JP2000010337A - トナー、二成分現像剤及び電子写真装置 - Google Patents

トナー、二成分現像剤及び電子写真装置

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JP2000010337A JP17854598A JP17854598A JP2000010337A JP 2000010337 A JP2000010337 A JP 2000010337A JP 17854598 A JP17854598 A JP 17854598A JP 17854598 A JP17854598 A JP 17854598A JP 2000010337 A JP2000010337 A JP 2000010337A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着性、耐オフセット性、貯蔵安定性を満足
でき、廃トナーリサイクルをしても高性能な現像性を維
持でき、感光体、現像部材等へのフィルミングが抑えら
れ、また転写ローラを用いた転写システムを具備する電
子写真装置において、転写の中抜けが抑えられ、高効率
の転写性を有することができる。また高濃度、低地かぶ
りで感光体へのフィルミングの発生を防ぐことをが可能
とするトナーを提供することを目的とする。 【解決手段】 特定の融点を有するエステル系ワックス
と、疎水性シリカ微粉末と、磁性体微粉末からなり、さ
らに熱風により表面改質処理を施すトナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、レーザビー
ムプリンタ(以下、LBPと記す)、普通紙ファクシミ
リ(以下、FAXと記す)に用いられるトナーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真装置はオフィスユースの
目的からパーソナルユースへと移行しつつあり、小型
化、メンテフリーなどを実現する技術が求められてい
る。そのため廃トナーのリサイクルなどのメンテナンス
性が良く、オゾン排気が少ないなどの条件が必要とな
る。
【0003】電子写真方式の複写機、プリンターの印字
プロセスを説明する。先ず、画像形成のために像担持体
(以下感光体と称す)を帯電する。帯電方法としては、
従来から用いられているコロナ帯電器を使用するもの、
また、近年ではオゾン発生量の低減を狙って導電性ロー
ラを感光体に直接押圧した接触型の帯電方法などによっ
て感光体表面を均一に帯電する方法がある。感光体を帯
電後、複写機であれば、複写原稿に光を照射して反射光
をレンズ系を通じて感光体に照射する。或いは、プリン
タであれば露光光源としての発光ダイオードやレーザー
ダイオードに画像信号を送り、光のON−OFFによっ
て感光体に潜像を形成する。感光体に潜像(表面電位の
高低)が形成されると感光体は予め帯電された着色粉体
であるトナー(直径が5μm〜15μm程度)によって
可視像化される。トナーは感光体の表面電位の高低に従
って感光体表面に付着し複写用紙に電気的に転写され
る。すなわち、トナーは予め正または負に帯電しており
複写用紙の背面からトナー極性と反対の極性の電荷を付
与して電気的に吸引する。転写方法としては、従来から
用いられているコロナ放電器を使用するもの、また、近
年ではオゾン発生量の低減を狙って導電性ローラを感光
体に直接押圧した転写方法が実用化されている。転写時
には感光体上の全てのトナーが複写用紙に移るのではな
く、一部は感光体上に残留する。この残留トナーはクリ
ーニング部でクリーニングブレードなどで掻き落とされ
廃トナーとなる。そして複写用紙に転写されたトナー
は、定着の工程で、熱や圧力により、紙に固定される。
【0004】定着方法としては、2本以上の金属ロール
間を通過させる圧力定着方式と電熱ヒータによる加熱雰
囲気中を通過させるオーブン定着方式および加熱ローラ
ー間を通過させる熱ロール定着方式がある。熱ロール定
着方式は加熱ローラの表面と複写用紙上のトナー面とが
圧接触するためトナー画像を複写用紙に融着する際の熱
効率が良好であり、迅速に定着を行うことが出来る。し
かしながら熱ロール定着方式では加熱ローラ表面にトナ
ーが加熱溶融状態で圧接触するためトナーの一部がロー
ラ表面に付着して再び複写用紙上に付着し画像を汚すオ
フセット現象を起こしやすい欠点がある。そのオフセッ
ト防止する方法として、加熱ローラ表面を耐熱性でトナ
ーに対する離型性に富む弗素樹脂やシリコンゴムで形成
し、さらにその表面にシリコーンオイルなどのオフセッ
ト防止用液体を供給して液体の薄膜でローラ表面を被覆
する方法が取られている。この方法では、シリコーンオ
イルなどの液体が加熱されることにより臭気を発生し、
また、液体を供給するための余計な装置が必要となり、
複写装置の機構が複雑になる。また、安定性よくオフセ
ットを防止するためには、高い精度で液体の供給をコン
トロールする必要があり、複写装置が高価にならざるを
得ない。そこでこのような液体を供給しなくてもオフセ
ットが発生せず、良好な定着画像が得られるトナーが要
求されている。
【0005】周知のように電子写真方法に使用される静
電荷現像用のトナ−は一般的に樹脂成分、顔料もしくは
染料からなる着色成分および可塑剤、電荷制御剤、更に
必要に応じて離型剤などの添加成分によって構成されて
いる。樹脂成分として天然または合成樹脂が単独あるい
は適時混合して使用される。
【0006】そして、上記添加剤を適当な割合で予備混
合し、熱溶融によって加熱混練し、気流式衝突板方式に
より微粉砕し、微粉分級されてトナー母体が完成する。
その後このトナー母体に外添剤を外添処理してトナーが
完成する。
【0007】一成分現像では、トナーのみで構成される
が、トナーと磁性粒子からなるキャリアと混合すること
によって2成分現像剤が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】昨今地球環境保護の点
から、オゾン発生量の低減や、産業廃棄物の無制限な廃
棄を規制するため従来再利用されずに廃棄されていた廃
トナーを再利用することや、定着の消費電力を抑える低
温定着方法などの必要性が叫ばれている。トナー材料も
オゾン量の発生の少ないローラ転写方法への対応や、廃
トナーリサイクルへの対応や、低温定着化への対応すべ
く改良が進んでいる。更にこれら単独ではなく同時に満
足できる高性能なトナーは環境保護からは重要課題であ
る。
【0009】また複写機や、プリンタ、FAXにおいて
プロセス速度の異なる機種毎に別々の種類のトナーを使
用している。例えば低速機では耐オフセット性を向上さ
せるため、粘弾性の高い、高軟化点の結着樹脂材料を使
用する。高速機では定着に必要な熱量が得にくいため、
定着性を高めるために軟化点を下げた特性の異なる別の
結着樹脂を使用している。プロセス速度とは機械の時間
当たりの複写処理能力に関係し、感光体の周速度を示し
ている。感光体の周速度によって複写用紙の搬送速度が
決まる。これらの別々のトナーを共有化できれば、生産
効率が上がり、トナーコストも大きく下げることが可能
になる。
【0010】定着の工程では、紙へのトナーの付着力で
ある定着強度と、ヒートローラへの付着を防止する耐オ
フセット性とが支配因子となる。
【0011】トナーは定着ローラからの熱または圧力に
より、紙の繊維に溶融浸透して、定着強度が得られる。
この定着特性を向上するため、従来は、結着樹脂を改良
したり、離型剤などを添加したりして、紙へ固着する定
着強度を高め、定着ローラにトナーが付着するオフセッ
ト現象を防止している。
【0012】特開昭59−148067号公報では、樹
脂に低分子量と高分子量部分とを持ち、低分子量のピー
ク値とMw/Mnを規定した不飽和エチレン系重合体を
使用し、軟化点を特定したポリオレフィンを含有するト
ナーが開示されている。これによって、定着性と耐オフ
セット性が確保されるとしている。また特開昭56−1
58340号公報では特定の低分子量重合体成分と高分
子量重合体成分よりなる樹脂を主成分とするトナーが開
示されている。低分子量成分により定着性を確保し、高
分子量成分により耐オフセット性を確保する目的であ
る。また特開昭58−223155号公報では1000
〜1万と20万〜100万の分子量領域に極大値を持
ち、Mw/Mnが10〜40の不飽和エチレン系重合体
からなる樹脂と特定の軟化点を有するポリオレフィンを
含有するトナーが開示されている。低分子量成分により
定着性を確保し、高分子量成分とポリオレフィンにより
耐オフセット性を確保する目的として使用されている。
【0013】しかし、高速機での定着強度を高めるため
に、結着樹脂の溶融粘度を下げたり低分子量化した樹脂
を使用すると、長期使用中に2成分現像であればトナー
がキャリアに固着するいわゆるスペントが発生し易くな
る。一成分現像であれば、ドクターブレードや現像スリ
ーブ上にトナーが固着しやすくなり、トナーの耐ストレ
ス性が低下する。低速機に使用すると定着時ヒートロー
ラにトナーが付着するオフセットが発生しやすくなる。
また長期保存中にトナー同士が融着するブロッキングが
発生する。
【0014】高分子量成分と低分子量成分をブレンドす
る構成によっては、狭範囲のプロセス速度に対しては定
着強度と、耐オフセット性を両立させることが可能では
あるが、広範囲のプロセス速度に対応することは難し
い。広範囲のプロセス速度に対応するためにはより高い
高分子量成分とより低い低分子量成分の構成にする必要
がある。高速機では低分子量成分を多くすることにより
定着強度を高めることができるが、耐オフセット性も悪
化する。低速機では高分子量成分を多くすることにより
耐オフセット性を高める効果が得られるが、高分子量成
分を多くすると、トナーの粉砕性が低下し生産性が低下
する弊害が生じる。
【0015】そのため、高分子量成分と低分子量成分を
ブレンドした、あるいは共重合させた構成に対して、低
軟化点離型剤の添加例えばポリプロピレンワックスの添
加により、定着時ヒートローラからの離型性を良くして
耐オフセット性を高める効果が得られる。
【0016】さらにポリエチレンワックス添加により、
それ自身摩擦低減効果を持つため定着時の熱でトナー表
面に溶融析出することで、結着樹脂の定着性に寄与する
低分子量成分が同量であっても、定着性向上には効果的
である。つまりポリエチレンワックス添加による定着性
向上作用は、複写用紙とトナーとの結合を強化するので
はなく、外部からの力を逃がす効果によるものである。
【0017】しかし上記材料は離型性が高い分だけ結着
樹脂中での分散性を良好に保てないと、逆極性トナーが
発生し易く、画質を悪化させる。またキャリア、感光
体、現像スリーブをフィルミング汚染する課題がある。
【0018】また、エステル系の天然ワックスの添加は
定着性を良化させ、耐オフセット性、貯蔵安定性との両
立を可能とすることが出来る。融点が低く、シャープメ
ルトで樹脂自体適度な硬さを有しているため、定着特性
改善のために好適な材料である。また天然成分であるた
め地球環境保護に優れた材料である。
【0019】しかし、電子写真用トナー材料として使用
する際、この材料特有の種々の課題が生じる。結着樹脂
中での分散性に起因するカブリの増大、感光体へのフィ
ルミング、クリーニングブレードへの付着によるブレー
ドめくれ、さらには材料自体ある程度のヨウ素価を有し
ているため、材料酸化によりトナー自体の帯電性が上昇
し、画像濃度が低下する現象が生じる。これは特に高温
低湿下の環境にて顕著に発生する。また、現像剤の磁気
変動(透磁率の変化)を検知してキャリアとトナーの濃度
比率を一定にする二成分現像方式では、例えば透磁率セ
ンサーを使用する場合であるが、高湿下にて長時間放置
した後、トナー濃度コントロールが動作不良となり、ト
ナーが過剰に補給されるオーバートナー現象となり、カ
ブリ、飛散の増大が生じる。原因は特定できてないが、
高湿下で、トナー粒子の局部的な帯電性の変化、現像剤
自体の嵩比重の変化等が要因と考えられるが、エステル
系の天然ワックス添加により顕著に現われる現象であ
る。
【0020】また、前記したように近年地球環境保護の
観点から、転写後に感光体上に残留し、クリーニング手
