JP2002212754A - 耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板及びその製造方法 - Google Patents
耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2002212754A JP2002212754A JP2001012319A JP2001012319A JP2002212754A JP 2002212754 A JP2002212754 A JP 2002212754A JP 2001012319 A JP2001012319 A JP 2001012319A JP 2001012319 A JP2001012319 A JP 2001012319A JP 2002212754 A JP2002212754 A JP 2002212754A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyolefin wax
- resistance
- wax dispersion
- inorganic composite
- aqueous organic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた
表面処理金属板と、その表面処理金属板を得ることがで
きる水性有機複合塗料と製造方法を提供する。 【解決手段】 水性樹脂およびケイ酸塩化合物の一方ま
たは両方、更に、分子量が6000〜15000のポリ
オレフィンワックスディスパージョンと固形分換算で5
〜35質量%のコロイダルシリカおよび水を含有する水
性有機無機複合塗料を、めっき金属板の上層に乾燥質量
換算で0.3〜5.0g/m2塗布した後、焼き付けて
水性有機無機複合皮膜を形成する。
表面処理金属板と、その表面処理金属板を得ることがで
きる水性有機複合塗料と製造方法を提供する。 【解決手段】 水性樹脂およびケイ酸塩化合物の一方ま
たは両方、更に、分子量が6000〜15000のポリ
オレフィンワックスディスパージョンと固形分換算で5
〜35質量%のコロイダルシリカおよび水を含有する水
性有機無機複合塗料を、めっき金属板の上層に乾燥質量
換算で0.3〜5.0g/m2塗布した後、焼き付けて
水性有機無機複合皮膜を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材製品等に好適に使用される耐食性、密着性、溶接性等
の各種性能に優れるのみならず耐プレスかじり性と耐コ
イル変形性に優れる表面処理金属板と、その表面処理金
属板を得ることができる水性有機無機複合塗料と製造方
法に関する。
材製品等に好適に使用される耐食性、密着性、溶接性等
の各種性能に優れるのみならず耐プレスかじり性と耐コ
イル変形性に優れる表面処理金属板と、その表面処理金
属板を得ることができる水性有機無機複合塗料と製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでに電気亜鉛系めっき鋼板や溶融
亜鉛めっき系鋼板等の表面処理鋼板が開発され、家電、
建材、および自動車部品等の用途において幅広く利用さ
れている。また、これらの鋼板の多くは耐食性および塗
装密着性の向上を目的としてクロメート処理やリン酸塩
処理等が施されている。
亜鉛めっき系鋼板等の表面処理鋼板が開発され、家電、
建材、および自動車部品等の用途において幅広く利用さ
れている。また、これらの鋼板の多くは耐食性および塗
装密着性の向上を目的としてクロメート処理やリン酸塩
処理等が施されている。
【0003】さらに、最近では特に家電業界において省
工程、省コストの観点から無塗装のまま適用されるもの
が増えてきており、耐食性や塗装密着性のみならず耐か
じり性、耐指紋性、耐結露ムラ性等、鋼板の表面外観品
位に対する様々な性能の要求レベルが高まってきてい
る。この様な需要家での性能要求に応えるべく、クロメ
ート処理を施しためっき鋼板上に特殊樹脂をベースとす
る有機複合皮膜を形成させた塗装金属板が開発された。
例えば、特公平4−14191号公報にはクロメート被
覆めっき鋼板上に水系有機樹脂に特定の微細な粒度のコ
ロイドゾルを追加調整した有機複合皮膜を形成させ、耐
食性、耐指紋性等の性能向上を図った表面処理鋼板の製
造方法が開示されている。
工程、省コストの観点から無塗装のまま適用されるもの
が増えてきており、耐食性や塗装密着性のみならず耐か
じり性、耐指紋性、耐結露ムラ性等、鋼板の表面外観品
位に対する様々な性能の要求レベルが高まってきてい
る。この様な需要家での性能要求に応えるべく、クロメ
ート処理を施しためっき鋼板上に特殊樹脂をベースとす
る有機複合皮膜を形成させた塗装金属板が開発された。
例えば、特公平4−14191号公報にはクロメート被
覆めっき鋼板上に水系有機樹脂に特定の微細な粒度のコ
ロイドゾルを追加調整した有機複合皮膜を形成させ、耐
食性、耐指紋性等の性能向上を図った表面処理鋼板の製
造方法が開示されている。
【0004】特開平3−39485号公報には、亜鉛系
のめっき鋼板の上にクロメート処理を施した後、水性樹
脂にシリカとガラス転位点(Tg点)が40℃以上のワ
ックスを分散させた塗料を乾燥質量として0.3〜3.
0g/m2被覆したものが開示されている。また、特開
平3−28380号公報には、電気亜鉛めっき鋼板の上
にクロメート処理を施した後、カルボキシル化したポリ
エチレン樹脂とテフロン(商標)潤滑剤からなる塗料を
乾燥質量として0.5〜4.0g/m2被覆した潤滑鋼
板が開示されている。さらに、深絞り加工性の様な、厳
しい耐かじり性を必要とする需要家の要求に応えるべ
く、有機皮膜中に固形潤滑剤を添加して潤滑性を向上さ
せた表面処理鋼板が開発された。例えば、特開平6−1
73037号公報には、エーテル・エステル型ウレタン
樹脂とエポキシ樹脂にシリカとポリオレフィンワックス
を添加した潤滑皮膜を有する鋼板が開示されている。
のめっき鋼板の上にクロメート処理を施した後、水性樹
脂にシリカとガラス転位点(Tg点)が40℃以上のワ
ックスを分散させた塗料を乾燥質量として0.3〜3.
