JP3477174B2 - 非クロメート型表面処理金属板とその製造方法 - Google Patents

非クロメート型表面処理金属板とその製造方法

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JP3477174B2 JP2001012327A JP2001012327A JP3477174B2 JP 3477174 B2 JP3477174 B2 JP 3477174B2 JP 2001012327 A JP2001012327 A JP 2001012327A JP 2001012327 A JP2001012327 A JP 2001012327A JP 3477174 B2 JP3477174 B2 JP 3477174B2
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

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  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性に優れる非
クロメート型表面処理金属板に関する。更に、耐食性、
耐プレスかじり性、溶接性に優れる非クロメート型表面
処理金属板に関する。特に、自動車、家電、建材製品等
に多用されている亜鉛系めっき鋼板を素材とする表面処
理分野に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、亜鉛めっき鋼板あるいは亜鉛
合金めっき鋼板は、海水等の塩分を含む雰囲気又は高温
多湿の雰囲気では、表面に白錆が発生して外観を著しく
損ねたり、素地鉄面に対する防錆力が低下したりする
が、この白錆の防止には、従来よりクロメート系の防錆
処理剤が利用されており、例えば、特開平3−1313
70号公報には、オレフィン−α,β−エチレン性不飽
和カルボン酸共重合体樹脂ディスパージョンに水分散性
クロム化合物と水分散性シリカを含有させた樹脂系処理
剤が開示されている。
【0003】一方、最近では特に家電業界において省工
程、省コストの観点から無塗装のまま適用されるものが
増えてきており、耐食性や塗装密着性のみならず耐かじ
り性、耐指紋性、耐結露ムラ性等、鋼板の表面外観品位
に対する様々な性能の要求レベルが高まってきている。
この様な需要家での性能要求に応えるべく、クロメート
処理を施しためっき鋼板上に特殊樹脂をベースとする有
機複合皮膜を形成させた塗装金属板が開発された。例え
ば、特公平4−14191号公報にはクロメート処理を
施しためっき鋼板上に水系有機樹脂に特定の微細な粒度
のコロイドゾルを追加調整した有機複合皮膜を形成さ
せ、耐食性、耐指紋性等の性能向上を図った表面処理鋼
板の製造方法が開示されてる。また、特開平3−394
85号公報には、亜鉛系のめっき鋼板の上にクロメート
処理を施した後、水性樹脂にシリカとガラス転位点(T
g点)が40℃以上のワックスを分散させた塗料を乾燥
重量として0.3〜3.0g/m2被覆したものが開示
されている。また、特開平3−28380号公報には、
電気亜鉛めっき鋼板の上にクロメート処理を施した後、
カルボキシル化したポリエチレン樹脂とテフロン(商
標)潤滑剤からなる塗料を乾燥重量として0.5〜4.
0g/m2被覆した潤滑鋼板が開示されている。さら
に、深絞り加工性の様な、厳しい耐かじり性を必要とす
る需要家の要求に応えるべく、有機皮膜中に固形潤滑剤
を添加して潤滑性を向上させた表面処理鋼板が開発され
た。例えば、特開平6−173037号公報には、エー
テル・エステル型ウレタン樹脂とエポキシ樹脂にシリカ
とポリオレフィンワックスを添加した潤滑皮膜を有する
鋼板が開示されている。
【0004】特公平4−14191号公報では、耐食
性、塗装密着性、耐指紋性および耐結露性等の性能バラ
ンスに優れた表面処理鋼板が開示されており、現在家電
向けの主力商品の一つとして利用されている。また、プ
レス加工時の耐かじり性、取り扱い時の耐傷つき性、輸
送時の耐アブレージョン性等を重視する場合は、特開平
3−39485号公報および特開平3−28380号公
報で開示されているような技術が広く利用されている。
更に、深絞りや強しごきのような非常に過酷なプレス条
件下で成形する場合には、特開平6−173037号公
報で開示されている技術が利用されている。
【0005】このようなクロメート系処理皮膜を有した
表面処理鋼板もしくは、クロメート系処理皮膜の上層に
有機複合皮膜を有した表面処理鋼板は、既知の表面処理
鋼板の中で最も耐食性が良好なものとして認識されてい
る。とは言え、クロメート系処理皮膜は有害元素である
ことが知られている6価クロムを含有しており、そのた
