JP6107458B2 - 静電潜像現像用トナー及び電子写真画像形成方法 - Google Patents
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10≦(A+B)≦60 (単位:mgKOH/g)
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナー母体粒子と外添剤とを含有する静電潜像現像用トナーであって、当該外添剤が、カルボキシ基及びヒドロキシ基とを有する直鎖状の炭化水素化合物粒子を含有し、当該直鎖状炭化水素化合物粒子を構成する直鎖状炭化水素化合物の重量平均分子量Mwが、700〜1500の範囲内であることを特徴とする。
本発明に係る直鎖状炭化水素化合物粒子とは、少なくともカルボキシ基及びヒドロキシ基を有し、重量平均分子量Mwが700〜1500の範囲内である直鎖状炭化水素化合物から構成される粒子である。上記「少なくともカルボキシ基及びヒドロキシ基を含み、重量平均分子量Mwが700〜1500の範囲内である直鎖状炭化水素化合物」とは、いわゆるワックスであって、カルボキシ基及びヒドロキシ基で変性された直鎖状ワックスである。
試料をo−ジクロロベンゼンに溶解し、0.15g/Lの溶液を調製する。調製した溶液をカラム「GMH−MT30cm」2連(東ソー社製)を設置したGPC装置「GPC−150C」(ウォーターズ社製)に0.4ml注入し、流速1.0ml/min、135℃の温度で測定する。測定されたポリスチレン換算分子量をさらに「マーク−ホウインク(Mark−Houwink)粘度式」から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって直鎖状炭化水素化合物の重量平均分子量Mwとする。
酸価とは、試料1g中に存在するカルボキシ基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)である。
酸価は、JIS K0070−1992に準じて測定する。
(a)フェノールフタレイン溶液
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶解し、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得た。
特級水酸化カリウム7gを5mlのイオン交換水に溶解し、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとした。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得た。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管した。
水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1mol/L塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求めた。
前記、0.1mol/L塩酸は、JIS K8001−1998に準じて調製されたものを用いた。
(a)本試験
粉砕した試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解した。次いで、指示薬として、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定した。なお滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒続いたときとした。
試料を用いない(すなわち、トルエン:エタノール(2:1)の混合液のみとする)以外は、同様の滴定を行った。
ここで、
A:酸価(mgKOH/g)
C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)
D:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)
f:0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
5.611:水酸化カリウムの式量56.11×(1/10)
S:試料の質量(g)である。
ヒドロキシ基価(水酸基価)とは、試料1g中に含まれるヒドロキシ基をアセチル化するために要する水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)である。無水酢酸を用いて試料中のヒドロキシ基をアセチル化し、使われなかった酢酸を水酸化カリウム溶液で滴定することにより求めることができる。
ヒドロキシ基価は、JIS K0070−1992に準じて測定する。
(a)アセチル化試薬
無水酢酸25gを100mlのフラスコに取り、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振り混ぜる。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶解し、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得た。
特級水酸化カリウム28gを5mlのイオン交換水に溶解し、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとした。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、0.5mol/L水酸化カリウム溶液を得た。得られた0.5mol/L水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管した。
(a)試料0.5〜6.0gを平底フラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを全量をピペットを用いて加える。
(b)フラスコの口に小さな漏斗を置き、温度95〜100℃のグリセリン浴中に底部薬1cmを浸して加熱する。フラスコの首がグリセリン浴の熱を受けて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴を空けた厚紙の円板をフラスコの首の付け根にかぶせる。
