JPH01110140A - 耐食性、潤滑性に優れた複合被覆鋼板 - Google Patents

耐食性、潤滑性に優れた複合被覆鋼板

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JPH01110140A
JPH01110140A JP26782687A JP26782687A JPH01110140A JP H01110140 A JPH01110140 A JP H01110140A JP 26782687 A JP26782687 A JP 26782687A JP 26782687 A JP26782687 A JP 26782687A JP H01110140 A JPH01110140 A JP H01110140A
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steel sheet
coated steel
corrosion resistance
chromate
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JP26782687A
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Satoshi Ikeda
聡 池田
Nobukazu Suzuki
鈴木 信和
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、亜鉛もしくは亜鉛合金メッキ鋼板(以下、こ
れらを総称して亜鉛系メッキ鋼板という)のメッキ面上
に、下層のクロメート皮膜と上層の複合有機皮膜とを設
けた、耐食性と潤滑性に優れた複合被覆鋼板に関する。
本発明の複合被覆鋼板は、そのままで高耐食性と加工性
とを備えているので、事務機器、家電製品、音響機器、
鋼製家具、複写機部品、自動車内製部品などのように、
加工した後に無塗装もしくは部分塗装のみで使用される
用途に特に適しているが、塗膜密着性も良好であるので
、加工後に塗装される用途にも有用である。
(従来の技(ネi) 亜鉛系メッキ鋼板は、従来から防錆を目的としたクロメ
ート処理を施されるのが一般的であった。
しかし、その目的の多くは鋼板の製造時から需要家が使
用するまでの一時防錆効果でしかなく、その耐食性は、
例えば塩水噴霧試験(JIS Z 2371)において
24〜48時間程度で発錆に至るといった低レベルであ
る。そのため、実際の使用にあたっては、成形加工後に
防錆処理として塗装を施すのが一般的であった。
クロメート処理の耐食性を改善するため、クロメート皮
膜中にコロイダルシリカなどの各種添加剤を含有させた
り、あるいはクロメート皮膜の上にさらに有機樹脂系の
皮膜を形成する技術が開発されている。このような耐食
性改善により、近年に至り、表面処理鋼板を製品に成形
加工後、コスト低減のためにそのまま無塗装あるいは部
分塗装のみで使用されることが多くなってきた。
このように無塗装あるいは部分塗装で使用される表面処
理亜鉛系メッキ鋼板には、耐食性と潤滑性の改善が特に
要求される。しかし、従来の表面処理鋼板では、これら
の特性の改善が十分でないために、プレス加工やロール
フォーミング加工などによる成形加工時に加工部に疵が
つき、この部分の耐食性が劣化するという問題点があっ
た。塗装用鋼板にあっても、成形加工が複雑化および苛
酷化していることから、潤滑性の改善が要求されている
表面処理亜鉛系メッキ鋼板における潤滑性を改善する手
段として、クロメート皮膜の上に固体潤滑剤を含有する
有機樹脂皮膜を形成した複合被覆鋼板が各種提案されて
いる。
例えば、特開昭60−103185号には、亜鉛系メッ
キ鋼板の表面に、第1層として通常のクロメート皮膜を
、その上の第2層として、複合リン酸アルミニウム、ク
ロム酸塩、防錆顔料、ポリオレフィンワックス、二硫化
モリブデンおよび非常に少量のシリコーン樹脂を含有す
るウレタン変性エポキシ樹脂から形成したクロメート含
有樹脂皮膜を形成した、耐食性と潤滑性を備えた2層ク
ロメート処理鋼板が記載されている。
