JP2001265145A - トナーおよび画像形成方法 - Google Patents

トナーおよび画像形成方法

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JP2001265145A JP2000074148A JP2000074148A JP2001265145A JP 2001265145 A JP2001265145 A JP 2001265145A JP 2000074148 A JP2000074148 A JP 2000074148A JP 2000074148 A JP2000074148 A JP 2000074148A JP 2001265145 A JP2001265145 A JP 2001265145A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーンオイルを供給しない定着装置によ
り定着する工程を含む画像形成方法に使用されるトナー
であって、画像汚れおよび画像不良のない良好な画像を
長期にわたり形成することができるトナーを提供するこ
とにある。 【解決手段】 画像形成支持体上のトナー像を定着装置
により定着する工程を含む画像形成方法に使用されるト
ナーにおいて、前記定着装置は、加熱ローラーと加圧ロ
ーラーとを備え、前記加熱ローラーは、内径が10〜7
0mm、厚さが0.1〜2mmである芯金表面にフッ素
樹脂を10〜500μmの厚さで被覆してなり、前記加
圧ローラーは、アスカーC硬度が80°未満の弾性体を
0.1〜30mmの厚みで芯金表面に被覆してなり、少
なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有し、結着樹
脂中に離型剤を含有する樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析
/融着させて得られることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトナーおよび画像形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱ロール定着方式によりトナー像
を定着する場合において、オフセット現象の発生を防止
するための手段として、定着装置における加熱ローラー
の表面にシリコーンオイルを塗布し、当該加熱ローラー
にトナーに対する離型性を付与することが知られてい
る。かかる方法は、使用するトナーの種類が制限されな
い点で有利である。
【0003】しかしながら、このような方法では、長期
にわたり加熱ローラーの表面に供給されるシリコーンオ
イルが変質(ゲル化)し、加熱ローラーに付与された離
型性が経時的に低下してオフセットが発生し、形成画像
に画像汚れが発生するようになる。この結果、シリコー
ンオイルを塗布しない態様に比べて、定着装置自体の寿
命も短くなる。また、シリコーンオイル中に含まれる揮
発しやすい成分が、加熱ローラー表面の熱によって揮発
し、光学系や帯電極などに付着してこれらを汚染し、画
像不良を発生させるという問題もある。
【0004】以上のような観点から、シリコーンオイル
を定着装置(加熱ローラー)に供給しない、または、定
着装置へ供給するシリコーンオイルの量をきわめて低い
ものとすることが要請されている。
【0005】このような要請に対して、トナーに離型剤
を添加することにより、トナー自体に離型性を付与する
ことが広く行われている。ここに、離型剤の添加効果を
最大限に発揮させるためには、トナー中における離型剤
がドメイン状態で存在していることが必要である。この
ため、離型剤と、トナーを構成する結着樹脂とは一般的
に非相溶性である。
【0006】従来、結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有
するトナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを混合し、
溶融混練し、粉砕し、必要に応じて分級する方法(以
下、「混練粉砕法」ともいう。)により製造されてい
る。
【0007】この混練粉砕法では、結着樹脂に対して非
相溶性の離型剤が当該結着樹脂中に分散されたものを粉
砕してトナー粒子とするために、当該トナー粒子は、粒
子間において、離型剤の分散状態(分散領域・分散量)
および表面状態にバラツキのある不均質なものとなりや
すい。
【0008】そして、このような不均質な粒子群からな
るトナーを、長期にわたる画像形成に供する場合には、
微小なオフセット成分が加熱ローラーに付着し、当該付
着物が加熱ローラーおよび/または加圧ローラーの表面
に蓄積される結果、画像不良が発生するという問題があ
る。このような問題は、高速で定着を行う場合に、過度
な定着熱の供給による高温側オフセットの発生や、小サ
イズの転写紙から大サイズの転写紙への切り替え時の端
部蓄熱等の影響を受けることにより発生しやすい。
【0009】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものである。本発明の目的は、シリコーンオイルを供
給しない、または、シリコーンオイルの供給量がきわめ
て低い定着装置により定着画像を形成する工程を含む画
像形成方法に使用されるトナーであって、画像汚れおよ
び画像不良のない良好な画像を長期にわたり形成するこ
とができ、かつ、定着装置の長寿命化を図ることができ
るトナーを提供することにある。本発明の他の目的は、
シリコーンオイルを供給しない、または、シリコーンオ
イルの供給量がきわめて低い定着装置により定着画像を
形成する工程を含む画像形成方法であって、画像汚れお
よび画像不良のない良好な画像を長期にわたり形成する
ことができ、かつ、定着装置の長寿命化を図ることがで
きる画像形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のトナーは、感光
体上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像
し、前記感光体上に形成されたトナー像を画像形成支持
体に転写し、転写されたトナー像を定着装置により定着
する工程を含む画像形成方法に使用されるトナーにおい
て、前記定着装置は、加熱ローラーと、この加熱ローラ
ーに当接する加圧ローラーとを備え、前記加熱ローラー
は、内径が10〜70mm、厚さが0.1〜2mmであ
る金属または合金で形成された芯金の表面にフッ素樹脂
を10〜500μmの厚さで被覆し、固定配置された加
熱部材を内包してなり、前記加圧ローラーは、アスカー
C硬度が80°未満の弾性体を0.1〜30mmの厚み
で芯金の表面に被覆してなり、少なくとも結着樹脂と着
色剤と離型剤とを含有し、結着樹脂中に離型剤を含有す
る樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析/融着させて得られ
ることを特徴とする。
【0011】本発明のトナーにおいては、前記定着装置
を構成する加熱ローラーへのシリコーンオイルの供給量
が2mg/A4以下であることが好ましい。
【0012】本発明の画像形成方法は、感光体上に形成
された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像し、前記感
光体上に形成されたトナー像を画像形成支持体に転写
し、転写されたトナー像を定着装置により定着する工程
を含む画像形成方法において、前記定着装置は、加熱ロ
ーラーと、この加熱ローラーに当接する加圧ローラーと
を備え、前記加熱ローラーは、内径が10〜70mm、
厚さが0.1〜2mmである金属または合金で形成され
た芯金の表面にフッ素樹脂を10〜500μmの厚さで
被覆し、固定配置された加熱部材を内包してなり、前記
加圧ローラーは、アスカーC硬度が80°未満の弾性体
を0.1〜30mmの厚みで芯金の表面に被覆してな
り、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型
剤とを含有し、結着樹脂中に離型剤を含有する樹脂粒子
と、着色剤粒子とを塩析/融着させて得られるものであ
ることを特徴とする。
【0013】本発明の画像形成方法においては、前記定
着装置を構成する加熱ローラーへのシリコーンオイルの
供給量が2mg/A4以下であることが好ましい。
【0014】本発明において、「塩析/融着」とは、塩
析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが同時
に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせ
る行為をいう。塩析と融着とを同時に行わせるために
は、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)
以上の温度条件下において粒子(樹脂粒子、着色剤粒
子)を凝集させる必要がある。
【0015】本発明者らが鋭意検討した結果、上記目的
を、トナーを改良することにより達成することができた
ものである。すなわち、本発明者らは、定着時のオフセ
ット現象を効果的に排除するためのトナーに必要な構成
について検討した。その結果、離型剤を含有する樹脂粒
子を着色剤粒子とともに水系媒体中で塩析/融着させた
会合型トナーを使用することで、オフセット現象を効果
的に抑制することができるとともに、広い定着性を確保
することができ、トナー間の接着性を向上させることが
できることを見出した。また、離型剤を含有させた樹脂
粒子を着色剤粒子とともに水系媒体中で塩析/融着させ
てトナー粒子を構成することにより、当該トナー粒子間
における離型剤の分散状態および表面状態のバラツキを
抑制することができ、結果として、長期にわたるオフセ
ットトナーの蓄積を抑制することができたものである。
【0016】本発明のトナーは、結着樹脂に対して非相
溶性の離型剤を含有したものであるにもかかわらず、ト
ナー粒子間における離型剤の分散状態を均一化させるこ
とができる。この結果、トナー粒子間における耐オフセ
ット性および定着性のバラツキを最小限に抑えることが
でき、本発明の目的を達成することができる。すなわ
ち、離型剤を含有する樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析
/融着させて得られるトナーを使用することにより、離
型剤を微細なドメイン構造でトナー中に存在させること
ができるとともに、トナー粒子間における離型剤の分散
状態(分散領域・分散量)および表面状態のバラツキを
少なくすることができることを見出した。その結果、ト
ナー粒子間における離型性の差および定着性の差を少な
くすることができ、長期にわたる画像形成で使用される
場合であっても微細なオフセットの発生を抑制すること
ができるため、加熱ローラーおよび加圧ローラーの表面
汚れを抑えることができるものである。
【0017】また、定着装置を構成する加熱ローラーと
して、フッ素樹脂を10〜500μmの厚さで芯金表面
に被覆したもの(ハードローラー)を使用し、加圧ロー
ラーとして、アスカーC硬度が80°未満である弾性体
を0.1〜30mmの厚さで芯金表面に被覆してなる加
圧ローラー(ソフトローラー)を使用することにより、
これらにより形成される広いニップ幅によって、良好な
定着性が発揮されるとともに、定着装置自体の耐久性を
高くすることができるものである。しかし、このような
加熱ローラーと加圧ローラーとの組合せでは、加圧ロー
ラー(ソフトローラー)が窪んだニップ形状になり、定
着剥離部の剥離角度が大きくなり、オフセット現像を発
生させやすい状態となる。このため、本発明では、特定
の会合トナー(本発明のトナー)を使用することによ
り、トナー中における離型剤の分散状態を均一化させ、
結果として剥離角度の高い定着装置を使用した場合で
も、オフセットの発生を抑制したままで、定着性を向上
することができるものである。
【0018】
【作用】(1)本発明のトナーは、塩析/融着法による
会合型トナーであるので、トナー粒子間において表面状
態(表面組成)にバラツキがない。この結果、優れた定
着性が発揮され、この定着性がトナー粒子間でばらつく
ことはない。 (2)本発明のトナーは、離型剤を含有する樹脂粒子を
塩析/融着法により会合して得られるので、離型剤の分
散状態はきわめて均一なものとなる。この結果、優れた
耐オフセット性が発揮され、この耐オフセット性がトナ
ー粒子間でばらつくことはない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <定着装置>本発明のトナーは、特定の定着装置による
定着工程を含む画像形成方法(本発明の画像形成方法)
に使用される。図1は、本発明において使用する定着装
置の一例を示す断面図であり、図1に示す定着装置は、