(c)1時間後フラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。
(d)さらに、分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エタノール(95vol%)5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗う。
(e)フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え、0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときを終点とする。
(f)空試験は、試料(a)を入れないで、(a)〜(e)を行う。
(g)試料が溶解しにくい場合は、少量のピリジンを追加するか、キシレン又はトルエンを加えて溶解する。
B=[{(E−F)×28.05×f}/S]+A
ここで、
B:ヒドロキシ基価(mgKOH/g)
E:空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
F:滴定に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
A:酸価
28.05:水酸化カリウムの式量56.11×(1/2)
直鎖状炭化水素化合物をカルボキシ基及びヒドロキシ基で変性する方法としては、公知の手法を用いることができる。
直鎖状炭化水素化合物をカルボキシ基で変性する方法としては、直鎖状炭化水素化合物を高温下でクロム酸によって酸化する方法が挙げられる。
直鎖状炭化水素化合物粒子をヒドロキシ基で変性する方法としては、直鎖状炭化水素化合物をホウ酸及び無水ホウ酸の存在下で分子状酸素含有ガスにより液相酸化する方法が挙げられる。
酸価及びヒドロキシ基価の調整は、前述の変性において、作用させるクロム酸若しくはホウ酸及び無水ホウ酸の量、濃度、反応温度によって調整することができる。
本発明の直鎖状炭化水素化合物粒子の体積基準平均粒径は、5〜20μmの範囲内であることが好ましい。この範囲であると、現像剤から感光体へ効率よく移行し、感光体の耐摩擦性を向上させることができる。
直鎖状炭化水素化合物粒子の体積基準平均粒径(Dv)は、マイクロトラック粒度分布測定装置「HRA(X−100)」(日機装社製)を用い、0.001〜50μmのレンジ設定で測定を行い、体積基準平均粒径(μm)として測定する。なお、希釈溶媒としてはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの0.1質量%水溶液を選択する。
本発明の直鎖状炭化水素化合物の針入度は、JIS K−2207に準拠し測定される。具体的には、直鎖状炭化水素化合物の固体(バルク)に直径約1mmで頂角9°の円錐形先端を持つ針を一定荷重で貫入させたときの貫入深さを0.1mmの単位で表した数値である。本発明中での試験条件は試料温度が25℃、加重0.98N(100g)、貫入時間5秒である。
トナー母体粒子に対する直鎖状炭化水素化合物粒子の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対して、0.1〜2.5質量部の範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、直鎖状炭化水素化合物が感光体に充分に転写して滑性付与効果が得られ、感光体及びクリーニングブレードの摩耗を抑制する効果が得られるとともに、滑性付与剤による画像濃度再現不良の発生がなく、長期にわたって良好な画像を安定して得ることができる。
直鎖状炭化水素化合物粒子の混合方法は、乾燥処理したトナー母体粒子に直鎖状炭化水素化合物粒子及びその他の外添剤を添加、混合することにより、トナー粒子を作製する。
本発明に係るトナー母体粒子としては、具体的には少なくとも結着樹脂(以下、「トナー用樹脂」ともいう。)を含有し、必要に応じて着色剤を含有するトナー母体粒子よりなるものである。また、このトナー母体粒子には、必要に応じて、さらに離型剤及び荷電制御剤などの他の成分を含有することもできる。
トナー母体粒子を構成する結着樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
結着樹脂のガラス転移点温度の測定は、示差走査熱量測定装置「ダイアモンド DSC」(パーキンエルマー社製)を用いて行うことができる。
軟化点温度は、以下のように測定される。
トナー母体粒子を構成する着色剤としては、カーボンブラック、磁性体の他、有機着色剤を任意に使用することができる。
トナー母体粒子には、離型剤が含有されていてもよい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス及び蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
トナー母体粒子には、荷電制御剤が含有されていてもよい。例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やアルミニウムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、及び含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。
本発明のトナーは、トナー母体粒子に外添剤が添加されてなるものであるが、当該トナー母体粒子を製造する方法としては、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法及び分散重合法などが挙げられる。
トナー母体粒子には、本発明に係る直鎖状炭化水素化合物粒子の他にトナーとしての帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から、その表面に公知の無機微粒子や有機微粒子などの粒子、その他の滑性付与剤を外添剤として添加することができる。
外添剤添加方法は、乾燥処理したトナー母体粒子に直鎖状炭化水素化合物粒子、及び必要に応じてその他の外添剤を添加、混合することにより、トナー粒子を作製する。