0g/m2被覆したものが開示されている。また、特開
平3−28380号公報には、電気亜鉛めっき鋼板の上
にクロメート処理を施した後、カルボキシル化したポリ
エチレン樹脂とテフロン(商標)潤滑剤からなる塗料を
乾燥質量として0.5〜4.0g/m2被覆した潤滑鋼
板が開示されている。さらに、深絞り加工性の様な、厳
しい耐かじり性を必要とする需要家の要求に応えるべ
く、有機皮膜中に固形潤滑剤を添加して潤滑性を向上さ
せた表面処理鋼板が開発された。例えば、特開平6−1
73037号公報には、エーテル・エステル型ウレタン
樹脂とエポキシ樹脂にシリカとポリオレフィンワックス
を添加した潤滑皮膜を有する鋼板が開示されている。
【0005】特公平4−14191号公報で開示されて
いる技術は、耐食性、塗装密着性、耐指紋性および耐結
露性等の性能バランスに優れるものであり、現在家電向
けの主力商品の一つとして利用されている。しかしなが
ら、この様な有機皮膜を被覆させた表面処理鋼板におい
てもハンドリング時の疵付き、プレス加工時のかじり
や、製品輸送時におけるアブレージョン(擦り疵)等が
発生する場合がある。
いる技術は、耐食性、塗装密着性、耐指紋性および耐結
露性等の性能バランスに優れるものであり、現在家電向
けの主力商品の一つとして利用されている。しかしなが
ら、この様な有機皮膜を被覆させた表面処理鋼板におい
てもハンドリング時の疵付き、プレス加工時のかじり
や、製品輸送時におけるアブレージョン(擦り疵)等が
発生する場合がある。
【0006】これに対して特開平3−39485号公報
および特開平3−28380号公報で開示されている技
術は、上記で示されるプレス加工時のかじりやアブレー
ジョンが発生しにくく、さらに特開平6−173037
号公報で開示されている技術は、深絞り加工性の様な厳
しい加工においても優れた耐プレスかじり性を有してい
る。しかしながら、特開平3−39485号公報、特開
平3−28380号公報および特開平6−173037
号公報で開示されている技術等で製造される鋼板表面は
滑りやすく、巻き緩みによるコイル潰れや、切り板パイ
リング時の荷崩れ等が問題となる。そのため、現在これ
らの問題を回避するために、コイル巻き取り時の張力を
高めたり、梱包後のコイルの巻き緩みを防止するために
バンドの数を増やす等の対策が行われている。
および特開平3−28380号公報で開示されている技
術は、上記で示されるプレス加工時のかじりやアブレー
ジョンが発生しにくく、さらに特開平6−173037
号公報で開示されている技術は、深絞り加工性の様な厳
しい加工においても優れた耐プレスかじり性を有してい
る。しかしながら、特開平3−39485号公報、特開
平3−28380号公報および特開平6−173037
号公報で開示されている技術等で製造される鋼板表面は
滑りやすく、巻き緩みによるコイル潰れや、切り板パイ
リング時の荷崩れ等が問題となる。そのため、現在これ
らの問題を回避するために、コイル巻き取り時の張力を
高めたり、梱包後のコイルの巻き緩みを防止するために
バンドの数を増やす等の対策が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐食
性、密着性、溶接性等の各種性能に優れ、かつ耐プレス
かじり性を維持しつつ、巻き緩みによるコイル潰れや切
り板パイリング時の荷崩れ等の問題を改善するために、
皮膜組成と皮膜表面の動摩擦係数と静摩擦係数を制御し
た表面処理金属板とその表面処理金属板を得ることがで
きる水性有機無機複合塗料と製造方法を提供することに
ある。
性、密着性、溶接性等の各種性能に優れ、かつ耐プレス
かじり性を維持しつつ、巻き緩みによるコイル潰れや切
り板パイリング時の荷崩れ等の問題を改善するために、
皮膜組成と皮膜表面の動摩擦係数と静摩擦係数を制御し
た表面処理金属板とその表面処理金属板を得ることがで
きる水性有機無機複合塗料と製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々の検討を行った結果、分子量60
00〜15000のポリオレフィンワックスディスパー
ジョンと適正量のコロイダルシリカを含有する水性有機
無機複合塗料を、めっき金属板上に塗布、乾燥して水性
有機無機複合皮膜を形成することで、耐食性、密着性お
よび溶接性等の各種性能に優れるのみならず、金属板表
面の動摩擦係数を0.07〜0.15、静摩擦係数が
0.10以上に制御された耐プレスかじり性と耐コイル
変形性に優れた表面処理金属板が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
を解決するために種々の検討を行った結果、分子量60
00〜15000のポリオレフィンワックスディスパー
ジョンと適正量のコロイダルシリカを含有する水性有機
無機複合塗料を、めっき金属板上に塗布、乾燥して水性
有機無機複合皮膜を形成することで、耐食性、密着性お
よび溶接性等の各種性能に優れるのみならず、金属板表
面の動摩擦係数を0.07〜0.15、静摩擦係数が
0.10以上に制御された耐プレスかじり性と耐コイル
変形性に優れた表面処理金属板が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の要旨とするところは、
(1)水性樹脂およびケイ酸塩化合物の一方または両
方、更に、分子量が6000〜15000のポリオレフ
ィンワックスディスパージョンと固形分換算で5〜35
質量%のコロイダルシリカを含有する水性有機無機複合
皮膜を0.3〜5.0g/m2有することを特徴とする
耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金
属板、(2)前記ポリオレフィンワックスディスパージ
ョンが、極性基を含まない分子量6000〜1500
0、粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワックス
ディスパージョンと分子量6000〜15000、酸価
40以下、粒径0.1〜5.0μmの変性ポリオレフィ
ンワックスディスパージョンから選ばれる少なくとも1
種類以上であることを特徴とする前記(1)に記載の耐
プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属
板、(3)表面の動摩擦係数が0.07〜0.15、静
摩擦係数が0.10以上であることを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の耐プレスかじり性と耐コイ
ル変形性に優れた表面処理金属板、(4)水性樹脂およ
びケイ酸塩化合物の一方または両方、更に、分子量が6
000〜15000のポリオレフィンワックスディスパ
ージョンと固形分換算で5〜35質量%のコロイダルシ
リカおよび水を含有することを特徴とする水性有機無機
複合塗料、(5)前記ポリオレフィンワックスディスパ
ージョンが、極性基を含まない分子量6000〜150
00、粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワック
スディスパージョンと分子量6000〜15000、酸
価40以下、粒径0.1〜5.0μmの変性ポリオレフ
ィンワックスディスパージョンから選ばれる少なくとも
1種類以上であることを特徴とする前記(4)に記載の
水性有機無機複合塗料、(6)前記(4)に記載の塗料
をめっき金属板に乾燥質量換算で0.3〜5.0g/m
2塗布した後、焼きつけて水性有機無機複合皮膜を形成
することを特徴とする耐プレスかじり性と耐コイル変形
性に優れた表面処理金属板の製造方法、(7)前記
(5)に記載の塗料をめっき金属板に乾燥質量換算で
0.3〜5.0g/m2塗布した後、焼きつけて水性有
機無機複合皮膜を形成すること特徴とする耐プレスかじ
り性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板の製造方
法、である。
(1)水性樹脂およびケイ酸塩化合物の一方または両
方、更に、分子量が6000〜15000のポリオレフ
ィンワックスディスパージョンと固形分換算で5〜35
質量%のコロイダルシリカを含有する水性有機無機複合
皮膜を0.3〜5.0g/m2有することを特徴とする
耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金
属板、(2)前記ポリオレフィンワックスディスパージ
ョンが、極性基を含まない分子量6000〜1500
0、粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワックス
ディスパージョンと分子量6000〜15000、酸価
40以下、粒径0.1〜5.0μmの変性ポリオレフィ
ンワックスディスパージョンから選ばれる少なくとも1
種類以上であることを特徴とする前記(1)に記載の耐
プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属
板、(3)表面の動摩擦係数が0.07〜0.15、静
摩擦係数が0.10以上であることを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の耐プレスかじり性と耐コイ
ル変形性に優れた表面処理金属板、(4)水性樹脂およ
びケイ酸塩化合物の一方または両方、更に、分子量が6
