたYのトナー像は一次転写手段としての一次転写ローラ7により中間転写体6上に転写される。
次いで、Mの帯電器2によってMの感光体ドラム1に電位が付与される。Mの感光体ドラム1は電位を付与された後、Mの露光光学系3によって第1の色信号すなわちMの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Mの感光体ドラム1上にマゼンタ(M)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はMの現像装置4により反転現像され、Mの感光体ドラム1上にマゼンタ(M)のトナーからなるトナー像が形成される。Mの感光体ドラム1上に形成されたMのトナー像は、一次転写手段としての一次転写ローラ7によりYのトナー像に重ね合わせて中間転写体6上に転写される。
同様のプロセスにより、Cの感光体ドラム1上に形成されたシアン(C)のトナーからなるトナー像と、Kの感光体ドラム1上に形成された黒色(K)のトナーからなるトナー像が順次中間転写体6上に重ね合わせて形成され、中間転写体6の周面上に、Y、M、C及びKのトナーからなる重ね合わせのカラートナー像が形成される。
転写後のそれぞれの感光体ドラム1の周面上に残ったトナーは感光体クリーニング装置190によりクリーニングされる。
一方、給紙カセット20A、20B、20C内に収容された記録紙としての画像支持体Pは、給紙カセット20A、20B、20Cにそれぞれ設けられる送り出しローラ21及び給紙ローラ22Aにより給紙され、搬送路22上を搬送ローラ22B、22C、22Dによって搬送され、レジストローラ23を経て、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される二次転写手段としての二次転写部材7Aに搬送され、二次転写部材7Aの転写域において、中間転写体6上に形成された重ね合わせのカラートナー像(カラー画像)が画像支持体P上に一括して転写される。
カラー画像が転写された画像支持体Pは、定着装置17の加熱ローラ17aと加圧ベルト17bとにより形成されるニップ部において加熱加圧されて定着され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
二次転写手段としての二次転写部材7Aにより画像支持体P上にカラー画像が転写された後、画像支持体Pを曲率分離した中間転写体6上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置190Aにより除去される。
更に、二次転写部材7A上のパッチ像トナーは、二次転写装置70のクリーニングブレード71によりクリーニングされる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
《トナーの作製》
トナーは、以下のようにして作製した。
〈トナー粒子(A)の作製〉
(樹脂粒子分散液1の作製)
スチレン201質量部、ブチルアクリレート117質量部、メタクリル酸18.3質量部を混合し、このモノマー混合液を撹拌しつつ80℃に加温し、ベヘン酸ベヘニル172質量部を徐々に添加して溶解した。
次いで、アニオン界面活性剤「ドデシルベンゼンスルホン酸」3質量部を純水1182質量部に溶解してなる界面活性剤水溶液を80℃に加温し、上記モノマー溶液を加えて、高速撹拌を行い、モノマー分散液を調製した。
次いで、撹拌装置、冷却管、温度センサ、窒素導入管を備えた重合装置に純水867.5質量部を投入し、窒素気流下で撹拌を行いながら内温を80℃にした。この重合装置に上記モノマー分散液を投入し、過硫酸カリウム8.55質量部を純水162.5質量部に溶解した重合開始剤水溶液を投入した。
重合開始剤水溶液投入後、n−オクチルメルカプタン5.2質量部を35分間かけて添加し、更に80℃で重合を2時間行った。更に、過硫酸カリウム9.96質量部を純水189.3質量部に溶解した重合開始剤水溶液を添加し、スチレン366.1質量部、ブチルアクリレート179.1質量部、n−オクチルメルカプタン7.2質量部を混合したモノマー溶液を1時間かけて滴下した。前記モノマー溶液を滴下した後、2時間重合処理を続けた後、室温まで冷却し「樹脂粒子分散液1」を作製した。
(シェル用樹脂粒子分散液の作製)
撹拌装置、冷却管、窒素導入管、温度センサを備えた反応装置に、純水2948質量部、アニオン界面活性剤「ドデシルベンゼンスルホン酸」1質量部を添加して撹拌溶解させた後、窒素気流下で80℃に加温した。次いで、スチレン520質量部、ブチルアクリレート184質量部、メタクリル酸96質量部、n−オクチルメルカプタン22.1質量部を混合したモノマー溶液と、過硫酸カリウム10.2質量部を純水218質量部に溶解した重合開始剤水溶液を用意した。重合開始剤水溶液を前記反応装置に投入後、前記モノマー混合液を3時間かけて滴下し、更に1時間重合を行った後、室温まで冷却して、「シェル用樹脂粒子分散液」を作製した。シェル用樹粒子の重量平均分子量は13,200、質量平均粒径は82nmであった。
