明 細 書 トナー、 トナーの製造方法、 二成分現像剤及び画像形成装置 技術分野
本発明は複写機、 レーザプリンタ、 普通紙 F A X、 カラー P P C、 力 ラーレーザプリンタゃカラー F A X及ぴこれらの複合機に用いられるト ナー、 トナーの製造方法、 二成分現像剤及び画像形成装置に関するもの である。
背景技術
近年、 電子写真装置は、 転写残の廃トナーをクリーニングせずに現像 において廃トナーを回収するクリーナーレスプロセスや、 カラー画像の 高速出力を可能とするタンデムカラープロセス、 また定着時にオフセッ ト防止のための定着オイルを使用せずとも高光沢性、 高透光性を有する 鮮明なカラー画像と非オフセット性を両立させるオイルレス定着が、 良 メンテナンス性、 低オゾン排気などの条件とともに要求されている。 定着プロセスにおいては、 カラー画像ではカラートナーを溶融混色さ せ透光性を上げる必要がある。 トナーの溶融不良が起こると トナー画像 表面又は内部において光の散乱が生じ、 トナー色素本来の色調が損なわ れると共に重なった部分では下層まで光が入射せず、 色再現性が低下す る。 従って、 トナーには完全溶融特性を有し、 色調を妨げないような透 光性を有することが必要条件である。 O H P用紙での光透過性は、 カラ 一においても必要である。
カラー画像を得る際に、 定着ローラ表面にトナーが付着してオフセッ トが生じるため、 定着ローラに多量のオイル等を塗布しなければならず、 取扱や、 機器の構成が複雑になる。 そのため機器の小型化、 メンテフリ
一化、 低コス ト化のために、 後述する定着時にオイルを使用しないオイ ルレス定着の実現が要求される。 これを可能とするため、 シャープメル ト特性を有する結着樹脂中にワックス等の離型剤を添加する構成が実用 ィ匕されつつある。
しかし、 このようなトナーの構成での課題は、 トナーの凝集性が強い 特質を有するため、 転写時のトナー像乱れ、 転写不良の傾向がより顕著 に生じ、 転写と定着の両立が困難となる。 またキャリア表面にトナーの 低融点成分が付着するスベントが生じ易く、 キヤリァの帯電能力を低下 させ、 現像剤の長寿命化を妨げている。 ― 下記特許文献 1には、 正帯電型トナーに対し、 被覆層のシリコーン樹 脂にフッ素置換アルキル基を導入したキヤリァが提案されている。 さら には、 下記特許文献 2では、 高速プロセスにおいて、 現像能力が高く、 それが長期において劣化しないものとして、 導電性カーボンと架橋型フ ッ素変性シリコーン樹脂を含有するコ一ティングキヤリァが提案されて いる。 シリコーン樹脂の優れた帯電特性を生かすとともにフッ素置換ァ ルキル基によって、 滑り性 ·剥離性 ·撥水性等の特徴を付与し、 摩耗 · はがれ · クラック等が発生しにくい上、 スペント化も防止できるとして いるが、 摩耗 ·はがれ · クラック等についても満足の行くものではない 上に、 正帯電性を有するトナーにおいては適正な帯電量が得られるもの の、 負帯電性を有する トナーを用いた場合、 帯電量が低過ぎ、 逆帯電性 トナー (正帯電性を有するトナー) が多量に発生し、 カプリやトナー飛 散等の悪化が生じ、 使用に耐えるものではなかった。
またトナーにおいて、 種々の構成が提案されている。 周知のように電 子写真方法に使用される静電荷現像用のトナーは一般的に結着樹脂であ る樹脂成分、 顔料又は染料からなる着色成分および可塑剤、 電荷制御剤、 更に必要に応じて離型剤などの添加成分によって構成されている。 樹脂
成分として天然または合成樹脂が単独あるいは適時混合して使用される c そして、 上記添加剤を適当な割合で予備混合し、 熱溶融によって加熱 混練し、 気流式衝突板方式により微粉碎し、 微粉分級されてトナー母体 が完成する。 また化学重合的な方法により トナー母体が作成される方法 もある。 その後このトナー母体に例えば疎水性シリカなどの外添剤を外 添処理してトナーが完成する。 一成分現像では、 トナーのみで構成され るが、 トナーと磁性粒子からなるキャリアと混合することによって二成 分現像剤が得られる。
しかし、 従来の混練粉碎法における粉砕 ·分級操作では; 小粒径化'と いっても経済的、 性能的に現実に提供できる粒子径は約 8 μ πι程度まで である。 現在、 種々の方法による小粒径トナーを製造する方法が検討さ れている。 またトナーの溶融混練時に低軟化点の樹脂中にワックス等の 離型剤を配合してオイルレス定着を実現させる方法が検討されている。 しかし配合できるワックス量には限界があり添加量を多くするに従って トナーの流動性の低下、 転写時の中抜けの増大、 感光体への融着の増加 等の弊害が生じてくる。
また、 乳化重合法を用いたトナーの調製法は、 少なく とも樹脂粒子を 分散させてなる分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する 工程、 凝集粒子分散液中に樹脂微粒子を分散させてなる樹脂微粒子分散 液を添加混合して凝集粒子に樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成す る工程及び付着粒子を加熱して融合する工程により製造される。
下記特許文献 3では、 極性を有する分散剤中に樹脂粒子を分散させて なる樹脂粒子分散液と、 極性を有する分散剤中に着色剤粒子を分散させ てなる着色剤粒子分散液とを少なく とも混合して混合液を調製する混合 液調製工程、 前記混合液中において含まれる分散剤の極性が同極性とす ることで、 帯電性及び発色性に優れた信頼性の高い静電荷像現像用トナ
一を容易にかつ簡便に製造し得ることが開示されている。
また、 下記特許文献 4では、 離型剤が、 炭素数が 1 2〜3 0の高級ァ ルコール及び炭素数 1 2〜3 0の高級脂肪酸の少なく とも一方からなる エステルを少なくとも 1種含み、 かつ、 該樹脂粒子が、 分子量が異なる 少なく とも 2種の樹脂粒子を含むことで、 定着性、 発色性、 透明性、 混 色性等に優れることが開示されている。
しかし、 離型剤を添加してその分散性が悪化すると、 定着時に溶融し たトナー画像において色濁りが生じ易い傾向にある。 それと共に顔料の 分散度も悪化し、 トナーの発色性が不十分になってしまう。 また次の土 程において凝集体表面にさらに樹脂微粒子を付着融合する際にその離型 剤等の分散性低下により、 樹脂微粒子の付着が不安定なものとなってし まう。 また一度樹脂と凝集した離型剤が分離して水系中に遊離する。 離 型剤の分散は使用するヮックス等の極性、 融点等の熱特性が混合凝集時 の凝集に与える影響は大きい。 さらには定着時にオイルを使用しないォ ィルレス定着を実現するため、 特定のワックスを多量に添加する構成と なる。 そして融点、 軟化^、 粘弾性が異なる樹脂と凝集させ、 加熱によ り融合する際に均一な状態を保持したまま融合することが困難となる。 特に一定の酸価、 官能基を有する離型剤を使用することで、 オイルレス 定着と、 現像時のカプリの低減や、 転写効率との両立を図ることが可能 となるが、 逆に製造時の水系中での樹脂微粒子、 顔料微粒子との均一な 混合凝集が妨げられ、 水系中で凝集にかかわらない浮遊した離型剤の存 在、 また顔料においても浮遊顔料の存在を増大させる傾向にある。
特許文献 1 :特許第 2 8 0 1 5 0 7号公報
特許文献 2 :特開 2 0 0 2— 2 3 4 2 9号公報
特許文献 3 :特開平 1 0— 1 9 8 0 7 0号公報
特許文献 4 :特開平 1 0— 3 0 1 3 3 2号公報
発明の開示
本発明は、 シャープな粒度分布を有する小粒径のトナーを、 分級工程 不要で作成できることを第 1番目の目的とする。 第 2番目の目的は、定 着ローラにオイルを使用しないオイルレス定着において、 トナー中にヮ ックスを使用して低温定着と、 高温オフセット性と貯蔵安定性の両立を 実現することである。 第 3番目の目的は、ヮックスを含有したトナーと 組合せた使用においてもスペント化による劣化も生じない高い耐久性の ある長寿命の二成分現像剤を提供することである。 第 4番目の目的は、 転写時の中抜けや、 飛び散りを防止し、 高転写効率が得られる画像形-成 装置を提供することである。
本発明のトナーは、 少なくとも樹脂粒子と顔料粒子とヮックス粒子と 力 水系媒体中において水溶性無機塩の存在下、 凝集されて凝集粒子に 形成されたトナーであって、
前記ワックスは、 ヨウ素価が 2 5以下、 けん化価が 3 0〜3 0 0、 D S C法による吸熱ピーク温度 (融点) が 5 0〜1 0 0 °Cであるエステル 系ヮックス又は炭素数 4〜 3 0のアルキルアルコールと、 不飽和多価力 ルボン酸又はその無水物及び合成炭化水素系ワックスとの反応により得 られる酸価 l〜 8 0 m g K O H / g、 D S C法による吸熱ピーク温度 (融点). が 5 0〜1 2 0 °Cであるワックスのうちの少なぐとも 1種以上 を含むことを特徵とする。
本発明のトナーの製造方法は、 少なく とも樹脂粒子と顔料粒子とヮッ クス粒子とが水溶性無機塩により凝集されて凝集粒子に形成され、 芯部 に前記ヮックス粒子の凝集体が存在し、 その表層に前記顔料粒子及ぴ樹 脂粒子の溶融凝集層が形成した凝集粒子を生成し、 さらに前記凝集粒子 の溶融凝集層の表面に、 溶融樹脂膜が形成されている トナーの製造方法 であって、
水系媒体中において、 少なく とも、 樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分 散液と、 着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液、 及び少なく ともヮ ッタス粒子とを分散させたヮックス粒子分散液を混合分散する工程と、 前記混合分散された混合分散液の p Hを 8以上に調整し、 水溶性無機 塩を添加する工程と、
p H調整し、 水溶性無機塩を添加した混合分散の水系媒体の温度を、 前記樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して溶融凝集層が形成 された凝集粒子を生成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の別のトナーの製造方法は、 水系媒体中において、 少なく ども、 樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、 着色剤粒子を分散させた着色剤 粒子分散液及ぴヮックス粒子を分散させたワックス粒子分散液とを混合 し、加熱凝集により水系中でトナーを作成する トナー製造方法であって、 少なく とも、 前記樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、 前記着色剤 粒子を分散させた着色剤粒子分散液及び前記ヮックス粒子を分散させた ワックス粒子分散液を混合した p Hを 6 . 0以下の混合分散液を作成す る工程と、
水溶性無機塩の添加前及び加熱前に p Hを 9 . 5〜 1 2 . 2の範囲に 調整する工程と、
その後に、 水溶性無機塩を添加し、 加熱処理して前記樹脂粒子、 前記着 色剤粒子及び前記ヮックス粒子が凝集した少なくとも一部が溶融した凝 集粒子を形成する工程とを含み、
前記凝集粒子が形成されたときの p Hが 7 . 0〜9 . 5の範囲である ことを特徴とする。
本発明の二成分現像剤は、 前記本発明のトナーと、 少なくともコア材 の表面がアミノシランカツプリング剤を含むフッ素変性シリコーン樹脂 により被覆された平均粒子径が 2 0〜 6 0 μ mである磁性粒子を含むキ
ャリアとからなることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、 磁場発生手段と、 電磁誘導により発熱する 発熱層及ぴ離型層を少なくとも有する回転作用を有する加熱部材と、 前 記加熱部材と一定のニップを形成している回転作用を有する加圧部材と を少なく とも有する加熱加圧手段を具備し、 前記加熱部材と前記加圧部 材間に前記本発明のトナーが転写された転写媒体を通過させて定着させ る定着プロセスを有することを特徴とする。
本発明の別の画像形成装置は、 少なく とも像担持体と前記像担持体に 静電潜像を形成する帯電手段と トナー担持体を含むトナー像形成ステー シヨンを複数個有し、 前記像担持体上に形成した静電潜像を前記本発明 のトナーにより顕像化し、 静電潜像を顕像化した前記トナー像を、 前記 像担持体に無端状の転写体を当接させて前記転写体に転写させる一次転 写プロセスが順次連続して実行して、 前記転写体に多層の転写トナー画 像を形成し、 その後前記転写体に形成した多層のトナー像を、 一括して 転写媒体に転写させる二次転写プロセスが実行されるよう構成された転 写システムを具備し、 前記転写プロセスが、 第 1の一次転写位置から第 2の一次転写位置までの距離、 又は第 2の一次転写位置から第 3の一次 転写位置までの距離、 又は第 3の一次転写位置から第 4の一次転写位置 までの距離を d l ( m m ) 、 感光体の周速度を v (m mZ s ) とした場 合、 d l / v≤ 0 . 6 5 ( s e c ) の条件を満足する構成であることを 特徴とする。
図面の簡単な説明
図 1は本発明の一実施例で使用した画像形成装置の構成を示す断面図。 図 2は本発明の一実施例で使用した定着ュニットの構成を示す断面図。 図 3は本発明の一実施例で使用した攪拌分散装置の概略図。
図 4は本発明の一実施例で使用した攪拌分散装置の上から見た図。
図 5は本発明の一実施例で使用した攪拌分散装置の概略図。
図 6は本発明の一実施例で使用した攪拌分散装置の上から見た図。 図 7は本実施例で得られたトナーの外観を T E M (透過型電子顕微 鏡) にて観察した写真(1 5 0 0 0倍)を示す。
発明を実施するための最良の形態
本発明のトナーは、 芯部に前記ワックス粒子の凝集体が存在し、 その 表層に前記顔料粒子及び樹脂粒子の溶融凝集層が形成した凝集粒子を生 成し、 さらに前記凝集粒子の溶融凝集層の表面に、 溶融樹脂膜が形成さ れているという特異な構造であるため、 小粒径でかつ均一で狭い範囲-で シャープな粒度分布を実現し、 オイルを塗布せずとも、 高い O H P透光 性を維持しながらオフセット性を防止するオイルレス定着を実現でき、 さらにはアミノシランカツプリング剤を含有するフッ素変性シリコーン 樹脂を被覆樹脂とするキヤリアと組合せた二成分現像剤により、 キヤリ ァへのトナー成分のスベントもなく長寿命化を図ることができる。 さら には転写時の中抜けや飛び散りを防止し、 高転写効率を得ることが可能 となる。
本発明は、 オイルレス定着で高光沢性、 高透光性を有し、 優れた帯電 特性及び環境依存性、 クリーニング性、 転写性を有し、 シャープな粒度 分布を有する小粒子径の静電荷像現像用トナー、 二成分現像剤を提供し、 かつ、 トナーの飛散、 かぶり等の無い高画質で信頼性の高いカラー画像 の形成を可能にする画像形成を提供することについて鋭意検討した。
( 1 ) 重合方法
樹脂粒子分散液の調製は、 ビュル系単量体をイオン性界面活性剤中で 乳化重合ゃシード重合等することにより、 ビニル系単量体の単独重合体 又は共重合体 (ビニル系樹脂) の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散 させてなる分散液が調製される。 その手段としては、 例えば、 高速回転
型乳化装置、 高圧乳化装置などの公知の分散装置が挙げられる。
樹脂粒子における樹脂が、 前記ビニル系単量体の単独重合体又は共重 合体以外の樹脂である場合には、 該樹脂が、 水への溶解度が比較的低い 油性溶剤に溶解するのであれば、 該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、 この 溶液を、 ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤ゃ髙分 子電解質と共に水中に微粒子分散し、 その後、 加熱又は減圧して該油性 溶剤を蒸散させることにより、 ビニル系樹脂以外の樹脂製の樹脂粒子を ィオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
重合開始剤としては、 2 , 2 ' —ァゾビス一 (2 , 4—ジメチルバレ ロニトリル) 、 2, 2, 一ァゾビスイソプチロニトリル、 1, 1, 一ァ ゾビス (シクロへキサン一 1一カノレポ二トリル) 、 2, 2, 一ァゾビス 一 4—メ トキシー 2, 4ージメチルバレロニトリル、 ァゾビスイソプチ ロニトリル等のァゾ系又はジァゾ系重合開始剤、 や過硫酸塩 (過硫酸力 リウム、 過硫酸アンモニゥム等) 、 ァゾ系化合物 (4 , 4, ーァゾビス 4—シァノ吉草酸及ぴその塩、 2, 2 ' ーァゾビス ( 2—アミジノプロ パン) 塩等) 、 バーオキシ.ド化合物等が挙げられる。
着色剤粒子分散液は、 極性を有する界面活性剤を添加した水中に着色 剤粒子を添加し、 前記した分散の手段を用いて分散させることにより調 製される。
本実施形態のトナーは水系媒体中で樹脂粒子分散液と、 着色剤粒子分 散液及びヮックス粒子分散液とを水系中で混合凝集した後、 水系媒体の 温度をワックスの融点に対して同等又はそれ以上の温度に加熱する。 こ れにより、 シャープメルト性を有するワックスの溶融が始まり、 溶融し たワックス同士の会合が始まる。 樹脂のガラス転移点(T g )は 4 0〜 6 0 °Cであるが、 水系媒体が樹脂の T g以上の温度でも、 樹脂はワックス のようにシャープに溶融が始まるわけではなく、 表面が徐々に溶融が進
W
む。 そして溶融したワックスを取り囲むように樹脂及び顔料の微粒子が 凝集し、 凝集した樹脂も熱により溶融し会合する。 そして低融点のヮッ タスが樹脂によって内包化される状態が形成される。 このとき、 水系媒 体の pHを一定の条件下に調整し、 水溶性無機塩の存在下、 水系媒体の 5 温度を前記ワックスの融点以上又は樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱 して凝集会合させることでトナー母体を生成する。
処理を 2段階に分け、 分散液とを混合し、 1ステップ目では水系媒体 の pHを一^の条件下に調整し、 水溶性無機塩の存在下、 水系媒体の温 度を前記ワックスの融点以上又は樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱—し、0 その後 2ステップ目でさらに再度水系媒体の p Hを一定の条件に調整し、 水系媒体をさらに加熱する方法も好ましい。 これにより粒度分布をシャ ープに絞れた凝集会合したトナー母体が生成できる。
ステップ 1では、 水系媒体の温度はワックスの融点 (D S C法による 吸熱ピーク温度 Tmw(°C)) 、 樹脂粒子のガラス転移点を T g (°C)とす5 ると、 分散液を混合し、 水系媒体を I N, N a OHにより p Hを 8以上 の条件とし、 無機塩の存¾下、 水系媒体の温度を Tmw (°C)〜Tmw + 20 (°C)及び/又は T g + 1 5 (°C)〜T g + 35 (°C)で 1時間から 5時 間加熱して凝集会合させる処理である。 好ましくは、 Tmw(°C)〜Tm + 1 5 (°C)の範囲内、 好ましくは pHは 8〜1 3、 さらに好ましい pH0 は 1 0以上、 とくに好ましくは 1 1. 5以上である。 p Hが 1 3を超え ると、 粒子が凝集せず、 均一な粒径分布の凝集粒子が形成できない。
Hが 8未満であると凝集が進みすぎ粒子が巨大化してしまう。 水系媒体 の温度が Tmw(°C)未満であると、 凝集が均一に進まず粒子の形成が進 まない。 Tm+ 20 (°C)を超えると、 逆に凝集が進みすぎ粒子が巨大化5 してしまう。
この水系媒体の温度がワックスの融点 Tmw(°C)未満であると、 凝集
が均一に進まず粒子の形成が進まない。 ヮッタスが均一に内包化できな い。
そのときの水系中の pHを 8以上の条件で混合凝集するのは、 凝集を より均一に進め、 凝集粒子を小粒径でかつ粒度分布をシャープにするこ とが目的である。 p Hが 8未満であると凝集が進みすぎ、 凝集粒子が大 きくなるとともに、 粒度分布がブロードになってしまう。 p Hが 1 3を 超えると凝集がほとんど進まない。 また、 水系媒体の温度が T g + 1 5 (°C)未満であると、 凝集が均一に進まず粒子の形成が進まない。 水系媒 体の温度が T g + 3 5 (°C)を超えると、 逆に凝集が進みすぎ粒子が巨 ィ匕してしまう。
その後さらに水系媒体の温度を 5°C以上昇温して、 一定時間 (1時間 から 5時間) 水系媒体を加熱することで、 より粒度分布をシャープに絞 れたワックスを樹脂で取り込んだ凝集会合したトナー母体が生成できる。 その後 2ステップ目で、 さらに再度水系媒体の pHを 6以下に調整し て加熱する。 2ステップ目の pHは好ましくは 5以下、 より好ましくは 4. 5以下である。 .