000〜15000のポリオレフィンワックスディスパ
ージョンと固形分換算で5〜35質量%のコロイダルシ
リカおよび水を含有することを特徴とする水性有機無機
複合塗料、(5)前記ポリオレフィンワックスディスパ
ージョンが、極性基を含まない分子量6000〜150
00、粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワック
スディスパージョンと分子量6000〜15000、酸
価40以下、粒径0.1〜5.0μmの変性ポリオレフ
ィンワックスディスパージョンから選ばれる少なくとも
1種類以上であることを特徴とする前記(4)に記載の
水性有機無機複合塗料、(6)前記(4)に記載の塗料
をめっき金属板に乾燥質量換算で0.3〜5.0g/m
2塗布した後、焼きつけて水性有機無機複合皮膜を形成
することを特徴とする耐プレスかじり性と耐コイル変形
性に優れた表面処理金属板の製造方法、(7)前記
(5)に記載の塗料をめっき金属板に乾燥質量換算で
0.3〜5.0g/m2塗布した後、焼きつけて水性有
機無機複合皮膜を形成すること特徴とする耐プレスかじ
り性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板の製造方
法、である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
従来水性有機無機複合被覆鋼板の耐プレスかじり性を向
上させるためには、一般的に鋼板上の水性有機無機複合
皮膜中に分子量の低いポリオレフィンワックス等の潤滑
剤を添加する手法が用いられている。この様な極性基を
有さず分子量の低いポリオレフィンワックスディスパー
ジョンを水性有機無機皮膜中に配合することで、ワック
スが皮膜表面に粒状で存在し、金属板表面の親和力を低
下させることができると同時に、プレス加工時にワック
スが潰れて鋼板と金型との間に潤滑層が形成されること
となる。このため優れた潤滑効果を得られ、プレス時の
かじりを低減することができる。
従来水性有機無機複合被覆鋼板の耐プレスかじり性を向
上させるためには、一般的に鋼板上の水性有機無機複合
皮膜中に分子量の低いポリオレフィンワックス等の潤滑
剤を添加する手法が用いられている。この様な極性基を
有さず分子量の低いポリオレフィンワックスディスパー
ジョンを水性有機無機皮膜中に配合することで、ワック
スが皮膜表面に粒状で存在し、金属板表面の親和力を低
下させることができると同時に、プレス加工時にワック
スが潰れて鋼板と金型との間に潤滑層が形成されること
となる。このため優れた潤滑効果を得られ、プレス時の
かじりを低減することができる。
【0011】一方、本発明では潤滑剤として分子量60
00〜15000のポリオレフィンワックスディスパー
ジョンを水性有機無機複合塗料中に所定量配合して使用
する。さらに、水性有機無機複合皮膜中の含有量を、固
形分換算で5〜35質量%に調節する。図1に本件発明
の表面処理金属板の例を示す。本件発明の表面処理金属
板はめっき金属板3上に水性有機無機複合皮膜2を有し
た構成となっている。該水性有機無機複合皮膜2は水性
樹脂およびケイ酸塩化合物の一方または両方、更にコロ
イダルシリカ、水、及び潤滑剤としてのポリオレフィン
ワックスディスパージョン1を配合させた水性有機無機
複合塗料をめっき金属板3上に適宜な方法で塗布して形
成させたものである。図1のように水性有機無機複合皮
膜2からポリオレフィンワックスディスパージョン1が
粒状に露出した構造となっている。
00〜15000のポリオレフィンワックスディスパー
ジョンを水性有機無機複合塗料中に所定量配合して使用
する。さらに、水性有機無機複合皮膜中の含有量を、固
形分換算で5〜35質量%に調節する。図1に本件発明
の表面処理金属板の例を示す。本件発明の表面処理金属
板はめっき金属板3上に水性有機無機複合皮膜2を有し
た構成となっている。該水性有機無機複合皮膜2は水性
樹脂およびケイ酸塩化合物の一方または両方、更にコロ
イダルシリカ、水、及び潤滑剤としてのポリオレフィン
ワックスディスパージョン1を配合させた水性有機無機
複合塗料をめっき金属板3上に適宜な方法で塗布して形
成させたものである。図1のように水性有機無機複合皮
膜2からポリオレフィンワックスディスパージョン1が
粒状に露出した構造となっている。
【0012】この様に、水性有機無機複合皮膜中にポリ
オレフィンワックスディスパージョンを添加して、かつ
ワックスの分子量を適正な値に調節することで、ワック
スを皮膜表面に粒状で存在させると同時にワックスの硬
度および皮膜表面の親和力を制御する。さらにシリカの
含有率を調節して皮膜硬度と耐食性や密着性等の皮膜性
能との両立化を図る。以上により、良好な耐食性や密着
性を有するだけでなく動摩擦係数が0.07〜0.15
で、かつ静摩擦係数が0.10以上に制御された従来に
ない耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処
理金属板が得られる。
オレフィンワックスディスパージョンを添加して、かつ
ワックスの分子量を適正な値に調節することで、ワック
スを皮膜表面に粒状で存在させると同時にワックスの硬
度および皮膜表面の親和力を制御する。さらにシリカの
含有率を調節して皮膜硬度と耐食性や密着性等の皮膜性
能との両立化を図る。以上により、良好な耐食性や密着
性を有するだけでなく動摩擦係数が0.07〜0.15
で、かつ静摩擦係数が0.10以上に制御された従来に
ない耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処
理金属板が得られる。
【0013】以下本発明である耐プレスかじり性と耐コ
イル変形性に優れる表面処理金属板の製造方法を説明す
る。本発明において適用可能な下地めっき金属板として
は、亜鉛めっき金属板、亜鉛−ニッケルめっき金属板、
亜鉛−鉄めっき金属板、亜鉛−クロムめっき金属板、亜
鉛−アルミニウムめっき金属板、亜鉛−チタンめっき金
属板、亜鉛−マグネシウムめっき金属板、亜鉛−マンガ
ンめっき金属板等の亜鉛系の電気めっき、溶融めっき、
蒸着めっき鋼板、アルミニウムまたはアルミニウム合金
めっき金属板、鉛または鉛合金めっき金属板、錫または
錫合金めっき金属板、さらにはこれらのめっき層に少量
の異種金属元素あるいは不純物としてコバルト、モリブ
デン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アル
ミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、アンチモ
ン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有したもの、また
は/およびシリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分
散させたものが含まれる。さらには、以上のめっきと他
の種類のめっき、例えば鉄めっき、鉄−りんめっき等と
組み合わせた複層めっきにも適用可能である。
イル変形性に優れる表面処理金属板の製造方法を説明す
る。本発明において適用可能な下地めっき金属板として
は、亜鉛めっき金属板、亜鉛−ニッケルめっき金属板、
亜鉛−鉄めっき金属板、亜鉛−クロムめっき金属板、亜
鉛−アルミニウムめっき金属板、亜鉛−チタンめっき金
属板、亜鉛−マグネシウムめっき金属板、亜鉛−マンガ
ンめっき金属板等の亜鉛系の電気めっき、溶融めっき、
蒸着めっき鋼板、アルミニウムまたはアルミニウム合金
めっき金属板、鉛または鉛合金めっき金属板、錫または
錫合金めっき金属板、さらにはこれらのめっき層に少量
の異種金属元素あるいは不純物としてコバルト、モリブ
デン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アル
ミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、アンチモ
ン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有したもの、また
は/およびシリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分
散させたものが含まれる。さらには、以上のめっきと他
の種類のめっき、例えば鉄めっき、鉄−りんめっき等と
組み合わせた複層めっきにも適用可能である。
【0014】各めっき金属板におけるめっき付着量は片
面1g/m2以上とすることが好ましく、これを下回る
と耐食性が低下する。本発明の表面処理金属板は、めっ
き金属板上に密着性あるいは耐食性等の向上を目的とし
た下地処理を施した後、水性有機無機複合皮膜を形成さ
せて得ることができる他、下地処理を施さずに直接水性
有機無機複合皮膜を形成させて得ることも可能である。
下地処理としては上記目的を達成できるものであれば特
に規定するものではないが、一般的には耐食性や密着性
を向上することができるクロメート処理が好ましい。
面1g/m2以上とすることが好ましく、これを下回る
と耐食性が低下する。本発明の表面処理金属板は、めっ
き金属板上に密着性あるいは耐食性等の向上を目的とし
た下地処理を施した後、水性有機無機複合皮膜を形成さ
せて得ることができる他、下地処理を施さずに直接水性