加熱ローラー10と、これに当接する加圧ローラー20
とを備えている。なお、図1において、Tは転写紙(画
像形成支持体)上に形成されたトナー像である。
【0020】加熱ローラー10は、フッ素樹脂からなる
被覆層12が芯金11の表面に形成されてなり、線状ヒ
ーターよりなる加熱部材13を内包している。
【0021】芯金11は、金属から構成され、その内径
は10〜70mmとされる。芯金11を構成する金属と
しては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アル
ミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げるこ
とができる。芯金11の肉厚は0.1〜2mmとされ、
省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依
存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.
57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウ
ムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8
mmとする必要がある。
【0022】被覆層12を構成するフッ素樹脂として
は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびP
FA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体)などを例示することができ
る。被覆層12の厚みは10〜500μmとされ、好ま
しくは20〜400μmとされる。被覆層12の厚みが
10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発
揮することができず、定着装置としての耐久性を確保す
ることができない。一方、500μmを超える被覆層の
表面には紙粉によるキズがつきやすく、当該キズ部にト
ナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する
問題がある。
【0023】加熱部材13としては、ハロゲンヒーター
を好適に使用することができる。
【0024】加圧ローラー20は、弾性体からなる被覆
層22が芯金21の表面に形成されてなる。被覆層22
を構成する弾性体としては特に限定されるものではな
く、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴム
およびスポンジゴムを挙げることができ、被覆層12を
構成するものとして例示したシリコーンゴムおよびシリ
コーンスポンジゴムを用いることが好ましい。
【0025】被覆層22を構成する弾性体のアスカーC
硬度は、80°未満とされ、好ましくは70°未満、更
に好ましくは60°未満とされる。また、被覆層22の
厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜2
0mmとされる。被覆層22を構成する弾性体のアスカ
ーC硬度が80°を超える場合、および被覆層22の厚
みが0.1mm未満である場合には、定着のニップを大
きくすることができず、ソフト定着の効果を発揮するこ
とができない。
【0026】芯金21を構成する材料としては特に限定
されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金
属またはそれらの合金を挙げることができる。
【0027】加熱ローラー10と加圧ローラー20との
当接荷重(総荷重)としては、通常40〜350Nとさ
れ、好ましくは50〜300N、さらに好ましくは50
〜250Nとされる。この当接荷重は、加熱ローラー1
0の強度(芯金11の肉厚)を考慮して規定され、例え
ば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラーに
あっては、250N以下とすることが好ましい。
【0028】また、耐オフセット性および定着性の観点
から、ニップ幅としては4〜10mmであることが好ま
しく、当該ニップの面圧は0.6×105 Pa〜1.5
×105 Paであることが好ましい。
【0029】図1に示した定着装置による定着条件の一
例を示せば、定着温度(加熱ローラー10の表面温度)
が150〜210℃とされ、定着線速が80〜640m
m/secとされる。
【0030】本発明において使用する定着装置には、必
要に応じてクリーニング機構を付与してもよい。この場
合には、シリコーンオイルを定着部の上ローラー(加熱
ローラー)に供給する方式として、シリコーンオイルを
含浸したパッド、ローラー、ウェッブ等で供給し、クリ
ーニングする方法が使用できる。シリコーンオイルとし
ては耐熱性の高いものが使用され、ポリジメチルシリコ
ーン、ポリフェニルメチルシリコーン、ポリジフェニル
シリコーン等が使用される。粘度の低いものは使用時に
流出量が大きくなることから、20℃における粘度が1
〜100Pa・sのものが好適に使用される。
【0031】但し、本発明による効果は、シリコーンオ
イルを供給しない、または、シリコーンオイルの供給量
がきわめて低い定着装置により、画像を形成する工程を
含む場合に特に顕著に発揮される。従って、シリコーン
オイルを供給する場合であっても、その供給量は2mg
/A4以下とすることが好ましい。シリコーンオイルの
供給量を2mg/A4以下とすることにより、定着後の
転写紙(画像形成支持体)に対するシリコーンオイルの
付着量が少なくなり、転写紙へ付着したシリコーンオイ
ルによるボールペン等の油性ペンの記入しずらさがな
く、加筆性が損なわれることはない。また、シリコーン
オイルの変質による耐オフセット性の経時的な低下、シ
リコーンオイルによる光学系や帯電極の汚染などの問題
を回避することができる。
【0032】ここに、シリコーンオイルの供給量は、所
定温度に加熱した定着装置(ローラー間)に転写紙(A
4サイズの白紙)を連続して100枚通過させ、通紙前
後における定着装置の質量変化(Δw)を測定して算出
される(Δw/100)。
【0033】<画像形成方法および画像形成装置>図2
は、本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装
置の概略構成図である。同図において、34は感光体で
あり、静電潜像形成体の代表例である。この感光体34
は、アルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層で
ある有機光導電体(OPC)を形成してなるもので、矢
印方向に所定の速度で回転する。本実施態様において、
感光体34の外径は60mmである。図2に示した画像
形成装置において、図示しない原稿読み取り装置で読み
取った画像情報に基いて、半導体レーザ光源31から露
光光が発せられる。これをポリゴンミラー32により、
図2の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正す
るfθレンズ33を介して、感光体34の表面上に照射
して静電潜像を形成する。感光体34は、あらかじめ帯
電器35により一様帯電され、像露光のタイミングにあ
わせて時計方向に回転を開始している。感光体34の表
面上の静電潜像は現像器36により現像され、形成され
たトナー像は、タイミングを合わせて搬送されてきた記
録材(画像形成支持体)38に転写器37の作用により
転写される。さらに感光体34と記録材38は分離器
(分離極)39により分離されるが、トナー像は記録材
38に転写担持されて、定着装置40(図1に示したよ
うな構成の定着装置)へと導かれ定着される。感光体3
4の表面に残留した未転写のトナー等は、クリーニング
ブレード方式のクリーニング器41にて清掃され、帯電
前露光(PCL)42にて残留電荷を除き、次の画像形
成のため再び帯電器35により、一様帯電される。な
お、記録材は代表的には普通紙であるが、現像後の未定
着像を転写可能なものなら、特に限定されず、OHP用
のPETベース等も無論含まれる。また、クリーニング
ブレード43は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体
からなり、ウレタンゴムが最もよく用いられる。
【0034】<トナー>本発明のトナーは、結着樹脂と
着色剤と離型剤とを含有するトナーであって、結着樹脂
中に離型剤を含有する樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析
/融着させて得られる会合型の粒子から構成される。
【0035】<離型剤>本発明のトナーを構成する離型
剤としては、特に限定されるものではないが、下記一般
式(1)で示される結晶性のエステル化合物(以下、
「特定のエステル化合物」という。)からなるものであ
ることが好ましい。
【0036】一般式(1):R1 −(OCO−R2 n
【0037】(式中、R1 およびR2 は、それぞれ、置
換基を有していてもよい炭素数が1〜40の炭化水素基
を示し、nは1〜4の整数である。)
【0038】<特定のエステル化合物>特定のエステル
化合物を示す一般式(1)において、R1 およびR
2 は、それぞれ、置換基を有していてもよい炭化水素基
を示す。炭化水素基R1 の炭素数は1〜40とされ、好
ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5とされる。炭
化水素基R2 の炭素数は1〜40とされ、好ましくは1
6〜30、更に好ましくは18〜26とされる。また、
一般式(1)において、nは1〜4の整数とされ、好ま
しくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましく
は4とされる。特定のエステル化合物は、アルコールと
カルボン酸との脱水縮合反応により好適に合成すること
ができる。
【0039】特定のエステル化合物の具体例としては、
下記式1)〜22)に示す化合物を例示することができ
る。
【0040】
【化1】
【0041】
【化2】
【0042】
【化3】
【0043】<離型剤の含有割合>本発明のトナーにお
ける離型剤の含有割合としては、通常1〜30質量%と
され、好ましくは2〜20質量%、更に好ましくは3〜
15質量%とされる。
【0044】<離型剤を含有する樹脂粒子>本発明にお
いて「離型剤を含有する樹脂粒子」は、結着樹脂を得る
ための単量体中に離型剤を溶解させ、得られる単量体溶
液を水系媒体中に分散させ、この系を重合処理すること
により、ラテックス粒子として得ることができる。かか
る樹脂粒子の重量平均粒径は50〜2000nmである
ことが好ましい。結着樹脂中に離型剤を含有する樹脂粒
子を得るための重合法としては、乳化重合法、懸濁重合
法、シード重合法などの造粒重合法を挙げることができ
る。
【0045】離型剤を含有する樹脂粒子を得るための好
ましい重合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界
面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、単量体中に離型
剤を溶解してなる単量体溶液を、機械的エネルギーを利
用して油滴分散させて分散液を調製し、得られた分散液
に水溶性重合開始剤を添加して、ラジカル重合させる方
法(以下、この明細書において「ミニエマルジョン法」
という。)を挙げることができる。なお、水溶性重合開
始剤を添加することに代えて、または、当該水溶性重合
開始剤を添加するとともに、油溶性の重合開始剤を前記
単量体溶液中に添加してもよい。
【0046】ここに、機械的エネルギーによる油滴分散
を行うための分散機としては、特に限定されるものでは
なく、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレア
ミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック
(株)製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マ
ントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げ
ることができる。また、分散粒子径としては、10〜1
000nmとされ、好ましくは30〜300nmとされ
る。
【0047】<結着樹脂>本発明のトナーを構成する結
着樹脂は、GPCにより測定される分子量分布で10
0,000〜1,000,000の領域にピークまたは
肩を有する高分子量成分と、1,000〜20,000
の領域にピークまたは肩を有する低分子量成分とを含有