特開昭61−227178号に記載の表面処理鋼板では
、クロメート皮膜の上に、固体潤滑剤を含有するアクリ
ル系樹脂皮膜を形成することにより潤滑性を改善してい
る。特開昭61−2’27179号では、上記表面処理
鋼板の上層のアクリル系樹脂皮膜に、固体潤滑剤の他に
クロム酸塩およびシリカゾルを含有させることにより耐
食性向上を図っている。さらに、特開昭62−3378
1号では、上層のアクリル系樹脂皮膜中に、クロム酸塩
、シリカゾル、固体潤滑剤と潤滑油の混合物、シランお
よび/もしくはチタネートカップリング剤、および有色
顔料を含有させて、皮膜密着性の改善を図っている。
しかし、これらの従来技術には次のような問題点がある
ことが判明した。
(])ワックス類や潤滑油類を添加したものは、塗装し
た場合の塗料選択性が強いため、−船釣に使われている
メラミンアルキッド系塗料では十分な塗膜密着性が得ら
れにくい。また、ワックスや潤滑油は皮膜の表面に濃縮
するが、そのガラス転移温度が高すぎると潤滑性が低下
し、低すぎるとブロッキング(粘着)を生じやすいので
、選択が難しい。
(2)固体潤滑剤を単に添加しただけでは、樹脂皮膜の
膜厚が薄いと、潤滑剤と樹脂との結合がゆるいために樹
脂皮膜が多孔性となり、耐食性は固体潤滑剤添加前より
も著しく劣化する。一方、樹脂皮膜が厚すぎると、抵抗
溶接が不可能となり、加工性も低下する。
(3)クロメート皮膜を多層にすると、製品の着色、耐
指紋性等の面で十分な性能が得られず、また、クロメー
ト層が厚くなりすぎると、塗装後に密着性を評価した場
合にクロメート皮膜の凝集破壊が起こることで示される
ように、塗膜密着性が低下する。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、無塗装用途および塗装用途にいずれにも使用
できるように、耐食性と潤滑性が改善され、しかも塗装
性、耐指紋性、溶接性を兼ね備えた表面処理鋼板を提供
することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成すべく検討した結果、コ
ロイダルシリカとエポキシ樹脂を含有させたアクリル系
樹脂に、固体潤滑剤を予めチタネートカップリング剤で
処理してから添加することにより、皮膜が緻密化され、
樹脂皮膜が薄くても固体潤滑剤の添加による耐食性の劣
化が起こらず、樹脂層にクロメートを存在させなくても
十分に高い耐食性を確保できることを見出し、本発明に
到達した。
ここに、本発明の要旨は、亜鉛もしくは亜鉛合金メッキ
鋼板のメッキ表面上にクロメート皮膜を形成し、更にそ
の上に、全固形分に基づいて、コロイダルシリカ5〜4
0重量%、チタネートカップリング剤で表面処理された
固体潤滑剤3〜20重量%、エポキシ樹脂2〜30重量
%、および残部アクリル系樹脂からなる複合有機皮膜を
形成した、複合被覆鋼板である。
(作用) 以下、本発明についてより詳しく説明する。
本発明の複合被覆鋼板の母材は、亜鉛系メッキ鋼板であ
る。下地の亜鉛系メッキは、鉄地が露出した時に犠牲防
食作用により鋼板を保護する。亜鉛系メッキは、電気メ
ッキ、溶融メッキ、蒸着メッキのいずれでも良く、目付
量や亜鉛合金の場合の組成は、用途に応じて必要な耐食
性のレベル、コストなどの観点から選択することができ
る。亜鉛系メッキ鋼板には、合金化亜鉛メッキ鋼板や上
層が亜鉛系メッキの複層メッキ鋼板も包含される。
本発明の被覆鋼板の下層皮膜はクロメート皮膜である。
クロメート皮膜の形成法には特に制限はなく、常法によ
り反応型、塗布型、電解型のいずれの方法でも適用でき
る。但し、クロムの固定率((80℃温水2時間浸漬後
のCr付着量/80 を温水2時間浸漬前のCr付着量
jxloo)が60%以上のものが好ましい。クロム固
定率が60%未満のクロメート皮膜は、上層の複合有機
皮膜を形成する際にクロムが溶出する恐れがある。
クロメート皮膜の付着量は、Crとして3〜200■/
nl、特に5〜180■/イの範囲内が好ましい。
3■/d未満ではクロメート皮膜による耐食性が十分に
得られないことがある。一方、200■/イを超える厚