有機無機複合皮膜を形成させて得ることも可能である。
下地処理としては上記目的を達成できるものであれば特
に規定するものではないが、一般的には耐食性や密着性
を向上することができるクロメート処理が好ましい。
【0015】クロメート皮膜を形成させる手段として
は、例えば無水クロム酸、クロム酸塩、重クロム酸塩を
主剤とした水溶液中での浸漬(反応型)クロメート処
理、電解型クロメート処理、さらには上記水溶液にコロ
イダルシリカ等を混合した処理液を塗布して、水洗する
ことなく乾燥させる塗布型クロメート処理方法等が上げ
られる。
は、例えば無水クロム酸、クロム酸塩、重クロム酸塩を
主剤とした水溶液中での浸漬(反応型)クロメート処
理、電解型クロメート処理、さらには上記水溶液にコロ
イダルシリカ等を混合した処理液を塗布して、水洗する
ことなく乾燥させる塗布型クロメート処理方法等が上げ
られる。
【0016】クロメート付着量はCr換算で5〜100
mg/m2程度とするのが好ましい。付着量がCr換算
で5mg/m2未満では十分な耐食性が得られず、10
0mg/m2を越えるとクロメート皮膜自身の凝集破壊
を生じて塗料密着性が低下する。本発明で用いる水性樹
脂としてはアクリルエステル・アクリル酸共重合物、エ
ポキシ・アクリル酸、オレフィンアクリル酸共重合物、
オレフィンアイオノマー、スチレンアクリル酸共重合
物、ウレタンアクリル酸共重合物、ウレタンエポキシ樹
脂、エチレンイミンアクリル樹脂等が適用でき、塗料と
しては水系溶媒に分散させたエマルジョンを用いるのが
好ましい。また、必要により各種メラミン樹脂、アミノ
樹脂等の架橋剤を添加してもよい。これらの中で、特に
性能面とコストの両面を考慮する場合、オレフィンアク
リル酸共重合物等のアクリル系樹脂を用いるのが好まし
い。また、厳しい深絞り加工を必要とする場合には硬さ
と伸びを兼ね備えたウレタンエポキシ系樹脂を用いるの
が好ましい。
mg/m2程度とするのが好ましい。付着量がCr換算
で5mg/m2未満では十分な耐食性が得られず、10
0mg/m2を越えるとクロメート皮膜自身の凝集破壊
を生じて塗料密着性が低下する。本発明で用いる水性樹
脂としてはアクリルエステル・アクリル酸共重合物、エ
ポキシ・アクリル酸、オレフィンアクリル酸共重合物、
オレフィンアイオノマー、スチレンアクリル酸共重合
物、ウレタンアクリル酸共重合物、ウレタンエポキシ樹
脂、エチレンイミンアクリル樹脂等が適用でき、塗料と
しては水系溶媒に分散させたエマルジョンを用いるのが
好ましい。また、必要により各種メラミン樹脂、アミノ
樹脂等の架橋剤を添加してもよい。これらの中で、特に
性能面とコストの両面を考慮する場合、オレフィンアク
リル酸共重合物等のアクリル系樹脂を用いるのが好まし
い。また、厳しい深絞り加工を必要とする場合には硬さ
と伸びを兼ね備えたウレタンエポキシ系樹脂を用いるの
が好ましい。
【0017】本発明で用いるケイ酸塩化合物としては一
般にM2O・nSiO2(Mはナトリウム、カリウム、リ
チウムのアルカリ金属、nは任意の数値)で示されるも
ので、ナトリウムシリケート、カリウムシリケート、リ
チウムシリケートから選ばれる少なくとも1種類以上の
混合物のことである。M2OとSiO2のモル比であるn
は1〜10の範囲が好ましい。nの値が1未満では、得
られる皮膜が吸湿しやすくなり皮膜の密着性が不十分と
なるため好ましくない。また、10を越えると得られる
皮膜が脆くなり加工性が低下するため好ましくない。
般にM2O・nSiO2(Mはナトリウム、カリウム、リ
チウムのアルカリ金属、nは任意の数値)で示されるも
ので、ナトリウムシリケート、カリウムシリケート、リ
チウムシリケートから選ばれる少なくとも1種類以上の
混合物のことである。M2OとSiO2のモル比であるn
は1〜10の範囲が好ましい。nの値が1未満では、得
られる皮膜が吸湿しやすくなり皮膜の密着性が不十分と
なるため好ましくない。また、10を越えると得られる
皮膜が脆くなり加工性が低下するため好ましくない。
【0018】本発明で用いるコロイダルシリカとしては
球状、線状、あるいは枝分かれを有する球形コロイダル
シリカが結合した数珠状シリカのいずれを用いても良
い。球状シリカの場合、粒子径が5〜50nm、線状シ
リカの場合、直径5〜50nmで長さ/太さの比率が1
〜5に化学的に結合したもの、枝分かれを有する数珠状
シリカの場合、[結合体の長さ/球形シリカの平均粒径]
の比が4以上でかつ1個所以上の枝分かれを有するもの
が好ましい。
球状、線状、あるいは枝分かれを有する球形コロイダル
シリカが結合した数珠状シリカのいずれを用いても良
い。球状シリカの場合、粒子径が5〜50nm、線状シ
リカの場合、直径5〜50nmで長さ/太さの比率が1
〜5に化学的に結合したもの、枝分かれを有する数珠状
シリカの場合、[結合体の長さ/球形シリカの平均粒径]
の比が4以上でかつ1個所以上の枝分かれを有するもの
が好ましい。
【0019】これらのコロイダルシリカを本発明である
水性有機無機複合塗料中に固形分換算で5〜35質量%
配合させる。5質量%未満では十分な耐食性および耐プ
レスかじり性が得られず、35質量%を越えると塗料密
着性および耐プレスかじり性が劣化する。本発明では上
記水性樹脂およびケイ酸塩化合物の一方または両方、コ
ロイダルシリカ、水とともに分子量6000〜1500
0のポリオレフィンワックスディスパージョンを水性有
機無機複合塗料中に配合して使用する。さらに好ましく
は、実質的に極性基を含まない分子量6000〜150
00、粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワック
スディスパージョンと分子量6000〜15000、酸
価40以下、粒径0.1〜5.0μmの変性ポリオレフ
ィンワックスディスパージョンから選ばれる少なくとも
1種類以上を水性有機無機複合塗料中に配合して使用す
る。
水性有機無機複合塗料中に固形分換算で5〜35質量%
配合させる。5質量%未満では十分な耐食性および耐プ
レスかじり性が得られず、35質量%を越えると塗料密
着性および耐プレスかじり性が劣化する。本発明では上
記水性樹脂およびケイ酸塩化合物の一方または両方、コ
ロイダルシリカ、水とともに分子量6000〜1500
0のポリオレフィンワックスディスパージョンを水性有
機無機複合塗料中に配合して使用する。さらに好ましく
は、実質的に極性基を含まない分子量6000〜150
00、粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワック
スディスパージョンと分子量6000〜15000、酸
価40以下、粒径0.1〜5.0μmの変性ポリオレフ
ィンワックスディスパージョンから選ばれる少なくとも
1種類以上を水性有機無機複合塗料中に配合して使用す
る。
【0020】ポリオレフィンワックスディスパージョン
としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス、ポリブチレンワックスを乳化剤濃度5%以下、好
ましくは乳化剤を用いることなく水または水溶液に分散
させたものを用いる。また、変性ポリオレフィンワック
スディスパージョンとしては、同じくポリエチレンワッ
クス、ポリプロピレンワックス、ポリブチレンワックス
を乳化剤濃度5%以下、好ましくは乳化剤を用いること
なく水または水溶液に分散させたものを用いる。極性基
は、触媒存在下で、ポリオレフィンワックスを酸素、オ
ゾンあるいは硝酸等の酸化剤で酸化処理することによっ
て得られる酸化ポリオレフィンワックス、あるいはアク
リル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸等のエチレン不飽和カルボン酸モ
ノマーとポリオレフィンワックスとをベンゾール等で溶
解し、重合開始剤(パーオキサイド、レドックス、重金
属触媒等)と共に窒素気流中で加熱してグラフト化して
得る。
としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス、ポリブチレンワックスを乳化剤濃度5%以下、好
ましくは乳化剤を用いることなく水または水溶液に分散
させたものを用いる。また、変性ポリオレフィンワック
スディスパージョンとしては、同じくポリエチレンワッ
クス、ポリプロピレンワックス、ポリブチレンワックス
を乳化剤濃度5%以下、好ましくは乳化剤を用いること
なく水または水溶液に分散させたものを用いる。極性基
は、触媒存在下で、ポリオレフィンワックスを酸素、オ
ゾンあるいは硝酸等の酸化剤で酸化処理することによっ
て得られる酸化ポリオレフィンワックス、あるいはアク
リル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸等のエチレン不飽和カルボン酸モ
ノマーとポリオレフィンワックスとをベンゾール等で溶
解し、重合開始剤(パーオキサイド、レドックス、重金
属触媒等)と共に窒素気流中で加熱してグラフト化して
得る。
【0021】ポリオレフィンワックスディスパージョン
および変性ポリオレフィンワックスディスパージョンの
質量平均粒径は0.1〜5.0μmが好ましく、さらに
好ましくは1.0〜4.0μmのものが使用される。質
量平均粒径が0.1μm未満の場合、凝集しやすく安定
性に劣るため好ましくない。また、質量平均粒径が5.