本発明に係るトナー粒子の粒径は、体積基準のメディアン径(D50)で3〜8μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係るトナー粒子は、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.900〜0.970の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.930〜0.965の範囲内である。なお、平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(シスメックス(Sysmex)社製)を用いて測定することができる。具体的には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(シスメックス(Sysmex)社製)によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(1)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出した値である。下記式(1)において、「円相当径」とは粒子像と同じ面積を有する円の直径をいう。
円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長
本発明のトナーは一成分現像剤として用いてもよく、また、キャリアとトナーとから構成される二成分現像剤として用いてもよい。二成分現像剤は、キャリアとトナーを、混合装置を用いて混合することで作製することができる。
本発明のトナーは、電子写真方式の公知の種々の画像形成方法において用いることができる。例えば、モノクロの画像形成方法やフルカラーの画像形成方法に用いることができる。フルカラーの画像形成方法では、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各々に係る4種類のカラー現像装置と、一つの感光体とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置及び感光体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法も用いることができる。
<直鎖状炭化水素化合物粒子1の作製>
重量平均分子量680の直鎖状炭化水素化合物(パラフィンワックス)1200gをガラス製の円筒反応器に入れ、140℃で20分間空気を吹き込みながら反応を進めた。次いでホウ酸15g/無水ホウ酸10gの混合触媒を加え、空気を(22リットル/分)吹き込みながら170℃で120分反応を行った。反応終了後に当量の温水を加え、反応混合物を加水分解して、カルボキシ基、ヒドロキシ基で変性された直鎖状炭化水素化合物(重量平均分子量670、酸価7、ヒドロキシ基価25、針入度8)を得た。
直鎖状炭化水素化合物粒子1の作製において、使用する炭化水素化合物の構造、触媒を添加する前の反応温度、時間、ホウ酸及び無水ホウ酸の添加量、触媒を添加してからの反応温度、時間を表1のごとく変更し、それぞれ炭化水素化合物を合成した。得られた炭化水素化合物を超微粉砕機にて回転数を表1のごとく変更して粉砕し、炭化水素化合物粒子2〜20を得た。得られた直鎖状炭化水素化合物及び分岐状炭化水素化合物の重量平均分子量、酸価、ヒドロキシ基価、針入度及び体積基準平均粒径を表1に併記した。
<トナー〔1〕の作製>
(1)コア部用樹脂微粒子〔1〕の分散液の調製
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、液温を75℃とした後、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート200質量部、メタクリル酸68質量部、n−オクチルメルカプタン16.4質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行うことにより、樹脂微粒子〔A1〕の分散液を調製した。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン101.1質量部、n−ブチルアクリレート62.2質量部、メタクリル酸12.3質量部、n−オクチルメルカプタン1.75質量部からなる単量体混合液に、離型剤として、パラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。
上記の樹脂微粒子〔A2〕の分散液に、さらに、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、スチレン293.8質量部、n−ブチルアクリレート154.1質量部、n−オクチルメルカプタン7.08質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することによって重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却することにより、「コア部用樹脂微粒子〔1〕の分散液」を得た。このコア部用樹脂粒子〔1〕の体積基準のメディアン径は125nmであり、このコア部用樹脂微粒子〔1〕のガラス転移点は28.1℃であった。
上記の(1)コア部用樹脂微粒子の分散液の調製工程において、第1段重合において用いるスチレンを548質量部、メタクリル酸を96質量部、n−オクチルメルカプタンを16.5質量部に変更するとともに、n−ブチルアクリレート200質量部の代わりに2−エチルヘキシルアクリレート156質量部を用いたこと以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行うことにより、「シェル層用樹脂微粒子〔1〕の分散液」を作製した。このシェル層用樹脂微粒子〔1〕のガラス転移点は53.0℃であった。
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子が分散されてなる「着色剤微粒子分散液〔1〕」を調製した。この着色剤微粒子分散液〔1〕における着色剤微粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(a)コア部〔1〕の形成