いクロメート皮膜は、加工性が低下し、加工時にクロメ
ート皮膜の凝集破壊が起こることがある。そうなると、
上層の複合有機皮膜の密着性が得られない。上層を適用
する前に、下層のクロメート被膜を適当な温度で乾燥し
ておく。
本発明の複合被覆鋼板の上層皮膜は、全固形分に基づい
て(1)コロイダルシリカ5〜40重量%、(2)チタ
ネートカップリング剤で表面処理された固体潤滑剤3〜
20重量%、(3)エポキシ樹脂2〜30重量%、およ
び(4)残部アクリル系樹脂からなる、クロム酸塩を含
有しない複合有機皮膜である。
コロイダルシリカは、別名シリカゾルとも呼ばれ、安定
な水性ゾルとして各種粒径のものが市販されている〔例
、デュポン社製の1udox %口座化学のスノーテッ
クス(いずれも商品名)〕。コロイダルシリカは、ケイ
素がシロキサン結合により重合した構造を有し、表面に
多数のシラノール基を持っている。コロイダルシリカの
添加により、粒子表面のシラノール基が皮膜に導入され
、この極性基の存在により皮膜の下地クロメートとの密
着性が大幅に向上するため、耐食性が著しく改善される
。また、コロイダルシリカは樹脂皮膜を硬くする効果も
ある。
コロイダルシリカの粒径は3〜30mμの範囲内が好ま
しい。粒径3mμ未満のゾルは安定して得にくく、また
粒径30mμを超えると、シリカの比表面積が低下し、
シラノール基の導入量が十分でない場合がある。コロイ
ダルシリカの添加量が5重量%未満では、シラノール基
の導入量が少なく、耐食性向上効果が発揮されない。一
方、添加量が40重量%を超えると、皮膜が硬くなりす
ぎ、加工性が低下する。なお、アエロジル(商品名)と
して市販されているような気相コロイダルシリカは、添
加後に二次、三次凝集を起こす傾向があり、分散安定性
が悪いので、その使用はあまり好ましくない。
固体潤滑剤は、水分散性が良好で、皮膜の耐食性や密着
性を低下金せないものであれば、任意のものが使用でき
る。例えば、窒化ホウ素やフン化黒鉛なども使用できる
が、グラファイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸カ
ルシウムが価格面や性能から好ましく、特にステアリン
酸カルシウムが好ましい。
固体潤滑剤の添加量は、上層皮膜固形分の3〜20重量
%、好ましくは5〜15重量%の範囲内である。3重量
%未満では、潤滑側添加による潤滑性向上効果が十分で
はなく、20重量%を超えると、皮膜が硬くなって加工
性が損なわれるため、加工後の耐食性が得られにくくな
る。
本発明の特徴として、固体潤滑剤は、塗布用樹脂液中に
添加する前に、予めチタネートカップリング剤による表
面処理を施しておく。
チタネートカップリング剤としては、水溶性のものの他
に、水不溶性のものをアミンアダクト法により水に可溶
化したものも使用可能である。水溶性カンブリング剤の
例は、イソプロピルトリ (N−アミノエチル−アミノ
エチル)チタネート、ジ−n−ブトキシ−ビス(トリエ
タノールアミナト)チタン、ジヒドロキシビス (ラク
タト)チタンなどである。アミンアダクト法により水に
可溶化して使用されるチタネートカップリング剤の例に
は、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキジアセ
テートチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパ
イロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)エチレンナタネートなどがある。
固体潤滑剤のチタネートカップリング剤による表面処理
は、乾式法、溶剤スラリー法、湿式法等により行うこと
ができる。チタネートカップリング剤の付着量は、固体
潤滑剤の重量の0.1〜1.5重量%程度でよい。
固体潤滑剤をこのようにチタネートカップリング剤で予
め表面処理すると、固体潤滑剤の粒子表面にチタネート
カップリング剤が結合し、それにより固体潤滑剤の表面
にチタネートカップリング剤がもっている官能基を導入
することができる。
このような固体潤滑剤を本発明で使用する樹脂(アクリ