め6価クロムを含有しない表面処理金属板への要求が高
まっている。また、上層有機複合皮膜の密着性、耐食性
を向上させるために、塗装下地処理として使用されるこ
との多い、3価クロムが主体である公知の電解型クロメ
ート、反応型クロメートも、若干の6価クロムを含有す
ることがあるため、将来使用しにくくなる可能性があ
る。このようにクロメート系処理は、鋼板やめっき鋼板
等の一次防錆処理や、塗装や被覆のための下地処理とし
て使用されているが、このクロメート系処理に代わるク
ロムを含有しない処理技術の開発が望まれている。
【0006】クロムを含有しない表面処理技術として、
リン酸亜鉛処理等のリン酸塩処理がある。しかし、リン
酸塩処理は一次防錆処理としてはやや耐食性がクロメー
ト系処理に劣っており、塗装下地としても耐食性を確保
するためにはクロムシーリングが必要であるなど、クロ
メート系処理の代替技術としては不十分である。これら
の問題点を解決するために、特開平5−195244号
公報或いは特開平7−145486号公報においては、
クロムを含まない被覆層を形成する処理方法が提案され
ているが、いずれも従来のクロメート系処理されたもの
と同等の性能、すなわち、クロメート系処理と同等の耐
食性、塗装密着性を満たすに至っていない。
【0007】また、特開平11−106945号公報で
は、水溶性重合体、リン酸、シランカップリング剤を含
む非クロメート型防錆処理剤及び一層処理で金属表面に
処理皮膜を形成させる処理方法が開示されているが、ク
ロメート系処理されたものと同等の加工部の耐食性、前
述した有機樹脂とシリカを主成分とする有機複合皮膜被
覆鋼板並の耐プレスかじり性等を満足するには至ってい
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題に
鑑みたものであり、その目的は、亜鉛または亜鉛合金め
っき鋼板を始めとする金属板に有効な、クロメート系処
理以上の耐食性を有する安価な非クロメート型防錆処理
金属板を提供することにある。加えて、加工部を含む耐
食性や塗装密着性のみならず耐かじり性、耐指紋性、耐
結露ムラ性等、鋼板の表面外観品位に対する様々な性能
の要求レベルの向上に対応し得る安価で溶接可能な非ク
ロメート型防錆処理金属板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねてきた結果、耐食性や塗
装密着性のみならず耐かじり性、耐指紋性、耐結露ムラ
性等、鋼板の表面外観品位に対する様々な性能を向上さ
せるために、有機樹脂と微粒シリカから構成される皮膜
を上層に施すことが有効であることを見出し、有機樹脂
とシランカップリング剤とリン酸成分を組み合わせた下
地処理することで、上層皮膜と亜鉛または亜鉛合金めっ
き鋼板を始めとする金属板との密着性を向上させること
が可能であり、その効果により、クロメート系処理剤を
使用することなく、クロメート系処理同等以上の耐食性
を満足できることを見出した。
【0010】すなわち、本発明の非クロメート型防錆処
理金属板は、水性樹脂とシランカップリング剤とリン酸
成分を含有する皮膜層を下地処理層として有し、その上
層に、固形分として100重量部の有機樹脂と1〜50
重量部の微粒シリカを含有する上層皮膜を0.1〜5g
/m2有することを特徴とする。前記下地処理層は、固
形分としての水性樹脂100重量部に対し、シランカッ
プリング剤を0.1〜3000重量部、リン酸成分(P
含有アニオン成分として)を0.01〜100重量部の
割合で含有することが好ましい。
【0011】前記下地処理層は、固形分換算で、水性樹
脂100重量部に対して1〜2000重量部の微粒シリ
カと0.1〜1000重量部のエッチング性フッ化物の
うちいずれか1種以上をさらに含有することができる。
前記下地処理層に含有されるシランカップリング剤はグ
リシジルエーテル基を有することが好ましい。
【0012】前記下地処理層の付着量は5〜500mg
/m2であることが好ましい。プレス時の耐かじり性、
取り扱い時の耐傷つき性、輸送時の耐摩耗傷性を、更に
向上させたい場合は、前記上層皮膜に、固形分換算で、
有機樹脂100重量部に対して1〜30重量部の潤滑剤
をさらに含有してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
は、クロメート系処理剤を使用することなく、クロメー
ト系処理以上の加工部を含む耐食性、優れた塗装密着
性、プレス時の耐かじり性、耐指紋性、耐結露ムラ性
等、鋼板の高表面外観品位ニーズへの対応に成功したも
のである。
【0014】亜鉛または亜鉛合金めっき鋼板を始めとす
る金属板の、加工部を含む耐食性や塗装密着性のみなら
ずプレス時の耐かじり性、耐指紋性、耐結露ムラ性等、
