JPH10254173A - トナー - Google Patents

トナー

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JPH10254173A
JPH10254173A JP5817697A JP5817697A JPH10254173A JP H10254173 A JPH10254173 A JP H10254173A JP 5817697 A JP5817697 A JP 5817697A JP 5817697 A JP5817697 A JP 5817697A JP H10254173 A JPH10254173 A JP H10254173A
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wax
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Yasuhito Yuasa
安仁 湯浅
Noriaki Hirota
典昭 廣田
Hideki Tatematsu
英樹 立松
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】廃トナーリサイクルでも高性能な現像性を維持
でき、感光体等へのフィルミングが抑えられ、中間転写
システムを具備する電子写真装置でも、転写の中抜けが
抑えられ、またカラー複写用の複数の移動可能な像形成
ユニットを円環状に配置し回転移動する像形成ユニット
群を有する電子写真方法に好適で、高濃度、低地かぶり
で感光体へのフィルミングの発生のないトナーを提供す
る。 【解決手段】結着樹脂、着色剤、ワックスよりなるトナ
ー組成物を予備混合処理、溶融混練処理、粉砕分級処
理、外添処理で製造し、結着樹脂が重量平均分子量Mwが
1万〜30万、Mwと数平均分子量Mnの比が3〜50、Z平均分
子量MzとMnの比が10〜800、高化式フローテスタによる1
/2流出温度が80〜150℃、流出開始温度が80〜120℃であ
るポリエステル樹脂で、ワックスがDSC法による融点
が66〜86℃である植物系ワックスで、ワックスが結着樹
脂中に均一に分散されてなるトナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラー複写機、カラ
ープリンタやカラーファクシミリに用いられるトナーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真装置はオフィスユースの
目的からパーソナルユースへと移行しつつあり、小型
化、メンテフリーなどを実現する技術が求められてい
る。そのため廃トナーのリサイクルなどのメンテナンス
性が良く、オゾン排気が少ないなどの条件が必要とな
る。
【0003】電子写真方式の複写機、プリンターの印字
プロセスを説明する。先ず、画像形成のために像担持体
(以下感光体と称す)を帯電する。帯電方法としては、
従来から用いられているコロナ帯電器を使用するもの、
また、近年ではオゾン発生量の低減を狙って導電性ロー
ラを感光体に直接押圧した接触型の帯電方法などによっ
て感光体表面を均一に帯電する方法がある。感光体を帯
電後、複写機であれば、複写原稿に光を照射して反射光
をレンズ系を通じて感光体に照射する。或いは、プリン
タであれば露光光源としての発光ダイオードやレーザー
ダイオードに画像信号を送り、光のON−OFFによっ
て感光体に潜像を形成する。感光体に潜像(表面電位の
高低による潜像)が形成されると感光体は予め帯電され
た着色粉体であるトナー(直径が5μm〜15μm程
度)によって可視像化される。トナーは感光体の表面電
位の高低に従って感光体表面に付着し複写用紙に電気的
に転写される。すなわち、トナーは予め正または負に帯
電しており複写用紙の背面からトナー極性と反対の極性
の電荷を付与して電気的に吸引して複写用紙に転写す
る。転写方法としては、従来から用いられているコロナ
放電器を使用するもの、また、近年ではオゾン発生量の
低減を狙って導電性ローラを感光体に直接押圧した転写
方法が実用化されている。転写時には感光体上の全ての
トナーが複写用紙に移るのではなく、一部は感光体上に
残留する。この残留トナーはクリーニング部でクリーニ
ングブレードなどで掻き落とされ廃トナーとなる。そし
て複写用紙に転写されたトナーは、定着の工程で、熱や
圧力により、紙に固定される。
【0004】定着方法としては、2本以上の金属ロール
間を通過させる圧力定着方式と電熱ヒータによる加熱雰
囲気中を通過させるオーブン定着方式および加熱ローラ
ー間を通過させる熱ロール定着方式がある。熱ロール定
着方式は加熱ローラの表面と複写用紙上のトナー面とが
圧接触するためトナー画像を複写用紙に融着する際の熱
効率が良好であり、迅速に定着を行うことが出来る。し
かしながら熱ロール定着方式では加熱ローラ表面にトナ
ーが加熱溶融状態で圧接触するためトナーの一部がロー
ラ表面に付着して再び複写用紙上に付着し画像を汚すオ
フセット現象を起こしやすい欠点がある。そのオフセッ
ト現象を防止する方法として、加熱ローラ表面を耐熱性
でトナーに対する離型性に富む弗素樹脂やシリコンゴム
で形成し、さらにその表面にシリコンオイルなどのオフ
セット防止用液体を供給して液体の薄膜でローラ表面を
被覆する方法が取られている。この方法では、シリコン
オイルなどの液体が加熱されることにより臭気を発生
し、また、液体を供給するための余計な装置が必要とな
り、複写装置の機構が複雑になる。また、安定性よくオ
フセットを防止するためには、高い精度で液体の供給を
コントロールする必要があり、複写装置が高価にならざ
るを得ない。そこでこのような液体を供給しなくてもオ
フセットが発生せず、良好な定着画像が得られるトナー
が要求されている。
【0005】周知のように電子写真方法に使用される静
電荷現像用のトナ−は一般的に結着樹脂である樹脂成
分、顔料もしくは染料からなる着色成分および可塑剤、
電荷制御剤、更に必要に応じて離型剤などの添加成分に
よって構成されている。樹脂成分として天然または合成
樹脂が単独あるいは適時混合して使用される。
【0006】そして、上記添加剤を適当な割合で予備混
合し、熱溶融によって加熱混練し、気流式衝突板方式に
より微粉砕し、微粉分級されてトナー母体が完成する。
その後このトナー母体に例えば疎水性シリカや酸化チタ
ンなどの外添剤を外添処理してトナーが完成する。
【0007】一成分現像では、トナーのみで構成される
が、トナーと磁性粒子からなるキャリアと混合すること
によって2成分現像剤が得られる。またカラー複写機で
は、感光体を、帯電チャージャーによるコロナ放電で帯
電させ、その後各色の潜像を光信号として感光体に照射
し、静電潜像を形成し、第1色、例えばイエロートナー
で現像し、潜像を顕像化する。その後感光体に、イエロ
ートナーの帯電と逆極性に帯電された転写材を当接し、
感光体上に形成されたイエロートナー像を転写する。感
光体は転写時に残留したトナーをクリーニングしたのち
除電され、第1のカラートナーの現像、転写を終える。
【0008】その後マゼンタ、シアンなどのトナーに対
してもイエロートナーと同様な操作を繰り返し、各色の
トナー像を転写材上で重ね合わせてカラー像を形成する
方法が取られている。そしてこれらの重畳したトナー像
はトナーと逆極性に帯電した転写紙に転写された後、定
着され複写が終了する。
【0009】このカラー像形成方法としては、単一の感
光体上に順次各色のトナー像を形成し、転写ドラムに巻
き付けた転写材を回転させて繰り返しこの感光体に対向
させ、そこで順次形成される各色のトナー像を重ねて転
写していく転写ドラム方式と、複数の像形成部を並べて
配置し、ベルトで搬送される転写材にそれぞれの像形成
部を通過させて順次各色のトナー像を転写し、カラー像
を重ね合わす連続重ね方式が一般的である。
【0010】前記の転写ドラム方式を用いたものに、特
開平1−252982号公報に示されるカラー画像形成
装置がある。図15はこの従来例の全体構成の概要を示
すもので、以下その構成と動作を簡単に説明する。図1
5において、501は感光体で、これに対向して帯電器
502と、現像部503と、転写ドラム504、クリー
ナ505が設けられている。現像部503は、イエロ色
のトナー像をつくるためのY現像器506、マゼンタ色
のM現像器507、シアン色のC現像器508、黒色の
Bk現像器509とで構成され、現像器群全体が回転し
て各々の現像器が順次感光体501に対向し現像可能の
状態になる。転写ドラム504と感光体501は動作中
は対向しながらそれぞれ矢印方向に一定速度で回転して
いる。
【0011】像形成動作が開始すると感光体501が矢
印方向に回転するとともに、その表面が帯電器502に
よって一様に帯電される。その後感光体表面には、1色
目のイエロの像を形成するための信号で変調されたレー
ザビーム510を照射されて、潜像が形成される。次に
この潜像は最初に感光体501に対向しているY現像器
506により現像され、イエロのトナー像が形成され
る。感光体上に形成されたイエロのトナー像が転写ドラ
ム504に対向する位置に移動するまでに、すでに転写
ドラム504の外周には給紙部511から送られた転写
材としての1枚の用紙が先端を爪部512でつかまれて
巻き付けられており、その用紙の所定の位置に感光体上
のイエロのトナー像が対向して出会うようにタイミング
がとられている。
【0012】感光体上のイエロのトナー像が転写帯電器
513の作用により用紙に転写された後、感光体表面は
クリーナ505により清掃されて、次色の像形成が準備
される。続いてマゼンタ、シアン、黒のトナー像も同様
に形成されるが、そのとき現像部503は色に応じて用
いる各現像器506〜509を感光体に対向させて現像
可能の状態にする。転写ドラム504の径は最長の用紙
が巻き付けられかつ各色の像間で現像器の交換が間に合
うように充分の大きさを持っている。
【0013】各色の像形成のためのレーザビーム510
の照射は、回転につれて感光体上の各色のトナー像と転
写ドラム上の用紙に既に転写されたトナー像とが位置的
に合致されて対向するようにタイミングがとられて実行
される。このようにして4色のトナー像が転写ドラム5
04上で用紙に重ねて転写されて、用紙上にカラー像が
形成される。全ての色のトナー像が転写された後、用紙
は剥離爪514により転写ドラム504から剥されて、
搬送部515を経て定着器516によりトナー像が定着
され、装置外へ排出される。518はブラック、マゼン
ダ、シアン、イエロの各色のトナーを収容しているトナ
ーホッパーである。
【0014】一方、連続転写方式を用いたカラー画像形
成装置の例として、特開平1−250970号公報があ
る。この従来例では4色の像形成のためにそれぞれが感
光体、光走査手段などを含んだ4つの像形成ステーショ
ンが並び、ベルトに搬送された用紙がそれぞれの感光体
の下部を通過してカラートナー像が重ね合わされる。
【0015】さらにまた、転写材上に異なる色のトナー
像を重ねてカラー像を形成する他の方法として、感光体
上に順次形成される各色トナー像を中間転写材上に一旦
重ねて、最後にこの中間転写材上のトナー像を一括して
転写紙に移す方法が特開平2−212867号公報で開
示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】昨今地球環境保護の点
から、オゾン発生量の低減や、産業廃棄物の無制限な廃
棄を規制するため従来再利用されずに廃棄されていた廃
トナーを再利用することや、定着の消費電力を抑える低
温定着方法などの必要性が叫ばれている。トナー材料も
オゾン量の発生の少ないローラ転写方法への対応や、廃
トナーリサイクルへの対応や、低温定着化への対応をす
べく改良が進んでいる。更にこれら単独ではなく同時に
満足できる高性能なトナーは環境保護からは重要課題で
ある。
【0017】また複写機や、プリンタ、FAXにおいて
プロセス速度の異なる機種毎に別々の種類のトナーを使
用している。例えば低速機では耐オフセット性を向上さ
せるため、粘弾性の高い、高軟化点の結着樹脂材料を使
用する。高速機では定着に必要な熱量が得にくいため、
定着性を高めるために軟化点を下げた特性の異なる別の
結着樹脂を使用している。プロセス速度とは機械の時間
当たりの複写処理能力に関係し、感光体の周速度を示し
ている。感光体の周速度によって複写用紙の搬送速度が
決まる。これらの低速機や高速機にそれぞれ対応して用
いられている別々の種類のトナーを共有化できれば、生
産効率が上がり、トナーコストも大きく下げることが可
能になる。
【0018】定着の工程では、紙へのトナーの付着力で
ある定着強度と、ヒートローラへの付着を防止する耐オ
フセット性とが支配因子となる。トナーは定着ローラか
らの熱または圧力により、紙の繊維に溶融浸透して、定
着強度が得られる。この定着特性を向上するため、従来
は、結着樹脂を改良したり、離型剤などを添加したりし
て、紙へ固着する定着強度を高め、定着ローラにトナー
が付着するオフセット現象を防止している。
【0019】特開昭59−148067号公報では、樹
脂に低分子量と高分子量部分とを持ち、低分子量のピー
ク値とMw/Mnを規定した不飽和エチレン系重合体を
使用し、軟化点を特定したポリオレフィンを含有するト
ナーが開示されている。これによって、定着性と耐オフ
セット性が確保されるとしている。また特開昭56−1
58340号公報では特定の低分子量重合体成分と高分
子量重合体成分よりなる樹脂を主成分とするトナーが開
示されている。低分子量成分により定着性を確保し、高
分子量成分により耐オフセット性を確保する目的であ
る。また特開昭58−223155号公報では1000
〜1万と20万〜100万の分子量領域に極大値を持
ち、Mw/Mnが10〜40の不飽和エチレン系重合体
からなる樹脂と特定の軟化点を有するポリオレフィンを
含有するトナーが開示されている。低分子量成分により
定着性を確保し、高分子量成分とポリオレフィンにより
耐オフセット性を確保する目的として使用されている。
【0020】トナーの製造工程で、重要な位置を占める
混練工程は、従来ロールミル、ニーダー、押出機などが
用いられてきた。この中で広く使用されているのは二軸
式の押出機である。これは連続生産が可能であるためで
ある。
【0021】混練軸が高速回転する噛み合い型浅溝の2
軸押出機で、混練軸は、完全噛み合い型の同方向回転仕
様と部分噛み合い型の異方向回転仕様が材料によって選
択される。シリンダと混練軸は分割セグメント方式であ
る。複数の分割されたセグメントでは、各セグメント毎
に一定の混練温度が設定できるように加熱シリンダが具
備され、また冷却用の水冷が流れる構成となっている。
シリンダの中を通る混練軸は主に混練物を加熱溶融しな
がら先へ搬送する機能を持つ送り部と、主に混練する機
能を有する練り部から構成される。送り部ではS螺旋状
の構成をしており、せん断作用による混練強度は低い。
練り部では強いせん断力により混練を行う。
【0022】これらの混練工程での分散性を上げるた
め、特開平6−194878号公報では、混練機のシリ
ンダの設定温度を、混練機より吐出される混練物の最低
温度に対して、20℃以内に設定することが開示されて
いる。これによって混練中のシリンダ内をトナー原材料
の混練物が移動する最中に、樹脂が十分に溶融し、また
この溶融においても溶融しきれないことによる粘度低下
もなく、ある程度のストレスが付与された状態で吐出口
より吐出されるとしている。
【0023】また特開平6−161153号公報では、
混練の設定温度を樹脂の溶融温度に対して20℃以内と
し、かつ吐出温度を樹脂の溶融温度の35℃以下で行う
構成が開示されている。これによって、ワックスが小粒
径で均一に分散しており、ワックスの分離に原因する感
光体へのフィルミングおよびそれに伴うブラックスポッ
ト、カブリなどが生じないとしている。フィルミングと
は、ワックスが分離して他の物体(この場合は感光体な
ど)の表面を薄く覆ってしまう現象を言う。
【0024】また特開平6−266159号公報では混
練機の前段部と後段部のバレル温度と、トナー軟化点
と、吐出温度とをある一定の関係に設定することが開示
されている。これによりバインダ樹脂中の添加剤分散を
さらに向上させ、均一なものとし、帯電性が向上すると
している。
【0025】しかし、高速機での定着強度を高めるため
に、結着樹脂の溶融粘度を下げたり低分子量化した樹脂
を使用すると、長期使用中に2成分現像であればトナー
がキャリアに固着するいわゆるスペントが発生し易くな
る。一成分現像であれば、ドクターブレードや現像スリ