このときの温度条件としては、 水系媒体を Tmw+ 5 (で)〜 Tmw + 30 (°C)及び/又は T g + 20 (で)〜 T g + 40 (°C)で 1時間から 5時 間さらに加熱することでより粒度分布をシャープに絞れた顔料粒子と溶 融した樹脂が凝集した溶融凝集層を形成した凝集粒子(トナー母体)が生 成できる。
2ステップ目の水系媒体の温度を前記ワックスの融点に対して Tmw + 5 (°C)未満であると、 凝集が均一に進まず粒子の形成が進まない。 水 系媒体の温度がワックスの融点 Tmw + 30 (°C)を超えると、 凝集溶融 が進みすぎ粒子が巨大化してしまう。 水系媒体の pHが 6を超えると、 凝集溶融が進まず、 粒度分布がブロードになってしまう。
さらに前記した凝集粒子が分散した分散液と、 樹脂粒子を分散させた 樹脂粒子分散液とを混合して前記凝集粒子表面に前記シェル樹脂粒子を 付着融合させて溶融樹脂膜が形成したトナー母体を作成することも好ま しい。 このとき得られるトナー母体の体積平均粒径は 3〜7 / m、 変動 係数 2 5以下である。
このとき凝集会合粒子が分散した分散液と、 シ ル用樹脂粒子を分散 せしめたシェル用樹脂粒子分散液とを混合した後、 水系媒体の温度を 7 0〜9 0 °Cの条件で 0 . 5〜2 h程度加熱して、 樹脂粒子を凝集会合粒 子表面に付着させる。 さらに p Hを 6以下に下げ、 水系媒体の温度を^ 0 °C以上、 好ましくは 9 0 °C以上の条件で 1〜 8時間融合処理を行う方 法が好ましい。 p Hを 6以下に下げることにより二次凝集を防止しなが ら付着したシェル樹脂の融合処理を行え、 より均一な粒度分布を有する 小粒径粒子の作成が可能となる。
また別の方法として、 混合液の段階から p Hを調製し、 凝集粒子形成 工程での p Hを逐次管理することにより、 狭い小粒径の粒度分布を有す る粒子の形成が可能となる。
具体的には、 水系媒体中において、 少なくとも、 樹脂粒子を分散させ た樹脂粒子分散液、 着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びヮッ タス粒子を分散させたワックス粒子分散液とを混合し、 p Hを 6 . 0以 下とした混合分散液を作成する。 例えば乳化重合樹脂を重合したときに 過硫酸力リゥムを使用した際、 その残留分が加熱凝集時の熱により分解 して p Hを下げてしまうことがあるため、 乳化重合した後に一定温度以 上に加熱処理を施す方法が好ましい。 前記において、混合分散液を作成 したときの p Hが 6 . 0を超えると、 加熱して着色樹脂粒子を形成する 際に、 液中の p H変動 (減少現象) が大きくなり、 粒子が粗大化する傾 向となる。
その後、 水溶性無機塩を添加し、 樹脂のガラス転移点温度(T g)以上 に加熱する。 水溶性無機塩の添加前及び加熱前に、 混合分散液 pHを 9. 5〜1 2. 2の範囲に調整する。 1 Nの Na OHを添加することで pH の調整が可能である。 pHが 9. 5未満であると、 形成された着色樹脂 粒子が粗大化する傾向となる。 また、 pHが 1 2. 2を超えると、 遊離 ワックスが多くなりワックスを均一に内包化することが困難になる。 その後に、 水溶性無機塩を添加し、 加熱処理して少なくとも樹脂粒子、 着色剤粒子及びヮックス粒子が凝集した所定の体積平均粒径 (例えば 3 〜6 μ πι) の凝集粒子を形成する。 この所定の体積平均粒径の凝集粒—子 が形成されたときの液の pHを 7. 0〜9. 5の範囲とすることにより、 ヮッタスの遊離が少なく、 ヮックスが内包された狭い粒度分布の着色樹 脂粒子が形成できる。 添加する Na OH量、 凝集剤種や量、 乳化重合樹 脂分散液の pH、 着色剤分散液の p H、 ワックス分散液の pHの設定値 や、 加熱温度、' 時間は適宜選択する。 凝集粒子が形成されたときの液の pHが 7. 0未満であると、 着色粒子が粗大化する傾向になる。 p Hが 9. 5を超えると、 凝集不良で遊離ワックスが多くなる傾向になる。
また、その方法により生成した凝集粒子が分散した凝集粒子分散液に、 第二の樹脂粒子を分散させた第二の樹脂粒子分散液を混合し、加熱融着 することで、 樹脂の表面層を形成することも可能である。 これにより ト ナ一の耐久性や、オフセッ ト性をより良好なものとすることが出来る。 凝集粒子の表面に第二の樹脂を付着させて、 その第二の樹脂の T g以 上に加熱して樹脂表面融着層を形成する際には、 第二の樹脂粒子を遊離 させることなく、 かつ凝集粒子の二次凝集を防いで、 凝集粒子表面に均 一に付着させることが必要である。
その凝集粒子が分散した凝集粒子分散液に、 第二の樹脂粒子を分散さ せた第二の樹脂粒子分散液を添加したときの p Hを 5. 2〜8. 8の範
囲に調整し、その後、 第二の樹脂粒子のガラス転移点温度以上の温度で
0 . 5〜 2時間加熱処理し、 その後に p Hを 3 . 2〜6 . 8.の範囲に調 整した後、 さらに第二の樹脂粒子のガラス転移点温度以上の温度で加熱 •処理して、 前記凝集粒子に第二の樹脂粒子を融着させる。
p Hを 5 . 2〜 8 . 8の範囲に調整し、その後、 第二の樹脂粒子のガ ラス転移点温度以上の温度で 0 . 5〜 2時間加熱処理する目的は、 まず 第二の樹脂粒子を凝集粒子表面に均一に付着させることである。 その後 に p Hを 3 : 2〜6 . 8の範囲に調整した後、 さらに第二の樹脂粒子の ガラス転移点温度以上の温度で加熱処理することで、 二次凝集を起こ—さ ず、 凝集粒子に第二の樹脂粒子を融着させて狭い粒度分布の粒子を得る ことが出来る。
第二の樹脂粒子分散液を添加したときの p Hが 5 . 2未満であると、 第二の樹脂粒子の付着が起こりにく く、 遊離樹脂粒子が増加する傾向に なる。 ρ Ηが 8 . 8を超えると、 凝集粒子同士の二次凝集が発生しやす くなる。
0 . 5〜 2時間の加熱^理後の ρ Ηが 3 . 2未満であると、 ー且付着 した樹脂粒子が遊離する場合がある。 p Hが 6 . 8を超えると、 凝集粒 子の二次凝集が発生しやすくなる。
凝集粒子と、 第二の樹脂粒子が凝集粒子に付着融着した粒子との体積 平均粒子径の差が 0 . 5〜 2 μ mであることが好ましい。 0 · 5 μ m未 満であると、 第二の樹脂の付着状態が不良で、 水分の影響、 第二の樹脂 自体の強度が不足する。 2 μ ιηを超えると定着性、 光沢性を低下させる。 水溶性無機塩としては、 アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を挙 げることができる。 アルカリ金属としては、 リチウム、 カリウム、 ナト リウム等が挙げられ、 アルカリ土類金属としては、 マグネシウム、 カル シゥム、 ストロンチウム、 バリウム等が挙げられる。 これらのうち、 力
リウム、 ナトリウム、 マグネシウム、 カルシウム、 バリウムが好ましい c 前記アル力リ金属又はアル力リ土類金属の対イオン (塩を構成する陰ィ オン) としては、 塩化物イオン、 臭化物イオン、 ヨウ化物イオン、 炭酸 イオン、 硫酸イオン等が挙げられる。
その後、 任意の洗浄工程、 固液分離工程、 及び乾燥工程を経て、 トナ 一を得ることができる。 この洗浄工程においては、 帯電性を向上させる 観点より、 十分にイオン交換水による置換洗浄を行うのが好ましい。 前 記固液分離工程における分離方法としては、 吸引濾過法や加圧濾過法な どの公知のろ過方法が好ましく挙げられる。 前記乾燥工程における乾'燥 方法としては、 フラッシュジェッ ト乾燥方法、 流動乾燥方法、 及び振動 型流動乾燥方法などの公知の乾燥方法が好ましく挙げられる。
極性を有する分散剤としては、 極性界面活性剤を含有する水系媒体な どが挙げられる。 水系媒体としては、 蒸留水、 イオン交換水等の水、 ァ ルコール類などが挙げられる。 これらは、 1種単独で使用してもよいし、 2種以上を併用してもよい。 前記極性を有する分散剤における前記極性 界面活性剤の含有量としては、 一概に規定することはできず、 目的に応 じて適宜選択することができる。
極性界面活性剤としては、 例えば、 硫酸エステル塩系、 スルホン酸塩 系、 リン酸エステル系、 せっけん系等のァニオン界面活性剤、 アミン塩 型、 4級アンモニゥム塩型等のカチオン界面活性剤などが挙げられる。 前記ァニオン界面活性剤の具体例としては、 ドデシルベンゼンスルホ ン酸ナトリウム、 ドデシル硫酸ナトリウム、 アルキルナフタレンスルホ ン酸ナトリウム、 ジアルキルスルホコハク酸ナトリゥムなどが挙げられ る。 前記カチオン界面活性剤の具体例としては、 アルキルベンゼンジメ チルアンモニゥムクロライ ド、 アルキルトリメチルアンモニゥムクロラ イ ド、 ジステアリルアンモニゥムクロライ ドなどが挙げられる。 これら
は、 1種単独で使用してもよいし、 2種以上を併用してもよい。
また本発明においては、 これらの極性界面活性剤と、 非極性界面活性 剤とを併用することできる。 前記非極性界面活性剤としては、 例えば、 ポリエチレングリコール系、 アルキルフエノールエチレンォキサイ ド付 加物系、 多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
この低融点のヮックスを混合凝集時に脱離浮遊させず、 均一に樹脂中 に内包化するためには、 ワックスの分散粒度分布、 ワックスの組成、 ヮ ッタスの溶融特性も影響される。
樹脂粒子としてスチレンァクリル系の共重合体を使用するに際して'は、 ポリプロピレンやポリエチレン等のビニル系のワックスよりも、 エステ ル系ワックスの使用により、 混合凝集時に脱離浮遊させず、 均一に樹脂 中に略一箇所に集めた形で内包化できる。 遊離ヮッタスの影響を排除で き、 O P Cや転写ベルトへのフィルミング、 キヤリアスペントを防止で き、 かつ転写時の中抜け、 逆転写を効果的に防ぐことが可能となる。 ワックス粒子分散液は、 極性を有する界面活性剤を添加した水系媒体 中にワックスをイオン交換水中で加熱し、 溶融させ分散させることによ り調製される。
このときワックスの分散粒子径は小粒径側から積算したときの体積粒 径積算分布において 1 6 %径 (P R 1 6 ) が 20〜 200 n m、 50 % 径 (PR 50) が 40〜300 nm、 84 %径 (PR 84) が 400 η m以下、 PR 84ZPR 1 6が 1. 2〜2. 0の大きさにまで乳化分散 し、 200 nm以下の粒子が 65体積%以上、 500 nmを越える粒子 が 1 0体積。 /0以下であることが好ましい。
好ましくは、 小粒径側から積算したときの体積粒径積算分における 1 6 径 (PR 1 6) 力 S20〜: 1 00 nm、 50 %径 ( P R 50 ) が 40 〜: 1 60 nm、 84 %径 (PR 84) 力 260 nm以下、 PR 84,Ρ
1 1 6が 1. 2〜 1. 8である。 1 5 0 nm以下の粒子が 6 5体積0 /0以 上、 40 0 nmを越える粒子が 1 0体積%以下であることが好ましい。
さらに好ましくは、 小粒径側から積算したときの体積粒径積算分にお ける 1 6 %径 (PR 1 6) が 2 0〜6 0 nm、 5 0 %径 ( P R 50 ) が 40〜1 2 0 nm、 84 %径 (PR 84) が 2 20 nm以下、 PR 84 ZP R 1 6力 S i . 2〜: 1. 8である。 1 3 0 n m以下の粒子が 6 5体 積%以上、 3 00 nmを越える粒子が 1 0体積%以下であることが好ま しい。
樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液及びヮックス粒子分散液とを混合 凝集して凝集体粒子を形成するとき、 5 0%径 (PR 5 0) が 20〜2 0 0 nmと微細分散とすることにより、 ヮッタスが樹脂粒子間に取り込 まれやすくワックス自体同士での凝集を防止でき、 分散が均一に行える。 樹脂粒子に取り込まれ水中に浮遊する粒子をなくすことができる。
さらに凝集体粒子を水系中で加熱して溶融した凝集粒子を得る際に、 表面張力の関係から溶融した樹脂粒子が溶融したワックス粒子を取り囲 み、 包含する形となり、 樹脂中にワックスが内包されやすくなる。
PR 1 6が 1 6 0 nmより大きく、 5 0%径 (PR 5 0) が 2 00 η mより大きく、 PR 84が 3 0 0 nmよりも大きく、 P R 84 /.P R 1 6が 2. 0よりも大きく、 20 0 nm以下の粒子が 6 5体積%より多く、 5 0 0 nmを越える粒子が 1 0体積%より多くなると、 ワックスが樹脂 粒子間に取り込まれにくくワックス自体同士のみでの凝集が多発する傾 向となる。 また、 樹脂粒子に取り込まれず、 水中に浮遊する粒子が増大 する傾向にある。 凝集体粒子を水系中で加熱して溶融した凝集粒子を得 る際に、 溶融した樹脂粒子が溶融したワックス粒子を包含する形となり にく く、 樹脂中にワックスが内包されにくくなる。 さらに樹脂を付着融 合させる際にトナー母体表面に露出遊離するワックス量が多くなり、 感
光体へのフイルミング、 キャリアへのスベントの増加、 現像でのハンド リング性が低下し、 また現像メモリーが発生しやすくなる。
PR 1 6が 20 nmより小さく、 50 %径 (PR 50) が 40 nmよ り小さく、 PR 84/PR 1 6が 1. 2よりも小さく しょうとすると、 分散状態を維持しづらく、 放置時にワックスの再凝集が発生し、 粒度分 布の放置安定性が低下する傾向となる。 また分散時に負荷が大きくなり, 発熱が大きくなり、 生産性が低下する傾向となる。
またワックス粒子分散液中に分散させたワックス粒子の小粒径側から 積算したときの体積粒径積算分における 50%径 (PR 50) 力 S、 凝'集 体粒子を形成する際の樹脂粒子の 50%径 (PR 50) よりも小さくす ることで、 ワックスが樹脂粒子間に取り込まれやすくワックスき体同士 での凝集を防止でき、 分散が均一に行える。 樹脂粒子に取り込まれ水中 に浮遊する粒子をなくすことができる。 凝集体粒子を水系中で加熱して = 溶融した凝集会合粒子を得る際に、 表面張力の関係から溶融した樹脂粒 子が溶融したワックス粒子を包含する形となり、 樹脂中にワックスが内 包されやすくなる。 より好ましくは、 樹脂粒子の 50%径 (PR 50) よりも 20 %以上小さくすることである。
ヮッタスの融点以上の温度に保持された分散剤を添加した媒体中に、 前記ワックスをヮッタス濃度 40 w t %以下で溶融させたヮッタス溶融 液を、 固定体と一定のギャップを介して高速回転する回転体により生じ る高せん断力作用により轧化分散させることにより、 ヮックス粒子を微 細に分散できる。
図 3、 図 4に示す一定容量の槽内の槽壁に、 0. lmm〜 1 0mm程 度のギャップを設けて、 回転体を 3 OniZ s以上、 好ましくは 40 m/ s以上、 より好ましくは 5 OmZs以上の高速で回転することにより、 水系に強力なずりせん断力が作用し、 微細な粒径の乳化分散体が得られ
る。 処理時間は 3 0 s〜 5 m i n程度の処理で分散体が形成できる。 また図 5、 図 6に示すような固定した固定体に対し、 l〜 1 0 0 / m 程度のギャップを設けて 3 0 m/ s以上、 好ましくは 4 0 m/ s以上、 より好ましくは 5 0 mZ s以上で回転する回転体との強いせん断力作用 を付加することにより、 微細な分散体を作成することができる。
高圧ホモジナイザーのような高圧式の分散機よりも微細な粒子の粒度 分布をより狭小化シャープに形成できる。 また長時間の放置でも分散体 を形成した微粒子が再凝集することなく、 安定した分散状態を保つこと ができ、 粒度分布の放置安定性が向上する。 ― ワックスの融点が高い場合は、 高圧状態で加熱することにより溶融し た液を作成する。 またワックスを油性溶剤に溶解させる。 この溶液を図
3〜6に示した分散機を用いて界面活性剤や高分子電解質と共に水中に 微粒子分散し、 その後、 加,熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させること により得られる。
粒度測定は堀場製作所レーザ回折粒度測定器 (L A 9 2 0 ) 、 島津製 作所レーザ回折粒度測定器 (S A L D 2 1 0 0 ) などを用いて測定する ことができる。
( 2 ) ワックス
本実施形態のトナーに添加するワックスとしてエステル系ワックスが 好適に使用される。 そのワックスとしてはヨウ素価が 2 5以下、 けん化 価が 3 0〜3 0 0からなる構成のヮッタスが好ましい。 トナー多層転写 時にトナーの電荷作用による反発が緩和され、 転写効率の低下、 転写時 の文字の中抜け、 逆転写を抑えることができる。 また後述するキャリア と組合せた使用によりキヤリァへのスベントの発生を抑制でき現像剤の 長寿命化を可能とできる。 また現像器内でのハンドリング性が向上し、 現像の奥側と、 手前側で画像の均一性が向上する。 また現像メモリー発
生を低減できる。
ヨウ素価が 2 5を超えると、 水系中での混合凝集性が悪化して均一分 散性が低下し、 色濁りが生じてしまう。 浮遊物が増大し、 これがトナー に残留してしまうと、 感光体等のフィルミングを生じさせる。 一次転写 でのトナー多層転写時にトナーの電荷作用による反発が緩和されにく く なる。 環境依存性が大きく、 また長期連続使用時に材料の帯電性の変化 が大きくなり画像の安定性を阻害する。 また現像メモリーも発生しやす くなる。 けん化価が 3 0未満であると、 不けん化物、 炭化水素の存在が 増加し、 感光体フィルミング、 帯電性の悪化を生じる。 フィルミング 連続使用時の帯電性の低下を招く。 けん化価が 3 00を超えると、 混合 凝集時の樹脂とのワックス分散性が悪化する。 トナーの電荷作用による 反発が緩和されにく くなる。 またカプリやトナー飛散の増大を招く。 そのワックスの 2 20°Cにおける加熱減量は 8重量%以下であること が好ましい。 加熱減量が 8重量%を超えると、 トナーのガラス転移点を 低下させトナーの貯蔵安定性を損なう。 現像特性に悪影響を与え、 カブ リゃ感光体フイルミングを.生じさせる。 乳化分散粒子生成時の粒度分布 がブロードになってしまう。