鋼板の表面外観品位に対する様々な性能を向上させるた
めに、有機樹脂と微粒シリカから構成される皮膜が有効
であることは、これまで多くの報告がなされているが、
下地にクロメート処理を有し、上層皮膜と金属板との密
着性が確保されていることが前提であった。
【0015】従来より、一層処理で下地金属との密着性
を向上させるために、皮膜を形成させる処理剤中にシラ
ンカップリング剤やリン酸成分を添加させる手法は報告
されているが、処理剤のゲル化等の寿命における問題
点、皮膜が硬く脆くなることによる加工性、耐食性、特
に加工部の耐食性等の性能劣化の問題点があった。ま
た、この手法では、下地にクロメート処理がある場合と
同等の下地金属との高度な密着性を担保することは至難
の業であり、耐食性や耐プレスかじり性等のより高度な
品質への発展性には限界がある。
【0016】一方、本発明は、水性樹脂とシランカップ
リング剤とリン酸成分を組み合わせた下地処理と有機樹
脂と微粒シリカから構成される上層皮膜の二層処理にな
っていることを特徴とする。水性樹脂とシランカップリ
ング剤とリン酸成分を同時に組み合わせることで、下地
金属と上層皮膜との密着性を飛躍的に向上させることが
できる。強固な密着性の担保は、腐食因子の遮蔽効果に
よる耐食性の向上にも寄与している。リン酸成分は下地
金属の表面をエッチングする効果があり、性能の安定化
にも大きな効果がある。更に、上層の有機樹脂と微粒シ
リカから構成される皮膜との相乗により、加工部を含む
耐食性や塗装密着性のみならず耐プレスかじり性、耐指
紋性、耐結露ムラ性等、鋼板の表面外観品位に対する様
々な性能を向上させることができる。二層処理で機能を
分離することにより、前述した処理剤寿命、性能劣化の
課題は容易に解消できる。更に、より高度な品質への発
展性も期待できる。
【0017】以下本発明の実施の形態を詳述する。本発
明において適用可能な下地金属板は、鉄、鉄基合金、ア
ルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金を包含
する。任意に金属板上にめっきしためっき金属板を使用
することもでき、めっき金属板としては、亜鉛めっき金
属板、亜鉛−ニッケルめっき金属板、亜鉛−鉄めっき金
属板、亜鉛−クロムめっき金属板、亜鉛−アルミニウム
めっき金属板、亜鉛−チタンめっき金属板、亜鉛−マグ
ネシウムめっき金属板、亜鉛−マンガンめっき金属板等
の亜鉛系の電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき鋼板、
アルミニウムまたはアルミニウム合金めっき金属板、鉛
または鉛合金めっき金属板、錫または錫合金めっき金属
板、さらにはこれらのめっき層に少量の異種金属元素あ
るいは不純物としてコバルト、モリブデン、タングステ
ン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガ
ン、鉄、マグネシウム、鉛、アンチモン、錫、銅、カド
ミウム、ヒ素等を含有したもの、または/およびシリ
カ、アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものが
含まれる。さらには、以上のめっきと他の種類のめっ
き、例えば鉄めっき、鉄−りんめっき等と組み合わせた
複層めっきにも適用可能である。めっき方法は特に限定
されるものではなく、公知の電気めっき法、溶融めっき
法、蒸着めっき法、分散めっき法、真空めっき法等いず
れの方法でもよい。また、これらの金属板には、下地処
理前に、湯洗、アルカリ脱脂などの通常の処理を行うこ
とができる。
【0018】本発明で用いる下地処理は、水性樹脂、シ
ランカップリング剤、リン酸成分を含有する薬液を塗布
し、乾燥することを特徴としている。下地処理に使用す
る水性樹脂としては、水溶性樹脂のほか、本来水不溶性
でありながらエマルジョンやサスペンジョンのように水
不溶性樹脂が水中に微分散された状態になりうるもの
(水分散性樹脂)を含めて言う。このような水性樹脂と
して使用できる樹脂としては、特に制限はないが、ポリ
オレフィン系樹脂、アクリルオレフィン系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系
樹脂、フェノール系樹脂、その他の加熱硬化型の樹脂な
どを例示でき、架橋可能であることがより好ましい。有
機樹脂は2種類以上を混合してあるいは共重合して使用
してもよい。これらの中で、特に上層皮膜との濡れ性、
密着性を考慮する場合、酸価および/もしくは水酸基価
等が高い樹脂を選定することが望ましい。
【0019】下地処理に使用するシランカップリング剤
としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニ
ルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
メトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−
クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノ
プロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、オクタ
デシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル
〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アンモニ
ウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(トリエ
トキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オ
クタデシルジメチル〔3−(メチルジエトキシシリル)
プロピル〕アンモニウムクロライド、メチルトリクロロ
シラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシ
ランなどを挙げることができるが、グリシジルエーテル
基を有するγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、あるいはγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ランなどを使用すると、上層皮膜との密着性は更に向上
する。
【0020】シランカップリング剤の含有量は固形分換
算で、水性樹脂100重量部に対して、0.1〜300
0重量部であることが好ましい。0.1重量部未満で
は、下地金属及び上層皮膜との十分な密着性が得られ
ず、耐食性も十分ではない。3000重量部を超える
と、加工性、耐食性、特に加工部の耐食性が劣化した
り、また処理剤の状態で樹脂がゲル化して不具合を生じ
ることがある。
【0021】下地処理に使用するリン酸成分としては、
正リン酸(H3PO4)、次亜リン酸(H3PO2)、亜リ
ン酸(H3PO3)、ピロリン酸(H427)、トリポ
リリン酸(H5310)及び化学式がHX+2X
3X+1(但しXは3以上の整数)の縮合リン酸の全ての酸
及びその塩が含まれる。特に、正リン酸塩、亜リン酸
塩、次亜リン酸塩、ピロリン酸塩は経済的であるため好
ましい。
【0022】リン酸成分(P含有アニオン成分として)
の含有量は固形分換算で、水性樹脂100重量部に対し
て、0.01〜100重量部であることが好ましい。
0.01重量部未満では、下地金属及び上層皮膜との十
分な密着性が得られず、耐食性も十分ではない。100
重量部を超えると、加工性、耐食性、特に加工部の耐食
性が劣化したり、また処理剤の状態で樹脂がゲル化して
不具合を生じることがある。
【0023】本発明における下地処理は、微粒シリカを
含むことができる。下地処理が微粒シリカを含む場合、
上層皮膜との密着性や耐食性が向上する。下地処理に使
用する微粒シリカとしては、球状、線状、あるいは枝分
かれを有する球形シリカが結合した数珠状シリカのいず
れを用いても良い。球状シリカの場合、粒子径が5〜5
0nm、線状シリカの場合、直径5〜50nmで長さ/
太さの比率が1〜5に化学的に結合したもの、枝分かれ
を有する数珠状シリカの場合、[結合体の長さ/球形シ
リカの平均粒径]の比が4以上でかつ1個所以上の枝分
かれを有するものが好ましい。一次粒子径が50nmを
超えると、緻密な皮膜を形成しがたく、上層皮膜との密
着性や耐食性が劣化する場合がある。微粒シリカの種類
としては、水分散性シリカ、微粉末シリカ等を使用する
ことができる。水分散性シリカとは微細な粒径をもつた
めに水中に分散させた場合に水分散状態を維持でき、半
永久的に沈降が認められないような特性を有するシリカ
を総称していうものである。水分散性シリカとしては、
耐食性の観点からナトリウムなどの不純物が少ないもの
が好ましい。例えば、「スノーテックスN」、「スノー
テックスC」、「スノーテックスUP」、「スノーテッ
クスPS」(以上日産化学工業製)、「アデライトAT
−20Q」、「アデライトAT−20N」(以上旭電化
工業製)などの市販のシリカゲルを使用することができ
る。シリカ微粉末は一般に乾式シリカと称され、「アエ
ロジル#300」(日本アエロジル製)などの微粉末シ
リカなどを用いることができる。微粒シリカは、必要と
される性能に応じて、適宜選択すればよい。
【0024】微粒シリカの含有量は固形分換算で、水性