ルおよびエポキシ樹脂)に含有させると、表面処理によ
り導入された潤滑剤表面の官能基が樹脂中の官能基と化
学的に結合するため、緻密な複合有機皮膜が得られる。
そのため、上述したような固体潤滑剤の添加による耐食
性の低下が本発明では効果的に防止され、薄い樹脂膜厚
でも高い耐食性を確保することができる。
なお、特開昭61−227179号に記載のように固体
潤滑剤とチタネートカップリング剤とを別々に樹脂含有
塗布液に加えた場合には、塗膜にした場合のチタネート
カップリング剤と固体潤滑剤の反応が十分でなく、チタ
ネートカップリング剤の添加効果が得られにくいので、
本発明の固体潤滑剤をカップリング剤で予め表面処理し
ておく場合に比べて、耐食性の改善効果は小さい。これ
を補うためにチタネートカップリング剤を大量に添加す
ると、逆に耐食性が損なわれる。また、シランカップリ
ング剤は、シリカに対する効果は大きいものの、グラフ
ァイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸カルシウムな
どの固体潤滑剤との反応性がなく、添加による耐食性改
善効果が小さいので、本発明では使用しない。
上述した表面処理固体潤滑剤と樹脂との化学的結合を促
進するために、チタネートカップリング剤で表面処理さ
れた固体潤滑剤を、予め本発明で使用するアクリル系樹
脂およびエポキシ樹脂の一方もしくは両方と反応させて
もよい。それにより、より一層の耐食性の改善が図られ
る。この反応は、例えば、少量のアクリル系樹脂の水溶
液もしくは水分散液に表面処理固体潤滑剤を添加し、必
要に応じて加温しながら充分攪拌することにより行うこ
とができる。
上層皮膜の樹脂成分は、アクリル系樹脂およびエポキシ
樹脂であり、いずれも水溶性もしくは水分散性のものを
使用し、チタネートカップリング剤が有している官能基
と反応する官能基を有するものが好ましい。このような
条件を満たすものであれば、各種の樹脂を使用すること
ができる。
アクリル系樹脂としては、水溶液型もしくはエマルショ
ン型のアクリル系塗料を使用することができ、これは、
例えば、アルキルアクリレートおよびメタクリレートを
主モノマー成分とし、これ重合して得られる。
エポキシ樹脂は、アクリル系樹脂やチタネートカップリ
ング剤との架橋により樹脂の緻密化と硬化を促進する作
用を示す。それにより、耐食性と耐薬品性がさらに向上
する。また、樹脂表面に存在するエポキシ官能基は、塗
装の焼付時に塗料中の官能基と結合するので、エポキシ
樹脂を含有させると塗膜密着性も著しく向上する。本発
明で使用しうるエポキシ樹脂の例には、低分子量のビス
フェノールA型エポキシエマルション、水溶性の2官能
または多官能性グリシジルエーテル型エポキシ樹脂があ
る。
エポキシ樹脂の添加量は、上層皮膜固形分の2〜30重
量%、好ましくは3〜20重量%の範囲内である。2重
量%未満ではエポキシ樹脂添加の効果が不十分であり、
30重量%を超えるとエポキシ樹脂による皮膜の硬化が
進みすぎ、皮膜の加工性が劣化する。
アクリル系樹脂の量は、コロイダルシリカ、固体潤滑剤
およびエポキシ樹脂の添加量が決まると自動的に決定さ
れるが、皮膜物性から50〜80重量%の範囲内となる
ようにすることが望ましい。
上層の複合有機皮膜の形成は、エポキシ樹脂およびアク
リル系樹脂の水溶液もしくは水分散液に、コロイダルシ
リカとチタネートカップリング剤で表面処理された固体
潤滑剤とを添加・混合して塗布液を調製し、これをロー
ル塗布、ドクターブレード、浸漬塗布、スプレー塗布な
どの適当な方法により亜鉛系メッキ鋼板のクロメート皮
膜上に塗布し、樹脂を焼付・架橋させることにより行わ
れる。塗布液調製時の成分の添加順序は特に制限されな
い。塗布液には、皮膜特性に実質的な悪影響がない限り
、上記以外の任意添加成分(例、顔料は、使用する樹脂
種により大きく変動するので、使用したアクリル、エポ
キシおよびチタネートカップリング剤の種類に応じて適
宜決定する。
上層の複合樹脂皮膜の付着量は、0.3〜2g/mの範
囲内が好ましい。0.3g/rd未満では、上層を設け