(シアン着色剤分散液の調製)
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部を純水1600質量部に溶解し、「C.I.ピグメントブルー15:3」25質量部を徐々に添加し、次いで、「クリアミックスWモーションCLM−0.8(エムテクニック社製)」を用いて個数基準におけるメディアン径153nmの「シアン着色剤分散液」を調製した。
(マゼンタ着色剤分散液の調製)
前記シアン着色剤分散液の調製において用いたC.I.ピグメントブルー15:3を「C.I.ピグメントレッド122」に変えた他は同様の手順により、個数基準におけるメディアン径183nmの「マゼンタ着色剤分散液」を調製した。
(イエロー着色剤分散液の調製)
前記シアン着色剤分散液の調製において用いたC.I.ピグメントブルー15:3を「C.I.ピグメントイエロー74」に変えた他は同様の手順により、個数基準におけるメディアン径177nmの「イエロー着色剤分散液」を調製した。
(黒着色剤分散液の調製)
前記シアン着色剤分散液の調製において用いたC.I.ピグメントブルー15:3をカーボンブラック「モーガルL」に変えた他は同様の手順により、個数基準におけるメディアン径167nmの「黒着色剤分散液」を調製した。
(トナー粒子(A)C1の作製)
上記で作製した「樹脂粒子分散液1」を固形分換算で357質量部、イオン交換水900質量部、前記「シアン着色剤分散液」を固形分換算で200質量部を、撹拌装置、温度センサ、冷却管を装着した反応装置に投入した。容器内の温度を30℃に保持して、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調製した。
次に、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を撹拌下、10分間かけて滴下した後、75℃まで昇温させて前記粒子を凝集、融着させた。このまま「コールターカウンター3」(ベックマン・コールター社製)を用い、個数基準におけるメディアン径(D50)が5.3μmになるまで加熱撹拌を続けた。
個数基準におけるメディアン径(D50)が5.3μmに到達した時点で、「シェル用樹脂粒子分散液」を固形分換算で210質量部添加し、1時間撹拌を行ってシェル用粒子を表面に融着させた。更に、30分間そのまま撹拌を継続させてシェルが完全に形成された後、塩化ナトリウム40質量部をイオン交換水500質量部に溶解させた塩化ナトリウム水溶液を添加し、内温を78℃に昇温して撹拌を1時間続けた後、室温(25℃)に冷却して粒子を形成した。生成した粒子をイオン交換水で繰り返し洗浄した後、35℃の温風で乾燥して、「トナー母体粒子(A)C1」を作製した。
「トナー母体粒子(A)C1」に、疎水性シリカ(数平均一次粒径12nm、疎水化度68)を1質量%、及び、疎水性酸化チタン(数平均一次粒径20nm、疎水化度64)を1質量%添加した。「ヘンシェルミキサ」(三井三池化工機(株)製)を用いて混合処理を行った後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、「トナー粒子(A)C1」を作製した。
得られたトナー粒子(A)C1の個数基準におけるメディアン径(D50)を「コールターカウンター3」(ベックマン・コールター社製)を用いて測定したところ5.5μmであった。又、得られたトナー粒子(A)C1の円形度を「FPIA2000()Sysmex社製)で測定したところ0.97であった。
(トナー粒子(A)C2〜C6の作製)
トナー粒子(A)C1の作製において、凝集、融着条件を変更した以外は同様にして「トナー粒子(A)C2〜5」を作製した。
(トナー粒子(A)C6の作製)
ポリエステル樹脂100質量部、「C.I.ピグメントブルー15:3」3.5質量部、サルチル酸亜鉛塩(帯電制御剤)2質量部、カルナウバワックス5質量部をヘンシェルミキサ混合機により充分に混合した後、連続式の2軸押出し機「KTK型2軸押出し機」(神戸製鋼所社製)を用いて混合材料をよく混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機により分級して粒子を得た。この粒子を図1に記載の円形度制御装置で球形化処理を行い「トナー粒子(A)C6」を作製した。
トナー粒子(A)C6の個数基準におけるメディアン径(D50)を「コールターカウンター3」ベックマン・コールター社製)を用いて測定したところ5.5μmであった。又、トナー粒子(A)C6の円形度を「FPIA2000」(Sysmex社製)で測定したところ0.94であった。
(トナー粒子(A)M1〜M6の作製)
トナー粒子(A)C1〜C6の作製で用いた「シアン着色剤分散液」或いはC.I.ピグメントブルー15:3を、「マゼンタ着色剤分散液」或いは「C.I.ピグメントレッド122」に変更した以外は同様にして「トナー粒子(A)M1〜M6」を作製した。