ーブ上にトナーが固着しやすくなり、トナーの耐ストレ
ス性が低下し、例えばドクターブレードなどによりトナ
ーに外力が加わった場合に、トナーが崩壊しやすくな
る。低速機に使用すると定着時ヒートローラにトナーが
付着するオフセットが発生しやすくなる。また長期保存
中にトナー同士が融着するブロッキングが発生する。
【0026】高分子量成分と低分子量成分をブレンドす
る構成によっては、狭範囲のプロセス速度に対しては定
着強度と、耐オフセット性を両立させることが可能では
あるが、広範囲のプロセス速度に対応することは難し
い。広範囲のプロセス速度に対応するためにはより高い
高分子量成分とより低い低分子量成分の構成にする必要
がある。高速機では低分子量成分を多くすることにより
定着強度を高めることができるが、耐オフセット性も悪
化する。低速機では高分子量成分を多くすることにより
耐オフセット性を高める効果が得られるが、高分子量成
分を多くすると、トナーの粉砕性が低下し生産性が低下
する弊害が生じる。そのため、高分子量成分と低分子量
成分をブレンドした、あるいは共重合させた構成に対し
て、低軟化点離型剤の添加例えばポリプロピレンワック
スの添加により、定着時ヒートローラからの離型性を良
くして耐オフセット性を高める効果が得られる。さらに
ポリエチレンワックス添加により、それ自身摩擦低減効
果を持つため定着時の熱でトナー表面に溶融析出するこ
とで、結着樹脂の定着性に寄与する低分子量成分が同量
であっても、定着性向上には効果的である。つまりポリ
エチレンワックス添加による定着性向上作用は、複写用
紙とトナーとの結合を強化するのではなく、定着された
トナー画像の表面をすべりやすくすることにより、画像
表面が擦られた場合でも、画像が崩れない様にする外部
からの力を逃がす効果によるものである。
【0027】しかし上記材料は離型性が高い分だけ結着
樹脂中での分散性を良好に保てないと、逆極性トナーが
発生し易く、画質を悪化させる。またキャリア、感光
体、現像スリーブをフィルミング汚染する課題がある。
【0028】混練の工程で結着樹脂中に離型剤をミクロ
分散させるが、この分散状態がトナーの定着性、オフセ
ット性のみならず、帯電性にも影響を与える。分散性が
悪化すると添加剤の樹脂中での偏在や遊離が生じて、逆
帯電粒子の増加により地かぶりが増加する。また遊離に
より耐オフセット性が低下したり、感光体や現像スリー
ブを汚染する問題が生じる。特に低分子量成分と高分子
量成分とから構成され、幅広い分子量分布を有する樹脂
では、添加剤の分散不良がより生じやすい。低温で混練
すると高分子量成分が十分に溶融されずに混練されるた
め、添加剤の分散不良が生じたり、樹脂に強ストレスが
掛かるため高分子量成分の分子切断が生じ、分子量低下
を招いてしまう。また高温で混練すると低分子量成分が
低粘度となり混練のストレスが掛かりにくくなり、分散
不良を生じ、温度と分散性とのバランスを取るのが厳し
くなる。
【0029】混練工程で分散性を上げ、定着性や帯電性
を良好にする手法はすでに開示されているが、上記構成
は混練軸がスクリュ部構成のみでその温度設定を限定す
るだけでは、混練性は向上しない。スクリュ部は主に送
りの機能がメインで混練の作用は少ない機構であるから
である。また混練軸におけるフィード部、およびミキシ
ング部におけるシリンダの温度設定が混練時の分散性を
向上させる重要なファクターとなるため、単に混練軸全
体に対するニーディング部の構成の割合を規定するだけ
では、良好な分散性は得られない。
【0030】また、前記したように近年地球環境保護の
観点から、転写後に感光体上に残留し、クリーニング手
段によって回収された廃トナーを再度現像工程でリサイ
クルするのが好ましい。しかしながら、廃トナーをリサ
イクルするとき、廃トナーがクリーナ部、現像部、また
廃トナーを現像部へ戻すときの輸送管内で受けるストレ
スなどにより離型剤の存在するトナーの軟質の部分にダ
メージが現れる。またクリーニング工程で感光体から掻
き落とされた廃トナーを再度現像でリサイクルする際、
分散不良となった廃トナーと現像器内の新しいトナーと
が混合されると帯電量分布が不均一になり、逆極性トナ
ーが増加して、複写画像の品質が低下する。さらに感光
体へのワックスのフィルミングが助長され、寿命低下の
要因となる。また葉書などの長さの短い用紙では感光体
ドラムとの摩擦力で搬送されるが、上記離型剤が感光体
に付着するとその搬送力を低下させ葉書通紙不良とな
る。
【0031】また、前記の導電性弾性ローラを用いた転
写方式は、像担持体と導電性弾性ローラとの間に転写紙
を挿通させ、前記導電性弾性ローラに転写バイアス電圧
を付与することにより前記像担持体表面上にあるトナー
を転写紙に転写するものであるが、かかる導電性弾性ロ
ーラを用いた転写方式では、転写紙に裏汚れが発生する
といった問題がある。これは像担持体上のトナーを転写
ローラを用いて転写紙に転写する場合、転写紙がない状
態では転写ローラは像担持体に所定の圧力で当接してお
り、現像工程でカブリが多いと、かかるカブリによるト
ナーによって転写ローラが汚染し、このトナーによって
汚染した転写ローラが送られて来た転写紙の裏面に当接
するためである。
【0032】また、後述するように、本発明に係るトナ
ーが好適に用いられる電子写真方法の1つは、中間転写
体を用いる方式である。転写ドラム方式では、異なる色
のトナー像の位置を合わせて重ねるために転写ドラムを
用い、この転写ドラムを感光体に対して同速度で回転さ
せ、さらに像の先端のタイミングを合わせることによっ
て、カラー像を形成する場合の各色トナー像の相互位置
を合致させる。しかしながら上記のような構成では、転
写ドラムに用紙を巻き付ける必要があるため、転写ドラ
ムの径が一定の大きさ以上必要であり、またその構造が
非常に複雑で高精度が要求されるため、装置が大がかり
で高価なものとなっていた。また葉書や厚紙など腰の強
い用紙は、転写ドラムに巻き付けることができないため
使用できなかった。
【0033】一方、連続転写方式は、色数に対応した像
形成位置を有しており、そこに用紙を次々と通過させれ
ばよいため、このような転写ドラムは不要であるが、こ
の方式では感光体上に潜像を形成するためのレーザ光学
系などの潜像形成手段が色の数に対応して複数個必要で
あり、構造が非常に複雑で高価であった。さらにまた、
像形成位置が複数箇所あるため、各色の像形成部の相対
的な位置ずれ、回転軸の偏心、各部の平行度のずれなど
が直接色ずれに影響し高画質を安定に得ることが困難で
あった。特に潜像形成手段による潜像の各色間の位置合
わせを正確に行う必要があり、特開平1−250970
号公報にも示されているように、潜像形成手段である像
露光系に相当の工夫と複雑な構成が必要であるという問
題点があった。
【0034】さらに、中間転写材を用いる特開平2−2
12867号公報の例では、各色のトナー像を同一の感
光体上に形成するために、複数の現像器を単一の感光体
の周辺に配置しなければならず、必然的に感光体の形状
が大きくなり、また感光体が取り扱いにくいベルト形状
になっている。また、各現像器をメンテナンス時に交換
すると感光体の特性とのマッチング調整が必要であった
り、感光体の交換時には各現像器との間での位置調整が
必要であったため、各色現像器や感光体のメンテナンス
も困難であった。
【0035】しかし中間転写方式は、複雑な光学系を必
要としなく、また葉書や厚紙などの腰の強い用紙にも使
用でき、また中間転写ベルトを使用するとフレキシブル
なため、転写ドラム方式、連続転写方式に比べて、装置
自体の小型化を可能に出来るメリットがある。
【0036】また、トナーは転写時に全て転写されるの
が理想であるが、一部転写残りが生じる。いわゆる転写
効率は100%でなく、一般的には75〜90%程度で
ある。この転写残りのトナーは感光体クリーニングの工
程でクリーニングブレード等で掻き落とされて廃トナー
となる。
【0037】しかし、中間転写体を使用する構成では、
トナーは感光体から中間転写体へ、さらに中間転写体か
ら受像紙へと、少なくとも2回以上の転写工程を経るこ
とになり、通常の1回転写の複写機では、例えば85%
の転写効率があっても、2回の転写により、転写効率は
72%にまで低下する。さらに1回転写で75%の転写
効率であるものは56%と約半分のトナーが廃トナーと
なってしまい、トナーのコストアップや、廃トナーボッ
クスの容積をより大きなものとせねばならず、これでは
装置の小型化が出来ない。転写効率の低下は分散不良に
よる逆極性の地かぶりや転写抜けが要因と考えられる。
【0038】またカラー現像の場合は、中間転写体上で
4色のトナー画像を重ねるためトナー層が厚くなり、ト
ナー層がない、あるいは、薄いところとの圧力差が生じ
やすい。このため、トナーの凝集効果によって画像の一
部が転写されずに穴となる”中抜け”現象が発生し易
い。さらに、受像紙が詰まった場合のクリーニングを確
実に行うために、中間転写体にトナーの離型効果の高い
材料を用いると、中抜けは顕著に現れ、画像の品位を著
しく低下させてしまう。さらに、文字やラインなどでは
エッジ現像となっており、トナーがより多くのり、加圧
によるトナー同士の凝集を起こし、中抜けがより顕著に
なる。特に高湿高温の環境下でより顕著に現れる。
【0039】また、後述するように、本発明に係るトナ
ーを用いる電子写真方法では、異なった色のトナー像を
形成する複数の移動可能な像形成ユニットを円環状に配
置した像形成ユニット群を有し、その像形成ユニット全
体が回転移動する構成である。さらに像形成ユニット、
中間転写ユニット毎での交換が可能な構成であり、寿命
が来て交換時期に来るとユニット毎の交換でメンテナン
スが容易に行え、電子写真カラープリンタにおいても白
黒並みのメンテナンス性を得ることが可能となる。しか
し像形成ユニット自体が公転するため、クリーニングさ
れた廃トナーが一時的に感光体に繰り返し付着し、また
現像ローラからの離脱、付着を繰り返すため、感光体へ
のダメージやフィルミングが生じやすくなるし、現像の
初期に於いて帯電の立ち上がり性が悪いと初期カブリを
誘発する。
【0040】また、この4色トナー画像の定着において
は、カラートナーを混色させる必要がある。このとき、
トナーの溶融不良が起こるとトナー画像表面又は内部に
於いて光の散乱が生じて、トナー色素本来の色調が損な
われると共に重なった部分では下層まで光が入射せず、
色再現性が低下する。従って、トナーには完全溶融特性
を有し、色調を妨げないような透光性を有することが必
要条件である。しかしこのような樹脂の構成ではより溶
融特性を良くしようとするとき耐オフセット性が低下
し、紙にすべて定着するのではなく定着ローラ表面に付
着してオフセットが生じてしまう。そのためポリプロピ
レンやポリエチレン等の離型剤を添加して耐オフセット
性を向上させると色の濁りが生じて、色再現性が低下し
てしまう。
【0041】また、特開平5−119509号公報、特
開平8−220808号公報においてカルナウバワック
スを多量に添加することで色濁りを抑えて優れた定着
性、耐オフセット性が得られている報告がなされてい
る。
【0042】しかし先にも述べたようにカルナウバワッ
クス等を添加したとき分散不良に伴う、地カブリ、感光
体、現像ローラ、中間転写体へのフィルミングの発生、
転写不良を誘発し、さらには廃トナーリサイクルプロセ
スに於いてはより、これらの現象が顕著になる。
【0043】本発明は上記問題点に鑑み、結着樹脂中に
ワックス等の内添加剤の分散性を向上させ、均一な帯電
分布を有するトナーを提供することを目的とする。ま
た、オイル塗布しないオイルレス定着のフルカラー電子
写真用トナーを提供することを目的とする。
【0044】また、高機能な結着樹脂を使用しても、樹
脂特性を劣化させることなく添加剤の分散性を向上させ
安定した現像性を維持出来るトナーを提供することを目
的とする。
【0045】また、プロセス速度が広範囲に異なる機種
においても、定着性と耐オフセット性を両立出来、かつ
分散性に優れ帯電性が安定し高画質を可能とするトナー
を提供することを目的とする。
【0046】また、導電性弾性ローラや、中間転写体を
用いた電子写真方法で転写時の中抜けや飛び散りを防止
し、高転写効率が得られるトナー(現像剤)を提供する
ことを目的とする。
【0047】また、長期使用においても、感光体、中間
転写体のフィルミングを防止できるトナー(現像剤)を
提供することを目的とする。また、廃トナーをリサイク
ルしても現像剤の帯電量、流動性の低下がなく、凝集物
を生じず、長寿命化が図られ、リサイクル現像を可能と
し、地球環境汚染防止と資源の再活用を可能にするトナ
ー(現像剤)を提供することを目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトナーの第
1の構成は、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスよ
りなるトナー組成物を予備混合処理、溶融混練処理、粉
砕分級処理、外添処理によって製造されるトナーであっ
て、前記結着樹脂が重量平均分子量Mwが1万〜15
万、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/
Mnが3〜20、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mn
の比Mz/Mnが10〜300、高化式フローテスター
における1/2流出温度が85〜115℃である多価カ
ルボン酸又はその低級アルキルエステルと多価アルコー
ルとの重縮合によって得られるポリエステル樹脂からな
り、かつ、前記ワックスが少なくともDSC法による融
点が66〜86℃である植物系ワックスからなり、前記
ワックスが結着樹脂中に均一に分散されてなるトナーで
ある。
【0049】本発明に係るトナーの好ましい第2の構成
は、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスよりなるト
ナー組成物を予備混合処理、溶融混練処理、粉砕分級処
理、外添処理によって製造されるトナーであって、前記
結着樹脂が重量平均分子量Mwが1万〜15万、重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3〜
20、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/
Mnが10〜300、高化式フローテスターにおける1
/2流出温度が85〜115℃である多価カルボン酸又
はその低級アルキルエステルと多価アルコールとの重縮
合によって得られるポリエステル樹脂からなり、かつ、
前記ワックスが少なくともDSC法による融点が66〜
86℃である植物系ワックスからなり、かつ、前記溶融
混練処理が、送り機能をその主要機能とする混練セグメ
ントRと、練り機能をその主要機能とする混練セグメン
トNとからなり、各混練セグメント毎に加熱シリンダの
温度を個別に設定できる複数の混練セグメントを有し、
装置の一端側の混練セグメントに設けられた材料投入口
から混練すべき材料が投入され、装置の他端側の混練セ
グメントに設けられた吐出口から混練溶融物が吐出され
るよう構成された混練装置を用いて行われるものであ
り、前記トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融
された直後に前記混練セグメントNにて混練されるよう
に、前記混練セグメントRと前記混練セグメントNとを
隣接配置させた混練ブロックが複数形成され、混練ブロ
ック内の混練セグメントRの設定混練温度の最大温度を
Trt(℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大
温度をTnt(℃)、結着樹脂の高化式フローテスター
における1/2流出温度をTmt(℃)、流出開始温度
をTit(℃)、前記植物系ワックスのDSC法による
融点をTwt(℃)とした場合、下記式(a)、
(b)、(c)の条件を満足する混練ブロックを少なく
とも一つ以上有している条件下で混練されてなるトナー
である。
【0050】
【数29】
【0051】
【数30】
【0052】
【数31】
【0053】本発明に係るトナーのより好ましい第3の
構成は、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスよりな
るトナー組成物を予備混合処理、溶融混練処理、粉砕分
級処理、外添処理によって製造されるトナーであって、
