JP2708446B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

静電潜像現像用トナー

Info

Publication number
JP2708446B2
JP2708446B2 JP63046032A JP4603288A JP2708446B2 JP 2708446 B2 JP2708446 B2 JP 2708446B2 JP 63046032 A JP63046032 A JP 63046032A JP 4603288 A JP4603288 A JP 4603288A JP 2708446 B2 JP2708446 B2 JP 2708446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
particles
base particles
softening point
fixing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63046032A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01219846A (ja
Inventor
俊樹 南谷
俊彦 高橋
公利 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP63046032A priority Critical patent/JP2708446B2/ja
Publication of JPH01219846A publication Critical patent/JPH01219846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2708446B2 publication Critical patent/JP2708446B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0821Developers with toner particles characterised by physical parameters

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は大粒径の熱定着性母体粒子の表面に小粒径の
有機高分子系粒子を埋設してなる静電潜像現像用乾式ト
ナーに関する。
従来技術 電子写真感光体、静電記録体等に形成された静電潜像
の現像に用いられる乾式トナーは周知のようにスチレン
樹脂、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とし、こ
れに必要に応じて着色剤や磁性粉を添加して構成されて
いるが、一般に乾式トナーとしては低温で定着できるこ
と、定着性が良いこと等の理由から軟化点が低いものが
使用されている(平均粒径は5〜25μm程度)。しかし
このようなトナーにおいては軟化点が低いため、保存中
或いは使用中、特に高温雰囲気下ではトナー粒子同志が
融着する、いわゆるブロッキングを起こす欠点があっ
た。
そこでこのような欠点を解消する目的で軟化点が低く
且つ粒径の大きいトナー粒子と軟化点が高く、且つ粒径
の小さいトナー粒子とを混合したトナーが提案されてい
る。しかしこの混合系トナーの場合は1)特に大粒径の
トナー粒子に比べて小粒径のトナー粒子の量が少ない
と、大粒径のトナー粒子同志が接触し易いため、充分な
耐ブロッキング性が確保できない、2)コピー中、大粒
径のトナー粒子がキヤリアとの接触により粉砕されてス
ペントトナーを生じ、その結果、耐久性が低下したり、
感光体、キヤリア等に膜が形成されて(いわゆるフィル
ミング)その性能が劣化する、3)コピー時、大粒径の
トナーが優先的に消費される傾向があり、このため、コ
ピー中、現像容器内のトナー組成がコピー初期と変って
来る結果、トナーの帯電性、従って画質や定着性が低下
する等の欠点があった。
そこでこれらの欠点を除去するため、本発明者らは先
に特願昭61−278069号において平均粒径が5〜25μmの
大粒径熱定着性母体粒子Aの表面に、前記母体粒子Aの
軟化点より少なくとも5℃高い温度に軟化点を有する
か、又は実質的に軟化点を有せず、且つ平均粒径が0.1
μm以上、前記母体粒子Aの平均粒径の1/4以下の、有
機高分子物質を主体とする小粒子Bを、小粒子Bの粒径
未満の深さに埋設被覆してなり、且つ小粒子Bによる被
覆率αが母体粒子Aの表面積の40〜100%の範囲にある
トナーを提案した。
しかしこのトナーの場合は特に高温下での耐ブロッキ
ング性、即ち耐熱保存性が未だ不十分で、また熱定着
時、熱ローラー表面にトナーが付着する、いわゆるオフ