樹脂100重量部に対して、1〜2000重量部である
ことが好ましい。1重量部未満では、添加の効果が少な
く、2000重量部を超えると、耐食性向上の効果が飽
和して不経済であるほか、処理皮膜が硬くなりすぎ、皮
膜割れなどが発生して耐食性や上層皮膜との密着性が低
下することもある。
【0025】さらに、本発明における下地処理は、エッ
チング性フッ化物を含むことができる。下地処理がエッ
チング性フッ化物を含む場合、上層皮膜との密着性が向
上、安定化する。本発明において、エッチング性フッ化
物としては、フッ化亜鉛四水和物、ヘキサフルオロけい
酸亜鉛六水和物、ジルコンフッ化水素酸、チタンフッ化
水素酸、ケイフッ化水素酸等を使用することができる。
エッチング性フッ化物の含有量は固形分換算で、水性樹
脂100重量部に対して0.1〜1000重量部である
ことが好ましい。0.1重量部未満では、添加の効果が
少なく、1000重量部を超えると、耐食性向上の効果
が飽和して不経済である。
【0026】金属板に下地処理層を形成するには、上述
の下地処理剤を金属板に塗布し、加熱、乾燥する。これ
らの下地処理層の付着量は固形分換算で5〜500mg
/m2であることが好ましい。5mg/m2未満では、十
分な効果が得られず、下地金属や上層皮膜との密着性や
耐食性が低下する場合がある。500mg/m2を超え
ても、かえって、下地金属や上層皮膜との密着性が低下
する場合がある。
【0027】これらの下地処理層を形成させるための塗
布方法としては、スプレー、カーテン、フローコータ
ー、ロールコーター、バーコーター、刷毛塗り、浸漬お
よびエアナイフ絞り等のいずれの方法を用いても良い。
また、到達加熱温度としては、50〜250℃がよい。
50℃未満では、十分な成膜性が得られないので、下地
金属や上層皮膜との密着性や耐食性が低下したり、外観
ムラが発生したりする。一方、250℃を超えると、有
機物である樹脂やシランカップリング剤のアルキル部分
が熱分解等の変性を起こしたり、処理皮膜が硬くなり過
ぎて、下地金属や上層皮膜との密着性や耐食性が低下す
る。70〜160℃がより好ましい。
【0028】また、乾燥設備については特に規制するも
のではないが、熱風吹き付けによる方法や、ヒーターに
よる間接加熱方法、赤外線による方法、誘導加熱による
方法、並びにこれらを併用する方法が採用できる。ま
た、使用する水性樹脂の種類によっては、紫外線や電子
線などのエネルギー線によって硬化させることもでき
る。
【0029】本発明で使用する上層皮膜は有機樹脂、微
粒シリカを含有する薬液を下地処理した金属板の上層に
塗布、焼付乾燥することを特徴としている。上層皮膜に
使用する有機樹脂としては、水系樹脂、溶剤系樹脂、粉
体系樹脂、無溶剤系樹脂のどのような形態でもよい。こ
こで言う水系樹脂とは水溶性樹脂のほか、本来水不溶性
でありながらエマルジョンやサスペンジョンのように水
不溶性樹脂が水中に微分散された状態になりうるもの
(水分散性樹脂)を含めて言う。有機樹脂として使用で
きる樹脂としては、特に制限はないが、ポリオレフィン
系樹脂、アクリルオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキ
シ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、フェ
ノール系樹脂、その他の加熱硬化型の樹脂などを例示で
き、架橋可能であることがより好ましい。有機樹脂は2
種類以上を混合してあるいは共重合して使用してもよ
い。また、必要により各種メラミン樹脂、アミノ樹脂等
の架橋剤を添加してもよい。これらの中で、特に性能面
とコストの両面を考慮する場合、アクリルオレフィン系
樹脂、アクリル系樹脂を用いるのが好ましい。また、厳
しい深絞り加工を必要とする場合には硬さと伸びを兼ね
備えたウレタン系樹脂を用いるのが好ましい。
【0030】上層皮膜に使用する微粒シリカとしては、
球状、線状、あるいは枝分かれを有する球形シリカが結
合した数珠状シリカのいずれを用いても良い。球状シリ
カの場合、粒子径が5〜50nm、線状シリカの場合、
直径5〜50nmで長さ/太さの比率が1〜5に化学的
に結合したもの、枝分かれを有する数珠状シリカの場
合、[結合体の長さ/球形シリカの平均粒径]の比が4以
上でかつ1個所以上の枝分かれを有するものが好まし
い。一次粒子径が50nmを超えると、緻密な皮膜を形
成しがたく、耐食性が劣化する場合がある。微粒シリカ
の種類としては、水分散性シリカ、微粉末シリカ、有機
溶剤分散性シリカ等を使用することができる。水分散性
シリカとは微細な粒径をもつために水中に分散させた場
合に水分散状態を維持でき、半永久的に沈降が認められ
ないような特性を有するシリカを総称していうものであ