前記結着樹脂が重量平均分子量Mwが1万〜15万、重
量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが
3〜20、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比M
z/Mnが10〜300、高化式フローテスターにおけ
る1/2流出温度が85〜115℃である多価カルボン
酸又はその低級アルキルエステルと多価アルコールとの
重縮合によって得られるポリエステル樹脂からなり、か
つ、前記ワックスが少なくともDSC法による融点が6
6〜86℃である植物系ワックスからなり、かつ、前記
溶融混練処理が、送り機能をその主要機能とする混練セ
グメントRと、練り機能をその主要機能とする混練セグ
メントNとからなり、各混練セグメント毎に加熱シリン
ダの温度を個別に設定できる複数の混練セグメントを有
し、装置の一端側の混練セグメントに設けられた材料投
入口から混練すべき材料が投入され、装置の他端側の混
練セグメントに設けられた吐出口から混練溶融物が吐出
されるよう構成された混練装置を用いて行われるもので
あり、 前記トナー組成物が前記混練セグメントRにて
溶融された直後に前記混練セグメントNにて混練される
ように、前記混練セグメントRと前記混練セグメントN
とを隣接配置させた混練ブロックが複数形成され、前記
混練ブロックを材料投入口がある装置の一端側に近い方
から順に第1番目の混練ブロックB1、第2番目の混練
ブロックB2、・・・第n番目の混練ブロックB
(n)、第n+1番目の混練ブロックB(n+1)と設
定し、少なくとも1組の前後する混練ブロックB(n)
とB(n+1)を選択して、前記第n番目の混練ブロッ
クB(n)内の混練セグメントRの設定混練温度の最大
温度をTrt(n)(℃)、混練セグメントNの設定混
練温度の最大温度をTnt(n)(℃)、第n+1番目
の混練ブロックB(n+1)内の混練セグメントRの設
定混練温度の最大温度をTrt(n+1)(℃)、混練
セグメントNの設定混練温度の最大温度をTnt(n+
1)(℃)、結着樹脂の高化式フローテスターにおける
1/2流出温度をTmt(℃)、前記植物系ワックスの
DSC法による融点をTwt(℃)とした場合、下記式
(b)、(d)、(e)、(f)の条件を満足する混練
ブロックを少なくとも一つ以上有している条件下で混練
されてなるトナーである。
【0054】
【数32】
【0055】
【数33】
【0056】
【数34】
【0057】
【数35】
【0058】本発明に係るトナーの好ましい第4の構成
は、第1の構成のトナーをさらに分散状態で熱風により
表面改質処理が施されてなるトナーである。本発明に係
るトナーの好ましい第5の構成は、第2の構成のトナー
をさらに分散状態で熱風により表面改質処理が施されて
なるトナーである。
【0059】本発明に係るトナーの好ましい第6の構成
は、第3の構成のトナーをさらに分散状態で熱風により
表面改質処理が施されてなるトナーである。さらに本発
明においては、第1、第2、第3、第4、第5または第
6のいずれかの構成において、植物系ワックスがDSC
法による融点が80〜86℃であるカルナウバワック
ス、68〜72℃であるキャンデリラワックス、66〜
72℃であるホホバ油又は79〜83℃であるライスワ
ックスからなる群から選ばれた少なくとも1種のワック
スからなることが好ましい。
【0060】さらに本発明においては、第1、第2、第
3、第4、第5または第6のいずれかの構成において、
結着樹脂中の植物系ワックスの分散平均粒子径が0.2
〜1.5μmで、分散粒子径分布が0.2μm未満の粒
子が30個数%未満、0.2〜2.0μmの粒子が65
個数%以上、2.0μmを越える粒子が5個数%未満で
あることが好ましい。
【0061】また、本発明のトナーにおいて前述した表
面改質処理が施されるトナーにおいては、外添処理が、
トナー母体粒子に熱風により表面改質処理を施した後に
外添剤を外添処理する構成のトナーであることが好まし
い。
【0062】また、本発明のトナーにおいて前述した表
面改質処理が施されるトナーにおいては、外添処理が、
トナー母体粒子に外添剤を外添処理した後に熱風により
表面改質処理を施し外添剤の固定化を施した構成のトナ
ーであることがより好ましい。
【0063】また前記いずれかに記載の本発明のトナー
においては、転写プロセス後に像担持体上に残留したト
ナーを現像装置内に回収して再度現像プロセスに利用す
る廃トナーリサイクル工程を具備する電子写真方法に使
用されるトナーとして好適に使用される。
【0064】また前記いずれかに記載の本発明のトナー
においては、像担持体上に形成した静電潜像を顕像化さ
れたトナー画像を、前記像担持体に無端状の中間転写体
の表面を当接させて前記中間転写体の表面に前記トナー
画像を転写させる一次転写プロセスが複数回繰り返し実
行され、この後に、この一次転写プロセスの複数回の繰
り返し実行により前記中間転写体の表面に形成された重
複転写トナー画像を転写材に一括転写させる2次転写プ
ロセスが実行されるよう構成された転写システムを有す
る電子写真方法に使用されるトナーとして好適に使用さ
れる。
【0065】また前記いずれかに記載の本発明のトナー
においては、各々が少なくとも回転する像担持体とそれ
ぞれ色の異なるトナーを有する現像手段とを備え、前記
像担持体上にそれぞれ異なった色のトナー像を形成する
複数の移動可能な像形成ユニットと、単一の露光位置と
単一の転写位置より構成される像形成位置と、前記複数
の像形成ユニットを円環状に配置した像形成ユニット群
と、前記複数の像形成ユニットのそれぞれを、前記単一
の像形成位置に順次移動せしめるため前記像形成ユニッ
ト群全体を回転移動させる移動手段と、信号光を発生す
る露光手段と、前記像形成ユニット群の回転移動のほぼ
回転中心に、前記露光手段の光を前記露光位置に導くミ
ラーとを有し、転写材上に異なる色のトナー像を、位置
を合わせて重ねて転写し、カラー像形成するカラー電子
写真装置に使用するトナーとして好適に使用される。
【0066】従来から、トナーの製造工程において、ト
ナー特性を決定する上で重要な位置を占める混練工程で
は、ロールミル、ニーダー、押出機などの混練装置が使
用される、この中で特に広く使用されているのは二軸式
の押出機であり、これは連続生産が可能なためである。
かかる二軸式の押出機は、一般に、混練軸が高速回転す
る噛み合い型浅溝の2軸押出機であり、混練すべき材料
によって、混練軸が完全噛み合い型の同方向回転仕様の
ものと,混練軸が部分噛み合い型の異方向回転仕様のも
のとが選択して使用される。通常、かかる噛み合い型浅
溝二軸押出機では、シリンダと混練軸が複数のセグメン
トに分割された分割セグメント方式であり、各セグメン
ト毎に一定の混練温度が設定できるように加熱シリンダ
が具備され、また冷却用の水冷が流れるようになってい
る。また、シリンダの中を通る混練軸は、主に混練物を
加熱溶融しながら先へ搬送する機能を持つ送り部と、主
に混練する機能を有する練り部から構成されている。送
り部はS螺旋状の形状で、せん断作用による混練強度は
低く、逆に練り部は強いせん断力により高い混練強度が
得られる。
【0067】前記構成からなる本発明のトナーは、二軸
押出機の混練軸における送り部および練り部におけるセ
グメントの温度設定が、トナー材料を混練する際の結着
樹脂中での着色剤をはじめとする内添剤の分散性を向上
させる重要なファクターになるが、単に混練軸全体に対
する練り部の構成の割合を規定するだけでは、満足でき
るレベルまで内添剤を分散させることができず不良トナ
ーを生成してしまうという知見を得、この知見に基づい
て多くの実験を行い、セグメント毎に混練設定温度を設
定できるようにした送り機能を主機能とする混練セグメ
ントRと、練り機能を主機能とする混練セグメントNと
を隣接配置させた混練ブロックを複数形成し、混練ブロ
ック内の混練セグメントNの設定混練温度と、混練ブロ
ック内の混練セグメントRの設定混練温度と、内添剤と
して添加するワックスのDSC法における融点と、結着
樹脂の高化式フローテスターにおける1/2流出温度、
流出開始温度とを、特定の関係を満たすように設定すれ
ば、内添剤が結着樹脂中に均一かつ一様に分散されるこ
とができる。
【0068】ところで、混練時に均一に分散できたとし
ても、粉砕時には不規則的に粉砕されるため、粉砕後の
トナーの表面にはワックスが偏在した状態が発生するの
は避けられない。そこでトナー化されたトナー母体粒子
を好ましくは更に熱処理による表面改質処理が施される
ことにより、不規則的に粉砕されたトナー表面に部分的
に露出したワックスを熱により結着樹脂と融合させ、現
像器内やリサイクル時、像形成ユニットの公転時の衝撃
等で脱離したり、変形してフィルミングの発生や、帯電
性の変化を抑えることが可能になり、狭い帯電量分布を
有し、定着性および耐オフセット性、耐感光体フィルミ
ング性、リサイクル性、転写性に優れたより良質なトナ
ーを得ることができるのである。
【0069】
【発明の実施の形態】本発明において、結着樹脂は多価
カルボン酸又はそのアルキルエステルと多価アルコール
との重縮合によって得られるポリエステル樹脂から構成
される。多価カルボン酸又はそのアルキルエステルとし
ては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂肪族二塩基酸又はそ
のアルキルエステル;マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの脂肪族不飽和
二塩基酸又はそのアルキルエステル;無水フタル酸、フ
タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族二塩
基酸又はそのアルキルエステル;1,2,4−ベンゼン
トリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン
酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸などの三価の多価カルボン酸又はそのア
ルキルエステルなどが挙げられる。この中でフタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族二塩基酸及びそ
れらのアルキルエステルが好ましい。アルキルエステル
のアルキル基としては炭素数1〜20のアルキル基が好
ましく、通常はメチルエステル、エチルエステル等の低
級アルキルエステルがより好ましく用いられる。
【0070】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4
−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフ
ェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、
ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのジオー
ル、グレセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロ
ールエタンなどのトリオール、及びそれらの混合物を例
示することが出来る。この中でネオペンチルグリコー
ル、トチメチロールプロパン、ポリオキシエチレン化ビ
スフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノー
ルAが好ましい。
【0071】重合は公知の重縮合、溶液重縮合等を用い
ることが出来る。これによって耐塩化ビニルマット性や
カラートナーの色材の色を損なうことなしに、良好なト
ナーを得ることができる。
【0072】多価カルボン酸と多価アルコールの使用割
合は通常、カルボキシル基数に対する水酸基数の割合
(OH/COOH)で0.8〜1.4が一般的である。
またポリエステル樹脂の水酸基価は好ましくは6〜10
0である。
【0073】このポリエステル樹脂は、重量平均分子量
Mwが1万〜30万、重量平均分子量Mwと数平均分子
量Mnの比Mw/Mnが3〜50、Z平均分子量Mzと
数平均分子量Mnの比Mz/Mnが10〜800、高化
式フローテスタによる1/2流出温度(以下、軟化点と
略称する)が80〜150℃、流出開始温度は80〜1
20℃の範囲であることが好ましい。
【0074】4色重なる像が形成され、定着されるカラ
ープロセス用トナーでは、透光性、光沢性の点から、重
量平均分子量Mwが1万〜18万、重量平均分子量Mw
と数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3〜20、Z平均
分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが10〜
300、軟化点が85〜120℃、流出開始温度は80
〜110℃の範囲であることがより好ましい。更に好ま
しくは、重量平均分子量Mwが1万〜15万、重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが3〜1
6、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/M
nが10〜260、軟化点が90〜115℃、流出開始
温度は85〜110℃の範囲であることが好ましい。さ
らにより好ましくは、重量平均分子量Mwが1万〜10
万、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/
Mnが5〜12、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mn
の比Mz/Mnが14〜220、軟化点が95〜115
℃、流出開始温度は85〜105℃の範囲であることが
好ましい。
【0075】1色の現像である白黒プロセス用黒トナー
では、透光性、平滑性はあまり考慮する必要がないが、
例えば、広範囲の現像プロセス速度(140mm/se
c〜480mm/sec)に対応させる必要がある場合
などは、前記混練時の添加剤の分散性を向上させること
によるトナーの定着性および帯電性の向上だけでなく、
結着樹脂の熱溶融による紙への浸透力を更に高めるこ
と,トナー定着像の表面の滑り性を上げること,および
耐オフセット性を向上させるために適度な粘弾性を有す
るものにすることが必要である。そのため、重量平均分
子量Mwが5万〜30万、重量平均分子量Mwと数平均
分子量Mnの比Mw/Mnが5〜50、Z平均分子量M
zと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが50〜800、
軟化点が90〜150℃、流出開始温度は80〜120
℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは、重量
平均分子量Mwが8万〜25万、重量平均分子量Mwと
数平均分子量Mnの比Mw/Mnが7〜45、Z平均分
子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが100〜
700、軟化点が95〜146℃、流出開始温度は85
〜115℃の範囲であることが好ましい。さらに好まし
くは、重量平均分子量Mwが10万〜22万、重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが9〜4
5、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/M
nが150〜600、軟化点が100〜142℃、流出
開始温度は85〜110℃の範囲であることが好まし
い。
【0076】前記結着樹脂の重量平均分子量は、数種の
単分散ポリスチレンを標準サンプルとするゲル・パーミ
エーション・クロマトグラフィーによって測定された値
である。すなわち、温度25℃においてテトラヒドロフ
ランを溶媒として毎分1mlの流速で流し、これに濃度
0.5g/dlのテトラヒドロフラン試料溶液を、試料
重量で10mg注入して測定した値である。測定条件は、
対象試料の分子量分布が、数種の単分散ポリスチレン標
準試料により得られる検量線における分子量の対数とカ
ウント数が直線となる範囲内に包含される条件である。
【0077】また、結着樹脂の軟化点は、島津製作所の
フローテスタ(CFT500)により、1cm3 の試料
を昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーにより
20kg/cm2 の荷重を与え、直径1mmのノズルか