(トナー粒子(A)Y1〜Y6の作製)
トナー粒子(A)C1〜C6の作製で用いた「シアン着色剤分散液」或いはC.I.ピグメントブルー15:3を、「イエロー着色剤分散液」或いは「C.I.ピグメントイエロー74」に変更した以外は同様にして「トナー粒子(A)Y1〜Y6」を作製した。
(トナー粒子(A)K1〜K6の作製)
トナー粒子(A)C6の作製で用いた「シアン着色剤分散液」或いはC.I.ピグメントブルー15:3を、「黒着色剤分散液」或いは「モーガルL」に変更した以外は同様にして「トナー粒子(A)K1〜K6」を作製した。
表1に、「トナー粒子(A)C1〜C6」の円形度、個数基準におけるメディアン径(D50)、表面エネルギーの値を示す。
Figure 0005326750
尚、円形度、個数基準におけるメディアン径(D50)、表面エネルギーの値は前記の方法で測定して得られた値である。
「トナー粒子(A)M1〜M6」、「トナー粒子(A)Y1〜Y6」及び「トナー粒子(A)K1〜K6」の円形度、個数基準におけるメディアン径(D50)、表面エネルギーの値は「トナー粒子(A)C1〜C6」と同じであったので省略する。
〈樹脂粒子(B)の作製〉
(樹脂粒子(B)1の作製)
ポリエチレン樹脂粉末を機械式粉砕装置で粉砕し、その後分級し、個数基準におけるメディアン径(D50)が2.0μm、円形度が、0.80の「樹脂粒子(B)1」を作製した。
(樹脂粒子(B)2〜10の作製)
樹脂粒子(B)1の作製時の粉砕、分級条件を変更して「樹脂粒子(B)2〜10」を作製した。
(樹脂粒子(B)11の作製)
ポリエチレン・アクリル樹脂粉末を機械式粉砕装置で粉砕し、その後分級し、個数基準におけるメディアン径(D50)が2.0μm、円形度が、0.80の「樹脂粒子(B)11」を作製した。
(樹脂粒子(B)12の作製)
アクリル・スチレン樹脂粉末を機械式粉砕装置で粉砕し、その後分級し、個数基準におけるメディアン径(D50)が2.0μm、円形度が、0.80の「樹脂粒子(B)12」を作製した。
表2に、「樹脂粒子(B)1〜12」の円形度、個数基準におけるメディアン径(D50)、表面エネルギーの値を示す。
Figure 0005326750
尚、円形度、個数基準におけるメディアン径(D50)、Tm、表面エネルギーの値は前記の方法で測定して得られた値である。
〈トナーの作製〉
上記で作製したトナー粒子(A)Cと樹脂粒子(B)を表3に示すような割合で配合し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)を用い、20℃、50%RHの環境で、周速40m/sで5分間混合して「トナーC1〜C18」を作製した。
表3に、作製したトナーの配合量、トナー粒子(A)Cと樹脂粒子(B)の表面エネルギーの値の差等を示す。
Figure 0005326750
尚、「トナーM1〜M18」、「トナーY1〜Y18」及び「トナーK1〜K18」も「トナーC1〜C18」と同様にして作製した。
〈現像剤の調製〉
次に、上記で作製した各色トナーの各々とフェライト粒子にスチレンアクリル樹脂で樹脂被覆した平均粒径35μmのキャリアとをトナー濃度が8質量%となる様になるよう混合処理して、「各色現像剤1〜18」を作製した。
《評価》
評価用画像形成装置として、市販のデジタルプリンタ「bizhub Pro C500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株))製」に、図9に示すパッチ像の検知センサ、図5(a)に示す二次転写部材をクリーニングするクリーニング手段、図7のニップ圧調整ローラ・ベルト定着装置を取り付けたものを準備した。
尚、Pのニップ圧は400N、Pのニップ圧は100Nに設定した。加圧ベルトの表面温度は180℃に設定した。
上記画像形成装置に、上記で作製したトナーと現像剤を順次装填し、常温常湿(20℃、50%RH)のプリント環境で、印字率10%の文字画像をA4判の上質紙(64g/mの画像支持体)に40万枚プリントした。
尚、パッチ像の大きさは4色とも1.5cm×1.5cmとし、パッチ像の形成は1000枚プリント毎に行った。パッチ像トナーは、中間転写体から二次転写部材に転写させるように設定した。
〈クリーニング性〉
クリーニング性は、40万枚プリント終了後、常温常湿(20℃、50%RH)のプリント環境で印字率10%の文字画像とパッチ像を形成し、クリーニングブレードでクリーニングした後、感光体、中間転写体及び二次転写部材の表面を目視観察し、パッチ像トナー及び転写残トナーのクリーニング性を評価した。
評価基準
◎:感光体、中間転写体及び二次転写部材の表面に、クリーニング不良がなく良好
○:感光体、中間転写体及び二次転写部材の表面に、クリーニング不良がやや見られるが実用上問題なし