セットを生じることがあり、このため母体粒子に耐オフ
セット性の優れた材料(例えば特公昭51−23354号に記
載されるような架橋樹脂)を用いると、小粒子が十分に
埋設できない等、製造上に問題が生じたり或いは低温定
着性が低下するという不都合があった。
目的 本発明の第一の目的は低温定着が可能で、しかも耐ブ
ロッキング性及び耐久性に優れ、感光体、キャリア等に
悪影響を与えず、且つコピー中の組成変化もなく、従っ
て繰返し使用しても帯電性が安定で画質や定着性の低下
がない静電潜像現像用トナーを提供することである。
本発明の第二の目的は耐熱保存性は勿論、耐オフセッ
ト性及び低温定着性に優れ、しかも製造上の問題もない
静電潜像現像用トナーを提供することである。
構成 本発明の静電潜像現像用トナーは平均粒径が5〜25μ
mの熱定着性母体粒子Aの表面に、前記母体粒子Aの軟
化点より少なくとも5℃高い温度に軟化点を有するか、
又は実質的に軟化点を有せず、且つ平均粒径が0.1μm
以上、前記母体粒子Aの平均粒径の1/4以下の、有機高
分子物質を主体とする小粒子Bを、小粒子Bの粒径未満
の深さに埋設被覆してなり且つ小粒子Bによる被覆率α
が母体粒子Aの表面積の40〜100%の範囲にある静電潜
像現像用トナーにおいて、母体粒子Aの動的粘弾性特性
を表わす貯蔵粘性率η′(ω)(単にη′とすることも
ある)及び力学的正切損失tanδが夫々1.5×104〜1.0×
105ポイズ(95℃において)及び1.0〜2.0(105℃におい
て)の範囲にあることを特徴とするものである。
ここで云う軟化点とは高化式フローテスター(島津製
作所)を用いてプランジャーによる10kg/cm2の荷重下及
び昇温速度3℃/分の加熱下にシリンダー内のサンプル
1cm3を直径0.5mm、長さ1mmのノズルより押出した時、
プランジャーが次第に降下し、サンプルが圧縮されてシ
リンダー内の空隙が消失し、外観上、1個の均一な透明
体又は相となる温度である。
また小粒子Bの被覆率α(×100%)は母体粒子表面
への投影面積として表わされ、下記のようにして求めら
れる。即ち小粒子Bの直径(平均粒径として)、真比重
を夫々d,ρ,母体粒子Aの直径(平均粒径として)、
真比重を夫々kd,ρとし、また母体粒子1個の重量を
、母体粒子1個当りの小粒子n個の重量をWとす
ると、母体粒子の表面積は 小粒子1個当りの母体粒子への投影面積は となるから、 が成立する。(1)式を(2)式に代入して を得る。
更に貯蔵粘性率η′(ポイズ)はレオメーター(米国
Rheometrics,Inc.製レオメトリックスダイナミックスペ
クトロメーターRDS−7700)を用いて周波数100rad/秒
(加熱ロールによる定着の場合、実効定着時間は1×10
-2〜5×10-2秒で、これに相当する周波数)で、且つ歪
率を自動にしてサンプルを加熱し、95℃における値を測
定することにより求められる。また力学的正切損失tan
δは同様な方法でサンプルを加熱し、各々105℃におけ
る貯蔵粘性率η′(ω)及び損失粘性率η″(ω)を測
定し、これらの値からtanδ=η′/η″を求める。
このように本発明のトナーは先に本発明者らが提案し
たトナーの動的粘弾性特性を特定することにより、低温
定着性、耐熱保存性及び耐オフセット性を改良したもの
である。これらの性能向上が得られる定着機構を図面を
参照して説明すると、次のように考えられる。
即ち第1図において転写用紙2上に転写された未定着
トナー1〔第1図(a)〕は定着装置に入り、次の工程
を経て定着される。
(1)加熱ローラー3に、未定着トナーが接触すると、
熱伝導によりトナーは固体〜ガラス転移〜ゴム状態と変
化する〔第1図(b)〕。
(2)トナーがゴム状態になると、定着ローラー3およ
び4間の圧力により塑性変形が始まり、トナー粒子同志
の合体、トナーの転写用紙2への浸透が行なわれる。ト
ナー1の表面は、加熱ローラー3の表面に密着し、トナ
ー表面が溶融して表面溶融層5,5′(5は粘性体の場
合、5′は粘弾性体の場合)が形成され平滑になる〔第
1図(c)〕。
(3)ローラー3および4間の圧力から解放され、加熱
ローラーから離型し、定着装置から排出されると、トナ
ー1と転写用紙2は冷却され、凝固、接着する。
ここでトナーが低温接着性及び耐オフセット性に優れ
ていれば、(1)においてこのトナーは粘弾性体ないし
粘性体としての挙動を示すようになる。(2)におい
て、圧力によりトナーは変形し、その表面は平滑にな
る。歪の大きさ及び歪の印加時間は、定着装置の条件に
より決定され、それぞれ圧力とニップ時間になる。
(3)において、圧力から解放されたトナーには元の状
態に回復しようとする応力が働く。ここで本発明のよう
な埋設型トナーにおいては母体粒子が弾性体に近いもの