る。水分散性シリカとしては、耐食性の観点からナトリ
ウムなどの不純物が少ないものが好ましい。例えば、
「スノーテックスN」、「スノーテックスC」、「スノ
ーテックスUP」、「スノーテックスPS」(以上日産
化学工業製)、「アデライトAT−20Q」、「アデラ
イトAT−20N」(以上旭電化工業製)などの市販の
シリカゲルを使用することができる。シリカ微粉末は一
般に乾式シリカと称され、「アエロジル#300」(日
本アエロジル製)などの微粉末シリカなどを用いること
ができる。有機溶剤分散性シリカとはいわゆるオルガノ
シリカゾルであって、例えば米国特許第2,285,4
49号に記載されている製造方法によって有機溶剤に分
散されたものが挙げられる。すなわち、コロイダルシリ
カゾル水分散液における水を有機溶剤で置換したシリカ
ゾルであって、メタノール、イソプロパノール、ブチル
セロソルブなどのアルコール類を分散媒体にしたものが
特に有用である。微粒シリカは、処理剤中の樹脂の分散
形態や必要とされる性能に応じて、適宜選択すればよ
い。
【0031】本発明における上層皮膜は、潤滑剤を含む
ことができる。潤滑剤の種類としては有機系潤滑剤、無
機系潤滑剤のいずれでもよいが、皮膜形成後の潤滑性を
考慮すると有機系潤滑剤が好ましい。有機系潤滑剤とし
ては、平均粒径20μm以下のポリオレフィン系樹脂微
粉末が有効である。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン等のオレフィン系炭化水素の重合体からなるも
のであればいずれでもよいし、これらを組み合わせても
よい。また上記ポリオレフィン系樹脂微粉末は、品質上
の観点から重量平均分子量が500以上のものが好まし
い。重量平均分子量が500未満では樹脂皮膜の表面に
べとつきが生じ、コイル貯蔵時等においてブロッキング
を生じることがあり好ましくない。上記ポリオレフィン
系樹脂微粉末の他に、フッ素系樹脂、例えばポリ四フッ
化エチレン樹脂、ポリ六フッ化ポリプロピレン樹脂、ポ
リフッ化ビニリデン樹脂等の微粉末を使用してもよい
し、上記ポリオレフィン系樹脂微粉末を組み合わせて用
いてもよい。無機系潤滑剤としてはグラファイト、二硫
化モリブデン等を用いてもよい。
【0032】潤滑剤の含有量は固形分換算で、水性樹脂
100重量部に対して、1〜30重量部であることが好
ましい。1重量部未満では、添加の効果が少なく、30
重量部を超えると塗料密着性が劣化することがあるため
好ましくない。更に好ましくは2〜15重量部の範囲で
ある。また、これらの上層皮膜は必要に応じて界面活性
剤、防錆抑制剤、消泡剤等も添加しても良い。
【0033】これらの上層皮膜の付着量範囲は乾燥重量
として0.1〜5g/m2とする。さらに好ましくは
0.3〜3.0g/m2である。付着量が0.1g/m2
未満では耐食性が劣り、また5.0g/m2を越えると
溶接性が困難となるため好ましくない。これらの上層皮
膜を形成させるための塗布方法としては、スプレー、カ
ーテン、フローコーター、ロールコーター、バーコータ
ー、刷毛塗り、浸漬およびエアナイフ絞り等のいずれの
方法を用いても良い。
【0034】また、到達焼き付け温度は80〜250℃
とするのが望ましい。80℃未満では、塗料中の水が完
全に揮発しづらいため耐食性が低下し、250℃を越え
ると有機物である樹脂のアルキル部分が熱分解等の変性
を起こしたり、皮膜の硬化が進みすぎて耐食性や加工性
が低下したりするため好ましくない。70〜160℃が
より好ましい。
【0035】また、乾燥設備については特に規制するも
のではないが、熱風吹き付けによる方法や、ヒーターに
よる間接加熱方法、赤外線による方法、誘導加熱による
方法、並びにこれらを併用する方法が採用できる。ま
た、使用する有機樹脂の種類によっては、紫外線や電子
線などのエネルギー線によって硬化させることもでき
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。 (1)金属板の種類 金属板は表1に示すものを用いた。
【0037】
【表1】
【0038】(2)下地処理薬剤の種類 実施例に用いた下地処理薬剤の一覧を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】(3)下地処理薬剤の調整 表1に示す水性樹脂、シランカップリング剤、リン酸成
分、微粒シリカ、エッチングフッ化物を表5、6、9に
示す比率で配合し、下地処理薬剤を調整した。 (4)下地処理薬剤の塗布・乾燥方法 (1)に示すめっき金属板に、(2)で調整した水性有
機無機複合塗料を乾燥重量として表5、6、9に示す値
となるようにロールコーターで塗布し、熱風炉で表5、