0μmを越えると分散安定性に劣るため好ましくない。
また、質量平均粒径と数平均粒径の比率としては、質量
平均粒径/数平均粒径<3の範囲内であることが好まし
い。
および変性ポリオレフィンワックスディスパージョンの
質量平均粒径は0.1〜5.0μmが好ましく、さらに
好ましくは1.0〜4.0μmのものが使用される。質
量平均粒径が0.1μm未満の場合、凝集しやすく安定
性に劣るため好ましくない。また、質量平均粒径が5.
0μmを越えると分散安定性に劣るため好ましくない。
また、質量平均粒径と数平均粒径の比率としては、質量
平均粒径/数平均粒径<3の範囲内であることが好まし
い。
【0022】ポリオレフィンワックスディスパージョン
および変性ポリオレフィンワックスディスパージョンの
質量平均分子量の範囲としては、6000〜15000
のものが好ましい。質量平均分子量が6000未満では
耐コイル変形性が劣化するため好ましくない。また、質
量平均分子量が15000を越えると耐プレスかじり性
が劣化するため好ましくない。
および変性ポリオレフィンワックスディスパージョンの
質量平均分子量の範囲としては、6000〜15000
のものが好ましい。質量平均分子量が6000未満では
耐コイル変形性が劣化するため好ましくない。また、質
量平均分子量が15000を越えると耐プレスかじり性
が劣化するため好ましくない。
【0023】これらのポリオレフィンワックスディスパ
ージョンおよび変性ポリオレフィンワックスディスパー
ジョンの質量平均分子量の分析方法および条件を以下に
示すが、分子量の分析はこの方法のみに限定されるもの
ではない。 ・分析方法:高温用GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ
ー(gel permeation chromatography)) ・カラム:PS(ポリスチレン)ゲルのミックスタイプ
(2〜4本直列接続) ・溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)、トリクロ
ロベンゼン(TCB)等 ・測定温度:130〜140℃ ・検出器:示差屈折計(RI)もしくは赤外検出器 ・検量線の作成:市販の単分散PSを用いてそれぞれの
分子量に換算。
ージョンおよび変性ポリオレフィンワックスディスパー
ジョンの質量平均分子量の分析方法および条件を以下に
示すが、分子量の分析はこの方法のみに限定されるもの
ではない。 ・分析方法:高温用GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ
ー(gel permeation chromatography)) ・カラム:PS(ポリスチレン)ゲルのミックスタイプ
(2〜4本直列接続) ・溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)、トリクロ
ロベンゼン(TCB)等 ・測定温度:130〜140℃ ・検出器:示差屈折計(RI)もしくは赤外検出器 ・検量線の作成:市販の単分散PSを用いてそれぞれの
分子量に換算。
【0024】また、変性ポリオレフィンワックスディス
パージョンのJIS K 5902で規定される酸価(KO
Hmg/g)の範囲としては、40以下のものが好ましい。
酸価が40を越えると潤滑剤が硬くなるため十分な潤滑
性が得られない。さらに、これらのポリオレフィンワッ
クスディスパージョンおよび変性ポリオレフィンワック
スディスパージョンのJIS K 6760で規定される
密度は950〜1000kg/m3であって、JIS K
2207で規定される硬度(針入度)は0.2mm以
下であって、X線回折法により求められる結晶化度とし
ては80%以上であって、融点は110〜150℃のも
のが好ましい。
パージョンのJIS K 5902で規定される酸価(KO
Hmg/g)の範囲としては、40以下のものが好ましい。
酸価が40を越えると潤滑剤が硬くなるため十分な潤滑
性が得られない。さらに、これらのポリオレフィンワッ
クスディスパージョンおよび変性ポリオレフィンワック
スディスパージョンのJIS K 6760で規定される
密度は950〜1000kg/m3であって、JIS K
2207で規定される硬度(針入度)は0.2mm以
下であって、X線回折法により求められる結晶化度とし
ては80%以上であって、融点は110〜150℃のも
のが好ましい。
【0025】これらのポリオレフィンワックスディスパ
ージョンおよび変性ポリオレフィンワックスディスパー
ジョンから選ばれる少なくとも1種類以上は、水性有機
無機複合塗料中に固形分換算で1〜30質量%配合させ
ることが好ましい。1質量%未満では十分な耐プレスか
じり性が得られず、30質量%を越えると塗料密着性が
劣化するため好ましくない。
ージョンおよび変性ポリオレフィンワックスディスパー
ジョンから選ばれる少なくとも1種類以上は、水性有機
無機複合塗料中に固形分換算で1〜30質量%配合させ
ることが好ましい。1質量%未満では十分な耐プレスか
じり性が得られず、30質量%を越えると塗料密着性が
劣化するため好ましくない。
【0026】これらの水性有機無機複合皮膜の付着量範
囲は乾燥質量として0.3〜5.0g/m2とする。さ
らに好ましくは1.0〜3.0g/m2である。付着量
が0.3g/m2未満では目的とする耐プレスかじり性
が劣り、また5.0g/m2を越えると溶接性が困難と
なるため好ましくない。これらの水性有機無機複合皮膜
を形成させるための塗布方法としては、スプレー、カー
テン、フローコーター、ロールコーター、バーコータ
ー、刷毛塗り、浸漬およびエアナイフ絞り等のいずれの
方法を用いても良い。
囲は乾燥質量として0.3〜5.0g/m2とする。さ
らに好ましくは1.0〜3.0g/m2である。付着量
が0.3g/m2未満では目的とする耐プレスかじり性
が劣り、また5.0g/m2を越えると溶接性が困難と
なるため好ましくない。これらの水性有機無機複合皮膜
を形成させるための塗布方法としては、スプレー、カー
テン、フローコーター、ロールコーター、バーコータ
ー、刷毛塗り、浸漬およびエアナイフ絞り等のいずれの
方法を用いても良い。
【0027】また、焼き付け温度は80〜250℃とす
るのが望ましい。さらに望ましくは用いる潤滑剤の融点
より高い温度とするのが好ましい。80℃未満では、塗
料中の水が完全に揮発しづらいため耐食性が低下し、2
50℃を越えると皮膜の硬化が進みすぎて加工性が低下
するため好ましくない。また、乾燥設備については特に
規制するものではないが、熱風吹き付けによる方法や、
ヒーターによる間接加熱方法、赤外線による方法、誘導
加熱による方法、並びにこれらを併用する方法が採用で
きる。
るのが望ましい。さらに望ましくは用いる潤滑剤の融点
より高い温度とするのが好ましい。80℃未満では、塗
料中の水が完全に揮発しづらいため耐食性が低下し、2
50℃を越えると皮膜の硬化が進みすぎて加工性が低下
するため好ましくない。また、乾燥設備については特に
規制するものではないが、熱風吹き付けによる方法や、
ヒーターによる間接加熱方法、赤外線による方法、誘導
加熱による方法、並びにこれらを併用する方法が採用で
きる。
【0028】本発明の表面処理金属板表面の動摩擦係数
は0.07〜0.15、静摩擦係数が0.10以上であ
るものが好ましい。動摩擦係数が0.15より高い場合
には耐プレスかじり性が劣化し、動摩擦係数が0.07
および静摩擦係数が0.10より低い場合にはと耐コイ
ル変形性に劣るため好ましくない。
は0.07〜0.15、静摩擦係数が0.10以上であ
るものが好ましい。動摩擦係数が0.15より高い場合
には耐プレスかじり性が劣化し、動摩擦係数が0.07
および静摩擦係数が0.10より低い場合にはと耐コイ
ル変形性に劣るため好ましくない。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。 (1)薬剤の種類 実施例に用いた薬剤の一覧を表1に示す。D1とD8を
除くポリオレフィンワックスディスパージョンとして
は、JIS K 6760で規定される密度は950〜1
000kg/m3であって、JIS K 2207で規定
される硬度(針入度)は0.2mm以下であって、X線
回折法により求められる結晶化度としては80%以上で
あって、融点は110〜150℃のものを用いた。
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。 (1)薬剤の種類 実施例に用いた薬剤の一覧を表1に示す。D1とD8を
除くポリオレフィンワックスディスパージョンとして
は、JIS K 6760で規定される密度は950〜1
000kg/m3であって、JIS K 2207で規定
される硬度(針入度)は0.2mm以下であって、X線
回折法により求められる結晶化度としては80%以上で
あって、融点は110〜150℃のものを用いた。
【0030】
【表1】
【0031】(2)金属板の種類 金属板は表2に示すものを用いた。
【0032】
【表2】
【0033】(3)クロメート処理 表2に示すEGおよびZNを、クロム酸50g/l、硫