ゲル浸透クロマトグラフィー (GP C) における分子量特性、 数平均 分子量が 1 0 0〜 5 00 0、 重量平均分子量が 2 00〜 1 00 0 0、 重 量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量/数平均分子量) が 1. 0 1〜8、 Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平均分子量 数平 均分子量) が 1. 0 2〜: 1 0、 分子量 5 X 1 02〜 1 X 1 04の領域に 少なく とも一つの分子量極大ピークを有していることが好ましい。 より 好ましくは数平均分子量が 5 00〜 4 5 00、 重量平均分子量が 6 0 0 〜9000、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量/数 平均分子量) が 1. 0 1〜7、 Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平
均分子量 数平均分子量) が 1. 02〜9、 さらに好ましくは数平均分 子量が 700〜 4000、 重量平均分子量が 800〜 8000、 重量平 均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量/数平均分子量) が 1. 0 1〜6、 Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平均分子量ノ数平均分 子量) が 1. 02〜 8である。
数平均分子量が 1 00より小さく、 重量平均分子量が 200より小さ く、 分子量極大ピークが 5 X 1 02よりも小さい範囲に位置していると、 保存安定性が悪化する。 また現像器内でのハンドリング性が低下し、 ト ナー濃度の均一性保持を阻害する。 また、 トナーの感光体フイルミング を生じる。 さらに、 乳化分散粒子生成時の粒度分布がブロードになって しまう。
数平均分子量が 5 000より大きく、 重量平均分子量が 1 0000よ り大きく、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量/数平 均分子量) が 8より大きく、 Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平均 分子量/数平均分子量) が 1 0より大きく、 分子量極大ピークが 1 X 1 04の領域よりも大きい範.囲に位置していると、 離型作用が弱くなり、 定着性、 耐オフセッ ト性等の定着性機能が低下する。 また、 乳化分散粒 子生成時の生成粒子の粒径を小さくできにく くなる。 さらに、 樹脂中へ のヮッタスの内包化が均一にならない傾向となる。
D S C法による吸熱ピーク温度 (融点 Tmw) が 50〜: L 00°Cのも のが好ましい。 好ましくは 55〜9 5°C、 さらに好ましくは、 6 5〜8 5°Cである。 50°C未満であると、 トナーの貯蔵安定性が悪化する。 1 0 o°cを超えると乳化分散粒子生成時の生成粒子の粒径を小さくできに くくなる。 樹脂中へのワックスの内包化が均一に行えにくくなる。
さらに融点以上の温度での 1 0°C変化時の容積増加率が 2〜30%の 材料が好ましい。 固体から液体に変わるとき急激に膨張することで定着
時の熱で溶融したとき、 トナー相互の接着性がより強化され、 より定着 性が向上し、 また定着ローラとの離型性も良くなり耐オフセッ ト性も向 上する。 添加量としては、 結着樹脂 1 0 0重量部に対して 2〜9 0重量 部添加が好ましい。 好ましくは結着樹脂 1 0 0重量部に対して 5〜8 0 重量部、 より好ましくは 1 0〜5. 0重量部、 さらに好ましくは 1 5〜 2 0重量部添加が好ましい。 2重量部未満であると、 定着性向上の効果が 得られず、 9 0重量部を超えると貯蔵安定性に難点がある。
ワックスとしては、 メ ドウフォーム油、 カルナゥバワックス、 ホホバ 油、 木ロウ、 ミツロウ、 才ゾケライ ト、 カルナゥバヮックス、 キャンデ リアワックス、 セレシンワックス、 ライスワックス等の材料が好ましく、 またこれらの誘導体も好適に使用される。 そして一種類又は二種類以上 組み合わせて使用することも可能である。 特に D S C法による融点が 7
6〜9 0 °Cであるカルナゥバワックス、 6 6〜8 0 °Cであるキャンデリ ラワックス、 6 4〜 7 8 °Cである水素添加して飽和化した水添ホホバ油、 6 4〜 7 8 °Cである水素添加して飽和化した水添メ ドウフォーム油又は
7 4〜9 0 °Cであるライスワックスからなる群より選ばれた少なく とも
1種又は 2種以上のワックスもより好ましい。
ケン化価は、 試料の 1 gをけん化するのに要する水酸化カリゥ.ム K O
Hのミリグラム数をいう。 酸価とエステル価の和にあたる。 ケン化価値 を測定するには約 0 . 5 Nの水酸化カリ ウムのアルコール溶液中で試料 をケン化した後、 0 . 5 Nの塩酸で過剰の水酸化カリウムを滴定する。 ョゥ素価は試料にハロゲンを作用させたときに、 吸収されるハロゲン の量をヨウ素に換算し、 試料 1 0 0 gに対する g数で表したものをいう。 脂肪 1 0 O gに吸収されるョゥ素のグラム数であり、 この値が大きいほ ど試料中の脂肪酸の不飽和度が高いことを示す。 試料のクロ口ホルム又 は四塩化炭素溶液にヨウ素と塩化水銀 (II) のアルコール溶液又は塩化
ョゥ素の氷酢酸溶液を加えて、 放置後反応しないで残ったョゥ素をチォ 硫酸ナトリゥム標準液で滴定して吸収ョゥ素量を算出する。
加熱減量の測定は試料セルの重量を 0. 1 m gまで精秤(Wi rn g)し、 これに試料 1 0〜 1 5 m'gを入れ、 0. l m gまで精秤する (W2m g) 。 試料セルを示差熱天秤にセッ トし、 秤量感度を 5 mgにして測定 開始する。 測定後、 チャートにより試料温度が 220°Cになった時点で の重量減を 0. l mgまで読み取る (W3mg) 。 装置は、 真空理工製 TGD— 3000、 昇温速度は 1 0°C/m i n、 最高温度は 220°C、 保持時間は lm i nで、 加熱減量 (%) = [W3Z (W2— ] X I 00、 で求められる。 これによりカラー画像における透光性を改善する と共にローラへの耐オフセット性を向上させることが可能となる。 また キヤリァへのスペントの発生を抑制でき、 現像剤の長寿命化ができる。 また、 本形態のトナーにおいて使用するワックスとして、 長鎖アルキ ルアルコール、 不飽和多価カルボン酸又はその無水物及び合成炭化水素 系ワックスとの反応により得られるワックスが好ましい。 炭素数 4〜 3 0の長鎖アルキル基が好ましく、 酸価 1〜 80 m g KOH/ gのヮック スが好ましく使用できる。
また、 長鎖アルキルァミンと不飽和多価カルボン酸又はその無水物及 ぴ合成炭化水素系ワックスとの反応により得られワックス、 又は長鎖フ ルォロアルキルアルコールと不飽和多価カルボン酸又はその無水物及び 合成炭化水素系ヮックスとの反応により得られるヮックスも好適に使用 できる。 効果は長鎖アルキル基による離型作用の増進、 エステル基によ る樹脂との分散相性を良く し、 ビニル基による耐久性、 オフセット性の 良化効果が考えられる。
このワックスの GP Cにおける分子量分布において、 重量平均分子量 力 S 1 000〜 6000、 Z平均分子量が 1 500〜 9000、 重量平均
分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量 Z数平均分子量) が 1. 1
〜3. 8、 Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平均分子量/数平均分 子量) が 1. 5〜 6. 5、 1 X 1 03〜 3 X 1 04の領域に少なく とも 一つの分子量極大ピークを有し、 酸価 1〜 8 0 m g KOHZ g、 融点 5 0〜 1 2 0°C、 2 5 °Cにおける針入度が 4以下であることが好ましい。 より好ましくは重量平均分子量が 1 000〜 5 00 0、 Z平均分子量 が 1 7 0 0〜 8 000、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均 分子量 数平均分子量) が 1. 1〜2. 8、 Z平均分子量ど数平均分子 量の比 (Z平均分子量 Z数平均分子量) が 1. 5〜4. 5、 1 X 1 03 〜 1 X 1 04の領域に少なく とも一つの分子量極大ピークを有し、 酸価 1 0〜5 Omg KOH/g, 融点 6 0〜 1 1 0°Cである。 さらに好まし くは重量平均分子量が 1 00 0〜 2 5 0 0、 Z平均分子量が 1 9 0 0〜 3 0 0 0、 重量平均分子量と数平均分子量の比 (重量平均分子量 Z数平 均分子量) が 1. 2〜 1. 8、 Z平均分子量と数平均分子量の比 (Z平 均分子量/数平均分子量) が 1. 7〜 2. 5、 1 X 1 03〜 3 X 1 03 の領域に少なく とも一^ 3 分子量極大ピークを有し、 酸価 3 5〜5 0m g KOH/g、 融点 6 5~9 5°Cである。 これにより、 オイルレス定着 における非オフセット性と高光沢性、 OHPの高透光性を発現でき、 高 温保存性を低下させることがない。 薄紙に 3層のカラートナーが形成さ れた画像において、 定着ローラやベルトとの紙の分離性向上に特に効果 がある。
ここで、 ヮッタスの長鎖アルキルの炭素数が 4未満であると離型作用 が弱くなり分離性、 高温非オフセッ ト性が低下する。 長鎖アルキルの炭 素数が 3 0を超えると樹脂との混合凝集性が悪くなり、 分散性が低下す る。 酸価が 1 m g KOH/Zg未満であると トナーの長期使用時の帯電量 低下を招く。 酸価が 8 Omg KOHZgを超えると耐湿性が低下し、 高
湿下でのかぶりが増大するうえ、 乳化分散粒子生成時の生成粒子の粒径 を小さくできにくくなる。 また、 樹脂中へのワックスの内包化が均一に ならない傾向となる。
融点が 5 0 °C未満であると トナーの貯蔵安定性が低下する。 融点が 1 2 0 °Cを超えると、 離型作用が弱くなり非オフセット温度幅が狭くなる。 また、 乳化分散粒子生成時の生成粒子の小粒化が困難となる。 また、 樹 脂中へのワックスの内包化が均一化しにくくなる。
2 5 °Cにおける針入度が 4を超えると、 強靭性が低下し、 長期使用中 に感光体フィルミングを生じる。 . ' 重量平均分子量が 1 0 0 0よりも小さく、 Z平均分子量が 1 5 0 0よ り小さく、 重量平均分子量 Z数平均分子量が 1 . 1よりも小さく、 z平 均分子量/数平均分子量が 1 . 5よりも小さく、 分子量極大ピークが 1 X 1 0 3よりも小さい範囲に位置していると、 トナーの保存性が低下、 感光体や中間転写体にフィルミングを発生する。 また現像器内でのハン ドリング性が低下し、 トナー濃度の均一性を低下させる。 また現像メモ リーを生じ易くなる。 高速回転による高せん断力作用時の乳化分散粒子 生成時の生成粒子の粒度分布がブロードになってしまう。
重量平均分子量が 6 0 0 0よりも大きく、 Z平均分子量が 9 0 0 0よ りも大きく、 重量平均分子量 数平均分子量が 3 . 8よりも大きく、 Z 平均分子量/数平均分子量が 6 . 5よりも大きく、 分子量極大ピークが 3 X 1 0 4の領域よりも大きい範囲に位置していると、 離型作用が弱く なり定着オフセット性が低下する。 乳化分散粒子生成時の生成粒子の粒 径を小さくできにくくなる。 また、 樹脂中へのワックスの内包化が均一 にならない傾向となる。
アルコールとしてはォクタノール(C8H170H)、 ドデカノール(C12H250H)、 ステアリルアルコール(C18H370H)、 ノナコサノール(C29H590H)、 ペンタデ
力ノール(C15H31OH)等の炭素数 4〜 3 0の範囲のアルキル鎖を持つもの が使用できる。 またアミン類として N—メチルへキシルァミン、 ノニル ァミン、 ステアリルァミン、 ノナデシルァミン等が好適に使用できる。 フルォロアルキルアルコールとしては、 1ーメ トキシー (パーフルォロ 一 2—メチルー 1一プロペン) 、 へキサフルォロアセトン、 3—パーフ ルォロォクチルー 1 , 2—エポキシプロパン等が好適に使用できる。 不 飽和多価カルボン酸又はその無水物としては、 マレイン酸、 無水マレイ ン酸、 ィタコン酸、 無水ィタコン酸、 シトラコン酸、 無水シトラコン酸 等が一種又は二種以上使用できる。 なかでもマレイン酸、 無水マレイ—ン 酸がより好ましい。
合成炭化水素系ワックスは、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 フイシ ヤートツ口プッシュワックス、 aーォレフィン等が好適に使用できる。 不飽和多価カルボン酸又はその無水物をアルコール又はァミンを用い て重合させ、 次にこれをジクルミパーォキサイ ドゃターシャリ一プチル パーォキシィソプロピルモノカルボネート等の存在下で合成炭化水素系 ワックスに付加させることにより得ることができる。
添加量としては、 結着樹脂 1 0 0重量部に対して 2〜 9 0重量部添加 が好ましい。 好ましくは結着樹脂 1 0 0重量部に対して 5〜 5 0重量部、 より好ましくは 1 0〜 3 0重量部、 さらに好ましくは 1 5〜2 0重量部 添加する。 添加量が 2重量部未満であると、 定着性向上の効果が得られ ず、 9 0重量部を超えると貯蔵安定性に難点がある。
( 3 ) 樹脂
本実施形態のトナーの樹脂微粒子としては、 例えば熱可塑性結着樹脂 が挙げられる。 具体的には、 スチレン、 パラクロロスチレン、 α—メチ ルスチレン等のスチレン類; アクリル酸メチル、 アクリル酸ェチル、 ァ クリル酸 η—プロピル、 アクリル酸ラウリル、 アクリル酸 2—ェチルへ
キシル等ァクリル系単量体; メタタリル酸メチル、 メタクリル酸ェチル、 メタクリル酸 n—プロピル、 メタタリル酸ラウリル、 メタタリル酸 2— ェチルへキシル等のメタクリル系単量体; さらにアタリル酸、 メタタリ ル酸、 スチレンスルフォン酸ナトリ ゥム等のエチレン性不飽和酸単量 体; さらにアクリロニトリル、 メタタリロニトリル等のビニル二トリル 類; ビュルメチノレエーテル、 ビュルイソプチノレエーテル等のビ二/レエ一 テル類; ビュルメチルケトン、 ビュルェチルケトン、 ビュルイソプロべ ニノレケトン等のビニノレケトン類;エチレン、 プロピレン、 ブタジエンな どのォレフィン類などの単量体などの単独重合体、 それらの単量体を 2 種以上組み合せた共重合体、 又はそれらの混合物、 さらには、 エポキシ 樹脂、 ポリエステル樹脂、 ポリウレタン樹脂、 ポリアミ ド樹脂、 セル口 ース樹脂、 ポリエーテル樹脂等、 非ビニル縮合系樹脂、 又は、 それらと 前記ビニル系樹脂との混合物、 これらの共存下でビニル系単量体を重合 して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。 . これらの樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。 ビュル系樹脂の 場合、 イオン性界面活性剤.などを用いて乳化重合ゃシード重合により樹 脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。 前記ビニ ル系モノマーとしては、 例えば、 アクリル酸、 メタクリル酸、 マレイン 酸、 ケィ皮酸、 フマル酸、 ビニルスルフォン酸、 エチレンィ ミン、 ビニ ルビリジン、 ビュルァミンなどのビエル系高分子酸やビニル系高分子塩 基の原料となるモノマーが挙げられる。 本発明においては、 前記樹脂粒 子が、 前記ビュル系モノマーをモノマー成分として含有するのが好まし い。 本発明においては、 これらのビニル系モノマーの中でも、 ビュル系 樹脂の形成反応の容易性等の点でビニル系高分子酸がより好ましく、 具 体的にはアクリル酸、 メタクリル酸、 マレイン酸、 ケィ皮酸、 フマル酸 などの力ルボキシル基を解離基として有する解離性ビニル系モノマーが、
重合度やガラス転移点の制御の点で特に好ましい。
樹脂粒子分散液における前記樹脂粒子の含有量としては、 通常 5〜5 0重量%であり、 好ましくは 1 0〜 3 0重量%である。 樹脂、 ワックス 及びトナーの分子量は、 数種の単分散ポリスチレンを標準サンプルとす るゲル浸透クロマトグラフィー (G P C) によって測定された値である。 装置は、 東ソ一社製 HPLC8120シリーズ、 カラムは TSKgel superHM - H H4000/H3000/H2000(7.8mm径, 150mmX3)、 溶離液 T H F (テトラヒ ドロ フラン) 、 流量 0. 6 m 1 Zm i n、 試料濃度 0. 1 %、 注入量 2 0 μ L、 検出器 R I、 測定温度 4 0 °C、 測定前処理は試料を TH Fに溶解後 0. 4 5 / mのフィルターでろ過しシリカ等の添加剤を除去した樹脂成 分を測定する。 測定条件は、 対象試料の分子量分布が、 数種の単分散ポ リスチレン標準試料により得られる検量線における分子量の対数とカウ ント数が直線となる範囲内に包含される条件である。