ら押し出して、このプランジャーの降下量と昇温温度特
性との関係から、その特性線の高さをhとしたとき、h
/2に対する温度を軟化点としたものである。
【0078】またこのポリエステル樹脂と適時、スチレ
ンアクリル酸アルキルエステル共重合体、エポキシ系樹
脂、ポリウレタン系樹脂等との混合系も可能である。こ
れらの樹脂をポリエステル樹脂に混合して用いる場合に
は、混合する樹脂の種類にもよるが、ポリエステル樹脂
が95〜40重量%,前記混合して用いる樹脂が5〜6
0重量%程度の範囲が好ましい。
【0079】例えばスチレンアクリル酸アルキルエステ
ル共重合体の具体例としては、共重合体を構成する原料
スチレン系モノマーとして、スチレン、α−メチルスチ
レン,P−クロルスチレンなどのスチレンの置換体が挙
げられ、また、アクリル酸系モノマーとしては、アクリ
ル酸、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル
酸ブチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクチル,
アクリル酸イソブチル,アクリル酸ヘキシルなどのアク
リル酸アルキルエステル、メタクリル酸、メタクリル酸
メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,メ
タクリル酸オクチル,メタクリル酸イソブチル,メタク
リル酸ドデシル,メタクリル酸ヘキシルなどのメタクリ
ル酸アルキルエステルなどを挙げることができる。重合
体の製造方法としては、これらのモノマーを適宜組み合
わせて、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など
の公知の重合法で製造することができる。
【0080】本発明において、トナーを広範囲の現像プ
ロセス速度(140mm/sec〜480mm/se
c)に対応させるためには、前記混練時の添加剤の分散
性を向上させることによるトナーの定着性および帯電性
の向上だけでなく、結着樹脂の熱溶融による紙への浸透
力を更に高めること,トナー定着像の表面の滑り性を上
げること,および耐オフセット性を向上させるために適
度な粘弾性を有するものにすることが必要である。紙へ
の浸透力を高め、耐オフセット性を向上させるために
は、結着樹脂の低分子量重合体成分と高分子量重合体成
分のそれぞれにおける組成とガラス転移点と分子量を特
定するのが好ましい。
【0081】前記スチレンアクリル酸アルキルエステル
共重合体としては、当該共重合体樹脂全体として重量平
均分子量Mwが10万〜50万、重量平均分子量Mwと
数平均分子量Mnの比Mw/Mnが40〜90、Z平均
分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが350
〜900、高化式フローテスタによる1/2流出温度
(軟化点)が105〜145℃であることが好ましい。
【0082】さらには重量平均分子量Mwが12万〜4
5万、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw
/Mnが45〜85、Z平均分子量Mzと数平均分子量
Mnの比Mz/Mnが400〜800、軟化点が110
〜140℃であることがより好ましい。さらには重量平
均分子量Mwが12万〜35万、重量平均分子量Mwと
数平均分子量Mnの比Mw/Mnが55〜85、Z平均
分子量Mzと数平均分子量Mnの比Mz/Mnが400
〜700、軟化点が115〜140℃であることがより
好ましい。定着性および製造段階での粉砕時における粉
砕性を更に向上させるためには、前記スチレンアクリル
酸アルキルエステル共重合体樹脂はスチレン系成分を5
0〜95重量%含むものが好ましい。また結着樹脂のフ
ローテスターによる流出開始温度は、80〜120℃の
範囲、好ましくは85〜110℃の範囲、より好ましく
は85〜100℃の範囲にあるのがよい。
【0083】本発明において、前記ポリエステル樹脂中
にDSC(示差走査熱量測定)法による融点が66〜8
6℃である植物系ワックスを添加する。これは定着向上
剤として作用し、画像表面での摩擦抵抗を減少させ、定
着性を向上させるとともに、耐オフセット性改良の効果
がある。添加量としては結着樹脂100重量部に対して
1〜20重量部が好ましい。融点の低いワックスを用い
ると熱によるブロッキング、ケーキングが生じ均一な分
散ができなくなる。
【0084】その植物系ワックスとしては、DSC法に
よる融点が80〜86℃で、酸価が2〜10のカルウナ
バワックス、DSC法による融点が68〜72℃で、酸
価が12〜20のキャンデリラワックス、DSC法によ
る融点が66〜72℃で酸価が3以下ホホバ油(水素添
加された水添ホホバ油が好ましい)、DSC法による融
点が79〜83℃で、酸価が2〜13のライスワックス
が好ましく、一種類又は二種類以上組み合わせての使用
も可能である。
【0085】また本発明において、結着樹脂中に更にポ
リエチレンワックスを添加するのも好ましい。これは定
着向上剤として作用し、画像表面での摩擦抵抗を減少さ
せ、定着性を向上させる効果がある。好ましいのは熱分
解法で作成されたポリエチレンワックスである。25℃
のトルエンで1時間洗浄した場合の回収率が95%以上
である。
【0086】ポリエチレンワックスのDSC法による融
点は80〜140℃、好ましくは80〜130℃、より
好ましくは83〜110℃の範囲にあるのがよい。融点
が140℃より高いと、定着時に離型剤が溶けず、定着
ハードローラとトナーの界面に離型剤が溶出せず、高温
オフセットを発生しやすくなり、また摩擦低減効果が少
なくなり定着性向上効果が弱くなる。融点が80℃以下
であるとトナーの耐熱性が低下して凝集や固化が起こり
やすくなる。ポリエチレンワックスは結着樹脂100重
量部当たり一般に0.1〜20重量部、好ましくは1.
0〜15重量部添加される。カラートナーには色再現性
を考慮した添加量が必要である。
【0087】先に示した植物系ワックスとの併用も可能
である。また他に、離型剤として、低分子量ポリプロピ
レンなどの低分子量ポリアルキレン、エチレンビスアマ
イド、モンタンワックス、パラフィン系ワックスを挙げ
ることができ、これらの1種または2種以上が混合され
て使用される。これらは結着樹脂に相溶せず、遊離性を
有する形態が好ましい。
【0088】本発明ではトナーの着色および/または電
荷制御の目的で結着樹脂に適当な顔料または染料が配合
される。かかる顔料または染料としては、カーボンブラ
ック、鉄黒、グラファイト、ニグロシン、アゾ染料の金
属錯体、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニンブルー、ハンザイエローG、ローダミン6C
レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナク
リドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、デュポ
ンオイルレッド、トリアリルメタン系染料等を挙げるこ
とができ、これらのうちの1種または2種以上が混合さ
れて使用される。結着樹脂に着色および/または電荷制
御に必要な量が添加される。
【0089】本発明では結着樹脂に必要に応じて磁性粉
を添加することができる。具体例としては、鉄、マンガ
ン、ニッケル、コバルトなどの金属粉末や、鉄、マンガ
ン、ニッケル、コバルト、亜鉛などのフェライトなどが
ある。粉体の平均粒径は一般に1μm以下、好ましくは
0.6μm以下である。磁性粉はトナー全体当たり15
〜70重量%添加される。添加量が15重量%以下では
トナー飛散が増加する傾向になり、70重量%以上では
トナーの帯電量が低下し、画質の劣化を引き起こす傾向
になる。
【0090】本発明ではトナー粒子に疎水性シリカを外
添処理するのが好ましい。疎水性シリカによる外添処理
により、トナーの流動性を高める効果があり、貯蔵安定
性を向上させ、皿にはトナーの帯電性も制御することが
できるので好ましい。負帯電性のトナーの場合は、シリ
コーンオイルで表面処理した疎水性シリカが好ましく、
正帯電性のトナーの場合はオルガノポリシロキサンによ
り表面処理した疎水性シリカが好ましい。また、かかる
疎水性シリカの窒素吸着によるBET比表面積は50〜
350m2 /gの範囲にあるのが好ましい。疎水性シリ
カは一般にトナー母体粒子100重量部に当たり0.1
〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部配合される。
尚、その他、外添剤としては、酸化チタンなどが挙げら
れる。外添処理は、トナー母体粒子を後述する熱風によ
り表面改質処理を施す場合には、表面改質処理を施した
後に外添剤を外添処理してもよく、また、トナー母体粒
子に外添剤を外添処理した後に熱風により表面改質処理
を施し外添剤の固定化を施す構成であることもより好ま
しい。
【0091】本発明では結着樹脂中のワックスの分散平
均粒子径が0.2〜1.5μmで、分散粒子径分布が
0.2μm未満の粒子が30個数%未満、0.2〜2.
0μmの粒子が65個数%以上、2.0μmを越える粒
子が5個数%未満であることが好ましい。より好ましく
はワックスの分散平均粒子径が0.4〜1.2μmで、
分散粒子径分布が0.2μm未満の粒子が30個数%未
満、0.2〜2.0μmの粒子がが67個数%以上、
2.0μmを越える粒子が3個数%未満であることが好
ましい。さらに好ましくはワックスの分散平均粒子径が
0.5〜1.0μmで、分散粒子径分布が0.2μm未
満の粒子が20個数%未満、0.2〜2.0μmの粒子
が79個数%以上、2.0μmを越える粒子が1個数%
未満であることが好ましい。
【0092】ワックスの分散粒子径が余りに大きいと分
散不良に伴うトナー飛散、カブリ、フィルミングが増長
する傾向になる。また分散粒子径が余りに小さいと定着
性を低下させ、定着不良、耐オフセット性を低下させて
しまう傾向になる。したがって分散粒子径及びその分布
は、前述の範囲が均一分散として好ましい範囲である。
【0093】本発明の第2の構成では、前記したよう
に、送り機能を主機能とする混練セグメントRと、練り
機能を主機能とする混練セグメントNとからなり、各混
練セグメント毎に混練設定温度を設定できるようにした
複数の混練セグメントを具備し、トナー組成物が前記混
練セグメントRにて溶融された直後に前記混練セグメン
トNにて混練されるように、前記混練セグメントRと前
記混練セグメントNとを隣接配置させた混練ブロックが
複数形成された分割セグメント方式の混練機を用い、混
練ブロック内の混練セグメントRの設定混練温度の最大
温度をTrt(℃)、混練セグメントNの設定混練温度
の最大温度をTnt(℃)、結着樹脂の軟化点をTmt
(℃)、流出開始温度をTit(℃)、前記植物系ワッ
クスのDSC法による融点をTwt(℃)とした場合、
前記の(a)式、(b)式、(c)式を満足するように
設定し、混練したものである。
【0094】また、本発明の第3の構成では、前記した
ように、送り機能を主機能とする混練セグメントRと、
練り機能を主機能とする混練セグメントNとからなり、
各混練セグメント毎に混練設定温度を設定できるように
した複数の混練セグメントを具備し、トナー組成物が前
記混練セグメントRにて溶融された直後に前記混練セグ
メントNにて混練されるように、前記混練セグメントR
と前記混練セグメントNとを隣接配置させた混練ブロッ
クが複数形成された分割セグメント方式の混練機を用
い、前記第n番目の混練ブロックB(n)内の混練セグ
メントRの設定混練温度の最大温度をTrt(n)
(℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大温度を
Tnt(n)(℃)、第n+1番目の混練ブロックB
(n+1)内の混練セグメントRの設定混練温度の最大
温度をTrt(n+1)(℃)、混練セグメントNの設
定混練温度の最大温度をTnt(n+1)(℃)、結着
樹脂の軟化点をTmt(℃)、流出開始温度をTit
(℃)、前記植物系ワックスのDSC法による融点をT
wt(℃)とした場合、前記の4つの(b)式、(d)
式、(e)式、(f)式を満足するように設定し、混練
したものである。
【0095】これにより、結着樹脂中での添加剤の凝
集、特に定着性向上、オフセット防止用に添加するワッ
クスの凝集を防止することができる。より詳細には、従
来では極めて困難であった、幅広い分子量分布を持つ結
着樹脂を用いた場合の低分子量成分または高分子量成分
中での添加剤の偏在を防止することができる。特に後者
の第3の構成のトナーは前述したより好ましい分散粒子
径とより好ましい分布状態によって、より均一な分散が
できより好ましい。
【0096】結着樹脂と添加剤が十分に濡れていない状
態で混練しても添加剤の分散性は向上せず、また、結着
樹脂を軟化点以上に加熱して結着樹脂の粘度をかなり低
下させた状態で混練しても混練によるストレスが有効に
働かないため分散性は向上しない。またワックスの融点
以上の設定温度で混練するとワックスがかなり溶融した
状態で結着樹脂と混練されてもワックスを微細に分散す
ることが出来なく、凝集した状態のままになる。
【0097】分割セグメント方式の混練機において、樹
脂は混練機からの加熱と自己発熱とによって溶融し,添
加剤と結着樹脂との濡れ性を高めて練り部に送られる。
本発明の構成では、混練ブロック内の混練セグメントN
の設定最大混練温度を、ワックスの融点以下の温度に設
定される。ワックスに不要な熱が加わらず、ワックスの
溶融によるワックス同士の凝集が防止でき、均一かつ一
様に分散した混練溶融物を得ることができる。また樹脂
の軟化点をワックスの融点より高くなる様な材料構成と
することで混練時に樹脂により混練ストレスが加わった
状態で練られるため分散性が向上する。より好ましくは
混練ブロック内の混練セグメントNの設定最大混練温度
は、ワックスの融点よりも5℃以下の温度、さらに好ま
しくは10℃以下の温度がよい。混練ブロックの混練セ
グメントNの設定最大混練温度がワックスの融点以上に
設定されると、混練中に結着樹脂中でワックスの熱溶融
凝集が始まり分散性が急激に悪化する。
【0098】さらに、混練セグメントRの設定混練温度
と混練セグメントNの設定混練温度の差を、結着樹脂の
軟化点と流出開始温度の差の1/2よりも大きい値の温
度勾配を設ける。この温度勾配を設ける構成により樹脂
が溶融状態が完全に進まない状態で練り部に送られるた
め、混練ストレスが適時に作用し、またワックスに不要
な熱が加わらず、ワックスの溶融によるワックス同士の
凝集を回避できる状態で、混練物に加わる混練ストレス
を強くすることが可能となり、分散性を向上でき均一か
つ一様に分散した混練溶融物を得ることができる。
【0099】さらに、また第n+1番目の混練ブロック
B(n+1)内の混練セグメントNの設定混練温度の最
大温度を、一つ前の第n番目の混練ブロックB(n)の
混練セグメントNの設定混練温度の最大温度よりも5℃
以上低い温度に設定する。同時に第n番目の混練ブロッ
クB(n)の混練セグメントNの設定混練温度の最大温
度をワックスの融点以下の温度に設定される。さらに、
混練セグメントRの設定混練温度と混練セグメントNの
設定混練温度の差を、結着樹脂の軟化点と流出開始温度
の差の1/2よりも大きい値の温度勾配を設ける。この
構成により結着樹脂に含まれる低分子量成分を中心に第
n番目の混練ブロック中で適度に溶融させる。そして次
の第n+1番目の混練ブロックに送られる際温度勾配を
設けて混練物に加わる混練ストレスを強くし、分散性を
向上させる。この構成によりワックスに不要な熱が加わ
らず、ワックスの溶融によるワックス同士の凝集が防止
でき、より均一かつ一様に分散した混練溶融物を得るこ
とができ好ましい。
【0100】また、同時に溶融混練物の吐出温度をワッ
クスの融点よりも40℃以上温度が上昇しないように回
転数、供給量、設定温度、軸構成と設定することで、混
練時の混練物の自己発熱が抑制され、混練物に適度なス
トレスが掛かり内添剤の分散性が向上する。また、混練
中に結着樹脂が適度に溶融して、結着樹脂とワックスが
十分に濡れ,かつ,結着樹脂と添加剤の混合物が混練ス
トレスが有効に働く適度な粘度を有するものとなり、結
着樹脂中に添加剤が凝集することなく、均一かつ一様に
分散した混練溶融物を得ることができる。
【0101】前記において、混練溶融物の吐出温度は、
結着樹脂の特性,添加剤の特性と配合量,混練軸の周速
度,材料供給量,混練設定温度などによって決定される