する樹脂であることが好ましい。
【0048】ここに、GPCによる樹脂の分子量の測定
方法としては、測定試料0.5〜5.0mg(具体的に
は1mg)に対してTHFを1cc加え、マグネチック
スターラーなどを用いて室温にて撹拌を行って十分に溶
解させる。次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μm
のメンブランフィルターで処理した後にGPCへ注入す
る。GPCの測定条件としては、40℃にてカラムを安
定化させ、THFを毎分1ccの流速で流し、1mg/
ccの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カ
ラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせ
て使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のS
hodex GPC KF−801,802,803,
804,805,806,807の組合せや、東ソー社
製のTSKgelG1000H、G2000H,G30
00H,G4000H,G5000H,G6000H,
G7000H,TSK guard columnの組
合せなどを挙げることができる。また、検出器として
は、屈折率検出器(IR検出器)またはUV検出器を用
いるとよい。試料の分子量測定では、試料の有する分子
量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成し
た検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレ
ンとしては10点程度用いるとよい。
【0049】以下、樹脂粒子の構成材料および調製方法
(重合方法)について説明する。 〔単量体〕樹脂粒子を得るために使用する重合性単量体
としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分と
し、必要に応じて架橋剤を使用することができる。ま
た、以下の酸性基を有するラジカル重合性単量体または
塩基性基を有するラジカル重合性単量体を少なくとも1
種類含有させることが好ましい。
【0050】(1)ラジカル重合性単量体:ラジカル重
合性単量体としては、特に限定されるものではなく従来
公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。ま
た、要求される特性を満たすように、1種または2種以
上のものを組み合わせて用いることができる。具体的に
は、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル
系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単
量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることが
できる。
【0051】芳香族系ビニル単量体としては、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単
量体およびその誘導体が挙げられる。
【0052】(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル
酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアク
リル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノ
エチル等が挙げられる。
【0053】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げ
られる。
【0054】ビニルエーテル系単量体としては、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブ
チルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられ
る。モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4
−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0055】ジオレフィン系単量体としては、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0056】ハロゲン化オレフィン系単量体としては、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられ
る。
【0057】(2)架橋剤:架橋剤としては、トナーの
特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を添加して
も良い。ラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチ
レングリコールメタクリレート、エチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有す
るものが挙げられる。
【0058】(3)酸性基または塩基性基を有するラジ
カル重合性単量体:酸性基を有するラジカル重合性単量
体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体として
は、例えば、カルボキシル基含有単量体、スルホン酸基
含有単量体、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミ
ン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用い
ることができる。酸性基を有するラジカル重合性単量体
としては、カルボン酸基含有単量体として、アクリル
酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン
酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイ
ン酸モノオクチルエステル等が挙げられる。スルホン酸
基含有単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルス
ルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等が挙げ
られる。これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ
金属塩あるいはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の
構造であってもよい。
【0059】塩基性基を有するラジカル重合性単量体と
しては、アミン系の化合物が挙げられ、ジメチルアミノ
エチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、および上記4化合物の4級
アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル
トリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチ
ルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、
ピペリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブ
チルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミ
ド;ビニルピリジン、ビニルピロリドン;ビニルN−メ
チルピリジニウムクロリド、ビニルN-エチルピリジニ
ウムクロリド、N,N−ジアリルメチルアンモニウムク
ロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド
等を挙げることができる。
【0060】本発明に用いられるラジカル重合性単量体
としては、酸性基を有するラジカル重合性単量体または
塩基性基を有するラジカル重合性単量体が単量体全体の
0.1〜15質量%使用することが好ましく、ラジカル
重合性架橋剤はその特性にもよるが、全ラジカル重合性
単量体に対して0.1〜10質量%の範囲で使用するこ
とが好ましい。
【0061】〔連鎖移動剤〕樹脂粒子の分子量を調整す
ることを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を
用いることが可能である。連鎖移動剤としては、特に限
定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ド
デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン
等のメルカプタン、四臭化炭素およびスチレンダイマー
等が使用される。
【0062】〔重合開始剤〕本発明に用いられるラジカ
ル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。
例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉
草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤
と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能であ
る。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇
し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待で
きる。重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度
以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃
から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合
開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸
等)の組み合わせを用いる事で、室温またはそれ以上の
温度で重合する事も可能である。
【0063】〔界面活性剤〕前述のラジカル重合性単量
体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用し
て水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使
用することのできる界面活性剤としては特に限定される
ものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なも
のの例として挙げることができる。イオン性界面活性剤
としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸
ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,
4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スル
ホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ
−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−
トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフ
トール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル
塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリ
ウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナト
リウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナ
トリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。また、ノ
ニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的に
は、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイ
ドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸
とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサ
イド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステ
ル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステ
ル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
【0064】<着色剤>本発明のトナーを構成する着色
剤としては無機顔料、有機顔料、染料を挙げることがで
きる。無機顔料としては、従来公知のものを用いること
ができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。黒色の
顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネ
ルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイ
ト、フェライト等の磁性粉も用いられる。これらの無機
顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が
可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜2
0質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択され
る。磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタ
イトを添加することができる。この場合には所定の磁気
特性を付与する観点から、トナー中に20〜60質量%
添加することが好ましい。
【0065】有機顔料及び染料としても従来公知のもの
を用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以
下に例示する。マゼンタまたはレッド用の顔料として
は、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメント
レッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグ
メントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.
I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド
16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピ
グメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド5
7:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピ
グメントレッド123、C.I.ピグメントレッド13
9、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメ
ントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、
C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメント
レッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙
げられる。オレンジまたはイエロー用の顔料としては、
C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメント
オレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.
I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエ
ロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.
ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー
93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグ
メントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー1
80、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピ
グメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー
156等が挙げられる。グリーンまたはシアン用の顔料
としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピ
グメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー1
5:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が
挙げられる。また、染料としてはC.I.ソルベントレ
ッド1、同49、同52、同58、同63、同111、
同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、
同77、同79、同81、同82、同93、同98、同
103、同104、同112、同162、C.I.ソル
ベントブルー25、同36、同60、同70、同93、
同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用い
る事ができる。これらの有機顔料及び染料は所望に応じ
て単独または複数を選択併用する事が可能である。また
顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、
好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0066】着色剤は表面改質して使用することもでき
る。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用す
ることができ、具体的にはシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好
ましく用いることができる。
【0067】<外添剤>本発明のトナーには、流動性、
帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的
で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。
これら外添剤としては特に限定されるものでは無く、種
々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することが
できる。無機微粒子としては、従来公知のものを使用す
ることができる。具体的には、シリカ、チタン、アルミ
ナ微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機
微粒子としては疎水性のものが好ましい。具体的には、
シリカ微粒子として、例えば日本アエロジル社製の市販
品R−805、R−976、R−974、R−972、
R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−21
50、H−200、キャボット社製の市販品TS−72
0、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等
が挙げられる。チタン微粒子としては、例えば、日本ア
エロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ
社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−
500BS、MT−600、MT−600SS、JA−
1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−
500、TAF−130、TAF−510、TAF−5
10T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、
IT−OB、IT−OC等が挙げられる。アルミナ微粒
子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RF
Y−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−5
5等が挙げられる。また、有機微粒子としては数平均一
次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子
を使用することができる。このものとしては、スチレン
やメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共
重合体を使用することができる。滑剤には、例えばステ
アリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カ
ルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、
銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マ
グネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カ
ルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなど
の塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。これら外添
剤の添加量は、トナーに対して0.1〜5質量%が好ま
しい。
【0068】本発明のトナーは、離型剤を含有する樹脂
粒子と、着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて
得られる会合型のトナーである。このように、離型剤を
含有する樹脂粒子を塩析/融着させることで、離型剤が
微細に分散されたトナーを得ることができる。そして、
本発明のトナーは、その製造時から表面に凹凸がある形
状を有しており、さらに、樹脂粒子と着色剤粒子とを水
系媒体中で融着して得られる会合型のトナーであるため
に、トナー粒子間における形状および表面性の差がきわ
めて小さく、結果として表面性が均一となりやすい。こ
のためにトナー間での定着性に差異を生じにくく、定着
性も良好に保つことができるものである。
【0069】<トナーの製造工程>本発明のトナーを製
造する方法の一例としては、(1)単量体に離型剤を溶
解して単量体溶液を調製する溶解工程、(2)得られる
単量体溶液を水系媒体中に分散する分散工程、(3)得
られる単量体溶液の水系分散系を重合処理することによ
り、離型剤を含有する樹脂粒子の分散液(ラテックス)
を調製する重合工程、(4)得られる樹脂粒子と、前記
着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させて会合粒子
(トナー粒子)を得る塩析/融着工程、(5)得られる
会合粒子を水系媒体中より濾別し、当該会合粒子から界
面活性剤などを洗浄除去する濾過・洗浄工程、(6)洗
浄処理された会合粒子の乾燥工程から構成され、(7)
乾燥処理された会合粒子に外添剤を添加する外添剤添加
工程が含まれていてもよい。
【0070】〔溶解工程〕単量体に離型剤を溶解する方
法としては特に限定されるものではない。単量体への離
型剤の溶解量としては、最終的に得られるトナーにおけ
る離型剤の含有割合が1〜30質量%、好ましくは2〜
20質量%、更に好ましくは3〜15質量%となる量と
される。なお、この単量体溶液中に、油溶性重合開始剤
および他の油溶性の成分を添加することもできる。
【0071】〔分散工程〕単量体溶液を水系媒体中に分
散させる方法としては、特に限定されるものではない
が、機械的エネルギーにより分散させる方法が好まし
く、特に、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶
解してなる水系媒体中に、機械的エネルギーを利用して
単量体溶液を油滴分散させること(ミニエマルジョン法
における必須の態様)が好ましい。ここに、機械的エネ
ルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特
に限定されるものではないが、例えば「クレアミック