また炭素数 4〜 3 0の長鎖アルキルアルコール、 不飽和多価カルボン 酸又はその無水物及び合成炭化水素系ワックスとの反応により得られる ワックスの測定は、 装置は WATERS製 GPC- 150 カラムは Shodex HT- 806M(8. Omml. D. - 30cmX2)、 溶離液は o—ジクロ口ベンゼン、 流量は 1. OmL/min, 試料濃度は 0. 3 %、 注入量は 2 0 0 z L、 検出器は R I、 測定温度は 1 3 0 °C、 測定前処理は試料を溶媒に溶解後 0. 5 μ mの金 属焼結フィルターでろ過処理した。 測定条件は、 対象試料の分子量分布 力 S、 数種の単分散ポリスチレン標準試料により得られる検量線における 分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される条件である。 また、 結着樹脂の軟化点は、 島津製作所の定荷重押出し形細管式レオ メータフローテスタ(CFT500)により、 1 c m3の試料を昇温速度 6 °CZ 分で加熱しながらプランジャーにより約 9. 8 X 1 0 5 N/m2の荷重 を与え、 直径 l mm、 長さ 1 mmのダイから押し出して、 このプランジ
ヤーのピス トンストロークと温度との関係における昇温温度特性との関 係から、 ピストンス トロークが立上り始める温度が流出開始温度 (T f b) 、 曲線の最低値と流出終了点の差の 1 2を求め、 それと曲線の最 低値を加えた点の位置における温度を 1 Z 2法における溶融温度 (軟化 点 Tm) となる。
また樹脂のガラス転移点は示差走査熱量計 (島津製作所 D S C— 5 0)を用い、 1 0 0°Cまで昇温し、 その温度にて 3分間放置した後、 降 温速度 1 0°CZm i nで室温まで冷却したサンプルを、 昇温速度 1 0 °C /m i nで昇温して熱履歴を測定した際に、 ガラス転移点以下のベース ラインの延長線とピークの立上り部分からピークの項点までの間での最 大傾斜を示す接線との交点の温度を言う。
ワックスの D S Cによる吸熱ピークの融点は、 示差走査熱量計 (島津 製作所 D S C— 5 0) を用い、 5°C/m i nで 2 0 0°Cまで昇温し、 5 „ 分間保温 1 0°Cまで急冷後、 1 5分間放置後 5°C/m i nで昇温させ、 吸熱 (融解) ピークから求めた。 セルに投入するサンプル量は 1 Omg ± 2 m gとした。
(4) 電荷制御剤
電荷制御剤としては、 アクリルスルホン酸系の重合体で、 スチレン系 モノマーと極性基としてスルホン酸基を有するァクリル酸系モノマーと のビニル共重合体が好ましい。 特にはアクリルアミ ドー 2—メチルプロ パンスルホン酸との共重合体が好ましい特性を発揮できる。 これらは乳 化重合時の樹脂モノマー(例えばスチレンモノマーが好適)に溶融させ、 モノマーを乳化重合させることで、 CC Aが添加された樹脂微粒子分散 体を作成することができる。
添加量は樹脂 1 00重量部に対し、 0. 1〜 5重量部が好ましい。 よ り好ましくは 0. 1〜2重量部、 さらに好ましくは 0. 5〜 1. 5重量
部である。 0. 1重量部よりも少ないと、 帯電作用効果が無くなる。 5 重部よりも多くなると分散が均一化しない。 カラー画像での色濁りが目 立ってくる。
(5) 顔料
本実施形態に使用される着色剤 (顔料) としては、 カーボンブラック、 C. I . ビグメント 'イェロー 1, 3, 74, 97, 98等のァセト酢酸ァリールァ ミ ド系モノァゾ黄色顔料、 C. I . ビグメント 'イェロー 12, 13, 14, 17 等のァセト酢酸ァリールアミ ド系ジスァゾ黄色顔料、 C. I . ソルベン トイエロー 19, 77, 79、 C . I . デイスパース 'イェロー 164が配合され、 特に好ましくは C. I . ビグメント 'イェロー 93, 180, 185のべンズイミ ダゾロン系顔料が好適である。
C. I . ピグメント . レッ ド 48, 49:1, 53:1, 57, 57:1, 81, 122, 5等の赤 色顔料、 C. I . ソルベント · レッ ド 49, 52, 58, 8等の赤色染料、 C. I . ビグネント ·プル一 1 5 : 3等のフタロシアニン及びその誘導体の青色 染顔料が 1種又は 2種類以上で配合される。 添加量は結着樹脂 1 0 0重 量部に対し、 3〜 8重量部が好ましい。
各粒子のメジアン径としては、 通常 1 μ m以下であり、 0. 0 1 ~ 1 μ mであるのが好ましい。 前記メジアン径が 1 /i mを超えると、 最終的 に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、 遊離粒子 が発生し、 性能や信頼性の低下を招き易い。 一方、 前記メジアン径が前 記範囲内にあると前記欠点がない上、 トナー間の偏在が減少し、 トナー 中の分散が良好となり、 性能や信頼性のパラツキが小さくなる点で有利 である。
(6) 外添剤
本実施形態では外添剤として、 シリカ、 アルミナ、 酸化チタン、 ジル コユア、 マグネシア、 フェライ ト、 マグネタイ ト等の金属酸化物微粉末、
チタン酸バリ ウム、 チタン酸カルシウム、 チタン酸ス トロンチウム等の チタン酸塩、 ジルコン酸バリウム、 ジルコン酸カルシウム、 ジルコン酸 ス ト口ンチウム等のジルコン酸塩あるいはこれらの混合物が用いられる c 外添剤は必要に応じて疎水化処理される。
シリ力に処理されるシリコーンオイル系の材料としては、 (化 1 ) 示されるものが好ましレ、。
(但し、 R 2は炭素数 1〜 3のアルキル基、 R 3は炭素数 1 ~ 3のアル キル基、 ハロゲン変性アルキル基、 フエニル基、 又は置換フエニル基、 R 1は炭素数 1〜 3のアルキル基、 又は炭素数 1〜 3のアルコキシ基、 m及び nは 1以上 1 0 0以下の整数、 全体としてランダム共重合体を示 し、 mと nのモノレ比は 1 0〜 9 0 : 9 0〜: 1 0である。 )
例えばジメチルシリコーンオイル、 メチルノヽィ ドロジェンシリコーン オイル、 メチルフエニルシリコーンオイル、 環状ジメチルシリコーンォ ィル、 エポキシ変性シリコーンオイル、 カルボキシル変性シリコーンォ ィル、 カルビノール変性シリコーンオイル、 メタクリル変性シリコーン オイル、 メルカプト変性シリコーンオイル、 ポリエーテル変性シリコー ンオイル、 メチルスチリル変性シリコーンオイル、 アルキル変性シリコ ーンオイル、 フッ素変性シリコーンオイル、 ァミノ変性シリコーンオイ ル、クロルフヱニル変成シリコーンオイルのうちの少なく とも 1種類以 上で処理されるシリカが好適に使用される。 例えば東レダウコーニング シリ コーン社の商品名 SH200, SH510, SF230, SH203, BY16— 823, BY16— 855B 等が挙げられる。 処理は無機微粉末とシリ コーンオイル等の材料とをへ
ンシェルミキサ等の混合機により混合する方法や、 シリカへシリコーン オイル系の材料を嘖霧する方法、 溶剤にシリコーンオイル系の材料を溶 解或いは分散させた後、 シリカ微粉末と混合した後、 溶剤を除去して作 成する方法等がある。 無機微粉末 1 0 0重量部に対して、 シリコーンォ ィル系の材料は 1〜 2 0重量部配合されるのが好ましい。
シランカップリングR •剤としては、 ジメチルジクロロシラン、 トリメチ ルクロルシラン、 ァリルジメチルクロルシラン、 へキサメチルジシラザ ン、 ァリルフエニルジクロルシラン、 ベンジルメチルクロルシラン、 ビ ニルトリエトキシシラン、 γ—メタクリルォキシプロピルトリメ トキ'シ シラン、 ビュルトリァセトキシシラン、 ジビニルクロルシラン、 ジメチ ルビニルクロルシラン等がある。 シランカップリング剤処理は、 微粉体 を攪拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤 を反応させる乾式処理又は、 微粉体を溶媒中に分散させたシラン力ップ リング剤を滴下反応させる湿式法等により処理される。
またシラン力ップリング処理した後にシリコーンオイル系の材料を処 理することも好ましい。 .
正極帯電性を有する無機微粉末はアミノシランや (化 2 ) に示される ァミノ変性シリコーンオイル、 エポキシ変性シリコーンオイルで処理さ れる。 1 R1 R1 R1 R1
R。一 S i -0— (S i -0) m- (S i -0-) n- (S i一 0 -) q-S i -R6
R。 R R2 R2 R5
3
N
K K (化 2 )
(但し、 尺 及ぴ!^ ま水素、 炭素数 1〜 3のアルキル基、 アルコキシ
基、 又はァリール基、 R 2は炭素数 1 〜 3のアルキレン基、 又はフエ二 レン基、 R 3は窒素複素環を含む有機基、 R 4及び R 5は水素、 炭素数 1 〜 3のアルキル基、 又はァリール基、 mは 1以上の数、 n及び qは 0を 含む正の整数、 n + 1は 1以上の正の数、 全体としてランダム共重合体 を示す。 )
また、 疎水性処理を高めるため、 へキサメチルジシラザンゃジメチル ジク口口シラン、 他のシリコーンオイルによる処 aの併用も好ましい。 例えば、 ジメチルシリコーンオイル、 メチルフエ二ルシリコーンオイル、 アルキル変性シリコーンオイルのうちの少なく とも 1種類以上で処理す ることが好ましい。
また、 脂肪酸エステル、 脂肪酸アミ ド、 脂肪酸金属塩により無機微粉 末の表面を処理することも好ましい。 いずれか 1種又は 2種以上を表面 処理したシリカ又は酸化チタン微粉末がより好ましい。 脂肪酸、 脂肪酸 金属塩としては、 力プリル酸、 力プリン酸、 ゥンデシル酸、 ラウリル酸、 ミスチリン酸、 パリ ミチン酸、 ステアリン酸、 ベヘン酸、 モンタン酸、 ラタセル酸、 ォレイン酸、 .エル力酸、 ソルビン酸、 リノール酸等が挙げ られる。 中でも炭素数 1 4 〜 2 0の脂肪酸が好ましい。
また脂肪酸金属塩を構成する金属としては、 アルミニウム、 亜鉛、 力 ルシゥム、 マグネシウム、 リチウム、 ナトリウム、 鉛、 バリウムが挙げ られ、 中でもアルミニウム、 亜鉛、 ナトリウムが好ましい。 特に好まし くはジステアリン酸アルミニウム(A1 (0H) (C17H35C00) 2)、 又はモノステ ァリン酸アルミニウム(A1 (0H) 2 (C17H35C00) )、 等のジ脂肪酸アルミユウ ム、 モノ脂肪酸アルミニウムが好ましい。 O H基を有することが過帯電 を防止し、 転写不良を抑えることができる。 また処理時にシリカ等の無 機微粉末との処理性が向上するものと考えられる。
また、 小粒径トナーのハンドリング性を向上でき、 現像、 転写におい
て高画質化と転写性向上の両立を図ることができる。 現像においては潜 像をより忠実に再現できる。 そして転写の際のトナー粒子の転写率を悪 化させることなく転写できる。 またタンデム転写においても再転写を防 止でき、 中抜けの発生の抑制が可能となる。 さらには現像量を少なく し ても高画像濃度を得ることができる。 また後述するキャリアと組合せた 使用により、 耐スペント性をより向上でき、 現像器内でのハンドリング 性を向上させトナー濃度の均一性を上げることが出きる。 また現像メモ リー発生を抑制できる。
平均粒子径 6 nm〜20 0 nmである無機微粉末をトナー母体粒子— 1 0 0重量部に対し 1〜 6重量部外添処理する構成が好ましい。 平均粒子 径 6 nmよりも小さいと、 シリ力浮遊や感光体へのフイルミングが生じ 易い。 転写時の逆転写の発生を抑さえ切れない。 2 0 0 nmよりも大き くなると、 トナーの流動性が悪化する。 1. 5重量部よりも少ないと ト ナ一の流動性が悪化する。 転写時の逆転写の発生を抑さえ切れない。 6 重量部よりも多いとシリカ浮遊や感光体へのフイルミングが生じ易い。 高温オフセット性を悪化される。
さらには、 平均粒子径が 6 nm〜 2 0 nmである無機微粉末をトナー 母体粒子 1 0 0重量部に対し 0. 5〜2. 5重量部と、 20 nm〜20 0 nmである無機微粉末をトナー母体粒子 1 0 0重量部に対し 0. 5〜 3. 5重量部とを少なくとも外添処理する構成が好ましい。 この構成に より機能分離したシリカの使用で、 現像でのハンドリング性、 転写時の 逆転写、 中抜け、 飛散りに対しよりマージンが取れる。 またキャリアへ のスペントを防止できる。 このとき平均粒子径が 6 nm~ 20 nmの無 機微粉末の強熱減量が 1. 5〜 2 5 w t %、 平均粒子径が 2 0 n m〜 2 0 0 11111の強熱減量が0. 5〜 2 3 w t %であることが好ましい。
シリカの強熱減量を特定することにより、 転写時の逆転写、 中抜け、
飛散りに対しよりマージンが取れる。 また先述したキヤリァゃワックス と組合せた使用により、 耐スペント性をより向上でき、 現像器内でのハ ンドリング性を向上させトナー濃度の均一性を上げることが出きる。 ま た現像メモリ一発生を抑制できる。
平均粒子径が 6 n m〜 2 0 n mの強熱減量が 1. 5 w t %よりも少な いと、 逆転写、 中抜けに対する転写マージンが狭くなる。 2 5 w t %よ りも多くなると、 表面処理がムラになり、 帯電のパラツキが生じる。 好 ましくは強熱減量が 1. 5〜2 0 w t %、 より好ましくは 5〜: 1 9 w t %である。 ― 平均粒子径が 20 ηπ!〜 200 nmの強熱減量が 0. 5 w t。/。よりも 少ないと、 逆転写、 中抜けに対する転写マージンが狭くなる。 2 3 w t %よりも多くなると、 表面処理がムラになり、 帯電のパラツキが生じ る。 好ましくは強熱減量が 1. 5〜 1 8 w t %、 より好ましくは 5〜 1 6 w t %である。
さらには、 平均粒子径 6 ηπ!〜 2 0 0 nm、 強熱減量が 0. 5〜2 5 w t %である正帯電性無機微粉末をさらにトナー母体粒子 1 00重量部 に対し 0. 2〜1. 5重量部を外添処理する構成も好ましい。
正帯電性無機微粉末を添加する効果は、 トナーが長期連続使用の際に 過帯電になることを抑え、 より現像剤寿命を延ばすことが可能となる。 さらには過帯電による転写時の飛散りを抑える効果も得られる。 またキ ャリアへのスペントを防止できる。 0. 2重量部よりも少ないとその効 果が得にくい。 1. 5重量部よりも多くなると、 現像でのかぶりが増大 する。 強熱減量は好ましくは 1. 5〜2 0 w t %、 より好ましくは 5〜 1 9 w t %である。
乾燥減量 (%) は、 予め乾燥、 放冷、 精秤した容器に試料約 1 gを取 り、 精秤する。 熱風乾燥器 (1 0 5°C± 1°C) で 2時間乾燥する。 デシ
ケータ中で 3 0分間放冷後その重量を精抨し次式より算出する。
乾燥減量 (%) = [乾燥による減量 (g ) Z試料量 (g ) ] X I 0 0 強熱減量は、 予め乾燥、 放冷、 精秤した磁性ルツボに試料約 1 gを取 り、 精秤する。 5 0 0 °Cに設定した電気炉中で 2時間強熱する。 デシケ ータ中で 1時間放冷後その重量を精秤し次式より算出する。
強熱減量 (%) = [強熱による減量 (g ) Z試料量 (g ) ] X I 0 0 また処理された無機微粉末の水分吸着量が 1 w t %以下であることが 好ましい。 好ましくは 0. 5 w t °/o以下、 より好ましくは◦. l w t % 以下、 さらに好ましくは 0. 0 5 w t %以下である。 l w t %より多—レヽ と、 帯電性の低下、 耐久時の感光体へのフィルミングを生じる。 水分吸 着量の測定は、 水吸着装置については、 連続蒸気吸着装置 (B E L S O R P 1 8 : 日本ベル株式会社) にて測定した。
疎水化度の測定は、 2 5 0 m 1のビーカー中に装入した蒸留水 5 0 m 1に試験すべき生成物 0. 2 gを秤取する。 先端に、 液体中に浸威して いるビュレツトからメタノールを無機微粉末の総量がぬれるまで滴下す る。 その際不断に電磁攪拌機でゆっく りと攪拌する。 完全に濡らすため に必須なメタノール量 a (m l ) から次式により疎水化度が算出される。 疎水化度 = ( a / ( 5 0 + a ) ) X 1 0 0 (%)
( 7 ) トナーの粉体物性
本実施形態では、 結着樹脂、 着色剤及びワックスを含むトナー母体粒 子の体積平均粒径が 3〜 7 μ m、 個数分布における 2. 5 2〜4 πιの 粒径を有する トナー母'体粒子の含有量が 1 0〜 7 5個数%、 体積分布に おける 4〜 6. 0 6 μ mの粒径を有する トナー母体粒子が 2 5〜 7 5体 積%であり、 体積分布における 8 μ m以上の粒径を有するトナー母体粒 子が 5体積%以下で含有し、 体積分布における 4〜 6. 0 6 μ mの粒径 を有するトナー母体粒子の体積%を 4 6とし、 個数分布における 4〜
6. 0 6 μ mの粒径を有するトナー母体粒子の個数%を P 4 6としたと き、 P 4 6 /V 4 6が 0. 5〜 1. 5の範囲にあり、 体積平均粒径にお ける変動係数は 1 0〜2 5 %、 個数粒径分布の変動係数が 1 0〜2 8 % であることが好ましい。
好ましくは、 トナー母体粒子の体積平均粒径が 3〜6 . 5 μ πι、 個数 分布における 2. 5 2〜4 μ mの粒径を有する トナー母体粒子の含有量 が 2 0 ~ 7 5個数%、 体積分布における 4〜 6. 0 6 μ πιの粒径を有す るトナー母体粒子が 3 5〜 7 5体積%であり、 体積分布における 8 μ m 以上の粒径を有する トナー母体粒子が 3体積%以下で含有することで'あ る。 また、 体積分布における 4〜6. 0 6 Z mの粒径を有するトナー母 体粒子の体積%を 4 6とし、 個数分布における 4〜 6. 0 6 /x mの粒 径を有するトナー母体粒子の個数%を 4 6としたとき、 P 4 6 /V 4 6が 0. 5〜 1 . 3の範囲にあり、 体積平均粒径における変動係数は 1 0〜 2 0 %、 個数粒径分布の変動係数が 1 0〜 2 3 %であることが好ま しい。