段によって回収された廃トナーを再度現像工程でリサイ
クルするのが好ましい。しかしながら、廃トナーをリサ
イクルするとき、廃トナーがクリーナ部、現像部、また
廃トナーを現像部へ戻すときの輸送管内で受けるストレ
スなどにより離型剤の存在するトナーの軟質の部分にダ
メージが現れる。またクリーニング工程で感光体から掻
き落とされた廃トナーを再度現像でリサイクルする際、
分散不良となった廃トナーと現像器内の新しいトナーが
混合すると帯電量分布が不均一になり、逆極性トナーが
増加して、複写画像の品質が低下する。さらに感光体へ
のワックスのフィルミングが助長され、寿命低下の要因
となる。また葉書などの長さの短い用紙では感光体ドラ
ムとの摩擦力で搬送されるが、上記離型剤が感光体に付
着するとその搬送力を低下させ葉書通紙不良となる。
【0021】また上記したエステル系の天然ワックスを
使用したトナーでは、クリーニングブレードでかき落と
された廃トナーが、定着器からの熱により、帯電量が低
下する現象が生じる。材料の持っているヨウ素価等の影
響と考えられる。そのため廃トナーをリサイクルして現
像器に戻すと、トナー飛散、カブリがより顕著に発生す
る。
【0022】また、前記の導電性弾性ローラを用いた転
写方式は、像担持体と導電性弾性ローラとの間に転写紙
を挿通させ、前記導電性弾性ローラに転写バイアス電圧
を付与することにより前記像担持体表面上にあるトナー
を転写紙に転写するものであるが、かかる導電性弾性ロ
ーラを用いた転写方式では、転写紙に裏汚れが発生する
といった問題がある。これは像担持体上のトナーを転写
ローラを用いて転写紙に転写する場合、転写紙がない状
態では転写ローラは像担持体に所定の圧力で当接してお
り、現像工程でカブリが多いと、かかるカブリによるト
ナーによって転写ローラが汚染し、このトナーによって
汚染した転写ローラが送られて来た転写紙の裏面に当接
するためである。
【0023】本発明は上記問題点に鑑み、結着樹脂中に
ワックス等の内添加剤の分散性を向上させ、均一な帯電
分布を有するトナーを提供することを目的とする。
【0024】また、高機能な結着樹脂を使用しても、樹
脂特性を劣化させることなく添加剤の分散性を向上させ
安定した現像性を維持出来るトナーを提供することを目
的とする。
【0025】また、プロセス速度が広範囲に異なる機種
においても、定着性と耐オフセット性と貯蔵安定性を両
立出来、かつ分散性に優れ帯電性が安定し高画質を可能
とするトナーを提供することを目的とする。
【0026】また、導電性弾性ローラを用いた電子写真
方法で転写時の中抜けや飛び散りを防止し、高転写効率
が得られるトナーを提供することを目的とする。
【0027】また、長期使用においても、感光体のフィ
ルミングを防止できる現像剤を提供することを目的とす
る。
【0028】また、廃トナーをリサイクルしても現像剤
の帯電量、流動性の低下がなく、凝集物を生じず、長寿
命化が図られ、リサイクル現像を可能とし、地球環境汚
染防止と資源の再活用を可能にする現像剤を提供するこ
とを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る第1の構成としてのトナーは、少なく
とも結着樹脂と、着色剤と、ヨウ素価が25以下けん化
価が30〜300であるエステル系ワックスとからなる
ことを特徴とする。
【0030】本発明に係る第2の構成としてのトナー
は、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、ヨウ素価が25
以下けん化価が30〜300であるエステル系ワックス
とからなるトナー母体に、疎水性シリカと磁性体微粒子
を添加することを特徴とする。
【0031】本発明に係る第3の構成としてのトナー
は、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、ヨウ素価が25
以下けん化価が30〜300であるエステル系ワックス
と、不飽和カルボン酸でグラフト変性され酸価が6〜2
00mgKOH/gであるポリオレフィンワックスとか
らなることを特徴とする。
【0032】本発明に係る第4の構成としてのトナー
は、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、ヨウ素価が25
以下けん化価が30〜300であるエステル系ワックス
と、不飽和カルボン酸でグラフト変性され酸価が6〜2
00mgKOH/gであるポリオレフィンワックスとか
らなるトナー母体に、疎水性シリカと磁性体微粒子を添
加することを特徴とする。
【0033】本発明に係る第5の構成としての二成分現
像剤は、少なくとも体積抵抗が10 8〜1014Ωcmの
範囲のもので、磁性コア粒子表面にアクリル系樹脂及び
/又はシリコーン系樹脂からなる樹脂コート層を有し、
前記磁性コア粒子がMnフェライト、Mn−Mgフェラ
イト又はLi−Mnフェライトであるキャリアとから構
成することを特徴とする。
【0034】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、エステル系ワックスのDSC法
による融点が50〜100℃であることを特徴とする。
【0035】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、エステル系ワックスの融点以上
の温度での容積増加率が2〜30%であることを特徴と
することを特徴とする。
【0036】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、エステル系ワックスの220℃
での加熱減量が5重量%以下であることを特徴とする。
【0037】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、エステル系ワックスは予備混合
工程の前に予め結着樹脂中に添加していることを特徴と
する。
【0038】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、結着樹脂は、結着樹脂溶液中に
植物系ワックスを添加し、脱溶剤したものを主成分とす
ることを特徴とする。
【0039】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、エステル系ワックスが極度水素
添加したホホバ油であることを特徴とする。
【0040】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、トナー母体に外添剤として、酸
化チタン微粉末、チタン酸塩系微粉末、ジルコニア酸塩
系微粉末のうちの少なくとも1種類以上からなる無機微
粒子を混合付着することを特徴とする。
【0041】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、トナー母体に熱風による表面改
質処理を施すことを特徴とする。
【0042】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、トナー母体に磁性粒子及び/又
は疎水性シリカを混合付着した後、熱風による表面改質
処理を施すことを特徴とする。
【0043】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、トナー母体に磁性粒子及び/又
は疎水性シリカを混合付着した後、熱風による表面改質
処理を施し、さらに磁性粒子及び/又は疎水性シリカを
外添処理することを特徴とする。
【0044】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、磁性体微粒子の平均粒径が0.
05〜1.0μmでありかつ25%残留径D25と75
%残留径D75の比D25/D75が1.3〜1.7の
範囲内であることを特徴とする。
【0045】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、磁性体微粒子の窒素吸着による
BET比表面積は1〜20m2/gであることを特徴と
する。
【0046】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、磁性体微粒子の抵抗が102
1011Ωcmであることを特徴とする。
【0047】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、磁性体微粒子のバルク密度が
0.3〜0.9g/ccで、かつ圧縮率は30〜80%
であることを特徴とする。
【0048】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、磁性体微粒子のアマニ油吸油量
が10〜30(ml/100g)であることを特徴とす
る。
【0049】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、磁性体微粒子の残留磁化が5〜
20emu/g、飽和磁化が40〜80emu/gであ
ることを特徴とする。
【0050】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、トナーに添加される磁性体微粒
子をチタン系カップリング剤、シラン系カップリング
剤、エポキシシランカップリング剤、アクルリシランカ
ップリング剤、又はアミノシランカップリング剤から選
ばれる少なくとも1種類以上カップリング剤により処理
されることを特徴とする。
【0051】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、トナーに添加される磁性体粒子
の添加量がトナー100重量部に対して、0.1〜5重
量部であることを特徴とする。
【0052】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、結着樹脂が、分子量分布の重量
平均分子量Mwが10万〜60万、重量平均分子量Mw
と数平均分子量Mnの比Mw/Mnが50〜100、Z
平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが3
50〜1200、高化式フローテスターにおける1/2
流出温度が100〜145℃であることを特徴とする。
【0053】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、結着樹脂が、少なくともスチレ
ン系単量体と化学式(化1)で示される単量体を共重合
してなる共重合体からなることを特徴とする。
【0054】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、結着樹脂が、少なくともスチレ
ン系単量体と化学式(化1)、化学式(化2)で示され
る単量体を共重合してなる共重合体からなることを特徴
とする。
【0055】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、結着樹脂が、少なくとも少なく
ともスチレン系単量体と化学式(化1)、化学式(化
3)で示される単量体を共重合してなる共重合体である
ことを特徴とする。
【0056】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、トナーの主成分である結着樹脂
の重量平均分子量Mwが1万〜30万、重量平均分子量
Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3〜50、Z
平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが1
0〜800、高化式フローテスタによる1/2流出温度
が80〜150℃、流出開始温度は80〜120℃であ
る多価カルボン酸又はその低級アルキルエステルと多価
アルコールとの重縮合によって得られるポリエステル樹
脂であることを特徴とする。
【0057】さらに本発明は、第1、第2、第3、第4
及び第5構成において、少なくとも結着樹脂、着色剤、
定着助剤からなるトナー母体構成材料を予備混合し、そ
の後混錬、粉砕により作成された着色粒子を、分級によ