酸0.3g/lの浴中で電流密度10A/dm2で所定
の電気量を通電して電解型クロメート処理を施し、水洗
した後熱風乾燥炉を用いて到達板温80℃で乾燥した。
また、表2に示すGIについては還元率40%の還元ク
ロム酸とシリカをSiO2/CrO3の比で3となるよう
に配合したクロメート処理液を塗布した後、水洗せずに
乾燥した。尚、クロメート皮膜の付着量は蛍光X線分析
により、Cr換算で定量した。 (4)水性有機無機複合塗料の調整 表1に示す水性樹脂とケイ酸塩化合物の一方または両
方、コロイダルシリカおよびポリオレフィンワックスデ
ィスパージョンを表4〜6に示す比率で配合し、水性有
機無機複合塗料を調整した。 (5)水性有機無機複合塗料の塗布・乾燥方法 (3)に示すクロメート処理を施しためっき金属板に、
(4)で調整した水性有機無機複合塗料を乾燥質量とし
て表4〜6に示す値となるように塗布し、到達板温14
0℃で焼き付け乾燥して評価用サンプルを作製した。ま
た、有機複合皮膜の付着量は塗布時の液膜量を質量法に
より測定して算出した。 (6)性能評価項目 a:平板耐食性 (5)で作製した評価用サンプルを、JIS Z 2371に記載
されている塩水噴霧試験方法に準じて試験し、雰囲気温
度35℃で、5%のNaCl水溶液を塗装鋼板試料に吹き付
け、72時間後の白錆発生率を測定した。以下の評価
で、◎および○を良好と判定した。
酸0.3g/lの浴中で電流密度10A/dm2で所定
の電気量を通電して電解型クロメート処理を施し、水洗
した後熱風乾燥炉を用いて到達板温80℃で乾燥した。
また、表2に示すGIについては還元率40%の還元ク
ロム酸とシリカをSiO2/CrO3の比で3となるよう
に配合したクロメート処理液を塗布した後、水洗せずに
乾燥した。尚、クロメート皮膜の付着量は蛍光X線分析
により、Cr換算で定量した。 (4)水性有機無機複合塗料の調整 表1に示す水性樹脂とケイ酸塩化合物の一方または両
方、コロイダルシリカおよびポリオレフィンワックスデ
ィスパージョンを表4〜6に示す比率で配合し、水性有
機無機複合塗料を調整した。 (5)水性有機無機複合塗料の塗布・乾燥方法 (3)に示すクロメート処理を施しためっき金属板に、
(4)で調整した水性有機無機複合塗料を乾燥質量とし
て表4〜6に示す値となるように塗布し、到達板温14
0℃で焼き付け乾燥して評価用サンプルを作製した。ま
た、有機複合皮膜の付着量は塗布時の液膜量を質量法に
より測定して算出した。 (6)性能評価項目 a:平板耐食性 (5)で作製した評価用サンプルを、JIS Z 2371に記載
されている塩水噴霧試験方法に準じて試験し、雰囲気温
度35℃で、5%のNaCl水溶液を塗装鋼板試料に吹き付
け、72時間後の白錆発生率を測定した。以下の評価
で、◎および○を良好と判定した。
【0034】 ◎ : 白錆発生なし ○ : 白錆発生率 10%未満 △ : 白錆発生率 10%以上、50%未満 × : 白錆発生率 50%以上 b:加工部耐食性 (5)で作製した評価用サンプル試験片に6mmのエリ
クセン加工を施し、JIS Z 2371に記載されている塩水噴
霧試験方法に準じて、雰囲気温度35℃で、5%のNaCl水
溶液を塗装鋼板試料に吹き付け、48時間後の加工部に
おける白錆発生率を測定した。以下の評価で、◎および
○を良好と判定した。
クセン加工を施し、JIS Z 2371に記載されている塩水噴
霧試験方法に準じて、雰囲気温度35℃で、5%のNaCl水
溶液を塗装鋼板試料に吹き付け、48時間後の加工部に
おける白錆発生率を測定した。以下の評価で、◎および
○を良好と判定した。
【0035】 ◎ : 白錆発生なし ○ : 白錆発生率 5%未満 △ : 白錆発生率 5%以上、20%未満 × : 白錆発生率 20%以上 c:塗料密着性 (5)で作製した評価用サンプルに、さらに、バーコー
タを用いて、メラミンアルキッド樹脂塗料(関西ぺイン
ト(株)製、アミラック#1000)を、乾燥膜厚が25μ
mとなるように塗布し、炉温130℃で20分間焼き付けた。
次に、1晩放置した後、沸騰水に30分浸漬したものと
そうでないものについて、7mmエリクセン加工を施
し、粘着テープ(ニチバン(株):商品名セロテープ)
を試験片のエリクセン加工部に張り付けた。粘着テープ
を速やかに斜め45゜の方向に引っ張り、エリクセン加
工部の外観を目視で評価した。以下の評価で、◎および
○を良好と判定した。
タを用いて、メラミンアルキッド樹脂塗料(関西ぺイン
ト(株)製、アミラック#1000)を、乾燥膜厚が25μ
mとなるように塗布し、炉温130℃で20分間焼き付けた。
次に、1晩放置した後、沸騰水に30分浸漬したものと
そうでないものについて、7mmエリクセン加工を施
し、粘着テープ(ニチバン(株):商品名セロテープ)
を試験片のエリクセン加工部に張り付けた。粘着テープ
を速やかに斜め45゜の方向に引っ張り、エリクセン加
工部の外観を目視で評価した。以下の評価で、◎および
○を良好と判定した。
【0036】 ◎ : 剥離なし ○ : 剥離面積率 5%未満 △ : 剥離面積率 5%以上、50%未満 × : 剥離面積率 50%以上 d:連続溶接性 (5)で作製したサンプルを表3に示す条件で連続スポ
ット溶接試験を行い、安定してナゲット径が3mmφ以
上形成できる打点数を求めた。
ット溶接試験を行い、安定してナゲット径が3mmφ以
上形成できる打点数を求めた。
【0037】
【表3】
【0038】以下の評価で◎および○を良好と判定し
た。 ◎ : 打点数5000以上 ○ : 打点数2500以上 5000未満 △ : 打点数1000以上 2500未満 × : 打点数1000未満 e:耐プレスかじり性 (5)で作製したサンプルについて角筒クランクプレス
試験を行った。角筒クランクプレス試験の条件は、しわ
押さえ圧6トンでサンプル(0.8×220×180m
m)を65×115mm、高さ50mmに成形して、成
形後の摺動面を目視にて評価した。以下の評価で◎およ
び○を良好と判定した。
た。 ◎ : 打点数5000以上 ○ : 打点数2500以上 5000未満 △ : 打点数1000以上 2500未満 × : 打点数1000未満 e:耐プレスかじり性 (5)で作製したサンプルについて角筒クランクプレス
試験を行った。角筒クランクプレス試験の条件は、しわ
押さえ圧6トンでサンプル(0.8×220×180m
m)を65×115mm、高さ50mmに成形して、成
形後の摺動面を目視にて評価した。以下の評価で◎およ
び○を良好と判定した。
【0039】 ◎ : 黒化なし ○ : 摺動部の50%未満の面積が黒化、摺動疵あり △ : 摺動部の50%以上の面積が黒化、摺動疵あり × : 下地金属が露出、かじりあり f:耐アブレージョン性試験 (5)で作製したサンプルに、ビニールを介して10g
/cm2の荷重で360回/分の楕円振動を加えて摺動
部にアブレージョンを発生させた。10分間試験を行っ
た後のサンプル表面を目視にて評価した。以下の評価で
◎および○を良好と判定した。
/cm2の荷重で360回/分の楕円振動を加えて摺動
部にアブレージョンを発生させた。10分間試験を行っ
た後のサンプル表面を目視にて評価した。以下の評価で
◎および○を良好と判定した。
【0040】 ◎ : 黒化なし ○ : 摺動部の50%未満の面積が黒化 △ : 摺動部の50%以上の面積が黒化 × : 下地金属が露出 g:静摩擦係数 新東科学製10D型HEIDON静摩擦係数測定装置
で、0.5゜/sec、平面圧子に(5)で作製したバ
リを取り除いた面積25cm2のサンプルを張り付け
て、重さ200gの条件にて(5)で作製したサンプル
どうしの静摩擦係数を測定した。 h:動摩擦係数 新東科学製14S型HEIDON動摩擦係数測定装置
で、10mmφステンレス球摺動、荷重100g、摺動
速度150mm/minの条件にて(5)で作製したサ
ンプルの動摩擦係数を測定した。 i:耐コイル変形性 板厚1mmで摩擦係数が異なる内径508mmの10t
コイルを数種類製造し、このコイルをクレーンにて3回
昇降を行った後、最外巻きの緩みによって生じたコイル
巻き方向(縦方向)最端部のずれ(距離)を測定し、動
摩擦係数、静摩擦係数との関係について調査を行った。
その結果、動摩擦係数、静摩擦係数と巻き緩みによって
生じたコイル巻き方向(縦方向)最端部のずれ(距離)
とは良く対応しており、動摩擦係数が0.07未満、静
摩擦係数が0.10未満では、巻き緩みによるコイル最
端部のずれは50mm以上となったが、動摩擦係数が
0.07以上、静摩擦係数が0.10以上とすること
で、巻き緩みによるコイル最端部のずれを30mm以下
に抑えることができた。そこで、実験室の試験では
7)、8)で測定される動摩擦係数と静摩擦係数を耐コ
イル変形性の指標として用いた。以下の評価で○を良好
と判定した。
で、0.5゜/sec、平面圧子に(5)で作製したバ
リを取り除いた面積25cm2のサンプルを張り付け
て、重さ200gの条件にて(5)で作製したサンプル
どうしの静摩擦係数を測定した。 h:動摩擦係数 新東科学製14S型HEIDON動摩擦係数測定装置