ス」、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントン
ゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げること
ができる。また、分散粒子径としては、10〜1000
nmとされ、好ましくは30〜300nmとされる。
【0072】〔重合工程〕重合工程においては、基本的
には従来公知の重合法(乳化重合法、懸濁重合法、シー
ド重合法などの造粒重合法)を採用することができる。
好ましい重合法の一例としては、ミニエマルジョン法、
すなわち、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶
解してなる水系媒体中に、機械的エネルギーを利用して
単量体溶液を油滴分散させて得られる分散液に水溶性重
合開始剤を添加して、ラジカル重合させる方法を挙げる
ことができる。
【0073】〔塩析/融着工程〕塩析/融着工程におい
ては、上記の重合工程により得られる樹脂粒子の分散液
に着色剤粒子の分散液を添加し、前記樹脂粒子と、前記
着色剤粒子とを水系媒体中で塩析/融着させる。また、
当該塩析/融着工程においては、樹脂粒子および着色剤
粒子とともに、荷電制御剤などの内添剤粒子なども融着
させることもできる。
【0074】塩析/融着工程における「水系媒体」と
は、主成分(50質量%以上)が水からなるものをい
う。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機
溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのよ
うなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
【0075】塩析/融着工程に使用される着色剤粒子
は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製する
ことができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤
濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行わ
れる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定さ
れないが、好ましくは、「クレアミックス」、超音波分
散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力
式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダ
ー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒
体型分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤
としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げること
ができる。
【0076】なお、着色剤(粒子)は表面改質されてい
てもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分
散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を
昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を
濾別し、同一の溶媒で洗浄ろ過を繰り返した後、乾燥す
ることにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)
が得られる。
【0077】塩析/融着法は、樹脂粒子と着色剤粒子と
が存在している水中に、アルカリ金属塩および/または
アルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以
上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラ
ス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時
に融着を行う工程である。この工程では、水に無限溶解
する有機溶媒を添加してもよい。
【0078】ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及び
アルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウ
ム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類
金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナ
トリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げ
られる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素
塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0079】さらに、前記水に無限溶解する有機溶媒と
しては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、
アセトン等があげられるが、炭素数が3以下のメタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール
のアルコールが好ましく、特に、2−プロパノールが好
ましい。
【0080】塩析/融着工程においては、塩析剤を添加
した後に放置する時間(加熱を開始するまでの時間)を
できるだけ短くすることが好ましい。すなわち、塩析剤
を添加した後、樹脂粒子および着色剤粒子の分散液の加
熱をできるだけ速やかに開始し、樹脂粒子のガラス転移
温度以上とすることが好ましい。この理由としては明確
ではないが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝
集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着さ
せたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。
加熱を開始するまでの時間(放置時間)は、通常30分
以内とされ、好ましくは10分以内である。塩析剤を添
加する温度は特に限定されないが、樹脂粒子のガラス転
移温度以下であることが好ましい。
【0081】また、塩析/融着工程においては、加熱に
より速やかに昇温させる必要があり、昇温速度として
は、1℃/分以上とすることが好ましい。昇温速度の上
限は、特に限定されないが、急速な塩析/融着の進行に
よる粗大粒子の発生を抑制する観点から15℃/分以下
とすることが好ましい。さらに、樹脂粒子および着色剤
粒子の分散液が前記ガラス転移温度以上の温度に到達し
た後、当該分散液の温度を一定時間保持することによ
り、塩析/融着を継続させることが肝要である。これに
より、トナー粒子の成長(樹脂粒子および着色剤粒子の
凝集)と、融着(粒子間の界面消失)とを効果的に進行
させることができ、最終的に得られるトナーの耐久性を
向上することができる。また、会合粒子の成長を停止さ
せた後に、加熱による融着を継続させてもよい。
【0082】〔濾過・洗浄工程〕この濾過・洗浄工程で
は、上記の工程で得られたトナー粒子の分散液から当該
トナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒
子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの
付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過
処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して
行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾
過法など特に限定されるものではない。
【0083】〔乾燥工程〕この工程は、洗浄処理された
トナー粒子を乾燥処理する工程である。この工程で使用
される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結
乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾
燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、
攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥処理
されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが
好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
【0084】なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、
弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を
解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、
ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フ
ードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用すること
ができる。
【0085】〔外添剤の添加工程〕この工程は、乾燥処
理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程である。外
添剤を添加するために使用される装置としては、タービ
ュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサ
ー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げるこ
とができる。
【0086】ここで、本発明のトナーの粒径は、体積平
均粒径で3〜9μmである。これらのトナーの体積平均
粒径は、コールターカウンターTA−II、コールターマ
ルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製レー
ザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定することがで
きる。コールターカウンターTA−II及びコールターマ
ルチサイザーではアパーチャー径=100μmのアパー
チャーを用いて2.0〜40μmの範囲における粒径分
布を用いて測定されたものを示す。
【0087】さらに、本発明のトナーとしては、3.0
μm以下の微粉トナー量が個数分布で全体の20個数%
以下、さらに好ましくは2.0μm以下の微粉トナー量
が10個数%以下であるのがよい。この微粉トナー量は
大塚電子社製・電気泳動光散乱光度計ELS−800を
用いて測定することができる。この範囲に粒径分布を調
整するためには、塩析/融着段階での温度制御を狭くす
ることがよい。具体的にはできるだけすばやく昇温す
る、すなわち、昇温を速くすることである。この条件と
しては、前述の条件に示したものであり、昇温までの時
間としては30分未満、好ましくは10分未満、さら
に、昇温速度としては、1〜15℃/分が好ましい。
【0088】また、本発明のトナーの形状としては、下
記式で示される形状係数(円形度)の平均値(平均円形
度)が0.930〜0.980であることが好ましく、
更に好ましくは0.940〜0.975とされる。
【0089】
【数1】形状係数=(円相当径から求めた円の周囲長)
/(粒子投影像の周囲長)
【0090】平均円形度を0.930〜0.980とす
ることで、トナーが有する形状をある程度不定形化する
ことができ、熱の伝達を効率化することができ、定着性
をより向上することができる。すなわち、平均円形度を
0.980以下とすることで定着性を向上することがで
きる。また、0.930以上の平均円形度とすること
で、粒子の不定形度合いを抑制し、長期にわたる使用時
のストレスによる粒子の破砕性を抑制することができ
る。
【0091】また、形状係数の分布がシャープであるこ
とが好ましく、円形度の標準偏差は0.10以下である
ことが好ましく、下記式で算出されるCV値は20%未
満であることが好ましく、さらに好ましくは10%未満