たことによる耐食性、潤滑性、塗膜密着性の改善効果が
十分に発揮されない。2g/n?を超えると、スポット
溶接などの抵抗溶接が不可能となる。
しかし、かしめ加工や接着加工などのように抵抗溶接に
よらない加工法で使用する場合には、上層の付着量が2
g/m2を超えるものも使用できる。ただ争、その場合
でも、上層の付着量はLog/ rd以下が好ましく、
それより厚くなると加工性の劣化が著しい。
(実施例) 次に実施例により本発明の効果を具体的に例証する。
ス薯華」2佳り暇JJd幻迷しヱ立 各種の亜鉛系電気もしくは溶融メッキ鋼板(鋼板厚み0
.8N、両面メッキ)のメッキ面に、脱脂後、クロメー
ト処理液(Cr” 8 g/ Il、 Cr”18g/
 12、Sing 52 g/ J含有)を浸漬塗布し
た後、ロールスクイズし、加熱乾燥して、各種付着量の
クロメート皮膜を形成した。次いで、アクリル系樹脂水
性エマルションにコロイダルシリカ、チタネートカップ
リング剤で表面処理された固体潤滑剤およびエポキシ樹
脂を添加・混合することにより調製した塗布液をロール
コーティングによりクロメート皮膜上に塗布し、300
℃で1.5分の皮膜の焼付を行い、複合被覆鋼板を得た
。上層の複合有機皮膜の形成に使用した材料は次の通り
である。
コロイダルシリカ: 平均粒径3〜7mμ、7〜10mμ、15〜25mμの
コロイダルシリカの水性ゾル。
固体潤滑剤ニ ステアリン酸カルシウム(平均−成粒径2p)、グラフ
ァイト (平均−成粒径51M1)、または二硫化モリ
ブデン(平均−成粒径3p)。
チタネートカップリング剤: A:イソプロピルトリ (N−アミノエチル−アミノエ
チル)チタネート、 Bニジ−n−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト
)チタン、 C:ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセ
テートチタネート、 D=ニジヒドロキシビスラクタト)チタン、E:イソプ
ロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネ
ート、 F:ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンナ
タネート。
エポキシ樹脂: a:ビスフェノールA型エマルション(平均分子量約9
00)、 b=ニジグリシジルエーテル(エチレン−ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル)(エポキシ当量11
0)、 C:ポリグリシジルエーテル型(ソルビトールポリグリ
シジルエーテル)(エポキシ当量180)。
アクリル系樹脂: 水分散性スチレン化アクリルエマルション、分子量約1
0,000.酸価約20゜ 固体潤滑剤は、湿式法によりチタネートカップリング剤
で表面処理したものを用いた。
得られた複合被覆鋼板の試験片を用いて、次の要領で耐
食性、加工性および塗装時の塗膜密着性を試験し、試験
結果をメッキ鋼板および上下の皮膜の詳細と共に、下記
第1表に示す。
試題方迭 耐食性試験: JIS Z 2371による塩水噴霧試験(5%食塩水
、温度35℃)で平板状試験片における白錆発生までの
時間により評価。
加工性試験: 円筒絞り試験(絞り比1.8、ブランクホルダー圧1 
ton)で試験片の外壁の疵付き状況を目視検査して評
価。加工性評価基準は、 0:疵付きまったくなしく良) △:疵付き少しあり   ↓ ×:疵付き多い    (不良) 塗装性試験: 試験片にメラミンアルキッド樹脂塗料を乾燥塗膜厚が3
0un±1pとなるようにスプレー法で塗布し、180
℃で20分焼付けて塗膜を形成する。
その後、鋼素地に達する深さで1顛角のゴバン目を10
0個けがき、80℃の温水中に2時間浸漬した後、セロ
ハンテープ剥離を行う。塗膜密着性は塗膜の残存率によ
り評価する。
第1表の結果かられかるよ・)に、本発明のよる実施例
では、いずれの被覆鋼板も耐食性、加工性および塗膜密
着性のすべてについて良好な結果を示した。ただし、実