で、10mmφステンレス球摺動、荷重100g、摺動
速度150mm/minの条件にて(5)で作製したサ
ンプルの動摩擦係数を測定した。 i:耐コイル変形性 板厚1mmで摩擦係数が異なる内径508mmの10t
コイルを数種類製造し、このコイルをクレーンにて3回
昇降を行った後、最外巻きの緩みによって生じたコイル
巻き方向(縦方向)最端部のずれ(距離)を測定し、動
摩擦係数、静摩擦係数との関係について調査を行った。
その結果、動摩擦係数、静摩擦係数と巻き緩みによって
生じたコイル巻き方向(縦方向)最端部のずれ(距離)
とは良く対応しており、動摩擦係数が0.07未満、静
摩擦係数が0.10未満では、巻き緩みによるコイル最
端部のずれは50mm以上となったが、動摩擦係数が
0.07以上、静摩擦係数が0.10以上とすること
で、巻き緩みによるコイル最端部のずれを30mm以下
に抑えることができた。そこで、実験室の試験では
7)、8)で測定される動摩擦係数と静摩擦係数を耐コ
イル変形性の指標として用いた。以下の評価で○を良好
と判定した。
【0041】 ○ : 動摩擦係数:0.07以上、静摩擦係数:0.
1以上 × : 動摩擦係数:0.07未満、静摩擦係数:0.
1未満 以上の評価結果を表7〜9に示す。これらの結果より明
らかなように、本発明の技術により耐食性、密着性、溶
接性等の各種性能に優れ、さらに動摩擦係数が0.07
〜0.15、静摩擦係数が0.1以上に制御された耐プ
レスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板
を得ることができる。
1以上 × : 動摩擦係数:0.07未満、静摩擦係数:0.
1未満 以上の評価結果を表7〜9に示す。これらの結果より明
らかなように、本発明の技術により耐食性、密着性、溶
接性等の各種性能に優れ、さらに動摩擦係数が0.07
〜0.15、静摩擦係数が0.1以上に制御された耐プ
レスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板
を得ることができる。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【発明の効果】本発明の表面処理金属板は、耐食性、密
着性、溶接性等の各種性能に優れ、さらに耐プレスかじ
り性を維持しつつ、巻き緩みによるコイル潰れや切り板
パイリング時の荷崩れの問題を改善したものであるた
め、家電、建材および自動車分野向け材料として好適で
ある。また、本発明に係る水性有機無機複合塗料と製造
方法により、良好な耐プレスかじり性と耐コイル変形性
を有する表面処理金属板を市場に提供することができ
る。
着性、溶接性等の各種性能に優れ、さらに耐プレスかじ
り性を維持しつつ、巻き緩みによるコイル潰れや切り板
パイリング時の荷崩れの問題を改善したものであるた
め、家電、建材および自動車分野向け材料として好適で
ある。また、本発明に係る水性有機無機複合塗料と製造
方法により、良好な耐プレスかじり性と耐コイル変形性
を有する表面処理金属板を市場に提供することができ
る。
【図1】本発明の表面処理金属板を説明する図である。
1…ポリオレフィンワックスディスパージョン 2…水性有機無機複合皮膜 3…めっき金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 Z 5/02 5/02 123/02 123/02 201/00 201/00 C23C 22/00 C23C 22/00 Z 22/53 22/53 (72)発明者 宮内 優二郎 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 高橋 彰 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 Fターム(参考) 4D075 BB24Z BB92Z CA06 CA13 CA33 CA48 DA23 DB02 DB05 DB06 DB07 DC01 DC11 DC18 EA06 EA10 EA13 EA19 EB02 EB13 EB14 EB22 EB33 EB38 EB52 EB55 EB56 EB57 EC03 EC22 EC53 EC54 EC60 4F100 AA03B AA20B AB01A AJ11B AK01B AK03 AK24 AK51 AK53 AL06B BA02 EJ69 GB07 GB32 JA07B JB05B JK14 JK20 JL04 YY00B 4J038 CB002 CC061 CG021 CG141 CJ011 CJ131 CJ261 CJ271 CJ281 DA132 DB211 DB281 GA16 HA436 HA446 KA06 MA08 MA10 MA14 NA03 NA12 NA23 PB05 PB07 PB09 PC02 4K026 AA02 AA07 AA12 AA13 AA22 BA01 BA02 BA06 BA12 BB04 BB06 BB08 BB09 BB10 CA16 CA19 CA21 CA27 CA39 CA41 DA02 DA11 DA15 EB08 EB11 4K044 AA02 AB02 BA10 BA14 BA15 BA21 BB04 BC01 BC02 BC04 BC05 BC08 CA11 CA16 CA17 CA18 CA53
Claims (7)
- 【請求項1】 水性樹脂およびケイ酸塩化合物の一方ま
たは両方、更に、分子量が6000〜15000のポリ
オレフィンワックスディスパージョンと固形分換算で5
〜35質量%のコロイダルシリカを含有する水性有機無
機複合皮膜を0.3〜5.0g/m2有することを特徴
とする耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面
処理金属板。 - 【請求項2】 前記ポリオレフィンワックスディスパー
ジョンが、極性基を含まない分子量6000〜1500
0、粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワックス
ディスパージョンと分子量6000〜15000、酸価
40以下、粒径0.1〜5.0μmの変性ポリオレフィ
ンワックスディスパージョンから選ばれる少なくとも1
種類以上であることを特徴とする請求項1に記載の耐プ
レスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属
板。 - 【請求項3】 表面の動摩擦係数が0.07〜0.1
5、静摩擦係数が0.10以上であることを特徴とする
請求項1または2に記載の耐プレスかじり性と耐コイル
変形性に優れた表面処理金属板。 - 【請求項4】 水性樹脂およびケイ酸塩化合物の一方ま
たは両方、更に、分子量が6000〜15000のポリ
オレフィンワックスディスパージョンと固形分換算で5
〜35質量%のコロイダルシリカおよび水を含有するこ
とを特徴とする水性有機無機複合塗料。 - 【請求項5】 前記ポリオレフィンワックスディスパー
ジョンが、極性基を含まない分子量6000〜1500
0、粒径0.1〜5.0μmのポリオレフィンワックス
ディスパージョンと分子量6000〜15000、酸価
40以下、粒径0.1〜5.0μmの変性ポリオレフィ
ンワックスディスパージョンから選ばれる少なくとも1
種類以上であることを特徴とする請求項4に記載の水性
有機無機複合塗料。 - 【請求項6】 請求項4に記載の塗料をめっき金属板に
乾燥質量換算で0.3〜5.0g/m2塗布した後、焼
きつけて水性有機無機複合皮膜を形成することを特徴と
する耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処
理金属板の製造方法。 - 【請求項7】 請求項5に記載の塗料をめっき金属板に
乾燥質量換算で0.3〜5.0g/m2塗布した後、焼
きつけて水性有機無機複合皮膜を形成すること特徴とす
る耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理
金属板の製造方法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001012319A JP2002212754A (ja) | 2001-01-19 | 2001-01-19 | 耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板及びその製造方法 |
TW91100807A TW573062B (en) | 2001-01-19 | 2002-01-18 | Surface-treated metal sheets with excellent press galling resistance and handleability, and process for their manufacture |