さらに、 好ましくは、 トナー母体粒子の体積平均粒径が 3〜 5 μ m、 個数分布における 2. 5 2〜4 μ mの粒径を有するトナー母体粒子の含 有量が 4 0〜7 5個数。 /0、 体積分布における 4〜 6. 0 6 /x mの粒径を 有するトナー母体粒子が 4 5〜 7 5体積%であり、 体積分布における 8 μ πι以上の粒径を有するトナー母体粒子が 3体積%以下で含有すること である。 また、 体積分布における 4〜6. 0 6 μ mの粒径を有するトナ —母体粒子の体積%を 4 6とし、 個数分布における 4〜6. 0 6 ^ m の粒径を有する トナ一母体粒子の個数%を P 4 6としたとき、 P 4 6 Z V 4 6が 0. 5〜0. 9の範囲にあり、 体積平均粒径における変動係数 は 1 0〜 1 5 %、 個数粒径分布の変動係数が 1 0〜 1 8 %であることが 好ましい。
高解像度画質、 さらにはタンデム転写における逆転写の防止、 中抜け を防止し、 オイルレス定着との両立を図ることを可能とできる。 トナー 中の微粉はトナーの流動性、 画質、 貯蔵安定性、 感光体や現像ローラ、 転写体へのフィルミング、 経時特性、 転写性、 特にタンデム方式での多 層転写性に影響する。 さらにはオイルレス定着での非オフセッ ト性、 光 沢性、 透光性に影響する。 オイルレス定着実現のためにワックス等のヮ ックスを配合したトナーにおいて、 タンデム転写性との両立において微 粉量が影響する。
体積平均粒径が 7 μ mを超えると画質と転写の両立が図れない。 体積 平均粒径が 3 μ m未満であると現像でのトナー粒子のハンドリグ性が困 難となる。
個数分布における 2 . 5 2〜4 mの粒径を有する トナー母体粒子の 含有量が 1 0個数%未満になると、 画質と転写の両立が図れない。 7 5 個数%を超えると、 現像でのトナー母体粒子のハンドリグ性が困難とな る。 また感光体、 現像ローラ、 転写体へのフィルミングが発生しやすく なる。 さらに微粉は熱ローラとの付着性も大きいためオフセットしゃす い傾向にある。 またタンデム方式において、 トナーの凝集が強くなりや すく、 多層転写時に 2色目の転写不良を生じ易くなる。 適当な範囲が必 要となる。
体積分布における 4〜 6 . 0 6 ^ mの粒径を有する トナー母体粒子が
7 5体積%を超えると、 画質と転写の両立が図れない。 3 0体積%未満 になると、 画質の低下が生じる。
体積分布における 8 μ m以上の粒径を有する トナー母体粒子が 5体 積%を越えて含有すると、 画質の低下が生じる。 転写不良の原因となる。 体積分布における 4〜 6 . 0 6 ^ mの粒径を有する トナー母体粒子の 体積%を V 4 6とし、 個数分布における 4〜6 . 0 6 μ πιの粒径を有す
るトナー母体粒子の個数%を P 4 6としたとき、 P 4 6 / V 4 6が 0 . 5よりも小さいとき、 微粉存在量が過多になり、 流動性の低下、 転写性 の悪化、 地力プリが悪化する。 1 . 5よりも大きいときは、 大きい粒子 が多く存在しかつ粒度分布がブロードになり、 高画質化が図ることが出 来ない。
P 4 6 / V 4 6を規定する目的は、 トナー粒子を小粒径にして、 かつ その粒度分布を狭くするための指標とできる。
変動係数とはトナーの粒径における標準偏差を平均粒径で割ったもの である。 コールターカウンタ (コールター社) を使用して測定した粒—子 径をもとにしたものである。 標準偏差は、 n個の粒子系の測定を行なつ た時の、 各測定値の平均値からの差の 2乗を (n— 1 ) で割った値の平 方根であらわされる。
つまり変動係数とは粒度分布の広がり具合を表したもので、 体積粒径 分布の変動係数が 1 0 %未満、 又は個数粒径分布の変動係数が 1 0 %未 満となると、 生産的に困難であり、 コス トアップの要因となる。 体積粒 径分布の変動係数が 2 5 %より大、 又は個数粒径分布の変動係数が 2 8 %より大きくなると、 粒度分布がブロードとなり、 トナーの凝集性が 強くなり、 感光体へのフィルミング、 転写不良、 クリーナーレスプロセ スでの残留トナーの回収が困難となる。
粒度分布測定は、 コールターカウンタ T A— I I型 (コールター力ゥン タ社) を用い、 個数分布、 体積分布を出力するインターフェイス (日科 機製) 及びパーソナルコンピュータを接続して測定する。 電解液は濃度 1 %となるよう界面活性剤 (ラウリル硫酸ナトリウム) を加えたもの 5 O m 1程度に被測定トナーを 2 m g程度加え、 試料を懸濁した電解液ほ 超音波分散器で約 3分間分散処理を行い、 コールターカウンタ T A— I I 型にてアパーチャ一 7 0 μ mのアパーチャ一を用いた。 7 0 μ mのァパ
一チヤ一系では、 粒度分布測定範囲は 1. 26 im〜50. 8 μηιであ るが、 2. 0 μπι未満の領域は外来ノイズ等の影響で測定精度や測定の 再現性が低いため実用的ではない。 よって測定領域を 2. 0 μπι〜50. 8 mとした。
(8) キャリア
本実施形態の樹脂被覆キャリアは、 キャリア芯材に、 アミノシラン力 ップリング剤を含有したフッ素変性シリコーン系樹脂からなる被覆樹脂 層を有するキヤリァが好適に使用される。
キャリア芯材には、 鉄粉系キャリア芯材、 フェライ ト.系キャリア芯'材、 マグネタイ ト系キャリア芯材、 また磁性体を樹脂中に分散した榭脂分散 型キヤリァ芯材等がある。
ここでフェライ ト系キヤリァ芯材の例としては、 一般的に下記式で表 される。
(M0)x(Fe203)Y (但し、 Mは Cu, Zn,Fe,Mg,Mn, Ca,Li,Ti,Ni,Sn,Sr,Al,Ba, Co,Mo等から選ばれる少なく とも 1種を含有する。 また X, Yは重量モ ル比を示し、 かつ条件 X + Y = 1 00を満たす。 )
フェライ ト系キャリア芯材は、 卩6203を主原料に、1^は(:ひ,2 ?6,1^,1^, じ3,1^,11,1^,3 5]:, 1,83,(:0,¾10等から選ばれる少なく とも 1種の酸化 物を混合して原料に用いる。
フェライ ト系キャリア芯材の製造方法の例としては、 まず上記各酸化 物等の原料を適量配合し、 湿式ボールミルで 1 0時間粉碎、 混合し、 乾 燥させた後、 9 50°Cで 4時間保持する。 これを湿式ポールミルで 24 時間粉砕し、 さらに結着剤としてポリビニルアルコール、 消泡剤、 分散 剤等を加え、 原料粒子径が 5 μ m以下のスラリーとする。 このスラリー を造粒乾燥し、 造粒物を得て、 酸素濃度をコントロールしながら 1 30 0°Cで 6時間保持した後、 粉砕、 さらに所望の粒度分布に分級して得る。
本発明の樹脂被覆層に用いる樹脂としては、 フッ素変性シリ コーン系 樹脂が必須である。 そのフッ素変性シリ コーン系樹脂としては、 パーフ ロロアルキル基含有の有機ケィ素化合物とポリオルガノシロキサンとの 反応から得られる架橋性フッ素変性シリコーン樹脂が好ましい。 ポリオ ルガノシロキサンとパーフロロアルキル基含有の有機ケィ素化合物との 配合比は、 ポリオルガノシロキサン 1 0 0重量部に対して、 パーフロロ アルキル基含有の有機ケィ素化合物が 3重量部以上 2 0重量部以下であ ることが好ましい。
ポリオルガノシロキサンは下記式 (化 3 ) 及び (化 4 ) から選ばれ—る 少なく とも一つの繰り返し単位を示すものが好ましい。
(但し、 R 1 , R 2は水素原子、 ハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、 メ トキ シ基、 炭素数 1〜4のァ /.レキル基またはフエニル基、 R 3, R 4は炭素 数 1〜4のアルキル基またはフエ二ル基を示し、 mは平均重合度であり 正の整数 (好ましくは 2以上 5 0 0以下の範囲、 さらに好ましくは 5以 上 2 0 0以下の範囲) を示す。 )
« (化 4 )
(但し、 R 1 , R 2はそれぞれ水素原子、 ハロゲン原子、 ヒ ドロキシ基、
メ トキシ基、 炭素数 1〜4のアルキル基、 フヱ-ル基、 R 3, R 4 , R 5 , R 6は炭素数 1〜4のアルキル基またはフエ二ル基を示し、 nは平均重 合度であり正の整数 (好ましくは 2以上 5 0 0以下の範囲、 さらに好ま しくは 5以上 2 0 0以下の範囲) を示す。 )
パーフロ口アルキル基含有の有機ケィ素化合物の例と しては、 CF3CH2CH2Si (0CH3) 3, C4F9CH2CH2Si (CH3) (0CH3) 2, C8F17CH2CH2Si (0CH3) 3, C8F17CH 2CH2Si (0C2H5) 3, (CF3) 2CF (CF2) 8CH2CH2Si (0CH3) 3等が挙げられる。 この中で は特にトリフロロプロピル基を有するものが好ましい。
また、 本実施形態においては、 アミノシランカップリング剤を被覆'樹 脂層に含有させる。 このアミノシランカップリング剤としては公知のも のでよく、 例えば γ—(2—アミノエチル)アミノプロピルトリメ トキシ シラン、 γ—(2—アミノエチル)アミノプロピルメチルジメ トキシシラ ン、 ォクタデシルメチル [ 3—(トリメ トキシシリル)プロピル]アンモニ • ゥムクロライ ド(上から SH6020, SZ6023, ΑΥ43- 021:共に東レダウコーニン グシリコーン社製商品名), ΚΒΜ602,ΚΒΜ603,ΚΒΕ903,ΚΒΜ573 (信越シリコー ン社製商品名)等が挙げら.れるが、 特に、 1級ァミンが好ましい。 メチ ル基、 ェチル基、 フエ-ル基等で置換された 2級又は 3級のァミンでは 極性が弱く、 トナーとの帯電立ち上がり特性に対して効果が少ない。 ま た、 ァミノ基の部分が、 アミノメチル基、 アミノエチル基、 ァミノフエ -ル基になると、 シランカップリング剤の最先端は、 1級ァミンである 力 S、 シランから伸びる直鎖の有機基中のアミノ基は、 トナーとの帯電立 ち上がり特性に寄与せず、 逆に高湿時に水分の影響を受けるため、 最先 端のァミノ基により初期のトナーとの帯電付与能力は有するものの、 印 刷時に帯電付与能力が下がり、 最終的には寿命が短いものとなる。
そこでこのようなアミノシランカツプリング剤とフッ素変性シリコ一 ン樹脂を併用して用いることにより、 トナーに対して、 シャープな帯電
量分布を確保したまま、 負帯電性を付与でき、 かつ補給されたトナーに 対し、 早い帯電立ち上がり性を有し、 トナー消費量を低減させることが できる。 さらに、 アミノシランカップリング剤が架橋剤の如き効果を発 現し、 ベース樹脂であるフッ素変性シリコーン樹脂層の架橋度を向上さ せ、 被膜樹脂硬度をさらに向上させ、 長期使用での摩耗 ·剥離等が低減 でき、 耐スベント性を向上させ、 帯電付与能力の低下が抑えられて帯電 の安定化が図られ、 耐久性が向上する。
さらに前述したトナーの構成において、 低融点のヮックスを一定量以 上添加したトナー表面は略樹脂のみであるため、 帯電性がやや不安定'な 面がある。 例えば帯電性が弱く、 また帯電立ち上がり性が遅くなるケー スが想定され、 カプリ、 全面ベタ画像の均一性が低下し、 また転写時に 文字飛び、 中抜けが発生しやすくなるが、 トナーと本キャリアを組合せ て使用することにより、 上記課題が改善され、 現像器内でのハンドリ ン グ性が向上し、 画像上において現像の奥側と手前側での濃度の均一性が 向上する。 またベタ画像採取後に履歴が残るいわゆる現像メモリーも低 減できる。
アミノシランカップリング剤の使用割合としては、 樹脂に対して、 5 〜4 0重量%、 好ましくは 1 0〜3 0重量%である。 5重量%未満であ るとアミノシランカツプリング剤の効果がなく、 4 0重量%を越えると 樹脂被覆層の架橋度が高くなり過ぎ、 チャージアップ現象を引き起こし 易くなり、 現像性不足等の画像欠陥の発生原因となることがある。
また、 帯電安定化のため, チャージアップを防止するため、 樹脂被覆 層には導電性微粒子を含有することも可能である。 導電性微粒子として は、 オイノレファーネスカーボンやアセチレンブラックのカーボンブラッ ク、 酸化チタン、 酸化亜鉛などの半導電性酸化物、 酸化チタン、 酸化亜 鉛、 硫酸バリウム、 ホウ酸アルミニウム、 チタン酸カリウム等の粉末表
面を酸化スズゃカーボンブラック、 金属で被覆したもの等が挙げられ、 その固有抵抗が 1 0 1。 Ω · c m以下のものが好ましい。 導電性微粒子 を用いる場合の含有量は 1〜 1 5重量%が好ましい。 導電性微粒子は、 樹脂被覆層に対し、 ある程度の含有量であれば、 フイラ—効果により樹 脂被覆層の硬度の向上をもたらすが、 1 5重量%を越えると、 逆に樹脂 被覆層の形成を阻害し、 密着性 ·硬度の低下の原因となる。 さらには、 フルカラ—現像剤における導電性微粒子の過剰の含有量は、 紙面上に転 写 '定着されたトナーの色汚れの原因となる。
本発明に用いるキヤリァの平均粒径は 2 0〜 7 0 μ mが好ましい。 'キ ャリアの平均粒径が 2 0 / m未満では、 キャリア粒子の分布において微 粒子の存在率が高くなり、 それらのキヤリァ粒子はキヤリァ 1粒子当た りの磁化が低くなるため、 キャリアが感光体に現像されやすくなる。 ま た、 キャリアの平均粒子が 7 0 μ mを超えると、 キャリア粒子の比表面 積が小さくなり、 トナー保持力が弱くなるため、 トナー飛散が発生する。 また、 ベタ部分の多いフルカラーでは、 特にベタ部の再現が悪く好まし くない。
キャリア芯材上に被覆層を形成する方法には、 特に制限はなく、 公知 の被覆方法、 例えば、 キャリア芯材である粉末を、 被膜層形成用溶液中 に浸漬する浸漬法、 被膜層形成用溶液をキヤリァ芯材の表面に噴霧する スプレー法、 キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層 形成用溶液を噴霧する流動床法、 ニーダーコ一ター中でキヤリァ芯材と 被膜層形成用溶液を混合し、 溶剤を除去するニーダーコ一ター法等の湿 式被覆方法の他、 粉末状の樹脂とキャリア芯材とを高速混合し、 その摩 擦熱を利用することで樹脂粉末をキヤリァ芯材表面に融着被覆する乾式 被覆方法等が挙げられ、 いずれも適用することができるが、 本発明にお けるアミノシランカツプリング剤を含有するフッ素変性シリコーン系榭
脂の被覆においては、 湿式被覆方法が特に好ましく用いられる。
被膜層形成用塗布液に使用する溶剤は、 前記コート榭脂を溶解するも のであれば特に限定されるものではなく、 用いられるコート樹脂に適合 するように選択することができる。 一般的には、 例えば、 トルエン、 キ シレン等の芳香族炭化水素類、 アセトン、 メチルェチルケトン等のケト ン類、 テトラヒ ドロフラン、 ジォキサンなどのエーテル類が使用できる。 樹脂被覆量はキャリア芯材に対し、 0 . 2〜6 . 0重量%が好ましく、 より好ましくは 0 . 5〜5 . 0重量%、 さらに好ましくは 0 . 6〜4 . 0重量%、 0 . 7〜3重量%である。 樹脂の被覆量が 0 . 2重量%未 '満 になると、 キャリア表面に均一な被覆を形成することができずキャリア 芯材の特性の影響を大きく受けてしまい、 本発明のフッ素変性シリコ一 ン樹脂とアミノシランカツプリング剤の効果を充分に発揮できない。 6 . 0重量%を超えると被覆層が厚くなり過ぎ、 キヤリァ粒子同士の造粒が 発生し、 均一なキャリア粒子が得られない傾向にある。
このようにして、 キヤリァ芯材表面にアミノシランカツプリング剤を 含有するフッ素変性シリ ーン樹脂を被覆した後には、 焼き付け処理を 施すことが好ましい。 焼き付け処理を施す手段としては、 特に制限はな く、 外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、 例えば、 固定式 又は流動式電気炉、 ロータリーキルン式電気炉、 バーナー炉でもよく、 もしくはマイクロ波による焼き付けでもよい。 ただし、 焼き付け処理の 温度に関しては、 樹脂被覆層の耐スペント性を向上さるというフッ素シ リコーンの効果を効率よく発現させるために、 2 0 0〜3 5 0 °Cの高温 で処理することが好ましく、 より好ましくは、 2 2 0〜2 8 0 °Cである。 処理時間は 1 . 5〜2 . 5時間が好ましい。 処理温度が低いと被膜樹脂 き体の硬度が低下する。 処理温度が高すぎると帯電低下が生じる。
( 9 ) 二成分現像
現像プロセスでは、 感光体と現像ローラ間には直流バイアスと共に交 流バイアスを印加する。 そのときの周波数が 1〜 1 0 kH z、 交流バイ ァスが 1. 0〜2. 5 k V (p - p ) であり、 かつ感光体と現像ローラ 間の周速度比が 1 : 1. 2〜1 : 2であることが好ましい。 より好まし くは周波数が 3. 5〜 8 k H z、 交流バイアスが 1. 2〜2. 0 k V (p -p) であり、 かつ感光体と現像ローラ間の周速度比が 1 : 1. 5 〜1 : 1. 8である。 更に好ましくは周波数が 5. 5〜7 kHz、 交流 バイアスが 1. 5〜2. 0 k V (p - p ) であり、 かつ感光体と現像口 ーラ間の周速度比が 1 : 1. 6〜: 1 : 1. 8である。 ― この現像プロセス構成と本実施形態のトナー又は二成分現像剤の使用 により、 ドットを忠実に再現でき、 原稿濃度と出力された画像の濃度比 例させる (現像 γ特性をねかせる特性ともいう。 ) ことができる。 高画 質画像とオイルレス定着性を両立できる。 また高抵抗キヤリァでも低湿 下でのチャージアップを防止でき、 連続使用においても高画像濃度を得 ることができる。
トナー表面が略樹脂主体であっても、 本キヤリァ組成と交流バイアス との併用により、 キャリアとの付着力を低減でき画像濃度を維持できる と共にカプリを低減でき、 ドットをも忠実に再現できるものと思われる。 周波数が 1 kH ζより小さいと、 ドット再現性が悪化し、 中間調再現 性が悪化する。 周波数が 1 0 k H zより大きくなると、 現像領域での追 随ができず、 効果が現れない。 この周波数の領域では高抵抗キャリアを 使用した二成分現像において、 現像ローラと感光体間よりもキャリアと トナー間での往復作用に働き、 トナーをキヤリァから微少に遊離させる 効果があり、 これにより ドット再現性、 中間調再現性が良好に行われ、 かつ高画像濃度を出すことが可能になる。