6、9に示す到達板温で焼き付け乾燥して評価用サンプ
ルを作製した。また、下地処理皮膜の付着量は表5、
6、9に示した。 (5)上層皮膜薬剤の種類 実施例に用いた上層皮膜薬剤の一覧を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】(6)上層皮膜薬剤の調整 表3に示す有機樹脂、微粒シリカ、潤滑剤を表7、8、
10に示す比率で配合し、上層皮膜薬剤を調整した。 (7)下地処理薬剤の塗布・乾燥方法 (4)に示す下地処理を施しためっき金属板に、(6)
で調整した上層皮膜薬剤を乾燥重量として表7、8、1
0に示す値となるようにロールコーターで塗布し、熱風
炉で表7、8、10に示す到達板温で焼き付け乾燥して
評価用サンプルを作製した。また、上層皮膜の付着量は
表7、8、10に示した。 (8)性能評価項目 1)上層皮膜の密着性 (7)で製作した評価用サンプルについて、JISK5
400に規定されるエリクセン試験機で、試験される上
層皮膜が凸部になるように7mm押し出して、押し出し
た部分に粘着テープ(ニチバン(株) :商品名セロテ
ープ)を張り付けた。粘着テープを速やかに斜め45゜
の方向に引っ張り、押し出し部の外観を目視で判定し
た。目視で評価しにくい場合には、メチルバイオレット
の3%アセトン溶液で染色し、染色された部分には皮膜
が存在し、染色されない部分には皮膜が存在しない、と
して密着性を判定した。判定基準は以下の通りで、◎お
よび○を良好と判定した。
【0043】 ◎ : 皮膜の剥離なし ○ : 20%未満の面積が剥離 △ : 50%未満の面積が剥離 × : 50%以上の面積が剥離 2)平板耐食性 (7)で作製した評価用サンプルを平板(切断ままの鋼
板の端面部と裏面部をシール)のまま、JISZ237
1に記載されている塩水噴霧試験を行い、72時間後の
白錆発生率を測定した。以下の評価で、◎および○を良
好と判定した。
【0044】 ◎ : 白錆発生なし ○ : 白錆発生率 10%未満 △ : 白錆発生率 10%以上、50%未満 × : 白錆発生率 50%以上 3)加工部耐食性 (7)で作製した評価用サンプルについてJISK54
00に規定されるエリクセン試験機で、試験される上層
皮膜が凸部になるように6mm押し出して(エリクセン
試験機で6mm押し出した鋼板の端面部と裏面部をシー
ル)、JISZ2371に記載されている塩水噴霧試験
を行い、48時間後の押し出し部における白錆発生率を
測定した。以下の評価で、◎および○を良好と判定し
た。
【0045】 ◎ : 白錆発生なし ○ : 白錆発生率 5%未満 △ : 白錆発生率 5%以上、20%未満 × : 白錆発生率 20%以上 4)塗料密着性 (7)で作製した評価用サンプルに、さらに、バーコー
ターを用いて、メラミンアルキッド樹脂塗料(関西ぺイ
ント(株)製、アミラック#1000)を、乾燥膜厚が20
μmとなるように塗布し、炉温130℃で20分間焼き付け
た。次に、1晩放置した後、沸騰水に30分浸漬したも
のとそうでないものについて、7mmエリクセン加工を
施し、粘着テープ(ニチバン(株) :商品名セロテー
プ)を試験片のエリクセン加工部に張り付けた。粘着テ
ープを速やかに斜め45゜の方向に引っ張り、エリクセ
ン加工部の外観を目視で評価した。以下の評価で、◎お
よび○を良好と判定した。
【0046】 ◎ : 剥離なし ○ : 剥離面積率 5%未満 △ : 剥離面積率 5%以上、50%未満 × : 剥離面積率 50%以上 5)連続溶接性 (7)で作製したサンプルを表4に示す条件で連続スポ
ット溶接試験を行い、安定してナゲット径が3mmφ以
上形成できる打点数を求めた。
【0047】
【表4】
【0048】以下の評価で◎および○を良好と判定し
た。 ◎ : 打点数5000以上 ○ : 打点数2500以上 5000未満 △ : 打点数1000以上 2500未満 × : 打点数1000未満 6)耐プレスかじり性 (7)で作製したサンプルで角筒クランクプレス試験を
行った。角筒クランクプレス試験の条件は、しわ押さえ
圧4トンでサンプル(0.8x220x180mm)を
65x115mm、高さ30mmに成形して、成形後の
摺動面を目視にて評価した。以下の評価で◎および○を
良好と判定した。
【0049】 ◎ : 黒化なし ○ : 摺動部の50%未満の面積が黒化、摺動疵あり △ : 摺動部の50%以上の面積が黒化、摺動疵あり × : 下地金属が露出、かじりあり 7)耐指紋性 (7)で作製したサンプルで耐指紋性試験を行った。耐
指紋性試験は、実指をサンプルに3秒間押し付け、その
指紋跡の目立ち具合を目視で評価した。以下の評価で◎
および○を良好と判定した。