はこの応力が強く、トナー粒子内凝集力が大きいため、
トナーは定着ローラーにオフセットし難い。しかし、こ
の応力が強過ぎると、加熱ローラーからの圧力による歪
(変形)が小さいため、低温時、十分な接着性が得られ
ない。また小粒子の母体粒子への埋設性も悪く、現像部
での攪拌等の外力で容易に小粒子が母体粒子から脱離
し、小粒子のキャリアのスペントあるいは感光体へのフ
ィルミングが発生したり、現像剤の帯電性も不均一とな
り、地汚れ、画像濃度の低下等が起こる。
また母体粒子が粘性体に近いものは前記応力が弱く、
十分に変形するため、定着性は良好で、小粒子の母体粒
子への埋設性も良好である。しかし、トナーと加熱ロー
ラーとの接着力が大きくなり、且つトナー粒子内凝集力
が小さいため、トナーは加熱ローラーにオフセットし易
い。
従って本発明のような埋設型トナーにおいては母体粒
子の動的粘弾性特性は低温定着等の改良にとって重要な
要因である。なお本発明のトナーは第2図に示すような
断面形状を有している。本発明者らは前記動的粘弾性特
性のうち、ダッシュポット的性質(粘性)を表わす貯蔵
粘性率η′(ω)、及びこのη′(ω)とバネ的性質
(弾性)を表わす損失粘性率η″(ω)との比である力
学的正切損失tanδ(η′/η″)に注目し、母体粒子
の低温定着性等の改良について種々検討した結果、η′
は95℃において1.5×104〜1.0×105ポイズの範囲が好適
であり、またtanδは105℃において1.0〜2.0の範囲が好
適であることを見出した。
しかし、1.5×104>η′、又はtanδ>2.0であると、
低温定着時、トナーは粘性体に近い挙動を示し、定着性
及び小粒子の埋設性は良好であるが、ホットオフセット
が発生し易い。一方、1.0×105<η′、又はtanδ<1.0
であると、低温定着時、トナーは弾性体として挙動し、
ホットオフセット性は良いが、定着不良となり、且つ小
粒子の埋設性も悪く、脱離し易いため、キャリアへのス
ペント、感光体へのフィルミング等の不具合が生じ、耐
久性も悪い。
本発明において母体粒子Aは熱溶融性樹脂又はワック
スを主成分とし、これに必要がれば着色剤及び/又は磁
性体を添加してなり、主として低温定着、着色等のため
に使用される。一方、小粒子Bは有機高分子物質を主成
分とし、これに必要あれば母体粒子Aの場合と同様、着
色剤及び/又は磁性体を添加してなり、主として耐ブロ
ッキング性向上や感光体、キャリア等へのトナーのフィ
ルミング防止及び良好な帯電性確保のために使用され
る。
ここで母体粒子Aについては平均粒径が5〜25μmで
なければならない。粒径が5μm未満ではスペントトナ
ーが多くなり、25μmを越えると解像力が悪くなる。
一方、小粒子Bについては母体粒子Aの軟化点より少
なくとも5℃高い軟化点を有するか、又は実質的に軟化
点を有せず、且つ平均粒径が0.1μm以上、母体粒子A
の平均粒径の1/4以下でなければならない。軟化点が母
体粒子Aの軟化点よりも5℃未満の時、又は平均粒径が
0.1μm未満の時は小粒子B本来の機能を発揮できず、
耐熱保存性不良や、キャリアへのトナーのフィルミング
が発生するし、又、小粒子Bを母体粒子Aに埋設する
際、トナーが凝集を起こし易く、製造が難がしくなる。
また小粒子Bの粒径が母体粒子Aの平均粒径の1/4より
大きい場合、耐熱保存性は非常に良いものの、定着の
際、小粒子Bが母体粒子Aに充分に埋設されないため、
定着不良が起こし易い。
更に本発明においては良好な低温定着性と共に充分な
耐ブロッキング性を維持するため、小粒子の被覆率は母
体粒子の表面積の40〜100%の範囲でなければならな
い。40%未満では小粒子のブロッキング防止効果が低下
する上、製造上も凝集し易く、また100%を越えると、
定着の際、小粒子が母体粒子中に充分に埋設されないた
め、定着不良を起こし易い。
本発明のトナーは一般に母体粒子をこの粒子の軟化点
付近の温度に加熱、軟化させて、これに小粒子を加えて
攪拌、混合することにより得られる。こうして本発明の
トナーは母体粒子の表面に小粒子が埋設された状態で得
られるが、その埋設深さは良好な定着を行なう必要か
ら、攪拌条件や加熱温度等により小粒子の平均粒径未満
に制御される。
母体粒子に使用される材料はη′及びtanδが前記範
囲にあるものであれば全て使用できるが、一般には重量
平均分子量wと数平均分子量nとの比w/nが10
以上と比較的大きく、且つMnが1500〜10000の範囲の場
合が多い。このような材料としては例えばポリスチレ
ン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、
スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピ
レン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合
体、スチレン−マイレン酸共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共
重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸
オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重
合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体
(ストレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−
メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸
ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重
合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステ
ル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン
置換体を含む単一重合体又は共重合体)、塩化ビニル樹
脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイ
ン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共
重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール等の熱溶
融性樹脂や天然又は合成ワックス等のワックス類の中か
ら選択すればよい。これらは単独又は混合して使用され
る。
一方、小粒子用の有機高分子物質としては母体粒子の
軟化点に応じて、上記母体用材料の中から選択すること
ができる。又、母体用樹脂としては不適な、軟化点の高
い樹脂や、実質的に軟化点を持たない、例えばシリコー
ン樹脂、フェノール樹脂等の熱軟化性樹脂等も使用する
ことができる。
着色剤としてカーボンブラック、含クロムモノアゾ染
料、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブ
ルー、クロムイエロー、群青、キノリンイエロー、メチ
レンブルー塩化物、モナストラルブルー、マラカイトグ
リーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガ
ル、モナストラルレッド、スーダンブラックBM又はそれ
らの混合物等が挙げられる。磁性体としてはCo,Fe,Ni等
の金属粉;Al,Co,Cu,Fe,Pb,Ni,Mg,Sn,Zz,Au,Ag,Se,Ti,W,
Zr等の金属の合金又は混合物;酸化鉄、酸化ニッケル等
の金属酸化物、又はこれを含む金属化合物;強磁性フェ
ライト;又はそれらの混合物等が挙げられる。
更に本発明のトナーには流動性改質等のため、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン等の微粉末を添加混合するこ
とができる。
以上のような本発明のトナーは母体粒子及び/又は小
粒子中に磁性体を含有させて1成分系乾式現像剤とし
て、或いは磁性体と混合して2成分系乾式現像剤として
使用される。
以下に本発明を実施例によって説明する。なお部は全
て重量部である。また実施例中の耐熱保存性及び定着性
及び耐オフセット性の評価方法は次の通りである。
耐熱保存性(mm): 内径25mm、高さ70mmのガラスビンにトナー10gを入
れ、55℃の恒温槽中に24時間放置後、JIS−K2530の針入
度計で針入度を調べる。
定着性〔定着下限温度(℃)として〕: 定着ローラー:テフロン被覆ローラー、ニップ巾:6m
m,線速120mm/secの定着条件で定着ローラー温度を変化
させてトナーをコピー用紙上に定着した時、クロックメ
ーターでの定着率が70%に達する温度を調べる。
耐オフセット性(オフセット発生温度として): 転写用紙上に転写されたトナー像を前記定着器で定着
処理し、ついで白紙の転写用紙をこの定着器に送ってこ
れにトナー汚れが生じるか否かを観察する操作を前記定
着器の加熱ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で
繰返し、これにより地汚れ、即ちオフセット発生温度を
求める。
以下に本発明を実施例によって説明する。なお部は全
て重量部である。
実施例1 ポリエステル樹脂A(w=108,000、w/n=25.