交流バイアスが 1. O kV (p - p ) より小さくなると、 チャージァ
ップの抑制の効果が得られず、 交流バイアスが 2. 5 k V (p - p) よ り大きくなるとカプリが増大する。 感光体と現像ローラ間の周速度比が 1 : 1. 2より小さいと (現像ローラが遅くなる) 画像濃度が得にくい c 感光体と現像ローラ間の周速度比が 1 : 2より大きくなると (現像ロー ラ速度が上がる) と トナー飛散が多くなる。
(1 0) タンデムカラープロセス
高速にカラー画像を形成するために、 本実施形態では、 感光体と帯電 手段と トナー担持体を含むトナー像形成ステーションを複数個有し、 像 担持体上に形成した静電潜像を顕像化したトナー像を、 前記像担持体—に 無端状の転写体を当接させて前記転写体に転写させる一次転写プロセス が順次連続して実行して、 前記転写体に多層の転写トナー画像を形成し、 その後前記転写体に形成した多層のトナー像を、 一括して紙や OHP等 の転写媒体に一括転写させる二次転写プロセスが実行されるよう構成さ れた転写プロセスにおいて、 第 1の一次転写位置から第 2の一次転写位 置までの距離を d l (mm) 、 感光体の周速度を v (mm/ s ) とした 場合、 d lZv≤ 0. 6 5となる転写位置構成を取る構成で、 マシンの 小型化と印字速度の両立を図るものである。 毎分 20枚 (A4) 以上処 理でき、 かつマシンが S OHO用途として使用できる大きさの小型化を 実現するためには、 複数のトナー像形成ステーション間を短く、 かつプ ロセス速度を高める構成が必須である。 その小型化と印字速度の両立の ためには上記値が 0. 65以下とする構成がミニマムと考えられる。
しかし、 このトナー像形成ステーション間を短い構成をとるとき、 例 えば 1色目のイェロートナーが一次転写された後、 次の 2色目のマゼン タトナーが一次転写されるまでの時間が極めて短く、 転写体の帯電緩和 又は転写されたトナーの電荷緩和が殆ど生じず、 イェロートナーの上に マゼンタ トナーを転写する際に、 マゼンタトナーがイェロートナーの電
荷作用により反発され、 転写効率の低下、 転写時の文字の中抜けという 問題が生じる。 さらに第 3色目のシアントナーの一次転写の時、 前のィ エロー、 マゼンタ トナーの上に転写される際にシアントナーの飛び散り, 転写不良、 転写中抜けが顕著に発生する。 さらに繰り返し使用している うちに特定粒径のトナーが選択的に現像され、 トナー粒子個々の流動性 が大きく異なると摩擦帯電する機会が異なるため、 帯電量のパラツキが 生じ、 より転写性の劣化を招いてしまう。
そこで、 本実施形態のトナー又は二成分現像剤を使用することにより、 帯電分布が安定化しトナーの過帯電を抑えると共に、 流動性変動を抑え ることができる。 そのため定着特性を犠牲にすることなく、 転写効率の 低下、 転写時の文字の中抜け、 逆転写を防止することができる。
( 1 1 ) オイルレスカラー定着
本実施形態では、 トナーを定着する手段にオイルを使用しないオイル レス定着構成の定着プロセスを具備する電子写真装置に好適に使用され る。 その加熱手段としては電磁誘導加熱がウォームアップ時間の短縮、 省エネの観点から好ましい.構成である。 磁場発生手段と、 電磁誘導によ' り発生する発熱層及び離型層を少なくとも有する回転加熱部材と、 該回 転加熱部材と一定の二ップを形成している回転加圧部材とを少なく とも 有する加熱加圧手段を使用して、 回転加熱部材と回転加圧部材間にトナ 一が転写された複写紙等の転写媒体を通過させ、 定着させる構成である。 その特徵として、 回転加熱部材のウォームアップ時間が従来のハロゲン ランプを使用している場合に比べて、 早い立ち上がり性を示す。 そのた め回転加圧部材が十分に昇温していない状態で複写の動作に入るため、 低温定着と広範囲な耐オフセット性が要求される。
構成としては、 加熱部材と定着部材を分離した定着ベルトを使用した 構成も好ましく使用される。 そのベルトとしては耐熱性と変形自在性と
を有するニッケル電錶ベルトゃポリイミ ドベルトの耐熱ベルトが好適に 用いられる。 離形性を向上するために表面層としてシリコーンゴム、 フ ッ素ゴム、 フッ素樹脂を用いるのが好ましい。
これらの定着においては、 従来は離型オイルを塗布してオフセットを 防止してきた。 オイルを使用せずに離型性を有するトナーにより、 離型 オイルを塗布する必要はなくなつた。 しかし、 離型オイルを塗布しない と帯電しやすく、 未定着のトナー像が加熱部材又は定着部材と近接する と帯電の影響により、 トナー飛びが生じる場合がある。 特に低温低湿下 において発生しやすい。 ― そこで、 本実施形態のトナーの使用により、 オイルを使用せずとも低 温定着と広範囲な耐オフセット性を実現でき、 カラー高透光性を得るこ とができる。 またトナーの過帯電性を抑制でき加熱部材又は定着部材と の帯電作用による トナーの飛ぴを抑えられる。
実施例
(キャリア製造例 1)
]^110換算で3 9. 7 m.o 1 %、 M g O換算で 9. 9 m o 1 %、 F e 203換算で4 9. 6 m o 1 %及び S r O換算で 0. 8 m o l %湿式ポ. ールミルで、 1 0時間粉枠し、 混合し、 乾燥させた後、 9 5 0°Cで 4時 間保持し、 仮焼成を行った。 これを湿式ボールミルで 2 4時間粉砕し、 次いでスプレードライヤにより造粒し、 乾燥し、 電気炉にて、 酸素濃度 2%雰囲気の中で 1 2 70°Cで 6時間保持し、 本焼成を行った。 その後、 解砕し、 さらに分級して平均粒径 5 0 μ m、 印加磁場が 30 0 0ェルス テツトの時の飽和磁化が 6 5 e mu//gであるフェライ ト粒子の芯材を 得た。
次に、 下記式 (化 5 ) で示される Rい R2がメチル基、 すなわち (CH3) 2 S i 02/2単位が 1 5. 4 m o 1 %、 下記式 (ィ匕 6 ) で示
される R 3がメチル基、 すなわち CH3 S i O 3/2単位が 84. 6 m o 1 %であるポリオルガノシロキサン 25 0 gと、 CF3CH2CH2 S i
R
(OCH3) 32 1 gとを反応させフッ素変性シリコーン樹脂を得た。 さらにそのフッ素変性シリコーン樹脂を固形分換算で 1 00 gとァミノ シランカップリング剤 ( γ—ァミノプロピルトリエトキシシラン) 1 0 gとを秤量し、 300 c cのトルエン溶剤に溶解させた。
(但し、 R1, R2, R 3, R4はメチル基、 mは平均重合度であり 0 0である。 )
(化 6)
(佴し、 R1, R2, R3, R4, R5, R6はメチル基、 nは平均重合度 であり 80である。 )
前記フェライ ト粒子 1 0 k gに対し、 液浸乾燥式被覆装置を用い、 上 記被覆樹脂溶液を 20分間攪拌することによりコーティングを行った。 その後 260°Cで 1時間焼き付けを行い、 キャリア A 1を得た。
(キヤリァ製造例 2)
C F a CH2 CH2 S i (O CH3) 3を C 8 F i 7 C H 2 C H 2 S i (O CH3) 3に変更した以外は、 製造例 1 と同様の工程でコア材を製造し、
コーティングを行い、 キャリア A 2を得た。
(キヤリァ製造例 3)
導電性カーボン (ケッチェンブラックインターナショナル社製 E C) を樹脂固形分に対し 5 w t %をボールミルにて分散した以外は、 製 造例 1と同様の工程でコア材を製造し、 コーティングを行い、 キャリア A 3を得た。
(キヤリァ製造例 4)
アミノシランカツプリング剤の添加量を 30 gに変更した以外は、 製 造例 3と同様の工程でコア材を製造し、 コーティングを行い、 キヤリ―ァ A 4を得た。
(キヤリァ製造例 5)
アミノシランカツプリング剤の添加量を 50 gに変更した以外は、 製 造例 3と同様の工程でコア材を製造し、 コーティングを行い、 キャリア b 1を得た。
(キャリア製造例 6)
被覆樹脂をス トレー トシリ コーン (東レ . ダウコーニング社製 SR - 24 1 1) を固形分換算で 1 00 g、 を秤量し、 300 c cのトルェ ン溶剤に溶解させた。 前記フェライ ト粒子 1 0 k gに対し、 液浸乾燥式 被覆装置を用い、 上記被覆樹脂溶液を 20分間攪拌することによりコー ティングを行った。 その後 21 0°Cで 1時間焼き付けを行い、 キャリア b 2を得た。
(キヤリァ製造例 7)
被覆榭脂をパーフルォロォクチルェチルァクリ レートノメタタリ レー ト共重合体を固形分換算で 100 gを秤量し、 300 c cのトルエン溶 剤に溶解させた。 前記フ ライ ト粒子 1 0 k gに対し、 液浸乾燥式被覆 装置を用い、 上記被覆樹脂溶液を 20分間攪拌することによりコーティ
ングを行った。 その後 200°Cで 1時間焼き付けを行い、 キャリア b 3 を得た。
(キヤリァ製造例 8)
被覆樹脂をァクリル変性シリコーン樹脂 (信越化学社製 KR— 9 7 06) を固形分換算で 1 00 gを秤量し、 300 c cの トルエン溶剤に 溶解させた。 前記フェライ ト粒子 1 0 k gに対し、 液浸乾燥式被覆装置 を用い、 上記被覆樹脂溶液を 20分間攪拌することによりコーティング を行った。 その後 2 10°Cで 1時間焼き付けを行い、 キャリア b 4を得 た。 -
[樹脂分散体の作成] ·
(表 1)に使用した樹脂の特性を示す。 Mnは数平均分子量、 Mwは重 量平均分子量, Mzは Z平均分子量、 Mpは分子量のピーク値、 Tm
(°C) は軟化点, T g (°C) はガラス転移点を示す。 スチレン、 n—プ チルアタリレート、 アクリル酸は配合量 (g) を示す。
【表 1】
(1)樹脂粒子分散液 R L 1の調製
スチレン 96 gと、 n—プチルアタリレート 24 gと、 アクリル酸 3. 6 gとからなるモノマー液を、 イオン交換水 200 g中にァニオン性界 面活性剤 (第 1工業製薬社製:ネオゲン RK) 3 g、 ドデカンチオール 6 g、 四臭化炭素 1. 2 gを用いて分散し、 これに過硫酸カリウム 1. 2 gを加えて、 70°Cで 6時間乳化重合を行った。 その後さらに 90 °C
で 3時間熟成処理を行い、 Mnが 3 900、 Mwが 1 0 900、 Mzが 37800、 M pが 8 1 00、 Tmが 1 1 5 °C、 T gが 43 °C、 中位径 が 0. 1 2 i mの樹脂粒子が分散した第一の樹脂粒子分散液 RL 1を調 製した。
(2)樹脂粒子分散液 R L 2の調製
スチレン 204 gと、 n—プチルアタリ レート 3 6 gと、 アクリル酸 3. 6 gとからなるモノマ一液を、 イオン交換水 400 g中にァニオン 性界面活性剤 (第 1工業製薬社製:ネオゲン RK) 6 g、 ドデカンチォ ール 6 g、 四臭化炭素 1. 2 gを用いて分散し、 これに過硫酸力リウ'ム 1. 2 gを加えて、 70°Cで 5時間乳化重合を行った。 その後さらに 9 0°Cで 5時間熟成処理を行い、 Mnが 6600、 Mwが 60 300、 M z力 S 259000、 Mpが8 1 00、 Tmが 1 28°C、 T g力 S55°C、 中位径が 0. 1 8 μπιの樹脂粒子が分散した第一の樹脂粒子分散液 RL ·2を調製した。
(3)樹脂粒子分散液 R L 3の調製
スチレン 204 gと、 n—ブチルアタリ レート 36 gと、 アクリル酸 3. 6 gとからなるモノマー液を、 イオン交換水 400 g中にァニオン 性界面活性剤 (第 1工業製薬社製:ネオゲン RK) 6 g、 ドデカンチォ ール 1 2 g、 四臭化炭素 2. 4 gを用いて分散し、 これに過硫酸力リウ ム 1. 2 gを加えて、 70°Cで 5時間乳化重合を行った。 その後さらに 90°Cで 2時間熟成処理を行い、 Mnが 2600、 Mwが 1 8300、 Mz力 96200、 Mpが 2 700、 Tmが 109° ( 、 T gが 45°C、 中位径が 0. 1 8 zmの樹脂粒子が分散した、 第一の樹脂粒子分散液 R L 3を調製した。
(4)樹脂粒子分散液 R H 4の調製
スチレン 1 02 gと、 n—プチルアタリ レート 1 8 gと、 アクリル酸
1. 8 gとからなるモノマー液を、 イオン交換水 2 0 0 g中にァニオン 性界面活性剤 (第 1工業製薬社製:ネオゲン RK) 3 g、 ドデカンチォ ール 0 g、 四臭化炭素 0 gを用いて分散し、 これに過硫酸カリウム 1. 2 gを加えて、 7 0°Cで 5時間乳化重合を行い、 Mnが 4 3 3 0 0、 M wが 2 6 2 0 0 0、 M z力 S 5 7 7 0 0 0、 Mpカ 1 8 2 0 0 0、 Tmが 1 9 7°C、 丁 8が7 7で、 中位径が 0. 1 2 mの樹脂粒子が分散した、 第二の樹脂粒子分散液 RH4を調製した。
(5)樹脂粒子分散液 RH 5の調製
サリチル酸アルミニウム金属錯体 (オリエント化学社製: E 8 8 ) ¾: 4 g溶融したスチレン 1 0 2 gと、 n—ブチルアタリレート 1 8 gと、 ァクリル酸 1. 8 gとからなるモノマー液を、 イオン交換水 2 0 0 g中 にァニオン性界面活性剤 (第 1工業製薬社製:ネオゲン RK) 3 g、 ド デカンチオール 0 g、 四臭化炭素 0 gを用いて分散し、 これに過硫酸力 リウム 1. 2 gを加えて、 7 0°Cで 5時間乳化重合を行い、 Mnが 4 1 0 0 0、 Mwが 2 4 2 0 0 0、 M z力 5 7 5 0 0 0、 Mp力 S 1 5 4 0 0 0、 Tn^S l 9 3°C、 T g 7 6 °C、 中位径が 0. 2 2 μ mの樹脂粒子 が分散した、 第二の樹脂粒子分散液 RH 5を調製した。
(実施例 2)
[顔料分散体の作成]
(表 2 )に使用した顔料を示す。
(1)着色剤粒子分散液 PM 1の調製
マゼンタ顔料 2 0 g (大日本インキ社製 KETR ED 3 0 9) 、 ァニ
オン性界面活性剤 2 g (第一工業製薬社製ネオゲン R) 、 イオン交換水 7 8 gを混合し、 超音波分散機を用いて発振周波数 3 O k H zで 2 0分 間分散を行って、 中位径が 0. 1 2 μ mの着色剤粒子が分散した着色剤 粒子分散液 PM 1を調製した。
(2)着色剤粒子分散液 P C 1の調製
シアン顔料 2 0 g (大日本ィンキ社製 K E T B LU E 1 1 1 ) 、 ァニ オン性界面活性剤 2 g (第一工業製薬社製ネオゲン R) 、 イオン交換水 7 8 gを混合し、 超音波分散機を用いて発振周波数 3 0 k H zで 2 0分 間分散を行って、 中位径が 0. 1 2 /z mの着色剤粒子が分散した着色'剤 粒子分散液 P C 1を調製した。
(3)着色剤粒子分散液 P Y 1の調製
イェロー顔料 2 0 g (山陽色素社製 P Y 7 4 ) 、 ァニオン性界面活性 剤 2 g (第一工業製薬社製ネオゲン R) 、 イオン交換水 7 8 gを混合し、 超音波分散機を用いて発振周波数 3 0 k H zで 2 0分間分散を行って、 中位径が 0. 1 2 μ πιの着色剤粒子が分散した着色剤粒子分散液 P Y 1 を調製した。
(4)着色剤粒子分散液 Ρ Β 1の調製
ブラック顔料 2 0 g (三菱化学社製 MA 1 0 0 S ) 、 ァニオン性界面 活性剤 2 g (第一工業製薬社製ネオゲン R) 、 イオン交換水 7 8 gを混 合し、 超音波分散機を用いて発振周波数 3 0 k H zで 2 0分間分散を行 つて、 中位径が 0. 1 2 mの着色剤粒子が分散した着色剤粒子分散液 P B 1を調製した。
(実施例 3 )
[ワックス分散体の作成]
表 3、 表 4、 表 5、 表 6に使用したワックスの特性を示す。
【表 3】
【表 5】
【表 6】
(1)ワックス粒子分散液 WA 1の調製
図 3に攪拌分散装置 4 0の概略図、 図 4に上から見た図を示す。 この 装置は水冷式ジャケットタイプであり、 4 1が外槽でその内部に冷却水 をライン 4 7から注入し、 ライン 4 8から排出して装置全体を冷却して いる。 4 2は被処理液をせき止める堰板で、 中央部に穴があけられてお り、 ここから処理された液が順次取り出しライン 4 5を通じて外部に取 り出される。 4 3は高速で回転する回転体であり、 シャフト 4 6に固定
され、 高速回転する。 回転体の側面には、 1〜 5 mm程度の穴があけら れており、 被処理液の移動が可能である。 槽は 1 2 O m lで、 被処理液 はその 2分の 1程度投入する。 回転体の速度 MAXは 5 Om/ sまで可 能である。 回転体の径は 5 2 mm、 槽の内径は 5 6 mmである。 4 4は 連続処理の場合の原料注入口である。 高圧処理やバッチ式のときは封印 している。
イオン交換水 7 0 gと、 ァニオン界面活性剤 (三洋化成工業社製 S C F) l g、 ノニオン界面活性剤 (日本乳化剤社製ニューコール 5 6 5 C) l g、 ワックス (W— 1 ) 2 8 gとを仕込み、 回転体の速度は 2'0 111 3で5111 1 11、 その後回転速度を 5 0 m/ sに上げ、 5 m i n fe;¾ した。 槽内の液温度は 9 2°Cに上昇した。 その熱でワックスが溶融し、 強いせん断力により微細なワックス粒子分散液 WA 1が形成された。
(2)ヮックス粒子分散液 WA 2の調製
(1)と同様の条件で、 イオン交換水 7 0 gと、 ァニオン界面活性剤 (三洋化成工業社製 S C F) l g、 ノニオン界面活性剤 (日本乳化剤社 製ニューコール 5 6 5 C) .1 g、 ワックス (W— 2) 2 8 gとを仕込み、 回転体の速度は 2 O mZ sで 3 m i n、 その後、 回転速度を 4 5 m/ s に上げ、 5 m i n処理し、 ワックス粒子分散液 WA 2を形成した。.