ものであり、特に結着樹脂の特性(分子量、軟化点、粘
弾性など)と混練設定温度の影響を強く受ける。
【0102】また、本発明の第4、5、6の構成では、
前記したように、粉砕分級処理されたトナー粒子が更に
熱処理により表面改質処理が施されたトナーの構成であ
る。溶融混練時にワックスが均一に分散できたとして
も、粉砕時には不規則的に粉砕されるため、粉砕後のト
ナーの表面にはワックスが偏在した状態が発生するのは
避けられない。そこで粉砕分級処理されたトナー母体粒
子を表面改質処理を施すことで、不規則的に粉砕された
トナー表面に部分的に露出したワックスを熱により結着
樹脂と融合させ、現像器内やリサイクル時、像形成ユニ
ットの公転時の衝撃等で脱離したり、変形してフィルミ
ングの発生や、帯電性の変化を抑えることが可能にな
り、狭い帯電量分布を有し、単にトナーを球形化して流
動性を上げる作用のみならず、耐感光体フィルミング
性、リサイクル性、転写性に優れたトナーを得ることを
見出したものである。
【0103】この表面改質処理はトナー母体粒子を熱処
理した後、外添処理を施したトナーの構成でもよいが、
外添剤をトナー母体に外添処理した後で表面改質処理を
施す構成も好ましい。これにより外添剤がトナー母体粒
子に固定化され、シリカ等の外添剤の遊離による感光体
へのフィルミング、リサイクル時の外添剤の蓄積等がよ
り高度に防ぐことが可能となる。
【0104】トナーの製造工程は、基本的に各種材料の
予備混合処理、溶融混練処理、粉砕分級処理および外添
処理をこの順に行うことからなる。予備混合処理は、結
着樹脂とこれに分散させるべき添加剤を撹拌羽根を具備
したミキサなどにより均一に混合する処理である。ミキ
サとしては、スーパーミキサ(川田製作所製)、ヘンシ
ェルミキサ(三井三池工業製)、PSミキサ(神鋼パン
テック製)、レーディゲミキサ等の公知のミキサを使用
する。
【0105】溶融混練処理は、せん断力により結着樹脂
中に添加剤を分散させる処理であり、前記したように、
シリンダと混練軸が複数のセグメントに分割された分割
セグメント方式の混練機により前記した温度条件にて行
われる。
【0106】粉砕分級処理は、混練処理され冷却されて
得られたトナー塊を、カッターミルなどで粗粉砕し、そ
の後ジェットミル粉砕(例えばIDS粉砕機、日本ニュ
ーマティック工業製)などで細かく粉砕し、さらに必要
に応じて気流式分級機で微粉粒子をカットして、所望の
粒度分布のトナー粒子(トナー母体粒子)を得るもので
ある。機械式による粉砕,分級も可能であり、これに
は、例えば、固定したステータに対して回転するローラ
との微小な空隙にトナーを投入して粉砕するクリプトロ
ン粉砕機(川崎重工業製)やターボミル(ターボ工業
製)などが使用される。この分級処理により一般に5〜
12μmの範囲、好ましくは5〜9μmの範囲の体積平
均粒子径を有するトナー粒子(トナー母体粒子)を取得
する。
【0107】外添処理は、前記分級により得られたトナ
ー粒子(トナー母体粒子)にシリカなどの外添剤を混合
する処理である。これにはヘンシェルミキサ、スーパー
ミキサなどの公知のミキサが使用される。
【0108】以下本発明の実施の形態について、図面を
用いて説明する。図1は本発明のトナーに使用される混
練処理装置の一例の構成を概要的に示した断面図であ
る。図1において、101は混合された原料を供給する
供給機、102はモータ、103は混練軸、104は脱
気のためのベント孔、105は送りのスクリュウ、10
6は練りのニィーディングディスク、107は練りを目
的としたシールリング、108は練りを目的としたパイ
ナップルリング、109は混練物吐出口である。ここ
で、スクリュウ103、ニィーディングディスク10
6、シールリング107、パイナップルリング108は
混練軸103に嵌挿されている。混練物の吐出口109
には熱電対(図示せず)が設置され、ここで吐出温度が
測定される。
【0109】混練機は3つの混練ブロックB(1)、B
(2)、B(3)から構成されている。各ブロックは、
送り機能がその主機能である混練セグメントRと、練り
機能がその主機能である混練セグメントNとから構成さ
れている。そして、これら混練セグメントは各セグメン
ト毎に加熱ヒータが設けられ、それぞれにおいて混練設
定温度が設定できるようになっている。
【0110】混練ブロックB(1)は、混練セグメント
RであるR11、R12、R13、R14と、混練セグ
メントNであるN11とからなる。混練ブロックB
(2)は混練セグメントRであるR21と、混練セグメ
ントNであるN21とからなる。混練セグメントN21
にはその一部にシールリング107が設けられており、
これにより、一時的に混練物を滞留させて混練性を上げ
ることができるようになっている。混練ブロックB
(3)は混練セグメントRであるR31と、混練セグメ
ントNであるN31とからなる。混練セグメントN31
にはその吐出口側にパイナップルリング108が設られ
ており、これにより混練物の凝集を防いで吐出性を向上
させるようにしている。
【0111】図2は図1に示した混練処理装置の混練軸
の主要部の構成を示した平面図、図3,図4は図1,図
2に示した送りスクリュウの側面図と正面図、図5,図
6は図1,図2に示した練りのニィーディングディスク
の側面図と正面図、図7,図8は図1に示したシールリ
ングの側面図と正面図、図9,図10は図1に示したパ
イナップルリングの側面図と正面図である。これらの図
において、図1と同一符号は同一または相当する部分を
示している。図2から明らかな様に、この混練処理装置
は2軸の送りスクリューを有する押出機型の混練処理装
置である。
【0112】混練ブロックB(1)においてトナー材料
が螺旋状をした送りスクリュウ105により溶融されな
がら送られて(混練セグメントR11、R12、R1
3、R14)、混練セグメントN11に到達し、練りの
ニィーディングディスク106によって練られる。さら
に、混練ブロックB(2)においてトナー材料が螺旋状
をした送りスクリュウ105によりトナー材料が再度溶
融されながら送られて(混練セグメントR21)、混練
セグメントN21に到達し、ニィーディングディスク1
06とシールリング107によって再度練られる。
【0113】このときの混練軸103の回転により回転
するニィーディングディスク106の最外部での周速度
は225〜900mm/secの範囲、好ましくは25
0〜850mm/secの範囲、より好ましくは350
〜800mm/secの範囲に設定されている。このニ
ィーディングディスク106の最外部での周速度が22
5mm/secよりも小さいと、トナー材料に対して混
練によるストレスが十分に掛からず、また処理量も低下
する傾向となり、900mm/secより大きいとモー
タの負荷が増大し、消費電力が大幅に増大してしまう傾
向になるので、上記の周速度の範囲が好適である。
【0114】図11は熱風による表面改質処理装置の概
略図である。粉砕分級によって所定の粒度分布にされた
トナー母体粒子301は定量供給機302から投入さ
れ、圧縮空気発生装置300からの圧縮空気303によ
り粒子の分散手段である分散ノズル304に送られ、こ
こで約45度の方向に噴射される。本発明では分散ノズ
ル304は左右対称の位置に2個配置した。複数個のノ
ズルから噴射させることによりトナーがより均一に処理
されやすくなるためである。分散ノズル304から噴射
されるトナー301に熱風を放射するため、熱風発生装
置305から熱風306が放射される。本発明ではヒー
タを使用している。これは熱風を発生できるものであれ
ばよくプロパンガス等により加熱されたもの等装置は限
定しない。熱風306中をトナー301が分散しながら
通過し、こで表面改質処理される。表面改質されたトナ
ーはフード307内に取り込まれ、サイクロン310に
送られ回収ボックス311に補集回収される。312は
バグフィルタ、314はブロア、315は温度計、31
3は風量計である。
【0115】また、フード307内に取り込まれた表面
改質された被処理粒子に、冷却空気発生装置308から
発生される冷却空気309により冷却処理を施すことも
可能である。この急速冷却により処理の状態を安定化さ
せる。風量は処理量により適当に決められる。粒子が熱
風で処理される位置から冷却空気が当てられる地点まで
の距離は、処理量により決められるが10〜100c
m、好ましくは20〜80cmである。冷却処理は冷却
器により10℃以下に冷却された空気による方法が好ま
しいが、限定はしない。水冷による方法、ドライアイス
等、配管の周囲に冷却された固体物を配置する方法等が
ある。
【0116】本発明に記載した方式で行うと連続式のた
め生産効率が向上する。また分散状態で表面改質が行わ
れるので、粒子同士が融着したり、粗粒を生じることが
ない。また非常に簡単な構成でコンパクトである。機壁
温度の上昇がなく製品回収率が高く、開放型のため粉塵
爆発の可能性がほとんどない。瞬時に熱風により処理す
るため粒子相互の凝集もなく、トナー粒子全体が均一に
処理される。この時の処理の熱風温度は60℃〜600
℃が好ましい。好ましくは100℃〜500℃、より好
ましくは150℃〜350℃である。60℃以下では表
面改質処理の効果が得られにくくなる傾向にあり、な
い。600℃以上ではトナー母体粒子同志の凝集が起こ
り易くなる傾向にあるので、上記温度範囲が好ましい。
【0117】この方法により、流動性は飛躍的に向上す
る。本発明のトナーは、像担持体と導電性弾性ローラと
の間に転写材を挿通させ、前記導電性弾性ローラに転写
バイアス電圧を付与することにより前記像担持体上にあ
るトナー画像を静電気力で転写材に転写するトナー転写
システムを具備する電子写真装置に好適に使用される。
これは、かかるトナー転写システムは、接触転写である
ことから、電気力以外の機械力が転写に作用して、本来
転写されるべきでない感光体表面に付着した逆極性トナ
ーが転写されたり、通紙していない状態で感光体表面に
付着したトナーが転写ローラ表面を汚染し、転写紙裏面
を汚染させてしまうことがあるものであるが、本発明の
トナーは、結着樹脂中に添加剤が均一かつ一様に分散し
たものになることから、かかるトナーを当該トナー転写
システムを具備した画像形成装置に適用した場合には、
トナーの流動性が良好に維持されて逆極性トナーを発生
せず、また、感光体表面へのトナーやトナーから遊離し
た低軟化点ワックスのフィルミングが生じず、転写紙の
不要トナー粒子による汚染を防止することができるため
である。また、転写ローラ表面へのトナーや遊離した低
軟化点ワックスのフィルミングも防止できるので、転写
ローラ表面から感光体表面へトナーや遊離した低軟化点
ワックスが再転写することにより生ずる画像欠陥も防止
することができる。
【0118】また、本発明のトナーは、転写プロセス後
に像担持体上に残留したトナーを現像装置内に回収して
再度現像プロセスに利用する廃トナーリサイクルシステ
ムを具備する電子写真装置に好適に使用される。これ
は、本発明のトナーが、結着樹脂中に添加剤が均一かつ
一様に分散してなるものであることにより、トナーがク
リーニング器から現像器に回収されていく間のクリーニ
ング器,クリーニング器と現像器をと繋ぐ輸送管および
現像器の内部にて機械的衝撃を受けても添加剤の脱落が
少なく、不良帯電トナー(粒子)の発生を軽減でき、廃
トナーリサイクルにおけるトナーの流動性及び帯電量の
低下、感光体上でのトナーフィルミングを防止できるた
めである。
【0119】また、本発明のトナーは、像担持体の表面
に形成されたトナー画像を、前記像担持体の表面に無端
状の中間転写体の表面を当接させて当該表面に前記トナ
ー画像を転写させる一次転写プロセスが複数回繰り返し
実行され、この後、この一次転写プロセスの複数回の繰
り返し実行により前記中間転写体の表面に形成された重
複転写トナー画像を転写材に一括転写させる2次転写プ
ロセスが実行されるよう構成された転写システムを具備
する電子写真装置にも好適に使用される。これは、本発
明のトナーが結着樹脂中に添加剤が均一かつ一様に分散
してなるものであることにより、低軟化点の離型剤がト
ナーから脱落して中間転写体へフィルミンングすること
がなく、転写効率の低下が抑制されるためである。ま
た、ワックスの均一かつ一様な分散により、トナー粒子
同士間の相互の付着力が小さくなって、トナーの凝集が
緩和されるため、トナーの凝集効果によって画像の一部
が転写されずに穴となる“中抜け”現象を減少できるた
めである。
【0120】また、本発明のトナーは、回転する感光体
とそれぞれ色の異なるトナーを有する現像手段とを備え
前記感光体上にそれぞれ異なった色のトナー像を形成す
る複数の移動可能な像形成ユニットを円環状に配置した
像形成ユニット群から構成され、前記像形成ユニット群
全体を回転移動させ、感光体上に形成した異なる色のト
ナー像を転写材上に位置を合わせて重ねて転写してカラ
ー像を形成するカラー電子写真装置に好適に使用され
る。像形成ユニット全体が回転する構成のため、感光体
上からクリーニングされ、感光体上から離れた廃トナー
が再度感光体に一時的に繰り返し付着する状況が必ず発
生する。ワックス等の低融点材料が分散不良の状態にあ
るトナーでは廃トナーにはワックスが偏在したトナーが
多く存在し、その廃トナーが感光体と再度繰り返し接触
することで像担持体へのフィルミングが著しく発生しや
すくなり、感光体の寿命低下の要因となる。また、像形
成ユニットが回転することによりトナーが上下に激しく
移動するためシール部分からのトナーのこぼれが発生し
やすく、そのためシール部分ではよりシールを強化する
必要があり、ワックス等の低融点材料が分散不良の状態
にあるトナーでは融着現象が発生し、それが塊となって
黒筋、白筋の画像ノイズの原因となる。また、トナーは
常に一時的に現像ローラから離脱する状況が発生し、現
像初期に於いて帯電の立ち上がり性が悪いと、地カブリ
の原因となる。しかし、本発明のトナーを使用すること
で、ワックス等の低融点材料が均一分散され、感光体へ
のフィルミングの発生が回避され、また帯電立ち上がり
性が良好であるため、現像初期の地カブリの発生は皆無
である。
【0121】また、本発明のトナーはフルカラー画像の
定着に於いて、4色のトナーが重なり合った定着画像に
おいても、低軟化点のポリエステルを使用しているため
ほぼ完全溶融に近い形で定着され、またワックスが高分
散されているため、オイルレス定着に於いても良好な耐
オフセットが得られ、色の濁りがない、光沢性を損ねな
い定着画像が得られる。
【0122】次に、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。(表1)に本実施例で使用するポリエステル樹
脂の熱特性を示す。
【0123】
【表1】
【0124】ポリエステル樹脂は、(a)ポリオキシプ
ロピレン化ビスフェノールA、(b)フマル酸、(c)
無水トリメリット酸を下記の割合で配合し、ガラス性フ
ラスコにいれ、電熱マントル中で昇温し、窒素気流中で
撹拌しつつ反応させて製造した。
【0125】RB−1は、それぞれ(a)78wt%、
(b)15wt%、(c)7wt%で230℃で昇温し
て製造した。RB−2は、それぞれ(a)78wt%、
(b)18wt%、(c)4wt%で220℃で昇温し
て製造した。
【0126】RB−3は、それぞれ(a)76wt%、
(b)18wt%、(c)6wt%で210℃で昇温し
て製造した。RM−1は、それぞれ(a)70wt%、
(b)30wt%、(c)0wt%で210℃で昇温し
て製造した。
【0127】RM−2は、それぞれ(a)65wt%、
(b)35wt%、(c)0wt%で200℃で昇温し
て製造した。RM−3は、それぞれ(a)72wt%、
(b)27wt%、(c)1wt%で200℃で昇温し
て製造した。
【0128】表1において、Tgはガラス転移点
(℃)、Mnは数平均分子量、Mwは重量平均分子量、
MzはZ平均分子量、Tm、Tiはフローテスターでの
軟化点(℃)、流出開始温度(℃)である。
【0129】(表2)に本実施例で使用するワックス
と、DSC法による融点Twt(℃)を示す。
【0130】
【表2】
【0131】(表3)に図1に示した混練装置(具体的
には池貝社製“PCM63”)における各混練セグメン
トの設定温度(℃)と、吐出温度(℃)を示している。
【0132】
【表3】
【0133】なお、混練装置の二軸は同方向に回転し、
混練での材料の供給量、混練軸の回転における周速度は
条件GP−1、2、3及びD−1においては、それぞれ
75kg/h、600mm/secであり、条件GP−