×:感光体、中間転写体及び二次転写部材の表面の何れかに、クリーニング不良が発生し、実用上問題あり。
〈かぶり〉
クリーニング不良に起因するかぶりは、40万枚プリント終了後、A4判の上質紙を白紙のまま通紙し、文字画像部とパッチ像部に相当する場所の濃度と、画像支持体の白紙濃度の差で評価した。
画像支持体の白紙濃度はA4判の20カ所を測定し、その平均値を白紙濃度とし、文字画像部とパッチ像部に相当する濃度は、文字画像部とパッチ像部に相当する場所を各々4カ所測定し、その平均値をかぶり濃度とする。濃度測定は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。尚かぶりの評価は、実用上問題が無いかぶり濃度0.03以下を合格とする。
〈低温オフセット〉
プリントの初期に、加圧ベルトの表面温度を140℃に設定し、印字率10%の文字画像を100枚連続してプリントを行い、プリント画像上に発生した低温オフセットの程度を目視で判定した。
評価基準
◎:低温オフセットの発生がほとんど見られないもの
○:低温オフセットの発生が少し見られるが、実用上問題無いもの
×:低温オフセットの発生がはっきりみられ、実用上問題の有るもの。
〈高温オフセット〉
プリントの初期に、定着ベルトの表面温度を200℃に設定し、印字率10%の文字画像を100枚連続してプリントを行い、プリント画像上に発生した高温オフセットの程度を目視で判定した。
評価基準
◎:高温オフセットの発生がほとんど見られないもの
○:高温オフセットの発生が少し見られるが、実用上問題無いもの
×:高温オフセットの発生がはっきりみられ、実用上問題の有るもの。
〈画像濃度〉
画像濃度は、40万枚プリント終了後、常温常湿(20℃、50%RH)のプリント環境でべた黒画像をプリントし、べた黒画像濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて12点測定して評価した。尚、画像濃度の評価は、実用上問題が無い1.20以上を合格とする。
表4に、評価結果を示す。
Figure 0005326750
表4の評価結果から、本発明の「実施例1〜12」は、全ての評価項目で問題無いことが判る。一方本発明の「比較例1〜6」は評価項目の何れかに問題が有り、本発明の目的を達成できていないことが判る。
1 クリーニングブレード
2 トナー粒子(A)
3 樹脂粒子(B)
4 当接部(ニップ部)
5 クリーニングされる部材(感光体、中間転写体、二次転写部材)
7 クリーニングされる部材の移動方向
8 せき止め部

Claims (8)

  1. 少なくともブレードクリーニング工程と、
    加熱ローラと加圧ベルトとで形成されるニップ部のニップ圧が画像支持体の入口側より排出側が大きい定着装置を用いる定着工程を有する画像形成方法に用いられるトナーにおいて、
    該トナーは、少なくともトナー粒子(A)と樹脂粒子(B)とを有し、
    該トナー粒子(A)の円形度が0.93〜0.99で、個数基準におけるメディアン径(D50)が3.0〜8.0μmであり、
    該樹脂粒子(B)の円形度が0.70〜0.92であり、
    該樹脂粒子(B)の個数基準におけるメディアン径(D50)がトナー粒子(A)の個数基準におけるメディアン径(D50)の0.15〜0.60倍であり、
    該樹脂粒子(B)の表面エネルギーの値がトナー粒子(A)の表面エネルギーの値よりも小さいことを特徴とするトナー。
  2. 前記樹脂粒子(B)の表面エネルギーの値が、トナー粒子(A)の表面エネルギーの値よりも3×10−3N/m以上小さいことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記樹脂粒子(B)のDSC測定における1stデータのピークトップ温度が、95〜140℃の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記樹脂粒子(B)が、ポリエチレン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のトナー。
  5. 前記トナー粒子(A)が、ワックスを含有していることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のトナー。
  6. 前記トナーが、トナー粒子(A)100質量部に対して樹脂粒子(B)を0.05〜5.0質量部配合したものであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のトナー。
  7. 前記請求項1〜6の何れかに記載のトナーとキャリアを用いて調製されたもので有ることを特徴とする現像剤。
  8. 前記請求項1〜6の何れかに記載のトナーを用いて画像形成することを特徴とする画像形成方法。
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