【0050】 ◎ : 指紋跡が分からないもの ○ : よく観察して指紋跡が分かるもの △ : 指紋跡がやや目立つもの × : 指紋跡がたいへん目立つもの 以上の評価結果を表5〜10に示す。本発明の技術によ
り耐食性、塗装密着性、耐プレスかじり性、耐指紋性等
の各種性能に優れ、溶接可能な表面処理金属板を得るこ
とができる。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】
【発明の効果】本発明により、処理皮膜中に有害な6価
クロムなどのクロムを含有することなく、耐食性や塗装
密着性のみならずプレス時の耐かじり性、耐指紋性、耐
結露ムラ性等、鋼板の表面外観品位に対する様々な性能
に優れた溶接可能な表面処理金属板を提供することが可
能になり、特に、自動車、家電、建材分野向け材料とし
て好適である。従って、本発明は工業的価値の極めて高
い発明といえる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 103/02 C10M 103/02 Z 103/06 103/06 C 107/02 107/02 107/38 107/38 125/26 125/26 143/00 143/00 145/14 145/14 145/20 145/20 145/22 145/22 149/18 149/18 169/04 169/04 173/02 173/02 C23C 22/36 C23C 22/36 28/00 28/00 C // C10N 10:12 C10N 10:12 20:06 20:06 Z 30:06 30:06 30:12 30:12 50:02 50:02 50:08 50:08 80:00 80:00 (72)発明者 高橋 彰 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (56)参考文献 特開2000−248369(JP,A) 特開 平7−34030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/07 B05D 7/24 301 B05D 7/24 303 B32B 15/08 C09K 3/00 C10M 103/02 C10M 103/06 C10M 107/02 C10M 107/38 C10M 125/26 C10M 143/00 C10M 145/14 C10M 145/20 C10M 145/22 C10M 149/18 C10M 169/04 C10M 173/02 C23C 22/36 C23C 28/00 C10N 10:12 C10N 20:06 C10N 30:06 C10N 30:12 C10N 50:02 C10N 50:08 C10N 80:00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性樹脂とシランカップリング剤とリン
    酸成分を含有する皮膜層を下地処理層として有し、その
    上層に、固形分として100重量部の有機樹脂と1〜5
    0重量部の微粒シリカを含有する上層皮膜を0.1〜5
    g/m2有することを特徴とする表面処理金属板。
  2. 【請求項2】 前記下地処理層が、固形分としての水性
    樹脂100重量部に対し、シランカップリング剤を0.
    1〜3000重量部、リン酸成分を0.01〜100重
    量部含有することを特徴とする請求項1記載の表面処理
    金属板。
  3. 【請求項3】 前記下地処理層が、固形分換算で、水性
    樹脂100重量部に対して1〜2000重量部の微粒シ
    リカと0.1〜1000重量部のエッチング性フッ化物
    のうちいずれか1種以上をさらに含有することを特徴と
    する請求項1または2記載の表面処理金属板。
  4. 【請求項4】 前記下地処理層に含有されるシランカッ
    プリング剤がグリシジルエーテル基を有することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の表面処理金
    属板。
  5. 【請求項5】 前記下地処理層の付着量が固形分換算で
    5〜500mg/m 2であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一つに記載の表面処理金属板。
  6. 【請求項6】 前記上層皮膜が、固形分換算で、有機樹
    脂100重量部に対して1〜30重量部の潤滑剤をさら
    に含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一
    つに記載の表面処理金属板。
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