(3)ヮッタス粒子分散液 WA 3の調製
(1)と同様の条件で、 イオン交換水 7 0 gと、 ァニオン界面活性剤 (三洋化成工業社製 S C F) l g、 ノニオン界面活性剤 (日本乳化剤社 製ニューコール 5 6 5 C) l g、 ワックス (W— 2) 2 8 gとを仕込み、 回転体の速度は 2 0 m/ sで 3 m i n、 その後回転速度を 5 0 m/ sに 上げ、 4 m i n処理し、 ワックス粒子分散液 WA 3を形成した。
(4)ワックス粒子分散液 WA4の調製
図 5に攪拌分散装置の概略図、 図 6に上から見た図を示す。 8 0は原
料投入口、 8 2は固定体でフローティング構造としている。 8 1のばね により押し付けられ、 回転体 8 3の高速回転力との押し上げ力とにより 約 1 m〜 1 0 m狭ギヤップを形成している。 8 4はモータ(図示せ ず)につながるシャフトである。 原料投入口 8 0から投入された原料は、 固定体と回転体とのギャップ間で強いせん断力を受け、 液中で微細粒子 に分散される。 その処理された原料液は出口 8 6から排出される。 図 6 に上から見た図を示す。 排出される微粒子 8 5は放射状に飛ばされ、 そ れを密閉した容器に回収される。 回転体の外径は 1 0 O m mである。 原料液はあらかじめ加熱された水媒体中にワックスと界面活性剤を'プ レ分散させておき、 それを投入口 8 5 0から投入して、 瞬時に微細化処 理する。 供給量は lkg/h、 回転体の速度は M A X 1 0 0 m/ sで回転さ せた。 イオン交換水 7 0 gと、 ァニオン界面活性剤(三洋化成工業社製 S C F ) 1 g、 ノニオン界面活性剤(日本乳化剤社製ニューコール 565C) 1 g、 ワックス(W- 3) 2 8 gとを仕込み、 回転体の速度は 1 0 0 s、 供給量は 1 k g Z hで処理し、 ワックス粒子分散液 WA 4を形成した。
(5)ヮックス粒子分散液 WA 5の調製
(1)と同様の条件で、 イオン交換水 7 0 gと、 ァニオン界面活性剤 (三洋化成工業社製 S C F ) l g、 ノニオン界面活性剤 (日本乳化剤社 製ニューコール 5 6 5 C ) 1 g、 ワックス (W— 4 ) 2 8 gとを仕込み、 回転体の速度は 2 0 m/ sで 3 m i n、 その後回転速度を 4 0 m/ sに 上げ、 4 m i n処理し、 ワックス粒子分散液 WA 5を形成した。
(6)ヮックス粒子分散液 W A 6の調製
(4)と同様の条件で、 回転体の速度を 9 0 sで回転させ、 イオン 交換水 7 0 gと、 ァニオン界面活性剤(三洋化成工業社製 SCF) 1 g、 ノ ユオン界面活性剤(日本乳化剤社製ニューコール 5 6 5 C ) 1 g、 ヮック ス(W- 1) 2 8 gとを仕込み、 ヮックス粒子分散液 WA 6を形成した。
(7)ヮッタス粒子分散液 WA 7の調製
(1)と同様の条件で、 イオン交換水 7 0 gと、 ァニオン界面活性剤(三 洋化成工業社製 SCF) 1 g、 ノニオン界面活性剤(日本乳化剤社製ニュー コール 56501 g、 ワックス(W- 4) 2 8 gとを仕込み、 回転体の速度は 2 0 m/ sで 3 m i n、 その後回転速度を 4 0 m/ sに上げ、 4m i n処 理し、 ワックス粒子分散液 WA 7を形成した。
(8)ヮッタス粒子分散液 w a 8の調製
イオン交換水 7 0 gと、 ァニオン界面活性剤(三洋化成工業社製 SCF) l g、 ノニオン界面活性剤 (日本乳化剤社製ニューコール 5 6 5 C) 1 g、 パラフィンワックス (日本精鱲社製 HNP— 1 0、 融点 7 5°C) 2 8 gとを仕込み、 (1)と同様の条件で、 回転体の速度を 2 OmZ s とし て、 5m i n処理し、 ワックス粒子分散液 w a 8を形成した。
(9)ヮッタス粒子分散液 w a 9の調製
イオン交換水 7 ◦ gと、 ァニオン界面活性剤(三洋化成工業社製 SCF) l g、 ノニオン界面活性剤(日本乳化剤社製ニューコール 565C) 1 g、 フ イツシヤートロプッシュワックス(日本精鱲社製 FT0070,融点 7 2 °C) 2 8 gとを仕込み、 (1)と同様の条件で、 回転体の速度を 2 5 m/ s とし て、 5m i n処理し、 ワックス粒子分散液 w a 9を形成した。
(10)ヮッタス粒子分散液 w a 1 0の調製
イオン交換水 70 gと、 ァニオン界面活性剤 (三洋化成工業社製 S C F) l g、 ノ -オン界面活性剤 (日本乳化剤社製ニューコール 5 6 5 C) 1 g、 炭化水素系ワックス (日本精鐡社製 LU VAX 2 1 9 1、 融 点 8 3°C) 28 gとを仕込み、 ホモジナイザーにて 3 0 m i n処理し、 ワックス粒子分散液 w a 1 0を形成した。
(実施例 4)
[トナー母体の作成]
作製したトナーの組成を表 7に示す。 d 5 0 m) はトナー母体粒 子の体積平均粒径、 P 2は個数分布における 2. 5 2〜4 μ πιの粒径を 有するトナー母体粒子の含有個数。 /0量、 V 4 6は、 体積分布における 4 〜 6. 0 6 μ mの粒径を有するトナー母体粒子の含有体積%量 4 6は、 個数分布における 4〜 6. 0 6 μ mの粒径を有するトナー母体粒子の含 有個数%量、 P 8は、 体積分布における 8 μ πι以上の粒径を有するトナ 一母体粒子の含有体積%量を示す。
【表 7】
(1)トナー母体 M 1の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2 0 0 O m 1に、 第一の樹脂粒 子分散液 RL2を 2 0 4 g、 着色剤粒子分散液 PM1を 2 0 g、 ヮックス粒子 分散液 WA1を 5 0 g、 ィオン交換水 2 0 0 m lを投入し、 ホモジナイザ 一(IKA社製: ウルトラタラックス T50)を用いて 1 0 m i n混合して混合 粒子分散液を調製した。 得られた混合分散液の p Hは 5. 8であった。 その後、 得られた混合分散液に 1 N, N a OHを投入し、 p Hを 1 1 . 9とし、 その後 3 0 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 2 0 0 g添カ卩し、 1 0 m i n攪拌した。 その後 5 °C/m i nの速度で 2 2°Cから 7 0°Cま
で昇温し、 その後 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 8 5°Cに昇温 し、 5時間処理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子分散液の pHは 9. 3であった。
冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3回 洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6 時間乾燥させることにより トナー母体 Mlを得た。 体積平均粒径 4. 0 μπι、 変動係数 1 9. 8であった。
このとき混合分散液を作成したときの pHが 6. 0よりも高いと、 力 [] 熱して着色樹脂粒子を形成する際に、 液中の pH変動 (減少現象) が'大 きくなり、 粒子が粗大化してしまう。
水溶性無機塩の添加前及び加熱前の混合分散液の ρ Ηを調製する際、 9. 5よりも低いと形成された着色樹脂粒子が粗大化してしまう。 また pHを 1 2. 5とすると遊離ワックスが多くなりワックスを均一に内包 化することが困難になった。 凝集粒子が形成されたときの液の pHが 9. 5よりも高くなると凝集不良で遊離ヮッタスが多くなる。
(2) トナー母体 Μ 2の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 200 Om 1に、 第一の樹脂粒 子分散液 R L 2を 204 g、 着色剤粒子分散液 PM 1を 20 g、 ヮック ス粒子分散液 WA 3を 50 g、 イオン交換水 20 Om 1を投入し、 ホモ ジナイザー ( I KA社製: ウルトラタラックス T 50) を用いて 1 0m
1 n混合して混合粒子分散液を調製した。 得られた混合分散液の PHは
2. 8であった。
その後、 得られた混合分散液に 1 N, Na OHを投入し、 pHを 9. 7とし、 その後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添加し、 1 0m i n攪拌した。 その後 5 °C/m i nの速度で 22 °Cから 70 °Cま で昇温し、 その後 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 8 5°Cに昇温
し、 5時間処理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子分散液の p Hは 7. 2であった。
冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3回 洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6 時間乾燥させることにより トナー母体 M2を得た。 体積平均粒径 5. 7 /m、 変動係数 1 5. 9であった。
(3) トナー母体 M 3の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2000m 1に、 第一の樹脂粒子分 散液 RL2を 204 g、 着色剤粒子分散液 PM1を 20 g、 ヮックス粒子^散 液 WA5を 50 g、 イオン交換水 200 m 1を投入し、 ホモジナイザー (IKA社製: ウルトラタラックス T50)を用いて 1 Om i n混合して混合粒 子分散液を調製した。 得られた混合分散液の pHは 4. 2であった。 その後、 得られた混合分散液に 1 N, Na OHを投入し、 p Hを 1 1. 2とし、 その後 30%濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添加し、 1 0 m i n攪拌した。 その後 5 °C/m i nの速度で 22 °Cから 70 °Cま で昇温し、 その後 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 8 5°Cに昇温 し、 5時間処理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子分散液の pHは 8. 5であった。
冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3回 洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6 時間乾燥させることにより トナー母体 M3を得た。 体積平均粒径 4. 6 Atm、 変動係数 1 8. 7であった。
(4)トナー母体 M 4の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 200 Om 1に、 第一の樹脂粒 子分散液 RL1を 204 g、 着色剤粒子分散液 PM1を 20 g、 ヮックス粒子 分散液 WA2を 50 g、 イオン交換水 200 m 1を投入し、 ホモジナイザ
一(IKA社製: ウルトラタラックス T50)を用いて 1 Om i n混合して混合 粒子分散液を調製した。 得られた混合分散液の p Hは 5. 8であった。 その後、 得られた混合分散液に 1 N, N a OHを投入し、 pHを 1 1. 9とし、 その後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添カロし、 1 0m i n攪拌した。 その後 5 ^Ζπι i nの速度で 22 °Cから 70 °Cま で昇温し、 その後 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 85°Cに昇温 し、 5時間処理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子分散液の p Hは 9. 3であった。 体積平均粒径 3. 2 μηι、 変動係数 1 9. 1であった。 その後、 水温を 60 °Cとし、 第二のシェル用樹脂粒子分散液 RH 4'を 43 g添加し、 I N, Na OHを投入し、 pHを 8. 6とした。 水温を 80°Cの条件で 0. 5時間加熱し、 その後 1 N, HC 1 を添加し、 p H を 6. 6とした。 その後、 さらに 90°Cの条件で 2時間加熱した。
冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3回 洗浄を行った。 その後、 得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40 で 6時間乾燥させることにより、 体積平均粒径 4. 、 変動係数 20.
5のトナー母体 M 4を得た。
第二の樹脂粒子分散液(本実施例では R H 4 )を添加したときの p Hが 5. 0とすると、 第二の樹脂粒子の付着が起こりにく く、 遊離樹脂粒子 が増加した。 また pHを 9. 0とすると、 凝集粒子同士の二次凝集が発 生し、 粒子が粗大化した。
加熱処理後の pHを 3. 0とすると、 一旦付着した樹脂粒子が一部遊 離し、 微細粒子が発生した。 7. 0とすると、 凝集粒子の二次凝集が発 生し、 粒子が粗大化した。
(5) トナー母体 M 5の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2000m 1に、 第一の樹脂粒 子分散液 RL3を 204 g、 着色剤粒子分散液 PM1を 20 g、 ヮックス粒子
分散液 WA4を 50 g、 イオン交換水 200 m lを投入し、 ホモジナイザ 一(IKA社製: ウルトラタラックス T50)を用いて 1 Om i n混合して混合 粒子分散液を調製した。 得られた混合分散液の pHは 2. 2であった。 その後得られた混合分散液に 1 N, N a OHを投入し、 p Hを 9. 7 とし、 その後 30質量%濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添加 し、 1 0 m i n攪拌した。 その後 5 °C/m i nの速度で 2 2。Cから 7 0°Cまで昇温し、 その後、 70°Cで 2時間加熱した。 その後、 温度を 8 5°Cに昇温し、 5時間処理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子分散 液の pHは 7. 2であった。 体積平均粒径 4. 4 μ m, 変動係数 1 3'. 1であった。
その後、 水温を 60 °Cとし、 第二のシェル用樹脂粒子分散液 RH 4を 43 g添加し、 1 N, N a OHを投入し、 pHを 5. 0とした。
水温を 80°Cの条件で 2時間加熱し、 その後 1 N, HC 1 を添加し、 pHを 3. 4とした。 その後さらに 9 0°Cの条件で 2時間加熱した。 冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3回 洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6 時間乾燥させることにより、 体積平均粒径 5. 7 πι、 変動係数 1 3. 9のトナー母体 Μ 5を得た。
(6) トナー母体 Μ 6の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2000 m 1に、 第一の樹脂粒 子分散液 RL1を 204 g、 着色剤粒子分散液 PM1を 20 g、 ヮックス粒子 分散液 WA6を 50 g、 イオン交換水 20 Om 1を投入し、 ホモジナイザ 一(IKA社製: ウルトラタラックス T50)を用いて 1 Om i n混合して混合 粒子分散液を調製した。 得られた混合分散液の pHは 3. 8であった。 その後、 得られた混合分散液に 1 N, Na OHを投入し、 pHを 1 1. 2とし、 その後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添カロし、
1 0 m i n攪拌した。 その後 5°CZm i nの速度で 22。じから 70°Cま で昇温し、 その後 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 85°Cに昇温 し、 5時間処理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子分散液の pHは 8. 5であった。 体積平均粒径 4· Ι μπι、 変動係数 1 5. 6であった。 その後、 水温を 60°Cとし、 第二のシェル用樹脂粒子分散液 RH4を 43 g添加し、 I N, N a OHを投入し、 pHを 6. 8とした。
水温を 8 0°Cの条件で 1時間加熱し、 その後 1 N, HC 1を添加し、 pHを 5. 0とした。 その後さらに 90°Cの条件で 5時間加熱した。 冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3回 洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6 時間乾燥させることにより、 体積平均粒径 5. 2 μπι、 変動係数 1 6. 8のトナー母体 Μ 6を得た。
図 7に本実施例で得られたトナーの外観を ΤΕΜ (透過型電子顕微 鏡) にて観察した写真(1 5000倍)を示す。 図 7から明らかなとおり、 溶融したワックスが粒子の芯に存在し、 そのワックスを取り囲むように 樹脂及び顔料の溶融凝集層が形成され、 さらにその外側に溶融樹脂膜が 形成されている。 低融点のワックスが樹脂によって内包化される状態が 形成されている。
(7) トナー母体 Μ 7の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2000 m 1に、 第一の樹脂粒 子分散液 RL3を 204 g、 着色剤粒子分散液 PM1を 20 g、 ヮッタス粒子 分散液 WA7を 50 g、 イオン交換水 200 m 1 を投入し、 ホモジナイザ 一(IKA社製: ウルトラタラックス T50)を用いて 1 Om i n混合して混合 粒子分散液を調製した。 得られた混合分散液の pHは 4. 2であった。 その後、 得られた混合分散液に 1 N, N a OHを投入し、 pHを 1 1. 2とし、 その後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添カ卩し、
1 0 m i n攪拌した。 その後 5°CZm i nの速度で 2 2 から 70°Cま で昇温し、 その後 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 8 5°Cに昇温 し、 5時間処理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子分散液の pHは 8. 5であった。 体積平均粒径 4. Ο μπι、 変動係数 1 7. 2であった。 その後、 水温を 60°Cとし、 第二のシェル用樹脂粒子分散液 RH 5を 43 g添加し、 I N, N a OHを投入し、 pHを 6. 8とした。
' 水温を 8 0°Cの条件で 1時間加熱し、 その後 .1 N, HC 1を添加し、 pHを 5. 0とした。 その後さらに 90°Cの条件で 5時間加熱した。 冷却 、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3'回 洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6 時間乾燥させることにより、 体積平均粒径 5. l /im、 変動係数 1 7. 8のトナー母体 M 7を得た。
(8)トナー母体 M 8の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2000 m 1に、 20 w t %濃 度の樹脂粒子分散液 RL 3を 204 g、 20 w t %濃度の着色剤粒子分 散液 PM1を 20 g、 3 O.w t %濃度のワックス粒子分散液 WA 4を 5 0 g、 イオン交換水 200 m 1 を投入し、 ホモジナイザー ( I KA社 製: ウルトラタラックス T 50) を用いて 1 0m i n混合して混合粒子 分散液を調製した。
得られた粒子分散液に 1 N, N a OHを投入し、 p Hを 1 0. 5とし、 その後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添加し、 1 0m i n攪拌した。 その後 5°C/m i nの速度で 22°Cから 74°Cまで昇温 し、 その後 74でで 2時間加熱した。 その後 1 N, H C 1 を添加し、 p Hを 5. 8とし、 温度を 80°Cに昇温し、 2時間処理して体積平均粒径 4. 1 m、 変動係数 14. 1の凝集会合粒子を得た。
その後水温を 60 °Cとし、 pHを 8. 3とし、 20 w t %濃度のシェ
ル用樹脂粒子分散液 RH4を 43 g添加し、 30%濃度の硫酸マグネシ ゥム水溶液を 43 g添加した。 そして水温を 75 °Cの条件で 0. 5 h、 さらに 90°Cの条件で 2 h加熱した。 その後 1 N, HC 1 を添加し、 p Hを 5. 0とし、 9 5 °Cの条件で 5 h加熱した。 そして、 冷却後、 反応 生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3回洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6時間乾燥させる ことにより体積平均粒径 5. 9 /zm、 変動係数 14. 5のトナー母体 M 8を得た。
(9) トナー母体 M 9の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2000 m 1に、 20 w t %濃 度の樹脂粒子分散液 R L 1を 204 g、 20 w t %濃度の着色剤粒子分 散液 PM1を 20 g、 30 w t %濃度のワックス粒子分散液 WA 6を 5 0 g、 イオン交換水 2 0 0 m l を投入し、 ホモジナイザー ( I K A社 製: ウルトラタラックス T 50) を用いて 1 0 m i n混合して混合粒子 分散液を調製した。
得られた粒子分散液に 1 N, N a OHを投入し、 p Hを 1 0とし、 そ の後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添加し、 1 0 m i n攪拌した。 その後 5°C_ m i nの速度で 22でから 74 °Cまで昇温し、 その後 74°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 80°Cに昇温し、 2時間 処理して体積平均粒径 5. 1 m、 変動係数 22. 4の凝集会合粒子を 得た。
その後水温を 60°Cとし、 pHを 8. 3とし、 20w t %濃度のシェ ル用樹脂粒子分散液 RH 5を 43 g添加し、 30%濃度の硫酸マグネシ ゥム水溶液を 43 g添加した。 そして水温を 75 °Cの条件で 0. 5 h、 さらに 90°Cの条件で 2 h加熱した。 その後 1 N, H C 1を添加し、 p Hを 5. 0とし、 9 5 °Cの条件で 5 h加熱した。 そして、 冷却後、 反応
生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水にて 3回洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6時間乾燥させる ことにより体積平均粒径 6. Ι μπι、 変動係数 22. 1のトナー母体 Μ 9を得た。
(10)トナー母体 Μ 1 0の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2000m lに、 20w t %濃 度の樹脂粒子分散液 R L 3を 204 g、 20 w t %濃度の着色剤粒子分 散液 PM 1を 20 g、 30 w t %濃度のワックス粒子分散液 W A 7を 5 0 g、 イオン交換水 200 m l を投入し、 ホモジナイザー ( I ΚΑΪ土 製: ウルトラタラックス T 50) を用いて 1 0 m i n混合して混合粒子 分散液を調製した。
得られた粒子分散液に 1 N, N a OHを投入し、 p Hを 1 0とし、 そ の後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添加し、 1 0m i n攪拌した。 その後 5°C/m i nの速度で 22°Cから 74°Cまで昇温し、 その後 74 °Cで 2時間加熱した。 その後 1 N, HC 1 を添加し、 p Hを 5. 8とし、 温度を 80°C.に昇温し、 2時間処理して体積平均粒径 4. 6 μ πι、 変動係数 1 5. 2の凝集会合粒子を得た。
その後水温を 60°Cとし、 pHを 8. 3とし、 20w t %濃度のシェ ル用樹脂粒子分散液 RH 5を 43 g添加し、 30%濃度の硫酸マグネシ ゥム水溶液を 43 g添加した。 そして水温を 75 °Cの条件で 0. 5 h、 さらに 90°Cの条件で 2 h加熱した。 その後 1 N, HC 1 を添加し、 p Hを 5. 0とし、 95 °Cの条件で 5 h加熱した。 そして、 冷却後、 反応 生成物(トナー母体)をろ過し、 イオン交換水にて 3回洗浄を行った。 そ の後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 40°Cで 6時間乾燥させるこ とにより体積平均粒径 5. 4 μηι、 変動係数 14. 8のトナー母体 Ml 0を得た。
(11) トナー母体 m 1 1の作成 . ■
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 200 Om 1に、 樹脂粒子分散 液 RL 2を 204 g、 着色剤粒子分散液 PM1を 20 g、 ヮックス粒子 分散液 wa 8を 30 g、 イオン交換水 200 m lを投入し、 ホモジナイ ザ一 ( I KA社製: ウルトラタラックス T 50) を用いて 1 Om i n混 合して混合粒子分散液を調製した。 "
得られた混合粒子分散液に 1N, N a OHを投入し、 p Hを 9. 2とし、 その後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添加し、 1 0 m i n攪拌した。 その後 5°C/m i nの速度で 22°Cから 70°Cまで昇'温 し、 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 90°Cに昇温し、 5時間処 理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子の p Hは 6. 7であった。 そして、 冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水 にて 3回洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 4 0°Cで 6時間乾燥させることにより体積平均粒径 9. Ι μπι、 変動係数 31. 2のトナー母体 m 1 1を得た。
(12)トナー母体 m 1 2の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 200 Om 1に、 榭脂粒子分散 液 R L 2を 204 g、 着色剤粒子分散液 PM 1を 20 g、 ヮックス粒子 分散液 w a 9を 30 g、 イオン交換水 200m lを投入し、 ホモジナイ ザ一 ( I KA社製: ウルトラタラックス T 50) を用いて 1 0 m i n混 合して混合粒子分散液を調製した。
得られた混合粒子分'散液に IN, N a OHを投入し、 p Hを 9. 3とし、 その後 30 %濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 200 g添加し、 1 0m i n攪拌した。 その後 5°C/m i nの速度で 22でから 70°Cまで昇温 し、 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 85°Cに昇温し、 5時間処 理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子の pHは 6. 8であった。
そして、 冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水 にて 3回洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 4 0°Cで 6時間乾燥させることにより体積平均粒径 8. l z m、 変動係数 3 1. 8のトナー母体 m 1 2を得た。
(13)トナー母体 m 1 3の作成
温度計、 冷却管をある 4つ口フラスコ 2 0 0 Om 1に、 樹脂粒子分散 RL 2を 2 04 g、 着色剤粒子分散液 PM1を 20 g、 ヮックス粒子分 散液 w a 1 0を 30 g、 イオン交換水 2 0 0m lを投入し、 ホモジナイ ザ一 ( I KA社製: ウルトラタラックス T 5 0) を用いて 1.0 m i n混 合して混合粒子分散液を調製した。
得られた混合粒子分散液に 1N, N a OHを投入し、 p Hを 9. 2とし、 その後 3 0%濃度の硫酸マグネシウム水溶液を 20 0 g添加し、 1 0m i n攪拌した。 その後 5°C/ra i nの速度で 2 2 から 70°Cまで昇温 し、 その後 70°Cで 2時間加熱した。 その後温度を 8 5 °Cに昇温し、 5 時間処理して凝集粒子を得た。 得られた凝集粒子の p Hは 6. 7であつ た。 .