コア部用樹脂微粒子〔1〕の分散液420質量部(固形分換算)と、イオン交換水900質量部と、着色剤微粒子分散液〔1〕100質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。
次いで、65℃においてシェル層用樹脂微粒子〔1〕の分散液46.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、80℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたって撹拌を継続し、コア部〔1〕の表面に、シェル層用樹脂微粒子〔1〕の粒子を融着させた後、80℃(シェル熟成温度)で所定の円形度まで熟成処理を行い、シェル層を形成させた。ここで、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するトナー母体粒子〔1〕を得た。このトナー母体粒子〔1〕の体積基準のメディアン径は5.9μm、ガラス転移点は31℃であった。
乾燥されたトナー母体粒子〔1〕100質量部に、小径シリカ微粒子「RX−200(ヒュームドシリカ;HMDS処理;数平均粒径12nm)」(日本アエロジル社製)0.75質量部、球状シリカ微粒子(ゾルゲル製法によるシリカ;HMDS処理;数平均粒径80nm)1.50質量部及び直鎖状炭化水素化合物粒子1を1.50質量部添加し、ヘンシェルミキサー「FM10B」(日本コークス工業(株)製)を用いて撹拌羽根の周速を40m/秒、処理温度を30℃として15分間混合処理し、その後、目開き90μmのふるいを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔1〕を作製した。
トナー〔1〕の作製において、トナー母体粒子〔1〕を用いて、直鎖状炭化水素化合物粒子1を表2のごとく直鎖状炭化水素化合物粒子種、添加量を変更した以外は、トナー〔1〕と同様の操作を行い、トナー〔2〕〜〔24〕を作製した。
トナー〔1〕の作製において、トナー母体粒子〔1〕を用いて、直鎖状炭化水素化合物粒子1を表2のごとくステアリン酸亜鉛粒子(体積基準平均粒径 14.0μm)を用い、添加量を1.5部にした以外は、トナー〔1〕と同様の操作を行い、トナー〔25〕を作製した。
トナー〔1〕〜〔25〕の各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積基準平均粒径35μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7.5質量%となるよう混合することにより、現像剤〔1〕〜〔25〕を調製した。
電子写真画像形成装置として、デジタルフルカラー複合機「bizhub C360」(コニカミノルタ社製)の帯電手段を図1に示されるような帯電ローラー方式のものに改造した改造機に、現像剤〔1〕〜〔25〕を装填して用いて画像形成を行い、画像濃度再現不良及びクリーニング性について評価した。
現像剤〔1〕〜〔25〕を順次装填した上記電子写真画像形成装置を用いて、高温高湿度環境(温度30℃・湿度80%RH)に12時間静置した後、同環境にて、A4サイズの記録用紙に全面40%平網画像を連続で100枚出力した。そして、1枚目と100枚目の画像の反射濃度を、マクベス反射濃度計「RD907」(マクベス社製)によって測定し、その1枚目と100枚目の濃度差によって滑性付与剤による画像濃度再現不良の評価を行った。結果を表3に示す。
現像剤〔1〕〜〔25〕を順次装填した上記電子写真画像形成装置を用いて、全面3%平網画像を基本的に連続で出力し、100枚目、5万枚目においては、それぞれ1枚ずつ、全面0%画像(白紙画像)を出力した。そして、この100枚目、5万枚目の白紙画像について、地汚れの程度を、マクベス反射濃度計「RD907」(マクベス社製)によって測定した反射濃度によって評価した。結果を表3に示す。本発明においては、反射濃度が0.015以下であれば合格と判断した。
上記クリーニング性評価で5万枚出力した後、上記電子写真画像形成装置からクリーニングブレードを取り外し、レーザーマイクロスコープVK9500を用いて(倍率150倍、観察幅700μm)、感光体当接部の観察を行った。感光体当接部で摩耗により現れた平滑な部分の幅をクリーニングブレードの摩耗量(μm)として測定した。摩耗量が20μm以下であれば合格と判断した。
上記クリーニング性評価試験前後における感光層の膜厚を測定し、膜厚減耗量を算出し、評価した。
11 帯電ローラ
12 露光手段
13 現像手段
131 現像スリーブ
P 転写材
14 転写手段
16 分離手段
17 定着手段
18 クリーニング手段
Claims (5)
- トナー母体粒子と外添剤とを含有する静電潜像現像用トナーであって、
当該外添剤が、カルボキシ基及びヒドロキシ基を有する直鎖状炭化水素化合物粒子を含有し、当該直鎖状炭化水素化合物粒子を構成する直鎖状炭化水素化合物の重量平均分子量Mwが、700〜1500の範囲内であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。 - 前記直鎖状炭化水素化合物の酸価Aが、5〜15mgKOH/gの範囲内であり、ヒドロキシ基価Bが、5〜100mgKOH/gの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記直鎖状炭化水素化合物の酸価Aとヒドロキシ基価Bとが、下記式(I)の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナー。
式(I):
10≦(A+B)≦60 (単位:mgKOH/g) - 前記直鎖状炭化水素化合物粒子の体積基準平均粒径が、5.0〜20.0μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 少なくとも、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及び定着工程の各工程を経て画像を形成する電子写真画像形成方法であって、前記帯電工程は、電子写真感光体を帯電ローラーで帯電する帯電工程であり、前記現像工程は、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
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