である。
【0092】
【数2】 CV値=(円形度の標準偏差/平均円形度)×100
【0093】円形度の標準偏差を0.10以下とするこ
とで、形状が揃ったトナーとすることができ、トナー間
での定着性能の差を少なくすることができるため、定着
率の向上及び耐オフセット性の低減による定着装置の汚
染防止効果がより発揮される。また、CV値を20%未
満とすることで、同様にシャープな形状分布とすること
ができ、定着性向上効果をより顕著に発揮することがで
きる。
【0094】上記形状係数の測定方法は限定されるもの
ではないが、例えばトナー粒子を電子顕微鏡で500倍
に拡大した写真を撮影し、画像解析装置を使用し、50
0個以上のトナーについて円形度を測定し、その算術平
均値を求めることで、平均円形度を算出することができ
る。また、簡便な測定方法としては、FPIA−100
0(東亜医用電子株式会社製)により測定することがで
きる。
【0095】本発明のトナーは、着色剤、離型剤以外に
トナー用材料として種々の機能を付与することのできる
材料を加えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げら
れる。これらの成分は前述の塩析/融着段階で樹脂粒子
と着色剤粒子と同時に添加し、トナー中に包含する方
法、樹脂粒子自体に添加する方法等種々の方法で添加す
ることができる。荷電制御剤も同様に種々の公知のもの
で、かつ水中に分散することができるものを使用するこ
とができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン
酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、
第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチ
ル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0096】本発明のトナーは、セミグロス画像を形成
するために好適に使用される。ここに、「セミグロス画
像」とは、標準光沢度が17〜37である画像をいうも
のとする。本発明において標準光沢度とは、画像形成材
料(トナー)が画像形成支持体を90%以上被覆してい
る画像部分において、JIS−Z8741−1983方
法2により、入射角75°にてグロスメーターVGS−
1D(日本電色工業(株)社製)により測定した値で表
す。画像形成材料による画像形成支持体の被覆割合の測
定は、高速カラー画像解析装置SPICCA(日本アビ
オニクス社製)を用いて行った。
【0097】本発明においてセミグロス画像の標準光沢
度は17〜37とされ、好ましくは17〜27とされ
る。標準光沢度が17未満では、画像の鮮やかさに欠
け、十分な質感が得られない。一方、標準光沢度が37
を超えると、表面正反射光成分が大きすぎ、十分な質感
が得られず、現実性(リアリティ)が不足する。更に、
表面が平滑であると内部への入射光量が大きくなり、着
色剤の劣化が生じ易く、経時的な画像劣化が生じる。着
色剤の劣化に対しては、特に標準光沢度が27以下であ
ることが好ましい。
【0098】<現像剤>本発明のトナーは、一成分現像
剤でも二成分現像剤として用いてもよい。一成分現像剤
として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはト
ナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ
磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用
することができる。
【0099】又、キャリアと混合して二成分現像剤とし
て用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒
子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、そ
れらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従
来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライ
ト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径
としては15〜100μm、より好ましくは25〜80
μmのものがよい。
【0100】キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的
には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置
「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMP
ATEC)社製)により測定することができる。
【0101】キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被
覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散さ
せたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティ
ング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例え
ば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ア
クリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或い
はフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂
分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限
定されず公知のものを使用することができ、例えば、ス
チレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系
樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0102】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。なお、以下
において「部」は「質量部」を意味する。
【0103】〔調製例1〕攪拌装置、温度センサー、冷
却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラ
ブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベン
ゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイ
オン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水
系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度
で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、上
記式20)で表される化合物(以下、「例示化合物(2
0)」という。)72.0gを、スチレン115.1
g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸
10.9gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加
温し溶解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有す
る機械式分散機により、前記界面活性剤溶液(80℃)
中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一
な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製
した。次いで、この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリ
ウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶
解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時
間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重
合)を行い、ラテックスを調製した。次いで、このラテ
ックスに、重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交
換水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15
分経過後、80℃で、スチレン383.6g、n−ブチ
ルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4
g、t−ドデシルメルカプタン13.7gからなる単量
体混合液を126分間かけて滴下した。滴下終了後、6
0分にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重
合)を行った後、40℃まで冷却しラテックス(離型剤
を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得
た。このラテックスを「ラテックス(1)」とする。
【0104】〔調製例2〕例示化合物(20)の添加量
を60.0gとしたこと以外は調製例1と同様にしてラ
テックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する
核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックス
を「ラテックス(2)」とする。
【0105】〔調製例3〕例示化合物(20)の添加量
を96.0gとしたこと以外は調製例1と同様にしてラ
テックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する
核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックス
を「ラテックス(3)」とする。
【0106】〔調製例4〕例示化合物(20)の添加量
を120.0gとしたこと以外は調製例1と同様にして
ラテックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有す
る核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテック
スを「ラテックス(4)」とする。
【0107】〔調製例5〕例示化合物(20)に代え
て、上記式19)で表される化合物(以下、「例示化合
物(19)」という。)72.0gを添加したこと以外
は調製例1と同様にしてラテックスを得た。ラテックス
(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散
液)を得た。このラテックスを「ラテックス(5)」と
する。
【0108】〔調製例6〕例示化合物(20)に代え
て、上記式18)で表される化合物(以下、「例示化合
物(18)」という。)72.0gを添加したこと以外
は調製例1と同様にしてラテックスを得た。ラテックス
(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散
液)を得た。このラテックスを「ラテックス(6)」と
する。
【0109】〔調製例7〕例示化合物(20)に代え
て、上記式8)で表される化合物(以下、「例示化合物
(8)」という。)120.0gを添加したこと以外は
調製例1と同様にしてラテックスを得た。ラテックス
(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散
液)を得た。このラテックスを「ラテックス(7)」と
する。
【0110】〔調製例8〕第1段重合(高分子量成分の
合成)を行うために添加した過硫酸カリウムの量を0.
42gに変更したこと以外は調製例2と同様にしてラテ
ックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する核
殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを
「ラテックス(8)」とする。
【0111】〔調製例9〕第2段重合(低分子量成分の
合成)を行うために添加した過硫酸カリウムの量を9.