り微粉トナーをカットして所定の粒度分布に作成し、前
記分級によりカットされた微粉トナーを再度前記予備混
合工程に戻して、前記トナー母体構成材料とともに混合
して再利用することを特徴とする。
【0058】
【発明の実施の形態】本発明において、結着樹脂中に、
着色剤とともに、エステル系のワックスを添加する。こ
れは定着助剤として定着性向上に作用し、紙との接着性
を強化するとともに、紙上の画像表面での摩擦抵抗を減
少させ、擦過によるトナーの紙からの剥離を抑えて定着
性を向上させるとともに、耐オフセット性改良、さらに
は貯蔵安定性も維持できる効果がある。
【0059】高級脂肪酸と高級アルコールとエステル結
合からなるエステル系のワックスが好適に使用され、ヨ
ウ素価が25以下けん化価が30〜300、DSC法に
よる融点が50〜100℃のものが好ましい。より好ま
しくはヨウ素価が15以下、けん化価が50〜250、
DSC法による融点が55〜90℃、さらに好ましく
は、ヨウ素価が5以下、けん化価が70〜200、DS
C法による融点が60〜85℃のものである。ヨウ素価
が25以上であると、材料の酸化による帯電性の変化が
大きくなり画像の安定性を阻害する。けん化価が30以
下になると、不けん化物、炭化水素の存在が増加し、感
光体フィルミング、帯電性の悪化を生じる。300以上
となると樹脂との分散性が悪化し、カブリトナー飛散の
増大を招く。
【0060】さらに融点以上の温度での10℃変化時の
容積増加率が2〜30%の材料が好ましい。固体から液
体に変わるとき急激に膨張することで定着時の熱で溶融
したとき、トナー相互の接着性がより強化され、より定
着性が向上し、また定着ローラとの離型性も良くなり耐
オフセット性も向上する。2以下では効果が少なく、3
0以上となると混練時の分散性が低下する。
【0061】添加量としてはトナー100重量部に対し
て0.1〜20重量部が好ましい。0.1重量部以下で
あると、定着性の効果が得られず、20重量部以上では
貯蔵安定性に難点がある。
【0062】またこのときのトナーのガラス転移点は4
0〜55℃、好ましくは42〜51℃、より好ましくは
44〜48℃が好ましい。上記ワックスが均一に分散さ
れて相溶性が向上するとトナーのガラス転移点が見掛け
上低下して定着性が向上する。しかも貯蔵安定性は従来
のトナーのガラス転移点を下げたものに比べて、より向
上し、定着性と貯蔵安定性の両立範囲がより広がる効果
がある。40℃以下になるとトナーの耐久性が悪化し、
55℃以上では定着性改良の効果が得られない。
【0063】カルウナバワックス、キャンデリラワック
ス、水素添加したホホバ油、木ろう、みつろう、オゾケ
ライト、セレシン、ライスワックス等の材料がが好まし
く、一種類又は二種類以上組み合わせての使用も可能で
ある。
【0064】本発明に好適に使用される結着樹脂は、各
種ビニル系モノマーによる単独重合体または共重合体が
好ましい。例えば、スチレン、O−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p―エチルスチ
レン、2,4−ジメチルアスチレン、p−nブチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシ
ルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、P−クロルスチレンなどのスチレンのお
よびその誘導体があげられ、とくにスチレンが好まし
い。
【0065】またアクリル単量体としては、下記一般式
(化1)の式中R1は、水素原子または低級アルキル
基、R2は水素原子、炭素数12までの炭化水素基、ヒ
ドロキシルアルキル基、ビニルエステル基またはアミノ
アクリル基である。そのアクリル単量体としては、アク
リル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘ
キシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル
酸エチル、γ−ヒドロキシアクリル酸プロピルα−ヒド
ロキシアクリル酸ブチル、β−ヒドロキシメタクリル酸
エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、γ−N,N−
ジエチルアミノアクリル酸プロピル、エチレングリコー
ルジメタクリル酸エステル、テトラエチレングリコール
ジメタクリル酸エステル等を挙げることができる。本発
明の目的に好適なスチレンーアクリル系共重合体として
は、スチレン/ブチルアクリレート共重合体であり、特
にスチレンを75〜85重量%、ブチルアクリレートを
15〜25重量%含有するものが好適に使用される。
【0066】さらに本発明に好適に使用される結着樹脂
としては、スチレン系、(メタ)アクリル酸系単量体と
ともに(化2)に示す長鎖アルキル基を有する(メタ)
アクリル酸系の単量体を共重合させたものが好適に使用
される。これにより電荷制御剤、顔料、ワックス、特に
エステル系ワックスの分散性が著しく向上し、定着性、
耐オフセット性が良化するとともに、帯電の安定性、高
温低湿下の帯電上昇や、高湿下でのトナー濃度制御不良
等の環境課題が抑制される効果がある。結着樹脂100
重量部に対して、0.01〜8重量部添加される。少な
いと効果が得られず、多すぎると樹脂の耐久性が低下す
る。
【0067】さらに本発明にかかる結着樹脂としては、
スチレン系、(メタ)アクリル酸系単量体とともに(化
3)に示すアミノ基を有する(メタ)アクリル酸系の単
量体を共重合させたものが好適に使用される。例えば、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有するビニル
系単量体である。これによりエステル系ワックスを含有
したトナーの高温低湿下での負帯電性の過帯電を抑制
し、帯電の安定化を図り、画質の安定性が得られる。結
着樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部添加
される。少ないと効果が得られず、多すぎると耐湿性が
低下する。
【0068】重合体の製造方法としては、バルク重合、
塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の
重合法を使用することができる。重合率30〜90重量
%までバルク重合を行いついで溶剤と重合開始剤を添加
して、溶液重合により反応を継続する方法等も好まし
い。
【0069】本発明において、トナーを広範囲の現像プ
ロセス速度(140mm/sec〜480mm/se
c)に対応させるためには、前記混練時の添加剤の分散
性を向上させることによるトナーの定着性および帯電性
の向上だけでなく、結着樹脂の熱溶融による紙への浸透
力を更に高めること,トナー定着像の表面の滑り性を上
げること,および耐オフセット性を向上させるために適
度な粘弾性を有するものにすることが必要である。紙へ
の浸透力を高め、耐オフセット性を向上させるために
は、結着樹脂の低分子量重合体成分と高分子量重合体成
分のそれぞれにおける組成とガラス転移点と分子量を特
定し、さらに本発明のエステル系ワックスの添加を組み
合わせて使用するのが好ましい。
【0070】結着樹脂全体として重量平均分子量Mwが
10万〜60万、重量平均分子量Mwと数平均分子量M
nの比Mw/Mnが50〜100、Z平均分子量Mzと
数平均分子量Mnの比Mz/Mnが350〜1200、
高化式フローテスタによる1/2流出温度(以下軟化
点)が100〜145℃であることが好ましい。
【0071】さらには重量平均分子量Mwが12万〜4
5万、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw
/Mnが60〜95、Z平均分子量Mzと数平均分子量
Mnの比Mz/Mnが500〜1100、軟化点が10
5〜135℃であることがより好ましい。さらには重量
平均分子量Mwが15万〜45万、重量平均分子量Mw
と数平均分子量Mnの比Mw/Mnが70〜95、Z平
均分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが60
0〜1100、軟化点が110〜135℃であることが
より好ましい。定着性および製造段階での粉砕時におけ
る粉砕性を更に向上させるためには、結着樹脂はスチレ
ン系成分を50〜95重量%含むものが好ましい。また
結着樹脂のフローテスターによる流出開始温度は、80
〜120℃の範囲、好ましくは85〜110℃の範囲、
より好ましくは85〜100℃の範囲にあるのがよい。
【0072】Mwが10万以下、Mw/Mnが50以
下、比Mz/Mnが350以下、軟化点が100℃以
下、流出開始温度が80℃以下の場合、混練時のせん断
力が係りにくく、エステル系ワックスの分散性が低下す
るとともに、低速時での耐オフセット性が悪化する。M
wが60万以上、Mw/Mnが100以上、比Mz/M
nが1200以上、軟化点が145℃以上、流出開始温
度が120℃以上の場合、高速時での定着性が悪化し、
粉砕性が悪化する。
【0073】Z平均分子量はは最もよく高分子量側のテ
ーリング部における分子量の大きさと量を表し、エステ
ル系ワックスを添加したトナー特性において大きな影響
を与える。Mzが大きいほど樹脂強度が増大し、熱溶融
混錬時の粘度が増大して、分散性が著しく向上する。カ
ブリ、トナー飛散を抑えることが出来るとともに、高温
低湿下、高湿下の環境変動を抑制できる効果が得られ
る。Mz/Mnが大きくすることは、超高分子量領域ま
で幅広く広がっているものであり、混練時での溶融性が
よく溶融粘度を上げている。
【0074】前記結着樹脂の重量平均分子量は、数種の
単分散ポリスチレンを標準サンプルとするゲル・パーミ
エーション・クロマトグラフィーによって測定された値
である。すなわち、温度25℃においてテトラヒドロフ
ランを溶媒として毎分1mlの流速で流し、これに濃度
0.5g/dlのテトラヒドロフラン試料溶液を、試料
重量で10mg注入して測定した値である。測定条件
は、対象試料の分子量分布が、数種の単分散ポリスチレ
ン標準試料により得られる検量線における分子量の対数
とカウント数が直線となる範囲内に包含される条件であ
る。
【0075】また、結着樹脂の軟化点は、島津製作所の
フローテスタ(CFT500)により、1cm3 の試料
を昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーにより
20kg/cm2 の荷重を与え、直径1mmのノズルか
ら押し出して、このプランジャーの降下量と昇温温度特
性との関係から、その特性線の高さをhとしたとき、h
/2に対する温度を軟化点(Tm)、押し出した時の流
出開始したときの温度を流出開始温度(Ti)とした。
【0076】DSC法による吸熱ピークの融点は、島津
製作所の示差熱量分析計DSC−50を使用した。5℃
/minで200℃まで昇温し、5分間保温10℃まで
急冷後、15分間放置後5℃/minで昇温させ、吸熱
(融解)ピークから求めた。セルに投入するサンプル量
は10mg±2mgとした。
【0077】また、本発明のトナーでは、結着樹脂中に
予めエステル系ワックスを内添加しておく。通常予備混
合の工程で結着樹脂、着色剤、電荷制御剤等と同時に前
記ワックスが混合されるが、均一に混合させるために
は、ある程度の攪拌力が必要であり、必然的に混合機槽
内の温度が上昇する。そのため低融点の前記ワックスが
凝集を起こし、分散不良を生じる。そこで結着樹脂中に
分散させておくことでこの問題が解決できる。つまり結
着樹脂を以下のような溶剤に溶解して結着樹脂溶液を作
成し前記ワックスと混合した後、その結着樹脂溶液を1
20〜250℃で常圧脱溶剤あるいは減圧脱溶剤する工
程である。結着樹脂やワックスの熱劣化の防止、脱溶剤
の効率の観点から150〜220℃で行うのが好まし
い。結着樹脂溶液中に前記ワックスを添加して脱溶剤す
ることによって、結着樹脂と前記ワックスとの相分離が
抑制され相溶性が向上する。また、予備混合工程で発生
する前記ワックスの分散性が向上するとともに着色剤や
他の内添剤の分散性も向上する。さらに前記ワックスの
220℃における加熱減量は5重量%以下であることが