3、ガラス転移点Tg=57℃) 100部 含クロムモノアゾ染料 0.5部 カーボンブラック 10部 よりなる塑性物を混練、粉砕、分級して平均粒径12.0μ
mの母体粒子を作った。このものの軟化点は67℃、また
粘弾性特性はη′=8.01×104ポイズ(95℃)、tanδ=
1.75(105℃)であった。
次に平均粒径0.50μm、軟化点約150℃の弗素樹脂製
小粒子と前記母体粒子とを1.07/10の重量比で混合し、
ミキサーで攪拌した後、ガラスびんに入れ、62℃の雰囲
気下、レッドデビル混合器で約1時間更に攪拌混合し
た。得られたトナーの小粒子による被覆率は、δ=1.
10g/cm3、δ=1.20g/cm3から約70%であった。このト
ナーは走査型電子顕微鏡による観察から第2図に示すよ
うに母体粒子表面に小粒子が部分的に埋設された状態に
あることが確認された。
このトナーについて耐熱保存試験を行なったところ、
10.3mmと非常に良好な耐熱保存性を示した。
次に平均粒径100μmのフェライト粉末にシリコーン
樹脂を1μm厚に被覆したキャリア100重量部に前記ト
ナーを3重量添加混合して2成分系乾式現像剤を作って
定着試験を行なったところ、定着下限温度は135℃で良
好な低温定着性を有することが判った。
次にこの現像剤(初期帯電量−18.6μc/gブローオフ
法による)をテフロン製加熱ローラー定着器を備えた普
通紙電子写真複写機(リコー社製FT6080で、離型用オイ
ルの塗布装置を外したもの)に入れ、加熱ローラー温度
150℃で10万枚の連続コピーを行なったところ、10万枚
コピー後も現像剤の帯電量は−18.2μc/gと殆んど変ら
ず、またオフセットや地汚れも発生せず、初期と変らな
い商品質の画像が得られた。また感光体へのトナーフィ
ルミングも認められなかった。これらの結果は表−1に
示した。
実施例2 母体粒子を下記組成に変えた他は実施例1と同じ方法
でトナー及び現像剤を作った。
スチレン〜2−エチルヘキシルアクリレート共重合体
(w=440,000、w/=36.5、Tg=57℃) 50部 ポリエステル樹脂A(実施例1と同じ) 50部 カーボンブラック 10部 なお母体粒子の軟化点は73℃、またη′=4.44×104
ポイズ(95℃)、tanδ=1.88(105℃)であった。
次にこの現像剤を用いて実施例1と同様に連続コピー
を行ない、表−1に示すように良好な結果を得た。なお
現像剤の帯電量は初期−19.5μc/g、連続コピー後−18.
8μc/gと殆んど変らなかった。
実施例3 母体粒子を下記組成に変えた他は実施例1と同じ方法
でトナー及び現像剤を作った。
ポリエステル樹脂B(w=135,000、w/n=52.
1、Tg=59℃) 100部 カーボンブラック 10部 なお母体粒子の軟化点は64℃、また粘弾性特性はη′
=3.37×104ポイズ(95℃)、tanδ=1.22(105℃)で
あった。
次にこの現像剤を用いて実施例1と同様に連続コピー
を行ない、表−1に示すように良好な結果を得た。なお
現像剤の帯電量は初期−20.1μc/g、連続コピー後−20.