276gに変更したこと以外は調製例2と同様にしてラ
テックスを得た。ラテックス(離型剤を核部に含有する
核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックス
を「ラテックス(9)」とする。
【0112】〔調製例10〕第2段重合(低分子量成分
の合成)を行うために添加したt−ドデシルメルカプタ
ン(連鎖移動剤)の量を16.44gに変更したこと以
外は調製例2と同様にしてラテックスを得た。ラテック
ス(離型剤を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散
液)を得た。このラテックスを「ラテックス(10)」
とする。
【0113】〔調製例11〕攪拌装置、温度センサー、
冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパ
ラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)8.4gをイ
オン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水
系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度
で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、例
示化合物(20)86.4gを、スチレン138.1
g、n−ブチルアクリレート50.4g、メタクリル酸
13.1gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加
温し溶解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有す
る機械式分散機により、前記界面活性剤溶液(80℃)
中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一
な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製
した。次いで、この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリ
ウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶
解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時
間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重
合)を行い、ラテックスを調製した。次いで、このラテ
ックスに、重合開始剤(KPS)6.0gをイオン交換
水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分
経過後、80℃で、スチレン306.9g、n−ブチル
アクリレート112.0g、メタクリル酸29.12
g、t−ドデシルメルカプタン10.96gからなる単
量体混合液を120分間かけて滴下した。滴下終了後、
60分にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重
合)を行った後、40℃まで冷却しラテックス(離型剤
を核部に含有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得
た。このラテックスを「ラテックス(11)」とする。
【0114】〔調製例12〕攪拌装置、温度センサー、
冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパ
ラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)5.6gをイ
オン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水
系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度
で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、例
示化合物(20)57.6gを、スチレン92.1g、
n−ブチルアクリレート33.6g、メタクリル酸8.
7gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶
解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有する機械
式分散機により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に、
前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散
粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。
次いで、この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:
KPS)0.6gをイオン交換水200gに溶解させた
開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわた
り加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行
い、ラテックスを調製した。次いで、このラテックス
に、重合開始剤(KPS)9.1gをイオン交換水24
0mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分経過
後、80℃で、スチレン498.7g、n−ブチルアク
リレート182.0g、メタクリル酸47.3g、t−
ドデシルメルカプタン17.8gからなる単量体混合液
を120分間かけて滴下した。滴下終了後、60分にわ
たり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行っ
た後、40℃まで冷却しラテックス(離型剤を核部に含
有する核殻構造の樹脂粒子の分散液)を得た。このラテ
ックスを「ラテックス(12)」とする。
【0115】〔製造例1(トナーの製造)〕n−ドデシ
ル硫酸ナトリウム9.2gをイオン交換水160mlに
攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラ
ック「リーガル330R」(キャボット社製)20gを
徐々に添加し、次いで、高速回転するローターを備えた
攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エ
ム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することに
より、着色剤粒子の分散液(以下、「着色剤分散液
(1)」という。)を調製した。この着色剤分散液
(1)における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱
光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測
定したところ、重量平均粒子径で112nmであった。
【0116】調製例1で得られたラテックス(1)12
50gと、イオン交換水2000mlと、上記のように
して得られた着色剤分散液(1)とを、温度センサー、
冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた5リット
ルの四つ口フラスコに入れ攪拌した。内温を30℃に調
整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を
加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネ
シウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶
解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添
加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6
分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/
分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」
にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μ
mになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交
換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を
停止させ、さらに、液温度90℃±2℃にて6時間にわ
たり加熱攪拌することにより融着を継続させた。その
後、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し
てpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した会
合粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その
後、40℃の温風で乾燥して着色粒子を得た。このよう
にして得られた着色粒子を「着色粒子1」とする。
【0117】〔製造例2〜12〕下記表1に示す処方に
従ってラテックスの種類を変更し、製造例7〜8および
製造例12では、さらに、着色剤であるカーボンブラッ
クの種類を変更したこと以外は製造例1と同様にして着
色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着
色粒子2」〜「着色粒子12」とする。
【0118】〔比較製造例1(懸濁重合トナーの製
造)〕高速攪拌装置(TKホモミキサー)を備えた4つ
口フラスコに、イオン交換水710部と、0.1モル/
リットルの燐酸三ナトリウム水溶液450部とを加え、
この系を65℃に加温し、回転数12000rpmの攪
拌条件下に1.0モル/リットルの塩化カルシウム水溶
液68部を徐々に加え、コロイド状燐酸三カルシウムを
含む分散液からなる水系媒体を調製した。一方、スチレ
ン165部とn−ブチルアクリレート35部とからなる
単量体混合液にカーボンブラック「リーガル330R」
(キャボット社製)14部を添加し、これをサンドグラ
インダーで分散して得られた分散液に、例示化合物(2
0)60部加え、80℃にて溶解させた。この溶液に重
合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)10部を加えて単量体組成物を調製
した。このようにして得られた単量体組成物を、前記水
系媒体中に回転数12000rpmの攪拌条件下で徐々
に加え、当該単量体組成物を水系媒体中に分散させた。
次いで、TKホモミキサーを通常の攪拌羽根に交換し、
窒素気流下、65℃、200rpm攪拌条件下で10時
間にわたり重合反応を行った。重合反応終了時に塩酸を
加え、分散安定剤である燐酸三カルシウムを除去し、濾
過、洗浄、乾燥することにより比較用の着色粒子を得
た。このようにして得られた着色粒子を「比較用着色粒
子1」とする。
【0119】〔比較製造例2(混練粉砕法によるトナー
の製造)〕スチレンアクリル樹脂100部と、カーボン
ブラック「リーガル330R」(キャボット社製)10
部と、例示化合物(20)10部とをヘンシェルミキサ
ーにて乾式混合した後に、二軸押出機にて溶融混練し、
次いで、機械式粉砕機で粉砕し、気流分級機で分級する