好ましい。加熱減量が5重量%以上になると結着樹脂溶
液の脱溶剤工程において脱溶剤が十分に行われず、結着
樹脂中に残留する。このため結着樹脂のガラス転移点を
大きく低下させトナーの貯蔵安定性を損なう。結着樹脂
中への添加量は全量行ってもよいし、一部は混合時に添
加混合しても構わない。結着樹脂100重量部に対して
0.1〜10重量部が好ましい。0.1以下であると分
散性向上の効果が得られにくい。10以上となると、脱
溶剤の効率が低下し生産性が悪化する。
【0078】溶剤は、ベンゼン、トリオール、キシロー
ル、シクロヘキサン、ソルベントナフサ等の炭化水素系
溶剤、メタノール、エタノール、iso−プロピルアル
コール、n−ブチルアルコ―ル、sec−ブチルアルコ
ール、iso−ブチルアルコール、アミルアルコール、
シクロヘキサノール等のアルコール系溶剤、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル,n−酢酸ブ
チル、セロソルブアセテート等のエステル系溶剤、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセルソルブ、
メチルカルビトール等のエーテル系溶剤等が挙げられ
る。
【0079】また本発明に係る結着樹脂には、多価カル
ボン酸又はその低級アルキルエステルと多価アルコール
との重縮合によって得られるポリエステル樹脂が好適に
使用される。
【0080】多価カルボン酸又は低級アルキルエステル
としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂肪族二塩基酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
シトラコン酸などの脂肪族不飽和二塩基酸、及び無水フ
タル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの
芳香族二塩基酸、及びこれらのメチルエステル、エチル
エステル等を例示することが出来る。この中でフタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族二塩基酸及
びそれらの低級アルキルエステルが好ましい。
【0081】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4
−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加
物、などのジオール、グレセリン、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールエタンなどのトリオール、及びそ
れらの混合物を例示することが出来る。この中でネオペ
ンチルグリコール、トチメチロールプロパン、ビスフェ
ノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA
プロピレンオキサイド付加物が好ましい。
【0082】重合は公知の重縮合、溶液重縮合等を用い
ることが出来る。これによって耐塩ビマット性やカラー
トナーの色材の色を損なうことなしに、良好なトナーを
得ることができる。
【0083】多価カルボン酸と多価アルコールの使用割
合は通常、カルボキシル基数に対する水酸基数の割合
(OH/COOH)で0.8〜1.4が一般的である。
またポリエステル樹脂の水酸基価は6〜100が好まし
い。
【0084】このポリエステル樹脂は、重量平均分子量
Mwが1万〜30万、重量平均分子量Mwと数平均分子
量Mnの比Mw/Mnが3〜50、Z平均分子量Mzと
数平均分子量Mnの比Mz/Mnが10〜800、高化
式フローテスタによる1/2流出温度(以下軟化点)が
80〜150℃、流出開始温度は80〜120℃の範囲
であることが好ましい。
【0085】4色重なる像が形成され定着されるカラー
プロセス用トナーとして使用される場合では、透光性、
光沢性の点から、重量平均分子量Mwが1万〜18万、
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mn
が3〜20、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比
Mz/Mnが10〜300、軟化点が85〜120℃、
流出開始温度は80〜110℃の範囲であることが好ま
しい。より好ましくは、重量平均分子量Mwが1万〜1
5万、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw
/Mnが3〜16、Z平均分子量Mzと数平均分子量M
nの比Mz/Mnが10〜260、軟化点が90〜11
5℃、流出開始温度は85〜110℃の範囲であること
が好ましい。さらに好ましくは、重量平均分子量Mwが
1万〜10万、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mn
の比Mw/Mnが5〜12、Z平均分子量Mzと数平均
分子量Mnの比Mz/Mnが14〜220、軟化点が9
5〜115℃、流出開始温度は85〜105℃の範囲で
あることが好ましい。
【0086】トナーはほぼ完全溶融することで良好な色
再現性が得られるものの、その分、弾性が低下し、オフ
セットし易くなるが、本発明のエステル系ワックスの添
加によりオフセットの発生を防止することができる。
【0087】1色の現像である白黒プロセス用黒トナー
では、透光性、平滑性はあまり考慮する必要がないが、
例えば、広範囲の現像プロセス速度(140mm/se
c〜480mm/sec)に対応させる必要がある場合
などは、前記混練時の添加剤の分散性を向上させること
によるトナーの定着性および帯電性の向上だけでなく、
結着樹脂の熱溶融による紙への浸透力を更に高めるこ
と、トナー定着像の表面の滑り性を上げること、および
耐オフセット性を向上させるために適度な粘弾性を有す
るものにすることが必要である。そのため、重量平均分
子量Mwが5万〜30万、重量平均分子量Mwと数平均
分子量Mnの比Mw/Mnが5〜50、Z平均分子量M
zと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが50〜800、
軟化点が90〜150℃、流出開始温度は80〜120
℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは、重量
平均分子量Mwが8万〜25万、重量平均分子量Mwと
数平均分子量Mnの比Mw/Mnが7〜45、Z平均分
子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが100〜
700、軟化点が95〜146℃、流出開始温度は85
〜115℃の範囲であることが好ましい。さらに好まし
くは、重量平均分子量Mwが10万〜22万、重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが9〜4
5、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/M
nが150〜600、軟化点が100〜142℃、流出
開始温度は85〜110℃の範囲であることが好まし
い。
【0088】さらに、本発明のトナーでは、不飽和カル
ボン酸でグラフト変性された酸価6〜200mg−KO
H/gのポリオレフィンワックスを添加する構成であ
る。これは前記したエステル系ワックスの結着樹脂中の
分散性を向上させる効果があるとともに、高温低湿下で
の負帯電量の過帯電現象が和らげられる効果が見出せ
た。カルボン酸の極性基による電荷のリークの効果と考
えられる。
【0089】骨格の主たる構成単位となる炭素数3ない
し10のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチ
ル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペン
テン、3−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペ
ンテン等が挙げられる。
【0090】酸価が小さいと帯電安定化の効果が少な
く、高いと耐湿性が低下する。また本願発明のトナーに
は、トナー母体に磁性体微粒子と疎水性シリカが外添加
される。トナー母体とは、結着樹脂、着色剤、ワックス等
の成分を予備混合、溶融混錬、粉砕、分級により約4〜
11μmの体積平均粒径に作成されたものである。この
材料の添加により、前記したエステル系ワックス添加時
の高湿下放置時のトナー濃度制御の不安定性の解消が可
能となる。トナー表面に添加することで、粉体の有する
磁気特性、粒径、抵抗、圧縮性等の要因により、エステ
ル系ワックスを添加した影響を緩和する効果があると思
われるが詳細は不明である。さらには高温低湿下でのト
ナーの過帯電を抑制させる効果やクリーニングブレード
へのワックスの付着が回避される効果があることを見出
せた。つまり前記したエステル系ワックスとの相乗効果
により、定着特性と、現像特性等を両立できる高性能な
トナーとすることが可能である。
【0091】トナー母体に外添加される磁性体微粒子と
しては、マクネタイト、鉄、マンガン、コバルト、ニッ
ケル、クロム等の金属粉乃至その合金、酸化クロム、三
二酸化鉄、四三酸化鉄、Cu−Znフェライト、Mn−
Znフェライト、Ba−Niフェライト、Ni−Znフ
ェライト、Li−Znフェライト、Mg−Mnフェライ
ト、Mg−Zn−Cuフェライト、Mnフェライト、M
n−Mgフェライト、Li−Mnフェライト等が挙げら
れる。特にこの中で、マグネタイト、Mnフェライト、
Mn−Mgフェライト、Li−Mnフェライトが環境保
護の面からも好ましい材料である。
【0092】磁性体微粒子の形状は球球形状又は八面体
形状のものが好ましい。磁性体微粒子の平均粒径は0.
05〜1.0μm、かつその粒度分布の25%残留径と
75%の残留径の比D25/D75が1.3〜1.7で
あることが好ましい。好ましくは平均粒径が0.05〜
0.5μm、比D25/D75が1.3〜1.6、更に
好ましくは好ましくは平均粒径が0.05〜0.5μ
m、比D25/D75が1.3〜1.5である。
【0093】磁性体微粒子の粒径が0.05μm以下、
または比D25/D75が1.3未満では、小粒径粒子
の割合が高くなり凝集性が強く、混合時の分散性が向上
せず、添加の効果が発揮できない。磁性体微粒子の粒径
が1.0μm以上、または比D25/D75が1.7以
上では、大粒径粒子の割合が高くなくとともに、粒度分
布の幅が広くなり、大粒径粒子の割合、小粒径粒子の割
合がともに多くなり、画質不良が発生したり、トナー母
体表面への均一付着が困難になり、感光体への傷等が増
大する。走査型電子顕微鏡にて写真を撮影し、無作為に
100粒子を選択し、その粒子径を測定した。
【0094】磁性体微粒子の窒素吸着によるBET比表
面積は1〜20m2/gであることが好ましい。より好
ましくは2〜15m2/g、より好ましくは5〜15m2
/gの範囲にあるものがより好ましい。2m2/g以下
になるとトナー母体との接触率が減少するため、磁性体
粒子の添加の効果が得にくい。20m2/g以上となる
と粒子の凝集が強くなり混合時の分散が不均一となり、
現像性、トナー濃度制御安定性に対する効果が得にく
い。BET比表面積は島津製作所製FlowSorbI
I2300を使用して測定した。
【0095】磁性体微粒子の抵抗は102〜1011Ωc
mのものが好ましい。好ましくは105〜1010Ωc
m、より好ましくは106〜109Ωcmのものが好まし
い。低抵抗の粉体では高湿下において帯電量の低下が大
きく、カブリトナー飛散が増大する。高抵抗になると高
温低湿下での過帯電を抑制する効果が弱くなる。体積電
気抵抗の測定は、底面が内径20mmの電極からなり、
側壁が絶縁材料からなる円筒状容器に1mlの磁性粒子
材料を入れた後、被検材料の上に直径20mm弱で重さ
100gの電極板を乗せ、1時間放置した後、両電極間に1
00Vの直流電圧を印加して、印加後1分後の電流値を
測定して算出した。
【0096】磁性体微粒子のバルク密度が0.3〜0.