施例10の複合被覆鋼板は、上層の膜厚が2.5g/n
(と厚いために、スポット溶接不能であったが、それ以
外のものは溶接可能であった。
これに対して、コロイダルシリカを添加しないか(比較
例2)、または下層のクロメート皮膜を設けないと(比
較例4)、耐食性が著しく低下し、固体潤滑剤のチタネ
ートカップリング剤による表面処理を省略するか(比較
例1)、またはエポキシ樹脂を添加しないと(比較例5
)、耐食性の著しい低下と共に、塗膜密着性も非常に低
下する。
また、固体潤滑剤を添加しないと(比較例3)、耐食性
は良好に保持されるが、皮膜の潤滑性が乏しいために加
工性は著しく悪化し、加工後に無塗装で使用することは
実質的に無理である。
実施例11 前記実施例と同様の方法により、電気Znメッキ鋼板(
目付量20g/m2)に、クロメート皮膜と複合有機皮
膜を形成して、複合被覆鋼板を得た。
下層クロメート皮膜のCr付着量は50〜60■/dで
あり、上層複合皮膜は膜厚0.7〜1.2g/m2であ
った。上層の複合有機皮膜は、前記実施例に用いたのと
同様の材料から形成され、その塗布液の組成は、固形分
に基づいて、各種粒径のコロイダルシリカ10重量%、
イソプロピル(N−アミノエチル−アミノエチル)チタ
ネートで表面処理されたステアリン酸カルシウム10重
量%、およびポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂6
%、残部アクリル系樹脂であった。
得られた複合被覆網板の耐食性を前記と同様に塩水噴霧
試験により評価し、結果(平板部での白錆発生までの時
間)をコロイダルシリカの平均粒径との関係で第1図の
グラフに示す。
第1図から、シリカの粒径が30mμを超えると、耐食
性が低下する傾向があることがわかる。
実施例12 コロイダルシリカの添加量を変動させて、実施例11を
繰り返した。上層の複合有機皮膜は、平均粒径約10m
μのコロイダルシリカを各種の添加量で添加した塗布液
(その他の組成は実施例11と同じ)から形成した。
得られた複合被覆鋼板の試験片に7鶴のエリクセン張出
し加工を施した後、塩水噴霧試験に供した。平板部およ
びエリクセン張出し部での白錆発グラフとして示す。
第2図(a)は、平板部での結果であり、コロイダルシ
リカの添加量が5重量%以上では高い耐食性が得られる
ことがわかる。第2図(blは、エリクセン張出し部で
の結果を示し、コロイダルシリカの添加量が40重量%
を超えると加工性の劣化のために耐食性が低下すること
がわかる。
尖隻拠り 固体潤滑剤の添加量を変動させて実施例11を繰り返し
た。上層の複合有機皮膜の形成には、平均粒径約10m
μのコロイダルシリカ20重量%と各種添加量の実施例
11と同じ表面処理ステアリン酸カルシウムとを含有さ
せた塗布液(その他の組成は実施例11と同じ)を使用
した。
得られた複合被覆鋼板の試験片に、7 vanのエリク
セン張出し加工を施した後、加工性を実施例1〜10と
同様の加工部の疵付き状況により目視評価し、さらに塩
水噴霧試験によりエリクセン張出し部の白錆発生までの
時間を測定した。結果を、第3図(b)(加工部施行き
性)および第3図(萄(塩水噴霧試験)に、表面処理ス
テアリン酸カルシウムの添加量に対してグラフで示す。
第3図(alおよび(blから、表面処理固体潤滑剤の
添加量が3〜20重量%の範囲内ですぐれた耐食性およ
び加工性が得られることがわかる。
火搭性U エポキシ樹脂の添加量を変えて実施例13を繰り返した
。表面処理ステアリン酸カルシウムの添加量は10重量
%、コロイダルシリカ(平均粒径約10mμ)の添加量
は20重量%であった。
得られた複合被覆鋼板の試験片に、711のエリクセン
張出し加工を施した後、塩水噴霧試験によリエリクセン
張出し部における白錆発生までの時間を測定した。結果
を第4図に示す。゛第4図かられかるように、エポキシ
樹脂の添加量2〜30重量%の範囲内ですぐれた耐食性
および加工性が得られることがわかる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明の複合被覆鋼板