MYPI20020196 MY128667A (en) | 2001-01-19 | 2002-01-18 | Surface-treated metal sheets with excellent press galling resistance and handleability, and process for their manufacture |
CNB2005100906977A CN100368098C (zh) | 2001-01-19 | 2002-01-18 | 抗压制擦伤性和耐卷曲变形性优异的表面处理金属板及其制造方法 |
PCT/JP2002/000359 WO2002057510A1 (fr) | 2001-01-19 | 2002-01-18 | Toles traitees en surface presentant une excellente resistance a la trainee dans une presse et a la deformation en spirale et procede de production de ces toles |
KR1020037009542A KR100543157B1 (ko) | 2001-01-19 | 2002-01-18 | 내프레스 스커핑성과 내코일 변형성이 우수한 표면 처리금속판 및 그 제조 방법 |
CN 02803860 CN1276995C (zh) | 2001-01-19 | 2002-01-18 | 抗压制擦伤性和耐卷曲变形性优异的表面处理金属板及其制造方法 |
KR1020057019813A KR20050105288A (ko) | 2001-01-19 | 2002-01-18 | 내프레스 스커핑성과 내코일 변형성이 우수한 표면 처리금속판 및 그 제조 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001012319A JP2002212754A (ja) | 2001-01-19 | 2001-01-19 | 耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002212754A true JP2002212754A (ja) | 2002-07-31 |
Family
ID=18879347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001012319A Pending JP2002212754A (ja) | 2001-01-19 | 2001-01-19 | 耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板及びその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002212754A (ja) |
CN (1) | CN100368098C (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004068031A (ja) * | 2002-08-01 | 2004-03-04 | Jfe Steel Kk | 絶縁皮膜付き電磁鋼板 |
JP2004068032A (ja) * | 2002-08-01 | 2004-03-04 | Jfe Steel Kk | 絶縁皮膜付き電磁鋼板 |
JP2015001696A (ja) * | 2013-06-18 | 2015-01-05 | コニカミノルタ株式会社 | 静電潜像現像用トナー及び電子写真画像形成方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106042866A (zh) * | 2016-08-12 | 2016-10-26 | 安徽省地坤汽车天窗科技有限公司 | 一种带有前梁的天窗框架总成 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3174503B2 (ja) * | 1996-04-01 | 2001-06-11 | 新日本製鐵株式会社 | プレス加工性の優れた表面処理鋼板の製造方法 |
JP3869577B2 (ja) * | 1999-03-16 | 2007-01-17 | 日本パーカライジング株式会社 | 金属材料用水系表面処理剤および表面処理金属板 |
DK1179035T3 (da) * | 1999-03-18 | 2004-09-27 | Akzo Nobel Coatings Int Bv | Overtræksmiddel til metalsubstrater |
-
2001
- 2001-01-19 JP JP2001012319A patent/JP2002212754A/ja active Pending
-
2002
- 2002-01-18 CN CNB2005100906977A patent/CN100368098C/zh not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004068031A (ja) * | 2002-08-01 | 2004-03-04 | Jfe Steel Kk | 絶縁皮膜付き電磁鋼板 |
JP2004068032A (ja) * | 2002-08-01 | 2004-03-04 | Jfe Steel Kk | 絶縁皮膜付き電磁鋼板 |
JP2015001696A (ja) * | 2013-06-18 | 2015-01-05 | コニカミノルタ株式会社 | 静電潜像現像用トナー及び電子写真画像形成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN100368098C (zh) | 2008-02-13 |
CN1727078A (zh) | 2006-02-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2003085171A1 (ja) | 耐傷つき性と耐食性に優れた耐熱処理金属板 | |
JP4416645B2 (ja) | 耐食性に優れた耐熱処理金属板、有機被覆金属板及びリン酸塩処理亜鉛系めっき金属板 | |
JP4747625B2 (ja) | 耐食性と耐疵付き性に優れた表面処理鋼板及びその製造方法 | |
JPH0374908B2 (ja) | ||
JP3464652B2 (ja) | 耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた非クロメート型表面処理金属板及びその製造方法 | |
JP2002212754A (ja) | 耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板及びその製造方法 | |
JP3595490B2 (ja) | 水性有機複合塗料、および耐アブレージョン性および耐プレスかじり性に優れた表面処理金属板とその製造方法 | |
JP2617837B2 (ja) | 摺動性およびプレス加工性に優れた潤滑めっき鋼板の製造方法 | |
JP2834686B2 (ja) | 耐クロム溶出性および加工後耐食性に優れた有機複合被覆鋼板 | |
JP2002210866A (ja) | 耐プレスかじり性と耐コイル変形性に優れた表面処理金属板及びその製造方法 | |
JP3477174B2 (ja) | 非クロメート型表面処理金属板とその製造方法 | |
JP2617838B2 (ja) | 高性能潤滑めっき鋼板の製造方法 | |
JP3963683B2 (ja) | めっき金属板用水系表面処理剤、表面処理金属板とその製造方法 | |
JPH0316726A (ja) | 成型性の優れた潤滑樹脂処理鋼板 | |
JP6772943B2 (ja) | 塗装鋼板 | |
JP2002212747A (ja) | 耐プレスかじり性と耐連続摺動摩耗性に優れた表面処理金属板及びその製造方法 | |
KR100543157B1 (ko) | 내프레스 스커핑성과 내코일 변형성이 우수한 표면 처리금속판 및 그 제조 방법 | |
JP2617835B2 (ja) | 塗料密着性に優れた潤滑めっき鋼板の製造方法 | |
JP3389061B2 (ja) | 加工かじり性およびアース性に優れる塗装金属板 | |
JPH01110140A (ja) | 耐食性、潤滑性に優れた複合被覆鋼板 | |
JP2005206921A (ja) | 非クロメート型表面処理金属板 | |
JP2001288584A (ja) | 耐アブレージョン性および耐プレスかじり性に優れた表面処理金属板 | |
JPH0551762A (ja) | 表面特性に優れた潤滑めつき鋼板の製造方法 | |
JP2862208B1 (ja) | 耐疵付き性に優れた塗装金属板 | |
JP2001288583A (ja) | 耐アブレージョン性および耐プレスかじり性に優れた表面処理金属板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060815 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061219 |