9g/ccで、かつ圧縮率は30〜80%が好ましい。
より好ましくはバルク密度が0.4〜0.9g/cc
で、かつ圧縮率は40〜70%が好ましい。更に好まし
くはバルク密度が0.5〜0.9g/ccで、かつ圧縮
率は45〜65%が好ましい。バルク密度が0.9g/
cc以上、圧縮率が30%以下になると、高湿下に放置
すると現像剤自体の密度が詰まりやすくなり、逆に高湿
下でのトナー濃度制御が不安定になり、オーバートナー
に走る。バルク密度が0.3g/cc以下、圧縮率が8
0%以上になると、粒子の凝集が大きくなり、均一な混
合を妨げる結果となり、高温低湿下での過帯電の抑制効
果がなくなる。バルク密度、圧縮率はホソカワミクロン
社製パウダーテスタにて測定した。圧縮率はゆるみ比重
であるバルク密度とタップ密度との差をタップ密度で割
ったものに100をかけたものである。磁性体微粒子は
解砕処理されることも好ましい。高速回転子を具備して
いる機械式粉砕機や、加圧ローラを具備している加圧分
散機によって行われるのが好ましい。磁性体微粒子のア
マニ油吸油量が10〜30(ml/100g)になるも
のが好ましい。上記した圧縮度、バルク密度と同様な効
果が得られる。JIS K 5101−1978にて測定
した値である。
【0097】また、1(kOe)の磁界の下で、磁性体
微粒子の残留磁化が5〜20emu/g、飽和磁化が4
0〜80emu/gであることが好ましい。この微粒子
を添加することで、特に高湿下での感光体上のカブリ低
減に効果があることが判明した。感光体にカブリとして
付着するトナーがキャリアのかきとり効果による回収さ
れるためと思われる。
【0098】トナーに添加される磁性体微粒子の表面を
チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、エ
ポキシシランカップリング剤、アクルリシランカップリ
ング剤、又はアミノシランカップリング剤により表面処
理される。例えばイソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、テトラブトキシチタン、イソプロピルトリス
(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプ
ロピルトリ(N−アミノエチルーアミノエチル)チタネ
ート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパ
イロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピル
トリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリオクタ
ノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステ
アロイルチタネート等のチタネート系カップリング剤、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、γ−メタクリルロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−フェニルーγ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプチプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン等のシラン系カップリング剤、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシランのアクリルシランカップ
リング剤や、β−エチルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジエトキシシランのエポキシシランカ
ップリング剤、N−βアミノエチルγ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−βアミノエチルγ−アミノプ
ロピルメチルジトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピルト
リメトキシシランのアミノシランカップリング剤が表面
処理される。例えば、磁性体に気化したシランカップリ
ング剤を反応させる乾式処理、又は磁性体を溶媒中に分
散させシランカップリング剤を滴下反応させる湿式法等
一般に知られた方法で処理することが出来る。
【0099】本発明のトナーには、疎水性シリカが添加
される。ケイ素酸ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生
成されたシリカ微粒子で、例えば、四塩化ケイ素ガスの
酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するものであ
る。正帯電性のトナーの場合はアミノシランにより表面
処理した疎水性シリカが好ましい。負帯電性トナーとし
て使用する場合は、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメ
チレンジシラザン、ポリジメチルシロキサンで表面処理
した疎水性シリカが好ましく、特に好ましくはシラノー
ル基に対してジメチルポリシロキサン基を化学処理結合
させたものである。
【0100】処理にはジメチルシリコーンオイルをトル
エンの溶剤に溶かし、スプレードライニングして疎水化
する方法等がある。高流動性が得られ、帯電性も安定し
たトナー特性を得ることが出来る。しかし未反応のポリ
ジメチルシロキサンが残留しやすい傾向にあり、それが
感光体へのフィルミングを助長する課題がある。さらの
本願発明のエステル系ワックスを使用したトナー母体に
外添処理すると、フィルミングとともにカブリを増加さ
せる。そのため、未反応の残留するポリジメチルシロキ
サン量の少ないシリカが有効である。ベンゼン等の溶剤
に溶解抽出し、それをガスクロマトグラフィーマススペ
クトロスコピーにて分析して、シリカ重量に対して5w
t%以下であることが好ましい。より好ましくは、3w
t%以下、さらに好ましくは2wt%以下である。ジメ
チルシリコーンオイルの両末端基にシラノール基を持た
せることにより、高い反応性によりシリカの表面処理に
よりポリジメチルシロキサンを化学処理結合することが
できる。また溶剤による除去、オゾン水による除去も可
能である。
【0101】かかる疎水性シリカの窒素吸着によるBE
T比表面積は50〜350m2/gの範囲にあるのが好
ましい。比表面積は50〜250m2/gがより好まし
く、さらに好ましくは100〜230m2/gの範囲に
あるのが好ましい。疎水性シリカは一般にトナー母体粒
子100重量部に当たり0.1〜5重量部、好ましくは
0.2〜3重量部配合される。
【0102】また本発明のトナーは一成分現像用として
も、二成分現像用としても好適に使用できる。
【0103】二成分用として使用する時、キャリアは導
電性微粉末を含有した樹脂で磁性体を被覆したものが好
ましい。使用される導電性微粉末としては金属粉末やカ
ーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛などの導電
性酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ
酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粉末表面を酸化
スズやカーボンブラック、金属で被覆したもの等が挙げ
られ、その固有抵抗は1010Ωcm以下のものが好まし
い。
【0104】キャリアの芯材としては平均粒径が20〜
100μm好ましくは30〜80μmのマクネタイト、
鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム等の金属粉
乃至その合金、酸化クロム、三二酸化鉄、四三酸化鉄、
Cu−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Ba−
Niフェライト、Ni−Znフェライト、Li−Znフ
ェライト、Mg−Mnフェライト、Mg−Zn−Cuフ
ェライト、Mnフェライト、Mn−Mgフェライト、L
i−Mnフェライト等が挙げられる。特にこの中で、体
積抵抗率が108〜1014Ωcmの範囲のものでMnフ
ェライト、Mn−Mgフェライト、Li−Mnフェライ
トが環境保護の面からも好ましい材料である。キャリア
の芯材に被服層を形成するには、公知の被覆方法、例え
ば、キャリア芯材である粉末を、被服層形成用溶液に浸
漬する浸漬法、被覆形成用溶液をキャリア芯材の表面に
噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより
浮遊させた状態で被服層形成用溶液を噴霧する流動床
法、ニーダーコータ中でキャリア芯材と被服層形成用溶
液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙
げられる。
【0105】キャリアの被覆層として使用される樹脂と
しては、オルガノシロキサン結合からなるストレートシ
リコーン樹脂及びそのアルキッド変性、エポキシ変性、
ウレタン変性等の変性品、フッ素樹脂、スチレン樹脂、
アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル系樹脂、
フェノール系樹脂等が挙げられ、これらは単独あるいは
組みあわせて使用することが出来る。また共重合体とし
ても使用することが出来る。
【0106】本発明において、エステル系ワックス、磁
性体粒子を使用するトナーに対しては、シリコーン系樹
脂とアクリル系の混合系の被覆層が効果的である。特に
側鎖基がメチル基等の炭素数1〜4のアルキル基のみの
ストレートシリコーン樹脂と、側鎖基にフェニル基を含
むストレートシリコーン樹脂と、(メタ)アクリル樹
脂、との混合系が好ましい。
【0107】シリコーン系樹脂は常温硬化型シリコーン
樹脂が好ましい。例えばKR271、KR255、KR
152(信越化学社製)、SR2400、SR2406、
SH840(トーレシリコーン社製)等が挙げられる。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソブチ
ル、(メタ)アクリル酸2エチルヘキシルなどの(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル重合体樹脂が好まし
い。さらに、(化1)で示される炭素数14〜26の長
鎖アルキルを有する(メタ)アクリル酸アルキル重合体
からなる樹脂を被覆層として有することにより、より特
性が向上する。
【0108】本発明のトナーには、離型剤として、低分
子量ポリプロピレンなどの低分子量ポリアルキレン、エ
チレンビスアマイド、モンタンワックス、パラフィン系
ワックスを挙げることができ、これらの1種または2種
以上が混合されて使用される。これらは結着樹脂に相溶
せず、遊離性を有する形態が好ましい。
【0109】本発明ではトナーの着色および/または電
荷制御の目的で結着樹脂に適当な顔料または染料が配合
される。かかる顔料または染料としては、カーボンブラ
ック、鉄黒、グラファイト、ニグロシン、アゾ染料の金
属錯体、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニンブルー、ハンザイエローG、ローダミン6C
レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナク
リドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、デュポ
ンオイルレッド、トリアリルメタン系染料等を挙げるこ
とができ、これらのうちの1種または2種以上が混合さ
れて使用される。結着樹脂に着色および/または電荷制
御に必要な量が添加される。
【0110】本発明では結着樹脂中に必要に応じて磁性
粉を内添加することができる。具体例としては、鉄、マ
ンガン、ニッケル、コバルトなどの金属粉末や、鉄、マ
ンガン、ニッケル、コバルト、亜鉛などのフェライトな
どがある。粉体の平均粒径は一般に1μm以下、好まし
くは0.6μm以下である。磁性粉はトナー全体当たり
15〜70重量%添加される。添加量が15重量%以下
ではトナー飛散が増加する傾向になり、70重量%以上
ではトナーの帯電量が低下し、画質の劣化を引き起こす
傾向になる。
【0111】さらに、トナーには外添剤として他に酸化
チタン微粉末、チタン酸塩系微粉末、ジルコニア酸塩系
微粉末、タングステンカーバイト微粉末が添加される。
【0112】またトナーは予備混合、溶融混錬、粉砕分
級、外添処理の工程を経て作成される。
【0113】予備混合処理は、結着樹脂とこれに分散さ
せるべき添加剤を、撹拌羽根を具備したミキサなどによ
り均一分散する処理である。ミキサとしては、スーパー
ミキサ(川田製作所製)、ヘンシェルミキサ(三井三池
工業製)、PSミキサ(神鋼パンテック製)、レーディ
ゲミキサ等の公知のミキサを使用する。
【0114】溶融混練処理は、せん断力により結着樹脂
中に添加剤を分散させる処理であり、シリンダと混練軸