ことにより、比較用の着色粒子を得た。このようにして
得られた着色粒子を「比較用着色粒子2」とする。
【0120】以上のようにして得られた着色粒子(着色
粒子1〜12および比較用着色粒子1〜2)の各々につ
いて、円形度の平均値(平均円形度)、円形度の標準偏
差、円形度のCV値、体積平均粒径、高分子量成分のピ
ーク分子量、低分子量成分のピーク分子量、樹脂自体の
分子量(数平均分子量・重量平均分子量)を測定した。
結果を下記表1に併せて示す。
【0121】
【表1】
【0122】(*上記「円形度」は:FPIA−100
0(東亜医用電子株式会社製)を使用し、試料分析量=
0.3μl、検出粒子数=1500〜5000個の条件
で測定したものである。)
【0123】着色粒子1〜12および比較用着色粒子1
〜2の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12
nm、疎水化度=68)を1.0質量%となる割合で添
加するとともに、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径
=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割
合でそれぞれ添加し、ヘンシェルミキサーにより混合し
てトナーを得た。これらのトナーを、着色粒子1〜12
および比較用着色粒子1〜2に対応して、トナー1〜1
2および比較用トナー1〜2とする。これらの着色粒子
およびトナーは、その形状および粒径などに関しては差
異がないものである。トナー1〜12および比較用トナ
ー1〜2の各々と、シリコーン樹脂を被覆した体積平均
粒径60μmのフェライトキャリアとを混合し、トナー
濃度が6質量%の現像剤を調製した。これらの現像剤
を、トナー1〜12および比較用トナー1〜2に対応し
て、現像剤1〜12および比較用現像剤1〜2とする。
【0124】〔定着装置の作製〕図1に示したような圧
接方式の定着装置(定着装置1〜13)を作製した。 (定着装置1)中央部にヒーターを内蔵するアルミ合金
からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=1.0mm、
全幅=310mm)の芯金表面を、テトラフロオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)からなるチューブ(厚み=120μm)で被
覆することにより加熱ローラー(上ローラー)を構成
し、鉄からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=2.0
mm)の芯金表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アス
カーC硬度=48、厚み=2mm)で被覆することによ
り加圧ローラー(下ローラー)を構成し、当該加熱ロー
ラーと当該加圧ローラーとを150Nの総荷重により当
接させて5.8mm幅のニップを形成させた。この定着
装置を使用して、印字の線速を250mm/secに設
定した。なお、定着装置のクリーニング機構として、ポ
リジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・s
のもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用し
た。定着の温度は加熱ローラーの表面温度で制御した。
なお、シリコーンオイルの塗布量は0.6mg/A4と
した。これを「定着装置1」とする。
【0125】(定着装置2〜13)下記表2に従って、
加熱ローラーの表面被覆層の構成(フッ素樹脂の種類・
被覆方法・厚さ);加圧ローラーの表面被覆層の構成
(シリコーンゴムのアスカーC硬度・厚さ);当接荷重
(総荷重)、ニップ幅、シリコーンオイルの粘度(20
℃)および供給量の少なくとも1つの条件が定着装置1
と異なる定着装置2〜13を作製した。
【0126】
【表2】
【0127】<実施例1〜22および比較例1〜4>下
記表3に示す組合せに従って、現像剤1〜12および比
較用現像剤1〜2の各々と、定着装置1〜13の各々と
を備えたデジタル複写機「コニカ7060」(コニカ
(株)製)を用いて実写テストを実施することにより、
定着性(ハーフトーン定着率)および耐オフセット性
(裏面汚れおよび表面汚れ)を評価した。なお、定着装
置における加熱ローラーの表面温度はセンター値で17
5℃とした。現像条件および評価方法は下記に示すとお
りである。
【0128】〔現像条件〕 ・感光体;積層型有機感光体 ・DCバイアス :−500V ・Dsd(感光体と現像スリーブ間距離):600μm ・現像剤層規制 :磁性H−Cut方式 ・現像剤層厚 :700μm ・現像スリーブ径:40mm
【0129】〔評価方法〕 (1)定着性:ハーフトーン画像(画像濃度が紙の濃度
を「0」としたときの相対反射濃度で1.0のもの)を
印字して定着率を測定した。定着率は、定着画像を「サ
ラシ布」を巻いた1kgのおもりで擦った前後の画像濃
度から、下記式によって算出した。結果を下記表4に示
す。
【0130】
【数3】定着率(%)=〔(擦り後の画像濃度)/(擦
り前の画像濃度)〕×100
【0131】(2)裏面汚れおよび表面汚れ:線画画像
(画素率=15%)をA4横送り方向で連続して5千枚
印字した後、ベタ白画像をA4縦送り方向で2枚出力し
た(これを1サイクルとする)。この操作を10サイク
ル行った。なお、各サイクル毎ごとに一晩休止した。そ
の際、サイクル終了時のベタ白画像の表面側の汚れの有
無・程度(表面汚れ)、および、サイクル開始時の形成
画像(休止後1枚目)の裏面側の汚れの有無・程度(裏
面汚れ)を目視で観察し、下記の基準に従ってA〜Cの
ランク付けを行った。ランクCに至ったサイクル数(ラ
ンクC発生回数)および10サイクル終了時における汚
れのランク(10回目の汚れランク)を下記表4に示
す。
【0132】・ランクA:まったく汚れなし ・ランクB:かすかな汚れが発生するが、実用上問題な
し。 ・ランクC:汚れが目視で観察でき、実用上問題とな
る。
【0133】
【表3】
【0134】
【表4】
【0135】表4に示した結果から明らかなように、本
発明のトナーを使用し、特定の定着装置による定着工程
を含む本発明の画像形成方法(実施例1〜22)によれ
ば、定着率が高く、画像汚れおよび画像不良のない良好
な画像を長期にわたって形成することができる。これに
対して、特定の定着装置によらない画像形成方法(比較
例1〜2)および本発明のトナーを使用しない画像形成
方法(比較例3〜4)では、定着性および耐オフセット
性の何れにも劣り、実用上問題がある。
【0136】
【発明の効果】本発明のトナーによれば、シリコーンオ
イルを供給しない、または、シリコーンオイルの供給量
がきわめて低い定着装置により定着画像を形成する工程
を含む画像形成方法に使用される場合であっても、画像
汚れおよび画像不良のない良好な画像を長期にわたり形
成することができ、かつ、定着装置の長寿命化を図るこ
とができる。
【0137】本発明の画像形成方法によれば、シリコー
ンオイルを供給しない、または、シリコーンオイルの供
給量がきわめて低い定着装置により定着画像を形成する
場合であっても、画像汚れおよび画像不良のない良好な
画像を長期にわたり形成することができ、かつ、定着装
置の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用する定着装置の一例を示す
断面図である。
【図2】本発明の画像形成方法を実施するための画像形
成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10 加熱ローラー 11 芯金 12 被覆層 13 加熱部材 20 加圧ローラー 21 芯金 22 被覆層 31 半導体レーザ光源 32 ポリゴンミラー 33 fθレンズ 34 感光体 35 帯電器 36 現像器 37 転写器 38 記録材 39 分離器 40 定着装置 41 クリーニング器 42 帯電前露光(PCL) 43 クリーニングブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西森 芳樹 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 白勢 明三 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 山崎 弘 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AB03 CA14 CB08 FB02 2H033 AA01 AA09 BA42 BA46 BA58 BB03 BB05 BB29 BB33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体上に形成された静電潜像をトナー
    を含む現像剤で現像し、前記感光体上に形成されたトナ
    ー像を画像形成支持体に転写し、転写されたトナー像を
    定着装置により定着する工程を含む画像形成方法に使用
    されるトナーにおいて、 前記定着装置は、加熱ローラーと、この加熱ローラーに
    当接する加圧ローラーとを備え、前記加熱ローラーは、
    内径が10〜70mm、厚さが0.1〜2mmである金
    属または合金で形成された芯金の表面にフッ素樹脂を1
    0〜500μmの厚さで被覆し、固定配置された加熱部
    材を内包してなり、前記加圧ローラーは、アスカーC硬
    度が80°未満の弾性体を0.1〜30mmの厚みで芯
    金の表面に被覆してなり、 少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤とを含有し、結着
    樹脂中に離型剤を含有する樹脂粒子と、着色剤粒子とを
    塩析/融着させて得られることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 前記定着装置を構成する加熱ローラーへ
    のシリコーンオイルの供給量が2mg/A4以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のトナー。
  3. 【請求項3】 感光体上に形成された静電潜像をトナー
    を含む現像剤で現像し、前記感光体上に形成されたトナ
    ー像を画像形成支持体に転写し、転写されたトナー像を
    定着装置により定着する工程を含む画像形成方法におい
    て、 前記定着装置は、加熱ローラーと、この加熱ローラーに
    当接する加圧ローラーとを備え、前記加熱ローラーは、
    内径が10〜70mm、厚さが0.1〜2mmである金
    属または合金で形成された芯金の表面にフッ素樹脂を1
    0〜500μmの厚さで被覆し、固定配置された加熱部
    材を内包してなり、前記加圧ローラーは、アスカーC硬
    度が80°未満の弾性体を0.1〜30mmの厚みで芯
    金の表面に被覆してなり、 前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤と離型剤と
    を含有し、結着樹脂中に離型剤を含有する樹脂粒子と、
    着色剤粒子とを塩析/融着させて得られるものであるこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記定着装置を構成する加熱ローラーへ
    のシリコーンオイルの供給量が2mg/A4以下である
    ことを特徴とする請求項3記載の画像形成方法。
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