3μc/gと殆んど変らなかった。
比較例1 ポリエステル樹脂Aをポリエステル樹脂C(w=37
5,000、w/n=75.3、Tg=72℃)に変え、且つ小粒
子の埋設処理温度を72℃とした他は実施例1と同じ方法
でトナー及び現像剤を作った。
なお母体粒子の軟化点は77℃、また粘弾性特性はη′
=1.02×105ポイズ(95℃)、tanδ=1.08(105℃)で
あった。
次にこの現像剤を用いて実施例1と同様に連続コピー
を行ない、表−1に示す結果を得た。即ち、比較例1の
トナーはオフセット性は良好であるが、定着下限温度が
高く、定着不良が発生し、また、小粒子の埋設処理温度
を72℃から75℃と高くしても、小粒子は、凝集せずに十
分埋設せず、小粒子の脱離が多く、地汚れが多く、感光
体へのフィルミング、キャリアのスペントも発生した。
なお現像剤の帯電量は初期−18.9μc/gから連続コピー
後−18.1μc/gと変化した。
比較例2 ポリエステル樹脂Bをポリエステル樹脂D(w=6,
500、w/n=2.4、Tg=59℃)に変えた他は実施例3
と同じ方法でトナー及び現像剤を作った。
なお母体粒子の軟化点は72℃、また粘弾性特性はη′
=1.35×104ポイズ(95℃)、tanδ=10.21(105℃)で
あった。
以下この現像剤を用いて実施例1と同様に連続コピー
を行ない、表−1に示す結果を得た。即ち比較例2のト
ナーは低温定着性は良好であったが、耐オフセット性が
悪く、連続コピーでオフセットが発生した。なお現像剤
の帯電量は初期−18.5μc/gから連続コピー後−17.7μc
/gと変化した。
比較例3 ポリエステル樹脂Bをスチレン〜n−ブチルアクリレ
ート共重合体(w=12,500、w/n=11.1、Tg=66
℃)に変えた他は実施例3と同じ方法でトナー及び現像
剤を作った。
なお母体粒子の軟化点は72℃、また粘弾性特性はη′
=6.88×104ポイズ(95℃)、tanδ=2.93(105℃)で
あった。
以下、この現像剤を用いて実施例1と同様に連続コピ
ーを行ない、表−1に示す結果を得た。即ち比較例3の
トナーは比較例2と同様、低温定着性は良好であった
が、耐オフセット性が悪く、連続コピーでオフセットが
発生した。なお現像剤の帯電量は初期−19.3=μc/gか
ら連続コピー後−19.0μc/gと変化した。
実施例4 ポリエステル樹脂Aをスチレン〜エチルアクリレート
共重合体(w=22,500、w/n=10.5、Tg=60℃)
に変えた他は実施例1と同じ方法でトナー及び現像剤を
作った。
なお母体粒子の軟化点は69℃、また粘弾性特性はη′
=7.01×104ポイズ(95℃)、tanδ=1.52であった。
以下、この現像剤を用いて実施例1と同様に連続コピ
ーを行なったところ、表−1に示すように良好な結果が
得られた。なお現像剤の帯電量は初期−18.6μc/g、連
続コピー後−17.9μc/gと殆んど変らなかった。
実施例5 母体粒子の組成を下記のように変えた他は実施例1と
同じ方法でトナー及び現像剤を作った。
スチレン〜エチルアクリレート共重合体(実施例4と同
じ) 60部 ポリエステル樹脂E(w=86,000、w/n=2.8、T
g=64℃) 40部 カーボンブラック 10部 なお母体粒子の軟化点は71℃、また粘弾性特性はη′
=2.01×104ポイズ(95℃)、tanδ=1.48(105℃)で
あった。
以下、この現像剤を用いて実施例1と同様に連続コピ
ーを行なったところ、表−1に示すように良好な結果が
得られた。なお現像剤の帯電量は初期−16.5μc/g、連
続コピー後−16.3μc/gと殆んど変らなかった。
効果 本発明のトナーは以上のような構成にしたので、特に
低温定着性、耐オフセット性及び耐熱保存性に優れ、ま
た使用中、スペント化や感光体へのフィルミングが発生
せず、しかも帯電性が均一なので、長期に亘って安定し
て良好な画像を得ることができる等の利点を有してい
る。従ってまた本発明のトナーは高速定着用として好適
で、また耐ブロッキング性も優れているので、コピー保
存性も良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のトナーの定着機構の説明図、第2図は
本発明のトナーの一例の断面モデル図である。 1…トナー、2…転写用紙 3…定着用加熱ローラー、4…定着用加圧ローラー 5…粘性体の溶融表面、5′…粘弾性体の溶融表面 A…母体粒子、B…小粒子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が5〜25μmの熱定着性母体粒子
    Aの表面に、前記母体粒子Aの軟化点より少なくとも5
    ℃高い温度に軟化点を有するか、又は実質的に軟化点を
    有せず、且つ平均粒径が0.1μm以上、前記母体粒子A
    の平均粒径の1/4以下の、有機高分子物質を主体とする
    小粒子Bを、小粒子Bの粒径未満の深さに埋設被覆して
    なり、且つ小粒子Bによる被覆率αが母体粒子Aの表面
    積の40〜100%の範囲にある静電潜像現像用トナーにお
    いて、母体粒子Aの動的粘弾性特性を表わす貯蔵粘性率
    η′(ω)及び力学的正切損失tanδが夫々1.5×104
    1.0×105ポイズ(95℃において)及び1.0〜2.0(105℃
    において)の範囲にあることを特徴とする静電潜像現像
    用トナー。