は、アクリル系樹脂にコロイダルシリカとチタネートカ
ップリング剤で表面処理した固体潤滑剤とエポキシ樹脂
を適量で含有させた上層皮膜を設けたことにより、耐食
性と潤滑性に優れた性能を示し、しかも上層にクロメー
トを存在させないので塗装性(塗膜密着性)や耐指紋性
をも兼ね備えている。したがって、本発明は、無塗装や
部分塗装用に有用であるのみならず、塗装用途に使用で
きる、汎用の表面処理鋼板を提供する。また、本発明の
被覆鋼板は、膜厚が薄い場合には抵抗溶接が可能であり
、そのような薄い皮膜を設けた場合でも上記の優れた特
性を保持でき□るので、コスト面でも有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図(alおよび(bl、第3図Ta)およ
び(bl、ならびに第4図は、それぞれ実施例の試験結
果を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)亜鉛もしくは亜鉛合金メッキ鋼板のメッキ表面上
    にクロメート皮膜を形成し、更にその上に、全固形分に
    基づいて、コロイダルシリカ5〜40重量%、チタネー
    トカップリング剤で表面処理された固体潤滑剤3〜20
    重量%、エポキシ樹脂2〜30重量%、および残部アク
    リル系樹脂からなる複合有機皮膜を形成した、複合被覆
    鋼板。
  2. (2)前記クロメート皮膜が、3〜200mg/m^2
    のCr付着量を有するものである、特許請求の範囲第1
    項記載の複合被覆鋼板。
  3. (3)前記複合有機皮膜の付着量が0.2〜2g/m^
    2である、特許請求の範囲第1項または第2項記載の複
    合被覆鋼板。
  4. (4)前記チタネートカップリング剤で表面処理された
    固体潤滑剤が、予め前記エポキシ樹脂およびアクリル系
    樹脂の一方もしくは両方と反応させたものである、特許
    請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の複合
    被覆鋼板。
  5. (5)前記コロイダルシリカが粒径3〜30mμのもの
    である、特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか
    に記載の複合被覆鋼板。
  6. (6)前記固体潤滑剤が、グラファイト、二硫化モリブ
    デンおよびステアリン酸カルシウムから選ばれた1種も
    しくは2種以上である、特許請求の範囲第1項ないし第
    5項のいずれかに記載の複合被覆鋼板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5393605A (en) * 1991-12-12 1995-02-28 Nkk Corporation Zinciferous plated steel sheet excellent in press-formability and corrosion resistance
EP0783924A1 (en) * 1996-01-10 1997-07-16 Nkk Corporation Organic composite coated steel plate
US5700561A (en) * 1993-07-29 1997-12-23 Kawasaki Steel Corporation Chromated metal sheet having high corrosion resistance with improved lubricity and electric conductivity
JP2017529409A (ja) * 2014-06-23 2017-10-05 サウスワイヤー・カンパニー・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーSouthwire Company,Llc 耐uv性超疎水性コーティング組成物

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