4、5、6及びD−2においては、それぞれ65kg/
h、550mm/secである。
【0134】(実施例1)図12は本実施例で使用した
電子写真装置の構成を示す断面図である。本実施例装置
は、電子写真複写機“FP−4080”(松下電器社
製)を改造し、廃トナーリサイクル機構を付加した構成
である。現像は二成分方式で、キャリアはシリコン樹脂
コートしたCu−Zn−Fe23 を使用した。
【0135】201は有機感光体で、アルミニウムの導
電性支持体上にポリビニルブチラール樹脂(積水化学製
“エレックBL−1”)にτ型無金属フタロシアニン
(東洋インキ製)の電荷発生物質を分散した電荷発生層
と、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製“Z−20
0”)と、1,1−ビス(P−ジエチルアミノフェニ
ル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(アナ
ン社製“T−405”)を含む電荷輸送層を順次積層し
た構成のものである。203は感光体をマイナスに帯電
するコロナ帯電器、204は感光体の帯電電位を制御す
るグリッド電極、205は信号光である。220は現像
スリーブ、221はドクターブレード、222はキャリ
ア保持のためのマグネットロール、223はキャリア、
224は転写残りの廃トナー、225はクリーニングボ
ックス219中の廃トナー224を現像工程に戻すため
の輸送管である。転写残りのトナーをクリーニングブレ
ード218でかき落とし、クリーニングボックス219
に一時的に貯められた廃トナー224は、輸送管225
によって現像工程に戻されるよう構成されている。
【0136】213は感光体上のトナー像を紙に転写す
る転写ローラで、その表面が感光体201の表面に接触
するように設定されている。転写ローラ213は導電性
の金属からなる軸の周囲に導電性弾性部材を設けた弾性
ローラである。感光体201への押圧力は転写ローラ2
13一本(約216mm)当たり0〜2000g、望ま
しくは500〜1000gである。これは転写ローラ2
13を感光体201に圧接するためのバネのバネ係数と
縮み量の積から測定した。感光体201との接触幅は約
0.5mm〜5mmである。転写ローラ213のゴム硬
度はアスカーCの測定法(ローラ形状でなく、ブロック
片を用いた測定)で80度以下で、望ましくは30〜4
0度である。弾性ローラ213は直径6mmのシャフト
の周辺にLi2 Oなどのリチウム塩を内添することによ
りを抵抗値を107 Ω(軸と表面に電極を設け、両者に
500V印加する)にした発泡性のウレタンエラストマ
ーを用いた。転写ローラ213全体の外径は16.4m
mで、硬度はアスカーCで40度であった。転写ローラ
213を感光体201に転写ローラ213の軸を金属バ
ネで押圧する事で接触させた。押圧力は約1000gで
あった。ローラの弾性体としては前記発泡性のウレタン
のエラストマーの他にCRゴム、NBR、Siゴム、フ
ッ素ゴムなどの他の材料からなる弾性体を使用すること
もできる。そして導電性を付与するための導電性付与剤
としては前記リチウム塩の他にカーボンブラック等の他
の導電性物質を使用することもできる。
【0137】214は転写紙を転写ローラ213に導入
する導電性部材からなる突入ガイド、215は導電性部
材の表面を絶縁被覆した搬送ガイドである。突入ガイド
214と搬送ガイド215は直接あるいは抵抗を介して
接地している。216は転写紙、217は転写ローラ2
13に電圧印加する電圧発生電源である。
【0138】(表4)は実施例1〜3で製造したトナー
サンプルのサンプル番号、使用した結着樹脂、ワック
ス、混練条件を示している(実施例2、3は後述す
る。)。表4中の上向きの矢印は、データ値がその上段
のデータ値と同一であることを示している。
【0139】
【表4】
【0140】(表5)に本実施例1において使用するト
ナーの処方を示す。
【0141】
【表5】
【0142】(表6)に、かかる電子写真装置により、
トナーサンプルを用いて画像出しを行った評価結果を示
す。
【0143】
【表6】
【0144】画像評価は画像形成の初期と20万枚後の
耐久テスト後の画像濃度と地かぶりに評価した。地かぶ
りは明視にて判断し、実用上問題ないレベルであれば合
格(○)とした。(◎印は、特に良好であったことを意
味している。)。さらに、感光体上へのフィルミングが
発生すると、葉書用紙の搬送力が低下し、さらに感光体
上に黒点が発生し画像ノイズとなって現れる。またワッ
クスの分散状態は混練後の塊を透過型電子顕微鏡にて観
察した平均の粒径で評価した。
【0145】トナーサンプルA(A1〜A7)ではワッ
クスの分散粒子径が小さく、分散が十分に施されてい
る。かかる電子写真装置により、トナーサンプルA(A
1〜A7)を用いて画像出しを行ったところ、横線の乱
れやトナーの飛び散り、転写不良や紙の裏汚れがなく、
文字の中抜けなどがなくベタ黒画像が均一で、濃度が
1.4の16本/mmの画線をも再現した極めて高解像
度高画質の画像を得ることができた。画像濃度1.4以
上の高濃度の画像が得られた。非画像部での地かぶりも
発生していなかった。更に、20万枚の長期複写テスト
を行ったところ、感光体表面へのトナー(ワックス)の
フィルミングはなく、初期の画像に比べて遜色のない高
濃度、低地カブリの複写画像が得られた。
【0146】しかし混練条件を変えたサンプルB(B1
〜B2)ではワックスの分散粒子径が大きく、分散が十
分に施されておらず、カブリが多く、感光体へのフィル
ミングが発生した。またリサイクル時のワックスの浮遊
物と思われる材料が輸送管内に蓄積し、廃トナーの現像
工程への輸送性が悪化した。 (実施例2)表7のトナーサンプルを用いて、電子写真
複写機“FP−4080”(松下電器社製)を改造し、
プロセス速度を140mm/sec(低速)での高温オ
フセット性と、450mm/sec(高速)での定着率
の定着性評価を行った。
【0147】プロセス速度とは機械の時間当たりの複写
処理能力に関係し、感光体の周速度を示している。感光
体の周速度によって複写用紙の搬送速度が決まる。従来
は、たとえば低速機では耐オフセット性を向上させるた
め、粘弾性の高い高軟化点の結着樹脂材料を使用する。
高速機では定着に必要な熱量が得にくいため、定着性を
高めるために軟化点を下げた特性の異なる別の結着樹脂
を使用し、プロセス速度の異なる機種毎に別々の種類の
トナーを使用している。
【0148】しかし本発明のトナーを使用することでプ
ロセス速度が広範囲に異なる機種においても、定着性と
耐オフセット性を両立出来、1種類のトナーで共通する
ことが可能となる。
【0149】現像は二成分方式で、キャリアはシリコン
樹脂コートしたCu−Zn−Fe23 を使用した。定
着率は75%以上、オフセット性は180℃以上を合格
レベルとした。
【0150】定着率は画像濃度1.0±0.2のパッチ
を各列毎に、布“ベンコット”(旭化成社製商標)を巻
いた500g(φ36mm)の錘で10往復擦過し、擦
過前後の画像濃度をマクベス反射濃度計にて測定し、そ
の変化率で定義した。
【0151】定着性評価を行った結果を(表7)に示
す。
【0152】
【表7】
【0153】トナーサンプルAは低速度での高温オフセ
ット性、高速度での定着率は良好な特性を示し、高速機
と低速機とを1つのトナーで共有化することが出来るこ
とが出来た。 (実施例3)図13は本実施例で使用したフルカラー画
像形成用の電子写真装置の構成を示す断面図である。図
13において、1はカラー電子写真プリンタの外装筐
で、図中の右端面側が前面である。1Aはプリンタ前面
板であり、この前面板1Aはプリンタ外装筐1に対して
下辺側のヒンジ軸1Bを中心に点線表示のように倒し開
き操作、実線表示のように起こし閉じ操作自由である。
プリンタ内に対する中間転写ベルトユニット2の着脱操
作や紙詰まり時などのプリンタ内部点検保守等は前面板
1Aを倒し開いてプリンタ内部を大きく解放することに
より行われる。この中間転写ベルトユニット2の着脱動
作は、感光体の回転軸母線方向に対し垂直方向になるよ
うに設計されている。
【0154】中間転写ベルトユニット2の構成を図14
に示す。中間転写ベルトユニット2はユニットハウジン
グ2aに、中間転写ベルト3、導電性弾性体よりなる第
1転写ローラ4、アルミローラよりなる第2転写ローラ
5、中間転写ベルト3の張力を調整するテンションロー
ラ6、中間転写ベルト3上に残ったトナー像をクリーニ
ングするベルトクリーナローラ7、クリーナローラ7上
に回収したトナーをかきおとすスクレーパ8、回収した
トナーを溜おく廃トナー溜め9aおよび9b、中間転写
ベルト3の位置を検出する位置検出器10を内包してい
る。この中間転写ベルトユニット2は、図13に示され
ているように、プリンタ前面板1Aを点線表示のように
倒し開けばプリンタ外装筐1内の所定の収納部に対して
着脱自在となっている。
【0155】中間転写ベルト3は、絶縁性樹脂中に導電
性のフィラーを混練して押出機にてフィルム化して用い
る。本実施例では、絶縁性樹脂としてポリカーボネート
樹脂(例えば三菱ガス化学製“ユーピロンZ300”)
95重量部に、導電性カーボン(例えばケッチェンブラ
ック)5重量部を加えてフィルム化したものを用いた。
また、表面に弗素樹脂をコートした。フィルムの厚みは
約350μm、抵抗は約107〜108Ω・cmであ
る。ここで、中間転写ベルト3としてポリカーボネート
樹脂に導電性フィラーを混練し、これをフィルム化した
ものを用いているのは、中間転写ベルト3の長期使用に
よる弛みや,電荷の蓄積を有効に防止できるようにする
ためであり、また、表面を弗素樹脂でコートしているの
は、長期使用による中間転写ベルト表面へのトナーフィ
ルミングを有効に防止できるようにするためである。
【0156】この中間転写ベルト3を、厚さ100μm
のエンドレスベルト状の半導電性のポリウレタンを基材
としたフィルムよりなり、周囲に107Ω・cmの抵抗を
有するように低抵抗処理をしたポリウレタンフォームを
成形した第1転写ローラ4、第2転写ローラ5およびテ
ンションローラ6に巻回し、矢印方向に移動可能に構成
する。ここで、中間転写ベルト3の周長は、最大用紙サ
イズであるA4用紙の長手方向の長さ(298mm)
に、後述する感光体ドラム(直径30mm)の周長の半
分より若干長い長さ(62mm)を足した360mmに
設定している。
【0157】中間転写ベルトユニット2がプリンタ本体
に装着されたときには、第1転写ローラ4は、中間転写
ベルト3を介して感光体11(図14にも図示)に約
1.0kgの力で圧接され、また、第2転写ローラ5
は、中間転写ベルト3を介して上記の第1転写ローラ4
と同様の構成の第3転写ローラ12(図14にも図示)
に圧接される。この第3転写ローラ12は中間転写ベル
ト3に従動回転可能に構成している。
【0158】クリーナローラ7は、中間転写ベルト3を
清掃するベルトクリーナ部のローラである。これは、金
属性のローラにトナーを静電的に吸引する交流電圧を印
加する構成である。なお、このクリーナローラ7はゴム
ブレードや電圧を印加した導電性ファーブラシであって
もよい。
【0159】図13において、プリンタ中央には黒、イ
エロ、マゼンタ、シアンの各色用の4組の扇型をした像
形成ユニット17Bk、17Y、17M、17Cが像形
成ユニット群18を構成し、図のように円環状に配置さ
れている。各像形成ユニット17Bk、17Y、17
M、17Cは、プリンタ上面板1Cをヒンジ軸1Dを中
心に開けば像形成ユニット群18の所定の位置に着脱自
在になっている。像形成ユニット17Bk、17Y、1
7M、17Cはプリンタ内に正規に装着されることによ
り、像形成ユニット側とプリンタ側の両者側の機械的駆
動系統・電気回路系統が相互カップリング部材(図示せ
ず)を介して結合して機械的・電気的に一体化する。
【0160】円環状に配置されている像形成ユニット1
7Bk、17Y、17M、17Cは支持体(図示せず)
に支持されており、全体として移動手段である移動モー
タ19に駆動され、固定されて回転しない円筒状の軸2
0の周りに回転移動可能に構成されている。各像形成ユ
ニットは、回転移動によって順次前述の中間転写ベルト
3を支持する第2転写ローラ4に対向した像形成位置2
1に位置することができる。像形成位置21は信号光2
2による露光位置でもある。
【0161】各像形成ユニット17Bk、17Y、17
M、17Cは、中に入れた現像剤を除きそれぞれ同じ構
成部材よりなるので、説明を簡略化するため黒用の像形
成ユニット17Bkについて説明し、他色用のユニット
の説明については省略する。
【0162】35はプリンタ外装筐1内の下側に配設し
たレーザビームスキャナ部であり、図示しない半導体レ
ーザ、スキャナモータ35a、ポリゴンミラー35b、
レンズ系35cなどから構成されている。このレーザビ
ームスキャナ部35からの画像情報の時系列電気画素信
号に対応した画素レーザ信号光22は、像形成ユニット
17Bkと17Yの間に形成された光路窓口36を通っ
て、軸20の一部に開けられた窓37を通して軸20内
の固定されたミラー38に入射し、反射されて像形成位
置21にある像形成ユニット17Bkの露光窓25から
像形成ユニット17Bk内にほぼ水平に進入し、像形成
ユニット内に上下に配設されている現像剤溜め26とク
リーナ34との間の通路を通って感光体11の左側面の
露光部に入射し母線方向に走査露光される。
【0163】ここで光路窓口36からミラー38までの
光路は両隣の像形成ユニット17Bkと17Yとのユニ
ット間の隙間を利用しているため、像形成ユニット群1
8には無駄になる空間がほとんど無い。また、ミラー3
8は像形成ユニット群18の中央部に設けられているた
め、固定された単一のミラーで構成することができ、シ
ンプルでかつ位置合わせなどが容易な構成である。
【0164】12はプリンタ前面板1Aの内側で紙給送
ローラ39の上方に配設した第3転写ローラであり、中
間転写ベルト3と第3転写ローラ12との圧接されたニ
ップ部には、プリンタ前面板1Aの下部に設けた紙給送
ローラ39により用紙が送られてくるように用紙搬送路
が形成されている。
【0165】40はプリンタ前面板1Aの下辺側に外方
に突出させて設けた給紙カセットであり、複数の紙Sを
同時にセットできる。41aと41bとは紙搬送タイミ
ングローラ、42a・42bはプリンタの内側上部に設
けた定着ローラ対、43は第3転写ローラ12と定着ロ
ーラ対42a・42b間に設けた紙ガイド板、44a・
44bは定着ローラ対42a・42bの紙出口側に配設
した紙排出ローラ対、45は定着ローラ42aに供給す
るシリコンオイル46を溜める定着オイル溜め、47は
シリコンオイル46を定着ローラ42aに塗布するオイ
ル供給ローラである。
【0166】各像形成ユニット17Bk、17Y、17
M、17C、中間転写ベルトユニット2には、廃トナー
溜めを設けている。以下、動作について説明する。
【0167】最初、像形成ユニット群18は、図13に
示すように、黒の像形成ユニット17Bkが像形成位置
21にある。このとき感光体11は中間転写ベルト3を
介して第1転写ローラ4に対向接触している。
【0168】像形成工程により、レーザビームスキャナ
部35により黒の信号光が像形成ユニット17Bkに入
力され、黒トナーによる像形成が行われる。このとき像
形成ユニット17Bkの像形成の速度(感光体の周速に
等しい60mm/s)と中間転写ベルト3の移動速度は
同一になるように設定されており、像形成と同時に第1
転写ローラ4の作用で、黒トナー像が中間転写ベルト3
に転写される。このとき第1転写ローラには+1kVの
直流電圧を印加した。黒のトナー像がすべて転写し終わ
った直後に、像形成ユニット17Bk、17Y、17
M、17Cは像形成ユニット群18として全体が移動モ
ータ19に駆動されて図中の矢印方向に回転移動し、ち
ょうど90度回転して像形成ユニット17Yが像形成位
置21に達した位置で止まる。この間、像形成ユニット
の感光体以外のトナーホッパ26やクリーナ34の部分
は感光体11先端の回転円弧より内側に位置しているの
で、中間転写ベルト3が像形成ユニットに接触すること
はない。
【0169】像形成ユニット17Yが像形成位置21に
到着後、前と同様に今度はイエロの信号でレーザビーム
スキャナ部35が像形成ユニット17Yに信号光22を
入力しイエロのトナー像の形成と転写が行われる。この
ときまでに中間転写ベルト3は一回転し、前に転写され
た黒のトナー像に次のイエロのトナー像が位置的に合致