そして、 冷却後、 反応生成物 (トナー母体) をろ過し、 イオン交換水 にて 3回洗浄を行った。 その後得られたトナー母体を流動式乾燥機で 4 0°Cで 6時間乾燥させることにより体積平均粒径 7. 5 m、 変動係数 4 2. 9のトナー母体 m 1 3を得た。
表 8に本実施例で使用する外添剤を示す。 その帯電量はノンコートの フェライ トキヤリアとの摩擦帯電のブローオフ法により測定したもので ある。 2 5 °C, 4 5 RH%の環境下で、 1 00 m 1のポリエチレン容器 にキヤリア 5 0 gとシリ力等 0. 1 gを混合し、 縦回転にて lOOmin-1の 速度で 5分、 3 0分間攪拌した後、 0. 3 g採取し、 窒素ガス 1. 9 6 X 1 04 (P a) で 1分間プロ一した。
負帯電性では 5分値が -100〜 -800 μ C/gで、 30分の値が - 50〜 - 600 (/§であることが好ましい。 高い帯電量のシリカでは少量の添加量 で機能を発揮できる。
【表 8】
(表 9 ) に本実施例に本実施例で使用したトナー材料組成を示す c 他 の黒ト ~一、 シアントナー、 ィエロートナーは顔料に Ρ Β 1 , P C
P Y 1を使用して、 他の組成はマゼンタトナー組成と同様とした c 【表 9】
外添剤はトナー母体 1 00重量部に対する配合量 (重量部) を示して いる。 外添処理は FM20 Bにおいて、 攪拌羽根 Z O S O型、 回転数 2 000 m i n~ 処理時間 5m i n、 投入量 1 k gで行った。
図 1は本実施例で使用したフルカラー画像形成用の画像形成装置の構 成を示す断面図である。 図 1において、 カラー電子写真プリ ンタの外装 筐は省略している。 転写ベルトュニット 1 7は、 転写ベルト 1 2、 弾性 体よりなる第 1色 (イェロー) 転写ローラ 1 0Y、 第 2色 (マゼンタ) 転写ローラ 1 0Μ、 第 3色 (シアン) 転写ローラ 1 0 C、 第 4色 (ブラ ック) 転写ローラ 1 0 K、 アルミローラよりなる駆動ローラ 1 1、 弾性 体よりなる第 2転写ローラ 1 4、 第 2転写従動ローラ 1 3、 転写ベルト 1 2上に残ったトナー像をクリ一二ングするベルトクリ一ナブレード 1 6、 クリーナブレードに対向する位置にローラ 1 5を設けている。 この とき、 第 1色 (Υ) 転写位置から第 2色 (Μ) 転写位置までの距離は 7 O mm (第 2色 (M) 写位置から第 3色 (C) 転写位置、 第 3色 (C) 転写位置から第 4色 (K) 転写位置も同様距離) 、 感光体の周速 度は 1 2 5 mm/ sである。
転写ベルト l 2は、 絶縁性ポリカーボネート樹脂中に導電性のフイラ 一を混練して押出機にてフィルム化して用いる。 本実施例では、 絶縁性 樹脂としてポリカーボネート樹脂 (たとえば三菱ガス化学製, ユーピロ ン Z 3 0 0) 9 5重量部に、 導電性カーボン (たとえばケッチェンブラ ック) 5重量部を加えてフィルム化したものを用いた。 また、 表面にフ ッ素樹脂をコートし、 厚みは約 1 0 0 m、 体積抵抗は 1 07〜 1 012 Ω · c m、 表面抵抗は 1 07〜 1 012QZd(square)である。 ドット再 現性を向上ざせるためもある。 転写ベルト 1 2の長期使用による弛みや, 電荷の蓄積を有効に防止できるようにするためであり、 表面をフッ素 脂でコートしているのは、 長期使用による転写ベルト表面へのトナーフ イルミングを有効に防止できるようにするためである。 体積抵抗が 1 0 7 Ω · c mよりも小さいと、 再転写が生じ易く、 1 012 Q ' c mよりも 大きいと転写効率が悪化する。
第 1転写ローラは外径 8 mmのカーボン導電性の発泡ウレタンローラ で、 抵抗値は 1 02〜 1 06 Ωである。 第 1転写動作時には、 第 1転写 ローラ 1 0は、 転写ベル.ト 1 2を介して感光体 1に 1. 0〜 9. 8
(Ν) の押圧力で圧接され、 感光体上のトナーがベルト上に転写される。 抵抗値が 1 02 Ωよりも小さいと、 再転写が生じ易い。 1 06 Ωよりも 大きいと転写不良が生じ易くなる。 1. 0 (Ν) よりも小さいと転写不 良を生じ、 9. 8 (Ν) よりも大きいと転写文字抜けが生じる。
第 2転写ローラ 1 4は外径 1 0 mmのカーボン導電性の発泡ウレタン ローラで、 抵抗値は 1 02〜 1 06 Ωである。 第 2転写ローラ 1 4は、 転写ベルト 1 2及ぴ紙、 ΟΗΡ等の転写媒体 1 9とを介して転写ローラ 1 3に圧接される。 この転写ローラ 1 3は転写ベルト 1 2に従動回転可 能に構成している。 第 2次転写での第 2転写ローラ 1 4と対向転写ロー ラ 1 3とは 5. 0-2 1. 8 (Ν) の押圧力で圧接され、 紙等の記録材
上 1 9に転写ベルトから トナーが転写される。 抵抗値が 1 02 Ωよりも 小さいと、 再転写が生じ易い。 1 06 Ωよりもおおきと転写不良が生じ 易くなる。 5. 0 (N) より も小さいと転写不良となり、 2 1. 8 (N) よりも大きいと負荷が大きくなり、 ジッタが出やすくなる。
イェロー (Y) 、 マゼンタ (M) 、 シアン (C) 、 黒 (B) の各色用 の 4組の像形成ユニット 1 8 Y、 1 8M、 18 C、 1 8 Kが、 図のよう に直列状に配置されている。
各像形成ユニット 1 8Υ、 1 8M、 1 8 C、 1 8 K、 中に入れた現像 剤を除きそれぞれ同じ構成部材ょりなるので、 説明を簡略化 "るため Υ 用の像形成ユニット 1 8 Yについて説明し、 他色用のユニットの説明に ついては省略する。
像形成ユニットは以下のように構成されている。 1は感光体、 3は画 素レーザ信号光、 4は内部に 1 200ガウスの磁力を有する磁石を有す るアルミよりなる外径 1 0 mmの現像ローラで、 感光体とギヤップ 0. 3mmで対向し、 矢印の方向に回転する。 6は攪拌ローラで現像器内の トナーとキャリアを攪拌し、 現像ローラへ供給する。 キャリアと トナー の配合比を透磁率センサーにより読み取り(図示せず)、 トナーホ.ッパー (図示せず)から適時供給される構成である。 5は金属製の磁性ブレード で現像ローラ上に現像剤の磁気フ、ラシ層を規制する。 現像剤量は 1 50 g 投入している。 ギャップは 0. 4 mmとした。 電源は、 省略している力 現像ローラ 4には一 500 Vの直流と、 1. 5 kV ( p - p ) 、 周波数 6 kH zの交流電圧が印加される。 感光体と現像ローラ間の周速度比は 1 : 1. 6とした。 またトナーとキヤリァの混合比は 9 3 : 7とし、 現 像器中の現像剤量は 1 50 gで行った。
2はェピクロルヒ ドリンゴムよりなる外径 1 0 mmの帯電ローラで直 流バイアス一 1. 2 kVが印加される。 感光体 1表面を一 600 Vに帯
電する。 8はクリーナ、 9は廃トナーボックス、 7は現像剤である。 紙搬送は転写ュニット 1 7の下方から搬送され、 転写ベルト 1 2と第 2転写ローラ 1 4との圧接されたニップ部に紙給送ローラ(図示せず)に より紙 1 9が送られてくるように、 紙搬送路が形成されている。
転写ベルト 1 2上のトナーは第 2転写ローラ 1 4に印加された + 1 0 00 Vにより紙 1 '9に転写され、 定着ローラ 2 0 1、 加圧ローラ 2 0 2、 定着ベルト 2 0 3、 加熱媒体ローラ 2 04、 インダクションヒータ部 2 0 5から構成される定着部に搬送され、 ここで定着される。
図 2にその定着プロセス図を示す。 定着ローラ 20 1とヒートローラ 204との間にベルト 20 3がかけられている。 定着ローラ 20 1と加 圧ローラ 20 2との間に所定の加重がかけられており、 ベルト 20 3と 加圧ローラ 2 0 2との間で二ップが形成される。 ヒートローラ 2 04の 外部周面にはフェライ トコア 20 6、 とコイル 2 0 7よりなるインダク シヨンヒータ部 2 0 5が設けられ、 外面には温度センサー 2 0 8が配置 されている。
ベルトは 3 0 mの N i.を基体としてその上にシリコーンゴムを 1 5 0 /im、 さらにその上に P F Aチューブ 3 0 mの重ねあわせた構成で ある。
加圧ローラ 2 0 2は加圧パネ 20 9により定着ローラ 20 1に押しつ けられている。 トナー 2 1 0を有する記録材 1 9は、 案内板 2 1 1に沿 つて動く。
定着部材としての定着ローラ 2 0 1は、 長さが 25 0 mms 外径が 1 4mm、 厚さ 1 mmのァノレミニゥム製中空ローラ芯金 2 1 3の表面に、 J I S規格によるゴム硬度 ( J I S— A) が 20度のシリコーンゴムか らなる厚さ 3 mmの弾性層 2 1 4を設けている。 この上にシリコーンゴ ム層 2 1 5が 3 mmの厚みで形成され外径が約 2 Ommとなっている。
図示しない駆動モータから駆動力を受けて 1 2 5 mm/ sで回転する。 ヒートローラ 204は肉厚 1 mm、 外径 2 0 mmの中空パイプからな つている。 定着ベルト表面温度はサーミスタを用いて表面温度 1 7 0度 に制御した。
加圧部材としての加圧ローラ 20 2は、 長さが 2 5 0mm、 外径 2 0 mmである。 これは外径 1 6 mm, 厚さ l mmのアルミニウムからなる 中空ローラ芯金 2 1 6の表面に j I S規格によるゴム硬度 ( J I S—
A) が 5 5度のシリコーンゴムからなる厚さ 2mmの弾性層 2 1 7を設 けている。 この加圧ローラ 20 2は、 回^可能に設置されており、 片—側 1 4 7 Nのパネ加重のパネ 20 9によって定着ローラ 2 0 1との間で幅 5. 0 mmの二ップ幅を形成している。
以下、 動作について説明する。 フルカラーモードでは Y, M, C, K のすベての第一転写ローラ 1 0が押し上げられ、 転写ベルト 1 2を介し て像形成ユニッ トの感光体 1を押圧している。 この時第一転写ローラに は + 8 00 Vの直流バイアスが印加される。 画像信号がレーザ光 3から 送られ、 帯電ローラ 2により表面が帯電された感光体 1に入射し、 静電 潜像が形成される。 感光体 1と接触し回転する現像ローラ 4上のトナー が感光体 1に形成された静電潜像を顕像化する。
このとき像形成ュニット 1 8 Yの像形成の速度 (感光体の周速に等し い 1 2 5mm/ s ) と転写ベルト 1 2の移動速度は感光体速度が転写べ ルト速度よりも 0. 5〜1. 5 %遅くなるように設定されている。
像形成工程により、 Yの信号光 3 Yが像形成ュニッ ト 1 8 Yに入力さ れ、 Yトナーによる像形成が行われる。 像形成と同時に第 1転写ローラ 1 0 Yの作用で、 Yトナー像が感光体 1 Yから転写ベルト 1 2に転写さ れる。 このとき第 1転写ローラ 1 0 Yには + 8 0 0 Vの直流電圧を印加 した。
第 1色 (Y) 第一転写と第 2色 (Μ) 第一転写間のタイムラグを持た せて、 Μの信号光 3Μが像形成ユニット 1 8Μに入力され、 Μトナーに よる像形成が行われ、 像形成と同時に第 1転写ローラ 1 0Μの作用で、 Μトナー像が感光体 1 Μから転写ベルト 1 2に転写される。 このとき第 一色 (Υ) トナーが形成されている上に Μトナーが転写される。 同様に C (シアン) 、 Κ (ブラック) トナーによる像形成が行われ、 像形成と 同時に第 1転写ローラ 1 0 C、 1 0 Bの作用で、 YMCKトナー像が転 写ベルト 1 2上に形成される。 いわゆるタンデム方式と呼ばれる方式で ある。
転写ベルト 1 2上には 4色のトナー像が位置的に合致して重ね合わさ れカラー像が形成された。 最後の B トナー像の転写後、 4色のトナー像 はタイミングを合わせて給紙カセット (図示せず) から送られる紙 1 9 に、 第 2転写ローラ 14の作用で一括転写される。 このとき転写ローラ 1 3は接地し、 第 2転写ローラ 14には + 1 k Vの直流電圧を印加した。 紙に転写されたトナー像は定着ローラ対 20 1 · 202により定着され た。 紙はその後排出ローラ対 (図示せず) を経て装置外に排出された。 中間転写ベルト 1 2上に残った転写残りのトナーは、 クリーニングプレ ード 1 6の作用で清掃され次の像形成に備えた。
(表 1 0)に図 1の電子写真装置により、 画像出しを行った結果を示す。 (表 1 1 )ではトナーが, マゼンタ、 シアン、 イェローの 3色重なったフ ルカラ一画像における文字部での転写不良の状態、 及ぴ定着での定着べ ルトへの紙の卷付き性を評価した。
帯電量はフェライ トキヤリアとの摩擦帯電のブローオフ法により測定 したものである。 25° ( 、 相対湿度 45 %RHの環境下で、 耐久性評価 のサンプルを 0. 3 g採取し、 窒素ガス 1. 9 6 X 1 04 (P a ) で 1 分間ブローした。
【表 1 0】
【表 1 1】
現像剤を用いて画像出しを行ったところ、 横線の乱れやトナーの飛び 散り、 文字の中抜けなどがなくベタ黒画像が均一で、 1 6本 Zm mの画 線をも再現した極めて高解像度高画質の画像が得られ、 画像濃度 1 . 3 以上の高濃度の画像が得られた。 また、 非画像部の地力プリも発生して いなかった。 更に、 A 4用紙 1 0 0万枚の長期耐久テス トにおいても、 流動性、 画像濃度とも変化が少なく安定した特性を示した。 また現像時
の全面ベタ画像を取ったときの均一性も良好であった。 現像メモリーも 発生していない。 連続使用時においても、 縦筋の異常画像は発生しなか つた。 キャリアへのトナー成分のスペントもほとんど生じていない。 キ ャリア抵抗の変化、 帯電量の低下も少なく、 カプリの発生はない。 トナ 一急速補給時の帯電立ち上がり性も良好であり、 高湿環境下でカプリが 増大する現象はみられなかった。 また長期使用時、 高い飽和帯電量が得 られ長期間維持できた。 低温低湿下での帯電量の変動はほとんど生じて いない。 また転写においても中抜けは実用上問題ないレベルであり、 転 写効率は 9 5 %程度を示した。 また、 感光体、 転写ベルトへのトナーの フィルミングも実用上問題ないレベルであった。 転写ベルトのタリー二 ング不良も未発生であった。 また定着時のトナーの乱れやトナー飛びも ほとんど生じていない。 また 3色の重なったフルカラー画像においても、 転写不良は発生せず、 定着時において、 定着ベルトへの紙の巻付きは発 生しなかった。
c m l、 c m 2、 c m 3、 c m 4では帯電上昇が発生し、 カプリ.も目 立った。 また二成分現像で全面ベタ画像をとり続けてトナーを急速に捕 給したときに、 帯電低下が生じ、 カプリが増大した。 高湿環境下でその 現象が特に悪化した。 '
次に付着量 1 . 2 m g / c m 2のベタ画像をプロセス速度 1 2 5 m m Z s、 オイルを塗布しないベルトを用いた定着装置にて、 O H P透過率 (定着温度 1 6 0 °C ) 、 高温でのオフセット性を評価した。 O H P透過 率は、 分光光度計 U— 3 2 0 0 (日立製作所) で、 7 0 0 n mの光の透 過率を測定した。 貯蔵安定性は 6 0 ° (:、 5時間の放置後の結果を示す。 定着二ップ部で O H Pのジャムは発生しなかつた。 普通紙の全面べタ グリーン画像では、 オフセットは 2 0万枚では全く発生しなかった。 シ リコーン又はフッ素系の定着ベルトでオイルを塗布せずともベルトの表
面劣化現象はみられない。 O H P透光性が 8 0 %以上を示しており、 ま たオイルを使用しない定着ローラにおいて非オフセット温度幅も広い範 囲で得られた。 また 6 0 ° (:、 5時間の貯蔵安定性においても凝集はほと んど見られなかった (〇レベル) 。
産業上の利用可能性
本発明は、 感光体を使用した電子写真方式以外でも、 ダイレク トに紙 にトナーを付着させて印写する方式等にも有用である。