が複数のセグメントに分割された分割セグメント方式の
混練機により前記した温度条件にて行われる。
【0115】粉砕分級処理は、混練処理され冷却されて
得られたトナー塊を、カッターミルなどで粗粉砕し、そ
の後ジェットミル粉砕(例えばIDS粉砕機、日本ニュ
ーマティック工業)などで細かく粉砕し、さらに必要に
応じて気流式分級機で微粉粒子をカットして、所望の粒
度分布のトナー粒子(トナー母体粒子)を得るものであ
る。機械式による粉砕、分級も可能であり、これには、
例えば、固定したステータに対して回転するローラとの
微小な空隙にトナーを投入して粉砕するクリプトロン粉
砕機(川崎重工業)やターボミル(ターボ工業)などが
使用される。この分級処理により一般に4〜11μmの
範囲、好ましくは4〜8μmの範囲の体積平均粒子径を
有するトナー粒子(トナー母体粒子)を所得する。
【0116】外添処理は、前記分級により得られたトナ
ー粒子(トナー母体粒子)にシリカなどの外添剤を混合
する処理である。これにはヘンシェルミキサ、スーパー
ミキサなどの公知のミキサが使用される。
【0117】また本発明では、粉砕された粒子を所定の
粒度分布にするため、分級により微粉をカットする。こ
のとき生じた微粉を再度予備混合工程で結着樹脂等の材
料と混合して再利用する。これによって産業廃棄物とし
て廃棄されるトナーの量を減少出来るばかりでなく、ト
ナー自体の低コスト化につながる。予備混合工程で混合
する微粉トナーとトナー母体構成材料の比が2:98〜
40:60の割合で作成される。しかしこの微粉の再利
用の際、内添剤であるワックスや、着色剤、電荷制御剤
等の分散が不均一になりやすく、カブリやトナー飛散が
増大し、環境変動を受けやすくなる。しかし本発明のエ
ステル系ワックスや、酸変性したポリオレフィンワック
スを使用したトナーでは分級の微粉トナーを再利用して
もカブリやトナー飛散の増大は見られない。さらに磁性
体粒子を外添することで、環境安定性がより向上する。
【0118】更に本発明のトナーでは、熱風により表面
改質処理を施す構成である。これによりトナーの流動
性、現像性が向上して耐久性、リサイクル性が向上す
る。しかし熱によりトナーに添加しているエステル系ワ
ックスの一部がトナー母体表面に露出し、高温低湿下で
の過帯電が起こりやすくまたクリーニングブレードへの
付着がより起こりやすくなる。さらに高湿下での放置で
トナーの流動性がより向上しているため、現像剤自体の
詰まりが生じ易くなり、オーバートナーに走りやすくな
るが、本発明の磁性体粒子等の添加により、その現象を
抑制することが可能となる。
【0119】図面を用いて説明する。図1は熱風による
表面改質処理装置の概略図である。粉砕分級によって所
定の粒度分布にされ、導電化処理された無機微粉末また
は疎水性シリカを外添処理したトナー粒子301は定量
供給機302から投入され、圧縮空気303により粒子
の分散手段である分散ノズル304に送られ、ここで約
45度の方向に噴射される。本発明では分散ノズル30
4は左右対称の位置に2個配置した。複数個のノズルか
ら噴射させることによりトナーがより均一に処理されや
すくなるためである。分散ノズル304から噴射される
トナー301に熱風を放射するため、熱風発生装置30
5から熱風306が放射される。本発明ではヒータを使
用している。これは熱風を発生できるものであればよく
プロパンガス等により加熱されたもの等装置は限定しな
い。熱風306中をトナー301が分散しながら通過
し、こで表面改質処理される。表面改質されたトナーは
フード307内に取り込まれ、サイクロン310に送ら
れ回収ボックス311に補集回収される。312はバグ
フィルタ、314はブロア、313は風量計である。
【0120】また、フード307内に取り込まれた表面
改質された被処理粒子に、冷却空気発生装置308から
発生される冷却空気309により冷却処理を施すことも
可能である。この急速冷却により処理の状態を安定化さ
せる。風量は処理量により適当に決められる。粒子が熱
風で処理される位置から冷却空気が当てられる地点まで
の距離は、処理量により決められるが10〜100c
m、好ましくは20〜80cmである。冷却処理は冷却
器により10℃以下に冷却された空気による方法が好ま
しいが、限定はしない。水冷による方法、ドライアイス
等、配管の周囲に冷却された固体物を配置する方法等が
ある。
【0121】本発明に記載した方式で行うと連続式のた
め生産効率が向上する。また分散状態で表面改質が行わ
れるので、粒子同士が融着したり、粗粒を生じることが
ない。また非常に簡単な構成でコンパクトである。機壁
温度の上昇がなく製品回収率が高く、開放型のため粉塵
爆発の可能性がほとんどない。瞬時に熱風により処理す
るため粒子相互の凝集もなく、キャリア粒子全体が均一
に処理される。この時の処理の熱風温度は60℃〜60
0℃が好ましい。好ましくは100℃〜500℃、より
好ましくは150℃〜350℃である。60℃以下の時
表面改質処理の効果が得られない。600℃以上ではト
ナー母体粒子同志の凝集が起こり易くなり、不適であ
る。
【0122】また、この熱処理はトナー母体に磁性体粒
子や疎水性シリカを外添付着させた後に熱処理を施し
て、トナー母体に固定化させても構わない。特に廃トナ
ーをリサイクルする際に外添剤の離脱が抑えられ、より
耐久性が向上する。
【0123】本発明のトナーは、像担持体と導電性弾性
ローラとの間に転写材を挿通させ、前記導電性弾性ロー
ラに転写バイアス電圧を付与することにより前記像担持
体上にあるトナー画像を静電気力で転写材に転写するト
ナー転写システムを具備する電子写真装置に好適に使用
される。これは、かかるトナー転写システムは、接触転
写であることから、電気力以外の機械力が転写に作用し
て、本来転写されるべきでない感光体表面に付着した逆
極性トナーが転写されたり、通紙していない状態で感光
体表面に付着したトナーが転写ローラ表面を汚染し、転
写紙裏面を汚染させてしまうことがあるものである。さ
らに高温低湿下でトナーの帯電が過帯電すると、より転
写性が低下する。しかしエステル系ワックスを添加した
トナーに磁性体粒子、疎水性シリカを添加する構成さら
にはトナー表面を熱処理して球形化し、又は磁性体微粒
子あるいは疎水性シリカをトナー表面に固定化処理する
ことで、転写時の中抜けを防止でき、さらには、感光体
表面へのトナーから遊離することで生じる低軟化点ワッ
クスのフィルミングが防止でき、転写紙の不要トナー粒
子による汚染を防止することができる。また、転写ロー
ラ表面へのトナーや遊離した低軟化点ワックスのフィル
ミングも防止できるので、転写ローラ表面から感光体表
面へトナーや遊離した低軟化点ワックスが再転写するこ
とにより生ずる画像欠陥も防止することができる。さら
に低ガラス転移点トナーに使用することで、トナーの耐
久性の低下をカバーすることができ、同時に長蔵安定性
と定着性、高温オフセット性との両立を図ることが可能
となる。
【0124】また、本発明のトナーは、転写プロセス後
に像担持体上に残留したトナーを現像装置内に回収して
再度現像プロセスに利用する廃トナーリサイクルシステ
ムを具備する電子写真装置に好適に使用される。廃トナ
ーが現像で再利用するため低融点の植物系ワックスが添
加されていると、クリーニング器から現像器に回収され
ていく間のクリーニング器、クリーニング器と現像器と
を繋ぐ輸送管および現像器の内部にて機械的衝撃を受け
てその添加剤が脱落したり、感光体上にフィルミングを
生じてしまう。さらにはトナーの帯電性、流動性が変化
し長期使用時の安定性が損なわれる。さらに分級で生じ
た微粉トナーを再利用したトナーではより特性の安定性
が低下する。
【0125】しかしエステル系ワックスを添加したトナ
ーに磁性体粒子、疎水性シリカを添加する構成さらには
トナー表面を熱処理して球形化し、又は磁性体微粒子あ
るいは疎水性シリカをトナー表面に固定化処理すること
で、低融点の植物系ワックスに外添剤が打ち込まれてト
ナーの流動性の低下を防止する事が出来る。さらには植
物系ワックスの表面が外添剤により被覆されているた
め、脱落したり、感光体上へのフィルミングを防止する
事が出来る。また現像部へリターンされて来る廃トナー
の外添剤の付着状態に変化がほとんど生じないため、帯
電量や流動性の変動が生じない。
【0126】上記した構成により、結着樹脂中に添加し
た植物系ワックスは定着向上剤として作用するととも
に、画像表面の摩擦を低減できる効果を有し、見掛け上
のトナーのガラス転移点は減少する。さらに離型剤とし
ても十分な効果を発揮し、これにより、高分子量成分を
多く含有した結着樹脂を使用しても高速時での定着強度
と、低速時での耐高温オフセット性の両立が可能とな
り、さらには高温での貯蔵安定性も満足できる結果が得
られる。また高温低湿下や高湿下での帯電の安定化、ト
ナー濃度制御の安定化得られる。
【0127】次に、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。(表1)に実施例で使用する結着樹脂の単量体
組成を示す。
【0128】
【表1】
【0129】(表2)に実施例で使用する結着樹脂の熱
特性を示す。
【0130】
【表2】
【0131】表2において、Tg(℃)はガラス転移
点、Mnは数平均分子量、Mwは重量平均分子量、Mz
はZ平均分子量、Tm(℃)、Ti(℃)はフローテス
ターでの軟化点、流出開始温度である。
【0132】(表3)に実施例で使用するワックスを添
加した結着樹脂を示す。
【0133】
【表3】
【0134】(表4)に本実施例で使用したエステル系
ワックスを示す。
【0135】
【表4】
【0136】表4において、Tdc(℃)はDSC法に
よる融点、Ct(%)は融点+10℃での容積増加率
(%)、Ck(wt%)は220℃の加熱減量を示す。
【0137】(表5)に本実施例で使用した磁性体微粒
子を示す。
【0138】
【表5】
【0139】表5において、Md(μm)は平均粒径、
Mbet(m2/g)はBET比表面積、Mr(Ωc
m)は体積抵抗、Mad(g/cc)はバルク密度、M
pac(%)は圧縮度、Mam(ml/100g)はア
マニ油吸油量、Rr(emu/g)は残留磁化、Ss
(emu/g)は飽和磁化を示す。MG−4はイソプロ
ピルトリイソステアロイルチタネートのチタネート系カ
ップリング剤により表面処理されたサンプルである。
【0140】(表6)(表7)(表8)に本実施例で使
用したトナー材料組成を示す。
【0141】
【表6】
【0142】
【表7】
【0143】
【表8】
【0144】顔料、電荷制御剤、ワックスの配合量比は
結着樹脂100重量部に対する量比を示す。シリカ、磁性
体微粒子、外添剤はトナー母体100重量部に対する配
合量を示している。シリカAは比表面積200m2/g
の親水性シリカをジメチルシリコーンオイルの両末端に
シラノール基を持たせたもので処理し、さらにトルエン
等の溶剤で残留ポリジメチルシロキサンを1wt%に低
減させたシリカである。
【0145】(表9)に本実施例で使用したキャリアを
示す。
【0146】
【表9】
【0147】(表10)に本実施例で使用した分級時に
カットした微粉トナーを混合時に再利用したトナーサン
プルの材料組成を示す。
【0148】
【表10】
【0149】微粉トナーの再利用の戻し量は、他の結着
樹脂、顔料、電荷制御剤及びワックスの構成材料の総和
100重量部に対する重量部で示している。
【0150】(表11)に本実施例で使用する表面改質
処理を行うときのトナー母体の材料組成を示す。
【0151】
【表11】
【0152】(表12)に本実施例で使用する表面改質
処理を行うときの外添処理の添加量を示す。
【0153】
【表12】
【0154】(表13)に本実施例で使用する表面改質
処理、外添処理の条件を示す。
【0155】
【表13】
【0156】外添処理1は表面改質処理を行う前のも
の、外添処理2は表面改質処理を行った後のものであ
る。
【0157】表面改質処理において、原料供給量は1k
g/h、熱風温度は200〜350℃程度、熱風風量は
3kg/cm2Gで0.35Nm3/min、原料供給分
散風量は1kg/cm2Gで0.05Nm3/minで行
った。
【0158】外添処理はFM20Bにおいて、攪拌羽根
Z0S0型、回転数2000rpm、処理時間5mi
n、投入量1kgで行った。
【0159】本実施例は二成分現像にて行ったが、磁性
一成分現像、非磁性一成分現像、接触式、非接触式方法
においても十分良好な性能を出すことが出来る。
【0160】(表14)にFP7750(松下電器社
製)にて画像テストを行った結果を示す。
【0161】
【表14】
【0162】画像評価は画像形成の初期と20万枚後の
耐久テスト後の画像濃度と地かぶりに評価した。地かぶ
りは明視にて判断し、実用上問題ないレベルであれば合
格(○)、さらに良好なものは(◎)とした。感光体上
へのフィルミングは発生したものは(×)、未発生は
(○)とした。さらにその後、高湿下に放置して1千枚
の画像テストを行い、カブリの増加を見た。トナー濃度
制御が不良となり、オーバートナーになるとカブリが急
増するため、その状態を観察した。さらに別実験にて高
温低湿下に一晩放置し、次の日5千枚の画像テストを行