するように、イエロの信号光の書き込みタイミングが制
御される。この間、第3転写ローラ12とクリーナロー
ラ7とは中間転写ベルト3から少し離れており、転写ベ
ルト上のトナー像を乱さないように構成されている。
【0170】以上と同様の動作を、マゼンタ、シアンに
ついても行い、中間転写ベルト3上には4色のトナー像
が位置的に合致して重ね合わされカラー像が形成され
た。最後のシアントナー像の転写後、4色のトナー像は
タイミングを合わせて給紙カセット40から送られる用
紙に、第3転写ローラ12の作用で一括転写される。こ
のとき第2転写ローラ5は接地し、第3転写ローラ12
には+1.5kVの直流電圧を印加した。用紙に転写さ
れたトナー像は定着ローラ対42a・42bにより定着
された。用紙はその後排出ローラ対44a・44bを経
て装置外に排出された。中間転写ベルト3上に残った転
写残りのトナーは、クリーナローラ7の作用で清掃され
次の像形成に備えた。
【0171】次に単色モード時の動作を説明する。単色
モード時は、まず所定の色の像形成ユニットが像形成位
置21に移動する。次に前と同様に所定の色の像形成と
中間転写ベルト3への転写を行い、今度は転写後そのま
ま続けて、次の第3転写ローラ12により給紙カセット
40から送られてくる用紙に転写をし、そのまま定着し
た。
【0172】なお、本装置では、像形成ユニットの構造
としては実施例1、2に記載の現像方法を用いたが、他
にコンベンショナルな現像法を用いた構造の像形成ユニ
ットを用いることもできる。例えば、弾性グレードによ
り薄層のトナー層を形成して、感光体と接触または非接
触で現像する非磁性一成分現像法がある。
【0173】(表8)に本実施例3で使用したトナーサ
ンプルの処方を示す。
【0174】
【表8】
【0175】尚、各トナーサンプルのサンプル番号、使
用した結着樹脂、ワックス、混練条件は(表4)に示し
ている。(表9)にかかる電子写真装置により、トナー
サンプルを用いて画像出しを行った評価結果を示す。
【0176】
【表9】
【0177】かかる電子写真装置により、前記のように
製造したトナーサンプルを用いて画像出しを行ったとこ
ろ、横線の乱れやトナーの飛び散り、文字の中抜けなど
がなくベタ黒画像が均一で濃度が1.4の16本/mm
の画線をも再現した極めて高解像度高画質の画像が得ら
れ、画像濃度1.4以上の高濃度の画像が得られた。ま
た、非画像部の地かぶりも発生していなかった。更に、
5千枚の長期耐久テストにおいても、流動性、画像濃度
とも変化が少なく安定した特性を示した。また転写にお
いても中抜けは実用上問題ないレベルであり、転写効率
は90%であった。また、感光体、中間転写ベルトへの
トナー(離型剤)のフィルミングも実用上問題ないレベ
ルであった。
【0178】(表10)にOHP用紙に付着量0.7m
g/cm2 以上のベタ画像を155℃で、オイルを塗布
しない定着器で定着させたときの透過率と、高温でのオ
フセット性を評価した。プロセス速度は100mm/s
ecで、透過率は分光光度計“U−3200”(日立製
作所)で、700nmの光の透過率を測定した。実用上
満足できる結果が得られた。
【0179】
【表10】
【0180】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、結着樹
脂中にワックスが極めて良好に分散し、優れた定着性、
耐オフセット性、現像性および転写効率を有するトナー
を提供することができる。
【0181】また、送り機能を主機能とする混練セグメ
ントRと、練り機能を主機能とする混練セグメントNと
からなり、各セグメント毎に混練設定温度を設定できる
ようにした複数の混練セグメントを具備する分割セグメ
ント方式の混練機を用い、特定の混練温度設定条件に
て、特定の融点を有するワックスを含むトナー材料を混
練することにより、結着樹脂中にワックスが極めて良好
に分散し、優れた定着性、耐オフセット性、現像性およ
び転写効率を有するトナーを再現性良く得ることができ
る。
【0182】また、異なった色のトナー像を形成する複
数の移動可能な像形成ユニットを円環状に配置した像形
成ユニット群を有し、その像形成ユニット全体が回転移
動する構成の電子写真方法に好適に作用し、高濃度、低
地かぶりで感光体へのフィルミングの発生を防ぐことが
可能となる。また中間転写体を用いた転写システムを具
備する電子写真装置に適用した場合に、中抜けや飛び散
りが防止され、高転写効率が得られるトナーを製造する
ことができる。また、4色のトナーを定着する際、オイ
ルを使用しなくても良好な定着性と耐オフセット性、光
沢性を有するトナーを提供できる。
【0183】また、長期使用においても、感光体、中間
転写体などへのフィルミングの発生を防止できるトナー
を得ることができる。また、廃トナーリサイクルシステ
ムを具備する電子写真装置に適用した場合に、帯電量の
低下がなく、凝集物を生じず、長期に亘って、高画質画
像を形成することができるトナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーに使用される混練処理装置の一
例の構成を概要的に示した断面図である。
【図2】図1に示した混練処理装置の混練軸の主要部の
構成を示した平面図である。
【図3】図1,図2に示した送りスクリュウの側面図で
ある。
【図4】図1,図2に示した送りスクリュウの正面図で
ある。
【図5】図1,図2に示した練りのニィーディングディ
スクの送りスクリュウの側面図である。
【図6】図1,図2に示した練りのニィーディングディ
スクの送りスクリュウの正面図である。
【図7】図1,図2に示したシールリングの側面図であ
る。
【図8】図1,図2に示したシールリングの正面図であ
る。
【図9】図1に示したパイナップルリングの側面図であ
る。
【図10】図1に示したパイナップルリングの正面図で
ある。
【図11】本発明のトナーに使用される表面改質処理装
置の一例の構成を概要的に示した断面図である。
【図12】本発明の実施例1、2で使用した電子写真装
置の構成を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例3で使用したカラー電子写真
装置の概略構成を示す断面図である。
【図14】図13に示した中間転写ベルトユニットの構
成を示す断面図である。
【図15】カラー電子写真装置の概略構成を示す断面図
である。
【符号の説明】
2 中間転写ベルトユニット 3 中間転写ベルト 4 第1転写ローラ 5 第2転写ローラ 6 テンションローラ 11 感光体 12 第3転写ローラ 18 像形成ユニット群 21 像形成位置 22 レーザ信号光 35 レーザビームスキャナ部 38 ミラー 103 混練軸 104 ベント孔 105 送りのスクリュウ 106 練りのニィーディングディスク 107 シールリング 108 パイナップルリング 109 吐出口 B(1)、B(2)、B(3) 混練ブロック R11、R12、R13、R14、R21、R31 混
練セグメントR N11、N21、N31 混練セグメントN 201 感光体 202 感光体に内包された固定磁石 203 コロナ帯電器 204 グリッド電極 206 トナーホッパー 207 磁性一成分トナー(現像剤) 208 電極ローラ 209 電極ローラ内部に設置された磁石 211 スクレーパ 213 転写ローラ 214 突入ガイド 215 搬送ガイド 216 転写紙 218 クリーニングブレード 219 クリーニングボックス 220 現像スリーブ 221 ドクターブレード 222 マグネットロール 224 廃トナー 225 廃トナー輸送管 303圧縮空気 304分散ノズル 305熱風発生装置 309冷却空気 310サイクロン 313風量計

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス
    よりなるトナー組成物を予備混合処理、溶融混練処理、
    粉砕分級処理、外添処理によって製造されるトナーであ
    って、 前記結着樹脂が重量平均分子量Mwが1万〜30万、重
    量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが
    3〜50、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比M
    z/Mnが10〜800、高化式フローテスタによる1
    /2流出温度が80〜150℃、流出開始温度は80〜
    120℃である多価カルボン酸又はその低級アルキルエ
    ステルと多価アルコールとの重縮合によって得られるポ
    リエステル樹脂からなり、かつ、前記ワックスが少なく
    ともDSC法による融点が66〜86℃である植物系ワ
    ックスからなり、前記ワックスが結着樹脂中に均一に分
    散されてなるトナー。
  2. 【請求項2】 溶融混練処理が、送り機能をその主要機
    能とする混練セグメントRと、練り機能をその主要機能
    とする混練セグメントNとからなり、各混練セグメント
    毎に加熱シリンダの温度を個別に設定できる複数の混練
    セグメントを有し、装置の一端側の混練セグメントに設
    けられた材料投入口から混練すべき材料が投入され、装
    置の他端側の混練セグメントに設けられた吐出口から混
    練溶融物が吐出されるよう構成された混練装置を用いて
    行われるものであり、 トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融された直
    後に前記混練セグメントNにて混練されるように、前記
    混練セグメントRと前記混練セグメントNとを隣接配置
    させた混練ブロックが複数形成され、混練ブロック内の
    混練セグメントRの設定混練温度の最大温度をTrt
    (℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大温度を
    Tnt(℃)、結着樹脂の高化式フローテスターにおけ
    る1/2流出温度をTmt(℃)、流出開始温度をTi
    t(℃)、前記植物系ワックスのDSC法による融点を
    Twt(℃)とした場合、下記式(a)、(b)、
    (c)の条件を満足する混練ブロックを少なくとも一つ
    以上有している条件下で混練されてなる請求項1に記載
    のトナー。 【数1】 【数2】 【数3】
  3. 【請求項3】 溶融混練処理が、送り機能をその主要機
    能とする混練セグメントRと、練り機能をその主要機能
    とする混練セグメントNとからなり、各混練セグメント
    毎に加熱シリンダの温度を個別に設定できる複数の混練
    セグメントを有し、装置の一端側の混練セグメントに設
    けられた材料投入口から混練すべき材料が投入され、装
    置の他端側の混練セグメントに設けられた吐出口から混
    練溶融物が吐出されるよう構成された混練装置を用いて
    行われるものであり、 前記トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融され
    た直後に前記混練セグメントNにて混練されるように、
    前記混練セグメントRと前記混練セグメントNとを隣接
    配置させた混練ブロックが複数形成され、前記混練ブロ
    ックを材料投入口がある装置の一端側に近い方から順に
    第1番目の混練ブロックB1、第2番目の混練ブロック
    B2、・・・第n番目の混練ブロックB(n)、第n+
    1番目の混練ブロックB(n+1)と設定し、少なくと
    も1組の前後する混練ブロックB(n)とB(n+1)
    を選択して、前記第n番目の混練ブロックB(n)内の
    混練セグメントRの設定混練温度の最大温度をTrt
    (n)(℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大
    温度をTnt(n)(℃)、第n+1番目の混練ブロッ
    クB(n+1)内の混練セグメントRの設定混練温度の
    最大温度をTrt(n+1)(℃)、混練セグメントN
    の設定混練温度の最大温度をTnt(n+1)(℃)、
    結着樹脂の高化式フローテスターにおける1/2流出温
    度をTmt(℃)、前記植物系ワックスのDSC法によ
    る融点をTwt(℃)とした場合、下記式(b)、
    (d)、(e)、(f)の条件を満足する混練ブロック
    を少なくとも一つ以上有する条件下で混練されてなる請
    求項1に記載のトナー。 【数4】 【数5】 【数6】 【数7】
  4. 【請求項4】 粉砕分級処理によって作成したトナー母
    体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が施
    されてなる請求項1に記載のトナー。
  5. 【請求項5】 粉砕分級処理によって作成したトナー母
    体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が施
    されている請求項2に記載のトナー。
  6. 【請求項6】 粉砕分級処理によって作成したトナー母
    体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が施
    されている請求項3に記載のトナー。
  7. 【請求項7】 転写プロセス後に像担持体上に残留した
    トナーを現像装置内に回収して再度現像プロセスに利用
    する廃トナーリサイクル工程を具備する電子写真方法に
    使用されるトナーであって、前記トナーは少なくとも結
    着樹脂、着色剤、ワックスよりなるトナー組成物を予備
    混合処理、溶融混練処理、粉砕分級処理、外添処理によ
    って製造され、 前記結着樹脂が重量平均分子量Mwが1万〜30万、重
    量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが
    3〜50、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比M
    z/Mnが10〜800、高化式フローテスタによる1
    /2流出温度が80〜150℃、流出開始温度は80〜
    120℃である多価カルボン酸又はその低級アルキルエ
    ステルと多価アルコールとの重縮合によって得られるポ
    リエステル樹脂からなり、かつ、前記ワックスが少なく
    ともDSC法による融点が66〜86℃である植物系ワ
    ックスからなり、前記ワックスが結着樹脂中に均一に分
    散されてなるトナー。
  8. 【請求項8】 溶融混練処理が、送り機能をその主要機
    能とする混練セグメントRと、練り機能をその主要機能
    とする混練セグメントNとからなり、各混練セグメント
    毎に加熱シリンダの温度を個別に設定できる複数の混練
    セグメントを有し、装置の一端側の混練セグメントに設
    けられた材料投入口から混練すべき材料が投入され、装
    置の他端側の混練セグメントに設けられた吐出口から混
    練溶融物が吐出されるよう構成された混練装置を用いて
    行われるものであり、 トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融された直
    後に前記混練セグメントNにて混練されるように、前記
    混練セグメントRと前記混練セグメントNとを隣接配置
    させた混練ブロックが複数形成され、混練ブロック内の
    混練セグメントRの設定混練温度の最大温度をTrt
    (℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大温度を
    Tnt(℃)、結着樹脂の高化式フローテスターにおけ
    る1/2流出温度をTmt(℃)、流出開始温度をTi
    t(℃)、前記植物系ワックスのDSC法による融点を
    Twt(℃)とした場合、下記式(a)、(b)、
    (c)の条件を満足する混練ブロックを少なくとも一つ
    以上有している条件下で混練されてなる請求項7に記載
    のトナー。 【数8】 【数9】 【数10】
  9. 【請求項9】 溶融混練処理が、送り機能をその主要機
    能とする混練セグメントRと、練り機能をその主要機能
    とする混練セグメントNとからなり、各混練セグメント