JP63046032A 1988-02-29 1988-02-29 静電潜像現像用トナー Expired - Lifetime JP2708446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63046032A JP2708446B2 (ja) 1988-02-29 1988-02-29 静電潜像現像用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63046032A JP2708446B2 (ja) 1988-02-29 1988-02-29 静電潜像現像用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01219846A JPH01219846A (ja) 1989-09-01
JP2708446B2 true JP2708446B2 (ja) 1998-02-04

Family

ID=12735701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63046032A Expired - Lifetime JP2708446B2 (ja) 1988-02-29 1988-02-29 静電潜像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2708446B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4888147B2 (ja) * 2007-02-13 2012-02-29 住友ベークライト株式会社 樹脂組成物、フィルム付きまたは金属箔付き絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、多層プリント配線板の製造方法および半導体装置
JP5375405B2 (ja) * 2009-07-23 2013-12-25 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置
CN106164780B (zh) * 2014-02-12 2019-08-23 京瓷办公信息系统株式会社 调色剂

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01219846A (ja) 1989-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2750853B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
US4908290A (en) Toner for developing latent electrostatic images
EP0254543B1 (en) Electrostatic image developing toner
JP4415805B2 (ja) 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像剤および静電潜像現像用トナーの製造方法。
JP4146814B2 (ja) 電子写真用乾式カプセルトナー
JP2000010337A (ja) トナー、二成分現像剤及び電子写真装置
JP4501742B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法
US11537057B2 (en) Toner, toner accommodating unit, image forming apparatus, and image forming method
JP2010072114A (ja) キャリア、現像剤及び画像形成方法
JP5530990B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2992755B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2708446B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP3067761B1 (ja) 静電荷像現像用トナ―及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤並びに画像形成方法
JPS62100775A (ja) ヒ−トロ−ル定着用磁性トナ−
JP3854361B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びこれを用いた画像形成方法
JP4491171B2 (ja) 画像形成用二成分現像剤及びそれを用いる画像形成方法
JP2007079205A (ja) 静電潜像現像用トナー、これを用いた現像剤および画像形成方法
JP2838410B2 (ja) 静電像現像トナー
JP3731986B2 (ja) 電子写真用非磁性トナー
JPH06342224A (ja) トナー粒子
JP4615747B2 (ja) トナー及びそれを用いる画像形成方法
JPH09222750A (ja) 画像形成方法及び画像形成用トナー
JPS63128363A (ja) カラー電子写真用カラートナー
JP2570276B2 (ja) トナー
JP4162689B2 (ja) 二成分現像剤および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071017

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081017

Year of fee payment: 11