い、5千枚後の画像濃度を示す。
【0163】トナーサンプルAでは、横線の乱れやトナ
ーの飛び散り、転写不良や紙の裏汚れがなく、文字の中
抜けなどがなくベタ黒画像が均一で、画像濃度1.3以
上の高濃度の画像が得られた。非画像部での地かぶりも
発生していなかった。更に、20万枚の長期複写テスト
を行ったところ、また感光体表面上でのフィルミングは
なく、初期の画像に比べて遜色のない高濃度、低地カブ
リの複写画像が得られた。また高湿下でのカブリの発生
はなく、高温低湿下でも濃度低下は発生しなかった。し
かしトナーサンプルLでは、画像濃度の低下が見られ、
また高湿下ではトナー濃度がオーバーに走りカブリの発
生が多く、また高温低湿下でも急激な濃度低下が発生し
た。
【0164】(実施例2)図2は本実施例で使用した電
子写真装置の構成を示す断面図である。本実施例装置
は、FP7742(松下電器社製)複写機を反転現像用
に改造し、廃トナーリサイクル機構を付加した構成であ
る。
【0165】201は有機感光体で、アルミニウムの導
電性支持体上にオキソチタニウムフタロシアニンの粉末
を蒸着により電荷発生層を形成し、その上にポリカーボ
ネート樹脂(三菱ガス化学製Z−200)と、ブタジエ
ンとヒドラゾンの混合物を含む電荷輸送層を順次積層し
た構成のものである。203は感光体をマイナスに帯電
するコロナ帯電器、204は感光体の帯電電位を制御す
るグリッド電極、205は信号光である。220は現像
スリーブ、221はドクターブレード、222はキャリ
ア保持のためのマグネットロール、223はキャリア、
224は転写残りの廃トナー、225はクリーニングボ
ックス219中の廃トナー224を現像工程に戻すため
の輸送管である。転写残りのトナーをクリーニングブレ
ード218でかき落とし、クリーニングボックス219
に一時的に貯められた廃トナー224は、輸送管225
によって現像工程に戻されるよう構成されている。
【0166】213は感光体上のトナー像を紙に転写す
る転写ローラで、その表面が感光体201の表面に接触
するように設定されている。転写ローラ213は導電性
の金属からなる軸の周囲に導電性弾性部材を設けた弾性
ローラである。感光体201への押圧力は転写ローラ2
13一本(約216mm)当たり0〜2000g、望ま
しくは500〜1000gである。これは転写ローラ2
13を感光体201に圧接するためのバネのバネ係数と
縮み量の積から測定した。感光体201との接触幅は約
0.5mm〜5mmである。転写ローラ213のゴム硬
度はアスカーCの測定法(ローラ形状でなく、ブロック
片を用いた測定)で80度以下で、望ましくは30〜4
0度である。弾性ローラ213は直径6mmのシャフト
の周辺にLi20などのリチウム塩を内添することによ
りを抵抗値を107Ω(軸と表面に電極を設け、両者に
500V印加する)にした発泡性のウレタンエラストマ
ーを用いた。転写ローラ213全体の外径は16.4m
mで、硬度はアスカーCで40度であった。転写ローラ
213を感光体201に転写ローラ213の軸を金属バ
ネで押圧する事で接触させた。押圧力は約1000gで
あった。ローラの弾性体としては前記発泡性のウレタン
のエラストマーの他にCRゴム、NBR、Siゴム、フ
ッ素ゴムなどの他の材料からなる弾性体を使用すること
もできる。そして導電性を付与するための導電性付与剤
としては前記リチウム塩の他にカーボンブラック等の他
の導電性物質を使用することもできる。
【0167】214は転写紙を転写ローラ213に導入
する導電性部材からなる突入ガイド、215は導電性部
材の表面を絶縁被覆した搬送ガイドである。突入ガイド
214と搬送ガイド215は直接あるいは抵抗を介して
接地している。216は転写紙、217は転写ローラ2
13に電圧印加する電圧発生電源である。(表15)に
画像テストを行った結果を示す。
【0168】
【表15】
【0169】画像評価は画像形成の初期と20万枚後の
耐久テスト後の画像濃度と地かぶりに評価した。地かぶ
りは明視にて判断し、実用上問題ないレベルであれば合
格(○)、さらに良好なものは(◎)とした。感光体上
へのフィルミングは発生したものは(×)、未発生は
(○)とした。さらにその後、高湿下に放置して1千枚
の画像テストを行い、カブリの増加を見た。トナー濃度
制御が不良となり、オーバートナーになるとカブリが急
増するため、その状態を観察した。さらに別実験にて高
温低湿下に一晩放置し、次の日5千枚の画像テストを行
い、5千枚後の画像濃度を示す。
【0170】トナーサンプルAでは、横線の乱れやトナ
ーの飛び散り、転写不良や紙の裏汚れがなく、文字の中
抜けなどがなくベタ黒画像が均一で、画像濃度1.3以
上の高濃度の画像が得られた。非画像部での地かぶりも
発生していなかった。更に、20万枚の長期複写テスト
を行ったところ、また感光体表面上でのフィルミングは
なく、初期の画像に比べて遜色のない高濃度、低地カブ
リの複写画像が得られた。また高湿下でのカブリの発生
はなく、高温低湿下でも濃度低下は発生しなかった。し
かしトナーサンプルLでは、画像濃度の低下が見られ、
また高湿下ではトナー濃度がオーバーに走りカブリの発
生が多く、また高温低湿下でも急激な濃度低下が発生し
た。
【0171】トナーサンプルAを用いて、FP−775
0(松下電器社製)、FP7722(松下電器社製)複
写機を改造し、プロセス速度を140mm/sec(低
速)での高温オフセット性と、450mm/sec(高
速)での定着率の定着性評価を行った。(表16)に画
像テストを行った結果を示す。
【0172】
【表16】
【0173】トナーサンプルAでは、高速での定着性
と、低速での耐高温オフセット性と、高温保存性テスト
において、実用上十分満足する性能が得られた。
【0174】定着率は80%以上、オフセット性は20
0℃以上を合格レベルとした。定着率は画像濃度1.0
±0.2のパッチを各列毎に、ベンコット(旭化成社製
商標)を巻いた500g(φ36mm)の錘で10往復
擦過し、擦過前後の画像濃度をマクベス反射濃度計にて
測定し、その変化率で定義した。80%い以上を合格と
した。保存性テストでは50℃、24時間放置後の固ま
り状態で評価した。×はかなり固まり、実用上NG、△
はすこし固くなるが実用上問題無し。○ほとんど固まら
ずと評価した。
【0175】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高温高
湿下でのトナーの過帯電を防止し、さらに定着性、耐オ
フセット性、現像性および転写効率を有するトナーを再
現性良く得ることができる。
【0176】また、廃トナーをリサイクルするプロセ
ス、ローラを用いた転写プロセスを有する電子写真装置
に使用した場合、感光体へのフィルミングの発生を防止
でき、帯電量の低下がなく、凝集物を生じず、長期に亘
って、高画質画像を形成することができるトナーを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーに使用される表面改質処理装置
の一例の構成を概要的に示した断面図
【図2】本発明の実施例で使用した電子写真装置の構成
を示す断面図
【符号の説明】
303 圧縮空気 304 分散ノズル 305 熱風発生装置 309 冷却空気 310 サイクロン 313 風量計 101 感光体 102 コロナ帯電器 103 グリッド電極 104 感光体 105 トナー 106 キャリア 108 現像スリーブ 107 ドクターブレード 109 マグネットロール 120 転写ローラ 121 突入ガイド 122 搬送ガイド 123 転写紙 130 クリーニングブレード 132 クリーニングボックス 132 廃トナー 133 廃トナー輸送管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 正寿 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 AB03 AB04 AB09 AB10 BA06 CA02 CA04 CA08 CA12 CA13 CA14 CA18 CA25 CA26 CB03 CB04 CB07 CB13 DA06 DA10 EA01 EA02 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 FA02

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも結着樹脂と、着色剤と、ヨウ素
    価が25以下けん化価が30〜300であるエステル系
    ワックスとからなることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】少なくとも結着樹脂と、着色剤と、ヨウ素
    価が25以下けん化価が30〜300であるエステル系
    ワックスとからなるトナー母体に、疎水性シリカと磁性
    体微粒子を添加することを特徴とするトナー。
  3. 【請求項3】少なくとも結着樹脂と、着色剤と、ヨウ素
    価が25以下けん化価が30〜300であるエステル系
    ワックスと、不飽和カルボン酸でグラフト変性され酸価
    が6〜200mgKOH/gであるポリオレフィンワッ
    クスとからなることを特徴とするトナー。
  4. 【請求項4】少なくとも結着樹脂と、着色剤と、ヨウ素
    価が25以下けん化価が30〜300であるエステル系
    ワックスと、不飽和カルボン酸でグラフト変性され酸価
    が6〜200mgKOH/gであるポリオレフィンワッ
    クスとからなるトナー母体に、疎水性シリカと磁性体微
    粒子を添加することを特徴とするトナー。
  5. 【請求項5】エステル系ワックスのDSC法による融点
    が50〜100℃であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】エステル系ワックスの融点以上の温度での
    容積増加率が2〜30%であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】エステル系ワックスの220℃での加熱減
    量が5重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】エステル系ワックスは予備混合工程の前に
    予め結着樹脂中に添加していることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】結着樹脂は、結着樹脂溶液中に植物系ワッ
    クスを添加し、脱溶剤したものを主成分とすることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
  10. 【請求項10】エステル系ワックスが水素添加したホホ
    バ油であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
    記載のトナー。
  11. 【請求項11】トナー母体に外添剤として、酸化チタン
    微粉末、チタン酸塩系微粉末、ジルコニア酸塩系微粉末
    のうちの少なくとも1種類以上からなる無機微粒子を混
    合付着することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のトナー。
  12. 【請求項12】トナー母体に熱風による表面改質処理を
    施すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    トナー。
  13. 【請求項13】トナー母体に磁性体微粒子及び/又は疎
    水性シリカを混合付着した後、熱風による表面改質処理
    を施すことを特徴とする請求項2、4のいずれかに記載
    のトナー。
  14. 【請求項14】トナー母体に磁性体微粒子及び/又は疎
    水性シリカを混合付着した後、熱風による表面改質処理
    を施し、さらに磁性体微粒子及び/又は疎水性シリカを
    外添処理することを特徴とする請求項2、4のいずれか
    に記載のトナー。
  15. 【請求項15】磁性体微粒子の平均粒径が0.05〜
    1.0μmでありかつ25%残留径D25と75%残留
    径D75の比D25/D75が1.3〜1.7の範囲内
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のトナー。
  16. 【請求項16】磁性体微粒子の窒素吸着によるBET比
    表面積は1〜20m2/gであることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のトナー。
  17. 【請求項17】磁性体微粒子の抵抗が102〜1011Ω
    cmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のトナー。
  18. 【請求項18】磁性体微粒子のバルク密度が0.3〜
    0.9g/ccで、かつ圧縮率は30〜80%であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナ
    ー。
  19. 【請求項19】磁性体微粒子のアマニ油吸油量が10〜
    30(ml/100g)であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のトナー。
  20. 【請求項20】磁性体微粒子の残留磁化が5〜20em
    u/g、飽和磁化が40〜80emu/gであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
  21. 【請求項21】トナーに添加される磁性体微粒子をチタ
    ン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、エポキ
    シシランカップリング剤、アクルリシランカップリング
    剤、又はアミノシランカップリング剤から選ばれる少な
    くとも1種類以上のカップリング剤により処理されるこ
    とを特徴とする請求項1〜4、13〜20のいずれかに
    記載のトナー。
  22. 【請求項22】トナーに添加される磁性体粒子の添加量
    がトナー100重量部に対して、0.1〜5重量部であ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のト
    ナー。
  23. 【請求項23】結着樹脂が、分子量分布の重量平均分子
    量Mwが10万〜60万、重量平均分子量Mwと数平均
    分子量Mnの比Mw/Mnが50〜100、Z平均分子
    量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが350〜1
    200、高化式フローテスターにおける1/2流出温度
    が100〜145℃であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のトナー。
  24. 【請求項24】結着樹脂が、少なくともスチレン系単量
    体と化学式(化1)で示される単量体を共重合してなる
    共重合体からなることを特徴とする請求項1〜4、23
    のいずれかに記載のトナー。 【化1】
  25. 【請求項25】結着樹脂が、少なくともスチレン系単量
    体と化学式(化1)、化学式(化2)で示される単量体
    を共重合してなる共重合体からなることを特徴とする請
    求項1〜4、23のいずれかに記載のトナー。 【化2】
  26. 【請求項26】結着樹脂が、少なくとも少なくともスチ
    レン系単量体と化学式(化1)、化学式(化3)で示さ
    れる単量体を共重合してなる共重合体であることを特徴
    とする請求項1〜4、23のいずれかに記載のトナー。 【化3】
  27. 【請求項27】トナーの主成分である結着樹脂の重量平
    均分子量Mwが1万〜30万、重量平均分子量Mwと数
    平均分子量Mnの比Mw/Mnが3〜50、Z平均分子
    量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが10〜80
    0、高化式フローテスタによる1/2流出温度が80〜
    150℃、流出開始温度は80〜120℃である多価カ
    ルボン酸又はその低級アルキルエステルと多価アルコー
    ルとの重縮合によって得られるポリエステル樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナ
    ー。
  28. 【請求項28】請求項1〜27のいずれかに記載のトナ
    ーと、 少なくとも体積抵抗が108〜1014Ωcmの範囲のも
    ので、磁性コア粒子表面にアクリル系樹脂及び/又はシ
    リコーン系樹脂からなる樹脂コート層を有し、前記磁性
    コア粒子がMnフェライト、Mn−Mgフェライト又は
    Li−Mnフェライトであるキャリアとから構成するこ
    とを特徴とする二成分現像剤。
  29. 【請求項29】少なくとも結着樹脂、着色剤、定着助剤
    からなるトナー母体構成材料を予備混合し、その後混
    錬、粉砕により作成された着色粒子を、分級により微粉
    トナーをカットして所定の粒度分布に作成し、前記分級
    によりカットされた微粉トナーを再度前記予備混合工程
    に戻して、前記トナー母体構成材料とともに混合して再
    利用することを特徴とするトナー。
  30. 【請求項30】疎水性シリカと磁性体微粒子を外添加す
    ることを特徴とする請求項29記載のトナー。
  31. 【請求項31】予備混合工程で混合する分級によりカッ
    トした微粉トナーと、トナー母体構成材料の比が2:9
    8〜40:60であることを特徴とする請求項29記載
    のトナー。
  32. 【請求項32】定着助剤は、ヨウ素価が25以下、けん
    化価が30〜120であるエステル系ワックス及び/又
    は不飽和カルボン酸でグラフト変性され酸価が6〜20
    0mgKOH/gであるポリオレフィンワックスである
    ことを特徴とする請求項29記載のトナー。
  33. 【請求項33】エステル系ワックスのDSC法による融
    点が50〜100℃であることを特徴とする請求項2
    9、32のいずれかに記載のトナー。
  34. 【請求項34】エステル系ワックスの融点以上の温度で
    の容積増加率が2〜30%であることを特徴とする請求
    項29、32のいずれかに記載のトナー。
  35. 【請求項35】エステル系ワックスの220℃での加熱
    減量が5重量%以下であることを特徴とする請求項2
    9、32のいずれかに記載のトナー。
  36. 【請求項36】エステル系ワックスは予備混合工程の前
    に予め結着樹脂中に添加していることを特徴とする請求
    項29、32のいずれかに記載のトナー。
  37. 【請求項37】結着樹脂は、結着樹脂溶液中にエステル
    系ワックスを添加し、脱溶剤したものを主成分とするこ
    とを特徴とする請求項29、32のいずれかに記載のト
    ナー。
  38. 【請求項38】エステル系ワックスが水素添加したホホ
    バ油であることを特徴とする請求項29、32のいずれ
    かに記載のトナー。
  39. 【請求項39】トナー母体に外添剤として、酸化チタン
    微粉末、チタン酸塩系微粉末、ジルコニア酸塩系微粉末
    のうちの少なくとも1種類以上からなる無機微粒子を混
    合付着することを特徴とする請求項29記載のトナー。
  40. 【請求項40】トナー母体に熱風による表面改質処理を
    施すことを特徴とする請求項29記載のトナー。
  41. 【請求項41】トナー母体に磁性体微粒子及び/又は疎
    水性シリカを混合付着した後、熱風による表面改質処理
    を施すことを特徴とする請求項29、30のいずれかに
    記載のトナー。
  42. 【請求項42】トナー母体に磁性体微粒子及び/又は疎
    水性シリカを混合付着した後、熱風による表面改質処理
    を施し、さらに磁性体微粒子及び/又は疎水性シリカを
    外添処理することを特徴とする請求項29、30のいず
    れかに記載のトナー。
  43. 【請求項43】磁性体微粒子の平均粒径が0.05〜
    1.0μmでありかつ25%残留径D25と75%残留
    径D75の比D25/D75が1.3〜1.7の範囲内
    であることを特徴とする請求項29、30のいずれかに
    記載のトナー。
  44. 【請求項44】磁性体微粒子の窒素吸着によるBET比
    表面積は1〜20m2/gであることを特徴とする請求
    項29、30のいずれかに記載のトナー。
  45. 【請求項45】磁性体微粒子の抵抗が102〜1011Ω
    cmであることを特徴とする請求項29、30のいずれ
    かに記載のトナー。
  46. 【請求項46】磁性体微粒子のバルク密度が0.3〜
    0.9g/ccで、かつ圧縮率は30〜80%であるこ
    とを特徴とする請求項29、30のいずれかに記載のト
    ナー。
  47. 【請求項47】磁性体微粒子のアマニ油吸油量が10〜
    30(ml/100g)であることを特徴とする請求項
    29、30のいずれかに記載のトナー。
  48. 【請求項48】磁性体微粒子の残留磁化が5〜20em
    u/g、飽和磁化が40〜80emu/gであることを
    特徴とする請求項29、30のいずれかに記載のトナ
    ー。
  49. 【請求項49】トナーに添加される磁性体微粒子をチタ
    ン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、エポキ
    シシランカップリング剤、アクルリシランカップリング
    剤、又はアミノシランカップリング剤から選ばれる少な
    くとも1種類以上カップリング剤により処理されること
    を特徴とする請求項29、30のいずれかに記載のトナ
    ー。
  50. 【請求項50】トナーに添加される磁性体粒子の添加量
    がトナー100重量部に対して、0.1〜5重量部であ
    ることを特徴とする請求項29、30のいずれかに記載
    のトナー。
  51. 【請求項51】結着樹脂が、分子量分布の重量平均分子
    量Mwが10万〜60万、重量平均分子量Mwと数平均
    分子量Mnの比Mw/Mnが50〜100、Z平均分子
    量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが350〜1
    200、高化式フローテスターにおける1/2流出温度
    が100〜145℃であることを特徴とする請求項29
    記載のトナー。
  52. 【請求項52】結着樹脂が、少なくともスチレン系単量
    体と化学式(化1)で示される単量体を共重合してなる
    共重合体からなることを特徴とする請求項29記載のト
    ナー。
  53. 【請求項53】結着樹脂が、少なくともスチレン系単量
    体と化学式(化1)、化学式(化2)で示される単量体
    を共重合してなる共重合体からなることを特徴とする請
    求項29記載のトナー。
  54. 【請求項54】結着樹脂が、少なくとも少なくともスチ
    レン系単量体と化学式(化1)、化学式(化3)で示さ
    れる単量体を共重合してなる共重合体であることを特徴
    とする請求項29記載のトナー。
  55. 【請求項55】トナーの主成分である結着樹脂の重量平
    均分子量Mwが1万〜30万、重量平均分子量Mwと数
    平均分子量Mnの比Mw/Mnが3〜50、Z平均分子
    量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが10〜80
    0、高化式フローテスタによる1/2流出温度が80〜
    150℃、流出開始温度は80〜120℃である多価カ
    ルボン酸又はその低級アルキルエステルと多価アルコー
    ルとの重縮合によって得られるポリエステル樹脂である
    ことを特徴とする請求項29記載のトナー。
  56. 【請求項56】体積抵抗が108〜1013Ωcmの範囲
    のもので、磁性コア粒子表面にアクリル系樹脂及び/又
    はシリコーン系樹脂からなる樹脂コート層を有し、前記
    磁性コア粒子がMnフェライト、Mn−Mgフェライト
    又はLi−Mnフェライトであるキャリアとから二成分
    現像剤を構成することを特徴とする請求項29、30の
    いずれかに記載のトナー。
  57. 【請求項57】転写プロセス後に像担持体上に残留した
    トナーを現像装置内に回収して再度現像プロセスに利用
    する廃トナーリサイクル手段を具備し、請求項1〜4、
    29のいずれかに記載のトナーを使用することを特徴と
    する電子写真装置。
  58. 【請求項58】像保持体と導電性弾性ローラとの間に転
    写材を挿通させ、前記導電性弾性ローラに転写バイアス
    電圧を付与することにより前記像担持体上の静電潜像を
    可視像化したトナーを転写するトナー転写手段を具備
    し、請求項1〜4、29のいずれかに記載のトナーを使
    用することを特徴とする電子写真装置。
  59. 【請求項59】転写プロセス後に像担持体上に残留した
    トナーを現像装置内に回収して再度現像プロセスに利用
    する廃トナーリサイクル手段を具備し、請求項28に記
    載の二成分現像剤を使用することを特徴とする電子写真
    装置。
  60. 【請求項60】像保持体と導電性弾性ローラとの間に転
    写材を挿通させ、前記導電性弾性ローラに転写バイアス
    電圧を付与することにより前記像担持体上の静電潜像を
    可視像化したトナーを転写するトナー転写手段を具備
    し、請求項28に記載の二成分現像剤を使用することを
    特徴とする電子写真装置。
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