    毎に加熱シリンダの温度を個別に設定できる複数の混練
    セグメントを有し、装置の一端側の混練セグメントに設
    けられた材料投入口から混練すべき材料が投入され、装
    置の他端側の混練セグメントに設けられた吐出口から混
    練溶融物が吐出されるよう構成された混練装置を用いて
    行われるものであり、 トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融された直
    後に前記混練セグメントNにて混練されるように、前記
    混練セグメントRと前記混練セグメントNとを隣接配置
    させた混練ブロックが複数形成され、前記混練ブロック
    を材料投入口がある装置の一端側に近い方から順に第1
    番目の混練ブロックB1、第2番目の混練ブロックB
    2、・・・第n番目の混練ブロックB(n)、第n+1
    番目の混練ブロックB(n+1)と設定し、少なくとも
    1組の前後する混練ブロックB(n)とB(n+1)を
    選択して、前記第n番目の混練ブロックB(n)内の混
    練セグメントRの設定混練温度の最大温度をTrt
    (n)(℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大
    温度をTnt(n)(℃)、第n+1番目の混練ブロッ
    クB(n+1)内の混練セグメントRの設定混練温度の
    最大温度をTrt(n+1)(℃)、混練セグメントN
    の設定混練温度の最大温度をTnt(n+1)(℃)、
    結着樹脂の高化式フローテスターにおける1/2流出温
    度をTmt(℃)、前記植物系ワックスのDSC法によ
    る融点をTwt(℃)とした場合、下記式(b)、
    (d)、(e)、(f)の条件を満足する混練ブロック
    を少なくとも一つ以上有している条件下で混練されてな
    る請求項7に記載のトナー。 【数11】 【数12】 【数13】 【数14】
  10. 【請求項10】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項7に記載のトナー。
  11. 【請求項11】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項8に記載のトナー。
  12. 【請求項12】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項9に記載のトナー。
  13. 【請求項13】 像担持体上に形成した静電潜像を顕像
    化されたトナー画像を、前記像担持体に無端状の中間転
    写体の表面を当接させて前記中間転写体の表面に前記ト
    ナー画像を転写させる一次転写プロセスが複数回繰り返
    し実行され、この後に、この一次転写プロセスの複数回
    の繰り返し実行により前記中間転写体の表面に形成され
    た重複転写トナー画像を転写材に一括転写させる2次転
    写プロセスが実行されるよう構成された転写システムを
    有する電子写真方法に使用されるトナーであって、前記
    トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスよりな
    るトナー組成物を予備混合処理、溶融混練処理、粉砕分
    級処理、外添処理によって製造され、 前記結着樹脂が重量平均分子量Mwが1万〜30万、重
    量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが
    3〜50、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比M
    z/Mnが10〜800、高化式フローテスタによる1
    /2流出温度が80〜150℃、流出開始温度は80〜
    120℃である多価カルボン酸又はその低級アルキルエ
    ステルと多価アルコールとの重縮合によって得られるポ
    リエステル樹脂からなり、かつ、前記ワックスが少なく
    ともDSC法による融点が66〜86℃である植物系ワ
    ックスからなり、前記ワックスが結着樹脂中に均一に分
    散されてなるトナー。
  14. 【請求項14】 溶融混練処理が、送り機能をその主要
    機能とする混練セグメントRと、練り機能をその主要機
    能とする混練セグメントNとからなり、各混練セグメン
    ト毎に加熱シリンダの温度を個別に設定できる複数の混
    練セグメントを有し、装置の一端側の混練セグメントに
    設けられた材料投入口から混練すべき材料が投入され、
    装置の他端側の混練セグメントに設けられた吐出口から
    混練溶融物が吐出されるよう構成された混練装置を用い
    て行われるものであり、 トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融された直
    後に前記混練セグメントNにて混練されるように、前記
    混練セグメントRと前記混練セグメントNとを隣接配置
    させた混練ブロックが複数形成され、混練ブロック内の
    混練セグメントRの設定混練温度の最大温度をTrt
    (℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大温度を
    Tnt(℃)、結着樹脂の高化式フローテスターにおけ
    る1/2流出温度をTmt(℃)、流出開始温度をTi
    t(℃)、前記植物系ワックスのDSC法による融点を
    Twt(℃)とした場合、下記式(a)、(b)、
    (c)の条件を満足する混練ブロックを少なくとも一つ
    以上有している条件下で混練されてなる請求項13に記
    載のトナー。 【数15】 【数16】 【数17】
  15. 【請求項15】 溶融混練処理が、送り機能をその主要
    機能とする混練セグメントRと、練り機能をその主要機
    能とする混練セグメントNとからなり、各混練セグメン
    ト毎に加熱シリンダの温度を個別に設定できる複数の混
    練セグメントを有し、装置の一端側の混練セグメントに
    設けられた材料投入口から混練すべき材料が投入され、
    装置の他端側の混練セグメントに設けられた吐出口から
    混練溶融物が吐出されるよう構成された混練装置を用い
    て行われるものであり、 前記トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融され
    た直後に前記混練セグメントNにて混練されるように、
    前記混練セグメントRと前記混練セグメントNとを隣接
    配置させた混練ブロックが複数形成され、前記混練ブロ
    ックを材料投入口がある装置の一端側に近い方から順に
    第1番目の混練ブロックB1、第2番目の混練ブロック
    B2、・・・第n番目の混練ブロックB(n)、第n+
    1番目の混練ブロックB(n+1)と設定し、少なくと
    も1組の前後する混練ブロックB(n)とB(n+1)
    を選択して、前記第n番目の混練ブロックB(n)内の
    混練セグメントRの設定混練温度の最大温度をTrt
    (n)(℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大
    温度をTnt(n)(℃)、第n+1番目の混練ブロッ
    クB(n+1)内の混練セグメントRの設定混練温度の
    最大温度をTrt(n+1)(℃)、混練セグメントN
    の設定混練温度の最大温度をTnt(n+1)(℃)、
    結着樹脂の高化式フローテスターにおける1/2流出温
    度をTmt(℃)、前記植物系ワックスのDSC法によ
    る融点をTwt(℃)とした場合、下記式(b)、
    (d)、(e)、(f)の条件を満足する混練ブロック
    を少なくとも一つ以上有している条件下で混練されてな
    る請求項13に記載のトナー。 【数18】 【数19】 【数20】 【数21】
  16. 【請求項16】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項13に記載のトナー。
  17. 【請求項17】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項14に記載のトナー。
  18. 【請求項18】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項15に記載のトナー。
  19. 【請求項19】 各々が少なくとも回転する像担持体と
    それぞれ色の異なるトナーを有する現像手段とを備え、
    前記像担持体上にそれぞれ異なった色のトナー像を形成
    する複数の移動可能な像形成ユニットと、単一の露光位
    置と単一の転写位置より構成される像形成位置と、前記
    複数の像形成ユニットを円環状に配置した像形成ユニッ
    ト群と、前記複数の像形成ユニットのそれぞれを、前記
    単一の像形成位置に順次移動せしめるため前記像形成ユ
    ニット群全体を回転移動させる移動手段と、信号光を発
    生する露光手段と、前記像形成ユニット群の回転移動の
    ほぼ回転中心に、前記露光手段の光を前記露光位置に導
    くミラーとを有し、転写材上に異なる色のトナー像を、
    位置を合わせて重ねて転写し、カラー像形成するカラー
    電子写真装置に使用するトナーであって、前記トナーは
    少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスよりなるトナー
    組成物を予備混合処理、溶融混練処理、粉砕分級処理、
    外添処理によって製造され、 前記結着樹脂が重量平均分子量Mwが1万〜30万、重
    量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが
    3〜50、Z平均分子量Mzと数平均分子量Mnの比M
    z/Mnが10〜800、高化式フローテスタによる1
    /2流出温度が80〜150℃、流出開始温度は80〜
    120℃である多価カルボン酸又はその低級アルキルエ
    ステルと多価アルコールとの重縮合によって得られるポ
    リエステル樹脂からなり、かつ、前記ワックスが少なく
    ともDSC法による融点が66〜86℃である植物系ワ
    ックスからなり、前記ワックスが結着樹脂中に均一に分
    散されてなるトナー。
  20. 【請求項20】 溶融混練処理が、送り機能をその主要
    機能とする混練セグメントRと、練り機能をその主要機
    能とする混練セグメントNとからなり、各混練セグメン
    ト毎に加熱シリンダの温度を個別に設定できる複数の混
    練セグメントを有し、装置の一端側の混練セグメントに
    設けられた材料投入口から混練すべき材料が投入され、
    装置の他端側の混練セグメントに設けられた吐出口から
    混練溶融物が吐出されるよう構成された混練装置を用い
    て行われるものであり、 前記トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融され
    た直後に前記混練セグメントNにて混練されるように、
    前記混練セグメントRと前記混練セグメントNとを隣接
    配置させた混練ブロックが複数形成され、混練ブロック
    内の混練セグメントRの設定混練温度の最大温度をTr
    t(℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大温度
    をTnt(℃)、結着樹脂の高化式フローテスターにお
    ける1/2流出温度をTmt(℃)、流出開始温度をT
    it(℃)、前記植物系ワックスのDSC法による融点
    をTwt(℃)とした場合、下記式(a)、(b)、
    (c)の条件を満足する混練ブロックを少なくとも一つ
    以上有している条件下で混練されてなる請求項19に記
    載のトナー。 【数22】 【数23】 【数24】
  21. 【請求項21】 溶融混練処理が、送り機能をその主要
    機能とする混練セグメントRと、練り機能をその主要機
    能とする混練セグメントNとからなり、各混練セグメン
    ト毎に加熱シリンダの温度を個別に設定できる複数の混
    練セグメントを有し、装置の一端側の混練セグメントに
    設けられた材料投入口から混練すべき材料が投入され、
    装置の他端側の混練セグメントに設けられた吐出口から
    混練溶融物が吐出されるよう構成された混練装置を用い
    て行われるものであり、 トナー組成物が前記混練セグメントRにて溶融された直
    後に前記混練セグメントNにて混練されるように、前記
    混練セグメントRと前記混練セグメントNとを隣接配置
    させた混練ブロックが複数形成され、前記混練ブロック
    を材料投入口がある装置の一端側に近い方から順に第1
    番目の混練ブロックB1、第2番目の混練ブロックB
    2、・・・第n番目の混練ブロックB(n)、第n+1
    番目の混練ブロックB(n+1)と設定し、少なくとも
    1組の前後する混練ブロックB(n)とB(n+1)を
    選択して、前記第n番目の混練ブロックB(n)内の混
    練セグメントRの設定混練温度の最大温度をTrt
    (n)(℃)、混練セグメントNの設定混練温度の最大
    温度をTnt(n)(℃)、第n+1番目の混練ブロッ
    クB(n+1)内の混練セグメントRの設定混練温度の
    最大温度をTrt(n+1)(℃)、混練セグメントN
    の設定混練温度の最大温度をTnt(n+1)(℃)、
    結着樹脂の高化式フローテスターにおける1/2流出温
    度をTmt(℃)、前記植物系ワックスのDSC法によ
    る融点をTwt(℃)とした場合、下記式(b)、
    (d)、(e)、(f)の条件を満足する混練ブロック
    を少なくとも一つ以上有している条件下で混練されてな
    る請求項19に記載のトナー。 【数25】 【数26】 【数27】 【数28】
  22. 【請求項22】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項19に記載のトナー。
  23. 【請求項23】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項20に記載のトナー。
  24. 【請求項24】 粉砕分級処理によって作成したトナー
    母体粒子に、更に分散状態で熱風による表面改質処理が
    施されてなる請求項21に記載のトナー。
  25. 【請求項25】 ワックスの含有量が、結着樹脂100
    重量部あたり、ワックス1〜20重量部である請求項1
    〜24のいずれかに記載のトナー。
  26. 【請求項26】 植物系ワックスがDSC法による融点
    が80〜86℃であるカルナウバワックス、68〜72
    ℃であるキャンデリラワックス、66〜72℃であるホ
    ホバ油又は79〜83℃であるライスワックスからなる
    群より選ばれた少なくとも1種のワックスである請求項
    1〜25のいずれかに記載のトナー。
  27. 【請求項27】 結着樹脂中の植物系ワックスの分散平
    均粒子径が0.2〜1.5μmで、分散粒子径分布が
    0.2μm未満の粒子が30個数%未満、0.2〜2.
    0μmの粒子が65個数%以上、2.0μmを越える粒
    子が5個数%未満である請求項1〜26のいずれかに記
    載のトナー。
  28. 【請求項28】 外添処理が、トナー母体粒子に熱風に
    より表面改質処理を施した後に外添剤を外添処理する構
    成である請求項4、5、6、10、11、12、16、
    17、18、22、23または24のいずれかに記載の
    トナー。
  29. 【請求項29】 外添処理が、トナー母体粒子に外添剤
    を外添処理した後に熱風により表面改質処理を施し外添
    剤の固定化を施す構成である請求項4、5、6、10、
    11、12、16、17、18、22、23または24
    のいずれかに記載のトナー。
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